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特開2025-14953状態判定支援装置、状態判定モデル製造装置、超音波検査装置、状態判定支援方法、状態判定モデル製造方法、超音波検査方法、状態判定支援プログラム、状態判定モデル製造プログラム、超音波検査プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014953
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】状態判定支援装置、状態判定モデル製造装置、超音波検査装置、状態判定支援方法、状態判定モデル製造方法、超音波検査方法、状態判定支援プログラム、状態判定モデル製造プログラム、超音波検査プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/44 20060101AFI20250123BHJP
   G01N 29/265 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G01N29/44
G01N29/265
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117949
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000211064
【氏名又は名称】中外テクノス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595052046
【氏名又は名称】日本シーレーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】廿日出 好
(72)【発明者】
【氏名】貞廣 直
(72)【発明者】
【氏名】友利 明浩
(72)【発明者】
【氏名】庄山 泰彦
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB01
2G047BA03
2G047BB01
2G047BC07
2G047BC18
2G047DB03
2G047DB18
2G047GG20
2G047GG33
2G047GH06
2G047GH13
2G047GJ08
(57)【要約】
【課題】 検査対象管の状態を容易に判定できる状態判定支援装置を提供する。
【解決手段】 本開示の状態判定支援装置は、
検査結果取得部、および状態判定部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定部は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査結果取得部、および状態判定部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定部は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、管の状態判定支援装置。
【請求項2】
前記超音波探傷検査データが、画像データを含み、
前記状態判定部は、
前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、
前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大した前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、請求項1記載の状態判定支援装置。
【請求項3】
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記状態判定部は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理し、前記強調処理後のデータに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、請求項2記載の状態判定支援装置。
【請求項4】
前記状態判定部は、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、請求項3記載の状態判定支援装置。
【請求項5】
画像生成部および出力部を含み、
前記画像生成部は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定部の判定結果を重畳した判定画像を生成し、
前記出力部は、前記判定画像を出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載の状態判定支援装置。
【請求項6】
前記画像生成部は、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成し、
前記出力部は、前記管断面プロファイル推定画像を出力する、請求項5記載の状態判定支援装置。
【請求項7】
前記状態判定部は、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の状態判定支援装置。
【請求項8】
検査結果取得部、前処理部、および学習済みモデル生成部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理部は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成部は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、管の状態判定モデル製造装置。
【請求項9】
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記前処理部は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理する、請求項8記載の状態判定モデル製造装置。
【請求項10】
前記前処理部は、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、請求項9記載の状態判定モデル製造装置。
【請求項11】
前記前処理部は、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与する、請求項9または10記載の状態判定モデル製造装置。
【請求項12】
前記欠陥を示すラベルが、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む、請求項11記載の状態判定モデル製造装置。
【請求項13】
前記前処理部は、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成し、
前記学習済みモデル生成部は、前記前処理データおよび前記追加学習用データを教師データとして用いる、請求項9または10記載の状態判定モデル製造装置。
【請求項14】
状態判定部を含み、
前記状態判定部が、請求項1から4のいずれか一項に記載の状態判定支援装置である、超音波検査装置。
【請求項15】
探触装置、液体ポンプ、超音波制御装置、リードケーブル、および超音波ケーブルを含み、
前記探触装置は、探触装置本体部、及び、探触装置先端部を含み、
前記探触装置本体部は、筒状容器及び探触子を含み、
前記筒状容器は、検査対象の管内に挿入可能な大きさであり、
前記筒状容器は、前記管内への挿入方向側の先端部と、前記先端部と反対側の後端部を有し、
前記筒状容器の内部に、前記探触子が収容され、
前記探触子と前記筒状容器の内壁との間に、液体が流れることが可能な流路が形成され、
前記流路において、前記液体は、前記後端部から前記先端部に向けて流れることが可能であり、
前記探触子は、超音波を送受信可能であり、
前記探触装置先端部は、前記管内に挿入可能な大きさであり、
前記探触装置先端部は、反射ミラー、及び、回転機構、を含み、
前記反射ミラーは、前記探触子から送信された超音波を反射して前記管の内壁に対し垂直方向に前記超音波を出射可能であり、かつ、前記管の内壁で反射された超音波を反射して前記探触子に入射可能であり、
前記回転機構により、前記反射ミラーが、前記筒状容器の前記先端部に回転自在に取り付けられており、
前記回転機構は、前記流路の前記液体の流れを駆動力として前記反射ミラーを回転可能であり、
前記液体ポンプは、前記リードケーブルを通じて前記探触装置の前記筒状容器の前記後端部に前記液体を送液可能であり、
前記リードケーブル内に、前記超音波ケーブルが挿通され、
前記超音波ケーブルにより、前記超音波制御装置と前記探触子が接続され、
前記超音波制御装置により、前記探触子による超音波の送受信が制御され、且つ、超音波信号データに基づいて超音波探傷検査データが生成され、
前記超音波制御装置と、前記状態判定部とが接続され、
前記状態判定部は、前記超音波制御装置から取得した超音波探傷検査データに基づいて前記管の状態を判定する、請求項14記載の超音波検査装置。
【請求項16】
検査結果取得工程、および状態判定工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定工程は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、管の状態判定支援方法。
【請求項17】
検査結果取得工程、状態判定工程、および学習済みモデル生成工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定工程は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成工程は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、管の状態判定モデル製造方法。
【請求項18】
状態判定工程を含み、
前記状態判定工程が、請求項16記載の状態判定支援方法である、超音波検査方法。
【請求項19】
検査結果取得手順、および状態判定手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定支援プログラム。
【請求項20】
検査結果取得手順、状態判定手順、および学習済みモデル生成手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定モデル製造プログラム。
【請求項21】
状態判定手順を含み、
前記状態判定手順が、請求項19記載の状態判定支援プログラムにより実行される、超音波検査プログラム。
【請求項22】
検査結果取得手順、および状態判定手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定支援プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項23】
検査結果取得手順、前処理手順、および学習済みモデル生成手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定モデル製造プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項24】
状態判定手順を含み、
前記状態判定手順が、請求項19記載の状態判定支援プログラムにより実行される、超音波検査プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は状態判定支援装置、状態判定モデル製造装置、超音波検査装置、状態判定支援方法、状態判定モデル製造方法、超音波検査方法、状態判定支援プログラム、状態判定モデル製造プログラム、超音波検査プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
化学工業の各種プラント及び工場では、多数の管があり、管の腐食等を超音波で検査する非破壊検査が実施されている。例えば、特許文献1には、超音波を射出し、反射波を受信する探触子と、受信信号を増幅する増幅回路と、メモリと、内面からの反射波を認識する内面反射波認識手段と、増幅回路で増幅された値が、第一閾値以上になると、受信信号を増幅した値が、第二閾値未満になるように、増幅回路の増幅度を下げ、その下げた状態から増幅回路の増幅度を所定時間まで増加させる増幅度変換手段と、外面からの反射波を認識する外面反射波認識手段と、壁の厚さを検知する厚さ検知手段を備える超音波探傷法による検査システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5042153号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような検査システムを用いた超音波探傷法においては、検査対象管に孔食、減肉等の欠陥があるかどうか等の検査対象管の状態を、専門の検査員が検査結果を目視で確認し、欠陥部位の有無や欠陥の種類を探し出す必要がある。このため、特許文献1のような検査システムを用いて管の状態を判定するには、専門の検査技師が必要となり、また、手間もかかるという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、検査対象管の状態を容易に判定できる状態判定支援装置、状態判定モデル製造装置、超音波検査装置、状態判定支援方法、状態判定モデル製造方法、超音波検査方法、状態判定支援プログラム、状態判定モデル製造プログラム、超音波検査プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示の状態判定支援装置は、
検査結果取得部、および状態判定部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定部は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する。
【0007】
本開示の状態判定モデル製造装置は、
検査結果取得部、前処理部、および学習済みモデル生成部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理部は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成部は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する。
【0008】
本開示の超音波検査装置は、
状態判定部を含み、
前記状態判定部が、前記本開示の状態判定支援装置である。
【0009】
本開示の状態判定支援方法は、
検査結果取得工程、および状態判定工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定工程は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する。
【0010】
本開示の状態判定モデル製造方法は、
検査結果取得工程、前処理工程、および学習済みモデル生成工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理工程は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成工程は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する。
【0011】
本開示の超音波検査方法は、
状態判定工程を含み、
前記状態判定工程が、前記本開示の状態判定支援方法である。
【0012】
本開示の状態判定支援プログラムは、
検査結果取得手順、および状態判定手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0013】
本開示の状態判定モデル製造プログラムは、
検査結果取得手順、前処理手順、および学習済みモデル生成手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0014】
本開示の超音波検査プログラムは、
状態判定手順を含み、
前記状態判定手順が、前記本開示の状態判定支援プログラムにより実行されるプログラムである。
【0015】
本開示の記録媒体は、前記本開示の状態判定支援プログラム、状態判定モデル製造プログラム、または超音波検査プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、検査対象管の状態を容易に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示の状態判定支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の状態判定支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本開示の状態判定支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、検査結果取得部の処理を説明するための模式図である。
図5図5は、状態判定部の処理を説明するための模式図である。
図6図6は、状態判定部の処理を説明するための模式図である。
図7図7は、本開示の状態判定支援装置の一例の構成を示すブロック図である。
図8図8は、本開示の状態判定支援装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、画像生成部が生成した画像の一例を示す図である。
図10図10は、本開示の状態判定モデル製造装置の一例の構成を示すブロック図である。
図11図11は、本開示の状態判定モデル製造装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図12図12は、本開示の状態判定モデル製造装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、状態判定モデルの性能指標を示す図である。
図14図14は、状態判定モデルの性能指標を示す図である。
図15図15は、状態判定モデルの性能指標を示す図である。
図16図16は、本開示の超音波検査装置の構成の一例を示す模式図である。
図17図17は、本開示の超音波検査装置における、探触装置の構成の一例を示す模式図である。
図18図18(a)は、本開示の探触装置における液体の流れの一例を示す模式図であり、図18(b)は、探触装置の反射ミラー及び回転機構の構成の一例を示す模式図である。
図19図19は、検査対象の管の周方向傷を超音波で検査する一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本開示の実施形態について図を用いて説明する。本開示は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0019】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の状態判定支援装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、検査結果取得部11、および状態判定部12を含む。また、本装置10は、図示していないが、記憶部を含んでもよい。図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び/又は記憶部を含んでもよい。
【0020】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本開示のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0021】
図2に、本装置10のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0022】
中央処理装置101は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本開示のプログラム(前記状態判定支援プログラム)やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、検査結果取得部11、および状態判定部12として機能する。本装置10は、演算装置として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0023】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、後述する本開示の状態判定モデル製造装置、本開示の超音波検査装置、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0024】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本開示のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0025】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本開示のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置10が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置104は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、本装置のユーザの情報(氏名、識別番号、属性情報(性別、年齢、所属組織、住所、連絡先等)、生体情報等)、超音波探傷検査データ、画像データ、前処理データ、状態判定モデル、判定結果等を記憶できる。
【0026】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、前述の本装置のユーザの情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0027】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、出力装置106を備える。入力装置105は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置105と出力装置106とは、別個に構成されているが、入力装置105と出力装置106とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0028】
つぎに、本実施形態の状態判定支援方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の状態判定支援方法は、例えば、図1又は図2の状態判定支援装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の状態判定支援方法は、図1又は図2の状態判定支援装置10の使用には限定されない。
【0029】
まず、検査結果取得部11は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得する(S1、検査結果取得工程)。前記超音波探傷検査データは、例えば、前記検査対象管について、超音波探傷検査試験を実施した結果を示すデータである。前記超音波検査探傷試験は、例えば、水浸UT検査等と呼ばれる、内部回転式超音波検査システム(IRIS)を利用した配管内挿式超音波探傷試験であってもよい。前記超音波探傷検査データは、例えば、画像データを含む。前記画像データは、例えば、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像である。検査結果取得部11は、例えば、超音波検査装置が出力した超音波探傷検査データから、前記等高線画像の領域を切り抜くことにより、前記画像データを含む超音波探傷検査データを取得できる。前記等高線画像は、例えば、カラーコンターマップともいう。前記カラーコンターマップは、例えば、複数の色彩により、検査対象管の状態が表現された画像である。具体例として、例えば、前記カラーコンターマップは、例えば、青色、緑色、黄色、赤色の領域を含む。前記カラーコンターマップにおいて、青色で示す領域が、減肉なし(正常部位ともいう)、緑色で示す領域が、軽度の減肉部位、黄色で示す領域が、中度の減肉部位、赤色で示す領域が、重度の減肉部位を意味する。前記「軽度」、「中度」、「重度」は、例えば、相対的な指標(例えば、減肉量の最も多い領域が重度、減肉量が次いで多い領域が中度、減肉はしているが減肉量が相対的に少ない領域が軽度)であってもよいし、絶対的な指標(例えば、重度減肉閾値、中度減肉閾値、軽度減肉閾値を設定し、それぞれを超える場合に重度、中度、又は軽度とする)であってもよい。なお、前記カラーコンターマップにおける色彩と検査対象管の状態との組み合わせは、例示であり、本開示はこれには限定されない。具体的に、検査結果取得部11は、例えば、超音波検査装置から直接的に超音波探傷検査データを取得してもよいし、超音波検査装置が測定した超音波探傷検査データが記憶された外部のデータベースやサーバから前記超音波探傷検査データを取得してもよい。前者の場合、前記超音波検査装置は、例えば、後述する本開示の超音波検査装置でもよいし、その他の超音波検査装置でもよい。検査結果取得部11による処理は、例えば、公知の画像処理用のライブラリを用いて実行されてもよい。前記画像処理用のライブラリは、例えば、Open CV等があげられる。
【0030】
前記超音波探傷検査データは、例えば、その他のデータを含んでもよい。前記その他のデータは、前記超音波検査装置により出力される種々の情報があげられる。具体例として、前記超音波探傷検査データは、例えば、管断面画像を含んでもよい。前記管断面画像は、例えば、前記超音波検査装置により出力された前記検査対象管の断面を示す画像である。検査結果取得部11は、例えば、前記管断面画像をさらに取得してもよい。この場合、検査結果取得部11は、例えば、前記超音波探傷検査データから、前記管断面画像の領域を切り抜くことにより、前記管断面画像を取得できる。
【0031】
図4を用いて、検査結果取得部11の処理を具体的に説明する。図4(A)は、超音波探傷検査データ110の一例を示す模式図である。図4(A)に示すように、超音波探傷検査データ110は、例えば、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像(カラーコンターマップ)111と、管断面画像112とを含む。検査結果取得部11は、例えば、図4(A)に示す超音波探傷検査データ110において、黒枠線で囲った領域を切り出すことにより、図4(B)に示すカラーコンターマップ111と管断面画像112を取得できる。
【0032】
状態判定部12は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する(S2、状態判定工程)。前記検査対象管の「状態」とは、例えば、前記検査対象管のパラメータ(例えば、厚み)でもよいし、前記検査対象管の欠陥の有無でもよいし、前記検査対象管の欠陥の種類でもよいし、欠陥の状態でもよい。状態判定部12は、例えば、前記超音波探傷検査データに基づいて、前記検査対象管の厚み、前記検査対象管の腐食、孔食、減肉部位の有無、前記検査対象管の欠陥部位における厚み等を判定できる。状態判定部12は、例えば、画像解析処理により前記検査対象管の状態を判定してもよいし、機械学習モデルを用いて前記検査対象管の状態を判定してもよい。
【0033】
前記機械学習モデルを用いた判定を行う場合、状態判定部12は、例えば、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定できる。
前記状態判定モデルは、例えば、前記超音波探傷検査データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力するように学習されたモデル(AI)である。前記状態判定モデルに入力する前記超音波探傷検査データは、例えば、前記超音波探傷検査データが含む画像データであってもよく、さらに、後述する前処理データであってもよい。前記状態判定結果は、例えば、前記検査対象管における欠陥部位(例えば、腐食部位、孔食部位、減肉部位、割れ等破損部位等)の有無;腐食、孔食、減肉、割れ等の欠陥の種類;欠陥の発生位置;欠陥の発生確率;等の情報があげられる。前記状態判定モデルは、例えば、後述する本開示の状態判定モデル製造装置により構築されたモデルがあげられる。前記状態判定モデルは、例えば、本装置10の前記記憶部に予め格納されていてもよいし、本装置10外部に記憶されていてもよい。
【0034】
前記状態判定モデルは、例えば、超音波探傷検査データを入力する入力層と、前記検査対象管の欠陥を出力する出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層とを含む。前記状態判定モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールであってもよい。多層化ネットワークとしては、例えば、ニューラルネットワーク等が挙げられる。前記ニューラルネットワークとしては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)等が挙げられるが、CNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木等の他の学習アルゴリズムで構築された学習済みモデルであってもよい。CNNを用いた物体検出ネットワークの具体例として、例えば、Faster R-CNNが利用できる。Faster R-CNNは、例えば、物体検出における推定精度が高いため、推定精度の向上が期待できる。
【0035】
前記状態判定モデルは、例えば、前記超音波探傷検査データと前記前処理データへのラベル(例えば、検査対象管における欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベル)を教師データとして用いた機械学習によって生成できる。前記状態判定モデルの生成については、後述する。なお、前記状態判定モデルは、例えば、予め生成された学習済モデルでもよい。また、前記学習済モデルは、前記教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)でもよい。さらに、前記学習済モデルは、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルでもよいし、前記教師データを用いて生成した学習済モデルをモデル圧縮することに生成した学習済モデルでもよい。
【0036】
前記画像解析処理による状態判定を行う場合、状態判定部12は、例えば、画像解析処理により、前記超音波探傷検査データが含む特徴情報を抽出する。前記特徴情報は、例えば、前記超音波探傷検査データが画像データを含み、前記画像データが前記カラーコンターマップである場合、例えば、前記カラーコンターマップが含む色彩の情報があげられる。状態判定部12は、例えば、前記画像データの各画素において、抽出した色彩に基づいて、前記検査対象管の該当部位が、前記色彩と対応する状態であると判定できる。前記状態の判定は、例えば、色彩の種類と状態(例えば、欠陥)の種類とが対応づけられた状態判定データベースを参照することにより実施できる。前記状態判定データベースは、例えば、前記検査対象管における状態(例えば、腐食部位、孔食部位、減肉部位、割れ等破損部位等の欠陥の有無;腐食、孔食、減肉、割れ等の欠陥の種類;欠陥の発生位置;欠陥の発生確率;管の厚み)と、前記超音波探傷検査データが含む画像データ(カラーコンターマップ)の色彩とが対応づけられたデータベースである。前記状態判定データベースにおいては、例えば、孔食部位の赤色領域(pcred)、孔食部位の黄色領域(pcyellow)、減肉部位の赤色領域(cwred)、減肉部位の黄色領域(cwyellow)、およびノイズ(noise)のラベルと、前記色彩の特徴(色、面積等)とが対応づけられていることが好ましい。前記状態判定データベースにおいて、例えば、さらに、前記色彩と前記色彩を含む領域の面積の閾値がさらに紐づけられていてもよい。この場合、状態判定部12は、例えば、前記前処理データにおける前記色彩および前記色彩を含む領域の面積と、前記状態判定データベースとを照合することにより、前記検査対象管の状態を判定できる。前記状態判定データベースは、例えば、本装置10の記憶部に格納されていてもよいし、本装置10外部に記憶されていてもよい。
【0037】
前記超音波探傷検査データが前記管断面画像を含む場合、状態判定部12は、例えば、前記管断面画像に基づいて、管断面プロファイルを推定してもよい。前記管断面プロファイルは、例えば、前記管断面画像における推定欠陥部位を示す情報である。状態判定部12は、例えば、画像解析処理により前記管断面画像から前記管断面プロファイルを推定してもよいし、機械学習を用いて前記管断面プロファイルを推定してもよい。前者の場合、状態判定部12は、例えば、物体検出処理により、前記管断面画像が示す検査対象管の形状を検出し、検出した形状に基づいて前記管断面プロファイルを推定できる。この場合、状態判定部12は、例えば、前記管断面画像が示す検査対象管の形状と前記管断面プロファイルとが対応づけられたデータベースを参照することにより、前記管断面プロファイルを推定できる。後者の場合、状態判定部12は、例えば、前記管断面画像にセマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation:SS)を適用して前記管断面プロファイルを推定できる。前記セマンティックセグメンテーションは、例えば、全層畳み込みネットワーク(Fully Convolutional Networks ; FCN)、PSPNet (Pyramid Scene Parsing Network)等のセマンティックセグメンテーション用深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)を利用することにより実施できる。前記セマンティックセグメンテーション用NNは、例えば、前記管断面画像に含まれるノイズ(例えば、超音波抜け)を除くようにラベル付けされた教師データにより学習されていてもよい。具体的に、状態判定部12は、例えば、前記管断面画像にセマンティックセグメンテーションを適用し、前記管断面画像における管断面と、背景とを識別する。そして、識別した管断面部分の形状に基づいて、孔食部位、減肉部位の場所を推定できる。
【0038】
また、状態判定部12は、例えば、前記画像データを処理した前処理データを生成し(前処理工程)、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定してもよい。この場合、状態判定部12は、例えば、前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成する(分割工程)。前記分割画像データは、例えば、前記画像データにおける縦方向および横方向について、それぞれ中央の位置で4分割した画像データである。そして、状態判定部12は、例えば、前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大することで、前処理データを生成できる(拡大工程)。図5を用いて、前記前処理データの生成処理の具体例について説明する。図5(A)に示すように、例えば、画像データ111が、縦307ピクセル、横813ピクセルの大きさの画像データであるとする。この場合、状態判定部12は、前記分割工程として、図5(A)に示す破線の位置で画像データ111を4分割し、図5(B)に示すように、横406.5ピクセル、縦153.5ピクセルの大きさの分割画像データ111a、111b、111c、111dを生成する。そして、状態判定部12は、前記拡大工程として、分割画像データ111a、111b、111c、111dそれぞれについて、縦のサイズおよび横のサイズを二倍にして、縦307ピクセル、横813ピクセルの大きさの前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する。図5(C)に、分割画像データ111aを処理した前処理データ111Aの一例を示す。状態判定部12による前処理データの生成処理は、例えば、公知の画像処理用のライブラリを用いて実行されてもよい。前記画像処理用のライブラリは、例えば、Open CV等があげられる。
【0039】
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像である場合、状態判定部12は、例えば、さらに、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理してもよい(強調処理工程)。状態判定部12が検出する色彩は、特に制限されず、任意の色彩とできるが、例えば、前記カラーコンターマップにおいて、検査対象管の欠陥(例えば、減肉部位、孔食部位)等を示す色彩(例えば、赤色、黄色等)を検出できる。また、状態判定部12は、例えば、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画することにより、前記領域を強調処理できる。状態判定部12がこのような処理を行うことにより、例えば、前記検査対象管における比較的小さい欠陥(例えば、孔食、減肉)部位の判定精度の向上が期待できる。図6を用いて、前記等高線画像の強調処理の具体例を説明する。まず、図6(A)に示すように、状態判定部12は、前記等高線画像に対し、色彩認識処理を行い、赤色領域1111と、黄色領域1112とを検出する。そして、状態判定部12は、図6(B)に示すように、検出した赤色領域1111の外周、すなわち、赤色領域1111と他の色との境界線を、赤色枠1111aで描画し、検出した黄色領域1112の外周、すなわち、黄色領域1112と他の色との境界線を、黄色枠1112aで描画する。これにより、例えば、欠陥部位を示す黄色領域および赤色領域を強調表示することができ、前記検査対象管における比較的小さい欠陥部位の検出精度を向上できる。なお、図6に示す赤色領域1111、黄色領域1112、赤色枠1111a、および黄色枠1112aは、例示であり、本開示は図6の例示に何ら制限されない。
【0040】
状態判定部12は、例えば、前記強調処理後の前記等高線画像に基づいて前記検査対象管の状態判定を行った場合、さらに、検証工程を実行してもよい。前記検証工程は、例えば、前記状態判定結果(例えば、欠陥部位の位置等)を前記強調処理前の前記等高線画像に反映し、前記強調処理の前後における、前記色彩の相違を検証する工程である。これにより、例えば、前記強調処理に基づく誤判定を抑制することができる。
【0041】
本装置10は、例えば、前記状態判定結果を出力してもよい。前記状態判定結果の出力については、実施形態2で後述する。
【0042】
本実施形態の状態判定支援方法において、前記S1~S2を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本開示はこれには制限されない。本開示において、前記S1~S2は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0043】
本実施形態の状態判定支援装置によれば、検査対象管の超音波探傷検査データを入力することで、前記超音波探傷検査データが含む画像データに基づいて検査対象管の状態を判定できる。このため、本実施形態の状態判定支援装置によれば、例えば、容易に前記検査対象管における状態を判定できる。また、例えば、本実施形態の状態判定支援装置を超音波検査装置と接続することにより、自動的に検査対象管の状態を判定することも可能になる。
【0044】
[実施形態2]
本実施形態は、実施形態1の状態判定支援装置10の構成に加えて、画像生成部および出力部を含むこと以外は、実施形態1の状態判定支援装置10と同様であり、その説明を援用できる。本実施形態の状態判定支援装置は、例えば、画像生成部および出力部を含み、前記画像生成部は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定部の判定結果を重畳した判定画像を生成し、前記出力部は、前記判定画像を出力する。
【0045】
図7は、本実施形態の状態判定支援装置10Aの一例の構成を示すブロック図である。図7に示すように、状態判定支援装置10Aは、実施形態1の状態判定支援装置10の構成に加えて、画像生成部13および出力部14を含む。状態判定支援装置10Aのハードウェア構成は、図2の状態判定支援装置10のハードウェア構成において、CPU101が、図1の状態判定支援装置10の構成に代えて、図7の状態判定支援装置10Aの構成を含む以外は同様である。
【0046】
つぎに、本実施形態の状態判定支援方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。本実施形態の状態判定支援方法は、例えば、図7に示す本実施形態の状態判定支援装置10Aを用いて実施できる。なお、本開示の状態判定支援方法は、状態判定支援装置10Aの使用に限定されない。
【0047】
まず、前記実施形態1の状態判定支援方法におけるS1~S2と同様にして、S1~S2を実施する。
【0048】
つぎに、画像生成部13は、例えば、前記超音波探傷検査データに前記状態判定部の判定結果を重畳した判定画像を生成する(S3、画像生成工程)。画像生成部13は、例えば、超音波検査装置が生成した前記超音波検査データを示す画像上に、前記判定結果を重畳することにより、前記判定画像を生成できる。また、前記S2において、管断面プロファイルが推定されている場合、画像生成部13は、例えば、さらに、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成してもよい。前記管断面プロファイル推定画像は、例えば、前記検査対象管の管断面画像に対し、前記管断面プロファイルに基づいて推定された欠陥部位が重畳された画像である。この場合、画像生成部13は、例えば、超音波検査装置が生成した前記管断面画像上に、前記管断面プロファイルを重畳することにより、前記管断面プロファイル推定画像を生成できる。
【0049】
出力部14は、例えば、前記判定画像を出力する(S4、出力工程)。出力部14は、例えば、状態判定支援装置10Aの出力装置(ディスプレイ)106に前記判定画像を出力(表示)してもよいし、装置外の表示装置に、前記判定画像を出力(表示)させてもよい。前記装置外の表示装置は、例えば、超音波検査装置が備えるモニタ、外部ディスプレイ等があげられる。また、S3において、前記管断面プロファイル推定画像が生成されている場合、出力部14は、例えば、前記管断面プロファイル推定画像を出力してもよい。前記判定画像と前記管断面プロファイル推定画像とは、同時に出力してもよいし、別々に出力してもよい。
【0050】
図9に、画像生成部13により生成され、出力部14により出力された判定画像および管断面プロファイル推定画像の一例を示すが、本開示は図9の例示に何ら制限されない。図9の上部に示すモニタ(1)は、超音波検査装置(IRIS)の画面であり、図9の下部に示すモニタ(2)が、本装置10Aのモニタ(出力装置)106である。図9に示すように、本装置10Aは、超音波検査装置のモニタ(1)の画面の、等高線画像111および管断面画像112を含む超音波探傷検査データをモニタ(2)にミラーリング(複製)し、前記超音波探傷検査データに判定画像113と管断面プロファイル推定画像112Aを重畳表示できる。
【0051】
本実施形態の状態判定支援方法において、前記S1~S4を順次実行する場合を例に挙げて説明したが、本開示はこれには制限されない。本開示において、前記S1~S4は、例えば、同時に実行してもよいし、別個に実行してもよい。後者の場合、実行する順序は、特に制限されず、任意である。
【0052】
本実施形態の状態判定支援装置は、判定画像を出力できる。これにより、ユーザは、例えば、出力された判定画像を確認することで、容易に検査対象管の状態を判定できる。
【0053】
[実施形態3]
実施形態3は、本開示の状態判定モデル製造装置の例である。
【0054】
本実施形態の状態判定モデル製造装置について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態の状態判定モデル製造装置20の一例の構成を示すブロック図である。図10に示すように、状態判定モデル製造装置20は、検査結果取得部21、前処理部22、学習済みモデル生成部23を含む。また、図示していないが、状態判定モデル製造装置20は、例えば、記憶部を含んでもよい。
【0055】
本装置20は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置20は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置20は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置20は、例えば、本開示のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。本装置20は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0056】
図11に、本装置20のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置20は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)201、メモリ202、バス203、記憶装置204、入力装置205、出力装置206、通信デバイス207等を含む。本装置20の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス203を介して相互に接続されている。
【0057】
中央処理装置201は、コントローラ(システムコントローラ、I/Oコントローラ等)等により、他の構成と連携動作し、本装置20の全体の制御を担う。本装置20において、中央処理装置201により、例えば、本開示のプログラム(前記状態判定支援プログラム)やその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置201が、検査結果取得部21、前処理部22、および学習済みモデル生成部23として機能する。本装置20は、演算装置として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerated Processing Unit)等の他の演算装置を備えてもよいし、これらの組合せを備えてもよい。
【0058】
バス203は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、前記本開示の状態判定支援装置、後述する本開示の超音波検査装置、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置20は、例えば、バス203に接続された通信デバイス207により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0059】
メモリ202は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置201が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置204に記憶されている本開示のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ202が読み込み、中央処理装置201は、メモリ202からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ202は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0060】
記憶装置204は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置204には、本開示のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置204は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置204は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。本装置20が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置204は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、本装置のユーザの情報(氏名、識別番号、属性情報(性別、年齢、所属組織、住所、連絡先等)、生体情報等)、超音波探傷検査データ、画像データ、前処理データ、状態判定モデル等を記憶できる。
【0061】
本装置20において、メモリ202及び記憶装置204は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置20によって生成した情報、本装置20が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ202及び記憶装置204は、例えば、前述の本装置のユーザの情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ202及び記憶装置204以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0062】
本装置20は、例えば、さらに、入力装置205、出力装置206を備える。入力装置205は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス;キーボード;カメラ、スキャナ等の撮像手段;ICカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ;マイク等の音声入力手段;等があげられる。出力装置206は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示装置;スピーカ等の音声出力装置;プリンタ;等があげられる。本実施形態1において、入力装置205と出力装置206とは、別個に構成されているが、入力装置205と出力装置206とは、タッチパネルディスプレイのように、一体として構成されてもよい。
【0063】
つぎに、本実施形態の状態判定モデル製造方法の一例を、図12のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の学習済みモデルの製造方法は、例えば、図10及び図11の状態判定モデル製造装置20を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の状態判定モデル製造方法は、図10及び図11の状態判定モデル製造装置20の使用には限定されない。
【0064】
まず、検査結果取得部21により、検査対象管の超音波探傷検査データを取得する(S21、検査結果取得工程)。検査結果取得部21の処理は、例えば、前記実施形態1のS1と同様にして実施でき、その説明を援用できる。
【0065】
つぎに、前処理部22により、前記画像データを処理した前処理データを生成する(S22、前処理工程)。前処理部22の処理は、例えば、前記実施形態1のS2における前記前処理データの生成処理と同じであってもよいし、異なる処理であってもよい。前処理部22が、例えば、前記実施形態1のS2における前記前処理工程(前記分割工程、前記拡大工程、および前記強調処理工程)と同じ処理を行う場合、前処理部22は、前記実施形態1の前記前処理工程と同様にして実施でき、その説明を援用できる。
【0066】
また、本装置20の前処理部22は、例えば、さらに、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与してもよい。前記欠陥を示すラベルは、例えば、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む。前処理部22は、例えば、入力装置205への入力に基づいて前記前処理データの各領域にラベルを付与できる。具体的に、前処理部22は、例えば、前記色彩を含む領域に対し、「孔食部位の赤色領域(pcred)」、「孔食部位の黄色領域(pcyellow)」、「減肉部位の赤色領域(cwred)」、「減肉部位の黄色領域(cwyellow)」、および「ノイズ(noise)」の5種類のラベルを付与できる。なお、本装置20は、これには制限されず、例えば、機械学習(例えば、ニューラルネットワークを利用した学習)により学習された機械学習モデルにより推定されたラベルを自動的に付与してもよい。
【0067】
さらに、前処理部22は、例えば、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成してもよい。前処理部22が変更する色彩の組み合わせは、特に制限されず、任意の色を他の任意の色に変更できる。具体例として、例えば、前記カラーコンターマップにおいて、黄色および赤色が検査対象管の欠陥と関連する色彩である場合、前処理部22は、例えば、黄色を赤色に、緑色を黄色に変更できる。これにより、例えば、欠陥部位の数を増加させた学習用のデータを生成でき、欠陥の検出精度を向上できる。
【0068】
また、前処理部22は、例えば、敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network:GAN)の手法により、さらに追加学習用データを生成してもよい。この場合、前記画像データを拡張してもよいし。前記管断面画像データを拡張してもよい。これにより、教師データの数が比較的少ない場合においても精度の高い状態判定が可能となる。
【0069】
つぎに、学習済みモデル生成部23は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する(S23、学習工程)。具体的に、学習済みモデル生成部23は、例えば、前記前処理データを教師データとして用いて機械学習によって前記状態判定モデルを構築する。前記機械学習は、特に制限されず、例えば、CNN、SVM、ベイジアンネットワーク、回帰木等を用いた機械学習である。また、学習済みモデル生成部23は、例えば、前記教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)を生成してもよい。さらに、学習済みモデル生成部23は、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルを生成してもよいし、前記教師データを用いて生成した学習済モデルをモデル圧縮することにより前記学習済モデルを生成してもよい。
【0070】
以下、具体例をあげて前処理部22および学習済みモデル生成部23による処理を説明するが、本開示は以下の例示には何ら制限されない。まず、学習用の前記超音波探傷検査データとして、超音波検査装置(IRIS)から得られた検査対象管のカラーコンターマップを多数用意し、各データに対し、孔食部位の赤色領域(pcred)、孔食部位の黄色領域(pcyellow)、減肉部位の赤色領域(cwred)、減肉部位の黄色領域(cwyellow)、およびノイズ(noise)の5種類のラベルを付与した。また、各データにおいて、黄色領域の外周を黄色枠線で強調処理し、赤色領域の外周を赤色枠線で強調処理した。
【0071】
つぎに、ラベル付与後の前処理データについて、画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、さらに、各分割画像データの縦および横をそれぞれ二倍に拡大した前処理データを生成した。そして、拡大後の前処理データ、または、分割前の前処理データを、Detectron2にて学習させ、状態判定モデルを作成した。学習時のバッチ数は6、学習率は0.01、学習回数は5万回とした。図13に、各状態判定モデルの性能を示す。図13に示すように、モデル1および2は、分割・拡大後の前処理データを用いたモデルであり、モデル3および4は、分割前の前処理データを用いたモデルである。また、モデル1および3は、訓練データとして8449枚の画像データを使用し、モデル2および4は、訓練データとして16369枚の画像データを用いたモデルである。モデルの評価としては、検出度(red)および検出度(yellow)を指標として用いた。図13に示すように、検出度(red)は、訓練画像全ての色分類結果における赤色領域(red)の検出数と、訓練画像全ての孔食部位の赤色領域(pcred)および減肉部位の赤色領域(cwred)の合計値の割合により求めることができる。検出度(yellow)は、訓練画像全ての色分類結果における黄色領域(yellow)の検出数と、訓練画像全ての孔食部位の黄色領域(pcyellow)および減肉部位の黄色領域(cwyellow)の合計値の割合により求めることができる。図13に示すように、モデル1~4のすべてのモデルは、入力されたカラーコンターマップに基づいて、検査対象管の状態を判定できた。また、入力画像の前処理として、4分割後に縦横二倍処理を行ったモデル1および2は、検出度(red)および検出度(yellow)のいずれも向上することがわかった。
【0072】
つぎに、前記前処理データについて、画像処理により、画像中の黄色を赤色に、緑色を黄色に変換した追加学習データを生成し、前記前処理データと前記追加学習データとをDetectron2にてバッチ数6、学習率0.01で学習したモデルを製造した。また、学習回数を5万回、8万回、12万回と変化させた。図14に、状態判定モデルの性能を示す。図14において、モデル1は、前記図13のモデル1と同じモデルの結果を示し、モデル5は、前記追加学習データを用い、学習回数を8万回としたモデルであり、モデル6は、前記追加学習データを用い、学習回数を12万回としたモデルである。図14に示すように、モデル1、5、6のすべてのモデルは、入力されたカラーコンターマップに基づいて、検査対象管の状態を判定できた。また、追加学習データを用い、学習回数を8万回とすることで、検出度(red)が向上することがわかった。
【0073】
つぎに、前記前処理データにおいて、強調処理の有無による差を確認した。図15に、状態判定モデルの性能を示す。図15において、モデル1は、前記図13のモデル1と同じモデルの結果を示し、モデル7は、前処理データが、前記強調表示なしのモデルであり、モデル8は、前記前処理データが、前記強調表示なし、且つ、前記追加学習データを用いたモデルである。図15に示すように、モデル1、7、8のすべてのモデルは、入力されたカラーコンターマップに基づいて、検査対象管の状態を判定できた。また、モデル1の検出度(red)および検出度(yellow)が最も高かったことから、強調処理により大きく欠陥の検出精度が向上することが分かった。
【0074】
[実施形態4]
実施形態4は、本開示の超音波検査装置について説明する。本開示の超音波検査装置は、例えば、状態判定部を含み、前記状態判定部が、前記本開示の状態判定支援装置であることを特徴とし、その他の構成は特に制限されない。
【0075】
本開示の超音波検査装置は、例えば、公知の超音波検査装置が備える各種の部材を備えていてもよい。前記部材は、例えば、探触装置、液体ポンプ、超音波制御装置、リードケーブル、および超音波ケーブルがあげられる。図16に、本実施形態の超音波検査装置の構成の一例の模式図を示す。図16に示すように、本実施形態の超音波検査装置30は、状態判定部(状態判定支援装置)10、探触装置31、液体ポンプ32、超音波制御装置33、リードケーブル34、および超音波ケーブル(図示せず)を含む。
【0076】
液体ポンプ32は、例えば、リードケーブル34を通じて、図17に示す探触装置31の筒状容器311の後端部に液体(例えば、水)を送液可能である。具体的に、液体ポンプ32は、例えば、水圧を上げることで、前記液体を送液可能である。
【0077】
リードケーブル34は、例えば、液体ポンプ32と探触装置31、超音波制御装置33と探触装置31とを接続するためのケーブルであり、リードケーブル34内に、前記超音波ケーブルが挿通される。前記超音波ケーブルにより、超音波制御装置33と探触子312が接続される。リードケーブル34及び前記超音波ケーブルの長さは、特に制限されず、検査対象の管の長さに応じて適宜設定可能である。
【0078】
超音波制御装置33は、例えば、探触装置31による超音波の送受信を制御する装置であり、前記超音波ケーブルにより、超音波制御装置33の制御信号が探触子312に伝送され、探触子312による超音波の送受信が制御される。また、超音波制御装置33は、探触子312が受信し、かつ、超音波制御装置33に送信された超音波探傷検査データを解析し、前記超音波探傷検査データを生成する。
【0079】
超音波制御装置33と、状態判定支援装置10とは、例えば、互いに接続可能な装置である。超音波制御装置33及び状態判定支援装置10との接続は、例えば、有線でも無線でもよい。前記無線での接続は、例えば、通信回線網を介した通信があげられる。前記通信回線網は、例えば、前述の通りである。
【0080】
状態判定支援装置10は、前記本開示の状態判定支援装置であり、超音波制御装置33から取得した超音波探傷検査データに基づいて前記管の状態を判定する。
【0081】
探触装置31は、特に制限されず、例えば、公知の探触装置が利用できる。図16および図17を用いて、前記探触装置の一例の構成を説明する。図17は、探触装置31の構成の一例を示す模式図である。探触装置31は、探触装置本体部、及び、探触装置先端部を含む。前記探触部本体部は、図17に示すように、筒状容器311及び探触子312を含む。筒状容器311の内部に、探触子312が収容される。筒状容器311は、前記管内への挿入方向側の先端部と、前記先端部と反対側の後端部を有する。前記探触装置先端部は、反射ミラー313、及び、回転機構314を含む。
【0082】
前記探触装置先端部及び筒状容器311の大きさは、検査対象の管2内に挿入可能な大きさであればよく、特に制限されない。
【0083】
図18(a)は、液体の流れの一例を示す模式図である。図18(a)に示すように、探触子312と筒状容器311の内壁との間に、液体3が流れることが可能な流路が形成される。前記流路において、液体3は、前記後端部から前記先端部に向けて流れることが可能である。液体3は、特に制限されないが、例えば、水である。液体3は、例えば、前述のように、液体ポンプ32からリードケーブル34を通じて、筒状容器311の後端部に送液される。検査対象の管2の内部は、例えば、予め液体3によって満たされていてもよいし、液体ポンプ32による送液により液体3によって満たされてもよい。
【0084】
探触子312は、超音波を送受信可能である。前記超音波の周波数は、検査対象の管2及び液体3の種類に応じて、適宜設定可能である。
【0085】
反射ミラー313は、探触子312から送信された超音波を反射して検査対象の管2の内壁に対し垂直方向に前記超音波を出射可能であり、かつ、検査対象の管2の内壁で反射された超音波を反射して探触子312に入射可能である。反射ミラー313は、回転機構314により、筒状容器311の前記先端部に回転自在に取り付けられている。反射ミラー313の角度は特に制限されず、適宜設定可能である。
【0086】
回転機構314は、前記流路の液体3の流れを駆動力として反射ミラー313を回転可能である。図18(b)は、反射ミラー313及び回転機構314の構成の一例を示す模式図である。図18(b)に示すように、回転機構314は、例えば、筒状回転体314a、及び、板状回転体314bを含む。筒状回転体314aは、検査対象の管2内の挿入方向側の先端部と、前記先端部と反対側の後端部を有する。反射ミラー313は、筒状回転体314aの前記先端部に配置される。板状回転体314bは、筒状回転体314aの前記後端部に配置される。筒状回転体314aは、板状回転体314bを介して前記筒状容器の前記先端部に回転自在に取り付けられる。板状回転体314bには、溝(図示せず)がある。前記溝において、液体3は、筒状容器311の前記先端部から筒状回転体314aの前記先端部に向けて流れることが可能である。筒状回転体314aの側部に、液体3の排出孔が形成されている。すなわち、筒状容器311の後端部に送液された液体3が、前記流路を流れて、板状回転体314bの前記溝を流れる。そして、板状回転体314bは、液体3が前記溝を流れる力を駆動力として、回転し、連動して筒状回転体314aが回転する。前記回転の方向は、例えば、右回りでもよいし、左回りでもよい。筒状回転体314a及び板状回転体314bは、一体成形品であってもよい。
【0087】
図18(b)に示すように、回転機構314は、例えば、さらに、ベアリング314c及び固定治具314dを含んでもよい。ベアリング314cは、例えば、筒状容器311、筒状回転体314a及び板状回転体314bに接して配置される。固定治具314dは、例えば、筒状容器311、ベアリング314c及び筒状回転体314aに接して配置される。ベアリング314c及び固定治具314dは、筒状回転体314aを筒状容器311の前記先端部に固定して支持可能なものであればよく、特に制限されない。
【0088】
[実施形態5]
つぎに、本開示の超音波検査方法について説明する。本開示の超音波検査方法は、例えば、状態判定工程を含み、前記状態判定工程が、前記本開示の状態判定支援方法であることを特徴とし、その他の工程および条件は、なんら制限されない。
【0089】
本開示の超音波検査方法は、例えば、前記本開示の状態判定支援装置または本開示の超音波検査装置を用いて実施できるが、本開示の超音波検査方法は、前記本開示の状態判定支援装置または本開示の超音波検査装置を利用した方法には限定されない。以下、図を用いて本実施形態の超音波検査方法の一例について説明するが、本開示は以下の例には何ら制限されない。
【0090】
まず、図19に示すように、検査対象の管2内に超音波送受信機を挿入する。前記超音波送受信機は、超音波を送受信可能な装置であればよく、特に制限されないが、例えば、超音波検査装置における探触装置、すなわち、前記実施形態4の探触装置31があげられる。以下、超音波送受信機を探触装置31として示す。探触装置31は、例えば、管2内の中心に挿入されることが好ましい。検査対象の管2内は、流体3によって満たされている。次に、探触装置31から管2の内壁に対し、垂直方向に向けて超音波4を管2の周方向に回転させながら送信する。そして、探触装置31で前記送信された超音波4の反射を受信する。そして、探触装置31は、得られた超音波探傷検査データを、リードケーブル34を介して超音波制御装置33に送信する。超音波制御装置33は、取得した前記超音波探傷検査データを解析する。そして、超音波制御装置33は、解析した超音波探傷検査データを状態判定支援装置10に送信し、状態判定支援装置10は、前記超音波探傷検査データに基づいて管2の状態を判定する。状態判定支援装置10による状態の判定は、例えば、前記実施形態1および2で前述したとおりである。
【0091】
また、本実施形態の超音波検査方法は、例えば、図19に示すように、管2内に液体3を送液し、管2内を液体3で満たした状態で超音波4を管2の周方向に回転させながら送信してもよい。
【0092】
本実施形態の超音波検査方法は、前述のように、得られた超音波探傷検査データに基づいて、前記本開示の状態判定支援方法により管の状態を判定する。このため、本実施形態の超音波検査方法によれば、例えば、容易に検査対象管の状態を判定できる。
【0093】
[実施形態6]
本実施形態の状態判定支援プログラムは、前述の状態判定支援方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態の状態判定支援プログラムは、コンピュータに、検査結果取得手順および状態判定手順を実行させるためのプログラムである。
【0094】
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する。
【0095】
また、本実施形態の状態判定支援プログラムは、コンピュータを、検査結果取得手順および状態判定手順として機能させるプログラムということもできる。
【0096】
本実施形態の状態判定支援プログラムは、前記本開示の状態判定支援装置及び状態判定支援方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0097】
[実施形態7]
本実施形態の状態判定モデル製造プログラムは、前述の状態判定モデル製造方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態の状態判定モデル製造プログラムは、コンピュータに、検査結果取得手順、前処理手順、および学習済みモデル生成手順を実行させるためのプログラムである。
【0098】
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する。
【0099】
また、本実施形態の状態判定モデル製造プログラムは、コンピュータを、検査結果取得手順、前処理手順、および学習済みモデル生成手順として機能させるプログラムということもできる。
【0100】
本実施形態の状態判定モデル製造プログラムは、前記本開示の状態判定モデル製造装置及び状態判定モデル製造方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0101】
[実施形態8]
本実施形態の超音波検査プログラムは、状態判定手順を含み、前記状態判定手順が、前記本開示の状態判定支援プログラムにより実行されるプログラムである。
【0102】
本実施形態の超音波検査プログラムは、前記本開示の超音波検査装置及び超音波検査方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0103】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0104】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
検査結果取得部、および状態判定部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定部は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、管の状態判定支援装置。
(付記2)
前記超音波探傷検査データが、画像データを含み、
前記状態判定部は、
前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、
前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大した前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記1記載の状態判定支援装置。
(付記3)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記状態判定部は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理し、前記強調処理後のデータに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記2記載の状態判定支援装置。
(付記4)
前記状態判定部は、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記3記載の状態判定支援装置。
(付記5)
画像生成部および出力部を含み、
前記画像生成部は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定部の判定結果を重畳した判定画像を生成し、
前記出力部は、前記判定画像を出力する、付記1から4のいずれかに記載の状態判定支援装置。
(付記6)
前記画像生成部は、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成し、
前記出力部は、前記管断面プロファイル推定画像を出力する、付記5記載の状態判定支援装置。
(付記7)
前記状態判定部は、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定する、付記1から6のいずれかに記載の状態判定支援装置。
(付記8)
検査結果取得部、前処理部、および学習済みモデル生成部を含み、
前記検査結果取得部は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理部は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成部は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、管の状態判定モデル製造装置。
(付記9)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記前処理部は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理する、付記8記載の状態判定モデル製造装置。
(付記10)
前記前処理部は、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記9記載の状態判定モデル製造装置。
(付記11)
前記前処理部は、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与する、付記9または10記載の状態判定モデル製造装置。
(付記12)
前記欠陥を示すラベルが、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む、付記11記載の状態判定モデル製造装置。
(付記13)
前記前処理部は、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成し、
前記学習済みモデル生成部は、前記前処理データおよび前記追加学習用データを教師データとして用いる、付記9から12のいずれかに記載の状態判定モデル製造装置。
(付記14)
状態判定部を含み、
前記状態判定部が、付記1から7のいずれかに記載の状態判定支援装置である、超音波検査装置。
(付記15)
探触装置、液体ポンプ、超音波制御装置、リードケーブル、および超音波ケーブルを含み、
前記探触装置は、探触装置本体部、及び、探触装置先端部を含み、
前記探触装置本体部は、筒状容器及び探触子を含み、
前記筒状容器は、検査対象の管内に挿入可能な大きさであり、
前記筒状容器は、前記管内への挿入方向側の先端部と、前記先端部と反対側の後端部を有し、
前記筒状容器の内部に、前記探触子が収容され、
前記探触子と前記筒状容器の内壁との間に、液体が流れることが可能な流路が形成され、
前記流路において、前記液体は、前記後端部から前記先端部に向けて流れることが可能であり、
前記探触子は、超音波を送受信可能であり、
前記探触装置先端部は、前記管内に挿入可能な大きさであり、
前記探触装置先端部は、反射ミラー、及び、回転機構、を含み、
前記反射ミラーは、前記探触子から送信された超音波を反射して前記管の内壁に対し垂直方向に前記超音波を出射可能であり、かつ、前記管の内壁で反射された超音波を反射して前記探触子に入射可能であり、
前記回転機構により、前記反射ミラーが、前記筒状容器の前記先端部に回転自在に取り付けられており、
前記回転機構は、前記流路の前記液体の流れを駆動力として前記反射ミラーを回転可能であり、
前記液体ポンプは、前記リードケーブルを通じて前記探触装置の前記筒状容器の前記後端部に前記液体を送液可能であり、
前記リードケーブル内に、前記超音波ケーブルが挿通され、
前記超音波ケーブルにより、前記超音波制御装置と前記探触子が接続され、
前記超音波制御装置により、前記探触子による超音波の送受信が制御され、且つ、超音波信号データに基づいて超音波探傷検査データが生成され、
前記超音波制御装置と、前記状態判定部とが接続され、
前記状態判定部は、前記超音波制御装置から取得した超音波探傷検査データに基づいて前記管の状態を判定する、付記14記載の超音波検査装置。
(付記16)
検査結果取得工程、および状態判定工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定工程は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、管の状態判定支援方法。
(付記17)
前記超音波探傷検査データが、画像データを含み、
前記状態判定工程は、
前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、
前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大した前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記16記載の状態判定支援方法。
(付記18)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記状態判定工程は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理し、前記強調処理後のデータに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記17記載の状態判定支援方法。
(付記19)
前記状態判定工程は、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記18記載の状態判定支援方法。
(付記20)
画像生成工程および出力工程を含み、
前記画像生成工程は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定工程の判定結果を重畳した判定画像を生成し、
前記出力工程は、前記判定画像を出力する、付記16から19のいずれかに記載の状態判定支援方法。
(付記21)
前記画像生成工程は、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成し、
前記出力工程は、前記管断面プロファイル推定画像を出力する、付記20記載の状態判定支援方法。
(付記22)
前記状態判定工程は、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定する、付記16から21のいずれかに記載の状態判定支援方法。
(付記23)
検査結果取得工程、状態判定工程、および学習済みモデル生成工程を含み、
前記検査結果取得工程は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定工程は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成工程は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、管の状態判定モデル製造方法。
(付記24)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記前処理工程は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理する、付記23記載の状態判定モデル製造方法。
(付記25)
前記前処理工程は、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記24記載の状態判定モデル製造方法。
(付記26)
前記前処理工程は、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与する、付記24または25記載の状態判定モデル製造方法。
(付記27)
前記欠陥を示すラベルが、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む、付記26記載の状態判定モデル製造方法。
(付記28)
前記前処理工程は、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成し、
前記学習済みモデル生成工程は、前記前処理データおよび前記追加学習用データを教師データとして用いる、付記24から27のいずれかに記載の状態判定モデル製造方法。
(付記29)
状態判定工程を含み、
前記状態判定工程が、付記16から22のいずれかに記載の状態判定支援方法である、超音波検査方法。
(付記30)
検査結果取得手順、および状態判定手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定支援プログラム。
(付記31)
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定手順は、
前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、
前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大した前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記30記載の状態判定支援プログラム。
(付記32)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記状態判定手順は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理し、前記強調処理後のデータに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記31記載の状態判定支援プログラム。
(付記33)
前記状態判定手順は、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記32記載の状態判定支援プログラム。
(付記34)
画像生成手順および出力手順を含み、
前記画像生成手順は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定手順の判定結果を重畳した判定画像を生成し、
前記出力手順は、前記判定画像を出力する、付記31から33のいずれかに記載の状態判定支援プログラム。
(付記35)
前記画像生成手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成し、
前記出力手順は、前記管断面プロファイル推定画像を出力する、付記34記載の状態判定支援プログラム。
(付記36)
前記状態判定手順は、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定する、付記31から35のいずれかに記載の状態判定支援プログラム。
(付記37)
検査結果取得手順、状態判定手順、および学習済みモデル生成手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定モデル製造プログラム。
(付記38)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記前処理手順は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理する、付記37記載の状態判定モデル製造プログラム。
(付記39)
前記前処理手順は、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記38記載の状態判定モデル製造プログラム。
(付記40)
前記前処理手順は、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与する、付記38または39記載の状態判定モデル製造プログラム。
(付記41)
前記欠陥を示すラベルが、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む、付記40記載の状態判定モデル製造プログラム。
(付記42)
前記前処理手順は、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データおよび前記追加学習用データを教師データとして用いる、付記36から41のいずれかに記載の状態判定モデル製造プログラム。
(付記43)
状態判定手順を含み、
前記状態判定手順が、付記31から36のいずれかに記載の状態判定支援プログラムにより実行される、超音波検査プログラム。
(付記44)
検査結果取得手順、および状態判定手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記状態判定手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定支援プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記45)
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記状態判定手順は、
前記画像データの中心で交差する二本の直線の位置で4分割した分割画像データを生成し、
前記各分割画像データの縦および横をそれぞれ2倍に拡大した前処理データを生成し、前記前処理データに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記44記載の記録媒体。
(付記46)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記状態判定手順は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理し、前記強調処理後のデータに基づいて前記検査対象管の状態を判定する、付記45記載の記録媒体。
(付記47)
前記状態判定手順は、前記強調処理として、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記46記載の記録媒体。
(付記48)
画像生成手順および出力手順を含み、
前記画像生成手順は、前記超音波探傷検査データに前記状態判定手順の判定結果を重畳した判定画像を生成し、
前記出力手順は、前記判定画像を出力する、付記44から47のいずれかに記載の記録媒体。
(付記49)
前記画像生成手順は、前記超音波探傷検査データに基づいて管断面プロファイル推定画像を生成し、
前記出力手順は、前記管断面プロファイル推定画像を出力する、付記48記載の記録媒体。
(付記50)
前記状態判定手順は、状態判定モデルに前記超音波探傷検査データを入力して、前記検査対象管の状態を判定する、付記44から49のいずれかに記載の記録媒体。
(付記51)
検査結果取得手順、前処理手順、および学習済みモデル生成手順を含み、
前記検査結果取得手順は、検査対象管の超音波探傷検査データを取得し、
前記超音波探傷検査データが画像データを含み、
前記前処理手順は、前記画像データを処理した前処理データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データを教師データとして用いた機械学習によって、前記前処理データを入力した場合に、前記検査対象管の状態判定結果を出力する状態判定モデルを学習済みモデルとして生成する、
前記各手順をコンピュータに実行させるための状態判定モデル製造プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記52)
前記画像データが、少なくとも一つの色彩を含む等高線画像であり、
前記前処理手順は、前記等高線画像における前記少なくとも一つの色彩を検出し、検出した色彩を含む領域を強調処理する、付記51記載の記録媒体。
(付記53)
前記前処理手順は、前記色彩を含む領域の外周を前記検出した色彩と同一色の色彩の線で描画する、付記52記載の記録媒体。
(付記54)
前記前処理手順は、前記色彩を含む領域に対し、欠陥を示すラベルおよびノイズを示すラベルの少なくとも一方を付与する、付記52または53記載の記録媒体。
(付記55)
前記欠陥を示すラベルが、管の孔食を示すラベル、および管の減肉を示すラベルの少なくとも一方を含む、付記54記載の記録媒体。
(付記56)
前記前処理手順は、検出した前記色彩を他の色彩に変更した追加学習用データを生成し、
前記学習済みモデル生成手順は、前記前処理データおよび前記追加学習用データを教師データとして用いる、付記51から55のいずれかに記載の記録媒体。
(付記57)
状態判定手順を含み、
前記状態判定手順が、付記31から36のいずれかに記載の状態判定支援プログラムにより実行される、超音波検査プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本開示によれば、検査対象管の状態を容易に判定できる。このため、本開示は、配管の検査、保守、点検等の様々な分野において有用である。
【符号の説明】
【0106】
10、10A 状態判定支援装置
11 検査結果取得部
12 状態判定部
13 画像生成部
14 出力部
101 CPU
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信デバイス
20 状態判定モデル製造装置
21 検査結果取得部
22 前処理部
23 学習済みモデル生成部
201 CPU
202 メモリ
203 バス
204 記憶装置
205 入力装置
206 出力装置
207 通信デバイス
30 超音波検査装置
2 検査対象管
3 液体(水)
4 超音波
31 探触装置
32 ポンプ
33 超音波制御装置
34 リードケーブル
311 筒状容器
312 探触子
313 反射ミラー
314 回転機構
314a 筒状回転体
314b 板状回転体
314c ベアリング
314d 固定治具

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19