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特開2025-15006保守点検方法、保守点検装置および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015006
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】保守点検方法、保守点検装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/00 20060101AFI20250123BHJP
   H01S 3/067 20060101ALN20250123BHJP
   H01S 3/10 20060101ALN20250123BHJP
【FI】
H01S3/00 G
H01S3/067
H01S3/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118053
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500241273
【氏名又は名称】株式会社ブロードネットマックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】太田 順一
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝樹
(72)【発明者】
【氏名】小山 慎司
(72)【発明者】
【氏名】木村 康秀
【テーマコード(参考)】
5F172
【Fターム(参考)】
5F172AM04
5F172AM08
5F172BB03
5F172BB55
5F172BB58
5F172BB70
5F172ZA02
(57)【要約】
【課題】光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換する。
【解決手段】保守点検方法は、LDを備える光アンプの保守点検方法であって、複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、取得した前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類するステップと、前記複数の光アンプを分類した前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定するステップとを含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LD(Laser Diode)を備える光アンプの保守点検方法であって、
複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、
取得した前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類するステップと、
前記複数の光アンプを分類した前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定するステップとを含む、保守点検方法。
【請求項2】
前記交換タイミングを決定するステップにおいては、前記駆動電流が所定の上限値に達するタイミングである到達タイミングを推定し、推定した前記到達タイミングを前記交換タイミングとして決定する、請求項1に記載の保守点検方法。
【請求項3】
前記交換タイミングを決定するステップにおいては、前記クラスタごとに異なる前記上限値を用いて、前記クラスタごとに前記到達タイミングを推定する、請求項2に記載の保守点検方法。
【請求項4】
前記保守点検方法は、さらに、
前記交換タイミングを決定した前記光アンプの製造ロットを特定するステップと、
推定した前記到達タイミングを、特定した前記製造ロットにおいて製造され、かつ前記クラスタに属さない前記光アンプの前記交換タイミングとして決定するステップとを含む、請求項2に記載の保守点検方法。
【請求項5】
前記複数の時系列データを取得するステップにおいては、前記光アンプごとに予め設定された温度補正係数と、前記光アンプの温度の計測結果とを用いて補正された前記計測値の時間変化を示す前記時系列データを取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保守点検方法。
【請求項6】
前記保守点検方法は、さらに、
前記交換タイミングを決定するステップにおいて決定した前記光アンプの前記交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、前記光アンプの冷却を強化するステップを含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保守点検方法。
【請求項7】
LDを備える光アンプの保守点検に用いられる保守点検装置であって、
複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類する分類部と、
前記分類部により前記複数の光アンプが分類された前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定する決定部とを備える、保守点検装置。
【請求項8】
LDを備える光アンプの使用方法であって、
複数の前記光アンプを設置するステップと、
前記複数の光アンプを駆動させるステップと、
駆動中の前記複数の光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、
取得した前記複数の時系列データをクラスタリングした結果に基づいて決定された、前記光アンプの交換タイミングを取得するステップと、
取得した前記交換タイミングにおいて、前記光アンプを交換するステップとを含む、使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保守点検方法、保守点検装置および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光通信システムにおいて、励起用のLD(Laser Diode)を備える光アンプを用いて光信号を増幅する技術が用いられている。たとえば、非特許文献1(木村俊雄、他6名、“光アンプ励起用250mW 1480 nm LDモジュール”、古河電工時報、古河電気工業株式会社、平成12年1月、第105号、p.19-23)には、光アンプにおけるLDの劣化を考慮して、製品の初期におけるLD駆動電流値の1.2倍をEOL(End Of Life)駆動電流と定義することが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】木村俊雄、他6名、“光アンプ励起用250mW 1480 nm LDモジュール”、古河電工時報、古河電気工業株式会社、平成12年1月、第105号、p.19-23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1に記載の技術を超えて、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することが可能な技術が望まれる。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することが可能な保守点検方法、保守点検装置および使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の保守点検方法は、LDを備える光アンプの保守点検方法であって、複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、取得した前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類するステップと、前記複数の光アンプを分類した前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定するステップとを含む。
【0007】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理をステップとする保守点検方法として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理を実行する処理部を備える保守点検装置として実現され得たり、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、保守点検装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、保守点検装置を含む保守点検システムとして実現され得る。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置による保守点検の対象である光アンプの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置の構成を示す図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置における処理部によるクラスタリングの一例を示す図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る保守点検システムにおける保守点検処理のシーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0011】
(1)本開示の実施の形態に係る保守点検方法は、LDを備える光アンプの保守点検方法であって、複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、取得した前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類するステップと、前記複数の光アンプを分類した前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定するステップとを含む。
【0012】
このように、LDの駆動電流の時系列データをクラスタリングして複数の光アンプを複数のクラスタに分類し、クラスタに属する光アンプの交換タイミングを決定する方法により、LDの駆動電流の増加傾向に基づいてクラスタ単位で光アンプの交換タイミングを決定することができるので、劣化状況が類似する光アンプごとに、適切な交換タイミングを決定することができる。したがって、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することができる。
【0013】
(2)上記(1)において、前記交換タイミングを決定するステップにおいては、前記駆動電流が所定の上限値に達するタイミングである到達タイミングを推定し、推定した前記到達タイミングを前記交換タイミングとして決定してもよい。
【0014】
このような方法により、駆動電流の上限値に基づいて決定した交換タイミングを用いて、計画的に光アンプを交換することができる。
【0015】
(3)上記(2)において、前記交換タイミングを決定するステップにおいては、前記クラスタごとに異なる前記上限値を用いて、前記クラスタごとに前記到達タイミングを推定してもよい。
【0016】
このような方法により、たとえば、LDの駆動電流の増加の進行速度に応じて異なる上限値を用いて、より適切な交換タイミングを決定することができる。
【0017】
(4)上記(2)または(3)において、前記保守点検方法は、さらに、前記交換タイミングを決定した前記光アンプの製造ロットを特定するステップと、推定した前記到達タイミングを、特定した前記製造ロットにおいて製造され、かつ前記クラスタに属さない前記光アンプの前記交換タイミングとして決定するステップとを含んでもよい。
【0018】
LDの駆動電流の増加傾向は、光アンプの主要部品の製造ロットごとに類似する場合があるところ、このような方法により、駆動電流のモニタ対象の光アンプの交換タイミングに加えて、当該光アンプと同じ製造ロットにおいて製造された、駆動電流のモニタ対象ではない光アンプの交換タイミングを決定することができる。
【0019】
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記複数の時系列データを取得するステップにおいては、前記光アンプごとに予め設定された温度補正係数と、前記光アンプの温度の計測結果とを用いて補正された前記計測値の時間変化を示す前記時系列データを取得してもよい。
【0020】
このような方法により、温度がLDの駆動電流に与える影響を考慮して、LDの劣化に伴う駆動電流のより正確な増加傾向に基づいて、より適切な交換タイミングを決定することができる。
【0021】
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記保守点検方法は、さらに、前記交換タイミングを決定するステップにおいて決定した前記光アンプの前記交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、前記光アンプの冷却を強化するステップを含んでもよい。
【0022】
このような方法により、寿命までの猶予期間が短い光アンプが、交換前に故障する可能性を低減することができる。
【0023】
(7)本開示の実施の形態に係る保守点検装置は、LDを備える光アンプの保守点検に用いられる保守点検装置であって、複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得する取得部と、前記取得部により取得された前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類する分類部と、前記分類部により前記複数の光アンプが分類された前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定する決定部とを備える。
【0024】
このように、LDの駆動電流の時系列データをクラスタリングして複数の光アンプを複数のクラスタに分類し、クラスタに属する光アンプの交換タイミングを決定する構成により、LDの駆動電流の増加傾向に基づいてクラスタ単位で光アンプの交換タイミングを決定することができるので、劣化状況が類似する光アンプごとに、適切な交換タイミングを決定することができる。したがって、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することができる。
【0025】
(8)本開示の実施の形態に係る使用方法は、LDを備える光アンプの使用方法であって、複数の前記光アンプを設置するステップと、前記複数の光アンプを駆動させるステップと、駆動中の前記複数の光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、取得した前記複数の時系列データをクラスタリングした結果に基づいて決定された、前記光アンプの交換タイミングを取得するステップと、取得した前記交換タイミングにおいて、前記光アンプを交換するステップとを含む。
【0026】
このように、LDの駆動電流の時系列データをクラスタリングした結果に基づいて決定された交換タイミングにおいて、光アンプを交換する方法により、LDの駆動電流の増加傾向に基づいてクラスタ単位で決定された、光アンプの劣化状況に基づく適切な交換タイミングを決定することができる。したがって、光アンプの劣化を考慮して光アンプをより適切なタイミングで交換することができる。
【0027】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0028】
[構成および基本動作]
(光アンプ)
図1は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置による保守点検の対象である光アンプの構成を示す図である。図1を参照して、光アンプ101は、入力コネクタ11と、光カプラ12A,12B,12Cと、アイソレータ13A,13Bと、Er添加ファイバ14と、LD15と、検出用PD(Photo Diode)16A,16Bと、制御部17と、計測部18と、出力コネクタ19とを備える。光アンプ101は、ペルチェ素子をさらに備える構成であってもよい。入力コネクタ11、光カプラ12A,12B,12C、アイソレータ13A,13B、Er添加ファイバ14、LD15、および検出用PD16A,16Bは、光ファイバを介して接続される。制御部17および計測部18の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0029】
複数の光アンプ101は、放送事業者の局舎に設けられた光放送装置111において用いられ、光放送装置111において常時稼働される。光アンプ101は、放送用の光信号を増幅する。なお、複数の光アンプ101は、たとえば通信事業者の局舎に設けられた光通信装置において用いられてもよい。この場合、光アンプ101は、通信用の光信号を増幅する。
【0030】
より詳細には、光カプラ12Aは、光アンプ101の外部における図示しない光信号生成装置から入力コネクタ11経由で光信号を受信し、受信した光信号を所定の分岐比で分岐する。光カプラ12Aは、分岐した一部の光信号をアイソレータ13Aへ出力し、分岐した他の一部の光信号を検出用PD16Aへ出力する。
【0031】
検出用PD16Aは、光カプラ12Aから受けた光信号のレベルに応じたレベルの電気信号を制御部17へ出力する。
【0032】
LD15は、励起用の光源であり、制御部17から供給される駆動電流に応じたレベルの励起光を光カプラ12Bへ出力する。
【0033】
光カプラ12Bは、アイソレータ13A経由で光カプラ12Aから受けた光信号と、LD15から受けた励起光を合波してEr添加ファイバ14へ出力する。
【0034】
Er添加ファイバ14は、光カプラ12Bから受けた光信号を増幅してアイソレータ13Bへ出力する。
【0035】
光カプラ12Cは、アイソレータ13B経由でEr添加ファイバ14から受けた増幅後の光信号を所定の分岐比で分岐する。光カプラ12Cは、分岐した一部の光信号を出力コネクタ19経由で光アンプ101の外部へ送信し、分岐した他の一部の光信号を検出用PD16Bへ出力する。
【0036】
検出用PD16Bは、光カプラ12Cから受けた光信号のレベルに応じたレベルの電気信号を制御部17へ出力する。
【0037】
制御部17は、検出用PD16Aから受けた電気信号のレベルが所定値以上である期間において、LD15へ駆動電流を出力する。制御部17は、検出用PD16Bから受けた電気信号に基づいて、LD15の駆動電流をフィードバック制御する。より詳細には、制御部17は、検出用PD16Bから受けた電気信号に基づいて、Er添加ファイバ14における増幅後の光信号のレベルを検知し、増幅後の光信号のレベルが所定値に近づくように、LD15へ出力する駆動電流のレベルを調整する。
【0038】
計測部18は、LD15の駆動電流を計測する。より詳細には、計測部18は、たとえば所定の計測周期に従う計測タイミングにおいて、制御部17からLD15へ出力される駆動電流を計測する。また、計測部18は、たとえば所定の計測周期に従う計測タイミングにおいて、LD15の温度を計測する。計測部18は、駆動電流の計測値の時間変化を示す時系列データD1と、温度の計測値の時間変化を示す時系列データD2とを生成する。より詳細には、計測部18は、計測タイミングと駆動電流の計測値との対応関係を示す時系列データD1、および計測タイミングと温度の計測値との対応関係を示す時系列データD2を生成する。
【0039】
放送事業者の局舎に設けられた収集装置121は、モニタ対象の複数の光アンプ101における計測部18から時系列データD1,D2を収集する。収集装置121は、たとえば、収集した時系列データD1,D2に対応の光アンプ101のIDを含めてメモリに保存する。
【0040】
[課題]
光アンプ101では、LD15の劣化に伴い、LD15の駆動電流は増大する。LD15の寿命は光アンプ101における他の部品と比べて寿命が短く、LD15の駆動電流が定格電流に達した場合、光アンプ101が故障する可能性がある。一般的に、光放送装置111では、定期的または不定期に、光アンプ101単位の交換が行われる。光アンプ101が故障してから光アンプ101を交換するよりも、LD15の駆動電流が定格電流に達する前に、交換保守単位である光アンプ101を予防的または計画的に交換することが望ましい。
【0041】
しかしながら、光アンプ101において用いられる光ファイバの円対称性のばらつき、および光アンプ101におけるLD15等の主要部品の製造ロットの違いにより、LD15の駆動電流には光アンプ101ごとの個体差が生じ得る。たとえば、特定の製造ロットの主要部品の組み合わせにより、LD15の駆動電流が大幅に増大する場合がある。したがって、光アンプ101は、個体ごとまたは主要部品の製造ロットごとに、適切な交換タイミングが異なる場合がある。
【0042】
このため、光アンプ101の劣化を考慮して光アンプ101をより適切なタイミングで交換することが可能な技術が望まれる。そこで、本開示の実施の形態に係る保守点検装置201は、以下のような構成により、上記の課題を解決する。
【0043】
(保守点検装置)
図2は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置の構成を示す図である。図2を参照して、保守点検装置201は、取得部21と、処理部22と、記憶部23とを備える。処理部22は、分類部の一例であり、かつ決定部の一例である。取得部21および処理部22の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。記憶部23は、たとえば上記処理回路に含まれる不揮発性メモリである。保守点検装置201は、光アンプ101の保守点検に用いられ、光アンプ101の交換タイミングを決定する。なお、保守点検装置201は、図1に示す光アンプ101とは異なる構成の他の光アンプの交換タイミング決定してもよい。
【0044】
取得部21は、複数の光アンプ101におけるLD15の駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データD1を取得する。より詳細には、取得部21は、モニタ対象の各光アンプ101の時系列データD1,D2を、上述した収集装置121から受信する。取得部21は、受信した複数の時系列データD1,D2を記憶部23に保存する。
【0045】
たとえば、取得部21は、光アンプ101ごとに予め設定された温度補正係数と、光アンプ101の温度の計測結果とを用いて時系列データD1を補正する。
【0046】
より詳細には、光アンプ101におけるLD15の駆動電流は、光アンプ101内の温度の影響を受けて増加または減少する。記憶部23は、光アンプ101のIDごとに、LD15の温度と、当該光アンプ101におけるLD15の駆動電流の計測値を補正するための温度補正係数との対応関係を示す補正係数情報を記憶している。
【0047】
取得部21は、記憶部23における補正係数情報から、光アンプ101ごとに、当該光アンプ101の時系列データD2が示すLD15の温度に対応する温度補正係数を取得する。そして、取得部21は、当該光アンプ101の時系列データD1に、取得した温度補正係数を乗じて時系列データD1を補正する。取得部21は、補正後の時系列データD1を記憶部23に保存する。
【0048】
処理部22は、取得部21により取得された複数の時系列データD1をクラスタリングすることにより、複数の光アンプ101を複数のクラスタCLに分類する。より詳細には、処理部22は、モニタ対象の複数の光アンプ101にそれぞれ対応する複数の時系列データD1の補正が完了すると、記憶部23から補正後の複数の時系列データD1を取得する。処理部22は、所定の統計処理手法に従って、取得した複数の時系列データD1をクラスタリングする。
【0049】
より詳細には、たとえば、記憶部23は、光アンプ101のIDと、当該光アンプ101の駆動開始タイミングとの対応関係を示す稼働情報を記憶している。当該稼働情報は、放送事業者から提供される。たとえば、駆動開始タイミングは、光アンプ101が設置された時点と同じであってもよいし、設置された時点よりも後の時点であってもよい。
【0050】
処理部22は、記憶部23における稼働情報に基づいて、時系列データD1が示す計測タイミングを、光アンプ101の駆動開始タイミングからの経過時間である累積稼働時間に換算する換算処理を行う。そして、処理部22は、換算処理後の複数の時系列データD1をクラスタリングする。
【0051】
なお、光アンプ101は、駆動開始後、保守等のために一時的に停止される場合がある。この場合であっても、停止時間は累積稼働時間と比べて短いので、駆動開始タイミングからの経過時間を累積稼働時間とみなすことができる。すなわち、駆動開始タイミングからの経過時間で累積稼働時間を近似することができる。また、放送事業者の局舎において、中古品の光アンプ101が設置される場合がある。この場合、処理部22は、設置前における当該光アンプ101の累積稼働時間を、稼働情報および計測タイミングに基づいて算出した累積稼働時間に加える処理を行う。
【0052】
また、取得部21は、累積稼働時間と駆動電流の計測値との対応関係を示す時系列データD1を取得する構成であってもよい。この場合、処理部22は、換算処理を行うことなく、複数の時系列データD1をクラスタリングする。
【0053】
図3は、本開示の実施の形態に係る保守点検装置における処理部によるクラスタリングの一例を示す図である。図3において、横軸は累積稼働時間であり、縦軸はLD15の駆動電流[A]である。
【0054】
図3を参照して、たとえば、処理部22は、複数の時系列データD1をクラスタリングすることにより、時系列データD1である時系列データD1a,D1b,D1cが属するクラスタCLであるクラスタCLAと、時系列データD1である時系列データD1d,D1e,D1f,D1g,D1hが属するクラスタCLであるクラスタCLBとを生成する。そして、処理部22は、時系列データD1a,D1b,D1cにそれぞれ対応する3つの光アンプ101をクラスタCLAに分類し、時系列データD1d,D1e,D1f,D1g,D1hにそれぞれ対応する5つの光アンプ101をクラスタCLBに分類する。
【0055】
処理部22は、複数の光アンプ101を分類した複数のクラスタCLのうちの少なくともいずれか1つのクラスタCLに属する光アンプ101の交換タイミングを決定する。たとえば、処理部22は、光アンプ101におけるLD15の駆動電流が所定の上限値Thに達するタイミングである到達タイミングTaを推定し、推定した到達タイミングTaを光アンプ101の交換タイミングとして決定する。
【0056】
より詳細には、処理部22は、時系列データD1a,D1b,D1cの外挿線ELである外挿線ELAと、時系列データD1d,D1e,D1f,D1g,D1hの外挿線ELである外挿線ELBとを作成する。処理部22は、外挿線ELAにおいて上限値Thに対応する時間である到達タイミングTaAを、クラスタCLAに属する光アンプ101の交換タイミングとして決定する。また、処理部22は、外挿線ELBにおいて上限値Thに対応する時間である到達タイミングTaBを、クラスタCLBに属する光アンプ101の交換タイミングとして決定する。処理部22は、決定した交換タイミングを放送事業者へ通知する。
【0057】
ここで、光アンプ101におけるLD15以外の主要部品は、製造不良等により、LD15の寿命と同等以下になる場合がある。このように、LD15以外の主要部品が不良品である場合においても、結果としてLD15の駆動電流が上昇し、駆動電流の増加傾向に影響を与えるので、LD15の駆動電流の時間変化を示す時系列データD1に基づいて、光アンプ101の適切な交換タイミングを決定することができる。
【0058】
たとえば、処理部22は、決定した光アンプ101の交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、当該光アンプ101の冷却を強化するための処理を行う。より詳細には、処理部22は、たとえばクラスタCLAに属する光アンプ101の交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、放送事業者の局舎における冷却ファンを遠隔制御することにより、クラスタCLAに属する光アンプ101を冷却するための冷却ファンを稼働させるか、または当該冷却ファンの回転数を上げる。なお、処理部22は、冷却ファンを遠隔制御する代わりに、クラスタCLAに属する光アンプ101の冷却を強化すべき旨の警告を、放送事業者へ通知してもよい。
【0059】
なお、処理部22は、クラスタCLごとに異なる上限値Thを用いて、クラスタCLごとに到達タイミングTaを推定する構成であってもよい。より詳細には、処理部22は、たとえば、外挿線ELAの傾きに応じた上限値Thである上限値ThAと、外挿線ELBの傾きに応じた上限値Thである上限値ThBとを設定する。ここで、上限値ThAは、上限値ThBよりも小さいものとする。そして、処理部22は、外挿線ELAにおいて上限値ThAに対応する時間である到達タイミングTaAを、クラスタCLAに属する光アンプ101の交換タイミングとして決定する。また、処理部22は、外挿線ELAにおいて上限値ThBに対応する時間である到達タイミングTaBを、クラスタCLBに属する光アンプ101の交換タイミングとして決定する。
【0060】
また、処理部22は、複数のクラスタCLのうちの一部のクラスタCLに属する光アンプ101の交換タイミングの決定を行わない構成であってもよい。より詳細には、処理部22は、外挿線ELの傾きが所定値未満である場合、当該外挿線ELに対応するクラスタCLに属する光アンプ101の交換タイミングの決定は現時点では不要と判断する。
【0061】
たとえば、処理部22は、交換タイミングを決定した光アンプ101の製造ロットを特定する。一例として、処理部22は、交換タイミングを決定した光アンプ101の製造ロットを示す、当該光アンプ101に付与された製造ロット番号を特定する。
【0062】
より詳細には、記憶部23は、光アンプ101のIDと、当該光アンプ101の主要部品の製造ロット番号との対応関係を示すロット情報を記憶している。
【0063】
処理部22は、記憶部23におけるロット情報を参照して、到達タイミングTaAを交換タイミングとして決定した、クラスタCLAに属する光アンプ101の主要部品の製造ロット番号と、到達タイミングTaBを交換タイミングとして決定した、クラスタCLBに属する光アンプ101の主要部品の製造ロット番号とを特定する。
【0064】
そして、処理部22は、到達タイミングTaを、特定した製造ロットにおいて製造され、かつクラスタCLに属さない光アンプ101の交換タイミングとして決定する。
【0065】
より詳細には、処理部22は、到達タイミングTaAを、上述した収集装置121のモニタ対象の光アンプ101以外の光アンプ101であり、かつ主要部品の製造ロット番号がクラスタCLAに属する光アンプ101の主要部品の製造ロット番号と同じである光アンプ101の交換タイミングとして決定する。また、処理部22は、到達タイミングTaBを、上述した収集装置121のモニタ対象の光アンプ101以外の光アンプ101であり、かつ主要部品の製造ロット番号がクラスタCLBに属する光アンプ101の主要部品の製造ロット番号と同じである光アンプ101の交換タイミングとして決定する。処理部22は、決定した交換タイミングを放送事業者へ通知する。なお、処理部22は、光アンプ101に付与された製造ロット番号の代わりに、当該光アンプ101の製造ロットを示す符号を特定してもよい。
【0066】
[動作の流れ]
図4は、本開示の実施の形態に係る保守点検システムにおける保守点検処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0067】
図4を参照して、まず、放送事業者は、複数の光アンプ101を設置する。より詳細には、放送事業者は、複数の光アンプ101を備える光放送装置111を設置する(ステップS11)。
【0068】
次に、放送事業者は、光放送装置111における複数の光アンプ101を駆動させる(ステップS12)。
【0069】
次に、放送事業者の局舎に設けられた収集装置121は、駆動中の複数の光アンプ101におけるLD15の駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データD1を取得する。より詳細には、収集装置121は、モニタ対象の複数の光アンプ101における計測部18から時系列データD1,D2を収集する(ステップS13)。
【0070】
次に、収集装置121は、収集した時系列データD1,D2を保守点検装置201へ送信する(ステップS14)。
【0071】
次に、保守点検装置201は、光アンプ101ごとに予め設定された温度補正係数と、光アンプ101の温度の計測結果とを用いて時系列データD1を補正する。より詳細には、保守点検装置201は、収集装置121から受信した時系列データD1に、温度補正係数を乗じて時系列データD1を補正する(ステップS15)。
【0072】
次に、保守点検装置201は、複数の時系列データD1をクラスタリングすることにより、複数の光アンプ101を複数のクラスタCLに分類する(ステップS16)。
【0073】
次に、保守点検装置201は、複数のクラスタCLのうちの少なくともいずれか1つのクラスタCLに属する光アンプ101の交換タイミングを決定する。より詳細には、保守点検装置201は、光アンプ101におけるLD15の駆動電流が上限値Thに達するタイミングである到達タイミングTaを推定し、推定した到達タイミングTaを光アンプ101の交換タイミングとして決定する。また、たとえば、保守点検装置201は、到達タイミングTaを、特定した製造ロット番号が付与され、かつクラスタCLに属さない他の光アンプ101の交換タイミングとして決定する(ステップS17)。
【0074】
次に、保守点検装置201は、決定した交換タイミングを放送事業者へ通知する(ステップS18)。
【0075】
次に、保守点検装置201は、光アンプ101の交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、放送事業者における冷却ファンを遠隔制御することにより当該光アンプ101の冷却を強化するための処理を行う(ステップS19)。
【0076】
次に、放送事業者は、複数の時系列データD1をクラスタリングした結果に基づいて決定された交換タイミングの通知を受けて、当該交換タイミングを待ち受け、当該交換タイミングにおいて光アンプ101を交換する(ステップS20)。
【0077】
放送事業者は、ステップS11において複数の光アンプ101を設置した後、光アンプ101を増設してもよい。
【0078】
保守点検装置201は、光アンプ101の駆動開始時点からの経過時間が短い場合、時系列データD1を高精度でクラスタリングすることができず、当該光アンプ101をクラスタCLに分類することができない場合がある。たとえば、保守点検装置201は、光アンプ101をクラスタCLに分類することができない場合、当該光アンプ101の交換タイミングの決定は現時点では不要と判断してもよい。この場合であっても、保守点検装置201は、当該光アンプ101の駆動開始時点からある程度の時間が経過した後、駆動開始時点からの経過時間に応じた劣化の進行に伴い、当該光アンプ101をいずれかのクラスタCLに分類するか、または当該光アンプ101が属する新規のクラスタCLを生成することができるので、当該光アンプ101が故障する前に、交換タイミングを決定することができる。
【0079】
なお、保守点検装置201は、ステップS19の処理を行う代わりに、クラスタCLAに属する光アンプ101の冷却を強化すべき旨の警告を、放送事業者へ通知してもよい。この場合、放送事業者は、当該警告に従い、当該光アンプ101の冷却を強化する。
【0080】
また、本開示の実施の形態に係る保守点検装置201では、処理部22は、光アンプ101におけるLD15の駆動電流が所定の上限値Thに達するタイミングである到達タイミングTaを推定し、推定した到達タイミングTaを光アンプ101の交換タイミングとして決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、外挿線ELの傾きが所定値以上である場合、当該外挿線ELに対応するクラスタCLに属する光アンプ101は異常であると判定し、到達タイミングTaの推定を行うことなく、所定のタイミングたとえば当日を交換タイミングとして決定する構成であってもよい。この場合、たとえば、処理部22は、所定の警告とともに、決定した交換タイミングを放送事業者へ通知する。
【0081】
また、たとえば、処理部22は、複数のクラスタCLのうちの少なくともいずれか1つのクラスタCLに属する時系列データD1の傾きの平均値が所定値以上である場合、当該クラスタCLに属する光アンプ101の交換を促す構成であってもよい。
【0082】
また、本開示の実施の形態に係る保守点検装置201では、処理部22は、収集装置121のモニタ対象の光アンプ101以外の光アンプ101の交換タイミングを決定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、収集装置121のモニタ対象の光アンプ101の交換タイミングを決定する一方で、収集装置121のモニタ対象の光アンプ101以外の光アンプ101の交換タイミングの決定を行わない構成であってもよい。この場合、処理部22は、交換タイミングを決定した光アンプ101に付与された製造ロット番号の特定を行わなくてもよい。
【0083】
また、本開示の実施の形態に係る保守点検装置201では、処理部22は、光アンプ101の交換タイミングまでの時間が所定値未満である場合、当該光アンプ101の冷却を強化するための処理を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。処理部22は、光アンプ101の冷却を強化するための処理を行わない構成であってもよい。
【0084】
また、本開示の実施の形態に係る保守点検装置201では、取得部21は、光アンプ101ごとに予め設定された温度補正係数と、光アンプ101の温度の計測結果とを用いて時系列データD1を補正する構成であるとしたが、これに限定するものではない。取得部21は、時系列データD1の補正を行わない構成であってもよい。この場合、光アンプ101における計測部18は、時系列データD2の生成を行わない構成であってもよい。
【0085】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0086】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0087】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
LDを備える光アンプの保守点検方法であって、
複数の前記光アンプにおける前記LDの駆動電流の計測値の時間変化をそれぞれ示す複数の時系列データを取得するステップと、
取得した前記複数の時系列データをクラスタリングすることにより、前記複数の光アンプを複数のクラスタに分類するステップと、
前記複数の光アンプを分類した前記複数のクラスタのうちの、少なくともいずれか1つの前記クラスタに属する前記光アンプの交換タイミングを決定するステップとを含み、
前記交換タイミングを決定するステップにおいては、前記クラスタに属する前記光アンプの前記時系列データの外挿線の傾きが所定値以上である場合、前記クラスタに属する前記光アンプは異常であると判定し、異常と判定した前記光アンプの前記交換タイミングを所定のタイミングに決定する、保守点検方法。
【符号の説明】
【0088】
11 入力コネクタ
12A,12B,12C 光カプラ
13A,13B アイソレータ
14 Er添加ファイバ
15 LD
16A,16B 検出用PD
17 制御部
18 計測部
21 取得部
22 処理部
23 記憶部
101 光アンプ
111 光放送装置
121 収集装置
201 保守点検装置
D1a,D1b,D1c,D1d,D1e,D1f,D1g,D1h 時系列データ
CLA,CLB クラスタ
ELA,ELB 外挿線
Th 上限値
TaA,TaB 到達タイミング
図1
図2
図3
図4