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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015133
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ステアリング装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
B62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118311
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】広田 逸彦
(72)【発明者】
【氏名】長縄 明敏
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】上田 敦史
(72)【発明者】
【氏名】手塚 大輔
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030CA04
3D030DA14
3D030DA26
3D030DA27
3D030DA34
3D030DA44
3D030DA46
3D030DA47
3D030DA52
3D030DA64
3D030DA65
3D030DA67
3D030DA69
3D030DB83
(57)【要約】
【課題】カバーを備えるステアリング装置においてカバーをずれにくくする。
【解決手段】移動体のステアリング装置(1)は、運転者に把持される把持部(100)と、把持部を介して運転者によって回転される回転部(200)を備える。把持部は、回転部とともに回転される被操作部(110)と、被操作部を覆い被操作部とともに運転者に把持され動かされるカバー部(120)を備える。カバー部は、線ファスナー(122)を開かれることにより、被操作部から取り外されることができる。被操作部とカバー部の一方は、他方の一部(112c,122p)を受け入れる凹部(120R,110R)であって、被操作部の回転の方向(DR)について他方の一部と向かい合って接する面(110Rs,120Rs)で部分的に画定されている凹部(120R,110R)を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体のステアリング装置であって、
運転者に把持される把持部と、
前記把持部を介して前記運転者によって回転される回転部と、を備え、
前記把持部は、
前記運転者に動かされて前記回転部とともに回転される被操作部と、
前記被操作部の少なくとも一部を覆い、前記被操作部とともに前記運転者に把持され、前記運転者に動かされるカバー部と、を備え、
前記カバー部は、閉じられている線ファスナーを備え、前記線ファスナーを開かれることにより、前記被操作部から取り外されることができるように構成されており、
前記被操作部と前記カバー部の一方は、前記被操作部と前記カバー部の他方の一部を受け入れる凹部であって、前記被操作部の前記回転の方向について前記他方の前記一部と向かい合って前記他方の前記一部と接する面で部分的に画定されている凹部を有する、ステアリング装置。
【請求項2】
請求項1記載のステアリング装置であって、
前記被操作部は、
前記回転の方向に沿って延びる第1部分と、
前記第1部分と前記回転部とを接続している第2部分と、を備え、
前記ステアリング装置は、
前記第2部分に着脱可能に取り付けられており、前記カバー部よりも高い剛性を有する取付部材を有し、
前記被操作部と前記カバー部の前記一方は、前記カバー部であり、
前記被操作部と前記カバー部の前記他方は、前記被操作部であり、
前記他方の前記一部は、前記第2部分の一部であり、
前記カバー部は、
前記第2部分の前記一部に沿う形状に屈曲することにより前記凹部を形成しており、
前記第2部分と前記取付部材とに挟まれて保持されている被保持部を備え、
前記他方の前記一部と接する前記面は、前記被保持部のうち前記第2部分と接する面を含む、ステアリング装置。
【請求項3】
請求項2記載のステアリング装置であって、
前記被保持部は、
前記カバー部を構成するシート状部材のうち前記第2部分の前記一部に沿って前記凹部を構成する部位にそれぞれ接続されており前記第2部分の前記一部に接していない二つの部位が、重ねられた構成を備える、重複部を備える、ステアリング装置。
【請求項4】
請求項1記載のステアリング装置であって、
前記カバー部は、前記被操作部の前記少なくとも一部を覆うシート状部材を備え、
前記線ファスナーは、前記シート状部材の外縁に沿って設けられている外縁部分を備え、
前記被操作部と前記カバー部の前記一方は、前記被操作部であり、
前記被操作部と前記カバー部の前記他方は、前記カバー部であり、
前記外縁部分は、前記他方の前記一部として、前記シート状部材と、前記被操作部と、の間において、前記凹部内に配されている、ステアリング装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリング装置であって、
前記被操作部は、前記カバー部との間の摩擦力を高める凹凸が設けられている部分を表面に有する、ステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者に把持される部位を覆うカバーを備えるステアリング装置が存在する。特許文献1のステアリング装置においては、カバーは、線ファスナーを備える。カバーの形状は、線ファスナーを閉じられることにより、筒状となる。筒状の状態にあるカバーにおいて、筒状の形状の長手方向に沿って、線ファスナーが設けられている。線ファスナーが閉じられており筒状の状態にあるカバーは、線ファスナーを開かれることにより、平面状となる。特許文献1のステアリング装置においては、環状の芯金がポリウレタンの被覆層によって覆われている。線ファスナーが閉じられており筒状の状態にあるカバーは、被覆層の表面に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-94728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のステアリング装置においては、カバーは、可逆的に開閉可能な線ファスナーで筒状の形状を保たれることにより被覆層の表面を覆っている。しかし、カバーは被覆層に接着されているため、カバーは交換されることが困難である。
【0005】
一方、特許文献1のステアリング装置において、カバーを被覆層に接着しないこととすると、カバーの上からステアリング装置を把持した運転者が、ステアリング装置を操作すると、カバーが覆っている内部構造に対して、カバーが、筒状の形状の長手方向に沿ってずれやすい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本開示の一形態によれば、移動体のステアリング装置が提供される。このステアリング装置は、運転者に把持される把持部と、前記把持部を介して前記運転者によって回転される回転部と、を備え、前記把持部は、前記運転者に動かされて前記回転部とともに回転される被操作部と、前記被操作部の少なくとも一部を覆い、前記被操作部とともに前記運転者に把持され、前記運転者に動かされるカバー部と、を備え、前記カバー部は、閉じられている線ファスナーを備え、前記線ファスナーを開かれることにより、前記被操作部から取り外されることができるように構成されており、前記被操作部と前記カバー部の一方は、前記被操作部と前記カバー部の他方の一部を受け入れる凹部であって、前記被操作部の前記回転の方向について前記他方の前記一部と向かい合って前記他方の前記一部と接する面で部分的に画定されている凹部を有する。
このような態様においては、把持部のカバー部が運転者に把持され動かされる際に、被操作部とカバー部のうちの一方が有する凹部内に配されている、被操作部とカバー部のうちの他方の一部と、その凹部を画定している面と、の間で、運転者によって加えられた力が、伝達される。すなわち、凹部を画定する面が凹部内の構成に押されるか、凹部内の構成が凹部を画定する面に押されることとなる。その結果、把持部が運転者に把持され動かされる際に、カバー部が、被操作部に対してずれにくい。
(2)上記形態のステアリング装置において、前記被操作部は、前記回転の方向に沿って延びる第1部分と、前記第1部分と前記回転部とを接続している第2部分と、を備え、前記ステアリング装置は、前記第2部分に着脱可能に取り付けられており、前記カバー部よりも高い剛性を有する取付部材を有し、前記被操作部と前記カバー部の前記一方は、前記カバー部であり、前記被操作部と前記カバー部の前記他方は、前記被操作部であり、前記他方の前記一部は、前記第2部分の一部であり、前記カバー部は、前記第2部分の前記一部に沿う形状に屈曲することにより前記凹部を形成しており、前記第2部分と前記取付部材とに挟まれて保持されている被保持部を備え、前記他方の前記一部と接する前記面は、前記被保持部のうち前記第2部分と接する面を含む、態様とすることができる。
このような態様とすることにより、把持部が運転者に把持され動かされる際に、運転者によってカバー部に加えられた力は、第2部分と取付部材とに挟まれて保持されている被保持部により、被操作部に効果的に伝達される。すなわち、カバー部が、被操作部に対して、よりずれにくい。
(3)上記形態のステアリング装置において、前記被保持部は、前記カバー部を構成するシート状部材のうち前記第2部分の前記一部に沿って前記凹部を構成する部位にそれぞれ接続されており前記第2部分の前記一部に接していない二つの部位が、重ねられた構成を備える、重複部を備える、態様とすることができる。
このような態様とすることにより、シート状部材の二つの部位が重ねられた構成を備え、カバー部の他の部位より大きな厚みを有する重複部において、被保持部は、被操作部の第2部分と取付部材とによって強固に挟まれることができる。そのため、カバー部が、被操作部に対して、よりずれにくい。
また、シート状部材のうち凹部を構成する部位であって、第2部分と取付部材とに挟まれている重複部の二つの部位に接続されている部位は、第2部分の一部に沿って立体的に凹部を構成することができる。
(4)上記形態のステアリング装置において、前記カバー部は、前記被操作部の前記少なくとも一部を覆うシート状部材を備え、前記線ファスナーは、前記シート状部材の外縁に沿って設けられている外縁部分を備え、前記被操作部と前記カバー部の前記一方は、前記被操作部であり、前記被操作部と前記カバー部の前記他方は、前記カバー部であり、前記被操作部は、前記凹部を備え、前記外縁部分は、前記他方の前記一部として、前記シート状部材と、前記被操作部と、の間において、前記凹部内に配されている、態様とすることができる。
このような態様においては、線ファスナーの外縁部分を活用して、把持部が運転者に把持され動かされる際に、カバー部が被操作部に対してずれる可能性を、低減できる。
(5)上記形態のステアリング装置において、前記被操作部は、前記カバー部との間の摩擦力を高める凹凸が設けられている部分を表面に有する、態様とすることができる。
凹凸が設けられている部分とカバー部との間で生じる摩擦力により、カバー部と被操作部とのすべりをより生じにくくできる。
本開示は、ステアリング装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、ステアリング装置のカバー、ステアリング装置の被カバー部、ステアリング装置を備える車両、ステアリング装置の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態としてのステアリング装置1の正面図である。
図2】カバー部120を取り外した状態のステアリング装置1の正面図である。
図3】環状の第1部分111の一部を拡大して示す図である。
図4】カバー部120を示す正面図である。
図5】カバー部120が取り付けられ線ファスナー122が閉じられており、突出部分122pが適切に配置される前の状態のステアリング装置1の正面図である。
図6】線ファスナー122を閉じるためのスライダーSLを示す斜視図である。
図7】カバー部120のうち、被操作部110の第2部分112の一部112cを収容する部分を示す拡大図である。
図8】カバー部120のうち、被操作部110の第2部分112の一部112cを収容する部分を、図7とは異なる角度から見た状態を示す図である。
図9図2における被操作部110のIXーIX断面図である。
図10】スライダーSLによって線ファスナー122が閉じられた状態のカバー部120を示す図である。
図11】第2実施形態としてのステアリング装置1Sの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態としてのステアリング装置1の正面図である。ステアリング装置1は、車両に搭載される。ステアリング装置1は、車両の進行方向を制御するために、車両の運転者によって操作される。ステアリング装置1は、把持部100と、回転部200と、中央部材300と、取付部材400,400と、を備える。
【0010】
回転部200は、把持部100を介して運転者によって回転される(図1の中央部参照)。回転部200の向き、すなわち角度位置によって、車両の進行方向が規定される。なお、図1において、回転部200は、中央部材300に覆われている。
【0011】
中央部材300は、回転部200の回転軸の方向についての両側から、回転部200と、把持部100の一部とを、覆う(図1の中央部参照)。車両の進行方向としてステアリング装置1が正面前方を指定している状態にあるとき、中央部材300は、時計における6時の位置において、把持部100の第1部分111と回転部200とを接続している。把持部100の第1部分111については、後に説明する。
【0012】
取付部材400は、把持部100の二つの第2部分112にそれぞれ着脱可能に取り付けられている(図1の中段参照)。取付部材400は、カバー部120よりも高い剛性を有する。具体的には、取付部材400は、車両を制御する指示を運転者が入力するためのスイッチユニットである。把持部100の第2部分112およびカバー部120については、後に説明する。
【0013】
把持部100は、運転者に把持される部位である。把持部100は、回転部200の周囲に位置する。把持部100は、被操作部110と、カバー部120と、を備える。
【0014】
図2は、把持部100のカバー部120、中央部材300、および取付部材400を取り外した状態のステアリング装置1の正面図である。被操作部110は、回転部200を挟んで対称に配されている。被操作部110は、回転部200の周囲に位置する、略円形の外形を有する部材である。被操作部110は、運転者に動かされて回転部200とともに回転される。被操作部110は、第1部分111と、第2部分112と、を備える。
【0015】
第1部分111は、被操作部110が回転部200とともに回転される回転の方向DRに沿って延びている。より具体的には、第1部分111は、環状の外形を有している。環状の第1部分111は、回転部200を囲むように配されている。第1部分111は、金属で構成された環状の芯金と、その芯金の表面を覆うポリウレタン製の被覆層とを備える。第1部分111は、「ホイール部」とも呼ばれる。
【0016】
第2部分112は、第1部分111と回転部200とを接続している(図2の中段参照)。より具体的には、第2部分112は、車両の進行方向としてステアリング装置1が正面前方を指定している状態にあるとき、時計における3時と9時の位置において、回転部200と環状の第1部分111とを接続している。第2部分112は、「スポーク部」とも呼ばれる。
【0017】
図3は、環状の外径を有する第1部分111の一部を拡大して示す図である。被操作部110は、被操作部110を覆うカバー部120との間の摩擦力を高める凹凸111scが設けられている部分を、表面に有する。凹凸111scは、第1部分111のポリウレタン製の被覆層の表面を、サンドペーパーで削ることによって形成される。被覆層の表面を、サンドペーパーで削ることによって、被覆層の表面の粗度が上がる。
【0018】
このような構成とすることにより、第1部分111表面の凹凸111scが設けられている部分と、カバー部120の内面と、の間で生じる摩擦力が、いわゆるアンカー効果によって増大され、カバー部120と被操作部110とのすべりがより生じにくくなる。
【0019】
図4は、ステアリング装置1に取り付けられる前の、把持部100のカバー部120を示す正面図である。カバー部120は、被操作部110のうち環状の第1部分111を覆う(図1および図2参照)。カバー部120は、さらに、被操作部110の第2部分112のうち一部112cを覆う。カバー部120は、被操作部110とともに運転者に把持され、運転者に動かされる(図4の矢印DR参照)。
【0020】
カバー部120は、全体として、取付部材400よりも低い剛性を有する(図1の中段および図4参照)。カバー部120と取付部材400との剛性については、以下のように評価される。カバー部120を構成するシート状部材121を長方形にカットしたサンプルを用意する。一方、取付部材400の外殻を構成する素材を、シート状部材121の厚みと同じ厚みに整形し、シート状部材121のサンプルと同じ形状にカットしたサンプルを用意する。それぞれのサンプルの最も大きい面が鉛直方向を含み、それぞれのサンプルの最も長い辺が水平方向を含むように、それぞれのサンプルの長手方向の一端を保持する。それぞれの他端に、サンプルの最も大きい面に垂直な向きの同じ大きさの外力を加える。二つのサンプルのうち、サンプルの最も大きい面に垂直な向きについての変形量が大きい方が、剛性が低い素材のサンプルであると判断できる。
【0021】
カバー部120は、シート状部材121と、線ファスナー122とを備える。
【0022】
シート状部材121は、被操作部110の第1部分111を覆う。シート状部材121は、さらに、被操作部110の第2部分112の一部112cを覆う。シート状部材121に覆われる、被操作部110の第2部分112の一部112cは、第2部分112のうち、上端縁を含む部分であって、第1部分111から回転部200に向かう方向に延びている部分である(図2の中段参照)。シート状部材121は、柔軟性を有する。シート状部材121は、たとえば、本革、合成皮革、布などで構成することができる。シート状部材121の構成については、後にさらに説明する。
【0023】
線ファスナー122は、一列に並んで配される複数のエレメントであって、それぞれ先端近傍に凸部と凹部とを有するエレメントの列の対によって構成される。各エレメントにおいて、凸部と凹部は、エレメントの先端近傍の逆の側に配される。凸部は、複数のエレメントが並ぶ方向に突出している。凹部は、複数のエレメントが並ぶ方向にへこんでいる。凹部が規定する空間は、凸部の先端を含む一部と同じ形をしている。向かい合って配される一対のエレメントの一方の列における各エレメントの凸部が、他方の列における各エレメントの凹部に収容され、他方の列における各エレメントの凸部が、一方の列における各エレメントの凹部に収容されることにより、一対のエレメントの列は噛み合う。一対のエレメントの列は、互いに離れる向きに屈曲されることにより、噛み合いを解除される。
【0024】
カバー部120が被操作部110に取り付けられている状態において、線ファスナー122は、閉じられている。線ファスナー122を開かれることにより、カバー部120は、被操作部110から取り外されることができる(図1図2、および図4参照)。線ファスナー122は、外縁部分122eと、突出部分122pと、を備える。
【0025】
線ファスナー122のうち、シート状部材121の外縁121eに沿って設けられている部分を、外縁部分122eと呼ぶ(図4参照)。線ファスナー122のうち、シート状部材121の外縁121eから突出している部分を、突出部分122pと呼ぶ。
【0026】
このような構成においては、線ファスナー122が外縁部分122eに加えて突出部分122pを備えることにより、カバー部120のシート状部材121の外縁121e同士を線ファスナー122で強固に閉じることができる。
【0027】
図5は、カバー部120が取り付けられ線ファスナー122が閉じられており、突出部分122pが適切に配置される前の状態のステアリング装置1の正面図である。図5の状態において、ステアリング装置1には、中央部材300および取付部材400は取り付けられていない(図1の中央部参照)。
【0028】
線ファスナー122が閉じられている状態において、線ファスナー122のうちの外縁部分122eは、把持部100の表面に沿って配される(図1および図5参照)。図5の状態において、線ファスナー122のうちの突出部分122pは、外部に現れている。
【0029】
図6は、線ファスナー122を閉じるためのスライダーSLを示す斜視図である。閉じていない線ファスナー122は、対応する構造同士が向かい合うように配され、スライダーSLを通されることにより、閉じられる。スライダーSLは、線ファスナー122とは独立している。線ファスナー122が閉じられた後、スライダーSLは、線ファスナー122から離脱する。閉じている線ファスナー122は、スライダーSLを通されることにより、開かれることができる。
【0030】
図7は、カバー部120のうち、被操作部110の第2部分112の一部112cを収容する部分を示す拡大図である。図7に示す部分は、カバー部120のうち、図4の中段右部および図5の中段右部に示された部分に相当する。カバー部120によって収容される被操作部110の第2部分112の一部112cは、被操作部110の第2部分112の上部に配され、環状の第1部分111から回転部200に向かって突出する部位である(図2の中段参照)。
【0031】
図8は、カバー部120のうち、被操作部110の第2部分112の一部112cを収容する部分を、図7とは異なる角度から見た状態を示す図である。カバー部120は、第2部分112の一部112cに沿う形状に屈曲することにより、凹部120Rを形成している。言い換えれば、凹部120Rを形成する部位120Cは、袋状に成形される。
【0032】
カバー部120が形成する凹部120Rは、被操作部110の第2部分112の一部112cを受け入れる(図2の中段、図4の中段、および図5の中段参照)。カバー部120が形成する凹部120Rは、回転の方向DRについて被操作部110の第2部分112の一部112cと向かい合って接する面120Rsで部分的に画定されている(図8の上段参照)。
【0033】
このような構成とすることにより、把持部100のカバー部120が運転者に把持され動かされる際に、カバー部120が有する凹部120R内に配されている、被操作部110の一部112cと、面120Rsと、の間で、運転者によって加えられた力が、伝達される。すなわち、面120Rsが方向DRに沿って凹部120R内の構成112cに押されるか、凹部120R内の構成112cが方向DRに沿って面120Rsに押されることとなる(図1図5および図7参照)。その結果、カバー部全体が回転方向DRに沿って被操作部110を覆うだけの態様に比べて、把持部100が運転者に把持され動かされる際に、カバー部120が被操作部110に対してずれにくい。
【0034】
カバー部120のシート状部材121は、被保持部121hを備える(図7の中段、図8の上段、および図5の中段参照)。被保持部121hは、被操作部110の第2部分112と取付部材400とに挟まれて保持される部分である(図1の中段参照)。被保持部121hのうち、回転部200の回転軸の方向について、最も大きい幅を有する部位は、5mm以上の幅を有する。
【0035】
このような構成とすることにより、把持部100が運転者に把持され動かされる際に、運転者によってカバー部120に加えられた力は、第2部分112と取付部材400とに挟まれて保持されている被保持部121hにより、被操作部110に効果的に伝達される。すなわち、被保持部121hを備えない態様に比べて、カバー部120が、被操作部110に対してよりずれにくい。
【0036】
シート状部材121の被保持部121hは、重複部121fを備える(図7の中段および図8の上段参照)。より具体的には、一つの被保持部121hは、3個の重複部121fを備える。重複部121fは、シート状部材121の二つの部位が、重ねられ互いに接着された構成を備える。重ねられる二つの部位は、カバー部120を構成するシート状部材121のうち、被操作部110の一部112cに沿って凹部120Rを構成する部位120Cに、それぞれ接続されており、被操作部110の一部112cに接していない部位である。重複部121fは、取付部材400が把持部100の第2部分112に取りつけられた際には、被保持部121hの一部として、第2部分112と取付部材400とに挟まれる(図1の中段参照)。
【0037】
このような構成とすることにより、重複部121fの相互に接着された二つの部位に接続されている部位120Cは、第2部分112の一部112cに沿って、シワが生じることなく、立体的に凹部120Rを構成することができる(図7および図8参照)。
【0038】
また、シート状部材121の二つの部位が重ねられた構成を備え、カバー部120の他の部位より大きな厚みを有する重複部121fにおいて、被保持部121hは、被操作部110の第2部分112と取付部材400とによって強固に挟まれることができる(図1の中段参照)。そのため、重複部121fを備えない態様に比べて、カバー部120が、被操作部110に対してよりずれにくい。
【0039】
図9は、図2における被操作部110のIXーIX断面図である。より具体的には、図9は、被操作部110の回転方向DRに垂直な断面における構造を示す図である。なお、技術の理解を容易にするため、図9において、第1部分111が有する芯金と被覆層の表示は省略している。被操作部110の第1部分111は、表面に凹部110Rを備える(図2参照)。凹部110Rは、環状の第1部分111の表面うち、回転部200と向かい合う面に設けられている。
【0040】
図5において把持部100の第2部分112の上および下に示されている線ファスナー122の4個の突出部分122pは、図5の状態の後、中央の回転部200上に配され、それら突出部分122pを覆うように中央部材300が取り付けられる。その結果、4個の突出部分122pは、外部から視認できなくなる。一方、突出部分122pと繋がっている線ファスナー122の外縁部分122eは、カバー部120を構成するシート状部材121と、被操作部110の第1部分111と、の間において、凹部110R内に配される(図9の上段中央部参照)。
【0041】
被操作部110の凹部110Rは、線ファスナー122の外縁部分122eを受け入れる。被操作部110の凹部110Rのうち、第2部分112との接続部分の近傍に位置する凹部110Rは、回転の方向DRについて線ファスナー122の外縁部分122eと向かい合って線ファスナー122の外縁部分122eと接する面110Rsで部分的に画定されている(図2の中段左部および中段右部参照)。より具体的には、被操作部110の凹部110Rを画定する面110Rsは、環状の被操作部110の下半分に位置する凹部110Rの、回転方向DRについての端であって、3時または9時の位置に近い端の近傍を規定する面である。
【0042】
このような構成においては、シート状部材121によって覆い隠される外縁部分122eを凸部として活用して、凹部110R内に収容することにより、把持部100が運転者に把持され動かされる際に、カバー部120が被操作部110に対してずれる可能性を、より低減できる。
【0043】
図10は、スライダーSLによって線ファスナー122が閉じられた状態のカバー部120を示す図である。図10は、図9の被操作部110を図9の上から下に向かってみた状態を示している。なお、技術の理解を容易にするため、線ファスナー122の外縁部分122eをシート状部材121の外縁121eに固定している縫い糸は、図9において示されていない。
【0044】
前述のように、線ファスナー122の外縁部分122eは、カバー部120を構成するシート状部材121と、被操作部110の第1部分111と、の間において、凹部110R内に配される(図9の上段中央部参照)。その結果、カバー部120のシート状部材121の向かい合う外縁121e,121eは、互いに隙間を空けることなく、線ファスナー122の外縁部分122eによって、接合されることができる。
【0045】
被操作部110は、凹部110Rと同様の機能を奏する凹部112Rを、第2部分112にも有している(図2の中段左部および中段右部参照)。凹部112Rは、第2部分112の表面うち、第2部分112の一部112cの上端縁の近傍に設けられている。図8の下段に示されている線ファスナー122の外縁部分122eは、カバー部120を構成するシート状部材121と、被操作部110の第2部分112と、の間において、凹部112R内に配される。
【0046】
本実施形態においては、カバー部120は、線ファスナー122によって被操作部110上に固定されている。そして、被操作部110の一部112cと面120Rs、凹部110Rと外縁部分122e、凹部112Rと外縁部分122eなどの、各部の物理的形状の組合わせにより、接着剤を用いることなく、カバー部120が被操作部110に対してずれる可能性を低減している(図1図3図5図7図9参照)。このため、本実施形態のステアリング装置1においては、カバー部120を交換することが容易である。
【0047】
本実施形態における車両を「移動体」とも呼ぶ。
【0048】
B.第2実施形態:
図11は、第2実施形態としてのステアリング装置1Sの斜視図である。第2実施形態のステアリング装置1Sの機能は、第1実施形態のステアリング装置1と同じである。図11においては、第2実施形態のステアリング装置1Sの構成のうち、第1実施形態のステアリング装置1が有する構成と対応する構成には、それぞれステアリング装置1の各構成に付した符号の末尾に「S」を付した符号を、付している(図1図2、および図11参照)。以下では、ステアリング装置1Sの構成のうち、ステアリング装置1の構成とは異なる点について説明する。ステアリング装置1Sの他の点は、ステアリング装置1と同様である。
【0049】
第1実施形態のステアリング装置1においては、被操作部110の第1部分111は、環状の外形を有している(図2参照)。これに対して、第2実施形態のステアリング装置1Sにおいては、被操作部110Sの第1部分111Sは、回転部200Sを挟んで対称であり、それぞれ回転の方向DRに沿って延びているが、互いに離れている一対の構成である(図11の左部および右部参照)。
【0050】
被操作部110Sの第2部分112Sは、第1部分111Sと回転部200Sとを接続している。より具体的には、第2部分112Sは、回転の方向DRに沿って延びる第1部分111Sの上端において、第1部分111と回転部200Sとを接続している(図11の上段左部および上段右部参照)。
【0051】
被操作部110Sの第2部分112Sは、さらに、第1部分111Sと中央部材300Sとを接続している。より具体的には、第2部分112Sは、回転の方向DRに沿って延びる第1部分111Sの下端において、第1部分111と中央部材300Sとを接続している(図11の下段左部および下段右部参照)。
【0052】
第2実施形態においても、カバー部120Sは、被操作部110Sの一部112cSを受け入れる凹部120RSを有する(図11の上段左部および上段右部参照)。凹部120RSは、カバー部120Sの裏面側に位置するため、図11の上段左部および上段右部において、凹部120RSを破線に引き出し線とともに示す。
【0053】
凹部120RSは、シート状部材121Sが、第2部分112Sの一部112cSに沿う形状に屈曲することにより形成されている。凹部120RSは、回転の方向DRについて被操作部110Sの一部112cSと向かい合って被操作部110Sの一部112cSと接する面120RsSで部分的に画定されている。
【0054】
このような構成とすることにより、把持部100Sのカバー部120Sが運転者に把持され動かされる際に、カバー部120Sが有する凹部120RS内に配されている被操作部110Sの一部112cSと、凹部120RSを画定している面120RsSと、の間で、運転者によって加えられた力が、伝達される。その結果、把持部100Sが運転者に把持され動かされる際に、カバー部120Sが、被操作部110Sに対してずれにくい。
【0055】
被操作部110Sの第2部分112Sは、回転部200Sを向く側に、凹部110RSを備える(図11の左部および右部参照)。線ファスナー122Sの外縁部分122eSは、カバー部120Sを構成するシート状部材121Sと、被操作部110Sの第2部分112Sと、の間において、凹部110RS内に配されている(図11の左部および右部参照)。
【0056】
被操作部110Sの凹部110RSは、回転の方向DRについて線ファスナー122Sの外縁部分122eSと向かい合って線ファスナー122Sの外縁部分122eSと接する面110RsSで部分的に画定されている。より具体的には、被操作部110Sの凹部110RSを画定する面110RsSは、中央部材300S近傍の凹部110RSにおいて、凹部110RSの底を規定する面である(図11の下段左部および下段右部参照)。
【0057】
このような構成においては、カバー部120Sのシート状部材121Sによって覆い隠される外縁部分122eSを凸部として活用して、凹部110RS内に収容することにより、把持部100Sが運転者に把持され動かされる際に、カバー部120Sが被操作部110Sに対してずれる可能性を、低減できる。
【0058】
C.他の実施形態:
C1.他の実施形態1:
(1)上記第1実施形態において、カバー部120は、被操作部110のうち環状の第1部分111、および被操作部110の第2部分112の一部112cを覆う(図1および図2参照)。しかし、カバー部は、被操作部の全部を覆う態様とすることもできる。より具体的には、カバー部のシート状部材は、被操作部の全部を覆う態様とすることもできる。
【0059】
(2)上記第1実施形態において、カバー部120が形成する凹部120Rの内面120Rsは、被操作部110の第2部分112の一部112cと向かい合って接する(図8の上段および図2の中段参照)。このカバー部120が形成する凹部120Rの内面120Rsは、さらに、被操作部110の第2部分112の他の部分や、第1部分111と接している面を含んでもよい。
【0060】
(3)上記第1実施形態において、回転の方向DRについて被操作部110の第2部分112の一部112cと向かい合って接する面120Rsは、シート状部材121の被保持部121hの裏面である(図8の上段参照)。把持部100のカバー部120は、シート状部材121の被保持部121hの裏面120Rsと、第2部分112の一部112cを挟んで向かい合う面を備えていてもよい。その面も、回転の方向DRについて被操作部110の第2部分112の一部112cと向かい合って接することができる。なお、被操作部の回転の方向について他方の構成の一部と向かい合ってその他方の構成の一部と接する面は、その他方の構成の一部とともに、被操作部の回転の方向に対して45°以上の角度で配されて互いに向かい合っていることが好ましく、60°以上の角度で配されて互いに向かい合っていることが好ましく、80°以上の角度で配されて互いに向かい合っていることがさらに好ましい。
【0061】
(4)上記第1実施形態において、被操作部110は、カバー部120との間の摩擦力を高める凹凸111scが設けられている部分を表面に有する(図3参照)。凹凸111scは、第1部分111のポリウレタン製の被覆層の表面を、サンドペーパーで削ることによって形成される。しかし、被操作部が有する凹凸は、金型で被覆層を製造する際に、あらかじめ被覆層に設けられている凹凸であってもよい。金型であらかじめ被覆層に形成する凹凸としては、被覆層の表面に設ける「シボ」を採用することができる。そのような凹凸は、被操作部110の表面全体に設けられてもよいし、被操作部110の表面の一部に設けられてもよい。
【0062】
また、そのような凹凸は、カバー部のうち被操作部と接する面に設けることもできる。カバー部のうち被操作部と接する面に設ける凹凸は、カバー部の裏面を織布または不織布で形成することにより、設けることもできる。また、カバー部のうち被操作部と接する面に設ける凹凸は、カバー部の裏面に起毛処理を施すことにより、より大きく形成することもできる。カバー部との間の摩擦力を高める凹凸は、被操作部の前面に設けることがより好ましい。
【0063】
(5)上記第1実施形態においては、取付部材400は、車両を制御する指示を運転者が入力するためのスイッチユニットである(図1の中段参照)。しかし、取付部材は、たとえば、美観を向上させるためにステアリング装置に取り付けられる意匠部品など、他の部品であってもよい。
【0064】
(6)上記第1実施形態においては、カバー部120は、線ファスナー122を備える(図5参照)。しかし、カバー部は、線ファスナーに代えて、シート状部材の外縁に沿って配される面ファスナーを備えていてもよい。面線ファスナーは、2次元状に配された弾性を有する多数の輪状の構造を備える部材と、2次元状に配された弾性を有する多数の鉤状の構造を備える部材と、の対によって構成される。多数の鉤状の構造の少なくとも一部が、多数の輪状の構造の少なくとも一部と係合することにより、一対の部材は噛み合う。一対の部材は、互いに離れる向きに屈曲または回転されることにより、噛み合いを解除される。
【0065】
(7)上記第1実施形態においては、カバー部120は、被操作部110に接着されていない。しかし、カバー部120は、被操作部110に対して、カバー部120が破壊されることなく剥離可能な程度の強度で、接着または粘着されていてもよい。
【0066】
(8)上記第1実施形態においては、ステアリング装置1は、車両に搭載される(図1参照)。しかし、本開示のステアリング装置は、船舶、飛翔体など、運転者によって進行方向を制御される他の移動体に搭載されることもできる。
【0067】
C2.他の実施形態2:
上記第1実施形態において、カバー部120のシート状部材121は、被保持部121hを備える(図7の中段、図8の上段、図5の中段参照)。被保持部121hは、被操作部110の第2部分112と取付部材400とに挟まれて保持される部分である(図1の中段参照)。しかし、カバー部120のシート状部材121は、被保持部121hを備えない態様とすることもできる。そのような態様においても、被操作部とカバー部の一方が、他方の一部を受け入れる凹部であって、回転方向DRについて他方の一部と向かい合って接する面で部分的に画定されている凹部を有することより、カバー部が被操作部に対してずれにくいステアリング装置を構成することができる。
【0068】
C3.他の実施形態3:
上記第1実施形態において、シート状部材121の被保持部121hは、重複部121fを備える(図7の中段および図8の上段参照)。重複部121fは、シート状部材121の二つの部位が、重ねられ互いに接着された構成を備える。しかし、重複部は、縫製や型押しによって、形成されてもよい。
【0069】
さらに、シート状部材121は、重複部を備えない態様とすることもできる。たとえば、ヒートプレスすることによってある程度の柔軟性を維持しつつ3次元的な形状を維持する素材で、シート状部材を構成することにより、重複部を備えることなく、被操作部の少なくとも一部を覆うシート状部材、および被保持部を構成することができる。
【0070】
また、シート状部材のうち、3次元的な形状を形成した場合に、シート状部材の他の部位と重複する部分を、あらかじめ除去することにより形成される切り欠き部を、シート状部材に設けることもできる。そのような態様においても、シワが生じることなく、立体的に凹部120Rを構成することができる。
【0071】
C4.他の実施形態4:
上記第1実施形態において、線ファスナー122の外縁部分122eは、カバー部120を構成するシート状部材121と、被操作部110の第1部分111と、の間において、凹部110R内に配される(図8および図9の上段中央部参照)。しかし、ステアリング装置の被操作部が、そのような凹部を備えず、図8の上段に示すように、被操作部を覆うカバー部120が凹部120Rを構成してもよい。
【0072】
C5.他の実施形態5:
上記第1実施形態において、被操作部110は、カバー部120との間の摩擦力を高める凹凸111scが設けられている部分を表面に有する。凹凸111scは、第1部分111のポリウレタン製の被覆層の表面を、サンドペーパーで削ることによって形成される(図3参照)。しかし、被操作部は、そのような凹凸を備えない態様とすることできる。そのような態様においても、被操作部とカバー部の一方が、他方の一部を受け入れる凹部であって、回転方向DRについて他方の一部と向かい合って接する面で部分的に画定されている凹部を有することより、カバー部が被操作部に対してずれにくいステアリング装置を構成することができる。
【0073】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…ステアリング装置、1S…ステアリング装置、100…把持部、100S…把持部、110…被操作部、110R…凹部、110RS…凹部、110Rs…線ファスナーの突出部分と接する面、110Rs1S…線ファスナーの突出部分と接する面、110Rs2S…線ファスナーの突出部分と接する面、110S…被操作部、111…第1部分、111S…第1部分、111sc…凹凸、112…第2部分、112S…第2部分、112c…第2部分112の一部、112cS…第2部分112の一部、120…カバー部、120C…カバー部の一部、120R…凹部、120RS…凹部、120Rs…第2部分の一部と向かい合って接する面、120RsS…第2部分の一部と向かい合って接する面、120S…カバー部、121…シート状部材、121S…シート状部材、121e…シート状部材の外縁、121f…重複部、121h…被保持部、122…線ファスナー、112R…凹部、122S…線ファスナー、122e…線ファスナーの外縁部分、122eS…線ファスナーの外縁部分、122p…線ファスナーの突出部分、122pS…線ファスナーの突出部分、200…回転部、200S…回転部、300…中央部材、300S…中央部材、400…取付部材、400S…取付部材、DR…回転方向、SL…スライダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11