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▶ 河西 幸美の特許一覧

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  • 特開-尿バッグカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014952
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】尿バッグカバー
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61F5/44 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117948
(22)【出願日】2023-07-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-07
(71)【出願人】
【識別番号】523275019
【氏名又は名称】河西 幸美
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(72)【発明者】
【氏名】河西 幸美
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CD10
(57)【要約】
【課題】使い捨て可能であり、コストがかからず、衛生面でも優れた尿バッグカバーを提供する。
【解決手段】上端部に尿バッグ11を入れるための袋口2を有し、前面部3に開くことにより尿バッグ11の尿量を視認可能になる開口4を有し、開口4から尿バッグ11の排尿管を取り出し可能であり、底部5に尿バッグ11から漏れ出た尿を溜めることが可能である尿バッグカバー1である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に尿バッグを入れるための袋口を有し、
前面部に開くことにより尿バッグの尿量を視認可能になる開口を有し、
前記開口から尿バッグの排尿管を取り出し可能であり、
底部に尿バッグから漏れ出た尿を溜めることが可能である尿バッグカバー。
【請求項2】
前記開口の上側縁又は下側縁の一方が上側縁又は下側縁の他方に被さることを特徴とする請求項1に記載の尿バッグカバー。
【請求項3】
前記尿バッグカバーを尿バッグに引っ掛けるための帯片を有し、
前記帯片の基端部が背面部又は前面部の一方の上部に接合され、
前記帯片の先端部が背面部又は前面部の他方の上部に着脱可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の尿バッグカバー。
【請求項4】
前記尿バッグカバーは、
前記前面部の前記開口よりも上側部分を構成する第1シートと、
前記前面部の前記開口の下側部分と背面部を構成する第2シートと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の尿バッグカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿バッグを覆う尿バッグカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設、病院等において使用される尿バッグ(導尿バッグとも呼ばれる)は、採取した尿の量や色が外部から見えるように透明な素材で製造されている。このため、尿バッグを利用している利用者が、見舞客や他の患者等の他人の目を気にして気まずい思いをするときがある。
【0003】
この課題を解決するために、尿バッグを覆う尿バッグカバーが提案されている。例えば特許文献1には、前面部に尿バッグの尿量を視認可能な透明部分を設けると共に、この透明部分を隠すカバーを設け、さらに下端に開口部を設け、この開口部から尿バッグの排尿管を取り出せるようにした尿バッグカバーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-87298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の尿バッグカバーにおいては、繰り返し使っているうちに尿のにおいが尿バッグカバーにしみつくという衛生面の課題がある。このため、実際には使い捨て可能なレジ袋で尿バッグを覆うことが多かった。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、使い捨て可能であり、コストがかからず、衛生面でも優れた尿バッグカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、上端部に尿バッグを入れるための袋口を有し、前面部に開くことにより尿バッグの尿量を視認可能になる開口を有し、前記開口から尿バッグの排尿管を取り出し可能であり、底部に尿バッグから漏れ出た尿を溜めることが可能である尿バッグカバーである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、尿バッグを袋口から素早く出し入れでき、前面部の開口から素早く尿の量を見たり、尿を取り出せる。本発明によれば、使い捨て可能であり、コストがかからず、衛生面でも優れた尿バッグカバーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の尿バッグカバーの斜視図である。
図2】尿バッグの正面図である。
図3】尿バッグカバーで尿バッグを覆った状態を示す図である。
図4】尿バッグカバーの前面部の開口を開いた状態を示す図である。
図5】尿バッグカバーの前面部の開口から尿バッグの排尿管を取り出した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態の尿バッグカバーを説明する。ただし、本発明の尿バッグカバーは種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態の尿バッグカバー1の斜視図を示す。尿バッグカバー1は、上端部に尿バッグを入れるための袋口2を有し、前面部3に開くことにより尿バッグの尿量を視認可能になる開口4を有し、開口4から尿バッグの排尿管を取り出し可能であり、底部5に尿バッグから漏れ出た尿を溜めることが可能である。
【0012】
図2は、尿バッグ11の正面図を示す。尿バッグ11は、透明な素材で製造されている。尿バッグ11は、正面視で全体が略四角形状で、上端部の中央部に何かに引っ掛けるための穴12が設けられている。穴12を何かに引っ掛けて吊るした状態で尿バッグ11を使用する。尿バッグ11の上端部右側には、利用者の尿を尿バッグ11に導くための採尿管13が取り付けられている。尿バッグ11の下端部には、尿バッグ11内の尿を外部へ排出するための排尿管14が取り付けられている。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の尿バッグカバー1は、この尿バッグ11を覆えるようにしたものである。尿バッグカバー1は、柔らかい素材、例えば塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム等の合成樹脂のシートでできている。尿バッグカバー1は、消臭生地のシートでできていてもよい。尿バッグカバー1は、尿バッグ11を隠すことができるように半透明又は不透明である。
【0014】
尿バッグカバー1の前面部3の開口4は、水平方向に延びている。開口4の上側縁4aは下側縁4bに被さっている。なお、開口4の下側縁4bが上側縁4aに被さっていてもよい。
【0015】
尿バッグカバー1は、前面部3の開口4よりも上側部分を構成する第1シート7と、前面部3の開口4よりも下側部分と背面部6を構成する第2シート8と、を備えている。
【0016】
第1シート7の幅方向の両端部と第2シート8の幅方向の両端部は熱融着、接着等により接合されている(斜線部分参照)。同様に、第2シート8の開口4よりも下側部分の幅方向の両端部と第2シート8の背面部6の幅方向の両端部は、熱融着、接着等により接合されている(斜線部分参照)。第2シート8は、下端部で折り曲げられていて、第2シート8の開口4よりも下側部分と背面部6は連なっている。図1では、第1シート7、第2シート8をわかり易く示すために、これらを接合する前の状態を示している。なお、前面部3と背面部6との間にまちを設けてもよい。
【0017】
尿バッグカバー1の上端部には、一対の帯片9が取り付けられている。帯片9の基端部は、背面部6の上部に熱融着、接着等により接合されている。帯片9の先端部は、前面部3の上部に着脱可能である。例えば、帯片9の先端部には、面ファスナ9aが取り付けられている。前面部3の上部にも、帯片9の面ファスナ9aと協働する面ファスナが取り付けられている。なお、帯片9の基端部を前面部3の上部に接合し、帯片9の先端部を背面部6の上部に着脱可能にしてもよい。また、帯片9は1つでもよい。
【0018】
図3は、尿バッグ11を尿バッグカバー1で覆った状態を示す。図3では、尿バッグ11を一点鎖線で示す。帯片9の先端部を前面部3から取り外し、尿バッグカバー1の上端部の袋口2に尿バッグ11を入れる。その後、帯片9の先端部を前面部3に付ければ、尿バッグカバー1が尿バッグ11に引っ掛かるようになる。尿バッグ11は尿バッグカバー1で覆われるので、外部から尿バッグ11が見えることはない。
【0019】
図4は、尿バッグカバー1の前面部3の開口4を上下に開いた状態を示す。開口4を上下に開くと、尿バッグ11の尿量や目盛りを視認できるようになる。
【0020】
図5は、開口4から尿バッグ11の排尿管14を取り出した状態を示す。開口4を開き、排尿管14を取り出せば、尿バッグ11の尿を排出することができる。尿バッグカバー1の底部5には、排尿管14を取り出すための開口が存在しない。このため、尿が床に落ちるのを防止できる。尿バッグカバー1の底部5に尿が溜まって不衛生になったら、尿バッグカバー1を交換する。
【0021】
以下に本実施形態の尿バッグカバーの効果を説明する。
【0022】
本実施形態の尿バッグカバー1によれば、尿バッグ11を袋口2から素早く出し入れでき、前面部3の開口4から素早く尿の量を見たり、尿を取り出せる。使い捨て可能であり、コストがかからず、衛生面でも優れた尿バッグカバー1が得られる。
【0023】
前面部3の開口4の上側縁4aが下側縁4bに被さるので、尿バッグ11が外部から見えるのを確実に防止できる。
【0024】
尿バッグカバー1が帯片9を備えるので、尿バッグカバー1を尿バッグ11に容易に引っ掛けることができる。
【0025】
尿バッグカバー1が、前面部3の開口4よりも上側部分を構成する第1シート7と、前面部3の開口4よりも下側部分と背面部6を構成する第2シート8と、を備えるので、尿バッグカバー1を容易に製造することができる。
【符号の説明】
【0026】
1…尿バッグカバー
2…袋口
3…前面部
4…開口
4a…上側縁
4b…下側縁
5…底部
6…背面部
7…第1シート
8…第2シート
9…帯片
9a…面ファスナ
11…尿バッグ
12…穴
13…採尿管
14…排尿管
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に尿バッグを入れるための袋口を有し、
前面部の上下方向の中央部に開くことにより尿バッグの尿量を視認可能になる開口を有し、
前記開口から尿バッグの排尿管を取り出し可能であり、
底部に尿バッグから漏れ出た尿を溜めることが可能であり、
前記開口が水平方向に延び、
前記開口の上側縁又は下側縁の一方が上側縁又は下側縁の他方に被さる尿バッグカバー。
【請求項2】
前記尿バッグカバーを尿バッグに引っ掛けるための帯片を有し、
前記帯片の基端部が背面部又は前面部の一方の上部に接合され、
前記帯片の先端部が背面部又は前面部の他方の上部に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の尿バッグカバー。
【請求項3】
前記尿バッグカバーは、
前記前面部の前記開口よりも上側部分を構成する第1シートと、
前記前面部の前記開口の下側部分と背面部を構成する第2シートと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の尿バッグカバー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、上端部に尿バッグを入れるための袋口を有し、前面部の上下方向の中央部に開くことにより尿バッグの尿量を視認可能になる開口を有し、前記開口から尿バッグの排尿管を取り出し可能であり、底部に尿バッグから漏れ出た尿を溜めることが可能であり、前記開口が水平方向に延び、前記開口の上側縁又は下側縁の一方が上側縁又は下側縁の他方に被さる尿バッグカバーである。