(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015144
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】アクチュエータ及び光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20250123BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20250123BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20250123BHJP
H04N 23/68 20230101ALI20250123BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20250123BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
H04N23/54
H04N23/68
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118328
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】笠原 章吾
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【テーマコード(参考)】
2H044
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA34
2K005CA45
2K005CA53
5C122DA01
5C122EA41
5C122EA54
5C122FB03
5C122FB08
5C122FB23
5C122GD09
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE19
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータを小型化する。
【解決手段】ジンバル機構130の脚部132を支持する支持部134が固定体110と可動体120とに形成される構成において、駆動機構140を構成するコイル142同士を繋ぐフレキシブル基板143を、可動体120に設けられる支持部134の位置を少しでも回避するように配置する。このような構成とすることで、可動体120に設けられる支持部134の位置を補強する必要性をなくすことができアクチュエータ10を小型化することができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータであって、
前記レンズユニットと前記センサーユニットとが接続され、光軸方向と平行であって各々が対向する第1面及び第2面と、光軸方向と平行であって前記第1面及び前記第2面と直交し各々が対向する第3面及び第4面と、を有する可動体と、
前記可動体を光軸方向と交差する交差方向のうちの少なくとも1方向を回転軸として回転可能な状態で保持する固定体と、
前記可動体に通された枠状の天板と前記天板から光軸方向に沿って延びる複数の脚部とを有する回転部材と、前記脚部と係合し前記脚部を回転可能な状態で支持する支持部と、を有するジンバル機構と、
磁石とコイルと前記コイル同士をつなぐフレキシブル基板とを有し、前記可動体を前記固定体に対して回転させる駆動力を発生させる駆動機構と、
を備え、
前記駆動機構は、
前記磁石として、前記第1面に配置される第1磁石、前記第2面に配置される第2磁石、前記第3面に配置される第3磁石、前記第4面に配置される第4磁石と、
前記コイルとして、前記固定体の前記第1磁石と対向する面に配置される第1コイル、前記固定体の前記第2磁石と対向する面に配置される第2コイル、前記固定体の前記第3磁石と対向する面に配置される第3コイル、前記固定体の前記第4磁石と対向する面に配置される第4コイルと、
前記フレキシブル基板として、第1コイルと第3コイルとを繋ぐ第1フレキシブル基板、第3コイルと第2コイルとを繋ぐ第2フレキシブル基板、第2コイルと第4コイルとを繋ぐ第3フレキシブル基板と、
を有し、
前記ジンバル機構は、光軸方向から見て前記第1面と前記第3面との間の位置から前記第2面と前記第4面との間の位置まで延びる第1直線の延長線上の前記固定体における2カ所と、光軸方向から見て前記第1面と前記第4面との間の位置から前記第2面と前記第3面との間の位置まで延びる第2直線の延長線上の前記可動体における2カ所と、に前記支持部が設けられることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定体は、光軸方向から見て内側に凹むとともに前記フレキシブル基板を沿わせて配置するためのフレキシブル基板配置溝を有し、
前記フレキシブル基板配置溝は、光軸方向における前記第1フレキシブル基板の幅と前記第2フレキシブル基板の幅と前記第3フレキシブル基板の幅に応じて、光軸方向の幅が決められていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアクチュエータにおいて、
前記固定体は、光軸方向から見て前記第2フレキシブル基板の周囲に補強部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のアクチュエータと、
前記レンズユニットと、
前記センサーユニットと、
を備えることを特徴とする光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ及び光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な光学ユニットが使用されている。このうち、レンズユニットと、センサーユニットと、レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータと、を備える光学ユニットが使用されている。例えば、特許文献1には、レンズと撮像素子とが設けられる撮像モジュールを有する可動体と、可動体を光軸方向と交差する方向を回転軸として回転可能な状態で保持する固定体と、を備える光学ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンズユニットと、センサーユニットと、レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータと、を備える従来の光学ユニットは、ジンバル機構と、磁石とコイルとコイル同士をつなぐフレキシブル基板とを有する駆動機構と、を備えている場合が多い。このうち、ジンバル機構の脚部を支持する支持部が固定体と可動体とに形成される構成においては、可動体に形成された支持部の位置の近傍にフレキシブル基板が配置されると、可動体に形成された支持部の位置は可動体が固定体に対して回転移動する際の端部近傍に該当する構成となるため、フレキシブル基板と可動体とが干渉しやすくなる。そこで、フレキシブル基板と可動体との干渉を抑制するために可動体における支持部近傍とフレキシブル基板との距離を大きくすると固定体におけるフレキシブル基板が配置される領域が肉薄となり剛性が低くなりやすい。そこで、固定体におけるフレキシブル基板が配置される領域の剛性を高くするためにその領域の位置近傍に補強部を形成すると、アクチュエータが大型化しやすく、ひいては光学ユニットが大型化しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のアクチュエータは、レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータであって、前記レンズユニットと前記センサーユニットとが接続され、光軸方向と平行であって各々が対向する第1面及び第2面と、光軸方向と平行であって前記第1面及び前記第2面と直交し各々が対向する第3面及び第4面と、を有する可動体と、前記可動体を光軸方向と交差する交差方向のうちの少なくとも1方向を回転軸として回転可能な状態で保持する固定体と、前記可動体に通された枠状の天板と前記天板から光軸方向に沿って延びる複数の脚部とを有する回転部材と、前記脚部と係合し前記脚部を回転可能な状態で支持する支持部と、を有するジンバル機構と、磁石とコイルと前記コイル同士をつなぐフレキシブル基板とを有し、前記可動体を前記固定体に対して回転させる駆動力を発生させる駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、前記磁石として、前記第1面に配置される第1磁石、前記第2面に配置される第2磁石、前記第3面に配置される第3磁石、前記第4面に配置される第4磁石と、前記コイルとして、前記固定体の前記第1磁石と対向する面に配置される第1コイル、前記固定体の前記第2磁石と対向する面に配置される第2コイル、前記固定体の前記第3磁石と対向する面に配置される第3コイル、前記固定体の前記第4磁石と対向する面に配置される第4コイルと、前記フレキシブル基板として、第1コイルと第3コイルとを繋ぐ第1フレキシブル基板、第3コイルと第2コイルとを繋ぐ第2フレキシブル基板、第2コイルと第4コイルとを繋ぐ第3フレキシブル基板と、を有し、前記ジンバル機構は、光軸方向から見て前記第1面と前記第3面との間の位置から前記第2面と前記第4面との間の位置まで延びる第1直線の延長線上の前記固定体における2カ所と、光軸方向から見て前記第1面と前記第4面との間の位置から前記第2面と前記第3面との間の位置まで延びる第2直線の延長線上の前記可動体における2カ所と、に前記支持部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係る光学ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1の光学ユニットのレンズユニットとセンサーユニットとアクチュエータとを表す分解斜視図である。
【
図3】
図1の光学ユニットのアクチュエータを表す正面図である。
【
図4】
図1の光学ユニットのアクチュエータの可動体を表す正面図である。
【
図5】
図1の光学ユニットのアクチュエータの固定体を表す正面図である。
【
図6】
図1の光学ユニットのアクチュエータの可動体とジンバル機構とを表す斜視図である。
【
図7】
図1の光学ユニットのアクチュエータの可動体とジンバル機構とを表す
図3のA-A直線での断面図である。
【
図8】
図1の光学ユニットのアクチュエータの固定体と可動体とジンバル機構とを表す
図3のB-B直線での断面図である。
【
図9】
図1の光学ユニットのアクチュエータを表す正面から見た断面図である。
【
図10】
図1の光学ユニットのアクチュエータのコイル及びフレキシブル基板を表す斜視図である。
【
図11】
図1の光学ユニットのアクチュエータを表す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例に係る光学ユニット1について
図1から
図11を用いて説明する。各図において、Z軸方向は光軸AXの延びる光軸方向であり、X軸方向は光軸AXと交差する方向、言い換えるとヨーイングの軸方向であり、Y軸方向は光軸AXと交差する方向、言い換えるとピッチングの軸方向である。また、Z軸方向のうち、矢印が向く方向である+Z方向は被写体側の方向であり、矢印が向く方向とは反対方向である-Z方向は被写体側とは反対側の反被写体側の方向である。
【0009】
<光学ユニットの全体構成>
最初に、本実施例の光学ユニット1の全体構成について説明する。本実施例の光学ユニット1は、
図1で表されるように筐体2を備えている。
図1で表されるように、筐体2にはレンズ3aを有するレンズユニット3が設けられている。
【0010】
また、筐体2には、レンズユニット3のほか、
図2で表されるようにアクチュエータ10とセンサーユニット4とが設けられている。
図1で表されるように筐体2には孔部2aが設けられ、光軸方向から見て孔部2aからレンズ3aが見えるようにレンズユニット3が筐体2に配置されている。アクチュエータ10は、レンズユニット3とセンサーユニット4とを接続し、筐体2内でレンズユニット3を変位することが可能な構成となっている。
【0011】
<レンズユニット>
本実施例のレンズユニット3は、アクチュエータ10に接続されるとともに、アクチュエータ10に接続された状態で、さらに、センサーユニット4にも接続される。
図2で表されるように、本実施例のレンズユニット3は、レンズ3aが設置されるレンズ設置部分31と、レンズ設置部分31よりも小径の第1接続部分32と、を有する。第1接続部分32がアクチュエータ10に接続されるとともにセンサーユニット4にも接続される。
【0012】
<センサーユニット>
本実施例のセンサーユニット4は、撮像素子41aを有する大径部分41と、第1接続部分32が接続される第2接続部分42と、を有する。ここで、第1接続部分32は円筒形をしており第2接続部分42も円筒形をしている。そして、第1接続部分32がアクチュエータ10に接続された状態で、第1接続部分32の外周部が第2接続部分42の内周部に嵌るように第1接続部分32と第2接続部分42とが接続される。第1接続部分32撮像素子41aには、フレキシブル基板41bが接続されている。
【0013】
<アクチュエータ>
図2などで表されるように、本実施例のアクチュエータ10は、筐体2に固定される固定体110と、レンズユニット3とセンサーユニット4とが接続されるとともに固定体110に対して変位可能な可動体120と、を有している。そして、本実施例のアクチュエータ10は、
図6から
図8などで表されるように、固定体110及び可動体120に接続されるジンバル機構130を有している。
【0014】
ジンバル機構130により、固定体110は、可動体120をX軸方向及びY軸方向など光軸方向と交差する交差方向のうちの少なくとも1方向を回転軸として回転可能な状態で保持している。さらに、本実施例のアクチュエータ10は、
図9などで表されるように磁石141とコイル142とフレキシブル基板143とを有し、可動体120を固定体110に対して回転させる駆動力を発生させる駆動機構140を有している。なお、フレキシブル基板143としては、コイル142同士をつなぐフレキシブル基板143A、フレキシブル基板143B及びフレキシブル基板143Cや、
図2で表されるように端子144に接続されるフレキシブル基板143Dなどを有している。
【0015】
<可動体>
可動体120は、
図3、
図4、
図6及び
図9で表されるように、光軸方向(Z軸方向)と平行であって各々が対向する第1面121及び第2面122と、光軸方向と平行であって第1面121及び第2面122と直交し各々が対向する第3面123及び第4面124と、を有している。そして、第1面121に磁石141としての磁石141Aが設けられ、第2面122に磁石141としての磁石141Cが設けられ、第3面123に磁石141としての磁石141Bが設けられ、第4面124に磁石141としての磁石141Dが設けられている。
【0016】
また、可動体120は、
図7及び
図8で表されるように、光軸方向における第1方向(+Z方向側から-Z方向側に向かう方向)から第1接続部分32を挿入することが可能な第1挿入口125と、第1方向とは反対の第2方向(-Z方向側から+Z方向側に向かう方向)から第2接続部分42を挿入可能な第2挿入口126と、を有している。レンズユニット3とセンサーユニット4とが接続された可動体120が固定体110に対して変位することで、レンズユニット3及びセンサーユニット4も固定体110に対して変位する。
【0017】
<固定体>
固定体110は、
図3、
図5及び
図9で表されるように、第1面121に面する第1対向面111と、第2面122に面する第2対向面112と、第3面123に面する第3対向面113と、第4面124に面する第4対向面114と、を有している。
図3、
図8及び
図9で表されるように、可動体120は、固定体110の第1対向面111、第2対向面112、第3対向面113及び第4対向面114で囲まれた領域に配置される。そして、
図9で表されるように、第1対向面111にコイル142としてのコイル142Aが設けられ、第2対向面112にコイル142としてのコイル142Cが設けられ、第3対向面113にコイル142としてのコイル142Bが設けられ、第4対向面114にコイル142としてのコイル142Dが設けられている。
【0018】
また、
図8で表されるように、固定体110には、光軸方向から見て内側に凹むとともにフレキシブル基板143を沿わせて配置するためのフレキシブル基板配置溝115が設けられている。フレキシブル基板配置溝115が設けられていることで、可動体120が固定体110に対して変位する際にフレキシブル基板143が移動してフレキシブル基板143が可動体120などと干渉するということを抑制することができる。
【0019】
<ジンバル機構>
ジンバル機構130は、
図6から
図9で表されるように、可動体120に通された枠状の天板131と天板131から光軸方向に沿って延びる4つの脚部132とを有する回転部材136と、脚部132と係合し脚部132を回転可能な状態で支持する支持部134と、を有している。ここで、回転部材136は、脚部132として、
図6及び
図7で表されるように光軸方向から見て天板131の内側方向に突出してから光軸方向に沿って延びる第1脚部132A及び132Bと、
図6及び
図8で表されるように天板131の外側方向に突出してから光軸方向に沿って延びる第2脚部132C及び132Dと、を有している。また、支持部134として、
図7で表されるように可動体120に固定され第1脚部132A及び132Bを回転可能な状態で支持する第1支持部134A及び134Bと、
図8で表されるように固定体110に固定され第2脚部132C及び132Dを回転可能な状態で支持する第2支持部134C及び134Dと、を有している。
【0020】
すなわち、支持部134は、光軸方向から見て第1面121と第3面123との間の位置から第2面122と第4面124との間の位置まで延びる第1直線(
図3のB-B直線)の延長線上の固定体110における2カ所と、光軸方向から見て第1面121と第4面124との間の位置から第2面122と第3面123との間の位置まで延びる第2直線(
図3のA-A直線)の延長線上の可動体120における2カ所と、に設けられている。また、
図7及び
図8で表されるように、各々の支持部134は、同様の構成をしており、各々の脚部132に設けられた凸部133と係合する凹部135が形成された係合部134aと、固定体110または可動体120に固定される固定部134bと、が対向するU字形状をしており、ジンバル機構130は、U字形状の支持部134のバネ力により回転部材136を支持し、可動体120を固定体110に対して回転可能に保持している。すなわち、本実施例のジンバル機構130は、高剛性の天板131及び脚部132を有する回転部材136と、U字形状をしており撓みやすい支持部134と、で構成されている。
【0021】
<駆動機構>
本実施例の駆動機構140は、磁石141Aと磁石141Aに対して対向する位置に設けられるコイル142Aと、磁石141Bと磁石141Bに対して対向する位置に設けられるコイル142Bと、磁石141Cと磁石141Cに対して対向する位置に設けられるコイル142Cと、磁石141Dと磁石141Dに対して対向する位置に設けられるコイル142Dと、を有している。ここで、磁石141A、磁石141B、磁石141C及び磁石141Dはいずれも同様の構成であり、コイル142A、コイル142B、コイル142C及びコイル142Dはいずれも同様の構成である。このうち、磁石141A及びコイル142Aと、磁石141C及びコイル142Cと、でピッチング軸揺動機構を構成している。また、磁石141B及びコイル142Bと、磁石141D及びコイル142Dと、でヨーイング軸揺動機構を構成している。
【0022】
以下に、
図9から
図11を参照してさらにアクチュエータ10の観点から本実施例の光学ユニット1について説明する。本実施例のアクチュエータ10は、上記のように、レンズユニット3とセンサーユニット4とを接続可能である。そして、上記のように、レンズユニット3とセンサーユニット4とが接続され、光軸方向と平行であって各々が対向する第1面121及び第2面122と、光軸方向と平行であって第1面121及び第2面122と直交し各々が対向する第3面123及び第4面124と、を有する可動体120を備えている。また、上記で説明した、固定体110、ジンバル機構130、駆動機構140、を備えている。
【0023】
駆動機構140は、
図9で表されるように、磁石141として、第1面121に配置される第1磁石としての磁石141A、第2面122に配置される第2磁石としての磁石141C、第3面123に配置される第3磁石としての磁石141B、第4面124に配置される第4磁石としての磁石141D、を有している。また、コイル142として、固定体110の第1磁石(磁石141A)と対向する面である第1対向面111に配置される第1コイルとしてのコイル142A、固定体110の第2磁石(磁石141C)と対向する面である第2対向面112に配置される第2コイルとしてのコイル142C、固定体110の第3磁石(磁石141B)と対向する面である第3対向面113に配置される第3コイルとしてのコイル142B、固定体110の第4磁石(磁石141D)と対向する面である第4対向面114に配置される第4コイルとしてのコイル142D、を有している。さらに、フレキシブル基板143として、第1コイル(コイル142A)と第3コイル(コイル142B)とを繋ぐ第1フレキシブル基板としてのフレキシブル基板143A、第3コイル(コイル142B)と第2コイル(コイル142C)とを繋ぐ第2フレキシブル基板としてのフレキシブル基板143B、第2コイル(コイル142C)と第4コイル(コイル142D)とを繋ぐ第3フレキシブル基板としてのフレキシブル基板143C、を有している。
【0024】
別の観点から説明すると、
図10で表されるように、本実施例のアクチュエータ10は、駆動機構140として、コイル142A、コイル142B、コイル142C、コイル142D、を備えている。さらに、本実施例のアクチュエータ10は、駆動機構140として、コイル142Aとコイル142Bとを繋ぐフレキシブル基板143A、コイル142Bとコイル142Cとを繋ぐフレキシブル基板143B、コイル142Cとコイル142Dとを繋ぐフレキシブル基板143C、コイル142Cと端子144とを繋ぐフレキシブル基板143D、を備えている。ここで、コイル142Aとコイル142Dとは接続されておらず、コイル142Aとコイル142Dは、各々端部に位置するコイル142である。
【0025】
また、上記のように、ジンバル機構130は、光軸方向から見て第1面121と第3面123との間の位置から第2面122と第4面124との間の位置まで延びる第1直線(
図3のB-B直線)の延長線上の固定体110における2カ所と、光軸方向から見て第1面121と第4面124との間の位置から第2面122と第3面123との間の位置まで延びる第2直線(
図3のA-A直線)の延長線上の可動体120における2カ所と、に支持部134が設けられている。すなわち、本実施例のアクチュエータ10は、コイル142同士が接続されていない領域(コイル142Aとコイル142Dとが接続されていない領域)を可動体120に設けられる支持部134の近傍に配置している。
【0026】
ここで、コイル142同士を繋ぐフレキシブル基板143が可動体120に設けられる支持部134の近傍に配置される構成の場合、コイル142同士を繋ぐフレキシブル基板143が固定体110に設けられる支持部134の近傍に配置される構成に比べて、可動体120の変位により可動体120とフレキシブル基板143とが干渉しやすい。そして、可動体120とフレキシブル基板143との干渉を抑制するためには支持部134とフレキシブル基板143との間隔を大きくしてフレキシブル基板143の設置位置(固定体110のフレキシブル基板配置溝115)周辺を薄肉で構成する必要がある。しかしながら、固定体110におけるフレキシブル基板143の設置位置周辺を薄肉で構成する場合は、固定体110の剛性を低減させないようにするため、固定体110におけるフレキシブル基板143の設置位置周辺に補強部を構成しなければならなくなる場合があり、アクチュエータ10が大型化しやすい。
【0027】
そこで、本実施例のアクチュエータ10は、ジンバル機構130の脚部132を支持する支持部134が固定体110と可動体120とに形成される構成において、駆動機構140を構成するコイル142同士を繋ぐフレキシブル基板143を、可動体120に設けられる支持部134の位置を少しでも回避するように配置する構成としている。このような構成としていることで、固定体110における可動体120に設けられる支持部134の位置近傍を補強する必要性をなくすことができており、アクチュエータ10を小型化することができている。
【0028】
なお、本実施例のアクチュエータ10においては、
図11などで表されるように、可動体120に設けられる支持部134の位置に対応しフレキシブル基板143Bが配置される固定体110のフレキシブル基板配置溝115の近傍位置には、補強部116が形成されている。別の表現をすると、本実施例のアクチュエータ10は、固定体110に、光軸方向から見て第3コイル(コイル142B)と第2コイル(コイル142C)とを繋ぐ第2フレキシブル基板(フレキシブル基板143B)の周囲に補強部116が形成されている。本実施例のアクチュエータ10においては、補強部116はフレキシブル基板143Dの固定部を兼ねているため、アクチュエータ10の大型化を抑制しつつフレキシブル基板143Bが配置される固定体110のフレキシブル基板配置溝115の近傍位置の強度が低下することを抑制している。別の表現をすると、本実施例のアクチュエータ10は、2カ所の可動体120に設けられる支持部134の位置のうちの1カ所の位置にコイル142同士が接続されていない領域を配置することで、補強部116の形成数を減らし、アクチュエータ10が大型化することを抑制している。
【0029】
ここで、上記のように、コイル142Aとコイル142Dとは接続されておらず、コイル142Aとコイル142Dは、各々端部に位置するコイル142である。このため、コイル142Aと接続されるフレキシブル基板143A及びコイル142Dと接続されるフレキシブル基板143Cは、1つぶんのコイル142との信号のやり取りに必要な狭い幅B1(光軸方向の幅)となっている。一方、コイル142Bとコイル142Cとを繋ぐフレキシブル基板143Bは、コイル142A及びコイル142Bの2つぶんのコイル142との信号のやり取りに必要な幅B2(光軸方向の幅であって幅B1の2倍の幅)となっている。なお、フレキシブル基板143Dは、コイル142A、コイル142B、コイル142C及びコイル142Dの4つぶんのコイル142との信号のやり取りに必要な幅B3(幅B1の4倍の幅)となっている。
【0030】
上記のように、本実施例のアクチュエータ10においては、固定体110は、光軸方向から見て内側に凹むとともにフレキシブル基板143を沿わせて配置するためのフレキシブル基板配置溝115を有している。そして、
図11で表されるように、フレキシブル基板配置溝115は、光軸方向における第1フレキシブル基板(フレキシブル基板143A)の幅B1と第2フレキシブル基板(フレキシブル基板143B)の幅B2に応じて、光軸方向の幅が決められている。さらには、第3フレキシブル基板(フレキシブル基板143C)の幅B1に応じて対応するフレキシブル基板配置溝115も光軸方向の幅が決められている。すなわち、本実施例のアクチュエータ10は、フレキシブル基板143を配置するフレキシブル基板配置溝115の幅をフレキシブル基板143に応じてなるべく狭くすることで、フレキシブル基板配置溝115の近傍位置の強度が低下することを抑制している。
【0031】
最後に、本発明について包括的に以下に記載する。
(1)
レンズユニットとセンサーユニットとを接続可能なアクチュエータであって、前記レンズユニットと前記センサーユニットとが接続され、光軸方向と平行であって各々が対向する第1面及び第2面と、光軸方向と平行であって前記第1面及び前記第2面と直交し各々が対向する第3面及び第4面と、を有する可動体と、前記可動体を光軸方向と交差する交差方向のうちの少なくとも1方向を回転軸として回転可能な状態で保持する固定体と、前記可動体に通された枠状の天板と前記天板から光軸方向に沿って延びる複数の脚部とを有する回転部材と、前記脚部と係合し前記脚部を回転可能な状態で支持する支持部と、を有するジンバル機構と、磁石とコイルと前記コイル同士をつなぐフレキシブル基板とを有し、前記可動体を前記固定体に対して回転させる駆動力を発生させる駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、前記磁石として、前記第1面に配置される第1磁石、前記第2面に配置される第2磁石、前記第3面に配置される第3磁石、前記第4面に配置される第4磁石と、前記コイルとして、前記固定体の前記第1磁石と対向する面に配置される第1コイル、前記固定体の前記第2磁石と対向する面に配置される第2コイル、前記固定体の前記第3磁石と対向する面に配置される第3コイル、前記固定体の前記第4磁石と対向する面に配置される第4コイルと、前記フレキシブル基板として、第1コイルと第3コイルとを繋ぐ第1フレキシブル基板、第3コイルと第2コイルとを繋ぐ第2フレキシブル基板、第2コイルと第4コイルとを繋ぐ第3フレキシブル基板と、を有し、前記ジンバル機構は、光軸方向から見て前記第1面と前記第3面との間の位置から前記第2面と前記第4面との間の位置まで延びる第1直線の延長線上の前記固定体における2カ所と、光軸方向から見て前記第1面と前記第4面との間の位置から前記第2面と前記第3面との間の位置まで延びる第2直線の延長線上の前記可動体における2カ所と、に前記支持部が設けられることを特徴とするアクチュエータ。
【0032】
(2)
上記(1)に記載のアクチュエータにおいて、前記固定体は、光軸方向から見て内側に凹むとともに前記フレキシブル基板を沿わせて配置するためのフレキシブル基板配置溝を有し、前記フレキシブル基板配置溝は、光軸方向における前記第1フレキシブル基板の幅と前記第2フレキシブル基板の幅と前記第3フレキシブル基板の幅に応じて、光軸方向の幅が決められていることを特徴とするアクチュエータ。
【0033】
(3)
上記(1)または(2)に記載のアクチュエータにおいて、前記固定体は、光軸方向から見て前記第2フレキシブル基板の周囲に補強部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
【0034】
(4)
上記(1)から(3)のいずれか1つに記載のアクチュエータと、前記レンズユニットと、前記センサーユニットと、を備えることを特徴とする光学ユニット。
【符号の説明】
【0035】
1…光学ユニット、2…筐体、2a…孔部、3…レンズユニット、3a…レンズ、4…センサーユニット、10…アクチュエータ、31…レンズ設置部分、32…第1接続部分、41…大径部分、41a…撮像素子、41b…フレキシブル基板、42…第2接続部分、110…固定体、111…第1対向面、112…第2対向面、113…第3対向面、114…第4対向面、115…フレキシブル基板配置溝、116…補強部、120…可動体、121…第1面、122…第2面、123…第3面、124…第4面、125…第1挿入口、126…第2挿入口、130…ジンバル機構、131…天板、132…脚部、132A…第1脚部、132B…第1脚部、132C…第2脚部、132D…第2脚部、133…凸部、134…支持部、134a…係合部、134b…固定部、134A…第1支持部、134B…第1支持部、134C…第2支持部、134D…第2支持部、135…凹部、136…回転部材、140…駆動機構、141…磁石、141A…磁石(第1磁石)、141B…磁石(第3磁石)、141C…磁石(第2磁石)、141D…磁石(第4磁石)、142…コイル、142A…コイル(第1コイル)、142B…コイル(第3コイル)、142C…コイル(第2コイル)、142D…コイル(第4コイル)、143…フレキシブル基板、143A…フレキシブル基板(第1フレキシブル基板)、143B…フレキシブル基板(第2フレキシブル基板)、143C…フレキシブル基板(第3フレキシブル基板)、143D…フレキシブル基板、144…端子、AX…光軸