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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025151772
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5375 20140101AFI20251002BHJP
   A63F 13/216 20140101ALI20251002BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20251002BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20251002BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20251002BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/216
A63F13/65
A63F13/45
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053361
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
(57)【要約】
【課題】サービスの興趣性が向上するプログラムを提供する。
【解決手段】現実空間における位置が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、現実空間における第1位置へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベントと、現実空間における第2位置へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベントと、第2位置を経由して第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能にする案内手段として機能させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間における位置が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するためのプログラムであって、
コンピュータを、
現実空間における第1位置へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベントと、現実空間における第2位置へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベントと、前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能にする案内手段
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記第2イベントは第1イベントに関連付けられており、前記第1イベントを前記位置情報ゲームの仮想空間に配置すると、前記第2イベントも前記仮想空間に配置される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1イベント又は第2イベントの進行状況に応じて、前記第1イベント又は前記第2イベントを進行不可能にする、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第1イベントと前記第2イベントとでは、付与可能な特典が異なる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2イベントの各々は、進行可能となる前記第2位置が異なり、それぞれに識別情報が関連付けられており、
前記コンピュータを、
前記第2イベントの進行が完了した場合、同じ識別情報が対応付けられた当該第2イベントを進行不可能にするイベント管理手段として機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記案内手段は、前記第2イベントの識別情報に応じたルートを案内可能にする
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記位置情報ゲームにおけるイベントには、前記第1イベント又は前記第2イベントの進行に影響を与えない第3位置に関連付けられた第3イベントが含まれ、
前記案内手段は、前記第3位置を経由する前記ルートを案内可能にする
請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記案内手段は、複数の前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動する各ルートのうち最短のルートを案内可能にする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記案内手段は、ユーザが設定した条件に基づいて、前記第1位置まで移動する各ルートのうちの何れかを案内可能にする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記案内手段は、他のユーザの進行状況に応じたルートを案内可能にする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
複数種類のモードのうちの何れかに制御可能なモード管理手段
として機能させるプログラムであって、
前記案内手段は、現在の前記モードに応じた方法のルート案内を可能にする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
現実空間における位置が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するための情報処理システムであって、
現実空間における第1位置へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベントと、現実空間における第2位置へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベントと、前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能にする案内手段
を具備する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、現実空間における位置が特定される位置情報を利用するサービスが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-107907公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、サービスの興趣性の向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のプログラムは、現実空間における位置が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、現実空間における第1位置へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベントと、現実空間における第2位置へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベントと、前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能にする案内手段として機能させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、サービスの興趣性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】情報処理システムの各構成を説明するための図である。
図2】情報処理システムのハードウェア構成図である。
図3】情報処理システムの機能ブロック図である。
図4】プレイ画面の具体例の模擬図である。
図5】クエスト状態を開始させるための各画面の模擬図である。
図6】マップ画面の具体例の模擬図である。
図7】情報処理システムにおける各処理のフローチャートである。
図8】第2実施形態を説明するための図である。
図9】変形例を説明するための図である。
図10】他の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1は、情報処理システム1000の各構成を説明するための図である。情報処理システム1000は、端末装置100およびサーバ装置200を含んで構成される。図1に示す通り、端末装置100およびサーバ装置200は、ネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNとしては、例えば、インターネットが想定される。
【0009】
端末装置100は、ユーザにより携帯可能であり、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、および、携帯ゲーム機が採用され得る。また、端末装置100は、アプリケーションプログラムを含む各種のプログラムを記憶する。なお、実際は、複数の端末装置100がサーバ装置200と通信する。ただし、図1においては、説明のため、1個の端末装置100を抜粋して示す。
【0010】
サーバ装置200は、端末装置100がアプリケーションプログラムを実行する際に使用する各種の情報を当該端末装置100に提供する。具体的には、端末装置100およびサーバ装置200が協働することで、端末装置100において、ユーザの位置情報を利用するサービスであり、例えばユーザの位置情報を利用するゲーム(位置情報ゲームと呼ぶ)が実行可能になる。なお、図1においては、サーバ装置200が1個のサーバ装置で構成される例を示すが、サーバ装置200を複数個のサーバ装置(システム)で構成してもよい。
【0011】
端末装置100は、現実空間Srにおける位置情報を取得可能に構成される。具体的には、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)受信部を具備し、GPS信号を受信可能に構成される。以上のGPS信号には、水平面における端末装置100の位置を示す位置情報が含まれる。本実施形態では、現実空間Srの水平面における端末装置100の位置を、「ユーザ位置Pr」と記載する場合がある。以上のユーザ位置Prは、端末装置100を所持するユーザの位置を示すと推定できる。
【0012】
位置情報ゲームでは、ユーザ(端末装置100)が現実空間Srを移動することで、仮想空間Svにおける各種のイベントを実行できる。例えば、図1の具体例では、ユーザが現実空間Srにおけるイベントスポットまで移動した場合、当該イベントスポットに応じたイベントが実行可能になる。詳細には後述するが、イベントスポットから予め定められた距離(例えば、約200メートル)までの領域へユーザが移動するとイベントが開始可能になる。本実施形態では、説明のため、仮想空間Svにおいてイベントが開始可能になる現実空間Srにおける領域を「現実イベント位置ra」と記載する場合がある。
【0013】
以上の現実イベント位置ra(イベントスポット)は、現実空間Srにおける各地に設けられる。以上の構成では、ユーザは、各現実イベント位置raへ順次に移動することで、仮想空間Svにおける各種のイベントを実行可能になる。例えば、図1の具体例では、3個の現実イベント位置raへユーザが順次に移動する場合を想定する。
【0014】
ただし、各現実イベント位置raを通るルートは、1通りではないのが通常である。また、各現実イベント位置raを通るルートによってはユーザが不利になる場合が生じ得る。例えば、各現実イベント位置raを通るルートによっては、ユーザの移動時間が不必要に長くなり得る。したがって、適切なルートが選択されない場合、各イベントを完了するのに要する時間が不必要に長期化する不都合が生じ得るという事情がある。
【0015】
以上の事情を考慮して、本実施形態では、各現実イベント位置raへ移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能な構成を採用した。以下、説明のため、ユーザに案内されるルートを「ルートR」と記載する場合がある。本実施形態によれば、複数種類のルートから有利なルートRをユーザが容易に選択可能になり、上述の不都合が抑制される。以上の構成の詳細については後述する。
【0016】
図2は、情報処理システム1000のハードウェア構成図である。上述した通り、情報処理システム1000は、端末装置100およびサーバ装置200を含む。端末装置100は、図2に示す通り、処理装置101、記憶装置102、通信装置103、表示装置104、GPS受信部105、加速方位センサ106を含んで構成される。以上の各構成は、システムバスを介して通信可能に接続される。
【0017】
処理装置101は、端末装置100の全体を制御する。以上の処理装置101は、単数または複数のプロセッサで構成され得る。具体的には、処理装置101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサで構成され得る。
【0018】
記憶装置102は、基本プログラムおよびアプリケーションプログラムPGxを含む各種のプログラムを記憶する。記憶装置102としては、例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体が採用され得る。また、記憶装置102を1個の記録媒体で構成してもよいし、複数個の記録媒体で構成してもよい。アプリケーションプログラムPGxは、事前にダウンロードされ、端末装置100にインストールされる。また、記憶装置102は、位置情報ゲームで使用する各種のゲームデータ(ユーザに付与されたアイテムを示すデータ、ユーザキャラクタのステータスを示すデータなど)を記憶する。
【0019】
表示装置104は、表示パネル104aおよびタッチパネル104bを含んで構成される。 表示パネル104aは、例えば、有機EL(Electro Luminescence)で構成されるフラットディスプレイである。タッチパネル104bは、ユーザのタッチ操作を検知可能に構成される。具体的には、タッチパネル104bは、表示パネル104aに重ねて設けられ、表示パネル104aに表示された画像に対するタッチ操作を受け付ける。
【0020】
GPS受信部105は、GPS衛星からGPS信号を受信する。加速方位センサ106は、地磁気を検知する電子磁気コンパス、ジャイロコンパス、加速度センサを含む各種のセンサの組合せで構成される。通信装置103は、ネットワークNを介してサーバ装置200と通信する。
【0021】
サーバ装置200は、処理装置201、記憶装置202および通信装置203を含んで構成される。以上の各構成は、システムバスを介して通信可能に接続される。処理装置201は、サーバ装置200の全体を制御する。サーバ装置200の処理装置201は、上述の端末装置100の処理装置101と同様に、単数または複数のプロセッサで構成され得る。具体的には、処理装置201は、例えばCPU、GPU、DSP、FPGAまたはASIC等の1種類以上のプロセッサで構成され得る。
【0022】
記憶装置202は、基本プログラムおよびゲーム管理用プログラムPGyを含む各種のプログラムを記憶する。サーバ装置200の記憶装置202としては、例えば、半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体が採用され得る。なお、記憶装置202を1個の記録媒体で構成してもよいし、複数個の記録媒体で構成してもよい。また、記憶装置202は、位置情報ゲームで使用する各種のゲームデータ(ユーザに付与されたアイテムを示すデータ、ユーザキャラクタのステータスを示すデータなど)をユーザの識別子に対応させて記憶する。通信装置203は、ネットワークNを介して端末装置100と通信する。
【0023】
図3は、情報処理システム1の機能ブロック図である。図3に示す通り、本実施形態の情報処理システム1は、端末装置10および管理装置20を含んで構成される。例えば、上述の端末装置100がアプリケーションプログラムPGxを実行することで、端末装置10として機能する。また、上述のサーバ装置200がゲーム管理用プログラムPGyを実行することで、管理装置20として機能する。以上の各構成は、ネットワークNを介して通信可能である。
【0024】
端末装置10は、案内手段11、イベント管理手段12および状態管理手段13を含んで構成される。ただし、以上の各構成(機能)の一部または全部を管理装置20が具備する構成としてもよい。
【0025】
案内手段11は、現実空間Srにおける第1位置(現実イベント位置ra)へユーザが移動した場合に開始可能な第1イベント(例えば、後述のボスモンスターとのバトル)、および、現実空間Srにおける第2位置(他の現実イベント位置ra)へユーザが移動した場合に開始可能な第2イベント(後述の中ボスモンスターとのバトル)を実行可能な特定状態(後述のクエスト状態)において、第2位置を経由して第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートR(例えば、最短のルート、全ての中ボスモンスターとバトル可能なルート)を案内可能にする。
【0026】
以上の構成において、第1イベントと第2イベントとでは、付与可能な特典(例えば、アイテム)が相違する構成としてもよい。また、特定状態において、第2イベントを複数回まで実行可能な構成としてもよい。以上の構成において、案内手段11は、複数の第2位置を経由して第1位置まで移動する各ルートのうち最短のルートRを案内可能にする構成としてもよい。以上の構成については、図4(a)および図4(b)を用いて詳細に後述する。
【0027】
イベント管理手段12は、第2イベントの各々が相違するグループ(後述のグループx、グループy…)に区分される場合(図6(a)参照)において、第2イベントが実行された場合、当該第2イベントが属するグループの他の第2イベントを実行不可能にする。また、上述の案内手段11は、第2イベントが属するグループに応じたルートRを案内可能にする。以上の構成については、図6(a)~(c)を用いて詳細に後述する。
【0028】
状態管理手段13は、特定状態(クエスト状態)において第1イベントが実行されると(ボスモンスターに勝利すると)、当該特定状態における第2イベント(中ボスモンスターとのバトル)の実行の有無によらず、第2位置へユーザが移動したとしても第2イベントが開始可能とはならない所定状態(非クエスト状態)に制御する。
【0029】
上述した通り、案内手段11は、第2位置を経由して第1位置まで移動するルートRを案内する。すなわち、本実施形態によれば、第1イベントおよび第2イベントのうち第2イベントが先に開始可能になるルートRが案内される。したがって、ルートRをユーザが移動することで、第2イベントより先に第1イベントが開始されるため、当該第2イベントが実行される前に特定状態が終了する不都合が抑制される。
【0030】
図4(a)は、端末装置10に表示されるプレイ画面Mpの具体例の模擬図である。プレイ画面Mpには仮想空間Svが表示され、当該仮想空間Svにおいて位置情報ゲームが進行される。具体的には、位置情報ゲームでは、ユーザが現実空間Srを移動することで、仮想空間Svにおいて各種のイベント(モンスターとのバトル、アイテムの取得)が実行可能になる。
【0031】
仮想空間Svは、現実空間Srにおける地図情報およびユーザ位置Prに基づいて表示される。以上の地図情報は、例えば、管理装置20から端末装置10へ提供される。ただし、管理装置20が外部サーバから地図情報を取得し、当該地図情報が端末装置10へ転送される構成としてもよい。ユーザ位置Prは、上述のGPS信号を用いて特定される。
【0032】
図4(a)に示す通り、プレイ画面Mpは、各種のオブジェクトを含んで構成される。具体的には、プレイ画面Mpは、キャラクタ画像Gp、モンスター画像Gm(a、b)、アイテム画像Gi、および、地表画像Ggを含んで構成される。なお、図4(a)の具体例では、プレイ画面Mpに表示される各オブジェクトのうちの一部が抜粋して示される。
【0033】
仮想空間Svにおける地表画像Ggは、現実空間Srにおける地表に対応する領域に表示される。以上の地表画像Ggは、現実空間Srにおける地図情報に基づいて表示される。具体的には、地表画像Ggには、現実空間Srにおける道路に対応する位置に道領域が表示される。以上の地表画像Ggは、現実空間Srにおける地図を表すとも換言される。
【0034】
本実施形態の地図情報には、現実空間Srにおける道路の位置に加え、当該道路の名称および種類(主要幹線道路など)を示す情報が含まれる。地表画像Ggにおける各道領域は、当該道領域が表す道路の種類に応じた態様(幅、色彩)で表示される。例えば、主要幹線道路を表す道領域は、他の道領域より広い幅で表示される。なお、道領域が示す道路の名称が仮想空間Svに表示される構成としてもよい。
【0035】
キャラクタ画像Gpは、仮想空間Svにおけるユーザキャラクタを表す。図4(a)に示す通り、キャラクタ画像Gpは、キャラクタ位置Pvに表示される。仮想空間Svにおけるキャラクタ位置Pvは、現実空間Srのユーザ位置Prに対応する。具体的には、GPS信号から特定されるユーザ位置Prの移動に伴い、仮想空間Svにおけるキャラクタ位置Pvが移動する。すなわち、現実空間Srにおけるユーザの移動に伴い、キャラクタ画像Gpが仮想空間Svを移動する。
【0036】
以上の構成では、仮想空間Svにおける各道領域とキャラクタ位置Pv(キャラクタ画像Gp)との位置関係は、現実空間Srにおける各道路とユーザ位置Pr(ユーザ)との位置関係を示す。したがって、ユーザは、仮想空間Sv(地表画像Gg)におけるキャラクタ画像Gpの位置(Pv)を確認することで、自身の現在地(Pr)を把握可能である。例えば、ユーザが現在移動している道路を把握可能である。
【0037】
本実施形態では、現実空間Srにおけるユーザ位置Prから所定距離(例えば、約200メートル)までの領域に対応する仮想空間Svにおける領域が、可用領域に設定される。以上の可用領域は、仮想空間Svにおけるイベント(モンスターとのバトル、アイテムの取得)を開始させるために選択可能な領域である。なお、可用領域の外縁を表示する画像がプレイ画面Mpに表示される構成としてもよい。
【0038】
例えば、可用領域にモンスター画像Gmが位置する場合、ユーザは、当該モンスター画像Gmをタッチ操作(選択)することで、モンスターとのバトル(イベント)を開始できる。モンスターに勝利すると、ユーザキャラクタに経験値が付与される。ユーザキャラクタに付与された経験値の合計が予め定められた閾値に達すると、当該ユーザキャラクタのレベル(ステータス)が上がる。
【0039】
可用領域にアイテム画像Giが位置する場合、当該アイテム画像Giがタッチ操作されると、アイテムがユーザに付与される。アイテム画像Giが選択されアイテムが付与されると、当該アイテム画像Giが非表示になる。なお、アイテムが付与される契機は、アイテム画像Giが選択された場合に限定されない。例えば、モンスターに勝利した場合にアイテムが付与され得る。
【0040】
プレイ画面Mpの各オブジェクト(モンスター画像Gm、アイテム画像Gi)は、予め定められた方法で仮想空間Svにおける各イベントスポットに配置される。以上の仮想空間Svにおけるイベントスポットの位置は、図1で説明した現実空間Srにおけるイベントスポットの位置に対応する。また、図1で説明した「現実イベント位置ra」は、現実空間Srにおけるイベントスポットから上述の可用領域を規定する距離(約200メートル)までの領域を意味する。
【0041】
以下、説明のため、現実空間Srにおける現実イベント位置raに対応する仮想空間Svにおける領域を「仮想イベント位置va」と記載する場合がある。仮想イベント位置vaにキャラクタ位置Pvが位置することは、現実イベント位置raにユーザ位置Prが位置することとも換言される。したがって、キャラクタ位置Pvが仮想イベント位置vaへ移動すると、当該仮想イベント位置vaに配置されたオブジェクトが選択可能になり、当該オブジェクトに応じたイベントが開始可能になる。
【0042】
本実施形態のモンスター画像Gmは、中ボスモンスター画像Gma、ボスモンスター画像Gmbおよび通常モンスター画像Gmcを含む。中ボスモンスター画像Gmaは、当該中ボスモンスター画像Gmaに対応する中ボスモンスターを表す。また、ボスモンスター画像Gmbは、当該ボスモンスター画像Gmbに対応するボスモンスターを表し、通常モンスター画像Gmcは、当該通常モンスター画像Gmcに対応する通常モンスターを表す。
【0043】
詳細には図5を用いて後述するが、本実施形態は、クエスト状態に制御可能に構成される。以上のクエスト状態が開始されると、当該クエスト状態に応じた中ボスモンスター画像Gmaおよびボスモンスター画像Gmbがプレイ画面Mpに配置される。図4(a)の具体例は、クエスト状態に制御されている場合を想定する。後述の図4(b)についても同様である。なお、以下において説明のため、クエスト状態ではない状態を「非クエスト状態」と記載する場合がある。通常モンスター画像Gmcは、クエスト状態であるか非クエスト状態であるかによらず表示されるモンスター画像Gmである。
【0044】
中ボスモンスター画像Gma、ボスモンスター画像Gmbおよび通常モンスター画像Gmcは、各々が区別可能な態様でプレイ画面Mpに表示される(後述のマップ画面Mtにおいても同様)。具体的には、中ボスモンスター画像Gmaおよびボスモンスター画像Gmbは、通常モンスター画像Gmcより大きく表示される。また、ボスモンスター画像Gmbは中ボスモンスター画像Gmaより大きく表示される。
【0045】
ただし、各モンスター画像Gmをプレイ画面Mpにおいて区別可能にするための構成は以上の例に限定されない。例えば、中ボスモンスター画像Gmaの近傍に「お中ボスモンスター」という文字列が表示される構成としてもよい。また、ボスモンスター画像Gbmに替えて、ボスモンスターが潜む場所(洞穴など)を表すオブジェクトが表示される構成としてもよい。
【0046】
詳細には後述するが、ボスモンスター画像Gmbは、複数個の仮想イベント位置va(イベントスポット)のうちからユーザが選択した仮想イベント位置vaに表示される(後述の図5(b)参照)。一方、中ボスモンスター画像Gmaは、クエスト状態が開始されると、各仮想イベント位置va(イベントスポット)の何れかにランダムに配置される。通常モンスター画像Gmcは、クエスト状態であるか非クエスト状態であるかによらず、仮想イベント位置vaの何れかに表示される(アイテム画像Giも同様)。
【0047】
通常モンスター画像Gmcが選択されると、当該通常モンスター画像Gmcに対応する通常モンスターとのバトルが開始される。同様に、中ボスモンスター画像Gmaが選択されると、中ボスモンスターとのバトルが開始される。中ボスモンスターに勝利した場合、通常モンスターに勝利した場合と比較して、ユーザに有利な特典が付与され易い。例えば、中ボスモンスターに勝利した場合、通常モンスターに勝利した場合と比較して、ユーザに有利なアイテム(例えば、ユーザキャラクタのステータスを向上させるアイテム)が付与され易い。
【0048】
ボスモンスターに勝利した場合、中ボスモンスターに勝利した場合と比較して、より有利な特典がユーザに付与される。具体的には、ボスモンスターに勝利した場合、中ボスモンスターに勝利した場合と比較して、より有利なアイテムがユーザに付与され易い。なお、中ボスモンスターに勝利した場合に付与される特典は、ボスモンスターに勝利した場合に付与される特典より、ユーザに有利な構成としてもよい。
【0049】
ただし、クエスト状態においてボスモンスターに勝利した場合、中ボスモンスターに勝利済みであるか否かに関わらず、当該クエスト状態が終了し、非クエスト状態へ移行する。非クエスト状態へ移行すると、中ボスモンスター画像Gmaがプレイ画面Mpから非表示になり、中ボスモンスターとのバトルが開始不可能になる。
【0050】
以上のクエスト状態では、中ボスモンスターに勝利した後にボスモンスターとのバトルが実行される様にユーザはゲームを進行する。具体的には、ユーザは、中ボスモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置raへ移動した後に、ボスモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置raへ移動するルートを移動する。
【0051】
例えば、図4(a)の具体例では、クエスト状態において、中ボスモンスター画像Gmaが仮想イベント位置va1および仮想イベント位置va2に配置され、ボスモンスター画像Gmbが仮想イベント位置va3に配置された場合を想定する。以上の場合、ユーザは、先ず仮想イベント位置va1または仮想イベント位置va2の一方に対応する現実イベント位置raへ移動し、中ボスモンスターとのバトルを実行する。その後、仮想イベント位置va1または仮想イベント位置va2のうちの他方に対応する現実イベント位置raへ移動し、他の中ボスモンスターとのバトルを実行する。各中ボスモンスターに勝利した後に、ボスモンスター画像Gmbが配置された仮想イベント位置va3に対応する現実イベント位置raへ移動する。
【0052】
ところで、中ボスモンスターとのバトルを実行した後に、ボスモンスターとのバトルを実行可能なルートは、1通りではないのが通常である。また、ルートによってはユーザが不利になる場合が生じ得る。例えば、ユーザが選択したルートによっては、ボスモンスターとのバトルが可能な現実イベント位置raに到達するまでの移動時間が不必要に長くなり得る。したがって、適切なルートが選択されない場合、クエスト状態を終了するのに要する時間が不必要に長期化してしまう不都合が生じ得る。
【0053】
以上の事情を考慮して、本実施形態では、ユーザの現在地(ユーザ位置Pr)からボスモンスターとのバトルを開始可能な現実イベント位置raまでの各ルートから、ユーザに有利なルートRを案内可能な構成を採用した。具体的には、図4(a)に示す通り、プレイ画面Mpには案内ボタンGb1が表示される。以上の案内ボタンGb1がタッチ操作されると、端末装置10が案内状態または非案内状態に切替えられる。案内状態では、ユーザ位置Prからボスモンスターとのバトルが開始可能となる現実イベント位置raまでの各ルートのうちユーザに有利なルートRが案内される。図4(a)の具体例は、非案内状態におけるプレイ画面Mpを想定する。
【0054】
図4(b)は、案内状態におけるプレイ画面Mpの具体例の模擬図である。案内状態では、プレイ画面Mpにルート画像Grが表示される。以上のルート画像Grは、ユーザ位置Prからボスモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置raまでの各ルートのうちユーザに有利なルートRを案内するための画像である。詳細には後述するが、本実施形態では、クエスト状態において勝利可能な中ボスモンスターの全てとバトル可能な各ルートのうち最短のルートRがルート画像Grにより案内される(図6(b)参照)。
【0055】
図4(b)に示す通り、ルート画像Grは、始点がキャラクタ位置Pvの近傍に位置し、且つ、終点がボスモンスター画像Gmbの仮想イベント位置vaに位置する矢印を示す。また、ルート画像Grは、地表画像Ggのうち、ルートRに対応する道領域に表示される。以上のルート画像Grによれば、ユーザが自身に有利なルートを容易に選択可能になる。なお、ルートRを案内するための構成は、以上の構成(ルート画像Gr)に限定されない。ルートRを案内するための他の構成は、変形例(図10(a)および図10(b)参照)として後述する。
【0056】
図4(a)に説明を戻す。プレイ画面Mpには、上述の案内ボタンGb1に加え、クエストボタンGb2、マップ表示ボタンGb3およびオートプレイボタンGb4が表示される。
【0057】
オートプレイボタンGb4がタッチ操作されると、オートモードへ移行する。以上のオートモードでは、キャラクタ位置Pvが仮想イベント位置vaの内側へ移動すると、当該仮想イベント位置vaに配置されたオブジェクトが自動で(タッチ操作しなくても)選択され、当該オブジェクトに対応するイベントが実行される。また、オートモードでは、開始されたイベントが自動で進行され終了する。
【0058】
上述のルート画像Grは、オートモードにおいてもプレイ画面Mpに表示される。上述した通り、オートモードでは、ユーザが移動する際にイベントの実行操作が省略できる。したがって、例えば、ユーザが移動する際にルート画像Grの確認作業に加えイベントの実行操作が必須の構成と比較して、案内状態におけるユーザの利便性が向上する。なお、ユーザの移動速度が予め定められた速度より遅い場合、オートモードであっても各イベントが自動で実行されない構成としてもよい。
【0059】
マップ表示ボタンGb3がタッチ操作されると、プレイ画面Mpがマップ画面Mt(後述の図6(b)参照)に切替えられる。マップ画面Mtは、仮想空間Svの鳥観図であり、プレイ画面Mpより仮想空間Svの広域が表示される。以上の構成については、図6(b)を用いて詳細に説明する。
【0060】
クエストボタンGb2がタッチ操作されると、クエスト状態へ移行可能になる。具体的には、クエストボタンGb2がタッチ操作されると、クエスト開始画面Mqが端末装置10に表示される。ユーザは、クエスト開始画面Mqを介してクエスト状態を開始可能である。以上の構成については、図5(a)および図5(b)を用いて詳細に説明する。
【0061】
図4(a)および図4(b)に示す通り、プレイ画面Mpは、仮想空間Svを俯瞰図で表示する。本実施形態では、仮想空間Svにおいて各オブジェクトを見る角度(以下「視線角度θ」)を変更可能に構成される。なお、以上の「視線角度θ」とは、仮想空間Svにおける視線方向と地表画像Ggのなす角の大きさを意味する。
【0062】
具体的には、プレイ画面Mp(タッチパネル104b)がピンチ操作されると視線角度θが変更される。本実施形態では、視線角度θを「約0度≦θ≦約90度」の範囲で変更できる。また、視線角度θが0度に近いほど、地表画像Ggに近い視点で見た場合の仮想空間Svが表示される。以上の構成によれば、ルート画像Grを仮想空間Svにおける様々な視点から確認することが出来る。したがって、ルート画像Grにより案内されたルートRが確認し易いという利点がある。
【0063】
図5(a)は、クエスト開始画面Mqの具体例の模擬図である。上述した通り、クエスト開始画面Mqは、プレイ画面MpにおけるクエストボタンGb2がタッチ操作された場合に表示される。ただし、クエスト開始画面Mqが表示される契機は以上の例に限定されない。
【0064】
本実施形態では、複数種類のクエスト状態の何れかで位置情報ゲームを進行可能である。各クエスト状態は、当該クエスト状態が開始される際に配置される中ボスモンスターの種類およびボスモンスターの種類が相違する場合がある。また、クエスト状態において勝利可能な中ボスモンスターの数には制限がある。各クエスト状態では、中ボスモンスターの種類が共通であっても、当該中ボスモンスターに勝利可能な回数が相違する場合がある。
【0065】
具体的には、図5(a)に示す通り、クエスト開始画面Mqは、複数個のクエスト画像Gqで構成されるクエストリストを表示する。クエスト画像Gqの各々は、複数種類のクエスト状態のうちの何れかに対応する。また、クエスト画像Gqは、当該クエスト画像Gqに対応するクエスト状態の内容を表示する。具体的には、クエスト画像Gqは、当該クエスト画像Gqに対応するクエスト状態の名称、当該クエスト状態で配置される中ボスモンスター画像Gmaおよびボスモンスター画像Gmbを表示する。
【0066】
また、クエスト画像Gqには、クエスト状態において中ボスモンスターに勝利可能な回数が示される。例えば、各クエスト状態のうちクエスト状態Aでは、中ボスモンスター画像Gma1に対応する中ボスモンスター(以下「中ボスモンスターA」)に1回だけ勝利可能であり、中ボスモンスター画像Gma3に対応する中ボスモンスターに1回だけ勝利可能である。一方、各クエスト状態のうちクエスト状態Bでは、中ボスモンスターAに2回まで勝利可能であり、中ボスモンスター画像Gma2に対応する中ボスモンスター(以下「中ボスモンスターB」)に1回だけ勝利可能である。以上の構成では、ボスモンスターとのバトル(第1イベント)をクリアした場合に加え、中ボスモンスターとのバトル(第2イベント)のクリア回数が上限回数に達した場合、中ボスモンスターとのバトルが進行不可能になる。また、中ボスモンスターとのバトルのクリア回数が上限回数に達した場合、中ボスモンスター画像Gmaは配置されなくなる。
【0067】
クエスト開始画面Mqには、最大で例えば60個のクエスト画像Gqを表示可能である。例えば、クエスト開始画面Mq(タッチパネル104b)がスワイプ操作された場合、表示されるクエスト画像Gqが切替えられる。また、図5(a)に示す通り、各クエスト画像Gqには、開始ボタンGbxが含まれる。クエスト画像Gqにおける開始ボタンGbxがタッチ操作されると、当該クエスト画像Gqに対応するクエスト状態が開始可能になる。具体的には、クエスト画像Gqの開始ボタンGbxがタッチ操作されると、目的地設定画面Mqt(後述の図5(b)参照)が表示される。
【0068】
図5(b)は、目的地設定画面Mqtの具体例の模擬図である。上述した通り、目的地設定画面Mqtは、クエスト開始画面Mqのクエスト画像Gqにおける開始ボタンGbxがタッチ操作されると表示される。
【0069】
本実施形態では、クエスト状態の目的地となる仮想イベント位置vaをユーザが選択可能に構成される。上述した通り、クエスト状態の目的地は、ボスモンスターとのバトルが開始可能な仮想イベント位置vaである。目的地設定画面Mqtは、クエスト状態における目的地(ボスモンスターが配置される仮想イベント位置va)を設定するための画面である。以上の目的地設定画面Mqtには、目的地が設定されるクエスト状態の名称(図5(b)の具体例では「クエストA」)、および、目的地を選択すべき旨のメッセージが表示される。
【0070】
図5(b)に示す通り、目的地設定画面Mqtは、地図画像Gtを含んで構成される。地図画像Gtは、上述のプレイ画面Mpにおける地表画像Ggと同様に、地図情報に基づいて表示され、キャラクタ位置Pv(ユーザ位置Pr)周辺の地図を表す。
【0071】
目的地設定画面Mqtは、現在地画像Gpyを表示する。現在地画像Gpyは、地図画像Gtにおけるキャラクタ位置Pvに表示される。また、目的地設定画面Mqtには、クエスト状態が開始される以前から配置されていた各オブジェクトが表示される。例えば、図5(b)の具体例では、クエスト状態が開始される以前において、仮想イベント位置vaiにアイテム画像Giが配置されていた場合を想定する。以上の構成によれば、アイテム画像Giなどの配置を考慮して、ユーザが目的地を選択できる。
【0072】
図5(b)に示す通り、目的地設定画面Mqtには、複数個の候補画像Gdが表示される。以上の候補画像Gdは、クエスト状態の目的地として設定される(ボスモンスター画像Gmbを配置する)候補となる仮想イベント位置vaに表示される。クエスト状態の目的地として設定可能な仮想イベント位置vaは、各仮想イベント位置vaのうちの予め定められた一部である。
【0073】
以上の候補画像Gdは、タッチ操作されると選択状態になる。ユーザは、何れか1個の候補画像Gdを選択状態にできる。図5(b)の具体例では、各候補画像Gdのうち仮想イベント位置va1に表示された候補画像Gdが選択された場合を想定する。候補画像Gdが選択状態になると、当該候補画像Gdが位置する仮想イベント位置vaに対応する現実イベント位置raの名称(店舗名など)、および、ユーザ位置Prから当該現実イベント位置raまでの距離が表示される。
【0074】
また、候補画像Gdが選択状態になると、設定ボタンGbyが目的地設定画面Mqtに表示される。以上の設定ボタンGbyがタッチ操作されると、選択状態の候補画像Gdが位置する仮想イベント位置vaが目的地に設定される。例えば、図5(b)の具体例において設定ボタンGbyがタッチ操作されると、仮想イベント位置va1にボスモンスター画像Gmbが配置され(仮想イベント位置va1が目的地に設定され)、クエスト状態が開始される。
【0075】
また、クエスト状態が開始されると、各仮想イベント位置vaのうちの何れかに中ボスモンスター画像Gmaが配置される。なお、プレイ画面Mpにおけるモンスター画像Gm(ただし、ボスモンスター画像Gmbを除く)は、予め定められた時刻(例えば、午後3時)に再配置される。アイテム画像Giも同様である。
【0076】
目的地設定画面Mqtにおけるリターン画像Gb5がタッチ操作されると、上述のクエスト開始画面Mqに表示が戻る。また、クエスト開始画面Mqにおけるリターン画像Gb5(図5(a)参照)がタッチ操作されると、新たなクエスト状態が開始されず、上述のプレイ画面Mpに表示が戻る。
【0077】
ところで、位置情報ゲームにおいて各オブジェクト(例えば、モンスター画像Gm)を様々な仮想イベント位置vaに配置することで、現実空間Srにおける様々な場所にユーザを誘致できるという効果が期待される。しかし、目的地までの各ルートのうち最短のルートが案内される構成(例えば、本実施形態)では、ユーザの移動距離が過度に短くなり、以上の効果が低減してしまう不都合が生じ得るという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態は、以上の不都合が抑制される構成を採用した。以上の構成について、以下の図6(a)~(c)を用いて詳細に説明する。
【0078】
図6(a)は、クエスト管理テーブルの具体例の概念図である。上述した通り、クエスト状態が開始されると、当該クエスト状態に応じたボスモンスター(ボスモンスター画像Gmb)および中ボスモンスター(中ボスモンスター画像Gma)が各仮想イベント位置vaに配置される。クエスト管理テーブルは、現在のクエスト状態において、各仮想イベント位置vaに配置された各モンスターの種類を記憶する。
【0079】
図6(a)の具体例では、上述の図5(a)で説明したクエスト状態Bに制御される場合を想定する。以上のクエスト状態Bでは、ボスモンスター(ボスモンスター画像Gmb)に加え、中ボスモンスターA(中ボスモンスター画像Gma1)および中ボスモンスターB(中ボスモンスター画像Gma2)が各仮想イベント位置vaに配置される。
【0080】
上述した通り、クエスト状態が開始されると、1個の仮想イベント位置vaにボスモンスターが配置される。一方、中ボスモンスターは、複数個の仮想イベント位置vaに配置される。具体的には、中ボスモンスターは、今回のクエスト状態において勝利可能な回数より多い個数の仮想イベント位置vaに配置される。以上の構成によれば、例えば、中ボスモンスターが勝利可能な回数と同じ個数だけマップ画面Mt(プレイ画面Mp)に表示される構成と比較して、ユーザが移動先として選択できる位置(ra)の自由度が向上する。
【0081】
例えば、図6(a)の具体例では、各仮想イベント位置vaのうち仮想イベント位置va1にボスモンスターが配置された場合を想定する。また、4個の仮想イベント位置va(va2、va4、va5、va6)に中ボスモンスターAが配置され、2個の仮想イベント位置va(va3、va7)に中ボスモンスターBが配置された場合を想定する。上述した通り、クエスト状態Bでは、中ボスモンスターAに最大で2回まで勝利可能であり、中ボスモンスターBに最大で1回まで勝利可能である。したがって、図6(a)の具体例では、クエスト状態において中ボスモンスターに勝利可能な回数より多い個数の仮想イベント位置vaに当該中ボスモンスターが配置される。
【0082】
クエスト管理テーブルは、クエスト状態における各中ボスモンスターの「状態」を記憶する。中ボスモンスターの「状態」は、当該中ボスモンスターに未勝利であるか勝利済みであるかを示す。中ボスモンスターの「状態」が「未勝利」の場合、当該中ボスモンスターが配置された仮想イベント位置vaへ移動することで、当該中ボスモンスターとのバトルが開始可能である。一方、中ボスモンスターの「状態」が「勝利済み」の場合、当該中ボスモンスターとのバトルは開始不可能である。具体的には、中ボスモンスターの「状態」が「未勝利」の場合、プレイ画面Mpおよびマップ画面Mtに当該中ボスモンスターが表示される。一方、中ボスモンスターの「状態」が「勝利済み」の場合、当該中ボスモンスターが非表示になる。
【0083】
また、クエスト管理テーブルは、各中ボスモンスター(A、B)のグループ(x、y、w)を記憶する。具体的には、各中ボスモンスターのグループを示す識別情報が当該中ボスモンスターに関連付けて記憶される。本実施形態では、1種類の中ボスモンスターが複数個のグループに区分される場合がある。具体的には、中ボスモンスターは、クエスト状態において当該中ボスモンスターに勝利可能な回数に応じた個数のグループに区分される場合がある。例えば、クエスト状態Bにおいて中ボスモンスターBに勝利可能な回数は「1回」である。以上のクエスト状態Bでは、全ての中ボスモンスターBが共通の(1個の)グループwに属する。
【0084】
一方、クエスト状態Bにおいて中ボスモンスターAに勝利可能な回数は「2回」である。以上のクエスト状態Bでは、2個のグループ(x、y)に各中ボスモンスターAは区分される。例えば、図6(a)の具体例では、仮想イベント位置va2の中ボスモンスターAおよび仮想イベント位置va4の中ボスモンスターAはグループxに区分され、仮想イベント位置va5の中ボスモンスターAおよび仮想イベント位置va6の中ボスモンスターAはグループyに区分された場合を想定する。
【0085】
ただし、各中ボスモンスターの種類(A、B)が共通の場合、各中ボスモンスターのグループが相違する場合であっても、当該各中ボスモンスターを表す中ボスモンスター画像Gmaは共通になる。すなわち、種類が共通する各中ボスモンスターが属するグループは、当該各中ボスモンスターを表す各中ボスモンスター画像Gmaからは区別できない。
【0086】
本実施形態では、中ボスモンスターに勝利した場合、当該中ボスモンスターが属するグループの他の中ボスモンスターとのバトルも実行不可能になる。具体的には、中ボスモンスターに勝利した場合、勝利した中ボスモンスターに加え、当該中ボスモンスターが属するグループの他の中ボスモンスターがプレイ画面Mpおよびマップ画面Mtから非表示になる。
【0087】
例えば、図6(a)の具体例において、仮想イベント位置va3の中ボスモンスターBに勝利した場合、クエスト管理テーブルにおける当該中ボスモンスターBの状態が「未勝利」から「勝利済み」に変更され、仮想イベント位置va3から中ボスモンスターBが非表示になる。上述した通り、図6(a)の具体例では、仮想イベント位置va3の中ボスモンスターBがグループwに属する場合を想定する。以上の場合、同じグループwに属する仮想イベント位置va7の中ボスモンスターBの状態は、「未勝利」から「勝利済み」に変更され、当該中ボスモンスターBは仮想イベント位置va7から非表示になる。
【0088】
各中ボスモンスターBのうち、仮想イベント位置va7の中ボスモンスターBと先にバトルして勝利した場合も同様に、仮想イベント位置va3の中ボスモンスターBに未勝利の場合であっても、仮想イベント位置va3の中ボスモンスターBの状態が「勝利済み」に変更される。
【0089】
また、図6(a)の具体例において、仮想イベント位置va2の中ボスモンスターAに勝利した場合を想定する。以上の場合、クエスト管理テーブルにおける仮想イベント位置va2における中ボスモンスターAの状態が「未勝利」から「勝利済み」に変更され、仮想イベント位置va2から中ボスモンスターAが非表示になる。また、仮想イベント位置va2の中ボスモンスターAは、グループxに属する。したがって、同じグループxに属する仮想イベント位置va4の中ボスモンスターAは、未勝利の場合であっても、状態が「未勝利」から「勝利済み」に変更され、仮想イベント位置va4から非表示になる。
【0090】
ただし、グループxの中ボスモンスターA(va2およびva4に配置された各中ボスモンスターA)に勝利した場合であっても、グループyの中ボスモンスターA(va5およびva6に配置された各中ボスモンスターA)の状態は「未勝利」のままで維持される。すなわち、グループxの中ボスモンスターAに勝利した場合であっても、グループyの各中ボスモンスターAは非表示にならない。グループyの各中ボスモンスターAは、他のグループの中ボスモンスターと同様に、何れか一方に勝利した場合、他方も状態が「勝利済み」に変更され非表示になる。
【0091】
なお、以上の具体例では、クエスト状態において中ボスモンスターに勝利可能な回数に応じた個数のグループに当該中ボスモンスターが区分されたが、当該中ボスモンスターに勝利可能な回数より多い個数のグループに区分され得る構成としてもよい。例えば、クエスト状態において2回まで勝利可能な中ボスモンスターが3個以上のグループに区分される構成としてもよい。ただし、以上の構成においては、2個目のグループの中ボスモンスターに勝利した場合、残りのグループの中ボスモンスターもプレイ画面Mpおよびマップ画面Mtから非表示なる。
【0092】
図6(b)は、マップ画面Mtの具体例の模擬図である。マップ画面Mtは、プレイ画面Mpが表す仮想空間Svの鳥観図である。以上のマップ画面Mtには、プレイ画面Mpと同様に、各仮想イベント位置vaに各オブジェクトが表示される。
【0093】
図6(b)の具体例は、上述の図6(a)と同様に、クエスト状態Bに制御された場合を想定する。また、図6(b)の具体例は、仮想イベント位置va1にボスモンスター(Gmb)が配置され、仮想イベント位置va2、va4~6に中ボスモンスターA(Gma1)が配置され、仮想イベント位置va3、va7に中ボスモンスターB(Gma2)が配置された場合を想定する(図6(a)の具体例と同様)。また、各中ボスモンスター(A、B)に未勝利の場合を想定する。
【0094】
上述した通り、本実施形態では、ユーザに有利なルートRが案内される案内状態に制御可能である。図6(b)の具体例は、案内状態に制御されている場合のマップ画面Mtを想定する。案内状態におけるマップ画面Mtには、上述のプレイ画面Mpと同様に(図4(b)参照)、ユーザに有利なルートRを案内するルート画像Grが表示される。
【0095】
本実施形態では、図6(b)の具体例の場合、仮想イベント位置va3でモンスターBに勝利し、仮想イベント位置va4でモンスターA(グループx)に勝利し(1回目)、仮想イベント位置va5でモンスターA(グループy)に勝利し(2回目)、その後、仮想イベント位置va1のボスモンスターとバトル可能なルートRを案内するルート画像Grが表示される。以上のルートRは、全ての中ボスモンスターに勝利可能な各ルートのうち最短のルートである。
【0096】
なお、上述した通り、仮想イベント位置va5でモンスターA(グループy)に勝利した場合、同じグループyの仮想イベント位置va6のモンスターAはバトル不可能になる。本実施形態では、各中ボスモンスターのグループに応じてルートRが決定されるため、仮想イベント位置va5および仮想イベント位置va6で連続して中ボスモンスターAに勝利することを想定したルートRは決定されない。
【0097】
ところで、仮に、マップ画面Mt(プレイ画面Mp)に表示された各中ボスモンスターのうち、ユーザキャラクタが勝利した中ボスモンスターのみが非表示になる構成(以下「対比例」)を想定する。すなわち、中ボスモンスターに1回勝利した場合、1個の中ボスモンスターのみが非表示になる対比例を想定する。以上の対比例では、中ボスモンスターに勝利した場合であっても、他の中ボスモンスターはバトルが可能な状態で維持される。
【0098】
また、以上の対比例において、図6(b)に示す通りにボスモンスターおよび各中ボスモンスターが各仮想イベント位置va(va1~va7)に配置された場合を想定する。以上の場合、ボスモンスターとのバトルが可能になる目的地までの各ルートのうち、図6(b)において破線の矢印で示すルートR´がユーザにとって有利になる。
【0099】
具体的には、以上のルートR´をユーザが移動した場合、仮想イベント位置va5でモンスターAに勝利し(1回目)、仮想イベント位置va6でモンスターAに勝利し(2回目)、仮想イベント位置va7でモンスターBに勝利し、その後、ボスモンスターと仮想イベント位置va1でバトル可能になる。対比例においては、以上のルートR´は、全ての中ボスモンスターに勝利した後にボスモンスターとバトル可能な各ルートのうち最短のルートになる。対比例では、以上のルートR´が案内される。
【0100】
しかし、以上の対比例では、互いに近接する各仮想イベント位置va(例えば、図6(b)のva5、va6)に配置された中ボスモンスターに連続して勝利できる事態が生じ易いため、案内されるルートが過度に短くなり易い。したがって、ユーザの移動距離が短くなり易く、当該ユーザを様々な現実イベント位置raへ誘致し難いという事情がある。以上の事情を考慮して、本実施形態は、中ボスモンスターに勝利した場合、当該中ボスモンスターが属するグループの他の中ボスモンスターとのバトルを実行不可能にする構成を採用するとともに、当該中ボスモンスターが属するグループに応じたルートRを案内可能な構成を採用した。
【0101】
具体的には、以上の構成を具備する本実施形態において、仮に、上述のルートR´(対比例においては有利なルート)を移動した場合を想定する。以上の場合、図6(c)に示す通り、仮想イベント位置va5において最初の中ボスモンスターAに勝利した時点で、当該中ボスモンスターAと同じグループyに属する仮想イベント位置va6の中ボスモンスターAとはバトル不可能になる。
【0102】
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、中ボスモンスターに勝利した場合、他の仮想イベント位置vaに配置された中ボスモンスター(勝利した中ボスモンスターと同じグループの中ボスモンスター)とのバトルも実行不可能になるため、上述の対比例と比較して、短い距離の移動のみでは複数の中ボスモンスターに連続して勝利し難くなる。
【0103】
例えば、図6(b)からも把握される通り、本実施形態で案内されるルートRは、上述の対比例で案内されるルートR´よりは長くなる。したがって、本実施形態によれば、例えば上述の対比例と比較して、ユーザが移動するルートが過度に短くなる不都合が抑制される。すなわち、本実施形態によれば、上述の対比例と比較して、現実空間Srにおける様々な場所にユーザを誘致し易くなる。
【0104】
また、他の対比例として、中ボスモンスターに勝利した場合、当該中ボスモンスターが属するグループの他の中ボスモンスターとのバトルを実行不可能にする構成(例えば、本実施形態)において、ルートRが案内されない対比例を想定する。また、以上の対比例において、図6(b)に示す通りに各モンスター画像Gmが配置された場合を想定する。
【0105】
上述した通り、各中ボスモンスターが属するグループをユーザは区別できない。したがって、仮想イベント位置va5の中ボスモンスターAおよび仮想イベント位置va6の中ボスモンスターAが共通のグループに属するか否かは区別できない。以上の事情から、ユーザは、以上の各仮想イベント位置va(va5、va6)の双方で中ボスモンスターAに勝利することを想定して、図6(b)で示したルートR´を移動する。
【0106】
しかし、上述した通り、仮想イベント位置va5の中ボスモンスターAに勝利した時点で、仮想イベント位置va6の中ボスモンスターAとはバトル不可能になる。したがって、上述の対比例では、当初予定していたルートR´から移動するルートを再考する手間が生じ得るという不都合がある。本実施形態の構成によれば、以上の不都合が抑制されるという利点がある。
【0107】
なお、中ボスモンスターとのバトルで勝利できなかった場合、当該中ボスモンスターは非表示になるが、当該中ボスモンスターが属するグループの他の中ボスモンスターは非表示にならない。ただし、中ボスモンスターとのバトルで勝利できなかった場合、当該中ボスモンスターが非表示にならない構成としてもよい。また、中ボスモンスターとのバトルで勝利できなかった場合であっても、当該中ボスモンスターが属するグループの全ての中ボスモンスターが非表示になる構成としてもよい。なお、ボスモンスターは、勝利するまで原則非表示にならない。
【0108】
図7(a)は、端末装置10が実行する処理のフローチャートである。端末装置10は、例えば、非案内状態のクエスト状態において上述の案内ボタンGb1(図4(a)参照)がタッチ操作されると、図7(a)に示す処理を開始する。なお、以上の処理の各ステップは、端末装置10および管理装置20が協働して実行してもよいし、管理装置20が実行してもよい。後述の図7(b)に示す処理についても同様である。
【0109】
図7(a)に示す通り、案内ボタンGb1がタッチ操作されると、端末装置10は、ユーザに案内するルートRを決定する(S101)。具体的には、ユーザ位置Prからボスモンスターの仮想イベント位置vaに対応する現実イベント位置raまでの各ルートのうちユーザに有利なルートRが決定される。例えば、クエスト状態において全ての中ボスモンスターに勝利し、その後、ボスモンスターとバトル可能な各ルートのうち最短のルートRが決定される。
【0110】
ユーザに案内するルートRを決定した後に、端末装置10は、当該ルートRの案内を開始する(S102)。具体的には、ステップS101で決定したルートRを案内するためのルート画像GrがステップS102において表示される。ルートRの案内を開始した後に、端末装置10は、図7(a)に示す処理を終了する。
【0111】
図7(b)は、端末装置10が実行する他の処理のフローチャートである。端末装置10は、例えば、モンスター(通常モンスター、中ボスモンスター、ボスモンスター)とのバトルに勝利した場合、図7(b)に示す処理を開始する。
【0112】
図7(b)に示す通り、モンスターとのバトルに勝利すると、今回のバトルでボスモンスターに勝利したか否かが判定される(S201)。ボスモンスターに勝利したと判断された場合(S201:Yes)、クエスト終了処理(S202)が実行される。クエスト終了処理では、クエスト状態から非クエスト状態に切替えられる。以上のクエスト終了処理では、ボスモンスター画像Gmbおよび中ボスモンスター画像Gmaがプレイ画面Mpおよびマップ画面Mtから非表示になる。
【0113】
なお、クエスト状態において中ボスモンスターの全てに勝利している場合、ボスモンスターとのバトルが開始される時点において、中ボスモンスター画像Gmaは既にプレイ画面Mpから非表示になっている。一方、クエスト状態において中ボスモンスターに勝利可能な残り回数がある場合、中ボスモンスター画像Gmaがプレイ画面Mpに表示される。クエスト終了処理では、クエスト状態が終了する時点でプレイ画面Mpに残された中ボスモンスター画像Gmaが非表示になる。以上のクエスト終了処理は、未勝利であった中ボスモンスターとのバトルを開始不可能にする処理であるとも換言される。
【0114】
クエスト終了処理を実行した後に、端末装置10におけるルート案内が終了する(S203)。すなわち、案内状態から非案内状態へ切替えられる。具体的には、モンスターとのバトルでは、端末装置10にバトル画面が表示される。また、モンスターとのバトルが終了するとバトル画面からプレイ画面Mpに切替えられる。案内状態においてボスモンスターとのバトルに勝利した場合、その後に表示されるプレイ画面Mpからはルート画像Grが非表示になる。案内状態から非案内状態へ切替えられた後に、図7(b)の処理が終了する。
【0115】
上述のステップS201において、今回のバトルで勝利したモンスターがボスモンスターではないと判断された場合(S201:No)、当該バトルで中ボスモンスターに勝利したか否かが判定される(S204)。今回のバトルで中ボスモンスターに勝利したと判断された場合(S204:Yes)、非表示処理A(S205)が実行される。以上の非表示処理Aでは、今回のバトルで勝利した中ボスモンスターに加え、当該中ボスモンスターと共通のグループに属する他の中ボスモンスターの中ボスモンスター画像Gmaがプレイ画面Mpから非表示になる。非表示処理Aが実行された後に、図7(b)の処理が終了する。
【0116】
上述のステップS204において、今回のバトルで勝利したモンスターが中ボスモンスターではないと判断された場合(S204:No)、非表示処理B(S205)が実行される。なお、ステップS201およびステップS204の双方で「No」と判断される場合としては、今回のバトルで通常モンスターに勝利した場合が想定される。以上の非表示処理Bでは、今回のバトルで勝利した通常モンスターのモンスター画像Gmがプレイ画面Mpから非表示になる。非表示処理Bが実行された後に、図7(b)の処理が終了する。
【0117】
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0118】
以下、説明のため、ユーザに案内されるルートRに含まれる各現実イベント位置raのうち目的地までの途中に位置する各現実イベント位置ra(経由地)で選択可能になるオブジェクトを「経由オブジェクト」と記載する場合がある。例えば、上述の第1実施形態における経由オブジェクトは中ボスモンスター画像Gmaである。
【0119】
上述の第1実施形態では、経由オブジェクトが中ボスモンスター画像Gmaのみであり、ユーザが経由オブジェクトを任意に選択できない。しかし、ユーザによっては、プレイ画面Mpに表示される各オブジェクトから経由オブジェクトを任意に選択したい場合がある。以上の事情を考慮して、第2実施形態では、経由オブジェクトをユーザが任意に選択可能な構成を採用した。なお、第2実施形態の端末装置10は、上述の第1実施形態の端末装置10と同様に、案内手段11、イベント管理手段12および状態管理手段13を具備する。
【0120】
図8(a)は、第2実施形態の経由地設定画面Maの具体例の模擬図である。以上の経由地設定画面Maは、例えば、非案内状態から案内状態へ移行する際に表示される。例えば、上述の目的地設定画面Mqt(図5(b)参照)における設定ボタンGbyがタッチ操作されると経由地設定画面Maが端末装置10に表示される構成が採用され得る。
【0121】
図8(a)に示す通り、経由地設定画面Maは、複数個の選択用画像Gcaを含んで構成される。以上の選択用画像Gcaは、仮想空間Svに配置されている各オブジェクトの何れかに対応する。図8(a)の具体例では、各オブジェクトのうち中ボスモンスター画像Gma、特殊アイテム画像Gitおよびレアモンスター画像Gmc´に対応する各選択用画像Gcaが抜粋して示される。
【0122】
特殊アイテム画像Gitは、他のアイテム画像Giと比較して、選択した際にユーザに有利なアイテムが付与され易いオブジェクトである。また、レアモンスター画像Gmc´は、通常モンスター画像Gmcのうち出現確率が比較的低いモンスター画像Gmである。以上のレアモンスター画像Gmc´が選択されると、レアモンスターとのバトルが開始される。レアモンスターに勝利した場合、他の通常モンスターに勝利した場合と比較して、ユーザに有利な特典(例えば、レアなアイテム、多くの経験値など)が付与され易い。
【0123】
以上の各オブジェクト(Git、Gmc)は、ボスモンスター画像Gmbおよび中ボスモンスター画像Gmaとは別の仮想イベント位置vaに表示される。また、以上の各オブジェクト(Git、Gmc)は、クエスト状態であるか非クエスト状態であるかによらず、プレイ画面Mpおよびマップ画面Mtに表示される。
【0124】
経由地設定画面Maには、仮想空間Svに現在配置されている各オブジェクトのうち、キャラクタ位置Pvから所定距離までの領域(以下「対象領域」)に配置された各オブジェクトに対応する各選択用画像Gcaが表示される。すなわち、仮想空間Svに配置されているオブジェクトであっても、対象領域の外側に位置するオブジェクトの選択用画像Gcaは表示されない。例えば、現実空間Srのユーザ位置Prから約2000メートルまでの範囲に対応する仮想空間Svが対象領域に設定される。なお、対象領域の広さは、ユーザに案内されるルートRの長さが、過度に長距離にならなければ足り、以上の例に限定されない。
【0125】
例えば、対象領域にレアモンスター画像Gmc´が表示されている場合を想定する。以上の場合、当該レアモンスター画像Gmc´に対応する選択用画像Gcaが経由地設定画面Maに表示される。一方、対象領域にレアモンスター画像Gmc´が表示されない場合を想定する。以上の場合、当該レアモンスター画像Gmc´に対応する選択用画像Gcaは経由地設定画面Maに表示されない。
【0126】
選択用画像Gcaは、タッチ操作する度に、選択状態および非選択状態の何れかに切替えられる。また、経由地設定画面Maは開始ボタンGbxを含む。当該開始ボタンGbxがタッチ操作されると、選択状態の選択用画像Gcaに対応するオブジェクトを経由オブジェクトとするルートRが決定される。また、当該ルートRを案内するルート画像Grを含むプレイ画面Mpが表示される。第2実施形態では、各経由オブジェクトのイベントを開始可能な各現実イベント位置raを経由するルートのうち、最短のルートRが案内される。
【0127】
例えば、図8(a)の具体例では、各選択用画像Gcaのうち中ボスモンスター画像Gmaに対応する選択用画像Gcaおよびレアモンスター画像Gmc´に対応する選択用画像Gcaが選択状態である場合を想定する。以上の場合、開始ボタンGbxがタッチ操作されると、中ボスモンスター画像Gmaおよびレアモンスター画像Gmc´を経由オブジェクトとするルートRが案内される(後述の図8(b)参照)。以上の通り、第2実施形態では、ユーザが任意に経由オブジェクトを設定できる。したがって、ユーザの好みに応じたルートRが案内され易くなる。なお、経由地設定画面Maにおけるリターン画像Gb5がタッチ操作されると、目的地設定画面Mqtに戻る。
【0128】
ところで、ルート画像Grにより案内されるルートRに設定され得る道路には、様々な種類がある。例えば、主要幹線道路、幹線道路および補助幹線道路などがルートRの一部として含まれ得る。しかし、ユーザによっては、案内されるルートRにおける道路の種類を制限したい場合がある。例えば、静かな場所を好むユーザは、交通量が多い主要幹線道路をルートRに含めたくない場合がある。
【0129】
また、案内されるルートRによっては、現実空間Srにおけるユーザの行動が不自然になり得るという不都合がある。例えば、現実イベント位置raまで移動し、当該現実イベント位置raでバトルを実行した場合を想定する。以上の場合、当該現実イベント位置raまで移動してきた道を引き返した場合(踵を返した場合)、現実空間Srにおけるユーザの行動が他人から不自然に見える場合がある。以上の各事情を考慮して、第2実施形態は、案内されるルートRを制限可能な構成を採用した。
【0130】
具体的には、図8(a)に示す通り、経由地設定画面Maには、複数個の選択用画像Gcbが表示される。選択用画像Gcbの各々は、ルートRを決定する際の制約の何れかに対応する。例えば、図8(a)の具体例では、「同じ道を繰返し移動しないこと」に対応する選択用画像Gcb、「主要幹線道路を移動しないこと」に対応する選択用画像Gcbおよび「幹線道路を移動しないこと」に対応する選択用画像Gcbが抜粋して示される。ただし、ルートRを決定する際に選択可能な制約の種類は適宜に変更可能であり、以上の例に限定されない。
【0131】
選択用画像Gcbは、タッチ操作する度に、選択状態および非選択状態の何れかに切替えられる(上述の選択用画像Gcaと同様)。第2実施形態では、開始ボタンGbxがタッチ操作され際に選択状態であった選択用画像Gcbに対応する制約が、ルートRの決定の際に課される。
【0132】
図8(b)は、第2実施形態において案内されるルートRの具体例を説明するための図である。第2実施形態では、上述の第1実施形態と同様に、案内状態においてマップ画面Mtおよびプレイ画面Mpにルート画像Grが表示され、ボスモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置raまでのルートRが案内される。
【0133】
図8(b)の具体例は、仮想空間Svにおける仮想イベント位置va1にボスモンスター画像Gmbが配置され、仮想イベント位置va2に中ボスモンスター画像Gmaが配置され、仮想イベント位置va3に他の中ボスモンスター画像Gmaが配置された場合を想定する。また、仮想イベント位置va4にレアモンスター画像Gmc´が配置され、仮想イベント位置va5に特殊アイテム画像Gitが配置された場合を想定する。
【0134】
図8(b)の具体例では、上述の図8(a)の具体例と同様に、中ボスモンスター画像Gmaおよびレアモンスター画像Gmc´が経由オブジェクトに選択された場合を想定する。以上の場合、図8(b)に示す通り、仮想イベント位置va2において中ボスモンスターとバトルし、仮想イベント位置va3で中ボスモンスターとバトルし、仮想イベント位置va4でレアモンスターとバトルし、その後、仮想イベント位置va1でボスモンスターとのバトルが開始可能なルートRが案内される。
【0135】
仮に、中ボスモンスター画像Gmaおよびレアモンスター画像Gmc´のうち中ボスモンスター画像Gmaのみが経由オブジェクトに選択された場合を想定する。以上の場合、上述したルートRに替えて、図8(b)の破線で示すルートR´1が案内される。以上のルートR´1では、レアモンスターとのバトルは実行できないが、図8(b)における具体例のルートRよりユーザの移動距離が短くなる。
【0136】
また、仮に、中ボスモンスター画像Gmaおよびレアモンスター画像Gmc´に加え、特殊アイテム画像Gitが経由オブジェクトに選択された場合を想定する。以上の場合、図8(b)の破線で示すルートR´2が案内される。以上のルートR´2では、図8(b)における具体例のルートRよりユーザの移動距離が長くなるが、中ボスモンスターおよびレアモンスターに勝利するとともに、特殊アイテムが取得可能である。
【0137】
なお、第2実施形態において、ユーザが選択した経由オブジェクトの全てを経由するルートRが必ず案内される構成としてもよいし、場合によっては、当該経由オブジェクトの一部のみを経由するルートRが案内される構成としてもよい。例えば、特定の経由オブジェクトを経由するルートが、当該経由オブジェクトを経由しないルートと比較して、過度に長くなる場合(例えば、所要時間が10分以上長くなる場合)を想定する。以上の場合、当該経由オブジェクトを経由しないルートRが案内される構成としてもよい。
【0138】
<変形例>
以上の各形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
【0139】
(1)各形態において、複数人のユーザでクエスト状態を進行可能(マルチプレイ可能)な構成としてもよい。また、以上の構成において、目的地(ボスモンスターとバトル可能な現実イベント位置ra)までのルートをユーザ毎に案内可能な構成としてもよい。
【0140】
図9は、以上の変形例の具体例を説明するための図である。当該変形例では、端末装置10を適宜に操作することで、他のユーザとパーティを結成できる。例えば、端末装置10においてクエスト状態が開始される場合、当該クエスト状態のパーティ結成要求が管理装置20へ送信される。管理装置20は、複数の端末装置10から共通のクエスト状態のパーティ結成要求を同時期に受信した場合、当該各端末装置10の各ユーザで構成されるパーティを作成する。共通のパーティを構成する各ユーザは、クエスト状態を協力して進行させることができる。ただし、パーティの結成方法は以上の例に限定されず、適宜に変更できる。
【0141】
図9は、変形例において表示されるマップ画面Mtの具体例の模擬図である。図9の具体例は、2人のユーザで構成されるパーティがクエスト状態を進行する場合を想定する。以上の場合、図9に示す通り、マップ画面Mtには、2個の現在地画像Gpy(Gpy1、Gpy2)が表示される。各現在地画像Gpyは、各ユーザのユーザ位置Prに対応する位置に表示される。また、図9の具体例では、仮想イベント位置va1にボスモンスター画像Gmbが配置され、仮想イベント位置va2から仮想イベント位置vaR5の各々に中ボスモンスター画像Gmaが配置された場合を想定する。
【0142】
以上の変形例では、上述の各形態と同様に、ボスモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置ra(目的地)までのルートRを案内可能に構成される。具体的には、ユーザ毎にルート画像Grがマップ画面Mtに表示される。例えば、図9の具体例では、一方のユーザのルートRを案内するルート画像Gr1および他方のユーザのルートRを案内するルート画像Gr2がマップ画面Mtに表示される。
【0143】
図9の具体例では、クエスト状態において勝利可能な全ての中ボスモンスターに勝利し、その後、ボスモンスターとバトル可能なルートRが案内される。具体的には、図9の具体例は、合計で4回まで中ボスモンスターに勝利可能なクエスト状態を想定する。以上のクエスト状態では、ルート画像Gr1で案内されるルートRを移動したユーザは、仮想イベント位置va3および仮想イベント位置va2で中ボスモンスターに勝利した後に、目的地に到達できる。また、ルート画像Gr2で案内されるルートRを移動したユーザは、仮想イベント位置va4および仮想イベント位置va5で中ボスモンスターに勝利した後に、目的地に到達できる。
【0144】
以上の変形例では、マルチプレイによりクエスト状態を効率よく進行させることができる。なお、以上の変形例において、上述の第2実施形態と同様に、ルートを決定する際の条件をユーザが任意に設定可能な構成としてもよい。例えば、クエスト状態においてバトルする中ボスモンスターの数をユーザ毎に設定可能とし、設定した数の中ボスモンスターとバトル可能なルートRがユーザ毎に案内される構成としてもよい。
【0145】
また、特定のイベント(例えば、一方のユーザが希望するイベント)については、当該イベントに対応するオブジェクトの配置によらず、当該イベントを開始可能な現実イベント位置raを通過するルートRが案内されるユーザを選択可能な構成としてもよい。さらに、各ユーザが目的地に到着する時刻が略共通となるルートが決定される構成としてもよい。また、各ユーザの進行状況に応じてルートRが決定される構成としてもよい。例えば、各ユーザのユーザキャラクタのレベル(強さ)に応じて、各ユーザに案内されるルートRが決定される構成としてもよい。また、各ユーザがクエスト状態において既にクリアしている第2イベントの個数に応じて、各ユーザに案内されるルートRが決定される構成としてもよい。
【0146】
(2)各形態において、ルートRをユーザに案内する具体的な方法は適宜に変更できる。例えば、端末装置10が出力する音声(例えば「次の交差点を左です」という音声)によりルートRが案内される構成としてもよい。また、ルートRを案内するメッセージがプレイ画面Mpに表示される構成としてもよい。以上の音声および(または)メッセージに合わせて、移動方向を変更すべき地点(交差点など)を端末装置10の振動により案内可能な構成としてもよい。
【0147】
また、ルートRを案内するための画像は上述の各形態における具体例に限定されない。図10(a)および図10(b)は、ルートRを案内するための画像の他の具体例を説明するための図である。
【0148】
以上の変形例における端末装置10は、複数種類のモードのうちの何れかに制御可能なモード管理手段を具備する。具体的には、モード管理手段は、上述のルート画像Grが表示されるプレイ画面Mpでゲームを進行させるモード(図4(b)参照)、後述のミニ地図画像Gtmが表示されるプレイ画面Mpでゲームを進行させるモード(図10(a)参照)、および、後述のAR(Augmented Reality)画面Mrでゲームを進行させるモード(図10(b)参照)を含む各モードに制御可能である。例えば、端末装置10を適宜に操作することで、モード設定画面が表示される。ユーザは、モード設定画面を適宜に操作することで、モードを移行可能である。
【0149】
図10(a)は、ミニ地図画像Gtmが表示されるモードにおけるプレイ画面Mpの模擬図である。以上のミニ地図画像Gtmは、案内状態において表示され、キャラクタ位置Pv近傍の地図を表示する。また、ミニ地図画像Gtmには、キャラクタ位置Pvに対応する領域に現在地画像Gpyが表示される。さらに、ミニ地図画像Gtmには、目的地までのルートRを案内するための方向指示画像Grsが表示される。
【0150】
以上の方向指示画像Grsは、キャラクタ位置Pvの近傍に表示され、端末装置10が決定したルートRを移動するために向かうべき方向を案内する。以上の変形例では、方向指示画像Grsが案内する方向へ移動することで、ユーザは目的地に到達できる。ただし、ミニ地図画像Gtmにおいて、ルートRの全体を示すルート画像Grが表示される構成としてもよい。なお、上述の各形態においても、ルートRがルート画像Grにより案内される構成に替えて、方向指示画像Grsが表示される構成としてもよい。
【0151】
図10(b)は、AR画面Mrでゲームが進行するモードを説明するための図である。当該モードでは、上述のプレイ画面Mpに替えてAR画面Mrが表示される。図10(b)は、AR画面Mrの模擬図である。具体的には、端末装置10は、現実空間Srを表す現実空間画像を撮影可能に構成される。AR画面Mrには、現実空間画像が表示される。
【0152】
また、AR画面Mrには、現実空間画像に重ねて、キャラクタ画像Gpおよび方向指示画像Grsが表示される。方向指示画像Grsは、端末装置10が決定したルートRを移動するために向かうべき領域が指示される態様で、現実空間画像に重ねて表示される。以上の変形例においても、上述の第1実施形態と同様に、ユーザに有利なルートRが案内される。
【0153】
(3)上述の第2実施形態において、ルートRの決定条件(経由オブジェクト、制約の種類)は適宜に変更できる。例えば、ルートRを移動するのに要する推定時間に制約を設定可能な構成としてもよい。例えば、ユーザは、経由地設定画面Mrを適宜に操作することで、経由オブジェクトに加え、上限時間を任意に設定できる。以上の変形例では、ユーザが設定した経由オブジェクトをより多く選択可能となる各ルートのうち、移動に要する推定時間が事前に設定した上限時間を上回らないルートRが決定される。なお、ルートRを移動するのに要する推定時間は、人間の平均歩行速度と当該ルートRの道のりとから算出される。
【0154】
(4)各形態において、ユーザの状況(例えば、ユーザキャラクタのステータス(レベル))に応じて、ルートRに含める現実イベント位置raが変化し得る構成としてもよい。例えば、モンスター毎に、ユーザキャラクタの推奨レベルが設定される構成を想定する。以上の構成において、モンスターの推奨レベルが、ユーザキャラクタの実際のレベルより高い場合、当該モンスターとバトル可能な現実イベント位置raを通らないルートRが決定される構成としてもよい。
【0155】
また、上述のレアモンスターとのバトルを開始可能なルートRが、本来は、案内される構成を想定する。以上の構成において、仮に、ユーザキャラクタのレベルが最高値である場合(経験値を得てもレベルが上がらない場合)、レアモンスター画像Gmc´が配置されている場合であっても、レアモンスターとのバトルが開始可能な現実イベント位置raを経由しないルートRが案内され得る構成としてもよい。以上の構成によれば、案内されたルートRに従って移動したにもかかわらず、かえってユーザが不利になる(時間が無駄になる)不都合が抑制される。
【0156】
(5)各形態において、各中ボスモンスターの種類が共通の場合、当該各中ボスモンスターが属するグループを判別不可能な構成を採用した。しかし、予め定められた条件で、中ボスモンスターが属するグループが報知される構成としてもよい。例えば、ユーザが予め定められたアイテム(例えば、課金を条件に付与されるアイテム)を使用することで、中ボスモンスターが属するグループが報知される構成としてもよい。以上の構成によれば、仮想空間Svにおける各中ボスモンスターと効率よくバトルできるという効果は格別に顕著になる。
【0157】
(6)各形態において、ユーザの移動速度を考慮して、ルートRが決定される構成としてもよい。具体的には、ユーザの移動手段(徒歩、自転車、電車、自動車)を考慮して、ルートRが決定される構成としてもよい。例えば、ユーザが自転車で移動する場合、ユーザが徒歩で移動する場合と比較して、広範囲を移動するルートRが決定される構成としてもよい。また、ユーザが電車で移動する場合、現在のユーザ位置Prの近傍に加え、降車する駅周辺の現実イベント位置raを経由するルートRが決定される構成としてもよい。ユーザの移動手段および当該移動手段で移動する経路は、例えば、端末装置10を適宜に操作することで事前に入力可能としてもよい。
【0158】
(7)各形態において、ルートRの目的地は適宜に変更してもよい。例えば、予め定められた範囲(例えば、ユーザ位置Prから約1000メートルまでの範囲)における各現実イベント位置ra(イベントスポット)を通る各ルートのうち最短のルートが案内される構成としてもよい。以上の構成では、最終的に到達する現実イベント位置raは変化し得る。また、以上の構成において、ルートRを移動した場合に開始可能となるイベントの種類はユーザが選択可能な構成としてもよい。例えば、上述の範囲における各現実イベント位置raのうち、レアモンスターとのバトルが開始可能な全ての現実イベント位置raを通る最短のルートRが案内される構成としてもよい。
【0159】
(8)各形態において、経由オブジェクトおよび目的地の種類は以上の例に限定されない。例えば、仮想空間Svの各拠点でバトルに勝利することで、自国の領土を広げる位置情報ゲーム(国とりゲーム)に本発明を採用する場合を想定する。以上の場合、各拠点を経由オブジェクトおよび目的地とするルートが案内される構成としてもよい。
【0160】
(9)各形態において、中ボスモンスターおよびボスモンスターと非クエスト状態においてバトル可能な構成としてもよい。すなわち、中ボスモンスターおよびボスモンスターが通常モンスターに含まれてもよい。ただし、以上の構成においては、クエスト状態において勝利回数が制限された中ボスモンスターに勝利した場合、通常モンスターとして配置された中ボスモンスターに勝利した場合と比較して、ユーザに有利な特典(例えば、所定のアイテムが高確率で取得できること)が付与される構成が好適である。ボスモンスターに勝利した場合の特典についても同様である。
【0161】
なお、以上の構成では、本発明における「第1イベント」には「クエスト状態の開始時に配置されたボスモンスターとのバトル」が対応し、「第2イベント」には「クエスト状態の開始時に配置された中ボスモンスターとのバトル」が対応し、「第3イベント」には例えば「通常モンスターとしてのボスモンスターとのバトル」および「通常モンスターとしての中ボスモンスターとのバトル」が対応する。
【0162】
(10)各形態において、第1イベントを進行可能な仮想イベント位置va(目的地)を複数個設ける構成としてもよい。例えば、クエスト状態が開始された際に、複数個の仮想イベント位置vaの各々にボスモンスターが配置され、各ボスモンスターに勝利した場合に当該クエスト状態が完了する構成としてもよい。また、以上の構成において、各目的地へ順次に移動しつつ第2イベント(例えば、中ボスモンスターとのバトル)を進行可能な効率的なルートRがユーザに案内される構成としてもよい。
【0163】
(11)各形態において、ルートRの案内を実行する手段は、画像(ルート画像)を表示する手段に限られず、適宜に変更できる。例えば、端末装置10が具備するスピーカから出力される音声、効果音、振動装置の振動によりルートRが案内される構成としてもよい。また、以上の各手段の組合せにより、ルートRが案内される構成としてもよい。
【0164】
(12)各形態では、位置情報ゲームに適用した本発明の具体例を説明した。しかし、本発明を位置情報ゲーム以外に適用してもよい。例えば、予め定められた場所(例えば店舗)へユーザが到達するための地図サービス、各ユーザをマッチングするためのマッチングサービス、および、ユーザの歩数に応じてポイントが付与される歩数計ポイントサービスに本発明は適用され得る。
【0165】
上述した各実施形態は、適宜構成を組み合わせよいし、他の構成に置き換え、構成の一部削除、構成の一部変更してもよい。また、本明細書に記載されていない出願時点で公知の技術を適宜採用してもよい。
【0166】
<付記:本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様のプログラム(PGx、PGy)は、現実空間(Sr)における位置(Pr)が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータ(10、20)を、現実空間における第1位置(ra)へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベント(ボスモンスターとのバトル)と、現実空間における第2位置(他のra)へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベント(中ボスモンスターとのバトル)と、前記第2位置を経由して前記第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルート(例えば、最短ルート、より多くの中ボスモンスターとバトル可能なルート…)を案内可能にする案内手段(11)として機能させる。
【0167】
<第2態様および第3態様>
第2態様のプログラム(PGx、PGy)は、第2イベントは第1イベントに関連付けられており、第1イベントを位置情報ゲームの仮想空間に配置すると、第2イベントも仮想空間に配置される(図5(a)および図5(b)参照)。また、第3態様のプログラムは、第1イベント又は第2イベントの進行状況に応じて、第1イベント又は第2イベントを進行不可能にする。以上の各態様によれば、位置情報ゲームの面白味が向上する。
【0168】
<第4態様>
本態様のプログラム(PGx、PGy)は、第1イベントと第2イベントとでは、付与可能な特典(例えば、有利なアイテムが付与される確率、付与されるアイテムの種類)が異なる。本態様によれば、位置情報ゲームの面白味が向上する。
【0169】
<第5態様および第6態様>
第5態様のプログラム(PGx、PGy)は、第2イベントの各々は、進行可能となる第2位置が異なり、それぞれに識別情報が関連付けられており、コンピュータを、第2イベントの進行が完了した場合、同じ識別情報が対応付けられた当該第2イベントを進行不可能にするイベント管理手段として機能させる。また、第6態様のプログラムは、案内手段は、第2イベントの識別情報に応じたルートを案内可能にする(図6(a)~(c)参照)。以上の各態様によれば、1個の第2イベントが実行された場合であっても、複数個の第2領域において第2イベントが実行不可能になる。したがって、狭い範囲に位置する複数の第2領域で連続して第2イベントが実行される事態が抑制され、ユーザを様々な領域へ誘致することができる。
【0170】
<第7態様>
本態様のプログラム(PGx、PGy)は、位置情報ゲームにおけるイベントには、第1イベント又は第2イベントの進行に影響を与えない第3位置に関連付けられた第3イベント(通常モンスターとのバトル、アイテムの取得)が含まれ、案内手段は、第3位置を経由するルートを案内可能にする(図8(b))。本態様によれば、位置情報ゲームの面白みが向上する。なお、本発明の「第1イベント又は第2イベントの進行に影響を与えない第3位置に関連付けられた第3イベント」とは、第3イベントを進行したとして、その結果によって、第1イベントや第2イベントがクリアにならないということを意味する。すなわち、本発明の「第3イベント」には、例えば、図8を用いて説明した第2実施形態の通常モンスターとのバトル、アイテムの取得、ユーザキャラクタのヒットポイントの回復などの各種のイベントが包含され得る。
【0171】
<第8態様~第10態様>
第8態様のプログラム(PGx、PGy)は、案内手段は、複数の第2位置を経由して第1位置まで移動する各ルートのうち最短のルートを案内可能にする。また、第9態様のプログラムは、案内手段は、ユーザが設定した条件に基づいて、第1位置まで移動する各ルートのうちの何れかを案内可能にする(上述の図8(a)参照)。さらに、第10態様のプログラムは、案内手段は、他のユーザの進行状況に応じたルートを案内可能にする。以上の各態様によれば、位置情報ゲームの面白みが向上する。
【0172】
<第11態様>
本態様のプログラム(PGx、PGy)は、コンピュータを、複数種類のモードのうちの何れかに制御可能なモード管理手段として機能させるプログラムであって、案内手段は、現在のモードに応じた方法のルート案内を可能にする(図10(a)(b)参照)。本態様によれば、位置情報ゲームの面白みが向上する。
【0173】
<第12態様>
本態様の情報処理システム(1)は、現実空間における位置が特定される位置情報を利用する位置情報ゲームを実行するための情報処理システムであって、現実空間における第1位置へユーザが移動した場合に進行可能な第1イベントと、現実空間における第2位置へユーザが移動した場合に進行可能な第2イベントと、第2位置を経由して第1位置まで移動する各ルートのうちユーザに有利なルートを案内可能にする案内手段を具備する。本態様によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
【0174】
なお、上述のプログラムで構成した課題解決手段(例えば、付記に記載の各構成等)は、適宜、装置、システム、方法、情報記録媒体等に転用することができる。
【符号の説明】
【0175】
1…情報処理システム、10…端末装置、11…案内手段、12…イベント管理手段、13…状態管理手段、20…管理装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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