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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015154
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】動力ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/00 20060101AFI20250123BHJP
   B60L 15/00 20060101ALI20250123BHJP
   A01D 34/68 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B60K1/00
B60L15/00 Z
A01D34/68 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118352
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 剛良
(72)【発明者】
【氏名】沓名 知之
【テーマコード(参考)】
2B083
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA01
2B083BA12
2B083BA18
2B083CA27
2B083DA03
2B083DA08
2B083EA08
2B083EA18
2B083HA17
2B083HA23
2B083HA24
2B083HA32
3D235AA11
3D235BB57
3D235CC13
3D235DD19
3D235FF43
3D235FF44
3D235HH02
3D235HH61
5H125AA20
5H125FF01
(57)【要約】
【課題】作業ユニットの種類の応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができる技術を提供する。
【解決手段】動力ユニットは、原動機と、原動機を支持する本体ハウジングと、原動機を制御する入力ユニットと、を備えている。入力ユニットは、内部空間を有する入力ユニットハウジングであって、ワイヤを入力ユニットハウジングの外部から内部空間に引き込む引き込み部を備える、入力ユニットハウジングと、入力ユニットハウジングを本体ハウジングに固定する固定部と、を備えている。入力ユニットハウジングは、少なくとも2個の姿勢で本体ハウジングに選択的に固定可能である。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、
前記原動機を支持する本体ハウジングと、
前記原動機を制御する入力ユニットと、を備えており、
前記入力ユニットは、
内部空間を有する入力ユニットハウジングであって、ワイヤを前記入力ユニットハウジングの外部から前記内部空間に引き込む引き込み部を備える、前記入力ユニットハウジングと、
前記入力ユニットハウジングを前記本体ハウジングに固定する固定部と、を備えており、
前記入力ユニットハウジングは、少なくとも2個の姿勢で前記本体ハウジングに選択的に固定可能である、動力ユニット。
【請求項2】
前記少なくとも2個の姿勢は、
第1の姿勢と、
前記第1の姿勢と異なる第2の姿勢と、を備えており、
前記第1の姿勢での前記入力ユニットは、固定中心軸を基準として、前記第2の姿勢での前記入力ユニットと回転対称に配置される、請求項1に記載の動力ユニット。
【請求項3】
前記少なくとも2個の姿勢は、前記第1の姿勢および前記第2の姿勢と異なる第3の姿勢を備えており、
前記第3の姿勢での前記入力ユニットは、前記固定中心軸を基準として、前記第1の姿勢での前記入力ユニットと回転対称に配置されており、
前記第1の姿勢での前記引き込み部と前記第2の姿勢での前記引き込み部との間の前記固定中心軸周りの角度は、前記第2の姿勢での前記引き込み部と前記第3の姿勢での前記引き込み部との間の前記固定中心軸周りの角度と同一である、請求項2に記載の動力ユニット。
【請求項4】
前記本体ハウジングは、
前記入力ユニットハウジングを固定可能な第1外壁と、
前記入力ユニットハウジングを固定可能であり、前記第1外壁と異なる第2外壁と、を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載の動力ユニット。
【請求項5】
前記ワイヤは、前記引き込み部に対して移動可能であり、
前記入力ユニットは、前記内部空間に配置されており、前記ワイヤの移動を検出する検出器をさらに備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載の動力ユニット。
【請求項6】
前記入力ユニットは、前記ワイヤに固定されており、前記ワイヤが前記引き込み部に対して移動するときに前記検出器を操作するレバーをさらに備えている、請求項5に記載の動力ユニット。
【請求項7】
前記原動機は、モータである、請求項1から6のいずれか一項に記載の動力ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、動力ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、動力ユニットが開示されている。動力ユニットは、原動機と、原動機を支持するベースと、原動機を制御する入力ユニットと、を備えている。入力ユニットは、ベースに固定される入力ユニット本体と、入力ユニット本体に配置されており、ワイヤを入力ユニット本体に引き込む引き込み部と、入力ユニット本体をベースに固定する固定部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-175310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の動力ユニットでは、引き込み部は、ベースに対して特定の姿勢で固定される。このため、動力ユニットが作業ユニットに使用されるとき、作業ユニットの種類に応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができない。本明細書では、作業ユニットの種類の応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、動力ユニットを開示する。動力ユニットは、原動機と、原動機を支持する本体ハウジングと、原動機を制御する入力ユニットと、を備えている。入力ユニットは、内部空間を有する入力ユニットハウジングであって、ワイヤを入力ユニットハウジングの外部から内部空間に引き込む引き込み部を備える、入力ユニットハウジングと、入力ユニットハウジングを本体ハウジングに固定する固定部と、を備えている。入力ユニットハウジングは、少なくとも2個の姿勢で本体ハウジングに選択的に固定可能である。
【0006】
上記の構成によれば、本体ハウジングに対する入力ユニットハウジングの姿勢を変更することにより、本体ハウジングに対する引き込み部の姿勢を調整することができる。このため、動力ユニットが作業ユニットに使用されるとき、作業ユニットの種類に応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施例の動力ユニット2と作業ユニット4の斜視図である。
図2】第1実施例の動力ユニット2の斜視図である。
図3】第1実施例の動力ユニット2の斜視図である。
図4】第1実施例の右本体ハウジング42とカバーユニット110の分解斜視図である。
図5】第1実施例の左本体ハウジング44と入力ユニット112の分解斜視図である。
図6】第1実施例の動力ユニット2の断面図である。
図7】第1実施例の動力ユニット2の斜視図である。
図8】第1実施例の動力ユニット2の斜視図である。
図9】第1実施例の支持部材142の斜視図である。
図10】第1実施例のカバー144の斜視図である。
図11】第1実施例のカバー144の斜視図である。
図12】第1実施例の入力ユニット112とハンドル20とトリガ22の側面図である。
図13】第1実施例の入力ユニット112とハンドル20とトリガ22の側面図である。
図14】第1実施例において、各姿勢での入力ユニット112の引き込み部188の位置を示す側面図である。
図15】第2実施例の動力ユニット2において、入力ユニット112近傍の側面図である。
図16】第3実施例の動力ユニット2において、入力ユニット112近傍の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された動力ユニット、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、少なくとも2個の姿勢は、第1の姿勢と、第1の姿勢と異なる第2の姿勢と、を備えていてもよい。第1の姿勢での入力ユニットは、固定中心軸を基準として、第2の姿勢での入力ユニットと回転対称に配置されてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、入力ユニットの姿勢によらず、引き込み部と固定中心軸との間の距離を一定にすることができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、少なくとも2個の姿勢は、第1の姿勢および第2の姿勢と異なる第3の姿勢を備えていてもよい。第3の姿勢での入力ユニットは、固定中心軸を基準として、第1の姿勢での入力ユニットと回転対称に配置されていてもよい。第1の姿勢での引き込み部と第2の姿勢での引き込み部との間の固定中心軸周りの角度は、第2の姿勢での引き込み部と第3の姿勢での引き込み部との間の固定中心軸周りの角度と同一であってもよい。
【0014】
上記の構成によれば、本体ハウジングに対する入力ユニットの姿勢を容易に調整することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体ハウジングは、入力ユニットハウジングを固定可能な第1外壁と、入力ユニットハウジングを固定可能であり、第1外壁と異なる第2外壁と、を備えていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、作業ユニットの種類に応じて、入力ユニットハウジングを固定する外壁を第1外壁と第2外壁から選択することができる。これにより、作業ユニットの種類に応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ワイヤは、引き込み部に対して移動可能であってもよい。入力ユニットは、内部空間に配置されており、ワイヤの移動を検出する検出器をさらに備えていてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、検出器が入力ユニットハウジングの外部に配置される構成と比較して、入力ユニットが大型化することを抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、入力ユニットは、ワイヤに固定されており、ワイヤが引き込み部に対して移動するときに検出器を操作するレバーをさらに備えていてもよい。
【0020】
ワイヤが検出器を直接操作する構成では、ワイヤの振動等に起因して検出器が誤操作されることがある。上記の構成によれば、レバーが検出器を操作するため、検出器が誤操作されることを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、原動機は、モータであってもよい。
【0022】
一般的に、モータはエンジンよりも小さいため、本体ハウジングが小型である。上記の構成によれば、小型である本体ハウジングにおいて、作業ユニットの種類に応じて、引き込み部を適切な姿勢に配置することができる。
【0023】
(第1実施例)
図1に示すように、動力ユニット2は、作業ユニット4に固定されて使用される。動力ユニット2は、種々の作業ユニット4に選択的に適用可能である。動力ユニット2は、作業ユニット4を動作させる。
【0024】
作業ユニット4は、手押し式の草刈機である。作業ユニット4は、ハウジング8と、複数の車輪10と、ハンドルユニット14と、作業部16と、を備えている。図1では、載置面Pに直交する方向を上下方向と呼び、前後方向に直交する方向を前後方向と呼び、上下方向と前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0025】
複数の車輪10は、ハウジング8に回転可能に支持されている。ハンドルユニット14は、固定フレーム18と、ハンドル20と、トリガ22と、を備えている。固定フレーム18は、ハウジング8に固定されている。ハンドル20は、固定フレーム18に取り付けられている。ユーザがハンドル20を把持して前に押し出すと、複数の車輪10が回転する。これにより、作業ユニット4が載置面P上を移動する。トリガ22は、ハンドル20に回動可能に取り付けられている。トリガ22は、ハンドル20を把持したユーザの手で、ハンドル20に近づくように操作される。トリガ22が操作されると、動力ユニット2が動作する。
【0026】
作業部16は、ドラム24と、伝達シャフト26と、ブレード28と、を備えている。ドラム24は、ハウジング8に回転可能に支持されている。ブレード28は、伝達シャフト26を介してドラム24に固定されている。動力ユニット2が動作すると、ドラム24が回転する。これにより、ブレード28は、伝達シャフト26と一体となって回転する。回転するブレード28は、載置面Pから生える草を刈る。
【0027】
図2および図3に示すように、動力ユニット2は、バッテリパックBPの電力により動作する。以下では、座標系を上記の座標系と異なる座標系に変更して説明する。具体的には、後述する原動機96のシャフト102(図6参照)が延びる方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。
【0028】
動力ユニット2は、本体ハウジング40を備えている。本体ハウジング40は、樹脂材料からなる。本体ハウジング40は、右本体ハウジング42と、左本体ハウジング44と、を備えている。右本体ハウジング42は、本体ハウジング40の右半面の外形形状を画定している。左本体ハウジング44は、本体ハウジング40の左半面の外形形状を画定している。右本体ハウジング42と左本体ハウジング44は、本体ハウジング40を前後方向と上下方向を含む平面で半分割した形状を有する。右本体ハウジング42と左本体ハウジング44との間には、収容空間46(図6参照)が画定されている。
【0029】
本体ハウジング40は、右壁50と、左壁52と、下壁54と、後上壁56と、前上壁58と、後壁60と、前鉛直壁62と、前水平壁64と、を備えている。左壁52は、右壁50と反対側に配置されている。下壁54は、動力ユニット2が載置面P(図1参照)に載置されるときに載置面Pと接触する。
【0030】
後上壁56と前上壁58は、下壁54と反対側に配置されている。前上壁58には、主電源スイッチ66が配置されている。主電源スイッチ66は、動力ユニット2のオン状態とオフ状態を切り替えるユーザの操作を受け入れる。前鉛直壁62は、下壁54の前端から上方向に延びている。前水平壁64は、前鉛直壁62の上端から前方向に延びている。
【0031】
本体ハウジング40は、バッテリ取付部68と、右固定部70と、左固定部72と、をさらに備えている。バッテリ取付部68は、後上壁56に配置されている。バッテリ取付部68には、バッテリパックBPが着脱可能に取り付けられる。バッテリパックBPは、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリを備えている。
【0032】
図4に示すように、右固定部70は、右壁50に配置されている。右固定部70は、右周壁部74と、右連通孔76と、複数(本実施例では4個)の右固定孔78と、複数(本実施例では2個)の右位置決め突部80と、を備えている。
【0033】
右周壁部74は、右壁50の外面から右方向に突出している。本体ハウジング40を左方向に見たとき、右周壁部74は、略正方形の枠形状を有する。
【0034】
右連通孔76は、右壁50を左右方向に貫通している。右連通孔76は、右周壁部74に囲まれている。右連通孔76は、本体ハウジング40の収容空間46(図6参照)と本体ハウジング40の外部空間を連通する。
【0035】
右固定孔78は、右壁50を左右方向に貫通している。4個の右固定孔78は、右周壁部74内に配置されている。4個の右固定孔78のそれぞれは、右周壁部74の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。右固定部70は、4個の右固定孔78のそれぞれから等距離の位置に配置される右固定中心軸C1を有する。右固定中心軸C1周りにおいて、隣接する右固定孔78は、90度離れている。
【0036】
右位置決め突部80は、右壁50の外面から右方向に突出している。右位置決め突部80は、右周壁部74内に配置されている。右位置決め突部80は、右固定孔78よりも右固定中心軸C1の近くに配置されている。右固定中心軸C1周りにおいて、2個の右位置決め突部80は、180度離れている。
【0037】
図5に示すように、左固定部72は、左壁52に配置されている。左固定部72は、左周壁部82と、左連通孔84と、複数(本実施例では4個)の左固定孔86と、複数(本実施例では2個)の左位置決め突部88と、を備えている。
【0038】
左周壁部82は、左壁52の外面から左方向に突出している。本体ハウジング40を右方向に見たとき、左周壁部82は、略正方形の枠形状を有する。左周壁部82の形状は、右周壁部74の形状と略同一である。
【0039】
左連通孔84は、左壁52を左右方向に貫通している。左連通孔84は、左周壁部82に囲まれている。左連通孔84は、本体ハウジング40の収容空間46(図6参照)を本体ハウジング40の外部空間を連通する。
【0040】
左固定孔86は、左壁52を左右方向に貫通している。4個の左固定孔86は、左周壁部82内に配置されている。複数の左固定孔86の個数は、複数の右固定孔78の個数と同一である。4個の左固定孔86のそれぞれは、左周壁部82の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。左固定部72は、4個の左固定孔86から等距離の位置に配置される左固定中心軸C2を有する。左固定中心軸C2から左固定孔86までの距離は、右固定中心軸C1から右固定孔78までの距離と略同一である。左固定中心軸C2周りにおいて、隣接する左固定孔86は、90度離れている。
【0041】
左位置決め突部88は、左壁52の外面から左方向に突出している。左位置決め突部88は、左周壁部82内に配置されている。左位置決め突部88は、左固定孔86よりも左固定中心軸C2の近くに配置されている。左固定中心軸C2周りにおいて、2個の左位置決め突部88は、180度離れている。
【0042】
図6に示すように、動力ユニット2は、制御ユニット92と、モータハウジング94と、原動機96と、冷却ファン98と、出力ユニット100と、を備えている。なお、図6では、バッテリパックBPの内部構造が図示省略されている。制御ユニット92と、モータハウジング94と、原動機96と、冷却ファン98と、出力ユニット100は、収容空間46に配置されている。制御ユニット92と、モータハウジング94と、出力ユニット100は、右本体ハウジング42(図2参照)と左本体ハウジング44(図3参照)に挟まれて支持されている。
【0043】
制御ユニット92は、バッテリパックBPから供給される電力により動作する。制御ユニット92は、トリガ22(図1参照)が操作されると、原動機96を動作させる。
【0044】
原動機96は、モータハウジング94に収容されている。原動機96は、モータハウジング94を介して本体ハウジング40に支持されている。原動機96は、モータ、例えばブラシレスモータである。変形例では、原動機96は、内燃機関であってもよい。動力ユニット2がオン状態であるときにトリガ22(図1参照)が操作されると、原動機96のシャフト102が回転する。シャフト102の回転数は、トリガ22の操作量が増加するにつれて、ゼロから徐々に高くなる。
【0045】
原動機96の最大出力値は、0.5kW以上かつ2.0kW以下であってもよく、例えば0.5kW以上かつ1.5kW以下であってもよく、例えば0.5kW以上かつ1.2kW以下であってもよく、例えば0.5kW以上かつ1.0kW以下であってもよい。本実施例の原動機96は、低出力型の原動機である。
【0046】
冷却ファン98は、シャフト102に固定されている。冷却ファン98は、シャフト102と一体となって回転する。これにより、冷却ファン98は空気を圧送する。
【0047】
出力ユニット100は、本体ハウジング40の前端開口に挿入されている。出力ユニット100は、固定ベース部104と、クラッチ部106と、を備えている。固定ベース部104は、本体ハウジング40に固定されている。固定ベース部104は、作業ユニット4のハウジング8(図1参照)に固定される。クラッチ部106は、固定ベース部104に回転可能に支持されている。クラッチ部106は、シャフト102に固定されている。クラッチ部106は、シャフト102の回転数が所定値以上になると、作業ユニット4のドラム24(図1参照)に当接する。これにより、シャフト102の回転が、クラッチ部106を介してドラム24に伝達され、ブレード28(図1参照)が回転する。
【0048】
図2および図3に示すように、動力ユニット2は、カバーユニット110と、入力ユニット112と、を備えている。図3および図7に示すように、カバーユニット110は、右壁50の右固定部70と左壁52の左固定部72に選択的に固定される。図2および図8に示すように、入力ユニット112は、右固定部70と左固定部72に選択的に固定される。図2および図3に示すように、カバーユニット110が右固定部70に固定されているとき、入力ユニット112が左固定部72に固定される。図7および図8に示すように、カバーユニット110が左固定部72に固定されているとき、入力ユニット112が右固定部70に固定される。
【0049】
図4に示すように、カバーユニット110は、カバー114と、ガイド部材116と、複数のカバー固定部材118と、を備えている。カバー114を左方向に見たとき、カバー114は、略正方形状を有する。カバーユニット110が右壁50に固定されているとき、カバー114は、右周壁部74に囲まれている。カバー114は、吸気ポート120と、複数(本実施例では4個)のカバー固定孔122と、を有する。
【0050】
吸気ポート120と4個のカバー固定孔122は、カバー114を左右方向に貫通している。複数のカバー固定孔122の個数は、複数の右固定孔78の個数と同一である。4個のカバー固定孔122のそれぞれは、カバー114の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。右固定中心軸C1周りにおいて、隣接するカバー固定孔122は、90度離れている。
【0051】
ガイド部材116を左方向に見たとき、ガイド部材116は、略正方形状を有する。ガイド部材116は、本体ハウジング40の右壁50とカバー114との間に挟まれる。ガイド部材116は、吸気通路124と、複数(本実施例では4個)のガイド固定孔126と、複数(本実施例では4個)のガイド位置決め孔128と、を有する。
【0052】
吸気通路124は、吸気ポート120を介して本体ハウジング40の外部空間と連通している。吸気通路124は、下端において収容空間46に連通している。冷却ファン98(図6参照)が回転すると、空気は、吸気ポート120と吸気通路124を通過して、収容空間46に流入する。これにより、制御ユニット92(図6参照)と原動機96(図6参照)が冷却される。
【0053】
ガイド固定孔126とガイド位置決め孔128は、ガイド部材116を左右方向に貫通している。複数のガイド固定孔126の個数は、複数の右固定孔78の個数と同一である。4個のガイド固定孔126のそれぞれは、ガイド部材116の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。右固定中心軸C1周りにおいて、隣接するガイド固定孔126は、90度離れている。
【0054】
4個のガイド位置決め孔128のそれぞれは、ガイド部材116の4つの角のそれぞれの近傍に配置されている。ガイド位置決め孔128は、ガイド固定孔126よりもガイド部材116の中心の近くに配置されている。各右位置決め突部80が対応するガイド位置決め孔128に挿入されることにより、ガイド部材116が右壁50に対して位置決めされる。カバーユニット110が左固定部72(図5参照)に固定されているときには、各左位置決め突部88(図5参照)が対応するガイド位置決め孔128に挿入されることにより、ガイド部材116が左壁52に対して位置決めされる。
【0055】
カバー固定部材118は、例えばネジである。カバー固定部材118は、カバー固定孔122と、ガイド固定孔126に挿入され、右固定孔78のネジ山に螺合する。これにより、カバーユニット110が右壁50に固定される。変形例では、カバー固定部材118としてタッピンネジを使用して、カバーユニット110が右壁50に固定されてもよい。また、カバーユニット110を左壁52(図5参照)に固定するときには、カバー固定部材118は、左固定孔86(図5参照)と、カバー固定孔122と、ガイド固定孔126に挿入される。
【0056】
図5に示すように、入力ユニット112は、入力ユニットハウジング130と、パイプ132と、ワイヤWと、レバー134と、付勢部材136(図12)と、検出器138と、複数(本実施例では4個)の固定部材140と、を備えている。入力ユニットハウジング130は、支持部材142と、カバー144と、を備えている。
【0057】
支持部材142は、ベースプレート部150と、第1ガイド部152と、第2ガイド部154と、第1支持部156と、第2支持部158と、第3支持部160と、第1ストッパ部162と、第2ストッパ部164と、を備えている。
【0058】
ベースプレート部150は、略正方形状を有する。ベースプレート部150は、本体ハウジング40の左壁52とカバー144との間に挟まれる。入力ユニット112が左壁52に固定されているとき、ベースプレート部150は、左周壁部82に囲まれている。ベースプレート部150は、プレート連通孔166と、複数(本実施例では4個)のプレート固定孔168と、複数(本実施例では4個)のプレート位置決め孔170と、を有する。プレート連通孔166とプレート固定孔168とプレート位置決め孔170は、ベースプレート部150を左右方向に貫通している。
【0059】
プレート連通孔166は、ベースプレート部150の下部に配置されている。プレート連通孔166は、左連通孔84と左右方向に対向している。プレート連通孔166は、略直角三角形状を有する。
【0060】
図9に示すように、複数のプレート固定孔168の個数は、複数の左固定孔86(図5参照)の個数と同一である。4個のプレート固定孔168のそれぞれは、ベースプレート部150の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。ベースプレート部150の中心150aは、左固定中心軸C2上に配置されている。中心150aは、4個のプレート固定孔168から等距離の位置に配置されている。中心150aからプレート固定孔168までの距離は、左固定中心軸C2から左固定孔86までの距離と略同一である。左固定中心軸C2周りにおいて、隣接するプレート固定孔168は、90度離れている。
【0061】
プレート位置決め孔170は、プレート固定孔168よりも中心150aの近くに配置されている。中心150aは、4個のプレート位置決め孔170から等距離の位置に配置されている。4個のプレート位置決め孔170のそれぞれは、4個のプレート固定孔168のそれぞれの近傍に配置されている。図5に示すように、各左位置決め突部88が対応するプレート位置決め孔170に挿入されることにより、支持部材142が左壁52に対して位置決めされる。入力ユニット112が右固定部70(図4参照)に固定されているときには、各右位置決め突部80(図4参照)が対応するプレート位置決め孔170に挿入されることにより、支持部材142が右壁50に対して位置決めされる。
【0062】
図9に示すように、第1ガイド部152と、第2ガイド部154と、第1支持部156と、第2支持部158と、第3支持部160と、第1ストッパ部162と、第2ストッパ部164は、入力ユニット112(図2参照)が左壁52(図2参照)に固定されているときにベースプレート部150から左方向に突出しており、入力ユニット112(図8参照)が右壁50(図8参照)に固定されているときにベースプレート部150から右方向に突出している。入力ユニット112が左壁52に固定されているときと、入力ユニット112が右壁50に固定されているときで、突出方向が反対である。
【0063】
第1ガイド部152は、ベースプレート部150の上方前側の角の下側に配置されている。第1ガイド部152は、ベースプレート部150の周縁に配置されている。第1ガイド部152は、第1ガイド部152の先端から凹む第1凹部152aを有する。
【0064】
第2ガイド部154は、第1ガイド部152と前後方向に対向している。第2ガイド部154は、第2ガイド部154の先端から凹む第2凹部154aを有する。第2凹部154aは、第1凹部152aと前後方向に並んでいる。
【0065】
第1支持部156は、略L字形状を有する。第1支持部156の一端は、プレート連通孔166の近傍に配置されている。第1支持部156の他端近傍は、第2ガイド部154に接続されている。
【0066】
第2支持部158は、湾曲形状を有する。第2支持部158の一端は、プレート連通孔166の近傍に配置されている。第2支持部158の他端は、ベースプレート部150の下方後側の角近傍に配置されている。
【0067】
第3支持部160は、略円筒形状を有する。第3支持部160は、第2支持部158近傍に配置されている。
【0068】
第1ストッパ部162は、略L字形状を有する。第1ストッパ部162は、第2ストッパ部164と対向している。
【0069】
第2ストッパ部164は、略T字形状を有する。第2ストッパ部164は、第1支持部156の他端から上方後側に向かって突出している。
【0070】
図10に示すように、カバー144は、略箱形状を有する。カバー144は、支持部材142(図9参照)との間に内部空間174を画定する。カバー144は、底部176と、側部178と、第3ガイド部180と、を備えている。
【0071】
図11に示すように、入力ユニットハウジング130を右方向に見たとき、底部176は、略正方形状を有する。底部176は、支持部材142(図9参照)と対向する。底部176は、底部176を左右方向に貫通する複数(本実施例では4個)のカバー固定孔184を有する。複数のカバー固定孔184の個数は、複数の左固定孔86(図5参照)の個数と同一である。4個のカバー固定孔184のそれぞれは、底部176の4個の角のそれぞれの近傍に配置されている。底部176の中心176aは、左固定中心軸C2上に配置されている。中心176aは、4個のカバー固定孔184から等距離の位置に配置されている。中心176aからカバー固定孔184までの距離は、左固定中心軸C2から左固定孔86(図5参照)までの距離と略同一である。左固定中心軸C2周りにおいて、隣接するカバー固定孔184は、90度離れている。
【0072】
側部178は、底部176の周縁から右方向に突出している。側部178は、底部176の周縁を一周している。入力ユニット112が左壁52(図5参照)に固定されているとき、側部178は、左周壁部82(図5参照)に囲まれている。
【0073】
入力ユニットハウジング130は、引き込み部188を備えており、引き込み部188は、側部178に形成されている。引き込み部188は、底部176の上方前側の角近傍に配置されている。引き込み部188は、側部178の前壁を前後方向に貫通している。引き込み部188は、貫通孔である。
【0074】
第3ガイド部180は、引き込み部188の一部分に配置されている。第3ガイド部180は、略半円筒形状を有する。図5に示すように、第3ガイド部180は、第1ガイド部152の先端と当接する。第1ガイド部152は、引き込み部188内に配置される。これにより、第3ガイド部180と第1ガイド部152の第1凹部152aにより、引き込み孔190が形成される。引き込み孔190は、引き込み部188の一部分である。引き込み孔190は、入力ユニットハウジング130の外部と内部空間174(図10参照)を連通している。
【0075】
パイプ132は、第1ガイド部152と第3ガイド部180との間に挟まれている。図12に示すように、パイプ132は、第1凹部152aと第2凹部154aに受け入れられている。パイプ132は、略円筒形状を有する。パイプ132は、2個のナット192と2個のワッシャ194により、第2ガイド部154に固定されている。
【0076】
ワイヤWは、パイプ132に挿入されている。このため、ワイヤWは、引き込み部188(図10参照)を通過することにより、入力ユニットハウジング130の外部空間から内部空間174(図10参照)に引き込まれる。ワイヤWの一端は、トリガ22に固定されている。ワイヤWの他端は、レバー134に固定されている。
【0077】
レバー134は、回動部198と、ワイヤ固定部200と、スイッチ操作部202と、を備えている。回動部198は、第3支持部160に回動可能に取り付けられている。ワイヤ固定部200は、回動部198から突出している。ワイヤ固定部200の先端は、ワイヤWの他端に固定されている。レバー134が回動するとき、ワイヤ固定部200は、第1ストッパ部162と第2ストッパ部164との間を移動する。スイッチ操作部202は、スイッチ操作部202から検出器138に向かって突出している。
【0078】
付勢部材136は、レバー134に取り付けられている。付勢部材136は、例えば、捩りバネである。付勢部材136の一端136aは、スイッチ操作部202に係止している。付勢部材136の他端136bは、第1ストッパ部162に係止している。付勢部材136は、ワイヤ固定部200が第1ストッパ部162と当接する位置に向けて、レバー134を付勢する。
【0079】
検出器138は、例えば、押し込みスイッチである。検出器138は、本体部206と、スイッチ部208と、配線接続部210と、を備えている。本体部206は、略直方体形状を有する。本体部206は、第1支持部156と第2支持部158に少なくとも部分的に囲まれることにより、第1支持部156と第2支持部158に支持されている。
【0080】
スイッチ部208は、本体部206の側面に配置されている。スイッチ部208は、スイッチ操作部202に押し込まれる。
【0081】
配線接続部210は、本体部206の側面に配置されている。配線接続部210は、プレート連通孔166に隣接する。配線接続部210は、配線212を介して制御ユニット92(図6参照)に接続されている。
配線212は、プレート連通孔166を通過する。
【0082】
トリガ22がユーザに操作されていないとき、付勢部材136の付勢力により、ワイヤ固定部200は、第1ストッパ部162に当接している。図13に示すように、トリガ22が操作されると、ワイヤWが引かれて、ワイヤWの他端が第1ガイド部152と第2ガイド部154(即ち、引き込み部188)に向かって移動する。ワイヤ固定部200が第2ストッパ部164に向かって移動することにより、レバー134が動く。このとき、スイッチ操作部202がスイッチ部208を押し込む。これにより、検出器138は、ワイヤWの他端が引き込み部188に向かって移動すること、即ち、ワイヤWが引かれたことを検出する。トリガ22は、ワイヤ固定部200が第2ストッパ部164に当接するまで操作可能である。ワイヤ固定部200が第2ストッパ部164に当接すると、レバー134はさらに動くことができなくなる。これにより、スイッチ部208は、所定位置まで押し込まれる。このため、検出器138が所定位置を超えて押し込まれることが抑制され、検出器138が壊れることが抑制される。スイッチ部208の押し込み量に応じた信号(トリガ22の操作量に応じた信号)が、配線212を介して制御ユニット92(図6参照)に送信される。制御ユニット92は、受信した信号に基づいて、原動機96のシャフト102の回転数を制御する。
【0083】
図5に示すように、固定部材140は、例えばネジである。固定部材140は、プレート固定孔168と、カバー固定孔184に挿入され、左固定孔86のネジ山に螺合する。これにより、入力ユニット112が左壁52に固定される。また、入力ユニット112を右壁50(図4参照)に固定するときときには、固定部材140は、右固定孔78と、プレート固定孔168と、カバー固定孔184に挿入される。
【0084】
図14に示すように、左固定孔86と、プレート固定孔168およびカバー固定孔184と、の組み合わせを変更することにより、入力ユニット112は、4個の姿勢で左壁52に選択的に固定される。第1の姿勢では、引き込み部188が前方向を向いている。第2の姿勢では、引き込み部188が上方向を向いている。第3の姿勢では、引き込み部188が後方向を向いている。第4の姿勢では、引き込み部188が下方向を向いている。第1の姿勢での入力ユニット112は、左固定中心軸C2を基準として、第2の姿勢での入力ユニット112と、第3の姿勢での入力ユニット112と、第4の姿勢での入力ユニット112のそれぞれと回転対称に配置されている。左固定中心軸C2周りにおいて、隣接する左固定孔86が90度離れているため、第1の姿勢での引き込み部188と第2の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度A1は、90度である。また、角度A1は、第2の姿勢での引き込み部188と第3の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度A2と、第3の姿勢での引き込み部188と第4の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度A3と、第4の姿勢での引き込み部188と第1の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度A4のそれぞれと同一である。
【0085】
また、右固定孔78と、プレート固定孔168およびカバー固定孔184と、の組み合わせを変更することにより、入力ユニット112は、4個の姿勢で右壁50(図8参照)に選択的に固定される。図8に示すように、第1の姿勢では、引き込み部188が前方向を向いている。図示省略されているが、第2の姿勢では、引き込み部188が上方向を向いている。第3の姿勢では、引き込み部188が後方向を向いている。第4の姿勢では、引き込み部188が下方向を向いている。また、第1の姿勢での入力ユニット112は、右固定中心軸C1を基準として、第2の姿勢での入力ユニット112と、第3の姿勢での入力ユニット112と、第4の姿勢での入力ユニット112のそれぞれと回転対称に配置されている。
【0086】
図4に示すように、カバーユニット110では、ガイド部材116は、吸気通路124の下端が下方向を向く特定の姿勢で、右壁50または左壁52(図7参照)に固定される。このため、カバーユニット110では、カバー114のみが、4個の姿勢で右壁50に選択的に固定され、4個の姿勢で左壁52に選択的に固定される。
【0087】
(効果)
本実施例の動力ユニット2は、原動機96と、原動機96を支持する本体ハウジング40と、原動機96を制御する入力ユニット112と、を備えている。入力ユニット112は、内部空間174を有する入力ユニットハウジング130であって、ワイヤWを入力ユニットハウジング130の外部から内部空間174に引き込む引き込み部188を備える、入力ユニットハウジング130と、入力ユニットハウジング130を本体ハウジング40に固定するカバー固定孔184および固定部材140(固定部の一例)と、を備えている。入力ユニットハウジング130は、少なくとも2個の姿勢で本体ハウジング40に選択的に固定可能である。
【0088】
上記の構成によれば、本体ハウジング40に対する入力ユニットハウジング130の姿勢を変更することにより、本体ハウジング40に対する引き込み部188の姿勢を調整することができる。このため、動力ユニット2が作業ユニット4に使用されるとき、作業ユニット4の種類に応じて、引き込み部188を適切な姿勢に配置することができる。
【0089】
また、少なくとも2個の姿勢は、第1の姿勢と、第1の姿勢と異なる第2の姿勢と、を備えている。第1の姿勢での入力ユニット112は、左固定中心軸C2(固定中心軸の一例)を基準として、第2の姿勢での入力ユニット112と回転対称に配置されている。
【0090】
上記の構成によれば、入力ユニット112の姿勢によらず、引き込み部188と左固定中心軸C2との間の距離を一定にすることができる。
【0091】
また、少なくとも2個の姿勢は、第1の姿勢および第2の姿勢と異なる第3の姿勢を備えている。第3の姿勢での入力ユニット112は、左固定中心軸C2を基準として、第1の姿勢での入力ユニット112と回転対称に配置されている。第1の姿勢での引き込み部188と第2の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度は、第2の姿勢での引き込み部188と第3の姿勢での引き込み部188との間の左固定中心軸C2周りの角度と同一である。
【0092】
上記の構成によれば、本体ハウジング40に対する入力ユニット112の姿勢を容易に調整することができる。
【0093】
また、本体ハウジング40は、入力ユニットハウジング130を固定可能な右壁50(第1外壁の一例)と、入力ユニットハウジング130を固定可能であり、右壁50と異なる左壁52(第2外壁の一例)と、を備えている。
【0094】
上記の構成によれば、作業ユニット4の種類に応じて、入力ユニットハウジング130を固定する外壁を右壁50と左壁52から選択することができる。これにより、作業ユニット4の種類に応じて、引き込み部188を適切な姿勢に配置することができる。
【0095】
また、ワイヤWは、引き込み部188に対して移動可能である。入力ユニット112は、内部空間174に配置されており、ワイヤWの移動を検出する検出器138をさらに備えている。
【0096】
上記の構成によれば、検出器138が入力ユニットハウジング130の外部に配置される構成と比較して、入力ユニット112が大型化することを抑制することができる。
【0097】
また、入力ユニット112は、ワイヤWに固定されており、ワイヤWが引き込み部188に対して移動するときに検出器138を操作するレバー134をさらに備えている。
【0098】
ワイヤWが検出器138を直接操作する構成では、ワイヤWの振動等に起因して検出器138が誤操作されることがある。上記の構成によれば、レバー134が検出器138を操作するため、検出器138が誤操作されることを抑制することができる。
【0099】
また、原動機96は、モータである。
【0100】
一般的に、モータはエンジンよりも小さいため、本体ハウジング40が小型である。上記の構成によれば、小型である本体ハウジング40において、作業ユニット4の種類に応じて、引き込み部188を適切な姿勢に配置することができる。
【0101】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点のみ説明する。図15に示すように、入力ユニット112は、1個の固定部材140により、左壁52に固定される。固定部材140は、左固定中心軸C2上に配置されている。入力ユニット112を左固定中心軸C2周りに回転させて引き込み部188を所望の向きに調整した後、固定部材140が、左固定中心軸C2上で入力ユニットハウジング130に挿入され、左壁52に螺合する。これにより、入力ユニット112の姿勢が所望の姿勢に調整される。また、図示省略されているが、入力ユニット112は、固定部材140が右固定中心軸C1上で入力ユニットハウジング130に挿入され、右壁50(図4参照)に螺合することにより、右壁50に固定される。
【0102】
(第3実施例)
第3実施例では、第1実施例と異なる点のみ説明する。図16に示すように、入力ユニットハウジング130のカバー144は、差込部300を備えている。左壁52は、差込部300が差し込まれる被差込部302を備えている。
【0103】
また、カバー144は、2個のカバー固定孔184を有する。2個のカバー固定孔184のそれぞれは、底部176の4個の角のうちの2個の角のそれぞれの近傍に配置されている。
【0104】
入力ユニット112を左壁52に固定するとき、まず、差込部300を被差込部302に差し込む。次に、2個の固定部材140のそれぞれを、対応するカバー固定孔184とプレート固定孔168に挿入し、左固定孔86のネジ山に螺合させる。これにより、差込部300が被差込部302から抜け出ることが抑制される。この結果、入力ユニット112が左壁52に固定される。
【0105】
図示省略されているが、右壁50(図4参照)は、左壁52の被差込部302と同様の構成を有する被差込部を備えている。このため、入力ユニット112は、差込部300と右壁50の被差込部との差込構造を用いて、右壁50に固定される。
【0106】
(変形例)
一実施形態に係る作業ユニット4は、草刈機に限られず、例えば、芝刈機、ヘッジトリマ、ブロワ、運搬車、除雪機、耕うん機、エッジャ、ウィンチ、コンクリートバイブレータ、スクリード、ランマ、プレートコンパクタ、トロウェルであってもよい。
【0107】
一実施形態に係る入力ユニット112は、2個の姿勢、3個の姿勢、または5個以上の姿勢で右壁50と左壁52のそれぞれに選択的に固定されてもよい。入力ユニット112がN個の姿勢で右壁50と左壁52のそれぞれに選択的に固定されるとき、角度A1は、360/N度であってもよい。例えば、Nが2であるとき、角度A1が180度であり、Nが3であるとき、角度A1が120度である。
【0108】
一実施形態に係る入力ユニット112では、角度A1、A2、A3、A4は、同一でなくてもよく、例えば、互いに異なっていてもよい。
【0109】
一実施形態に係る入力ユニット112では、右固定孔78は、右周壁部74の角近傍に配置されていなくてもよい。例えば、右固定孔78は、右周壁部74の2個の角の中心位置近傍に配置されていてもよく、第1実施例の右固定孔78の位置から前記中心位置側にずれた位置に配置されていてもよい。また、左固定孔86は、左周壁部82の角近傍に配置されていなくてもよい。例えば、左固定孔86は、左周壁部82の2個の角の中心位置近傍に配置されていてもよく、第1実施例の左固定孔86の位置から前記中心位置側にずれた位置に配置されていてもよい。
【0110】
一実施形態に係る入力ユニット112は、2個または3個の固定部材140のみを用いて、右壁50と左壁52に選択的に固定されてもよい。このとき、一部の右固定孔78と、一部の左固定孔86には、固定部材140が挿入されない。
【0111】
一実施形態に係る固定部材140は、ネジに替えて、ピンと、ピンに固定されるに抜け止め部材と、を備えていてもよい。この場合、入力ユニット112は、ピンと抜け止め部材により、右壁50と左壁52に選択的に固定されてもよい。また、複数の固定部材140は、ネジと、ピンおよび抜け止め部材の両方を備えていてもよい。
【0112】
一実施形態に係る検出器138は、非接触式の検出器、例えばフォトインタラプタであってもよい。また、検出器138は、ホール素子と磁石を備える磁気センサであってもよい。
【0113】
一実施形態に係る検出器138は、スイッチ部208の押し込み量を検出することに替えて、スイッチ部208が押し込まれたか否かを検出してもよい。この構成では、制御ユニット92は、スイッチ部208の押し込み量によらず、一定の回転数で原動機96を回転させる。
【符号の説明】
【0114】
2 :動力ユニット
4 :作業ユニット
22 :トリガ
40 :本体ハウジング
46 :収容空間
50 :右壁
52 :左壁
70 :右固定部
72 :左固定部
78 :右固定孔
86 :左固定孔
96 :原動機
102 :シャフト
110 :カバーユニット
112 :入力ユニット
122 :カバー固定孔
126 :ガイド固定孔
130 :入力ユニットハウジング
134 :レバー
138 :検出器
140 :固定部材
142 :支持部材
144 :カバー
150 :ベースプレート部
150a :中心
168 :プレート固定孔
174 :内部空間
176a :中心
184 :カバー固定孔
188 :引き込み部
A1、A2、A3、A4:角度
BP :バッテリパック
C1 :右固定中心軸
C2 :左固定中心軸
P :載置面
W :ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16