(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025150180
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】サクション基礎
(51)【国際特許分類】
E02D 23/00 20060101AFI20251002BHJP
E02D 23/08 20060101ALI20251002BHJP
E02D 27/18 20060101ALI20251002BHJP
E02D 27/52 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
E02D23/00 C
E02D23/08 Z
E02D27/18
E02D27/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050927
(22)【出願日】2024-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】カナデビア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100221512
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 誠司
(72)【発明者】
【氏名】木村 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】東谷 修
(72)【発明者】
【氏名】島 賢治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和樹
(72)【発明者】
【氏名】タウ ター
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046CA13
2D046DA61
(57)【要約】
【課題】基礎本体が分割されている場合でも基礎本体の強度を確保する。
【解決手段】サクション基礎100は、天井壁11と天井壁11から所定の軸心Cの方向へ下方に延びる筒状であって水中の地盤Gに貫入される側周壁12とを含む基礎本体10と、天井壁11に連結され、上下方向に延びる柱状のベース2と、軸心Cを中心とする周方向へ間隔を空けて放射状に配置され、ベース2に連結され、ベース2から下方へ拡がる複数の縦壁3とを備えている。天井壁11及び側周壁12のうち少なくとも一方は、周方向へ分割された複数の分割体を含む。複数の縦壁3のうち軸心Cを中心とする径方向の内端部は、ベース2の外周面に連結されている。天井壁11は、ベース2と複数の縦壁3とに連結されている。側周壁12は、天井壁11と複数の縦壁3とに連結されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井壁と前記天井壁から所定の軸心の方向へ下方に延びる筒状であって水中の地盤に貫入される側周壁とを含む基礎本体と、
前記天井壁に連結され、上下方向に延びる柱状のベースと、
前記軸心を中心とする周方向へ間隔を空けて放射状に配置され、前記ベースに連結され、前記ベースから下方へ拡がる複数の縦壁とを備え、
前記天井壁及び前記側周壁のうち少なくとも一方は、前記周方向へ分割された複数の分割体を含み、
前記複数の縦壁のうち前記軸心を中心とする径方向の内端部は、前記ベースの外周面に連結され、
前記天井壁は、前記ベースと前記複数の縦壁とに連結され、
前記側周壁は、前記天井壁と前記複数の縦壁とに連結されているサクション基礎。
【請求項2】
請求項1に記載のサクション基礎において、
前記天井壁は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体を含み、
前記複数の縦壁のうち少なくとも1つの縦壁は、前記複数の第1分割体のうち前記周方向に隣り合う2つの第1分割体の間を通って前記天井壁を貫通し、
前記2つの第1分割体は、前記2つの第1分割体の間を通る前記縦壁に連結されているサクション基礎。
【請求項3】
請求項1に記載のサクション基礎において、
前記側周壁は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体を含み、
前記複数の縦壁のうち少なくとも1つの縦壁は、前記複数の第2分割体のうち前記周方向に隣り合う2つの第2分割体の間を通って前記側周壁を貫通し、
前記2つの第2分割体は、前記2つの第2分割体の間を通る前記縦壁に連結されているサクション基礎。
【請求項4】
請求項1に記載のサクション基礎において、
前記天井壁は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体を含み、
前記側周壁は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体を含み、
前記複数の縦壁のうち少なくとも1つの縦壁は、前記複数の第1分割体のうち前記周方向に隣り合う2つの第1分割体の間を通って前記天井壁を貫通し、且つ、前記複数の第2分割体のうち前記周方向に隣り合う2つの第2分割体の間を通って前記側周壁を貫通し、
前記2つの第1分割体は、前記2つの第1分割体の間を通る前記縦壁に連結され、
前記2つの第2分割体は、前記2つの第2分割体の間を通る前記縦壁に連結されているサクション基礎。
【請求項5】
請求項1に記載のサクション基礎において、
前記天井壁は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体を含み、
前記側周壁は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体を含み、
前記複数の縦壁のうち前記周方向に隣り合う各2つの縦壁の間には、前記複数の第1分割体のうち一の第1分割体と、前記複数の第2分割体のうち一の第2分割体とが配置され、
前記複数の縦壁の各縦壁は、前記周方向に隣り合う対応する2つの前記第1分割体の間を通って前記天井壁を貫通するとともに前記対応する2つの前記第1分割体に連結され、且つ、前記周方向に隣り合う対応する2つの前記第2分割体の間を通って前記側周壁を貫通するとともに前記対応する2つの前記第2分割体に連結されているサクション基礎。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つに記載のサクション基礎において、
前記複数の縦壁のうち少なくとも1つの縦壁において、前記径方向の内側且つ下方の角部が切り欠かれているサクション基礎。
【請求項7】
請求項1乃至5の何れか1つに記載のサクション基礎において、
前記複数の縦壁は、前記周方向に等間隔に配置されているサクション基礎。
【請求項8】
請求項2、4及び5の何れか1つに記載のサクション基礎において、
前記複数の縦壁のうち前記天井壁よりも上方に突出している部分における前記径方向の外側且つ上方の角部が切り欠かれているサクション基礎。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、サクション基礎に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水中の地盤に設置されるサクション基礎が開示されている。サクション基礎は、天井壁と天井壁の外周縁から下方に延びる側周壁とを備えている。天井壁と側周壁とは、基礎本体を構成する。基礎本体の側周壁は、地盤に貫入される。基礎本体の天井壁には、洋上風車等の上部構造物が取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基礎本体は、分割されている場合がある。すなわち、基礎本体は、分割体によって構成されている場合がある。これにより、サクション基礎を組み立てる際において、サイズの小さい分割体を搬送等すればよいため、サクション基礎を容易に組み立てることができる。しかし、基礎本体が分割されている場合、基礎本体の強度が不足する虞がある。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、基礎本体が分割されている場合でも基礎本体の強度を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されたサクション基礎は、天井壁と前記天井壁から所定の軸心の方向へ下方に延びる筒状であって水中の地盤に貫入される側周壁とを含む基礎本体と、前記天井壁に連結され、上下方向に延びる柱状のベースと、前記軸心を中心とする周方向へ間隔を空けて放射状に配置され、前記ベースに連結され、前記ベースから下方へ拡がる複数の縦壁とを備え、記天井壁及び前記側周壁のうち少なくとも一方は、前記周方向へ分割された複数の分割体を含み、前記複数の縦壁のうち前記軸心を中心とする径方向の内端部は、前記ベースの外周面に連結され、前記天井壁は、前記ベースと前記複数の縦壁とに連結され、前記側周壁は、前記天井壁と前記複数の縦壁とに連結されている。
【発明の効果】
【0007】
基礎本体が分割されている場合でも基礎本体の強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、サクション基礎が設置された状態を模式的に示した説明図である。
【
図2】
図2は、サクション基礎を模式的に示した斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。
【
図5】
図5は、貫入工程前のサクション基礎を示した説明図である。
【
図6】
図6は、貫入工程において、基礎本体が地盤に到達した状態を示した説明図である。
【
図7】
図7は、基礎本体がサクション荷重によって地盤に貫入された状態を示した説明図である。
【
図8】
図8は、変形例に係るサクション基礎を模式的に示した斜視図である。
【
図9】
図9は、側周壁の分割位置の別の例を説明するための断面図である。
【
図10】
図10は、側周壁の分割位置の別の例を説明するための断面図である。
【
図11】
図11は、複数のサクション基礎が設置された状態を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、サクション基礎100が設置された状態を模式的に示した説明図である。サクション基礎100は、水上又は水中に上部構造物を設置するための基礎であり、水中の地盤Gに沈設される。
図1の例では、サクション基礎100は、上部構造物を水上に設置するための基礎である。上部構造物は、例えば風車9である。サクション基礎100は、基礎本体10と、上下方向に延びる柱状のベース2と、ベース2に連結された複数の縦壁3とを備えている。本開示では、2つの部材が連結されているとは、2つの部材が直接連結されている場合のみならず、2つの部材が別の部材を介して間接的に連結されている場合も含む。
【0011】
基礎本体10は、上端が閉塞され且つ下端が開放された容器状に形成されている。基礎本体10は、バケットとも称される。基礎本体10は、天井壁11と、天井壁11から所定の軸心Cの方向へ下方に延びる筒状であって水中の地盤Gに貫入される側周壁12とを含む。この例では、軸心Cは、鉛直方向へ延びている。天井壁11及び側周壁12は、例えば鋼板で形成される。
【0012】
図2は、サクション基礎100を模式的に示した斜視図である。この例では、天井壁11は、水平方向に拡がる略円環状に形成されている。天井壁11は、軸心Cと同軸に配置されている。天井壁11は、略中央に貫通孔18を有する。貫通孔18には、ベース2が配置されている。
【0013】
側周壁12は、略円筒状に形成されている。側周壁12の上端は、例えば溶接により天井壁11の周縁に連結されている。天井壁11と側周壁12とは、基礎本体10の内部空間15を区画する。
【0014】
以下、軸心Cの方向を単に「軸心方向」と称する。軸心Cを中心とする周方向を単に「周方向」と称する。軸心Cを中心とする径方向を単に「径方向」と称する。径方向において軸心Cに向かう側を「径方向内側」と称する。径方向において軸心Cとは反対側を「径方向外側」と称する。軸心Cに直交する断面を「直交断面」と称する。
【0015】
ベース2は、上部構造物を支持する。この例では、ベース2は、円柱状に形成されている。この例では、ベース2は、中空で且つ下端が閉塞している。ベース2は、軸心方向又は軸心方向に対して傾斜した方向へ延びている。この例では、ベース2は、軸心方向へ延び、軸心Cと同軸に配置されている。ベース2の上端21(
図1参照)は、水上に配置されている。ベース2の上端21には、風車9(
図1参照)等の上部構造物が設置される。この例では、ベース2の下端22は、天井壁11よりも下方に位置している。ベース2は、例えば鋼板で形成される。
【0016】
図1に示すように、この例では、基礎本体10は、側周壁12が地盤Gに貫入された状態において、充填材7が充填される充填空間16をさらに区画する。すなわち、充填空間16は、天井壁11、側周壁12及び地盤Gによって区画された空間である。充填空間16は、内部空間15の一部である。充填空間16に充填された充填材7が硬化することによって、基礎本体10の荷重が充填材7を介して地盤Gへ適切に作用してもよい。
【0017】
地盤Gに貫入された側周壁12には、摩擦力が作用する。これにより、サクション基礎100は、地盤Gに強固に固定される。それに加えて、サクション基礎100に外力が作用した場合には、基礎本体10の内部に負圧が発生し、引き抜き抵抗が増加する。これにより、サクション基礎100の安定性が確保される。
【0018】
基礎本体10には、排水管41が設けられている。排水管41は、基礎本体10の内部の水を強制的に排出するための管である。排水管41は、天井壁11において内部空間15に接続されている。天井壁11には、排水孔51が貫通形成されている。排水孔51には、排水管41が接続されている。すなわち、排水管41は、排水孔51を介して内部空間15に連通している。排水管41の上部(具体的には、水面よりも上方の部分)には、バルブ42が設けられている。バルブ42は、排水管41の開通及び遮断を切り替える。
【0019】
排水管41には、排水ポンプ43が接続される。排水ポンプ43の作動により、基礎本体10の内部の水が排水管41を介して基礎本体10の外部に排出される。排水管41は、地盤Gへの基礎本体10の貫入時に使用される。排水管41を介して排水を行うことによって、基礎本体10の地盤Gへの貫入が促進される。
【0020】
基礎本体10には、給水管44が設けられている。給水管44は、サクション基礎100を撤去する際に基礎本体10の内部へ給水するための管である。天井壁11には、給水孔52が貫通形成されている。給水孔52には、給水管44が接続されている。すなわち、給水管44は、給水孔52を介して内部空間15に連通している。給水管44の上部(具体的には、水面よりも上方の部分)には、バルブ45が設けられている。バルブ45は、給水管44の開通及び遮断を切り替える。
【0021】
給水管44には、給水ポンプ46が接続されている。給水ポンプ46の作動により、基礎本体10の内部に給水管44を介して水が供給される。給水管44は、サクション基礎100の撤去時に使用される。給水管44を介して給水を行うことによって、基礎本体10の地盤Gからの浮上が促進される。
【0022】
複数の縦壁3は、基礎本体10を補強するとともに、基礎本体10とベース2との間の連結強度を向上させる。具体的には、複数の縦壁3は、サクション基礎100の貫入時及び貫入後における基礎本体10の座屈などの変形や、ベース2に対する天井壁11の剥離等を防止する。各縦壁3は、例えば鋼板で形成される。各縦壁3は、板状に形成されている。この例では、各縦壁3の形状は、厚み方向から視て略長方形である。すなわち、各縦壁3は、長手方向と、厚み方向と、長手方向及び厚み方向の両方に直交する短手方向とを有する。
【0023】
図2に示すように、複数の縦壁3は、周方向へ間隔を空けて放射状に配置されている。この例では、複数の縦壁3は、周方向に等間隔に配置されている。この例では、複数の縦壁3の個数は、4つである。詳しくは、複数の縦壁3は、各縦壁3の短手方向が径方向と略平行に、且つ、各縦壁3の長手方向が軸心方向と略平行になるように配置されている。複数の縦壁3は、ベース2から下方へ拡がっている。すなわち、複数の縦壁3の下端33は、ベース2の下端22よりも下方に位置している。この例では、軸心方向位置に関して、複数の縦壁3の下端33の位置は、側周壁12の下端17の位置と略一致している。複数の縦壁3の上端32は、ベース2の下端22よりも上方に位置している。複数の縦壁3の上端32は、ベース2の上端21(
図1参照)よりも下方に位置している。
【0024】
この例では、複数の縦壁3のうち少なくとも1つの縦壁3は、側周壁12よりも径方向外側に突出している。詳しくは、全ての縦壁3は、側周壁12よりも径方向外側に突出している。この例では、複数の縦壁3のうち少なくとも1つの縦壁3は、天井壁11よりも上方に突出している。詳しくは、全ての縦壁3は、天井壁11よりも上方に突出している。
【0025】
図3は、
図2のIII-III線における断面図である。詳しくは、
図3は、天井壁11と交差する直交断面である。天井壁11及び側周壁12のうち少なくとも一方は、周方向へ分割された複数の分割体を含む。詳しくは、天井壁11及び側周壁12のうち少なくとも一方は、周方向へ分割された複数の分割体が連結されて構成されている。この例では、天井壁11及び側周壁12の両方が、周方向へ分割された複数の分割体が連結されて構成されている。すなわち、天井壁11は、周方向へ分割された複数の第1分割体61を含む。この例では、複数の第1分割体61の個数は、4つである。側周壁12は、周方向へ分割された複数の第2分割体62を含む。この例では、複数の第2分割体62の個数は、4つである。複数の縦壁3のうち周方向に隣り合う各2つの縦壁3(以下、単に「各2つの縦壁3」と称する。)の間には、複数の第1分割体61のうちの一の第1分割体61と、複数の第2分割体62のうちの一の第2分割体62とが配置されている。
【0026】
複数の第1分割体61は、周方向に並んで配置されている。この例では、各第1分割体61は、中心が切り欠かれた扇形に形成されている。この例では、前述の如く複数の縦壁3は周方向に等間隔に配置されているため、各第1分割体61の形状及びサイズは略同一である。
【0027】
複数の第2分割体62は、周方向に並んで配置されている。この例では、各第2分割体62は、湾曲した板状に形成されている。この例では、前述の如く複数の縦壁3は周方向に等間隔に配置されているため、各第2分割体62の形状及びサイズは略同一である。
【0028】
詳しくは、複数の縦壁3のうち少なくとも1つの縦壁3は、複数の第1分割体61のうち周方向に隣り合う2つの第1分割体61の間を通って天井壁11を貫通している。この例では、複数の縦壁3の各縦壁3は、周方向に隣り合う対応する2つの第1分割体61の間を通って天井壁11を貫通している。複数の縦壁3のうち少なくとも1つの縦壁3は、複数の第2分割体62のうち周方向に隣り合う2つの第2分割体62の間を通って側周壁12を貫通している。この例では、複数の縦壁3の各縦壁3は、周方向に隣り合う対応する2つの第2分割体の間を通って側周壁12を貫通している。
【0029】
続いて、ベース2と複数の縦壁3と天井壁11と側周壁12との連結について詳細に説明する。
【0030】
複数の縦壁3のうち径方向の内端部は、前記ベース2の外周面に連結されている。詳しくは、複数の縦壁3の内端縁のうち、所定の上下長さを有する上方部分が、例えば溶接によりベース2の外周面に連結されている。
【0031】
天井壁11は、ベース2と複数の縦壁3とに連結されている。側周壁12は、天井壁11と複数の縦壁3とに連結されている。
【0032】
詳しくは、複数の第1分割体61のうち周方向に隣り合う2つの第1分割体61(以下、単に「2つの第1分割体61」と称する。)は、2つの第1分割体61の間を通る縦壁3に連結されている。すなわち、2つの第1分割体61は、2つの第1分割体61の間を通る縦壁3を介して間接的に互いに連結されている。複数の第2分割体62のうち周方向に隣り合う2つの第2分割体62(以下、単に「2つの第2分割体62」と称する。)は、2つの第2分割体62の間を通る縦壁3に連結されている。すなわち、2つの第2分割体62は、2つの第2分割体62の間を通る縦壁3を介して間接的に互いに連結されている。
【0033】
この例では、複数の縦壁3の各縦壁3は、周方向に隣り合う対応する2つの第1分割体61に連結され、且つ、周方向に隣り合う対応する2つの第2分割体62に連結されている。詳しくは、各2つの縦壁3の間において、一の第1分割体61は、各2つの縦壁3とベース2とに連結されている。より詳しくは、一の第1分割体61の周方向における一方側の端部は、例えば溶接により、各2つの縦壁3のうちの一方の縦壁3の厚み方向における一方側面に連結されている。一の第1分割体61の周方向における他方側の端部は、例えば溶接により、各2つの縦壁3のうちの他方の縦壁3の厚み方向における一方側面に連結されている。第1分割体61の径方向内側の端部は、例えば溶接によりベース2の外周面に連結されている。
【0034】
前記各2つの縦壁3の間において、一の第2分割体62は、各2つの縦壁3に連結されている。詳しくは、一の第2分割体62の周方向における一方側の端部は、例えば溶接により、各2つの縦壁3のうちの一方の縦壁3の厚み方向における一方側面に連結されている。一の第2分割体62の周方向における他方側の端部は、例えば溶接により、各2つの縦壁3のうちの他方の縦壁3の厚み方向における一方側面に連結されている。
【0035】
図4は、
図2のIV-IV線における断面図である。一の第1分割体61と一の第2分割体62とは、互いに連結されている。詳しくは、一の第1分割体61の径方向外側の周縁部は、例えば溶接により、一の第2分割体62の上端部に連結されている。
【0036】
続いて、サクション基礎100の組立方法の一例について説明する。例えば、まずベース2の外周面に対して放射状に複数の縦壁3を例えば溶接により取り付ける。その後、各2つの縦壁3の間に一の第2分割体62を配置する。その後、各2つの縦壁3に対して例えば溶接により一の第2分割体62を取り付ける。以上の取り付け工程を4つの第2分割体62の全てについて実施する。これにより、側周壁12が形成される。その後、各2つの縦壁3の間において、一の第2分割体62の上方に一の第1分割体61を配置する。その後、一の第1分割体61の径方向外側の周縁部と第2分割体62の上端部とを、周方向における一の第1分割体61の両端部と各2つの縦壁3とを、及び一の第1分割体61の径方向内側の端部とベース2の外周面とを例えば溶接により互いに取り付ける。以上の取り付け工程を4つの第1分割体61の全てについて実施する。これにより、天井壁11が形成されるとともに、天井壁11がベース2に連結される。以上のようにして、サクション基礎100が組み立てられる。
【0037】
サクション基礎100では、天井壁11は、複数の第1分割体61を含む。側周壁12は、複数の第2分割体62を含む。前述の如く、サクション基礎100の組立時においては、分割された各第1分割体61を組み立てて天井壁11を形成し、分割された各第2分割体62を組み立てて側周壁12を形成する。すなわち、サクション基礎100では、組立時において個々の部品が小型化されている。そのため、個々の部品の搬送等を容易に行うことができ、その結果、サクション基礎100を容易に組み立てることができる。特にこの例では、複数の縦壁3が周方向に等間隔に配置されているため、各第1分割体61の形状及びサイズを同一にし、且つ、各第2分割体62の形状及びサイズを同一にすることができる。これにより、基礎本体10を構成する部品の種類数を最小限にすることができる。
【0038】
続いて、サクション基礎100の設置方法について説明する。
図5は、貫入工程前のサクション基礎100を示した説明図である。
図6は、貫入工程において、基礎本体10が地盤Gに到達した状態を示した説明図である。
図7は、基礎本体10がサクション荷重によって地盤Gに貫入された状態を示した説明図である。
【0039】
まず、
図5に示すように、風車9(
図1参照)が設置されていない状態の基礎本体10が設置現場まで曳航される。その後、基礎本体10の地盤Gへの貫入が開始される。詳しくは、基礎本体10は、自重又はバラスト荷重によって海底に沈んでいく。
図6に示すように、側周壁12の下端17は、基礎本体10の自重又はバラスト荷重によって地盤Gに或る程度貫入される。
【0040】
続いて、排水ポンプ43を作動させることによって、基礎本体10の内部空間15の水が排水孔51及び排水管41を介して基礎本体10の外部へ強制排水される。このとき、バルブ45は閉じ、バルブ42は開いている。強制排水により基礎本体10の内外に圧力差が発生する。基礎本体10には圧力差に伴うサクション荷重が作用し、側周壁12は、地盤Gにさらに貫入されていく。このようにして、
図7に示すように、基礎本体10は、地盤Gに貫入される。この後、図示しない充填ポンプによって、充填空間16に充填材7(
図1参照)が充填される。充填材7は、グラウト又はモルタル等である。サクション基礎100の設置完了後に、基礎本体10に風車9が設置される。詳しくは、ベース2の上方に風車9が設置される。
【0041】
サクション基礎100の貫入時において、基礎本体10の内外に圧力差が発生すると、基礎本体10を変形させるような力が作用し得る。サクション基礎100では、複数の第1分割体61は、複数の縦壁3を介して周方向に連結されて天井壁11を構成している。このため、前述のような力が天井壁11に作用しても、複数の縦壁3が天井壁11の変形を阻止する。すなわち、複数の縦壁3は、天井壁11を補強するリブのように機能する。同様に、サクション基礎100では、複数の第2分割体62は、複数の縦壁3を介して周方向に連結されて側周壁12を構成している。このため、前述のような力が側周壁12に作用しても、複数の縦壁3が側周壁12の変形を阻止する。さらに、複数の縦壁3のうち径方向の内端部は、ベース2の外周面に連結されている。このため、複数の縦壁3は、ベース2と一体的に天井壁11及び側周壁12の変形を阻止できる。すなわち、複数の縦壁3がベース2に連結されていることにより、天井壁11及び側周壁12の強度確保にベース2を利用することができる。このように、複数の縦壁3が基礎本体10に設けられていることにより、基礎本体10が分割されている場合でも基礎本体10の強度を確保できる。
【0042】
特にこの例では、複数の縦壁3が周方向に等間隔に配置されているため、周方向において基礎本体10の強度を満遍なく確保できる。また、複数の縦壁3が側周壁12よりも径方向外側に突出しているため、側周壁12の強度をより確実に向上させることができる。また、複数の縦壁3は天井壁11よりも上方に突出している。このため、天井壁11の強度をより確実に向上させることができる。
【0043】
図8は、変形例に係るサクション基礎200を模式的に示した斜視図である。サクション基礎200は、各縦壁203の形状がサクション基礎100と相違する。以下、変形例に係るサクション基礎200のうちサクション基礎100と相違する構成を中心に説明する。
【0044】
サクション基礎200では、複数の縦壁203のうち少なくとも1つの縦壁203において、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれている。この例では、全ての縦壁203において、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれている。詳しくは、各縦壁203のうちベース2の下端22よりも下方且つ側周壁12よりも内側に位置する部分において、径方向の幅が、上方から下方へ向かうに従って減少している。すなわち、各縦壁203のうちベース2の下端22よりも下方且つ側周壁12よりも内側に位置する部分は、上方から下方へ向かう側へ先細りしている。
【0045】
さらに、複数の縦壁203のうち天井壁11よりも上方に突出している部分における径方向の外側且つ上方の角部が切り欠かれている。この例では、全ての縦壁203において、天井壁11よりも上方に突出している部分における径方向の外側且つ上方の角部が切り欠かれている。具体的には、各縦壁203のうち天井壁11よりも上方に突出している部分において、径方向の幅が、下方から上方へ向かうに従って減少している。すなわち、各縦壁203のうち天井壁11よりも上方に突出している部分は、下方から上方へ向かう側へ先細りしている。
【0046】
サクション基礎200では、複数の縦壁203のうち少なくとも1つの縦壁203において、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれているため、地盤Gからの貫入抵抗を低減させることができる。詳しくは、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれている縦壁203では、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれていない縦壁と比較して、貫入時における縦壁203と地盤Gとの接触面積を減少させることができる。その結果、地盤Gからの貫入抵抗を低減させることができる。また、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれているため、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれていない場合よりも縦壁203の重量を減少させることができる。これにより、サクション基礎200の組立時等において、縦壁203を容易に搬送できる。さらに、複数の縦壁203のうち天井壁11よりも上方に突出している部分における径方向の外側且つ上方の角部が切り欠かれているため、縦壁203の重量をさらに減少させることができる。
【0047】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0048】
例えば、基礎本体10の形状は、略円筒状に限られるものではない。基礎本体10は、天井壁11及び側周壁12を有し且つ底が開放された形状であれば、任意の形状に形成することができる。例えば、基礎本体10は、断面が略四角形や略五角形等の角筒状に形成されていてもよい。また、基礎本体10は、天井壁11が湾曲したドーム状に形成されていてもよい。さらに、天井壁11の形状は、円環形に限らず、単に円板状であってもよい。この場合、ベース2の下端22が天井壁11の天面に連結されることにより、ベース2が天井壁11に連結されてもよい。
【0049】
基礎本体10は、側周壁12が地盤Gに貫入された状態において、充填空間16を区画していなくてもよい。すなわち、側周壁12の全体が地盤Gに貫入されてもよい。
【0050】
ベース2の形状は、円柱状でなくてもよい。ベース2の形状は、例えば多角形の断面形状を有する柱状であってもよい。ベース2は、中空でなく中実であってもよい。
【0051】
各縦壁3が天井壁11、側周壁12及びベース2に連結される限り、厚み方向から視た各縦壁3の形状は限定されない。複数の縦壁3の個数は、限定されない。言い換えると、天井壁11の分割数及び側周壁12の分割数は、限定されない。複数の縦壁3の個数は、2つでも3つでも5つ以上であってもよい。複数の縦壁3は、周方向に等間隔に配置されていなくてもよい。
【0052】
各縦壁3は、複数の部材が連結されて形成されていてもよい。例えば、各縦壁3は、天井壁11の天面よりも上方に配置された板状の第1部材と、天井壁11の天面よりも下方に配置された板状の第2部材とが連結されて形成されていてもよい。第1部材の厚みは、第2部材の厚みと同じであっても異なっていてもよい。例えば、第1部材の厚みは、第2部材の厚みよりも大きくてもよい。第1部材の厚み方向に直交する方向の側面のうち外部に露出した部分には、第1部材の厚み方向に延びるフランジが配置されていてもよい。これにより、第1部材の強度を向上させることができる。第1部材は、第2部材よりも負荷が掛かりやすい。その結果、縦壁3全体の強度を効果的に向上させることができる。
【0053】
図2に示した例では、全ての縦壁3が側周壁12よりも径方向外側に突出しているが、少なくとも1つの縦壁3が側周壁12よりも径方向外側に突出していてもよい。また、径方向位置に関して、各縦壁3の外側端は、側周壁12の外周面と略一致していてもよい。また、
図2に示した例では、全ての縦壁3が天井壁11よりも上方に突出しているが、少なくとも1つの縦壁3が天井壁11よりも上方に突出していてもよい。また、軸心方向位置に関して、各縦壁3の上端32は天井壁11の天面と略一致していてもよい。また、軸心方向位置に関して、各縦壁3の下端33は、側周壁12の下端17よりも上方に位置していてもよい。
【0054】
図2に示した例では、天井壁11及び側周壁12の両方が周方向へ分割されているが、天井壁11及び側周壁12の少なくとも一方が周方向へ分割されていればよい。例えば、天井壁11が周方向へ分割され、側周壁12は周方向へ分割されていない、即ち一体に形成されていてもよい。この場合、各縦壁3の径方向外側の外端部は、側周壁12の内周面に連結されていてもよい。例えば、側周壁12が周方向へ分割され、天井壁11は周方向へ分割されていない、即ち一体に形成されていてもよい。この場合、各縦壁3の上端32は、天井壁11の底面に連結されていてもよい。
【0055】
さらに、
図2に示した例では、側周壁12の分割位置が周方向における縦壁3の位置と一致しているが、側周壁12の分割位置は、周方向における縦壁3の位置と一致していなくてもよい。
図9及び
図10は、側周壁12の分割位置の別の例を説明するための断面図(詳しくは、直交断面図)である。例えば、
図9に示すように、側周壁12の分割位置は、複数の縦壁3のうちの一部の縦壁3の、周方向における位置と一致していてもよい。例えば、
図10に示すように、側周壁12の分割位置は、周方向に隣り合う2つの縦壁3の間に位置していてもよい。
図9及び
図10に示した例では、周方向に隣り合う2つの第2分割体61は、互いに直接連結されている。複数の縦壁3の径方向外側の外端部は、側周壁12の内周面に連結されている。さらに、例えば、
図2に示した例において、周方向に隣り合う2つの縦壁3の間に配置された一の第2分割体62が、周方向にさらに分割されていてもよい。天井壁11についても同様に、天井壁11の分割位置は、周方向における縦壁3の位置と一致していなくてもよい。例えば、
図2に示した例において、周方向に隣り合う2つの縦壁3の間に配置された一の第1分割体61が、周方向にさらに分割されていてもよい。
【0056】
図8に示した例では、全ての縦壁203において、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれているが、少なくとも1つの縦壁203において、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれていてもよい。例えば、4つの縦壁203のうち、2つの縦壁203において径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれており、他の2つの縦壁203において径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれていなくてもよい。これにより、基礎本体10の強度を十分に確保しつつ、貫入抵抗を低減させることができる。同様に、
図8に示した例では、全ての縦壁203において、天井壁11から上方へ突出する部分の径方向外側且つ上方の角部が切り欠かれているが、少なくとも1つの縦壁203において、天井壁11から上方へ突出する部分の径方向外側且つ上方の角部が切り欠かれていてもよい。
【0057】
さらに、サクション基礎100に設置される上部構造物は、風車9に限られるものではない。上部構造物は、風況観測塔又はケーソン等であってもよい。
【0058】
図1に示した例では、1つのサクション基礎100(即ち、モノバケット)が上部構造物(即ち、風車9)を支持しているが、複数のサクション基礎100(即ち、マルチバケット)が上部構造物を支持してもよい。
図11は、複数のサクション基礎100が設置された状態を模式的に示した説明図である。複数のサクション基礎100の個数は限定されないが、この例では3つである。3つのサクション基礎100は、軸心方向から視て三角形状に配置されている。各サクション基礎100の各ベース2の上端には、ジャケット8が連結されている。ジャケット8は、複数のフレーム81を含む。各フレーム81は、例えば鋼管である。ジャケット8は、上部構造物の自重や上部構造物に加わる外力(風荷重や地震荷重等)等を複数のサクション基礎100に伝達して、上部構造物を安定的に支持する。ジャケット8の上方に図示しない上部構造物が設置される。
【0059】
[態様]
上述した実施形態は、以下の態様の具体例である。
【0060】
(態様1)
サクション基礎100,200は、天井壁11と前記天井壁11から所定の軸心Cの方向へ下方に延びる筒状であって水中の地盤に貫入される側周壁12とを含む基礎本体10と、前記天井壁11に連結され、上下方向に延びる柱状のベース2と、前記軸心Cを中心とする周方向へ間隔を空けて放射状に配置され、前記ベース2に連結され、前記ベース2から下方へ拡がる複数の縦壁3,203とを備え、前記天井壁11及び前記側周壁12のうち少なくとも一方は、前記周方向へ分割された複数の分割体を含み、前記複数の縦壁3,203のうち前記軸心Cを中心とする径方向の内端部は、前記ベース2の外周面に連結され、前記天井壁11は、前記ベース2と前記複数の縦壁3とに連結され、前記側周壁12は、前記天井壁11と前記複数の縦壁3とに連結されている。
【0061】
この構成によれば、複数の縦壁3,203が、天井壁11及び側周壁12の両方に連結されている。このため、サクション基礎100,200の貫入時において基礎本体10の内外に圧力差が発生し、天井壁11を変形させるような力が天井壁11に作用しても、複数の縦壁3,203が天井壁11の変形を阻止する。すなわち、複数の縦壁3,203は、天井壁11を補強するリブのように機能する。同様に、サクション基礎100,200の貫入時において基礎本体10の内外に圧力差が発生し、側周壁12を変形させるような力が側周壁12に作用しても、複数の縦壁3,203が側周壁12の変形を阻止する。さらに、複数の縦壁3,203のうち径方向の内端部がベース2の外周面に連結されているため、複数の縦壁3,203は、ベース2と一体的に天井壁11及び側周壁12の変形を阻止できる。すなわち、複数の縦壁3,203がベース2に連結されていることにより、天井壁11及び側周壁12の強度確保にベース2を利用することができる。このように、基礎本体10が分割されている場合でも、複数の縦壁3,203により基礎本体10の強度を確保できる。
【0062】
(態様2)
態様1に記載のサクション基礎100,200において、前記天井壁11は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体61を含み、前記複数の縦壁3,203のうち少なくとも1つの縦壁3,203は、前記複数の第1分割体61のうち前記周方向に隣り合う2つの第1分割体61の間を通って前記天井壁11を貫通し、前記2つの第1分割体61は、前記2つの第1分割体61の間を通る前記縦壁3,203に連結されている。
【0063】
この構成によれば、天井壁11が分割されている場合でも、複数の縦壁3,203により基礎本体10の強度を確保できる。
【0064】
(態様3)
態様1又は2に記載のサクション基礎100,200において、前記側周壁12は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体62を含み、前記複数の縦壁3,203のうち少なくとも1つの縦壁3,203は、前記複数の第2分割体62のうち前記周方向に隣り合う2つの第2分割体62の間を通って前記側周壁12を貫通し、前記2つの第2分割体62は、前記2つの第2分割体62の間を通る前記縦壁3,203に連結されている。
【0065】
この構成によれば、側周壁12が分割されている場合でも、複数の縦壁3,203により基礎本体10の強度を確保できる。
【0066】
(態様4)
態様1乃至3の何れか1つに記載のサクション基礎100,200において、前記天井壁11は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体61を含み、前記側周壁12は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体62を含み、前記複数の縦壁3,203のうち少なくとも1つの縦壁3,203は、前記複数の第1分割体61のうち前記周方向に隣り合う2つの第1分割体61の間を通って前記天井壁11を貫通し、且つ、前記複数の第2分割体62のうち前記周方向に隣り合う2つの第2分割体62の間を通って前記側周壁12を貫通し、前記2つの第1分割体61は、前記2つの第1分割体61の間を通る前記縦壁3,203に連結され、前記2つの第2分割体62は、前記2つの第2分割体62の間を通る前記縦壁3,203に連結されている。
【0067】
この構成によれば、天井壁11及び側周壁12の両方が分割されている場合でも、複数の縦壁3,203により基礎本体10の強度を確保できる。
【0068】
(態様5)
態様1乃至4の何れか1つに記載のサクション基礎100,200において、前記天井壁11は、前記周方向へ分割された複数の第1分割体61を含み、前記側周壁12は、前記周方向へ分割された複数の第2分割体62を含み、前記複数の縦壁3,203のうち前記周方向に隣り合う各2つの縦壁3,203の間には、前記複数の第1分割体61のうち一の第1分割体61と、前記複数の第2分割体62のうち一の第2分割体62とが配置され、前記複数の縦壁3,203の各縦壁3,203は、前記周方向に隣り合う対応する2つの前記第1分割体61の間を通って前記天井壁11を貫通するとともに前記対応する2つの前記第1分割体61に連結され、且つ、前記周方向に隣り合う対応する2つの前記第2分割体62の間を通って前記側周壁12を貫通するとともに前記対応する2つの前記第2分割体62に連結されている。
【0069】
この構成によれば、全ての第1分割体61が、複数の縦壁3,203を介して周方向に連結されて天井壁11を構成する。同様に、全ての第2分割体62が、複数の縦壁3,203を介して周方向に連結されて側周壁12を構成する。このため、基礎本体10の強度を一層強固に確保できる。
【0070】
(態様6)
態様1乃至5の何れか1つに記載のサクション基礎200において、前記複数の縦壁203のうち少なくとも1つの縦壁203において、前記径方向の内側且つ下方の角部が切り欠かれている。
【0071】
この構成によれば、サクション基礎200の貫入時において地盤Gからの貫入抵抗を低減させることができる。また、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれているため、径方向内側且つ下方の角部が切り欠かれていない場合よりも縦壁203の重量を減少させることができる。これにより、サクション基礎200の組立時等において、縦壁203を容易に搬送できる。
【0072】
(態様7)
態様1乃至6の何れか1つに記載のサクション基礎100,200において、前記複数の縦壁3,203は、前記周方向に等間隔に配置されている。
【0073】
この構成によれば、周方向において基礎本体10の強度を満遍なく確保できる。
【0074】
(態様8)
態様1乃至7の何れか1つに記載のサクション基礎200において、前記複数の縦壁203のうち前記天井壁11よりも上方に突出している部分における前記径方向の外側且つ上方の角部が切り欠かれている。
【0075】
この構成によれば、複数の縦壁203のうち前記天井壁11よりも上方に突出している部分における径方向外側且つ上方の角部が切り欠かれているため、複数の縦壁203のうち前記天井壁11よりも上方に突出している部分における径方向外側且つ上方の角部が切り欠かれていない場合よりも縦壁203の重量を減少させることができる。これにより、サクション基礎200の組立時等において、縦壁203を容易に搬送できる。
【符号の説明】
【0076】
100,200 サクション基礎
2 ベース
3,203 縦壁
9 風車
10 基礎本体
11 天井壁
12 側周壁
22 ベースの下端
32,232 縦壁の上端
33 縦壁の下端
61 第1分割体
62 第2分割体
C 軸心
G 地盤