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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015101
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】摩擦試験装置及び摩擦試験方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 19/02 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
G01N19/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118250
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諫山 直生
(57)【要約】
【課題】路面部材の温度のバラツキを抑制可能な摩擦試験装置及び摩擦試験方法を提供する。
【解決手段】摩擦試験装置は、試験用ゴム体と接触する試験路面を有する路面部材と、液体を前記路面部材に接触させる液体接触手段と、前記路面部材と接触する前記液体の温度を調節可能な液温調節手段と、を備える。摩擦試験方法は、液体を試験路面を有する路面部材に接触させる液体接触工程と、前記液体の温度を調節する液温調節工程と、試験用ゴム体を前記試験路面に対して相対移動させて前記試験用ゴム体の摩擦係数を計測する計測工程と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験用ゴム体と接触する試験路面を有する路面部材と、
液体を前記路面部材に接触させる液体接触手段と、
前記路面部材と接触する前記液体の温度を調節可能な液温調節手段と、を備える、摩擦試験装置。
【請求項2】
前記液体接触手段は、前記液体を貯留する液体槽を備え、
前記路面部材は、前記液体槽に収容されている、請求項1に記載の摩擦試験装置。
【請求項3】
前記液体槽は、断熱層を備える、請求項2に記載の摩擦試験装置。
【請求項4】
前記液体接触手段は、前記試験路面上に前記液体の膜を形成可能に構成されている、請求項1に記載の摩擦試験装置。
【請求項5】
前記試験路面は、長手方向を有する形状に形成され、
前記液体接触手段は、前記試験路面の短手方向両端に位置する前記路面部材の各側面と前記液体とを接触させる、請求項1~4の何れか1項に記載の摩擦試験装置。
【請求項6】
液体を試験路面を有する路面部材に接触させる液体接触工程と、
前記液体の温度を調節する液温調節工程と、
試験用ゴム体を前記試験路面に対して相対移動させて前記試験用ゴム体の摩擦試験を行うする摩擦試験工程と、を含む、摩擦試験方法。
【請求項7】
前記液体接触工程は、前記液体を貯留した液体槽の中で行われる、請求項6に記載の摩擦試験方法。
【請求項8】
前記液体槽は、断熱層を備える、請求項7に記載の摩擦試験方法。
【請求項9】
前記液体接触工程では、前記試験路面上に前記液体の膜を形成する、請求項6に記載の摩擦試験方法。
【請求項10】
前記液体接触工程では、長手方向を有する形状に形成された前記試験路面の短手方向両端に位置する前記路面部材の各側面と前記液体とを接触させる、請求項6~9の何れか1項に記載の摩擦試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、摩擦試験装置及び摩擦試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品の摩擦試験装置として、ゴム製品又はそれと同じゴムで作製された試験用ゴム片を試験用路面部材に押し当てて摩擦性能を評価する摩擦試験装置が用いられている。ゴム製品の摩擦性能は、ゴム製品と接触する路面の温度によって変化するので、路面部材の温度調節が必要になる。
【0003】
特許文献1には、路面部材にヒータを埋設して、路面部材の温度を調節する摩擦試験装置が開示されている。当該摩擦試験装置のように、路面部材にヒータを埋設すると路面部材の破損リスクがある。ヒータを路面部材に埋設せず路面部材の底面に設置しても、路面部材に熱が伝わりにくく、路面部材の温度にバラツキが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-233797公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、路面部材の温度のバラツキを抑制可能な摩擦試験装置及び摩擦試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の摩擦試験装置は、試験用ゴム体と接触する試験路面を有する路面部材と、液体を前記路面部材に接触させる液体接触手段と、前記路面部材と接触する前記液体の温度を調節可能な液温調節手段と、を備える。
【0007】
本開示の摩擦試験方法は、液体を試験路面を有する路面部材に接触させる液体接触工程と、前記液体の温度を調節する液温調節工程と、試験用ゴム体を前記試験路面に対して相対移動させて前記試験用ゴム体の摩擦係数を計測する計測工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】摩擦試験装置の一例を概略的に示す図
図2】路面部材、液体接触手段及び液温調節手段を示す平面図
図3図2のIII-III線断面図
図4】試験用ゴム体の移動経路を説明する図
図5】好ましい形状を有する試験用ゴム体の三面図
図6】試験用ゴム体の前方側エッジの側面の例を示す図
【0009】
<摩擦試験装置>
まずは、摩擦試験装置100の一例について、図1図6を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。図1は、摩擦試験装置100の一例を概略的に示す図である。
【0010】
図1に示すように、摩擦試験装置100は、路面と接触するゴム製品の摩擦性能評価に用いることができる。ゴム製品は、例えば、タイヤや靴底などである。タイヤは、空気入りタイヤであってもよく、非空気圧タイヤであってもよい。
【0011】
摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rと接触する試験路面1aを有する路面部材1と、液体を路面部材1に接触させる液体接触手段2と、路面部材1と接触する液体の温度を調節可能な液温調節手段3と、備えている。斯かる構成によれば、液温調節手段3で調節された液体を路面部材1に接触させることにより、液体を介して路面部材1の温度を調節できる。これにより、ヒータで温度調節をした場合よりも路面部材1への(からの)熱伝導が良好になり、路面部材1の温度のバラツキを抑制できる。また、路面部材1への加工を要しないので、ヒータ埋設用穴などを設けることによる路面部材1の破損リスクがない。
【0012】
試験用ゴム体Rは、ゴム製品そのものであってもよく、ゴム製品と同じゴム材料で作製された試験用ゴム片であってもよい。試験用ゴム体Rは、例えば、加硫ゴムにより作製され、試験路面1aに押し当てられる平坦面Rf(図5参照)を有する。図1の例では、試験用ゴム体Rが直方体形状に形成され、その上面が後述するホルダー4に接着されている。したがって、試験路面1aと対面する試験用ゴム体Rの下面が、試験路面1aに押し当てられる平坦面Rfとなる。試験用ゴム体Rは、平坦面Rfを有する略半球形状などに形成されていてもよい。
【0013】
液体は、空気よりも熱伝導率が高く、温度調節時に個体とならない物質である。液体は、水(例えば、水道水や蒸留水)であることが好ましい。これにより、雨水と近い液体で、後述する試験用ゴム体Rの濡れた路面上の摩擦係数(wetμ)を計測することができる。また、液体を水とすることにより、他の液体を使用した場合よりも試験路面1aの洗浄が容易になり、試験路面1aを継続して使用しやすくなる。液体は、水にアルコールや不凍液を混ぜた混合液、グリセリンなどであってもよい。試験用ゴム体Rのwetμを計測する場合、液体は、水と同じ動粘度(20度:1.0034(mm/s))であることが好ましい。
【0014】
図2は、路面部材1、液体接触手段2及び液温調節手段3を示す平面図であり、試験用ゴム体Rなどを省略している。図3は、図2のIII-III線断面図である。図2及び図3に示すように、路面部材1は、実路面(アスファルト路面やコンクリート路面)の一部を切り出した部材であることが好ましい。例えば、切り出した複数の実路面片を繋げて(図2では不図示)、路面部材1を作製することができる。路面部材1を実路面片で作製することにより、試験用ゴム体R(図1参照)の摩擦性能評価の精度を高めることができる。なお、路面部材1は、上記に限られず、実路面で用いられる骨材などを接着剤で固着した部材、研磨布、滑り止めテープ、平坦な樹脂板や金属板などであってもよい。試験路面1aは、凹凸を有する形状に形成されていることが好ましい。
【0015】
試験路面1a(路面部材1)は、長手方向を有する形状に形成されていることが好ましい。試験路面1aの長手方向の長さは、例えば、試験用ゴム体Rの最大移動速度によって定まる。試験用ゴム体Rの移動速度が大きくなるほど加速や減速に必要な距離が延びるので、試験路面1aの長さが大きくなる。試験路面1aの長さは、例えば、0.5m以上である。本実施形態において、路面部材1は、平面視長方形状に形成されているが、これに限られない。例えば、路面部材1は、円環状などに形成されていてもよい。
【0016】
路面部材1は、後述する液体槽21に金属板20(図3参照)を介して固定されていることが好ましい。これにより、路面部材1を液体槽21に直接固定した場合よりも路面部材1を取り外しやすくなり、経年劣化したときの路面部材1の交換が容易になる。金属板20は、例えば、路面部材1の底面1fに接着などで固定されている。
【0017】
路面部材1の幅Wdは、液温調節手段3の性能や試験用ゴム体Rを摺動させるレーンの数に応じて適宜設定される。レーンの数を減らして幅Wdを小さくすると路面部材1の温度調節が容易になるが、路面部材1の交換頻度が高くなる。一方、レーンの数を増やして幅Wdを大きくすると路面部材1の交換頻度が低くなるが、路面部材1の温度調節に時間を要する。例えば、レーン数が3の場合、レーン数が1の場合よりも3倍使用できるが、路面部材1の温度調節に時間を要する。
【0018】
液体接触手段2は、液体Lqを路面部材1の少なくとも1面に接触させる。具体的に、液体接触手段2は、試験路面1a、側面1b~1eや底面1fの何れか1面又は2面以上に液体Lqを接触させる。本実施形態において、液体接触手段2は、路面部材1の周囲に液体を接触させている。具体的に、液体接触手段2は、試験路面1a及び側面1b~1e(底面1f以外)を液体Lqに接触させているが、これに限られない。
【0019】
本実施形態では、液体接触手段2が、液体Lqを貯留する液体槽21を備えている。路面部材1は、液体槽21に収容されている。斯かる構成によれば、路面部材1を液体槽21に収容することによって、路面部材1の温度調節時に液体Lqと路面部材1とを常に接触させることができる。これにより、路面部材1の温度調節を容易にし、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0020】
液体槽21は、路面部材1の少なくとも一部を覆う形状に形成されている。本実施形態において、液体槽21は、路面部材1の側面1b~1eを覆う直方体形状に形成されているが、これに限られない。路面部材1は、金属板20を介して液体槽21の底面21a(図3参照)に固定されているが、液体槽21の側面21b,21cなどに固定されていてもよい。
【0021】
液体槽21は、断熱層211を備えていることが好ましい。斯かる構成によれば、摩擦試験装置100が設置された部屋の室温による影響が小さくなり、断熱層を備えていない液体槽を用いた場合と比べ、液体槽21に貯留された液体Lqの液温調節をしやすくなる。これにより、路面部材1の温度調節もしやすくなり、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。本実施形態において、断熱層211は、液体Lqと接触する位置(液体槽21の内側)に設けられている。具体的に、断熱層211は、液体槽21の底面21a及び側面21b,21cの一部を形成している。なお、断熱層211は、上記に限られず、液体Lqと接触しない位置(液体槽21の外側)に設けられていてもよい。
【0022】
断熱層211は、金属板20が嵌め込まれる溝211aを備えている。溝211aは、X方向(図3の紙面に垂直な方向)に沿って延びている。路面部材1は、溝211aに金属板20を介して接着やボルト止めなどで固定される。
【0023】
液体接触手段2は、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成可能に構成されていることが好ましい。斯かる構成によれば、試験路面1aと液体Lqとを接触させることにより、路面部材1のうち試験用ゴム体Rと接触する試験路面1aの温度調節が容易になる。これにより、試験路面1aの温度のバラツキを抑制できる。また、液体Lqが試験路面1a上に形成された凹凸に入り込むので、液体Lqと試験路面1aとの間に隙間が生じ難く、試験路面1a上にヒータなどを載置した場合よりも、試験路面1aの温度調節が容易になる。さらに、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成することによって、試験用ゴム体Rのwetμを計測可能となる。本実施形態において、路面部材1は、液体Lqに浸漬されているが、これに限られない。
【0024】
液体Lqの膜の厚みTh(図3参照)は、例えば、1mm~3mmである。本実施形態においては、液体槽21の深さを路面部材1の高さよりも大きくすることによって、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成しているが、これに限られない。例えば、試験路面1aが液体槽21の底面21aと面一となるように路面部材1を液体槽21に埋め込んで、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成してもよい。
【0025】
液体槽21は、液体Lqの漏れを防止するためのゴム体212を備えている。ゴム体212は、液体槽21の上側に設けられている。ゴム体212の上面は、試験路面1aよりも高い位置に設けられている。本実施形態において、ゴム体212は、角環状に形成され、ゴム体212と断熱層211とによって液体槽21の側面21b,21cを形成している。
【0026】
液体接触手段2は、試験路面1aの短手方向両端に位置する路面部材1の各側面1b,1cと液体Lqとを接触させることが好ましい。斯かる構成によれば、路面部材1を液体Lqで挟み込むことによって、路面部材1の温度調節が容易になる。これにより、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。本実施形態においては、液体槽21の各側面21b,21cと路面部材1の各側面1b,1cとの間にそれぞれ隙間を設けることによって、路面部材1の各側面1b,1cと液体Lqとを接触させている。
【0027】
本実施形態において、液温調節手段3は、冷媒が流れる冷媒管31と、冷媒の温度を調節可能な冷媒温度調節装置32(図2参照)と、液体又は試験路面1aの温度を計測可能な温度センサ(不図示)と、冷媒温度調節装置32を制御する制御部(不図示)と、を備えている。冷媒としては、例えば、水や二酸化炭素などの自然冷媒、油などを用いることができる。冷媒温度調節装置32としては、例えば、チラー(冷却水循環装置)を用いることができる。
【0028】
冷媒管31は、液体槽21内に設けられ、液体槽21に貯留された液体Lqに沈設されている。本実施形態において、冷媒管31は、液体槽21内において略U字状に配設され、路面部材1の各側面1b~1dの近くを通るように沈設されているが、これに限られない。例えば、冷媒管31は、液体槽21内において略I字状に配設されていてもよい。
【0029】
冷媒管31は、路面部材1との間に隙間を設けて沈設されていることが好ましい。これにより、冷媒管31が路面部材1に接触することによって、路面部材1の温度のバラツキが大きくなることを抑制できる。冷媒管31は、試験路面1aと同じ深さに沈設されていることが好ましい。これにより、試験路面1a付近の液温の調節が容易になり、試験路面1aの温度のバラツキを抑制できる。
【0030】
温度センサは、非接触センサ(例えば、赤外線放射温度計)であってもよく、接触センサであってもよい。本実施形態において、温度センサは、液温センサであるが、これに限られない。温度センサが液温センサである場合、試験路面1a上の液温を温度センサで計測することが好ましい。これにより、試験路面1aの温度と近い液温を計測することができる。温度センサによる液温の計測位置は、例えば、試験路面1aの短手方向(幅Wd方向)中央である。
【0031】
制御部は、冷媒温度が所定の温度となるように冷媒温度調節装置32を制御する。冷媒温度は、例えば下記の式1によって定められる。T2は、冷媒温度であり、T1は、液体Lq(例えば、試験路面1aの上方に位置する液体Lqの表面)の目標温度であり、T0は、摩擦試験装置100が設置された部屋の室温である。αは、温度係数であり、例えば、液体量、空気と接する液面や路面部材1の表面積、冷媒管31の直径(液体Lqと接触する表面積)、各物質の熱伝導率、液体槽21の断熱性などで決まる。式1は、目標温度T1が室温T0よりも低い場合に用いることができる。
T2=T1+α(T1-T0) ・・・(式1)
【0032】
例えば、目標温度T1が15℃、室温T0が25℃、温度係数αが0.5の場合、制御部は、冷媒温度T2が10℃となるように冷媒温度調節装置32を制御する。目標温度T1の±2℃に達するまでの間、制御部は、式1で算出される冷媒温度T2(10℃)よりも低い冷媒温度(例えば5℃)となるように制御することが好ましい。これにより、液体Laの温度が目標温度T1に達するまでの時間を短くすることができる。制御部は、温度センサによる計測温度をもとにフィードバック制御してもよい。
【0033】
液温調節手段3は、目標温度T1を入力する入力部(不図示)と、目標温度T1、冷媒温度T2や温度センサによる計測温度などを表示する表示部(不図示)と、冷媒温度T2を演算する演算部を備えていてもよい。制御部、入力部、表示部及び演算部は、後述する制御装置8(図1参照)に設けられていてもよく、制御装置8とは別個に設けられていてもよい。
【0034】
液温調節手段3は、例えば、液体Lqを-20℃~100℃に調節可能である。wetμを計測する場合、液温調節手段3は、液体Lqを0℃~40℃に調節できればよい。路面部材1についても液体Lqと同じ温度に調節可能である。これにより、季節や国外などの様々な環境を想定した摩擦試験が可能となる。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rを保持するホルダー4と、試験路面1aに試験用ゴム体Rを押し当てる荷重装置5と、試験路面1aに対して試験用ゴム体Rを相対移動させるための駆動装置6と、試験用ゴム体Rに作用する荷重を計測する荷重センサ7と、試験に必要な動作の制御を行う制御装置8と、を備えているが、これに限られない。
【0036】
ホルダー4は、荷重装置5に接続されている。荷重装置5は、試験路面1aに対して垂直なZ方向(図1の上下方向)に沿ってホルダー4を往復動可能に構成されている。このホルダー4の位置(ホルダー4と試験路面1aとの間隔)を適宜に設定することで、試験用ゴム体Rに入力されるZ方向の荷重を調節でき、延いては所定の圧力条件下で試験用ゴム体Rを試験路面1aに押し当てることができる。荷重装置5は、サーボモータにより構成されているが、他のアクチュエータ機構を利用してもよい。
【0037】
駆動装置6は、荷重装置5を支持するテーブル9をX方向(図1の左右方向)に沿って往復動可能に構成されている。このテーブル9の移動によってホルダー4が移動し、試験路面1a上で試験用ゴム体Rを摺動させながら移動させることができる。アクチュエータ10は、X方向とZ方向の両方に垂直なY方向(図1の紙面に垂直な方向)に沿ってテーブル9を往復動可能に構成されていて、Y方向における試験用ゴム体Rと試験路面1aとの位置合わせやレーン変更に利用される。本実施形態では、駆動装置6とアクチュエータ10が、それぞれサーボモータにより構成されているが、これに限定されない。
【0038】
荷重センサ7は、垂直成分及び水平二成分の計三成分の荷重を計測可能であり、試験用ゴム体Rに作用するZ方向の荷重(垂直力)、X方向の荷重(前後力)及びY方向の荷重(横力)を計測することができる。荷重センサ7は、例えば、ロードセルによって構成される。本実施形態では、ホルダー4の上側(試験用ゴム体Rとは反対側)に荷重センサ7が取り付けられている。
【0039】
制御装置8は、摩擦係数の計測に必要な計算を行う演算部8aと、荷重装置5や駆動装置6などの作動を制御する作動制御部8bと、試験作業者からの入力を受け付ける入力部8cと、摩擦試験装置100の操作や設定などに関する各種情報を画面上に表示する表示部8dと、を備えている。荷重センサ7による計測値は制御装置8に送られ、それに基づいて演算部8aが摩擦係数を計算する。
【0040】
摩擦試験装置100では、実路面を模擬した試験路面1aに試験用ゴム体Rの平坦面を押し当て、その平坦な試験路面1a上で試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させたときの荷重を計測し、試験路面1aと試験用ゴム体Rとの間の摩擦係数を計測する。静止摩擦係数と動摩擦係数のどちらもが計測可能である。また、試験路面1a上での液体の有無により、乾いた(ドライ)路面と濡れた(ウェット)路面のどちらの摩擦係数も計測可能である。試験路面1aに押し当てられる試験用ゴム体Rの圧力条件、並びに、速度や経路などの直進移動に関する条件は、制御装置8によって制御される。移動速度は、試験用ゴム体Rが所定の区間を一様な速度で摺動するように設定されうる。
【0041】
このように、平坦な試験路面1aに試験用ゴム体Rの平坦面が押し当てられることにより、試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させる際に、接地面積の変化が小さく安定するとともに、接地圧の不均一化を抑制できる。なお、この接地面積は、試験路面1aの凹凸に対する真実接触面積ではなく、平板上に押し付けた際に観察される、言わば見かけの接地面積となる。また、本実施形態では、試験路面1a上で試験用ゴム体Rを旋回移動ではなく直進移動させるので、接地面内での速度差の発生が抑えられる。したがって、この装置によれば、試験路面1aと試験用ゴム体Rとの間の摩擦係数を精度良く計測することができる。
【0042】
試験用ゴム体Rの直進移動は、試験路面1aの長手方向(X方向)に沿って試験用ゴム体Rが移動するものであればよく、例えば図4に示した態様が挙げられる。(a)では、試験用ゴム体Rが直線的に移動し、その移動経路が長手方向と一致する。(b)及び(c)では、試験用ゴム体Rを加振しており、何れも試験用ゴム体RがY方向に振動しながら長手方向に沿って移動する。微視的に観察すると、(b)は三角波に沿った移動、(c)は正弦波に沿った移動であるが、それらの振動の幅の中心は長手方向と一致しており、かかる移動も直進移動に含まれる。
【0043】
上記のようなY方向の加振に限らず、X方向の加振やZ方向の加振を適用することも可能であり、これらも直進移動に含まれる。X方向に加振する場合は、長手方向に沿った往復動となり、例えば三角波または正弦波による加振が採用される。Z方向に加振する場合は、上下方向に沿った加振となり、例えば三角波、正弦波、パルス波または台形波による加振が採用される。
【0044】
試験用ゴム体Rの接地面積は、所定の圧力条件において、静止時と摺動時とで変化しないことが望ましい。この圧力条件は、乗用車用タイヤに採用するゴム材料の場合では300~600kPa程度であるが、トラック・バス用タイヤではそれ以上である。また、接地面積の変化を伴うとしても、その面積低下率は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。接地面積の低下を抑えるには、後述するように試験用ゴム体Rの形状を工夫することが有効である。
【0045】
試験用ゴム体Rの面積低下率は(S1-S2)/S1で表され、S1は静止時の接地面積、S2は摺動時の接地面積である。この面積低下率は、例えば、試験路面1aのうち摩擦係数の計測に必要となるメイン区間以外のサブ区間に透明なガラス板またはプリズムを取り付け、その上を通るゴム試験片の接地面を撮影して得られた画像により計測することができる。或いは、メイン区間やサブ区間に取り付けた圧力計測装置を用いて計測することもできる。
【0046】
図5に、試験用ゴム体Rの好ましい形状を示す。(a)は、図1と同じ方向から見た正面図であり、この右方向を試験用ゴム体Rの摺動方向の前方とする。(b)は下面図、(c)は右側面図である。試験用ゴム体Rは、試験路面1aに押し当てられる平坦面Rfを有する。前方側エッジの側面Rsは、その平坦面Rfから立ち上がっている。この例のように、前方側エッジの側面Rsと平坦面Rfとが鈍角をなすことが好ましい。これにより、試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させた際に、前方側エッジが試験路面1aに引っ掛かりにくくなり、接地面積の低下や接地圧の不均一化が抑制される。
【0047】
上述のように、角度θ1は90度を超えることが好ましく、それによって前方側エッジの引っ掛かりを抑制できる。この効果を高める観点から、角度θ1は、100度以上であることが好ましく、120度以上であることがより好ましい。また、前方側エッジの側面Rsが試験路面1aに接地しないように、角度θ1は170度以下であることが好ましく、150度以下であることがより好ましい。後方側エッジの形状は特に限定されるものではなく、図5では直角に形成されているが、これを前方側エッジと同じ形状にしてもよい。
【0048】
濡れた路面での摩擦係数(wetμ)を計測する場合、試験用ゴム体Rの前方側エッジの側面Rsの高さhは、液体の膜の厚みTh(図3参照)よりも大きいことが好ましい。これにより、高速摺動条件における液体の膜の抵抗を減らし、計測精度を高めることができる。
【0049】
角度θ1が鈍角である場合、前方側エッジの側面Rsには、図6のような種々の形状を採用できる。このうち(a)~(c)では、それぞれ平坦面Rfに対して傾斜した傾斜面により側面Rsが形成されている。(a)は図3と同じ形状であり、側面Rsが角面型の面取り形状をなす。(d)と(e)では、それぞれ湾曲面により側面Rsが形成されている。(d)の側面Rsは丸面型の面取り形状をなし、その曲率半径は例えば0.5~5mmに設定される。(e)の側面Rsは匙面型の面取り形状をなし、その曲率半径は例えば0.5~10mmに設定される。
【0050】
<摩擦試験方法>
次に、摩擦試験方法の一例について、図2及び図3を参照しながら説明する。
【0051】
図2及び図3に示すように、まずは、試験路面1aを有する路面部材1に液体Lqを接触させ(液体接触工程)、液体Lqの液温を調節する(液温調節工程)。これにより、液体Lqを介して路面部材1の温度を調節できる。液温調節工程は、液体接触工程よりも先に行ってもよく、液体接触工程よりも後に行ってもよく、液体接触工程と同時に行ってもよい。
【0052】
液体接触工程は、液体Lqを貯留した液体槽21の中で行われることが好ましい。液体槽21は、上述したように断熱層211を備えていることが好ましい。液体接触工程では、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成することが好ましい。液体接触工程では、長手方向を有する形状に形成された試験路面1aの短手方向両端に位置する路面部材1の各側面1b,1cと液体Lqとを接触させることが好ましい。
【0053】
路面部材1の温度が目標温度付近(目標温度±2度、好ましくは目標温度±1度)に達した後に、試験用ゴム体R(図5参照)を試験路面1aに対して相対移動させて試験用ゴム体Rの摩擦試験を行う(摩擦試験工程)。具体的には、試験路面1aに試験用ゴム体Rの平坦面Rfを押し当て、試験路面1a上で試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させたときの荷重を計測し、試験路面1aと試験用ゴム体Rとの間の摩擦係数を計測する。
【0054】
濡れた路面での摩擦係数(wetμ)を計測する場合には、試験路面1aに液体Lqの膜が形成された状態で、試験路面1aに試験用ゴム体Rの平坦面Rfを押し当て、濡れた試験路面1a上で試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させたときの荷重を計測し、濡れた試験路面1aと試験用ゴム体Rとの間の摩擦係数(wetμ)を計測する。
【0055】
作業者は、液体Lqの膜の厚みが試験時の膜の厚みTh(図3参照)よりも大きくなるように液体Lqを液体槽21に供給することが好ましい。路面部材1が目標温度に達するまでの間に液体Lqが蒸発し、膜の厚みが厚みThよりも小さくなる恐れがあるためである。また、路面部材1が目標温度に達した後に液体Lqを足して膜の厚みを調節するよりも、液体Lqを減らして膜の厚みを調節した方が路面部材1の温度の変化が小さいためである。摩擦係数(wetμ)の計測精度を高める観点から、液体Lqの膜を形成した後(液体槽21に液体Lqを供給した後)に、ブラシなどを用いて試験路面1aに生じた気泡を除去することが好ましい。表面張力によって液体Lqが試験路面1aの凹凸間に入り込めず、その部分が気泡となるためである。
【0056】
摩擦試験後には、液体槽21内の液体Lqや試験用ゴム体Rのゴムカスを除去する。液体Lqは、例えば、掃除機による吸い出し、又は、液体槽21に排液孔などを設けて液体槽21から除去される。液体Lqは、上述したように試験路面1aの洗浄を容易にする観点から水(水道水や蒸留水など)が好ましい。
【0057】
[1]
以上、本実施形態に係る摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rと接触する試験路面1aを有する路面部材1と、液体Lqを路面部材1に接触させる液体接触手段2と、路面部材1と接触する液体Lqの温度を調節可能な液温調節手段3と、備えている。
【0058】
斯かる構成によれば、液温調節手段3で調節された液体Lqを路面部材1に接触させることにより、液体Lqを介して路面部材1の温度を調節できる。これにより、ヒータで温度調節をした場合よりも路面部材1への(からの)熱伝導が良好になり、路面部材1の温度のバラツキを抑制できる。
【0059】
[2]
また、上記[1]に記載の摩擦試験装置100において、液体接触手段2は、液体Lqを貯留する液体槽21を備え、路面部材1は、液体槽21に収容されている、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、路面部材1を液体槽21に収容することによって、路面部材1の温度調節時に、液体Lqと路面部材1とを常に接触させることができる。これにより、路面部材1の温度調節を容易にし、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0061】
[3]
また、上記[2]に記載の摩擦試験装置100において、液体槽21は、断熱層211を備える、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、摩擦試験装置100が設置された部屋の室温による影響が小さくなり、断熱層を備えていない液体槽を用いた場合と比べ、液体槽21に貯留された液体Lqの液温調節をしやすくなる。これにより、路面部材1の温度調節もしやすくなり、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0063】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか1つに記載の摩擦試験装置100において、液体接触手段2は、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成可能に構成されている、という構成が好ましい。
【0064】
斯かる構成によれば、試験路面1aと液体Lqとを接触させることにより、路面部材1のうち試験用ゴム体Rと接触する試験路面1aの温度調節が容易になる。これにより、試験路面1aの温度のバラツキを抑制できる。
【0065】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つに記載の摩擦試験装置100において、試験路面1aは、長手方向を有する形状に形成され、液体接触手段2は、試験路面1aの短手方向両端に位置する路面部材1の各側面1b,1cと液体Lqとを接触させる、という構成が好ましい。
【0066】
斯かる構成によれば、路面部材1を液体Lqで挟み込むことによって、路面部材1の温度調節が容易になる。これにより、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0067】
[6]
本実施形態に係る摩擦試験方法は、液体Lqを試験路面1aを有する路面部材1に接触させる液体接触工程と、液体Lqの温度を調節する液温調節工程と、試験用ゴム体Rを試験路面1aに対して相対移動させて試験用ゴム体Rの摩擦試験を行う摩擦試験工程と、を含む。
【0068】
斯かる方法によれば、液温調節工程で調節された液体Lqを路面部材1に接触させることにより、液体Lqを介して路面部材1の温度を調節できる。これにより、ヒータで温度調節をした場合よりも路面部材1への(からの)熱伝導が良好になり、路面部材1の温度のバラツキを抑制できる。
【0069】
[7]
また、上記[6]に記載の摩擦試験方法において、液体接触工程は、液体Lqを貯留した液体槽21の中で行われる、という方法が好ましい。
【0070】
斯かる方法によれば、液体接触工程を液体槽21の中で行うことによって、路面部材1の温度調節時に、液体Lqと路面部材1とを常に接触させることができる。これにより、路面部材1の温度調節を容易にし、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0071】
[8]
また、上記[7]に記載の摩擦試験方法において、液体槽21は、断熱層211を備えていることが好ましい。
【0072】
斯かる方法によれば、摩擦試験を行う部屋の室温による影響が小さくなり、断熱層を備えていない液体槽を用いた場合と比べ、液体槽21に貯留された液体Lqの液温調節をしやすくなる。これにより、路面部材1の温度調節もしやすくなり、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0073】
[9]
また、上記[6]~[8]の何れか1つに記載の摩擦試験方法において、液体接触工程では、試験路面1a上に液体Lqの膜を形成する、という方法が好ましい。
【0074】
斯かる方法によれば、試験路面1aと液体Lqとを接触させることにより、路面部材1のうち試験用ゴム体Rと接触する試験路面1aの温度調節が容易になる。これにより、試験路面1aの温度のバラツキを抑制できる。
【0075】
[10]
また、上記[6]~[9]の何れか1つに記載の摩擦試験方法において、液体接触工程では、長手方向を有する形状に形成された試験路面1aの短手方向両端に位置する路面部材1の各側面1b,1cと液体Lqとを接触させる、という方法が好ましい。
【0076】
斯かる方法によれば、路面部材1を液体Lqで挟み込むことによって、路面部材1の温度調節が容易になる。これにより、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【0077】
なお、摩擦試験装置100及び摩擦試験方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、摩擦試験装置100及び摩擦試験方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0078】
(A)本実施形態において、液温調節手段3は、液冷式の液温調節装置を備えているが、これに限られない。例えば、液温調節手段3は、ファンなどで液体Lqの温度を調節可能な空冷式の液温調節装置を備えていてもよい。また、液温調節手段3は、液体Lqを温める給湯器などを備えていてもよい。
【0079】
(B)本実施形態において、液体接触手段2は、液体Lqを貯留する液体槽21を備えているが、これに限られない。例えば、液体接触手段2は、路面部材1に液体Lqを噴射する噴射装置を備えていてもよい。噴射装置は、路面部材1に向かって液体Lqを常時噴射してもよく、液体Lqを間欠的に噴射してもよい。
【0080】
(C)本実施形態において、液温調節手段3は、液体槽21に貯留された液体Lqの液温を調節しているが、これに限られない。例えば、液温調節手段3は、液体槽21に貯留される前に液体Lqの液温を調節してもよい。具体的に、摩擦試験装置100は、液体槽21に液体Lqを供給する供給手段を備え、液温調節手段3は、供給手段によって供給される液体Lqの液温を調節してもよい。上記(B)の構成において、噴射装置には、液温調節手段3によって調節した液体Lqを供給する供給配管が接続される。
【0081】
(D)本実施形態において、試験路面1aは水平方向に沿って設けられ、荷重装置5は、試験路面1aに対して垂直なZ方向(図1の上下方向)に沿ってホルダー4を往復動可能に構成されているが、これに限られない。例えば、試験路面1aは水平方向と直交する方向に沿って設けられ、荷重装置5は、試験路面1aに対して垂直なY方向に沿ってホルダー4を往復動可能に構成されていてもよい。
【0082】
(E)本実施形態に係る摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rを摺動させながら直進移動させたときの荷重を計測しているが、これに限られない。例えば、摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rを転動させながら直進移動させたときの荷重を計測してもよい。また、摩擦試験装置100は、試験用ゴム体Rを旋回移動させたときの荷重を計測してもよい。
【0083】
(F)摩擦試験装置100は、周囲の雰囲気温度を調節可能な雰囲気温度調節装置(例えば、恒温槽や恒温室など)を備えていてもよい。これにより、路面部材1の温度調節を容易にし、路面部材1の温度のバラツキをさらに抑制できる。
【符号の説明】
【0084】
100…摩擦試験装置、1…路面部材、1a…試験路面、2…液体接触手段、21…液体槽、211…断熱層、211a…溝、212…ゴム体、3…液温調節手段、31…冷媒管、32…冷媒温度調節装置、4…ホルダー、5…荷重装置、6…駆動装置、7…荷重センサ、8…制御装置、8a…演算部、8b…作動制御部、8c…入力部、8d…表示部、9…テーブル、10…アクチュエータ、20…金属板、R…試験用ゴム体、Rf…平坦面、Rs…側面、Lq…液体
図1
図2
図3
図4
図5
図6