(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015034
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】センサ装置、方法、プログラム、およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61M21/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118095
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】517182918
【氏名又は名称】ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】葛西 大樹
(72)【発明者】
【氏名】長谷 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】高澤 和希
(72)【発明者】
【氏名】片山 晴紀
(57)【要約】
【課題】特定周期の刺激がユーザにどの程度与えられているかの把握をしやすくする。
【解決手段】本開示の一態様のセンサ装置は、外部刺激信号を検出する手段と、外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段と、対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段とを具備する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部刺激信号を検出する手段と、
前記外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段と、
前記対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段と
を具備する、センサ装置。
【請求項2】
前記指標は、前記特定周期で強度が変化する視覚的および/または聴覚的刺激の量を表す、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記外部刺激信号は、収音により得られる音検出信号であり、
前記対象成分を抽出する手段は、
前記外部刺激信号のうち、前記特定周期に応じた周波数よりも高く定められた周波数閾値よりも高周波である高周波成分を抽出する手段と、
前記高周波成分の波形の包絡線を検出する手段と、
前記包絡線の検出後に、前記特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで前記対象成分を抽出する手段と、を具備する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記外部刺激信号は、受光により得られる光検出信号であり、
前記対象成分を抽出する手段は、
前記外部刺激信号の検出後に、前記特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで前記対象成分を抽出する手段を具備する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記対象成分を抽出する手段は、前記外部刺激信号に人間の視覚または聴覚特性に基づく補正を行う手段をさらに具備する、
請求項3又は請求項4に記載のセンサ装置。
【請求項6】
刺激出力装置によって出力される刺激を制御する装置入力信号を取得する手段をさらに具備し、
前記指標を生成する手段は、前記装置入力信号にさらに基づいて前記指標を生成する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記指標を出力する手段を更に具備する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項8】
前記指標を出力する手段は、前記指標に基づく情報を表示部に表示する表示装置へ前記指標を出力する、
請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項9】
前記指標を出力する手段は、刺激出力装置を制御する外部装置へ前記指標を出力する、
請求項7に記載のセンサ装置。
【請求項10】
ユーザまたは前記センサ装置の状況を検知する手段と、
前記状況の検知結果について特定の条件が成立する場合に、前記手段の少なくとも1つの消費電力が低下するように当該手段を制御する手段と
をさらに具備する、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項11】
前記外部刺激信号に基づいて、前記特定周期に依存しない周波数帯の視覚的および/または聴覚的刺激の量を表す他の指標を生成する手段をさらに具備する、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項12】
コンピュータが、
センサ装置によって検出された外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出するステップと、
前記対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成するステップと
を実行する、方法。
【請求項13】
コンピュータを、
センサ装置によって検出された外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段、
前記対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段
として機能させる、プログラム。
【請求項14】
センサ装置と表示装置とを含むシステムであって、
前記センサ装置は、
外部刺激信号を検出する手段と、
前記外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段と、
前記対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段と、
前記指標を前記表示装置へ出力する手段と、を具備し、
前記表示装置は、前記センサ装置から取得した前記指標に基づく情報を表示する手段を具備する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ装置、方法、プログラム、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
1秒間に40回程度の頻度でパルス性の光刺激又は音刺激を生物に知覚させ、生物の脳内でガンマ波を誘発させると、生物の認知機能改善に効果があるという研究報告がある(非特許文献1参照)。
ガンマ波とは、脳の皮質の周期的な神経活動を、脳波や脳磁図といった電気生理学的手法により捉えた神経振動のうち、周波数がガンマ帯域(25~140Hz)に含まれるものを指す。
【0003】
光刺激又は音刺激による認知機能改善を試みる場合において、認知機能改善につながる適切な量の刺激が与えられているかを把握することが望まれる。特許文献1には、神経振動モニターを用いて、刺激に対する被検体の神経反応を測定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Multi-sensory Gamma Stimulation Ameliorates Alzheimer’s-Associated Pathology and Improves Cognition Cell 2019 Apr 4;177(2):256-271.e22. doi: 10.1016/j.cell.2019.02.014.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、神経反応を測定するモニター(例えば脳波計)は、持ち運びが困難であることやコストが高いことから、測定を行う環境の制限が大きい。
【0007】
本開示の目的は、特定周期の刺激がユーザにどの程度与えられているかの把握をしやすくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様のセンサ装置は、外部刺激信号を検出する手段と、外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段と、対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態のセンサ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態の光センサ部の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の音センサ部の構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態のホスト部の構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態のゲートウェイ端末の構成を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【
図9】本実施形態のセンシング処理のフローチャートである。
【
図10】本実施形態の実績可視化処理のフローチャートである。
【
図11】本実施形態の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【
図12】変形例1の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、センサ装置10と、ゲートウェイ端末50と、サーバ70とを備える。
【0013】
センサ装置10及びゲートウェイ端末50は、例えばBluetooth(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)またはWi-Fi(登録商標)によって無線接続される。或いは、センサ装置10及びゲートウェイ端末50は、例えばUSB(Universal Serial Bus)によって有線接続されてもよい。
【0014】
ゲートウェイ端末50及びサーバ70は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0015】
センサ装置10は、以下の少なくとも1つの物理量を計測するように構成される。
・特定の周期で強度が変化する光刺激の量(以降、「光刺激の量」と呼ぶ。)
・特定の周期で強度が変化する音刺激の量(以降、「音刺激の量」と呼ぶ。)
なお、後述するように、センサ装置10は、人間の視覚的特性を考慮して光刺激の量を計測してもよく、人間の聴覚特性を考慮して音刺激の量を計測してもよい。
【0016】
センサ装置10は、ユーザの身体(一例として、眼または耳などの近傍)に直接装着され、ユーザの装飾品(一例として、衣服、眼鏡、またはヘッドホンなど)に取付可能に構成され、またはユーザの生活環境(例えば、ユーザが使用する椅子など)に設置される。センサ装置10は、ユーザに与えられた認知機能改善に関わる特定周期の刺激を計測する。
【0017】
さらに、センサ装置10は、計測結果に基づいて、光に関する刺激指標、音に関する刺激指標、または総合的な刺激指標の少なくとも1つを生成してもよい。
【0018】
ゲートウェイ端末50は、情報処理装置または表示装置の一例である。ゲートウェイ端末50は、センサ装置10から計測結果または刺激指標を取得したり、サーバ70にリクエストを送信したりする。ゲートウェイ端末50は、専用端末であってもよいし、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータなどの汎用端末であってもよい。
【0019】
サーバ70は、情報処理装置の一例である。サーバ70は、ゲートウェイ端末50から送信されたリクエストに応じたレスポンスをゲートウェイ端末50に提供する。サーバ70は、例えば、サーバコンピュータである。
【0020】
(1-1)センサ装置の構成
本実施形態のセンサ装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態のセンサ装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、センサ装置10は、光センサ部20と、音センサ部30と、ホスト部40とを備える。なお、センサ装置10が、光刺激の量を計測する機能を要しない場合に、光センサ部20は省略可能である。他方、センサ装置10が、音刺激の量を計測する機能を要しない場合に、音センサ部30は省略可能である。
【0022】
光センサ部20とホスト部40とは、例えばUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)によって有線接続され得る。或いは、光センサ部20とホスト部40とは、例えばBluetoothまたはWi-Fiによって無線接続されてもよい。
【0023】
同様に、音センサ部30とホスト部40とは、例えばUART、SPI、I2Cによって有線接続され得る。或いは、音センサ部30とホスト部40とは、例えばBluetoothまたはWi-Fiによって無線接続されてもよい。
【0024】
光センサ部20は、光に関する計測を行う。光センサ部20は、フォトダイオード又はイメージセンサなどの検出器を含む。一例として、光センサ部20は、特定周波数(具体的には、ガンマ波に対応する周波数)の2倍以上のサンプリングレートを有し、特定周波数に応じた周期で強度が変化する光刺激の量を計測するように構成され得る。オプションとして、光センサ部20は、計測可能な全周波数帯に亘る光の強度を計測するように構成され得る。光センサ部20は、計測結果をホスト部40へ出力する。
【0025】
音センサ部30は、音に関する計測を行う。一例として、音センサ部30は、特定周波数(具体的には、ガンマ波に対応する周波数)に応じた周期で強度が変化する音刺激の量を計測するように構成され得る。オプションとして、音センサ部30は、計測可能な全周波数帯に亘る音の強度を計測するように構成され得る。音センサ部30は、計測結果をホスト部40へ出力する。
【0026】
ホスト部40は、光センサ部20および音センサ部30による計測結果に基づいて刺激指標を生成する。ホスト部40は、刺激指標をゲートウェイ端末50へ出力する。ホスト部40は、光センサ部20および音センサ部30のコントローラに相当する。
【0027】
(1-1-1)光センサ部の構成
本実施形態の光センサ部の構成について説明する。
図3は、本実施形態の光センサ部の構成を示すブロック図である。
【0028】
図3に示すように、光センサ部20は、受光部21と、増幅部22と、フィルタ23と、整流・平滑化部24と、A/D変換部25と、伝送部26とを備える。
【0029】
受光部21は、外界から到来する光を受光することにより、光の強度に応じた電気信号(以下、「光検出信号」という)を発生する。受光部21は、比視感度フィルタを備えていてもよく、外界からの光の強度を、人間の視覚的特性に応じて周波数毎に調整(補正)した結果に応じた電気信号を、光検出信号として発生し得る。受光部21は、発生した光検出信号を増幅部22へ出力する。
【0030】
増幅部22は、受光部21から光検出信号を受け取る。増幅部22は、光検出信号を増幅する。増幅部22は、増幅した光検出信号(以下、「増幅信号」という)をフィルタ23へ出力する。
【0031】
オプションとして、増幅部22は、増幅信号を、フィルタ23に加えて整流・平滑化部24へ出力してもよい。
【0032】
フィルタ23は、増幅部22から増幅信号を受け取る。フィルタ23は、増幅信号のうち特定周波数帯の成分を通過させ、残余の周波数成分を遮断するフィルタ処理を行う。フィルタ23は、フィルタ処理の結果(以下、「第1フィルタ信号」という)を整流・平滑化部24へ出力する。
【0033】
整流・平滑化部24は、フィルタ23から第1フィルタ信号を受け取る。整流・平滑化部24は、第1フィルタ信号の整流および平滑化を行う。整流・平滑化部24は、整流および平滑化の結果(以下、「アナログ光刺激信号」という)をA/D変換部25へ出力する。
【0034】
オプションとして、整流・平滑化部24は、増幅部22から増幅信号を受け取り得る。整流・平滑化部24は、増幅信号の整流および平滑化を行ってもよい。整流・平滑化部24は、整流および平滑化の結果(以下、「アナログ総光量信号」という)をA/D変換部25へ出力してもよい。
【0035】
A/D変換部25は、整流・平滑化部24からアナログ光刺激信号を受け取る。A/D変換部25は、アナログ光刺激信号に対してアナログ/デジタル変換を行う。A/D変換部25は、アナログ/デジタル変換の結果(以下、「光刺激信号」という)を伝送部26へ出力する。
【0036】
オプションとして、A/D変換部25は、整流・平滑化部24からアナログ総光量信号を受け取り得る。A/D変換部25は、アナログ総光量信号に対してアナログ/デジタル変換を行ってもよい。A/D変換部25は、アナログ/デジタル変換の結果(以下、「デジタル総光量信号」という)を伝送部26へ出力してもよい。
【0037】
伝送部26は、A/D変換部25から光刺激信号を受け取る。伝送部26は、光刺激信号をホスト部40へ伝送する。
【0038】
オプションとして、伝送部26は、A/D変換部25からデジタル総光量信号を受け取り得る。伝送部26は、デジタル総光量信号をホスト部40へ伝送してもよい。
【0039】
(1-1-2)音センサ部の構成
本実施形態の音センサ部の構成について説明する。
図4は、本実施形態の音センサ部の構成を示すブロック図である。
【0040】
図4に示すように、音センサ部30は、マイクロホン31と、A特性フィルタ32と、HPF(High Pass Filter)33と、包絡線検出部34と、平滑化部35と、BPF(Band Pass Filter)36と、A/D変換部37と、伝送部38とを備える。
【0041】
マイクロホン31は、外界から到来する音を収音することにより、音の強度(音圧)に応じた電気信号(以下、「音検出信号」という)を発生する。マイクロホン31は、発生した音検出信号をA特性フィルタ32へ出力する。
【0042】
A特性フィルタ32は、マイクロホン31から音検出信号を受け取る。A特性フィルタ32は、人間の聴覚特性に応じて、音検出信号を周波数ごとに調整(補正)する。A特性フィルタ32は、調整結果(以下、「補正済み音検出信号」という)をHPF33へ出力する。
【0043】
オプションとして、A特性フィルタ32は、補正済み音検出信号をHPF33に加えてA/D変換部37へ出力してもよい。
【0044】
HPF33は、A特性フィルタ32から補正済み音検出信号を受け取る。HPF33は、補正済み音検出信号のうち遮断周波数以上の周波数成分を通過させ、残余の周波数成分を遮断するフィルタ処理を行う。HPF33の遮断周波数は、特定周波数帯よりも高く定められる。一例として、特定周波数帯が略40Hz(例えば35~45Hz)である場合に、HPF33の遮断周波数は100Hz程度に定められ得る。HPF33は、フィルタ処理の結果(以下、「第2フィルタ信号」という)を包絡線検出部34へ出力する。
【0045】
包絡線検出部34は、HPF33から第2フィルタ信号を受け取る。包絡線検出部34は、第2フィルタ信号の波形の包絡線を検出する。包絡線検出部34は、検出した包絡線を表す信号(以下、「包絡線信号」という)を平滑化部35へ出力する。
【0046】
平滑化部35は、包絡線検出部34から包絡線信号を受け取る。平滑化部35は、包絡線信号を平滑化する。平滑化部35は、平滑化の結果(以下、「平滑化包絡線信号」という)をBPF36へ出力する。
【0047】
BPF36は、平滑化部35から平滑化包絡線信号を受け取る。BPF36は、平滑化包絡線信号のうち特定周波数帯の成分を通過させ、残余の周波数成分を遮断するフィルタ処理を行う。BPF36は、フィルタ処理の結果(以下、「アナログ音刺激信号」という)をA/D変換部37へ出力する。
【0048】
A/D変換部37は、BPF36からアナログ音刺激信号を受け取る。A/D変換部37は、アナログ音刺激信号に対してアナログ/デジタル変換を行う。A/D変換部37は、アナログ/デジタル変換の結果(以下、「音刺激信号」という)を伝送部38へ出力する。
【0049】
オプションとして、A/D変換部37は、A特性フィルタ32から補正済み音検出信号を受け取り得る。A/D変換部25は、補正済み音検出信号に対してアナログ/デジタル変換を行ってもよい。A/D変換部25は、アナログ/デジタル変換の前に信号の整流及び平滑化を行ってもよい。A/D変換部25は、アナログ/デジタル変換の結果(以下、「騒音強度信号」という)を伝送部38へ出力してもよい。
【0050】
伝送部38は、A/D変換部37から音刺激信号を受け取る。伝送部38は、音刺激信号をホスト部40へ伝送する。
【0051】
オプションとして、伝送部38は、A/D変換部37から騒音強度信号を受け取り得る。伝送部38は、騒音強度信号をホスト部40へ伝送してもよい。
【0052】
(1-1-3)ホスト部の構成
本実施形態のホスト部の構成について説明する。
図5は、本実施形態のホスト部の構成を示すブロック図である。
【0053】
図5に示すように、ホスト部40は、記憶装置41と、プロセッサ42と、入出力インタフェース43と、通信インタフェース44とを備える。
【0054】
記憶装置41は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置41は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0055】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0056】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0057】
プロセッサ42は、記憶装置41に記憶されたプログラムを起動することによって、ホスト部40の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ42は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Gate Array)
【0058】
入出力インタフェース43は、ホスト部40に接続される入力デバイスから情報(例えば、計測結果、ユーザの指示)を取得し、かつ、ホスト部40に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像、音)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、光センサ部20、音センサ部30、ボタン、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、ランプ、又は、それらの組合せである。
【0059】
通信インタフェース44は、ホスト部40と外部装置(例えばゲートウェイ端末50)との間の通信を制御するように構成される。
【0060】
(1-2)ゲートウェイ端末の構成
本実施形態のゲートウェイ端末の構成について説明する。
図6は、本実施形態のゲートウェイ端末の構成を示すブロック図である。
【0061】
図6に示すように、ゲートウェイ端末50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。ゲートウェイ端末50は、ディスプレイ61に接続される。
【0062】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0063】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0064】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0065】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、ゲートウェイ端末50の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ52は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0066】
入出力インタフェース53は、ゲートウェイ端末50に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、ゲートウェイ端末50に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像)を出力するように構成される。
【0067】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ61、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0068】
通信インタフェース54は、ゲートウェイ端末50と外部装置(例えば、センサ装置10、またはサーバ70)との間の通信を制御するように構成される。
【0069】
ディスプレイ61は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ61は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0070】
(1-3)サーバの構成
本実施形態のサーバの構成について説明する。
図7は、本実施形態のサーバの構成を示すブロック図である。
【0071】
図7に示すように、サーバ70は、記憶装置71と、プロセッサ72と、入出力インタフェース73と、通信インタフェース74とを備える。
【0072】
記憶装置71は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置71は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0073】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0074】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0075】
プロセッサ72は、記憶装置71に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ70の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ72は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0076】
入出力インタフェース73は、サーバ70に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ70に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像)を出力するように構成される。
【0077】
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0078】
通信インタフェース74は、サーバ70と外部装置(例えば、ゲートウェイ端末50)との間の通信を制御するように構成される。
【0079】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。
図8は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0080】
図8に示すように、センサ装置10は、ユーザUS2の身体に装着される。一例として、センサ装置10は、眼鏡型に構成され、または眼鏡もしくは他の装飾品に取付可能に構成され得る。センサ装置10は、刺激出力装置SO1、または他の光源、もしくは音源(人工的な光源もしくは音源、または非人工的な光源もしくは音源を含み得る)から発せられた光または音を受ける。
【0081】
センサ装置10は、受けた光のうち、特定周波数(一例として、略40Hzなどのガンマ波に対応する周波数)に応じた周期で強度が変化する成分を抽出する。センサ装置10は、抽出結果に基づいて、ユーザUS2が受けた特定の光刺激の検出結果を定量的に表す指標(以下、「光刺激指標」という)を生成する。特定の光刺激は、上記特定周波数に応じた周期で強度が増減する視覚的刺激、換言すれば特定周期での明るさの増減を伴う光刺激を指す。
【0082】
同様に、センサ装置10は、特定周波数(一例として、略40Hzなどのガンマ波に対応する周波数)に応じた周期で強度が変化する成分を抽出する。センサ装置10は、抽出結果に基づいて、ユーザUS2が受けた特定の音刺激の検出結果を定量的に表す指標(以下、「音刺激指標」という)を生成する。特定の音刺激は、上記特定周波数に応じた周期で強度が増減する聴覚的刺激、換言すれば特定周期での音量の増減を伴う音刺激を指す。
【0083】
これにより、ユーザUS2が受けた、特定周期の刺激(光刺激、音刺激、またはそれらの組み合わせ)を定量的に把握可能な指標を得ることができる。
【0084】
さらに、センサ装置10は、生成した刺激指標(光刺激指標、音刺激指標、またはそれらの組み合わせ)をゲートウェイ端末50へ送信してもよい。
【0085】
ゲートウェイ端末50は、センサ装置10から受信した刺激指標を保存してもよい。ゲートウェイ端末50は、必要に応じて、刺激指標を集計し、所定期間(例えば、1日)に亘る刺激指標の実績を確認するための画面(以下、「実績確認画面」という)(「刺激指標に基づく情報」の一例)をディスプレイ61に表示してもよい。
【0086】
これにより、特定周期の刺激(光刺激、音刺激、またはそれらの組み合わせ)がユーザにどの程度与えられているかを容易に把握することができる。
【0087】
(3)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
【0088】
(3-1)センシング処理
本実施形態のセンシング処理について説明する。
図9は、本実施形態のセンシング処理のフローチャートである。
【0089】
本実施形態のセンシング処理は、例えばセンサ装置10が電源投入されたことに応じて、またはセンサ装置10のセンシング機能が有効化されたことに応じて、開始し得る。
【0090】
図9に示すように、センサ装置10は、外部刺激信号の検出(S110)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、外界からの光信号、音信号、またはそれらの組み合わせを検出する。
【0091】
外部刺激信号の検出(S110)の第1例として、光センサ部20(受光部21)は、外界から到来する光の強度に応じて、光検出信号を発生する。なお、光検出信号は、比視感度フィルタによって補正されていてもよい。
【0092】
外部刺激信号の検出(S110)の第2例として、音センサ部30(マイクロホン31)は、外界から到来する音の強度に応じて、音検出信号を発生する。
【0093】
ステップS110の後に、センサ装置10は、前処理(S111)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、ステップS110において検出した信号に対して、所定の前処理を実行する。
【0094】
前処理(S111)の第1例として、光センサ部20(増幅部22)は、ステップS110において発生した光検出信号を増幅し、増幅信号を得る。
【0095】
前処理(S111)の第2例として、音センサ部30(A特性フィルタ32)は、ステップS110において発生した音検出信号を、人間の聴覚特性に応じて周波数ごとに調整し、補正済み音検出信号を得る。音センサ部30(HPF33)は、この補正済み音検出信号に対して、高域通過型フィルタ処理を行い、第2フィルタ信号を得る。音センサ部30(包絡線検出部34)は、この第2フィルタ信号の波形の包絡線を検出し、包絡線信号を得る。音センサ部30(平滑化部35)は、この包絡線信号を平滑化し、平滑化包絡線信号を得る。
【0096】
ステップS111の後に、センサ装置10は、特定成分の抽出(S112)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、ステップS111において得られた前処理済みの信号のうち特定周波数成分を抽出する。
【0097】
特定成分の抽出(S112)の第1例として、光センサ部20(フィルタ23)は、ステップS111において得られた増幅信号に対して、特定周波数帯(例えば略40Hz)を通過帯域とする帯域通過型フィルタ処理を行い、第1フィルタ信号を得る。
【0098】
特定成分の抽出(S112)の第2例として、音センサ部30(BPF36)は、ステップS111において得られた平滑化包絡線信号に対して、特定周波数帯(例えば略40Hz)を通過帯域とする帯域通過型フィルタ処理を行い、アナログ音刺激信号を得る。
【0099】
ステップS112の後に、センサ装置10は、後処理(S113)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、ステップS113における特定周波数成分の抽出結果に対して、所定の後処理を実行する。
【0100】
後処理(S113)の第1例として、光センサ部20(整流・平滑化部24)は、ステップS112において得られた第1フィルタ信号の整流および平滑化を行い、アナログ光刺激信号を得る。光センサ部20(A/D変換部25)は、このアナログ光刺激信号に対してアナログ/デジタル変換を行い、光刺激信号を得る。光センサ部20(伝送部26)は、この光刺激信号をホスト部40へ伝送する。
【0101】
後処理(S113)の第1例のオプションとして、光センサ部20(整流・平滑化部24)は、ステップS111において得られた増幅信号の整流および平滑化を行い、アナログ総光量信号を得てもよい。光センサ部20(A/D変換部25)は、このアナログ総光量信号に対してアナログ/デジタル変換を行い、デジタル総光量信号を得てもよい。光センサ部20(伝送部26)は、このデジタル総光量信号をホスト部40へ伝送してもよい。
【0102】
後処理(S113)の第2例として、音センサ部30(A/D変換部37)は、ステップS112において得られたアナログ音刺激信号に対してアナログ/デジタル変換を行い、音刺激信号を得る。音センサ部30(伝送部38)は、この音刺激信号をホスト部40へ伝送する。
【0103】
後処理(S113)の第2例のオプションとして、音センサ部30(A/D変換部37)は、ステップS111において得られた補正済み音検出信号に対してアナログ/デジタル変換を行い、騒音強度信号を得てもよい。音センサ部30(伝送部38)は、この騒音強度信号をホスト部40へ伝送してもよい。
【0104】
ステップS113の後に、センサ装置10は、刺激指標の生成(S114)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、ステップS113において得られた刺激信号に基づいて刺激指標を生成する。
【0105】
刺激指標の生成(S114)の第1例として、ホスト部40は、ステップS113において得られた光刺激信号を例えば単位時間毎(例えば、毎秒、または毎分など)に集計することで光刺激指標を生成する。ホスト部40は、光刺激指標を日時に関連付けて記憶装置41に保存してもよい。
【0106】
刺激指標の生成(S114)の第1例のオプションとして、ホスト部40は、ステップS113において得られたデジタル総光量信号を例えば単位時間毎(例えば、毎秒、または毎分など)に集計することで総光量指標を生成してもよい。ホスト部40は、総光量指標を日時に関連付けて記憶装置41に保存してもよい。総光量指標は、光刺激指標(つまり、特定周波数帯)に比べて広い周波数帯の視覚的刺激の検出結果を定量的に表す。
【0107】
刺激指標の生成(S114)の第2例として、ホスト部40は、ステップS113において得られた音刺激信号を例えば単位時間毎(例えば、毎秒、または毎分など)に集計することで音刺激指標を生成する。ホスト部40は、音刺激指標を日時に関連付けて記憶装置41に保存してもよい。
【0108】
刺激指標の生成(S114)の第2例のオプションとして、ホスト部40は、ステップS113において得られた騒音強度信号を例えば単位時間毎(例えば、毎秒、または毎分など)に集計することで騒音指標を生成してもよい。ホスト部40は、騒音指標を日時に関連付けて記憶装置41に保存してもよい。騒音指標は、音刺激指標(つまり、特定周波数帯)に比べて広い周波数帯の聴覚的刺激の検出結果を定量的に表す。
【0109】
ステップS114の後に、センサ装置10は、刺激指標の出力(S115)を実行する。
具体的には、センサ装置10は、ステップS114において生成した刺激指標(光刺激指標、音刺激指標、またはそれらの組み合わせ含む。刺激指標は、さらに、オプションとして総光量指標または騒音指標の少なくとも1つを含み得る)をゲートウェイ端末50へ出力(送信)する。ゲートウェイ端末50は、受信した刺激指標を保存する。また、ゲートウェイ端末50は、刺激指標をサーバ70へ送信してもよい。
【0110】
(3-2)実績可視化処理
本実施形態の実績可視化処理について説明する。
図10は、本実施形態の実績可視化処理のフローチャートである。
図11は、本実施形態の情報処理において表示される画面例を示す図である。
【0111】
本実施形態の実績可視化処理は、例えばユーザがゲートウェイ端末50に対して実績確認画面の表示を要求する指示を行うことで開始し得る。
【0112】
図10に示すように、ゲートウェイ端末50は、対象期間の特定(S150)を実行する。
具体的には、ゲートウェイ端末50は、ユーザからの指示に基づいて、刺激実績の集計範囲(以下、「対象期間」という)を特定する。対象期間は、例えば以下のいずれかを含むことができる。
・現在日時が属する日(つまり本日)もしくはユーザが指定した日、または当該日に属する各時間
・現在日時が属する週(つまり今週)もしくはユーザが指定した週、または当該週に属する各日または各時間
・現在日時が属する月(つまり今月)もしくはユーザが指定した月、または当該月に属する各週または各日
・現在日時が属する年(つまり今年)もしくはユーザが指定した年、または当該年に属する各月または各週
・現在日時から過去1日間(24時間)に属する各時間
・現在日時から過去1週間に属する各日または各時間
・現在日時から過去1ヶ月間に属する各週または各日
・現在日時から過去1年間に属する各月または各週
【0113】
ステップS150の後に、ゲートウェイ端末50は、刺激指標の取得(S151)を実行する。
具体的には、ゲートウェイ端末50は、ステップS150において特定した対象期間に属する日時に関連付けられた刺激指標を取得する。刺激指標は、センサ装置10から取得されてもよいし、記憶装置51から取得されてもよいし、サーバ70から取得されてもよい。
【0114】
ステップS151の後に、ゲートウェイ端末50は、刺激実績の算出(S152)を実行する。
具体的には、ゲートウェイ端末50は、ステップS151において取得した刺激指標を集計することで、表示対象となる実績(一例として、特定の期間(例えば、時間、日、週、月、年)に属する刺激指標の合計(つまり、特定の光刺激または特定の音刺激を受けた累積時間)、当該合計と目標値との差、または当該合計の目標値に対する割合(充足度)、など)を算出する。また、ゲートウェイ端末50は、光刺激指標と音刺激指標の和を合計することで、総合的な刺激実績を算出してもよい。
【0115】
ステップS152の後に、ゲートウェイ端末50は、実績確認画面の出力(S153)を実行する。
具体的には、ゲートウェイ端末50は、ステップS152において算出した刺激実績を表す実績確認画面を生成し、ディスプレイ61に表示する。実績確認画面の例を
図11に示す。
【0116】
図11の実績確認画面は、オブジェクトJ20~J23を含む。オブジェクトJ20~J23は、それぞれ1日単位の刺激実績を表示する。オブジェクトJ20~J23は、タブ形式で構成されており、ユーザ指示に応じて表示/非表示が択一的に切り替えられる。
【0117】
オブジェクトJ20は、オブジェクトJ20a、J20b、J20cを含む。
オブジェクトJ20aは、総合的な刺激実績を表示する。
図11の例では、オブジェクトJ20aは、現在日時が属する日(つまり本日)に亘る光刺激指標と音刺激指標の和の合計(総合実績)と、当該日における光刺激の目標値と音刺激の目標値との和(総合目標)と、総合目標に対する総合実績の割合(充足度)とを円グラフにより示す。
【0118】
オブジェクトJ20bは、光の刺激実績を表示する。
図11の例では、オブジェクトJ20bは、現在日時が属する日(つまり本日)に亘る光刺激指標の合計(光刺激実績)と、当該日における光刺激の目標値(光刺激目標)と、光刺激目標に対する光刺激実績の割合(充足度)とを円グラフにより示す。
【0119】
オブジェクトJ20cは、音の刺激実績を表示する。
図11の例では、オブジェクトJ20cは、現在日時が属する日(つまり本日)に亘る音刺激指標の合計(音刺激実績)と、当該日における音刺激の目標値(音刺激目標)と、音刺激目標に対する音刺激実績の割合(充足度)とを円グラフにより示す。
【0120】
なお、
図11の画面には示されていないが、総光量指標または騒音指標の少なくとも一方の実績が実績確認画面に含められてもよい。総光量指標の実績により、ユーザが何時にどのくらいの光を浴びたかを把握し、ユーザが浴びた光による概日リズムへの影響を評価することができる。また、騒音指標の実績により、ユーザが大音量を長時間聞き続けていないかを把握し、ユーザの難聴リスクを評価することができる。
【0121】
また、
図11の画面には示されていないが、所定期間(例えば日次)の実績または充足度に加えて、より長い期間(例えば週次、月次、または年次)の累計スコアが実績確認画面に含められてもよい。或いは、リアルタイム(一例として、現在時刻から所定秒または所定分前まで)の刺激指標の実績が実績確認画面に含められてもよい。
【0122】
さらに、
図11の画面には示されていないが、刺激実績に基づくコメントが実績確認画面に含められてよい。第1例として、充足度が閾値未満である場合に、「もっと頑張りましょう」などのユーザに特定の光刺激または特定の音刺激をより積極的に受けるように促すコメントが実績確認画面に含められ得る。第2例として、充足度が閾値以上である場合に、「もう十分です」などのユーザが特定の光刺激または特定の音刺激を過剰に受けるのを抑止するコメントが実績確認画面に含められ得る。
【0123】
(4)小括
以上説明したように、本実施形態のセンサ装置10は、外部刺激信号を検出し、当該外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する成分(以下、「対象成分」という)を抽出し、対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する刺激指標を生成する。これにより、ユーザが受けた、特定周期の刺激(例えば認知機能改善に関わる光刺激、音刺激、またはそれらの組み合わせ)を定量的に把握可能な指標を得ることができる。
【0124】
刺激指標は、特定周期で強度が変化する視覚的および/または聴覚的刺激の量を表してもよい。これにより、ユーザが受けた、特定周期で強度が変化する視覚的および/または聴覚的刺激を定量的に把握可能な指標を得ることができる。
【0125】
外部刺激信号は、収音により得られる音検出信号であってよい。センサ装置10は、外部刺激信号のうち、特定周期に応じた周波数よりも高く定められた周波数閾値よりも高周波である高周波成分を抽出し、当該高周波成分の波形の包絡線を検出してもよい。センサ装置10は、包絡線の検出後に、特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで対象成分を抽出してもよい。これにより、例えば40Hzの純音のような低周波音を誤検出せず、特定周期で強度が増減するように振幅変調された変調音を適切に検出することができる。
【0126】
センサ装置10は、フィルタ23により対象成分を抽出してもよく、センサ装置10はフィルタ23の出力信号を整流することで第1信号を生成し、第1信号を平滑化することで第2信号を生成してもよい。センサ装置10は、第2信号に基づいて刺激指標を生成してもよい。これにより、刺激指標を生成するために必要とされるサンプリングレートを抑制することができる。
外部刺激信号は、受光により得られる光検出信号であってもよい。センサ装置10は、外部刺激信号の検出後に、特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで対象成分を抽出してもよい。これにより、特定周期で強度が増減するように振幅変調された変調光を適切に検出することができる。
【0127】
センサ装置10は、外部刺激信号に人間の視覚および/または聴覚特性に基づく補正を行ってもよい。これにより、人間の知覚特性に応じて、人が感知できた刺激量を反映した対象成分を抽出することができる。
【0128】
センサ装置10は、刺激指標を(例えば、指標に基づく情報をディスプレイ61に表示するゲートウェイ端末50へ)出力してもよい。これにより、外部装置により、刺激指標に基づく情報をユーザに提示したり、さらなる情報処理に用いたりすることができる。
【0129】
センサ装置10は、外部刺激信号に基づいて、特定周期に依存しない周波数帯の視覚的および/または聴覚的刺激の量を表す総光量指標または騒音指標を生成してもよい。これにより、ユーザの概日リズムまたは難聴リスクに関する評価に有用な情報を提供することができる。
【0130】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0131】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、刺激指標を刺激出力装置の制御に用いる例である。
【0132】
図12は、変形例1の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0133】
図12に示すように、変形例1の情報処理システム2は、センサ装置10と、ゲートウェイ端末50と、サーバ70と、刺激出力装置80とを備える。
【0134】
ゲートウェイ端末50およびサーバ70の少なくとも一方と、刺激出力装置80とは、ネットワークNWを介して接続される。或いは、ゲートウェイ端末50および刺激出力装置80は、例えばBluetoothまたはWi-Fiなどにより無線接続されてもよい。いずれにせよ、ゲートウェイ端末50、またはサーバ70の少なくとも1つ(以下、便宜的に「刺激制御装置」という)が、刺激指標に基づいて装置入力信号(制御信号)を生成し、当該装置入力信号を刺激出力装置80へ送信する。
【0135】
刺激出力装置80は、以下の少なくとも1つを含むことができる。
・画面輝度を特定周波数に応じた周期で増減させる機能を備える表示装置
・出力音量を特定周波数に応じた周期で増減させる機能を備えるスピーカ、イヤホン、または補聴器
・照明光を特定周波数に応じた周期で明滅させる機能を備える照明装置
・外光の取り込みの強弱を特定周波数に応じた周期で変化させる機能を備える遮光窓またはカーテン
【0136】
第1例として、刺激制御装置は、光刺激指標が第1条件を満たす場合に、ユーザに与えられる特定の光刺激の量が増加(例えば、特定の光刺激を与えられる期間または頻度が増加、または特定の光刺激の強度が増加)するように、刺激出力装置80に対する装置入力信号を生成してもよい。
【0137】
第1条件は、以下のいずれかであってよい。
・特定期間(例えば、現在日時が属する日(つまり本日))の光刺激実績が閾値未満である
・特定期間の光刺激実績の目標値に対する不足分が閾値以上である
・特定期間の光刺激実績の増加速度が閾値未満である
【0138】
第2例として、刺激制御装置は、光刺激指標が第2条件を満たす場合に、ユーザに与えられる特定の光刺激の量が減少(例えば、特定の光刺激を与えられる期間または頻度が減少、または特定の光刺激の強度が減少)するように、刺激出力装置80に対する装置入力信号を生成してもよい。
【0139】
第2条件は、以下のいずれかであってよい。
・特定期間(例えば、現在日時が属する日(つまり本日))の光刺激実績が閾値以上である
・特定期間の光刺激実績の目標値に対する不足分が閾値未満である
・特定期間の光刺激実績の増加速度が閾値以上である
【0140】
第3例として、刺激制御装置は、音刺激指標が第3条件を満たす場合に、ユーザに与えられる特定の音刺激の量が増加(例えば、特定の音刺激を与えられる期間または頻度が増加、または特定の音刺激の強度が増加)するように、刺激出力装置80に対する装置入力信号を生成してもよい。
【0141】
第3条件は、以下のいずれかであってよい。
・特定期間(例えば、現在日時が属する日(つまり本日))の音刺激実績が閾値未満である
・特定期間の音刺激実績の目標値に対する不足分が閾値以上である
・特定期間の音刺激実績の増加速度が閾値未満である
【0142】
第4例として、刺激制御装置は、音刺激指標が第4条件を満たす場合に、ユーザに与えられる特定の音刺激の量が減少(例えば、特定の音刺激を与えられる期間または頻度が減少、または特定の音刺激の強度が減少)するように、刺激出力装置80に対する装置入力信号を生成してもよい。
【0143】
第4条件は、以下のいずれかであってよい。
・特定期間(例えば、現在日時が属する日(つまり本日))の音刺激実績が閾値以上である
・特定期間の音刺激実績の目標値に対する不足分が閾値未満である
・特定期間の音刺激実績の増加速度が閾値以上である
【0144】
以上説明したように、変形例1のセンサ装置10は、刺激指標を、刺激制御装置(刺激出力装置80を制御するゲートウェイ端末50またはサーバ70などの外部装置)へ出力する。これにより、ユーザに対する光刺激または音刺激の量が適切に制御されるので、光刺激実績または音刺激実績が目標値を達成するよう、また過大とならないように促すことができる。
【0145】
さらなる変形例として、センサ装置10、ゲートウェイ端末50、またはサーバ70は、刺激制御装置によって生成された装置入力信号を受信(刺激出力装置80への中継を含み得る)してもよい。そして、装置入力信号にさらに基づいて刺激指標または刺激実績を生成(補正を含み得る)してもよい。これにより、ユーザがセンサ装置10を装着していない、刺激出力装置80からの外部刺激がセンサ装置10に届いていない、などの、センサ装置10が外部刺激を適切に検出できない環境下でも、実態に近い刺激指標または刺激実績を得ることができる。
【0146】
さらなる変形例として、センサ装置10、ゲートウェイ端末50、またはサーバ70は、ユーザの生体指標のセンシングデータ、またはこの分析結果(特に、ユーザのストレス指標、またはユーザが寝ているか起きているか、など)に基づいて装置入力信号を生成(補正を含み得る)してもよい。例えば、ユーザが強いストレスを受けているなどの刺激受容の余力が少ない状況では特定の光刺激または音刺激の量を減少させてもよい。
【0147】
(5-2)変形例2
変形例2は、刺激指標または刺激実績に基づく通知を行う例である。
【0148】
変形例2のゲートウェイ端末50またはサーバ70は、刺激実績に基づく通知を通知対象装置に対して送信する。通知対象装置は、ゲートウェイ端末50であってもよいし、ユーザが使用する別の情報処理装置であってもよいし、ユーザの関係者が使用する情報処理装置であってもよい。
【0149】
ユーザの関係者は、以下の少なくとも一者であってよい。
・ユーザの家族
・ユーザを担当する医師
・ユーザが被保険者である保険の保険者(保険会社)
・ユーザが利用している施設の管理者
・ユーザが所属する会社(特に、会社の管理部門)
【0150】
ゲートウェイ端末50またはサーバ70は、例えば以下の条件のいずれかが成立する場合に、通知対象装置に対して通知を送信してもよい。
・定期的に設定された通知タイミング(例えば、毎日の所定時刻、または所定曜日の所定時刻)が到来した
・充足度が閾値未満である
・充足度が閾値未満である日の連続数が閾値を超えた
・充足度が閾値未満である日の頻度が閾値を超えた
・充足度が閾値以上である
・充足度が閾値以上である日の連続数が閾値を超えた
・充足度が閾値以上である日の頻度が閾値を超えた
【0151】
通知は、実績確認画面に含められる情報と同様であってもよい。或いは、通知は、関係者にユーザに対する働きかけを推奨するメッセージを含んでもよい。働きかけは、例えば、特定の光刺激または特定の音刺激をより積極的に受けるように促すこと、であってもよいし、特定の光刺激または特定の音刺激を適切に受けていることを褒めること、であってもよい。
【0152】
(5-3)変形例3
変形例3は、センサ装置10が特定条件下において、低電力モードで動作し、または動作を停止する例である。
【0153】
変形例3のセンサ装置10は、例えばユーザまたはセンサ装置10の状況に関する以下のいずれかの条件が成立する場合に、低電力モードで動作、または動作を停止する。
・ユーザがセンサ装置10を装着していない
・ユーザが寝ている
・外界からの刺激が殆どない(例えば、真っ暗な状況、または静粛な状況)
・低電力モードに切り替えるためのユーザによる指示が入力された
【0154】
ユーザがセンサ装置10を装着しているか否かは、例えば加速度センサまたはジャイロセンサのセンシングデータを基準と比較することで、またはユーザの身体との接触によりオンとなるスイッチの状態、などに基づいて判定され得る。
【0155】
ユーザが寝ているか否かは、例えば、照度センサ、加速度センサ、またはジャイロセンサのセンシングデータを基準と比較することで、ユーザの生体指標のセンシングデータに基づいて、またはユーザの睡眠を管理する他のアプリまたはデバイスからのデータに基づいて、判定され得る。
【0156】
外界からの刺激が殆どないか否かは、例えば騒音センサまたは照度センサのセンシングデータ、または前述の騒音指標または総光量指標を基準と比較することで判定され得る。
【0157】
ここで、低電力モードで動作するとは、以下のいずれかの動作を含み得る。
・センシング処理の実行頻度を下げる
・センシング処理を実行するハードウェアの少なくとも1つの動作スピード(例えばクロック数)を下げる
・センシング処理によって得られたデータ(刺激指標)を一部破棄する
【0158】
動作を停止するとは、少なくともセンシング処理を行わないこと、を意味する。
【0159】
以上説明したように、変形例3のセンサ装置は、ユーザまたは当該センサ装置の状況を検知し、状況の検知結果について特定の条件が成立する場合に、消費電力が低下するように動作を制御する。これにより、特定の光刺激または音刺激が検出し難い状況や、ユーザの受けた刺激を適切に計測し難い状況において、消費電力を節約し、センサ装置10の連続動作可能な時間を伸ばすことができる。また、睡眠中などでユーザが感知できていない刺激をセンサが検出してしまうことによる、刺激の計測結果と実際にユーザに与えられた刺激との差を抑制することができる。
【0160】
(6)その他の変形例
記憶装置41は、ネットワークNWを介して、ホスト部40と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイ端末50と接続されてもよい。ディスプレイ61は、ゲートウェイ端末50と一体化されてもよい。記憶装置71は、ネットワークNWを介して、サーバ70と接続されてもよい。
【0161】
上記の情報処理の各ステップは、センサ装置10、ゲートウェイ端末50及びサーバ70の何れでも実行可能である。例えば、いずれかの装置によって行われるとして説明された処理が別の装置によって行われたり、複数の装置のやり取りによって行われるとして説明された処理が単一の装置によって行われたりしてもよい。例えば、センサ装置10とゲートウェイ端末50は一体となって構成されていてもよい。また、上記説明では、各処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。
【0162】
本実施形態では、アナログフィルタ(つまり、フィルタ23およびBPF36)を用いて特定周波数の成分を抽出する例を示した。しかしながら、デジタルフィルタを用いて特定周波数の成分を抽出することも可能である。この場合に、A/D変換部(つまり、A/D変換部25およびA/D変換部37)が、デジタルフィルタよりも前に配置されることになる。さらに、デジタルフィルタを用いる場合に、デジタル信号処理(デジタルフィルタ処理、後処理、または刺激指標の算出の少なくとも1つ)が、光センサ部20または音センサ部30に代わって、ホスト部40によって行われてもよい。
【0163】
本実施形態では、ゲートウェイ端末50のディスプレイ61に実績確認画面を表示する例を示した。しかしながら、センサ装置10がディスプレイなどの出力デバイスを備えてもよく、センサ装置10は刺激指標または刺激実績を出力デバイス経由でユーザに提示(例えばディスプレイに表示)してもよい。
【0164】
センサ装置10は、特定の光刺激または特定の音刺激に施されている振幅変調の変調度または変調の深さを測定し、刺激指標の要素として加えてもよい。また、センサ装置10は、特定の光刺激または特定の音刺激を構成する光の色もしくは明るさ、または音の高さもしくは音量を測定し、刺激指標の要素として加えてもよい。センサ装置10は、他の指標(例えば、加速度、ユーザの生体指標(心拍、血圧、脳波、脈波、または活動量など)、ユーザの視線)を用いて刺激指標を生成(補正を含み得る)してもよい。他の指標は、センサ装置10によって計測されてもよいし、別の装置(例えば、ウェアラブルデバイス)によって計測されてもよい。
【0165】
センサ装置10は、様々な充電手段を備え得る。例えば、センサ装置10は、ソーラー充電、振動発電、またはワイヤレス充電などが可能に構成されてよい。これにより、センサ装置10は、間断なく計測を継続することができる。
【0166】
上記説明では、ガンマ波に対応する周波数として、35Hz以上45Hz以下の周波数を想定した場合の例を中心に説明した。ただし、これに限定されず、ガンマ波に対応する周波数として、聴者の脳内におけるガンマ波の誘発又は同期に影響する数値範囲を想定可能である。例えば、ガンマ波に対応する周波数として、25Hz以上140Hz以下の周波数を想定してもよい。また例えば、かかる周波数が経時的に変化してもよく、当該周波数として35Hz未満の周波数又は45Hzより高い周波数を一時的に許容していてもよい。
【0167】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【0168】
(7)付記
実施形態および変形例で説明した事項を、以下に付記する。
【0169】
(付記1)
外部刺激信号を検出する手段(21,31,S110)と、
外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段(23,36,S112)と、
対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段(S114)と
を具備する、センサ装置(10)。
【0170】
(付記2)
特定の外部刺激の量に関する指標は、特定周期で強度が変化する視覚的および/または聴覚的刺激の量を表す、
付記1に記載のセンサ装置。
【0171】
(付記3)
外部刺激信号は、収音により得られる音検出信号であり、
対象成分を抽出する手段は、
外部刺激信号のうち、特定周期に応じた周波数よりも高く定められた周波数閾値よりも高周波である高周波成分を抽出する手段(33,S111)と、
高周波成分の波形の包絡線を検出する手段(34,S111)と、
包絡線の検出後に、特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで対象成分を抽出する手段と(36,S112)、を具備する、
付記1または付記2に記載のセンサ装置。
【0172】
(付記4)
外部刺激信号は、受光により得られる光検出信号であり、
対象成分を抽出する手段は、
外部刺激信号の検出後に、特定周期に対応する周波数帯を通過帯域とする周波数フィルタ処理を行うことで対象成分を抽出する手段(23,S112)を具備する、
付記1に記載のセンサ装置。
【0173】
(付記5)
対象成分を抽出する手段は、外部刺激信号に人間の視覚および/または聴覚特性に基づく補正を行う手段をさらに具備する、
付記3又は付記4に記載のセンサ装置。
【0174】
(付記6)
刺激出力装置によって出力される刺激を制御する装置入力信号を取得する手段をさらに具備し、
指標を生成する手段は、装置入力信号にさらに基づいて指標を生成する、
付記1乃至付記5のいずれかに記載のセンサ装置。
【0175】
(付記7)
指標を出力する手段(S115)を更に具備する、
付記1乃至付記6のいずれかに記載のセンサ装置。
【0176】
(付記8)
指標を出力する手段は、指標に基づく情報を表示部(61)に表示する表示装置(50)へ指標を出力する、
付記7に記載のセンサ装置。
【0177】
(付記9)
指標を出力する手段は、刺激出力装置(80)を制御する外部装置へ指標を出力する、
付記7または付記8に記載のセンサ装置。
【0178】
(付記10)
ユーザまたはセンサ装置の状況を検知する手段と、
状況の検知結果について特定の条件が成立する場合に、手段の少なくとも1つの消費電力が低下するように当該手段を制御する手段と
をさらに具備する、付記1乃至付記9のいずれかに記載のセンサ装置。
【0179】
(付記11)
外部刺激信号に基づいて、特定周期に依存しない周波数帯の視覚的および/または聴覚的刺激の量を表す他の指標を生成する手段(S114)をさらに具備する、
付記1乃至付記10のいずれかに記載のセンサ装置。
【0180】
(付記12)
コンピュータ(40,50,70)が、
センサ装置によって検出された外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出するステップ(S112)と、
対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成するステップ(S114)と
を実行する、方法。
【0181】
(付記13)
コンピュータ(40,50,70)を、
センサ装置によって検出された外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段(S112)、
対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段(S114)
として機能させる、プログラム。
【0182】
(付記14)
センサ装置(10)と表示装置(50)とを含むシステム(1,2)であって、
センサ装置は、
外部刺激信号を検出する手段(21,31,S110)と、
外部刺激信号から、特定周期で強度が変化する対象成分を抽出する手段(23,36,S112)と、
対象成分に基づいて特定の外部刺激の量に関する指標を生成する手段(S114)と、
指標を表示装置へ出力する手段(S115)と、を具備し、
表示装置は、センサ装置から取得した指標に基づく情報を表示する手段(S153)を具備する、
システム。
【符号の説明】
【0183】
1 :情報処理システム
2 :情報処理システム
10 :センサ装置
20 :光センサ部
21 :受光部
22 :増幅部
23 :フィルタ
24 :平滑化部
25 :A/D変換部
26 :伝送部
30 :音センサ部
31 :マイクロホン
32 :A特性フィルタ
33 :HPF
34 :包絡線検出部
35 :平滑化部
36 :BPF
37 :A/D変換部
38 :伝送部
40 :ホスト部
41 :記憶装置
42 :プロセッサ
43 :入出力インタフェース
44 :通信インタフェース
50 :ゲートウェイ端末
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
61 :ディスプレイ
70 :サーバ
71 :記憶装置
72 :プロセッサ
73 :入出力インタフェース
74 :通信インタフェース
80 :刺激出力装置