(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025151918
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】検出器の取付構造
(51)【国際特許分類】
B62D 21/00 20060101AFI20251002BHJP
G01S 7/03 20060101ALN20251002BHJP
【FI】
B62D21/00 B
G01S7/03 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053550
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100176946
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 智恵
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青野 宣明
【テーマコード(参考)】
3D203
5J070
【Fターム(参考)】
3D203AA14
3D203BA03
3D203CB24
3D203DA15
5J070AF03
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で共振を抑制することができる検出器の取付構造を提供する。
【解決手段】車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造1であって、車両のフレーム4に固定された固定部11と、固定部11から車幅方向外側へ延出した延出部12と、延出部12の先端部に固定され検出器8が搭載される搭載部13と、を備え、搭載部13に取り付けられるウエイト40を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、
前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に固定され前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、
前記搭載部に取り付けられるウエイトを備える
ことを特徴とする、検出器の取付構造。
【請求項2】
前記ウエイトは、締結部材により脱着自在に取り付けられる
ことを特徴とする、請求項1に記載の検出器の取付構造。
【請求項3】
前記ウエイトは、前記延出部の上方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の検出器の取付構造。
【請求項4】
前記ウエイトは下側に凹み部を備え、前記凹み部内に前記延出部の上方部分が位置するように前記ウエイトが配置される
ことを特徴とする、請求項3に記載の検出器の取付構造。
【請求項5】
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の検出器の取付構造。
【請求項6】
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されている
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【請求項7】
車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、
前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に固定され前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、
前記延出部に取り付けられるウエイトを備える
ことを特徴とする、検出器の取付構造。
【請求項8】
前記延出部は棒状であり、前記ウエイトは前記延出部の上面側に取り付けられる
ことを特徴とする、請求項7に記載の検出器の取付構造。
【請求項9】
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されている
ことを特徴とする、請求項7に記載の検出器の取付構造。
【請求項10】
前記ウエイトは前記延出部に溶接で取り付けられる
ことを特徴とする、請求項7に記載の検出器の取付構造。
【請求項11】
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されている
ことを特徴とする、請求項7~10の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全性を向上させる技術として、車両の側方に設けられた検出器(センサ、レーダ、ライダー等)を用いて車両の側方に存在する他車両や自転車、歩行者などを検知し、車両のドライバへ警報を出力したり車両を自動で制動したりする技術が用いられている。例えば特許文献1には、車両のフェンダパネルに固定された取付ブラケットに周辺情報検出センサを固定した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような検出器は、検知性の確保のために、車両の車幅方向の端縁部付近に設けることが好ましく、車幅方向の内側から外側に向けブラケットを延出させ、このブラケットの先に検出器を取り付けることがある。
【0005】
ところで、検出器の検出精度を確保するため、車両から伝達される検出器への振動を抑制する必要がある。
しかし、ブラケットの形状や材質によっては、車両から伝わる振動の振動数がブラケットの固有振動数と合ってしまうことにより共振が発生してしまう虞がある。特に、ブラケットを延出させその先に検出器を取り付ける構造では、検出器がブラケットの揺動端に位置するため、共振が発生すると検出器の振動が大きくなって検出性能を低下させるおそれがある。この場合、ブラケットの大幅な形状変更などにより共振の発生を回避することが考えられるが、構造の複雑化やコスト増加などを招く場合がある。
【0006】
本件は、上記の課題に着目して創案されたものであり、簡単な構成で共振を抑制することができる検出器の取付構造を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本件は上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現できる。
本適用例に係る検出器の取付構造は、車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に取り付けられ前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、前記搭載部に取り付けられるウエイトを備える。
【0008】
本適用例によれば、車両のフレームの固定部から車幅方向外側へ延出した延出部の先端部に取り付けられる搭載部に検出器が搭載されるので、車両の車幅方向の端縁部付近に検出装置を設けることができ、車両の側方の検知範囲を検知しやすくなる。一方、車両のフレームから延出部に振動が加わると延出部の先端部は揺動端となり、延出部の先端部の搭載部は振動しやすい。特に、車両のフレームから伝わる振動の振動数が取付構造の固有振動数と合ってしまうと共振が発生して大きく振動してしまうが、搭載部にウエイトが取り付けられているので、ウエイトにより取付構造の固有振動数を操作し、共振を回避することが可能になる。
【0009】
本適用例に係る検出器の取付構造において、前記ウエイトは、締結部材により脱着自在に取り付けられても良い。
この場合、ウエイトを容易に交換することができるため、複数のウエイトを用意し、共振の回避に最も有効なウエイトを選定して取り付けることができる。
【0010】
前記ウエイトは、前記延出部の上方に位置しても良い。
通常、検出器は路面から一定距離だけ離れた高さ位置に配置されるため、配置状況によっては、ウエイトが取り付けられる部位の下方に、例えば車輪などの車両部材が存在する場合があり、ウエイトの位置によっては車両部材と干渉するおそれがある。この点、ウエイトが延出部の上方に位置していれば、車両部材と干渉するおそれを回避できる。
【0011】
前記ウエイトは下側に凹み部を備え、前記凹み部内に前記延出部の上方部分が位置するように前記ウエイトが配置されても良い。
これにより、ウエイトの容積(重量)が比較的大きい場合であっても、ウエイトの延出部との干渉を回避しながら、ウエイトの重心を延出部により近づけることができる。ウエイトの重心は延出部の外側に離隔するほど振動が複雑になり、共振点の回避に支障を来すおそれがあるが、このようなおそれを回避できる。
【0012】
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されていても良い。
この構成によれば、車輪との干渉を回避しつつ車輪周りのスペースを有効利用して車両の側方を検知範囲とする検出器を取り付けることができる。
【0013】
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されても良い。
低床二軸車の場合、車輪径が小さくなり床下スペースが狭くなり、検出器を配置する箇所が限定されるが、前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に検出器を配置すれば、検出器を他の車両部材と干渉することなく配置できる。
【0014】
本適用例に係るもう一つの検出器の取付構造は、車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に取り付けられ前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、前記延出部に取り付けられるウエイトを備える。
【0015】
本適用例によれば、車両のフレームの固定部から車幅方向外側へ延出した延出部の先端部に取り付けられる搭載部に検出器が搭載されるので、車両の車幅方向の端縁部付近に検出装置を設けることができ、車両の側方の検知範囲を検知しやすくなる。一方、車両のフレームから延出部に振動が加わると延出部の先端部は揺動端となり、延出部の先端部の搭載部は振動しやすい。特に、車両のフレームから伝わる振動の振動数が取付構造の固有振動数と合ってしまうと共振が発生して大きく振動してしまうが、延出部にウエイトが取り付けられているので、ウエイトにより取付構造の固有振動数を操作し、共振を回避することが可能になる。
【0016】
前記延出部は棒状であり、前記ウエイトは前記延出部の上面側に取り付けられても良い。
通常、検出器は路面から一定距離だけ離れた高さ位置に配置されるため、配置状況によっては、ウエイトが取り付けられる部位の下方に、例えば車輪などの車両部材が存在する場合があり、ウエイトの位置によっては車両部材と干渉するおそれがある。この点、ウエイトが延出部の上面側に取り付けられていれば、車両部材と干渉するおそれを回避できる。
【0017】
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されていても良い。
この構成によれば、車輪との干渉を回避しつつ車輪周りのスペースを有効利用して車両の側方を検知範囲とする検出器を取り付けることができる。
【0018】
前記ウエイトは前記延出部に溶接で取り付けられても良い。
この構成によれば、ウエイトを延出部に確実に固定することができる。
【0019】
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されても良い。
低床二軸車の場合、車輪径が小さくなり床下スペースが狭くなり、検出器を配置する箇所が限定されるが、前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に検出器を配置すれば、検出器を他の車両部材と干渉することなく配置できる。この場合、ウエイトの位置によってはウエイトが前輪と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイトが延出部の上面側に取り付けられていれば、前輪と干渉するおそれを回避できる。
【発明の効果】
【0020】
本件によれば、簡単な構成で共振を抑制することができる検出器の取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】適用例に係る検出器の取付構造が適用された車両の前部の左側面図である。
【
図2】
図1の車両の左側に設けられた検出器の取付構造を斜め後方から視た斜視図である。
【
図3】
図1の車両の左側に設けられた検出器の取付構造の上面図である。
【
図4】
図1の車両の左側に設けられた検出器の取付構造に適用されるセンサカバーを示す斜視図である。
【
図5】
図1の車両の左側に設けられた検出器の取付構造の要部を斜め後方から視た斜視図であり、(a)は取付途中状態を示し、(b)は取付完了状態を示す。
【
図6】
図1の車両の左側に設けられた検出器の取付構造に適用されるセンサカバー及びウエイトの取付構造を説明する要部上面図であり、(a)は取付途中状態を示し、(b)は取付完了状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本件の実施形態について説明する。以下の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。下記の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせられる。
【0023】
図面において、「FR」は車両の前方を示し、「UP」は車両の上方を示し、「LH」は車両の前方を向いた場合の左方を示す。以下、車両の前後方向を「車長方向」ともいい、車両の左右方向を「車幅方向」ともいい、車両の上下方向を「車高方向」ともいう。
【0024】
[1.構成]
[1-1.車両]
図1に示すように、本実施形態(適用例)に係る検出器の取付構造1(以下、単に「取付構造1」という。)は、アオリ2を有する車両3に適用されている。車両3は、例えば、図示しない運転席が設けられたキャブ3Aと、キャブ3Aの後方に配置される荷台3Bとを有する平ボディートラックである。キャブ3Aは、前方に傾倒可能に構成される。本実施形態では、前輪部に前後二本の車軸を有する前二軸で且つ低床の低床二軸車であるトラックを車両3として示す。ただし、本取付構造1が適用される車両3は、このようなトラックに限られず、例えば、トレーラであってもよい。
【0025】
車両3は、前二軸の第一軸の左右両側に配置された前前輪タイヤ5(車両の車輪)と、前二軸の第二軸の左右両側に配置された前後輪タイヤ6とを有する。
図1には左の前前輪タイヤ5及び左の前後輪タイヤ6を示す。前前輪タイヤ5は、キャブ3Aの下方に位置する。一方、前後輪タイヤ6は、前前輪タイヤ5よりも後方であって、荷台3Bの前部の下方に位置する。前前輪タイヤ5及び前後輪タイヤ6は、車長方向D1に互いに間隔をあけて配置される。
【0026】
取付構造1は、車両3の側方を検知範囲とする検出器8を取り付けるための構造である。検出器8は、検知範囲内に存在する人や他車両などの物体を検出するセンサ、レーダ、ライダー等である。検出器8で検知された物体の情報は、例えば、死角になりやすい車両3の側方を監視して必要に応じてドライバに警報を出すシステム(BSA;ブラインドスポットアシスト)や、車両3の全体を監視するシステム(アクティブサイドガードアシスト)に利用される。
【0027】
車両3に搭載される検出器8は、検知性の確保のために、検知範囲(例えば照射範囲)に関するレギュレーションが規定されている。言い換えると、検出器8は、一定の検知性を確保するために、車両3における搭載位置(例えば、路面からの高さ、車幅方向D2において最大寸法をなす車体からの突出量など)が予め制限されている。本実施形態では、車両3の前端部に設けられた図示しない前方センサから検出器8までの距離に制約があるため、検出器8が前前輪タイヤ5及び前後輪タイヤ6の間の領域(前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置)に配置される。
【0028】
車両3には、骨格部材としての種々のフレーム4が設けられる。車両3のフレーム4には、車長方向D1に延びる一対のサイドレール4Aと、キャブ3Aの後端部を下方から支持するキャブブリッジ4Bとが含まれる。各サイドレール4Aは、その断面が例えばチャンネル形状をなす。一対のサイドレール4Aは、車幅方向D2に互いに離隔して配置される。
図1には左のサイドレール4Aのみを示す。各サイドレール4Aには、図示しない様々な機器(架装品)がブラケットを適宜介して固定される。
また、本実施形態では、アオリ2は、荷台3B上に載せられた積載物の落下を防止するために、荷台3Bの側部(左右)の各々に回動軸Cまわりに回動可能に取り付けられている。なお、
図1では、アオリ2を使用状態に閉じた場合を実線(符号P1)で示し、アオリ2を回動させて開いた場合を二点鎖線(符号P2)で示す。
【0029】
[1-2.取付構造]
取付構造1は、車両3の左右のそれぞれに設けられており、左右で略同様(左右対称)の構成を有する。本実施形態では、
図2及び
図3に左の取付構造1の概要を示し、
図4に取付構造1のカバー(センサカバー)30を示し、
図5に左の取付構造1の要部を示す。なお、
図2,
図3には、主要な構成のみを模式的に示す。また、
図5では検出器8を省略する。
【0030】
図2に示すように、取付構造1は、フレーム4に検出器8を支持させるためのブラケット10を備えている。ブラケット10は、検出器8を搭載するための部材であることからセンサブラケットともいえ、検出器8がBSAに使われる場合にはBSAブラケットともいえる。ブラケット10は、フレーム4に固定された固定部11と、固定部11から車幅方向D2の外側へ延出した延出部12と、所定の位置に検出器8を搭載する搭載部13とを有する。本実施形態の取付構造1は、ブラケット10の搭載部13に搭載された検出器8の一部を覆うカバー30を更に備えている。本実施形態のカバー30は、例えば板金製であって、搭載部13と共に検出器8の側面(一部)を覆う。
【0031】
本実施形態の固定部11は、フレーム4としてのサイドレール4Aに固定されている。固定部11は、サイドレール4Aのウェブ面に接触配置される内側面部14と、内側面部14から下方かつ車幅方向D2の外側へ斜めに延びた傾斜部15とを有し、閉断面構造をなす。内側面部14とサイドレール4Aのウェブ面の対応する箇所との各々には、ボルト21が挿通される図示しないボルト孔が形成されている。一方、傾斜部15のうち、車幅方向D2の外側から視て内側面部14と重なる領域には、上記のボルト孔にアクセスするためのアクセス孔16が形成されている。固定部11は、アクセス孔16を通じて複数のボルト21(
図2では一つのみに符号を付す)がボルト孔に挿通されたうえで、サイドレール4Aの裏面側のナット(図示略)と締結されることにより、サイドレール4Aに固定される。
【0032】
延出部12は、例えばパイプで形成され、サイドレール4Aの近傍に配置される種々の装置(周辺部材)を避けるように湾曲した形状に設けられる。延出部12は、車幅方向D2の内側の端部が固定部11に結合されるとともに、車幅方向D2の外側の端部が搭載部13に例えば溶接により結合される。本実施形態では、固定部11における傾斜部15の下部から車幅方向D2の外側かつ上方に向かって斜めに延びた後、車幅方向D2の外側かつ前方へ向かってほぼ水平に延在する延出部12を例示する。このような延出部12が固定部11と搭載部13との間に設けられることで、固定部11よりも上方かつ前方に搭載部13が配置される。
【0033】
搭載部13は、検出器8が取り付けられる部位であって、本実施形態ではL字状に曲がったプレートで構成される。搭載部13は、略車幅方向を向いた基面部17と、基面部17の後端縁から略車幅方向に向けて屈曲形成された取付面部18とを備え、基面部17の背面に延出部12の外側の端部が結合され、取付面部18に検出器8が取り付けられる。
【0034】
なお、検出器8を搭載する所定の位置は、延出部12よりも車幅方向D2の外側であって、車両3の側面視で(車幅方向D2から視て)アオリ2の回動軌跡と重ならない位置である。この所定の位置は、検出器8の検知範囲に関するレギュレーションを満たすとともに、前前輪タイヤ5やアオリ2等の周辺部材と検出器8との間隙が確保されるように設定される。本実施形態では、所定の位置が、アオリ2の回動軌跡よりも前方に設定されることで、アオリ2の回動軌跡と重ならないようになっている。
【0035】
検出器8は、搭載部13の取付面部18に取り付けられる基部8aと、基部8aから突出するセンサ部8bとを備える。センサ部8bはセンサカバーで覆われるが、基部8aの一部は露出する。つまり、基部8aは、背面を搭載部13の基面部17で覆われ、一側面(取付状態で車両3の後方に向く側面)を搭載部13の取付面部18で覆われるが、上面,下面及びもう一つの側面(取付状態で車両3の前方に向く側面)は露出する。本取付構造1では、この基部8aの露出した上面,下面及び側面を覆って保護するために、カバー30が取り付けられる。カバー30については後述する。
【0036】
また、
図3に示すように、本実施形態の搭載部13は、車長方向D1において検出器8が前前輪タイヤ5の後端部51と同じ位置に搭載されるように、車長方向D1の位置が設定されている。換言すれば、搭載部13は、上面視で検出器8と前前輪タイヤ5の後端部51とが車幅方向D2に並ぶように配置されている。このような搭載部13の配置により、検出器8と倒された(開放された)アオリとの干渉が避けられている。
【0037】
また、本実施形態の搭載部13は、検出器8が前前輪タイヤ5よりも車幅方向D2の外側に搭載されるように、車幅方向D2の位置が設定されている。このような搭載部13の配置により、前前輪タイヤ5が検出器8の検知範囲内に侵入することが防止されている。なお、搭載部13及び検出器8は、前前輪タイヤ5に対して隙間をあけて配置される。
【0038】
さらに
図1,
図2に示すように、本実施形態の搭載部13は、車長方向D1(例えば後方)から視て前前輪タイヤ5と重なる位置に設けられている。より詳細には、搭載部13は、検出器8が前前輪タイヤ5の上端部52と同じ高さに搭載されるように、高さ位置(車高方向D3の位置)が設定されている。換言すれば、搭載部13は、車長方向D1(例えば後方)から視て、検出器8と前前輪タイヤ5の上端部52とが車幅方向D2に並ぶように配置されている。このように、検出器8の全体が前前輪タイヤ5よりも上方に位置するのではなく、検出器8の少なくとも一部が前前輪タイヤ5の上端部52よりも下方に位置するように搭載部13が配置されることで、傾倒可能なキャブ3Aと検出器8との干渉が避けられている。
【0039】
カバー30は、
図4に示すように、搭載部13の基面部17に取り付けられる背面部31と、何れも背面部31から屈曲形成された上面部32,下面部33及び側面部34とを備える。背面部31には、延出部12を跨ぐように取り付けるための凹部38と、四隅にボルト孔31a~31dとが形成される。背面部31の内面(車幅方向外側を向く面)のボルト孔31a~31dに対応する箇所には、それぞれウェルドナット35が溶着されている。また、搭載部13の基面部17にも、ボルト孔31a~31dに対応してボルト孔17a~17dが形成される。なお、凹部38の内面は、延出部12の円筒面状の外周面と干渉しない範囲で接近するように、延出部12の円筒面よりもやや大きい円筒面状に形成される。
【0040】
カバー30は、
図5(a),
図6(a)に示すように、ボルト孔31a~31d及びボルト孔17a~17dに取付ボルト(締結部材)36,37を挿入してウェルドナット(締結部材)35に螺合締結することで、
図5(b),
図6(b)に示すように、搭載部13の基面部17に固定される。これにより、カバー30の上面部32は検出器8の基部8aの上面を覆い、カバー30の下面部33は検出器8の基部8aの下面を覆い、カバー30の側面部34は検出器8の基部8aの側面を覆う。なお、
図2,
図3,
図5(a),(b)及び
図6(a),(b)には、ウエイト40を示すが、これについては後述する。
【0041】
ところで、車両3の走行時の振動が検出器8に伝達され検出器8が振動すると、検出性能を低下させるおそれがある。特に、ブラケット10は、フレーム4に固定された固定部11から車幅方向D2の外側へ延出した延出部12の外側の端部に検出器8を搭載する構造であり、検出器8は片持ち支持された揺動端に位置するので振動しやすい。このため、ブラケット10に共振が発生すると検出器の振動がより大きくなるおそれがある。
【0042】
本車両3では、車両3の走行時の検出器8の振動を検査したところ、車両3の右側に設けられた検出器8の振動の大きさは許容基準以下に収まるが、車両3の左側に設けられた検出器8の振動の大きさは許容基準を上回ってしまうことが判明した。また、この原因が、車両3の左側に設けられた取付構造1が共振現象を生じるためであることも判明した。
【0043】
なお、検査した振動の大きさとは、検出器8の上下振動の加速度値である。車両3の走行時には、路面反力により車両3に上下振動を主体とした振動が生じ、取付構造1に上下方向の強制振動が入力される。したがって、検出器8の振動も上下振動が主体となる。また、許容基準は所定の加速度値として予め設定される。車両3の左右で振動値が異なるのは、車両の架装品等が左右非対称であり、車両3の振動特性も左右非対称なためである。
【0044】
本取付構造1では、搭載部13にウエイト40を取り付けることにより、取付構造1の固有振動数fを変更して共振点を回避できるようにしている。
つまり、取付構造1の質量をwとし、剛性をkとすると、取付構造1の固有振動数fは、√wと概ね反比例し、√kと概ね比例する。したがって、質量wあるいは剛性kを変更することで固有振動数fを変更できる。取付構造1の剛性kを変更することは容易ではないが、質量wを変更(特に、増加)するには、ウエイト40を追加するだけでよく、比較的容易である。
【0045】
なお、取付構造1は片持ち梁状なので、その先端(即ち、搭載部13側)に近い部分ほど質量wの変更効果がある。そこで、搭載部13にウエイト40を取り付けることにより、比較的軽量な(即ち、小型の)ウエイト40でも、取付構造1の固有振動数を有効に低下させることができる。
【0046】
本実施形態のウエイト40は、
図5(a),
図6(a)に示すように、直方体のブロック状に形成され、取付時に下側に位置する部分に凹み部41を備えている。ウエイト40は、この凹み部41内に延出部12の先端部の上方部分が位置するように、延出部12の上方に配置される。また、本実施形態では、ウエイト40は、前後方向D1または上下方向D3から見て前前輪タイヤ5(車両の車輪)と重なる位置に配置されている。
【0047】
また、ウエイト40には、ボルト孔31a,31b及びボルト孔17a,17bに対応するボルト孔42a,42bが形成されている。ボルト孔31a,31b及びボルト孔17a,17b及びボルト孔42a,42bに取付ボルト36を挿入してウェルドナット35に螺合締結することで、ウエイト40は、カバー30の背面部31と共に、搭載部13の基面部17に共締め固定される。
【0048】
[2.作用及び効果]
本実施形態によれば、振動の大きさが許容基準を上回ってしまう車両3の左側に設けられた検出器8の取付構造1の搭載部13に、ウエイト40が取り付けられているので、当該検出器8の振動が抑制され検出性能が確保される。
【0049】
つまり、車両3の左側の取付構造1には、走行時に車両3から上下方向の強制振動が入力され、ウエイト40が取り付けられない状態では、この強制振動の振動数が、当該取付構造1の固有振動数と一致することで共振し、先端部の検出器8の振動が増幅する。これに対し、ウエイト40が取り付けられることで、取付構造1の固有振動数が低下され、共振現象の発生が抑制される。これにより、検出器8の振動が抑制され、検出器8の検出性能が確保されるのである。
【0050】
特に、取付構造1は片持ち梁状であって、その先端に近い部分ほど質量wの変更効果があり、本実施形態では、取付構造1の先端の搭載部13にウエイト40が取り付けられているので、比較的軽量な(即ち、小型の)ウエイト40でも、取付構造1の固有振動数を有効に低下させることができる。したがって、一層容易に対象の検出器8の振動の大きさを許容基準以下に収めるようにすることができる。
【0051】
また、ウエイト40は、締結部材である取付ボルト36及びウェルドナット35の締結により、脱着自在に取り付けられるので、ウエイト40を容易に交換することができる。したがって、例えば複数のウエイト40を用意し、共振点の回避に最も有効なウエイト40を選定して取り付けることができる。また、本実施形態では、ウエイト40はカバー30と共締めにて取り付ける構成なので取付構造が簡素化される。なお、カバー30とウエイト40とを共締めにて取り付ける取付ボルト36は、カバー30のみを取り付ける取付ボルト37よりも長尺のボルトが適用される。
【0052】
また、ウエイト40は、延出部12の上方に位置しているので、車両部材と干渉するおそれが回避される。つまり、通常、検出器8は路面から一定距離だけ離れた高さ位置に配置されるため、配置状況によっては、ウエイト40が取り付けられる部位の下方に、車両部材が存在する場合がある。本実施形態の場合には、ウエイト40が配置される延出部12の先端近傍の直下には、前前輪タイヤ5(車両の車輪)が位置している。延出部12の下方にウエイト40を配置すると、前前輪タイヤ5のバンプ時にウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉してしまうおそれがある。ウエイト40を延出部12の上方に配置することでこれを回避できる。
【0053】
また、ウエイト40を延出部12の側方(前側の側方又は後側の側方)に配置すると、ウエイト40が延出部12を捩じるように振動する捩じり振動が生じて、振動が複雑になり、共振点の回避に支障を来すおそれがある。この点でも、ウエイト40を延出部12の上方に配置することでこのようなおそれを回避できる。
【0054】
また、ウエイト40は下側に凹み部41を備え、この凹み部41内に延出部12の上方部分が位置するようにウエイト40が配置されるので、ウエイト40の容積(重量)が比較的大きい場合であっても、ウエイト40の延出部12との干渉を回避しながら、ウエイト40の重心を延出部12により近づけることができる。ウエイト40の重心は延出部12の外側に離隔するほど振動が複雑になり、共振点の回避に支障を来すおそれがあるが、このようなおそれを回避できる。
【0055】
車両3は、前輪部に、前前輪タイヤ5と前後輪タイヤ6とを有し、前後二軸を有する低床二軸車であるため、車輪径が小さくなり床下スペースが狭くなって、検出器を配置する箇所が限定される。この点、検出器8は、前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されているので、検出器8を他の車両部材と干渉することなく配置できる。この場合、ウエイト40の位置によってはウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイト40が延出部12の上方に位置しているので、前前輪タイヤ5と干渉するおそれを回避できる。
【0056】
また、本実施形態では、ウエイト40は、前後方向D1または上下方向D3から見て前前輪タイヤ5(車両の車輪)と重なる位置に配置されているので、前前輪タイヤ5との干渉を回避しつつ前前輪タイヤ5の周りのスペースを有効利用して車両の側方を検知範囲とする検出器8を取り付けることができる。この場合、ウエイト40の配置によっては、ウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイト40が延出部12の上方に位置しているので、このようなおそれを回避できる。
【0057】
また、検出器8の側面を覆うカバー30を備えているので、飛び石などから検出器8を保護できる。また、本実施形態では、ウエイト40とカバー30とが共締めにて取り付ける構成なので両部材の取付構造が簡素化される。
【0058】
[3.変形例]
上記実施形態では、搭載部13にウエイト40を取り付けることにより、取付構造1の固有振動数fを変更して共振点を回避しているが、延出部12にウエイト40を取り付ける構成(以下、「変形例」という)とすることにより、取付構造1の固有振動数fを変更して共振点を回避してもよい。
上記のように、取付構造1は片持ち梁状なので、その先端(即ち、搭載部13側)に近い部分ほど質量wの変更効果がある。この変形例の構成でも、延出部12の先端近くにウエイト40を取り付ければ、比較的軽量な(即ち、小型の)ウエイト40でも、取付構造1の固有振動数を有効に低下させることができる。
【0059】
この変形例の場合、棒状の延出部12の上面側に、ウエイト40を取り付けられても良い。
上記のように、検出器8は路面から一定距離だけ離れた高さ位置に配置されるため、配置状況によっては、ウエイト40が取り付けられる部位の下方に、車両部材が存在する場合がある。本実施形態の場合には、ウエイト40が配置される延出部12の先端近傍の直下には、前前輪タイヤ5(車両の車輪)が位置している。延出部12の下方にウエイト40を配置すると、前前輪タイヤ5のバンプ時にウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉してしまうおそれがある。ウエイト40を延出部12の上面側に取り付けることでこれを回避できる。
また、上記のように、ウエイト40を延出部12の側方(前側の側方又は後側の側方)に配置すると、捩じり振動が生じて振動が複雑になり、共振点の回避に支障を来すおそれがあるが、ウエイト40を延出部12の上面側に取り付けることでこのようなおそれを回避できる。
【0060】
また、本変形例でも、ウエイト40は、前後方向D1または上下方向D3から見て前前輪タイヤ5(車両の車輪)と重なる位置に配置される。
したがって、前前輪タイヤ5との干渉を回避しつつ前前輪タイヤ5の周りのスペースを有効利用して車両の側方を検知範囲とする検出器8を取り付けることができる。この場合、ウエイト40の配置によっては、ウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイト40が延出部12の上面側に取り付けられているので、このようなおそれを回避できる。
【0061】
本変形例の場合、ウエイト40は延出部12に溶接で取り付けられても良い。
この構成によれば、ウエイト40を延出部12に確実に固定することができる。
【0062】
本変形例の場合も、ウエイト40は、前後方向D1または上下方向D3から見て前前輪タイヤ5(車両の車輪)と重なる位置に配置されていても良い。
これにより、前前輪タイヤ5との干渉を回避しつつ前前輪タイヤ5の周りのスペースを有効利用して車両の側方を検知範囲とする検出器8を取り付けることができる。この場合、ウエイト40の配置によっては、ウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイト40が延出部12の上面側に取り付けられているので、このようなおそれを回避できる。
【0063】
本変形例の場合も、検出器8は、前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されており、検出器8を他の車両部材と干渉することなく配置できる。この場合、ウエイト40の位置によってはウエイト40が前前輪タイヤ5と干渉するおそれがあるが、上記のようにウエイト40が延出部12の上面側に取り付けられているので、前前輪タイヤ5と干渉するおそれを回避できる。
【0064】
[3.その他]
上記の実施形態及び変形例で示したブラケット10,カバー30及びウエイト40並びにその取付構造1は一例である。ブラケット10において、固定部11は、傾斜部15を有しなくてもよいし、閉断面構造をなさなくてもよい。また、固定部11は、サイドレール4A以外のフレーム4に固定されてもよいし、上記のボルト21及びナット以外の手段でフレーム4に固定されてもよい。
【0065】
実施形態のように、ウエイト40を搭載部13に取り付ける場合も、ウエイト40をボルト36,37及びナット35以外の手段で搭載部13に取り付けてもよい。
変形例のように、ウエイト40を棒状の延出部12に取り付ける場合も、溶接以外の手段で搭載部13に取り付けてもよい。
【0066】
ブラケット10の延出部12は、上記のようなパイプで形成されなくてもよいし、固定部11から車幅方向D2の外側へ向かって例えば直線状に延びていてもよい。搭載部13は、検出器8を搭載できる構造であればよく、上記のようなL字状のプレートに限定されない。搭載部13に対する検出器8の固定方法も特に限定されない。また、カバー30は、取付構造1から省略されてもよい。この場合、実施形態のように、ウエイト40を搭載部13に取り付ける場合、例えば搭載部13の基面部17にウエイト40のみを取り付けることになる。
【0067】
なお、本明細書においてBSA(ブラインドスポットアシスト)と称した装置には、様々な呼称がある。このような装置は、BSAの他、例えばBSM(ブラインドスポットモニタリング)などとも呼ばれる。そのため、本明細書中の「BSA」なる用語を「BSM」等、他の周知の呼称に置き換えてもよい。
また、本明細書における「BSA」とは、自車両の側方に存在する人や他車両などを検出した際に運転者に警報を発生するものでもよいし、或いは、上記の警報に替えて若しくは加えて、自車両の側方に存在する人や他車両などを検出した際に自車両に制動制御や操舵制御などの制御を行うものであってもよい。
【0068】
[4.付記]
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0069】
(付記1)
車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、
前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に固定され前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、
前記搭載部に取り付けられるウエイトを備える
ことを特徴とする、検出器の取付構造。
【0070】
(付記2)
前記ウエイトは、締結部材により脱着自在に取り付けられる
ことを特徴とする、付記1に記載の検出器の取付構造。
【0071】
(付記3)
前記ウエイトは、前記延出部の上方に位置する
ことを特徴とする、付記1又は2に記載の検出器の取付構造。
【0072】
(付記4)
前記ウエイトは下側に凹み部を備え、前記凹み部内に前記延出部の上方部分が位置するように前記ウエイトが配置される
ことを特徴とする、付記3に記載の検出器の取付構造。
【0073】
(付記5)
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されている
ことを特徴とする、付記1~4の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【0074】
(付記6)
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されている
ことを特徴とする、付記1~5の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【0075】
(付記7)
車両の側方を検知範囲とする検出器の取付構造であって、
前記車両のフレームに固定された固定部と、前記固定部から車幅方向外側へ延出した延出部と、前記延出部の先端部に固定され前記検出器が搭載される搭載部と、を備え、
前記延出部に取り付けられるウエイトを備える
ことを特徴とする、検出器の取付構造。
【0076】
(付記8)
前記延出部は棒状であり、前記ウエイトは前記延出部の上面側に取り付けられる
ことを特徴とする、付記7に記載の検出器の取付構造。
【0077】
(付記9)
前記ウエイトは、前記車両の前後または上下方向から見て前記車両の車輪と重なる位置に配置されている
ことを特徴とする、付記7又は8に記載の検出器の取付構造。
【0078】
(付記10)
前記ウエイトは前記延出部に溶接で取り付けられる
ことを特徴とする、付記7~9の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【0079】
(付記11)
前記車両は、前輪部に前後二本の車軸を有し且つ低床の低床二軸車であって、前記検出器は、前記前後二本の車軸の間に対応する前後方向位置に配置されている
ことを特徴とする、付記7~10の何れか一項に記載の検出器の取付構造。
【符号の説明】
【0080】
1 取付構造(検出器の取付構造)
2 アオリ
3 車両
3A キャブ
3B 荷台
4 フレーム
4A サイドレール
4B キャブブリッジ
5 前前輪タイヤ(車両の車輪)
6 前後輪タイヤ
8 検出器
8a 基部
8b センサ部
10 ブラケット
11 固定部
12 延出部
13 搭載部
14 内側面部
15 傾斜部
16 アクセス孔
17 基面部
17a~17d ボルト孔
18 取付面部
20 カバー
21 ボルト
30 カバー(センサカバー)
31 背面部
31a~31d ボルト孔
32 上面部
33 下面部
34 側面部
35 ウェルドナット(締結部材)
36,37 取付ボルト(締結部材)
38 凹部
40 ウエイト
41 凹み部
42a,42b ボルト孔
51 後端部
52 上端部
C 回動軸
D1 車長方向(前後方向)
D2 車幅方向(左右方向)
D3 車高方向(上下方向)