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特開2025-151014制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025151014
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
G08G1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024052224
(22)【出願日】2024-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 一欽
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
(57)【要約】
【課題】それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御装置は、車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得する第一取得部と、第一方向とは異なる第二方向から車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得する第二取得部と、第一センサ及び第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる閾値調整部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得する第一取得部と、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得する第二取得部と、
前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる閾値調整部と、
を備える
制御装置。
【請求項2】
前記閾値調整部は、前記第一トラッキングデータに含まれる前記背面形状の検知位置に、前記背面形状から予測される前記車両の車長を加えた位置に対して、前記第二センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記閾値調整部は、前記第二トラッキングデータに含まれる前記正面形状の検知位置に、前記車両の車長を加えた位置に対して、前記第一センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第二方向は、前記第一方向と反対方向である
請求項1又は請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の制御装置と、
前記第一センサと、
前記第二センサと、
を備える
制御システム。
【請求項6】
車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、
を含む
制御方法。
【請求項7】
車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、
をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
路側から車線方向に向けて設置されたセンサにより、車線を走行する車両を検知することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、車線を走行する車両を第一方向から検知する第一センサと、第一方向とは異なる第二方向から車両を検知する第二センサとの検知情報に基づき、車両の車幅、車高、車長を得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-157795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、車両を検知するこれらのセンサは路側に設置され、路側から車線方向に向けてセンシングを行う。なお、センサと車両との距離が離れていくとセンサによる物体の検知精度が低下するため、互いに異なる方向から車両を検知する為にセンサを2つ用いると、それぞれのセンサによって車両の前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアが限定的となるという事情があった。
【0006】
本開示の目的は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の制御装置は、車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得する第一取得部と、前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得する第二取得部と、前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる閾値調整部と、を備える。
【0008】
本開示の制御方法は、車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、を含む。
【0009】
本開示のプログラムは、車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示の制御装置、制御システム、制御方法、及びプログラムによれば、それぞれのセンサによって車両の前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第一実施形態に係る制御システムの全体図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る第一センサの検知範囲の一例を示す図である。
図3】本開示の第一実施形態に係る第二センサの検知範囲の一例を示す図である。
図4】本開示の第一実施形態に係る第一センサ及び第二センサの重複する検知範囲の一例を示す図である。
図5】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第二センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図Iである。
図6】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第二センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図IIである。
図7】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第二センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図IIIである。
図8】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第一センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図Iである。
図9】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第一センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図IIである。
図10】本開示の第一実施形態に係る制御装置による第一センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図IIIである。
図11】本開示の第一実施形態に係る制御方法の処理の一例を示すフローチャートである。
図12】本開示に係るコンピュータの構成を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示に係る各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において用いられた図面および具体的な構成を、開示の解釈に用いてはならない。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0013】
図1は、本開示の第一実施形態に係る制御システムの全体図である。図2は、本開示の第一実施形態に係る第一センサの検知範囲の一例を示す図である。図3は、本開示の第一実施形態に係る第二センサの検知範囲の一例を示す図である。図4は、本開示の第一実施形態に係る第一センサ及び第二センサの重複する検知範囲の一例を示す図である。図5図7は、それぞれ本開示の第一実施形態に係る制御装置による第二センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図である。図8図10は、それぞれ本開示の第一実施形態に係る制御装置による第一センサのトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるための説明図である。図11は、本開示の第一実施形態に係る制御方法の処理の一例を示すフローチャートである。図12は、本開示に係るコンピュータの構成を示すハードウェア構成図である。
【0014】
以下、本開示における制御装置を、図1図11を用いて説明する。
【0015】
(制御システムの構成)
図1は、第一実施形態に係る制御システムの構成を示す図である。
図1に示すように、制御システム1は、第一センサ11と、第二センサ12と、制御装置13と、を備える。
本開示の制御システム1及び制御装置13は、互いに異なる方向から車両VVを検知する2つのセンサの内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるために用いられる。
制御装置13は、専用通信回線、又は公共通信回線によって、第一センサ11、第二センサ12と通信可能に接続されている。
【0016】
検知対象である複数の車両VVの各車両は、X方向に沿って道路RRを走行している。道路RRは、例えば、高速道路等の本線道路であってもよい。例えば、道路RRは、片側車線に複数の車線LLを有していてもよい。
なお、本開示の道路RRにおいては、説明の簡略化の為、道路RRの延びている方向がX方向と略一致している。Y方向は道路の幅方向である。Z方向は、道路RRから上を向く方向である。
【0017】
例えば、車両VVの内、少なくとも1つの車両が自動運転車両であってもよい。
【0018】
詳述する第一センサ11、及び第二センサ12は、道路RRの路側に設置され、路側から車線方向に向けてセンシングを行う。例えば、第一センサ11、及び第二センサ12は、同程度の高さにて設置されてもよい。
【0019】
(第一センサの構成)
第一センサ11は、車線LLを走行する車両VVの各車両の背面形状を第一方向から検知する。例えば、第一方向は、X方向である。
例えば、第一センサ11は、図2に示すように、複数の車両VVを含む道路RRの所定領域UAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから第一トラッキングデータTD1を取得する。また、第一センサ11は、所定時刻で繰り返し撮影を行い、異なる時刻にわたり複数のトラッキングデータを取得してもよい。
【0020】
第一センサ11は、三次元情報を検出可能なエリアセンサである。エリアセンサとしては、LiDAR(Light Detection And Ranging)、カメラ等が挙げられる。第一センサによって取得される画像データには物体の点群データが含まれている。この点群データから、第一センサと、物体との間の距離情報が取得される。
第一センサ11は、第二センサ12に対して道路RRの上流側(X=A)に設置される。
【0021】
第一センサ11と各車両との距離が離れていくにつれて、すなわち車両が下流側(X=B)の付近に位置するにつれて、第一センサ11による物体の点群データとしての検知精度が低下する。
【0022】
(第二センサの構成)
第二センサ12は、第二方向から車両VV中の各車両の正面形状を検知する。第二方向は、第一方向とは異なる方向である。例えば、第二方向は、第一方向と反対方向(-X方向)である。
例えば、第二センサ12は、図3に示すように、複数の車両VVを含む道路RRの所定領域DAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから第二トラッキングデータTD2を取得する。また、第二センサ12は、所定時刻で繰り返し撮影を行い、異なる時刻にわたり複数のトラッキングデータを取得してもよい。
【0023】
例えば、第二センサ12は、第一センサ11と同様、三次元情報を検出可能なエリアセンサである。エリアセンサとしては、LiDAR(Light Detection And Ranging)、カメラ等が挙げられる。第二センサによって取得される画像データには物体の点群データが含まれている。この点群データから、第二センサと、物体との間の距離情報が取得される。
第二センサ12は、第一センサ11に対して道路RRの下流側(X=B)に設置される。
【0024】
第二センサ12と各車両との距離が離れているならば、すなわち車両が上流側(X=A)の付近に位置するならば、第二センサ12による物体の検知精度が低下する。
【0025】
例えば、第一センサ11、及び第二センサ12それぞれが見下ろす所定領域(所定領域UA、所定領域DA)のX方向については、道路RRを走行する複数の車両VVが収まる領域となるように、設定されてもよい。
例えば、第一センサ11、及び第二センサ12それぞれが見下ろす所定領域(所定領域UA、所定領域DA)のY方向については、複数の車線LLが収まる領域となるように、設定されてもよい。
【0026】
なお、本開示において、所定領域UAと、所定領域DAとが重なるように第一センサ11、及び第二センサ12が設置されている。
図4に示すような位置に各車両が位置する場合、第一トラッキングデータTD1、及び第二トラッキングデータTD2の双方において、同一の車両IDを有する車両は、所定領域UA、所定領域DAそれぞれにおいて存在し、道路RR上で同じ位置またはほぼ同じ位置にあると判定される。
【0027】
第一トラッキングデータTD1、及び第二トラッキングデータTD2は、車両ID(車両を一意に識別するための識別子)と、当該車両の位置、当該車両の速度、当該車両の加速度、または当該車両の移動方向を示す車両情報とで構成される。
なお、第一トラッキングデータTD1は、車両の背面形状の位置を基準としている。
なお、第二トラッキングデータTD2は、車両の正面形状の位置を基準としている。
【0028】
以下、第一トラッキングデータTD1と、第二トラッキングデータTD2とを特に区別しない場合には、単にトラッキングデータと表現する。
【0029】
(第一センサの取得した情報から算出される車両情報)
複数の車両VVを含む道路RRの所定領域UAの画像データが座標変換されることで、第一方向から見た各車両の背面形状を示す画像が取得され得る。
この画像から、各車両の車幅と車高が算出される。
【0030】
(第二センサの取得した情報から算出される車両情報)
複数の車両VVを含む道路RRの所定領域DAの画像データが座標変換されることで、第一方向から見た各車両の正面形状を示す画像が取得され得る。
この画像から、各車両の車幅と車高が算出される。
【0031】
再度図4に示すように、所定領域UAと、所定領域DAとが重なるように第一センサ11、及び第二センサ12が設置されている。上流側(X=A)と、下流側(X=B)との中間位置付近の範囲SC内で道路RR上に位置する車両においては、各センサと各車両間の距離を、各センサによって取得された画像データから取得することで、各車両の車長が得られる。
【0032】
なお、範囲SC内で道路RR上に位置する車両の検知精度は、第一センサ11、及び第二センサ12共にある程度担保されたものとなっている。
【0033】
(トラッキング処理)
ここで、本開示の一例である「トラッキング処理」について、詳述する。トラッキング処理が行われることで、トラッキングデータ(例えば、第一トラッキングデータTD1、第二トラッキングデータTD2)が取得される。なお、トラッキング処理は、各センサ(第一センサ11、第二センサ12)にて行われるものとする。
トラッキング処理の流れとしては、まずセグメンテーション処理を行い、次にフィルタリング処理を行い、最後に条件処理を行う。
上述の通り、各センサは所定時刻で繰り返し撮影を行ってもよい。そのため、トラッキング処理を複数の撮影された画像に行うことで、異なる時刻にわたり複数のトラッキングデータを取得してもよい。
【0034】
最初に行うセグメンテーション処理において、各センサは、点間距離が指定値以内にある点群データをグループ化する。例えとして、点群データのグループは複数作られるとして説明を行う。
【0035】
点群データをグループ化した後に、続いてフィルタリング処理を行う。フィルタリング処理において、各センサは、グループの中に含まれる点群データから抽出対象となる点データを選んだ後に、抽出対象からの範囲を設定する。その後、設定した範囲内にある点群データを抽出し、グループの中に含まれる点群データの数をカウントする。この処理は、まず特定方向に向かって行われる。例えば、道路RRを走行する車両VVのトラッキングを行うために、X方向にかけて処理を行う。
【0036】
各センサは、カウントした点群データの数に対して設けられた閾値により、閾値より少ないカウントがされたグループを削除する。
点群データの数について、閾値以上のカウントがされたグループは、引き続き後述のフィルタリング処理が行われる。
【0037】
ここで、再度述べるが、各センサと各車両との距離が離れていくにつれて、各センサによる物体の点群データとしての検知精度が低下する。そうすると、各センサが取得できる点データの数は少なくなり、点群データが粗くなる。点群データが粗くなると、セグメンテーション処理における点間距離が大きくなり、グループ分けが行われないことがある。
そのため、本開示の制御装置13は、各センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。すなわち、ここで下げる閾値は、上述のセグメンテーション処理における指定値である。
こうして、各センサは検知精度が低下した位置にある車両の点群データを、セグメンテーション処理によってグループ化し、トラッキングデータの取得候補とする。
【0038】
引き続きフィルタリング処理において、各センサは、点群データの数について、閾値以上のカウントがされたグループに対し、先ほどとは異なる特定方向にかけて同様の処理を行う。例えば、道路RRを走行する車両VVのトラッキングを行うために、Y方向にかけて処理を行う。こうして、特定方向(X方向)及び異なる特定方向(Y方向)それぞれにかけて処理を行った際の、グループの中に含まれる点群データの平均位置を算出する。各方向における平均位置から、代表点の座標が得られる。この座標は、車両VVの走行位置を意味する。
【0039】
最後の条件処理において、例えば各センサでは、取得された複数の画像データにおいて、代表点が所定回数以上得られると、各センサが物体を検知するように条件が設定される。条件を満たすと、各センサは、車両の位置の追跡(以下、「トラッキング」と称する。)を開始する。これにより、各センサはトラッキングデータを取得できる。
また、各センサは、トラッキング中に、代表点が所定回数以上得られないと、トラッキングを解除するように条件が設定される。
【0040】
(情報処理装置の構成)
再度図1に示すように、制御装置13は、第一取得部131と、第二取得部132と、閾値調整部133と、記憶部134と、を備える。
【0041】
なお、以下に述べる制御装置13における各部の動作は、本開示の制御方法の少なくとも一部に該当する。
【0042】
(第一取得部)
第一取得部131は、車線を走行する車両VVの各車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサ11により得られた第一トラッキングデータTD1を取得する。
【0043】
(第二取得部)
第二取得部132は、第一方向とは異なる第二方向から車両VVの各車両の正面形状を検知する第二センサ12により得られた第二トラッキングデータTD2を取得する。
【0044】
(閾値調整部)
閾値調整部133は、第一センサ11及び第二センサ12の内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
【0045】
(記憶部)
記憶部134は、図4に示した中間位置付近の範囲SC内で道路RR上に位置する車両に対し、各センサによって撮影された画像データから得られた各車両の車長を記憶する。
記憶部134は、第一方向から見た各車両の背面形状を示す画像から予測される車両の車長を、その背面形状と対応付けて記憶する。
【0046】
以下に、一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値が下げられる手順について、図5図10を参照しながら詳しく説明する。
【0047】
(第二センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる手順)
図5に示すように、第一センサ11が、所定領域UA内にある複数の車両VVの内の車両VV1を検知するとする。
第一センサ11は、所定領域UAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから車両VV1の背面形状を点群データによって検知する。その後、上述のトラッキング処理によって、第一センサ11は、車両VV1の背面形状の位置を基準としたエリアU1のトラッキングを開始する。これにより、第一センサ11は、第一トラッキングデータTD1を取得できる。
【0048】
図6に示すように、第二センサ12が、所定領域DA内にある複数の車両VVの内の車両VV1を検知しようとする。
第一トラッキングデータTD1と同様に、第二センサ12は、所定領域DAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから車両VV1の正面形状の位置を基準としたエリアD1のトラッキングを開始しようとする。しかしながら、第二センサ12と車両VV1との距離が離れている。第二センサ12の位置に対して、車両が上流側(X=A)の付近に位置している。そのため、第二センサ12による物体の点群データとしての検知精度が低下している。
そうすると、上述の通り、センサが取得できる点データの数は少なくなり、点群データが粗くなる。点群データが粗くなると、セグメンテーション処理における点間距離が大きくなり、グループ分けが行われないことがある。結果的に、粗い点群データはトラッキングデータの取得候補に該当せず、エリアD1で得られる粗い点群データに対してのトラッキングが開始されないことになる。
【0049】
以上から、図7に示すように、閾値調整部133は、第一トラッキングデータTD1に含まれる背面形状の検知位置に、背面形状から予測される車両の車長を加えた位置に対して、第二センサ12によるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
すなわち、閾値調整部133は、第一トラッキングデータTD1に含まれるエリアU1の位置に、背面形状から予測される車両の車長L1を加えた位置に対して、第二センサによるセグメンテーション処理における指定値を下げる。エリアU1の位置に、車両の車長L2を加えた位置は、X軸基準とすると、(U1の位置+L1)により表される。この位置は、エリアD1の位置とほぼ同じ位置にある。
これにより、第二センサ12は、エリアD1とほぼ同じ位置で得られる粗い点群データから第二トラッキングデータTD2を取得できる。
【0050】
(第一センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる手順)
図8に示すように、第一センサ11が、所定領域UA内にある複数の車両VVの内の車両VV2を検知しようとする。
第一センサ11は、所定領域UAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから車両VV2の背面形状を点群データによって検知する。その後、上述のトラッキング処理によって、車両VV2の背面形状の位置を基準としたエリアU2のトラッキングを開始しようとする。しかしながら、第一センサ11と車両VV2との距離が離れている。第一センサ11の位置に対して、車両が下流側(X=B)の付近に位置している。そのため、第一センサ11による物体の点群データとしての検知精度が低下している。
そうすると、上述の通り、センサが取得できる点データの数は少なくなり、点群データが粗くなる。点群データが粗くなると、セグメンテーション処理における点間距離が大きくなり、グループ分けが行われないことがある。結果的に、粗い点群データはトラッキングデータの取得候補に該当せず、エリアU2で得られる粗い点群データに対してのトラッキングが開始されないことになる。
【0051】
図9に示すように、第二センサ12が、所定領域DA内にある複数の車両VVの内の車両VV2を検知するとする。
第一トラッキングデータTD1と同様に、第二センサ12は、所定領域DAを見下ろす位置から画像データを取得し、画像データから車両VV2の正面形状を検知し、車両VV2の正面形状の位置を基準としたエリアD2のトラッキングを開始する。これにより、第二センサ12は、第二トラッキングデータTD2を取得できる。
【0052】
以上から、図10に示すように、閾値調整部133は、第二トラッキングデータTD2に含まれる正面形状の検知位置に、車両の車長を加えた位置に対して、第一センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
すなわち、閾値調整部133は、第二トラッキングデータTD2に含まれるエリアD2の位置に、車両の車長L2を加えた位置に対して、第二センサによるセグメンテーション処理における指定値を下げる。エリアD2の位置に、車両の車長L2を加えた位置は、X軸基準とすると、(D2の位置-L2)により表される。この位置は、エリアU2の位置と同じ位置またはほぼ同じ位置にある。
これにより、第一センサ11は、エリアU2と同じ位置またはほぼ同じ位置で得られる粗い点群データから第一トラッキングデータTD1を取得できる。
【0053】
(制御方法)
本実施形態における制御方法について説明する。
本実施形態における制御方法は、図11に示すフローに従って実施される。ただし、以下に説明するフローの順序は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。
【0054】
まず、制御装置13の第一取得部131は、車線を走行する車両VVの各車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサ11により得られた第一トラッキングデータTD1を取得する(ステップST11)。
【0055】
次に、制御装置13の第二取得部132は、第一方向とは異なる第二方向から車両VVの各車両の正面形状を検知する第二センサ12により得られた第二トラッキングデータTD2を取得する(ステップST12)。
【0056】
次に、制御装置13は、検知対象の車両が、第一センサ11付近か否かを判定する(ステップST13)。
検知対象の車両が、第一センサ11付近の場合(ステップST13:YES)、後述するステップ16に移行する。
検知対象の車両が、第一センサ11付近でない場合(ステップST13:NO)、制御装置13は、検知対象の車両が、第二センサ12付近か否かを判定する(ステップST14)。
【0057】
検知対象の車両が、第二センサ12付近の場合(ステップST14:YES)、後述するステップ17に移行する。
検知対象の車両が、第二センサ12付近でない場合(ステップST14:NO)、制御装置13は、車両に対し、各センサによって撮影された画像データから得られた各車両の車長を取得する(ステップST15)。その後、再度ステップST11に移行する。なお、ステップST15の際の車両の位置は、再度図4に示すような、各センサが設置されている上流側(X=A)と、下流側(X=B)との中間位置付近の範囲SC内で道路RR上にある。
【0058】
検知対象の車両が、第一センサ11付近の場合(ステップST13:YES)に移行する、ステップ16について述べる。
次に、制御装置13の閾値調整部133は、第一トラッキングデータTD1に含まれる背面形状の検知位置に、背面形状から予測される車両の車長を加えた位置に対して、第二センサ12によるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる(ステップST16)。
【0059】
検知対象の車両が、第二センサ12付近の場合(ステップST14:YES)に移行する、ステップ17について述べる。
次に、制御装置13の閾値調整部133は、第二トラッキングデータTD2に含まれる正面形状の検知位置に、車両の車長を加えた位置に対して、第一センサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる(ステップST17)。
【0060】
こうして、第一センサ11及び第二センサ12の内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値が下げられる。(終了)
【0061】
(作用及び効果)
本実施形態の制御装置13によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御装置は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0062】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0063】
本開示において、各センサのトラッキング中に取得した車長や車両の位置を、情報として他の機器に伝達してもよい。本開示の制御装置13によれば、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサの閾値が下げられることで、他方のセンサのトラッキング可能距離が延びている。そのため、トラッキング中に取得した情報を、例えば高速道路のランプを走行する車両との合流部に設置された機器に伝達することで、合流部における本線道路を走行する車両と、ランプを走行する車両との接触をより防止しやすくすることができる。
【0064】
図12は、本実施形態に係るコンピュータ1100の構成を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1100は、例えば、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インターフェース1140を備える。
【0065】
上述の制御装置13の各機能部は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各機能部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した各機能部が使用する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0066】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。また、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、又は上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0067】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどが挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース1140又は通信回線を介してコンピュータ1100に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0068】
<付記>
各実施形態に記載の制御装置13は、例えば以下のように把握される。
【0069】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0070】
(付記1)
(1)第1の態様に係る制御装置13は、車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサ11により得られた第一トラッキングデータTD1を取得する第一取得部131と、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサ12により得られた第二トラッキングデータTD2を取得する第二取得部132と、
前記第一センサ11及び前記第二センサ12の内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる閾値調整部133と、
を備える。
【0071】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御装置は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0072】
(付記2)
(2)第2の態様に係る制御装置13は、(1)に記載の制御装置であって、前記閾値調整部133は、前記第一トラッキングデータTD1に含まれる前記背面形状の検知位置に、前記背面形状から予測される前記車両の車長を加えた位置に対して、前記第二センサ12によるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
【0073】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御装置は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0074】
また、第二センサ12の閾値を下げることで、第二センサ12によるトラッキング可能距離が延び、第二センサ12の検知タイミングを早期に出来る。
【0075】
(付記3)
(3)第3の態様に係る制御装置13は、(1)又は(2)に記載の制御装置であって、前記閾値調整部133は、前記第二トラッキングデータTD2に含まれる前記正面形状の検知位置に、前記車両の車長を加えた位置に対して、前記第一センサ11によるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
【0076】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御装置は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0077】
また、第3の態様に係る制御装置13の閾値調整部133の処理の際には、各センサが設置されている上流側(X=A)と、下流側(X=B)との中間位置付近の範囲SC内で道路RR上にある車両の車長を予め取得している。
そのため、閾値調整部133が予め取得した車長を用いることで、第一センサ11の閾値を下げることで、第一センサ11によるトラッキング可能距離が延びる。
なお、正面形状の検知位置に、予め取得した車長を加えた位置は、第一センサ11による背面形状の位置を基準としたトラッキング位置と同じ位置またはほぼ同じ位置にある。
【0078】
(付記4)
(4)第4の態様に係る制御装置13は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の制御装置であって、前記第二方向は、前記第一方向と反対方向である。
【0079】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御装置は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0080】
(付記5)
(1)から(4)のいずれか1つに記載の制御装置と、
前記第一センサ11と、
前記第二センサ12と、
を備える
制御システム。
【0081】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御システム1は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0082】
(付記6)
車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、
を含む
制御方法。
【0083】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係る制御方法は、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【0084】
(付記7)
車線を走行する車両の背面形状を第一方向から検知する第一センサにより得られた第一トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一方向とは異なる第二方向から前記車両の正面形状を検知する第二センサにより得られた第二トラッキングデータを取得するステップと、
前記第一センサ及び前記第二センサの内の一方のセンサのトラッキングデータに基づいて、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げるステップと、
をコンピュータに実行させる
プログラム。
【0085】
このような構成によれば、互いに異なる方向から車両を検知する2つのセンサ(第一センサ、第二センサ)の内、一方のセンサのトラッキングデータに基づき、他方のセンサによるトラッキングデータの取得に対する閾値を下げる。
したがって、本開示に係るプログラムは、それぞれのセンサによって車両前後を検知した際の検知精度を担保できるエリアを拡張できる。
【符号の説明】
【0086】
1 制御システム
11 第一センサ
12 第二センサ
13 制御装置
131 第一取得部
132 第二取得部
133 閾値調整部
134 記憶部
D1 エリア
D2 エリア
TD1 第一トラッキングデータ
TD2 第二トラッキングデータ
U1 エリア
U2 エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12