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特開2025-149885装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置及び陰茎勃起硬度測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149885
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置及び陰茎勃起硬度測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/20 20060101AFI20251001BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20251001BHJP
   A61F 5/41 20060101ALI20251001BHJP
【FI】
A61B5/20
A61B5/00 101L
A61F5/41
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025009401
(22)【出願日】2025-01-22
(31)【優先権主張番号】113111305
(32)【優先日】2024-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】524274554
【氏名又は名称】林 易霆
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【弁理士】
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】林 易霆
【テーマコード(参考)】
4C038
4C098
4C117
【Fターム(参考)】
4C038DD00
4C098EE03
4C117XB01
4C117XC11
4C117XD29
4C117XE26
4C117XE27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置及び陰茎勃起硬度測定方法を提供する。
【解決手段】装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置は、測定すべき陰茎に装着された弾性環状本体110であって、内層1121、外層1122、測定突起1123、薄膜測定素子1124及び収容空間1126を含み、測定突起が測定すべき陰茎と接触し、内層が測定突起と接続され、薄膜測定素子が収容空間に設けられ、測定すべき陰茎の付勢値を測定し、外層の外皮肉厚が内層の内皮肉厚よりも大きい測定部112と、測定部と連結された非測定部とを含む弾性環状本体と、弾性環状本体と接続された電子素子収容部120と、付勢値を硬度値に変換するように薄膜測定素子と電気的に接続された処理ユニット130と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定すべき陰茎の硬度値を測定するための装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置であって、
測定すべき前記陰茎に装着された弾性環状本体であって、内層、外層、測定突起、薄膜測定素子及び収容空間を含み、前記収容空間が前記内層と前記外層との間に位置し、前記測定突起が測定すべき前記陰茎と接触し、前記内層が前記測定突起と接続され、前記薄膜測定素子が前記内層と接触するように前記収容空間に設けられ、測定すべき前記陰茎の付勢値を測定し、前記外層の外皮肉厚が前記内層の内皮肉厚よりも大きい測定部と、前記測定部と連結された非測定部とを含む弾性環状本体と、
前記弾性環状本体と接続された電子素子収容部と、
前記付勢値を硬度値に変換するように前記薄膜測定素子と電気的に接続された処理ユニットと、を含む、
装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記薄膜測定素子と前記外層との間に位置するように前記収容空間に設けられたスペーサをさらに含む、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項3】
前記外皮肉厚は、1.5mmから3mmであり、
前記内皮肉厚は、0.5mmから1.2mmである、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項4】
前記薄膜測定素子は、感圧素子である、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項5】
前記弾性環状本体の内径は、2.2cmから5.2cmである、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項6】
電子素子収容部と隣接し、特定波長を有する光線を測定すべき前記陰茎に与える発光素子をさらに含む、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項7】
前記弾性環状本体は、弾性材料から構成されている、
請求項1に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項8】
前記弾性環状本体のショア硬度値は、20から50である、
請求項7に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項9】
前記弾性材料は、シリコーンである、
請求項7に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置。
【請求項10】
測定すべき陰茎の硬度値を測定する陰茎勃起硬度測定方法であって、
請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置を測定すべき前記陰茎に装着することと、
測定すべき前記陰茎の付勢値を装着可能な前記環状陰茎勃起硬度測定装置の前記薄膜測定素子により取得することと、
前記付勢値とそれぞれ複数のショア硬度値と対応する複数の疑似付勢値とを装着可能な前記環状陰茎勃起硬度測定装置の前記処理ユニットにより対比し、前記付勢値と前記疑似付勢値とが合致する場合に、前記疑似付勢値と対応する前記ショア硬度値を、測定すべき前記陰茎の硬度値として特定することと、を含む、
陰茎勃起硬度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体特徴の測定装置に関し、特に装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置及び陰茎勃起硬度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
男性性機能は、男性身体健康状況の総合表現であり、メンタル又は生理的な失調により男性性機能に支障がきたすおそれがある。通常男性性機能は、三つの主要指標を含み、三つの主要指標は、陰茎勃起硬度、陰茎勃起時間及び射精前の性交時間(Intravaginal Ejaculation Latency Time,IELT)である。従来の測定方法は、複数の自己評価の勃起機能表を用いているが、このような自己評価の方法は、自己認識、各種異なる陰茎に触れる機会が少なく(比較標準がなく)、個人主観原因等の原因により結果に影響を与えて偏差が出てしまう。
【0003】
従来技術では、複数の陰茎硬度測定装置は、睡眠期間中の陰茎硬度を測定することができる。しかしながら、実際性行為過程における雰囲気及び環境が大きく異なるため、このような測定結果は、実際性行為過程における陰茎の実際硬度を反映させることができない。上述した問題を解決するために、複数の装着可能な環状測定装置は、性行為過程における陰茎の実際硬度を測定している。例えば、金属環を用いて陰茎硬度を測定しているが、被測定者の陰茎のサイズが異なるため、サイズが適合しない金属環は、被測定者に違和感を与えてしまう。また、一部の装着可能な環状測定装置は、複雑な構造(例えば、モータ)により測定を行うため、装着可能な環状測定装置の構造複雑化、重量化、及び製造コストを大幅に増大させてしまう。
【0004】
そこで、従来技術に存在する問題を解決するために、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置及び陰茎勃起硬度測定方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、実際性行為過程における陰茎の硬度を測定することができるに加え、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の構造の簡易化を図り、装置全体の組み付け難易度及び重量を低下させることができる装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、標準品(例えば、各種の異なるショア硬度の均質なシリコーン疑似陰茎)とを対比することにより、男性陰茎硬度を確実に表すことができる陰茎勃起硬度測定方法を提供することを他の目的とする。
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明によれば、測定すべき陰茎の硬度値を測定するための装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置であって、測定すべき前記陰茎に装着された弾性環状本体であって、内層、外層、測定突起、薄膜測定素子及び収容空間を含み、前記収容空間が前記内層と前記外層との間に位置し、前記測定突起が測定すべき前記陰茎と接触し、前記内層が前記測定突起と接続され、前記薄膜測定素子が前記内層と接触するように前記収容空間に設けられ、測定すべき前記陰茎の付勢値を測定し、前記外層の外皮肉厚が前記内層の内皮肉厚よりも大きい測定部と、前記測定部と連結された非測定部とを含む弾性環状本体と、前記弾性環状本体と接続された電子素子収容部と、前記付勢値を硬度値に変換するように前記薄膜測定素子と電気的に接続された処理ユニットと、を含む装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置が提供される。
【0008】
本発明の態様において、前記測定部は、前記薄膜測定素子と前記外層との間に位置するように前記収容空間に設けられたスペーサをさらに含む。
【0009】
本発明の態様において、前記外皮肉厚は、1.5mmから3mmであり、前記内皮肉厚は、0.5mmから1.2mmである。
【0010】
本発明の態様において、前記薄膜測定素子は、感圧素子である。
【0011】
本発明の態様において、前記弾性環状本体の内径は、2.2cmから5.2cmである。
【0012】
本発明の態様において、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置は、電子素子収容部と隣接し、特定波長を有する光線を測定すべき前記陰茎に与える発光素子をさらに含む。
【0013】
本発明の態様において、前記弾性環状本体は、弾性材料から構成されている。
【0014】
本発明の態様において、前記弾性環状本体のショア硬度値は、20から50である。
【0015】
本発明の態様において、前記弾性材料は、シリコーンである。
【0016】
本発明によれば、測定すべき陰茎の硬度値を測定する陰茎勃起硬度測定方法であって、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置を測定すべき前記陰茎に装着することと、測定すべき前記陰茎の付勢値を装着可能な前記環状陰茎勃起硬度測定装置の前記薄膜測定素子により取得することと、前記付勢値とそれぞれ複数のショア硬度値と対応する複数の疑似付勢値とを装着可能な前記環状陰茎勃起硬度測定装置の前記処理ユニットにより対比し、前記付勢値と前記疑似付勢値とが合致する場合に、前記疑似付勢値と対応する前記ショア硬度値を、測定すべき前記陰茎の硬度値として特定することと、を含む陰茎勃起硬度測定方法がさらに提供される。
【0017】
上述した通り、本発明は、測定突起、内層及び外層により測定すべき陰茎からの付勢力を薄膜測定素子に伝達することにより、薄膜測定素子は、測定すべき陰茎からの付勢値を正確に取得することができ、その後、付勢値を処理ユニットにより測定すべき陰茎の硬度値に変換することができる。薄膜測定素子を用いて付勢力を測定することにより、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の構造の簡易化を図り、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明実施例に係る装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の概略正面図である。
図2図1の実施例の概略断面図である。
図3図1の実施例の概略斜視図である。
図4図1の実施例の電子素子の接続概略図である。
図5図1の実施例の未勃起時の測定原理である。
図6図1の実施例の勃起時の測定原理である。
図7図1の実施例と充電装置の組合概略図である。
図8】本発明実施例に係る陰茎勃起硬度測定方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上述した他の目的、特徴、メリットをよりわかりやすくするために、以下、図面及び数式を参照しながら本発明に係る好適実施例の詳細について説明する。
【0020】
図1から図7を参照して、図1は、本発明実施例に係る装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の概略正面図である。図2は、図1の実施例の概略断面図である。図3は、図1の実施例の概略斜視図である。図4は、図1の実施例の電子素子の接続概略図である。図5は、図1の実施例の未勃起時の測定原理である。図6は、図1の実施例の勃起時の測定原理である。図7は、図1の実施例と充電装置の組合概略図である。本実施例によれば、測定すべき陰茎10の硬度値を測定するためのものであって、弾性環状本体110、電子素子収容部120、処理ユニット130及び発光素子140を含む装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100が提供される。
【0021】
弾性環状本体110は、測定すべき陰茎10に装着され、測定部112と、測定部112と連結された非測定部114と、を含む。
【0022】
測定部112は、内層1121、外層1122、測定突起1123、薄膜測定素子1124、スペーサ1125及び収容空間1126を含む。収容空間1126は、内層1121と外層1122との間に位置する。測定突起1123は、測定すべき陰茎10と接触し、内層1121と接続されている。薄膜測定素子1124は、内層1121と接触するように収容空間1126に設けられ、測定すべき陰茎10の付勢値Fpを測定する。スペーサ1125は、薄膜測定素子1124と外層1122との間に位置するように収容空間1126に設けられている。また、外皮肉厚Toは、内皮肉厚Tiよりも大きい。
【0023】
具体的には、外皮肉厚Toは、1.5mmから3mmであり、内皮肉厚Tiは、0.5mmから1.2mmであり、収容空間1126の厚さは、0.1mmから3mmである。個別例では、外皮肉厚Toは、2.5mmであり、内皮肉厚Tiは、0.9mmであり、収容空間1126の厚さは、2mmである。測定突起1123は、突起厚さTを有し、突起厚さTは、1.5mmから3mmであり、例えば突起厚さTは、2mmである。薄膜測定素子1124は、感圧素子であり、感圧素子は、圧力の変化に敏感な測定素子であり、例えば、感圧抵抗又は類似特性を有する他の素子である。弾性環状本体110の内径Dは、2,2cmから5.2cmである。なお、内径Dは、使用者の需要に応じて変化する。また、弾性環状本体110は、弾性材料から構成されている。具体的には、弾性材料のショア硬度値は、20から50である。例えば、弾性材料は、シリコーン又は他の類似材料であってもよい。なお、弾性環状本体110は、一体成形されている。すなわち、測定部112の内層1121、外層1122、測定突起1123及び非測定部114は、一体成形されている。測定部112の内層1121、外層1122、測定突起1123及び非測定部114は、同じ弾性材料(例えば、シリコーン)から構成されている。スペーサ1125は、ショア硬度値は、20から50である弾性材料から構成されている。
【0024】
電子素子収容部120は、弾性環状本体110と接続されている。電子素子収容部120には、各種の電子素子が収容されている。電子素子収容部120は、電子素子収容部120に収容された電子素子を保護するための球状ケース122を含む。例を挙げると、電子素子収容部120は、処理ユニット130、電池ユニット150、ジャイロセンサ160、データ伝送ユニット170又は他の電子素子を収容することができる。
【0025】
処理ユニット130は、薄膜測定素子1124と接続されるように電子素子収容部120に収容され、付勢値Fpを硬度値に変換する。
【0026】
発光素子140は、電子素子収容部120と隣接し、特定波長を有する光線を測定すべき陰茎10に与える。光線は、紫外線、可視光又は赤外線であってもよい。具体的には、異なる波長の光線は、測定すべき陰茎10の働きを向上させることができる。赤光又は赤外線を例として挙げると、発光素子140は、測定すべき陰茎10の血管の拡張を向上させることができる。例えば、発光素子140が発出する光線の特定波長は、530nm、670nm又は940nmである。なお、発光素子140は、需要に応じて特定波長が530nm、670nm又は940nmの光線をそれぞれ発出することができる。例えば、測定すべき陰茎10は、波長940nmの光線の照射を受けると、血管拡張、血液循環を促進させることができるため、より多くの酸素を測定すべき陰茎10の筋肉組織に供給することができる。例えば、波長670nmの光線を照射すると、血管拡張を促進させることができるため、測定すべき陰茎10の筋肉疲労を緩和することができる。また、発光素子140の一部は、電子素子収容部120に収容されてもよい。ある実施例では、発光素子140は、LED素子又は類似機能の素子を含んでもよい。
【0027】
電池ユニット150は、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100の動作時における電力を供給するように、電子素子収容部120に収容されている。ある実施例では、電池ユニット150は、充電可能な電池であってもよい。
【0028】
図4に示すように、電池ユニット150は、薄膜測定素子1124、処理ユニット130、発光素子140、ジャイロセンサ160及びデータ伝送ユニット170の動作時における電力を供給するように、薄膜測定素子1124、処理ユニット130、発光素子140、ジャイロセンサ160及びデータ伝送ユニット170と電気的に接続されている。なお、電池ユニット150は、充電インタフェース152を介して外部電力を受信して充電を行ってもよい。処理ユニット130は、薄膜測定素子1124、発光素子140、ジャイロセンサ160及びデータ伝送ユニット170と電気的に接続されている。処理ユニット130は、薄膜測定素子1124、ジャイロセンサ160及びデータ伝送ユニット170からのデータを受信することに加え、発光素子140及びデータ伝送ユニット170にデータ又は指令を発送することができる。ジャイロセンサ160は、性行為過程における測定すべき陰茎10の実際運動データを測定する。データ伝送ユニット170は、処理ユニット130からのデータを外部装置20に伝送することができるとともに、外部装置20からのデータ又は指令を処理ユニット130に伝送することができる。具体的には、データ伝送ユニット170は、有線伝送技術又は無線伝送技術(例えば、ブルートゥース(登録商標)又はWiFi(登録商標))によりデータ伝送を行う。外部装置20は、移動装置(例えば、携帯、タブレット)、ノートパソコン、個人パソコン又は他の類似機能の装置であってもよい。
【0029】
また、図7に示すように、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100は、電池ユニット150の電力を補充するように充電箱30に載置されてもよい。充電箱30は、上カバー32及び充電座34を含む。装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100は、充電座34に載置され、上カバー32は、充電中の装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100を保護するように充電座34を覆う。なお、充電箱30は、他の構造設計であってもよい。
【0030】
ここでは、感圧抵抗としての薄膜測定素子1124を例として、図5及び図6を参照しながら薄膜測定素子1124の測定原理について説明する。薄膜測定素子1124(感圧抵抗)の内側面及び外側面により付勢力を測定することができる。感圧抵抗は、受ける力の増加に従って抵抗値を低下させることにより、抵抗値の変化に応じて付勢力を測定することができる。薄膜測定素子1124の内側面は、内層1121と接触するため、内層1121の内側付勢力Fi及び測定突起1123の陰茎推力(すなわち、付勢値Fp)を薄膜測定素子1124の内側面に伝送することができる。同様に、薄膜測定素子1124の外側面は、スペーサ1125と接触するとともにスペーサ1125は、外層1122と接触するため、外層1122の外側付勢力F0をスペーサ1125を介して薄膜測定素子1124の外側面に伝送することができる。内側付勢力Fi及び外側付勢力F0により、薄膜測定素子1124が測定した測定付勢力Fmを用いて、下記の方程式に従って測定すべき陰茎10の付勢値を算出することができる。
【数1】
ここでは、外層上側付勢力をFouとし、外層下側付勢力をFolとし、内層上側付勢力をFiuとし、内層下側付勢力をFilとする。方程式(1)に示すように、外側付勢力F0は、外層上側付勢力Fouと外層下側付勢力Folとを組み合わせた合力である。方程式(2)に示すように、内側付勢力Fiは、内層上側付勢力Fiuと内層下側付勢力Filとを組み合わせた合力である。測定すべき陰茎10は、測定突起1123と接触して付勢値Fpを付勢するとき、内層1121は、付勢値Fpと反対方向である小さい力(すなわち、内側付勢力Fi)を発生するため、実際、薄膜測定素子1124の内側面に作用するものは、付勢値Fpと内側付勢力Fiとの引算である。よって、力のバランスを取っているとき、外側付勢力F0は、付勢値Fpと内側付勢力Fiとの引算であり、薄膜測定素子1124が測定した測定付勢力Fmは、方程式(3)に示すように、薄膜測定素子1124が力のバランス状態にあるときの値である。方程式(3)によれば、測定すべき陰茎10の付勢値Fpを取得することができる。
【0031】
図5に示すように、測定すべき陰茎10が勃起していないとき、付勢値Fpが比較的に小さく、外層1122の外側付勢力F0及び内層1121の内側付勢力Fiも比較的に小さい。一方、図6に示すように、測定すべき陰茎10が勃起したとき、測定すべき陰茎10からの付勢値Fpが増大することにより、外層1122の拡張を引き起こして比較的に大きい外側付勢力F0(勃起していないときに比べ)を提供する。外層1122の外皮肉厚Tを内層1121の内皮肉厚Tよりも大きくすることにより、外側付勢力F0を内側付勢力Fiよりも大きくすることができる。このように、測定付勢力Fmを取得すれば、付勢値Fpを取得することができるため、付勢値Fpを硬度値に変換することができる。ある実施例では、異なるショア硬度を有する複数の疑似陰茎の測定を行うことにより、これらと対応する複数の疑似付勢値を取得することができる。装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100を測定すべき陰茎10に装着して測定すべき陰茎10の付勢値Fpを測定する。付勢値Fpと疑似付勢値とを対比し、付勢値Fpと疑似付勢値とが合致する場合に、疑似付勢値と対応するショア硬度値が測定すべき陰茎10の硬度値であることを特定することができる。ある実施例では、上述したショア硬度値の疑似陰茎及びこれらと対応する疑似付勢値を処理ユニット130に記憶してもよい。このようにすれば、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100は、測定すべき陰茎10の硬度値を取得することができる。他の実施例では、異なるショア硬度値の疑似陰茎及びこれらと対応する疑似付勢値を外部データベースに記憶してもよい。この場合に、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置100が測定した付勢値をデータ伝送ユニット170を介して外部データベースに伝送して対比を行うことにより、測定すべき陰茎10の硬度値を特定することができる。
【0032】
図8を参照して、図8は、本発明実施例に係る陰茎勃起硬度測定方法のフローチャートである。本実施例によれば、測定すべき陰茎の硬度値を測定する陰茎勃起硬度測定方法200が提供される。陰茎勃起硬度測定方法200は、以下のステップS210からS230を含む。
【0033】
ステップS210において、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置を測定すべき陰茎に装着する。
【0034】
ステップS220において、測定すべき陰茎の付勢値を装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の薄膜測定素子により取得する。
【0035】
ステップS230において、付勢値とそれぞれ複数のショア硬度値と対応する複数の疑似付勢値とを装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の処理ユニットにより対比し、付勢値と疑似付勢値とが合致する場合に、疑似付勢値と対応するショア硬度値を、測定すべき陰茎の硬度値として特定する。また、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置を異なるショア硬度値の複数の疑似陰茎に装着することにより、疑似付勢値を取得することができる。これらの疑似付勢値及びこれらと対応するショア硬度値をあらかじめ処理ユニットに記憶し、処理ユニット自身は、直接対比を行うことにより測定すべき陰茎の硬度値を取得する。又は、これらの疑似付勢値及びこれらと対応するショア硬度値をあらかじめ外部データベースに記憶し、処理ユニットは、外部データベースに記憶された疑似付勢値との対比を行うことにより測定すべき陰茎の硬度値を取得する。
【0036】
上述した通り、本発明は、測定突起、内層及び外層により測定すべき陰茎からの付勢力を薄膜測定素子に伝達することにより、薄膜測定素子は、測定すべき陰茎からの付勢値を正確に取得することができ、その後、付勢値を処理ユニットにより測定すべき陰茎の硬度値に変換することができる。薄膜測定素子を用いて付勢力を測定することにより、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の構造の簡易化を図り、装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置の軽量化を図ることができる。
【0037】
本発明は、好適実施例により開示されているものの、好適実施例により制限されるものではない。いかなる当業者であれば、本発明の範囲から離脱しない限り、各種の変更等を行ったりすることができる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲により特定されるべきである。
【符号の説明】
【0038】
10 測定すべき陰茎
20 外部装置
30 充電箱
32 上カバー
34 充電座
100 装着可能な環状陰茎勃起硬度測定装置
110 弾性環状本体
112 測定部
1121 内層
1122 外層
1123 測定突起
1124 薄膜測定素子
1125 スペーサ
1126 収容空間
114 非測定部
120 電子素子収容部
122 球状ケース
130 処理ユニット
140 発光素子
150 電池ユニット
152 充電インタフェース
160 ジャイロセンサ
170 データ伝送ユニット
200 陰茎勃起硬度測定方法
D 内径
p 付勢値
i 内側付勢力
iu 内層上側付勢力
il 内層下側付勢力
0 外側付勢力
ou 外層上側付勢力
ol 外層下側付勢力
外皮肉厚
内皮肉厚
突起厚さ
S210~S230 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8