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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014933
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】充電制御装置及び充電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250123BHJP
   B60L 58/16 20190101ALI20250123BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20250123BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20250123BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20250123BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20250123BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 B
B60L58/16
B60L53/14
B60L53/62
B60L53/66
B60L58/12
H01M10/44 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117908
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】岡部 寛人
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA08
5G503CA10
5G503DA04
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H030AA01
5H030AS08
5H030BB01
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC05
5H125BC22
5H125CA18
5H125CC06
5H125EE27
5H125EE55
(57)【要約】
【課題】バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定する。
【解決手段】充電制御装置1は、外部電源3からバッテリ2への充電を制御する。充電制御装置1は、充電量を設定する充電量設定部10と、車両100の移動の起点となる移動元地点、定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得部12と、電力消費量を取得する電力消費量取得部13と、充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得部14と、を備える。電力消費量取得部13は、移動元地点と定常移動先地点(非定常移動先地点)との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である定常電力消費量(非定常電力消費量)を取得する。充電量設定部10は、充電量を、次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から車両に搭載されたバッテリへの充電を制御する充電制御装置であって、
前記バッテリの充電量を設定する充電量設定部と、
前記車両の移動の起点となる移動元地点、前記車両が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び前記車両が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得部と、
前記バッテリの電力消費量を取得する電力消費量取得部と、
前記バッテリが充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得部と、を備え、
前記電力消費量取得部は、
前記移動元地点、前記定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの前記電力消費量である定常電力消費量を取得し、
前記移動元地点、前記非定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記非定常移動先地点との間を移動することに起因する前記所定期間ごとの前記電力消費量である非定常電力消費量を取得し、
前記充電量設定部は、前記バッテリを充電する際の前記充電量を、前記定常電力消費量、前記非定常電力消費量、及び前記充電タイミングに関する情報に基づいて、前記バッテリが次に充電されるまでの期間における前記定常電力消費量及び前記非定常電力消費量を合算した前記電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行する、充電制御装置。
【請求項2】
前記地点取得部は、前記移動元地点と前記定常移動先地点との間の移動において経由する経由地点を取得し、
前記電力消費量取得部は、前記車両が前記移動元地点と前記定常移動先地点との間を前記経由地点を経由して移動することに起因する前記所定期間ごとの前記電力消費量を、前記定常電力消費量として取得する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記地点取得部は、前記車両が非定常的に移動の目的地とした地点のそれぞれについて、前記車両の移動の目的地とされた回数が1回であるか2回以上であるかを判定し、前記回数が1回である地点を前記非定常移動先地点から除外する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記地点取得部は、前記車両が非定常的に移動の目的地とした地点のうち、所定のタイミングにおいて前記車両の移動の目的地とされる地点を前記非定常移動先地点に代えて前記定常移動先地点として取得する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記地点取得部は、予測条件に基づいて前記車両が非定常的に移動の目的地とすることが予測される地点であって、前記移動元地点を含む所定エリアの外に位置する地点を、前記非定常移動先地点に代えて前記定常移動先地点として取得し、
前記予測条件は、その移動が休日に実行されること、その移動が連休中に実行されること、その移動の目的地が予め判明していること、及びその移動の目的地が過去の統計情報に基づいて前記所定エリアの外であると予測されることの少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記電力消費量取得部は、前記バッテリを充電する際の前記充電量を、予め設定した学習期間ごとに前記定常電力消費量を集計した集計定常電力消費量、及び、前記学習期間ごとに前記非定常電力消費量を集計した集計非定常電力消費量を合算した前記電力消費量に応じて設定し、
前記地点取得部は、
連続する2回の前記学習期間において前記車両が定常的に移動の目的地とした地点を次回の前記学習期間における前記定常移動先地点として取得し、
連続する2回の前記学習期間において前記車両が非定常的に移動の目的地とした地点を次回の前記学習期間における前記非定常移動先地点として取得する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項7】
前記地点取得部は、前記移動元地点から所定の距離に位置する充電地点において前記バッテリが定期的に充電される場合に、前記充電地点を前記定常移動先地点として取得する、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項8】
前記充電量設定部は、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、前記充電量設定処理を実行しない、請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項9】
外部電源から車両に搭載されたバッテリへの充電を制御する充電制御方法であって、
前記バッテリの充電量を設定する充電量設定ステップと、
前記車両の移動の起点となる移動元地点、前記車両が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び前記車両が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、
前記バッテリの電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、
前記バッテリが充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、
前記電力消費量取得ステップにおいては、
前記移動元地点、前記定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの前記電力消費量である定常電力消費量を取得し、
前記移動元地点、前記非定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記非定常移動先地点との間を移動することに起因する前記所定期間ごとの前記電力消費量である非定常電力消費量を取得し、
前記充電量設定ステップにおいては、前記バッテリを充電する際の前記充電量を、前記定常電力消費量、前記非定常電力消費量、及び前記充電タイミングに関する情報に基づいて、前記バッテリが次に充電されるまでの期間における前記定常電力消費量及び前記非定常電力消費量を合算した前記電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、
前記地点取得ステップにおいては、前記移動元地点から所定の距離に位置する充電地点において前記バッテリが定期的に充電される場合に、前記充電地点を前記定常移動先地点として取得する、充電制御方法。
【請求項10】
外部電源から車両に搭載されたバッテリへの充電を制御する充電制御方法であって、
前記バッテリの充電量を設定する充電量設定ステップと、
前記車両の移動の起点となる移動元地点、前記車両が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び前記車両が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、
前記バッテリの電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、
前記バッテリが充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、
前記電力消費量取得ステップにおいては、
前記移動元地点、前記定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの前記電力消費量である定常電力消費量を取得し、
前記移動元地点、前記非定常移動先地点、及び前記電力消費量に基づいて、前記車両が前記移動元地点と前記非定常移動先地点との間を移動することに起因する前記所定期間ごとの前記電力消費量である非定常電力消費量を取得し、
前記充電量設定ステップにおいては、
前記バッテリを充電する際の前記充電量を、前記定常電力消費量、前記非定常電力消費量、及び前記充電タイミングに関する情報に基づいて、前記バッテリが次に充電されるまでの期間における前記定常電力消費量及び前記非定常電力消費量を合算した前記電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、
いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、前記充電量設定処理を実行しない、充電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電制御装置及び充電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
外部電源から車両に搭載されたバッテリへの充電を好適に行うための装置が知られている。例えば特許文献1には、車両の次の駆動予定時刻までに充電可能な充電可能量以下であってバッテリの劣化が抑制されるような目標充電量を設定する、又は、次回以降の駆動で車両が最低限必要とする消費電力量以上であってバッテリの劣化が抑制されるような目標電力消費量を設定する装置が開示されている。また、特許文献2には、車両に搭載されたバッテリを充電するための充電ステーションに車両が接続されたときに当該充電ステーションの位置及び特徴を判定し、充電ステーションに関する情報を記録したデータベースを更新する装置が開示されている。さらに、このような技術分野においては、全エネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を拡大すること、汚染を生じる化石発電所を段階的に廃止することに意欲が持たれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-144507号公報
【特許文献2】特開2015-39289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、システム全体を小型軽量化し、エネルギー効率の改善を図ることができる電動機器を提供すること等により、環境への配慮がされる。また、バッテリ自体のライフタイムを長くすることによっても環境への配慮がされている。例えば、充放電を繰り返したことによるバッテリの劣化を抑制するためには、バッテリのSOC(充電状態)を低めに維持するように充電量を少なめに留めておくことが好ましい(いわゆる、いたわり充電)。しかし、一般的なユーザには、電欠(すなわち、バッテリ切れ)の不安からSOCをできるだけ高くするように充電を行う傾向がある。このような状況において、バッテリへの充電量を好適に設定するための技術が求められている。
【0005】
そこで、本開示に係る充電制御装置及び充電制御方法は、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)は、外部電源(3)から車両(100)に搭載されたバッテリ(2)への充電を制御する充電制御装置(1)であって、バッテリ(2)の充電量を設定する充電量設定部(10)と、車両(100)の移動の起点となる移動元地点、車両(100)が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両(100)が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得部(12)と、バッテリ(2)の電力消費量を取得する電力消費量取得部(13)と、バッテリ(2)が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得部(14)と、を備え、電力消費量取得部(13)は、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定部(10)は、バッテリ(2)を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ(2)が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行する。
【0007】
この充電制御装置(1)によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。
【0008】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、地点取得部(12)は、移動元地点と定常移動先地点との間の移動において経由する経由地点を取得し、電力消費量取得部(13)は、車両(100)が移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量を、定常電力消費量として取得してもよい。これによれば、例えばスーパー(スーパーマーケット)又はコンビニ(コンビニエンスストア)といった日常的に立ち寄る経由地点への移動に必要な電力消費量を、定常的な移動先への移動に必要な電力消費量に含めることができる。したがって、日常的に経由地点に立ち寄り電力消費量が累積されて電欠となるリスクを抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、地点取得部(12)は、車両(100)が非定常的に移動の目的地とした地点のそれぞれについて、車両(100)の移動の目的地とされた回数が1回であるか2回以上であるかを判定し、回数が1回である地点を非定常移動先地点から除外してもよい。移動の目的地とされた回数が1回でしかない地点への移動は例えば旅行のような極めてイレギュラーなケースであると推測される。したがって、このような地点への移動のために充電量を増やすことを避けることで、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0010】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、地点取得部(12)は、車両(100)が非定常的に移動の目的地とした地点のうち、所定のタイミングにおいて車両(100)の移動の目的地とされる地点を非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得してもよい。定常的に移動の目的地にするほどではなくても、所定のタイミングで移動の目的地にする地点については比較的移動の予測の精度が高くなる。したがって、そのような地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0011】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、地点取得部(12)は、予測条件に基づいて車両(100)が非定常的に移動の目的地とすることが予測される地点であって、移動元地点を含む所定エリアの外に位置する地点を、非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得し、予測条件は、その移動が休日に実行されること、その移動が連休中に実行されること、その移動の目的地が予め判明していること、及びその移動の目的地が過去の統計情報に基づいて所定エリアの外であると予測されることの少なくともいずれかを含んでもよい。これによれば、遠出が予想される状況においては、定常的な移動の目的地として扱うことにより、充電量を大きくして電欠のリスクを抑制し、ひいては運転快適性を確保することができる。
【0012】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、電力消費量取得部(13)は、バッテリ(2)を充電する際の充電量を、予め設定した学習期間ごとに定常電力消費量を集計した集計定常電力消費量、及び、学習期間ごとに非定常電力消費量を集計した集計非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定し、地点取得部(12)は、連続する2回の学習期間において車両(100)が定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における定常移動先地点として取得し、連続する2回の学習期間において車両(100)が非定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における非定常移動先地点として取得してもよい。これによれば、移動の目的地が1回であるような突発的な遠出を含めることなく、繰り返し移動の目的地とされる地点のみを学習することが可能となり、その結果、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0013】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、地点取得部(12)は、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ(2)が定期的に充電される場合に、充電地点を定常移動先地点として取得してもよい。これによれば、移動の起点となる移動元地点に充電設備がない場合であって、所定の充電地点にある充電設備において定期的に充電がされるとき、そのような充電地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。一例として、自宅の駐車場に充電設備がない場合であって、自宅から所定の距離に位置する充電地点において定期的に充電するときに、当該充電設備を定常移動先地点として扱ってもよい。
【0014】
本開示の一態様に係る充電制御装置(1)では、充電量設定部(10)は、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、充電量設定処理を実行しなくてもよい。これによれば、移動の目的地を学習するに足りる量のデータを取得することが難しい場合には充電設定処理を実行しないことが可能となる。具体的な状況として、自由業のユーザであって移動の目的地が常に非定常的である場合、又は、車両がレンタカーであって移動の目的地が常に非定常的である場合等が例示され得る。
【0015】
本開示の一態様に係る充電制御方法は、外部電源(3)から車両(100)に搭載されたバッテリ(2)への充電を制御する充電制御方法であって、バッテリ(2)の充電量を設定する充電量設定ステップと、車両(100)の移動の起点となる移動元地点、車両(100)が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両(100)が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、バッテリ(2)の電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、バッテリ(2)が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、電力消費量取得ステップにおいては、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定ステップにおいては、バッテリ(2)を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ(2)が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、地点取得ステップにおいては、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ(2)が定期的に充電される場合に、充電地点を定常移動先地点として取得する。
【0016】
この充電制御方法によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。また、移動の起点となる移動元地点に充電設備がない場合であって、所定の充電地点にある充電設備において定期的に充電がされるとき、そのような充電地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。一例として、自宅の駐車場に充電設備がない場合であって、自宅から所定の距離に位置する充電地点において定期的に充電するときに、当該充電設備を定常移動先地点として扱ってもよい。
【0017】
本開示の一態様に係る充電制御方法は、外部電源(3)から車両(100)に搭載されたバッテリ(2)への充電を制御する充電制御方法であって、バッテリ(2)の充電量を設定する充電量設定ステップと、車両(100)の移動の起点となる移動元地点、車両(100)が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両(100)が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、バッテリ(2)の電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、バッテリ(2)が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、電力消費量取得ステップにおいては、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両(100)が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定ステップにおいては、バッテリ(2)を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ(2)が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、充電量設定処理を実行しない、充電制御方法。
【0018】
この充電制御方法によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。また、移動の目的地を学習するに足りる量のデータを取得することが難しい場合には充電設定処理を実行しないことが可能となる。具体的な状況として、自由業のユーザであって移動の目的地が常に非定常的である場合、又は、車両がレンタカーであって移動の目的地が常に非定常的である場合等が例示され得る。
【0019】
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
【発明の効果】
【0020】
このように、本開示に係る充電制御装置及び充電制御方法は、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態に係る充電制御装置を具備した車両を示すブロック図である。
図2図2は、移動元地点、定常移動先地点、非定常移動先地点、経由地点、及び充電地点の例を示す図である。
図3図3は、1日ごとの電力消費量、充電タイミング、及び充電量の例を示す図である。
図4図4は、定型的な移動の多いユーザにおける各地点の滞在回数と滞在時間割合の関係の例を示すグラフである。
図5図5は、非定型的な移動の多いユーザにおける各地点の滞在回数と滞在時間割合の関係の例を示すグラフである。
図6図6は、移動パターンについての1週間ごとの学習の例を示す図である。
図7図7は、充電制御装置により実行される充電量設定制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明において「各地点を取得する」との記載は、「各地点に関する情報を取得する」と読み替えることが可能であり、具体的には「各地点の位置情報を取得する」あるいは「各地点の緯度情報及び経度情報を取得する」と読み替えてもよい。
【0023】
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る充電制御装置1を具備した車両100を示すブロック図である。図1に示される車両100は、駆動モータにより走行する電気自動車又はハイブリッド自動車等である。車両100は、乗用車であってもよく、バス又はトラック等であってもよい。車両100は、駆動モータに電力を供給するバッテリ2を搭載している。バッテリ2は、外部電源3に接続された充電設備と車両100との間をケーブルにより接続することで充電可能である。
【0024】
充電制御装置1は、外部電源3からバッテリ2への充電を制御する装置である。充電制御装置1は、具体的にはバッテリ2の劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定する充電量設定制御を実行する。バッテリ2は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池、又は鉛蓄電池であってもよい。外部電源3は、電力会社から供給される一般的な商用電源であってもよい。
【0025】
充電制御装置1の物理的な構成について説明する。充電制御装置1は、物理的には、コンピュータCとして構成されている。充電制御装置1は、制御演算装置、記憶装置、及び入出力装置を備えている。制御演算装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のコントローラにより構成されており、演算処理を実行するとともに記憶装置及び入出力装置の制御を行う。記憶装置は、例えば主記憶装置及び補助記憶装置を有している。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、補助記憶装置は、例えばROM(Read Only Memory)により構成されている。入出力装置は、例えば外部からデータを入力されて記憶装置に送信する入力装置、及び、例えば制御演算部により演算されて記憶装置に記憶された演算結果を外部に出力する出力装置を有している。また、入出力装置は、外部機器に対して情報の送信及び受信を行う通信装置を有している。充電制御装置1は、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMに読み込み、RAMに読み込まれたプログラムをCPUにより実行することにより、充電量設定制御を実行する。なお、充電制御装置1は、物理的に、上述した構成とは異なる構成を備えていてもよい。
【0026】
充電制御装置1の機能的な構成について説明する。充電制御装置1は、機能的には、充電量設定部10、車両位置取得部11、地点取得部12、電力消費量取得部13、及び充電タイミング情報取得部14を備えている。
【0027】
充電量設定部10は、バッテリ2の充電量を設定する。具体的には、充電量設定部10は、後述する充電量設定処理を実行する。充電量設定部10は、少なくともいずれかの地点を目的地とした移動が所定の下限回数を超える場合に限り、充電量設定処理を実行してもよい。換言すると、充電量設定部10は、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、充電量設定処理を実行しなくてもよい。
【0028】
車両位置取得部11は、車両100の現在位置を取得する。車両位置取得部11は、例えば車両100に搭載されたGPS受信機によりGPS信号を受信することにより、車両100の現在位置を取得してもよい。車両位置取得部11は、取得した車両100の現在位置の履歴から、各地点における車両100の滞在回数及び滞在時間(滞在時間割合)を取得する。
【0029】
地点取得部12は、車両100の移動元地点、定常移動先地点、及び非定常移動先地点を取得する。「移動元地点」とは、車両100の移動の起点となる地点である。より詳細には、移動元地点とは、車両100が通常時に置かれている地点である。一例として、移動元地点は、ユーザの自宅(生活拠点)に併設された駐車場等であってもよい。
【0030】
「定常移動先地点」とは、車両100が定常的に移動の目的地とする地点である。「定常的に」とは、一定のタイミングで繰り返されることを意味する。例えば、「定常的に」とは、毎週月曜日から金曜日まで毎日繰り返されることであってもよく、毎週水曜日のみ繰り返されることであってもよい。一例として、定常移動先地点は、ユーザの勤務先等であってもよい。
【0031】
「非定常移動先地点」とは、車両100が非定常的に移動の目的地とする地点である。「非定常的に」とは、一定のタイミングでは繰り返されないことを意味する。例えば、「非定常的に」とは、先週は月曜日と火曜日、今週は木曜日のみに実施されることであってもよい。一例として、定常移動先地点は、ユーザが仕事関係で不定期に出張する出張先等であってもよい。
【0032】
地点取得部12は、車両100の経由地点を取得する。「経由地点」とは、移動元地点と定常移動先地点との間の移動において経由する地点である。経由地点は、移動元地点と定常移動先地点との間の移動において、例えば往路に必ず立ち寄る地点であってもよく、往路に所定の頻度で立ち寄る地点であってもよく、あるいは、復路に必ず立ち寄る地点であってもよく、復路に所定の頻度で立ち寄る地点であってもよい。一例として、経由地点は、ユーザが日常的に立ち寄るスーパー(スーパーマーケット)又はコンビニ(コンビニエンスストア)等であってもよい。
【0033】
地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とした地点のそれぞれについて、車両100の移動の目的地とされた回数が1回であるか2回以上であるかを判定する。地点取得部12は、例えば、車両位置取得部11により取得された各地点における車両100の滞在回数に基づいて、車両100の移動の目的地とされた回数が1回であるか2回以上であるかを判定してもよい。地点取得部12は、車両100の移動の目的地とされた回数が1回である地点については非定常移動先地点から除外してもよい。換言すると、地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とする地点のうち、車両100の移動の目的地とされた回数が2回以上である地点を非定常移動先地点としてもよい。
【0034】
地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とした地点のうち、所定のタイミングにおいて車両100の移動の目的地とされる地点を非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得する。「所定のタイミング」とは、定常的ではないものの、一定の規則性を有することを意味してもよい。例えば、「所定のタイミング」とは、2週間に1回であってもよく、3日おきと5日おきとを交互に繰り返すことであってもよい。
【0035】
地点取得部12は、予測条件に基づいて車両100が非定常的に移動の目的地とすることが予測される地点であって、移動元地点を含む所定エリアの外に位置する地点を、非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得してもよい。「予測条件」とは、一定以上の確度で予測が当たるための条件である。例えば、「予測条件」は、その移動が休日に実行されること、その移動が連休中に実行されること、その移動の目的地が予め判明していること、及びその移動の目的地が過去の統計情報に基づいて所定エリアの外であると予測されることの少なくともいずれかを含んでいてもよい。「休日」とは、例えば土曜日、日曜日、及び祝日であってもよく、ユーザにより任意に設定された曜日等であってもよい。「連休」とは、2日以上続く休日であってもよく、3日以上続く休日であってもよい。「移動の目的地が予め判明している」とは、例えばスケジュール管理を行うアプリケーション等から情報を取得することによって移動の目的地が予め判明していることであってもよく、ユーザがスケジュールを入力することによって移動の目的地が予め判明していることであってもよい。「過去の統計情報」とは、充電制御装置1により蓄積された当該車両100の過去の移動パターンに関する情報を統計的に処理した情報であってもよく、他の車両100の行動パターンも含めて一般的な移動パターンとして集約された情報であってもよい。「所定エリア」とは、移動元地点を包含するエリアである。例えば、「所定エリア」は、移動元地点を中心とした所定半径の円内のエリアであってもよく、移動元地点から道路を走行した場合に所定時間で到達可能なエリアであってもよく、移動元地点が所在する所定の行政区画内のエリアであってもよい。なお、定常移動先地点、非定常移動先地点、及び経由地点は、所定エリアに含まれていてもよい。また、所定エリア外への移動とは、いわゆる遠出を意味してもよい。
【0036】
地点取得部12は、連続する2回の学習期間において車両100が定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における定常移動先地点として取得する。また、地点取得部12は、連続する2回の学習期間において車両100が非定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における非定常移動先地点として取得する。「学習期間」について詳しくは後述する。このように、連続する2回の学習期間において続けて定常的に移動の目的地とされた地点は、次回の学習期間においても定常的な移動の目的地とされる蓋然性が高いため、次回の学習期間における定常移動先地点とする。また、連続する2回の学習期間において続けて非定常的に移動の目的地とされた地点は、次回の学習期間においても非定常的な移動の目的地とされる蓋然性が高いため、次回の学習期間における非定常移動先地点とする。
【0037】
地点取得部12は、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ2が定期的に充電される場合に、充電地点を定常移動先地点として取得する。「充電地点」とは、車両100のバッテリ2を充電する充電設備が設置されている地点である。このような状況としては、例えば、ユーザの移動元地点には充電設備が併設されておらず、充電の度に所定の充電地点まで車両100を移動させて充電を行う場合が例示され得る。
【0038】
電力消費量取得部13は、バッテリ2の電力消費量を取得する。具体的には、電力消費量取得部13は、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100の定常電力消費量を取得する。「定常電力消費量」とは、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である。また、電力消費量取得部13は、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100の非定常電力消費量を取得する。「非定常電力消費量」とは、車両100が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量である。なお、上記の「所定期間」とは、例えば1日であってもよい。
【0039】
電力消費量取得部13は、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動する場合には、移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量を定常電力消費量として取得する。例えば経由地点が複数存在する場合には、電力消費量取得部13は、移動元地点と定常移動先地点との間を複数の経由地点を経由して移動することに起因する所定期間ごとの電力消費量を定常電力消費量として取得してもよい。
【0040】
電力消費量取得部13は、バッテリ2を充電する際の充電量を、集計定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する。「集計定常電力消費量」とは、予め設定した学習期間ごとに定常電力消費量を集計した電力消費量である。「集計非定常電力消費量」とは、予め設定した学習期間ごとに非定常電力消費量を集計した電力消費量である。「学習期間」とは、車両100の移動パターンを集計する単位となる期間である。学習期間の具体的な長さは特に限定されないが、曜日の限定を受けにくいように週単位(例えば1週間又は2週間等)であってもよい。学習期間は、ユーザにより任意に変更可能であってもよい。
【0041】
充電タイミング情報取得部14は、バッテリ2が充電される充電タイミングに関する情報を取得する。「充電タイミング」とは、バッテリ2が充電される曜日の情報であってもよく、バッテリ2が充電される間隔の情報であってもよく、これら以外の情報であってもよい。充電タイミング情報取得部14は、当該車両100のバッテリ2が過去に充電された日時等の履歴に基づいて充電タイミングに関する情報を取得してもよく、ユーザからの入力に基づいて充電タイミングに関する情報を取得してもよい。
【0042】
以上のように構成された充電制御装置1において、充電量設定部10は、充電量設定処理を実行することにより、バッテリ2を充電する際の充電量を設定する。「充電量設定処理」とは、バッテリ2を充電する際の充電量を、バッテリ2が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する処理であり、具体的には定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて実行される。ここで、「定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する」とは、単に定常電力消費量と非定常電力消費量とを合算した電力消費量そのものの値に設定することでも良く、定常電力消費量と非定常電力消費量とを合算した電力消費量に所定の値を加算、減算、又は乗算した値に設定することでもよい。
【0043】
[具体例]
続いて、具体例を挙げて充電制御装置1による充電量設定制御を説明する。図2は、移動元地点、定常移動先地点、非定常移動先地点、経由地点、及び充電地点の例を示す図である。
【0044】
図2において「A」のラベルが付されている実線枠は、定型的な移動が多いユーザの行動範囲を示している。このユーザは、充電設備が併設された自宅等の生活拠点(移動元地点)と職場等の普段よく向かう地点(定常移動先地点)との間を、コンビニ等の立ち寄り地点(経由地点)を経由して定常的に移動する。
【0045】
図2において「B」のラベルが付されている短破線枠は、定型的な移動と非定型的な移動との両方を行うユーザ(具体的には、仕事でのランダム行動が多いユーザ)の行動範囲を示している。このユーザは、充電設備が併設された自宅等の生活拠点(移動元地点)と職場等の普段よく向かう地点(定常移動先地点)との間を、コンビニ等の立ち寄り地点(経由地点)を経由して定常的に移動する。また、このユーザは、生活拠点(移動元地点)と仕事関係先等のよく向かう地点(非定常移動先地点)との間を、コンビニ等の立ち寄り地点(経由地点)を経由して非定常的に移動する。
【0046】
図2において「C」のラベルが付されている一点鎖線枠は、定型的な移動が多いユーザであって、バッテリ2の充電に自宅以外の充電設備を利用しているユーザの行動範囲を示している。このユーザは、充電設備が併設されていない自宅等の生活拠点(移動元地点)と職場等の普段よく向かう地点(定常移動先地点)との間を、コンビニ等の立ち寄り地点(経由地点)を経由して定常的に移動する。また、このユーザは、生活拠点(移動元地点)から少し離れた(すなわち、所定の距離に位置する)充電地点において定期的にバッテリ2を充電する。
【0047】
図2において「D」のラベルが付されている長破線枠は、非定型的な移動が多いユーザ(具体的には、ランダム行動の多いリタイヤ層のユーザ)の行動範囲を示している。このユーザは、充電設備が併設された自宅等の生活拠点(移動元地点)と複数のよく向かう地点(非定常移動先地点)との間を非定常的に移動する。
【0048】
図2において「E」のラベルが付されている二点鎖線枠は、非定常的な移動の目的地とされる地点であって、生活拠点(移動元地点)を含む所定エリアの外に位置する地点の範囲を示している。ここに示される各地点は、いわゆる遠出の際の移動先となる地点である。具体的には、生活圏で休日によく過ごす地点、特別な休日に出かける旅行先、及び遠出をした先での公共の充電設備が例示されている。
【0049】
図3は、1日ごとの電力消費量、充電タイミング、及び充電量の例を示す図である。図3において、横軸には、日曜日から翌週の水曜日まで1日ごとに区切られて並んでいる。また、縦軸には、バッテリ2の電力量を示すSOC(State of Charge)が示されている。太線で示された矢印は、非定常移動先地点を目的地とした移動による非定常電力消費量を示している。一方、細線で示された矢印は、定常移動先地点を目的地とした移動による定常電力消費量を示している。初めに100%であったSOCは、日曜日の非定常電力消費量に加えて、月曜日、火曜日、及び水曜日の定常電力消費量に相当する電力量だけ減少する。その後、水曜日から木曜日にかけての充電タイミングにおいて推奨SOCまでバッテリ2が充電される。この推奨SOCは、土曜日から日曜日にかけての次回の充電タイミングまでにおける定常電力消費量と非定常電力消費量とを合算した電力消費量に応じて設定される。
【0050】
その後、SOCは、木曜日及び金曜日の定常電力消費量に加えて、土曜日の非定常電力消費量に相当する電力量だけ減少する。その後、土曜日から日曜日にかけての充電タイミングにおいて新たな推奨SOCまでバッテリ2が充電される。この新たな推奨SOCは、水曜日から木曜日にかけての次回の充電タイミングまでにおける定常電力消費量と非定常電力消費量とを合算した電力消費量に応じて設定される。
【0051】
図4は、定型的な移動の多いユーザにおける各地点の滞在回数と滞在時間割合の関係の例を示すグラフである。図5は、非定型的な移動の多いユーザにおける各地点の滞在回数と滞在時間割合の関係の例を示すグラフである。図4及び図5において、横軸には一定期間内における各地点(ここでは、自宅、職場、ショッピングモール、レストラン、コンビニエンスストアを例示)での滞在回数が示されている。また、縦軸には、各地点での滞在時間割合(全地点を合計した総滞在時間を100%としたときの、各地点に滞在した時間の割合)が示されている。図4においては、当該期間内に職場での滞在が5回、29%となっており、ここでは職場が定型的な移動の目的地と判定されている。一方、図5においては、当該期間内に職場「1」での滞在が4回、18%となっており、また、職場「2」での滞在が8回、11%となっている。このように、滞在が8回と(相対的に)高頻度である職場「2」が定常的な移動の目的地と判定されており、滞在が4回と(相対的に)低頻度である職場「1」が非定常的な移動の目的地と判定されている。
【0052】
図6は、移動パターンについての1週間ごとの学習の例を示す図である。上述したように、充電制御装置1では、連続する2回の学習期間(ここでは、1週間)において定常的(非定常的)に移動の目的地とされた地点が次回の学習期間における定常移動先地点(非定常移動先地点)とされる。図6では、「滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」「メイン充電地点」「集計定常電力消費量(定型行動ΔSOC量)」「集計非定常電力消費量(非定型行動ΔSOC量)」のそれぞれが1週間ごとの表にまとめられている。ここでは、「滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」に基づいて、当該地点が定常移動先地点であるか非定常移動先地点であるか等の判定がされている。
【0053】
図6の第1週の表では、「滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」について新規に学習が行われるため、定常移動先地点及び非定常移動先地点が第1週に係る学習値に設定される。第2週の表では、「滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」は第1週と同様であるため、連続する2回の学習期間において同様の地点が定常的(非定常的)な移動の目的地とされたこととなる。その結果、次週における定常移動先地点及び非定常移動先地点の設定が第2週に係る学習値に設定される(ただし、第1週に係る学習値から変化していない)。第3週の表では、滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」は第2週から変化している。この行動パターンは1週目であるため、定常移動先地点及び非定常移動先地点の設定は変更されず、第3週に係る学習値を学習保留情報として保持される。第4週の表では、「滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」は第3週と類似しており、連続する2回の学習期間において同様(略同様)の地点が定常的(非定常的)な移動の目的地とされる。その結果、次週における定常移動先地点及び非定常移動先地点の設定が第4週に係る学習値に設定される。また、このとき、変更前の設定である第2週に係る学習値は、元学習情報として記録に残される。第5週の表では、滞在回数平均を日数で除した値が所定値(x)より大きい地点と、その大きさの順番」は第4週から変化している。ただし、この行動パターンは第1週及び第2週と類似しているため、元学習情報として記録に残されていた第2週に係る学習値が読み出されて、次週における定常移動先地点及び非定常移動先地点の設定が読み出された第2週に係る学習値に設定される。また、このとき、変更前の設定である第4週に係る学習値は、元学習情報として記録に残される。
【0054】
[充電量設定制御]
続いて、充電制御装置1により実行される充電量設定制御について説明する。図7は、充電制御装置1により実行される充電量設定制御を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS10において、充電制御装置1の地点取得部12は、車両100の移動の起点となる地点である移動元地点を取得する。その後、充電量設定制御はステップS12に移行する。
【0056】
ステップS12において、充電制御装置1の地点取得部12は、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ2が定期的に充電される場合に、当該充電地点を取得する。その後、充電量設定制御はステップS14に移行する。
【0057】
ステップS14において、充電制御装置1の地点取得部12は、車両100が定常的に移動の目的地とする地点である定常移動先地点を取得する。地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とした地点のうち、所定のタイミングにおいて車両100の移動の目的地とされる地点についても、非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得する。地点取得部12は、予測条件に基づいて車両100が非定常的に移動の目的地とすることが予測される地点であって、移動元地点を含む所定エリアの外に位置する地点についても、非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得する。地点取得部12は、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ2が定期的に充電される場合に、充電地点についても定常移動先地点として取得する。その後、充電量設定制御はステップS16に移行する。
【0058】
ステップS16において、充電制御装置1の地点取得部12は、車両100の移動元地点と定常移動先地点との間の移動において経由する地点である経由地点を取得する。その後、充電量設定制御はステップS18に移行する。
【0059】
ステップS18において、充電制御装置1の地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とする地点である非定常移動先地点を取得する。このとき、地点取得部12は、車両100の移動の目的地とされた回数が1回である地点については非定常移動先地点から除外する。換言すると、地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とする地点のうち、車両100の移動の目的地とされた回数が2回以上である地点を非定常移動先地点とする。その後、充電量設定制御はステップS20に移行する。
【0060】
ステップS20において、充電制御装置1の充電タイミング情報取得部14は、バッテリ2が充電される充電タイミングに関する情報を取得する。充電タイミング情報取得部14は、当該車両100のバッテリ2が過去に充電された日時等の履歴に基づいて充電タイミングに関する情報を取得してもよく、ユーザからの入力に基づいて充電タイミングに関する情報を取得してもよい。その後、充電量設定制御はステップS22に移行する。
【0061】
ステップS22において、充電制御装置1の電力消費量取得部13は、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間(ここでは、1日)ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得する。電力消費量取得部13は、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動する場合には、移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動することに起因する1日ごとの電力消費量を定常電力消費量として取得する。そして、電力消費量取得部13は、予め設定した学習期間ごとに定常電力消費量を集計した電力消費量である集計定常電力消費量を取得する。その後、充電量設定制御はステップS24に移行する。
【0062】
ステップS24において、充電制御装置1の電力消費量取得部13は、車両100が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得する。そして、電力消費量取得部13は、予め設定した学習期間ごとに非定常電力消費量を集計した電力消費量である集計非定常電力消費量を取得する。その後、充電量設定制御はステップS26に移行する。
【0063】
ステップS26において、充電制御装置1の地点取得部12は、直近の連続する2回の学習期間において車両100が定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における定常移動先地点として取得する。その後、充電量設定制御はステップS28に移行する。
【0064】
ステップS28において、充電制御装置1の地点取得部12は、直近の連続する2回の学習期間において車両100が非定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における非定常移動先地点として取得する。その後、充電量設定制御はステップS30に移行する。
【0065】
ステップS30において、充電制御装置1の充電量設定部10は、少なくともいずれかの地点を目的地とした移動が所定の下限回数を超えるか否かを判定する。少なくともいずれかの地点を目的地とした移動が所定の下限回数を超えると判定された場合(ステップS30:YES)、充電量設定制御はステップS32に移行する。一方、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合(ステップS30:NO)、充電量設定制御はステップS34をスキップして終了する。
【0066】
ステップS32において、充電制御装置1の充電量設定部10は、バッテリ2の充電量を設定する充電量設定処理を実行する。具体的には、充電量設定部10は、バッテリ2を充電する際の充電量をバッテリ2が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量(集計定常電力消費量)及び非定常電力消費量(集計非定常電力消費量)を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行する。以上により、今回の充電量設定制御は終了する。
【0067】
[作用及び効果]
以上説明したように、充電制御装置1は、外部電源3から車両100に搭載されたバッテリ2への充電を制御する充電制御装置1であって、バッテリ2の充電量を設定する充電量設定部10と、車両100の移動の起点となる移動元地点、車両100が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両100が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得部12と、バッテリ2の電力消費量を取得する電力消費量取得部13と、バッテリ2が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得部14と、を備え、電力消費量取得部13は、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する所定期間(ここでは、1日)ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定部10は、バッテリ2を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ2が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行する。
【0068】
この充電制御装置1によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。
【0069】
また、定常移動先地点と非定常移動先地点とに分けて学習を行うことにより、誤学習のリスクを低減可能且つ学習速度を向上可能となる。特に、例えばバケーションシーズンといった移動が不規則になる期間のデータが混ざった場合であっても誤学習のリスクを効果的に低減することができる。
【0070】
充電制御装置1では、地点取得部12は、移動元地点と定常移動先地点との間の移動において経由する経由地点を取得し、電力消費量取得部13は、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を経由地点を経由して移動することに起因する1日ごとの電力消費量を、定常電力消費量として取得する。これによれば、例えばスーパー(スーパーマーケット)又はコンビニ(コンビニエンスストア)といった日常的に立ち寄る経由地点への移動に必要な電力消費量を、定常的な移動先への移動に必要な電力消費量に含めることができる。したがって、日常的に経由地点に立ち寄り電力消費量が累積されて電欠となるリスクを抑制することができる。
【0071】
充電制御装置1では、地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とした地点のそれぞれについて、車両100の移動の目的地とされた回数が1回であるか2回以上であるかを判定し、回数が1回である地点を非定常移動先地点から除外する。移動の目的地とされた回数が1回でしかない地点への移動は例えば旅行のような極めてイレギュラーなケースであると推測される。したがって、このような地点への移動のために充電量を増やすことを避けることで、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0072】
充電制御装置1では、地点取得部12は、車両100が非定常的に移動の目的地とした地点のうち、所定のタイミングにおいて車両100の移動の目的地とされる地点を非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得する。定常的に移動の目的地にするほどではなくても、所定のタイミングで移動の目的地にする地点については比較的移動の予測の精度が高くなる。したがって、そのような地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0073】
充電制御装置1では、地点取得部12は、予測条件に基づいて車両100が非定常的に移動の目的地とすることが予測される地点であって、移動元地点を含む所定エリアの外に位置する地点を、非定常移動先地点に代えて定常移動先地点として取得し、予測条件は、その移動が休日に実行されること、その移動が連休中に実行されること、その移動の目的地が予め判明していること、及びその移動の目的地が過去の統計情報に基づいて所定エリアの外であると予測されることの少なくともいずれかを含む。これによれば、遠出が予想される状況においては、定常的な移動の目的地として扱うことにより、充電量を大きくして電欠のリスクを抑制し、ひいては運転快適性を確保することができる。
【0074】
充電制御装置1では、電力消費量取得部13は、バッテリ2を充電する際の充電量を、予め設定した学習期間ごとに定常電力消費量を集計した集計定常電力消費量、及び、学習期間ごとに非定常電力消費量を集計した集計非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定し、地点取得部12は、連続する2回の学習期間において車両100が定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における定常移動先地点として取得し、連続する2回の学習期間において車両100が非定常的に移動の目的地とした地点を次回の学習期間における非定常移動先地点として取得する。これによれば、移動の目的地が1回であるような突発的な遠出を含めることなく、繰り返し移動の目的地とされる地点のみを学習することが可能となり、その結果、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。
【0075】
充電制御装置1では、地点取得部12は、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ2が定期的に充電される場合に、充電地点を定常移動先地点として取得する。これによれば、移動の起点となる移動元地点に充電設備がない場合であって、所定の充電地点にある充電設備において定期的に充電がされるとき、そのような充電地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。一例として、自宅の駐車場に充電設備がない場合であって、自宅から所定の距離に位置する充電地点において定期的に充電するときに、当該充電設備を定常移動先地点として扱ってもよい。
【0076】
充電制御装置1では、充電量設定部10は、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、充電量設定処理を実行しない。これによれば、移動の目的地を学習するに足りる量のデータを取得することが難しい場合には充電設定処理を実行しないことが可能となる。具体的な状況として、自由業のユーザであって移動の目的地が常に非定常的である場合、又は、車両がレンタカーであって移動の目的地が常に非定常的である場合等が例示され得る。
【0077】
充電制御方法は、外部電源3から車両100に搭載されたバッテリ2への充電を制御する充電制御方法であって、バッテリ2の充電量を設定する充電量設定ステップと、車両100の移動の起点となる移動元地点、車両100が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両100が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、バッテリ2の電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、バッテリ2が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、電力消費量取得ステップにおいては、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定ステップにおいては、バッテリ2を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ2が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、地点取得ステップにおいては、移動元地点から所定の距離に位置する充電地点においてバッテリ2が定期的に充電される場合に、充電地点を定常移動先地点として取得する。
【0078】
この充電制御方法によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。また、移動の起点となる移動元地点に充電設備がない場合であって、所定の充電地点にある充電設備において定期的に充電がされるとき、そのような充電地点については定常的な移動の目的地として扱うことにより、より精度良く好適な充電量を設定可能となる。一例として、自宅の駐車場に充電設備がない場合であって、自宅から所定の距離に位置する充電地点において定期的に充電するときに、当該充電設備を定常移動先地点として扱ってもよい。
【0079】
充電制御方法は、外部電源3から車両100に搭載されたバッテリ2への充電を制御する充電制御方法であって、バッテリ2の充電量を設定する充電量設定ステップと、車両100の移動の起点となる移動元地点、車両100が定常的に移動の目的地とする定常移動先地点、及び車両100が非定常的に移動の目的地とする非定常移動先地点を取得する地点取得ステップと、バッテリ2の電力消費量を取得する電力消費量取得ステップと、バッテリ2が充電される充電タイミングに関する情報を取得する充電タイミング情報取得ステップと、を備え、電力消費量取得ステップにおいては、移動元地点、定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である定常電力消費量を取得し、移動元地点、非定常移動先地点、及び電力消費量に基づいて、車両100が移動元地点と非定常移動先地点との間を移動することに起因する1日ごとの電力消費量である非定常電力消費量を取得し、充電量設定ステップにおいては、バッテリ2を充電する際の充電量を、定常電力消費量、非定常電力消費量、及び充電タイミングに関する情報に基づいて、バッテリ2が次に充電されるまでの期間における定常電力消費量及び非定常電力消費量を合算した電力消費量に応じて設定する充電量設定処理を実行し、いずれの地点を目的地とした移動も所定の下限回数を超えない場合、充電量設定処理を実行しない。
【0080】
この充電制御方法によれば、車両の移動先を定常的な移動先と非定常的な移動先とに分けて、バッテリが次に充電されるまでの期間における定常的な移動先への移動に必要な電力消費量、及び、非定常的な移動先への移動に必要な電力消費量を合算した電力消費量に応じて当該バッテリが充電される。これにより、電欠を避け得る充電量を精度良く推定して、バッテリの劣化を抑制可能な必要最低限の充電量の充電(いわゆる、いたわり充電)を実現可能となる。よって、バッテリの劣化を抑制しつつ十分な充電量を設定することができる。また、移動の目的地を学習するに足りる量のデータを取得することが難しい場合には充電設定処理を実行しないことが可能となる。具体的な状況として、自由業のユーザであって移動の目的地が常に非定常的である場合、又は、車両がレンタカーであって移動の目的地が常に非定常的である場合等が例示され得る。
【0081】
[変形形態]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。例えば、電力消費量は1日ごとに取得されなくてもよく(つまり、所定期間は1日でなくてもよく)、学習期間は1週間でなくてもよい。また、次回の学習期間における定常移動先地点(非定常移動先地点)は、連続する2回の学習期間において車両100が定常的に移動の目的地とした地点でなくてもよく、例えば3回以上の学習期間において車両100が定常的に移動の目的地とした地点であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 充電制御装置
2 バッテリ
3 外部電源
10 充電量設定部
11 車両位置取得部
12 地点取得部
13 電力消費量取得部
14 充電タイミング情報取得部
100 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7