(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149715
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】車両外ユーザのステータスを検出する方法、そのシステム、ソフトウェア及び車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20251001BHJP
【FI】
G08G1/09 P
G08G1/09 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024050523
(22)【出願日】2024-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100174252
【弁理士】
【氏名又は名称】赤津 豪
(72)【発明者】
【氏名】エドガー ナイト
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB15
5H181FF05
5H181MB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両外のユーザのステータスを検出するためのシステムを提供する。
【解決手段】ユーザによって携帯される携帯通信デバイスと通信するための無線通信インターフェースと、時間管理ユニットと、無線通信インターフェース及び時間管理ユニットに接続された1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサと結合したメモリであって、データ及び1つ又は複数のプロセッサによって用いられるプログラム命令を記憶するためのメモリとを備え、ユーザが携帯する携帯通信機器と車両に搭載された基地局との間の無線接続を確立し、無線接続を介して車両から離れたユーザのステータスを決定し、ステータスがユーザの緊急事態を含む場合、車両の基地局から緊急信号を送信する命令を実行するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外のユーザのステータスを検出する方法であって、
ユーザと車両との間の無線接続を確立すること;
前記無線接続を介して、前記車両から離れた前記ユーザのステータスを決定すること;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急事態を含む場合、前記車両に緊急信号を送信させること、
を備える方法。
【請求項2】
車両外のユーザのステータスを検出するためのシステムであって、
ユーザと通信するための無線通信インターフェース;
時間管理ユニット;
前記無線通信インターフェース及び前記時間管理ユニットと接続された1つ又は複数のプロセッサ;及び
前記1つ又は複数のプロセッサと接続され、前記1つ又は複数のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリ
を備え、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記メモリに記憶された命令であって、
ユーザと車両との間の無線接続を確立し、
前記無線接続を介して、前記車両から離れたユーザのステータスを決定し;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急事態を含む場合、前記車両に緊急信号を送信させる、
という命令を実行するように構成された、
システム。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって
前記無線接続を介して前記車両から離れた前記ユーザのステータスを決定することは、
前記ユーザが前記車両に戻ることが期待される時間を指定すること;及び
前記ユーザが前記指定された時間までに又は時間になっても前記車両に戻らなかった場合、前記ユーザのステータスを緊急事態として決定すること、
を含む、
システム。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記時間を指定することは、前記ユーザによって前記時間を指定することを含む、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法であって、
前記ユーザの携帯通信機器と通信すること;及び
前記ユーザの前記ステータスを取得すること、
を更に備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって
前記取得される前記ユーザの前記ステータスは、前記ユーザと前記車両との間で通信が確立することができるか否かを含む、方法。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の方法であって、
前記取得される前記ユーザの前記ステータスは、前記ユーザの位置及び前記ユーザの健康状態の少なくとも1つを含む、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
前記ユーザと通信することは、無線中継器を介して前記ユーザと通信することを含み、前記無線中継器は、前記ユーザと前記車両の両方と通信することが可能である、
方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって
前記無線中継器は、自走式デバイス又はドローンであるか、又は自走式デバイスに内蔵されている、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ユーザが行うことになっている活動の計画を入力するように誘導すること、
を更に備える方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記ユーザの活動の前記計画を記録すること、
を更に備える方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記緊急信号の受信者を提供することを更に備え、
前記緊急信号を送信することは、前記緊急信号を前記受信者に送信することを含む、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記緊急信号を送信することは、
使用可能な通信ネットワークを探すことを含む、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって
前記緊急信号を送信することは、使用可能な通信ネットワークが見つからない場合、前記車両を初期位置から使用可能な通信ネットワークが存在する位置まで自律的に移動させることを含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって
前記車両を前記初期位置から前記使用可能な通信ネットワークが存在する場所まで自律的に移動させることは、前記初期位置に居残りデバイスを残すことを含む、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって
前記居残りデバイスは、前記ユーザと通信することでき、及び/又は
前記居残りデバイスは、前記車両と通信することができる、方法。
【請求項17】
車両外のユーザのステータスを検出するためのコンピュータプログラム製品又はソフトウェアであって、
ユーザと車両との間の無線接続を確立すること;
前記無線接続を介して、前記車両から離れたユーザのステータスを決定すること;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急事態を含む場合、前記車両に緊急信号を送信させること、
をプロセッサに実行させることが可能なプログラムコードを備える、
コンピュータプログラム製品又はソフトウェア。
【請求項18】
車両であって、
請求項17に記載のコンピュータ可読記憶媒体、又は
請求項2に記載のシステム、
を備える車両。
【請求項19】
請求項18に記載の車両であって、
移動可能な無線中継器;及び/又は
車両が駐車位置を離れる際に居残るデバイス、
を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両外のユーザのステータスを検出する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転の安全性を一層高めるために、これまで様々な自動車安全システムが開発され、また現在も開発が行われており、これにより、運転者の車外での移動範囲が拡大されてきた。
【0003】
実際、自動車事故、登山事故、家庭内の異常事故などの緊急事態を検出し、それらの情報を指定されたアドレスに送信する方法が知られている(引用文献1)。
【0004】
現在、自然や非日常の中で新しい体験を楽しむために自動車を運転するアウトドア愛好家が増えている。アウトドア愛好家が車から離れた後に行う野外活動は、幸せな体験であるが、同時に危険な体験にもなり得る。アウトドア愛好家が車を離れて活動している間に緊急事態に陥ることもある。例えば、道に迷い、怪我をし、失神しするなどして、車に戻れなくなることがある。あるいは、インターネット、電話その他の通信手段を失い、セキュリティを提供するセキュリティネットワークから切り離される可能性もある。
【0005】
すべての引用文献は、それぞれ、その全体が参照により、以下に組み込まれる:
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【0007】
本開示による方法及びシステムは、ユーザが車から離れているときでもユーザをサポートし、ユーザが車外の活動範囲を拡大できるような、安全技術を提供する。本開示の一つの目的は、車外のユーザの活動の安全性を向上させることができる方法及びシステムを提供することである。
【0008】
1つの一般的な態様は、車両の外で移動するユーザの状態(ステータス)を検出する方法を含み、この方法は、ユーザによって携帯される携帯通信デバイスと車両に取り付けられた基地局との間の無線接続を確立すること、無線接続を介して車両から離れたユーザの状態を決定すること、及びユーザが緊急状態にある場合、車両の基地局から緊急信号を送信させること、を含む。
【0009】
ユーザは、車両を離れるときに携帯通信デバイスを携帯してもよい。ユーザの携帯通信デバイスは、車両と無線で通信することが可能である。ユーザの携帯通信デバイスは、その中に無線通信ユニットを含んでいてもよく、又は無線通信デバイスに接続されてもよい。車両は、無線通信ユニット(基地局とも呼ばれる)を含んでいてもよい。車両の無線通信ユニットは、ユーザの携帯通信デバイスと無線通信を確立することが可能である。
【0010】
<ユーザ>
本明細書で使用される用語「ユーザ」は、一般に、車両に関連する、すなわち、車両との無線通信を確立している/していた/できる人、複数の人、又は人のグループ(以下、単数形で「人」とも称する)をさす。
【0011】
ユーザは、車両の運転手であってもよく、車両の乗客であってもよい。ユーザは、車両で駐車場に来ていてもよく、車両を離れ、車両に戻ることを計画していてもよい。ユーザは、車両の外又は車両から離れた場所で活動を行うことを計画していてもよい。
【0012】
ユーザは、必ずしも車両で駐車場に来なければならない訳ではない。いくつかの実施形態では、ユーザは、駐車場又はその付近で車両に乗り、活動のために車両を離れ、その後車両に戻る人であってよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、ある人が車両を離れた後にその人と合流してもよく、その人と共に又はその人なしで車両に戻ってもよい。ユーザと車両で来た人とは、ユーザと車両との通信を確立するために、デバイスを使用して互いに通信することができる。
【0013】
ユーザは、目的地まで車両を運転し、駐車して車両を離れ、屋外活動のために出かけてもよい。ユーザによって行われるそのような活動の例は、ハイキング、登山、キャンプ、トレッキング、ボルダリング、スキー、スノーボード、ラフティング、カヤック(川及び海)、SUP(スタンドアップパドルボード)、釣り、ダイビング、サーフィン、ヨット、乗馬、オフロードバイク/サイクリング、夜間の歩行、などを含む。
【0014】
<車両>
特に定義しない限り、本明細書で使用する用語「車両」は、人を輸送し、(人を輸送することはできないとしても)人と通信し、及び/又は人を収容することができる機械を指す。車両の例は、モータービークル(自動車、トラック、バス、オートバイ)、ワゴン、及び自転車を含むが、これらに限定されない。
【0015】
いくつかの実施形態では、車両は、通信コンポーネント、デバイス、ユニット及び/又は回路をその中に含んでいてもよい(以下、単に「通信ユニット」とも称する)。車両の通信ユニットは、車両に内蔵され、車両に組み込まれ、車両に搭載され、又は車両に配置されていてもよく、又はそのようにされるように構成されていてもよい。通信ユニットは、本明細書において「車両に搭載された基地局」とも称される。車両は、それぞれが異なる通信プロトコルのための複数の通信ユニットを含んでもよい。例えば、車両は、ユーザ又はユーザの通信デバイスと通信するための通信ユニット(「第1の通信ユニット」)と、ネットワーク、例えばセルモバイルデータネットワークと通信するための別の通信ユニット(「第2の通信ユニット」)とを含んでいてもよい。「第1」及び「第2」のような形容詞は、2つの項目を区別するための単なる例であり、反対の態様「第2」及び「第1」、又は別の態様で表現されてもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、車両は、1つ又は複数のオンボードコンピュータを含んでいてもよい。オンボードコンピュータは、ユーザの携帯デバイスと通信するために、通信ユニットの動作を実行し又は制御してもよい。
【0017】
1つ又は複数のコンピュータのシステムは、システムにインストールされた、特定の操作又は動作をシステムに実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを有することで、システムに操作又は動作を実行させるように構成されていてもよい。1つ又は複数のコンピュータプログラムは、1つ又は複数のコンピュータによって実行されたときに車両に動作を実行させる命令を含むことによって、特定の操作又は動作を実行するように構成されていてもよい。
【0018】
オンボードコンピュータは、プロセッサと、プロセッサによってアクセスされ実行され得るコンピュータコードを記憶する非一過性の記憶媒体と、車両が無線ネットワークを介してユーザと通信し及び/又はデータを送受信することを可能にする通信ユニット(それによって車両が「コネクテッド車両」になる。)とを含んでいてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、通信ユニットによって受信されるユーザからのデータは、位置データ、軌跡データ(ユーザが通った道)、ユーザの健康指標、ユーザが車両から通信エリアを離れた信号、活動データ、目的地設定情報などを含んでいてもよい。プロセッサによって受信され又は収集されたデータは、ストレージ又はメモリに格納されてもよい。
【0020】
オンボードコンピュータは、1つ又は複数の電子制御ユニット(「ECU」)を含んでいてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、ユーザが車両の外又は車両から離れて自身の活動を行う間、車両は、駐車場などの1つの場所に留まり、又は移動しないことがある。したがって、車両は、例えば、緊急連絡先やサービスのために容易に見つけられる静止地点として機能することができる。例えば、車両は、緊急サービスをそこからファンアウトするため、及び/又は行方不明のユーザを見つけるための捜索を開始するための安全な開始地点として機能することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、ユーザが車両の外で自分の活動をしている間、車両は移動するか、移動状態であってもよい。それでも、「車両に搭載された基地局」は、ユーザとの通信及び/又は通信ネットワークとの通信のための基地局として機能してもよい。
【0023】
本明細書で使用される「駐車」/「パーキング」及び「位置」/「場所」/「地点」などを組み合わせて表現され、更に先頭に「初期」/「当初」が組み合わされた表現「駐車位置」「初期位置」「初期地点」「初期駐車位置」等の表現は、一般的に、ユーザが車両の外で活動する間に車両を駐車する場所をさし、他に指定がない限り互換的に使用される。
【0024】
<ユーザの携帯通信デバイス>
本明細書で使用される用語「携帯通信デバイス」は、一般に、車両と通信することができ、ユーザが携帯することができるデバイスをさす。携帯通信デバイスは、車両と通信するために、その中に通信コンポーネント、デバイス、及び/又は回路を有していてもよいし、通信デバイスに接続されていてもよい。
【0025】
携帯通信デバイスは、ユーザによって携帯されてもよい。ユーザは携帯通信デバイスを、ユーザが車両の外で又は車両から離れた場所で活動をしている間に、携帯することができる。ユーザはそのようなデバイスを、ポケット、バックパック、帽子/ハット、衣類、靴に入れて運ぶことができ、及び/又は首、腰、手首、腕、腰、脚などのベルト、バッグ、ストラップを介して装着することができる。ユーザの携帯デバイスの例は、携帯電話、スマートフォン、スマートデバイス、スマートウォッチなどを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用する「ユーザと通信する」等の表現は、ユーザが携帯する通信デバイスと通信すること、又は、ユーザに通知することを意味する。
【0027】
<ワイヤレス通信>
無線接続は、電波無線遠距離通信であってもよい。無線接続は、車両対歩行者(V2P)プロトコルを使用してもよい。無線接続は、ユーザ又はユーザの携帯端末と、車両又は車両の通信ユニットとの間で確立されてもよい。無線接続は、ユーザと、ドローンなどの自走式デバイスとの間で確立されてもよい。
【0028】
ユーザの携帯通信デバイスは、車両との通信が失われたとき、又は中断されたときに、ユーザに通知又は報告してもよい。デバイスは、車両との通信の喪失又は中断をユーザに警告してもよい。車両との通信の喪失又は中断が終了した場合、例えば、ユーザが車両との通信に復帰した場合、携帯通信デバイスは、その旨をユーザに通知してもよい。携帯通信デバイスは、ユーザの現在位置を表示する地図を有してもよい。携帯通信デバイスは、現在の位置と、車両との通信が以前に失われた又は中断された位置、車両の位置等の別の位置との間の位置関係を提供してもよい。
【0029】
<指定時間>
ユーザは、時間を指定してもよい(本明細書では「指定時間」とも称する。)。本明細書で使用される用語「指定時間」は、一般に、ユーザが車両に戻るか、又は車両の近く/車両で/車両内で時間機能をオフにすることが想定される又は期待される期間又はその時点のことを指す。いくつかの実施形態では、「時点」は、19:00、日没時刻などのように、タイマを使用する場合に指定されてもよい。いくつかの実施形態では、「期間」は、8時間、20時間などのように、アラームが使用されるときに指定されてもよい。
【0030】
時間は、ユーザによって指定されてもよい。時間は、例えば、過去の記録、ユーザの過去の好み、他のタイプの記録及び好みなどに基づいて、自動的に指定されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、「指定時間」に関する自動オプションの1つを選び、選択し又は承認して、最終的に、それまでに戻る時間を指定してもよい。
【0031】
ユーザは、一度設定した指定時間を遠隔操作で変更し、新しい指定時間を設定してもよい。ユーザは、車両に戻った時点で、指定時間を解除してもよい。指定時間、ユーザが行った指定時間の変更の記録、指定時間に関連する他の情報等は、車両に記憶されてもよい。車両は、ユーザの帰還を検出し又は確認し、指定時間を解除してもよい。
【0032】
ユーザは、車両に戻る前に、遠隔操作で指定時間を解除した、又は解除することを要求してもよい。このような場合、ユーザの車両への安全な帰還が確保されない可能性がある。いくつかの実施形態では、キャンセル時のユーザのステータスは、車両に記録されてもよい。ステータスの例は、時刻、ユーザの位置、ユーザの車両からの距離などを含むが、これらに限定されない。
【0033】
タイマは、あるタイミングで開始されてもよく、タイミングはユーザによって設定されてもよく、又は車両によって予め設定されてもよい。タイマは、非限定的な例として、ユーザが車両を離れたとき、ユーザがタイマを開始したとき、及びユーザのデバイスとの無線接続が失われたときに開始されてもよい。タイマは、他の入力時に、又は他の入力によって開始されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ユーザのステータスは、時間ではなく他の条件によって決定されてもよい。「緊急」ステータスは、以下に示す、所定の条件の1つ以上によって決定され得るがこれに限定されない:
無線接続が失われた場合(ユーザのステータスも「道に迷った」と判定されてもよい。);
ユーザの位置又は歩数(又は歩数計からのデータ)が、ある(予め決められた又は能動的に調整された)期間にわたって変化しない場合;
ユーザが車両による通信範囲に戻ったときのユーザの健康指標の1つ又は複数が、ユーザが通信範囲(カバレッジ)を離れたときの健康指標の当該1つ又は複数から、ある閾値だけ異なっている場合;
ユーザが車両による通信範囲に戻ったときのユーザの健康指標の1つ又は複数が、ある閾値を下回っている場合。
【0035】
<ユーザのステータス>
「ユーザのステータス」とは、ユーザと車両との間の通信が確立できるかどうかであってもよい。ユーザと車両の通信が確立されない場合、ユーザが通信の範囲又はカバレッジの外にいることを意味する場合がある。いくつかの実施形態では、それは、ユーザが緊急事態に陥っていることを意味する場合がある。いくつかの実施形態では、一旦確立された通信が失われたときに、タイマ又はアラームを起動してもよい。ユーザが指定時間までに戻って来なかった場合、車両は、例えば、緊急信号を送信することができる。「ステータス」は、タイムスタンプを含んでいてもよい。
【0036】
「ユーザのステータス」の典型的な例は、緊急事態であるか否かであってよい。「ユーザのステータス」の他の例は、ユーザの位置、ユーザの健康指標又は健康状態を含むが、これらに限定されない。
【0037】
ユーザと車両との間の無線通信を用いて、ユーザの位置を特定する、ユーザの位置までの距離及び方向を計算するなどを行ってもよい。ユーザの位置は、ユーザの携帯通信デバイスの地図及び/又は車両の地図に表示されてもよい。
【0038】
ユーザの健康指標は、スマートウォッチ 、又はウェアラブルデバイスのような携帯デバイスによって取得されてもよい。
【0039】
健康指標の例は、水分補給、カロリー、血圧、血糖、血糖値、インスリン、体温、熱、熱流束、心拍数、体重、睡眠、歩数、速度、加速度、ビタミンレベル、呼吸数、心音、呼吸音、移動速度、皮膚水分、汗検出、汗組成、ユーザの神経発火などのユーザの様々なバイタルサインを含むが、これらに限定されない。健康指標は、消費カロリー、消費カロリー速度、消費カロリー加速度、消費カロリー減速度、消費パワー量、又は実行仕事量に関連するものであってよい。健康指標の計算においてユーザの活動の種類を考慮することにより、ユーザの健康指標の精度を向上させることができる。
【0040】
車両は、車両から離れたユーザの活動中に、ユーザの携帯通信デバイスと複数回通信してもよい。いくつかの実施形態では、通信は継続的に行われてもよい。例えば、通信は、活動中、実質的に常に確立される。いくつかの実施形態では、通信は、定期的に行われてもよい。例えば、通信は、例えば、5分、10分、15分、30分、1時間などの間隔で行われる。
【0041】
<ワイヤレスリピーター>
無線接続は、ユーザの携帯端末と車両に搭載された基地局とを接続する中間通信デバイスによって確立されてもよい。無線中継器は、ユーザが携帯する必要がない場合がある。無線中継器は、ユーザの携帯機器と車両との少なくとも一方、いずれか一方、又は両方と遠隔的に動作してもよい。
【0042】
そのような無線中継器の例は、ドローンなどの自走式デバイス、移動式デバイス、及び固定式デバイスを含むが、これらに限定されない。無線中継器は、そのようなデバイス又はそのようなドローンに組み込まれたユニット又はコンポーネントであってもよい。
【0043】
以下では、「ドローン」が、ひいては無線中継器の例である自走式デバイスの例として使用されることがある。しかし、別の意味として示されない限り、本明細書で使用される用語「ドローン」は、従来の常識において「ドローン」と呼ばれるもののみを意味するものとして解釈されるべきではなく、代わりに、その意味は、本開示及び請求される発明の実施形態に使用され得る、自走式の通信デバイス一般を含む例示的な表現として解釈されるべきである。
【0044】
その間の無線中継器を介した無線接続は、常に確立されてもよいし、ユーザの車両外での活動中に常には確立されなくてもよい。無線接続は、時間間隔をおいて確立されてもよい。
【0045】
ドローンは、ユーザの携帯デバイスと車両との両方と同時に又は同じ時に通信できるように配置されてもよい。
【0046】
ドローンが、ユーザの携帯機器と車両とを同時に接続できないが、あるタイミングでいずれか一方に接続可能である場合、ドローンは、両者のうちの1つ目と通信し、その後、両者のうちの2つ目に近づいて当該2つ目と通信してもよい。ドローンは、この動作を複数回繰り返すことができ、言い換えれば、2つの通信エリアの間を複数回往復することができる。
【0047】
ドローンなどの自走式無線中継機は、車両に戻って来て、車両からの電気エネルギーなどを充電してもよい。車両は、自動的に又は自律的にエンジン又はモータを始動させ、充電のためのエネルギーを生成してもよい。充電されたドローンは、ユーザ及び/又は車両との通信のために再び離陸してもよい。
【0048】
<目的地の入力等>
ユーザは、ユーザ車両間の通信が確立されている間、車両を離れる前に、又は活動中に、ユーザが行おうとしている活動の計画を入力することができる。活動計画は、目的地、目的地までの及び/又は目的地からの軌跡又は経路、活動の移動の軌跡又は経路、活動の種類、活動の期間等を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0049】
<ユーザの活動のデータの記録>
ユーザの活動に関連する入力データは、車両内のメモリやストレージなどに格納されてもよく、代替的又は追加的に、車両に接続されているか接続されるように構成されているサーバ又はユーザの携帯端末に格納されてもよい。
【0050】
活動中のユーザのこのような記録データは、ユーザの救助のために重要又は有用である場合がある。例えば、救助隊が、最後に知らされたユーザの場所の情報を得た場合、これによって救助隊は捜索すべき地域を絞り込むことができるかもしれない。その結果、例えば、緊急時にユーザを発見して救出するのに必要な時間が短縮されることになる。例えば、活動中の健康指標(又は健康状態)又は健康指標の変化の最後の情報により、救助隊が捜索のための適切な手段を選択することができるようになる可能性がある。
【0051】
このようなデータ又は情報を参照することによって、救助隊は、地上、ヘリコプター、ボートなど、ユーザオプションに対する適切なアプローチを選択することができ、及び/又は医療器具/薬剤、犬、カメラ、ドローンなど、持参する適切な装備を選択することができる。したがって、このような情報は、最終的に、車両の外又は車両から離れた場所で活動を行うユーザの安全性を高めることができる。
【0052】
<緊急信号の受信者>
ユーザが緊急状態にあると判断された場合、所定の受信者に緊急通報を伝送し又は送信するべきである。受信者の例は、緊急通報番号(例えば、米国及びカナダの911、日本の110又は119)、家族、友人、その他の所定の人物又は事務所などを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、緊急通報の受信者は、車両によって選択され得る。いくつかの実施形態では、そのような受信者が予め決められていない場合、車両は、緊急通報の受信者を見つけなければならない。いくつかの実施形態では、受信者が予め決められている場合でも、車両は、緊急通報の受信者を選択するために、予め決められた受信者を選択することよりも良い解決策を見出してもよい。例えば、車両は、受信者のリストの中で最も簡単/迅速に利用可能な受信者を選択してもよい。例えば、車両は、所定の受信者又は一旦選択されたが容易又は迅速に接続されなかった受信者よりも、より容易又は迅速に利用可能な別の受信者を選択してもよい。
【0054】
<車両のネットワーク利用可能エリアへの移動>
車両は、信号伝送に使用されるべき通信ネットワークの外にいる場合がある。車両は、自動的又は自律的に、緊急信号が送信可能な別のネットワークのセル内に移動することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、車両は、ユーザが車を離れた初期地点に来るまでの経路を記録してもよい。車両は、車両が初期地点に来るまでの経路上での利用可能であった通信ネットワークの情報などを地理的地点と関連して記録してもよい。車両は、そのような記録情報を利用して、記録されたネットワークのうちの1つ又は複数が、来るまでの経路上で利用可能である場所を見つけてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、車両は、通信ネットワークの利用可能性に関する情報を、予めメモリに有していてもよい。実際の通信ネットワークを有していなくても、車両は、例えばGPSを使用して、地図上でその初期地点を特定してもよい。車両は、それらの記録されたネットワークのうちの1つ又は複数が利用可能である場所を地図上で見つけ、そして、その見つけた場所への経路を見つけてもよい。複数の場所が見つかった場合、最も近い場所又は車両が最も速く到達できる場所が選択されてもよい。
【0057】
<居残りデバイス>
いくつかの実施形態では、車両は、駐車位置から離れるときに通信デバイスを置いて行ってもよい。このようなデバイスは、本明細書において、「居残りデバイス」「レフトビハインド(Left-behind) デバイス」又は「パーキングシッターデバイス」とも交換可能に呼ばれる。本開示は、このような「居残りデバイス」を提供する。居残りデバイスは、ユーザ及び/又は当初の場所を離れた車両と通信可能であってもよい。居残りデバイスは、ユーザ及び/又は車両との無線通信を確立することが可能であってもよい。
【0058】
居残りデバイスは、車両に収容されても、又は車両に携えて運ばれるように構成されてもよい。居残りデバイスは、車両が離れるときに、車両から切り離され、初期駐車位置又はその近傍に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、居残りデバイスは、車両が離れた後、「駐車位置」に留ってもよい。
【0059】
居残りデバイスは、ユーザが居残りデバイスの通信範囲内に戻ったとき、又は初期駐車位置に戻ったときに、ユーザと通信することが可能であってもよい。ユーザは、ユーザが戻ったときに、視覚的に、及び/又は無線通信を介して、居残りデバイスを認識することができる。居残りデバイスの存在は、車両を初期駐車位置で発見できない間に、ユーザに精神的及び/又は実際的なセキュリティを提供する。
【0060】
いくつかの実施形態では、居残りデバイスは、自動的に又は自律的に移動してもよい。居残りデバイスは、小型車であってもよい。居残りデバイスは、戻ってくる可能性のあるユーザの無線通信にとってより良い位置、駐車スペース内の他の車両の邪魔にならない位置など、より良い位置を見つけるために、例えば駐車スペース内を移動してもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、居残りデバイスは、ドローンなどの自走式デバイスであってもよく、それに内蔵されてもよい。ドローンは、初期駐車位置から離れ、ユーザ及び/又は車両を捜索してもよい。例えば、時間が予め設定されてもよい。予め設定された時間に達すると、ドローンは、ユーザ及び/又は車両を捜索するために出発してもよい。例えば、ドローンはユーザを見つけ、ユーザと通信し、及び/又はユーザの現在のステータスを取得してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、ドローンは、その後、車両まで飛行し、初期駐車位置に留まっている、初期駐車位置から離れているなどの状態にある車両との接続を再確立してもよい。ドローンは、ユーザが緊急状態にあるか否か、健康指標などのユーザの更新されたステータスを含む情報を車両に送信することができる。その後、車両は、得られた情報をネットワークに更に送信することができる。
【0063】
ドローンは、ユーザと車両との間の通信を橋渡しするために、ユーザと車両との間を往復してもよい。例えば、車両又は通信ネットワークで/によって得られた有用な情報は、ドローンによって運ばれ、問題に直面しているユーザに提供されてもよい。その結果、例えば、ユーザの救助に要する時間が短縮される場合がある。例えば、ユーザに対するセキュリティが向上する場合がある。
【0064】
ドローンは、ネットワークが利用可能な場所まで飛行してもよい。ドローンは、ユーザの現在のステータスをネットワークに直接送信してもよい。ドローンは、充電が可能な場所まで飛行してもよい。ドローンは、ユーザとネットワークカバレッジエリアとの間、及び/又は、ユーザ、車両及びネットワークの間を往復して飛行してもよい。
【0065】
<ネットワーク利用可能領域への車両の帰還>
車両は、自動的に、自律的に、又は他のドライバによって、初期駐車ポイントに戻ることができる。車両は、それまでに緊急通報を既に行えた場合もある。車両は、それまでに緊急通報の相手との通信が確立できなかった場合もある。車両が初期駐車ポイントに戻るタイミングは、受信者への緊急通報が有効になったとき、初期駐車ポイントに戻る時間に達したとき、等であってもよいが、これに限られない。例えば、車両が初期駐車ポイントに戻ることで、車両がユーザと長時間通信できないような事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
次に、本開示のいくつかの実施形態及び実施例を、以下の図を参照して詳細に説明する。実施形態及び実施例は、例示としてのみ図示されており、添付の図面の図によって限定的に解釈されるべきではない。
【
図1】一実施形態に係る緊急支援システムを有する車両の動作環境を示すブロック図である。
【
図5】一実施例に係る動作環境を説明する図である。
【0067】
<システム構成>
図1は、緊急支援システム110を有する車両150の動作環境100を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、動作環境は、緊急支援システム110を有する車両150と、ユーザ120によって携帯される携帯通信デバイス121と、車両が緊急信号を送信することができるネットワーク130と、を含んでいてもよい。
【0068】
ユーザ121の携帯機器と車両150の緊急支援システム11との間の無線接続120Nが確立されてもよい。無線接続120Nの例は、電波無線電気通信、及び車両対歩行者(V2P)プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0069】
ユーザ120は、車両150にいる間に、携帯通信デバイス121を介して又は緊急支援システム110に直接、いつ戻るか、活動の種類、軌跡又は進むべき道、道の目的地の位置などの活動の情報を設定し又は入力してもよい。そのような情報は、好ましくは、ユーザ120が活動を開始する前に、システム110に入力されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような情報は、携帯通信デバイス121が車両150の緊急支援システム110との通信範囲120N内にある間に、ユーザ120によって、又は携帯通信デバイス121を介して自動的に変更され又は更新されてもよい。
【0070】
携帯通信デバイス121は、通信範囲120N内にいる間、定期的又は不定期に緊急支援システム110に信号を送信してもよい。いくつかの実施形態では、携帯通信デバイス121は、ユーザ120が通信範囲120Nの外に出ようとしていることを検出すると、車両150に信号を送信してよい。いくつかの実施形態では、携帯通信デバイス121からの最後の信号は、通信範囲120Nを出る前の携帯通信デバイス121からの最後の連絡として保存されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、緊急支援システム110は、第1の無線通信ユニット111;第2の無線通信ユニット115;プロセッサ112;ストレージ113;及びメモリ114とを含んでいてもよい。
図1に示される例では、これらの構成要素は、バス116に通信可能に結合され、したがって、バス116を介して互いに通信可能である。
【0072】
プロセッサ112は、算術論理ユニット、マイクロプロセッサ、汎用コントローラ、シングルコア若しくはマルチコアプロセッサ、又は並列計算のための複数のプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサ112は、車両150の電子制御ユニット(「ECU」)を含むか、その一部であってもよい。
図1では単一のプロセッサ112が示されているが、複数のプロセッサが含まれてもよい。
【0073】
ストレージ113は、本明細書に記載の機能を提供するためのプログラム及びデータを格納する非一過性の記憶媒体であってもよい。ストレージ113は、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、又はいくつかの他のメモリデバイスであってもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ストレージ113は、不揮発性メモリ又は同様の永久記憶デバイス若しくはメディアを含む。そのようなストレージの例は、及びハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD-ROMデバイス、DVD-ROMデバイス、DVD-RAMデバイス、DVD-RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、又はより永久的に情報を記憶するための他のいくつかの大容量記憶デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0074】
メモリ114は、プロセッサ112によって実行され得る命令又はデータを格納してもよい。命令又はデータは、本明細書で説明する技術を実行するためのコードを含んでいてもよい。プロセッサ112は、ストレージ113に格納されたプログラム及びデータをメモリ114に移動させ、これらを実行し及び/又は使用してもよい。メモリ114は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリ、又は他のメモリデバイスであってよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、メモリ114は、不揮発性メモリ又は同様の永久記憶デバイス若しくはメディアを含む。そのようなストレージの例は、及びハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD-ROMデバイス、DVD-ROMデバイス、DVD-RAMデバイス、DVD-RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、又はより永久的に情報を記憶するための他のいくつかの大容量記憶デバイスを含むが、これらに限定されない。
【0075】
図1に示されるように、メモリ114は、以下の要素の1つ又は複数を記憶してもよい:指定時間114a又はユーザ120によって指定された戻る時刻、ユーザ120によって実行される活動の情報を含む活動計画114b、活動が実行される地域又は経路の地質情報を含む地
図114c、救助隊や緊急信号を優先的に又は優先的でなく受信する人又はエンティティなどの受信者のリストを含む受信者リスト114d、ユーザ120及びネットワーク130に受信及び/又は送信したすべての情報を含む通信記録114e。
【0076】
いくつかの実施形態では、緊急支援システム110は、時計(クロック)機能を含んでいてもよい。時計機能は、プロセッサ112、メモリ114、ソフトウェア、及び/又は別のコンポーネント、及び/又はシステム110内の複数のコンポーネントの組み合わせによって構成されてもよい。時計は、リアルタイムクロック(RTC)又はハードウェアクロックであってもよい。クロックは、オペレーティングシステムによって管理されるシステムクロックであってもよい。
【0077】
第1無線通信ユニット111は、確立された無線接続120Nを介して、ユーザ120の携帯デバイス121から情報を受信するように構成されている。第1の無線通信ユニット111は、ユーザ120の携帯デバイス121に情報を送信するように構成されてもよい。
【0078】
第2の無線通信ユニット115は、無線ネットワーク130を介して、1つ又は複数の受信者に緊急信号を含む情報を送信するように構成されている。第2の無線通信ユニット115はまた、無線ネットワーク130から情報を受信するように構成されてもよい。
【0079】
ネットワーク130は、モバイルデータネットワークを含んでいてもよい。ネットワーク130の例は、第3世代(3G)、第4世代(4G)、第5世代(5G)、第6世代(6G)、Long-Term Evolution(LTE)、ボイスオーバーLTE(「VoLTE」)、IEEE 802.11無線ネットワーク、衛星インターネットアクセス、又は任意の他のモバイルデータネットワークもしくはモバイルデータネットワークの組合せを含むが、これらに限されない。
【0080】
<実施例>
以下、
図2~
図6を参照しながら、いくつかの実施例について説明する。なお、ユーザが携帯する携帯通信デバイスや、車両の緊急システムは、簡略化のため省略する。「ユーザと車両との間の通信」等の表現は、「ユーザの携帯通信デバイスと車両の緊急支援システムとの間の通信」をさす。
【0081】
<実施例1>
図2は、無線接続を確立した後、ユーザ220が車両210から離れた動作環境200を示す。ユーザ220は、車両210を離れる前に、ユーザ220が行っている活動の種類、ユーザ220が向かっている場所、ユーザ220が車両210に戻るべきタイミング等の必要な情報を入力した。
図2において、ユーザ220は、依然として車両210の通信カバレッジ210N内に留まっている。このような場合、携帯通信デバイス(図示せず)は、携帯通信デバイスによって収集されたユーザ220の位置、健康指標などのユーザ220のステータスを含む情報を、車両210に送信することができる。
【0082】
ユーザ220が車両210に戻らなかった、又はある場所に閾値(例えば、所定の期間)より長く滞在している場合、車両210は、ユーザ220に信号を送信して、ユーザ220が緊急状態にあるか否かを尋ねることができる。ユーザ210がステータスは緊急ではないと回答した場合、車両210は、その情報を保存し、ユーザ210のステータスを見続けることができる。ユーザ210がステータスは緊急であると回答した、又は全く回答しない場合、車両210は、ユーザ220のステータスが緊急であると判断してもよい。そして、車両220は、ネットワーク(図示せず)に信号を送信することができる。
【0083】
<実施例2>
図3は、ユーザ320が車両310からカバーされている通信エリア310Nを離れた場合の動作環境300を示す。
図3は、ユーザ320が緊急事態に陥っている状況を描写している。ユーザ320は、予め設定された帰還(戻り)時間までに車両310又は少なくとも通信エリア310Nに戻って来ることができなかった。その結果、車両310は、ユーザ320が緊急状態にあると判断し、その情報を車両310で利用可能なネットワーク330を介して救助隊340に送信する。
【0084】
救助隊340は、ユーザ320が緊急状態であるという情報と、例えば、ユーザ320が行っていた活動の種類、ユーザ320が向かっていた場所、ユーザ320が車両210に戻ることになっていた時期、活動の開始時間、最後に通信されたユーザ320の位置、及びユーザ320の健康測定値を含む関連情報とを受信する。受信した情報に基づいて、救助隊340は、救助機器、医療機器、ユーザ320の救助に必要なスキル、チームのサイズ、救助車両のタイプなどを適合させることによって、適切な準備を行うことができる。救助隊340は、迅速に出発し、活動エリアに到達し、緊急状態のユーザ320を救助することができる。
【0085】
<実施例3>
図4は、ユーザ420が初期駐車位置での車両410からカバーされている通信エリア410Nを離れた場合の動作環境400を示す。
図4は、ユーザ420が緊急事態に陥っている状況を描写している。ユーザ420は、予め設定された帰還(戻り)時間までに車両410又は少なくとも通信エリア410Nに戻って来ることができなかった。その結果、車両410は、ユーザ420が緊急状態にあると判断した。しかし、その駐車位置から、車両410は、緊急信号を送信するためにそれを介して利用可能なネットワークを発見していない 。
【0086】
このような場合、車両410は、自動的にエンジン又はモータを始動し、自律的に、緊急信号を送信することができるネットワーク430のセル430N内まで移動してもよい。
【0087】
車両410は、ユーザ420が車両410を離れた駐車位置までの経路を記録していてもよい。いくつかの実施形態では、車両410は、そのような記録された情報を使用し、それらの記録されたネットワークのうちの1つ又は複数が来るまでの経路上で利用可能である場所を見つけてもよい。
【0088】
車両410は、通信ネットワークの利用可能性情報を予めメモリに記憶していてもよい。実際の通信ネットワークを有していなくても、車両は、例えばGPSを利用して、地図上で駐車位置を特定してもよい。車両410は、それら記録されたネットワークのうちの1つ又は複数が利用可能な場所を地図上で見つけ、そして、その見つけた場所への経路を見つけてもよい。複数の場所が見つかった場合、最も近い場所又は車両410が最も速く到達できる場所が選択されてもよい。
【0089】
車両410は、利用可能なネットワーク430を見つけるか、又はそのカバレッジ430Nに到達すると、緊急信号を含む情報と、ユーザ420及び車両410に関連する他の関連情報を、ネットワーク430を介して救助隊440に送信する。
【0090】
救助隊440は、ユーザ420が緊急事態であるという情報、及び関連情報を受信する。受信した情報に基づいて、救助隊440は適切な準備を行うことができる。救助隊440は、迅速に出発し、活動エリアに到達し、緊急状態のユーザ420を救助することができる。
【0091】
<実施例4>
図5は、ユーザ520が車両510からカバーされている通信エリア510Nを離れた場合(ユーザ520a)の動作環境500を示す。
図5は、ユーザ520aが予め設定された帰還時間までに車両510又は少なくとも通信エリア510Nに戻っていない状況を描写している。その結果、車両510は、ユーザ520が緊急状態にあると判断した。しかし、その駐車位置から、車両510は、緊急信号を送信するためにそれを介して利用可能なネットワークを発見できなかった。
【0092】
このような場合、車両510は、自動的にエンジン又はモータを始動し、自律的に、緊急信号を送信することができるネットワーク530のセル530N内まで移動してもよい。
【0093】
本実施例では、車両510は、居残りデバイス511を有していてもよい。車両510は、利用可能なネットワーク領域530Nに向けて出発するとき、又はその前に、駐車位置に居残りデバイス511を落とすか又は切り離してもよい。
【0094】
ユーザ520は、遅く、指定された時間の後、又は車両510が初期駐車位置を離れた後に、駐車位置に戻る場合がある。居残りデバイス511は、ユーザ520が左後方デバイス511の通信範囲511N内に入ってきたときに、ユーザ520と通信することができてもよく、又はユーザ520との無線接続を確立することができてもよい。
【0095】
ユーザ520が戻ってきた場合、ユーザ520は、車両510が駐車されていた最初の駐車位置で居残りデバイス511を認識することができる。車両510は、出発しているか、又はもはやそこにいないかもしれない。居残りデバイス511の存在は、車両510が初期駐車位置で見つからない間に、ユーザに精神的及び/又は実際的なセキュリティを提供する。
【0096】
居残りデバイス511は、ユーザ520の最新情報を含む、ユーザ520から受信した情報を記録し、保存することができる。このような情報は、救助に有用である可能性がある。
【0097】
救助隊540は、ユーザ520が緊急状態であるという情報、及び関連情報を受信する。受信した情報に基づいて、救助隊540は適切な準備を行うことができる。そして、救助隊540は、迅速に出発することができる。救助隊540は、可能性のある活動領域に直接行き、緊急状態のユーザ520aを捜索することができる。救助隊540は、代替的に、車両510の初期駐車位置又は居残りデバイス511に立ち寄ることができる。救助隊540は、ユーザ510が初期駐車位置に戻っていることを発見するかもしれない。ユーザ510がそこにいる場合、救助隊540は、居残りデバイス511がそれまでに収集した情報を確認し、ユーザ510の処置に活用してもよい。ユーザ510がいない場合、救助隊540は、さらに、緊急状態でまだ迷っているユーザ510aを捜索してもよい。
【0098】
<実施例5>
図6は、ユーザ620が車両610からカバーされている通信エリア610Nを離れた場合の動作環境600を示す。車両610は、ドローン612を含む。車両610によって収集されたユーザ620に関連する情報は、ドローン620と共有されてもよい。ドローン612は、車両610から切り離され、離陸して車両610から通信エリア610Nの外でユーザ620を探してもよい。
【0099】
ドローン612は、ユーザ620が予め設定された時間までに戻ってこなかった場合に離陸してもよい。ドローン612は、ユーザ620が車両610又は通信エリア610Nを離れてから一定時間が経過したときに離陸してもよい。 なお、ドローン612が離陸するタイミングは、別の態様で設定されてもよい。
【0100】
ドローン612は、目的地、経路、活動計画等の、ユーザ620が車両610を離れる前に入力した情報に基づいて、ユーザ620の現在位置を推定してもよい。
【0101】
ドローン612がユーザ620を見つけた場合、ドローン612はユーザ620と通信することができる。ドローン612は、ユーザ620に信号を送信して、ドローン612が接近していることをユーザ620に通知してもよい。ドローン612は、ユーザ620の携帯通信デバイス(図示せず)との接続を確立し、それを通じてユーザ620に関連する情報を取得することができる。ユーザ620は、信号又は情報をドローン612に送信することができる。そのような情報は、ユーザ620がこれまでに通った経路、ユーザ620の健康指標、ユーザ620が緊急状態にあるかどうか、ユーザ620からのメッセージなどを含んでいてもよい。
【0102】
ドローン612は、ユーザ620の携帯通信デバイス以外の手段によって、ユーザ620に関連する情報を取得することも可能である。ドローン612は、ユーザ620の画像、ユーザ620の周囲の地形及び気候に関連する他の情報を取得することができる。 このような画像及び情報は、ユーザ620の状態、例えば、ユーザ620が緊急状態にあるか、又は計画通りに活動を継続しているかを判断するために使用されてもよい。
【0103】
ドローン612は、決められた時間枠内で、又はある条件に従って、ユーザ620に関連する情報を得ることに成功するかもしれない、又はユーザ620を見つけることができずに終わるかもしれない。その後、ドローン612は、通信エリア610Nに飛行して戻る。そして、ドローン612は、取得したユーザ620に関連する情報を車両610に送信する。
【0104】
ドローン612はまた、車両610の充電ステーション(図示せず)に着陸してエネルギーを充電することができる。
【0105】
車両610は、ドローン612から受信したユーザ620に関連する情報を、車両610で利用可能なネットワーク630を介して、救助隊640に送信する。あるいは、ネットワークが利用できない場合、車両610は、自動的に又は自律的に、利用可能なネットワーク(図示せず)に移動するか、又は利用可能なネットワークを探すことができる。ユーザ620が緊急状態にある場合、救助隊640は迅速に出発し、活動エリアに到達し、ユーザ620を救助することができる。
【0106】
ドローン612は、ユーザ620のために再び出発し、及び/又はユーザ620と車両610との間を往復することができる。これにより、ドローン612は、より長い飛行のために電力を充電し、車両610からユーザ620に有用な情報を提供し、及び/又は車両610からツール/食料を運ぶことができる。救助隊640は、ユーザ620の場所における救助隊の到着予定時刻、ユーザ620が現在置かれている緊急状態において何をすべきか、などの情報を提供することができる。救助隊640からのそのような情報は、車両610及びドローン612を介してユーザ620に送信することも可能である。
【0107】
本開示は更に、以下の実施形態を含む:
A001.車両外のユーザのステータスを検出する方法であって、
ユーザ(が携帯する携帯通信デバイス)と車両(に搭載された基地局)との間の無線接続を確立すること;
前記無線接続を介して、前記車両から離れた前記ユーザのステータスを決定すること;
前記ステータスがユーザの緊急事態を含む場合、車両(の基地局)に緊急信号を送信させること、
を備える方法。
B001.車両外のユーザのステータスを検出するためのシステム(又はユニット)であって、
ユーザが携帯する携帯通信デバイスと通信するための無線通信インターフェース;
時間管理ユニット;
前記無線通信インターフェース及び前記時間管理ユニットと接続された1つ又は複数のプロセッサ;及び
前記1つ又は複数のプロセッサと接続された、前記1つ又は複数のプロセッサによって使用されるデータ及びプログラム命令を記憶するためのメモリ
を備え、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記メモリに記憶された命令であって、
ユーザ(が携帯する携帯通信デバイス)と車両(に搭載された基地局)との間の無線接続を確立し;
前記無線接続を介して、前記車両から離れた前記ユーザのステータスを決定し;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急事態を含む場合、前記車両(の基地局)に緊急信号を送信させる、
という命令を実行するように構成された、
システム(又はユニット)。
A011.A001、B001又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記無線接続を介して前記車両から離れた前記ユーザの前記ステータスを決定することは、
前記ユーザが前記車両に戻ることが期待される時間を指定すること;及び
前記ユーザが前記指定された時間までに又は時間になっても前記車両に戻らなかった場合、前記ユーザのステータスを緊急事態として決定すること、
を含む、
システム。
A011b.車両外のユーザのステータスを検出する方法であって、
ユーザ(の携帯通信デバイス)と車両(に搭載された基地局)との間の無線接続を確立すること;
前記ユーザが車両に戻ることが期待される時間を指定すること;
前記指定された時間が経過したときに、前記ユーザが前記車両に戻ったか否かを検出すること;及び
前記指定された時間までに前記ユーザが前記車両に戻らなかった場合、前記車両に緊急信号を送信させること、
を備える方法。
A015.A011、A011b、B001又は実施形態のいずれかに従う方法、又はシステムであって
前記時間を指定することは、前記ユーザによって前記時間を指定することを含む
方法又はシステム。
A016.A011、B001、又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザが前記車両(の前記基地局)の通信範囲の外に行ったとき、又は前記ユーザと前記車両との前記無線通信が途絶えたときに、前記指定時間のカウントを開始すること、
を更に備える方法又はシステム。
A021.A011、B001又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザ(の前記携帯通信デバイス)と通信すること;及び
前記ユーザの前記ステータスを取得すること、
を更に備える方法又はシステム。
A022.A021又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって
前記取得された前記ユーザの前記ステータスは、前記ユーザと前記車両との間で通信を確立することができるか否かを含む、
方法又はシステム。
A023.A021、A022又は実施形態のいずれかに記載の方法もしくはシステムであって
前記取得される前記ユーザの前記ステータスは、前記ユーザの位置及び前記ユーザの健康状態の少なくとも1つを含む、
方法又はシステム。
A025.A021又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
複数のタイミングで前記ユーザの前記ステータスを取得すること
を更に備える方法又はシステム。
A026.A025又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザの前記ステータスを取得することは、前記ユーザの前記ステータスを継続的に又は定期的に取得することを含む、
方法又はシステム。
A031.A021に記載の方法又はシステム、もしくは実施形態のいずれかであって、
前記ユーザ(の前記携帯通信デバイス)と通信することは、無線中継器を介して前記ユーザ(の前記携帯通信デバイス)と通信することを含み、前記無線中継器は、前記ユーザ(の前記携帯通信デバイス)と前記車両の両方と通信することが可能である、
方法又はシステム。
A032.A031、又は実施形態のいずれかに記載の方法もしくはシステムであって、
前記無線中継器は、自走式デバイス又はドローンであるか、又は自走式デバイスに内蔵されている、
方法もしくはシステム。
A041.A031からA033のいずれか1項、又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザの前記取得されたステータスを記録すること、
を更に備える方法又はシステム。
A042.A041又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記緊急信号は、前記車両における前記ユーザの記録されたステータスの少なくとも一部を含む、
方法又はシステム。
A051.A001、B001又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザが行うことになっている活動の計画を入力するように誘導すること、
を更に備える方法又はシステム。
A052.A051又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記ユーザの活動の前記計画を記録すること、
を更に備える方法又はシステム。
A061.A001、B001又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記緊急信号の受信者を提供することを更に備え、
前記緊急信号を送信することは、前記緊急信号を前記受信者に送信することを含む、
方法又はシステム。
A071.A001、B001又は実施形態のいずれかに従う方法又はシステムであって、
前記緊急信号を送信することは、
使用可能な通信ネットワークを探すことを含む、
方法又はシステム。
A072.A001、B001又は実施形態のいずれかに従う方法又はシステムであって、
前記緊急信号を送信することは、使用可能な通信ネットワークが見つからない場合、前記車両を初期位置から使用可能な(通信)ネットワークが存在する位置まで自律的に移動させることを含む、
方法又はシステム。
A073.A072、又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記車両を前記初期位置から前記使用可能な通信ネットワークが存在する場所まで自律的に移動させることは、前記初期位置に居残りデバイスを残すことを含む、
方法又はシステム。
A074.A073又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記居残りデバイスは、前記ユーザ(の前記携帯通信デバイス)と通信することができる、
方法又はシステム。
A075.A073、A074又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記第2の通信デバイスは、前記車両と通信することが可能である、
方法又はシステム。
A076.A072又は実施形態のいずれかに記載の方法又はシステムであって、
前記緊急信号が送信された後(または、前記車両が使用可能な通信ネットワークが存在する場所を発見しなかった場合)、前記車両を前記初期位置に戻させること
を更に備える方法又はシステム。
C001.車両外のユーザのステータスを検出するためのコンピュータプログラム製品又はソフトウェアであって、
ユーザ(が携帯する携帯通信デバイス)と車両(に搭載された基地局)との間の無線接続を確立すること;
前記無線接続を介して、前記車両から離れたユーザのステータスを決定すること;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急状態を含む場合、前記車両(の基地局)に緊急信号を送信させること、
をプロセッサに実行させることが可能なプログラムコードを備える、
コンピュータプログラム製品又はソフトウェア。
C011.車両外のユーザのステータスを検出するためのコンピュータプログラム製品又はソフトウェアであって、
A001からA076のいずれか1項、又は実施形態のいずれかに記載の方法を、プロセッサに実行させることが可能なプログラムコードを備える、
コンピュータプログラム製品又はソフトウェア。
D001.プログラムコードをその中に具現化したコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記プログラムコードは、
ユーザ(が携帯する携帯通信デバイス)と車両(に搭載された基地局)との間の無線接続を確立すること;
前記無線接続を介して、前記車両から離れたユーザのステータスを決定すること;及び
前記ステータスが前記ユーザの緊急状態を含む場合、前記車両(の前記基地局)に緊急信号を送信させること、
をプロセッサに実行させることが可能である、
コンピュータ可読記憶媒体。
D011.プログラムコードをその中に具現化したコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記プログラムコードは、A001からA076のいずれか1項、又は実施形態のいずれかに記載の方法をプロセッサに実行させることが可能である、
コンピュータ可読記憶媒体。
E001.車両であって、:
C001、C011、又は実施形態のいずれかに記載のコンピュータプログラム製品;
D001、D011、又は実施形態のいずれかに記載のコンピュータ可読記憶媒体;又は
B001からA076のいずれか、又は実施形態のいずれかに記載のシステム、
を備える車両。
E002.E001に記載の車両であって、
移動可能な無線中継器;及び/又は
車両が離れる際に居残るデバイス、
を備える車両。
【0108】
本願で使用される用語及びフレーズ、及びその変形、特に添付の請求項では、特に明示されない限り、限定するのとは対照的に、オープンエンドと解釈されるべきである。前述の例として、用語「含む」は、「限定せずに含む」、「含むが限定されない」などを意味すると解釈されるべきである;本明細書で使用される用語「備える」は、「含む」、「含む」、又は「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の、再現されていない要素又は方法手順を除外しないものである; 用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきである;用語「含む」は、「含むが限定されない」と解釈されるべきである;用語「例」は、議論中の項目の例示的な実施例を提供するために使用され、その網羅的又は限定的なリストではない。
【0109】
接続詞「及び」で結ばれたアイテムのグループは、それらのアイテムの各々がグループ化において存在することを要求するものとして読まれるべきでなく、むしろ、明示的にそうでない限り「及び/又は」として読まれるべきである。同様に、接続詞「又は」で結ばれたアイテムのグループは、そのグループ間の相互排他性を要求するものとして読まれるべきではなく、むしろ、明示的にそうでない限り、“及び/又は”として読まれるべきである。
【0110】
本明細書における英語での実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は適用に適切であるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へ翻訳することができる。様々な単数/複数の順列は、明確化のために本明細書で明示的に規定されることがある。
【0111】
本明細書に開示された実施形態又は態様のいずれかは、独立して、部分的又は全体的に、本明細書に記載された他の実施形態と任意の方法で組み合わせることができ、例えば、1つ、2つ、又は3つ以上の実施形態は、全体又は部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、本明細書に開示されたいずれかの実施形態又はいずれかの態様のいずれもが、他の実施形態及び態様のいずれにも適用可能であり、又は他の実施形態又は態様に対して任意的とされてもよい。
【0112】
本明細書では、本発明の好ましい実施形態を示し、説明したが、このような実施形態が例示としてのみ提供されることは、当業者には明らかであろう。本発明が、本明細書内で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されてきたが、本明細書における実施形態の説明及び図示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。多数の変形、変更、及び置換が、本発明から逸脱することなく、当業者にとって可能である。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件及び変数に依存する本明細書に記載された特定の描写、構成又は相対的な割合に限定されないことが理解されるものとする。本明細書に記載された本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に採用され得ることが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替物、修正物、変形物、又は等価物も対象とすることが企図される。添付の請求項が本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法及び構造、ならびにそれらの等価物がそれによってカバーされることが意図される。
【外国語明細書】