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  • 特開-プローブカードの位置決め装置 図1
  • 特開-プローブカードの位置決め装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149716
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】プローブカードの位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20251001BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20251001BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R1/073 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050524
(22)【出願日】2024-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100136375
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 弘実
(74)【代理人】
【識別番号】100079290
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
(72)【発明者】
【氏名】軣木 岳史
【テーマコード(参考)】
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA15
2G011AA17
2G011AC06
2G011AE03
2G011AF07
4M106AA07
4M106AD11
4M106BA01
4M106DD10
4M106DD13
(57)【要約】
【課題】プローブカードと被測定デバイスとの位置決めが容易で、位置決め精度の向上が可能なプローブカードの位置決め装置を提供する。
【解決手段】プローブカードの位置決め装置は、被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードと、前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段と、を備え、前記プローブと前記のぞき穴の特定の周縁部位との位置関係が既知であり、前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードと、
前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段と、を備え、
前記プローブと前記のぞき穴の特定の周縁部位との位置関係が既知であり、
前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、プローブカードの位置決め装置。
【請求項2】
前記被測定デバイスの特徴部位が外形であり、
前記外形に対して、前記特定の周縁部位を複数箇所で合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、請求項1に記載のプローブカードの位置決め装置。
【請求項3】
前記外形の互いに垂直な二辺に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、請求項2に記載のプローブカードの位置決め装置。
【請求項4】
被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードであって、
前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段を備えたプローブカードの位置決め装置に装着され、
前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記のぞき穴の特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行うために、
前記プローブと前記特定の周縁部位との位置関係が既知であるプローブカード。
【請求項5】
被測定デバイスの電極に電気的に接続可能なプローブと、
撮影手段による前記被測定デバイスの撮像を可能とするのぞき穴と、を備え、
前記のぞき穴は、前記撮像手段による前記のぞき穴を通した撮像により前記被測定デバイスに対する位置を調整可能とする周縁部位を有する、プローブカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードの位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プローブカードにのぞき穴を形成し、のぞき穴から小棒を突出させて、小棒をプローブカードと半導体素子との位置合わせの目印とする技術が、下記特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-224270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、小棒の取付位置精度がプローブカードと半導体素子との位置決め精度に影響する問題がある。
【0005】
本発明の目的の一例は、プローブカードと被測定デバイスとの位置決めが容易で、位置決め精度の向上が可能なプローブカードの位置決め装置を提供することにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、プローブカードの位置決め装置であって、
被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードと、
前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段と、を備え、
前記プローブと前記のぞき穴の特定の周縁部位との位置関係が既知であり、
前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う。
【0007】
本発明の上記態様によれば、プローブカードと被測定デバイスとの位置決めが容易で、位置決め精度の向上が可能である。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るプローブカードの位置決め装置1の正断面図である。
図2】プローブカードの位置決め装置1において、プローブカード10の上方よりみた平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2を用いて本発明の実施形態に係るプローブカードの位置決め装置を説明する。説明の便宜上、図1に上下方向を定義し、図2にX―Y方向を定義する。これらの図に示すように、プローブカードの位置決め装置1は、複数本のプローブ11と、のぞき穴15とを有するプローブカード10と、のぞき穴15を通して半導体チップ30を撮像する撮像手段としてのチップ確認用カメラ20と、を備える。
【0011】
プローブカード10は、板状乃至シート状の基体12を垂直に貫通するように複数本のプローブ11を配置し、複数本のプローブ11から離間した位置にのぞき穴15を配置した構成を有する。基体12は剛性を有する基板であっても、フレキシブル基板あってもよいが、フレキシブル基板の場合には測定時に変形しないように支持されている。
【0012】
半導体チップ30はプローブカード10を用いてその電気的特性を測定する対象であり、被測定デバイスである。半導体チップ30はウェハ40上に規則正しく整列、配置されており、図示の例では4個の電極パッド31を有し、それらに対応してプローブカード10のプローブ11も4本同様に配置されている。半導体チップ30の外形32は一般的に正方形又は長方形であり、外形32と電極パッド31との位置関係は既知である。
【0013】
撮像手段としてのチップ確認用カメラ20は、図2において、プローブカード10が有するのぞき穴15の周辺部とのぞき穴15を通して見た半導体チップ30の画像を撮像可能な視野を有する。チップ確認用カメラ20の視野において、のぞき穴15は、半導体チップ30の外形32の四辺にそれぞれ接する若しくは微小間隔で近接対向可能な直線状の周縁部位15aを有している。これらの特定の周縁部位15aとプローブ11との位置関係(距離及びX―Y方向)は予め設定若しくは測定して既知となっている。ウェハ40がX-Y方向に移動可能な場合、プローブカード10及びチップ確認用カメラ20は固定である。ウェハ40が固定の場合にはプローブカード10とチップ確認用カメラ20とが一体となってX-Y方向に移動する構成でもよい。
【0014】
以上の実施形態の構成において、半導体チップ30の測定は以下の手順で行う。まず、ウェハ40上の測定対象となる特定の半導体チップ30がチップ確認用カメラ20の視野に入るようにプローブカード10に対してウェハ40を相対移動させ、図2に示すように、チップ確認用カメラ20の視野において、のぞき穴15の周縁部位15aを、半導体チップ30の外形32の四辺にそれぞれ合致若しくは微小間隔で近接対向させる。これにより半導体チップ30及びウェハ40に対するプローブカード10の位置決めができる。周縁部位15aとプローブ11との位置関係が既知であることから、プローブ11と半導体チップ30の電極パッド31との位置関係がわかり、その既知となった位置関係から、ウェハ40を必要量X-Y方向に移動させ、4本のプローブ11の真下に4個の電極パッド31を対向させる。その後、ウェハ40に対してプローブ11を相対的に下降させて4本のプローブ11を4個の電極パッド31に電気的に接触させ、電気的特性の測定を行う。
【0015】
図1の例では、のぞき穴15を通してチップ確認用カメラ20で撮像した測定対象の半導体チップ30と、プローブ11の真下に位置する半導体チップ30とは、半導体チップ30の配列ピッチPの2倍だけX方向に離れているので、ウェハ40をX方向に2×Pの距離だけ移動させればよい。
【0016】
本実施形態によれば、下記の効果を奏することができる。
【0017】
(1) プローブカードの位置決め装置1は、被測定デバイスとしての半導体チップ30の電極パッド31に電気的に接触可能なプローブ11と、のぞき穴15とを有するプローブカード10を用い、チップ確認用カメラ20の視野において、半導体チップ30の特徴部位に対して、のぞき穴15の特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、プローブカード10の位置決めを行う。このため、プローブカード10に位置決めのための部材を付加する構造に比較して位置決め精度を向上させることが可能である。また、位置決めのための部材を付加する工程が不要である。
【0018】
(2) ウェハ40上の半導体チップ30の外形32は、正方形又は長方形が一般的であり、外形32と電極パッド31との位置関係も既知であるから、のぞき穴15の周縁部位15aを、半導体チップ30の外形32の四辺にそれぞれ合致若しくは微小間隔で近接対向させる構成によって、半導体チップ30に対して容易にかつ精度よくプローブカード10の位置決めが可能である。
【0019】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0020】
上記実施形態では、被測定デバイスとしての半導体チップの電極パッドの個数とプローブの本数が一致している場合を例示したが、必ずしも一致している必要はなく、ダミーパドに対応させたり、複数の半導体チップを同時に測定できるように、プローブの本数を多くしてもよい。
【0021】
また、被測定デバイスとしての半導体チップの四辺に対応させて、のぞき穴に4個の特定の周縁部位を形成したが、半導体チップの直交する二辺に対応する2個の特定の周縁部位をのぞき穴に形成してもよく、この場合もX方向及びY方向の位置決めが可能となる。
【0022】
上記実施形態では、被測定デバイスである半導体チップの外形と、プローブカードに形成されたのぞき穴の特定の周縁部位とを合致させて半導体チップとプローブカードとの位置決め(換言すれば、半導体チップの電極パッドとプローブとの位置決め)を行ったが、被測定デバイスの外形以外の特徴部位と、のぞき穴の特定の周縁部位とを合致させて被測定デバイスとプローブカードとの位置決めを行ってもよい。
【0023】
また、被測定デバイスの特徴部位と、のぞき穴の特定の周縁部位とが完全合致でなくとも、微小間隔で近接している場合でも、被測定デバイスとプローブカードとの位置決めが可能である(例えば、前記微小間隔が電極パッドの径よりも十分に小さい場合等)。
【0024】
上記実施形態では、のぞき穴の特定の周縁部位は一定長さの直線状部分を有するが、尖った形状の先端を周縁部位として用いてもよい。
【0025】
上記実施形態では、プローブカードに形成したのぞき穴が1個の半導体チップに対応する形状であるが、複数個の半導体チップを含む形状であってもよいし、あるいは1個の半導体チップの特徴部位及びその周辺のみを含む形状であってもよい。
【0026】
また、プローブは基体を貫通する配置であるが、シード状のプローブカードの場合、被測定デバイスへの対向面のみに接点となるプローブを配置してもよい。
【0027】
本明細書によれば、以下の態様のプローブカードの位置決め装置が提供される。
【0028】
(態様1)
被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードと、
前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段と、を備え、
前記プローブと前記のぞき穴の特定の周縁部位との位置関係が既知であり、
前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、プローブカードの位置決め装置。
【0029】
上述の態様1によれば、被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードを用い、撮像手段の視野において、被測定デバイスの特徴部位に対して、のぞき穴の特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、プローブカードの位置決めを行う。このため、プローブカードに位置決めのための部材を付加する構造に比較して位置決め精度を向上させることが可能である。また、位置決めのための部材を付加する工程が不要である。
【0030】
(態様2)
前記被測定デバイスの特徴部位が外形であり、
前記外形に対して、前記特定の周縁部位を複数箇所で合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、プローブカードの位置決め装置。
【0031】
上述の態様2によれば、被測定デバイスの外形と電極との位置関係が既知であるから、外形を測定デバイスの特徴部位として選択し、のぞき穴の周縁部位を、被測定デバイスの外形に合致若しくは微小間隔で近接対向させることによって、測定デバイスに対して容易にかつ精度よくプローブカードの位置決めが可能である。
【0032】
(態様3)
前記外形の互いに垂直な二辺に対して、前記特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行う、プローブカードの位置決め装置。
【0033】
上述の態様3によれば、被測定デバイスの外形と電極との位置関係が既知であり、かつ外形の互いに垂直な二辺に対して、のぞき穴の特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させるため、X方向及びY方向の位置決めを高精度で行うことが可能である。
【0034】
(態様4)
被測定デバイスの電極に電気的に接触可能なプローブと、のぞき穴とを有するプローブカードであって、
前記のぞき穴を通して前記被測定デバイスを撮像する撮像手段を備えたプローブカードの位置決め装置に装着され、
前記撮像手段の視野において、前記被測定デバイスの特徴部位に対して、前記のぞき穴の特定の周縁部位を合致若しくは微小間隔で近接させて、前記プローブカードの位置決めを行うために、
前記プローブと前記特定の周縁部位との位置関係が既知であるプローブカード。
【0035】
上述の態様4によれば、位置決めのための部材を付加することなく位置決め精度を向上させることが可能なプローブカードを提供することができる。
【0036】
(態様5)
被測定デバイスの電極に電気的に接続可能なプローブと、
撮影手段による前記被測定デバイスの撮像を可能とするのぞき穴と、を備え、
前記のぞき穴は、前記撮像手段による前記のぞき穴を通した撮像により前記被測定デバイスに対する位置を調整可能とする周縁部位を有する、プローブカード。
【0037】
上述の態様5によれば、位置決めのための部材を付加することなく位置調整が可能なプローブカードを提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 プローブカード位置決め装置
10 プローブカード
11 プローブ
15 のぞき穴
15a 周縁部位
20 チップ確認用カメラ
30 半導体チップ
31 電極パッド
32 外形
図1
図2