(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015156
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】モータユニットを含むシステム
(51)【国際特許分類】
H02K 7/14 20060101AFI20250123BHJP
A01D 34/78 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
H02K7/14 Z
A01D34/78 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118354
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯尾 剛良
(72)【発明者】
【氏名】沓名 知之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 嵩章
【テーマコード(参考)】
2B083
5H607
【Fターム(参考)】
2B083DA03
2B083HA19
5H607AA11
5H607BB01
5H607CC05
5H607CC09
5H607FF10
5H607FF13
(57)【要約】
【課題】モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる技術を提供する。
【解決手段】システムは、モータと、モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第1作業ユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第2作業ユニットと、を備えている。第1作業ユニットは、第2作業ユニットと異なる。モータユニットの固定部は、第1作業ユニットに固定されている状態で第1作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向を向いており、第2作業ユニットに固定されている状態で第2作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向と異なる第2方向を向いている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
モータと、前記モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、
前記モータユニットの前記固定部に選択的に固定され、前記出力部により動作する第1作業ユニットと、
前記モータユニットの前記固定部に選択的に固定され、前記出力部により動作する第2作業ユニットと、を備えており、
前記第1作業ユニットは、前記第2作業ユニットと異なり、
前記モータユニットの前記固定部は、前記第1作業ユニットに固定されている状態で前記第1作業ユニットと前記モータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに前記基準面に対して第1方向を向いており、前記第2作業ユニットに固定されている状態で前記第2作業ユニットと前記モータユニットが前記基準面に対して作業姿勢に配置されるときに前記基準面に対して前記第1方向と異なる第2方向を向いており、
前記第1作業ユニットは、ユーザにより操作されて前記モータを動作させる第1操作部を備えており、
前記第2作業ユニットは、前記ユーザにより操作されて前記モータを動作させる第2操作部を備えている、システム。
【請求項2】
前記第1作業ユニットは、前記ユーザにより把持される第1ハンドルをさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記モータの最大出力値は、0.5kWから1.5kWである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記モータの直径は、100mm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記モータユニットの重量が、7.5kg以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記モータユニットは、前記モータを収容する本体ハウジングをさらに備えており、
前記本体ハウジングの体積が、13000cm3以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記モータは、モータシャフトを備えており、
前モータシャフトは、前記モータユニットの前記固定部が前記第1作業ユニットに固定されている状態で前記第1作業ユニットと前記モータユニットが前記基準面に対して前記作業姿勢に配置されるときに前記基準面に沿って延びており、前記モータユニットの前記固定部が前記第2作業ユニットに固定されている状態で前記第2作業ユニットと前記モータユニットが前記基準面に対して前記作業姿勢に配置されるときに前記基準面に対して直交して延びている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1方向は、前記基準面に沿う方向であり、
前記第2方向は、前記基準面に直交方向である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記モータユニットは、
前記モータを収容する本体ハウジングと、
前記本体ハウジングの外部に露出しており、前記モータに電力を供給するバッテリと接続可能であるバッテリターミナルと、をさらに備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記バッテリターミナルは、前記モータユニットの前記固定部が前記第1作業ユニットに固定されている状態で前記第1作業ユニットと前記モータユニットが前記基準面に対して前記作業姿勢に配置されるときに前記モータの上側に配置されており、前記モータユニットの前記固定部が前記第2作業ユニットに固定されている状態で前記第2作業ユニットと前記モータユニットが前記基準面に対して前記作業姿勢に配置されるときに前記モータの側方に配置されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1作業ユニットは、ウィンチと、スクリードと、トロウェルを含む群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2作業ユニットは、前記ユーザにより手持ちされる手持ち式作業ユニットを備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
システムであって、
モータシャフトを含むモータと、固定部と、を備えているモータユニットと、
前記固定部に選択的に固定され、前記モータシャフトにより動作され、作業時に前記モータシャフトが左右方向に延びる第1作業ユニットと、
前記固定部に選択的に固定され、前記モータシャフトにより動作され、作業時に前記モータシャフトが上下方向に延びる第2作業ユニットと、を備えている、システム。
【請求項14】
システムであって、
モータと、前記モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、
前記モータユニットの前記固定部に選択的に固定され、前記モータにより動作する第1作業ユニットと、
前記モータユニットの前記固定部に選択的に固定され、前記モータにより動作する第2作業ユニットと、を備えており、
前記出力部は、
前記モータに選択的に固定され、前記第1作業ユニットを動作させる第1出力部と、
前記モータに選択的に固定され、前記第2作業ユニットを動作させる第2出力部と、を備えている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、モータユニットを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータユニットが開示されている。モータユニットは、モータと、モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えている。モータユニットは、固定部を介して作業ユニットに取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のモータユニットは、作業ユニットに対して特定の方向でのみ取り付けられる。このため、モータユニットを使用することができる作業ユニットが制限される。本明細書では、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書は、システムを開示する。システムは、モータと、モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第1作業ユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第2作業ユニットと、を備えている。第1作業ユニットは、第2作業ユニットと異なる。モータユニットの固定部は、第1作業ユニットに固定されている状態で第1作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向を向いており、第2作業ユニットに固定されている状態で第2作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向と異なる第2方向を向いている。第1作業ユニットは、ユーザにより操作されてモータを動作させる第1操作部を備えている。第2作業ユニットは、ユーザにより操作されてモータを動作させる第2操作部を備えている。
【0006】
上記の構成によれば、モータユニットは、固定部が基準面に対して第1方向を向いた状態で第1作業ユニットに固定される。また、モータユニットは、固定部が基準面に対して第2方向を向いた状態で第2作業ユニットに固定される。これにより、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0007】
本明細書は、システムを開示する。システムは、モータシャフトを含むモータと、固定部と、を備えているモータユニットと、固定部に選択的に固定され、モータシャフトにより動作され、作業時にモータシャフトが左右方向に延びる第1作業ユニットと、固定部に選択的に固定され、モータシャフトにより動作され、作業時にモータシャフトが上下方向に延びる第2作業ユニットと、を備えている。
【0008】
上記の構成によれば、モータユニットは、モータシャフトが左右方向に延びる状態で第1作業ユニットに固定される。また、モータユニットは、モータシャフトが上下方向に延びる状態で第2作業ユニットに固定される。これにより、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0009】
本明細書は、システムを開示する。システムは、モータと、モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、モータにより動作する第1作業ユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、モータにより動作する第2作業ユニットと、を備えている。出力部は、モータに選択的に固定され、第1作業ユニットを動作させる第1出力部と、モータに選択的に固定され、第2作業ユニットを動作させる第2出力部と、を備えている。
【0010】
上記の構成によれば、モータユニットは、第1出力部により第1作業ユニットを動作させる。また、モータユニットは、第2出力部により第2作業ユニットを動作させる。これにより、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】第1実施例の作業機8を製造する方法を示す一例である。
【
図3】第1実施例の作業機8を製造する方法を示す一例である。
【
図4】第1実施例の作業機8を製造する方法を示す一例である。
【
図5】第1実施例の作業機8を製造する方法を示す一例である。
【
図6】第1実施例の作業機8を製造する方法を示す一例である。
【
図7】第1実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの斜視図である。
【
図8】第1実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの斜視図である。
【
図9】第1実施例のモータユニット4のパラメータを示す図である。
【
図10】第1実施例において、バッテリパックBPが取り外されたモータユニット4の斜視図である。
【
図11】第1実施例において、バッテリターミナル108近傍のモータユニット4の断面図である。
【
図12】第1実施例において、主電源スイッチ35近傍のモータユニット4の横断面図である。
【
図13】第1実施例のバッテリパックBPの斜視図である。
【
図14】第1実施例のモータ112とバッテリパックBPのパラメータを示す図である。
【
図15】第1実施例において、バッテリパックBP近傍のモータユニット4の左側面図である。
【
図16】第1実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの左側面図である。
【
図17】第1実施例のモータユニット4の後断面図です。
【
図18】第1実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの横断面図である。
【
図19】第1実施例のモータユニット4の分解斜視図である。
【
図20】第1実施例において、左本体ハウジング16が取り外されたモータユニット4を後方左方下側から見た斜視図である。
【
図21】第1実施例の右本体ハウジング14の斜視図である。
【
図22】第1実施例の左本体ハウジング16の斜視図である。
【
図23】第1実施例のモータハウジング110とモータ112と出力ユニット116の分解斜視図である。
【
図24】第1実施例において、モータ112近傍のモータユニット4の断面斜視図である。
【
図25】第1実施例において、モータハウジング110の後端近傍のモータユニット4の断面斜視図である。
【
図26】第1実施例において、右支持部137aと左支持部138a近傍のモータユニット4の後断面図である。
【
図27】第1実施例において、第1右ピン137fと第1左ピン138f近傍のモータユニット4の後断面図である。
【
図28】第1実施例のモータユニット4の横断面図である、
【
図29】第1実施例において、冷却ファン114近傍のモータユニット4の後断面図である。
【
図30】第1実施例のモータハウジング110とモータ112と出力ユニット116の分解斜視図である。
【
図31】第1実施例において、第2右ピン137gと第2左ピン138g近傍のモータユニット4の前断面図である。
【
図32】第1実施例において、右抜け止め部137dと左抜け止め部138d近傍のモータユニット4の水平断面図である。
【
図33】第1実施例において、第2ネジボス部191近傍のモータユニット4の横断面図である。
【
図34】第1実施例において、クラッチスプリング180近傍のモータユニット4の前断面図である。
【
図35】第1実施例において、スピンドル208を備えるモータユニット4とバッテリパックBPの斜視図である。
【
図36】第1実施例において、スピンドル208近傍のモータユニット4の横断面図である。
【
図37】第1実施例のモータユニット4と手持ち式刈払機6iの側面図である。
【
図38】第1実施例のモータユニット4と管理機6kの側面図である。
【
図39】第1実施例のモータユニット4とウィンチ6aの側面図である。
【
図40】第1実施例のモータユニット4と斜面草刈機6cの側面図である。
【
図41】第1実施例のモータユニット4と手持ち式刈払機6iの分解斜視図である。
【
図42】第1実施例において、第1出力部212と固定ユニット234と伝達シャフト236の断面図である。
【
図43】第1実施例において、モータユニット4近傍のモータユニット4と手持ち式刈払機6iの側面図である。
【
図44】第1実施例の背負い式バッテリ280が使用されるモータユニット4と刈払機6dの側面図である。
【
図45】第1実施例の背負い式バッテリ280が使用されるモータユニット4の斜視図である。
【
図46】第1実施例のモータユニット4と管理機6kの上面図である。
【
図47】第1実施例のモータユニット4と管理機6kの側面図である。
【
図48】第1実施例において、第1カプラ350近傍のモータユニット4と作業ユニット6の断面図である。
【
図49】第1実施例において、第2カプラ360近傍のモータユニット4と作業ユニット6の断面図である。
【
図50】第2実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの横断面図である。
【
図51】第3実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの斜視図である。
【
図52】第3実施例のモータユニット4の斜視図である。
【
図53】第3実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの横断面図である。
【
図54】第4実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの斜視図である。
【
図55】第4実施例のモータユニット4の斜視図である。
【
図56】第4実施例のモータユニット4とバッテリパックBPの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善されたシステム、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0013】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0014】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0015】
本明細書は、システムを開示する。システムは、モータと、モータにより動作する出力部と、固定部と、を備えているモータユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第1作業ユニットと、モータユニットの固定部に選択的に固定され、出力部により動作する第2作業ユニットと、を備えている。第1作業ユニットは、第2作業ユニットと異なる。モータユニットの固定部は、第1作業ユニットに固定されている状態で第1作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向を向いており、第2作業ユニットに固定されている状態で第2作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して第1方向と異なる第2方向を向いている。第1作業ユニットは、ユーザにより操作されてモータを動作させる第1操作部を備えている。第2作業ユニットは、ユーザにより操作されてモータを動作させる第2操作部を備えている。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1作業ユニットは、ユーザにより把持される第1ハンドルをさらに備えていてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、ユーザが第1ハンドルを把持して第1作業ユニットを移動させることができる。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータの最大出力値は、0.5kWから1.5kWであってもよい。
【0019】
上記の構成によれば、モータは低出力型のモータである。低出力型のモータは、種々の低出力型の作業ユニットに使用される。このため、モータユニットを低出力型の作業ユニットに使用することができる。これにより、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0020】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータの直径は、100mm以下であってもよい。
【0021】
一般的に、モータが小さいほど、モータユニットが小さくなる。小型のモータユニットは、種々の作業ユニットに使用され易い。上記の構成によれば、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0022】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータユニットの重量が、7.5kg以下であってもよい。
【0023】
一般的に、モータユニットの重量が小さいほど、手持ち式の作業ユニット等の作業ユニットに使用され易い。上記の構成によれば、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0024】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータユニットは、モータを収容する本体ハウジングをさらに備えていてもよい。本体ハウジングの体積が、13000cm3以下であってもよい。
【0025】
一般的に、小型のモータユニットは、種々の作業ユニットに使用され易い。上記の構成によれば、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0026】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータは、モータシャフトを備えていてもよい。モータシャフトは、モータユニットの固定部が第1作業ユニットに固定されている状態で第1作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に沿って延びており、モータユニットの固定部が第2作業ユニットに固定されている状態で第2作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときに基準面に対して直交して延びていてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、基準面に対するモータシャフトの向きを変更することにより、モータユニットを使用することができる作業ユニットの種類を増やすことができる。
【0028】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1方向は、基準面に沿う方向であってもよい。第2方向は、基準面に直交方向であってもよい。
【0029】
上記の構成によれば、固定部の向きを調整することにより、モータシャフトの向きを容易に調整することができる。
【0030】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータユニットは、モータを収容する本体ハウジングと、本体ハウジングの外部に露出しており、モータに電力を供給するバッテリと接続可能であるバッテリターミナルと、をさらに備えていてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、作業ユニットの種類等に応じて、使用するバッテリの種類を変更することができる。
【0032】
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリターミナルは、モータユニットの固定部が第1作業ユニットに固定されている状態で第1作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときにモータの上側に配置されており、モータユニットの固定部が第2作業ユニットに固定されている状態で第2作業ユニットとモータユニットが基準面に対して作業姿勢に配置されるときにモータの側方に配置されていてもよい。
【0033】
上記の構成によれば、モータユニットの姿勢に応じて、基準面に対するバッテリの姿勢を変えることができる。
【0034】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1作業ユニットは、ウィンチと、スクリードと、トロウェルを含む群から選択されてもよい。
【0035】
上記の構成によれば、モータユニットを、ウィンチと、スクリードと、トロウェルを含む群と、その群以外の作業ユニットに使用することができる。
【0036】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第2作業ユニットは、ユーザにより手持ちされる手持ち式作業ユニットを備えていてもよい。
【0037】
上記の構成によれば、モータユニットを、手持ち式作業ユニットと、手持ち式作業ユニット以外の作業ユニットに使用することができる。
【0038】
(第1実施例)
図1に示すように、システム2は、モータユニット4と、複数の作業ユニット6と、を備えている。モータユニット4は、作業ユニット6に選択的に固定可能である。また、作業ユニット6は、モータユニット4に加えて、エンジンユニットとも固定可能である。エンジンユニットは、例えば、株式会社マキタから販売されているEH035のエンジンユニットや、株式会社本田技術研究所から販売されているGX35のエンジンユニットである。即ち、作業ユニット6は、モータユニット4とエンジンユニットの両方に適用可能である。複数の作業ユニット6は、例えば、ウィンチ6aと、斜面草刈機6cと、背負い式バッテリ280(
図44参照)が使用される刈払機6dと、スクリード6eと、トロウェル6fと、ランマ6gと、プレートコンパクタ6hと、手持ち式刈払機6iと、エッジャ6jと、管理機6kと、を備えている。また、作業ユニット6は、上記の作業ユニット6に限られず、上記の作業ユニット6以外の作業ユニット6であってもよい。各作業ユニット6は、低出力型の作業ユニットである。モータユニット4と作業ユニット6との組み合わせは、製造メーカまたはユーザにより選択される。モータユニット4が作業ユニット6に固定された構成を、以下では、作業機8と呼ぶことがある。ユーザは、作業機8を使用して作業する。
【0039】
作業機8は、様々な方法で製造される。例えば、
図2に示すように、製造メーカがモータユニット4と作業ユニット6との組み合わせを選択する場合、製造メーカは、複数種類の作業ユニット6を準備し、各作業ユニット6にモータユニット4を組み合わせる。これにより、作業機8が製造される。
【0040】
他の例では、
図3に示すように、第1の製造メーカがモータユニット4を製造する。他の製造メーカ、例えば、第2の製造メーカと第3の製造メーカが、第1の製造メーカからモータユニット4を購入する。第2の製造メーカは、準備した作業ユニット6に購入したモータユニット4を組み合わせる。また、第3の製造メーカは、準備した作業ユニット6に購入したモータユニット4を組み合わせる。これにより、製造メーカ毎に、作業機8が製造される。
【0041】
他の例では、
図4に示すように、第1の製造メーカがモータユニット4を製造する。また、第2の製造メーカが作業ユニット6を製造する。第3の製造メーカが、第1の製造メーカからモータユニット4を購入し、第2の製造メーカから作業ユニット6を購入する。第3の製造メーカは、購入したモータユニット4と作業ユニット6を組み合わせる。これにより、作業機8が製造される。
【0042】
他の例では、
図5に示すように、ユーザが、モータユニット4と、複数種類の作業ユニット6と、を所持している。ユーザは、所望の作業毎に、モータユニット4と作業ユニット6との組み合わせを変更する。
【0043】
他の例では、
図6に示すように、ユーザは、作業機8を所持している。販売店は、複数種類の作業ユニット6を販売している。ユーザは、販売店で、所望の作業ユニット6を購入する。販売店は、ユーザが所持している作業機8のモータユニット4と、購入した作業ユニット6を組み合わせる。これにより、作業機8が製造される。
【0044】
図7および
図8に示すように、モータユニット4は、バッテリパックBPの電力により動作する。本実施例では、
図7および
図8に示されるバッテリパックBPを、バッテリパックBP1と呼ぶことがある。以下では、後述するモータ112のモータシャフト158が延びる方向を前後方向と呼び、前後方向に直交する方向を左右方向と呼び、前後方向と左右方向に直交する方向を上下方向と呼ぶ。前後方向と左右方向と上下方向は、モータユニット4の詳細な構成を説明するために規定されるものである。モータユニット4と作業ユニット6が組み合わされた作業機8では、作業機8の前後方向と左右方向と上下方向がモータユニット4の前後方向と左右方向と上下方向と異なる場合がある。
【0045】
図9に示すように、バッテリパックBPを含むモータユニット4では、モータユニット4の重量は、3.0kg以上かつ7.5kg以下である。モータユニット4の前後方向の長さは、175mm以上かつ250mm以下である。モータユニット4の左右方向の長さは、105mm以上かつ240mm以下である。モータユニット4の上下方向の長さは、225mm以上かつ280mm以下である。モータユニット4の体積は、4000cm
3以上かつ13000cm
3以下である。本実施例では、モータユニット4の左右方向の長さは、120mmである。モータユニット4の左右方向の長さは、例えば、150mm以下であってもよい。
【0046】
バッテリパックBPを含まないモータユニット4では、モータユニット4の重量は、2.0kg以上かつ3.5kg以下である。モータユニット4の前後方向の長さは、175mm以上かつ210mm以下である。モータユニット4の左右方向の長さは、105mm以上かつ240mm以下である。モータユニット4の上下方向の長さは、180mm以上かつ190mm以下である。モータユニット4の体積は、3000cm3以上かつ10000cm3以下である。
【0047】
図7および
図8に示すように、モータユニット4は、本体ハウジング12を備えている。本体ハウジング12は、例えば、樹脂材料からなる。
図9に示すように、本体ハウジング12の重量は、0.8kg以上かつ1.2kg以下である。本体ハウジング12の前後方向の長さは、175mm以上かつ210mm以下である。本体ハウジング12の左右方向の長さは、105mm以上かつ240mm以下である。本体ハウジング12の上下方向の長さは、180mm以上かつ190mm以下である。本体ハウジング12の体積は、3000cm
3以上かつ10000cm
3以下である。
【0048】
図7および
図8に示すように、本体ハウジング12は、右本体ハウジング14と、左本体ハウジング16と、を備えている。右本体ハウジング14は、本体ハウジング12の右半面の外形形状を画定している。左本体ハウジング16は、本体ハウジング12の左半面の外形形状を画定している。右本体ハウジング14と左本体ハウジング16のそれぞれは、本体ハウジング12を、前後方向と上下方向を含む平面で半分割した形状を有する。右本体ハウジング14と左本体ハウジング16の境界は、本体ハウジング12の左右方向の中心に位置する。右本体ハウジング14と左本体ハウジング16が本体ハウジング12の外形形状の全体を画定している。右本体ハウジング14と左本体ハウジング16との間には、収容空間17(
図17参照)が画定されている。
【0049】
右本体ハウジング14と左本体ハウジング16は、4個のネジ18aを用いて固定されている。ネジ18aは、右本体ハウジング14に形成されたネジ孔18bに挿入され、左本体ハウジング16に形成されたネジボス(図示省略)に螺合している。本実施例では、前後方向に隣接するネジ孔18bの距離と、上下方向に隣接するネジ孔18bの距離は、それぞれ70.7mmである。
【0050】
本体ハウジング12は、右壁20と、左壁22と、下壁24と、後上壁26(
図10参照)と、前上壁28と、後壁30と、前鉛直壁32と、前水平壁34と、を備えている。左右方向において、下壁24と、後上壁26と、前上壁28と、後壁30と、前鉛直壁32と、前水平壁34は、右壁20と左壁22との間に配置されている。下壁24は、モータユニット4が基準面Pに載置されるときに基準面P(
図17参照)と接触する。下壁24は、左右方向と前後方向を含む面に対して傾いている。
【0051】
図10に示すように、後上壁26は、下壁24と反対側に配置されている。後上壁26は、前端から後方下側に向かって延びている。
図11に示すように、後上壁26は、左右方向と前後方向を含む面P1に対して傾いている。面P1に対する後上壁26の上面26aの傾斜角度Aは、5度以上かつ45度以下である。また、後上壁26は、下壁24(
図7参照)、即ち、基準面P(
図17参照)に対して傾いている。基準面Pに対する後上壁26の上面26aの傾斜角度Bは、5度以上かつ45度以下である。これにより、後上壁26上の液体は、後上壁26上を流れて基準面Pに落下する。
図11では、基準面Pに平行な面が一点鎖線により図示されている。
【0052】
図10に示すように、前上壁28は、後上壁26の前側に配置されている。
図7および
図8に示すように、前上壁28は、左右方向と前後方向を含む面P1(
図11参照)に沿って配置されている。前上壁28には、主電源スイッチ35が配置されている。
【0053】
図12に示すように、主電源スイッチ35は、ベース35aと、操作ボタン35bと、表示窓35cと、回路基板35dと、スイッチ35eと、LED35fと、を備えている。ベース35aは、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16(
図7参照)との間に挟まれることにより、本体ハウジング12に支持されている。ベース35aは、例えば、樹脂材料からなる。操作ボタン35bと表示窓35cは、ベース35aに配置されている。操作ボタン35bは、モータユニット4のオン状態とオフ状態を切り替えるユーザの操作を受け入れる。回路基板35dは、ネジ35gにより、ベース35aの下側からベース35aに固定されている。スイッチ35eとLED35fは、回路基板35dの上面に配置されている。スイッチ35eは、操作ボタン35bの直下に配置されている。スイッチ35eは、操作ボタン35bが押されると、操作ボタン35bにより押される。これにより、モータユニット4のオン状態とオフ状態が切り替えられる。LED35fは、表示窓35cの直下に配置されている。LED35fは、モータユニット4がオン状態であるときに点灯する。LED35fの点灯は、表示窓35cを介してユーザに視認される。
【0054】
図8に示すように、前鉛直壁32は、下壁24の前端から上方向に延びている。前水平壁34は、前鉛直壁32の上端から前方向に延びている。前水平壁34は、前上壁28の反対側に配置されている。前水平壁34は、前水平壁34を上下方向に貫通する貫通孔36を有する。貫通孔36は、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に跨って配置されている。
【0055】
図10に示すように、本体ハウジング12は、2個のネジ孔37を有する。2個のネジ孔37は、後壁30の下端近傍に配置されている。ネジ孔37は、後壁30を前後方向に貫通している。一方のネジ孔37は、右本体ハウジング14に配置されている。他方のネジ孔37は、左本体ハウジング16に配置されている。ネジ孔37は、ネジ354(
図48参照)と螺合可能である。本体ハウジング12は、ネジ孔37とネジ354を介して作業ユニット6(
図1参照)に固定されるように構成されている。
【0056】
本体ハウジング12は、右レール38と、左レール40と、接続壁42と、をさらに備えている。右レール38と左レール40は、後上壁26上に配置されている。右レール38は、後上壁26の右端上を後上壁26の後端から前端に向かって延びている。左レール40は、後上壁26の左端上を後上壁26の後端から前端に向かって延びている。左レール40は、右レール38と左右方向に対向している。接続壁42は、右レール38の前端と左レール40の前端を接続している。接続壁42は、前上壁28の後端に接続されている。接続壁42は、後上壁26の前端から離れている。このため、接続壁42と後上壁26の前端との間には、開口43が形成されている。開口43は、本体ハウジング12の収容空間17(
図17参照)と本体ハウジング12の外部の空間を連通する。
【0057】
右レール38は、後上壁26上から上方向に延びる右レール基部44と、右レール基部44の上端から左方向に突出する右レール爪46と、を備えている。左レール40は、後上壁26から上方向に延びる左レール基部48と、左レール基部48の上端から右方向に突出する左レール爪50と、を備えている。右レール爪46と左レール爪50は、バッテリパックBP(
図13参照)を本体ハウジング12に取り付けるレールとして機能する。
【0058】
まず、
図13に示すバッテリパックBPを説明する。バッテリパックBPは、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリを備えている。
図9に示すように、バッテリパックBPの重量は、0.6kg以上かつ2.0kg以下である。バッテリパックBPの前後方向の長さは、115mm以上かつ155mm以下である。バッテリパックBPの左右方向の長さは、75mm以上かつ85mm以下である。バッテリパックBPの上下方向の長さは、65mm以上かつ115mm以下である。バッテリパックBPの体積は、500cm
3以上かつ1500cm
3以下である。
【0059】
図14に示すように、バッテリパックBPの最大電圧値は、20V以上かつ100V以下である。また、バッテリパックBPの最大電圧値は、40V以上かつ80V以下であってもよい。また、バッテリパックBPの定格容量は、1.5Ah以上かつ18Ah以下である。
図7および
図8に示されるバッテリパックBP、即ちバッテリパックBP1では、最大電圧値が40Vであり、定格容量が例えば8.0Ahであってもよい。また、バッテリパックBPでは、最大電圧値が40Vであり、定格容量が2.5Ahであってもよい。また、バッテリパックBPでは、最大電圧値が40Vであり、定格容量が4.0Ahであってもよい。さらに、バッテリパックBPでは、最大電圧値が40Vであり、定格容量が5.0Ahであってもよい。
【0060】
図13に示すように、バッテリパックBPは、バッテリハウジング52と、フック54と、右バッテリレール56と、左バッテリレール58と、を備えている。バッテリハウジング52は、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリのセルを内部に収容している。セルの形状は、特に限定されない。例えば、セルは、円筒形状を有していてもよく、ラミレートセル(パウチセル)であってもよい。
【0061】
バッテリハウジング52は、バッテリ吸気口62と、バッテリ排気口64と、を有する。バッテリ吸気口62とバッテリ排気口64は、バッテリハウジング52の内部空間と、外部の空間を連通する。
【0062】
フック54は、バッテリハウジング52に可動するように取り付けられている。フック54は、係合部66と、操作部68と、を備えている。係合部66は、例えば係合爪である。係合部66は、通常、バッテリハウジング52の外部に突出している。操作部68がバッテリハウジング52内に押し込まれると、係合部66の全体がバッテリハウジング52の内部に移動する。
【0063】
右バッテリレール56と左バッテリレール58は、バッテリ排気口64の近傍に配置されている。右バッテリレール56と左バッテリレール58は、左右方向に対向している。係合部66は、右バッテリレール56と左バッテリレール58との間に配置されている。
図15に示すように、モータユニット4が基準面P(
図17参照)に載置された状態で、バッテリパックBPを本体ハウジング12の後側から前方上側に向かう第1方向D1(基準面Pから離れる方向)にスライドさせると、バッテリパックBPは、右レール38(
図10参照)と左レール40(
図10参照)に案内されて、後上壁26の上面26a上をスライドする。また、右レール爪46が右バッテリレール56(
図13参照)と係合し、左レール爪50が左バッテリレール58(
図13参照)と係合する。バッテリパックBPが上面26a上をスライドしている間、係合部66(
図13参照)は、上面26aによりバッテリハウジング52内に押し込まれている。
図11に示すように、上面26aには、凹溝26bが形成されており、係合部66は、凹溝26bまで到達すると、バッテリハウジング52の内部から外部に飛び出し、凹溝26b内で上面26aと係合する。これにより、バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられる。このとき、バッテリ排気口64は、開口43と対向している。なお、
図10に示すように、凹溝26bは、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に跨って配置されている。
図15に示すように、バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、バッテリパックBPの後端下部と本体ハウジング12との間には、空間72が画定される。ユーザが空間72に指を差込んだ状態でバッテリパックBPを把持し、操作部68を押し込んだ状態で、バッテリパックBPを第2方向D2にスライドさせる。バッテリパックBPの重力により、バッテリパックBPが本体ハウジング12から容易に取り外される。
【0064】
図7および
図16に示すように、本実施例のモータユニット4では、種々のバッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付け可能である。例えば、
図7に示すバッテリパックBP1では、最大電圧値が40Vであり、定格容量が例えば8.0Ahである。また、
図16に示すバッテリパックBP、即ち、バッテリパックBP2では、最大電圧値が40Vであり、定格容量が2.5Ahである。バッテリパックBP2のサイズは、バッテリパックBP1のサイズよりも小さい。
【0065】
図8に示すように、本体ハウジング12の右壁20の後部には、吸気カバー76が固定されており、吸気カバー76は、吸気ポート78を有する。吸気ポート78は、複数の吸気口80を備えている。
図17に示すように、吸気口80は、本体ハウジング12の収容空間17と本体ハウジング12の外部の空間を連通する。
【0066】
吸気カバー76と右壁20との間には、空気ガイド84が挟まれている。空気ガイド84は、収容空間17に配置されている。空気ガイド84は、吸気ポート78と離れている。空気ガイド84は、吸気ポート78に連通する吸気経路86を有する。吸気経路86は、上下方向に延びている。吸気経路86は、下端において収容空間17に連通している。
【0067】
図7および
図8に示すように、本体ハウジング12は、第1排気ポート88と、第2排気ポート90と、をさらに備えている。
図8に示すように、第1排気ポート88は、右壁20の前部に配置されている。第1排気ポート88は、吸気カバー76の前側に配置されている。このため、吸気口80は、第1排気ポート88よりも後側に配置されている。モータユニット4と作業ユニット6(
図37参照)が組み合わされているとき、モータユニット4の前端が作業ユニット6に固定されるため、吸気口80は、第1排気ポート88よりも作業ユニット6から離れている。このため、作業ユニット6の作業により水や粉塵が発生しても、水や粉塵が吸気口80から本体ハウジング12の収容空間17(
図17参照)に侵入することを抑制することができる。第1排気ポート88は、複数の第1排気口92を備えている。第1排気口92は、本体ハウジング12の収容空間17(
図17参照)と本体ハウジング12の外部の空間を連通する。
【0068】
図7に示すように、第2排気ポート90は、左壁22の前部に配置されている。前後方向における第2排気ポート90の位置は、前後方向における第1排気ポート88(
図8参照)の位置と略同一である。第2排気ポート90は、複数の第2排気口94を備えている。第2排気口94は、本体ハウジング12の収容空間17(
図17参照)と本体ハウジング12の外部の空間を連通する。
【0069】
図7および
図8に示すように、本体ハウジング12は、基板収容部98と、モータ収容部100と、バッテリ取付部102と、を備えている。基板収容部98は、本体ハウジング12の下部に位置している。基板収容部98は、右壁20の下部と、左壁22の下部と、下壁24と、後壁30の下部と、前鉛直壁32により画定されている。
【0070】
モータ収容部100は、基板収容部98の上側に配置されている。モータ収容部100の前後方向の長さは、基板収容部98の前後方向の長さよりも長い。モータ収容部100の前後方向の長さは、本体ハウジング12の前後方向の長さと略同一である。バッテリ取付部102は、右壁20の上部と、左壁22の上部と、前上壁28と、後壁30の上部と、前水平壁34により画定されている。
【0071】
バッテリ取付部102は、モータ収容部100の上側に配置されている。バッテリ取付部102は、後上壁26と、右レール38と、左レール40と、接続壁42により画定されている。即ち、バッテリ取付部102は、後上壁26と、右レール38と、左レール40と、接続壁42と、を備えている。
【0072】
図17に示すように、基板収容部98の左右方向の幅と、バッテリ取付部102の左右方向の幅のそれぞれは、モータ収容部100の左右方向の幅よりも短い。即ち、本体ハウジング12の上部と下部の左右方向の幅が、本体ハウジング12の中央部の左右方向の幅よりも短い。このため、本体ハウジング12の左右方向の幅が上下方向に一定である構成と比較して、本体ハウジング12が小さい。
【0073】
図18に示すように、モータユニット4は、制御ユニット106と、バッテリターミナル108と、モータハウジング110と、モータ112と、冷却ファン114と、出力ユニット116と、を備えている。なお、
図18では、バッテリパックBPの内部構成が図示省略されている。制御ユニット106と、バッテリターミナル108と、モータハウジング110と、モータ112と、冷却ファン114と、出力ユニット116は、収容空間17に配置されている。
【0074】
図19に示すように、制御ユニット106は、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16(
図17参照)に挟まれており、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16の両方に支持されている。
図18に示すように、制御ユニット106は、基板収容部98に配置されている。制御ユニット106は、前鉛直壁32に当接している。制御ユニット106は、後壁30と前後方向に離れている。制御ユニット106は、第1リード線LW1を介して、バッテリターミナル108に電気的に接続されている。制御ユニット106は、第2リード線LW2を介して、モータ112に電気的に接続されている。制御ユニット106は、第3リード線LW3を介して、主電源スイッチ35に電気的に接続されている。制御ユニット106は、バッテリパックBPから供給される電力により動作する。制御ユニット106は、モータ112と主電源スイッチ35を制御する。
【0075】
制御ユニット106は、マイコンと複数のスイッチング素子とを有する制御基板120と、金属製のケース122と、を備えている。スイッチング素子は、例えば、IGBTまたはMOSFETである。スイッチング素子は、マイコンに制御されることにより、オン状態とオフ状態とに切り替えられる。制御基板120は、下壁24に沿って配置されている。
【0076】
ケース122は、上端が開口したケース形状を有している。このため、第2リード線LW2を制御基板120に容易に接続することができ、第3リード線LW3を主電源スイッチ35に容易に接続することができる。ケース122は、制御基板120を内部に収容している。ケース122には、制御基板120が取り付けられている。ケース122は、下壁24に沿って配置されている。
【0077】
図20に示すように、制御ユニット106は、アルミ合金製の複数の放熱フィン124をさらに備えている。複数の放熱フィン124は、ケース122の下面に配置されている。複数の放熱フィン124は、ケース122と一体的に形成されている。放熱フィン124は、前後方向に延びる板形状を有する。複数の放熱フィン124は、互いに左右方向に離れている。
【0078】
図19に示すように、バッテリターミナル108は、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16(
図17参照)に挟まれており、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16の両方に支持されている。
図18に示すように、バッテリターミナル108は、後上壁26に配置されている。前後方向において、バッテリターミナル108は、制御ユニット106の前端と後端との間に配置されている。モータユニット4を下方向に見たとき、バッテリターミナル108は、制御ユニット106と少なくとも部分的に重なり合っている。
図17に示すように、バッテリターミナル108の左右方向の長さL1は、制御ユニット106の左右方向の長さL2よりも短い。
【0079】
図10に示すように、バッテリターミナル108は、ターミナルベース128と、複数の端子部材130と、を備えている。ターミナルベース128は、略板形状を有する。ターミナルベース128は、左右方向において、右レール38と左レール40との間に配置されている。ターミナルベース128は、後上壁26を貫通している。ターミナルベース128の外面128aは、本体ハウジング12の外部の空間に露出している。外面128aは、ターミナルベース128の上面に対応する。ターミナルベース128の外面128aは、後上壁26の上面26aと略同一平面上に配置されている。このため、基準面Pに対する外面128aの傾斜角度B(
図11参照)は、5度以上かつ45度以下である。
【0080】
複数の端子部材130は、ターミナルベース128に固定されている。端子部材130は、ターミナルベース128から突出している。端子部材130は、例えば、金属材料からなる。バッテリパックBP(
図13参照)が本体ハウジング12のバッテリ取付部102に取り付けられているとき、端子部材130は、バッテリパックBPのバッテリ端子部材(図示省略)に電気的に接続される。これにより、バッテリパックBPの電力がモータユニット4に供給される。また、端子部材130は、第1リード線LW1に接続されている。このため、バッテリパックBPの電力は、第1リード線LW1を介して制御ユニット106に供給される。
【0081】
図19に示すように、モータハウジング110は、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16(
図17参照)に挟まれており、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16の両方に支持されている。
図18に示すように、モータハウジング110は、モータ収容部100の前部に配置されている。モータハウジング110は、後壁30と前後方向に離れている。上下方向に関して、モータハウジング110は、制御ユニット106とバッテリターミナル108との間に配置されている。モータユニット4を下方向に見たとき、モータハウジング110は、制御ユニット106とバッテリターミナル108のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている。
【0082】
図21に示すように、右本体ハウジング14は、右本体ハウジング14の内面から突出する複数(本実施例では3個)の右バッテリ支持壁134を備えている。複数の右バッテリ支持壁134は、モータ収容部100に配置されている。複数の右バッテリ支持壁134は、空気ガイド84と吸気カバー76(
図17参照)よりも前側に配置されている。複数の右バッテリ支持壁134は、第1排気ポート88よりも後側に配置されている。
図22に示すように、左本体ハウジング16は、左本体ハウジング16の内面から突出する複数(本実施例では3個)の左バッテリ支持壁136を備えている。複数の左バッテリ支持壁136は、モータ収容部100に配置されている。複数の左バッテリ支持壁136は、第2排気ポート90よりも後側に配置されている。複数の右バッテリ支持壁134(
図21参照)と複数の左バッテリ支持壁136は、モータハウジング110(
図18参照)の外周面を囲むようにモータハウジング110を挟んでいる。これにより、モータハウジング110が、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に支持されている。
【0083】
図21に示すように、右本体ハウジング14は、右支持部137aと、第1右ピン支持部137bと、第2右ピン支持部137cと、右抜け止め部137dと、を備えている。
【0084】
右支持部137aは、2個の右支持リブ137eを備えている。2個の右支持リブ137eは、右本体ハウジング14の内面から突出している。2個の右支持リブ137eは、第1排気ポート88よりも後側に配置されている。2個の右支持リブ137eは、上下方向に離れている。右支持リブ137eは、前後方向に延びている。右支持リブ137eは、中央に位置する右バッテリ支持壁134を前後方向に横切っている。右支持リブ137eの前端は、最も前側に位置する右バッテリ支持壁134に接続されている。右支持リブ137eの後端は、中央に位置する右バッテリ支持壁134と最も後側に位置する右バッテリ支持壁134との間に配置されている。
【0085】
第1右ピン支持部137bは、右本体ハウジング14の内面から突出している。第1右ピン支持部137bは、2個の右支持リブ137eの後端と、最も後側に位置する右バッテリ支持壁134のそれぞれに接続されている。第1右ピン支持部137bは、略円筒形状を有する。第1右ピン支持部137bは、第1右ピン137fを支持する。第1右ピン137fは、弾性材料からなる。第1右ピン137fは、略円柱形状を有する。第1右ピン137fは、第1右ピン支持部137bに挿入されることにより、第1右ピン支持部137bに受け入れられている。第1右ピン137fが第1右ピン支持部137bに受け入れられているとき、第1右ピン137fの長軸は、左右方向に延びている。
【0086】
第2右ピン支持部137cは、右本体ハウジング14の内面から突出している。第2右ピン支持部137cは、第1排気ポート88よりも前側に配置されている。第2右ピン支持部137cは、枠形状(略O形状)を有するリブである。第2右ピン支持部137cは、第2右ピン137gを支持する。第2右ピン137gは、弾性材料からなる。第2右ピン137gは、略円柱形状を有する。第2右ピン137gは、第2右ピン支持部137cに挿入されることにより、第2右ピン支持部137cに受け入れられている。第2右ピン137gが第2右ピン支持部137cに受け入れられているとき、第2右ピン137gの長軸は、上下方向に延びている。
【0087】
右抜け止め部137dは、右本体ハウジング14の内面から突出している。右抜け止め部137dは、第2右ピン支持部137cよりも前側に配置されている。右抜け止め部137dは、右本体ハウジング14の前端近傍に配置されている。右抜け止め部137dは、略U字形状を有するリブである。右抜け止め部137dは、前方向に延びた後に、屈曲して下方向に延び、さらに屈曲して後方向に延びている。
【0088】
図22に示すように、左本体ハウジング16は、左支持部138aと、第1左ピン支持部138bと、第2左ピン支持部138cと、左抜け止め部138dと、を備えている。
【0089】
左支持部138aは、右支持部137a(
図21参照)と左右方向に対向する位置に配置されている。左支持部138aは、2個の左支持リブ138eを備えている。2個の左支持リブ138eは、左本体ハウジング16の内面から突出している。2個の左支持リブ138eは、第2排気ポート90よりも後側に配置されている。2個の左支持リブ138eは、上下方向に離れている。左支持リブ138eは、前後方向に延びている。左支持リブ138eは、中央に位置する左バッテリ支持壁136を前後方向に横切っている。左支持リブ138eの前端は、最も前側に位置する左バッテリ支持壁136に接続されている。左支持リブ138eの後端は、中央に位置する左バッテリ支持壁136と最も後側に位置する左バッテリ支持壁136との間に配置されている。
【0090】
第1左ピン支持部138bは、第1右ピン支持部137b(
図21参照)と左右方向に対向する位置に配置されている。第1左ピン支持部138bは、左本体ハウジング16の内面から突出している。第1左ピン支持部138bは、2個の左支持リブ138eの後端と、最も後側に位置する左バッテリ支持壁136のそれぞれに接続されている。第1左ピン支持部138bは、略円筒形状を有する。第1左ピン支持部138bは、第1左ピン138fを支持する。第1左ピン138fは、弾性材料からなる。第1左ピン138fは、略円柱形状を有する。第1左ピン138fは、第1左ピン支持部138bに挿入されることにより、第1左ピン支持部138bに受け入れられている。第1左ピン138fが第1左ピン支持部138bに受け入れられているとき、第1左ピン138fの長軸は、左右方向に延びている。
【0091】
第2左ピン支持部138cは、第2右ピン支持部137c(
図21参照)と左右方向に対向する位置に配置されている。第2左ピン支持部138cは、左本体ハウジング16の内面から突出している。第2左ピン支持部138cは、第2排気ポート90よりも前側に配置されている。第2左ピン支持部138cは、枠形状(略O形状)を有するリブである。第2左ピン支持部138cは、第2左ピン138gを支持する。第2左ピン138gは、弾性材料からなる。第2左ピン138gは、略円柱形状を有する。第2左ピン138gは、第2左ピン支持部138cに挿入されることにより、第2左ピン支持部138cに受け入れられている。第2左ピン138gが第2左ピン支持部138cに受け入れられているとき、第2左ピン138gの長軸は、上下方向に延びている。
【0092】
左抜け止め部138dは、右抜け止め部137d(
図21参照)と左右方向に対向する位置に配置されている。左抜け止め部138dは、左本体ハウジング16の内面から突出している。左抜け止め部138dは、第2左ピン支持部138cよりも前側に配置されている。左抜け止め部138dは、左本体ハウジング16の前端近傍に配置されている。左抜け止め部138dは、略U字形状を有するリブである。左抜け止め部138dは、前方向に延びた後に、屈曲して下方向に延び、さらに屈曲して後方向に延びている。
【0093】
図23に示すように、モータハウジング110は、モータハウジング本体140と、バッフルプレート142と、を備えている。モータハウジング本体140は、後端に底壁144を有する略円筒形状を有する。バッフルプレート142は、2個のネジ145により、モータハウジング本体140の前端に固定されている。バッフルプレート142は、モータハウジング本体140の前端開口の一部分を塞ぐ。
【0094】
図24に示すように、モータハウジング本体140は、複数のモータ吸気口146を有する。複数のモータ吸気口146は、底壁144を貫通している。複数のモータ吸気口146は、収容空間17とモータハウジング110の内部空間を連通する。
図25に示すように、前後方向において、複数のモータ吸気口146の位置は、最も後側に位置する右バッテリ支持壁134の位置と、最も後側に位置する左バッテリ支持壁136の位置と略同一である。このため、複数のモータ吸気口146は、空気ガイド84(
図17参照)と吸気カバー76(
図17参照)よりも前側に配置されている。また、複数のモータ吸気口146は、最も後側に位置する右バッテリ支持壁134と最も後側に位置する左バッテリ支持壁136に囲まれている。
図17に示すように、複数のモータ吸気口146は、制御ユニット106とバッテリターミナル108との間に配置されている。
【0095】
図26に示すように、モータハウジング本体140の外周面には、2個の右リブ148aと、2個の左リブ148bが形成されている。2個の右リブ148aは、モータハウジング本体140の外周面から右方向に突出している。2個の右リブ148aは、上下方向に離れている。右リブ148aは、前後方向に延びている。2個の左リブ148bは、モータハウジング本体140の外周面から左方向に突出している。2個の左リブ148bは、上下方向に離れている。左リブ148bは、前後方向に延びている。2個の左リブ148bの間の中央位置は、2個の右リブ148aの間の中央位置に対して、前後方向に延びる軸周りに180度離れている。
【0096】
上下方向において、2個の右リブ148aは、2個の右支持リブ137eの間に挟まれている。また、上下方向において、2個の左リブ148bは、2個の左支持リブ138eの間に挟まれている。これにより、モータハウジング110は、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16により支持されている。
【0097】
図27に示すように、モータハウジング本体140の外周面は、第1右ピン137fと第1左ピン138fに当接している。これにより、モータハウジング110は、第1右ピン137fと第1左ピン138fを介して、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に支持されている。また、モータハウジング本体140の外周面と右本体ハウジング14との間に微小な隙間が形成されているときや、モータハウジング本体140の外周面と左本体ハウジング16との間に微小な隙間が形成されているときでも、第1右ピン137fと第1左ピン138fにより、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に対するモータハウジング110のガタツキが抑制される。
【0098】
図18に示すように、モータ112は、モータ収容部100の前部に配置されている。モータ112は、例えば、インナロータ型のブラシレスモータである。変形例では、モータ112は、アウタロータ型のブラシレスモータであってもよく、ブラシ付きモータであってもよい。モータ112は、主電源スイッチ35(
図7参照)の操作によりモータユニット4がオン状態に切り替わると動作可能となる。モータ112は、バッテリパックBPから供給される電力により動作する。モータ112は、モータハウジング110に収容されている。バッフルプレート142は、モータ112がモータハウジング110の外部に抜け出ることを抑制する。
【0099】
上下方向に関して、モータ112は、制御ユニット106とバッテリターミナル108との間に配置されている。モータユニット4を下方向に見たとき、モータ112は、制御ユニット106とバッテリターミナル108のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている。モータ112は、前後方向における制御ユニット106の中心位置と、前後方向におけるバッテリターミナル108の中心位置よりも前側に配置されている。
図28に示すように、モータ112の前後方向の長さL3は、本体ハウジング12の前後方向の長さL4よりも短い。長さL4は、L3の1.5倍以上かつ2.0倍以下である。長さL3は、制御ユニット106の前後方向の長さL5よりも短い。モータ112の直径DA1は、本体ハウジング12の上下方向の長さL6よりも短い。長さL6は、直径DA1の2.3倍以上かつ3.3倍以下である。
図17に示すように、モータ112の直径DA1は、バッテリターミナル108の左右方向の長さL1よりも長い。モータ112の直径DA1は、制御ユニット106の左右方向の長さL2よりも短い。
【0100】
図9に示すように、モータ112の重量は、0.7kg以上かつ1.1kg以下である。モータ112の前後方向の長さL3は、110mm以上かつ119mm以下である。モータ112の直径DA1は、85mm以上かつ100mm以下である。モータ112の体積は、500cm
3以上かつ1500cm
3以下である。
図14に示すように、モータ112の最大出力値は、0.5kW以上かつ2.0kW以下である。モータ112は、低出力型のモータである。モータ112の最大出力値は、0.5kW以上かつ1.5kW以下であってもよい。モータ112の最大出力値は、0.5kW以上かつ1.2kW以下であってもよい。モータ112の最大出力値は、0.5kW以上かつ1.0kW以下であってもよい。モータ112の最大電流値は、35A以上かつ50A以下である。モータ112のトルクは、1.5N・m以上かつ3.0N・m以下である。モータ112の回転数は、4000rpm以上かつ10000rpm以下である。
【0101】
図23に示すように、モータ112は、ステータ本体150と、複数(本実施例では6個)のコイル152と、ロータ本体154と、複数の永久磁石156(
図24参照)と、モータシャフト158と、を備えている。各コイル152は、ステータ本体150に巻回されている。ロータ本体154は、ステータ本体150の中心開口に挿入されている。
図24に示すように、ロータ本体154は、ロータ本体154を前後方向に貫通する複数の冷却開口154aを有する。複数の永久磁石156は、ロータ本体154の内部に配置されている。複数の永久磁石156は、複数の冷却開口154aよりも、ロータ本体154の径方向外側に配置されている。モータシャフト158は、ロータ本体154を前後方向に貫通している。モータシャフト158は、前後方向に延びている。モータシャフト158の前後方向の長さは、モータ112の前後方向の長さL3と略同一である。モータシャフト158の後端は、ベアリング160を介してモータハウジング本体140に回転可能に支持されている。モータシャフト158の前端は、ベアリング162を介して、出力ユニット116に回転可能に支持されている。モータシャフト158は、前後方向に延びる回転軸AX周りを回転する。
【0102】
制御ユニット106(
図18参照)のマイコンがスイッチング素子を選択的にオン状態とオフ状態とに切り替えると、バッテリパックBP(
図18参照)の電力が各コイル152に供給される。各コイルに発生する磁界により、複数の永久磁石156が回転軸AX周りを回転する。これにより、ロータ本体154とモータシャフト158が回転軸AX周りを回転する。
【0103】
冷却ファン114は、モータハウジング110の外部で、モータシャフト158に固定されている。冷却ファン114は、出力ユニット116の内部に配置されている。冷却ファン114は、ベアリング162よりもモータハウジング110側に配置されている。冷却ファン114は、遠心ファンである。変形例では、冷却ファン114は、軸流ファンであってもよい。冷却ファン114は、モータシャフト158と一体となって、回転軸AX周りを回転する。
【0104】
図29に示すように、出力ユニット116は、第1モータ排気口166と、第2モータ排気口168と、を有する。第1モータ排気口166と第2モータ排気口168は、冷却ファン114の径方向外側に配置されている。第1モータ排気口166は、第1排気ポート88と対向している。第2モータ排気口168は、第2排気ポート90と対向している。第2モータ排気口168は、回転軸AXを中心にして第1モータ排気口166と180度離れた位置に配置されている。
【0105】
冷却ファン114が回転すると、
図17に示すように、空気は、吸気ポート78を通過して、本体ハウジング12の外部の空間から、吸気経路86に流入する。なお、図面では、空気の流れは、符号Fで示された矢印線で示されている。流入した空気は、吸気経路86の下端から収容空間17に流入する。その後、空気は、制御ユニット106の周りを、モータユニット4を前方向に見て時計回りの方向に流れる。複数の放熱フィン124が空気で冷却されることにより、制御基板120が冷却される。その後、空気は、制御ユニット106とバッテリターミナル108との間を通過して、複数のモータ吸気口146に向かって前方向に流れる。これにより、制御ユニット106とバッテリターミナル108が冷却される。
【0106】
また、
図18に示すように、吸気経路86(
図17参照)から収容空間17に流入した空気の一部は、複数の放熱フィン124に沿って後方向に流れる。複数の放熱フィン124が空気で冷却されることにより、制御基板120が冷却される。その後、空気は、制御ユニット106と後壁30との間を通過して上方向に流れる。その後、空気は、制御ユニット106とバッテリターミナル108との間を通過して、複数のモータ吸気口146に向かって前方向に流れる。これにより、制御ユニット106とバッテリターミナル108が冷却される。
【0107】
さらに、
図11に示すように、空気は、バッテリ吸気口62(
図13参照)を通過して、バッテリハウジング52の外部の空間から内部空間に流入する。流入した空気は、バッテリハウジング52の内部空間を流れる。これにより、バッテリパックBPが冷却される。その後、空気は、バッテリハウジング52のバッテリ排気口64と、接続壁42と後上壁26の前端との間の開口43を通過して、バッテリハウジング52の内部空間から本体ハウジング12の収容空間17に流入する。流入した空気は、後上壁26に沿って後方向に流れた後、折り返して、複数のモータ吸気口146(
図24参照)に向かって前方向に流れる。
【0108】
図24に示すように、複数のモータ吸気口146は、最も後側に位置する右バッテリ支持壁134と最も後側に位置する左バッテリ支持壁136(
図25参照)に囲まれている。このため、右バッテリ支持壁134と左バッテリ支持壁136は、空気が複数のモータ吸気口146からモータハウジング110の内部空間に流入するように、空気通路を画定している。これにより、空気は、複数のモータ吸気口146からモータハウジング110の内部空間に流入する。流入した空気は、複数の冷却開口154aを前方向に流れる。また、流入した空気は、ステータ本体150とロータ本体154との間を前方向に流れる。これにより、モータ112が冷却される。
【0109】
図29に示すように、空気は、冷却ファン114まで流れると、冷却ファン114により回転軸AXから離反する方向に(即ち、冷却ファン114の径方向外側に)送られる。冷却ファン114に送られた空気は、第1モータ排気口166と第1排気ポート88を通過して、本体ハウジング12の外部の空間に排出される。また、冷却ファン114に送られた空気は、第2モータ排気口168と第2排気ポート90を通過して、本体ハウジング12の外部の空間に排出される。
【0110】
図28に示すように、出力ユニット116は、モータ収容部100の前部に配置されている。出力ユニット116の前端近傍は、本体ハウジング12の外部の空間に露出している。出力ユニット116は、本体ハウジング12の前端に挿入されている。出力ユニット116は、モータハウジング110の前端に固定されている。出力ユニット116の前後方向の長さL7は、モータ112の前後方向の長さL3よりも短い。
【0111】
図30に示すように、出力ユニット116は、マウントベース172と、中間部材174と、第1クラッチシュー176と、第2クラッチシュー178と、クラッチスプリング180と、を備えている。
【0112】
マウントベース172は、4個のネジ182(
図23参照)により、モータハウジング本体140の前端に固定されている。マウントベース172は、筒部184と、フランジ部186と、隔壁部188と、第1ネジボス部190と、を備えている。筒部184の内面は、略円形断面形状を有する。筒部184の後端には、第1モータ排気口166(
図29参照)と第2モータ排気口168が形成されている。
【0113】
図31に示すように、筒部184の外面は、第2右ピン137gと第2左ピン138gに当接している。これにより、マウントベース172は、第2右ピン137gと第2左ピン138gを介して、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に支持されている。また、第2右ピン137gと第2左ピン138gにより、右本体ハウジング14と左本体ハウジング16に対するマウントベース172のガタツキが抑制される。
【0114】
図32に示すように、筒部184の外面には、右突出壁部184aと左突出壁部184bが形成されている。右突出壁部184aは、筒部184の外面から右方向に突出している。右突出壁部184aは、右本体ハウジング14の右抜け止め部137dに受け入れられている。右突出壁部184aは、第2右ピン支持部137cの前側に配置されている。左突出壁部184bは、筒部184の外面から左方向に突出している。左突出壁部184bは、左本体ハウジング16の左抜け止め部138dに受け入れられている。左突出壁部184bは、第2左ピン支持部138cの前側に配置されている。
【0115】
マウントベース172に前方向の力が作用するとき、右突出壁部184aは、右抜け止め部137dに後側から当接し、左突出壁部184bは、左抜け止め部138dに後側から当接する。これにより、マウントベース172が、本体ハウジング12に対して前方向に移動して、本体ハウジング12から抜け出ることが抑制される。また、マウントベース172に後方向の力が作用するとき、右突出壁部184aは、第2右ピン支持部137cに前側から当接し、左突出壁部184bは、第2左ピン支持部138cに前側から当接する。これにより、マウントベース172が本体ハウジング12に対して後方向に移動することが抑制される。
【0116】
図30に示すように、フランジ部186は、筒部184の前端に配置されている。フランジ部186は、筒部184から回転軸AXから離反する方向に突出している。フランジ部186の前面186aは、左右方向と上下方向を含む平面上に配置されている。フランジ部186の外面は、略四角形状を有する。フランジ部186の外面は、本体ハウジング12(
図19参照)により囲まれている。これにより、マウントベース172が本体ハウジング12に対して回転軸AX周りを回転することが抑制される。フランジ部186は、前面186aが作業ユニット6(
図1参照)に当接した状態で作業ユニット6に固定可能である。フランジ部186の前面186aは、固定部に対応する。
【0117】
図28に示すように、隔壁部188は、筒部184の内面に配置されている。隔壁部188は、筒部184の前後方向の中心位置近傍に配置されている。隔壁部188は、筒部184の内部空間を、前側空間192と後側空間194に分ける。冷却ファン114は、後側空間194に配置されている。隔壁部188には、モータシャフト158が貫通している。隔壁部188は、ベアリング162を介してモータシャフト158を回転可能に支持している。
図30に示すように、隔壁部188は、4個のネジ孔188aを有する。ネジ孔188aは、隔壁部188を前後方向に貫通している。4個のネジ孔188aは、筒部184の内面近傍に配置されている。4個のネジ孔188aは、回転軸AX周りに等間隔に配置されている。
【0118】
第1ネジボス部190は、筒部184から下方向に突出している。第1ネジボス部190は、本体ハウジング12の貫通孔36に挿入されている。これにより、マウントベース172は、本体ハウジング12に対して前後方向に位置決めされる。また、マウントベース172は、本体ハウジング12に固定される。
【0119】
図29に示すように、第1ネジボス部190は、左右方向に並ぶ2個の円柱部190aを備えている。円柱部190aは、ネジ孔190bを有する。ネジ孔190bは、円柱部190aの下端から上方向に延びている。ネジ孔190bは、ネジ364(
図49参照)と螺合可能である。第1ネジボス部190は、ネジ孔190bとネジ364を介して作業ユニット6(
図1参照)に固定されるように構成されている。
【0120】
図30に示すように、マウントベース172は、4個の第2ネジボス部191を備えている。4個の第2ネジボス部191は、筒部184とフランジ部186により形成されている。第2ネジボス部191は、フランジ部186の角部の近傍に位置している。第2ネジボス部191は、前後方向に延びている。
【0121】
図33に示すように、第2ネジボス部191は、前ネジ孔191aと、後ネジ孔191bと、を有する。前ネジ孔191aは、第2ネジボス部191の前端から後方向に延びている。前ネジ孔191aは、ネジ256(
図41参照)と螺合可能である。第2ネジボス部191は、前ネジ孔191aとネジ256を介して作業ユニット6(
図1参照)に固定されるように構成されている。
【0122】
後ネジ孔191bは、第2ネジボス部191の後端から前方向に延びている。後ネジ孔191bは、前ネジ孔191aに接続されていない。後ネジ孔191bと前ネジ孔191aは、一直線上に配置されている。後ネジ孔191bは、ネジ182と螺合可能である。ネジ182が後ネジ孔191bに螺合することにより、第2ネジボス部191が、モータハウジング本体140に固定される。
【0123】
中間部材174は、前側空間192に配置されている。中間部材174は、細長い形状を有する。中間部材174の長手方向の中心部分は、モータシャフト158の前端に固定されている。
【0124】
図34に示すように、第1クラッチシュー176は、円弧形状を有する。第1クラッチシュー176の一端は、ボルト196を介して中間部材174の一端に可動するように取り付けられている。筒部184の内面と対向する第1クラッチシュー176の面には、摩擦部材198が固定されている。
【0125】
第2クラッチシュー178の形状は、第1クラッチシュー176の形状と略同一である。第2クラッチシュー178の一端は、ボルト200を介して中間部材174の他端に可動するように取り付けられている。第2クラッチシュー178の筒部184の内面と対向する第2クラッチシュー178の面には、摩擦部材202が固定されている。第2クラッチシュー178の一端は、第1クラッチシュー176の他端と対向している。第2クラッチシュー178の他端は、第1クラッチシュー176の一端と対向している。
【0126】
クラッチスプリング180は、第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178に取り付けられている。クラッチスプリング180は、例えば、圧縮ばねである。クラッチスプリング180は、第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178を互いに近づく方向に付勢する。
【0127】
モータシャフト158が回転軸AX周りを回転すると、第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178が回転軸AX周りを回転する。モータシャフト158の回転数が所定の回転数以上となると、クラッチスプリング180の付勢力に抗して、第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178が動く。このとき、第1クラッチシュー176の他端と第2クラッチシュー178の他端は、筒部184の内面に向かって径方向外側に移動する。
【0128】
図18に示すように、バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、モータユニット4の重心G1は、モータ112内に配置されている。重心G1は、本体ハウジング12の前後方向の中心位置とバッテリターミナル108の前端よりも前側に配置されている。重心G1は、制御ユニット106の前端よりも後側に配置されている。重心G1は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。
【0129】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられていないとき、モータユニット4の重心G2は、モータ112内に配置されている。重心G2は、重心G1よりも前側に配置されている。重心G2は、制御ユニット106の前端よりも後側に配置されている。重心G2は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。重心G2は、重心G1よりも回転軸AXの近くに配置されている。
【0130】
図35に示すように、出力ユニット116は、支持部材206と、スピンドル208と、をさらに備えている。支持部材206とスピンドル208は、中間部材174と、第1クラッチシュー176と、第2クラッチシュー178と、クラッチスプリング180に替えて、モータユニット4に適用可能である。以下では、中間部材174と、第1クラッチシュー176と、第2クラッチシュー178と、クラッチスプリング180をまとめて第1出力部212と呼び、支持部材206とスピンドル208をまとめて第2出力部214と呼び、第1出力部212と第2出力部214をまとめて出力部216と呼ぶことがある。モータユニット4は、第1出力部212が使用されるときにはクラッチ式ユニットとして機能し、第2出力部214が使用されるときにはスピンドル式ユニットとして機能する。モータユニット4がクラッチ式ユニットとして機能する場合、作業ユニット6(
図1参照)は、例えば、斜面草刈機6cと、背負い式バッテリ280(
図44参照)が使用される刈払機6dと、スクリード6eと、トロウェル6fと、ランマ6gと、プレートコンパクタ6hと、手持ち式刈払機6iと、エッジャ6jと、管理機6kである。モータユニット4がスピンドル式ユニットとして機能する場合、作業ユニット6(
図1参照)は、例えば、ウィンチ6aである。クラッチ式ユニットでは、出力ユニット116は、マウントベース172と第1出力部212を備えている。スピンドル式ユニットでは、出力ユニット116は、マウントベース172と第2出力部214を備えている。作業ユニット6(
図1参照)の種類に応じて、第1出力部212と第2出力部214の一方が選択される。
【0131】
図36に示すように、第2出力部214の支持部材206は、ネジ218がネジ孔188aに螺合することにより、隔壁部188の前面に固定されている。支持部材206は、前側空間192に配置されている。
【0132】
スピンドル208は、前後方向に延びている。スピンドル208は、支持部材206を前後方向に貫通している。スピンドル208は、ベアリング220を介して支持部材206に回転可能に支持されている。スピンドル208の後端は、モータシャフト158の前端に嵌合している。スピンドル208は、モータシャフト158と一体となって回転軸AX周りを回転する。スピンドル208は、作業ユニット6(
図1参照)を動作させる。
【0133】
図37から
図40に示すように、モータユニット4は、種々の作業ユニット6に適用可能である。
図37から
図49では、座標系を上記の座標系と異なる座標系に変更して説明する。具体的には、基準面Pに直交する方向を上下方向と呼び、上下方向に直交する方向を前後方向と呼び、上下方向と前後方向に直交する方向を左右方向と呼ぶ。
【0134】
図37に示すように、モータユニット4は、作業ユニット6の一例である手持ち式刈払機6iに適用可能である。手持ち式刈払機6iは、ユーザにより手持ちされる。手持ち式刈払機6iは、ポール230と、ハンドルユニット232と、固定ユニット234と、伝達シャフト236(
図42参照)と、作業部238と、を備えている。
【0135】
ポール230は、細長い棹形状を有する。ポール230は、内部で、伝達シャフト236(
図42参照)を回転可能に支持している。
【0136】
ハンドルユニット232は、固定フレーム240と、右ハンドル242と、左ハンドル244と、トリガ246と、シャークフィン248と、を備えている。
【0137】
固定フレーム240は、略U字形状を有する。固定フレーム240の長手方向の中央部分は、ポール230に固定されている。
【0138】
右ハンドル242は、固定フレーム240の長手方向の一端に取り付けられている。左ハンドル244は、固定フレーム240の長手方向の他端に取り付けられている。ユーザは、右手で右ハンドル242を把持し、左手で左ハンドル244を把持して、手持ち式刈払機6iを取り回す。
【0139】
トリガ246は、右ハンドル242の前部に押し込み可能に取り付けられている。シャークフィン248は、右ハンドル242の後部に押し込み可能に取り付けられている。シャークフィン248が押し込まれると、トリガ246が押し込み可能となる。シャークフィン248が右ハンドル242を把持したユーザの手の平で押し込まれた状態で、トリガ246が右ハンドル242を把持したユーザの手の指で押し込まれると、モータユニット4のモータ112(
図28参照)が動作する。
【0140】
固定ユニット234は、ポール230の一端に固定されている。
図41に示すように、固定ユニット234は、固定ハウジング252と、ドラム254と、を備えている。
【0141】
固定ハウジング252は、ネジ256が前ネジ孔191aに螺合することにより、モータユニット4のフランジ部186に固定されている。固定ハウジング252の後端面は、フランジ部186の前面186aと面で当接している。
【0142】
ドラム254は、固定ハウジング252の内部に配置されている。ドラム254は、固定ハウジング252に回転可能に支持されている。
図42に示すように、ドラム254は、円筒部258と、底壁部260と、を備えている。
【0143】
円筒部258は、略円筒形状を有する。固定ハウジング252がフランジ部186(
図41参照)に固定されているとき、円筒部258は、第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178を囲む。第1クラッチシュー176と第2クラッチシュー178は、円筒部258の内部に配置されている。
【0144】
底壁部260は、円筒部258の開口の一端を閉じる。底壁部260には、カプラ262を介して、伝達シャフト236が固定されている。
【0145】
モータシャフト158が回転軸AX周りを回転してモータシャフト158の回転数が所定の回転数以上となると、第1クラッチシュー176の他端と第2クラッチシュー178の他端が筒部184の内面に向かって径方向外側に移動する。これにより、第1クラッチシュー176の摩擦部材198と第2クラッチシュー178の摩擦部材202が円筒部258の内周面に押し付けられる。これにより、モータシャフト158の回転がドラム254に伝達され、ドラム254がモータシャフト158と一体となって回転軸AX周りを回転する。この結果、伝達シャフト236がドラム254と一体となって回転する。
【0146】
図37に示すように、作業部238は、ポール230の他端に固定されている。作業部238は、ハウジング266と、刈刃268と、を備えている。ハウジング266は、伝達シャフト236(
図42参照)を回転可能に支持している。
【0147】
刈刃268は、ハウジング266に回転可能に支持されている。刈刃268は、伝達シャフト236(
図42参照)の回転により回転する。このため、刈刃268は、モータユニット4のモータ112(
図28参照)により動作される。刈刃268は、回転することにより、基準面P(例えば地面)から生える草を切断する。
【0148】
図43に示すように、モータユニット4と手持ち式刈払機6iからなる作業機8が基準面Pに対して作業姿勢に配置されているとき、フランジ部186の前面186aは、基準面Pを向いている。なお、
図43では、基準面Pに平行な面が二点鎖線により図示されている。前面186aは、前方下側を向いている。即ち、作業機8が基準面Pに対して作業姿勢に配置されているとき、モータユニット4は、モータユニット4の先端が基準面Pに対して前方下側を向くように傾いている。モータシャフト158は、基準面Pに対して傾いている。基準面Pに対するモータシャフト158の傾斜角度は、30度以上かつ60度以下である。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112よりも基準面Pから離れている。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112よりも上側に配置されている。制御ユニット106は、モータ112よりも基準面Pの近くに配置されている。制御ユニット106は、モータ112よりも下側に配置されている。
【0149】
図44に示すように、モータユニット4は、バッテリパックBPに替えて、背負い式バッテリ280を備えていてもよい。この場合、作業ユニット6は、刈払機6dとして機能する。背負い式バッテリ280は、充放電可能な二次電池、例えば、リチウムイオンバッテリを備えている。背負い式バッテリ280は、ハーネス282を介してユーザに背負われる。
【0150】
図45に示すように、モータユニット4は、アダプタ284を備えている。アダプタ284は、アダプタ本体286と、アダプタコード288と、を備えている。アダプタ本体286は、本体ハウジング12にスライド可能に取り付けられる。本体ハウジング12に対するアダプタ本体286の取付構造は、本体ハウジング12に対するバッテリパックBPの取付構造と略同一である。このため、本体ハウジング12に対するアダプタ本体286の取付構造の詳細な説明を省略する。アダプタ本体286が本体ハウジング12に取り付けられているとき、アダプタ本体286は、バッテリターミナル108(
図11参照)に電気的に接続される。
【0151】
アダプタコード288は、アダプタ本体286に取り付けられている。アダプタコード288は、背負い式バッテリ280の電源コード290に取り付けられる。これにより、背負い式バッテリ280の電力が、アダプタ284を介してモータユニット4に供給される。
【0152】
図38に示すように、モータユニット4は、作業ユニット6の一例である管理機6kに適用可能である。管理機6kは、基準面P、例えば地面の土を掘り起こす作業ユニットである。管理機6kは、ベース291と、車輪292と、ハンドルユニット294と、作業部296と、を備えている。
【0153】
ベース291の上端は、モータユニット4のフランジ部186に固定されている。ベース291は、フランジ部186の前面186aと面で当接している。
【0154】
車輪292は、ベース291に回転可能に支持されている。車輪292が回転することにより、管理機6kは、基準面P上を移動する。
【0155】
ハンドルユニット294は、固定フレーム294aと、ハンドル294bと、トリガ294cと、を備えている。固定フレーム294aは、ベース291から後方上側に向かって延びている。
【0156】
ハンドル294bは、固定フレーム294aの自由端近傍に取り付けられている。ハンドル294bは、ユーザに把持される。ユーザは、ハンドル294bを把持して前に押し出すことにより、管理機6kを移動させる。
【0157】
トリガ294cは、固定フレーム294aの自由端近傍に回動可能に取り付けられている。トリガ294cは、ハンドル294bを把持したユーザの手で、ハンドル294bに近づくように操作される。トリガ294cが操作されると、モータユニット4のモータ112が動作する。
【0158】
作業部296は、ブレード296aを備えている。ブレード296aは、モータ112が動作すると、左右方向に延びる軸周りを回転する。これにより、基準面P、例えば、地面上の土が掘り起こされる。
【0159】
図46に示すように、モータユニット4の左右方向の幅は、管理機6kの左右方向の幅よりも小さい。一般的に、モータユニット4の左右方向の幅は、エンジンユニットの左右方向の幅よりも小さい。このため、エンジンユニットが使用される場合と比較して、基準面Pを視認し易くなる。
【0160】
図38に示すように、モータユニット4と管理機6kからなる作業機8が基準面Pに対して作業姿勢に配置されているとき、フランジ部186の前面186aは、基準面Pを向いている。前面186aは、下方向を向いている。モータシャフト158は、前後方向に延びている。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112の後側に配置されている。制御ユニット106は、モータ112の前側に配置されている。モータ112とバッテリターミナル108とバッテリパックBPと制御ユニット106は、基準面Pに沿って並んでいる。また、バッテリパックBPを本体ハウジング12に対して基準面Pに近づく方向にスライドさせると、バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられる。また、バッテリパックBPを本体ハウジング12に対して基準面Pから離れる方向にスライドさせると、バッテリパックBPが本体ハウジング12から取り外される。このため、バッテリパックBPが自重により本体ハウジング12から外れることが抑制される。また、バッテリターミナル108は、基準面Pに直交する面に対して傾斜している。傾斜角度は、45度以下である。これにより、ユーザは、本体ハウジング12を手で押さえることなく、バッテリパックBPを本体ハウジング12から取り外すことができる。
【0161】
図47に示すように、モータユニット4は、
図38に示される姿勢と異なる姿勢で、管理機6kに固定可能である。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112の前側に配置されている。制御ユニット106は、モータ112の後側に配置されている。
【0162】
図39に示すように、モータユニット4は、作業ユニット6の一例であるウィンチ6aに適用可能である。ウィンチ6aは、例えば、物体の上げ下ろしを行う作業ユニットである。ウィンチ6aは、載置フレーム300と、固定フレーム302と、ハンドル304と、作業部306と、を備えている。
【0163】
載置フレーム300は、前後方向と左右方向に沿う平面に沿って配置されている。ウィンチ6aが基準面Pに載置されるとき、載置フレーム300は、基準面Pに接触する。
【0164】
固定フレーム302は、載置フレーム300から上方向に延びている。固定フレーム302は、略上下方向に延びている。固定フレーム302は、モータユニット4のフランジ部186に固定されている。固定フレーム302は、フランジ部186の前面186aと面で当接している。ウィンチ6aは、操作スイッチ308をさらに備えており、操作スイッチ308は、固定フレーム302に押し込み可能に取り付けられている。操作スイッチ308が押し込まれると、モータユニット4のモータ112が動作する。
【0165】
ハンドル304は、固定フレーム302の上端近傍に固定されている。ハンドル304は、ユーザにより把持される。例えば、ユーザは、ハンドル304を把持して、ウィンチ6aを持ち運ぶ。
【0166】
作業部306は、ドラム310と、フック312と、を備えている。ドラム310は、モータユニット4のスピンドル208に固定されている。ドラム310は、固定フレーム302に回転可能に取り付けられている。ドラム310は、固定フレーム302に対してモータユニット4と反対側に配置されている。
【0167】
フック312は、ロープ(図示省略)を介して、ドラム310に固定されている。フック312は、物体に係止可能である。フック312が物体に係止された状態で、モータシャフト158が回転すると、ドラム310は、スピンドル208と一体となって前後方向に延びる回転軸AX周りを回転する。これにより、ロープがドラム310に巻き取られ、または、ロープがドラム310から引き出される。この結果、フック312に係止された物体が上げ下ろしされる。
【0168】
モータユニット4とウィンチ6aからなる作業機8が基準面Pに対して作業姿勢にあるとき、フランジ部186の前面186aは、基準面Pに沿う前方向を向いている。即ち、作業機8が基準面Pに対して作業姿勢に配置されているとき、モータユニット4は、モータユニット4の前端が基準面Pに沿う前方向を向くように配置されている。モータシャフト158は、基準面Pに沿って前後方向に延びている。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112よりも基準面Pから離れている。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112よりも上側に配置されている。制御ユニット106は、モータ112よりも基準面Pの近くに配置されている。制御ユニット106は、モータ112よりも下側に配置されている。
【0169】
図40に示すように、モータユニット4は、作業ユニット6の一例である斜面草刈機6cに適用可能である。斜面草刈機6cは、基準面Pから生える芝を刈る作業ユニットである。斜面草刈機6cは、ハウジング320と、一対の前輪322と、一対の後輪324と、ハンドルユニット326と、作業部328と、を備えている。
【0170】
ハウジング320の上面は、モータユニット4のフランジ部186に固定されている。ハウジング320は、フランジ部186の前面186aと面で当接している。
【0171】
一対の前輪322は、ハウジング320の前部に回転可能に支持されている。一対の後輪324は、ハウジング320の後部に回転可能に支持されている。一対の前輪322と一対の後輪324が回転することにより、斜面草刈機6cは、基準面P上を移動する。
【0172】
ハンドルユニット326は、固定フレーム332と、ハンドル334と、トリガ336と、を備えている。固定フレーム332は、略U字形状を有する。固定フレーム332の長手方向における両端は、ハウジング320に固定されている。
【0173】
ハンドル334は、固定フレーム332の上部に取り付けられている。ハンドル334は、ユーザに把持される。ユーザは、ハンドル334を把持して前に押し出すことにより、斜面草刈機6cを移動させる。
【0174】
トリガ336は、ハンドル334に回動可能に取り付けられている。トリガ336は、ハンドル334を把持したユーザの手で、ハンドル334に近づくように操作される。トリガ336が操作されると、モータユニット4のモータ112が動作する。
【0175】
作業部328は、ドラム340と、伝達シャフト342と、ブレード344と、を備えている。ドラム340は、ハウジング320に回転可能に支持されている。モータシャフト158が回転してモータシャフト158の回転数が所定の回転数以上となると、ドラム340は、第1クラッチシュー176の摩擦部材198(
図30参照)と第2クラッチシュー178の摩擦部材202(
図30参照)に押し付けられる。これにより、モータシャフト158の回転がドラム340に伝達され、ドラム340がモータシャフト158と一体となって上下方向に延びる回転軸AX周りを回転する。
【0176】
伝達シャフト342は、ドラム340に固定されている。伝達シャフト342は、上下方向に延びている。伝達シャフト342は、ドラム340と一体となって回転軸AX周りを回転する。
【0177】
ブレード344は、伝達シャフト342に固定されている。ブレード344は、伝達シャフト342と一体となって回転軸AX周りを回転する。これにより、基準面Pに生える草が切断される。
【0178】
モータユニット4と斜面草刈機6cからなる作業機8が基準面Pに対して作業姿勢に配置されているとき、フランジ部186の前面186aは、基準面Pを向いている。前面186aは、下方向を向いている。モータシャフト158は、上下方向に延びている。バッテリターミナル108とバッテリパックBPは、モータ112の前側に配置されている。制御ユニット106は、モータ112の後側に配置されている。モータ112とバッテリターミナル108とバッテリパックBPと制御ユニット106は、基準面Pに沿って並んでいる。また、バッテリパックBPを本体ハウジング12に対して基準面Pに近づく方向にスライドさせると、バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられる。また、バッテリパックBPを本体ハウジング12に対して基準面Pから離れる方向にスライドさせると、バッテリパックBPが本体ハウジング12から取り外される。このため、バッテリパックBPが自重により本体ハウジング12から外れることが抑制される。また、バッテリターミナル108は、基準面Pに直交する面に対して傾斜している。傾斜角度は、45度以下である。これにより、ユーザは、本体ハウジング12を手で押さえることなく、バッテリパックBPを本体ハウジング12から取り外すことができる。
【0179】
図48に示すように、モータユニット4は、フランジ部186と作業ユニット6との固定に加えて、本体ハウジング12のネジ孔37を介して、作業ユニット6に固定可能である。作業ユニット6は、第1カプラ350を備えている。第1カプラ350は、本体ハウジング12の後壁30に当接している。第1カプラ350は、挿入孔352を有する。挿入孔352は、第1カプラ350を前後方向に貫通している。挿入孔352は、ネジ孔37と前後方向に対向している。ネジ354が、挿入孔352に挿入され、ネジ孔37と螺合することにより、モータユニット4は、第1カプラ350に固定される。これにより、モータユニット4が作業ユニット6により強固に固定される。変形例では、モータユニット4は、第1カプラ350を介することなく、ネジ孔37とネジ354を介して、作業ユニット6に固定されてもよい。
【0180】
また、
図49に示すように、モータユニット4は、フランジ部186と作業ユニット6との固定に加えて、マウントベース172の第1ネジボス部190を介して、作業ユニット6に固定可能である。作業ユニット6は、第2カプラ360を備えている。第2カプラ360は、第1ネジボス部190の円柱部190aの下面に当接している。第2カプラ360は、挿入孔362を有する。挿入孔362は、第2カプラ360を上下方向に貫通している。挿入孔362は、ネジ孔190bと上下方向に対向している。ネジ364が挿入孔362に挿入され、ネジ孔190bと螺合することにより、モータユニット4は、第2カプラ360に固定される。これにより、モータユニット4が作業ユニット6により強固い固定される。変形例では、モータユニット4は、第2カプラ360を介することなく、ネジ孔190bとネジ364を介して、作業ユニット6に固定されてもよい。また、変形例では、モータユニット4は、フランジ部186と作業ユニット6との固定に加えて、本体ハウジング12のネジ孔37と第1ネジボス部190の両方を介して、作業ユニット6に固定されてもよい。
【0181】
(効果)
本実施例のシステム2は、モータ112と、モータ112により動作する出力部216と、マウントベース172の前面186a(固定部の一例)と、を備えているモータユニット4と、モータユニット4の前面186aに選択的に固定され、出力部216により動作するウィンチ6a(第1作業ユニットの一例)と、モータユニット4の前面186aに選択的に固定され、出力部216により動作する斜面草刈機6c(第2作業ユニットの一例)と、を備えている。ウィンチ6aは、斜面草刈機6cと異なる。モータユニット4の前面186aは、ウィンチ6aに固定されている状態でウィンチ6aとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときに基準面Pに対して前方向(第1方向の一例)を向いており、斜面草刈機6cに固定されている状態で斜面草刈機6cとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときに基準面Pに対して前方向と異なる下方向(第2方向の一例)を向いている。ウィンチ6aは、ユーザにより操作されてモータ112を動作させる操作スイッチ308(第1操作部の一例)を備えている。斜面草刈機6cは、ユーザにより操作されてモータ112を動作させるトリガ336(第2操作部の一例)を備えている。
【0182】
上記の構成によれば、モータユニット4は、前面186aが基準面Pに対して前方向を向いた状態でウィンチ6aに固定される。また、モータユニット4は、前面186aが基準面Pに対して下方向を向いた状態で斜面草刈機6cに固定される。これにより、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0183】
また、ウィンチ6aは、ユーザにより把持されるハンドル304(第1ハンドルの一例)をさらに備えている。
【0184】
上記の構成によれば、ユーザがハンドル304を把持してウィンチ6aを移動させることができる。
【0185】
また、モータ112の最大出力値は、0.5kWから1.5kWである。
【0186】
上記の構成によれば、モータ112は低出力型のモータである。低出力型のモータ112は、種々の低出力型の作業ユニット6に使用される。このため、モータユニット4を低出力型の作業ユニット6に使用することができる。これにより、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0187】
また、モータ112の直径DA1は、100mm以下である。
【0188】
一般的に、モータ112が小さいほど、モータユニット4が小さくなる。小型のモータユニット4は、種々の作業ユニット6に使用され易い。上記の構成によれば、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0189】
また、モータユニット4の重量が、7.5kg以下である。
【0190】
一般的に、モータユニット4の重量が小さいほど、手持ち式の作業ユニット等の作業ユニット6に使用され易い。上記の構成によれば、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0191】
また、モータユニット4は、モータ112を収容する本体ハウジング12をさらに備えている。本体ハウジング12の体積が、13000cm3以下である。
【0192】
一般的に、小型のモータユニット4は、種々の作業ユニット6に使用され易い。上記の構成によれば、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0193】
また、モータ112は、モータシャフト158を備えている。モータシャフト158は、モータユニット4の前面186aがウィンチ6aに固定されている状態でウィンチ6aとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときに基準面Pに沿って延びており、モータユニット4の前面186aが斜面草刈機6cに固定されている状態で斜面草刈機6cとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときに基準面Pに対して直交して延びている。
【0194】
上記の構成によれば、基準面Pに対するモータシャフト158の向きを変更することにより、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0195】
また、前方向は、基準面Pに沿う方向である。下方向は、基準面Pに直交方向である。
【0196】
上記の構成によれば、前面186aの向きを調整することにより、モータシャフト158の向きを容易に調整することができる。
【0197】
また、モータユニット4は、モータ112を収容する本体ハウジング12と、本体ハウジング12の外部に露出しており、モータ112に電力を供給するバッテリパックBP(バッテリの一例)と接続可能であるバッテリターミナル108と、をさらに備えている。
【0198】
上記の構成によれば、作業ユニット6の種類等に応じて、使用するバッテリパックBPの種類を変更することができる。
【0199】
また、バッテリターミナル108は、モータユニット4の前面186aがウィンチ6aに固定されている状態でウィンチ6aとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときにモータ112の上側に配置されており、モータユニット4の前面186aが斜面草刈機6cに固定されている状態で斜面草刈機6cとモータユニット4が基準面Pに対して作業姿勢に配置されるときにモータ112の側方に配置されている。
【0200】
上記の構成によれば、モータユニット4の姿勢に応じて、基準面Pに対するバッテリパックBPの姿勢を変えることができる。
【0201】
また、ウィンチ6aは、ウィンチ6aと、スクリード6eと、トロウェル6fを含む群に含まれる。
【0202】
上記の構成によれば、モータユニット4を、ウィンチ6aと、スクリード6eと、トロウェル6fを含む群と、その群以外の作業ユニット6に使用することができる。
【0203】
また、手持ち式刈払機6iは、第2作業ユニットとして使用される。手持ち式刈払機6iは、ユーザにより手持ちされる。
【0204】
上記の構成によれば、モータユニット4を、手持ち式作業ユニットと、手持ち式作業ユニット以外の作業ユニット6に使用することができる。
【0205】
本実施例のシステム2は、モータシャフト158を含むモータ112と、マウントベース172の前面186a(固定部の一例)と、を備えているモータユニット4と、前面186aに選択的に固定され、モータシャフト158により動作され、作業時にモータシャフト158が左右方向に延びるウィンチ6a(第1作業ユニットの一例)と、前面186aに選択的に固定され、モータシャフト158により動作され、作業時にモータシャフト158が上下方向に延びる斜面草刈機6c(第2作業ユニットの一例)と、を備えている。
【0206】
上記の構成によれば、モータユニット4は、モータシャフト158が左右方向に延びる状態でウィンチ6aに固定される。また、モータユニット4は、モータシャフト158が上下方向に延びる状態で斜面草刈機6cに固定される。これにより、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0207】
本実施例のシステム2は、モータ112と、モータ112により動作する出力部216と、マウントベース172の前面186a(固定部の一例)と、を備えているモータユニット4と、モータユニット4の前面186aに選択的に固定され、モータ112により動作する手持ち式刈払機6i(第1作業ユニットの一例)と、モータユニット4の前面186aに選択的に固定され、モータ112により動作するウィンチ6a(第2作業ユニットの一例)と、を備えている。出力部216は、モータ112に選択的に固定され、手持ち式刈払機6iを動作させる第1出力部212と、モータ112に選択的に固定され、ウィンチ6aを動作させる第2出力部214と、を備えている。
【0208】
上記の構成によれば、モータユニット4は、第1出力部212により手持ち式刈払機6iを動作させる。また、モータユニット4は、第2出力部214によりウィンチ6aを動作させる。これにより、モータユニット4を使用することができる作業ユニット6の種類を増やすことができる。
【0209】
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と異なる点を説明する。以下では、モータシャフト158が延びる方向が前後方向であり、前後方向に直交する方向が左右方向であり、前後方向と左右方向に直交する方向が上下方向である。
【0210】
図50に示すように、第2実施例では、制御ユニット106は、モータ収容部100に配置されている。制御ユニット106は、第1制御基板400と、第2制御基板402と、を備えている。第1制御基板400と第2制御基板402のそれぞれは、マイコンと複数のスイッチング素子とを有する。第1制御基板400と第2制御基板402は、上下方向に沿って延びている。第1制御基板400と第2制御基板402は、後壁30に沿って延びている。第1制御基板400と第2制御基板402は、前後方向に並んでいる。第1制御基板400と第2制御基板402は、モータハウジング110の後側に配置されている。モータユニット4を後側から見たとき、第1制御基板400は、第2制御基板402とモータハウジング110のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っており、第2制御基板402は、モータハウジング110と少なくとも部分的に重なり合っている。
【0211】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、モータユニット4の重心G1は、モータ112内に配置されている。重心G1は、本体ハウジング12の前後方向の中心位置よりも前側に配置されている。重心G1は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。
【0212】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられていないとき、モータユニット4の重心G2は、モータ112内に配置されている。重心G2は、重心G1よりも前側に配置されている。重心G2は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。重心G2は、重心G1よりも回転軸AXの近くに配置されている。
【0213】
(第3実施例)
第3実施例では、第1実施例と異なる点を説明する。
図51に示すように、第3実施例では、バッテリパックBPは、本体ハウジング12の後壁30に取り付けられている。以下では、
図51に示されるバッテリパックBPを、バッテリパックBP3と呼ぶことがある。バッテリパックBP3では、最大電圧値が40Vであり、定格容量が5.0Ahである。
【0214】
図52に示すように、右レール38と、左レール40と、接続壁42は、後壁30上に配置されている。右レール38は、後壁30の右端上を略上下方向に延びている。左レール40は、後壁30の左端上を略上下方向に延びている。接続壁42は、右レール38の下端と左レール40の下端を接続している。
【0215】
バッテリターミナル108は、後壁30上に配置されている。ターミナルベース128の外面128aは、上下方向と左右方向を含む面に沿って配置されている。外面128aは、ターミナルベース128の後面に対応する。
図53に示すように、バッテリターミナル108は、モータハウジング110の後側に配置されている。モータユニット4を前方向に見たとき、バッテリターミナル108は、モータハウジング110とモータ112のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている。バッテリターミナル108は、モータシャフト158の回転軸AX上に配置されている。バッテリターミナル108は、制御ユニット106の上側に配置されている。モータユニット4を下方向に見たとき、バッテリターミナル108は、制御ユニット106と少なくとも部分的に重なり合っている。
【0216】
バッテリパックBPを本体ハウジング12の上側から下方向にスライドさせると、バッテリパックBPは、本体ハウジング12に取り付けられる。バッテリパックBPが取り付けられているとき、ユーザがバッテリパックBPの操作部68を押し込んだ状態でバッテリパックBPを上方向にスライドさせることにより、バッテリパックBPは、本体ハウジング12から取り外される。このため、バッテリパックBPが自重により本体ハウジング12から外れることが抑制される。
【0217】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、モータユニット4の重心G1は、モータハウジング110よりも後側に配置されている。重心G1は、本体ハウジング12の前後方向の中心位置と制御ユニット106の前後方向の中心位置よりも後側に配置されている。重心G1は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。上下方向に関して、重心G1は、バッテリターミナル108の上端と下端との間に配置されている。
【0218】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられていないとき、モータユニット4の重心G2は、モータハウジング110の後端近傍に配置されている。重心G2は、重心G1よりも前側に配置されている。重心G2は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。重心G2は、重心G1よりも回転軸AXの近くに配置されている。
【0219】
(第4実施例)
第4実施例では、第1実施例と異なる点を説明する。
図54に示すように、第4実施例では、バッテリパックBPは、本体ハウジング12の前上壁28に取り付けられている。以下では、
図54に示されるバッテリパックBPを、バッテリパックBP3と呼ぶことがある。バッテリパックBP3では、最大電圧値が40Vであり、定格容量が5.0Ahである。
【0220】
図55に示すように、右レール38と、左レール40と、接続壁42は、前上壁28上に配置されている。右レール38は、前上壁28の右端上を略上下方向に延びている。左レール40は、前上壁28の左端上を略上下方向に延びている。接続壁42は、右レール38の前端と左レール40の前端を接続している。
【0221】
バッテリターミナル108は、前上壁28上に配置されている。ターミナルベース128の外面128aは、前後方向と左右方向を含む面に沿って配置されている。外面128aは、ターミナルベース128の上面に対応する。
図56に示すように、バッテリターミナル108は、モータハウジング110の上側に配置されている。バッテリターミナル108は、モータハウジング110の後端とモータ112の後端よりも前側に配置されている。モータユニット4を前方向に見たとき、バッテリターミナル108は、モータハウジング110とモータ112のそれぞれと少なくとも部分的に重なり合っている。
【0222】
バッテリパックBPを本体ハウジング12の後側から前方向にスライドさせると、バッテリパックBPは、本体ハウジング12に取り付けられる。バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、バッテリパックBPの後側下部と後上壁26との間には、空間500が画定される。ユーザが空間500に指を差込んだ状態でバッテリパックBPを把持し、操作部68を押し込んだ状態で、バッテリパックBPを後方向にスライドさせることにより、バッテリパックBPが本体ハウジング12から取り外される。
【0223】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられているとき、モータユニット4の重心G1は、モータハウジング110内に配置されている。重心G1は、本体ハウジング12の前後方向の中心位置近傍に配置されている。重心G1は、モータ112の上側に配置されている。重心G1は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。
【0224】
バッテリパックBPが本体ハウジング12に取り付けられていないとき、モータユニット4の重心G2は、モータ112内に配置されている。重心G2は、本体ハウジング12の前後方向の中心位置近傍に配置されている。重心G2は、重心G1は、モータシャフト158の回転軸AXよりも上側に配置されている。重心G2は、重心G1よりも回転軸AXの近くに配置されている。
【0225】
一実施形態に係るモータユニット4は、バッテリパックBPに替えて、収容空間17に配置される内蔵式のバッテリを備えていてもよい。この場合、バッテリは、外部電源から電源コードを介して充電される。
【0226】
一実施形態に係るモータユニット4は、バッテリパックBPを備えていなくてもよい。この場合、電力は、電源コードを介して外部電源からモータユニット4に供給されてもよい。
【0227】
一実施形態に係るモータユニット4では、重心G1、G2は、モータ112内に配置されていなくてもよい。
【0228】
一実施形態に係る本体ハウジング12は、基板収容部98を備えていなくてもよい。この場合、制御ユニット106は、モータ収容部100に配置されている。
【0229】
一実施形態に係るモータユニット4は、フランジ部186の前面186a以外の部分で、作業ユニット6に固定されてもよい。
【符号の説明】
【0230】
2 :システム
4 :モータユニット
6 :作業ユニット
6a :ウィンチ
6c :斜面草刈機
6d :刈払機
6e :スクリード
6f :トロウェル
6g :ランマ
6h :プレートコンパクタ
6i :手持ち式刈払機
6j :エッジャ
6k :管理機
8 :作業機
12 :本体ハウジング
14 :右本体ハウジング
16 :左本体ハウジング
17 :収容空間
20 :右壁
22 :左壁
24 :下壁
26 :後上壁
26a :上面
28 :前上壁
30 :後壁
38 :右レール
40 :左レール
42 :接続壁
43 :開口
52 :バッテリハウジング
62 :バッテリ吸気口
64 :バッテリ排気口
76 :吸気カバー
78 :吸気ポート
80 :吸気口
86 :吸気経路
88 :第1排気ポート
90 :第2排気ポート
92 :第1排気口
94 :第2排気口
98 :基板収容部
100 :モータ収容部
102 :バッテリ取付部
106 :制御ユニット
108 :バッテリターミナル
110 :モータハウジング
112 :モータ
114 :冷却ファン
116 :出力ユニット
120 :制御基板
140 :モータハウジング本体
142 :バッフルプレート
146 :モータ吸気口
158 :モータシャフト
166 :第1モータ排気口
168 :第2モータ排気口
172 :マウントベース
176 :第1クラッチシュー
178 :第2クラッチシュー
186 :フランジ部
186a :前面
208 :スピンドル
212 :第1出力部
214 :第2出力部
216 :出力部
232 :ハンドルユニット
234 :固定ユニット
236 :伝達シャフト
238 :作業部
246 :トリガ
268 :刈刃
280 :背負い式式バッテリ
284 :アダプタ
294 :ハンドルユニット
294c :トリガ
296 :作業部
296a :ブレード
304 :ハンドル
306 :作業部
308 :操作スイッチ
326 :ハンドルユニット
328 :作業部
336 :トリガ
344 :ブレード
350 :第1カプラ
352 :挿入孔
354 :ネジ
360 :第2カプラ
362 :挿入孔
400 :第1制御基板
402 :第2制御基板
A、B :傾斜角度
AX :回転軸
B :傾斜角度
BP :バッテリパック
D1 :第1方向
D2 :第2方向
DA1 :直径
G1、G2 :重心
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7:長さ
LW1 :第1リード線
LW2 :第2リード線
LW3 :第3リード線
P :基準面
P1 :面