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特開2025-152057後処理装置及びこれを備えた画像形成システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025152057
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】後処理装置及びこれを備えた画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/68 20060101AFI20251002BHJP
   B65H 35/02 20060101ALI20251002BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
B41J11/68
B65H35/02
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053770
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小崎 栄里子
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
【Fターム(参考)】
2C058AB02
2C058AC08
2C058AD04
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA19
2C058LA38
2C058LB07
2C058LB19
2C058LB36
2C058LC14
2H072CA01
2H072GA05
2H072HA03
2H072JA04
(57)【要約】
【課題】断ち屑幅を可変できる機能を備えた単一のユニットを機能別ユニットの1つとして備えることが可能な後処理装置と、これを備えた画像形成システムを提供する。
【解決手段】断ち屑幅を可変とするスリッターを同一ユニット内に配置されると共に用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された少なくとも2つのカッター23,24,25,26と、少なくとも2つのカッターの搬送方向と直交する方向における相対位置を調整可能とする相対位置調節機構と、を有して構成する。それぞれのカッター23,24,25,26は、異なる刃物台70に設置され、刃物台70のそれぞれを独立して用紙の搬送方向と直交する方向に移動可能とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送手段を有し、前記搬送手段で搬送された用紙に対して異なる種類の加工を施す複数の機能別ユニットが選択的に着脱可能に構成された後処理装置であって、
前記複数の機能別ユニットの1つとして、断ち屑幅を可変とするスリッターを備え、
前記スリッターは、
同一の機能別ユニット内に配置されると共に前記用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された少なくとも2つのカッターと、
前記少なくとも2つのカッターの前記搬送方向と直交する方向における相対位置を調整可能とする相対位置調節機構と、
を有することを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記スリッターは、前記少なくとも2つのカッターの各々が、用紙の搬送面に対して上下に対を成す2つのカッター刃を有する、請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記スリッターは、前記少なくとも2つのカッターのそれぞれの前記対をなすカッター刃を回転駆動させる単一のカッター刃動力源を有する、請求項2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも2つのカッターは、それぞれ異なる刃物台を備え、前記刃物台のそれぞれは、独立して前記搬送方向と直交する方向に移動可能である請求項1に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記スリッターは、それぞれの前記刃物台を前記搬送方向と直交する方向に個別に駆動する刃物台動力源を有し、それぞれの前記刃物台と前記刃物台動力源とは、動力伝達機構を介して連結されている請求項4記載の後処理装置。
【請求項6】
前記スリッターは、前記少なくとも2つのカッターの各々が、用紙の搬送面に対して上下に対を成す2つのカッター刃を有し、
前記刃物台は、前記2つのカッター刃のそれぞれを回転駆動させると共に前記搬送方向と直交する方向に移動させる回転摺動体に係止され、前記刃物台は、前記回転摺動体と共に前記搬送方向と直交する方向に移動可能である請求項5に記載の後処理装置。
【請求項7】
前記スリッターは、用紙の搬送方向に対して異なる位置に複数の前記刃物台を備え、それぞれの刃物台は、前記カッターで用紙を断裁する際に用紙を保持する用紙ガイド部材を有する、請求項4に記載の後処理装置。
【請求項8】
前記スリッターは、用紙の搬送方向に対して異なる位置に複数の前記刃物台を備え、下流側に位置する刃物台には、その刃物台から排出される断裁屑を屑排出口に向けて排紙するための屑排出部材が設けられる、請求項4に記載の後処理装置。
【請求項9】
前記スリッターは、断裁された屑を前記屑排出口に向けて搬送する屑搬送部材を前記刃物台に備える、請求項8記載の後処理装置。
【請求項10】
前記屑排出口には、断裁屑の除電を行う除電部材を備える請求項8記載の後処理装置。
【請求項11】
前記屑排出部材には、断裁屑の搬送方向を前記屑排出口に向けて変更させる屑排出爪が設けられ、前記スリッターは、断裁屑の傾きを抑える屑押さえ部材を前記刃物台に備える、請求項8記載の後処理装置。
【請求項12】
前記スリッターは、断裁された用紙の本身を搬送するための本身搬送部材を前記屑搬送部材に隣接して前記刃物台に備え、前記本身搬送部材と前記屑搬送部材の一方の高さが他方の高さに対して調整可能である請求項9記載の後処理装置。
【請求項13】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、前記画像形成装置により画像が形成された用紙を後処理する請求項1乃至12に記載のいずれかに記載の後処理装置を備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置によって形成された用紙を搬送方向に断裁して用紙の搬送方向と直交する方向で複数に分割する後処理装置がある。このような後処理装置として、従来においては、特許文献1に示される断裁装置が公知となっている。
【0003】
これは、用紙を搬送方向に断裁する断裁装置部が、搬送方向に3台以上並設されている。それぞれの断裁装置部は、上回転刃と下回転刃とを摺り合わせて用紙を搬送方向に断裁するスリッターと、このスリッターを搬送方向と直交する方向の任意の位置に移動させるスリッター移動機構とを備えている。
【0004】
そして、記憶部に記憶されている裁ち屑の発生パターンに基づき、スリッター移動機構及びガイド部材移動機構が制御され、スリッター及びガイド部材を所定の設定位置に配置できる。
断裁装置部や屑排除装置部は、それぞれユニット化されている。搬送経路上を給紙側から複数の断裁装置部が配置され、その下流側に複数の屑排除装置部が配置されている。
【0005】
このような後処理装置を用いれば、各断裁装置部のスリッター位置と各屑排除装置部のガイド部材の位置を適宜調整することで、作成した商材に合せて断ち屑幅を調整できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-91278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の用紙加工装置においては、断ち屑幅を調節する機能を持たせるために、複数の断裁装置部(複数の断裁ユニット)が必要となるため、複数の断裁ユニットの設置スペースが必要となる。このため、複数の機能別ユニットを選択的に着脱可能とするインライン型の画像形成システムに適用すると、断ち屑幅を可変させるために複数のユニットが占有されるため、選択できる機能が制限されることとなる。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、断ち屑幅を可変できる機能を備えた単一のユニットを機能別ユニットの1つとして備えることが可能な後処理装置と、これを備えた画像形成システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係る後処理装置は、用紙を搬送する搬送手段を有し、前記搬送手段で搬送された用紙に対して異なる種類の加工を施す複数の機能別ユニットが選択的に着脱可能に構成された後処理装置を前提とする。この後処理装置は、複数の機能別ユニットの1つとして、断ち屑幅を可変とするスリッターを備える。そして、前記スリッターは、同一の機能別ユニット内に配置されると共に前記用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された少なくとも2つのカッターと、前記少なくとも2つのカッターの前記搬送方向と直交する方向における相対位置を調整可能とする相対位置調節機構と、を有している。
【0010】
したがって、1つのユニット内に、用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置され、且つ、相対位置調節機構によって用紙の搬送方向と直交する方向の相対位置が調節される少なくとも2つのカッターを備える。このため、単一のユニットによって断ち屑幅を可変できる機能を持たせることが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、この画像形成装置により画像が形成された用紙を処理する上記後処理装置を備える。
【0012】
したがって、画像形成システムに上述した後処理装置を備えることで、断ち屑幅を可変させるために複数のユニットを占有する不都合がなくなる。
【発明の効果】
【0013】
以上の構成によれば、断ち屑幅を可変できるスリッター機能を備えた単一のユニットを機能別ユニットの1つとして備えることが可能な後処理装置とこれを備えた画像形成システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態によって提供される利点および特徴は、例示として記載され、本発明を限定することを意図していない以下に示す詳細な説明および添付図面からより完全に理解されよう。
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る画像形成システムの制御構造を示す機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係るスリッター(ドブ幅可変スリッター)の概略構成を示す斜視図である。発明の実施形態に係る定着装置の全体側面図である。
図4】本実施形態に係るスリッターに用いられるカッターの概略構成を示す図である。
図5】本実施形態に係るスリッターの回転軸を回転させる駆動機構を示す図である。
図6A】本実施形態に係るスリッターのカッターに用いられる上下で対をなす回転摺動体(上刃ユニットと下刃ユニット)を示す斜視図である。
図6B図6Aの回転摺動体の断面図である。
図7A】本実施形態に係る上側の回転摺動体を回転軸と共に回転させる機構を示す断面図である。
図7B】本実施形態に係る下側の回転摺動体を回転軸と共に回転させる機構を示す断面図である。
図8】それぞれのカッターを回転軸の軸方向に駆動させる駆動機構を用紙の搬送方向の下流側から見た斜視図である。
図9】それぞれのカッターを回転軸の軸方向に駆動させる駆動機構を示す平面図である。
図10A】用紙の搬送方向上流側のそれぞれのカッターを回転軸の軸方向に駆動させる駆動機構を下流側からみた図である。
図10B】用紙の搬送方向下流側のそれぞれのカッターを回転軸の軸方向に駆動させる駆動機構を下流側からみた図である。
図11】本実施形態に係るスリッターを用いて用紙を断裁する態様を説明した表である。
図12A】本発明に係るスリッターのカッターが設けられている部分を用紙の搬送方向上流側から見た図である。
図12B】本発明に係るスリッターのカッターが設けられている部分を用紙の搬送方向下流側から見た図である。
図13A】本発明に係るスリッターの上流側カッターを用紙の搬送方向上流側から見た図である。
図13B】本発明に係るスリッターの上流側カッターを用紙の搬送方向下流側から見た図である。
図14A】本発明に係るスリッターの下流側カッターを用紙の搬送方向上流側から見た図である。
図14B】本発明に係るスリッターの下流側カッターを用紙の搬送方向下流側から見た図である。
図15】本発明に係るスリッターに用いられるカッター(回転摺動体)に取り付けられる筐体と、これに取り付けられる各種部材を示す斜視図である。
図16】本発明に係るスリッターについて、図12A及び図12Bのα―α線で切断した断面図である。
図17図12A及び図12Bのα―α線で切断した状態を示す斜視図である。
図18A】本実施形態に係るスリッターのカッターに設けられる屑押さえ部材と高低差形成手段を搬送方向下流側から見た図である。
図18B】本実施形態に係るスリッターのカッターに設けられる屑押さえ部材の機能を説明する図である。
図18C】本実施形態に係るスリッターのカッターに設けられる高低差形成手段の機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態にかかる画像形成システム1は、図1及び図2に示すように、画像形成装置100と、リレーユニットRUと、後処理装置200と、フィニッシャーFSと、を有して構成されている。
【0016】
画像形成装置100は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、電子写真方式によりカラー画像を形成する。この画像形成装置100は、操作部11および表示部12と、原稿読取ユニット13と、画像形成部14と、給紙部15と、画像形成制御部16と、記憶部17と、コントローラIF(Inter Face)18と、画像処理部19とを有している。
【0017】
操作部11は、表示部12の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を画像形成制御部16に出力する。
【0018】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、画像形成制御部16から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
【0019】
原稿読取ユニット13は、ADF(自動原稿給紙装置)、スキャナー等を備え、原稿の画像を読み取って得られた画像データを画像形成制御部16に出力する。
【0020】
画像形成部14は、画像処理された画像データに基づき、給紙部15から供給された用紙上に画像を形成する。画像形成部は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム141Y,141M,141C,141K、中間転写ベルト142,2次転写ローラ143,定着部144、濃度センサー145等を備えて構成されている。
【0021】
感光体ドラム141Yは、一様に帯電された後に、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム上の静電潜像にイエロー色が付着され、現像が行われる。他の感光体ドラム141M,141C,141Kについても、扱う色が異なるだけで、感光体ドラム141Yと同様の処理が行われる。
【0022】
感光体ドラム141Y,141M,141C,141K上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト142上に逐次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト142上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。中間転写ベルト142上のカラートナー像は、2次転写ローラ143により、用紙上に一括して転写される(2次転写)。
定着部144は、カラートナー像が転写された用紙を加熱する加熱ローラ、その用紙を加圧する加圧ローラを備え、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙に定着させる。
【0023】
給紙部15は、給紙トレイT11~T13を備え、画像形成部14に用紙を供給する。各給紙トレイT11~T13には、給紙トレイごとに予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
【0024】
画像形成制御部16は、CPU,ROM,メモリを備えて構成される。
CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムに従って、画像形成装置100の各部の動作を制御する。また、CPUは、出力された用紙に対して後処理を行う場合には、後処理装置200に所定の後処理を実行する指示を出す。
【0025】
後処理装置200は、リレーユニットRUから出力された用紙に、必要に応じて後処理を行う装置である。後処理としては、例えば、スリッター処理、ドブスリッター処理、CD断裁処理、クリース処理、FD/CDミシン処理等が挙げられる。これらの後処理は必須ではなく、後処理は、画像形成装置100から指示された場合のみ実行される。後処理が無い場合には、後処理装置200は搬送された用紙をそのままフィニッシャーFSに搬送する。
【0026】
後処理装置200は、用紙搬送部210と、機能別ユニット(後処理モジュール)U1~U4と、後処理装置200からパージする用紙を排紙するパージトレイT1と、後処理装置200で所定のサイズに断裁された用紙を排出するカードトレイT2と、を有する。
用紙搬送部210は、リレーユニットRUから搬送された用紙を機能別ユニットU1~U4に搬送する。その後、機能別ユニットで後処理が行われた用紙を各種トレイ(パージドレイT1,カードトレイT2)又はフィニッシャーFSに搬送する。
【0027】
用紙搬送部210は、長尺紙搬送部211及びパージ搬送部212を備えている。用紙搬送部210は、複数の搬送ローラ対213を備えて構成され、図1に示すような搬送路214~217を備える。すなわち、用紙搬送部210は、機能別ユニットU1に搬送する用紙の曲がりを補正するストレート搬送経路214と、機能別ユニットU1に搬送する長尺紙を迂回させてCD方向(用紙巾方向)の整合を行う迂回経路215とを備える。また、用紙搬送部210は、機能別ユニットU1~U4による後処理後に用紙を反転してフィニッシャーFSに排紙する反転排紙経路216と、パージトレイT1に排紙する排紙経路と用紙を反転する反転経路とを兼ね備える兼用経路217と、を有する。
用紙搬送部210は、複数の搬送ローラ対213によって、画像形成装置100から搬送された印刷用紙を後処理部(機能別ユニットU1~U4)へ搬送する。また、用紙搬送部210は、後処理を実行した印刷用紙をフィニッシャーFSへ搬送する。フィニッシャーFSにおいては、画像形成後の用紙に対して、ホチキス留めや紙折り、穴あけ等が行われる。
【0028】
機能別ユニットU1~U4は、搬送されてきた用紙に後処理を行う。
機能別ユニットU1~U4は、サービスパースンにより手動で選択設置される。例えば、最上流の機能別ユニットU1を天地スリッターとし、最下流の機能別ユニットU4をCD断裁用のCDカッター(CD断裁ユニット)としてもよい。この場合、機能別ユニットU2,U3としては、ドブ断ちスリッター、クリーサ(下凸)又はクリーサ(上凸)、FDミシン目又はCDミシン目等の中から選択してもよい。
ドブ断ちスリッターは、用紙の搬送方向に対して直交する方向に隣接する成果物同士の間の余白を搬送方向に沿って断裁する機能を有する。クリーサ(下凸)又はクリーサ(上凸)は、用紙にクリース(筋付)処理を行う機能を有する。FDミシン目又はCDミシン目は、用紙にミシン目を付けるFD/CDミシン処理を行う機能を有する。
【0029】
上述した機能別ユニットU1~U4は、ユーザーが必要とする機能に合わせて選択したモジュールをユニット筐体受けに着脱可能に装着され、モジュール単位で必要とする機能が完結するようになっている。このうち、図3に示されるものは、ドブ断ちスリッターのうち、ドブ幅を調節して断裁可能としたドブ幅可変スリッター20である。
【0030】
以下、このドブ幅可変スリッター20について詳述する。なお、用紙の搬送方向を用紙の前後方向とし、用紙の搬送方向の上流側を用紙の手前側とし、用紙の搬送方向の下流側を後ろ側として説明する場合もある。また、用紙の搬送方向に対して直交する水平方向を用紙に対する左右方向として説明する場合もある。
【0031】
ドブ幅可変スリッター20は、図3に示されるように、用紙を搬送直交方向で複数に分割する際のドブ断ち用のカッター23、24,25,26を複数備えている。
すなわち、ユニット筐体21内において、前記用紙搬送部210によって搬送された用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された複数のカッターが、用紙の搬送直交方向の異なる位置に複数組設けられている。
この例において、カッター(23と24,25と26)は、用紙の搬送方向に対して異なる2箇所に配置されている。この用紙の搬送方向で異なる2箇所に配置された対をなすカッター(23と24,25と26)は2組設けられ、搬送方向と直交する方向に対して異なる位置に配置されている。したがって、この実施形態において、カッター23、24,25,26は、ユニット筐体21内において、用紙の搬送方向の前後および左右の4箇所に設けられている。
【0032】
それぞれのカッター23,24,25,26は、図4にも示されるように、用紙の搬送方向と直交する方向に延びる上下一対の回転軸(31と32,33と34)に設けられている。上下一対の回転軸(31と32,33と34)は、用紙の搬送方向の前後に所定の間隔を開けて2組設けられている。それぞれの回転軸は、互いに平行となるように設けられている。
【0033】
上側の回転軸31,33には、上側カッター刃231a,241a,251a,261aを備えた回転摺動体としての上刃ユニット231,241,251,261が回転軸31,33の軸方向に移動可能に設けられている。また、下側の回転軸32.34には、下側カッター刃232a,242a,252a,262aを備えた回転摺動体としての下刃ユニット232,242,252,262が回転軸32,34の軸方向に移動可能に設けられている。
【0034】
上刃ユニット231,241,251,261の周囲には、上筐体71が取り付けられている。また、下刃ユニット232,242,252,262の周囲には、下筐体72が取り付けられている。上筐体71と下筐体72は、連結部材73(図3に示す)にて連結されている。これにより、上刃ユニット231,241,251,261と下刃ユニット232,242,252,262は、一体となって回転軸上を摺動するようになっている。
この上筐体71と下筐体72によって上下で対をなす上側カッター刃231a,241a,251a,261a(上刃ユニット231,241,251,261)と下側カッター刃232a,242a,252a,262a(下刃ユニット232,242,252,262)を回転可能に収容する刃物台70が構成されている。
【0035】
それぞれの回転軸31,32,33,34は、図5に示されるように、共通の動力源である駆動用モータ35によって同時に回転駆動される。
駆動用モータ35は、ユニット筐体21の長手方向で対をなす側壁21a,21bの一方の側壁21aの外側に設置されている。駆動用モータ35のモータ軸35aは、側壁21aを介してユニット筐体21内に突出している。4本の回転軸31~34は、モータ軸35aよりも下側において、用紙の搬送方向(前後方向)及び上下方向に所定の間隔で配置されている。また、それぞれの回転軸31~34は、ユニット筐体21の長手方向に沿って平行に配置されている。さらに、回転軸31~34は、ユニット筐体21の長手方向で対向する対をなす側壁21a,21bに回転可能に支持されている。そして、これらの回転軸31~34は、一連の歯車によって同時に回転駆動される。
【0036】
駆動用モータ35は、そのモータ軸35aに取り付けられた駆動歯車36が、大径歯車37aと小径のピニオン37bとが同心に一体化された減速歯車37の大径歯車37aに噛合されている。また、ピニオン37bには、上下で対をなす二組の回転軸(31と32,33と34)のそれぞれの上側の回転軸31,33に嵌着された伝動歯車41,43が噛合されている。さらに、上側のそれぞれの伝動歯車41,43には、上下で対をなす二組の回転軸のそれぞれの下側の回転軸32,34に嵌着された伝動歯車42,44が噛合されている。
【0037】
したがって、駆動用モータ35が回転すると、駆動用モータ35の回転動力は減速歯車37を介して上側の伝動歯車41.43に伝達される。さらに、回転動力は、上側の伝動歯車41,43を介して下側の伝動歯車42,44に伝達される。これにより、4本の回転軸31~34は同時に回転する。その結果、上流側の上下で対をなすカッター刃231a,232a、251a,252aは、その間に搬送される用紙のドブの一方の辺を断裁する。また、下流側の上下で対をなすカッター刃241a,242a、261a,262aは、その間に搬送される用紙のドブの他方の辺を断裁する。
【0038】
上刃ユニット231,241,251,261は、図6A、6Bに示されるように、以下の構成部材から成る。
・上側の回転軸31,33に対して軸方向に摺動可能に外装された円筒状の本体部51
・本体部51の両端に外嵌されたベアリング部52
・本体部51の中程に外装されたカッター刃保持筒53
・カッター刃保持筒53の外周面に圧装されたカッター刃231a、241a、251a、261a
・カッター刃の装着状態を保持するためにカッター刃保持筒53の外周面に圧装された保持用リング54
カッター刃保持筒53は、一端にフランジ部53aを備える。カッター刃231a、241a、251a、261aは、このフランジ部53aに当接させるようにカッター刃保持筒53に外装されている。カッター刃は、カッター刃保持筒53のフランジ部53aと保持用リング54との間に挟み込むように固定されている。
【0039】
フランジ部53aには、図7Aに示されるように、径方向にネジ孔55が貫通して形成されている。また、ネジ孔55と整合する本体部51の位置には貫通孔56が形成されている。さらにこの貫通孔56と整合する回転軸31,33の周面には、軸方向に延設された溝57が形成されている。そして、ネジ孔55には、動力伝達ネジ58が貫通孔56を介して溝57に挿入されるように螺着されている。また、カッター刃保持筒53のフランジ部53aには、前記ネジ孔55と位相をずらして複数の位置決め穴59が貫通して形成されている。この位置決め穴59にはセットビス50が螺合されている。カッター刃保持筒53と本体部51は、このセットビス50によりしっかり固定されている。
【0040】
したがって、回転軸31,33が回転すると、その動力が動力伝達ネジ58を介してカッター刃保持筒53のフランジ部53aに伝達され、カッター刃保持筒53に圧入固定されたカッター刃231a、241a、251a、261aを回転させる。また、フランジ部53aは、本体部51にセットビス50を介して固定されているので、フランジ部53aに伝達された動力は、そのまま本体部51にも伝達される。これにより、上側カッター刃231a、241a、251a、261aは、本体部51と共に回転する。
この上刃ユニット231,241,251,261に取り付けられる前記上筐体71は、ベアリング部52の外周面に係止されている(上刃ユニット231,241,251,261の回転を阻害しないように取り付けられている)。
【0041】
また、下刃ユニット232,242,252,262は、図6A、6Bに示されるように、以下の構成部材から成る。
・下側の回転軸32,34に対して軸方向に摺動可能に外装された円筒状の本体部61
・本体部61の両端に外嵌されたベアリング部62
・本体部61の中程に外装されたカッター刃保持筒63
・カッター刃保持筒63の外周面に圧装されたカッター刃232a,242a,252aa,262a
・カッター刃の装着状態を保持するためにカッター刃保持筒63の外周面に圧装された保持用リング64
カッター刃保持筒63は、一旦にフランジ部63aを備える。また、カッター刃232a,242a,252aa,262aは、このフランジ部63aに当接させるようにカッター刃保持筒63に外装されている。カッター刃232a,242a,252aa,262aは、カッター刃保持筒63のフランジ部63aと保持用リング64との間に挟み込むように固定されている。
【0042】
フランジ部63aには、図7Bに示されるように、径方向にネジ孔65が貫通して形成されている。また、ネジ孔65と整合する本体部61の位置には回転軸の軸方向に径を大きくした貫通孔66が形成されている。さらにこの貫通孔66と整合する回転軸32,34の位置には、軸方向に延設された溝67が形成されている。そして、ネジ孔65には、動力伝達ネジ68が貫通孔66を介して溝67に挿入されるように螺着されている。カッター刃保持筒63のフランジ部63aには、ネジ孔65と位相をずらして複数の位置決め穴69が形成されている。しかし、この例では、位置決め穴69を特に使用していない(セットビスを取り付けていない)。
【0043】
したがって、回転軸32,34が回転すると、その動力が動力伝達ネジ68を介してカッター刃保持筒63のフランジ部63aに伝達され、カッター刃保持筒63に圧入固定されたカッター刃232a,242a,252aa,262aを回転させる。また、フランジ部63aは、本体部61に固定されていないので、回転軸32,34の回転に伴って動力伝達ネジ68が回転し始めると、その動力伝達ネジ68の腹部に本体部61の貫通孔66の内周面が当接し、本体部61も共回りする。これにより、動力伝達ネジ68を介して、カッター刃保持筒63と本体部61に動力が伝達され、カッター刃232a,242a,252aa,262aは、本体部61と共に回転される。
この下刃ユニット232,242,252,262に取り付けられる前記下筐体72は、ベアリング部62の外周面に係止されている(下刃ユニット232,242,252,262の回転を阻害しないように取り付けられている)。
【0044】
また、カッター刃保持筒63は、本体部61に対しては固定されておらず、回転軸32,34の軸方向に摺動可能となっている。そして、カッター刃保持筒63と、下側カッター刃232a、242a、252a、262aに対して上側カッター刃231a、241a、251a、261aと反対側に配置されたベアリング部62と、の間に図示しないスプリングが弾装されている。これにより、下側カッター刃232a、242a、252a、262aは、上側カッター刃231a、241a、251a、261aに軸方向で押し付けるように付勢されている。したがって、上側カッター刃231a、241a、251a、261aの固定位置に公差がある場合でも、上側カッター刃231a、241a、251a、261aの刃先と下側カッター刃232a、242a、252a、262aの刃先は軸方向で当接される。これにより、用紙の断裁に支障が生じないようにしている。
【0045】
(上刃ユニット及び下刃ユニットの駆動機構)
以上の上下で対をなす上刃ユニット231,241,251,261と下刃ユニット232,242,252,262は、上筐体71と下筐体72に取り付けられた連結部材73により回転軸の軸方向の位置が連動するようになっている。このため、上側カッター刃231a、241a、251a、261aと下側カッター刃232a、242a、252a、262aは、軸方句で離れない状態を保ちつつ、回転軸上を軸方向に摺動可能となっている。
そして、上下で対をなす上刃ユニット231,241,251,261と下刃ユニット232,242,252,262は、上刃ユニットに係止された上筐体71に固定されている駆動用ベルト(後述のエンドレスベルト)により回転軸31~34の軸方向に摺動可能としている。
【0046】
搬送方向上流側の左右それぞれのカッター23,25、及び、搬送方向下流側の左右それぞれのカッター24,26は、図8及び図9に示されるように、別々の駆動モータ311,321,331.341を動力源としてベルト駆動される。
搬送方向上流側のカッター23,25のうち、下流側から見て右側のカッター23を動かす駆動機構Aは、図10Aにも示されるように、以下の構成を備えている。
(1)ユニット筐体21内の上部中央より下流側から見て右寄りに設けられた第1駆動モータ311
(2)第1駆動モータ311のモータ軸に固定された第1駆動プーリ312
(3)ユニット筐体21の長手方向の一方側(下流側から見て右側)の端部近傍であり、上側の回転軸31よりも上方であって第1駆動プーリ312よりも下方に配置され、第1駆動モータ311のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第1中間プーリ313
(4)ユニット筐体21の長手方向の略中央であって上側の回転軸31より上方に配置され、第1駆動モータ311のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第1終端プーリ314
(5)第1駆動プーリ312と第1中間プーリ313の間に掛け渡された第1エンドレスベルト315
(6)第1中間プーリ313と第1終端プーリ314の間に架け渡された第2エンドレスベルト316
【0047】
そして、カッター23を構成する上刃ユニット231に係止された上筐体71の上部は、第2エンドレスベルト316に固定されている。したがって、搬送方向上流側の下流側から見て右側のカッター23の回転軸31、32上の軸方向位置は、第1駆動モータ301を制御することで調整される。
【0048】
搬送方向上流側のカッターのうち、下流側から見て左側のカッター25を動かす駆動機構Bは、図10Aにも示されるように、以下の構成を備えている。
(1)ユニット筐体21内の上部中央より下流側から見て左寄りに設けられた第2駆動モータ321
(2)第2駆動モータ321のモータ軸に固定された第2駆動プーリ322
(3)ユニット筐体21の長手方向の他方側(下流側から見て左側)の端部近傍であり、上側の回転軸31よりも上方であって第2駆動プーリ322よりも下方に配置され、第2駆動モータ321のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第2中間プーリ323
(4)ユニット筐体21の長手方向の略中央であって上側の回転軸31より上方に配置され、第2駆動モータ321のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第2終端プーリ324
(5)第2駆動プーリ322と第2中間プーリ323の間に掛け渡された第3エンドレスベルト325
(6)第2中間プーリ323と第2終端プーリ324の間に架け渡された第4エンドレスベルト326
【0049】
そして、カッター25を構成する上刃ユニット251に係止された上筐体71の上部は、第4エンドレスベルト326に固定されている。したがって、搬送方向上流側の下流側から見て左側のカッター25の回転軸31、32上の軸方向位置は、第2駆動モータ321を制御することで調整される。
【0050】
搬送方向下流側のカッターのうち、下流側から見て右側のカッター24を動かす駆動機構Cは、図10Bにも示されるように、以下の構成を備えている。
(1)ユニット筐体21内の長手方向の下流側から見て右側の端部近傍の上部に設けられた第3駆動モータ331
(2)第3駆動モータ331のモータ軸に固定された第3駆動プーリ332
(3)ユニット筐体21の長手方向の下流側から見て右側の端部近傍であり、上側の回転軸33よりも上方であって第3駆動プーリ332よりも下方に配置され、第3駆動モータ331のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第3中間プーリ333
(4)ユニット筐体21の長手方向の略中央であって上側の回転軸33より上方に配置され、第3駆動モータ331のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第3終端プーリ334
(5)第3駆動プーリ332と第3中間プーリ333の間に掛け渡された第5エンドレスベルト335
(6)第3中間プーリ333と第3終端プーリ334の間に架け渡された第6エンドレスベルト336
【0051】
そして、搬送方向下流側の下流側から見て右側のカッター24を構成する上刃ユニット241に係止された上筐体71の上部は、第6エンドレスベルト336に固定されている。したがって、搬送方向下流側の下流側から見て右側のカッター24の回転軸33,34上の軸方向位置は、第3駆動モータ331を制御することで調整される。
【0052】
搬送方向下流側のカッターのうち、下流側から見て左側のカッター26を動かす駆動機構Dは、図10Bにも示されるように、以下の構成を備えている。
(1)ユニット筐体21内の長手方向の下流側から見て左側の端部近傍の上部に設けられた第4駆動モータ341
(2) 第4駆動モータ341のモータ軸に固定された第4駆動プーリ342
(3) ユニット筐体21の長手方向の下流側から見て左側の端部近傍であり、上側の回転軸33よりも上方であって第4駆動プーリ342よりも下方に配置され、第4駆動モータ341のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第4中間プーリ343
(4)ユニット筐体21の長手方向の略中央であって上側の回転軸33より上方に配置され、第4駆動モータ341のモータ軸と平行な軸のまわりに回転可能に配置された第4終端プーリ344
(5)第4駆動プーリ342と第4中間プーリ343の間に掛け渡された第7エンドレスベルト345
(6)第4中間プーリ343と第4終端プーリ344の間に架け渡された第8エンドレスベルト346
【0053】
そして、搬送方向下流側の下流側から見て左側のカッター26を構成する上刃ユニット261に係止された上筐体71の上部は、第8エンドレスベルト346に固定されている。したがって、搬送方向下流側の下流側から見て左側のカッター26の回転軸33,34上の軸方向位置は、第4駆動モータ341を制御することで調整される。
【0054】
なお、この例において、第1中間プーリ313は、第1エンドレスベルト315と第2エンドレスベルト316が掛けられる2連タイプのプーリである。また、第2中間プーリ323は、第3エンドレスベルト325と第4エンドレスベルト326が掛けられる2連タイプのプーリである。第3中間プーリ333は、第5エンドレスベルト335と第6エンドレスベルト336が掛けられる2連タイプのプーリである。第4中間プーリ343は、第7エンドレスベルト345と第8エンドレスベルト346が掛けられる2連タイプのプーリである。
また、第1終端プーリ314と、第2終端プーリ324と、第3終端プーリ334と、第4終端プーリ344は、同軸上に独立して回転可能に設けられている。
【0055】
以上の構成例においては、用紙の搬送方向で異なる2箇所に配置されたカッター対(上流側のカッターと下流側のカッター)が、搬送方向と直交する方向に2組設けられ、各組のそれぞれのカッターは、独立して搬送方向と直交する方向に移動可能である。
したがって、第1駆動モータ311と第3駆動モータ331の少なくとも一方を制御することで、搬送方向左側(下流側から見て右側)の一対のカッター23,24によって一方のドブの幅が調節可能となる。また、第2駆動モータ321と第4駆動モータ341の少なくとも一方を制御することで、搬送方向右側(下流側から見て左側)の一対のカッター25,26によって他方のドブの幅が調節可能となる。また、上流側のカッター23,25,又は、下流側のカッター24,26のみを用いる場合には、ドブ無しで用紙を断裁することも可能となる。
【0056】
以上のドブ幅可変スリッター20によれば、用紙の搬送方向の上流側の2つのカッター23,25と下流側の2つのカッター24,26を組み合わせることで様々な断裁パターンが可能となる。例えば、図11に示されるように、搬送方向と直交する方向において隣接した2分割の商材を形成したいのであれば、いずれか1つのカッター(この例では、上流側の一方のカッター25)を分割位置に配置すればよい。また、搬送方向と直交する方向において隣接した3分割の商材を形成したいのであれば、いずれか2つのカッター(この例では、上流側の2つのカッター23,25)をそれぞれ分割位置に配置すればよい。
【0057】
また、分割箇所にドブを形成する必要がある場合には、同図に示すように、対をなす上流側のカッターと下流側のカッターの搬送方向と直交する方向の相対位置を調節することでドブ幅(幅狭、幅広)の調整が可能となる。この際、搬送方向で前後する一組のカッター対(例えば、カッター25,26)を用いれば、用紙の任意の位置に1列のドブを任意のドブ幅で形成することができる。
また、搬送方向で前後する2組のカッター対(23と24、25と26)を用いれば、用紙の任意の位置に2列のドブを任意のドブ幅で形成することが可能となる。
したがって、上述の構成によれば、単一のユニット(ドブ幅可変スリッター20)でドブ幅を調整して用紙を断裁することが可能となるので、多ユニットを用いなくても、1つの用紙サイズから様々なサイズの商材を形成することが可能となる。
【0058】
ところで、上述のように、1つのユニット内(ユニット筐体内)の搬送方法に対して異なる位置に2つのカッター(23と24、25と26)を配置する場合には、短い距離で用紙を各カッターに適切に搬送する必要がある。また、切り出された屑や断裁された用紙(本身)を適切に処理する必要がある。そこで、以下の各付属部材が設けられている。
【0059】
(用紙ガイド部材)
ドブ幅可変スリッター20のそれぞれのカッター23,24,25,26には、図12~17に示されるように、刃物台70の上筐体71と下筐体72との間に用紙ガイド部材401,402,403,404が設けられている。
なお、図13~18は、用紙の搬送方向の左側(ドブ幅可変スリッター20の下流側から見て右側)の上流側のカッター24と下流側のカッター24を示しているが、搬送方向右側のカッターにおいても、用紙の搬送方向に対して形状が左右反転するだけで実質同様の構成である。
【0060】
用紙ガイド部材401,402,403,404は、上筐体71の下部と下筐体72の上部のそれぞれに、ネジ止め等の適当な固定手段により取り付けられている。それぞれの用紙ガイド部材401,402,403,404の上流側端部には、上流側に向かうにつれて用紙の受入れ口を上下に大きくするテーパ部401a,402a,403a,404aを備えている。すなわち、上筐体71の下部に取り付けられる用紙ガイド部材401,403は、上流側端部に上流側に向かって上方へ傾斜するテーパ部401a,403aが形成されている。また、下筐体72の上部に取り付けられる用紙ガイド部材402,404は、上流側端部に上流側に向かって下方へ傾斜するテーパ部402a,404aが形成されている。
【0061】
それぞれの用紙ガイド部材401,402,403,404は、上筐体71および下筐体72の少なくとも上流側端面から上刃ユニット231,241と下刃ユニット232,242との間の搬送通路Aに臨む部分にかけて形成されている。すなわち、上筐体71に設けられる用紙ガイド部材401,403は、少なくとも上筐体71の上流側端面から上筐体71の下端開口部を覆い、且つ、上側カッター刃231a,241aと干渉しないように取り付けられている。また、下筐体に設けられる用紙ガイド部材402,404は、下筐体72の上流側端面から下筐体72の上端開口部を覆い、且つ、下側カッター刃232a、242aと干渉しないように取り付けられている。
【0062】
なお、用紙ガイド部材401,402,403,404は、上流側と下流側、また、上筐体と下筐体、また、搬送方向の右側と左側で、他の部材との干渉を避けるために形状が適宜調整されている。これらの用紙ガイド部材401,402,403,404は、それぞれの上筐体71の下部とそれぞれの下筐体72の上部に、回転軸31,32,33,34の軸方向に沿って複数設けることが好ましい。
【0063】
したがって、これらの用紙ガイド部材401,402,403,404の装着により、上流側から搬送された用紙が上下の用紙ガイド部材のテーパ部401a,402a,403a,404aによって、上刃ユニット231,241,251,261と下刃ユニット232,242,252,262の間の搬送通路Aに確実に導かれる。また、上下で対峙するガイド部材の間隔を調節することで、用紙をカッターで断裁する際に用紙を保持することができ、用紙をスムーズに断裁可能となる。
【0064】
(屑排出部材)
搬送方向の上流側のカッター23.25と下流側のカッター24.26の搬送直交方向での相対位置を調節することで、所望の幅の断裁屑が形成される。この断裁屑は、用紙の搬送に伴って下流側へ移動するが、本身とは別に適切に排出させる必要がある。そこで、断裁屑が発生する箇所の下流側に、断裁屑を排出するための屑排出口411を備えた屑排出部材410が設けられている。
【0065】
この屑排出部材410は、下流側カッター24,26を構成する下刃ユニット242,262に係止された下筐体72の下流側端面に固定されている。屑排出口411は、上下で対をなすカッター刃による断裁位置よりも下方で、下刃ユニット242,262と対向する部位に形成されている。
また、屑排出部材410の屑排出口411より上方には、断裁屑を屑排出口411に案内する屑排出爪412が設けられている。この屑排出爪412は、カッター刃241a,242aに近接した位置であって屑排出部材410の屑排出口411の上縁部から搬送方向上流側に向かって斜め上方へ延設されている。また、屑排出爪412は、上下一対のカッター刃241a,242aの断裁位置の近傍まで延設されているが、その先端は、カッター刃の断裁位置よりも下流側で、且つ、カッター刃241a,242aの断裁位置よりも上側に配置されている。
【0066】
したがって、上下一対のカッター刃241a,242aで断裁された屑は、用紙の搬送に伴って下流側へ移動するが、屑排出部材410の屑排出爪412の下面に当接し、この屑排出爪412に押されて下方へ案内され、屑排出口411へ導かれる。そして、断裁屑は、屑排出口411から屑排出部材410の下流側へ排出され、図示しない屑溜めに落下する。
【0067】
(屑搬送部材)
搬送方向の上流側のカッター23.25と下流側のカッター24,26によって断裁された屑は、前記屑排出爪412によって屑排出口411へ向けられるが、一部は屑排出口411から排出しきれず下筐体72内に落下することが懸念される。このような事態を防ぎ、断裁屑を屑排出部材410の屑排出口411から確実に排出するために、下流側のカッター24,26の下筐体72に屑搬送部材420が取り付けられている。
この屑搬送部材420は、下刃ユニット242,262の本体部61の中程に外装されたカッター刃保持筒63の周囲を下方を除いて覆うように形成されている。この屑搬送部材420は、屑排出部材410に設けられた屑排出口411と対峙する部分に後方(下流側)へ突出する突出部421が形成されている。この突出部421は、屑排出口411の下端周縁を内側から覆うように突出されている。
さらにこの例では、下筐体72の内部に、底壁から上方に突出する立設壁72aが設けられている。屑搬送部材420の下端をこの立設壁72aに当接固定し、下筐体72の内部(屑搬送部材420の内側)に屑が入り込むことを確実に抑えるようにしている。
【0068】
したがって、このような屑搬送部材420を設けることで、屑搬送部材420の表面を伝って下流側へ導かれる断裁屑は、屑排出爪412によるガイド機能と相俟って確実に屑排出口411からカッター24,26の外部へ排出される。
【0069】
(除電部材)
ところで、屑排出口411へ導かれる断裁屑は、帯電しているため、屑排出口411の周縁に付着して集積しやすくなる。そこで、これを防ぐために、屑排出口411にブラシ状の除電部材430が設けられている。この除電部材430は、屑排出部材410の屑排出口411より上方となる背面に固定され、この部分から除電ブラシを垂下させて構成されている。
したがって、屑排出口411へ導かれる断裁屑は、除電部材430によって除電されて屑排出口411の周縁に付着されずにスムーズに排出させることが可能となる。
【0070】
(屑押さえ部材)
用紙がカッターで本身と断裁屑に分けられた後の断裁屑は、屑排出爪412に案内されて下方へ導かれ、屑排出口411から外部へ排出される。
ところが、本実施形態のドブ幅可変スリッター20は、ドブ幅を可変できるようにしていることから、屑排出爪412は、ドブ幅が狭い場合にも対応させる必要から、配置領域が制限されている。すなわち、図18Bに示されるように、上流側のカッターで形成された本身P1に隣接して断裁屑P2が形成されるため、断ち屑幅が狭い場合でも本身の搬送を邪魔しないようにする必要がある。そこで、屑排出爪412は、幅狭にしてカッター刃にできるだけ寄せた位置に設けられている。このため、断ち屑幅を広く設定した場合には、屑排出爪412によって断裁屑P2が下方へ導かれる際に、屑排出爪412は断裁屑P2の片側を局所的に押すことになる。このため、断裁屑P2は、傾き易くなり(浮き易くなり)、本身P1に接触して姿勢が崩れ、屑詰まりによるJAMを誘発する不都合がある。
そこで、図18A図18Bに示されるように、断裁時に発生した断裁屑を屑排出爪412とは異なる位置で下方に押さえ、幅広い断裁屑に対しても断裁屑P2の傾きを抑えて断裁屑P2の姿勢を安定させる屑押さえ部材440が設けられている。
【0071】
この屑押さえ部材440は、上下一対のカッター刃241a,242aによる断裁位置の断裁屑が発生する側に隣接して設けられている。屑押さえ部材440は、搬送方向上流側から下流側へ延設されるように設けられ、カッター刃に最も近接する側縁部に、下面を平らにした屑押さえ片441が下方に突設されている。この屑押さえ片441は、その下面が上下一対のカッター刃によって断裁された断裁屑P2の上面とほぼ同じ高さに配置され、断裁直後の断裁屑が傾かないように(浮き上がらないように)押さえ付ける。
【0072】
したがって、断裁された断裁屑P2は、屑押さえ部材440の押さえ片441によって傾きが抑えられる。このため、断裁屑P2は、本身P1に接触することなく姿勢を水平に保った状態で排出することが可能となる。これにより屑詰まりによるJAMの発生を回避することが可能となる。
【0073】
(高低差形成手段)
上流側のカッター23,25(上下一対のカッター刃231aと232a,251aと252a)で用紙のドブの一辺(ドブの片側)が断裁されると、本身P1とドブが残留しているカット紙P4に分けられる。このうち、ドブ付きのカット紙P4は下流側のカッター24,26によってさらに断裁屑P2と本身P3に分けられる。この際、上流側のカッター23,25で分けられた本身P1とカット紙P4が同じ高さで下流側へ搬送されると、下流側のカッター24,26によって形成された断裁屑P2は、前述した如く、ドブ幅が広くなるほど傾きやすくなるので、上流側から送られてくる本身P1と干渉しやすくなる。そこで、上流側で分断された本身P1とドブが一体化されたカット紙P4との間に高低差を設けて下流側へ搬送する手段が設けられている。
【0074】
この高低差形成手段は、図18Aに示されるように、前記屑搬送部材420に隣接して本身搬送部材450を設けることで構成されている。この本身搬送部材450は、上面が
下流側の上下一対のカッター刃(241aと242a、261aと262a)の断裁箇所よりも高く形成されている。したがって、上流側のカッター23,25で断裁された本身P1を本身搬送部材450の上面に導き、カット紙P4よりも高い位置で下流側へ搬送させるようにしている。なお、上流側で分断された本身P1とドブが一体化されたカット紙P4との間の高低差は、本実施形態のドブ幅可変スリッター20を組み立てる過程で調整される。
【0075】
このような高低差形成手段を設けることで、前記屑押さえ部材440による断裁屑P2の傾き防止機能と相俟って、断裁屑P2が上流側で形成された本身P1と接触することを確実に回避することができる。これにより、断裁屑の姿勢を安定させて屑詰まりによるJAMの発生を回避することが可能となる。
【0076】
なお、上記実施形態においては、用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された2つのカッター(23と24,25と26)を備えた御処理装置の例を示したが、異なる位置に配置された3つ以上のカッターを備えるものであってもよい。この場合には、屑排出部材410や屑搬送部材420、除電部材430、屑押さえ部材440,本身搬送部材450は、下流側の全てのカッターに設ける必要はなく、断裁屑を排出させるカッターに設ければよい。
また、複数のカッターの搬送方向と直交する方向における相対位置を調整可能とする相対位置調節機構として、ベルト駆動による駆動機構A,B,C,Dを設けた例を示したが、ラックアンドピニオンを利用する等、他の駆動機構を利用してもよい。
【0077】
このように、本実施形態の後処理装置200は、用紙を搬送する搬送手段(用紙搬送部210)を有し、搬送手段で搬送された用紙に対して異なる種類の加工を施す複数の機能別ユニットが選択的に着脱可能に構成された装置である。そして、複数の機能別ユニットの1つとして、断ち屑幅を可変とするスリッター(ドブ幅可変スリッター20)を備える。このスリッター(ドブ幅可変スリッター20)は、同一の機能別ユニット内に配置されると共に用紙の搬送方向に対して異なる位置に配置された少なくとも2つのカッター(23と24,25と26)を備える。また、スリッターは、少なくとも2つのカッターの搬送方向と直交する方向における相対位置を調整可能とする相対位置調節機構(駆動機構A,B,C,D)と、を有する。
したがって、単一のユニットで、断ち屑幅を可変できるスリッター機能を備えることが可能となる。このため、同様の機能を複数ユニットに分けて設ける必要がなくなり、他の搭載機能が制限される不都合がなくなる。
【0078】
ここで、スリッター(ドブ幅可変スリッター20)は、少なくとも2つのカッター(23と24,25と26)の各々が、用紙の搬送面に対して上下で対をなす2つのカッター刃(231aと232a,241aと242a, 251aと252a,261aと262a)を有する。
それぞれのカッター(ドブ幅可変スリッター20)が上下で対をなす2つのカッター刃で形成されるので、上下で対をなす2つのカッター刃の間に用紙を導くことで、用紙のスムーズな断裁が可能となる。
【0079】
このような上下で対をなす2つのカッター刃を備えるカッターを用いる場合には、スリッターは、それぞれのカッター(23,24,25,26)の対をなすカッター刃(231aと232a,241aと242a, 251aと252a,261aと262a)を回転駆動させる単一のカッター刃動力源(駆動用モータ35)を有するとよい。
このような構成においては、各カッター刃の回転を単一のカッター刃駆動源(駆動用モータ35)を制御することが可能となるので、制御がシンプルとなる。
【0080】
また、少なくとも2つのカッター(23と24,25と26)は、それぞれ異なる刃物台70(上筐体71、下筐体72)を備え、刃物台70のそれぞれは、独立して用紙の搬送方向と直交する方向に移動可能である。
したがって、刃物台のそれぞれを用紙の搬送方向と直交する方向に独立して移動させることで、搬送方向の上流側のカッターと下流側のカッターの用紙の搬送方向と直交する方向での位置を独立に調節できる。このため、搬送方向と直交する方向の任意の位置でドブ幅を自在に変更することが可能となる。
【0081】
このような構成を実現するために、スリッター(ドブ幅可変スリッター20)は、それぞれの刃物台70を搬送方向と直交する方向に個別に駆動する刃物台動力源(第1駆動モータ311,第2駆動モータ321、第3駆動モータ331,第4駆動モータ341)を有する。そして、それぞれの刃物台70と刃物台動力源とを、動力伝達機構(プーリ及びエンドレスベルト)を介して連結させるとよい。
【0082】
また、刃物台70(上筐体71,下筐体72)は、上下で対をなす2つのカッター刃のそれぞれを回転駆動させると共に用紙の搬送方向と直交する方向に摺動させる回転摺動体(上刃ユニット231,241,251,261、下刃ユニット232,242,252,262)に係止される。そして、刃物台70は、回転摺動体と共に搬送方向と直交する方向に移動可能にするとよい。
このような構成とすることで、カッター刃を回転摺動体の一部として扱うことができる。また、この回転摺動体に刃物台を係止させることができるので、カッターの組み付けや取扱いが容易となる。
【0083】
さらに、本実施形態に係るスリッターは、用紙の搬送方向に対して異なる位置に複数の刃物台を備え、それぞれの刃物台は、カッターで用紙を断裁する際に用紙を保持する用紙ガイド部材を有する。
この用紙ガイド部材を設けることで、上流側から搬送された用紙はカッターで断裁される際に保持されるので、用紙のJAMの発生を回避でき、用紙のスムーズな断裁が可能となる。
【0084】
また、スリッターは、用紙の搬送方向に対して異なる位置に複数の刃物台を備え、下流側に位置する刃物台には、その刃物台から排出される断裁屑を屑排出口に向けて排紙するための屑排出部材410が設けられる。
下流側のカッターで形成される断裁屑は、用紙の搬送に伴って下流側へ移動するが、屑排出部材410を設けることで、断裁屑を屑排出口411へ向けて移動させ、屑排出口411から排出させることが可能となる。
【0085】
さらに、スリッターは、断裁された屑を屑排出口411に向けて搬送する屑搬送部材420を前記刃物台に備えるとよい。
このような屑搬送部材420を設けることで、屑搬送部材420の表面を伝って下流側へ導かれる断裁屑を、屑排出口411からカッター24,26(刃物台70)の外部へ排出されることが可能となる。
【0086】
また、屑排出口には、断裁屑の除電を行う除電部材430を備えるとよい。
屑排出口411へ導かれる断裁屑は、帯電しているため屑排出口411の周縁に付着して集積しやすくなる。しかし、屑排出口411に除電部材430を設けることで、屑排出口411の周縁に屑が付着して集積することを防ぐことが可能となる。
【0087】
また、屑排出部材410には、断裁屑の搬送方向を屑排出口411に向けて変更させる屑排出爪412が設けられる。また、スリッターは、断裁屑の傾きを抑える屑押さえ部材440を刃物台70に備える。
このような構成を備えることで、断裁屑P2は屑排出爪412に押されて傾こうとするが、屑押さえ部材440によって傾きが抑えられる。このため、断裁屑P2は、本身に接触することなく姿勢を水平に保った状態で排出することが可能となる。これにより屑詰まりによるJAMの発生を回避することが可能となる。
【0088】
さらに、スリッターは、断裁された用紙の本身を搬送するための本身搬送部材450を屑搬送部材420に隣接して刃物台70に備え、本身搬送部材450と屑搬送部材420の一方の高さが他方の高さに対して調整可能としてもよい。
このような構成によれば、上流側のカッターで分離された用紙の本身部分とドブが残留するカット紙との間に高低差を持たせることができる。このため、下流側のカッターによって形成される断裁屑が傾いたとしても、屑が上流側で形成された本身と接触することを防ぐことができる。その結果、屑の姿勢を安定させて屑詰まりによるJAMの発生を回避することが可能となる。
【0089】
本実施形態に係る画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置により画像が形成された用紙を後処理する上述した後処理装置を備えている。従って、上述した後処理装置を採用すれば、断ち屑幅を可変とするスリッターを1つの機能別ユニットとして搭載したインライン方式の画像形成システムが形成可能となる。
【0090】
<補足>
本発明に係る後処理装置及びこれを備えた画像形成システムについて、実施の形態および変形例を説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、単一のユニットに断ち屑幅を可変とするスリッター機能を持たせる技術として有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 画像形成システム
20 ドブ幅可変スリッター
23.24.25.26 カッター
35 駆動用モータ
70 刃物台
71 上筐体
72 下筐体
100 画像形成装置
200 後処理装置
210 用紙搬送部
231a,241a, 251a,261a 上側カッター刃
231,241,251,261 上刃ユニット
232a、242a、252a、262a 下側カッター刃
232,242,252,262 下刃ユニット
311 第1駆動モータ
321 第2駆動モータ
331 第3駆動モータ
341 第4駆動モータ
401,402,403,404 用紙ガイド部材
410 屑排出部材
411 屑排出口
412 屑排出爪
420 屑搬送部材
430 除電部材
440 屑押さえ部材
450 本身搬送部材
U1,U2,U3,U4 機能別ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
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図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
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図18C