(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025151707
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】窓装置
(51)【国際特許分類】
E06B 7/26 20060101AFI20251002BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
E06B7/26
E06B3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053260
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】300088186
【氏名又は名称】株式会社エクセルシャノン
(71)【出願人】
【識別番号】322003824
【氏名又は名称】パナソニックハウジングソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 直樹
(72)【発明者】
【氏名】土田 嘉治
(72)【発明者】
【氏名】阪本 悠喜
(72)【発明者】
【氏名】松本 宏司
(72)【発明者】
【氏名】田中 文明
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 義澄
【テーマコード(参考)】
2E014
2E036
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E036RA08
2E036RB03
2E036RC02
2E036UA04
(57)【要約】
【課題】風止板を取り付ける際における作業性を向上し得る窓装置を提供する。
【解決手段】複数枚の障子40と、これらがスライド自在に建て付けられる枠体10と、を備えた窓装置1であって、前記枠体を構成する上枠11及び下枠15のうちの少なくとも一方には、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される前記複数枚の障子の召合框70の框長手方向の端部との隙間を塞ぐように取り付けられる風止板30の被位置決め部32が位置合わせられる位置決め穴19が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の障子と、これらがスライド自在に建て付けられる枠体と、を備えた窓装置であって、
前記枠体を構成する上枠及び下枠のうちの少なくとも一方には、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される前記複数枚の障子の召合框の框長手方向の端部との隙間を塞ぐように取り付けられる風止板の被位置決め部が位置合わせられる位置決め穴が設けられていることを特徴とする窓装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記位置決め穴は、前記上枠及び前記下枠のうちの少なくとも一方を固定する固着具の固着具孔であることを特徴とする窓装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記風止板の被位置決め部は、該風止板を貫通する被位置決め孔であることを特徴とする窓装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記被位置決め孔の孔径が前記位置決め穴の孔径以上であることを特徴とする窓装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記被位置決め孔と前記位置決め穴とは、同形状であることを特徴とする窓装置。
【請求項6】
請求項3において、
前記被位置決め孔は、平面視して前記風止板の中央部に設けられ、該風止板における前記被位置決め孔の枠長手方向両側には、前記召合框の端部に向けて延出するひれ部が点対称状の位置となるように設けられていることを特徴とする窓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、窓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数枚の障子がスライド自在に建て付けられる枠体を有した窓装置が知られている。このような窓装置においては、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される障子の召合框の框長手方向の端部とこれが対向する枠部との隙間を塞ぐように風止板が取り付けられる。例えば、下記特許文献1には、内障子と外障子の閉鎖時に、両障子の召合框と対応する上枠材に風止板を取付けたサッシ窓上部の気密装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された気密装置では、上枠材の長手方向において閉鎖時に重なり合う両障子の召合框に対応する位置となるように風止板の位置を調整して取付ける必要があり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、風止板を取り付ける際における作業性を向上し得る窓装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示に係る窓装置は、複数枚の障子と、これらがスライド自在に建て付けられる枠体と、を備えた窓装置であって、前記枠体を構成する上枠及び下枠のうちの少なくとも一方には、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される前記複数枚の障子の召合框の框長手方向の端部との隙間を塞ぐように取り付けられる風止板の被位置決め部が位置合わせられる位置決め穴が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る窓装置は、上述のような構成としたことで、風止板を取り付ける際における作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る窓装置の一例を模式的に示す概略正面図である。
【
図2】
図1におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
【
図3】
図1におけるY-Y線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
【
図6】(a)、(b)は、同窓装置の一部を省略した一部破断概略斜視図である。
【
図7】同窓装置の一部を省略した概略分解斜視図である。
【
図8】(a)、(b)は、同窓装置の一部を省略した概略斜視図、(c)は、同窓装置の一部を省略した概略側面図、(d)は、同窓装置の一部を省略した概略横断面図である。
【
図9】(a)は、同窓装置の一部を省略した概略分解斜視図、(b)、(c)は、同窓装置の一部を省略した概略側面図である。
【
図10】(a)は、同窓装置の一部を省略した概略斜視図、(b)は、同窓装置の一部を省略した概略側面図、(c)は、同窓装置の一部を省略した概略正面図である。
【
図11】(a)~(c)は、同窓装置の一部を省略した概略分解斜視図である。
【
図12】(a)、(b)は、同窓装置の一部を省略した概略斜視図、(c)は、同窓装置の一部を省略した概略横断面図である。
【
図13】(a)は、同窓装置の一部を省略した概略分解斜視図、(b)は、同窓装置の一部を省略した概略平面図、(c)は、同窓装置の一部を省略した概略縦断面図、(d)は、同窓装置の一部を省略した概略斜視図、(e)は、同窓装置の一部を省略した概略正面図である。
【
図14】同窓装置の一変形例を模式的に示す一部破断概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本開示の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
以下の実施形態では、本実施形態に係る窓装置の一例を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
以下において、同寸法や同一平面状、面一状とは、完全に同寸法や同一平面、面一に限られず、対象に応じて適宜(例えば、0.1mm~1.5mm程度)の寸法差や段差がある構成が含まれる。
【0010】
図1~
図14は、本実施形態に係る窓装置の一例及びその一変形例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る窓装置1は、
図1に示すように、障子40と、この障子40が建て付けられる枠体10と、を備えている。本実施形態では、
図2及び
図3に示すように、窓装置1は、外窓3の室内側(屋内側)に配される内窓装置1を構成する。このような構成とすれば、外窓3と当該内窓装置1とによって二重窓を構成することができ、断熱性や防音性を向上させることができる。
外窓3は、建物の室内外(屋内外)を区画する壁体を貫通するように設けられた開口部2の四周を区画するまぐさや窓台、柱等の適宜の下地に枠体が固定されて設置されていてもよい。
【0011】
内窓装置1は、外窓3の枠体の四周に沿うようにこの枠体の室内側に設けられた適宜の額縁4に設置されてもよい。この額縁4は、開口部2の上縁に沿うように配される上額縁5と、開口部2の下縁に沿うように配される下額縁6と、開口部2の左右両縁に沿うように配される両側の縦額縁7,7と、を備え、内窓装置1が設置される設置開口部8を区画してもよい。内窓装置1の設置対象(取付下地)としては、このような額縁4に限られず、例えば、外窓3の室内側に設けられた和障子の障子枠でもよく、その他、適宜の設置対象でもよい。また、図例では、内窓装置1は、成人の腰高程度の高さから天井側の適所の高さまでの上下寸法とされた腰高窓を構成する例を示しているが、床から天井側の適所の高さまでの上下寸法とされた掃出窓を構成してもよい。
この内窓装置1の枠体10には、障子40がスライド自在に建て付けられる。具体的には、障子40は、枠体10内において左右方向に移動可能に配される。本実施形態では、内窓装置1は、複数枚の障子40,40を備えている。これら障子40,40は、引き違い窓状に配される構成とされ、枠体10内において室内側に配される室内側障子40Aと枠体10内において外窓3側(屋外側、室外側)に配される室外側障子40Bとを含んでいる。以下では、これら室内側障子40A及び室外側障子40Bの区別を要しない場合には、障子40として説明する。また、これら室内側障子40A及び室外側障子40Bに対応するように枠体10の室内側及び室外側のそれぞれに設けられた部材や部分等についても区別を要しない場合には、室内側及び室外側を省略して総称する。
【0012】
枠体10は、上枠11、下枠15及び左右の縦枠20,20を備えている。
上枠11は、
図1及び
図4に示すように、左右方向に長尺状とされている。
この上枠11には、
図3に示すように、障子40の上端側をガイドするレール部13が下方側に向けて突出し長手方向に延びるように設けられている。このレール部13は、上額縁5等の取付下地に沿うように配され、適宜のねじ等の固着具によって固定される上枠11に設けられた固定片部12から下方側に向けて突出するように設けられている。
固定片部12は、厚さ方向が上下方向となるように配される略板状とされている。この固定片部12の取付下地側の見込方向(障子厚さ方向と同方向)両端縁には、取付下地に弾性変形を伴って密接する適宜のガスケットが設けられていてもよい。
【0013】
レール部13は、上枠11の略全長に亘って延びるように設けられている。このレール部13は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。
本実施形態では、レール部13は、室内側障子40Aの上端側をガイドする室内側レール部13Aと室外側障子40Bの上端側をガイドする室外側レール部13Bとを含んでいる。室内側レール部13Aと室外側レール部13Bとは、見込方向に間隔を空けて平行状に設けられている。これら室内側レール部13Aと室外側レール部13Bとの間の見込方向の寸法は、これらにガイドされる室内側障子40A及び室外側障子40Bが互いに近接して配されるように、これらの厚さ寸法等に応じて適宜の寸法としてもよい。
また、これら室内側レール部13A及び室外側レール部13Bは、固定片部12の見込方向において室外側に片寄った位置となるように設けられている。つまり、室内側レール部13Aから固定片部12の室内側端部までの見込方向に沿う寸法よりも室外側レール部13Bから固定片部12の室外側端部までの見込方向に沿う寸法が小とされている。
【0014】
上枠11は、障子40を厚さ方向一方側から見て障子40の上端部を覆うように設けられたカバー片部14を備えている。このような構成とすれば、障子40の上端部をカバー片部14によって目立ち難くすることができる。
カバー片部14は、その下端がレール部13の下端よりも上方側に位置するように設けられている。このカバー片部14は、固定片部12の室内側端部から下方側に向けて突出し上枠11の略全長に亘って延びるように設けられ、その下端部が室内側障子40Aの上端部に障子厚さ方向に対向するように配される。このカバー片部14は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。
固定片部12の室外側端部には、カバー片部14が設けられておらず、固定片部12の室外側に向く面(室外側端面)と室外側障子40Bの室外側に向く面(室外側面)とが障子厚さ方向で略一致する位置となるように設けられている。図例では、固定片部12の室外側端面と室外側障子40Bの後記する透光板41の室外側面とが同一平面状となる例を示している。
【0015】
下枠15は、
図1及び
図4に示すように、左右方向に長尺状とされている。
この下枠15には、
図3に示すように、障子40の下端側をガイドするレール部17が上方側に向けて突出し長手方向に延びるように設けられている。このレール部17は、下額縁6等の取付下地に沿うように配され、適宜のねじ等の固着具9(
図13(b)参照)によって固定される下枠15に設けられた固定片部16から上方側に向けて突出するように設けられている。
固定片部16は、上記同様、厚さ方向が上下方向となるように配される略板状とされている。この固定片部16の取付下地側の見込方向両端縁には、上記同様、適宜のガスケットが設けられていてもよい。
【0016】
レール部17は、下枠15の略全長に亘って延びるように設けられている。このレール部17は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。
本実施形態では、上記同様、レール部17は、室内側障子40Aの下端側をガイドする室内側レール部17Aと室外側障子40Bの下端側をガイドする室外側レール部17Bとを含んでいる。この下枠15の室内側レール部17Aは、上枠11の室内側レール部13Aの直下に位置するように配され、下枠15の室外側レール部17Bは、上枠11の室外側レール部13Bの直下に位置するように配される。
これら室内側レール部17A及び室外側レール部17Bは、上記同様、固定片部16の見込方向において室外側に片寄った位置となるように設けられている。つまり、室内側レール部17Aから固定片部16の室内側端部までの見込方向に沿う寸法よりも室外側レール部17Bから固定片部16の室外側端部までの見込方向に沿う寸法が小とされている。
【0017】
下枠15は、障子40を厚さ方向一方側から見て障子40の下端部を覆うように設けられたカバー片部18を備えている。カバー片部18は、その上端がレール部17の上端よりも下方側に位置するように設けられている。このカバー片部18は、固定片部16の室内側端部から上方側に向けて突出し下枠15の略全長に亘って延びるように設けられ、その上端部が室内側障子40Aの下端部に障子厚さ方向に対向するように配される。このカバー片部18は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。
固定片部16の室外側端部には、カバー片部18が設けられていない。この固定片部16の室外側端面は、上記した上枠11の固定片部16の室外側端面と同一平面状となる例を示している。このような構成とすれば、室内側にカバー片部14,18を設けた構成としながらも、上枠11及び下枠15の見込寸法を効果的に小さくすることができる。なお、当該内窓装置1が掃出窓を構成する場合には、下枠15のカバー片部18の室内側に、床面との段差を緩和する適宜のスロープ状部材が設けられてもよい。
【0018】
縦枠20には、
図5に示すように、障子40の戸先側端部の障子厚さ方向一方の第1面(シール対向面)60aに対向するように枠体10内の左右方向中央側に向けて突出するシール支持片部24が設けられている。シール支持片部24には、シール支持片部24の突出方向先端部から障子厚さ方向に延出しシール対向面60aに当接する第1シール部25と、シール支持片部24の突出方向途中部位から障子厚さ方向に延出し障子の戸先側端面60bとシール対向面60aとの角部60cに当接する第2シール部26と、が設けられている。このような構成とすれば、縦枠20側に設けられた第1シール部25と第2シール部26とによって言わば2段階的にシールすることができる。また、例えば、戸先側端面60bによって潰されるような位置にシール部を設けた構成と比べて、第1シール部25及び第2シール部26に経たりが生じ難くなる。また、障子40の戸先側端部がシール支持片部24から離間する方向や縦枠20から離間する方向に位置ずれした状態で障子40が閉鎖された際にも第1シール部25及び第2シール部26のうちのいずれか一方が当接対象に当接し易くなり、気密性を効果的に向上させることができる。
【0019】
第1シール部25の延出寸法が第2シール部26の延出寸法よりも小である。このような構成とすれば、第1シール部25の延出寸法と第2シール部26の延出寸法とを同寸法とした構成等と比べて、障子40を開閉する際に第1シール部25が抵抗になり難くなり、開閉操作性を向上させることができる。
シール支持片部24は、見込方向で室内側障子40Aと室外側障子40Bとの間に位置するように、左右の縦枠20,20のそれぞれに設けられ、各シール支持片部24,24の障子厚さ方向両側に第1シール部25,25及び第2シール部26,26が設けられている。このような構成とすれば、左右の縦枠20,20を兼用部材とすることができる。
縦枠20には、見込方向両側縁部から枠体10内の左右方向中央側に向けて突出し、障子40の戸先側端部を収納する収納部29を区画する突片部22,23が設けられている。このような構成とすれば、障子40の戸先側端部を見栄え良く納めることができる。これら見込方向両側の突片部22,23のうちの一方が障子40の戸先側端部の障子厚さ方向他方の第2面(突片対向面)60dに対向するように配される。障子40の戸先側端部の突片対向面60dに対向する突片部22(23)には、障子40の戸先側端部を障子厚さ方向でシール支持片部24側にガイドする傾斜ガイド面27a(28a)が設けられている。このような構成とすれば、障子40の戸先側端部をシール支持片部24側にガイドすることができ、障子40の戸先側端部を第1シール部25及び第2シール部26に安定的に当接させることができる。
【0020】
具体的には、これら縦枠20,20は、
図1及び
図4に示すように、上下方向に長尺状とされている。
これら縦枠20,20は、閉鎖位置の室内側障子40Aの戸先側端部が当接または近接される右縦枠20Aと、閉鎖位置の室外側障子40Bの戸先側端部が当接または近接される左縦枠20Bと、を含んでいる。つまり、図例では、室内側障子40Aと室外側障子40Bとは、当該内窓装置1に対面した状態で右側の障子(室内側障子40A)が手前側となる右前(右勝手)状に配された例を示している。
これら縦枠20,20は、
図2に示すように、左右の縦額縁7,7等の取付下地に沿うように配され、適宜のねじ等の固着具によって固定される固定片部21,21を備えている。これら固定片部21,21は、厚さ方向が左右方向となるように配される略板状とされている。これら固定片部21,21の取付下地側の見込方向両端縁には、上記同様、適宜のガスケットが設けられていてもよい(
図5参照)。これら縦枠20,20は、傾斜ガイド面27a,28aを除いて、互いに同様の構成とされており、見込方向に沿う軸回りに一方を180度回転させれば、他方に略一致する形状とされている。つまり、これら縦枠20,20は、横断面視して左右反転状に形成されている。以下では、これら縦枠20,20の共通の構成について区別を要しない場合には、一方の縦枠20を例にとって説明する。
【0021】
突片部22,23は、
図5に示すように、縦枠20の固定片部21の室内側端部から左右方向中央側に向けて突出する室内側突片部22と、縦枠20の固定片部21の室外側端部から左右方向中央側に向けて突出する室外側突片部23と、を含んでいる。これら突片部22,23は、縦枠20の略全長に亘って延びるように設けられている。これら突片部22,23は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。これら突片部22,23の突出寸法は、略同寸法とされている。図例では、室内側突片部22の突出寸法よりも室外側突片部23の突出寸法が僅かに大とされた例を示しているが、このような例に限られない。
【0022】
室内側突片部22は、上枠11及び下枠15のカバー片部14,18の長手方向の端部を覆うようにこれらの室内側に当接または近接して配される。つまり、室内側突片部22は、その室外側面が見込方向で上枠11及び下枠15のカバー片部14,18の室内側面と略一致する位置となるように配される。室内側障子40Aは、これらカバー片部14,18に干渉しないように、これらよりも室外側に位置するように配される。
室外側突片部23は、上枠11及び下枠15の固定片部12,16の室外側端面の長手方向の端部を覆うようにこれらの室外側に当接または近接して配される。つまり、室外側突片部23は、その室内側面が見込方向で上枠11及び下枠15の固定片部12,16の室外側端面と略一致する位置となるように配される。上記したように上枠11及び下枠15の室外側端部にはカバー片部が設けられていないため、室外側障子40Bは、その突片対向面60dと室外側突片部23との隙間を、室内側障子40Aの突片対向面60dと室内側突片部22との隙間よりも小さくすることができる。
【0023】
左縦枠20Bの室外側突片部23には、これに対向する室外側障子40Bの戸先側端部に当接する傾斜ガイド面28aが設けられている。この傾斜ガイド面28aは、室外側突片部23の室内側に設けられた戸先ガイド部28に形成されている。
この戸先ガイド部28は、固定片部21と室外側突片部23との入隅部に位置するように設けられている。この戸先ガイド部28は、室外側突片部23の室内側面に沿うように、かつ室内側面から室内側に突出するように設けられている。この戸先ガイド部28における室外側突片部23の室内側面と平行状の平坦面とされた室内側面28bに、閉鎖位置の室外側障子40Bの戸先側端部の室外側に向く突片対向面60dが当接または近接する。傾斜ガイド面28aは、戸先ガイド部28の室内側面28bの右縦枠20A側に設けられ、固定片部21から離間するに従い室外側に向けて傾斜する傾斜面とされている。この傾斜ガイド面28aに、閉鎖位置に向かう室外側障子40Bの戸先側端部の室外側の角部が当接すれば、そのガイド作用によって室外側障子40Bの戸先側端部がシール支持片部24側となる室内側に変位する。
【0024】
この戸先ガイド部28の縦枠見付方向に沿う寸法及び縦枠見込方向に沿う寸法は、傾斜ガイド面28aによって上記のようなガイド作用を奏するように、また、その室内側面28bに閉鎖位置の室外側障子40Bの突片対向面60dが当接または近接するように適宜の寸法とされている。
この戸先ガイド部28の縦枠見付方向に沿う寸法は、図例では、室外側突片部23の突出寸法と同寸法とされている。
この戸先ガイド部28の縦枠見込方向に沿う寸法は、室外側障子40Bの突片対向面60dと室外側突片部23との隙間に応じた寸法とされている。つまり、戸先ガイド部28の縦枠見込方向に沿う寸法は、室内側障子40Aの突片対向面60dと室内側突片部22との隙間よりも小とされている。つまりは、この戸先ガイド部28は、その縦枠見込方向に沿う寸法が後記する右縦枠20A側の戸先ガイド部27の縦枠見込方向に沿う寸法よりも小とされている。
【0025】
この戸先ガイド部28の傾斜ガイド面28aと、その室外側面(室外側突片部23の室内側面)と、のなす角度(傾斜角度)は、閉鎖位置に向かう室外側障子40Bの戸先側端部を円滑にガイド可能なように、適宜の角度としてもよく、例えば、25度~50度程度としてもよい。この戸先ガイド部28は、その障子厚さ方向に沿う寸法が比較的に小さいため、傾斜ガイド面28aの傾斜角度を、後記する傾斜ガイド面27aの傾斜角度よりも小さくしてもよく、例えば、30度~40度程度としてもよく、図例では、34度程度とした例を示している。
戸先ガイド部28の傾斜ガイド面28aと室内側面28bとの間には、
図6(a)に示すように、傾斜ガイド面28aよりも傾斜角度が小とされた傾斜面が設けられていてもよい。このような態様に代えて、傾斜ガイド面28aと室内側面28bとの間に突湾曲面形状とされた部位が設けられていてもよく、傾斜ガイド面28aも含んで突湾曲面形状とされていてもよい。
【0026】
また、この戸先ガイド部28(傾斜ガイド面28a)は、左縦枠20Bの略全長に亘って延びるように設けられていてもよいが、室外側障子40Bとの接触による抵抗を軽減する観点から、左縦枠20Bの長手方向の一部のみに設けられていてもよい。この場合、左縦枠20Bの長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けられていてもよく、または、例えば、長手方向中央部位の一箇所のみに設けられていてもよい。
また、この戸先ガイド部28は、その長手方向(左縦枠20Bの長手方向と同方向)の全体に亘って一様な断面形状とされている。この戸先ガイド部28は、左縦枠20Bに一体的に成形されていてもよく、適宜の接着剤や粘着材等によって固定されていてもよい。
【0027】
右縦枠20Aの室内側突片部22には、これに対向する室内側障子40Aの戸先側端部に当接する傾斜ガイド面27aが設けられている。この傾斜ガイド面27aは、室内側突片部22の室外側に設けられた戸先ガイド部27に形成されている。
この戸先ガイド部27は、固定片部21と室内側突片部22との入隅部に位置するように設けられている。この戸先ガイド部27は、室内側突片部22の室外側面に沿うように、かつ室外側面から室外側に突出するように設けられている。この戸先ガイド部27における室内側突片部22の室外側面と平行状の平坦面とされた室外側面27bに、閉鎖位置の室内側障子40Aの戸先側端部の室内側に向く突片対向面60dが当接または近接する。傾斜ガイド面27aは、戸先ガイド部27の室外側面27bの左縦枠20B側に設けられ、固定片部21から離間するに従い室内側に向けて傾斜する傾斜面とされている。この傾斜ガイド面27aに、閉鎖位置に向かう室内側障子40Aの戸先側端部の室内側の角部が当接すれば、そのガイド作用によって室内側障子40Aの戸先側端部がシール支持片部24側となる室外側に変位する。
【0028】
この戸先ガイド部27の縦枠見付方向に沿う寸法及び縦枠見込方向に沿う寸法は、傾斜ガイド面27aによって上記のようなガイド作用を奏するように、また、その室外側面27bに閉鎖位置の室内側障子40Aの突片対向面60dが当接または近接するように適宜の寸法とされている。
この戸先ガイド部27の縦枠見付方向に沿う寸法は、図例では、室内側突片部22の突出方向先端部から室外側に向けて僅かに突出する突段部に干渉しないように、室内側突片部22の突出寸法よりも小とされている。つまり、この戸先ガイド部27の縦枠見付方向に沿う寸法は、上記した左縦枠20B側の戸先ガイド部28の縦枠見付方向に沿う寸法よりも小とされている。
この戸先ガイド部27の縦枠見込方向に沿う寸法は、室内側障子40Aの突片対向面60dと室内側突片部22との隙間に応じた寸法とされている。つまり、戸先ガイド部27の縦枠見込方向に沿う寸法は、上記した左縦枠20B側の戸先ガイド部28の縦枠見込方向に沿う寸法よりも大とされている。
【0029】
この戸先ガイド部27の傾斜ガイド面27aと、その室内側面(室内側突片部22の室外側面)と、のなす角度(傾斜角度)は、上記同様、例えば、25度~50度程度としてもよい。この戸先ガイド部27は、その縦枠見込方向に沿う寸法が比較的に大きく、かつ縦枠見付方向に沿う寸法が比較的に小さいため、傾斜ガイド面27aの傾斜角度を、上記した傾斜ガイド面28aの傾斜角度よりも大きくしてもよく、例えば、40度~50度程度としてもよく、図例では、45度程度とした例を示している。
戸先ガイド部27の傾斜ガイド面27aと室外側面27bとの間には、
図6(b)に示すように、突湾曲面形状とされた部位が設けられている。このような態様に代えて、上記同様、傾斜ガイド面27aも含んで突湾曲面形状とされていてもよく、または、傾斜ガイド面27aと室外側面27bとの間に傾斜ガイド面27aよりも傾斜角度が小とされた傾斜面が設けられていてもよい。
また、この戸先ガイド部27(傾斜ガイド面27a)は、右縦枠20Aの略全長に亘って延びるように設けられていてもよいが、室内側障子40Aとの接触による抵抗を軽減する観点から、上記同様、右縦枠20Aの長手方向の一部のみに設けられていてもよい。この場合、右縦枠20Aの長手方向に間隔を空けて複数箇所に設けられていてもよく、または、例えば、長手方向中央部位の一箇所のみに設けられていてもよい。
【0030】
また、この戸先ガイド部27は、上記した左縦枠20B側の戸先ガイド部28とは異なり、その長手方向(右縦枠20Aの長手方向と同方向)の全体に亘って一様な断面形状とされていない。
この戸先ガイド部27の傾斜ガイド面27aは、その先端側(室内側突片部22の先端側)の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法よりも、基端側(室内側突片部22の基端側)の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法が小となるように形成されている。このような構成とすれば、先端側の傾斜ガイド面27aにおいて閉鎖位置に向かう室内側障子40Aの戸先側端部を安定的にガイドしつつ、その基端側の傾斜ガイド面27aにおいては室内側障子40Aの戸先側端部との接触面積が小さくなるため傾斜ガイド面27aによる抵抗を軽減することができる。
また、基端側の傾斜ガイド面27aは、基端側に向かうに従い縦枠長手方向に沿う寸法が大となるように形成されている。このような構成とすれば、上記のように縦枠長手方向に沿う寸法が小とされた部位において抵抗を軽減しながらも、室内側障子40Aの戸先側端部を安定的にガイドすることができる。
また、この基端側の傾斜ガイド面27aに連なる上記した突湾曲面形状とされた部位及び室内側面27bも同様に基端側に向かうに従い縦枠長手方向に沿う寸法が大となるように形成されている。このような構成とすれば、室内側面27bによって閉鎖位置とされた室内側障子40Aの戸先側端部を安定的に適切な位置に位置付けることができる。
【0031】
具体的には、戸先ガイド部27の先端側の傾斜ガイド面27aの基端側に、基端側の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法を小とする凹段部27cを設けた構成とされている。また、戸先ガイド部27の縦枠長手方向両側のそれぞれに凹段部27c,27cを設けた構成とされている。これら凹段部27c,27cは、室外側及び縦枠長手方向両側に開口するように設けられ、戸先ガイド部27の基端側の全体に亘って設けられている。つまり、基端側の室内側面27bの縦枠長手方向に沿う寸法は、先端側の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法よりも小とされている。このような態様に代えて、これらを同寸法としてもよい。
先端側の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法よりも、基端側の傾斜ガイド面27aの縦枠長手方向に沿う寸法を小とする構成としては、図例のような凹段部27c,27cを設けた構成に限られず、戸先ガイド部27の縦枠長手方向両側に傾斜面を設けたような構成でもよく、その他、種々の構成の採用が可能である。また、上記した左縦枠20B側の戸先ガイド部28も同様の構成としてもよい。または、この右縦枠20A側の戸先ガイド部27を、上記した左縦枠20B側の戸先ガイド部28と同様、その長手方向の全体に亘って一様な断面形状等としてもよい。
また、この戸先ガイド部27は、上記同様、右縦枠20Aに一体的に成形されていてもよく、適宜の接着剤や粘着材等によって固定されていてもよい。
なお、このような傾斜ガイド面27a,28a(戸先ガイド部27,28)を各縦枠20,20に設けていない構成としてもよい。
【0032】
シール支持片部24は、縦枠20の固定片部21の見込方向途中部位から左右方向中央側に向けて突出し、かつ縦枠20の略全長に亘って延びるように設けられている。このシール支持片部24は、固定片部21の見込方向略中央部に位置するように設けられている。図例では、シール支持片部24は、固定片部21の見込方向中心から僅かに室外側に片寄った位置となるように設けられている。このシール支持片部24は、厚さ方向が見込方向となるように配される略板状とされている。このシール支持片部24の突出寸法は、突片部22,23の突出寸法よりも小とされている。右縦枠20Aのシール支持片部24と室内側突片部22とによって閉鎖位置の室内側障子40Aの戸先側端部を収納する収納部29の見込方向両側が区画される。左縦枠20Bのシール支持片部24と室外側突片部23とによって閉鎖位置の室外側障子40Bの戸先側端部を収納する収納部29の見込方向両側が区画される。
【0033】
このシール支持片部24の厚さ方向両側のそれぞれに設けられた第1シール部25,25及び第2シール部26,26は、縦枠20の略全長に亘って延びるように設けられている。これら第1シール部25,25及び第2シール部26,26は、例えば、軟質PVC(ポリ塩化ビニル)等の軟質樹脂や、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム等から形成されていてもよい。また、これら第1シール部25,25及び第2シール部26,26は、二色成形(異材質成形)等によってシール支持片部24(縦枠20)に一体成形されていてもよく、適宜の接着剤や溶着等によってシール支持片部24に固着されていてもよい。
【0034】
シール支持片部24の厚さ方向両側の第1シール部25,25は、縦枠20の見付方向に沿うシール支持片部24の突出方向で、互いに一致する位置となるように設けられている。これら第1シール部25,25は、厚さ方向が縦枠見付方向となるように配される略板状とされている。これら第1シール部25,25は、延出寸法及び厚さ寸法が互いに同寸法とされている。これら第1シール部25,25は、厚さ方向両面が縦枠見付方向に直交する略平坦面状とされている。これら第1シール部25,25は、それぞれの延出方向先端側に向かうに従い厚さ寸法が小となる構成とされていてもよい。
これら第1シール部25,25の延出寸法は、障子40のシール対向面60aに当接可能となるように障子40の厚さ方向への位置ずれ等を加味して適宜の寸法としてもよく、また、過度な接触による開閉性を阻害しないように適宜の寸法としてもよい。図例では、第1シール部25の先端部が僅かに障子40のシール対向面60aに当接している例を示しているが、このような例に限られない。また、これら第1シール部25,25の見付方向の位置は、後記する第2シール部26,26との干渉を抑制する観点等から、また障子40への手掛性を阻害しないように適宜の位置としてもよい。
【0035】
シール支持片部24の厚さ方向両側の第2シール部26,26は、縦枠20の見付方向に沿うシール支持片部24の突出方向で、互いに一致する位置となるように設けられている。これら第2シール部26,26は、厚さ方向が概ね縦枠見付方向となるように配される略板状とされている。これら第2シール部26,26は、延出寸法及び厚さ寸法が互いに同寸法とされている。これら第2シール部26,26は、厚さ方向両面が縦枠見付方向に直交する略平坦面状とされた第1シール部25,25とは異なり、延出方向先端側に向かうに従い固定片部21側となるように傾斜状に形成されている。これら第2シール部26,26は、それぞれの延出方向先端側に向かうに従い厚さ寸法が小となる構成とされていてもよい。
これら第2シール部26,26の延出寸法は、障子40の戸先側端面60bとシール対向面60aとの角部60cに当接可能となるように障子40の厚さ方向への位置ずれ等を加味して適宜の寸法としてもよい。また、第2シール部26,26の延出寸法は、戸先側端面60bに設けられた固着具挿通孔を塞ぐキャップや固定片部21との干渉を抑制する観点等から適宜の寸法としてもよい。これら第2シール部26,26の延出寸法は、上記のような延出寸法とされた第1シール部25,25の延出寸法の1.2倍~2倍程度でもよい。図例では、第2シール部26の先端側が僅かに固定片部21側に変形して角部60cに当接している例を示しているが、このような例に限られない。また、これら第2シール部26,26の見付方向の位置は、固定片部21との干渉を抑制する観点等から適宜の位置としてもよい。
【0036】
右縦枠20Aの見込方向(シール支持片部24の厚さ方向)両側の第1シール部25,25のうちの室内側に延出する第1シール部25が室内側障子40Aの戸先側端部の室外側に向くシール対向面60aに当接する。つまり、この室内側障子40Aの戸先側端部の室外側に向くシール対向面60aが右縦枠20Aの第1シール部25が当接する第1面となる。
左縦枠20Bの見込方向(シール支持片部24の厚さ方向)両側の第1シール部25,25のうちの室外側に延出する第1シール部25が室外側障子40Bの戸先側端部の室内側に向くシール対向面60aに当接する。つまり、この室外側障子40Bの戸先側端部の室内側に向くシール対向面60aが左縦枠20Bの第1シール部25が当接する第1面となる。
これら室内側障子40A及び室外側障子40Bのシール対向面60a,60aは、障子厚さ方向一方となるシール支持片部24側に向く面となる。
また、右縦枠20Aの見込方向両側の第2シール部26,26のうちの室内側に延出する第2シール部26が室内側障子40Aの戸先側端部の室外側の角部60cに当接する。
左縦枠20Bの見込方向両側の第2シール部26,26のうちの室外側に延出する第2シール部26が室外側障子40Bの戸先側端部の室内側の角部60cに当接する。
【0037】
なお、各縦枠20,20のシール支持片部24,24に、第1シール部25,25及び第2シール部26,26に加え、更にシール部が設けられていてもよい。
また、上記した例では、各縦枠20,20のシール支持片部24,24の厚さ方向両側に第1シール部25,25及び第2シール部26,26を設けた例を示しているが、シール支持片部24,24の厚さ方向一方となるシール対向面60a,60a側のみに設けた構成としてもよい。つまり、図例のように右前状に障子40,40が配される場合には、右縦枠20Aのシール支持片部24の室内側のみに第1シール部25及び第2シール部26を設け、左縦枠20Bのシール支持片部24の室外側のみに第1シール部25及び第2シール部26を設けた構成としてもよい。
また、上記した例では、第1シール部25の延出寸法を第2シール部26の延出寸法よりも小とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0038】
また、上記した枠体10を構成する上枠11、下枠15及び左右の縦枠20,20は、金属製でもよいが、断熱性の観点等から樹脂製でもよく、また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだいわゆる繊維強化樹脂製でもよい。また、これら上枠11、下枠15及び左右の縦枠20,20は、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。また、これら上枠11、下枠15及び左右の縦枠20,20は、互いに溶着や適宜の固着具等によって枠状に接合されていてもよい。図例では、上枠11及び下枠15の長手方向の各端面と左右の縦枠20,20の長手方向の各端部の側面とを突き合わせて言わば縦勝状に接合した例を示しているが、これらの長手方向の各端部を傾斜面とし、傾斜面同士を突き合わせて言わば留継状に接合した構成等としてもよい。
【0039】
障子40は、
図1及び
図4に示すように、上框44と下框50と左右の縦框60,70とを備えている。障子40は、これら上框44、下框50及び左右の縦框60,70を含む框体内に面板を構成する透光板41を設けた構成とされている。また、障子40は、上框44及び下框50の長手方向の各端面と左右の縦框60,70の長手方向の各端部の側面とを突き合わせ、これらを縦勝状に接合した構成とされている。
この障子40に設けられる面板は、
図2及び
図3に示すように、障子厚さ方向に複数枚(図例では2枚)の透光板41,41を有した複層板構造とされている。これら透光板41,41は、ガラス板でもよく、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂系材料から形成されていてもよい。これら透光板41,41は、その四周端部に沿うように略枠状に形成された適宜のスペーサ42を介して厚さ方向に離間して設けられている。また、スペーサ42の外周側には、これら透光板41,41間の真空層または種々のガスが充填された中空層を密封する適宜の密封材43が全周に亘って設けられている。
【0040】
上框44、下框50及び左右の縦框60,70のそれぞれの框体内周側には、透光板41,41の四周端部を受け入れる板受入溝46,52,62,72が設けられている。これら板受入溝46,52,62,72は、上框44、下框50及び左右の縦框60,70の略全長に亘って延びるように設けられている。これら板受入溝46,52,62,72は、障子厚さ方向で互いに一致する位置となるように設けられている。これら板受入溝46,52,62,72内には、透光板41,41の四周端部や密封材43に密着する適宜のガスケットが略全周に亘って延びるように設けられていてもよい。上框44、下框50及び左右の縦框60,70のそれぞれの板受入溝46,52,62,72の具体的構成の一例については後述する。
【0041】
上框44は、
図1及び
図4に示すように、左右方向に長尺状とされている。
この上框44には、
図3に示すように、上方側に向けて開口し、上枠11のレール部13を受け入れるレール受入溝47が全長に亘って延びるように設けられている(
図9(a)及び
図10(a)も参照)。レール受入溝47は、溝幅寸法がレール部13の厚さ寸法よりも大とされ、溝深さ寸法がレール部13の突出寸法よりも大とされた略方形溝状とされている。
この上框44は、当該上框44の外郭を形成する上框本体45と、この上框本体45のレール受入溝47の開口幅方向両縁部から互いに向き合う方向に延出し、延出方向先端部がレール部13に近接または当接する溝シール部48,48と、レール受入溝47を区画するように設けられた框補強部材49と、を備えている。
【0042】
上框本体45には、レール受入溝47の溝幅方向両側を区画するように、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた薄板状片部が設けられている。これら両側の薄板状片部の上端部には、框補強部材49の両側壁部の上端部を受け入れる溝部を区画するように互いに向き合う方向に突出しかつ垂下する係合部が設けられている。これら両側の薄板状片部の上端面が上框本体45(上框44)の上側面45b(
図10(c)参照)を構成する。
上框本体45の下側部位には、下方側に向けて開口し、透光板41,41の上端部を受け入れて保持する板受入溝46が全長に亘って延びるように設けられている。この板受入溝46の溝幅方向両側は、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた薄板状片部によって区画されている。これら薄板状片部の上框長手方向両端側には、これらが切除されて後記する縦框60,70の薄板状片部を受け入れ可能とされている。
上框本体45の板受入溝46を区画する部位とレール受入溝47を区画する部位との間には、当該上框44と左右の縦框60,70とを接合する固着具が止着される止着部45aが設けられている。この上框本体45は、金属製でもよいが、上記した枠体10と同様、断熱性の観点等から樹脂製でもよく、繊維強化樹脂製でもよく、また、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
図例では、上框本体45の下側部位の厚さ寸法を、上框本体45のレール受入溝47を区画する部位及び止着部45aが設けられた部位の厚さ寸法よりも大とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0043】
溝シール部48,48は、厚さ方向が上下方向となるように配される薄板状とされ、上框本体45(上框44)の上側面45bに沿って上框44の略全長に亘って設けられている。これら溝シール部48,48は、延出方向先端に向かうに従い厚さ寸法が小とされていてもよく、また、先端部に略円柱状に膨らんだ部位を有していてもよい。また、これら溝シール部48,48は、上記した第1シール部25及び第2シール部26と同様、軟質樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴム等から形成されていてもよい。また、これら溝シール部48,48は、二色成形(異材質成形)等によって上框本体45(上框44)に一体成形されていてもよく、適宜の接着剤や溶着等によって上框本体45に固着されていてもよい。また、これら溝シール部48,48の上側面を、上框44の上側面として把握するようにしてもよい。
【0044】
上框本体45のレール受入溝47を区画する部位は、略方形溝状とされ、その溝底面及び溝幅方向両側壁に沿うように框補強部材49が設けられている。この框補強部材49は、厚さ方向が上下方向となるように配され溝底面に沿う溝底片部と、この溝底片部の溝幅方向両端部から立ち上がるように設けられ溝幅方向両側壁にそれぞれ沿う両側壁部と、を備え、断面略コ字状(略U字状)とされている。この框補強部材49は、アルミニウムやステンレス等の金属製でもよい。
上框44としては、上記のような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0045】
下框50は、
図1及び
図4に示すように、左右方向に長尺状とされている。
この下框50には、
図3に示すように、下枠15にガイドされる戸車59が設けられている。この戸車59は、
図8(c)、(d)に示すように、この戸車59の障子厚さ方向両側に配され戸車59を回転自在に支持する支持側壁58a,58aを含む戸車ユニット58に設けられている。
下框50は、
図7及び
図8(a)~(d)に示すように、戸車ユニット58の障子厚さ方向両面(側壁面)58b,58bを露出させるように障子厚さ方向に貫通しかつ上方側に向けて開口して戸車ユニット58を受け入れる受入凹所56aが設けられた框補強部材55を備えている。このような構成とすれば、框補強部材55によって下框50を補強することができる。また、例えば、框補強部材に設けられた中空部内に戸車ユニットが配される構成と比べて、戸車ユニット58の障子厚さ方向の寸法を確保しながらも効果的に下框50の薄型化を図ることができる。
【0046】
下框50は、框補強部材55の障子厚さ方向両側に配され框補強部材55及び戸車ユニット58の障子厚さ方向両面(側壁面)56b,56b,58b,58bを覆う框カバーを構成する下框本体51を備えている。このような構成とすれば、框補強部材55及びこれの障子厚さ方向両側において露出する戸車ユニット58の障子厚さ方向両側を下框本体51によって覆うことができる。
框補強部材55の障子厚さ方向の各側壁面56b,56bと戸車ユニット58の障子厚さ方向の各側壁面58b,58bとが同一平面状とされている。このような構成とすれば、戸車ユニット58の障子厚さ方向の寸法を確保しながらもより効果的に下框50の薄型化を図ることができる。
受入凹所56aは、戸車ユニット58が嵌め込まれる構成とされている。このような構成とすれば、戸車ユニット58を框補強部材55の受入凹所56aに嵌め込んで組み付けることができ、ねじ等の締結工数を削減することもできる。
【0047】
框補強部材55は、受入凹所56aが設けられた第1補強部材56と、受入凹所56aの上方開口を塞ぐように第1補強部材56の上方側に載置される第2補強部材57と、を備えている。このような構成とすれば、第1補強部材56の受入凹所56aを第2補強部材57によって塞ぐことができ、受入凹所56aに嵌め込まれた戸車ユニット58の上方側への移動を抑制することができる。また、受入凹所56aが設けられた第1補強部材56を第2補強部材57によって補強することができ、また、第2補強部材57によって下框50の上方側に設けられる透光板41,41の荷重を均等に受け易くなり、下框50をより効果的に補強することができる。
第1補強部材56及び第2補強部材57のうちの一方には、他方側に設けられた下框長手方向に延びる係合溝57bに係合する係合突条56cが下框長手方向に延びるように設けられている。このような構成とすれば、第1補強部材56及び第2補強部材57のうちの一方の係合突条56cと他方の係合溝57bとを係合させることで、第1補強部材56及び第2補強部材57が互いに障子厚さ方向に位置ずれし難くなる。
【0048】
具体的には、下框50は、下框長手方向に間隔を空けて設けられた複数(図例では、2つ)の戸車ユニット58,58を備えている。この下框50には、詳細については後述するが、上方側に向けて開口する板受入溝52と、下方側に向けて開口するレール受入溝53と、が全長に亘って延びるように設けられている。また、下框50は、レール受入溝53の開口幅方向両縁部から互いに向き合う方向に延出し、延出方向先端部がレール部17(
図3参照)に近接または当接する溝シール部54,54を備えている。
戸車ユニット58,58は、下框50の長手方向両端部のそれぞれに設けられている。第1補強部材56の長手方向両端部には、これら戸車ユニット58,58のそれぞれを受け入れる受入凹所56a,56aが設けられている。これら長手方向両端側の受入凹所56a,56a及び戸車ユニット58,58は、同様の構成であるので、以下では一方を例にとって説明する。
戸車ユニット58は、障子厚さ方向に薄型の略直方体状の本体部内に戸車59を回転自在に設けた構成とされている。この本体部の厚さ方向両側の側壁面58b,58bは、厚さ方向に直交する略平坦面状とされている。この本体部の上面は、略水平面状で略平坦面状とされている。この本体部の下框長手方向両側面の下端側部位には、同長手方向外側及び下方側に向けて開口する凹段部が設けられている。本体部の下框長手方向両側面の凹段部よりも上方側部位及び凹段部の同長手方向外側に向く段底面は、同長手方向に直交する略平坦面状とされている。
【0049】
戸車59は、障子厚さ方向に沿う車軸59a回りに戸車ユニット58の本体部に回転自在に保持されている。戸車ユニット58の本体部には、戸車59の車軸59aを回転自在に保持する適宜の軸受部が設けられている。
戸車59は、
図8(c)に示すように、その下端側部位が戸車ユニット58の本体部の下面側において露出するように設けられている。この戸車59が下枠15のレール部17に沿って転動し、障子40の下端側が左右方向にガイドされる。この戸車59の外周面には、径方向外側に向けて開口し全周に亘って延び、下枠15のレール部17に係合する係合溝が設けられている。この戸車59の係合溝に下枠15のレール部17の上端部を係合させることで障子40の下端側の障子厚さ方向への振れが抑制される。
【0050】
戸車ユニット58には、
図7及び
図8(a)~(d)に示すように、本体部から下框長手方向外側に向けて突出し、本体部に対する戸車59の上下位置を調整する際に操作される位置調整操作部58cが設けられている。この位置調整操作部58cの突出方向先端部には、ドライバー等の治具によって操作可能なように十字穴やすりわり等が設けられている。この位置調整操作部58cは、後記する縦框60,70の下端部に設けられた適宜の操作孔を介して操作可能とされていてもよい。
戸車ユニット58には、本体部から下框長手方向内側に向けて突出する突片部58dが設けられている。この突片部58dは、厚さ方向が上下方向となるように配される略板状とされている。この突片部58dには、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられている。この突片部58dは、第1補強部材56に設けられたレール受入溝53の溝底を区画する溝底片部に当接または近接配置されてもよい。この突片部58dの貫通孔を介して溝底片部に適宜の固着具を止着してもよい。この突片部58dは、当該戸車ユニット58が他の障子に共用部品として使用される場合に他の障子の下框に固定するために設けられたものでもよい。なお、戸車ユニット58に突片部58dを設けていない構成としてもよい。
【0051】
第1補強部材56は、左右方向に長尺状とされ、下框50の略全長に亘って設けられている。
この第1補強部材56は、長手方向に貫通する中空部が設けられた中空筒状とされている。この第1補強部材56は、障子厚さ方向両側の側壁面56b,56bを構成する両側の側壁部と、上面が戸車ユニット58の本体部の上面と同一平面状となるように設けられる上壁部と、レール受入溝53の溝底を区画する溝底片部と、によって厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた扁平な略四角筒状とされている。また、第1補強部材56には、溝底片部の障子厚さ方向両縁部から下方側に向けて垂下するように、レール受入溝53の溝幅方向両側を区画する溝側壁部が設けられている。レール受入溝53は、これら溝側壁部及び溝底片部によって区画され、略方形溝状とされている。これら溝側壁部は、その下端部を除いて側壁部に連なるように設けられ、第1補強部材56の障子厚さ方向両側の側壁面56b,56bを構成する。これら溝側壁部の下端部には、障子厚さ方向外側に僅かに突出しかつ下方側に向けて突出する係合片部が設けられている。
【0052】
第1補強部材56の上面側には、係合突条56c及び係合溝57bのうちの一方としての係合突条56cが設けられている。第1補強部材56の上壁部の障子厚さ方向両縁部から上方側に向けて突出するように二条の係合突条56c,56cが設けられている。これら係合突条56c,56cは、後記する受入凹所56a,56aが設けられた箇所を除いて第1補強部材56の全長に亘って延びるように設けられている。これら係合突条56c,56cは、それぞれの障子厚さ方向両側に凹段部が形成されるように両側の側壁部よりも厚さ寸法が僅かに小とされている。
【0053】
受入凹所56aは、戸車ユニット58の本体部の外郭形状に応じた形状とされている。この受入凹所56aは、嵌め込まれた戸車ユニット58の本体部が下框長手方向に略移動不能となり、かつ本体部の上面と第1補強部材56の上壁部の上面とが同一平面状となるように設けられている。
この受入凹所56aは、戸車ユニット58の本体部の下面側が当接される凹底部と、本体部の下框長手方向両側が当接または近接される凹側部と、によって区画されている。この受入凹所56aは、上記のように略四角筒状とされた第1補強部材56に、レール受入溝53の溝幅方向両側を区画する両側の溝側壁部の下端側部位を残すように切欠状に形成されている。つまり、受入凹所56aの凹底部は、両側の溝側壁部の下端側部位の上方側に向く面(切断面)によって区画されている。受入凹所56aの凹底部には、両側の溝側壁部の間において戸車59を露出させる開口が設けられている。受入凹所56aの両側の凹側部は、上記した係合突条56c,56cを含む両側の側壁部、上壁部、溝底片部及び両側の溝側壁部の上側部位の下框長手方向に向く面(切断面)によって区画されている。受入凹所56aの両側の凹側部の下端側部位には、戸車ユニット58の本体部の下框長手方向両側面の下端側部位に設けられた凹段部に応じた突段部が設けられている。
第1補強部材56における受入凹所56aの長手方向外側の上壁部は、上記した戸車ユニット58の位置調整操作部58cの受け入れが可能なように切除されている。
【0054】
第2補強部材57は、左右方向に長尺状とされ、下框50の略全長に亘って設けられている。つまり、第2補強部材57の長さ寸法は、第1補強部材56の長さ寸法と同寸法とされている。この第2補強部材57の障子厚さ方向に沿う寸法は、第1補強部材56の厚さ寸法と同寸法とされている。この第2補強部材57の上下方向に沿う寸法は、第1補強部材56の上下方向に沿う寸法よりも小とされている。この第2補強部材57は、外郭形状が略角棒状とされている。
この第2補強部材57には、当該下框50と左右の縦框60,70とを接合する固着具が止着される止着部57aが設けられている。
この第2補強部材57の下面側には、係合突条56c及び係合溝57bのうちの他方としての係合溝57bが設けられている。上記した二条の係合突条56c,56cに対応させて、第2補強部材57の下面側の障子厚さ方向両縁部のそれぞれに係合溝57b,57bが設けられている。これら係合溝57b,57bは、下方側に向けて開口し、第2補強部材57の全長に亘って延びるように設けられている。これら係合溝57b,57bは、係合突条56c,56cのそれぞれが嵌め入れ可能なように、また、これらが嵌め入れられた状態で、第2補強部材57の下面が第1補強部材56及び戸車ユニット58の本体部の上面に当接または近接するように形成されている。
【0055】
第2補強部材57の上面側の障子厚さ方向両縁部には、上方側に向けて突出し、全長に亘って延びる係合片部が設けられている。第2補強部材57の上面は、これら係合片部を除いて略水平面状で略平坦面状とされている。
この第2補強部材57の障子厚さ方向の各面は、係合溝57b,57bに第1補強部材56の係合突条56c,56cをそれぞれ嵌め入れた状態で、第1補強部材56の下端部に設けられた係合片部の障子厚さ方向の各面と同一平面状となる構成とされている。
この第2補強部材57は、第1補強部材56に載置されるのみでもよく、適宜の粘着材や接着材、固着具等を用いて第1補強部材56に固定されていてもよい。
第1補強部材56及び第2補強部材57は、アルミニウムやステンレス等の金属製でもよく、上記した受入凹所56a等を除いて、長手方向に一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
【0056】
下框本体51には、上記構成とされた框補強部材55(第1補強部材56及び第2補強部材57)が長手方向に挿通される中空部が全長に亘って延びるように設けられている。この下框本体51は、その中空部の障子厚さ方向両側を区画する両側の側壁部と、中空部の上側及び板受入溝52の溝底を区画する溝底片部と、を備えている。この下框本体51の両側の側壁部の内側面は、框補強部材55及び戸車ユニット58の障子厚さ方向両側の側壁面56b,56b,58b,58bに当接または近接する。これにより、框補強部材55の受入凹所56aにはめ込まれた戸車ユニット58の障子厚さ方向への移動が規制される。
両側の側壁部の下端部には、第1補強部材56の下端部に設けられた係合片部を受け入れる溝部を区画するように互いに向き合う方向に突出しかつ立ち上がる係合部が設けられている。溝底片部の下面側の障子厚さ方向両側には、第2補強部材57の上面側に設けられた係合片部を受け入れる溝部が設けられている。これら上下両側の溝部に、框補強部材55の上下両側の係合片部が係合し、下框本体51内における框補強部材55の上下方向及び障子厚さ方向への移動が規制される。
【0057】
下框本体51の両側の側壁部の下端部は、その上方側に設けられる第1補強部材56の両側の溝側壁部とによってレール受入溝53の溝幅方向両側を区画する。
これら両側の側壁部の下端面に沿って溝シール部54,54が設けられている。これら溝シール部54,54は、厚さ方向が上下方向となるように配される薄板状とされ、下框50の略全長に亘って設けられている。これら溝シール部54,54は、上記同様、延出方向先端に向かうに従い厚さ寸法が小とされていてもよく、また、先端部に略円柱状に膨らんだ部位を有していてもよい。また、これら溝シール部54,54は、上記同様、軟質樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴム等から形成されていてもよい。また、これら溝シール部54,54は、二色成形(異材質成形)等によって下框本体51(下框50)に一体成形されていてもよく、適宜の接着剤や溶着等によって下框本体51に固着されていてもよい。
【0058】
板受入溝52は、下框本体51の上側部位に全長に亘って延びるように設けられ、透光板41,41の下端部を受け入れて保持する構成とされている。この板受入溝52の溝幅方向両側は、溝底片部の障子厚さ方向両側縁部から上方側に向けて立ち上がるように設けられ、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた薄板状片部によって区画されている。これら薄板状片部の障子厚さ方向外側に向く各面は、下框本体51の下側部位の障子厚さ方向外側に向く各面よりも僅かに障子厚さ方向外側に位置するように形成されている。これら薄板状片部の障子厚さ方向外側に向く各面は、上記した上框本体45の板受入溝46の両側を区画する薄板状片部の障子厚さ方向外側に向く各面と同一平面状とされている。これら薄板状片部の下框長手方向両端側には、これらが切除されて後記する縦框60,70の薄板状片部を受け入れ可能とされている。
下框本体51は、金属製でもよいが、上記同様、断熱性の観点等から樹脂製でもよく、繊維強化樹脂製でもよく、また、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
【0059】
下框50は、第1補強部材56の長手方向両端側の受入凹所56a,56aのそれぞれに戸車ユニット58,58を嵌め込み、これらの上方側に第2補強部材57を載置した状態で、下框本体51の中空部に挿入して組み付けられてもよい。これにより、第1補強部材56の受入凹所56a,56aに嵌め込まれた戸車ユニット58,58の移動が略不能となり、固着具による締結を不要とすることもできる。また、この下框50の長手方向両端面に突き合わせるように後記する左右の縦框60,70が接合されれば、下框本体51に対する框補強部材55の長手方向への移動も略不能となり、下框本体51に対する框補強部材55の固着具等による固定を不要とすることもできる。
下框50としては、上記のような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0060】
左右の縦框60,70は、
図1及び
図4に示すように、上下方向に長尺状とされている。これら左右の縦框60,70には、詳細については後述するが、
図2に示すように、互いに向き合う方向に開口し、透光板41,41の左右方向の各端部を受け入れて保持する板受入溝62,72が全長に亘って延びるように設けられている。
これら左右の縦框60,70のうちの一方が、閉鎖状態で縦枠20の収納部29に納められる戸先側端部を構成する戸先框60となり、他方が、閉鎖状態で他の障子40と障子厚さ方向に重ね合わせられる召合框70となる。
図5に示すように、室外側障子40Bの戸先框(室外側戸先框)60Bの戸先側部位には、戸先側及び室外側に向けて開口し、室外側突片部23を受け入れる凹段部63が設けられている。このような構成とすれば、室外側戸先框60Bの厚さ方向全体の厚さ寸法に応じた収納部29を区画するように、室外側戸先框60Bの室外側に向く面よりも室外側に室外側突片部23を位置させる必要がなく、縦枠20の見込寸法を効果的に小さくすることができる。また、凹段部63の戸先側に向く段壁面63bを手掛部として利用することもできる。
【0061】
室外側戸先框60Bにおける凹段部63よりも召合せ側部位の室外側に向く室外側面61aと室外側突片部23の室外側に向く室外側面23aとが同一平面状とされている。このような構成とすれば、室外側戸先框60Bに室外側突片部23よりも室外側に向けて突出する部位を有したような構成と比べて、内窓装置1全体の見込方向のコンパクト化を図ることができる。これにより、当該内窓装置1を外窓3側により配置し易くなる。
室外側戸先框60Bの室内側には、室内側に向けて開口し、障子厚さ方向に沿う深さ寸法が凹段部63の障子厚さ方向に沿う段差寸法よりも大とされた手掛凹部64が設けられている。このような構成とすれば、室外側からよりも開閉操作されることが多くなる室内側における開閉操作性を向上させることができる。
【0062】
具体的には、室外側戸先框60Bは、中空筒状とされ当該室外側戸先框60Bの外郭を構成する戸先框本体61を有している。
この戸先框本体61の凹段部63における室外側に向く段底面63aを構成する部位は、平板状とされている。このような構成とすれば、凹段部63に更に手掛凹部等を設けたような構成と比べて、戸先框本体61の軽量化や省材料化を図ることができる。
手掛凹部64は、この戸先框本体61の全長に亘って設けられている。このような構成とすれば、操作性を向上させることができる。
この戸先框本体61は、戸先側端面60bを構成する戸先壁部と、凹段部63が設けられた室外側壁部と、手掛凹部64が設けられた室内側壁部と、板受入溝62の溝底を区画する溝底片部と、によって厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた扁平な略四角筒状とされている。戸先框本体61の戸先壁部には、室外側戸先框60Bを上框44及び下框50に固定する固着具が挿通される固着具挿通孔や、位置調整操作部58cを操作する治具が挿入される操作孔等が設けられ、かつこれら孔を塞ぐキャップが取り付けられている(
図4も参照)。
【0063】
戸先框本体61の室外側壁部は、障子厚さ方向に直交する平坦面状とされた室外側面61aを構成する召合せ側部位から段落状に凹段部63を設けた構成とされている。この室外側壁部は、平板状とされた召合せ側部位と、平板状とされた段底面63aを構成する底面部位と、これらを接続するように形成され、凹段部63の段壁面63bを構成する壁面部位と、を備えている。
凹段部63の段底面63aは、その召合せ側部位の室外側面61aと平行状の平坦面状とされている。室外側戸先框60Bの段底面63aが上記した室外側突片部23に対向するように配される突片対向面60dを構成する。
凹段部63の段壁面63bは、これら室外側面61a及び段底面63aに直交するように形成されている。この凹段部63の段差寸法(室外側面61aから段底面63aまでの障子厚さ方向に沿う寸法)は、手掛性の観点や、室外側戸先框60Bの薄型化を図る観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、3mm~5mm程度としてもよい。
【0064】
戸先框本体61の室内側壁部は、その左右方向途中部位に、手掛凹部64を区画する部位(凹部区画部)64aを設けた構成とされている。この室内側壁部における凹部区画部64aの左右両側部位となる戸先側部位及び召合せ側部位は、これらの室内側面が同一平面状で、かつ障子厚さ方向に直交する平坦面状とされた平板状とされている。室外側戸先框60Bの戸先側部位の室内側面が上記したシール支持片部24に対向するように配されるシール対向面60aを構成する。
手掛凹部64は、方形溝状とされ、室内側に向く凹底面と、溝幅方向両側の側壁面と、によって区画されている。この手掛凹部64は、凹段部63の段壁面63bよりも戸先側に位置するように設けられている。この手掛凹部64は、室外側障子40Bが閉鎖状態で、左縦枠20Bのシール支持片部24の先端面よりも召合せ側(左右方向中央側)に位置するように設けられている。この手掛凹部64の深さ寸法や左右方向に沿う溝幅寸法は、手掛性の観点や、室外側戸先框60Bの薄型化を図る観点等から適宜の寸法としてもよい。例えば、深さ寸法は、上記した凹段部63の段差寸法の1.2倍~1.6倍程度としてもよく、溝幅寸法は、手指の差込が可能なように、10mm~20mm程度としてもよい。
凹部区画部64aは、手掛凹部64の凹底面を構成する凹底板状部と、手掛凹部64の両側の側壁面を構成する側壁板状部と、を備えている。
【0065】
板受入溝62は、戸先框本体61の中空部よりも召合せ側部位に全長に亘って延びるように設けられ、透光板41,41の左右方向一方側の端部を受け入れて保持する構成とされている。この板受入溝62の溝幅方向両側は、溝底片部の障子厚さ方向両側縁部から召合せ側に向けて延出するように設けられ、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた薄板状片部によって区画されている。これら薄板状片部の障子厚さ方向外側に向く各面は、戸先框本体61の中空部を区画する召合せ側部位の障子厚さ方向外側に向く各面と面一状とされている。
この戸先框本体61の下端部には、下枠15のレール部17を受け入れる凹部が設けられている。また、この戸先框本体61の下端部には、戸先框本体61の下端開口を塞ぐように適宜の下端キャップ等が取り付けられてもよい。この場合、この下端キャップにも下枠15のレール部17を受け入れる凹部が設けられていてもよい。
戸先框本体61は、金属製でもよいが、上記同様、断熱性の観点等から樹脂製でもよく、繊維強化樹脂製でもよく、また、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
【0066】
室外側戸先框60Bは、戸先框本体61の中空部に挿入される框補強部材65を備えている。このような構成とすれば、室外側戸先框60Bを補強することができる。
この框補強部材65は、戸先框本体61の中空部の内周形状に概ね応じた外周形状とされている。この框補強部材65における手掛凹部64及び凹段部63の底側に対応する部位には、これらの底側を区画する部位との間に空間が形成されるように障子厚さ方向両側に開口する溝状部が全長に亘って延びるように設けられてる。このような構成とすれば、詳細については後述するが、手掛凹部64及び凹段部63よりも手掛性を向上させるべく、手掛部材90(
図14参照)を取り付ける際に、框補強部材65の加工を不要とすることも可能となる。
【0067】
この框補強部材65の戸先側端部は、戸先框本体61の中空部の戸先側端部の形状に応じた形状とされ、その障子厚さ方向に沿う寸法が中空部の戸先側端部の同方向に沿う寸法に応じた寸法とされている。
この框補強部材65の召合せ側部位は、戸先框本体61の中空部の召合せ側部位の形状に応じた形状とされ、その障子厚さ方向に沿う寸法が中空部の召合せ側部位の同方向に沿う寸法に応じた寸法とされている。
この框補強部材65の戸先側端部と召合せ側部位との間の障子厚さ方向両側に上記した溝状部が形成され、これら溝状部の溝底部を構成する部位の障子厚さ方向に沿う寸法が中空部の手掛凹部64及び凹段部63の底側に対応する部位の同方向に沿う寸法よりも小とされている。
この框補強部材65は、戸先框本体61の概ね全長に亘って延びるように設けられている。この框補強部材65の長さ寸法は、戸先框本体61の上端部に取り付けられる後記する振止部材66(
図9(a)参照)や下端部に取り付けられる下端キャップ等を戸先框本体61内に受け入れ可能なように、戸先框本体61の長さ寸法よりも小とされていてもよい。この框補強部材65は、アルミニウムやステンレス等の金属製でもよく、長手方向に一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
【0068】
室外側戸先框60B(戸先框本体61)の上端部には、
図9(a)~(c)に示すように、上枠11に設けられたレール部13を受け入れる受入溝67が設けられた振止部材(戸先振止部材)66が差し込まれるように取り付けられている。このような構成とすれば、室外側戸先框60Bの上端部に取り付けられた戸先振止部材66に上枠11のレール部13を受け入れさせることで、室外側障子40Bの上端側の障子厚さ方向への振れを抑制することができる。この戸先振止部材66には、凹部区画部64aを受け入れる受入凹所69が設けられている。このような構成とすれば、室外側戸先框60Bに上記のような手掛凹部64を全長に亘って設けながらも、上端側に取り付けられる戸先振止部材66の障子厚さ方向のコンパクト化が図れる。これにより、室外側戸先框60Bを含む室外側障子40Bの薄型化を図ることもでき、これが建て付けられる枠体10の見込寸法のコンパクト化も図れる。
戸先振止部材66の受入溝67の溝幅方向両側は、レール部13の室内側面13aに近接対面する室内側壁面67aと、レール部13の室外側面13bに近接対面する開口側縁部から溝底側に向かうに従い室外側となるように傾斜する室外側壁面67bと、とによって区画されている。このような構成とすれば、戸先振止部材66の室内側に、上記のような凹部区画部64aを受け入れる受入凹所69を設けて薄型化を図りながらも、室外側障子40Bを斜め状にして室内側から建て付ける際にレール部13を室外側壁面67b側に受け入れることができる。
【0069】
この戸先振止部材66は、
図9(a)に示すように、受入溝67の溝幅方向両側の開口縁部を区画するように形成され戸先框本体61の上端面を覆うように設けられた板状部と、この板状部の下方側に設けられ、戸先框本体61内に差し込まれる差込部68と、を備えている。板状部は、戸先框本体61における板受入溝62を区画する薄板状片部の延出方向先端側部位の上端面を除いて戸先框本体61の上端面を覆うように設けられている。この板状部の上側面は、戸先振止部材66の上端面を構成し、上框44の上側面45bと同一平面状となるように設けられる。この板状部には、凹段部63及び手掛凹部64に応じた凹所が設けられている。
差込部68は、戸先框本体61の中空部に嵌め込み可能な形状とされている。この差込部68は、受入溝67を区画する両側壁部から障子厚さ方向に突出し、左右方向に間隔を空けて設けられた複数のリブ状片部を備えている。差込部68には、他の部位よりも下方側に向けて突出し、框補強部材65に設けられた係合凹部に嵌め込まれる係合突部が設けられている。また、この差込部68には、他の部位よりも下方側に向けて突出し、室外側戸先框60Bを上框44に接合する固着具が挿通される挿通孔や、戸先振止部材66を戸先框本体61に固定する固着具が挿通される挿通孔が設けられた固定片部が設けられていてもよい。上記した框補強部材65は、戸先框本体61内において、その下端側の下端キャップと上端側の戸先振止部材66とによって挟まれるようにして保持される構成でもよい。このような構成とすれば、框補強部材65を戸先框本体61に固定する固着具等を不要とすることもできる。
【0070】
受入溝67は、上方側に向けて開口し、かつ戸先振止部材66の左右方向の全体に亘って延びるように設けられている。この受入溝67は、障子厚さ方向で上記した上框44のレール受入溝47に一致するように、かつレール受入溝47に連通するように設けられている。戸先框本体61の上端部には、戸先振止部材66の受入溝67を区画する部位を受け入れる切欠状の凹所が設けられている。
この受入溝67は、上方側に向く溝底と室内側壁面67aと室外側壁面67bとによって区画されている。この受入溝67の溝深さ寸法は、
図9(b)に示すように、室外側障子40Bをけんどん状に建て付ける際に、上枠11のレール部13を受け入れ、その下端側のレール受入溝53(
図3参照)に下枠15のレール部17の受け入れが可能となるように適宜の寸法でもよい。図例では、受入溝67の溝深さ寸法を上枠11のレール部13の突出寸法と同寸法とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0071】
受入溝67の開口側の溝幅寸法は、上枠11のレール部13の厚さ寸法に応じた寸法とされている。この受入溝67の開口側の溝幅寸法は、レール部13の厚さ寸法よりも僅かに大でもよい。
受入溝67の室内側壁面67aは、溝深さ方向の全体に亘ってレール部13の室内側面13aと平行状の平坦面状とされている。この室内側壁面67aを構成する側壁部が凹部区画部64aを受け入れる受入凹所69の凹底部をも構成する。換言すれば、室内側壁面67aを構成する側壁部は、凹部区画部64aに干渉しないように凹部区画部64aの室外側において平板状に設けられている。
【0072】
受入溝67の室外側壁面67bは、その開口側部位が溝底側に向かうに従い室内側壁面67aから離間するように傾斜する傾斜面状とされている。つまり、室外側壁面67bの開口側部位は、受入溝67の開口側部位の溝幅寸法を溝底側に向かうに従い大とするように傾斜面状に形成されている。室外側壁面67bの溝底側部位は、室内側壁面67aと平行状の平坦面状とされている。つまり、受入溝67の溝底側部位の溝幅寸法は、一様な寸法とされている。この室外側壁面67bは、
図9(b)に示すように、室外側障子40Bを斜め状にしてけんどん状に建て付ける際に、上枠11のレール部13の受け入れを阻害しないように適宜の形状とされていればよい。
この戸先振止部材66は、例えば、摺動性の良好な樹脂成形品等でもよい。
【0073】
室内側障子40Aの戸先框(室内側戸先框)60Aの戸先框本体61及び框補強部材65は、
図5に示すように、上記した室外側戸先框60Bの戸先框本体61及び框補強部材65と同様の構成とされている。これら室内側戸先框60Aの戸先框本体61及び框補強部材65と室外側戸先框60Bの戸先框本体61及び框補強部材65とは、見込方向に沿う軸回りに一方を180度回転させれば、他方に略一致する形状とされている。つまり、これら室内側戸先框60A及び室外側戸先框60Bは、横断面視して左右反転状に形成されている。そのため、室内側戸先框60Aにおける室外側戸先框60Bと同様の構成については説明を省略する。
この室内側戸先框60Aは、その戸先側部位の室内側面が上記した室内側突片部22に対向するように配される突片対向面60dを構成する。また、室内側戸先框60Aは、その凹段部63の段底面63aが上記したシール支持片部24に対向するように配されるシール対向面60aを構成する。
この室内側戸先框60Aの下端部にも上記同様な下端キャップが設けられている。また、室内側戸先框60Aの上端部にも上記同様な戸先振止部材66が設けられている。これら下端キャップ及び戸先振止部材66は、室内側戸先框60Aの戸先框本体61の形状に合わせて、上記した室外側戸先框60Bの下端キャップ及び戸先振止部材66を左右反転させたような形状とされていてもよい。
これら室内側戸先框60A及び室外側戸先框60Bを構成する戸先振止部材66や戸先框本体61、框補強部材65の上記した構成は、一例に過ぎず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0074】
左右の縦框60,70のうちの少なくとも一方の縦框(70)は、
図10(a)~(c)に示すように、その上端面71aが上框44の上側面45bよりも下方側となるように上框44に対して段下状に接合されている。この縦框(70)の上端部には、上框44との段差を埋めるように縦框(70)の上端側において露出し、かつ上側面79aが平坦面状とされた平坦露出部79を有し、上枠11のレール部13を受け入れる受入溝78が設けられた振止部材(77)が取り付けられている。このような構成とすれば、この縦框(70)の上端部に取り付けられた振止部材(77)に上枠11のレール部13を受け入れさせることで、障子40の上端側の障子厚さ方向への振れを抑制することができる。また、障子の振止部材の上端に上方側に突出する上方突出部を設けたような構成と比べて、縦框(70)の上端側において露出する平坦露出部79の破損を抑制することができる。また、障子40を枠体10に建て付ける際に、平坦露出部79が邪魔になり難く、円滑に建て付けることができる。
図10では、左右の縦框60,70のうちの少なくとも一方の縦框として、室内側障子40Aの室内側召合框70Aを例示している。以下では、この室内側召合框70Aを召合框70として説明し、これの上端部に取り付けられた振止部材を召合振止部材77として説明するが、室外側障子40Bの室外側召合框70Bについても上下方向に沿う軸回りに反転させたような形状とされ概ね同様の構成であり、互いに相違する点については後述する。
【0075】
具体的には、召合框70は、
図2に示すように、中空筒状とされ当該召合框70の外郭を構成する召合框本体71と、この召合框本体71の中空部に挿入される框補強部材76と、を備えている。このような構成とすれば、召合框70を框補強部材76によって補強することができる。
召合框本体71は、召合側端面を構成する召合壁部と、閉鎖状態で他の障子(室外側障子40B)の召合框70(召合框本体71)に対向する対向壁部と、この対向壁部に平行状に設けられた反対向壁部(室内側召合框70Aの室内側壁部、室外側召合框70Bの室外側壁部)と、板受入溝72の溝底を区画する溝底片部と、によって厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた扁平な略四角筒状とされている。召合框本体71の召合壁部には、戸先框本体61と概ね同様、召合框70を上框44及び下框50に固定する固着具が挿通される固着具挿通孔や、位置調整操作部58cを操作する治具が挿入される操作孔等が設けられ、かつこれら孔を塞ぐキャップが取り付けられている(
図4も参照)。
【0076】
召合框本体71の対向壁部は、障子厚さ方向に直交する平坦面状とされ、その表面(室内側召合框70Aの室外側面、室外側召合框70Bの室内側面)が戸先框本体61の表面(室内側戸先框60Aの室外側面、室外側戸先框60Bの室内側面)と同一平面状とされている。
召合框本体71の反対向壁部は、障子厚さ方向に直交する平坦面状とされ、その表面(室内側召合框70Aの室内側面、室外側召合框70Bの室外側面)が戸先框本体61の表面(室内側戸先框60Aの室内側面、室外側戸先框60Bの室外側面)と同一平面状とされている。
板受入溝72は、召合框本体71の中空部よりも戸先側部位に全長に亘って延びるように設けられ、透光板41,41の左右方向他方側の端部を受け入れて保持する構成とされている。この板受入溝72の溝幅方向両側は、溝底片部の障子厚さ方向両側縁部から戸先側に向けて延出するように設けられ、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向とされた薄板状片部によって区画されている。これら薄板状片部の障子厚さ方向外側に向く各面は、召合框本体71の中空部を区画する部位の障子厚さ方向外側に向く各面と面一状とされている。これら薄板状片部の延出方向先端面は、閉鎖状態で隣接する障子40の召合側端面と同一平面状となるように設けられている。
【0077】
召合框本体71の下端部には、上記同様、下枠15のレール部17を受け入れる凹部が設けられている(
図3参照)。また、この召合框本体71の下端部には、召合框本体71の下端開口を塞ぐように適宜の下端キャップ等が取り付けられてもよい。この場合、この下端キャップにも下枠15のレール部17を受け入れる凹部が設けられていてもよい。
召合框本体71は、金属製でもよいが、上記同様、断熱性の観点等から樹脂製でもよく、繊維強化樹脂製でもよく、また、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
框補強部材76は、召合框本体71の中空部の内周形状に概ね応じた外周形状とされている。この框補強部材76は、略四角筒状とされている。
この框補強部材76は、召合框本体71の概ね全長に亘って延びるように設けられている。この框補強部材76の長さ寸法は、上記同様、召合框本体71の上端部に取り付けられる後記する召合振止部材77や下端部に取り付けられる下端キャップ等を召合框本体71内に受け入れ可能なように、召合框本体71の長さ寸法よりも小とされていてもよい。この框補強部材76は、上記同様、アルミニウムやステンレス等の金属製でもよく、長手方向に一様な断面形状とされた押出成形品等でもよい。
【0078】
召合振止部材77の平坦露出部79は、
図10(a)、(b)に示すように、受入溝78の溝幅方向両側を区画するように受入溝78の溝幅方向両側に設けられている。このような構成とすれば、受入溝78の溝幅方向両側を区画する溝幅方向両側の平坦露出部79によってレール部13を挟むことができる。これにより、例えば、下方突出レールを収容する開口の両側の離間した位置に設けられた上方突出部に下方突出レールが引っ掛かるような構成と比べて、障子40の上端側の障子厚さ方向への振れを効果的に抑制することができる。
具体的には、召合振止部材77は、図示を省略しているが、上記した戸先振止部材66と概ね同様、平坦露出部79の下方側に設けられ、召合框本体71内に差し込まれる差込部を備えている。この差込部は、上記と概ね同様、召合框本体71の中空部に嵌め込み可能な形状とされている。この差込部には、他の部位よりも下方側に向けて突出し、召合框70を上框44に接合する固着具が挿通される挿通孔や、召合振止部材77を召合框本体71に固定する固着具が挿通される挿通孔が設けられた固定片部が設けられていてもよい。
【0079】
受入溝78は、上方側に向けて開口し、かつ召合振止部材77の左右方向の全体に亘って延びるように設けられている。この受入溝78は、障子厚さ方向で上記した上框44のレール受入溝47に一致するように、かつレール受入溝47に連通するように設けられている。召合框本体71の上端部には、召合振止部材77の受入溝78を区画する部位を受け入れる切欠状の凹所が設けられている。
この受入溝78は、上方側に向く溝底と溝幅方向両側の溝側壁面78a,78aとによって区画されている。この受入溝78の溝深さ寸法は、上記同様、障子40をけんどん状に建て付ける際に、上枠11のレール部13を受け入れ、その下端側のレール受入溝53に下枠15のレール部17の受け入れが可能となるように適宜の寸法でもよい。図例では、受入溝78の溝深さ寸法を上枠11のレール部13の突出寸法と同寸法とした例を示しているが、このような例に限られない。
【0080】
この受入溝78の開口側の溝幅寸法は、上記同様、上枠11のレール部13の厚さ寸法に応じた寸法とされている。
受入溝78の両側の溝側壁面78a,78aは、上記した受入溝67の室外側壁面67bと概ね同様、開口側部位が溝底側に向かうに従い互いに離間するように傾斜する傾斜面状とされている。つまり、これら溝側壁面78a,78aの開口側部位は、受入溝78の開口側部位の溝幅寸法を溝底側に向かうに従い大とするように傾斜面状に形成されている。これら溝側壁面78a,78aの溝底側部位は、互いに平行状で、障子厚さ方向に直交する平坦面状とされている。つまり、受入溝78の溝底側部位の溝幅寸法は、一様な寸法とされている。これら溝側壁面78a,78aは、上記同様、障子40を斜め状にしてけんどん状に建て付ける際に、上枠11のレール部13の受け入れを阻害しないように適宜の形状とされていればよい。
【0081】
平坦露出部79は、
図10(c)に示すように、その上側面79aが上框44の上側面45bと同一平面状となるように設けられている。このような構成とすれば、平坦露出部79が上框44よりも突出しているような構成と比べて、平坦露出部79の破損をより効果的に抑制することができ、また、障子40を枠体10に建て付ける際に、より円滑に建て付けることができる。この平坦露出部79の上側面79aは、略全体に亘って略水平面状の平坦面状とされている。図例では、平坦露出部79の上側面79aを、上框44に設けられた溝シール部48の上側面と同一平面状とした例を示しているが、このような例に限られない。
平坦露出部79は、
図3に示すように、障子40が枠体10に正常に建て付けられた状態で障子40を厚さ方向一方側から見て、上枠11のカバー片部14に覆われる構成とされている。このような構成とすれば、例えば、経年変化等によって枠体10の上枠11と下枠15との間の寸法が大となり、上枠11に対して障子40が降下するような異常が生じれば、
図10(b)、(c)に示すように、カバー片部14の下端側において平坦露出部79が露出し、異常を認識させることができる。つまり、平坦露出部79を異常標示部として機能させることができる。また、このような状態においても、レール部13の下端がカバー片部14の下端よりも下方側に位置しているので、上枠11のレール部13が受入溝78から直ちに外れるようなことを抑制することができる。
【0082】
具体的には、平坦露出部79は、召合框本体71の上端面を覆うように設けられている。この平坦露出部79は、召合框本体71における板受入溝72を区画する薄板状片部の延出方向先端側部位の上端面を除いて召合框本体71の上端面を覆うように設けられている。
この平坦露出部79は、厚さ方向が上下方向となるように配される略板状とされている。この平坦露出部79の上下方向に沿う寸法は、召合框本体71の上端面71aと上框44の上側面45bとの段差に応じた寸法とされている。この平坦露出部79の上下方向に沿う寸法は、2mm以上でもよい。このような構成とすれば、平坦露出部79の上下方向に沿う寸法を小さくし過ぎた構成と比べて、上記のような異常が生じた際に、上枠11のレール部13との係合を確保しながらも、平坦露出部79の視認性を向上させることができ、異常を認識させることができ、また、平坦露出部79の破損を効果的に抑制することができる。この平坦露出部79の上下方向に沿う寸法は、4mm以下でもよい。このような構成とすれば、平坦露出部79の上下方向に沿う寸法を大きくし過ぎた構成と比べて、上記のような異常が生じた際に平坦露出部79がすぐに露出し難くなり、また、召合振止部材77を樹脂成形品とした場合に一部分の厚さが大となることによる成形性の低下を抑制することができる。この平坦露出部79の上下方向に沿う寸法は、好ましくは、2.5mm~3.5mmでもよい。
【0083】
また、平坦露出部79の上下方向に沿う寸法は、カバー片部14の下端からレール部13の下端までの上下方向に沿う寸法よりも小でもよい。このような構成とすれば、平坦露出部79の全体がカバー片部14の下方側において露出した場合にもレール部13の下端部が受入溝78内に位置することとなり、上枠11のレール部13が受入溝78から直ちに外れるようなことをより効果的に抑制することができる。
この平坦露出部79におけるカバー片部14に少なくとも対向する面(室内側面)79bは、召合框本体71の表面とは異なる色である。このような構成とすれば、上記のような異常が生じた際に、異常をより効果的に認識させることができる。
図10(c)では、この室内側面79bを、クロスハッチングにて模式的に示している。この室内側面79bは、召合框本体71の表面色としては採用され難く、かつ異常標示(警告表示)として採用され易い、例えば、赤色等の異常標示色としてもよい。召合振止部材77は、全体が異常標示色で成形されていてもよく、少なくとも室内側面79bが塗装等によって異常標示色とされていてもよい。召合振止部材77は、例えば、摺動性の良好な樹脂成形品等でもよい。
【0084】
平坦露出部79としては、上記のような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。例えば、平坦露出部79の室内側に、召合框本体71の上端を覆うように垂下する部位を更に設けた構成等としてもよい。
また、このような平坦露出部79を有した召合振止部材77は、少なくとも室内側障子40Aの室内側召合框70Aに設けた構成としてもよく、室外側障子40Bの室外側召合框70Bにも設けた構成としてもよい。さらには、上記した戸先振止部材66にも設けた構成としてもよい。この場合には、平坦露出部79の上下方向に沿う寸法に対応させて上記した戸先框本体61の長さ寸法を図例よりも小さくしてもよい。つまりは、上框44の上側面45bとの段差に上記のような平坦露出部79を設けられるように、戸先框本体61を上框44に対して段下状に設けた構成としてもよい。
【0085】
室外側障子40Bの室外側召合框70Bには、
図1~
図4に示すように、室内側障子40Aの室内側召合框70Aに設けられクレセント錠(サッシ錠)80を構成するクレセント83を受けるクレセント受84が設けられている。このような構成とすれば、室内側障子40Aのクレセント83を室外側障子40Bのクレセント受84に係止させて施錠することができる。室内側障子40Aの室内側召合框70Aには、クレセント83を有し施錠具を構成する錠本体81が設けられている。この錠本体81は、室内側召合框70Aの召合側端面に固定される台座と、この台座に対して左右方向に沿う軸回りに回転自在に保持されたクレセント83を回転させる際に操作されるレバー82と、を備えている。
クレセント受84は、
図11(a)及び
図12(c)に示すように、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向となる略板状とされている。このクレセント受84には、錠本体81の係止部を構成するクレセント83が係止する被係止部85が設けられている。被係止部85は、クレセント受84に切り起こし状に設けられている。このクレセント受84及び錠本体81は、室外側召合框70B及び室内側召合框70Aの適宜の高さ位置に設けられている。このようなクレセント受84の被係止部85やこれに係止するクレセント83を有した錠本体81としては、図例のような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0086】
クレセント受84には、室外側召合框70Bの室内側面(召合框本体71の対向壁部の室内側面)に沿わせられて固着具9によって室外側召合框70Bに固着される固定片部86が設けられている。このような構成とすれば、固着具9によってクレセント受84の固定片部86を室外側召合框70Bに固定することができる。
室外側召合框70Bには、室内側召合框70A側に向けて突出し、かつ突出方向先端面が室内側召合框70Aに設けられたシール部75の受部73aとなる突片部73が設けられ、この突片部73に、固定片部86が挿通される挿通孔73bが当該突片部73の基端側部位を貫通して設けられている。このような構成とすれば、突片部73の基端側部位を貫通する挿通孔73bに固定片部86を挿通して固定片部86を室外側召合框70Bに固定することができる。また、例えば、突片部に固定片部を受け入れる切欠等を設けた構成と比べて、シール部75の受部73aとなる突片部73の突出方向先端面に段差や隙間等が形成されることがないので、室内側召合框70Aのシール部75を安定的に当接させることができ、室内側召合框70Aと室外側召合框70Bとの気密性を向上させることができる。
【0087】
突片部73は、室外側召合框70Bの見付方向(左右方向)一方側縁部に設けられ、室外側召合框70Bの見付方向他方側縁部には、室内側召合框70A側に向けて突出し、かつ突出方向先端面に室内側召合框70Aに設けられた受部73aに当接するシール部75が設けられたシール突片部74が設けられている。このような構成とすれば、室外側障子40Bの受部73aに室内側障子40Aのシール部75を当接させ、室内側障子40Aの受部73aに室外側障子40Bのシール部75を当接させることができ、室内側召合框70Aと室外側召合框70Bとの気密性をより向上させることができる。
室外側障子40Bは、見付方向両側の各端部が突片部73及びシール突片部74にそれぞれ係止されて固定片部86を覆う受カバー87を備えている。このような構成とすれば、固着具9によって室外側召合框70Bに固定されるクレセント受84の固定片部86を受カバー87によって覆うことができ、見栄えを向上させることができる。
【0088】
具体的には、これら室内側召合框70A及び室外側召合框70Bの召合框本体71,71の対向側の見付方向一方側となる戸先側縁部のそれぞれに、突片部73,73が設けられている。これら突片部73,73は、召合框本体71,71の略全長に亘って設けられている。これら突片部73,73は、板受入溝72,72の溝幅方向一方側を区画する薄板状片部の延出方向先端部に設けられ、対向方向となる障子厚さ方向に突出するように形成され、かつ突出方向先端部に召合側端面側に延出する延出片部を備えている。これら突片部73,73の延出片部の対向側に向く面が受部73a,73aを構成する。
これら室内側召合框70A及び室外側召合框70Bの召合框本体71,71の対向側の見付方向他方側となる召合側端面側縁部のそれぞれに、シール突片部74,74が設けられている。これらシール突片部74,74は、召合框本体71,71の略全長に亘って設けられている。これらシール突片部74,74は、対向方向となる障子厚さ方向に突出するように形成され、かつ突出方向先端部に戸先側に延出する延出片部を備えている。つまり、各召合框本体71,71の突片部73,73の延出片部と、シール突片部74,74の延出片部と、は、互いに向き合う方向(見付方向)に延出するように設けられている。
【0089】
各召合框本体71,71のシール突片部74,74のシール部75,75が設けられる先端面と、突片部73,73の受部73a,73aとは、同一平面状となるように設けられている。
室内側召合框70Aの突片部73の受部73aと室外側召合框70Bのシール突片部74の先端面とは、閉鎖状態で、互いに障子厚さ方向に対向し、かつ見付方向で一致する位置となるように設けられている。室内側召合框70Aのシール突片部74の先端面と室外側召合框70Bの突片部73の受部73aとは、閉鎖状態で、互いに障子厚さ方向に対向し、かつ見付方向で一致する位置となるように設けられている。
【0090】
各シール突片部74,74のシール部75,75は、各シール突片部74,74の先端面から障子厚さ方向に突出するように設けられている。図例では、シール突片部74,74のそれぞれに、見付方向に間隔を空けて複数(図例では2つ)のシール部75,75を設けた例を示している。これらシール部75,75は、厚さ方向が概ね見付方向となるように配される薄板状とされ、召合框本体71,71の略全長に亘って設けられている。これらシール部75,75のうちの戸先側のシール部75が対向する突片部73の受部73aに当接し、召合側端面側のシール部75が対向する突片部73の受部73aの戸先側角部に当接する構成でもよい。これらシール部75,75は、上記同様、軟質樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴム等から形成されていてもよい。また、これらシール部75,75は、二色成形(異材質成形)等によって召合框本体71,71に一体成形されていてもよく、適宜の接着剤や溶着等によって召合框本体71,71に固着されていてもよい。
【0091】
室外側召合框70Bの突片部73に設けられた挿通孔73bは、上下方向となる召合框長手方向に長尺な長孔状とされている。この挿通孔73bは、クレセント受84の固定片部86を召合框本体71の対向壁部の室内側面に当接可能となるように設けられている。この挿通孔73bは、その内周面のうちの室内側に向く面が召合框本体71の対向壁部の室内側面と面一状となるように形成されていてもよい。この挿通孔73bは、突片部73における延出片部が設けられた部位よりも基端側に設けられていてもよい。この挿通孔73bの上下方向に沿う長さ寸法や障子厚さ方向に沿う幅寸法は、固定片部86の上下方向に沿う寸法や厚さ寸法に応じた寸法とされている。
【0092】
室外側召合框70Bには、上記した框補強部材76を召合框本体71に固定する固着具9が設けられている。この固着具9は、
図12(a)、(b)に示すように、受カバー87に覆われる部位に設けられている。このような構成とすれば、框補強部材76を室外側召合框70Bに固定する固着具9とクレセント受84の固定片部86を室外側召合框70Bに固定する固着具9とを近くに設けることができ、これら固着具9の孔を加工する際や固着具9を締結する際における作業性を向上させることができる。また、クレセント受84の固定片部86とともに、框補強部材76を室外側召合框70Bに固定する固着具9を受カバー87によって覆うことができ、見栄えを向上させることができ、また、固着具9からの熱伝導を抑制することができ、断熱性を向上させることができる。
【0093】
固定片部86には、
図11(a)及び
図12(a)に示すように、框補強部材76を室外側召合框70Bに固定する固着具9の頭部9aを受け入れる頭部受入部86aが設けられている。このような構成とすれば、框補強部材76を室外側召合框70Bに固定する固着具9の頭部9aに固定片部86が干渉しないように、固定片部86の見付方向に沿う寸法を小さくしたり、室外側召合框70Bの見付寸法や受カバー87の召合框長手方向に沿う寸法を大きくしたりする必要がない。
頭部受入部86aは、固定片部86の上下方向略中央部に設けられている。この頭部受入部86aは、固定片部86における挿通孔73bへの差込方向先端側部位を厚さ方向に貫通し、かつ差込方向先端側に向けて開口するように切欠状に形成されている。頭部受入部86aとしては、このような差込方向先端側に向けて開口する形状に限られず、貫通孔等でもよい。
【0094】
固定片部86には、当該固定片部86(クレセント受84)を室外側召合框70Bに固定する固着具9が挿通される固着具挿通孔86bが設けられている。図例では、固定片部86に、頭部受入部86aの上下方向両側にそれぞれ位置するように2つの固着具挿通孔86b,86bを設けた例を示している。また、これら固着具挿通孔86b,86bを、差込方向に長尺な長孔状とした例を示している。
また、固定片部86には、
図11(a)に示すように、挿通孔73bに差し込まれる固定片部86の室外側召合框70Bに対する見付方向の位置決めの際の目印となる目印部86cが設けられている。このような構成とすれば、固定片部86を室外側召合框70Bに対して適切な位置に固定することができる。図例では、目印部86cは、固定片部86の室内側面に形成された線状(溝状)とされ、固定片部86の上下方向両側部位に設けられた例を示しているが、このような例に限られない。この目印部86cが突片部73の延出片部先端と一致する位置となるように固定片部86を位置合わせするようにしてもよい。
【0095】
受カバー87は、
図11(b)及び
図12(c)に示すように、厚さ方向が障子厚さ方向と同方向となる略平板状とされている。この受カバー87は、厚さ方向に見て(正面視して)略方形状とされている。この受カバー87の上下方向に沿う寸法は、固定片部86の上下方向に沿う寸法よりも大とされている。また、この受カバー87の左右方向に沿う寸法は、室外側召合框70Bの見付方向に沿う寸法に応じた寸法とされている。
この受カバー87の室内側面87aは、室内側に向けて凸となる湾曲面状に形成されている。このような構成とすれば、室外側召合框70Bの薄型化を図るべく突片部73及びシール突片部74の突出寸法を小さくし、受カバー87が僅かに室内側に突出して室内側障子40Aの室内側召合框70A等が擦るように接触する際にも抵抗を小さくすることができる。この受カバー87の室内側面87aは、受カバー87の見付方向中央側部位から見付方向両外側に向かうに従い室外側に傾斜するような湾曲面でもよい。受カバー87の室内側面87aは、このような湾曲面に代えて、受カバー87の框長手方向中央側部位から框長手方向両外側に向かうに従い室外側に傾斜するような湾曲面でもよい。図例では、受カバー87の室内側面87aは、受カバー87の正面視中央側部位から見付方向両外側及び框長手方向両外側の両方に傾斜する湾曲面とされている。
【0096】
受カバー87は、室外側召合框70Bに着脱自在に取り付けられる。この受カバー87は、室外側召合框70Bに取り付けられた状態で、その室内側面87aが突片部73及びシール突片部74よりも僅かに室内側に突出する構成とされている。
受カバー87の見付方向一方側となる戸先側の端部には、突片部73に係止される第1被係止部88が設けられている。受カバー87の見付方向他方側となる召合側端面側の端部には、シール突片部74に係止される第2被係止部89が設けられている。
第1被係止部88は、突片部73によって区画される係止凹部に嵌め込まれる。第1被係止部88は、受カバー87の裏面(室外側面)側に固定片部86の受け入れが可能となるように、受カバー87の戸先側の端部の框長手方向両端側のそれぞれに設けられている(
図11(c)参照)。換言すれば、受カバー87は、その第1被係止部88,88間に固定片部86の受け入れが可能な構成とされている。また、第1被係止部88,88は、室外側召合框70Bに固定された固定片部86の框長手方向両側において係止凹部に係止される。
【0097】
第2被係止部89は、シール突片部74によって区画される係止凹部に嵌め込まれる。第2被係止部89は、受カバー87の召合側端面側の端部の全体に亘って設けられている。なお、このような態様に代えて、第1被係止部88と概ね同様、第2被係止部89を受カバー87の召合側端面側の端部の框長手方向両端側等に設けた構成としてもよい。
受カバー87の裏面は、
図11(c)に示すように、上記のように突湾曲面状とされた室内側面87aに対応する凹湾曲面状とされている。この受カバー87の裏面側には、固定片部86を固定する固着具9の頭部9aを受け入れる凹部87bが設けられている。このような構成とすれば、受カバー87の室内側への突出寸法を効果的に小さくすることができる。図例では、上記した固定片部86に設けられた2つの固着具挿通孔86b,86bに対応させて2つの凹部87b,87bを設けた例を示している。また、この受カバー87の裏面側の框長手方向両端縁部に、受カバー87を室外側召合框70Bから脱離させる際に適宜の治具の差込を可能とする切欠状の凹所が設けられていてもよい。
受カバー87やこれに覆われるクレセント受84の固定片部86としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0098】
内窓装置1は、
図2及び
図3に示すように、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される障子40,40の召合框70,70の框長手方向の端部との隙間を塞ぐように上枠11及び下枠15に取り付けられる風止板30,30を備えている。このような構成とすれば、召合框70,70の框長手方向の端部と上枠11及び下枠15との隙間を風止板30,30によって塞ぐことができ、気密性を向上させることができる。
図13(a)、(b)に示すように、上枠11及び下枠15のうちの少なくとも一方には、風止板30の被位置決め部(32)が位置合わせられる位置決め穴(19)が設けられている。このような構成とすれば、上枠11及び下枠15のうちの少なくとも一方の位置決め穴(19)に、風止板30の被位置決め部(32)を位置合わせることで風止板30を容易に取り付けることができる。
【0099】
位置決め穴(19)は、上枠11及び下枠15のうちの少なくとも一方を固定する固着具9の固着具孔19である。このような構成とすれば、上枠11及び下枠15のうちの少なくとも一方を固定する固着具9の固着具孔19を位置決め穴として機能させることができる。この固着具孔(位置決め穴)19は、上枠11及び下枠15の両方に設けられていてもよく、上枠11のみに設けられていてもよいが、以下では、下枠15に設けられた固着具孔19を例にとって説明する。また、風止板30,30は、上枠11に取り付けられた上枠側風止板30Aと下枠15に取り付けられた下枠側風止板30Bとを含むが、以下では、共通の構成については、下枠側風止板30Bを例にとって風止板30として説明する。
【0100】
固着具孔19は、下枠15の固定片部16を貫通するように形成されている。この固着具孔19は、下枠15の室内側レール部17Aと室外側レール部17Bとの間に位置するように設けられている。この固着具孔19は、閉鎖状態で対向する召合框70,70の間に位置するように設けられていてもよい。また、この固着具孔19は、下枠15の長手方向略中央部に設けられていてもよい。
固着具孔19は、丸孔状とされている。図例では、固着具孔19は、真円状の丸孔とされている。この固着具孔19の孔径は、固着具9の軸部が挿通可能で、かつ頭部の外径よりも小であればよい。
【0101】
風止板30の被位置決め部(32)は、風止板30を貫通する被位置決め孔32である。このような構成とすれば、固着具孔19に被位置決め孔32を重ね合わせて風止板30を取り付けることができる。
被位置決め孔32の孔径は、固着具孔19の孔径以上である。このような構成とすれば、被位置決め孔32内に固着具孔19を位置させるように風止板30を位置合わせして容易に取り付けることができる。
被位置決め孔32と固着具孔19とは、同形状とされている。このような構成とすれば、互いの穴心同士を一致させるようにして重ね合わせて風止板30を位置合わせし易くなる。
被位置決め孔32は、平面視して風止板30の中央部に設けられ、風止板30における被位置決め孔32の枠長手方向両側に、召合框70の端部に向けて延出するひれ部33が点対称状の位置となるように設けられている。このような構成とすれば、風止板30を、その枠長手方向の両側をいずれ側にしても取り付けることができ、風止板30を取り付ける際における作業性をより向上させることができる。
【0102】
具体的には、風止板30は、厚さ方向が上下方向となるように配される略板状とされ、下枠15の固定片部16に沿わせられる基板部31を備えている。この基板部31は、厚さ方向に見て(平面視して)下枠15の長手方向に長尺状の方形状とされている。この基板部31の枠見込方向に沿う幅寸法は、室内側レール部17Aと室外側レール部17Bとの間の寸法に応じた寸法とされている。この基板部31の枠長手方向に沿う長さ寸法は、召合框70の見付寸法に応じた寸法でもよい。
被位置決め孔32は、この基板部31の平面視中央部を貫通するように設けられている。この被位置決め孔32の孔径は、固着具孔19の孔径よりも大でもよく、固着具9の頭部の外径よりも大でもよい。このような構成とすれば、被位置決め孔32内に固着具9の頭部を納めることができ、固着具9の頭部がひれ部33や障子40と干渉し難くなる。
風止板30には、枠長手方向に間隔を空けて複数のひれ部33が設けられている。これらひれ部33は、被位置決め孔32の枠長手方向の両側のそれぞれに設けられている。また、被位置決め孔32の枠長手方向の両側のそれぞれにおいて複数のひれ部33を枠長手方向に間隔を空けて設けた構成としている。図例では、被位置決め孔32の枠長手方向の両側のそれぞれに4つのひれ部33を設けた例を示しているが、このような例に限られない。
【0103】
これらひれ部33は、同様の構成とされ、基板部31から召合框70側に向けて突出するように設けられ、かつ厚さ方向が枠長手方向となるように配される薄板状とされている。図例では、ひれ部33は、枠見込方向に3分割されており、枠見込方向中央部のひれ片部の突出寸法が枠見込方向両側のひれ片部の突出寸法よりも大とされている。これらひれ部33が障子厚さ方向に対向する召合框70,70の端面(下端面)における対向側部位にそれぞれ当接し、また、これらの間を塞ぎ、風等の侵入を軽減する(
図3参照)。
上枠側風止板30Aは、
図3に示すように、そのひれ部33の突出寸法が下枠側風止板30Bのひれ部33の突出寸法よりも大とされているが、その他の構成については下枠側風止板30Bと略同様である。
これら風止板30,30は、上記同様、軟質樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴム等から形成されていてもよい。また、これら風止板30,30は、粘着材や接着剤等によって上枠11及び下枠15の固定片部12,16に固定されてもよい。
上記した例では、風止板30の被位置決め部を、固着具孔19と同形状でこれよりも大径の被位置決め孔32とした例を示しているが、このような構成に限られず、例えば、切欠状の凹所等としてもよい。
また、風止板30,30は、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0104】
また、枠体10には、
図13(b)に示すように、少なくとも製品情報37を含むラベル(ステッカー)36が貼着されている。図例では、下枠15の固定片部16に貼着されたラベル36を示しているが、上枠11及び左右の縦枠20,20にも同様なラベルが貼着されている。
このラベル36には、製品情報37に加え、設置方向(室内外)を示す設置方向指示情報38が付されている。このように製品情報37と設置方向指示情報38とを同一のラベル36に設けた構成とすることで、これらが個別のラベルに設けられてそれぞれ貼着されたような構成と比べて、施工後に剥がす手間や廃棄物を削減することができる。
図例では、ラベル36に、製品情報37として、型番等と携帯情報端末等で読取可能な二次元コード(QRコード(登録商標))とを付した例を示している。また、ラベル36に、設置方向指示情報38として、室内側の文字表記と室内側を指す矢印とを付した例を示している。
また、ラベル36には、当該ラベル36の貼着対象を示す部品情報39が付されている。図例では、ラベル36に、部品情報39として下枠の文字表記を付した例を示しているが、上枠11や左右の縦枠20,20に貼着されたラベルには、それぞれの名称が付されることとなる。
【0105】
また、枠体10には、
図2に示すように、全開された障子40,40の召合框70,70が当接するストッパー34,35が設けられている。図例では、下枠15側のストッパー34,35のみを例示しているが、上枠11側にも同様に設けられている。以下では、下枠15側のストッパー34,35について説明するが、上枠11側に設けられるストッパー34,35の構成については上下を逆として把握するようにすればよい。
これらストッパー34,35は、それぞれの左右方向中心線を対称軸として左右対称状の形状とされている。このような構成とすれば、図例のように室内側障子40Aと室外側障子40Bとが右前(右勝手)状に配された構成のみならず、左前(左勝手)状に配された構成にも適用可能となる。つまり、これらストッパー34,35を左右兼用部品とできる。
【0106】
具体的には、室外側障子40Bの室外側召合框70Bが当接する室外側ストッパー35は、下枠15の長手方向一方側の端部に固定されている。
この室外側ストッパー35は、
図13(c)~(e)に示すように、固定対象側となる下枠15の固定片部16側に向く面としての下面及びこれとは逆側に向く面としての上面が略水平面状で平坦面状の概ね直方体形状とされている。この室外側ストッパー35の上面と下面とは、略相似形状とされ、かつ上面の面積よりも下面の面積が小とされている。つまり、室外側ストッパー35は、上端から下端に向かうに従い先細り状に形成されている。このような構成とすれば、室外側ストッパー35を成形する際の抜き勾配を製品形状に利用することができる。
この室外側ストッパー35の四周側面のうちの下枠15の室外側レール部17Bの室内側面に当接または近接される室外側面35aは、上端から下端に向かうに従い僅かに室内側となるように傾斜するように形成されている。この室外側面35aの下端部には、その上方側部位よりも傾斜角度が僅かに大とされた傾斜面35bが設けられている。この傾斜面35bは、室外側レール部17Bと固定片部16との入隅部の凹湾曲面形状とされた部位に干渉しないように形成されていてもよい。
【0107】
この室外側ストッパー35の四周側面のうちの左右方向両側の側面35d,35dも同様、上端から下端に向かうに従い僅かに近接する側となるように傾斜するように形成され、
室内側に向く室内側面35cも同様、上端から下端に向かうに従い僅かに室外側となるように傾斜するように形成されている。また、室内側面35cと両側の側面35d,35dとの角部には、C面取状の傾斜面35e,35eが設けられている。これら傾斜面35e,35eは、
図5に示すように、これらのうちの一方が近接される第2シール部26に干渉しないように形成されていてもよい。
【0108】
この室外側ストッパー35の上下方向に沿う寸法は、室外側障子40Bの室外側召合框70Bの端部(下端部)が安定的に当接し、また、破損等を抑制する観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、室外側ストッパー35の上下方向に沿う寸法を、室外側レール部17Bの突出寸法よりも大とした例を示しているが、このような例に限られない。
また、室外側ストッパー35の枠見込方向に沿う寸法も同様の観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、室外側ストッパー35の枠見込方向に沿う寸法を、室外側レール部17Bから第1シール部25までの枠見込方向に沿う寸法よりも僅かに小とした例を示しているが、このような例に限られない。
この室外側ストッパー35の左右方向に沿う寸法は、全開状態の室外側障子40Bの室外側召合框70Bが縦枠20の室外側突片部23に接触しないように、また、全開状態の室外側障子40Bによる有効開口幅を大きくする観点等から適宜の寸法としてもよい。
【0109】
室内側障子40Aの室内側召合框70Aが当接する室内側ストッパー34は、
図2に示すように、下枠15の長手方向他方側の端部に固定されている。
この室内側ストッパー34も上記した室外側ストッパー35と概ね同様、固定対象側となる下枠15の固定片部16側に向く面としての下面及びこれとは逆側に向く面としての上面が略水平面状で平坦面状の概ね直方体形状とされている。また、この室内側ストッパー34も上記同様、その上面と下面とが略相似形状とされ、かつ上面の面積よりも下面の面積が小とされている。
この室内側ストッパー34は、室内側レール部17Aを跨ぐように下枠15の固定片部16に固定されている。この室内側ストッパー34の下面側には、室内側レール部17Aを受け入れる適宜の受入溝が設けられている。この室内側ストッパー34の四周側面も上記した室外側ストッパー35と概ね同様、僅かに傾斜するように形成され、また、第2シール部26に干渉しないように形成されていてもよい。
【0110】
この室内側ストッパー34の上下方向に沿う寸法や枠見込方向に沿う寸法も、上記同様な観点等から適宜の寸法としてもよい。
この室内側ストッパー34の左右方向に沿う寸法は、全開状態の室内側障子40Aの錠本体81が縦枠20の室内側突片部22に接触しないように、また、全開状態の室内側障子40Aによる有効開口幅を大きくする観点等から適宜の寸法としてもよい。この室内側ストッパー34の左右方向に沿う寸法は、解錠側に操作されて室内側に突出した錠本体81のレバー82が縦枠20の室内側突片部22に接触しないように適宜の寸法としてもよい。
上記した各ストッパー34,35は、適宜の樹脂成形品でもよい。また、各ストッパー34,35は、下枠15の裏面側から止着される適宜の固着具等によって下枠15に固定されてもよい。
また、各ストッパー34,35は、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0111】
次に、内窓装置の一変形例について、
図14を参照して説明する。
以下の変形例では、先に説明した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、その説明を省略または簡略に説明する。また、以下の変形例では、先に説明した例と同様に奏する作用効果についても説明を省略または簡略に説明する。
【0112】
図14に示す変形例に係る内窓装置1Aは、障子40の戸先框60に、手掛部材90を取り付けた構成とされている。また、戸先框60の障子厚さ方向両側のそれぞれに手掛部材90,90を取り付けた例を示している。図例では、室内側障子40Aの室内側戸先框60Aのみを例示しているが、室外側障子40Bの室外側戸先框60Bにも同様の手掛部材90,90を取り付けた構成としてもよい。
これら手掛部材90,90には、上記した凹段部63の段差及び手掛凹部64の深さ寸法よりも深さ寸法が大とされた手掛凹部91,91が設けられている。これら手掛部材90,90は、戸先框60の障子厚さ方向の各面よりも障子厚さ方向に突出するように設けられている。
これら手掛部材90,90は、戸先框本体61の上下方向途中部位の凹段部63の段底面63aを構成する部位及び手掛凹部64を区画する凹部区画部64aを切除して形成された取付開口63A,64Aに嵌め込まれて固定されている。また、これら手掛部材90,90は、取付開口63A,64Aのそれぞれを介して上記した框補強部材65の障子厚さ方向両側に設けられた溝状部にそれぞれの一部を差し入れるようにして固定されている。これら手掛部材90,90は、適宜の固着具や接着剤、粘着材等によって戸先框60に固定されていてもよい。
【0113】
室内側障子40Aの室内側戸先框60Aの室外側に取り付けられた手掛部材90(室外側手掛部材90B)及び図示省略の室外側障子40Bの室外側戸先框60Bの室内側に取り付けられた手掛部材(室内側手掛部材)は、閉鎖位置でシール支持片部24やその第1シール部25に干渉しないように設けられている。
また、室内側障子40Aの室外側手掛部材90B及び室外側障子40Bの室内側手掛部材は、他方の障子に対して引き違う際に、他方の障子の召合框70に設けられたシール突片部74に接触しないように設けられている。好ましくは、室内側障子40Aの室外側手掛部材90B及び室外側障子40Bの室内側手掛部材は、シール突片部74に設けられたシール部75に過度に接触しない程度または僅かに接触する程度に形成されていてもよく、より好ましくは、シール部75に接触しないように形成されていてもよい。換言すれば、室内側障子40Aの室外側手掛部材90B及び室外側障子40Bの室内側手掛部材は、これらの突出方向先端面が、これらが設けられた障子の突片部73の受部73aと同一平面状または受部73aよりも障子厚さ方向中心側となるように設けられていてもよい。
【0114】
室内側障子40Aの室内側戸先框60Aの室内側に取り付けられた手掛部材90(室内側手掛部材90A)及び図示省略の室外側障子40Bの室外側戸先框60Bの室外側に取り付けられた手掛部材(室外側手掛部材)は、閉鎖位置で収納部29を区画する突片部(室内側突片部22または室外側突片部23)に干渉しないように設けられている。
これら手掛部材90,90は、適宜の樹脂成形品でもよい。また、手掛部材90,90としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
このような手掛部材90,90は、特に開閉時における操作に要する荷重が大となる傾向のある窓、例えば、掃出窓に当該内窓装置1Aを適用した場合に設けるようにしてもよい。このような掃出窓に当該内窓装置1Aを適用する場合には、室内側障子40Aの室内側召合框70Aに、手掛可能となるように室内側に向けて突出する突出部を設けた構成としてもよい。
【0115】
上記した例では、内窓装置1,1Aに、スライド自在とされた2枚の障子40,40を設けた例を示しているが、3枚以上の障子を設けた構成としてもよく、また、複数枚の障子40のうちの1枚がスライド不能な固定窓を構成してもよい。
また、上記した例では、本実施形態に係る窓装置(1,1A)を、外窓3の室内側に配される内窓装置とした例を示しているが、このような外窓3とによって二重窓を構成する態様に代えて、当該窓装置(1,1A)が外窓として施工されてもよい。
本実施形態に係る内窓装置(窓装置)1,1Aが備える各部材及び各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
【0116】
<付記>
以上の実施の形態の記載により、以下の技術が開示される。
<技術1>
複数枚の障子と、これらがスライド自在に建て付けられる枠体と、を備えた窓装置であって、前記枠体を構成する上枠及び下枠のうちの少なくとも一方には、閉鎖状態で障子厚さ方向に重なり合うように配置される前記複数枚の障子の召合框の框長手方向の端部との隙間を塞ぐように取り付けられる風止板の被位置決め部が位置合わせられる位置決め穴が設けられている窓装置。
<技術2>
前記位置決め穴は、前記上枠及び前記下枠のうちの少なくとも一方を固定する固着具の固着具孔である技術1に記載の窓装置。
<技術3>
前記風止板の被位置決め部は、該風止板を貫通する被位置決め孔である技術1または技術2に記載の窓装置。
<技術4>
前記被位置決め孔の孔径が前記位置決め穴の孔径以上である技術3に記載の窓装置。
<技術5>
前記被位置決め孔と前記位置決め穴とは、同形状である技術3または技術4に記載の窓装置。
<技術6>
前記被位置決め孔は、平面視して前記風止板の中央部に設けられ、該風止板における前記被位置決め孔の枠長手方向両側には、前記召合框の端部に向けて延出するひれ部が点対称状の位置となるように設けられている技術3~技術5のいずれか1項に記載の窓装置。
【符号の説明】
【0117】
1,1A 内窓装置(窓装置)
10 枠体
11 上枠
15 下枠
19 固着具孔(位置決め穴)
30 風止板
32 被位置決め孔(被位置決め部)
33 ひれ部
40 障子
70 召合框
9 固着具