(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014981
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】保全業務支援装置、保全業務支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20250123BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20250123BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118004
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】宗 陽一郎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】産業機械を分解して検査する必要性を、業務経験が少ない従事者であっても的確に判断でき、保全業務を支援する保全業務支援装置、保全業務支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】保全業務支援装置と、データベースと、端末装置とを備え、保全業務支援装置及び端末装置が、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である保全業務支援システムにおいて、保全業務支援装置100は、産業機械の設置場所で産業機械を分解せずに実施された産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける受付部としての受信部101と、受付部にて受け付けた点検結果情報に基づいて、産業機械を分解して検査する必要性に関する産業機械の状態を推定する推定部としての状態推定部102と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業機械の設置場所で当該産業機械を分解せずに実施された当該産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける受付部と、
前記受付部にて受け付けた前記点検結果情報に基づいて、前記産業機械を分解して検査する必要性に関する当該産業機械の状態を推定する推定部と
を備える、保全業務支援装置。
【請求項2】
前記受付部にて受け付ける前記点検結果情報の入力を支援する入力支援情報を出力する出力部を更に備える、請求項1に記載の保全業務支援装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記点検結果情報として、定量的な情報及び定性的な情報を受け付ける、請求項1に記載の保全業務支援装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記定性的な情報として、点検箇所の画像データを受け付け、
前記推定部は、前記受付部にて受け付けた前記画像データを数値化した画像値を取得し、当該画像値に基づいて、前記産業機械の状態を推定する、請求項3に記載の保全業務支援装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記点検結果情報が予め定められた基準以上である場合に、前記産業機械の状態として、前記必要性のレベルが第1のレベルである状態を推定する、請求項1に記載の保全業務支援装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記点検結果情報が前記予め定められた基準以上でない場合に、前記産業機械の連続運転中に当該点検結果情報が当該予め定められた基準を超えると予測されれば、当該産業機械の状態として、前記必要性のレベルが前記第1のレベルに等しい又は前記第1のレベルより低い第2のレベルである状態を推定する、請求項5に記載の保全業務支援装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記点検結果情報が前記予め定められた基準以上でない場合に、前記産業機械の状態として、前記必要性のレベルが当該点検結果情報の当該予め定められた基準への接近度合に応じたレベルである状態を推定する、請求項5に記載の保全業務支援装置。
【請求項8】
前記推定部により推定された前記産業機械の状態に基づいて、当該産業機械を分解して検査する際の作業内容を決定する決定部を更に備える、請求項1に記載の保全業務支援装置。
【請求項9】
前記決定部は、前記推定部により推定された前記産業機械の状態が予め定められた条件を満たす前記作業内容を決定する、請求項8に記載の保全業務支援装置。
【請求項10】
前記決定部は、前記産業機械の性能改善に及ぼす影響が予め定められた条件を満たす前記作業内容を決定する、請求項8に記載の保全業務支援装置。
【請求項11】
前記決定部は、必要となる作業スキルが予め定められた条件を満たす前記作業内容を決定する、請求項8に記載の保全業務支援装置。
【請求項12】
前記決定部は、必要となる作業コストが予め定められた条件を満たす前記作業内容を決定する、請求項8に記載の保全業務支援装置。
【請求項13】
コンピュータの受付部が、産業機械の設置場所で当該産業機械を分解せずに実施された当該産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付けるステップと、
コンピュータの推定部が、受け付けた前記点検結果情報に基づいて、前記産業機械を分解して検査する必要性に関する当該産業機械の状態を推定するステップと
を含む、保全業務支援方法。
【請求項14】
コンピュータに、
産業機械の設置場所で当該産業機械を分解せずに実施された当該産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける機能と、
受け付けた前記点検結果情報に基づいて、前記産業機械を分解して検査する必要性に関する当該産業機械の状態を推定する機能と
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の生産財機械を含むプラントにおける生産財機械の保全業務を支援する保全業務支援装置、保全業務支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、営業対象の顧客情報に基づく支援情報を情報受給者に提供する建設機械の営業支援システムであって、サーバが、営業パソコンを介し入力された顧客に関する検索条件に基づいて、営業パソコンに、データベースに予め記憶された顧客情報から検索条件に合致したものを抽出して表示する抽出表示信号を出力し、営業パソコンを介し入力された、図象化表示に用いる少なくとも2つの評価項目の組み合わせに基づいて、抽出した顧客情報を分析評価し情報受給者側の情報端末に表示する評価表示信号を出力する営業支援システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
産業機械を分解して検査する必要性を、業務経験が少ない従事者が的確に判断することは困難である。
【0005】
本発明の目的は、産業機械を分解して検査する必要性を、業務経験が少ない従事者であっても的確に判断できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明は、産業機械の設置場所で産業機械を分解せずに実施された産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける受付部と、受付部にて受け付けた点検結果情報に基づいて、産業機械を分解して検査する必要性に関する産業機械の状態を推定する推定部とを備える、保全業務支援装置を提供する。
【0007】
保全業務支援装置は、受付部にて受け付ける点検結果情報の入力を支援する入力支援情報を出力する出力部を更に備える、ものであってよい。
【0008】
受付部は、点検結果情報として、定量的な情報及び定性的な情報を受け付ける、ものであってよい。その場合、受付部は、定性的な情報として、点検箇所の画像データを受け付け、推定部は、受付部にて受け付けた画像データを数値化した画像値を取得し、画像値に基づいて、産業機械の状態を推定する、ものであってよい。
【0009】
推定部は、点検結果情報が予め定められた基準以上である場合に、産業機械の状態として、必要性のレベルが第1のレベルである状態を推定する、ものであってよい。その場合、推定部は、点検結果情報が予め定められた基準以上でない場合に、産業機械の連続運転中に点検結果情報が予め定められた基準を超えると予測されれば、産業機械の状態として、必要性のレベルが第1のレベルに等しい又は第1のレベルより低い第2のレベルである状態を推定する、ものであってよい。また、推定部は、点検結果情報が予め定められた基準以上でない場合に、産業機械の状態として、必要性のレベルが点検結果情報の予め定められた基準への接近度合に応じたレベルである状態を推定する、ものであってよい。
【0010】
推定部により推定された産業機械の状態に基づいて、産業機械を分解して検査する際の作業内容を決定する決定部を更に備える、ものであってよい。その場合、決定部は、推定部により推定された産業機械の状態が予め定められた条件を満たす作業内容を決定する、ものであってよい。また、決定部は、産業機械の性能改善に及ぼす影響が予め定められた条件を満たす作業内容を決定する、ものであってよい。更に、決定部は、必要となる作業スキルが予め定められた条件を満たす作業内容を決定する、ものであってよい。更にまた、決定部は、必要となる作業コストが予め定められた条件を満たす作業内容を決定する、ものであってよい。
【0011】
また、本発明は、コンピュータの受付部が、産業機械の設置場所で産業機械を分解せずに実施された産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付けるステップと、コンピュータの推定部が、受け付けた点検結果情報に基づいて、産業機械を分解して検査する必要性に関する産業機械の状態を推定するステップとを含む、保全業務支援方法も提供する。
【0012】
更に、本発明は、コンピュータに、産業機械の設置場所で産業機械を分解せずに実施された産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける機能と、受け付けた点検結果情報に基づいて、産業機械を分解して検査する必要性に関する産業機械の状態を推定する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、産業機械を分解して検査する必要性を、業務経験が少ない従事者であっても的確に判断できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態における保全業務支援システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態における保全業務支援装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図3】本実施の形態における保全業務支援装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図4】本実施の形態におけるデータベースの構成例を示したブロック図である。
【
図9】連続運転日数DBの構成例を示した図である。
【
図11】推奨ユニットDBの構成例を示した図である。
【
図12】測定値正規化DBの構成例を示した図である。
【
図13】評価値正規化DBの構成例を示した図である。
【
図14】画像値正規化DBの構成例を示した図である。
【
図15】点検箇所状態ワークデータの構成例を示した図である。
【
図16】点検箇所状態値DBの構成例を示した図である。
【
図17】主要部位状態ワークデータの構成例を示した図である。
【
図18】主要部位状態値DBの構成例を示した図である。
【
図19】ユニット状態ワークデータの構成例を示した図である。
【
図20】ユニット状態値DBの構成例を示した図である。
【
図21】ユニット作業DBの構成例を示した図である。
【
図22】主要部位作業DBの構成例を示した図である。
【
図23】点検箇所作業DBの構成例を示した図である。
【
図26】本実施の形態で表示されるユニット画面を示した図である。
【
図27】本実施の形態で表示される主要部位画面を示した図である。
【
図28】本実施の形態で表示される主要部位画面を示した図である。
【
図29】本実施の形態における状態推定部が主要部位画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図30】本実施の形態で表示される診断結果画面を示した図である。
【
図31】本実施の形態で表示される診断結果画面を示した図である。
【
図32】本実施の形態で表示される診断結果画面を示した図である。
【
図33】本実施の形態で表示される診断結果画面を示した図である。
【
図34A】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図34B】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図35】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図36】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図37】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図38】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図39】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図40A】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図40B】本実施の形態における状態推定部が診断結果画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図41】本発明の実施の形態で表示される作業一覧画面を示した図である。
【
図42】本実施の形態における作業内容決定部が作業一覧画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図43】本実施の形態における作業内容決定部が作業一覧画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図44】本実施の形態における作業内容決定部が作業一覧画面を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図45】本発明の実施の形態で表示される作業検索画面を示した図である。
【
図46】本発明の実施の形態で表示される作業検索画面を示した図である。
【
図47】本発明の実施の形態で表示される作業検索画面を示した図である。
【
図48】本実施の形態における作業内容決定部が作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図49】本実施の形態における作業内容決定部が作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図50A】本実施の形態における作業内容決定部が作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
【
図50B】本実施の形態における作業内容決定部が作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
[本実施の形態の背景]
一般に産業機械の保全では、一定周期で、メーカ工場に持ち込み分解して検査を行うことが望ましいが、産業機械の所有者は、メーカ技術員に点検作業者として出張してもらう形で客先現地(産業機械の設置場所)での点検を希望することが多い。客先現地での点検では、分解しての検査はできない。点検作業者は、客先現地で、産業機械を、分解せずに可能な範囲で構成要素(ユニット、主要部位等)単位で点検する。そして、点検作業者は、その点検の結果から、産業機械の状態を判断し、客先が求める運転期間(日数)産業機械を継続して運転可能か否かを判断する。客先が求める運転期間(日数)産業機械を継続して運転可能でない場合、点検作業者は、次回点検時に又は早急に詳細検査である分解検査の実施内容を検討し提案することになる。分解検査の必要性及びその実施内容の検討は、点検作業者のこれまでの経験値を踏まえて行われるので、点検作業者の力量によって判断がばらつくことが多い。そのため、点検作業者は、判断に悩む場合には、冗長に分解検査を提案したり冗長な内容での分解検査を推奨したりすることとなり、その結果、産業機械の所有者に、不必要な保全コストや不必要な操業生産停止による操業生産ロスを発生させてしまっていた。
【0017】
このような業務では、プラントを構成する産業機械の、機能仕様的な知識や保全計画、保全業務、作業遂行知識に関する経験的なノウハウが求められ、一定実務経験年数を経たベテラン業務従事者しか業務を遂行し難いという課題があった。また、グローバルスタンダードクラウド型業務基盤システムを土台に、保全業務の効率化及び標準化システムを構築するだけでは、IT投資効果が得られにくい、といった課題もあった。
【0018】
[保全業務支援システムの構成]
図1は、本実施の形態における保全業務支援システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、保全業務支援システム1は、保全業務支援装置100と、データベース200と、端末装置300とを備えている。保全業務支援装置100及び端末装置300は、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である。
【0019】
保全業務支援装置100は、例えばサーバ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、例えばラップトップ型コンピュータ又はデスクトップ型コンピュータ等のコンピュータである。端末装置300は、産業機械の点検を行って分解検査の必要性及び実施内容を検討する点検作業者によって使用される。端末装置300の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0020】
保全業務支援装置100は、データベース200にアクセス可能である。データベース200は、保全業務支援装置100の内部に設けられてもよいし、保全業務支援装置100の外部に設けられ、通信ネットワークを通じてアクセスされてもよい。
【0021】
保全業務支援装置100は、例えばHTTPデーモンを起動しており、端末装置300からブラウザを介して送信された処理要求(HTTPリクエスト)を受け付けると、処理要求に応じた処理結果(HTTPレスポンス)を端末装置300に返答する。
【0022】
例えば、保全業務支援装置100は、ウェブページ記述言語で記述されたページデータを処理結果として端末装置300に送信し、端末装置300は、保全業務支援装置100から受信したページデータを表すページ画像を自機の表示部に出力する。
【0023】
[保全業務支援装置のハードウェア構成]
図2は、本実施の形態における保全業務支援装置100のハードウェア構成例を示した図である。
【0024】
図示するように、保全業務支援装置100は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現され、演算手段であるCPU11と、記憶手段であるメインメモリ12及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)13とを備える。ここで、CPU11は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行し、保全業務支援装置100の各機能を実現する。また、メインメモリ12は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。そして、HDD13は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
【0025】
また、保全業務支援装置100は、外部との通信を行うための通信I/F14と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16と、記憶媒体に対してデータの読み書きを行うためのドライバ17とを備える。尚、
図2は、保全業務支援装置100をコンピュータシステムにて実現した場合のハードウェア構成を例示するに過ぎず、保全業務支援装置100は図示の構成に限定されない。
【0026】
[保全業務支援装置の構成]
図3は、本実施の形態における保全業務支援装置100の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、保全業務支援装置100は、受信部101と、状態推定部102と、作業内容決定部103と、送信部104とを備える。
【0027】
受信部101は、端末装置300に表示された画面上で入力された情報を受信する。
具体的には、受信部101は、端末装置300に表示されたユニット画面(後述)上で主要部位画面の表示指示が入力されると、端末装置300からこの表示指示を受信する。
また、受信部101は、端末装置300に表示された主要部位画面(後述)上で、客先現地で生産財機械を分解せずに実施された点検の結果を示す点検結果情報が入力されると、端末装置300からこの点検結果情報を受信する。ここで、点検結果情報は、定量的な情報と、定性的な情報とを含む。本実施の形態では、産業機械の設置場所で産業機械を分解せずに実施された産業機械の点検の結果を示す点検結果情報を受け付ける受付部の一例として、受信部101を設けている。そして、受信部101は、端末装置300に表示されたユニット画面上で、生産財機械の状態の診断を指示する診断指示が入力されると、端末装置300からこの診断指示を受信する。
更に、受信部101は、端末装置300に表示された診断結果画面(後述)上で、生産財機械の状態の診断結果に応じて実施すべき作業の決定を指示する作業決定指示が入力されると、端末装置300からこの作業決定指示を受信する。
更にまた、受信部101は、端末装置300に表示された作業一覧画面(後述)から呼び出された作業検索画面(後述)上で、条件に合致する作業を検索する作業検索指示が入力されると、端末装置300からこの作業検索指示を受信する。
【0028】
状態推定部102は、ユニット画面を作成し、受信部101が主要部位画面の表示指示を受信すると、点検結果情報が入力される主要部位画面を作成する。
また、状態推定部102は、受信部101が点検結果情報を受信した後に診断指示を受信すると、データベース200に記憶された情報に基づいて、生産財機械の分解検査の必要性に関する状態を推定する。そして、状態推定部102は、この生産財機械の状態をデータベース200に記憶し、この生産財機械の状態を含む診断結果画面を作成する。本実施の形態では、受付部にて受け付けた点検結果情報に基づいて、産業機械を分解して検査する必要性に関する産業機械の状態を推定する推定部の一例として、状態推定部102を設けている。
【0029】
作業内容決定部103は、受信部101が作業決定指示を受信すると、状態推定部102が推定した生産財機械の状態と、データベース200に記憶された情報とに基づいて、生産財機械の分解検査で実施すべき作業内容を決定する。そして、作業内容決定部103は、この決定された作業内容を含む作業一覧画面を作成する。本実施の形態では、推定部により推定された産業機械の状態に基づいて、産業機械を分解して検査する際の作業内容を決定する決定部の一例として、作業内容決定部103を設けている。
また、作業内容決定部103は、受信部101が作業検索指示を受信すると、条件に合致する作業内容を含む作業検索画面を作成する。
【0030】
送信部104は、状態推定部102及び作業内容決定部103が作成した画面を端末装置300へ送信する。
具体的には、送信部104は、状態推定部102が作成したユニット画面と、状態推定部102が作成した点検結果情報の入力を支援するための主要部位画面とを、端末装置300へ送信する。本実施の形態では、受付部にて受け付ける点検結果情報の入力を支援する入力支援情報の一例として、主要部位画面を用いており、入力支援情報を出力する出力部の一例として、送信部104を設けている。
また、送信部104は、状態推定部102が作成した診断結果画面を端末装置300へ送信する。
更に、送信部104は、作業内容決定部103が作成した作業一覧画面及び作業検索画面を端末装置300へ送信する。
【0031】
[データベースの構成]
図4は、本実施の形態におけるデータベース200の構成例を示した図である。図示するように、データベース200は、ユニットDB201と、主要部位DB202と、点検箇所DB203と、判断内容DB204と、連続運転日数DB205とを含む。また、データベース200は、過去点検DB206と、推奨ユニットDB207と、測定値正規化DB208と、評価値正規化DB209と、画像値正規化DB210とを含む。更に、データベース200は、点検箇所状態ワークデータ211と、点検箇所状態値DB212と、主要部位状態ワークデータ213と、主要部位状態値DB214と、ユニット状態ワークデータ215と、ユニット状態値DB216とを含む。更にまた、データベース200は、ユニット作業DB217と、主要部位作業DB218と、点検箇所作業DB219と、作業内容DB220と、過去検査DB221とを含む。
【0032】
ユニットDB201は、生産財機械を構成する複数の機能ユニット(以下、単に「ユニット」という)を管理するデータベースである。
図5は、ユニットDB201の構成例を示した図である。図示するように、ユニットDB201は、顧客IDと、顧客名称と、プラントIDと、プラント名称と、機械IDと、機械名称と、ユニットIDと、ユニット名称と、必要主要部位数とを含む。
【0033】
顧客IDは、顧客を特定するIDであり、顧客名称は、顧客の名称である。プラントIDは、顧客のプラント(工場)を特定するIDであり、プラント名称は、そのプラントの名称である。機械IDは、顧客のプラントを構成する生産財機械を特定するIDであり、機械名称は、その生産財機械の名称である。ユニットIDは、生産財機械を構成するユニットを特定するIDであり、ユニット名称は、そのユニットの名称である。必要主要部位数は、ユニットの状態を推定するために最低限必要な主要部位の数である。
【0034】
主要部位DB202は、ユニットを構成する複数の主要部位を管理するデータベースである。
図6は、主要部位DB202の構成例を示した図である。図示するように、主要部位DB202は、ユニットIDと、主要部位IDと、主要部位名称と、必要点検箇所数とを含む。
【0035】
ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、ユニットIDで特定されるユニットの主要部位を特定するIDであり、主要部位名称は、ユニットIDで特定されるユニットの主要部位の名称である。必要点検箇所数は、主要部位の状態を推定するために最低限必要な点検箇所の数である。
【0036】
点検箇所DB203は、主要部位を構成する複数の点検箇所を管理するデータベースである。
図7は、点検箇所DB203の構成例を示した図である。図示するように、点検箇所DB203は、主要部位IDと、点検箇所IDと、点検箇所名称と、測定基準値と、状態画像要否とを含む。
【0037】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDであり、点検箇所名称は、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所の名称である。
測定基準値は、対応する点検箇所の測定値の性能が保証される最低値である。測定値は値が大きい程、状態が悪くなるようにし、測定基準値は測定値がこれよりも小さい場合に性能が保証されるものとすればよい。
状態画像要否は、対応する点検箇所の状態画像の要否を示すパラメータである。状態画像要否「1」は状態画像が要であることを示し、状態画像要否「0」は状態画像が不要であることを示す。
【0038】
判断内容DB204は、点検箇所の定性状態の複数の判断内容を管理するデータベースである。
図8は、判断内容DB204の構成例を示した図である。図示するように、判断内容DB204は、点検箇所IDと、判断内容IDと、判断内容名称と、評価値と、評価内容とを含む。
【0039】
点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。判断内容IDは、点検箇所の定性状態の判断内容を特定するIDであり、判断内容名称は、点検箇所の定性状態の判断内容の名称である。
評価値は、判断内容IDで特定される判断内容の評価値であり、評価内容は、判断内容IDで特定される判断内容の評価内容である。ここで、評価値としては、例えば、「1」から「5」の整数値が設定されるとよい。そして、評価値「1」から「5」の評価内容は、次のように定義すればよい。即ち、評価値「1」の評価内容は、「良好」とすればよい。評価値「2」の評価内容は、「軽微な異常(補修、交換等は不要)」とすればよい。評価値「3」の評価内容は、「将来的には補修、交換等を行うのが望ましいが、運転調整等の処置を行わずに継続運用可能なレベルの異常」とすればよい。評価値「4」の評価内容は、「次回点検時に補修、交換等を行うのが望ましいが、運転調整等の処置を行って継続運用可能なレベルの異常」とすればよい。評価値「5」の評価内容は、「緊急で補修、交換等が必要なレベルの異常」とすればよい。
【0040】
連続運転日数DB205は、ユニットの連続運転日数を管理するデータベースである。
図9は、連続運転日数DB205の構成例を示した図である。図示するように、連続運転日数DB205は、機械IDと、ユニットIDと、連続運転日数とを含む。
【0041】
機械IDは、顧客プラントを構成する生産財機械を特定するIDである。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。
連続運転日数は、顧客が期待する対応するユニットの連続運転日数である。尚、連続運転日数は、日単位で連続運転期間を表すものであるが、日以外の単位で連続運転期間を表すものを採用してもよい。
【0042】
過去点検DB206は、過去の現地での点検結果を管理するデータベースである。
図10は、過去点検DB206の構成例を示した図である。図示するように、過去点検DB206は、主要部位IDと、点検箇所IDと、過去点検年月日と、過去測定値と、過去画像値と、過去測定正規化値と、過去評価正規化値と、過去画像正規化値とを含む。
【0043】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDであり、主要部位IDに値が設定されていない場合は全ての主要部位を示す。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。過去点検年月日は、過去に現地で点検を実施した年月日である。過去測定値は、点検箇所IDで特定される点検箇所の過去の測定値である。過去画像値は、点検箇所IDで特定される点検箇所の過去の画像値である。過去測定正規化値は、点検箇所IDで特定される点検箇所の過去の測定正規化値である。過去評価正規化値は、点検箇所IDで特定される点検箇所の過去の評価正規化値である。過去画像正規化値は、点検箇所IDで特定される点検箇所の過去の画像正規化値である。
【0044】
推奨ユニットDB207は、同時に分解検査を行うことが推奨されるユニット(以下、単に「推奨ユニット」という)を管理するデータベースである。
図11は、推奨ユニットDB207の構成例を示した図である。図示するように、推奨ユニットDB207は、機械IDと、ユニットIDと、推奨ユニットIDとを含む。
【0045】
機械IDは、顧客プラントを構成する生産財機械を特定するIDである。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。推奨ユニットIDは、詳細な分解検査を一緒に実施すべきユニットである推奨ユニットを特定するIDである。
【0046】
測定値正規化DB208は、測定値の正規化を管理するデータベースである。
図12は、測定値正規化DB208の構成例を示した図である。図示するように、測定値正規化DB208は、主要部位IDと、点検箇所IDと、正規化IDと、正規化値と、測定値用上限値と、測定値用下限値とを含む。
【0047】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。正規化IDは、正規化を特定するIDである。正規化値は、正規化IDに対応する正規化値であり、例えば、0から1までの値をとる。測定値用上限値は、正規化IDに対応する測定値用の上限値であり、測定値用下限値は、正規化IDに対応する測定値用の下限値である。
【0048】
評価値正規化DB209は、評価値の正規化を管理するデータベースである。
図13は、評価値正規化DB209の構成例を示した図である。図示するように、評価値正規化DB209は、主要部位IDと、点検箇所IDと、判断内容IDと、正規化IDと、正規化値と、評価値用上限値と、評価値用下限値とを含む。
【0049】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。判断内容IDは、点検箇所の定性状態の判断内容を特定するIDである。正規化IDは、正規化を特定するIDである。正規化値は、正規化IDに対応する正規化値であり、例えば、0から1までの値をとる。評価値用上限値は、正規化IDに対応する評価値用の上限値であり、評価値用下限値は、正規化IDに対応する評価値用の下限値である。
【0050】
画像値正規化DB210は、画像値の正規化を管理するデータベースである。
図14は、画像値正規化DB210の構成例を示した図である。図示するように、画像値正規化DB210は、主要部位IDと、点検箇所IDと、正規化IDと、正規化値と、画像値用上限値と、画像値用下限値とを含む。
【0051】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。正規化IDは、正規化を特定するIDである。正規化値は、正規化IDに対応する正規化値であり、例えば、0から1までの値をとる。画像値用上限値は、正規化IDに対応する画像値用の上限値であり、画像値用下限値は、正規化IDに対応する画像値用の下限値である。
【0052】
点検箇所状態ワークデータ211は、点検箇所の状態を管理するワークデータである。
図15は、点検箇所状態ワークデータ211の構成例を示した図である。図示するように、点検箇所状態ワークデータ211は、主要部位IDと、点検箇所IDと、点検箇所状態値と、測定正規化値と、評価正規化値と、画像正規化値と、点検箇所積算値とを含む。
【0053】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。点検箇所状態値は、点検箇所の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。測定正規化値は、測定値の正規化後の値であり、例えば、0から1までの値をとる。評価正規化値は、評価値の正規化後の値であり、例えば、0から1までの値をとる。画像正規化値は、画像値の正規化後の値であり、例えば、0から1までの値をとる。点検箇所積算値は、測定正規化値、評価正規化値、及び画像正規化値を積算した値である。
【0054】
点検箇所状態値DB212は、点検箇所の状態値を管理するデータベースである。
図16は、点検箇所状態値DB212の構成例を示した図である。図示するように、点検箇所状態値DB212は、主要部位IDと、点検箇所IDと、点検箇所状態値と、点検箇所状態名称と、点検箇所用上限値と、点検箇所用下限値とを含む。
【0055】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、主要部位IDで特定される主要部位の点検箇所を特定するIDである。点検箇所状態値は、点検箇所の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。点検箇所状態名称は、点検箇所の推定された状態の名称である。点検箇所用上限値は、点検箇所状態値に対応する点検箇所積算値の上限値であり、点検箇所用下限値は、点検箇所状態値に対応する点検箇所積算値の下限値である。
【0056】
ここで、
図15及び
図16の点検箇所状態値としては、例えば、「0」、「1」、「2」、「11」が設定されるとよい。そして、点検箇所状態値「0」、「1」、「2」、「11」の点検箇所状態名称は、次のように定義すればよい。即ち、点検箇所状態値「0」の点検箇所状態名称は、「正常」とすればよい。点検箇所状態値「1」の点検箇所状態名称は、「要観察」とすればよい。点検箇所状態値「2」の点検箇所状態名称は、「要分解点検」とすればよい。点検箇所状態値「11」の点検箇所状態名称は、「緊急分解点検」とすればよい。
【0057】
主要部位状態ワークデータ213は、主要部位の状態を管理するワークデータである。
図17は、主要部位状態ワークデータ213の構成例を示した図である。図示するように、主要部位状態ワークデータ213は、主要部位IDと、主要部位状態値と、主要部位積算値とを含む。
【0058】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。主要部位状態値は、主要部位の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。主要部位積算値は、主要部位の全ての点検箇所の点検箇所積算値を積算した値である。
【0059】
主要部位状態値DB214は、主要部位の状態値を管理するデータベースである。
図18は、主要部位状態値DB214の構成例を示した図である。図示するように、主要部位状態値DB214は、主要部位IDと、主要部位状態値と、主要部位状態名称と、主要部位用上限値と、主要部位用下限値とを含む。
【0060】
主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。主要部位状態値は、主要部位の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。主要部位状態名称は、主要部位の推定された状態の名称である。主要部位用上限値は、主要部位状態値に対応する主要部位積算値の上限値であり、主要部位用下限値は、主要部位状態値に対応する主要部位積算値の下限値である。
【0061】
ここで、
図17及び
図18の主要部位状態値としては、例えば、「0」、「1」、「2」が設定されるとよい。そして、主要部位状態値「0」、「1」、「2」の主要部位状態名称は、次のように定義すればよい。即ち、主要部位状態値「0」の主要部位状態名称は、「正常」とすればよい。主要部位状態値「1」の主要部位状態名称は、「要観察」とすればよい。主要部位状態値「2」の主要部位状態名称は、「要分解点検」とすればよい。
【0062】
ユニット状態ワークデータ215は、ユニットの状態を管理するワークデータである。
図19は、ユニット状態ワークデータ215の構成例を示した図である。図示するように、ユニット状態ワークデータ215は、ユニットIDと、ユニット状態値と、ユニット積算値とを含む。
【0063】
ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。ユニット状態値は、ユニットの推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。ユニット積算値は、ユニットの全ての主要部位の主要部位積算値を積算した値である。
【0064】
ユニット状態値DB216は、ユニットの状態値を管理するデータベースである。
図20は、ユニット状態値DB216の構成例を示した図である。図示するように、ユニット状態値DB216は、ユニットIDと、ユニット状態値と、ユニット状態名称と、ユニット用上限値と、ユニット用下限値とを含む。
【0065】
ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。ユニット状態値は、ユニットの推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。ユニット状態名称は、ユニットの推定された状態の名称である。ユニット用上限値は、ユニット状態値に対応するユニット積算値の上限値であり、ユニット用下限値は、ユニット状態値に対応するユニット積算値の下限値である。
【0066】
ここで、
図19及び
図20のユニット状態値としては、例えば、「0」、「1」、「2」が設定されるとよい。そして、ユニット状態値「0」、「1」、「2」のユニット状態名称は、次のように定義すればよい。即ち、ユニット状態値「0」のユニット状態名称は、「正常」とすればよい。ユニット状態値「1」のユニット状態名称は、「要観察」とすればよい。ユニット状態値「2」のユニット状態名称は、「要分解点検」とすればよい。
【0067】
ユニット作業DB217は、ユニットの標準の分解検査の作業を管理するデータベースである。
図21は、ユニット作業DB217の構成例を示した図である。図示するように、ユニット作業DB217は、ユニット状態値と、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、作業内容IDとを含む。
【0068】
ユニット状態値は、ユニットの推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。作業内容IDは、対応するユニット状態値のユニットに対して実施すべき分解検査の作業内容を特定するIDである。
【0069】
主要部位作業DB218は、主要部位の標準の分解検査の作業を管理するデータベースである。
図22は、主要部位作業DB218の構成例を示した図である。図示するように、主要部位作業DB218は、主要部位状態値と、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、作業内容IDとを含む。
【0070】
主要部位状態値は、主要部位の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。作業内容IDは、対応する主要部位状態値の主要部位に対して実施すべき分解検査の作業内容を特定するIDである。
【0071】
点検箇所作業DB219は、点検箇所の標準の分解検査の作業を管理するデータベースである。
図23は、点検箇所作業DB219の構成例を示した図である。図示するように、点検箇所作業DB219は、点検箇所状態値と、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、作業内容IDとを含む。
【0072】
点検箇所状態値は、点検箇所の推定された状態を示す値であり、例えば、0以上の整数値をとる。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。作業内容IDは、対応する点検箇所状態値の点検箇所に対して実施すべき分解検査の作業内容を特定するIDである。
【0073】
作業内容DB220は、分解検査の作業内容を管理するデータベースである。
図24は、作業内容DB220の構成例を示した図である。図示するように、作業内容DB220は、作業内容IDと、作業内容と、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDと、性能影響度合と、推奨検査周期と、必要スキルレベルと、必要コストとを含む。
【0074】
作業内容IDは、作業内容を特定するIDであり、作業内容は、作業内容IDで特定される作業内容である。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。
性能影響度合は、対応する作業内容の実施が性能改善に及ぼす影響度合である。性能影響度合は、例えば、0以上の整数値をとり、値が大きい程、影響度合が大きくなるようにすればよい。
推奨検査周期は、対応する作業内容を実施する推奨のインターバルである。推奨検査周期は、例えば、日を単位として設定されるとよい。
必要スキルレベルは、対応する作業内容を実施する場合に必要な作業者のスキルレベルである。必要スキルレベルは、例えば、0以上の整数値をとり、値が大きい程、スキルレベルが高くなるようにすればよい。
必要コストは、対応する作業内容の実施に必要な概算コストである。必要コストは、例えば、円を単位として設定されるとよい。
【0075】
過去検査DB221は、過去の分解検査の実施を管理するデータベースである。
図25は、過去検査DB221の構成例を示した図である。図示するように、過去検査DB221は、作業内容IDと、過去検査年月日と、ユニットIDと、主要部位IDと、点検箇所IDとを含む。
【0076】
作業内容IDは、作業内容を特定するIDである。過去検査年月日は、過去に分解検査を実施した年月日である。ユニットIDは、ユニットを特定するIDである。主要部位IDは、主要部位を特定するIDである。点検箇所IDは、点検箇所を特定するIDである。
【0077】
[保全業務支援装置の動作]
図26は、ユニット画面310を示した図である。ユニット画面310は、最もシンプルな実施例で端末装置300に表示される保全業務支援システム1のトップ画面である。保全業務支援装置100では、状態推定部102が、ユニット画面310を作成する。ユニット画面310の起動直後には、「お客様」欄311等に、データベース200のユニットDB201に基づいて、顧客別のプラントの情報が表示される。また、ユニット選択領域312でユニットが選択されると、主要部位表示領域313に、ユニット単位で、選択されたユニットを構成する主要部位の一覧が表示される。
【0078】
尚、
図26は、ユニット選択領域312でユニット#1が選択された場合のユニット画面310を示している。ユニット選択領域312でユニット#2が選択された場合、主要部位表示領域313には、ユニット#2を構成する主要部位の一覧が表示される。
【0079】
この状態で、選択されたユニットを構成する主要部位の選択された主要部位に対応する「VIEW」ボタン314が押下されると、端末装置300には、選択された主要部位における点検箇所の一覧を含む主要部位画面320、330が表示される。
【0080】
図27は、主要部位画面320を示した図である。保全業務支援装置100では、状態推定部102が、主要部位画面320を作成する。主要部位画面320は、ユニット#1の主要部位#1が選択された場合の画面である。主要部位画面320は、主要部位の点検箇所毎に、判断内容選択領域321と、画像入力領域322とを含む。判断内容選択領域321は、点検箇所の定性状態に関する判断内容を選択するための領域である。画像入力領域322は、工事記録写真を状態画像として入力するための領域である。或いは、
図26のユニット画面310で「VIEW」ボタン314が押下された直後は、ユニット#1の主要部位#1における点検箇所の一覧のみが表示されるようにしてよい。そして、図示しない入力開始ボタンが押下されると、判断内容選択領域321と画像入力領域322とが表示されるようにしてもよい。
【0081】
図28は、主要部位画面330を示した図である。保全業務支援装置100では、状態推定部102が、主要部位画面330を作成する。主要部位画面330は、ユニット#1の主要部位#2が選択された場合の画面である。主要部位画面330は、図面表示領域331と、測定値入力領域332を含む。図面表示領域331は、選択されたユニットの選択された主要部位における点検箇所毎の測定位置を図示するための領域である。測定値入力領域332は、各点検箇所の定量状態の測定値を入力するための領域である。尚、
図28では、測定値入力領域332として、点検箇所毎に1つの測定値又は測定値の範囲を入力するための領域を設けたが、これには限らない。測定値入力領域332として、点検箇所毎に複数回分の測定値を入力するための領域を設けてもよい。そして、この場合は、複数回分の測定値の平均が入力されるようにするとよい。
【0082】
このように
図27の主要部位画面320及び
図28の主要部位画面330の少なくとも何れか一方が表示されることにより、端末装置300では、客先現地での点検結果が登録可能となる。
【0083】
図29は、状態推定部102が主要部位画面320、330を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
図26のユニット画面310で「VIEW」ボタン314が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0084】
まず、
図29に示すように、状態推定部102は、主要部位情報群を抽出する(ステップ401)。具体的には、状態推定部102は、点検対象のユニットのユニットIDをキーに、主要部位DB202を検索し、主要部位ID、主要部位名称等を含む主要部位情報群を抽出する。
【0085】
次に、状態推定部102は、点検箇所情報群を抽出する(ステップ402)。具体的には、状態推定部102は、点検対象のユニットのユニットID及び主要部位情報群をキーに、点検箇所DB203を検索し、点検箇所ID、点検箇所名称等を含む点検箇所情報群を抽出する。
【0086】
次に、状態推定部102は、判断内容情報群を抽出する(ステップ403)。具体的には、状態推定部102は、点検対象のユニットのユニットID、主要部位情報群、及び点検箇所方法群をキーに、判断内容DB204を検索し、判断内容ID、判断内容名称等を含む判断内容情報群を抽出する。
【0087】
その後、状態推定部102は、点検結果を入力するための主要部位画面320、330を作成する(ステップ404)。具体的には、状態推定部102は、ステップ401~403で抽出した情報に基づいて、ユニット毎、主要部位毎、点検箇所毎に、以下に述べる第1処理ロジックから第3処理ロジックにより、主要部位画面320、330を作成する。
【0088】
即ち、第1処理ロジックは、点検箇所DB203において測定基準値に値が存在する(ブランクでない)点検箇所について、測定値入力領域332を表示するという処理ロジックである。
第2処理ロジックは、判断内容DB204において判断内容情報が存在する点検箇所について、判断内容選択領域321を表示するという処理ロジックである。
第3処理ロジックは、点検箇所DB203において状態画像要否が「1」である点検箇所について、画像入力領域322を表示するという処理ロジックである。
【0089】
また、
図26のユニット画面310で「診断結果表示」ボタン315が押下されると、端末装置300には、診断結果画面340が表示される。
【0090】
図30及び
図32は、診断結果画面340を示した図である。保全業務支援装置100では、状態推定部102が、診断結果画面340を作成する。診断結果画面340は、ユニット名称表示領域341と、ユニット状態表示領域342とを含む。ユニット名称表示領域341は、ユニット名称を表示する領域であり、各ユニット名称にはリンク343が埋め込まれている。ユニット状態表示領域342は、ユニットの状態を表示する領域である。〇印344は、対応するユニット(ユニット#1~#5の何れか)が、対応する状態(正常、要観察、要分解点検の何れか)にあることを示す。◎印345は、これに加え、対応するユニットの対応する状態について緊急性が高いことを示す。尚、◎印345にマウスを重ねると、分解点検が必要な点検箇所の名称が表示されるようにしてもよい。
【0091】
図30の診断結果画面340でユニット名称のリンク343がクリックされると、画面は
図31の診断結果画面350に遷移し、
図32の診断結果画面340でユニット名称のリンク343がクリックされると、画面は
図33の診断結果画面350に遷移する。
【0092】
図31及び
図33は、ユニット#1のリンク343がクリックされることにより表示される診断結果画面350を示している。保全業務支援装置100では、状態推定部102が、診断結果画面350を作成する。診断結果画面350は、主要部位名称表示領域351と、主要部位状態表示領域352とを含む。主要部位名称表示領域351は、主要部位名称を表示する領域である。主要部位状態表示領域352は、主要部位の状態を表示する領域である。〇印354は、対応する主要部位(主要部位#1~#3の何れか)が、対応する状態(正常、要観察、要分解点検の何れか)にあることを示す。◎印355は、これに加え、対応する主要部位の対応する状態について緊急性が高いことを示す。尚、◎印355にマウスを重ねると、分解点検が必要な点検箇所の名称が表示されるようにしてもよい。
【0093】
図34A~
図40Bは、状態推定部102が診断結果画面340、350を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
図26のユニット画面310で「診断結果表示」ボタン315が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0094】
まず、
図34Aに示すように、状態推定部102は、1つの点検箇所に着目する(ステップ501)。具体的には、状態推定部102は、主要部位画面330で測定値入力領域332が表示された点検箇所の中で、1つの点検箇所に着目する。
【0095】
次に、状態推定部102は、「測定基準値-測定値」を計算することにより、値Aを算出する(ステップ502)。ここで、状態推定部102は、測定基準値として、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所DB203を検索することにより抽出したものを用いる。状態推定部102は、測定値として、測定値入力領域332から入力されたものを用いる。
【0096】
次に、状態推定部102は、値Aが「0」以下であるか否かを判定する(ステップ503)。
【0097】
ステップ503で値Aが「0」以下であると判定すれば、状態推定部102は、
図34Bに示すように、点検箇所状態値に「11」をセットする(ステップ508)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所状態値に「11」をセットし、処理をステップ513へ進める。ここで、値Aが「0」以下であることは、点検結果情報が予め定められた基準以上であることの一例である。点検箇所状態値が「11」であることは、産業機械を分解して検査する必要性のレベルが第1のレベルであることの一例である。
【0098】
一方、ステップ503で値Aが「0」以下でないと判定すれば、状態推定部102は、
図34Aに示すように、前回の点検の年月日である前回点検年月日と、前回の点検における測定値である前回測定値とを抽出する(ステップ504)。具体的には、状態推定部102は、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、過去点検DB206を検索し、過去点検年月日及び過去測定値を抽出する。そして、状態推定部102は、この過去点検年月日及び過去測定値のうち、直近の点検年月日及び測定値を、前回点検年月日及び前回測定値とする。
【0099】
次に、状態推定部102は、ステップ504で前回の点検に関するデータがあったか否かを判定する(ステップ505)。
【0100】
ステップ505で前回の点検に関するデータがあったと判定すれば、状態推定部102は、「測定基準値-((今回測定値-前回測定値)÷(現在年月日-前回点検年月日)×連続運転日数)」を計算することにより、値Bを算出する(ステップ506)。ここで、状態推定部102は、測定基準値として、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所DB203を検索することにより抽出したものを用いる。状態推定部102は、今回測定値として、測定値入力領域332から入力されたものを用いる。状態推定部102は、前回測定値及び前回点検年月日として、ステップ504で抽出したものを用いる。状態推定部102は、連続運転日数として、対象の生産財機械の機械ID及び対象のユニットのユニットIDをキーに、連続運転日数DB205を検索することにより抽出したものを用いる。これにより、値Bは、測定基準値から、連続運転日数経過時において予測される測定値を減じた差分となる。
【0101】
次に、
図34Bに示すように、状態推定部102は、値Bが「0」以下であるか否かを判定する(ステップ507)。
【0102】
ステップ507で値Bが「0」以下であると判定すれば、状態推定部102は、点検箇所状態値に「11」をセットする(ステップ508)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所状態値に「11」をセットし、処理をステップ513へ進める。ここで、値Bが「0」以下であることは、点検結果情報が予め定められた基準以上でないが、産業機械の連続運転中に点検結果情報が予め定められた基準を超えると予測されることの一例である。点検箇所状態値が「11」であることは、産業機械を分解して検査する必要性のレベルが第2のレベルであることの一例である。本フローチャートでは、第2のレベルを第1のレベルと等しいレベルとしたが、第1のレベルより低いレベルとしてもよい。
【0103】
一方、ステップ507で値Bが「0」以下でないと判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ509へ進める。或いは、ステップ505で前回の点検に関するデータがあったと判定しなかった場合も、状態推定部102は、処理をステップ509へ進める。即ち、状態推定部102は、「(測定基準値-今回測定値)÷((今回測定値-前回測定値)÷(現在年月日-前回点検年月日))」を計算することにより、値Cを算出する(ステップ509)。ここで、状態推定部102は、測定基準値として、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所DB203を検索することにより抽出したものを用いる。状態推定部102は、今回測定値として、測定値入力領域332から入力されたものを用いる。状態推定部102は、前回測定値及び前回点検年月日として、ステップ504で抽出したものを用いる。これにより、値Cは、あと何日で測定値が測定基準値に達するかを示すものとなる。
【0104】
次に、状態推定部102は、「C÷連続運転日数」を計算することにより、値Dを算出する(ステップ510)。ここで、状態推定部102は、連続運転日数として、対象の生産財機械の機械ID及び対象のユニットのユニットIDをキーに、連続運転日数DB205を検索することにより抽出したものを用いる。これにより、値Dは、連続運転日数の何倍の日数で測定値が測定基準値に達するかを示すものとなる。
【0105】
次に、状態推定部102は、値Dに対応する正規化値をX1(i)とする(ステップ511)。具体的には、状態推定部102は、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、測定値正規化DB208を検索し、「測定値用下限値≦D≦測定値用上限値」を満たす測定値用上限値及び測定値用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、測定値正規化DB208において、この測定値用上限値及び測定値用下限値に対応する正規化値をX1(i)とする。尚、本フローチャートにおいて、変数iは、ステップ501で着目した点検箇所のインデックスを表す。つまり、変数iは、0から、測定値入力領域332が表示された点検箇所の数までの何れかの値をとる。
【0106】
次に、状態推定部102は、測定正規化値にX1(i)をセットする(ステップ512)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ501で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する測定正規化値にX1(i)をセットし、処理をステップ513へ進める。
【0107】
その後、状態推定部102は、他に点検箇所があるか否かを判定する(ステップ513)。具体的には、状態推定部102は、測定値入力領域332が表示された点検箇所が他にあるか否かを判定する。
【0108】
ステップ513で他に点検箇所があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ501へ戻す。
一方、ステップ513で他に点検箇所があると判定しなければ、状態推定部102は、処理を
図35へ進める。
【0109】
次に、
図35に示すように、状態推定部102は、1つの点検箇所に着目する(ステップ521)。具体的には、状態推定部102は、主要部位画面320で判断内容選択領域321が表示された点検箇所の中で、1つの点検箇所に着目する。
【0110】
次に、状態推定部102は、判断内容の評価値が「5」であるか否かを判定する(ステップ522)。ここで、状態推定部102は、評価値として、判断内容選択領域321から入力されたものを用いる。
【0111】
ステップ522で評価値が「5」であると判定すれば、状態推定部102は、点検箇所状態値に「11」をセットする(ステップ523)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ521で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所状態値に「11」をセットし、処理をステップ526へ進める。ここで、評価値が「5」であることは、点検結果情報が予め定められた基準以上であることの一例である。点検箇所状態値が「11」であることは、産業機械を分解して検査する必要性のレベルが第1のレベルであることの一例である。
【0112】
一方、ステップ522で評価値が「5」でないと判定すれば、状態推定部102は、評価値に対応する正規化値をX2(i)とする(ステップ524)。具体的には、状態推定部102は、ステップ521で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、評価値正規化DB209を検索し、「評価値用下限値≦評価値≦評価値用上限値」を満たす評価値用上限値及び評価値用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、評価値正規化DB209において、この評価値用上限値及び評価値用下限値に対応する正規化値をX2(i)とする。尚、本フローチャートにおいて、変数iは、ステップ521で着目した点検箇所のインデックスを表す。つまり、変数iは、0から、判断内容選択領域321が表示された点検箇所の数までの何れかの値をとる。
【0113】
次に、状態推定部102は、評価正規化値にX2(i)をセットする(ステップ525)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ521で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する評価正規化値にX2(i)をセットし、処理をステップ526へ進める。
【0114】
その後、状態推定部102は、他に点検箇所があるか否かを判定する(ステップ526)。具体的には、状態推定部102は、判断内容選択領域321が表示された点検箇所が他にあるか否かを判定する。
【0115】
ステップ526で他に点検箇所があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ521へ戻す。
一方、ステップ526で他に点検箇所があると判定しなければ、状態推定部102は、処理を
図36へ進める。
【0116】
次に、
図36に示すように、状態推定部102は、1つの点検箇所に着目する(ステップ541)。具体的には、状態推定部102は、主要部位画面320で画像入力領域322が表示された点検箇所の中で、1つの点検箇所に着目する。
【0117】
次に、状態推定部102は、画像入力領域322に入力された画像から画像値を算出する(ステップ542)。具体的には、状態推定部102は、画像入力領域322に入力された画像を一般的な画像処理技術によって数値データ化することにより、画像値を算出する。
【0118】
次に、状態推定部102は、前回の点検における画像値である前回画像値を抽出する(ステップ543)。具体的には、状態推定部102は、ステップ541で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、過去点検DB206を検索し、過去画像値を抽出する。そして、状態推定部102は、この過去画像値のうち、直近の画像値を、前回画像値とする。
【0119】
次に、状態推定部102は、ステップ543で前回の点検に関するデータがあったか否かを判定する(ステップ544)。
【0120】
ステップ544で前回の点検に関するデータがあったと判定すれば、状態推定部102は、「今回画像値-前回画像値」を計算することにより、値Eを算出する(ステップ545)。ここで、状態推定部102は、今回画像値として、ステップ542で算出したものを用いる。状態推定部102は、前回画像値として、ステップ543で抽出したものを用いる。
【0121】
次に、状態推定部102は、値Eが閾値以上であるか否かを判定する(ステップ546)。
【0122】
ステップ546で値Eが閾値以上であると判定すれば、状態推定部102は、点検箇所状態値に「11」をセットする(ステップ547)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ541で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所状態値に「11」をセットし、処理をステップ550へ進める。ここで、値Eが閾値以上であることは、点検結果情報が予め定められた基準以上であることの一例である。点検箇所状態値が「11」であることは、産業機械を分解して検査する必要性のレベルが第1のレベルであることの一例である。
【0123】
一方、ステップ546で値Eが閾値以上でないと判定すれば、状態推定部102は、値Eに対応する正規化値をX3(i)とする(ステップ548)。具体的には、状態推定部102は、ステップ541で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、画像値正規化DB210を検索し、「画像値用下限値≦E≦画像値用上限値」を満たす画像値用上限値及び画像値用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、画像値正規化DB210において、この画像値用上限値及び画像値用下限値に対応する正規化値をX3(i)とする。尚、本フローチャートにおいて、変数iは、ステップ541で着目した点検箇所のインデックスを表す。つまり、変数iは、0から、画像入力領域322が表示された点検箇所の数までの何れかの値をとる。
【0124】
次に、状態推定部102は、画像正規化値にX3(i)をセットする(ステップ549)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ541で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する画像正規化値にX3(i)をセットし、処理をステップ550へ進める。
【0125】
その後、状態推定部102は、他に点検箇所があるか否かを判定する(ステップ550)。具体的には、状態推定部102は、画像入力領域322が表示された点検箇所が他にあるか否かを判定する。
【0126】
ステップ550で他に点検箇所があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ541へ戻す。或いは、ステップ544で前回の点検に関するデータがあったと判定しなかった場合も、状態推定部102は、処理をステップ541へ戻す。
一方、ステップ550で他に点検箇所があると判定しなければ、状態推定部102は、処理を
図37へ進める。
【0127】
次に、
図37に示すように、状態推定部102は、1つの点検箇所に着目する(ステップ601)。具体的には、状態推定部102は、
図34A~
図36でX1(i)、X2(i)、X3(i)の何れか1つ以上の値が算出された点検箇所の中で、1つの点検箇所に着目する。
【0128】
次に、状態推定部102は、「X1(i)+X2(i)+X3(i)」を計算することにより、X(i)を算出する(ステップ602)。尚、本フローチャートにおいて、変数iは、ステップ601で着目した点検箇所のインデックスを表す。つまり、変数iは、0から、X1(i)、X2(i)、X3(i)の何れか1つ以上の値が算出された点検箇所の数までの何れかの値をとる。
【0129】
次に、状態推定部102は、点検箇所状態値を取得する(ステップ603)。具体的には、状態推定部102は、ステップ601で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、点検箇所状態値を取得する。
【0130】
次に、状態推定部102は、点検箇所状態値が「11」であるか否かを判定する(ステップ604)。
【0131】
ステップ604で点検箇所状態値が「11」でないと判定すれば、状態推定部102は、X(i)に対応する点検箇所状態値をXX(i)とする(ステップ605)。具体的には、状態推定部102は、ステップ601で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所状態値DB212を検索し、「点検箇所用下限値≦X(i)≦点検箇所用上限値」を満たす点検箇所用上限値及び点検箇所用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、点検箇所状態値DB212において、この点検箇所用上限値及び点検箇所用下限値に対応する点検箇所状態値をXX(i)とする。ここで、点検箇所状態値XX(i)は、点検箇所の測定値、評価値、画像値が予め定められた基準に近付く程、大きな値になるように設定するとよい。その意味で、点検箇所状態値がXX(i)であることは、産業機械を分解して検査する必要性のレベルが点検結果情報の予め定められた基準への接近度合に応じたレベルであることの一例である。
【0132】
次に、状態推定部102は、点検箇所状態値にXX(i)をセットする(ステップ606)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ601で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所状態値にXX(i)をセットする。
【0133】
次に、状態推定部102は、点検箇所積算値にX(i)をセットする(ステップ607)。具体的には、状態推定部102は、点検箇所状態ワークデータ211において、ステップ601で着目した点検箇所の点検箇所IDに対応する点検箇所積算値にX(i)をセットし、処理をステップ608へ進める。或いは、ステップ604で点検箇所状態値が「11」であると判定した場合も、状態推定部102は、処理をステップ608へ進める。
【0134】
その後、状態推定部102は、他に点検箇所があるか否かを判定する(ステップ608)。具体的には、状態推定部102は、
図34A~
図36でX1(i)、X2(i)、X3(i)の何れか1つ以上の値が算出された点検箇所が他にあるか否かを判定する。
【0135】
ステップ608で他に点検箇所があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ601へ戻す。
一方、ステップ608で他に点検箇所があると判定しなければ、状態推定部102は、処理を
図38へ進める。
【0136】
次に、
図38に示すように、状態推定部102は、1つの主要部位に着目する(ステップ621)。具体的には、状態推定部102は、点検結果が入力された主要部位の中で、1つの主要部位に着目する。
【0137】
次に、状態推定部102は、X1(i)、X2(i)、X3(i)の何れか1つ以上の値がセットされている点検箇所の数Nを算出する(ステップ622)。具体的には、状態推定部102は、ステップ621で着目した主要部位を構成する点検箇所群の点検箇所ID群をキーに、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、X1(i)、X2(i)、X3(i)の何れか1つ以上の値がセットされている点検箇所の数Nを算出する。
【0138】
次に、状態推定部102は、必要点検箇所数を抽出する(ステップ623)。具体的には、状態推定部102は、ステップ621で着目した主要部位の主要部位IDをキーに、主要部位DB202を検索し、必要点検箇所数を取得する。
【0139】
次に、状態推定部102は、点検箇所の数Nが必要点検箇所数以上であるか否かを判定する(ステップ624)。
【0140】
ステップ624で点検箇所の数Nが必要点検箇所数以上であると判定すれば、変数iについてX(i)を合計することにより、値Xを算出する(ステップ625)。
【0141】
次に、状態推定部102は、値Xに対応する主要部位状態値をY(j)とする(ステップ626)。具体的には、状態推定部102は、ステップ621で着目した主要部位の主要部位IDをキーに、主要部位状態値DB214を検索し、「主要部位用下限値≦Y(j)≦主要部位用上限値」を満たす主要部位用上限値及び主要部位用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、主要部位状態値DB214において、この主要部位用上限値及び主要部位用下限値に対応する主要部位状態値をY(j)とする。尚、本フローチャートにおいて、変数jは、ステップ621で着目した主要部位のインデックスを表す。つまり、変数jは、0から、点検結果が入力された主要部位の数までの何れかの値をとる。
【0142】
次に、状態推定部102は、主要部位状態値にY(j)をセットする(ステップ627)。具体的には、状態推定部102は、主要部位状態ワークデータ213において、ステップ621で着目した主要部位の主要部位IDに対応する主要部位状態値にY(j)をセットする。
【0143】
次に、状態推定部102は、主要部位積算値にXをセットする(ステップ628)。具体的には、状態推定部102は、主要部位状態ワークデータ213において、ステップ621で着目した主要部位の主要部位IDに対応する主要部位積算値にXをセットし、処理をステップ629へ進める。
【0144】
その後、状態推定部102は、他に主要部位があるか否かを判定する(ステップ629)。具体的には、状態推定部102は、点検結果が入力された主要部位が他にあるか否かを判定する。
【0145】
ステップ629で他に主要部位があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ621へ戻す。或いは、ステップ624で点検箇所の数Nが必要点検箇所数以上でないと判定した場合も、状態推定部102は、処理をステップ621へ戻す。
一方、ステップ629で他に主要部位があると判定しなければ、状態推定部102は、処理を
図39へ進める。
【0146】
次に、
図39に示すように、状態推定部102は、1つのユニットに着目する(ステップ641)。具体的には、状態推定部102は、点検結果が入力されたユニットの中で、1つのユニットに着目する。
【0147】
次に、状態推定部102は、Y(j)の値がセットされている主要部位の数Mを算出する(ステップ642)。具体的には、状態推定部102は、ステップ641で着目したユニットを構成する主要部位群の主要部位ID群をキーに、主要部位状態ワークデータ213を検索し、Y(j)の値がセットされている主要部位の数Mを算出する。
【0148】
次に、状態推定部102は、必要主要部位数を抽出する(ステップ643)。具体的には、状態推定部102は、ステップ641で着目したユニットのユニットIDをキーに、ユニットDB202を検索し、必要主要部位数を取得する。
【0149】
次に、状態推定部102は、主要部位の数Mが必要主要部位数以上であるか否かを判定する(ステップ644)。
【0150】
ステップ644で主要部位の数Mが必要主要部位数以上であると判定すれば、変数jについてY(j)を合計することにより、値Yを算出する(ステップ645)。
【0151】
次に、状態推定部102は、値Yに対応するユニット状態値をZ(k)とする(ステップ646)。具体的には、状態推定部102は、ステップ641で着目したユニットのユニットIDをキーに、ユニット状態値DB216を検索し、「ユニット用下限値≦Y(j)≦ユニット用上限値」を満たすユニット用上限値及びユニット用下限値を特定する。そして、状態推定部102は、ユニット状態値DB216において、このユニット用上限値及びユニット用下限値に対応するユニット状態値をZ(k)とする。尚、本フローチャートにおいて、変数kは、ステップ641で着目したユニットのインデックスを表す。つまり、変数kは、0から、点検結果が入力されたユニットの数までの何れかの値をとる。
【0152】
次に、状態推定部102は、ユニット状態値にZ(k)をセットする(ステップ647)。具体的には、状態推定部102は、ユニット状態ワークデータ215において、ステップ641で着目したユニットのユニットIDに対応するユニット状態値にZ(k)をセットする。
【0153】
次に、状態推定部102は、ユニット積算値にYをセットする(ステップ648)。具体的には、状態推定部102は、ユニット状態ワークデータ215において、ステップ641で着目したユニットのユニットIDに対応するユニット積算値にYをセットし、処理をステップ649へ進める。
【0154】
その後、状態推定部102は、他にユニットがあるか否かを判定する(ステップ649)。具体的には、状態推定部102は、点検結果が入力されたユニットが他にあるか否かを判定する。
【0155】
ステップ649で他にユニットがあると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ641へ戻す。或いは、ステップ644で主要部位の数Mが必要主要部位数以上でないと判定した場合も、状態推定部102は、処理をステップ641へ戻す。
一方、ステップ649で他にユニットがあると判定しなければ、状態推定部102は、今回の点検結果を過去点検DB206に格納し(ステップ650)、処理を
図40Aへ進める。
【0156】
次に、
図40Aに示すように、状態推定部102は、ユニット情報を抽出する(ステップ661)。具体的には、状態推定部102は、対象の生産財機械の機械IDをキーに、ユニットDB201を検索し、その生産財機械を構成するユニットに関するユニット情報を抽出する。
【0157】
次に、状態推定部102は、1つのユニットに着目する(ステップ662)。具体的には、状態推定部102は、ステップ661で抽出したユニット情報に関するユニットの中で、1つのユニットに着目する。
【0158】
次に、状態推定部102は、ユニットの状態情報を抽出する(ステップ663)。具体的には、状態推定部102は、ステップ662で着目したユニットのユニットIDをキーに、ユニット状態ワークデータ215を検索し、ユニットの状態情報を抽出する。
【0159】
次に、状態推定部102は、ステップ663でユニットの状態情報のレコードがあったか否かを判定する(ステップ664)。
【0160】
ステップ664でユニットの状態情報のレコードがあったと判定すれば、状態推定部102は、ユニット状態値を取得する(ステップ665)。具体的には、状態推定部102は、ステップ662で着目したユニットのユニットIDをキーに、ユニット状態ワークデータ215を検索し、ユニット状態値を取得する。
【0161】
次に、状態推定部102は、ユニット状態名称を取得し、このユニット状態名称に基づいて、診断結果画面340にユニットの状態情報を配置する(ステップ666)。具体的には、状態推定部102は、ステップ662で着目したユニットのユニットID及びステップ665で取得したユニット状態値をキーに、ユニット状態値DB216を検索し、ユニット状態名称を取得する。そして、状態推定部102は、診断結果画面340において、着目したユニット及び取得したユニット状態名称に対応する欄に、〇印344を配置する。
【0162】
次に、状態推定部102は、診断結果画面340に、推奨ユニットの情報を配置する(ステップ667)。具体的には、状態推定部102は、対象の生産財機械の機械ID及びステップ662で着目したユニットのユニットIDをキーに、推奨ユニットDB207を検索し、推奨ユニットIDを取得する。そして、状態推定部102は、診断結果画面340において、取得した推奨ユニットIDで特定される推奨ユニットの情報を配置する。そして、状態推定部102は、処理をステップ668へ進める。尚、
図30~
図33の診断結果画面340、350には、推奨ユニットの情報は表示されていない。
【0163】
一方、ステップ664でユニットの状態情報のレコードがあったと判定しなければ、状態推定部102は、診断結果画面340にユニットの状態情報及び推奨ユニットの情報を配置することなく、処理をステップ668へ進める。
【0164】
次に、状態推定部102は、主要部位情報を抽出する(ステップ668)。具体的には、状態推定部102は、ステップ662で着目したユニットのユニットIDをキーに、主要部位DB202を検索し、そのユニットを構成する主要部位に関する主要部位情報を抽出する。
【0165】
次に、状態推定部102は、1つの主要部位に着目する(ステップ669)。具体的には、状態推定部102は、ステップ668で抽出した主要部位情報に関する主要部位の中で、1つの主要部位に着目する。
【0166】
次に、状態推定部102は、主要部位の状態情報を抽出する(ステップ670)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位IDをキーに、主要部位状態ワークデータ213を検索し、主要部位の状態情報を抽出する。
【0167】
次に、
図40Bに示すように、状態推定部102は、ステップ670で主要部位の状態情報のレコードがあったか否かを判定する(ステップ671)。
【0168】
ステップ671で主要部位の状態情報のレコードがあったと判定すれば、状態推定部102は、主要部位状態値を取得する(ステップ672)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位IDをキーに、主要部位状態ワークデータ213を検索し、主要部位状態値を取得する。
【0169】
次に、状態推定部102は、主要部位状態名称を取得し、この主要部位状態名称に基づいて、診断結果画面350に主要部位の状態情報を配置する(ステップ673)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位ID及びステップ672で取得した主要部位状態値をキーに、主要部位状態値DB214を検索し、主要部位状態名称を取得する。そして、状態推定部102は、診断結果画面350において、着目した主要部位及び取得した主要部位状態名称に対応する欄に、〇印354を配置する。そして、状態推定部102は、処理をステップ680へ進める。
【0170】
一方、ステップ671で主要部位の状態情報のレコードがあったと判定しなければ、状態推定部102は、点検箇所情報を抽出する(ステップ674)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位IDをキーに、点検箇所DB203を検索し、その主要部位を構成する点検箇所に関する点検箇所情報を抽出する。
【0171】
次に、状態推定部102は、1つの点検箇所に着目する(ステップ675)。具体的には、状態推定部102は、ステップ674で抽出した点検箇所情報に関する点検箇所の中で、1つの主要部位に着目する。
【0172】
次に、状態推定部102は、点検箇所の状態情報を抽出する(ステップ676)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位ID及びステップ675で着目した点検箇所の点検箇所IDをキーに、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、点検箇所の状態情報を抽出する。
【0173】
次に、状態推定部102は、ステップ676で点検箇所の状態情報のレコードがあり、その中に点検箇所状態値が「11」のレコードがあったか否かを判定する(ステップ677)。
【0174】
ステップ677で点検箇所状態値が「11」のレコードがあったと判定すれば、状態推定部102は、点検箇所状態名称を取得し、この点検箇所状態名称に基づいて、診断結果画面340、350に緊急情報を配置する(ステップ678)。具体的には、状態推定部102は、ステップ669で着目した主要部位の主要部位ID、ステップ675で着目した点検箇所の点検箇所ID、及びステップ677で抽出した点検箇所状態値「11」をキーに、点検箇所状態値DB212を検索し、点検箇所状態名称を取得する。そして、状態推定部102は、診断結果画面340において、着目したユニット及び取得した点検箇所状態名称に対応する欄に、〇印344を配置する。また、状態推定部102は、診断結果画面350において、着目した主要部位及び取得した点検箇所状態名称に対応する欄の〇印354に代えて◎印355を配置する。そして、状態推定部102は、処理をステップ679へ進める。
一方、ステップ677で点検箇所状態値が「11」のレコードがあったと判定しなければ、状態推定部102は、処理をステップ679へ進める。
【0175】
その後、状態推定部102は、他に点検箇所があるか否かを判定する(ステップ679)。具体的には、状態推定部102は、ステップ674で抽出された点検箇所情報に関する点検箇所の中で他に点検箇所があるか否かを判定する。
【0176】
ステップ679で他に点検箇所があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ675へ戻す。
一方、ステップ679で他に点検箇所があると判定しなければ、状態推定部102は、処理をステップ680へ進める。
【0177】
その後、状態推定部102は、他に主要部位があるか否かを判定する(ステップ680)。具体的には、状態推定部102は、ステップ668で抽出された主要部位情報に関する主要部位の中で他に主要部位があるか否かを判定する。
【0178】
ステップ680で他に主要部位があると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ669へ戻す。
一方、ステップ680で他に主要部位があると判定しなければ、状態推定部102は、処理をステップ681へ進める。
【0179】
その後、状態推定部102は、他にユニットがあるか否かを判定する(ステップ681)。具体的には、状態推定部102は、ステップ662で抽出されたユニット情報に関するユニットの中で他にユニットがあるか否かを判定する。
【0180】
ステップ681で他にユニットがあると判定すれば、状態推定部102は、処理をステップ662へ戻す。
一方、ステップ681で他にユニットがあると判定しなければ、状態推定部102は、処理を終了する。
【0181】
また、
図30又は
図32の診断結果画面340で「作業一覧表示」ボタン346が押下されると、端末装置300には、作業一覧画面360が表示される。
【0182】
図41は、作業一覧画面360を示した図である。保全業務支援装置100では、作業内容決定部103が、作業一覧画面360を作成する。作業一覧画面360は、ユニット表示領域361と、主要部位表示領域362と、点検箇所表示領域363と、作業内容表示領域364とを含む。ユニット表示領域361は、対象の生産財機械を構成するユニットのユニット名称を表示する領域である。主要部位表示領域362は、対応するユニットを構成する主要部位の主要部位名称を表示する領域である。点検箇所表示領域363は、対応する主要部位を構成する点検箇所の点検箇所名称を表示する領域である。作業内容表示領域364は、対応する点検箇所について実施すべき分解検査の作業内容を表示する領域である。
【0183】
図42~
図44は、作業内容決定部103が作業一覧画面360を作成する際の動作例を示したフローチャートである。
図30又は
図32の診断結果画面340で「作業一覧表示」ボタン346が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0184】
まず、
図42に示すように、作業内容決定部103は、点検箇所状態ワークデータ211の1つのレコードを読み出す(ステップ701)。具体的には、作業内容決定部103は、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、その中の1つのレコードを読み出す。
【0185】
次に、作業内容決定部103は、点検箇所状態値を抽出する(ステップ702)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ701で読み出したレコードから点検箇所状態値を抽出する。
【0186】
次に、作業内容決定部103は、作業内容IDを抽出する(ステップ703)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ702で抽出した点検箇所状態値と、ステップ701で読み出したレコードに含まれる主要部位ID及び点検箇所IDとをキーに、点検箇所作業DB219を検索し、作業内容IDを抽出する。
【0187】
次に、作業内容決定部103は、他にレコードがあるか否かを判定する(ステップ704)。具体的には、作業内容決定部103は、点検箇所状態ワークデータ211の中に未処理のレコードがあるか否かを判定する。
【0188】
ステップ704で他にレコードがあると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ701へ戻す。
一方、ステップ704で他にレコードがあると判定しなければ、作業内容決定部103は、第1作業内容情報群を抽出する(ステップ705)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ703で抽出した作業内容ID群をキーに、作業内容DB220を検索し、作業内容等を含む作業内容情報群を、第1の作業内容情報群として抽出する。そして、作業内容決定部103は、処理を
図43へ進める。
【0189】
次に、
図43に示すように、作業内容決定部103は、主要部位状態ワークデータ213の1つのレコードを読み出す(ステップ721)。具体的には、作業内容決定部103は、主要部位状態ワークデータ213を検索し、その中の1つのレコードを読み出す。
【0190】
次に、作業内容決定部103は、主要部位状態値を抽出する(ステップ722)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ721で読み出したレコードから主要部位状態値を抽出する。
【0191】
次に、作業内容決定部103は、作業内容IDを抽出する(ステップ723)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ722で抽出した主要部位状態値と、ステップ721で読み出したレコードに含まれる主要部位IDとをキーに、主要部位作業DB218を検索し、作業内容IDを抽出する。
【0192】
次に、作業内容決定部103は、他にレコードがあるか否かを判定する(ステップ724)。具体的には、作業内容決定部103は、主要部位状態ワークデータ213の中に未処理のレコードがあるか否かを判定する。
【0193】
ステップ724で他にレコードがあると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ721へ戻す。
一方、ステップ724で他にレコードがあると判定しなければ、作業内容決定部103は、第2作業内容情報群を抽出する(ステップ725)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ723で抽出した作業内容ID群をキーに、作業内容DB220を検索し、作業内容等を含む作業内容情報群を、第2の作業内容情報群として抽出する。そして、作業内容決定部103は、処理を
図44へ進める。
【0194】
次に、
図44に示すように、作業内容決定部103は、ユニット状態ワークデータ215の1つのレコードを読み出す(ステップ741)。具体的には、作業内容決定部103は、ユニット状態ワークデータ215を検索し、その中の1つのレコードを読み出す。
【0195】
次に、作業内容決定部103は、ユニット状態値を抽出する(ステップ742)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ741で読み出したレコードからユニット状態値を抽出する。
【0196】
次に、作業内容決定部103は、作業内容IDを抽出する(ステップ743)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ742で抽出したユニット状態値と、ステップ741で読み出したレコードに含まれるユニットIDとをキーに、ユニット作業DB217を検索し、作業内容IDを抽出する。
【0197】
次に、作業内容決定部103は、他にレコードがあるか否かを判定する(ステップ744)。具体的には、作業内容決定部103は、ユニット状態ワークデータ215の中に未処理のレコードがあるか否かを判定する。
【0198】
ステップ744で他にレコードがあると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ741へ戻す。
一方、ステップ744で他にレコードがあると判定しなければ、作業内容決定部103は、第3作業内容情報群を抽出する(ステップ745)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ743で抽出した作業内容ID群をキーに、作業内容DB220を検索し、作業内容等を含む作業内容情報群を、第3の作業内容情報群として抽出する。
【0199】
その後、作業内容決定部103は、第1作業内容情報群、第2作業内容情報群、第3作業内容情報群を作業一覧画面360に配置する(ステップ746)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ705で抽出した第1の作業内容情報群と、ステップ725で抽出した第2の作業内容情報群と、ステップ745で抽出した第3の作業内容情報群とを、OR処理する。そして、このOR処理の結果を作業内容情報群として確定し、これを作業一覧画面360に配置する。そして、作業内容決定部103は、処理を終了する。
【0200】
また、
図41の作業一覧画面360で「絞込み検索1」ボタン365が押下されると、端末装置300には、作業検索画面370が表示される。
【0201】
図45は、作業検索画面370を示した図である。保全業務支援装置100では、作業内容決定部103が、作業検索画面370を作成する。作業検索画面370は、絞込み条件入力領域371、372と、「検索実行」ボタン375と、ユニット表示領域376と、主要部位表示領域377と、点検箇所表示領域378と、作業内容表示領域379とを含む。ここでは、作業検索画面370のユニット表示領域376、主要部位表示領域377、点検箇所表示領域378、作業内容表示領域379に情報が表示されているが、起動直後は、情報は表示されない。
【0202】
図45では、絞込み条件入力領域371に状態値による絞込み条件が入力され、絞込み条件入力領域372に性能影響度合による絞り込み条件が入力されている。この状態で「検索実行」ボタン375が押下されると、作業検索画面370のユニット表示領域376、主要部位表示領域377、点検箇所表示領域378、作業内容表示領域379に、絞込み条件を満たす作業が検索結果として表示される。
【0203】
尚、
図45では、絞込み条件入力領域371、372において、上から連続する幾つかのチェックボックスにチェックすることにより絞込み条件を入力している。これは、最も上の1つのチェックボックス又は上から連続する2つ以上のチェックボックスにチェックせずに、上から2つ目以降のチェックボックスにチェックすることは、現実問題として考え難いからである。絞込み条件入力領域371では、例えば、「要分解点検」のチェックボックスのみ又は「要観察」のチェックボックスのみにチェックすることは考え難い。絞込み条件入力領域372では、例えば、「中」のチェックボックスのみ又は「小」のチェックボックスのみにチェックすることは考え難い。但し、最も上の1つのチェックボックス又は上から連続する2つ以上のチェックボックスにチェックせずに上から2つ目以降のチェックボックスにチェックした場合に、それよりも上の全てのチェックボックスにチェックしたものと捉えて処理してもよい。
【0204】
図41の作業一覧画面360で「絞込み検索2」ボタン366が押下されると、端末装置300には、作業検索画面380が表示される。
【0205】
図46は、作業検索画面380を示した図である。保全業務支援装置100では、作業内容決定部103が、作業検索画面380を作成する。作業検索画面380は、絞込み条件入力領域381と、「検索実行」ボタン385と、ユニット表示領域386と、主要部位表示領域387と、点検箇所表示領域388と、作業内容表示領域389とを含む。ここでは、作業検索画面380のユニット表示領域386、主要部位表示領域387、点検箇所表示領域388、作業内容表示領域389に情報が表示されているが、起動直後は、情報は表示されない。
【0206】
図46では、絞込み条件入力領域381に作業者スキルによる絞込み条件が入力されている。この状態で「検索実行」ボタン385が押下されると、作業検索画面380のユニット表示領域386、主要部位表示領域387、点検箇所表示領域388、作業内容表示領域389に、絞込み条件を満たす作業が検索結果として表示される。
【0207】
図41の作業一覧画面360で「絞込み検索3」ボタン367が押下されると、端末装置300には、作業検索画面390が表示される。
【0208】
図47は、作業検索画面390を示した図である。保全業務支援装置100では、作業内容決定部103が、作業検索画面390を作成する。作業検索画面390は、絞込み条件入力領域391、392、393と、予算入力欄394と、「検索実行」ボタン395と、ユニット表示領域396と、主要部位表示領域397と、点検箇所表示領域398と、作業内容表示領域399とを含む。ここでは、作業検索画面390のユニット表示領域396、主要部位表示領域397、点検箇所表示領域398、作業内容表示領域399に情報が表示されているが、起動直後は、情報は表示されない。
【0209】
図47では、絞込み条件入力領域391に状態値による絞込み条件が入力され、絞込み条件入力領域392に性能影響度合による絞り込み条件が入力され、絞込み条件入力領域393に作業者スキルによる絞込み条件が入力されている。また、予算入力欄394に分解検査に投資可能な予算が入力されたとする。この状態で「検索実行」ボタン395が押下されると、作業検索画面390のユニット表示領域396、主要部位表示領域397、点検箇所表示領域398、作業内容表示領域399に、絞込み条件を満たし、予算内で実施可能な作業が検索結果として表示される。
【0210】
尚、
図47では、絞込み条件入力領域391、392において、上から連続する幾つかのチェックボックスにチェックすることにより絞込み条件を入力している。これは、最も上の1つのチェックボックス又は上から連続する2つ以上のチェックボックスにチェックせずに、上から2つ目以降のチェックボックスにチェックすることは、現実問題として考え難いからである。絞込み条件入力領域391では、例えば、「要分解点検」のチェックボックスのみ又は「要観察」のチェックボックスのみにチェックすることは考え難い。絞込み条件入力領域392では、例えば、「中」のチェックボックスのみ又は「小」のチェックボックスのみにチェックすることは考え難い。但し、最も上の1つのチェックボックス又は上から連続する2つ以上のチェックボックスにチェックせずに上から2つ目以降のチェックボックスにチェックした場合に、それよりも上の全てのチェックボックスにチェックしたものと捉えて処理してもよい。
【0211】
図48は、作業内容決定部103が
図45の作業検索画面370で作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
図45の作業検索画面370で「検索実行」ボタン375が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0212】
まず、
図48に示すように、作業内容決定部103は、作業内容情報群を取得する(ステップ801)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ746で第1作業内容情報群と第2作業内容情報群と第3作業内容情報群とがOR処理された結果である作業内容情報群を取得する。
【0213】
次に、作業内容決定部103は、作業内容情報群の1つの作業内容情報を読み出す(ステップ802)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ801で取得した作業内容情報群を検索し、その中の1つの作業内容情報を読み出す。
【0214】
次に、作業内容決定部103は、点検箇所状態値を抽出する(ステップ803)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ802で読み出した作業内容情報における点検箇所IDをキーに、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、ヒットした場合にヒットしたレコードにおける点検箇所状態値を抽出する。
【0215】
次に、作業内容決定部103は、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップ804)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ803で抽出した点検箇所状態値が、作業検索画面370の絞込み条件入力領域371に状態値による絞込み条件として入力された第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
図45では、第1閾値は、「要分解点検」の状態値に相当する。但し、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいか否かの判定は、点検箇所状態値が予め定められた条件を満たすか否かの判定としてもよい。その意味で、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定することは、産業機械の状態が予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0216】
ステップ804で点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、性能影響度合を抽出する(ステップ805)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ802で読み出した作業内容情報における性能影響度合を抽出する。
【0217】
次に、作業内容決定部103は、性能影響度合が第2閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップ806)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ805で抽出した性能影響度合が、作業検索画面370の絞込み条件入力領域372に性能影響度合による絞込み条件として入力された第2閾値よりも大きいか否かを判定する。
図45では、第2閾値は、「中」の性能影響度合に相当する。但し、性能影響度合が第2閾値よりも大きいか否かの判定は、性能影響度合が予め定められた条件を満たすか否かの判定としてもよい。その意味で、性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定することは、産業機械の性能改善に及ぼす影響が予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0218】
ステップ806で性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、推奨検査周期を抽出する(ステップ807)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ802で読み出した作業内容情報における推奨検査周期を抽出する。
【0219】
次に、作業内容決定部103は、「現在年月日-前回検査年月日」を計算することにより、経過日数Pを算出する(ステップ808)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ802で読み出した作業内容情報における作業内容IDをキーに、過去検査DB221を検索し、過去検査年月日を抽出する。そして、作業内容決定部103は、この過去検査年月日のうち、直近の検査年月日を、前回検査年月日とする。そして、作業内容決定部103は、現在年月日からこの前回検査年月日を減ずることにより、経過日数Pを算出する。
【0220】
次に、作業内容決定部103は、経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいか否かを判定する(ステップ809)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ808で算出した経過日数Pが、ステップ807で抽出した推奨検査周期よりも大きいか否かを判定する。
【0221】
ステップ809で経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持する(ステップ810)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ802で読み出した作業内容情報を有効な作業内容情報として内部保持し、処理をステップ811へ進める。
【0222】
一方、ステップ804で点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定しなかった場合、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ811へ進める。また、ステップ806で性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定しなかった場合も、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ811へ進める。更に、ステップ809で経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいと判定しなかった場合も、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ811へ進める。
【0223】
その後、作業内容決定部103は、他に作業内容情報があるか否かを判定する(ステップ811)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ801で抽出された作業内容情報群の中に未処理の作業内容情報が他にあるか否かを判定する。
【0224】
ステップ811で他に作業内容情報があると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ802へ戻す。
一方、ステップ811で他に作業内容情報があると判定しなければ、内部保持した作業内容情報群を作業検索画面370に配置する(ステップ812)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ810で内部保持した作業内容情報を、検索結果の作業内容情報群として確定し、これを作業検索画面370に配置する。そして、作業内容決定部103は、処理を終了する。
【0225】
図49は、作業内容決定部103が
図46の作業検索画面380で作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
図46の作業検索画面380で「検索実行」ボタン385が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0226】
まず、
図49に示すように、作業内容決定部103は、作業内容情報群を取得する(ステップ821)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ746で第1作業内容情報群と第2作業内容情報群と第3作業内容情報群とがOR処理された結果である作業内容情報群を取得する。
【0227】
次に、作業内容決定部103は、作業内容情報群の1つの作業内容情報を読み出す(ステップ822)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ821で取得した作業内容情報群を検索し、その中の1つの作業内容情報を読み出す。
【0228】
次に、作業内容決定部103は、必要スキルレベルを抽出する(ステップ823)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ822で読み出した作業内容情報における必要スキルレベルを抽出する。
【0229】
次に、作業内容決定部103は、必要スキルレベルが第1条件を満たすか否かを判定する(ステップ824)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ823で抽出した必要スキルレベルが、作業検索画面380の絞込み条件入力領域381に作業者スキルによる絞込み条件として入力された第1条件を満たすか否かを判定する。
図46では、第1条件は、必要スキルレベルが「レベル指定なし」又は「初級レベル」であるという条件に相当する。必要スキルレベルが第1の条件を満たすと判定することは、必要となる作業スキルが予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0230】
ステップ824で必要スキルレベルが第1条件を満たすと判定すれば、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持する(ステップ825)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ822で読み出した作業内容情報を有効な作業内容情報として内部保持し、処理をステップ826へ進める。
【0231】
一方、ステップ824で必要スキルレベルが第1条件を満たすと判定しなかった場合、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ826へ進める。
【0232】
その後、作業内容決定部103は、他に作業内容情報があるか否かを判定する(ステップ826)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ821で抽出された作業内容情報群の中に未処理の作業内容情報が他にあるか否かを判定する。
【0233】
ステップ826で他に作業内容情報があると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ822へ戻す。
一方、ステップ826で他に作業内容情報があると判定しなければ、内部保持した作業内容情報群を作業検索画面380に配置する(ステップ827)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ825で内部保持した作業内容情報を、検索結果の作業内容情報群として確定し、これを作業検索画面380に配置する。そして、作業内容決定部103は、処理を終了する。
【0234】
図50A及び
図50Bは、作業内容決定部103が
図47の作業検索画面390で作業を検索する際の動作例を示したフローチャートである。
図47の作業検索画面390で「検索実行」ボタン395が押下されることにより、この動作例は開始する。
【0235】
まず、
図50Aに示すように、作業内容決定部103は、作業内容情報群を取得する(ステップ841)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ746で第1作業内容情報群と第2作業内容情報群と第3作業内容情報群とがOR処理された結果である作業内容情報群を取得する。
【0236】
次に、作業内容決定部103は、作業内容情報群の1つの作業内容情報を読み出す(ステップ842)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ841で取得した作業内容情報群を検索し、その中の1つの作業内容情報を読み出す。
【0237】
次に、作業内容決定部103は、点検箇所状態値を抽出する(ステップ843)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報における点検箇所IDをキーに、点検箇所状態ワークデータ211を検索し、ヒットした場合にヒットしたレコードにおける点検箇所状態値を抽出する。
【0238】
次に、作業内容決定部103は、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップ844)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ843で抽出した点検箇所状態値が、作業検索画面390の絞込み条件入力領域391に状態値による絞込み条件として入力された第1閾値よりも大きいか否かを判定する。
図47では、第1閾値は、「要分解点検」の状態値に相当する。但し、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいか否かの判定は、点検箇所状態値が予め定められた条件を満たすか否かの判定としてもよい。その意味で、点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定することは、産業機械の状態が予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0239】
ステップ844で点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、性能影響度合を抽出する(ステップ845)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報における性能影響度合を抽出する。
【0240】
次に、作業内容決定部103は、性能影響度合が第2閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップ846)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ845で抽出した性能影響度合が、作業検索画面390の絞込み条件入力領域392に性能影響度合による絞込み条件として入力された第2閾値よりも大きいか否かを判定する。
図47では、第2閾値は、「中」の性能影響度合に相当する。但し、性能影響度合が第2閾値よりも大きいか否かの判定は、性能影響度合が予め定められた条件を満たすか否かの判定としてもよい。その意味で、性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定することは、産業機械の性能改善に及ぼす影響が予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0241】
ステップ846で性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、推奨検査周期を抽出する(ステップ847)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報における推奨検査周期を抽出する。
【0242】
次に、作業内容決定部103は、「現在年月日-前回検査年月日」を計算することにより、経過日数Pを算出する(ステップ848)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報における作業内容IDをキーに、過去検査DB221を検索し、過去検査年月日を抽出する。そして、作業内容決定部103は、この過去検査年月日のうち、直近の検査年月日を、前回検査年月日とする。そして、作業内容決定部103は、現在年月日からこの前回検査年月日を減ずることにより、経過日数Pを算出する。
【0243】
次に、作業内容決定部103は、経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいか否かを判定する(ステップ849)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ848で算出した経過日数Pが、ステップ847で抽出した推奨検査周期よりも大きいか否かを判定する。
【0244】
ステップ849で経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、必要スキルレベルを抽出する(ステップ850)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報における必要スキルレベルを抽出する。
【0245】
次に、
図50Bに示すように、作業内容決定部103は、必要スキルレベルが第1条件を満たすか否かを判定する(ステップ851)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ850で抽出した必要スキルレベルが、作業検索画面390の絞込み条件入力領域393に作業者スキルによる絞込み条件として入力された第1条件を満たすか否かを判定する。
図47では、第1条件は、必要スキルレベルが「レベル指定なし」又は「初級レベル」であるという条件に相当する。必要スキルレベルが第1の条件を満たすと判定することは、必要となる作業スキルが予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0246】
ステップ851で必要スキルレベルが第1条件を満たすと判定すれば、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持する(ステップ852)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ842で読み出した作業内容情報を有効な作業内容情報として内部保持し、処理をステップ853へ進める。
【0247】
一方、ステップ844で点検箇所状態値が第1閾値よりも大きいと判定しなかった場合、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ853へ進める。また、ステップ846で性能影響度合が第2閾値よりも大きいと判定しなかった場合も、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ853へ進める。更に、ステップ849で経過日数Pが推奨検査周期よりも大きいと判定しなかった場合も、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ853へ進める。更にまた、ステップ851で必要スキルレベルが第1条件を満たすと判定しなかった場合も、作業内容決定部103は、処理中の作業内容情報を内部保持することなく、処理をステップ853へ進める。
【0248】
その後、作業内容決定部103は、他に作業内容情報があるか否かを判定する(ステップ853)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ841で抽出された作業内容情報群の中に未処理の作業内容情報が他にあるか否かを判定する。
【0249】
ステップ853で他に作業内容情報があると判定すれば、作業内容決定部103は、処理をステップ842へ戻す。
一方、ステップ853で他に作業内容情報があると判定しなければ、内部保持した作業内容情報群に対応する必要コスト群を抽出する(ステップ854)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ852で内部保持した作業内容情報群の作業内容情報毎に、作業内容情報における作業内容IDをキーに、作業内容DB220を検索し、必要コストを抽出する。そして、作業内容決定部103は、作業内容情報毎の必要コストからなる必要コスト群を抽出する。
【0250】
次に、作業内容決定部103は、必要コスト群を積算して、総コストQとする(ステップ855)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ854で抽出した必要コスト群を積算することにより、総コストQを算出する。
【0251】
次に、作業内容決定部103は、総コストQが第2条件を満たすか否かを判定する(ステップ856)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ855で算出した総コストQが、作業検索画面390の予算入力欄394に入力された分解検査に投資可能な予算に関する第2条件を満たすか否かを判定する。
図47では、第2条件は、必要コストが予算入力欄394に入力された予算以下であるという条件に相当する。必要コストが第2の条件を満たすと判定することは、必要となる作業コストが予め定められた条件を満たすと判定することの一例である。
【0252】
ステップ856で総コストQが第2条件を満たすと判定すれば、作業内容決定部103は、内部保持した作業内容情報を作業検索画面390に配置する(ステップ863)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ852で内部保持した作業内容情報群を、検索結果の作業内容情報群として確定し、これを作業検索画面390に配置する。
【0253】
一方、ステップ856で総コストQが第2条件を満たすと判定しなければ、作業内容決定部103は、前回第1閾値が未設定であるか否かを判定する(ステップ857)。ここで、前回第1閾値は、ステップ841~862の前回のループにおけるステップ844で用いた第1閾値である。
【0254】
ステップ857で前回第1閾値が未設定であると判定すれば、作業内容決定部103は、前回第1閾値に第1閾値をセットする(ステップ858)。ここで、第1閾値は、ステップ841~862の今回のループにおけるステップ844で用いた第1閾値である。
次に、作業内容決定部103は、第1閾値に「1」を加算する(ステップ859)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ841~862の次回のループにおけるステップ844で用いる第1閾値が「1」だけ大きくなるようにする。但し、「1」を加算する前の第1閾値が「2」より大きく「11」より小さい場合、作業内容決定部103は、第1閾値を「11」とする。そして、作業内容決定部103は、処理をステップ862へ進める。
【0255】
一方、ステップ857で前回第1閾値が未設定であると判定しなければ、作業内容決定部103は、第2閾値に「1」を加算する(ステップ860)。ここで、第2閾値は、ステップ841~862の今回のループにおけるステップ846で用いた第2閾値である。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ841~862の次回のループにおけるステップ846で用いる第2閾値が「1」だけ大きくなるようにする。
次に、作業内容決定部103は、前回第1閾値を未設定にする(ステップ861)。そして、作業内容決定部103は、処理をステップ862へ進める。
【0256】
その後、作業内容決定部103は、第1閾値が「11」よりも大きいか否かを判定する(ステップ862)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ859で第1閾値に「1」を加算したことにより、第1閾値が「11」よりも大きくなったか否かを判定する。
【0257】
ステップ862で第1閾値が「11」よりも大きいと判定しなければ、作業内容決定部103は、処理をステップ841へ戻す。
一方、ステップ862で第1閾値が「11」よりも大きいと判定すれば、作業内容決定部103は、内部保持した作業内容情報群を作業検索画面390に配置する(ステップ863)。具体的には、作業内容決定部103は、ステップ852で内部保持した作業内容情報を、検索結果の作業内容情報群として確定し、これを作業検索画面390に配置する。但し、ここで配置された作業内容情報群を実施する場合、総コストQが第2条件を満たさないので、作業内容決定部103は、作業検索画面370上にその旨のメッセージを配置してもよい。
【0258】
[変形例]
上記では、保全業務支援装置100が、端末装置300で入力された情報を通信ネットワークを介して受信し、端末装置300で表示する情報を通信ネットワークを介して送信するようにしたが、この限りではない。保全業務支援装置100が、自装置に接続された入力装置で入力された情報を受け付け、自装置に接続された出力装置に情報を出力するようにしてもよい。
【0259】
[本実施の形態の効果]
本実施の形態のシステムを使うことで、業務経験が少ない従事者でも、生産財機械の詳細な分解検査の必要性及び実施内容を客先の要望に応じて提案することが可能となった。その結果、生産財機械の所有者の保全コスト及び操業生産ロスを最小化する効果も期待できるようになった。
【符号の説明】
【0260】
1…保全業務支援システム、100…保全業務支援装置、101…受信部、102…状態推定部、103…作業内容決定部、104…送信部、200…データベース、300…端末装置