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特開2025-15140端末装置、表示方法、コンピュータプログラムおよび情報提供システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015140
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】端末装置、表示方法、コンピュータプログラムおよび情報提供システム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A63B71/06 U
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118319
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】523275639
【氏名又は名称】WHDCアクロディア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野村 崇
(72)【発明者】
【氏名】谷川 輝充
(72)【発明者】
【氏名】窪田 圭一
(57)【要約】
【課題】ゴルフ場の傾斜状況を明瞭に表示する。
【解決手段】ユーザー端末のプロセッサが、タッチパネル33に、ゴルフ場におけるグリーンの地面の画像である地面画像に基づいてグリーンの地面の傾斜状況(起伏)を取得して、地面画像と、グリーンの地面の傾斜状況を示す傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)とを、タッチパネル33に重畳表示している。これにより、ユーザー端末のユーザーは、グリーンの傾斜状況を、明確に把握することができる。このため、ユーザーは、このグリーンにおいて、打たれたゴルフボールがどの方向に転がるのかを予測することが容易となるので、パッティングを良好に実施することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成する撮像部と、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを、表示画面に重畳表示する制御部と、を有している、
端末装置。
【請求項2】
前記傾斜記号は、傾斜方向を示す矢印を含んでいる、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記小領域のサイズまたは数の少なくとも1つを変更するように構成されている、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記地面画像を含むAR空間を形成すること、
前記AR空間に、基準点を中心に、複数のパネル区画を設定すること、
前記AR空間における各パネル区画の中心の高さを、前記基準点から第1所定値だけ高い位置とすること、
各パネル区画の中心の下方に位置する前記地面画像の部位の三次元座標である地面座標を得ること、
各パネル区画に対応する前記地面座標よりも第2所定値だけ高い座標であるパネル座標を取得すること、
前記AR空間に、前記パネル座標を中心とするパネルを形成すること、
前記パネルを前記地面画像に向けて落下させて、前記パネルに前記地面画像の傾斜に応じた傾斜をもたせること、および、
前記地面画像に落下した前記パネルを、その傾斜に応じた傾斜記号を付して、前記小領域として前記地面画像に重畳表示すること、
によって、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示する、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記地面画像に、撮像された前記地面の高さに応じた色を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボールおよび仮想カップを表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記仮想ゴルフボールを前記仮想カップにカップインさせるための情報であるアドバイス情報を生成して、このアドバイス情報を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記アドバイス情報として、前記仮想ゴルフボールの打撃の目標位置を上方から示す第1矢印、前記仮想ゴルフボールから前記目標位置に向かう第2矢印、および、前記仮想カップから前記目標位置までの距離を表示するように構成されている、
請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール、および、前記仮想ゴルフボールを打撃した場合の前記仮想ゴルフボールの移動軌跡を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項11】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成すること、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示すること、を含む、
表示方法。
【請求項12】
ゴルフ場の地面を撮像することによって得られた地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することを、コンピュータに実施させるためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項1に記載の端末装置と、管理ユニットとを含み、
前記端末装置は、前記管理ユニットと通信するための端末通信部を備えており、前記制御部は、この端末通信部を介して、前記地面画像を前記管理ユニットに送信するとともに、前記管理ユニットから送信された情報を受信するように構成されており、
前記管理ユニットは、
前記端末装置と通信するための管理通信部と、
前記管理通信部を介して前記地面画像を受信し、この地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得するとともに、前記地面画像中におけるゴルフボールの位置およびカップの位置を認識して、次の打撃のためのアドバイス情報を生成し、このアドバイス情報を前記管理通信部を介して前記端末装置に送信する管理制御部と、を備えている、
情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置、表示方法、コンピュータプログラムおよび情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゴルフ場の情報を端末装置に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-18439公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、ゴルフ場の傾斜状況(起伏;アンジュレーション)をユーザーに対して明瞭に表示することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様にかかる端末装置(本端末装置)は、ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成する撮像部と、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを、表示画面に重畳表示する制御部と、を有している。
【0006】
本端末装置は、ゴルフ場のユーザーに携帯される端末装置である。そして、本端末装置では、制御部が、表示画面に、ゴルフ場の地面(たとえばグリーン)の画像である地面画像とともに、地面の傾斜(起伏)を示す傾斜記号を表示する。これにより、本端末装置のユーザーは、ゴルフ場の地面の起伏を、明確に把握することができる。
【0007】
このため、本端末装置のユーザーは、このゴルフ場において、打たれたゴルフボールがどの方向に転がるのかを予測することが容易となるので、次の打撃(パットあるいはショット)を良好に実施することが可能となる。
【0008】
ここで、前記傾斜記号は、傾斜方向を示す矢印を含んでいてもよい。また、前記傾斜記号は、地面が実質的に平らであることを示す記号を含んでいてもよい。
【0009】
また、本端末装置では、前記制御部は、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示するように構成されていてもよい。
【0010】
また、この場合、本端末装置は、ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備えてもよい。そして、前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記小領域のサイズまたは数の少なくとも1つを変更するように構成されていてもよい。
これにより、本端末装置のユーザーは、ゴルフ場の地面の傾斜状況を把握しやすいように、小領域のサイズおよび数を調整することが可能である。
【0011】
また、この場合、前記制御部は、前記地面画像を含むAR空間を形成すること、前記AR空間に、基準点を中心に、複数のパネル区画を設定すること、前記AR空間における各パネル区画の中心の高さを、前記基準点から第1所定値だけ高い位置とすること、各パネル区画の中心の下方に位置する前記地面画像の部位の三次元座標である地面座標を得ること、各パネル区画に対応する前記地面座標よりも第2所定値だけ高い座標であるパネル座標を取得すること、前記AR空間に、前記パネル座標を中心とするパネルを形成すること、前記パネルを前記地面画像に向けて落下させて、前記パネルに前記地面画像の傾斜に応じた傾斜をもたせること、および、前記地面画像に落下した前記パネルを、その傾斜に応じた傾斜記号を付して、前記小領域として前記地面画像に重畳表示すること、によって、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示してもよい。
これにより、地面の傾斜を容易に求めることができる。
【0012】
また、本端末装置では、前記制御部は、前記地面画像に、撮像された前記地面の高さに応じた色を重畳表示するように構成されていてもよい。これにより、本端末装置のユーザーは、ゴルフ場の起伏(特に高低差)を、より明確に把握することが可能となる。
【0013】
また、本端末装置は、ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボールおよび仮想カップを表示するように構成されていてもよい。
【0014】
この構成は、地面画像がグリーンの画像である場合に特に有効である。これにより、本端末装置のユーザーは、仮想ゴルフボールを仮想カップに向けて打つ(パッティングする)場合の狙い方を検討することが容易となる。
【0015】
また、この場合、前記制御部は、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記仮想ゴルフボールを前記仮想カップにカップインさせるための情報であるアドバイス情報を生成して、このアドバイス情報を前記地面画像に重畳表示するように構成されていてもよい。
【0016】
さらに、前記制御部は、前記アドバイス情報として、前記仮想ゴルフボールの打撃の目標位置を上方から示す第1矢印、前記仮想ゴルフボールから前記目標位置に向かう第2矢印、および、前記仮想カップから前記目標位置までの距離を表示するように構成されていてもよい。
【0017】
この構成では、ユーザーは、アドバイス情報(たとえば、第1矢印、仮想カップから目標位置までの距離、および、第2矢印)に基づいて、仮想ゴルフボールを仮想カップにカップインさせるために有効な情報(たとえばゴルフボールの打撃方向(パッティング方向))を知ることができる。
【0018】
また、本端末装置は、ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール、および、前記仮想ゴルフボールを打撃した場合の前記仮想ゴルフボールの移動軌跡を重畳表示するように構成されていてもよい。
この構成は、地面画像がグリーンの画像である場合に特に有効である。
これにより、ユーザーは、仮想ゴルフボールをパッティングした場合に、移動軌跡に基づき、仮想ゴルフボールがどのように転がるのかを、把握することができる。
【0019】
また、本端末装置では、前記制御部は、前記地面画像に基づいて、前記地面の傾斜状況、ゴルフボールの位置およびカップの位置を取得して、次の打撃のためのアドバイス情報を作成して、このアドバイス情報を前記地面画像に重畳表示するように構成されていてもよい。なお、ゴルフボールおよびカップは、現実のものであってもよいし、仮想ゴルフボールおよび仮想カップであってもよい。
これにより、ユーザーは、表示されたアドバイス情報を参考にして、実際の打撃を実施することができる。
【0020】
また、本開示の一態様にかかる表示方法(本表示方法)は、本端末装置において実施される表示方法である。すなわち、本表示方法は、ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成すること、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示すること、を含んでいる。本表示方法によれば、ゴルフ場のユーザーは、ゴルフ場の地面の起伏を、明確に把握することができる。
【0021】
また、本開示の一態様にかかるコンピュータプログラムは、ゴルフ場の地面を撮像することによって得られた地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することを、コンピュータに実施させる。
【0022】
このコンピュータプログラムは、汎用のユーザー端末を、本端末装置として機能させるためのプログラムである。これにより、ユーザーは、専用の端末装置に代えて、自分の所有するスマートホンなどユーザー端末を、本端末装置として利用することが可能となる。
【0023】
また、本開示の一態様にかかる情報提供システム(本システム)は、本端末装置と、管理ユニットとを含み、本端末装置は、前記管理ユニットと通信するための端末通信部を備えており、前記制御部は、この端末通信部を介して、前記地面画像を前記管理ユニットに送信するとともに、前記管理ユニットから送信された情報を受信するように構成されており、前記管理ユニットは、本端末装置と通信するための管理通信部と、前記管理通信部を介して前記地面画像を受信し、この地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得するとともに、前記地面画像中におけるゴルフボールの位置およびカップの位置を認識して、次の打撃のためのアドバイス情報を生成し、このアドバイス情報を前記管理通信部を介して本端末装置に送信する管理制御部と、を備えている。この構成では、ゴルフボールおよびカップは、現実のものであってもよいし、端末装置によって設定された仮想ゴルフボールおよび仮想カップであってもよい。また、アドバイス情報は、仮想ゴルフボールを仮想カップにカップインさせるための情報であってもよい。
【0024】
本システムの管理ユニットは、アドバイス情報を生成して本端末装置に送信する装置として機能する。管理ユニットは、本端末装置と通信可能であり、たとえば、ゴルフ場あるいはクラウド上に備えられる。本システムでは、アドバイス情報の生成を、本端末装置に代えて管理ユニットが実施するため、本端末装置の負荷を減らすことが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本開示の一態様によれば、ユーザーは、ゴルフ場の地面の起伏を、明確に把握することができる。このため、ユーザーは、このゴルフ場において、打たれたゴルフボールがどの方向に転がるのかを予測することが容易となるので、次の打撃(パットなど)を良好に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】ゴルフ場、ユーザー端末および管理ユニットを示す説明図である。
図2】ユーザー端末および管理ユニットの構成を示すブロック図である。
図3】カメラによって取得された地面画像を表示しているタッチパネルを示す説明図である。
図4】地面画像と、地面の傾斜状況を示す傾斜記号とが重畳表示されているタッチパネルを示す説明図である。
図5】地面の高さと色との対応関係を示す説明図である。パネルを示す説明図である。
図6】地面画像と、地面の傾斜状況を示す傾斜記号と、地面の高さに応じた色とが重畳表示されているタッチパネルを示す説明図である。
図7】仮想ゴルフボールおよび仮想カップを含む地面画像が表示されているタッチパネルを示す説明図である。
図8】アドバイス情報の生成方法を示す説明図である。
図9】アドバイス情報を示す説明図である。
図10】パッティングシミュレーションを示す説明図である。
図11】パッティングシミュレーションを示す説明図である。
図12】1つの傾斜記号が対応する小領域のサイズおよび数を設定する画面が表示されているタッチパネルを示す説明図である。
図13図13(a)および図13(b)は、1つの傾斜記号に対応する小領域のサイズの例を示す説明図である。
図14】設定画面が表示されているタッチパネルを示す説明図である。
図15】地面画像を示す説明図である。
図16】パネル区画を示す説明図である。
図17】基準点よりも第1所定値だけ高いパネル区画を示す説明図である。
図18】実体化されたパネルを示す説明図である。
図19】地面に沿って傾斜しているパネルを示す説明図である。
図20】傾斜記号が付されたパネルを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示すように、本開示の一実施形態にかかるゴルフ場1には、ホール10を含む複数のホールが設けられており、ゴルファーであるユーザーは、ユーザー端末20を携帯している。また、ユーザー端末20は、インターネットあるいはイントラネットなどのコンピュータネットワークNを介して、管理ユニット60と接続されている。
【0028】
ホール10は、たとえば、図1に示すように、ティーインググラウンド13、フェアウェイ14、フェアウェイ14を囲むラフ15、池16、バンカー17およびグリーン18を含んでいる。
【0029】
ゴルフ場1のユーザーに携帯されるユーザー端末20は、本実施形態では、ユーザーの所有するスマートホンである。図2に示すように、ユーザー端末20は、管理ユニット60と通信するための端末通信部21、ユーザー端末20の各部材を制御するプロセッサ23、記憶部であるメモリ25、および、カメラ31などを含む入出力装置30を備えている。
【0030】
端末通信部21は、コンピュータネットワークNを介して、管理ユニット60との間で種々のデータを送受信することが可能なように構成されている。
【0031】
入出力装置30は、たとえば、静止画あるいは動画を撮影するためのカメラ31、画像を表示可能なタッチパネル33、および、ユーザーへの音声表示を実施するためのスピーカ35を含んでいる。
【0032】
カメラ31は、ゴルフ場1の地面を撮像して地面画像を生成する撮像部として機能する。ここで、ゴルフ場1の地面とは、たとえば、ティーインググラウンド13、フェアウェイ14、ラフ15、バンカー17およびグリーン18の地表面を意味する。また、地面画像とは、カメラ31によって得られるゴルフ場1の地面の画像である。
タッチパネル33は、画像を表示するための表示画面として機能するとともに、ユーザーの指示を受け付ける入力部としても機能する。
【0033】
メモリ25は、RAM、フラッシュメモリ、SSD,ハードディスクドライブあるいはSDカードなどからなる非一過性かつ有形の記録媒体である。メモリ25は、たとえば、コンピュータネットワークNを介してダウンロードされたアプリケーションプログラムAPなどの、プロセッサ23の処理に使用されるプログラムを格納している。
【0034】
プロセッサ23は、主に、アプリケーションプログラムAP(アプリケーションプログラムAPに含まれる命令)にしたがって、種々の機能を獲得する。たとえば、プロセッサ23は、アプリケーションプログラムAPを読み出すことにより、以下に示すユーザー端末20の動作を制御する制御部としての機能を獲得する。たとえば、プロセッサ23は、入出力装置30のカメラ31によって得られた地面画像に基づいて地面の傾斜状況(起伏)を取得して、地面画像と、地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを重畳表示する機能を獲得する。
【0035】
ここで、ユーザー端末20の動作例としての、本実施形態にかかる表示方法を示す。
まず、ユーザーが、入出力装置30のタッチパネル33を用いて、ユーザー端末20上で、アプリケーションプログラムAPを起動する。これに応じて、プロセッサ23が、メモリ25からアプリケーションプログラムAPを読み出して、上述した制御部としての機能を得る。
【0036】
そして、ユーザーが、入出力装置30のカメラ31を用いて、ゴルフ場1の地面を撮像する。すなわち、カメラ31が、ユーザーの指示に基づいて、ゴルフ場1の地面を撮像して、この地面の画像である地面画像を生成する。以下では、カメラ31は、ユーザーの指示に基づいて、ゴルフ場1におけるグリーン18の地面を撮像し、グリーン18の地面画像(グリーン18の芝を含む地面の地面画像)を得ることとする。
【0037】
これに応じて、プロセッサ23が、図3に示すように、カメラ31によって取得されたグリーン18の地面画像をタッチパネル33に表示する。
【0038】
この際、タッチパネル33の下部には、矢印設定タブ101、キャディボタン102、カップ設定ボタン103、ボール設定ボタン104、ナビボタン106、ヒントボタン107、リセットボタン108および設定ボタン109が表示される。
【0039】
ユーザーが、左端のボール設定ボタン104を選択(タッチ)した状態で、タッチパネル33に表示されている地面画像の任意の部位にタッチすると、プロセッサ23は、図4に示すように、タッチされた部分に、仮想ゴルフボール110を表示する。さらに、プロセッサ23は、カメラ31によって取得された地面画像に基づいて、撮像された地面であるグリーン18の地面の傾斜状況(起伏)を取得して、地面画像と、地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを、ユーザー端末20のタッチパネル33に、AR(Augmented Reality)にて重畳表示する。すなわち、プロセッサ23は、地面画像と傾斜記号とを含むAR空間をタッチパネル33に表示する。
【0040】
図4に示す例では、傾斜記号として、傾斜方向を示す矢印である矢印記号M1および円記号M2が用いられている。矢印記号M1は、矢印記号M1が付されている部分の傾斜を矢印の向きによって示す記号であり、矢印の示す方向に向けて地面が下り傾斜になっていること示している。一方、円記号M2は、円記号M2が付されている部分が平らであること(傾斜が小さく、実質的に平らであること)を示している。
【0041】
また、この表示例では、プロセッサ23は、地面画像を所定の小領域(パネル)に分けて、小領域ごとに傾斜状況を取得して、小領域ごとの傾斜記号を前記地面画像に重畳表示している。すなわち、プロセッサ23は、地面画像を、1つの傾斜記号(矢印記号M1あるいは円記号M2)に対応する小領域に分けている。そして、プロセッサ23は、小領域ごとに傾斜状況(傾斜の向き)を取得して、各小領域の画像に、矢印記号M1あるいは円記号M2の傾斜記号を重畳表示している。
【0042】
なお、カメラ31によって得られる地面画像が動画である場合、プロセッサ23は、地面の傾斜状況の取得および地面画像と傾斜記号との重畳表示を、所定のレートで連続的に実施する。
【0043】
また、制御部としてのプロセッサ23は、タッチパネル33に矢印記号M1および円記号M2とともに表示されている地面画像に、撮像された地面の高さに応じた色を重畳表示する。すなわち、プロセッサ23は、たとえば、仮想ゴルフボール110の位置の高さを、高さのゼロ点(実質的に高さゼロの点;プラスマイナス2cmに対応する点)とする。そして、プロセッサ23は、図5に示すように、地面画像中の地面の高さを取得して、地面画像を、およそプラスマイナス5cmごとに、たとえば、9種類の色の領域に区分する。なお、図5では、9種類の色を、グレーの明度およびハッチングによって示している。
【0044】
そして、プロセッサ23は、図6に示すように、地面画像に、地面の高さに応じた色領域を重畳表示する。すなわち、プロセッサ23は、地面画像を、9つの色領域(メッシュ)に色分けして表示している(図6の例では、6つの色領域が表示されている)。
【0045】
また、ユーザーが、タッチパネル33に表示されているカップ設定ボタン103を選択した状態で、タッチパネル33に表示されている地面画像の任意の部位にタッチすると、プロセッサ23は、図7に示すように、タッチされた部分に、仮想的なカップ(ホール)である仮想カップ112、および、仮想カップ112を示す仮想ピンフラッグ113を表示する。図7の例では、現実のピンフラッグ51に対応する位置に、仮想カップ112および仮想ピンフラッグ113が表示されている。
【0046】
さらに、プロセッサ23は、仮想カップ112を表示した後、タッチパネル33に、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との間の距離(図7の例では4.1m)を、地面画像に重畳表示する。図7に示す例では、この距離が、タッチパネル33の中央に表示されている。
ユーザーによって仮想ゴルフボール110および仮想カップ112のいずれかの位置が変更されると、プロセッサ23は、順次、位置変更後の仮想ゴルフボール110および仮想カップ112に応じた距離を算出して、タッチパネル33に表示する。
【0047】
以上のように、本実施形態では、ユーザー端末20のプロセッサ23が、タッチパネル33に、ゴルフ場1の地面であるグリーン18の地面の画像である地面画像に基づいてグリーン18の地面の傾斜状況を取得して、地面画像と、グリーン18の地面の傾斜状況を示す傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)とを、タッチパネル33に、ARにて重畳表示している。これにより、ユーザー端末20のユーザーは、グリーン18の傾斜状況(起伏;アンジュレーション)を、明確に把握することができる。このため、ユーザーは、このグリーン18において、打たれたゴルフボールがどの方向に転がるのかを予測することが容易となるので、パッティングを良好に実施することができる。
【0048】
また、本実施形態では、プロセッサ23が、タッチパネル33に矢印記号M1および円記号M2とともに表示されているグリーン18の地面画像に、グリーン18の地面の高さに応じた色を重畳表示している。これにより、ユーザー端末20のユーザーは、グリーン18の起伏(特に高低差)を、より明確に把握することが可能となる。
【0049】
さらに、本実施形態では、プロセッサ23は、タッチパネル33を介したユーザーからの指示に基づいて、タッチパネル33に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112を表示するように構成されている。これにより、ユーザーは、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてパッティングする場合の狙い方を、容易に検討することが可能となる。
【0050】
また、ユーザーは、地面画像における現実のゴルフボールおよびカップに対応する位置に、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112を表示してもよい。これにより、ユーザーは、現実のゴルフボールをカップに向けてパッティングする場合に有用なグリーン18の傾斜状況を、容易に把握することが可能となる。
【0051】
また、プロセッサ23は、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との間の距離をタッチパネル33に表示するように構成されている。これにより、ユーザーは、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてパッティングする場合の狙い方を、より詳細に検討することが可能となる。
【0052】
なお、本実施形態では、ユーザーに対して、パッティングに関するアドバイス情報をタッチパネル33に表示することもできる。
【0053】
具体的には、タッチパネル33の下方中央に表示されているキャディボタン102をユーザーが選択すると、プロセッサ23は、アドバイス情報(ナビゲーション情報)の生成および表示処理を実施する。アドバイス情報は、たとえば、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112にカップインさせるための情報である。すなわち、本実施形態では、プロセッサ23は、グリーン18の地面画像に基づいてグリーン18の傾斜状況を取得して、アドバイス情報を生成して、このアドバイス情報を地面画像に重畳表示する。
【0054】
以下に、アドバイス情報の生成および表示の形態について、より詳細に説明する。ユーザーが、キャディボタン102を押すと、プロセッサ23は、図8に示すように、所定の強さで仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてまっすぐに打ったときの仮想ゴルフボール110の移動軌跡(大まかな予想)120を生成する。
【0055】
この際、プロセッサ23は、たとえば、このような仮想ゴルフボール110の移動軌跡120を、グリーン18の傾斜状況、仮想ゴルフボール110の重量、転がり抵抗および弾性等を考慮して生成する。なお、プロセッサ23は、仮想ゴルフボール110の移動軌跡120を生成するために、移動軌跡120を生成するための既存のソフトウェアをメモリ25から読み出してもよい。
図8に示した例では、移動軌跡120は、仮想ゴルフボール110が、グリーン18の傾斜にしたがって左にそれている。
【0056】
また、プロセッサ23は、図8に示すように、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112とを通る直線である第1直線L11、および、この第1直線L11に垂直であって、仮想カップ112を通る直線である第2直線L12を、地面画像中に設定する。
【0057】
次に、プロセッサ23は、仮想ゴルフボール110の移動軌跡120と第2直線L12との交点の位置である第1位置P11を求める。さらに、プロセッサ23は、第2直線L12上において、仮想カップ112を挟んで第1位置P11とは反対側の位置となる第2位置P12を求める。そして、プロセッサ23は、この第2位置を、仮想ゴルフボール110の打撃の目標位置であると判断する。
この第2位置P12(目標位置)は、ユーザーがこの位置に向けて仮想ゴルフボール110を打つことにより、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に入れられる可能性が高い、ような位置である。本実施形態では、プロセッサ23は、移動軌跡120における仮想カップ112からのずれ量に応じて、第2位置P12を設定している。
【0058】
その後、プロセッサ23は、図9に示すように、グリーン18の地面画像に、アドバイス情報として、第2位置P12を上方から示す第1矢印121、および、仮想カップ112から第2位置P12までの距離(第2直線L12に沿う距離)122を重畳表示する。本実施形態では、プロセッサ23は、距離122として、仮想カップ112の直径の倍数(すなわち、「カップ何個分の距離に相当するのか」)を示す情報を表示している。
【0059】
また、プロセッサ23は、仮想ゴルフボール110の近傍の地面画像に、アドバイス情報として、仮想ゴルフボール110から第2位置P12に向かう第2矢印123を重畳表示する。
【0060】
このように、この構成では、ユーザーは、図9に示すような第1矢印121、距離122および第2矢印123に基づいて、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112にカップインさせるために有効なパッティング方向を知ることができる。すなわち、ユーザーは、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112にカップインさせるためには、第1矢印121の示す第2位置P12(目標位置)に向けて、第2矢印123の示す方向に仮想ゴルフボール110をパッティングすることが好ましいことを認識することができる。
【0061】
なお、ユーザーは、地面画像における現実のゴルフボールおよびカップに対応する位置に、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112を表示してもよい。これにより、ユーザーは、現実のゴルフボールをカップに向けてパッティングする場合に有用なアドバイス情報を、容易に把握することが可能となる。
【0062】
また、この構成では、プロセッサ23は、ユーザーによってキャディボタン102が押されるたびに、図8に示した演算を実施し、図9に示した第1矢印121、距離122および第2矢印123の表示態様を更新することが好ましい。
【0063】
また、本実施形態では、ユーザーは、ナビボタン106をOFFにすることにより、アドバイス情報(第1矢印121、距離122および第2矢印123)、および、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との間の距離、を、タッチパネル33から消すことができる。これらのアドバイス情報等は、ユーザーがナビボタン106をONに戻すことにより、タッチパネル33に再び表示される。
【0064】
また、本実施形態では、アドバイス情報として、タッチパネル33に、仮想ゴルフボール110の移動軌跡を示してもよい。この場合、タッチパネル33の下方中央に表示されているキャディボタン102をユーザーが選択すると、プロセッサ23は、パッティングシミュレーション(お試しショット、パッティングの軌道シミュレーション)を実施する。パッティングシミュレーションでは、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてパッティングした場合の、仮想ゴルフボール110の移動軌跡(軌道)が予想される。
【0065】
具体的には、ユーザーが、キャディボタン102を長押しすると、プロセッサ23は、図10に示すように、タッチパネル33の中央よりも下方に、パッティングの強さ(数値;図10の例では「17」)を表示する。ユーザーが、タッチパネル33上でキャディボタン102を長押ししている指を動かすと、プロセッサ23は、ユーザーの指の動きを検出して、強さを変更する。
【0066】
そして、ユーザーが、このようにしてパッティングの強さを設定した後、キャディボタン102を長押ししている指を離すと、プロセッサ23は、図11に示すように、設定された強さで仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてまっすぐに打ったときの仮想ゴルフボール110の移動軌跡(大まかな予想)135を生成し、地面画像に重畳表示する。この際、プロセッサ23は、このような仮想ゴルフボール110の移動軌跡135を、グリーン18の傾斜状況、仮想ゴルフボール110の重量、転がり抵抗および弾性等を考慮して生成する。なお、プロセッサ23は、仮想ゴルフボール110の移動軌跡135を生成するために、移動軌跡を生成するための既存のソフトウェアをメモリ25から読み出してもよい。
【0067】
図11に示した例では、仮想ゴルフボール110が、グリーン18の傾斜にしたがって左にそれてゆく移動軌跡135が示されている。なお、ユーザーがキャディボタン102を再び押すことにより、打たれて移動した仮想ゴルフボール110が元の位置に戻る。
【0068】
この構成では、プロセッサ23は、タッチパネル33を介したユーザーからの指示に基づいて、タッチパネル33に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けて打撃した場合の仮想ゴルフボール110の移動軌跡を重畳表示するように構成されている。これにより、ユーザーは、仮想ゴルフボール110を仮想カップ112に向けてパッティングした場合に、仮想ゴルフボール110がどのように転がるのかを、容易に把握することができる。仮想カップ112を表示させる場所は、地面画像における現実のカップの位置には限られず、現実のカップからずれた位置としてもよい。なお、プロセッサ23は、仮想カップ112を表示させずに任意の打撃方向を地面画像上で指定可能とし、その方向に向けて仮想ゴルフボール110を打撃してパッティングシミュレーションできるように構成してもよい。
【0069】
また、プロセッサ23は、ゴルフ場1の地面であるグリーン18の地面の画像である地面画像に基づいて、グリーン18の地面の傾斜状況(起伏)、ゴルフボールの位置およびカップの位置を取得して、これらに基づいて、次の打撃(パット)のためのアドバイス情報として、理想的なパッティングライン(カップまでのゴルフボールの移動軌跡)の一例を作成して、地面画像に重畳表示してもよい。これにより、ユーザーは、表示されたパッティングラインを参考にして、実際のパッティングを実施することができる。なお、ゴルフボールおよびカップは、現実のものであってもよいし、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112であってもよい。
【0070】
また、上記のようなパッティングに関するアドバイス情報は、図1および図2に示した管理ユニット60によって作成されてもよい。図2に示すように、管理ユニット60は、ユーザー端末20と通信するための管理通信部61、および、管理制御部63を有している。
【0071】
この構成では、ユーザー端末20のプロセッサ23は、端末通信部21を介して、グリーン18の地面画像を管理ユニット60に送信する。管理ユニット60では、管理制御部63が、管理通信部61を介して地面画像を受信する。そして、管理制御部63が、グリーン18の地面の画像である地面画像に基づいて、グリーン18の傾斜状況を取得するとともに、地面画像中におけるゴルフボールの位置およびカップの位置を認識して、次の打撃のためのアドバイス情報を生成する。すなわち、管理制御部63は、グリーン18の傾斜状況、ゴルフボールの位置およびカップの位置に基づいて、アドバイス情報を作成して、管理通信部61を介してユーザー端末20に送信する。
【0072】
そして、ユーザー端末20では、プロセッサ23が、管理ユニット60から送信されたアドバイス情報を、タッチパネル33に表示されている地面画像に重畳表示する。
なお、この構成でも、ゴルフボールおよびカップは、現実のものであってもよいし、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112であってもよい。また、アドバイス情報は、たとえば、図9に示した第1矢印121、距離122および第2矢印123であってもよいし、図11に示した移動軌跡135でもよいし、上述した理想的なパッティングラインであってもよい。
【0073】
このように、この構成では、ユーザー端末20および管理ユニット60が、ユーザー端末20にアドバイス情報を提供する情報提供システムを構成している。このシステムにおいても、ユーザー端末20のユーザーは、アドバイス情報を得ることができる。また、この構成では、アドバイス情報の生成を、ユーザー端末20に代えて管理ユニット60が実施するため、ユーザー端末20の負荷を減らすことが可能となる。なお、管理ユニット60は、ゴルフ場1に備えられてもよいし、クラウド上に備えられてもよい。また、アドバイス情報は、管理ユニット60の管理者(アドバイザー)によって作成されてもよい。
【0074】
なお、本実施形態では、図12に示すように、ユーザーが、タッチパネル33に表示されている地面画像の右下の矢印設定タブ101にタッチすることにより、1つの傾斜記号(矢印記号M1あるいは円記号M2)が対応する小領域(パネル)のサイズおよび数を設定することが可能である。すなわち、プロセッサ23は、タッチパネル33を介したユーザーからの指示に基づいて、小領域のサイズまたは数の少なくとも1つを変更するように構成されている。具体的には、ユーザーが矢印設定タブ101にタッチすることにより、プロセッサ23は、図12に示すように、小領域設定欄140をタッチパネル33に表示する。小領域設定欄140は、パネルサイズ設定用スライダー141およびパネル数設定用スライダー142を含んでいる。
【0075】
ユーザーは、パネルサイズ設定用スライダー141を用いて、1つの小領域のサイズを変更することができるとともに、パネル数設定用スライダー142を用いて、一方向に並ぶ小領域の数を変更することができる。図12に示す例では、小領域のサイズが17cmに設定されているとともに、一方向に並ぶ小領域の数が100枚に設定されている。このため、1700cm四方に、10000枚の小領域を表示することができる。
【0076】
たとえば、ユーザーがパネルサイズ設定用スライダー141を用いて小領域のサイズを縮小すると、1つの傾斜記号に対応する小領域Mのサイズが小さくなるため、図13(a)に示すように、撮像対象の地面であるグリーン18の傾斜が、より詳細に表示される。一方、小領域のサイズを拡大すると、図13(b)に示すように、グリーン18の傾斜が、より曖昧に(大雑把に)表示される。
【0077】
また、ユーザーがパネル数設定用スライダー142を用いて小領域の数を増減すると、タッチパネル33に重畳表示される小領域の数が増減するため、傾斜記号(矢印記号M1あるいは円記号M2)の表示数が増減する。
このように、ユーザーは、パネルサイズ設定用スライダー141およびパネル数設定用スライダー142を用いて、グリーン18の傾斜状況を把握しやすいように、小領域のサイズおよび数を調整することが可能である。
【0078】
なお、プロセッサ23は、タッチパネル33に、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112が表示されている場合、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との中間点を中心に、複数の小領域を配置する。すなわち、この場合、プロセッサ23は、複数の小領域(パネル)の基準点(複数の小領域の中心)を、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との中間点とする。
【0079】
また、プロセッサ23は、タッチパネル33に仮想ゴルフボール110が表示されている一方、仮想カップ112が表示されていない場合、仮想ゴルフボール110を中心に複数の小領域を配置する。すなわち、この場合、プロセッサ23は、複数の小領域(パネル)の基準点を、仮想ゴルフボール110の位置とする。
【0080】
また、図3等に示したヒントボタン107は、タッチパネル33に動作説明を表示するためのボタンである。すなわち、本実施形態では、プロセッサ23は、ユーザーによってヒントボタン107が押されたときに、本実施形態にかかる表示方法の動作説明をタッチパネル33に表示するように構成されている。なお、プロセッサ23は、ユーザー端末20においてアプリケーションプログラムAPが初めて起動されたときにも、本実施形態にかかる表示方法の動作説明をタッチパネル33に表示するように設定されていてもよい。
【0081】
また、図3等に示したリセットボタン108は、タッチパネル33の表示内容をリセットするためのボタンである。すなわち、ユーザーによってリセットボタン108が押されると、プロセッサ23は、タッチパネル33において地面画像に重畳表示されている仮想ゴルフボール110、仮想カップ112、仮想ピンフラッグ113、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との間の距離、傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)、色領域(メッシュ)、およびアドバイス情報(第1矢印121、距離122および第2矢印123など)等を消去して、タッチパネル33に地面画像のみを表示する。ユーザーは、カップ設定ボタン103およびボール設定ボタン104等を操作することにより、改めて、仮想ゴルフボール110や仮想カップ112を地面画像に重畳表示することができる。
【0082】
また、ユーザーは、傾斜記号および色領域の表示に関して、他の詳細な設定を実施することができる。この場合、ユーザーは、図3等に示したタッチパネル33の右下に表示されている設定ボタン109にタッチする。これに応じて、プロセッサ23は、図14に示すような設定画面をタッチパネル33に表示する。
【0083】
この図に示す例では、最上段の「非LiDAR機種サポート」がチェックされると、プロセッサ23は、LiDARが搭載されていないユーザー端末20に対応するように機能する。
【0084】
また、「距離表示位置」および「距離表示文字サイズ」は、図7等に示した仮想ゴルフボール110から仮想カップ112までの距離の表示に関する設定である。「距離表示位置」は、この距離を、タッチパネル33の中央あるいは上部のいずれに表示するのか、を設定するための項目である。また、「距離表示文字サイズ」は、この距離を表示する文字のサイズを設定するための項目である。
【0085】
また、「ボール質量(kg)」「ボール転がり抵抗」および「ボールの弾性」は、図8図11を用いて上述した、アドバイス情報の生成用の設定である。すなわち、「ボール質量(Kg)」、「ボール転がり抵抗」および「ボールの弾性」は、アドバイス情報の生成時における仮想ゴルフボール110の質量、転がり抵抗および弾性の値であり、プロセッサ23による移動軌跡120あるいは移動軌跡135の生成に用いられる。
【0086】
さらに、「メッシュ表示」のチェック欄は、タッチパネル33における地面画像に、図6に示したような地面の高さに応じた色領域(メッシュ)を重畳表示するか否かを設定するためのものである。すなわち、「メッシュ表示」がチェックされていると、プロセッサ23は、タッチパネル33における地面画像に色領域を重畳表示する。そして、「メッシュ透過度」は、タッチパネル33に表示される色領域の透過度(濃さ)を設定するためのものである。
【0087】
また、「メッシュ表示モード」は、色領域における表示態様を設定するためのものである。本実施形態では、メッシュ表示モードとして、たとえば、グラデーション表示あるいはステップ表示を選択することができる。グラデーション表示では、図5に示した9種類の色を用いて色領域が形成される。また、ステップ表示では、グラデーション表示とは異なる色を用いて色領域が形成される。
【0088】
さらに、「メッシュ転がり抵抗」および「メッシュの弾性」は、図8図11を用いて上述したアドバイス情報の生成用の設定である。すなわち、「メッシュ転がり抵抗」および「メッシュの弾性」は、グリーン18の地面の転がり抵抗および弾性の値であり、プロセッサ23による移動軌跡120あるいは移動軌跡135の生成に用いられる。
【0089】
さらに、「勾配矢印表示」のチェック欄は、タッチパネル33における地面画像に、図4に示したような傾斜記号(矢印記号M1あるいは円記号M2)を重畳表示するか否かを設定するためのものである。すなわち、「勾配矢印表示」がチェックされていると、プロセッサ23は、タッチパネル33における地面画像に、傾斜記号を重畳表示する。そして、「矢印透過度」は、タッチパネル33に表示される傾斜記号の透過度(濃さ)を設定するためのものである。
【0090】
また、「矢印表示傾斜閾値」は、「地面画像の小領域に、矢印記号M1および円記号M2のいずれを付すのか」を設定するための閾値である。すなわち、この閾値が小さい場合、傾斜の小さい小領域にも矢印記号M1が付されて、矢印記号M1の表示量が多くなる。一方、この閾値が大きい場合、傾斜の小さい小領域には円記号M2が付されて、円記号M2の表示量が多くなる。たとえば、閾値が0.7である場合、0.7度以下の傾斜が平面であるとみなされる。「矢印中心更新間隔」は、たとえば、傾斜記号を含む小領域の中心(基準点)を更新する時間を設定するための欄である。
【0091】
また、「最大サイズ」および「最大表示数」は、図12および図13を用いて説明した小領域Mのサイズおよび数を設定するためのものである。すなわち、本実施形態では、ユーザーは、小領域Mのサイズおよび数を、矢印設定タブ101を介して設定することもできるし、設定ボタン109を介して設定することもできる。
【0092】
このように、本実施形態では、ユーザーは、タッチパネル33の表示態様を詳細に設定することが可能である。たとえば、ユーザーが、「メッシュ表示」をチェックする一方、「傾斜記号表示」のチェックを外すことにより、プロセッサ23は、タッチパネル33に傾斜記号を表示することなく、地面画像に、地面の高さに応じた色(色領域)を重畳表示する。この構成でも、ユーザーは、グリーン18の傾斜状況を容易に把握することが可能である。
【0093】
あるいは、ユーザーが、「メッシュ表示」のチェックを外す一方、「傾斜記号表示」をチェックすることにより、プロセッサ23は、タッチパネル33に色領域を表示することなく、地面画像に傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)を重畳表示する。この構成でも、ユーザーは、グリーン18の傾斜状況を容易に把握することが可能である。
【0094】
なお、本実施形態では、ユーザーが、図3に示したボール設定ボタン104を選択した状態で、タッチパネル33上の地面画像の任意の部位にタッチしたときに、プロセッサ23が、仮想ゴルフボール110とともに、傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)および地面の高さに応じた色領域を、地面画像に重畳表示している(図4および図6参照)。しかしながら、傾斜記号および色領域の表示のタイミングは、これに限られない。
【0095】
たとえば、ユーザーが、カップ設定ボタン103を選択した状態でタッチパネル33上の地面画像の任意の部位にタッチしたときに、プロセッサ23が、仮想カップ112とともに、傾斜記号および色領域を地面画像に重畳表示してもよい。この場合、プロセッサ23は、地面画像における仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との間の領域だけに、傾斜記号および色領域を表示してもよい。これにより、パッティングに必要な領域のみに傾斜記号および色領域を表示することとなるので、ユーザーによる地面画像の視認性を高められる。
【0096】
また、本実施形態では、プロセッサ23は、カメラ31によって取得された地面画像中に写っている現実のゴルフボールおよびカップを認識してもよい。そして、プロセッサ23は、地面画像におけるゴルフボールとカップとの間に、傾斜記号および色領域を重畳表示してもよい。この構成では、ユーザーは、仮想ゴルフボール110および仮想カップ112を設定することなく、パッティングに有用なグリーン18の傾斜状況を容易に把握することが可能となる。
【0097】
また、この場合、ユーザーによって現実のゴルフボールが打たれたときに、プロセッサ23は、打たれたゴルフボールが写っている地面画像からゴルフボールの軌跡を取得して、タッチパネル33に表示されている地面画像に重畳表示してもよい。
【0098】
また、本実施形態では、カメラ31がゴルフ場1におけるグリーン18の地面を撮像することによってグリーン18の地面画像を得て、プロセッサ23が、グリーン18の地面画像に傾斜記号および色領域を重畳表示している。これに関し、本実施形態においてタッチパネル33に表示される地面画像は、グリーン18の地面画像に限られず、ティーインググラウンド13、フェアウェイ14、ラフ15およびバンカー17等の、ゴルフ場1におけるグリーン18以外の地面の画像であってもよい。たとえば、フェアウェイ14の地面画像を用いることにより、ユーザーは、フェアウェイ14の傾斜状況(起伏)を明確に把握することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態のユーザー端末20では、メモリ25がアプリケーションプログラムAPを備えている。そして、プロセッサ23が、このアプリケーションプログラムAPを読み出して、上述したプロセッサ23の機能(すなわち、制御部としての機能)を得ている。すなわち、このアプリケーションプログラムAPは、たとえば、ゴルフ場1の地面を撮像することによって得られた地面画像に基づいて地面の傾斜状況を取得すること、および、地面画像と、地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面(タッチパネル33)に重畳表示することを、コンピュータとしてのプロセッサ23に実施させるためのコンピュータプログラムである。
【0100】
このアプリケーションプログラムAPは、スマートホンなどの汎用のユーザー端末20を、ゴルフ場1において機能する端末装置として機能させるためのプログラムである。これにより、ユーザーは、専用の端末装置に代えて、自分の所有するスマートホンなどのユーザー端末20を、ゴルフ場1において機能する端末装置として利用することが可能となる。
【0101】
また、ユーザー端末20は、ゴルフ場1からユーザーに貸与される専用の端末装置等であってもよい。この場合、ユーザー端末20は、アプリケーションプログラムAPを読み込んで機能するプロセッサ23に代えて、ハードウェアにより構成される制御部を備えてもよい。
【0102】
ここで、小領域Mごとに形成される傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)の形成方法について説明する。
【0103】
プロセッサ23は、まず、図15に示すように、地面画像70を含むAR空間を形成する。地面画像70は、傾斜を含む3次元の地面(たとえばグリーン18の地面)の画像である。地面画像70は、たとえば、色領域の構成単位となる多角形のメッシュの集合体として認識される。
【0104】
次に、プロセッサ23は、図16に示すように、このAR空間に、基準点72を中心に、複数の矩形のパネル区画80を設定(内部的に生成)する。
【0105】
基準点72は、上述したように、仮想ゴルフボール110の位置か、あるいは、仮想ゴルフボール110と仮想カップ112との中間点であり、図16に示す例では仮想ゴルフボール110の位置である。この基準点72を中心に、N×N枚(たとえば3×3枚)の複数のパネル区画80が、同じ高さに設定される。
【0106】
このパネル区画80は、小領域Mに対応するパネル(後述)の枠となるもの(仮想的な枠)であり、たとえば正方形である。パネル区画80の数Nおよびサイズ(一辺の長さ)については、図12を用いて説明したように、小領域Mの数およびサイズとして設定することが可能である。なお、複数のパネル区画80の中心となる1つのパネル区画80が設けられることが好ましいため、パネル区画80の数Nは奇数であることが好ましい。
そして、プロセッサ23は、このように設定された各パネル区画80の中心の座標を求める。
【0107】
次に、プロセッサ23は、図17に示すように、AR空間においてパネル区画80を上昇させて、AR空間における各パネル区画80の中心の高さ(各パネル区画80の中心の座標のうちのY座標)を、基準点72から第1所定値L1(本実施形態では1m)だけ高い位置とする。そして、プロセッサ23は、この位置での各パネル区画80の中心の座標を中心座標P1とする。
【0108】
なお、第1所定値は、地面画像70の最大高さ(起伏の高さ;基準点72からの高さ)よりも大きくなるように、比較的に大きい値(たとえば1m)とすることがこの好ましい。これにより、パネル区画80が地面画像70内に埋まってしまうことを防止することができる。
【0109】
次に、プロセッサ23は、図17に示すように、各パネル区画80の中心座標P1から下方(垂直にマイナス方向、鉛直方向下方)に向けてレイキャスト(仮想の光線の照射)を実施し、地面画像70(地面画像70を形成するメッシュ)における光が衝突した位置の座標である地面座標P2を得る。これにより、プロセッサ23は、各パネル区画80の中心の下方に位置する地面画像70の部位の三次元座標である地面座標P2を得る。
【0110】
その後、プロセッサ23は、各パネル区画80に対応する地面座標P2よりも第2所定値L2(本実施形態では1cm)だけ高い座標であるパネル座標P3を取得する。そして、プロセッサ23は、各パネル座標P3が中心となるように、N×N枚(3×3枚)の全てのパネル区画80を実体化する。これにより、プロセッサ23は、図18に示すように、AR空間に、地面座標P2よりも第2所定値L2(1cm)だけ高いパネル座標P3を中心とする複数のパネル82を形成する。このパネル82は、1つの傾斜記号(矢印記号M1および円記号M2)が付与される小領域Mに対応するものであり、AR空間においては、正方形の板状物である。
【0111】
次に、プロセッサ23は、図19に示すように、AR空間において、パネル82を、地面画像70に向けて自由落下させる。これにより、パネル82は、1cmだけ落下して、地面画像70に衝突する。地面画像70に衝突したパネル82は、地面画像70の衝突地点で、この地点の傾斜に沿って傾斜した状態で静止する。具体的には、地面画像70に衝突したパネル82は、地面画像70の衝突地点(たとえば地面座標P2の点)の法線(衝突地点から垂直に延びる線)を自身の法線とするように傾斜した状態で静止する。このようにして、プロセッサ23は、パネル82を地面画像70に向けて落下させて、パネル82に地面画像70の傾斜に応じた傾斜をもたせる。
【0112】
その後、プロセッサ23は、図20に示すように、地面画像70に落下したパネル82を、その傾斜に応じた傾斜記号(矢印記号M1あるいは円記号M2)を付して、小領域Mとして地面画像70に重畳表示する。このようにして、プロセッサ23は、小領域Mごとの傾斜記号を、地面画像70に重畳表示することができる。
【0113】
このような傾斜記号の形成方法では、地面画像70に落下したパネル82の傾斜に基づいて、地面の傾斜を求めて、傾斜記号をパネル82に付している。このため、地面の複数の点の高さをサンプリングすることによって地面の傾斜を算出する方法に比して、地面の傾斜を容易に求めることができる。
また、この方法では、パネル82のサイズ(パネル区画80のサイズ)を小さくすることにより、地面画像70の詳細な傾斜状況(起伏)を求めることができる。
【符号の説明】
【0114】
1:ゴルフ場、10:ホール、13:ティーインググラウンド、14:フェアウェイ、
15:ラフ、16:池、17:バンカー、18:グリーン、
20:ユーザー端末、21:端末通信部、23:プロセッサ、25:メモリ、
30:入出力装置、31:カメラ、33:タッチパネル、35:スピーカ、
51:ピンフラッグ、60:管理ユニット、61:管理通信部、63:管理制御部、
70:地面画像、72:基準点、80:パネル区画、82:パネル、
101:矢印設定タブ、102:キャディボタン、103:カップ設定ボタン、
104:ボール設定ボタン、106:ナビボタン、107:ヒントボタン、
108:リセットボタン、109:設定ボタン、
110:仮想ゴルフボール、112:仮想カップ、113:仮想ピンフラッグ、
120:移動軌跡、121:第1矢印、122:距離、123:第2矢印、
135:移動軌跡、
140:小領域設定欄、141:パネルサイズ設定用スライダー、
142:パネル数設定用スライダー、
AP:アプリケーションプログラム、N:コンピュータネットワーク、
L11:第1直線、L12:第2直線、P11:第1位置、P12:第2位置、
L1:第1所定値、L2:第2所定値、
P1:中心座標、P2:地面座標、P3:パネル座標
M:小領域、M1:矢印記号、M2:円記号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成する撮像部と、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを、表示画面に重畳表示する制御部と、を有しており
前記制御部は、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
端末装置。
【請求項2】
前記傾斜記号は、傾斜方向を示す矢印を含んでいる、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記小領域のサイズまたは数の少なくとも1つを変更するように構成されている、
請求項に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記地面画像を含むAR空間を形成すること、
前記AR空間に、基準点を中心に、複数のパネル区画を設定すること、
前記AR空間における各パネル区画の中心の高さを、前記基準点から第1所定値だけ高い位置とすること、
各パネル区画の中心の下方に位置する前記地面画像の部位の三次元座標である地面座標を得ること、
各パネル区画に対応する前記地面座標よりも第2所定値だけ高い座標であるパネル座標を取得すること、
前記AR空間に、前記パネル座標を中心とするパネルを形成すること、
前記パネルを前記地面画像に向けて落下させて、前記パネルに前記地面画像の傾斜に応じた傾斜をもたせること、および、
前記地面画像に落下した前記パネルを、その傾斜に応じた傾斜記号を付して、前記小領域として前記地面画像に重畳表示すること、
によって、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示する、
請求項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記地面画像に、撮像された前記地面の高さに応じた色を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボールおよび仮想カップを表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記仮想ゴルフボールを前記仮想カップにカップインさせるための情報であるアドバイス情報を生成して、このアドバイス情報を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
請求項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記アドバイス情報として、前記仮想ゴルフボールの打撃の目標位置を上方から示す第1矢印、前記仮想ゴルフボールから前記目標位置に向かう第2矢印、および、前記仮想カップから前記目標位置までの距離を表示するように構成されている、
請求項に記載の端末装置。
【請求項9】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール、および、前記仮想ゴルフボールを打撃した場合の前記仮想ゴルフボールの移動軌跡を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成すること、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することであって、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示すること、を含む、
表示方法。
【請求項11】
ゴルフ場の地面を撮像することによって得られた地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することであって、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示することを、コンピュータに実施させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項1に記載の端末装置と、管理ユニットとを含み、
前記端末装置は、前記管理ユニットと通信するための端末通信部を備えており、前記制御部は、この端末通信部を介して、前記地面画像を前記管理ユニットに送信するとともに、前記管理ユニットから送信された情報を受信するように構成されており、
前記管理ユニットは、
前記端末装置と通信するための管理通信部と、
前記管理通信部を介して前記地面画像を受信し、この地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得するとともに、前記地面画像中におけるゴルフボールの位置およびカップの位置を認識して、次の打撃のためのアドバイス情報を生成し、このアドバイス情報を前記管理通信部を介して前記端末装置に送信する管理制御部と、を備えている、
情報提供システム。
【手続補正書】
【提出日】2025-01-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成する撮像部と、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを、表示画面に重畳表示する制御部と、を有しており、
前記制御部は、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
端末装置。
【請求項2】
前記傾斜記号は、傾斜方向を示す矢印を含んでいる、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記小領域のサイズまたは数の少なくとも1つを変更するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記地面画像を含むAR空間を形成すること、
前記AR空間に、基準点を中心に、複数のパネル区画を設定すること、
前記AR空間における各パネル区画の中心の高さを、前記基準点から第1所定値だけ高い位置とすること、
各パネル区画の中心の下方に位置する前記地面画像の部位の三次元座標である地面座標を得ること、
各パネル区画に対応する前記地面座標よりも第2所定値だけ高い座標であるパネル座標を取得すること、
前記AR空間に、前記パネル座標を中心とするパネルを形成すること、
前記パネルを前記地面画像に向けて落下させて、前記パネルに前記地面画像の傾斜に応じた傾斜をもたせること、および、
前記地面画像に落下した前記パネルを、その傾斜に応じた傾斜記号を付して、前記小領域として前記地面画像に重畳表示すること、
によって、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記地面画像に、撮像された前記地面の高さに応じた色を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項6】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボールおよび仮想カップを表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得して、前記仮想ゴルフボールを前記仮想カップにカップインさせるための情報であるアドバイス情報を生成して、このアドバイス情報を前記地面画像に重畳表示するように構成されている、
請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記アドバイス情報として、前記仮想ゴルフボールの打撃の目標位置を上方から示す第1矢印、前記仮想ゴルフボールから前記目標位置に向かう第2矢印、および、前記仮想カップから前記目標位置までの距離を表示するように構成されている、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記仮想ゴルフボールと前記仮想カップとを通る直線である第1直線、および、この第1直線に垂直であって前記仮想カップを通る直線である第2直線を前記地面画像中に設定し、
前記仮想ゴルフボールを前記仮想カップに向けて打撃した場合の前記仮想ゴルフボールの移動軌跡と前記第2直線との交点の位置である第1位置を求め、
前記第2直線上において、前記仮想カップを挟んで前記第1位置とは反対側の位置となる第2位置を求め、この第2位置を前記目標位置として設定する、
請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
ユーザーの指示を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記入力部を介したユーザーからの指示に基づいて、前記表示画面に表示されている地面画像に、仮想ゴルフボール、および、前記仮想ゴルフボールを打撃した場合の前記仮想ゴルフボールの移動軌跡を重畳表示するように構成されている、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項11】
ゴルフ場の地面を撮像して地面画像を生成すること、
前記地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することであって、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示すること、を含む、
表示方法。
【請求項12】
ゴルフ場の地面を撮像することによって得られた地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得すること、および、
前記地面画像と、前記地面の傾斜状況を示す傾斜記号とを表示画面に重畳表示することであって、前記地面画像を所定の小領域に分けて、前記小領域ごとに傾斜状況を取得して、前記小領域ごとの前記傾斜記号を前記地面画像に重畳表示することを、コンピュータに実施させるためのコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項1に記載の端末装置と、管理ユニットとを含み、
前記端末装置は、前記管理ユニットと通信するための端末通信部を備えており、前記制御部は、この端末通信部を介して、前記地面画像を前記管理ユニットに送信するとともに、前記管理ユニットから送信された情報を受信するように構成されており、
前記管理ユニットは、
前記端末装置と通信するための管理通信部と、
前記管理通信部を介して前記地面画像を受信し、この地面画像に基づいて前記地面の傾斜状況を取得するとともに、前記地面画像中におけるゴルフボールの位置およびカップの位置を認識して、次の打撃のためのアドバイス情報を生成し、このアドバイス情報を前記管理通信部を介して前記端末装置に送信する管理制御部と、を備えている、
情報提供システム。