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特開2025-149675二酸化炭素排出量の計算システム、二酸化炭素排出量の計算方法および二酸化炭素排出量を計算するプログラム
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  • 特開-二酸化炭素排出量の計算システム、二酸化炭素排出量の計算方法および二酸化炭素排出量を計算するプログラム 図1
  • 特開-二酸化炭素排出量の計算システム、二酸化炭素排出量の計算方法および二酸化炭素排出量を計算するプログラム 図2
  • 特開-二酸化炭素排出量の計算システム、二酸化炭素排出量の計算方法および二酸化炭素排出量を計算するプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149675
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】二酸化炭素排出量の計算システム、二酸化炭素排出量の計算方法および二酸化炭素排出量を計算するプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20251001BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050459
(22)【出願日】2024-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】595095629
【氏名又は名称】中電環境テクノス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 由征
(72)【発明者】
【氏名】木下 博之
(72)【発明者】
【氏名】銭谷 洋佑
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 悠
(72)【発明者】
【氏名】堀田 蒼
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 美穂
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】販売した製品の使用による二酸化炭素排出量を計算する際、必要な情報の取得が容易な二酸化炭素排出量の計算システムを提供すること。
【解決手段】二酸化炭素排出量の計算システム1では、設定情報記憶部12と、製品情報を販売システム3から読み出す読み出し部18と、処理部10と、を備え、設定情報は販売した製品の想定使用頻度を含み、製品情報は消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、処理部10は少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売した製品の二酸化炭素排出量を計算する二酸化炭素排出量の計算システムであって、
販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を記憶する設定情報記憶部と、
販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す読み出し部と、
販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する処理部と、を備え、
前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、
前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、
前記処理部は、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する、二酸化炭素排出量の計算システム。
【請求項2】
前記設定情報は、販売した製品の使用シナリオに基づく複数の想定使用頻度を含む、請求項1に記載の二酸化炭素排出量の計算システム。
【請求項3】
前記販売システムは、販売した製品についての販売台帳と連携している、請求項1または2に記載の二酸化炭素排出量の計算システム。
【請求項4】
二酸化炭素排出量の計算方法であって、
販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を設定する設定ステップと、
販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す読み出しステップと、
販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する計算ステップと、を有し、
前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、
前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、
前記計算ステップは、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する、二酸化炭素排出量の計算方法。
【請求項5】
情報処理装置に、
販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を設定する処理と、
販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す処理と、
販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する処理と、を実行させ、
前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、
前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、
前記計算する処理において、
少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、
計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算するように前記計算する処理を実行させる、二酸化炭素排出量を計算するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二酸化炭素排出量の計算システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
地球規模の気候変動の一因とされている二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑制することが求められている。温室効果ガスの排出を抑制するためには、温室効果ガスの排出量を正確に計算できることが好ましい。特許文献1は、二酸化炭素排出量の計算にあたり、製品のカタログなどに記載されている消費電力などの値を利用する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-228195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サプライチェーン排出量のスコープ3のカテゴリ11、つまり販売した製品の使用の排出量を計算する場合、製品の消費電力、製品の使用頻度および製品の使用年数など、製品に関する種々の数値の諸元を収集する必要がある。ここで、例えば消費電力を製品のカタログから取得しようとする場合、カタログが手元にない場合もある。つまり、温室効果ガスの排出量を計算するために必要な情報があらかじめ取得され、整理されているとは限らない。このように、販売した製品の使用による二酸化炭素排出量を計算することには、上述の諸元など必要な情報を容易に取得することが困難であるとの課題がある。
【0005】
そこで本発明は、販売した製品の使用による二酸化炭素排出量を計算する際、必要な情報の取得が容易な二酸化炭素排出量の計算システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の計算システムは、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算する二酸化炭素排出量の計算システムであって、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を記憶する設定情報記憶部と、販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す読み出し部と、販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する処理部と、を備え、前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、前記処理部は、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する。
(2)上記計算システムにおいて、前記設定情報は、販売した製品の使用シナリオに基づく複数の想定使用頻度を含んでもよい。
(3)上記計算システムにおいて、前記販売システムは、販売した製品についての販売台帳と連携していてもよい。
(4)本発明の二酸化炭素排出量の計算方法は、二酸化炭素排出量の計算方法であって、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を設定する設定ステップと、販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す読み出しステップと、販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する計算ステップと、を有し、前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、前記計算ステップは、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する。
(5)二酸化炭素排出量を計算するプログラムは、情報処理装置に、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を設定する処理と、販売した製品に関する製品情報を販売システムから読み出す処理と、販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する処理と、を実行させ、前記設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含み、前記製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含み、前記計算する処理において、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算するように前記計算する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、販売した製品の使用による二酸化炭素排出量を計算する際、必要な情報の取得が容易な二酸化炭素排出量の計算システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の実施形態の計算システムの機能ブロック図である。
図2図2は電力使用量を計算するための情報および計算結果を示す図である。
図3図3は二酸化炭素排出量の計算の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(計算システム)
発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の計算システム1の機能ブロック図である。計算システム1は、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するシステムである。計算システム1は、サプライチェーン排出量のスコープ3のカテゴリ11の排出量を計算する。スコープ3のカテゴリ11は、販売した製品の使用を対象とする。以下、販売した製品の使用による二酸化炭素排出量を、販売した製品の二酸化炭素排出量という。また以下の説明では、二酸化炭素を温室効果ガスの例とする。温室効果ガスは二酸化炭素には限定されない。
【0010】
計算システム1は、処理部10、設定情報記憶部12、入力部14、出力部16および読み出し部18を備える。
【0011】
(処理部)
処理部10は、電力使用量の計算および二酸化炭素排出量の計算を行う部分である。
【0012】
(設定情報記憶部)
設定情報記憶部12は、設定情報を記憶する部分である。設定情報とは、二酸化炭素排出量を計算する際に用いられる情報であって、計算システム1の使用者などによって設定される情報である。設定情報は、後に説明する入力部14などを介して設定情報記憶部12に入力され、設定情報記憶部12に記憶される。
【0013】
(想定使用頻度)
設定情報は、販売した製品についての想定される使用頻度を含む。想定される使用頻度を想定使用頻度という。想定使用頻度の表し方は特には限定されない。想定使用頻度の表し方の例としては、1日当たりの使用時間(時間/日)および1月当たりの使用日数(日/月)などがある。
【0014】
想定使用頻度は、複数設定されていることが好ましい。想定使用頻度は、複数のシナリオ(使用シナリオ)に基づいて設定することができる。シナリオとは、製品が使用される状況に関する仮定のあらすじである。シナリオと想定使用頻度との例を説明する。例えば、製品が週一日のメンテナンス期間を除いてフル稼働になるとのシナリオに基づいて、24時間/日かつ6日/週、という想定使用頻度を設定することができる。または、製品は他の製品のバックアップ用であり、他の製品がメンテナンス中である期間のみ稼働するとのシナリオに基づいて、24時間/日かつ1日/週、という想定使用頻度を設定することができる。このように想定使用頻度は、生じ得る種々のシナリオに基づいて複数設定することができる。
【0015】
設定情報記憶部12に記憶される設定情報は想定使用頻度には限定されない。設定情報記憶部12には、排出原単位など、二酸化炭素排出量を計算する際に用いられる他の情報が記憶されていてもよい。排出原単位とは、二酸化炭素排出量の計算する際に用いられる係数である。排出原単位は、例えば電気1kWh使用当たりの二酸化炭素排出量を示す。
【0016】
(入力部)
入力部14は、設定情報を設定情報記憶部12に入力するための部分である。設定情報の設定情報記憶部12への入力は、計算システム1を使用する者など、種々の者によって行われてよい。また、設定情報の設定情報記憶部12への入力は、人を介さず、他の装置などから自動的に行われてもよい。
【0017】
(出力部)
出力部16は、処理部10が計算した結果などを、例えば計算システム1の外部に出力する部分である。処理部10による結果の出力の態様は、計算した結果の表示や、他のシステムなどへの信号の出力など特には限定されない。
【0018】
(販売システムとの連携)
引き続き図1を参照して計算システム1と販売システム3との関係について説明する。計算システム1は、販売システム3と連携している。連携しているとは、少なくとも一方のシステムから他方のシステムに情報が提供されることをいう。
【0019】
販売システム3とは、製品の販売状況を管理するシステムのことである。販売システム3には、製品の販売状況に加えて、販売した製品の規格などが記憶されている。
【0020】
通常、販売システム3の保有者は製品を販売した者である。一方、本実施形態の計算システム1は自らが販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するシステムである。つまり、計算システム1の保有者と販売システム3の保有者とは通常同一である。そのため、販売システム3は計算システム1と容易に連携させることができる。
【0021】
(販売システム)
販売システム3は、製品情報記憶部30を備える。製品情報記憶部30は、製品情報を記憶する部分である。製品情報とは、例えば、製品についての諸元、販売数量など、製品および製品の販売に関する種々の情報を含む。
【0022】
(製品情報)
図1には、製品情報記憶部30が記憶する製品情報として、消費電力、想定使用年数および販売数量が例示されている。なお、製品情報記憶部30が記憶する製品情報はこれらに限定されない。後に説明する処理部10は、消費電力、想定使用年数および販売数量を電力使用量の計算、延いては二酸化炭素排出量の計算に用いる。そのため、製品情報記憶部30は、消費電力、想定使用年数および販売数量を記憶していることが好ましい。
【0023】
消費電力および想定使用年数は、通常、a:仕様またはカタログなどに記載された製品情報、b:PSE(電気用品安全法)に則った製品情報、およびc:JEMA(日本電機工業会規格)に則った製品情報などに含まれている。そのため、aからcのいずれかによる製品情報が製品情報記憶部30に記憶されている場合、通常、消費電力および想定使用年数は製品情報記憶部30に記憶されている。
【0024】
なお、製品情報の製品情報記憶部30への入力は、販売システム3を管理する者、または使用している者などがおこなうことができる。
【0025】
また、販売システム3は、販売した製品についての販売台帳と連携していてもよい。通常、販売台帳には、販売した製品の販売数量などが記載されている。そこで、製品情報記憶部30に記憶される販売数量は、販売台帳から取得された値とすることができる。
【0026】
(読み出し部)
読み出し部18は、製品情報記憶部30から製品情報を読み出す部分である。読み出し部18が読み出した製品情報は、処理部10に送信される。
【0027】
(電力使用量の計算)
つぎに、処理部10での二酸化炭素排出量の計算について説明する。二酸化炭素排出量は、二酸化炭素排出量=電力使用量×排出原単位、との式に基づいて計算することができる。そのため、二酸化炭素排出量を計算する前段階として、電力使用量を計算することが好ましい。
【0028】
電力使用量は、電力使用量=消費電力×想定使用年数×想定使用頻度、との式に基づいて計算することができる。
【0029】
ここで、電力使用量の計算に用いる想定使用頻度は、設定情報記憶部12に記憶されている想定使用頻度から選択することができる。前述のように、設定情報記憶部12には複数のシナリオに基づく複数の想定使用頻度が記憶されている場合がある。そこで、製品の使用状況に即した想定使用頻度を選択する。
【0030】
また、消費電力および想定使用年数については、読み出し部18が製品情報記憶部30から読み出した値を用いることができる。
【0031】
本実施形態の計算システム1は、消費電力および想定使用年数を外部から読み出すことができる読み出し部18を備える。そのため、電力使用量の計算に用いる情報を容易に取得することができる。
【0032】
(二酸化炭素排出量の計算)
つぎに、処理部10での二酸化炭素排出量の計算について説明する。前述のように、二酸化炭素排出量は、二酸化炭素排出量=電力使用量×排出原単位、との式に基づいて計算することができる。電力使用量は、上述のようにして処理部10で計算されている。排出原単位は、設定情報記憶部12に記憶されている。そこで、処理部10は、既に計算した電力消費量と、設定情報記憶部12から読み出す排出原単位とに基づいて二酸化炭素排出量を計算することができる。
【0033】
このように本実施形態の計算システム1では、電力使用量の計算に用いる情報を容易に取得することができ、延いては二酸化炭素排出量の計算に用いる情報を容易に取得することができる。
【0034】
(電力使用量の計算)
図2を参照して、製品の生涯における電力使用量の計算例を説明する。図2に示す表は、販売した製品である製品Aから製品Eについて、想定使用頻度としての想定生涯使用回数、販売数量、消費電力としての使用時エネルギー使用量、想定使用年数として対応年数が記載されている。これらの数値を掛け合わせることで、各製品について、その販売した数量全体での、生涯における電力使用量を計算することができる。図2に示す表では、電力使用量を、24hでの電力使用量の値として示している。
【0035】
ここで想定使用頻度は、シナリオに基づいて設定情報記憶部12から取得することができる。想定使用年数は、例えば製品の仕様書に記載された製品情報として製品情報記憶部30に記憶されている対応年数の値を用いることができる。
【0036】
上述のようにして計算された電力使用量にそれぞれの製品の排出原単位を掛けることで、二酸化炭素排出量を計算することができる。
【0037】
なお、使用の態様などによって、製品の使用による二酸化炭素排出量を計算する際に製品の運搬方法を考慮する必要がある場合には、図2に記載した運搬方法に関する情報を用いて二酸化炭素排出量を計算することができる。
【0038】
上に説明した、二酸化炭素排出量を計算する際に必要な情報の取得の仕方は例示である。例えば消費電力、想定使用年数または販売数量は、製品情報記憶部30ではなく設定情報記憶部12に設定情報として記憶されていてもよい。また、例えば想定使用頻度または排出原単位は、設定情報記憶部12ではなく製品情報記憶部30に製品情報として記憶されていてもよい。
【0039】
(二酸化炭素排出量の計算の流れ)
フローチャートを参照して二酸化炭素排出量の計算の流れを説明する。図3は二酸化炭素排出量の計算の流れを示すフローチャートである。図3および以下の説明でS1はステップ1を示す。S2以降も同様である。
【0040】
(S1)
S1は、設定情報記憶部からの想定使用頻度を選択するステップである。設定情報記憶部に複数のシナリオに基づく複数の想定使用頻度が記憶されている場合、製品の使用状況に即した想定使用頻度を選択する。
【0041】
(S2)
S2は販売製品情報記憶部から消費電力および想定使用年数を読み出すステップである。二酸化炭素排出量を計算するための前段階である電力使用量を計算するために必要な情報として、販売製品情報記憶部から消費電力および想定使用年数を読み出す。
【0042】
(S3)
S3は電力使用量を計算するステップである。S3では、S1およびS2で取得した想定使用頻度、消費電力および想定使用年数を用いて電力使用量を計算する。
【0043】
(S4)
S4は、二酸化炭素排出量を計算するステップである。S4では、S3で計算された電力使用量、および例えば設定情報記憶部から読み出された排出原単位を用いて二酸化炭素排出量を計算する。S4で二酸化炭素排出量を計算し、処理のフローは終了する。
【0044】
(二酸化炭素排出量の計算方法)
本発明の実施形態の二酸化炭素排出量の計算方法は以下の内容を有する。二酸化炭素排出量の計算方法は、設定ステップ、読み出しステップおよび計算ステップを有する。
【0045】
(設定ステップ)
設定ステップは、販売した製品の二酸化炭素排出量を計算するために必要な設定情報を設定するステップである。設定ステップでは、例えば入力部14から設定情報記憶部12に設定情報が入力される。設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含む。入力された設定情報は、設定情報記憶部12に記憶される。
【0046】
(読み出しステップ)
読み出しステップは、販売した製品に関する製品情報を販売システム3から読み出すステップである。読み出しステップでは、例えば読み出し部18が、製品情報記憶部30から製品情報を読み出す。製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含む。読み出しステップは、図3に基づいて説明した計算の流れにおけるS2に対応する。
【0047】
(計算ステップ)
計算ステップは、販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する計算ステップである。計算ステップでは、例えば処理部10が、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算し、計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する。読み出しステップは、図3に基づいて説明した計算の流れにおけるS3およびS4に対応する。
【0048】
(二酸化炭素排出量を計算させるプログラム)
本発明の実施形態の二酸化炭素排出量を計算させるプログラムは以下の内容を有する。プログラムは、情報処理装置に、設定情報を設定する処理、製品情報を販売システムから読み出す処理および二酸化炭素排出量を計算する処理を実行させる。
【0049】
設定情報を設定する処理において、設定情報は、販売した製品の想定使用頻度を含む。製品情報を販売システムから読み出す処理において、製品情報は、消費電力および想定使用年数のうちの少なくとも一方を含む。計算する処理において、処理は、少なくとも消費電力、想定使用年数および想定使用頻度に基づいて電力使用量を計算する処理、および計算した電力使用量に基づいて販売した製品の二酸化炭素の排出量を計算する処理を含む。
【0050】
製品情報を販売システムから読み出す処理は、図3に基づいて説明した計算の流れにおけるS2に対応する。二酸化炭素排出量を計算する処理は、図3に基づいて説明した計算の流れにおけるS3およびS4に対応する。
【0051】
上述した一連の処理は、情報処理装置としてのハードウェアに実行させることができる。また、上述した一連の処理は、ソフトウェアを介して情報処理装置に実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。例えば、図2に示す「購入後に入力されるデータ」および「購入前から入力されているデータ」のデータの分類は例示である。データの分類は、変更が可能である。また、データの項目も、変更が可能である。また、二酸化炭素排出量を計算は、販売した製品などについて個別に行うことができる。または、二酸化炭素排出量を計算は、製品の購入後、所定の期間後に複数の製品などについてまとめて行うことができる。
【0053】
本発明は、上述した実施形態以外に、その他の様々な実施形態を取ることが可能である。さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 計算システム
3 販売システム
10 処理部
12 設定情報記憶部
14 入力部
16 出力部
18 読み出し部
30 製品情報記憶部
図1
図2
図3