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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015182
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】面接装置、面接方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1053 20230101AFI20250123BHJP
   G06F 40/279 20200101ALI20250123BHJP
   G06F 40/44 20200101ALI20250123BHJP
   G06F 40/56 20200101ALI20250123BHJP
【FI】
G06Q10/1053
G06F40/279
G06F40/44
G06F40/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118409
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山 三千昭
(72)【発明者】
【氏名】羽石 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】川久保 敦
(72)【発明者】
【氏名】邵 玉穎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA20
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】被面接者に対する面接を効率的かつ正確に行うことができる面接装置、面接方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】面接装置は、入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力する入力部と、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力する出力部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力する入力部と、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力する出力部と、
を備える面接装置。
【請求項2】
前記入力部は、前記文章生成モデルに、前記回答と、前記質問と、前記回答及び前記質問を要約する旨の指示とを表す第2テキストを前記入力文章として入力し、
前記出力部は、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての面接サマリを出力する
請求項1に記載の面接装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記第2テキストに、前記被面接者に対する評価項目を前記面接サマリに含める旨の指示を含める
請求項2に記載の面接装置。
【請求項4】
前記評価項目は、前記被面接者の人間性、熱量、及び社交性の少なくとも一つに関する事項を含む
請求項3に記載の面接装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記回答に基づいて、面接の進行に関する方針を決定する
請求項1に記載の面接装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記被面接者に対する評価項目に基づいて、面接の進行に関する方針を決定する
請求項1に記載の面接装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記回答に基づいて感情特定モデルによって決定された前記被面接者の感情を前記第1テキストに含める
請求項1に記載の面接装置。
【請求項8】
前記入力部は、前記回答に基づいて感情特定モデルによって決定された前記被面接者の感情を前記第2テキストに含める
請求項2に記載の面接装置。
【請求項9】
コンピュータが、
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力すること
を含む処理を実行する面接方法。
【請求項10】
コンピュータに、
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力すること
を含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、面接装置、面接方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、面接者端末と被面接者端末とがネットワークを介して会議サーバに接続され、面接者端末および被面接者端末から認証情報を用いて会議サーバにアクセスすることにより、会議サーバを利用したオンライン面接を行うことができる面接システムであって、面接者端末および被面接者端末がネットワークを介して接続された面接設定サーバを更に備え、面接設定サーバは、被面接者端末からのアクセスに基づいて面接日時を含む面接情報を生成して、会議サーバに面接情報を送信し、会議サーバは、面接設定サーバからの面接情報の送信に基づいて認証情報を発行する面接システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-004142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、被面接者に対する面接を効率的かつ正確に行うためには改善の余地がある。
【0005】
本開示は、被面接者に対する面接を効率的かつ正確に行うことができる面接装置、面接方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の技術に係る第1の態様は、入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力する入力部と、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力する出力部と、を備える面接装置である。
【0007】
本開示の技術に係る第2の態様は、コンピュータが、入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力することを含む処理を実行する面接方法である。
【0008】
本開示の技術に係る第3の態様は、コンピュータに、入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力することを含む処理を実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】面接システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】面接装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】面接装置の動作の一例を示す第1説明図である。
図4】面接装置の動作の一例を示す第2説明図である。
図5】面接装置の動作の一例を示す第3説明図である。
図6】面接装置の動作の一例を示す第4説明図である。
図7】面接装置の動作の一例を示す第5説明図である。
図8】面接装置の動作の一例を示す第6説明図である。
図9】面接装置の動作の一例を示す第7説明図である。
図10】面接装置の動作の一例を示す第8説明図である。
図11】面接装置の動作の一例を示す第9説明図である。
図12】面接実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】感情マップの一例を示す概念図である。
図14】感情マップの一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に従って本開示の技術に係る面接装置、面接方法、及びプログラムの実施形態の一例について説明する。
【0011】
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
【0012】
以下の実施形態において、符号付きのプロセッサ(以下、単に「プロセッサ」と称する)は、1つの演算装置であってもよいし、複数の演算装置の組み合わせであってもよい。また、プロセッサは、1種類の演算装置であってもよいし、複数種類の演算装置の組み合わせであってもよい。演算装置の一例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)、APU(Accelerated Processing Unit)、又はTPU(Tensor Processing Unit)等が挙げられる。
【0013】
以下の実施形態において、符号付きのRAM(Random Access Memory)は、一時的に情報が格納されるメモリであり、プロセッサによってワークメモリとして用いられる。
【0014】
以下の実施形態において、符号付きのストレージは、各種プログラム及び各種パラメータ等を記憶する1つ又は複数の不揮発性の記憶装置である。不揮発性の記憶装置の一例としては、フラッシュメモリ(SSD(Solid State Drive))、磁気ディスク(例えば、ハードディスク)、又は磁気テープ等が挙げられる。
【0015】
以下の実施形態において、符号付きの通信I/F(Interface)は、通信プロセッサ及びアンテナ等を含むインタフェースである。通信I/Fは、複数のコンピュータ間での通信を司る。通信I/Fに対して適用される通信規格の一例としては、5G(5th Generation Mobile Communication System)、Wi-Fi(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等を含む無線通信規格が挙げられる。
【0016】
以下の実施形態において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0017】
図1には、実施形態に係る面接システム10の構成の一例が示されている。
【0018】
図1に示すように、面接システム10は、面接装置12及び被面接者端末14を備えている。面接装置12は、AI面接官として機能する装置であり、被面接者端末14は、被面接者とのインタフェースとして機能する装置である。面接装置12の一例としては、サーバが挙げられる。被面接者端末14の一例としては、ノート型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末が挙げられる。以下、被面接者端末14がノート型パーソナルコンピュータである場合を説明する。
【0019】
面接装置12は、コンピュータ22、データベース24、及び通信I/F26を備えている。コンピュータ22は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。コンピュータ22は、プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32を備えている。プロセッサ28、RAM30、及びストレージ32は、バス34に接続されている。また、データベース24及び通信I/F26も、バス34に接続されている。通信I/F26は、ネットワーク54に接続されている。ネットワーク54の一例としては、WAN(Wide Area Network)及び/又はLAN(Local Area Network)等が挙げられる。
【0020】
被面接者端末14は、コンピュータ36、受付装置38、出力装置40、カメラ42、及び通信I/F44を備えている。コンピュータ36は、プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50を備えている。プロセッサ46、RAM48、及びストレージ50は、バス52に接続されている。また、受付装置38、出力装置40、及びカメラ42も、バス52に接続されている。
【0021】
受付装置38は、キーボード38A、マウス38B、タッチパッド38C、マイク38D等を備えており、被面接者からの入力を受け付ける。受付装置38は、被面接者からの入力を受け付けた場合、入力に対応するデータをプロセッサ46に対して出力する。
【0022】
出力装置40は、ディスプレイ40A及びスピーカ40B等を備えており、データを人物20が知覚可能な表現形(例えば、音声及び/又はテキスト)で出力することでデータを人物20に対して提示する。ディスプレイ40Aは、プロセッサ46からの指示に従ってテキスト及び画像等の可視情報を表示する。スピーカ40Bは、プロセッサ46からの指示に従って音声を出力する。カメラ42は、レンズ、絞り、及びシャッタ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子とが搭載された小型デジタルカメラである。
【0023】
通信I/F44は、ネットワーク54に接続されている。通信I/F44及び26は、ネットワーク54を介してプロセッサ46とプロセッサ28との間の各種情報の授受を司る。
【0024】
図2には、面接装置12の要部機能の一例が示されている。
【0025】
図2に示すように、面接装置12では、プロセッサ28によって面接実行処理が行われる。ストレージ32には、面接実行プログラム56が格納されている。面接実行プログラム56は、本開示の技術に係る「プログラム」の一例である。プロセッサ28は、ストレージ32から面接実行プログラム56を読み出し、読み出した面接実行プログラム56をRAM30上で実行する。面接実行処理は、プロセッサ28がRAM30上で実行する面接実行プログラム56に従って、質問開始部28A、入力部28B、及び出力部28Cとして動作することによって実現される。
【0026】
ストレージ32には、文章生成モデル58及び感情特定モデル60が格納されている。文章生成モデル58及び感情特定モデル60は、面接実行処理において使用される。文章生成モデル58は、入力文章に応じた出力文章を生成する学習済のモデルである。具体的には、文章生成モデル58は、いわゆる生成AI(Artificial Intelligence)である。文章生成モデル58の一例としては、ChatGPT(インターネット検索<URL: https://openai.com/blog/chatgpt>)等の生成AIが挙げられる。文章生成モデル58は、ニューラルネットワークに対して深層学習を行わせることによって得られる。文章生成モデル58には、指示を含むプロンプトが入力され、かつ、音声を示す音声データ、テキストを示すテキストデータ、及び画像を示す画像データ等の推論用データが入力される。文章生成モデル58は、入力された推論用データをプロンプトにより示される指示に従って推論し、推論結果を音声データ及びテキストデータ等のデータ形式で出力する。ここで、推論とは、例えば、分析、分類、予測、及び/又は要約等を指す。図2では、文章生成モデルがストレージに格納されている態様が示されているが、文章生成モデルは、面接装置と通信可能に接続されたクラウドコンピュータに格納されていてもよい。なお、感情特定モデル60については、後述する。
【0027】
次に、図3から図11を参照しながら、面接装置12が被面接者との面接を実行するための面接実行処理を行う場合の質問開始部28A、入力部28B、及び出力部28Cの動作の一例について説明する。
【0028】
図3に示すように、質問開始部28Aは、面接が開始されると、初めの質問である「質問1」を被面接者端末14に対して出力する。図3に示す例において、「質問1」は、「はじめに、氏名、学歴、志望動機をお願いします。」である。初めの質問である「質問1」は、予め定められた質問でもよい。被面接者端末14は、「質問1」を被面接者に対して出力する。被面接者端末14は、「質問1」を音声で出力してもよく、文字で出力してもよい。また、被面接者端末14は、「質問1」を音声及び文字の両方で出力してもよい。被面接者端末14は、以下の各質問についても、音声で出力してもよく、文字で出力してもよく、音声及び文字の両方で出力してもよい。
【0029】
被面接者は、「質問1」に対する回答である「回答1」を被面接者端末14に対して入力する。図3に示す例において、「回答1」は、「氏名は〇〇です。学歴は〇〇です。御社を志望したのは、〇〇で世界をリードする企業で働きたいという強い動機からです。」である。被面接者は、「回答1」を音声で入力してもよく、文字で入力してもよい。また、被面接者は、「回答1」を音声及び文字の両方で入力してもよい。被面接者は、以下の各回答についても、音声で入力してもよく、文字で入力してもよく、音声及び文字の両方で入力してもよい。被面接者端末14は、「回答1」を面接装置12に対して出力する。
【0030】
入力部28Bは、被面接者の回答及び/又は被面接者に対する評価項目に基づいて、面接の進行に関する方針を決定する機能を有する。入力部28Bは、例えば、回答に含まれる用語を抽出し、抽出した用語に対応する方針をパターンマッチング又は人工知能等を用いて決定してもよい。また、入力部28Bは、例えば、面接担当者によって事前に設定された評価項目を取得し、取得した評価項目に対応する方針をパターンマッチング又は人工知能等を用いて決定してもよい。評価項目は、面接担当者が面接サマリに含めたい項目であり、面接担当者が任意に設定可能である。
【0031】
評価項目は、例えば、被面接者の人間性、熱量、及び社交性の少なくとも一つを含んでいてもよい。熱量とは、自己進化の意欲、仕事への意欲、能動性などを評価するための項目である。人間性及び社交性の評価項目は、以下の項目を含んでいてもよい。
・感情:トーン、音声の強弱、話速などから、応答時の感情状態(積極性、不安、興奮、ポジティブ、ネガティブなど)を推定するための項目
・モチベーション:志望動機、組織への献身度などを評価するための項目
・コミュニケーションスキル:応答の明確さや流暢さ、語彙力、質問への適切な反応など、言語的な表現からコミュニケーション能力を評価するための項目
・リーダーシップとチームワーク:チームでの経験や、特定のシナリオでのリーダーシップをどう発揮するかを評価するための項目
・責任感:負の結果に対して責任を取れるか、ミスを認めて改善に努める姿勢があるかを評価するための項目
・倫理性と価値観:個々の回答から、候補者の倫理観、価値観、道徳性、規範(コンプライアンス)意識を評価するための項目
・適応能力:状況に応じて自身の行動や発言を調整できるか、複数のタスクを同時に処理できるかなどを評価するための項目
・ストレス耐性と対処能力:予期しない質問や困難なシチュエーションに対する反応から、ストレス管理や問題解決能力を評価するための項目
・論理的思考力:与えられた質問や状況に対する理解度と、それに対する反応の論理性を評価するための項目
・創造力と革新性:新しいアイデアを提案できるか、問題解決のための革新的なアプローチを持っているかを評価するための項目
・問題解決スキル:複雑な問題を分解し、適切な解決策を提案できるかを評価するための項目
・情報収集能力:効率的に情報を収集し、それを元に行動できるかを評価するための項目
・自己認識:自分自身の強みや弱みを理解し、自己改善に取り組む意欲があるかを評価するための項目
・意思決定力:限られた情報から効率的かつ効果的に意思決定を行えるかを評価するための項目
・専門知識と技術スキル:応募している職種に必要な専門的な知識や技術スキルを持っているかを評価するための項目
【0032】
なお、入力部28Bは、十分な情報が得られたか否かや、経過時間に基づいて、面接の進行に関する方針を決定してもよい。
【0033】
図3に示す例において、入力部28Bは、「回答1」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「志望動機についてさらに深堀するべきである。」との方針を決定している。
【0034】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問1」と、「回答1」と、「回答1に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。このように、入力部28Bは、プロンプトを文章生成モデル58に入力するプロンプト入力部としての機能を有する。図3に示す例において、入力部28Bは、『学生の回答は「氏名は〇〇です~動機からです。」です。この学生に対して次の質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0035】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問2」を出力文章として生成する。図3に示す例において、「質問2」は、「自己紹介ありがとうございます。あなたがこの会社で取り組みたい具体的なプロジェクトや分野があれば教えてください。」である。
【0036】
出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された出力文章としての質問である「質問2」を被面接者端末14に対して出力する。被面接者端末14は、「質問2」を被面接者に対して出力する。
【0037】
図4に示すように、被面接者は、「質問2」に対する回答である「回答2」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答2」を面接装置12に対して出力する。図4に示す例において、「回答2」は、「私は〇〇技術に特に興味があり、その技術を活用して社会問題を解決するプロジェクトに参加したいです。」である。
【0038】
入力部28Bは、「回答2」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図4に示す例において、入力部28Bは、「回答2」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「志望動機についてさらに深堀するべきである。」との方針を決定している。
【0039】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問2」と、「回答2」と、「回答2に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図4に示す例において、入力部28Bは、『「自己紹介ありがとう~あなたがこの会社で取り組みたい~教えてください」との質問に対して、学生の回答は「私は〇〇技術に~参加したいです。」です。この学生に対して次の質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0040】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問3」を出力文章として生成する。図4に示す例において、「質問3」は、「〇〇技術に興味を持ったきっかけや、具体的にどのような社会問題を解決したいのか詳しく教えていただけますか?」である。
【0041】
出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された出力文章としての質問である「質問3」を被面接者端末14に対して出力する。被面接者端末14は、「質問3」を被面接者に対して出力する。
【0042】
図5に示すように、被面接者は、「質問3」に対する回答である「回答3」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答3」を面接装置12に対して出力する。図5に示す例において、「回答3」は、「高校時代に〇〇を始め、大学では〇〇の授業を取ったことがきっかけです。具体的には、〇〇を活用した〇〇支援システムに興味があります。〇〇の現場で起こっている問題をAI技術で解決できれば、多くの人々の生活をより良くできると考えています。」である。
【0043】
入力部28Bは、「回答3」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図5に示す例において、入力部28Bは、「回答3」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「情報が取得できたので、次の質問をするべきである。次は、面接担当者が事前に設定した「予期しない状況への対処能力」を測るべきである。」との方針を決定している。
【0044】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問3」と、「回答3」と、「回答3に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図5に示す例において、入力部28Bは、『「〇〇技術に興味~ますか?」の質問に対して、学生の回答は「高校時代に~考えています。」です。志望動機についてはよく分かったので、次は、予期しない状況に対しての対処能力を測りたいと思います。その能力を測る質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0045】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問4」を出力文章として生成する。図5に示す例において、「質問4」は、「あなたが最も尊敬する人物は誰ですか?また、その理由も教えていただけますか?」である。
【0046】
出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された出力文章としての質問である「質問4」を被面接者端末14に対して出力する。被面接者端末14は、「質問4」を被面接者に対して出力する。
【0047】
図6に示すように、被面接者は、「質問4」に対する回答である「回答4」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答4」を面接装置12に対して出力する。図6に示す例において、「回答4」は、「私が最も尊敬するのは、〇〇創設者である〇〇です。彼のビジョンと、それを現実に変えるための情熱に深く感銘を受けています。」である。
【0048】
入力部28Bは、「回答4」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図6に示す例において、入力部28Bは、「回答4」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「情報が足りないので、さらに深堀するべきである。」との方針を決定している。
【0049】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問4」と、「回答4」と、「回答4に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図6に示す例において、入力部28Bは、『「あなたが最も尊敬~ですか?」の質問に対して、学生の回答は「私が最も尊敬するのは~」です。この会話の流れで、状況対処能力をさらに深堀する質問をしてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0050】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問5」を出力文章として生成する。図6に示す例において、「質問5」は、「〇〇はたしかに多くの人々から尊敬されていますね。それでは、もし〇〇が生きていたとしたら、彼に一つだけ質問できるとしたら何を聞きますか?」である。
【0051】
図7に示すように、被面接者は、「質問5」に対する回答である「回答5」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答5」を面接装置12に対して出力する。図7に示す例において、「回答5」は、「もし彼に質問できるなら、「あなたが直面した困難や挑戦にどのように立ち向かってきたのか」と尋ねたいです。それは私が自身の困難に対処する方法を見つけるのに役立つと思うからです。」である。
【0052】
入力部28Bは、「回答5」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図7に示す例において、入力部28Bは、「回答5」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「情報が取得できたので、次の質問をするべきである。次は、担当者が事前に設定した、学生時代の経験について聞くべきである。」との方針を決定している。
【0053】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問5」と、「回答5」と、「回答5に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図7に示す例において、入力部28Bは、『「〇〇はたしかに~聞きますか?」の質問に対して、学生の回答は「もし彼に~」です。次にこの学生に対して、学生時代に力を入れてきたことを聞くための質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0054】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問6」を出力文章として生成する。図7に示す例において、「質問6」は、「ありがとうございます。次の質問です。学生の頃一番力を入れた事は何ですか?」である。
【0055】
図8に示すように、被面接者は、「質問6」に対する回答である「回答6」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答6」を面接装置12に対して出力する。図8に示す例において、「回答6」は、「学生の頃一番力を入れた事は〇〇〇です。」である。
【0056】
入力部28Bは、「回答6」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図8に示す例において、入力部28Bは、「回答6」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「さらに深堀するべきである。」との方針を決定している。
【0057】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問6」と、「回答6」と、「回答6に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図8に示す例において、入力部28Bは、『「学生の頃一番力を入れた事は何ですか?」の質問に対して、学生の回答は「学生の頃一番力を入れた事は〇〇〇です。」です。この学生に対して次の質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0058】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問7」を出力文章として生成する。図8に示す例において、「質問7」は、「〇〇〇について具体的なエピソードはありますか?」である。
【0059】
図9に示すように、被面接者は、「質問7」に対する回答である「回答7」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答7」を面接装置12に対して出力する。図9に示す例において、「回答7」は、「具体的なエピソードは〇〇です。」である。
【0060】
入力部28Bは、「回答7」が面接装置12に入力されると、方針を決定する。図9に示す例において、入力部28Bは、「回答7」及び面接担当者によって事前に設定された評価項目に基づいて、「面接で聞くべきことを聞くことができた。時間が終了時刻に近づいているので、最終の質問に移行するべきである。」との方針を決定している。
【0061】
そして、入力部28Bは、決定した方針に従い、「質問7」と、「回答7」と、「回答7に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図9に示す例において、入力部28Bは、『「〇〇〇について具体的なエピソードはありますか?」の質問に対して、学生の回答は「具体的なエピソードは〇〇です。」です。最後の質問を考えてください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0062】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問8」を出力文章として生成する。図9に示す例において、「質問8」は、「最後に何か質問はありますか?後日メールにて回答をします。」である。
【0063】
図10に示すように、被面接者は、「質問8」に対する回答である「回答8」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答8」を面接装置12に対して出力する。図10に示す例において、「回答8」は、「会社の制度について、〇〇は〇〇ですか?」である。
【0064】
入力部28Bは、「回答8」が面接装置12に入力されると、決定した方針に従い、「質問8」と、「回答8」と、「回答8に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。図10に示す例において、入力部28Bは、面接の終了条件を満たしているので、『「最後に何か質問はありますか?後日メールにて回答をします。」の質問に対して、学生の回答は「会社の制度~ですか?」です。この学生に対して締めの言葉を出して下さい。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第1テキスト」の一例である。
【0065】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、次の質問である「質問9」を出力文章として生成する。図10に示す例において、「質問9」は、「質問ありがとうございます。後日、担当者から回答させていただきます。本日は有難うございました。」である。
【0066】
図11に示すように、被面接者は、「質問9」に対する回答である「回答9」を被面接者端末14に対して入力する。被面接者端末14は、「回答9」を面接装置12に対して出力する。図11に示す例において、「回答9」は、「ありがとうございました。」である。
【0067】
このように、面接装置12による質問と被面接者による回答とのやり取りが進行すると、被面接者から最終的な回答である「回答N」(図3から図11に示す例では、N=9)が得られる。
【0068】
入力部28Bは、最終的な回答である「回答N」が面接装置12に入力された場合、「質問1~N」と、「回答1~N」と、「質問1~N及び回答1~Nを要約する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。なお、入力部28Bは、被面接者に対する評価項目を面接サマリに含める旨の指示を含めてもよい。これにより、評価項目について「回答1~N」から特定される評価内容を面接サマリに含めることができる。図11に示す例において、入力部28Bは、『「ありがと~ました。」の質問に対して、学生の回答は「ありがとうございました。」です。以上の質問及びその回答に従って、この学生の人間性、熱量、社交性などの情報を盛り込んだ面接サマリを作成してください。』とのプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力している。この場合に生成されるテキストは、本開示における「第2テキスト」の一例である。
【0069】
文章生成モデル58は、入力部28Bによって入力されたプロンプトに対して、「回答1~N」及び「質問1~N」を要約した「面接サマリ」を出力文章として生成する。
【0070】
出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された出力文章としての「面接サマリ」を出力する。出力部28Cは、「面接サマリ」を、ストレージ32に対して出力してストレージ32に記録させてもよく、他のサーバに対して出力して他のサーバに記録させてもよい。また、出力部28Cは、「面接サマリ」を、ディスプレイに対して出力してディスプレイに表示させてもよく、プリンタに対して出力してプリンタに印刷させてもよい。
【0071】
なお、入力部28Bは、後述する感情特定モデル60を用い、被面接者の回答に基づいて感情特定モデル60によって決定された被面接者の感情を、図3から図11に示すプロンプトに含めてもよい。これにより、今回の質問に対して被面接者が示した感情に応じた次の質問を文章生成モデル58によって生成することができる。
【0072】
また、入力部28Bは、後述する感情特定モデル60を用い、被面接者の回答に基づいて感情特定モデル60によって決定された被面接者の感情を、図6に示すプロンプトに含めてもよい。これにより、各質問に対して被面接者が示した感情を、被面接者を評価する指標として面接サマリに含めることができる。
【0073】
また、図3から図11に示す例では、面接装置12から被面接者端末14を介して被面接者に対して質問が出力され、被面接者から被面接者端末14を介して面接装置12に回答が入力されているが、面接装置12から被面接者に対して直接的に質問が出力され、被面接者から面接装置12に直接的に回答が入力されてもよい。以下、被面接者端末14を介して被面接者に対して質問を出力する場合と、被面接者に対して直接的に質問を出力する場合とを、区別せずに、被面接者に対して質問を出力すると説明する。
【0074】
次に、面接装置による面接方法について説明する。
【0075】
図12には、本実施形態に係る面接実行処理の流れの一例が示されている。図12に示す面接実行処理では、先ず、ステップST10で、質問開始部28Aは、初めの質問である「質問1」を被面接者に対して出力する。
【0076】
次いで、ステップST12で、入力部28Bは、「質問1」と、「回答1」と、「回答1に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。これにより、文章生成モデル58によって次の質問である「質問N-1」が生成される。
【0077】
次いで、ステップST14で、プロセッサは、面接を終了する終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件としては、例えば、面接の進行に関する方針により面接を終了すべきと決定されたという条件、回答及び質問のやりとりの回数が既定の回数に達したという条件、及び、面接時間が既定の時間に達したという条件等が挙げられる。終了条件が成立した場合には、面接実行処理はステップST20に移行する。一方、終了条件が成立していない場合には、面接実行処理はステップST16に移行する。
【0078】
ステップST16で、入力部28Bは、「質問N-1」と、「回答N-1」と、「回答N-1に対して質問する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。これにより、文章生成モデル58によって次の質問である「質問N」が生成される。
【0079】
次いで、ステップST18で、出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された「質問N」を被面接者に対して出力する。ステップST18後に、ステップST14に戻る。この際に、Nをインクリメントする。
【0080】
ステップST20で、入力部28Bは、「質問1~N」と、「回答1~N」と、「質問1~N及び回答1~Nを要約する旨の指示」とを表すテキストであるプロンプトを生成し、生成したプロンプトを入力文章として文章生成モデル58に入力する。これにより、文章生成モデル58によって「回答1~N」及び「質問1~N」を要約した「面接サマリ」が生成される。
【0081】
次いで、ステップST22で、出力部28Cは、文章生成モデル58によって生成された出力文章としての「面接サマリ」を出力する。これにより、面接実行処理は終了する。
【0082】
以上説明したように、面接装置12によれば、文章生成モデル58を活用することにより、被面接者に対する面接を効率的かつ正確に行うことができる。
【0083】
次に、感情特定モデル60について説明する。感情特定モデル60は、特定のマッピングに従い、ユーザの感情を決定してよい。具体的には、感情特定モデル60は、特定のマッピングである感情マップ(図13参照)に従い、ユーザの感情を決定してよい。
【0084】
図13は、複数の感情がマッピングされる感情マップ400を示す図である。感情マップ400において、感情は、中心から放射状に同心円に配置されている。同心円の中心に近いほど、原始的状態の感情が配置されている。同心円のより外側には、心境から生まれる状態や行動を表す感情が配置されている。感情とは、情動や心的状態も含む概念である。同心円の左側には、概して脳内で起きる反応から生成される感情が配置されている。同心円の右側には概して、状況判断で誘導される感情が配置されている。同心円の上方向及び下方向には、概して脳内で起きる反応から生成され、かつ、状況判断で誘導される感情が配置されている。また、同心円の上側には、「快」の感情が配置され、下側には、「不快」の感情が配置されている。このように、感情マップ400では、感情が生まれる構造に基づいて複数の感情がマッピングされており、同時に生じやすい感情が、近くにマッピングされている。
【0085】
これらの感情は、感情マップ400の3時の方向に分布しており、普段は安心と不安のあたりを行き来する。感情マップ400の右半分では、内部的な感覚よりも状況認識の方が優位に立つため、落ち着いた印象になる。
【0086】
感情マップ400の内側は心の中、感情マップ400の外側は行動を表すため、感情マップ400の外側に行くほど、感情が目に見える(行動に表れる)ようになる。
【0087】
ここで、人の感情は、姿勢や血糖値のような様々なバランスを基礎としており、それらのバランスが理想から遠ざかると不快、理想に近づくと快という状態を示す。ロボットや自動車やバイク等においても、姿勢やバッテリー残量のような様々なバランスを基礎として、それらのバランスが理想から遠ざかると不快、理想に近づくと快という状態を示すように感情を作ることができる。感情マップは、例えば、光吉博士の感情地図(音声感情認識及び情動の脳生理信号分析システムに関する研究、徳島大学、博士論文:https://ci.nii.ac.jp/naid/500000375379)に基づいて生成されてよい。感情地図の左半分には、感覚が優位にたつ「反応」と呼ばれる領域に属する感情が並ぶ。また、感情地図の右半分には、状況認識が優位にたつ「状況」と呼ばれる領域に属する感情が並ぶ。
【0088】
感情マップでは学習を促す感情が2つ定義される。1つは、状況側にあるネガティブな「懺悔」や「反省」の真ん中周辺の感情である。つまり、「もう2度とこんな想いはしたくない」「もう叱られたくない」というネガティブな感情がロボットに生じたときである。もう1つは、反応側にあるポジティブな「欲」のあたりの感情である。つまり、「もっと欲しい」「もっと知りたい」というポジティブな気持ちのときである。
【0089】
感情特定モデル60は、ユーザ入力を、予め学習されたニューラルネットワークに入力し、感情マップ400に示す各感情を示す感情値を取得し、ユーザの感情を決定する。このニューラルネットワークは、ユーザ入力と、感情マップ400に示す各感情を示す感情値との組み合わせである複数の学習データに基づいて予め学習されたものである。また、このニューラルネットワークは、図14に示す感情マップ900のように、近くに配置されている感情同士は、近い値を持つように学習される。図14では、「安心」、「安穏」、「心強い」という複数の感情が、近い感情値となる例を示している。
【0090】
上記実施形態では、1台のコンピュータ22によって面接実行処理が行われる形態例を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されず、コンピュータ22を含めた複数のコンピュータによる面接実行処理に対する分散処理が行われるようにしてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、ストレージ32に面接実行プログラム56が格納されている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、面接実行プログラム56がUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの可搬型のコンピュータ読み取り可能な非一時的格納媒体に格納されていてもよい。非一時的格納媒体に格納されている面接実行プログラム56は、面接装置12のコンピュータ22にインストールされる。プロセッサ28は、面接実行プログラム56に従って面接実行処理を実行する。
【0092】
また、ネットワーク54を介して面接装置12に接続されるサーバ等の格納装置に面接実行プログラム56を格納させておき、面接装置12の要求に応じて面接実行プログラム56がダウンロードされ、コンピュータ22にインストールされるようにしてもよい。
【0093】
なお、ネットワーク54を介して面接装置12に接続されるサーバ等の格納装置に面接実行プログラム56の全てを格納させておいたり、ストレージ32に面接実行プログラム56の全てを記憶させたりしておく必要はなく、面接実行プログラム56の一部を格納させておいてもよい。
【0094】
面接実行処理を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、面接実行処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで面接実行処理を実行する。
【0095】
面接実行処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、面接実行処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
【0096】
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、面接実行処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoC(System-on-a-chip)などに代表されるように、面接実行処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、面接実行処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
【0097】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。また、上記の面接実行処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【0098】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0099】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0100】
以下、本実施形態に関して以下の付記を開示する。
(付記1)
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力する入力部と、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力する出力部と、
を備える面接装置。
(付記2)
前記入力部は、前記文章生成モデルに、前記回答と、前記質問と、前記回答及び前記質問を要約する旨の指示とを表す第2テキストを前記入力文章として入力し、
前記出力部は、前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての面接サマリを出力する
付記1に記載の面接装置。
(付記3)
前記入力部は、前記第2テキストに、前記被面接者に対する評価項目を前記面接サマリに含める旨の指示を含める
付記2に記載の面接装置。
(付記4)
前記評価項目は、前記被面接者の人間性、熱量、及び社交性の少なくとも一つに関する事項を含む
付記3に記載の面接装置。
(付記5)
前記入力部は、前記回答に基づいて、面接の進行に関する方針を決定する
付記1から付記4の何れか一つに記載の面接装置。
(付記6)
前記入力部は、前記被面接者に対する評価項目に基づいて、面接の進行に関する方針を決定する
付記1から付記5の何れか一つに記載の面接装置。
(付記7)
前記入力部は、前記回答に基づいて感情特定モデルによって決定された前記被面接者の感情を前記第1テキストに含める
付記1から付記6の何れか一つに記載の面接装置。
(付記8)
前記入力部は、前記回答に基づいて感情特定モデルによって決定された前記被面接者の感情を前記第2テキストに含める
付記2から付記4、及び付記2に従属する付記5から付記7の何れか一つに記載の面接装置。
(付記9)
コンピュータが、
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力すること
を含む処理を実行する面接方法。
(付記10)
コンピュータに、
入力文章に応じた出力文章を生成する文章生成モデルに、被面接者の回答と、前記回答に対して質問する旨の指示とを表す第1テキストを前記入力文章として入力すること、及び、
前記文章生成モデルによって生成された前記出力文章としての質問を前記被面接者に対して出力すること
を含む処理を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0101】
10 面接システム
12 面接装置
14 被面接者端末
22 コンピュータ
24 データベース
26 通信I/F
28 プロセッサ
28A 質問開始部
28B 入力部
28C 出力部
30RAM
32 ストレージ
34 バス
36 コンピュータ
38 受付装置
38A キーボード
38B マウス
38C タッチパッド
38D マイク
40 出力装置
40A ディスプレイ
40B スピーカ
42 カメラ
44 通信I/F
46 プロセッサ
48 RAM
50 ストレージ
52 バス
54 ネットワーク
56 面接実行プログラム
58 文章生成モデル
60 感情特定モデル
400 感情マップ
900 感情マップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14