(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025152095
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、医用画像送信システム、医用画像送信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20251002BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20251002BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20251002BHJP
【FI】
A61B6/00 560
A61B6/46 506Z
A61B6/00 550M
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053832
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 慎伺
【テーマコード(参考)】
4C093
5L099
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA15
4C093CA35
4C093DA03
4C093FF09
4C093FF17
4C093FG04
4C093FH03
4C093FH07
4C093FH09
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】解析処理の実行の要否を容易に切り替え可能な情報処理装置、医用画像送信システム、医用画像送信方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置12は、画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部122と、設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部123と、操作部123により設定内容が切り替えられた際に、記憶部122の設定情報を更新する更新部及び医用画像に記憶部122に記憶された設定情報を付加する付加部として機能する制御部121と、医用画像を受信する受信部及び設定情報が付加された医用画像を医用画像解析装置30に送信する送信部として機能する通信部125と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像を受信する受信部と、
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新部と、
前記受信部が受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加部と、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記更新部は、電源起動時に前記記憶部の設定情報を更新する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に警告を報知する報知部を備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
医用画像を撮影する撮影場所に関する場所情報を取得する場所情報取得部を備え、
前記記憶部は、場所情報と、前記設定内容と、が対応付けられたテーブルを備え、
前記更新部は、前記場所情報取得部が取得した場所情報及び前記テーブルに基づいて前記記憶部の設定情報を更新する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記付加部が付加した設定情報に基づいて前記情報処理装置から取得した前記医用画像を解析する解析装置と、
前記解析装置から前記医用画像を取得する端末装置と、を備える医用画像送信システム。
【請求項6】
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、を備える情報処理装置における画像送信方法であって、
医用画像を受信する受信ステップと、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新ステップと、
前記受信ステップで受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加ステップと、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信ステップと、を備える医用画像送信方法。
【請求項7】
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、を備える情報処理装置のコンピューターを、
医用画像を受信する受信部、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新部、
前記受信部が受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加部、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信部、として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、医用画像送信システム、医用画像送信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、AI(Artificial Intelligence)を用いた医用画像の解析システムが知られている。当該システムは、解析処理の前に、画像に付帯するタグ情報や、画像に対応付けられた被験者の情報等に基づいて、解析処理の適否を判断する構成を備える。
【0003】
しかしながら、例えば外部施設に赴いて被験者の医用画像を撮影する場合等は、タグ情報や被験者の情報を取得できないことがある。そこで、例えば特許文献1には、医用画像から検査部位や撮像方向を取得することで、タグ情報や被験者の情報を有さずとも解析処理の適否を判断する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、検査部位や撮像方向が、解析処理に適する場合であっても、被験者が未成年である場合は、解析精度の点から解析処理が不適切な場合もある。一方で、取得した医用画像の解析処理の適否を個別に設定するのは煩雑である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、解析処理の実行の要否をより適切かつ容易に設定可能な情報処理装置、医用画像送信システム、医用画像送信方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報処理装置であって、
医用画像を受信する受信部と、
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新部と、
前記受信部が受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加部と、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信部と、を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記更新部は、電源起動時に前記記憶部の設定情報を更新する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に警告を報知する報知部を備える。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置であって、
医用画像を撮影する撮影場所に関する場所情報を取得する場所情報取得部を備え、
前記記憶部は、場所情報と、前記設定内容と、が対応付けられたテーブルを備え、
前記更新部は、前記場所情報取得部が取得した場所情報及び前記テーブルに基づいて前記記憶部の設定情報を更新する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、医用画像送信システムであって、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記付加部が付加した設定情報に基づいて前記情報処理装置から取得した前記医用画像を解析する解析装置と、
前記解析装置から前記医用画像を取得する端末装置と、を備える。
【0012】
請求項6に記載の発明は、
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、を備える情報処理装置における画像送信方法であって、
医用画像を受信する受信ステップと、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新ステップと、
前記受信ステップで受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加ステップと、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信ステップと、を備える。
【0013】
請求項7に記載の発明は、プログラムであって、
画像解析処理を行うか否かの設定情報を記憶する記憶部と、
前記設定情報における設定内容をユーザー操作により切り替え可能な操作部と、を備える情報処理装置のコンピューターを、
医用画像を受信する受信部、
前記操作部により設定内容が切り替えられた際に、前記記憶部の設定情報を更新する更新部、
前記受信部が受信した医用画像に、前記記憶部に記憶された設定情報を付加する付加部、
前記設定情報が付加された前記医用画像を画像解析装置に送信する送信部、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、解析処理の実行の要否をより適切かつ容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】画像転送処理の一連の流れを示すラダーチャートである。
【
図4A】通信状況確認画面の一例を示す図であるである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る医用画像送信システムについて、図面を用いて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0017】
[医用画像送信システムの全体構成]
図1に、本発明の医用画像送信システム100の構成例を示す。医用画像送信システム100は、撮影システム10、院内システム20及び医用画像解析装置30を備える。撮影システム10と医用画像解析装置30、また、院内システム20と医用画像解析装置30は、ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されている。
【0018】
なお、
図1においては、一の医用画像解析装置30に対して一の撮影システム10及び院内システム20が接続される構成を例示しているが、これに限られない。すなわち、一の医用画像解析装置30に対して複数の撮影システム10及び/又は院内システム20が接続される構成であっても良い。
【0019】
また、撮影システム10及び院内システム20を構成する各装置は、HL7(Health Level Seven)やDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じている。そのため、撮影システム10及び院内システム20を構成する各装置間の通信は、HL7やDICOMに則って行われる。
【0020】
(撮影システム)
撮影システム10は、例えば健診バスによって構成される。撮影システム10は、院内システム20を構成する医療施設へ依頼した特定の施設に訪問して医用画像を撮影する。また、撮影システム10は、撮影した医用画像を、医用画像解析装置30を介して院内システム20に送信する。撮影システム10は、モダリティ11及び情報処理装置12を備える。
【0021】
{モダリティ}
モダリティ11は、特定の施設の被写体を撮影して医用画像の画像データを生成する。モダリティ11は、例えばCR(Computed Radiography)、DR(Digital Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、US(Ultra Sonography)、NM(Nuclear Medicine)あるいはES(Endoscope)等である。
【0022】
{情報処理装置}
情報処理装置12は、モダリティ11で撮影した医用画像を、ネットワークNを介して医用画像解析装置30にアップロードする。情報処理装置12は、制御部121、記憶部122、操作部123、表示部124及び通信部125を備える。情報処理装置12には、表示部124に各種の画面を表示可能なウェブブラウザ又はプログラムがインストールされている。
【0023】
〈制御部〉
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部121のCPUは、操作部123の操作に応じて、記憶部122に記憶されたシステムプログラムや各種プログラムを読み出してRAM内に展開する。制御部121のCPUは、展開されたプログラムに従って、情報処理装置12の各部の動作を集中制御する。
【0024】
特に、制御部121は、操作部123の操作により設定内容が切り替えられた際に、記憶部122に記憶された設定情報を更新する更新部として機能する。また、制御部121は、受信した医用画像に、設定情報を付加する付加部として機能する。
【0025】
〈記憶部〉
記憶部122は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部122には、制御部121で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶される。特に、記憶部122には、画像解析装置30で解析処理を行うか否かに係る設定情報が記憶されている。
【0026】
〈操作部〉
操作部123は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成される。操作部123は、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を、制御部121に出力する。また、操作部123は、表示部124の表示画面にタッチパネルを備えても良い。この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部121に出力する。
【0027】
〈表示部〉
表示部124は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成される。表示部124は、制御部121から入力される表示信号の指示に従って、操作部123からの入力指示やデータ等を表示する。
【0028】
〈通信部〉
通信部125は、ネットワークNに接続された外部機器との間で各種データの送受信を行う。特に、通信部125は、モダリティ11が撮影した医用画像を受信する受信部として機能する。また、通信部125は、医用画像を医用画像解析装置30に送信する送信部として機能する。
【0029】
(院内システム)
院内システム20は、医用画像解析装置30から取得した医用画像及び解析画像と、撮影された被写体とを対応付けて保存する。また、院内システム20においては、読影医が医用画像及び解析画像の読影を行う。
【0030】
{画像管理サーバー}
画像管理サーバー21は、医用画像解析装置30から取得した医用画像及び解析画像の画像データ等を保存して管理する。画像管理サーバー21としては、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)等が挙げられる。
【0031】
{端末装置}
端末装置22は、PC(Personal Computer)やタブレット等のコンピューター装置である。端末装置22は、医師等のユーザーが医用画像を読影する際等に用いられる。端末装置22は、CPU、RAM等により構成される制御部221、記憶部222、操作部223、表示部224及び通信部225を備える。
【0032】
〈制御部〉
制御部221は、CPU及びRAM等により構成される。制御部221のCPUは、操作部223の操作に応じて、記憶部222に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開する。制御部221のCPUは、展開されたプログラムに従って、端末装置22各部の動作を集中制御する。
【0033】
〈記憶部〉
記憶部222は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部222は、制御部221で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
【0034】
〈操作部〉
操作部223は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成される。操作部223は、ユーザーによるキーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を、制御部221に出力する。また、操作部223は、表示部224の表示画面にタッチパネルを備えても良い。この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部121に出力する。
【0035】
〈表示部〉
表示部224は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニタにより構成される。表示部224は、制御部221から入力される表示信号の指示に従って、操作部223からの入力指示やデータ等を表示する。
【0036】
〈通信部〉
通信部225は、ネットワークNに接続された外部機器との間で各種データの送受信を行う。
【0037】
また、端末装置22は、医用画像解析装置30からダウンロードした医用画像及び解析画像を画像管理サーバー21に記憶する。
【0038】
(医用画像解析装置)
医用画像解析装置30は、例えばクラウド上に設けられたサーバーである。医用画像解析装置30は、撮影システム10から取得した医用画像を必要に応じて画像解析して解析画像を取得する。また、医用画像解析装置30は、撮影システムから取得した医用画像、あるいは医用画像及び解析画像を院内システム20に転送する。医用画像解析装置30は、制御部31、記憶部32、通信部35及び画像解析部36を備える。
【0039】
{制御部}
制御部31は、CPU及びRAM等により構成される。制御部31のCPUは、操作部33の操作に応じて、記憶部32に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開する。制御部31のCPUは、展開されたプログラムに従って、医用画像解析装置30各部の動作を集中制御する。
【0040】
{記憶部}
記憶部32は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部32は、制御部31で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
【0041】
また、記憶部32には、ウェブサーバープログラムが記憶されている。ウェブサーバープログラムは、情報処理装置12に搭載されたアプリケーションとHTTPプロトコルによる通信を行って、画像解析に必要なデータを受信する。
【0042】
{通信部}
通信部35は、ネットワークNに接続された外部機器との間で各種データの送受信を行う。特に、通信部35は、撮影システム10から医用画像の画像データを受信する受信部として機能する。また、通信部35は、院内システム20に医用画像の画像データを送信する送信部として機能する。
【0043】
{画像解析部}
画像解析部36は、撮影システム10から取得した医用画像に付加された設定情報に応じて、当該医用画像に対して画像解析処理を行い、解析画像を生成する。画像解析処理としては、例えばAI(Artificial Intelligence)処理とBS(Bone Suppression)処理を行う。
【0044】
〈AI処理〉
AI処理は、取得した医用画像からAI画像を生成する処理である。AI画像は、医用画像にCAD(Computer Aided Diagnosis)による病変候補の検出を含む画像診断・画像解析を行うことで取得できる。
【0045】
具体的には、記憶部32には異常陰影(病変)の種類に応じた検出アルゴリズムの検出プログラムが記憶されている。異常陰影候補の検出アルゴリズムとしては、公知のものを適用可能である。例えば、深層学習(Deep Learning)方法であるFCN(Fully Convolutional Networks)法が用いられる。画像解析部36は、当該プログラムとの協働により、異常陰影候補を検出する。例えば
図2Aに示されるような胸部X線画像に対して、
図2Bに示すように、肺がんが疑われる結節影や、肺炎や結核が疑われる浸潤影をマーキングする。当該処理により、異常陰影の見落としを防止できる。
【0046】
〈BS処理〉
また、BS処理は、取得した医用画像からBS画像(骨減弱画像)を生成する処理である。BS画像は、医用画像の骨領域を認識した上で、骨の信号成分を減弱して透過度を変更する公知の骨減弱処理を施すことで取得できる。例えば
図2Aに示される胸部X線画像に対して、
図2Cに示すように、前方肋骨及び後方肋骨の信号を減弱させる。当該処理により、肺野内の骨格部分に重なる部分の視認性が向上する。
【0047】
[画像転送処理]
このような医用画像送信システム100における画像転送処理に係る一連の動作について、
図3に示すラダーチャートに基づいて説明する。なお、本ラダーチャートは、情報処理装置12を起動した際に、通信部125が医用画像解析装置30の通信部35との通信の結果、承認処理が正常終了することで開始される。情報処理装置12の通信部125が医用画像解析装置30の通信部35と通信を行うと、制御部121は、表示部124に
図4Aに示すような通信状況確認画面124aが表示させる。
【0048】
通信状況確認画面124aには、一連の画像転送処理において撮影システム10から医用画像解析装置30に送信した医用画像の各種ステータスが表示される。また、通信状況確認画面124aには、設定内容を切り替えるボタンBが表示される。すなわち、ユーザーが操作部123によってボタンBを操作して、設定内容を切り替えると、制御部121は、記憶部122に記憶された設定情報を更新する。
【0049】
なお、情報処理装置12の起動時において、制御部121は、記憶部122に記憶された設定情報を、設定内容が画像解析を行う「ON」になるように、自動で切り替える。また、制御部121は、ボタンBの操作により、設定内容が「ON」から「OFF」に切り替えられた際に、
図4Bに示すような警告画面124bを表示する報知部として機能する。
【0050】
これらの制御を行う理由は、本来画像解析処理を行う必要があるが誤って画像解析処理を行わない場合のリスクと、本来画像解析処理を行う必要は無いが誤って画像解析処理を行う場合のリスクとでは、前者の方が大きいためである。
【0051】
ユーザーは、操作部123により、必要に応じて設定内容を切り替える(ステップS101)。設定内容の設定後、ユーザーは、モダリティ11により、被写体の医用画像を撮影する。モダリティ11で撮影した医用画像は、情報処理装置12に送信されて(ステップS102)、制御部121に、設定情報及び受付番号を付与される(ステップS103)。設定情報及び受付番号が付与された医用画像は、通信部125により、医用画像解析装置30に送信される(ステップS104)。
【0052】
通信部35より医用画像の画像データを取得した医用画像解析装置30の制御部31は、設定情報を参照して、「ON」であるか否かを判定する(ステップS105)。設定情報が「ON」である場合(ステップS105;Yes)、制御部31は、画像解析部36により、取得した医用画像に解析処理を行って解析画像を取得する(ステップS106)。解析処理後、通信部35は、医用画像並びに解析画像を院内システム20に送信する(ステップS107)。設定情報が「ON」でない場合(ステップS105;No)、すなわち、「OFF」である場合、制御部31は、ステップS107に遷移して、医用画像のみを院内システム20に送信する。
【0053】
通信部225より医用画像、あるいは医用画像及び解析画像を取得した端末装置22の制御部221は、医用画像及び解析画像を画像管理サーバー21に記憶する(ステップS108)。
【0054】
[実施形態の効果]
以上に示すように、本実施形態に係る医用画像解析装置である医用画像解析装置30は、第1の装置である情報処理装置12から医用画像を受信する受信部、医用画像を第2の装置である端末装置22に送信する送信部として機能する通信部35を備える。また、医用画像解析装置30は、情報処理装置12から受信した信号に応じて、医用画像に画像解析処理を行うか否かを設定する設定部として機能する制御部31を備える。また、医用画像解析装置30は、設定に応じて医用画像に画像解析処理を行う画像解析部36を備える。当該構成によれば、情報処理装置12側で、必要な場合にのみ解析処理の実行の要否を切替えられるので、解析処理の実行の要否をより適切かつ容易に設定できる。
【0055】
[変形例]
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0056】
例えば、操作部123でボタンBを操作することで設定情報の設定内容を切り替えるとしたが、これに限られない。例えば、制御部121が、所定の時間になった時点で設定情報の設定内容を自動で切り替える構成としてもよい。例えば午前は画像解析に適さない被写体が多数所属する施設(例えば高等学校など)で画像処理を行い、午後は画像解析を行う被写体が多数所属する施設(例えば会社など)で画像処理を行う予定の場合等に、操作部123でボタンBを操作せずともよくなる。
【0057】
同様に、例えば記憶部122に、医用画像を撮影する撮影場所に関する場所情報と設定情報の設定内容を対応付けた所定のテーブルを記憶してもよい。そして、制御部121を、情報処理装置12の場所情報を取得する場所情報取得部として機能させるとともに、取得した場所情報に基づいて設定内容を自動で切り替えさせても良い。例えば制御部121は、GPS(Global Positioning System)等の全地球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの送信電波を受信及び復号することで位置情報を取得して、当該位置情報から場所情報を取得する。当該構成とすると、時間毎の設定情報の設定内容の切り替え設定すら不要になる。
【0058】
なお、制御部121は、GPSから場所情報を自動取得する構成とせずとも、ユーザーの入力により取得した場所情報に応じて、設定内容を自動で切り替える構成としても良い。
【0059】
また、上記においては、医用画像解析装置30がクラウドサーバーである場合を例示したが、これに限られない。すなわち、医用画像解析装置30は、実体を有するオンプレミスのサーバーであっても構わない。医用画像解析装置30が実態を有する場合は、情報処理装置12及び端末装置22と同様に、医用画像解析装置30が操作部及び表示部等を備えても良い。
【0060】
また、上記においては、画像解析部36が解析画像としてAI画像及び/又はBS画像を生成するとしたが、これに限られないのは勿論である。例えば画像解析部36は、複数の医用画像に基づいて経時差分処理を行ったTS画像を解析画像として生成しても良い。また、画像解析部36は、画像解析処理として、骨密度計測処理、骨折予測処理あるいは写損判定処理等を行って、所定の差分画像を解析画像として生成しても良い。また、画像解析部36は、骨に限られず心臓や横隔膜といった臓器を減弱した臓器減弱画像や、血管や気管を減弱した血管気管減弱画像を解析画像として生成しても良い。
【0061】
また、上記においては、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用する例を開示したが、これに限られない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0062】
その他、医用画像送信システム100の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
100 医用画像送信システム
12 情報処理装置
121 制御部(報知部、場所情報取得部)
125 通信部(受信部、送信部)
22 端末装置
30 医用画像解析装置