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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149298
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】壁パネル構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/72 20060101AFI20251001BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20251001BHJP
   E04B 1/61 20060101ALI20251001BHJP
【FI】
E04B2/72 C
E04B1/343 M
E04B1/61 502P
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049848
(22)【出願日】2024-03-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2025-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000150936
【氏名又は名称】株式会社田窪工業所
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 拓矢
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA53
2E125AE12
2E125BC02
2E125BD01
2E125CA05
2E125CA71
(57)【要約】
【課題】物置の内部への雨水の進入を防止できる壁パネル構造を提供する。
【解決手段】複数枚のパネル単体1,1を互いに連結する壁パネル構造であって、パネル単体1は、その一側縁において断面コ形に形成された第1係合板3と、同壁パネル単体の他側縁において断面コ形に形成された第2係合板4とを備えており、一方のパネル単体1の第1係合板3に他方の壁パネル単体1の第2係合板4を被せて係合するよう構成されている。係合した状態の第1係合板3と第2係合板4の間には、隣接するパネル単体1,1の隙間から進入した雨水を下方に流す通水空間10が設けられている。隣接するパネル単体1,1の隙間から進入した雨水は通水空間10により重力によって下方に流して、地上に排出することができる。このため物置内の収容物を濡らすことがない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のパネル単体を互いに連結して壁パネルを構成する壁パネル構造であって、
パネル単体は、その一側縁において断面コ形に形成された第1係合板と、同壁パネル単体の他側縁において断面コ形に形成された第2係合板とを備えており、
隣接する一対のパネル単体のうち、一方のパネル単体の第1係合板に他方の壁パネル単体の第2係合板を被せて係合するよう構成されており、
係合した状態の第1係合板と第2係合板の間には、隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水を下方に流す通水空間が設けられている
ことを特徴とする壁パネル構造。
【請求項2】
前記第1係合板が、前記パネル単体に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから断面コ形に形成されており、
前記第2係合板が、前記パネル単体に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから断面コ形に形成されており、
前記通水空間は、前記第1係合板の前記折り板部と前記背面板部との間を傾斜板部で連結して前記第2係合板との間に形成した空間である
ことを特徴とする請求項1記載の壁パネル構造。
【請求項3】
前記第1係合板と前記第2係合板とは、
両係合板のそれぞれの背面板部に通したボルトで結合されている
ことを特徴とする請求項2記載の壁パネル構造。
【請求項4】
前記第1係合板および前記第2係合板それぞれの前記折り板部は、いずれもパネル単体のパネル面に対して直角に屈曲しており、
前記遊端板部は、いずれもパネル単体のパネル面に対して同じ傾斜角を以ってパネル面側に向け延びている
ことを特徴とする請求項2記載の壁パネル構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁パネル構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、鋼板製の物置等に関する壁パネル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より鋼板製の壁パネルを組合せて物置やガレージ等を構成した製品があり、その技術分野の従来技術として特許文献1がある。
【0003】
特許文献1の物置は、複数枚の壁パネルを結合して構成されている。その壁パネル構造は、パネル101の一方端に形成される結合板と、同パネル101の他方端に形成される係合板とから断面視で略四角の箱形に形成されるものである。
具体的には、図5(特許文献1の第4図に対応)に示すように、パネルの一方端において、そのパネルに対して内方向きに交差して延びる折込部101aを有する第1パネル101と、パネルの他方端において、パネルに対して内方向きに交差して延びる折込部101e、その折込部101eに連続して延び折込部101eの背面側を覆う配置の折返し部101bと、さらに折返し部101bから壁パネルに向かって延びる折込み片101fを有する第2パネル101とからなる。
【0004】
そして、両パネル101の2枚の折込部101a,101eは重ねて配置され、いずれにも小径の取付孔101cと大径の取付孔101dが形成されている。
大径の取付孔101dから裏当て用の板ナットを挿し込みボルト104(図6参照)を通して締結すると、第1パネル101と第2パネル101が結合される。図5では2枚の折込部101a,101eの間に隙間があるように描かれているが、ボルト締結した後は密着する。また、雨水洩れ防止のため、取付孔101dの周囲にはパッキンが当てがわれる。
【0005】
しかるに、2枚のパネル101,101の折込部101aと折込部101eはボルト締結によって密着したとしても、パネルが鋼板製である以上非常にわずかな隙間は生じてしまう。そのため大雨や暴風雨の発生時には、雨水が折込部101a,101eの間の隙間に進入してしまう。
【0006】
図6は、上記従来技術における雨水進入時のイメージ図である。wは雨水を示しており、壁パネル101の外表面に付着している。この雨水wの一部は折込部101a,101eの間の隙間(現実には密着しているが、分かりやすくするため隙間を大きく描いている)に大雨や暴風雨による庫外からの雨の水圧や毛細管現象等により断面箱形の係合部の内部に雨水が進入する(矢印y1)。そして係合部の内部に入った雨水は折込み片101fの先端とパネル板101との間の隙間から庫内へ出ていく(矢印y2)。このため、物置内の収納物が濡れてしまうという問題がある。また、図5に示す取付孔101c,101dからの水の進入を防止するためパッキンが使用されているが、経年劣化することによりパッキンの隙間から雨水が進入する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭62-7776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、物置の内部への雨水の進入を防止できる壁パネル構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の壁パネル構造は、複数枚のパネル単体を互いに連結して壁パネルを構成する壁パネル構造であって、パネル単体は、その一側縁において断面コ形に形成された第1係合板と、同壁パネル単体の他側縁において断面コ形に形成された第2係合板とを備えており、隣接する一対のパネル単体のうち、一方のパネル単体の第1係合板に他方の壁パネル単体の第2係合板を被せて係合するよう構成されており、係合した状態の第1係合板と第2係合板の間には、隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水を下方に流す通水空間が設けられていることを特徴とする。
第2発明の壁パネル構造は、第1発明において、前記第1係合板が、前記パネル単体に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから断面コ形に形成されており、前記第2係合板が、前記パネル単体に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから断面コ形に形成されており、前記通水空間は、前記第1係合板の前記折り板部と前記背面板部との間を傾斜板部で連結して前記第2係合板との間に形成した空間であることを特徴とする。
第3発明の壁パネル構造は、第2発明において、前記第1係合板と前記第2係合板とは、両係合板のそれぞれの背面板部に通したボルトで結合されていることを特徴とする。
第4発明の壁パネル構造は、第2発明において、前記第1係合板および前記第2係合板それぞれの前記折り板部は、いずれもパネル単体のパネル面に対して直角に屈曲しており、前記遊端板部は、いずれもパネル単体のパネル面に対して同じ傾斜角を以ってパネル面側に向け延びていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1発明によれば、隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水は第1係合板と第2係合板の間に形成されている通水空間により重力によって下方に流して、地上に排出することができる。このため物置内の収容物を濡らすことがない。
第2発明によれば、通水空間は、第1係合板の折り板部と背面板部との間を傾斜板部で連結して第2係合板との間に形成した空間であるので、第1係合板と第2係合板の隙間から進入した雨水を排出することができる。
第3発明によれば、第1係合板と第2係合板とは、それぞれの背面板部に通したボルトで結合されているが、このボルト係合位置は雨水を流す通水空間から距離をとって離れている。そのため、ネジ孔から物置内への雨水の進入を防止できる。
第4発明によれば、第1係合板および第2係合板それぞれの遊端板部は、いずれもパネル単体のパネル面に対して同じ傾斜角を以ってパネル面側に向け延びているので、第1係合板に第2係合板を被せて結合するとき、傾斜面のガイド作用によって第1係合板の遊端板部に対し第2係合板の遊端板部が嵌まり、互いに密着し隙間が無くなる。また、組立作業も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】2枚のパネル単体1,1を組合せた状態の横断面図と、係合部7の拡大横断面図である。
図2】2枚のパネル単体1,1を示す斜視図である。
図3】2枚のパネル単体1,1を組合せた状態の斜視図と、その平面図である。
図4】本発明に係る壁パネル構造における雨水進入防止作用を示すイメージ図である。
図5】従来技術の壁パネル構造の部分斜視図である。
図6】従来技術における雨水進入を説明するイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
以下の実施形態は、物置に適用した壁パネル構造である。
図2は2枚のパネル単体1,1を示している。各パネル単体1,1は、凹凸のある波形鋼板を用いたパネル板2と、その両側縁に形成された第1係合板3および第2係合板4と、パネル板2の上端に形成された上縁板5と下端に形成された下縁板6とから構成されている。
物置の側壁は上記のパネル単体1を複数枚連結した壁パネルで構成される。隣接するパネル単体1,1を連結する手段が第1係合板3と第2係合板4である。
【0013】
図3図2に示したパネル単体1,1を連結した状態を示している。
図中左側のパネル単体1の第1係合板3には図中右側のパネル単体1の第2係合板4が被せられ、ボルト締結することで連結されている。以下、この部分を係合部7ということがある。
【0014】
図1に示すように、第1係合板3は、パネル単体1に連続する折り板部31と、この折り板部31に連続する背面板部32と、この背面板部32に連続する遊端板部33とから断面コ形に形成されている。この第1係合板3は、パネル板2の一方の端縁を折り曲げ成形して構成されている。
第2係合板4は、パネル単体1に連続する折り板部41と、この折り板部41に連続する背面板部42と、この背面板部42に連続する遊端板部43とから断面コ形に形成されている。この第2係合板4は、パネル板2の他方の端縁を折り曲げ成形して構成されている。
【0015】
第1係合板3の折り板部31と背面板部32との間は直角に接続されているのではなく、傾斜板部34を介在させて連結している。傾斜板部34は背面板部32に対し約45°で傾斜し、折り板部31に対しても約45°で傾斜しているが、これらの角度についてはとくに制約はなく後述する通水空間10が充分に確保できるなら、任意の角度で接続してよい。
【0016】
第2係合板4における折り板部41と背面板部42との接続部は直角に交わっており、この角部に対し第1係合板3の傾斜板部34が対面しているので、そこの間には断面三角形の空間が形成される。この空間が通水空間10となる。なお、折り板部41と背面板部42の交差角は正確に直角であることを要するものではなく、直角よりもやや小さい角度であってもよく、やや大きい角度であってもよい。
【0017】
第1係合板3と第2係合板4とは、両係合板のそれぞれの背面板部32,42に形成した挿通孔に挿し込み式の板ナット9を通してボルト8で結合されている(図3の符号8,9も参照)。本実施形態では、挿し込み式の板ナット9を用いて背面板部32と背面板部42を結合しているが、背面板部32にバーリング加工等によるネジ孔を加工する方法や、ボルトとナットの組みあわせで板部同士を固定するものであってもよい。このようにしてボルト8を用いて、背面板部32と背面板部42を結合すると、第1係合板3と第2係合板4を互いに強固に結合することができる。
この係合部7において、ボルト8を通すボルト係合位置は雨水を流す通水空間10から距離をとって離れている。そのため、ボルト挿通孔から物置内への雨水の進入を防止できる。
【0018】
第1係合板3および第2係合板4それぞれの折り板部31,41は、いずれもパネル単体1のパネル板2に対して略直角に屈曲している。一方、両係合板3,4の遊端板部33,43は、いずれもパネル板2に対してほぼ同じ傾斜角を以ってパネル板2側に向け傾斜して延びている。パネル板2に対する傾斜角は、85°から50°位の間で任意に選択できる。
【0019】
図3に示すように、複数枚のパネル単体1を連結する場合は、第1係合板3の上から第2係合板4を被せてから結合する。
この被せる結合形態を考慮したとき遊端板部33のパネル板2に対する傾斜角は、遊端板部43の傾斜角よりも1°から5°位の間で小さくすることもできる。この場合、第1係合板3の上から第2係合板4を被せてから結合する際に折り板部31,41の間の隙間をより密着させることができる。
【0020】
第1係合板3と第2係合板4を結合する際には、図1から理解できるように、第1係合板の遊端板部33の傾斜面に対し第2係合板の遊端板部43の傾斜面が滑るように嵌まり、互いのガイド作用によって相互に密着し隙間が無い状態となる。また、このガイド作用があることで2枚のパネル単体1,1を結合する組立作業が容易となる。
【0021】
つぎに、本実施形態における雨水進入防止作用を図4に基づき説明する。
同図において、wは雨水を示し、細点で表現している。台風時のように、雨量も多く吹き付け風圧も強い状況下では、雨水wはパネル板2の外面に付着するだけでなく、2枚の折り板部31,41の間からも進入する。折り板部31,41は本来は密着しているが、鋼板同士の密着であるため、非常に小さな隙間は避けられず(なお、図4では隙間を拡大して描いている)、大雨や暴風雨による庫外からの雨の水圧や毛細管現象等によって雨水が進入するからである。
【0022】
このように進入してきた雨水が通水空間10に至ると、空間の大きい通水空間10では表面張力が働かないので、雨水は重力によって下方に落下する。そして、壁パネルを連結する下枠部材に形成した孔等を通じ地表に排水される。よって、パッキン等による別途の止水処理は不要になる。
以上のように、本実施形態の壁パネル構造によれば、雨水を通水空間10を通じて下方に流して、地上に排出することができる。このため物置内の収容物を濡らすことがない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は上記に説明した物置に限られず、ガレージやLPガス容器保管庫など屋外で使用する箱型の金属製品にも利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 パネル単体
2 パネル板
3 第1係合板
4 第2係合板
7 係合部
8 ボルト
9 板ナット
10 通水空間
31 折り板部
32 背面板部
33 遊端板部
34 傾斜板部
41 折り板部
42 背面板部
43 遊端板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2025-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のパネル単体を互いに連結して壁パネルを構成する壁パネル構造であって、
パネル単体は、鋼板を用いたパネル板と、該パネル板の一側縁に形成された第1係合板と、前記パネル板の他側縁に形成された第2係合板とを備えており、
前記第1係合板は、前記パネル板に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とを含んで横断面が断面コ形に形成されており、
前記第2係合板は、前記パネル板に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから横断面が断面コ形に形成されており、
隣接する一対のパネル単体のうち、一方のパネル単体の前記第1係合板に他方の壁パネル単体の前記第2係合板が被せられ、かつ前記第1係合板および前記第2係合板はそれぞれの背面板部に通したボルトで結合されるよう構成されており、
ボルト結合された状態の前記第1係合板と前記第2係合板の間には、隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水を下方に流す通水空間が設けられており、
前記通水空間は、前記第1係合板における前記折り板部と前記背面板部との間を連結する傾斜板部と、前記第2係合板における前記折り板部および前記背面板部との間に形成された断面三角形の空間であり、
前記第1係合板の前記折り板部および前記第2係合板の前記折り板部は、いずれも前記パネル単体の前記パネル板に対して直角に屈曲しており、かつ前記第1係合板に前記第2係合板を被せてボルト結合した状態で、互いに密着し、
前記第1係合板の前記遊端板部と前記第2係合板の前記遊端板部は、前記第1係合板に前記第2係合板を被せる際にガイド作用によって相互に密着するように前記パネル板に対して傾斜している
ことを特徴とする壁パネル構造
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第1発明の壁パネル構造は、複数枚のパネル単体を互いに連結して壁パネルを構成する壁パネル構造であって、パネル単体は、鋼板を用いたパネル板と、該パネル板の一側縁に形成された第1係合板と、前記パネル板の他側縁に形成された第2係合板とを備えており、前記第1係合板は、前記パネル板に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とを含んで横断面が断面コ形に形成されており、前記第2係合板は、前記パネル板に連続する折り板部と該折り板部に連続する背面板部と該背面板部に連続する遊端板部とから横断面が断面コ形に形成されており、隣接する一対のパネル単体のうち、一方のパネル単体の前記第1係合板に他方の壁パネル単体の前記第2係合板が被せられ、かつ前記第1係合板および前記第2係合板はそれぞれの背面板部に通したボルトで結合されるよう構成されており、ボルト結合された状態の前記第1係合板と前記第2係合板の間には、隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水を下方に流す通水空間が設けられており、前記通水空間は、前記第1係合板における前記折り板部と前記背面板部との間を連結する傾斜板部と、前記第2係合板における前記折り板部および前記背面板部との間に形成された断面三角形の空間であり、前記第1係合板の前記折り板部および前記第2係合板の前記折り板部は、いずれも前記パネル単体の前記パネル板に対して直角に屈曲しており、かつ前記第1係合板に前記第2係合板を被せてボルト結合した状態で、互いに密着し、前記第1係合板の前記遊端板部と前記第2係合板の前記遊端板部は、前記第1係合板に前記第2係合板を被せる際にガイド作用によって相互に密着するように前記パネル板に対して傾斜していることを特徴とする
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第1発明によれば、つぎの効果を奏する。
a)隣接するパネル単体の隙間から進入した雨水は第1係合板と第2係合板の間に形成されている通水空間により下方に流して地上に排出することができる。このため物置内の収容物を濡らすことがない。
b)通水空間は、第1係合板の折り板部と背面板部との間に形成した傾斜板部と、第2係合板との間に形成した大きな空間となるので、進入した雨水に表面張力が働かず重力によって排出することができる。
c)第1係合板と第2係合板とは、それぞれの背面板部に通したボルトで結合されているが、このボルト係合位置は雨水を流す通水空間から距離をとって離れている。そのため、ネジ孔から物置内への雨水の進入を防止できる。
d)第1係合板および第2係合板それぞれの遊端板部は、いずれもパネルに対して傾斜しているので、第1係合板に第2係合板を被せて結合するとき、傾斜面のガイド作用によって第1係合板の遊端板部に対し第2係合板の遊端板部密着し隙間が無くなる
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
図1に示すように、第1係合板3は、パネル板2に連続する折り板部31と、この折り板部31に連続する背面板部32と、この背面板部32に連続する遊端板部33とから断面コ形に形成されている。この第1係合板3は、パネル板2の一方の端縁を折り曲げ成形して構成されている。
第2係合板4は、パネル板2に連続する折り板部41と、この折り板部41に連続する背面板部42と、この背面板部42に連続する遊端板部43とから断面コ形に形成されている。この第2係合板4は、パネル板2の他方の端縁を折り曲げ成形して構成されている。