IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大分フォーバイフォーの特許一覧

特開2025-152227キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物
<>
  • 特開-キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物 図1
  • 特開-キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物 図2
  • 特開-キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物 図3
  • 特開-キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025152227
(43)【公開日】2025-10-09
(54)【発明の名称】キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/355 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
B60P3/355
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024054022
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】522489071
【氏名又は名称】株式会社大分フォーバイフォー
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 正憲
(57)【要約】
【課題】使用状態において内部に空間が形成され、収納状態において畳まれるキャンピングシェル及びこれを備えたキャンピングカー並びに可搬式建築物を提供する。
【解決手段】キャンピングシェル10は、床面部を形成するための床面形成部30と、天井部を構成するための天井形成部40と、を備え、天井形成部40が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれるキャンピングシェルであって、使用状態にて、床面形成部30から外側に張り出す左側拡張空間形成部50と、床面形成部30から左側拡張空間形成部50とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面部を形成するための床面形成部と、
天井部を構成するための天井形成部と、を備え、
前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれるキャンピングシェルであって、
前記使用状態にて、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも外側に張り出す左側拡張空間形成部と、
前記床面形成部及び前記天井形成部よりも前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えたキャンピングシェル。
【請求項2】
請求項1記載のキャンピングシェルにおいて、
前記左側拡張空間形成部及び前記右側拡張空間形成部が、それぞれ、
前記床面形成部に回転可能に設けられた下側展開フレームと、
前記床面形成部の上側に、前記天井形成部に回転可能に設けられた上側展開フレームと、を有し、
前記下側展開フレーム及び前記上側展開フレームが、互いに回転可能に連結され、内側に回転可能となっているキャンピングシェル。
【請求項3】
請求項2記載のキャンピングシェルにおいて、
前記天井形成部の上下方向の動きを案内する案内部を更に備えたキャンピングシェル。
【請求項4】
請求項3記載のキャンピングシェルにおいて、
前記下側展開フレームを回転させる駆動部を更に備えるキャンピングシェル。
【請求項5】
請求項4記載のキャンピングシェルにおいて、
前記駆動部が、モーターと、
前記下側展開フレームに設けられ、モーターの回転に応じて進退する進退部材と、を有する電動式のリニアクチュエータであるキャンピングシェル。
【請求項6】
請求項5記載のキャンピングシェルにおいて、
前記使用状態にある前記下側展開フレーム及び前記上側展開フレームのうち、いずれかが動かないように制限するロック機構を更に備えたキャンピングシェル。
【請求項7】
床面部を形成するための床面形成部と、
天井部を構成するための天井形成部と、を備え、
前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれるキャンピングカーであって、
前記使用状態にて、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも外側に張り出す左側拡張空間形成部と、
前記床面形成部及び前記天井形成部よりも前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えたキャンピングカー。
【請求項8】
床面部を形成するための床面形成部と、
天井部を構成するための天井形成部と、を備え、
前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれる可搬式建築物であって、
前記使用状態にて、前記床面形成部から外側に張り出す左側拡張空間形成部と、
前記床面形成部から前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えた可搬式建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンピングシェル、キャンピングカー及び可搬式建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軽トラックのような荷台部の面積が小さな場合でも十分な居住空間を確保でき、使用者の快適性と利便性を向上させることができるトラック積載型のキャンピングシェルが記載されている。
このキャンピングシェルは、外部シェルと内部シェルから成り、外部シェルは、天面部と側面部と底面部と背面部とに壁を持ち、前面部には開口部を有する略直方体形状であり、内部シェルは、天面部と側面部と底面部と前面部とに壁面を持ち、背面部に開口部を有し、外部シェルの側面部と内部シェルの側面部とは、第一の回動部によって、回動可能に固定され収納時には、外部シェルは、内部シェルを覆うように、開口部を下に向けて配置され、使用時には、外部シェルは、第一の回動部を軸に後ろ方向に回動し、起立することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-199189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、使用状態において内部に空間が形成され、収納状態において畳まれるキャンピングシェル及びこれを備えたキャンピングカー並びに可搬式建築物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、床面部を形成するための床面形成部と、天井部を構成するための天井形成部と、を備え、前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれるキャンピングシェルであって、前記使用状態にて、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも外側に張り出す左側拡張空間形成部と、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えたキャンピングシェルである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のキャンピングシェルにおいて、前記左側拡張空間形成部及び前記右側拡張空間形成部が、それぞれ、前記床面形成部に回転可能に設けられた下側展開フレームと、前記床面形成部の上側に、前記天井形成部に回転可能に設けられた上側展開フレームと、を有し、前記下側展開フレーム及び前記上側展開フレームが、互いに回転可能に連結され、内側に回転可能となっている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のキャンピングシェルにおいて、前記天井形成部の上下方向の動きを案内する案内部を更に備える。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載のキャンピングシェルにおいて、前記下側展開フレームを回転させる駆動部を更に備える。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のキャンピングシェルにおいて、前記駆動部が、モーターと、前記下側展開フレームに設けられ、モーターの回転に応じて進退する進退部材と、を有する電動式のリニアクチュエータである。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載のキャンピングシェルにおいて、前記使用状態にある前記下側展開フレーム及び前記上側展開フレームのうち、いずれかが動かないように制限するロック機構を更に備える。
【0011】
請求項7に記載の発明は、床面部を形成するための床面形成部と、天井部を構成するための天井形成部と、を備え、前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれるキャンピングカーであって、前記使用状態にて、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも外側に張り出す左側拡張空間形成部と、前記床面形成部及び前記天井形成部よりも前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えたキャンピングカーである。
【0012】
請求項8に記載の発明は、床面部を形成するための床面形成部と、天井部を構成するための天井形成部と、を備え、前記天井形成部が下降することによって使用状態から収納状態へと畳まれる可搬式建築物であって、前記使用状態にて、前記床面形成部から外側に張り出す左側拡張空間形成部と、前記床面形成部から前記左側拡張空間形成部とは反対の側に張り出す右側拡張空間形成部と、を備えた可搬式建築物である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用状態において内部に空間が形成され、収納状態において畳まれるキャンピングシェル及びこれを備えたキャンピングカー並びに可搬式建築物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係るキャンピングシェルの使用状態を示す説明図であって、車両の背面側から見た図である。
図2】同キャンピングシェルが畳まれた状態を示す説明図であって、車両の背面側から見た図である。
図3】同キャンピングシェルの内部を示す説明図である。
図4】(A)~(E)は、同キャンピングシェルが展開される動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0016】
本発明の一実施の形態に係るキャンピングシェル10は、例えば軽トラック20の荷台に着脱可能に積載され、キャンピングカー22として構成される。
キャンピングシェル10は、図1に示すように、使用状態においては内部に空間Sが形成され、図2に示すように、収納状態においては畳んで小型化される。
【0017】
キャンピングシェル10は、床面形成部30、天井形成部40、左側拡張空間形成部50、右側拡張空間形成部60、下側リニアアクチュエーター70a、70b、上側リニアアクチュエーター72a、72b、スライドレール74a、74b及びロック機構(不図示)を備えている。
【0018】
床面形成部30は、図3に示すように、例えば角パイプ等の棒状部材302a~302lにより構成され、床面を形成するためのフレームである。棒状部材302a~302lは、車体の前後方向が長手となる直方体の各辺に対応する位置に配置されている。
【0019】
天井形成部40は、例えば角パイプ等の棒状部材402a~402lにより構成され、天井を形成するためのフレームである。棒状部材402a~402lは、車体の前後方向が長手となる直方体の各辺に対応する位置に配置されている。
天井形成部40は、平面視して、床面形成部30と実質的に同じ大きさとなっている。
【0020】
左側拡張空間形成部(第1の拡張空間形成部の一例)50は、床面形成部30及び天井形成部40よりも車体の左側(外側)に張り出すフレームである。
左側拡張空間形成部50は、下側展開フレーム502及び上側展開フレーム504を有している。
【0021】
下側展開フレーム502は、複数の棒状部材502a~502kにより構成されている。
棒状部材502aは、棒状部材502cの外側に間隔を空けて延びる部材である。
棒状部材502bは、棒状部材502aの上側に間隔を空けて延びる部材である。
棒状部材502cは、床面形成部30の左側かつ上側に位置する棒状部材302bに沿って延びる部材である。棒状部材502cと棒状部材302bは、長手方向に間隔を空けて設けられた複数の下側ヒンジHLa(図1参照)を介して連結されている。従って、下側展開フレーム502は、床面形成部30に対し、下側ヒンジHLaの回転軸である下側回転軸AXLaの回りに回転できる。
棒状部材502d、502e、502h、502k及び棒状部材502f、502g、502i、502jは、それぞれ、荷台の後側及び前側に位置し、車両の背面側からみて矩形状となるように構成され、棒状部材502a~502cの端部が固定される。
【0022】
なお、棒状部材502h、502k及び棒状部材502i、502jの長さは、それぞれ、棒状部材302fの半分であることが好ましい。ただし、ここに言う「半分」とは、厳密な意味での半分ではない。即ち、「半分」とは、設計上、製造上の誤差が許容され、「実質的に半分」という意味である(以下、同様)。具体的には、例えば、-5~+5%の範囲内で寸法に誤差があってもよい。
【0023】
上側展開フレーム504は、複数の棒状部材504a~504kにより構成され、実質的に下側展開フレーム502と上下対称となっている。
棒状部材504aは、棒状部材504bの下側に間隔を空けて延びる部材である。棒状部材504aは、下側展開フレーム502の外側かつ上側に位置する棒状部材502bの上側に位置し、この棒状部材502bと長手方向に間隔を空けて設けられた複数の中間ヒンジHMa(図1参照)を介して連結されている。従って、上側展開フレーム504と下側展開フレーム502は、互いに中間ヒンジHMaの回転軸である中間回転軸AXMaの回りに回転できる。
棒状部材504bは、棒状部材504cの外側に間隔を空けて延びる部材である。
棒状部材504cは、天井形成部40の左側かつ下側に位置する棒状部材402aに沿って延びる部材である。棒状部材504cと棒状部材402aは、長手方向に間隔を空けて設けられた複数の上側ヒンジHUa(図1参照)を介して連結されている。従って、上側展開フレーム504は、天井形成部40に対し、上側ヒンジHUaの回転軸である上側回転軸AXUaの回りに回転できる。
棒状部材504d、504e、504h、504k及び棒状部材504f、504g、504i、504jは、それぞれ、荷台の後側及び前側に位置し、車両の背面側からみて矩形状となるように構成され、棒状部材504a~504cの端部が固定される。
【0024】
なお、棒状部材504h、504k及び棒状部材504i、504jの長さは、それぞれ、棒状部材402eの半分であることが好ましい。
【0025】
右側拡張空間形成部60は、図1に示すように、床面形成部30及び天井形成部40よりも車体の右側(左側拡張空間形成部50とは反対の側)に張り出すフレームである。
右側拡張空間形成部60は、下側展開フレーム602及び上側展開フレーム604を有している。
下側展開フレーム602は、下側ヒンジHLbにより床面形成部30に対して回転可能に設けられ、上側展開フレーム604は、上側ヒンジHUbにより床面形成部30に対して回転可能に設けられている。下側展開フレーム602と上側展開フレーム604とは、中間ヒンジHMbにより互いに回転可能に設けられている。
右側拡張空間形成部60は、左側拡張空間形成部50と実質的に左右対称となるように構成されているため、更に詳細な説明は省略する。
【0026】
下側リニアアクチュエーター(駆動部の一例)70a、70bは、図1及び図2に示すように、それぞれ、例えば電動式にリニアアクチュエーターであり、下側展開フレーム502、602を床面形成部30に対して回転させることができる。
下側リニアアクチュエーター70aは、モーター(不図示)、基部702a及び進退部材704aを有している。
モーターは、例えばDCモーターである。
基部702aは、モーターのシャフトの回転運動を直線運動に変換する変換機構を有し、床面形成部30に回転可能に設けられている。
進退部材704aは、モーターの回転に応じて、基部702aから進退する棒状の部材である。進退部材704aの先端部は、下側展開フレーム502に直接的又は間接的に取り付けられている。また、進退部材704aの先端部は、下側展開フレーム502に回転可能に取り付けられている。
【0027】
下側リニアアクチュエーター70bは、モーター(不図示)、基部702b及び進退部材704bを有している。
下側リニアアクチュエーター70bは、下側リニアアクチュエーター70aと実質的に左右対称に配置されており、具体的な構成は同一であるため、詳細については省略する。
【0028】
上側リニアアクチュエーター(駆動部の一例)72a、72bは、それぞれ、例えば電動式にリニアアクチュエーターであり、上側展開フレーム504、604を天井形成部40に対して回転させることができる。
上側リニアアクチュエーター72a、72bの配置は、下側リニアアクチュエーター70a、70bと実質的に上下対称とすることができる。
上側リニアアクチュエーター72aは、モーター(不図示)、基部722a及び進退部材724aを有している。
モーターは、例えばDCモーターである。
基部722aは、モーターのシャフトの回転運動を直線運動に変換する変換機構を有し、天井形成部40に回転可能に設けられている。
進退部材724aは、モーターの回転に応じて、基部722aから進退する棒状の部材である。進退部材724aの先端部は、上側展開フレーム504に直接的又は間接的に取り付けられている。また、進退部材724aの先端部は、上側展開フレーム504に回転可能に取り付けられている。
【0029】
上側リニアアクチュエーター72bは、モーター(不図示)、基部722b及び進退部材724bを有している。
上側リニアアクチュエーター72bは、上側リニアアクチュエーター72aと実質的に左右対称に配置されており、具体的な構成は同一であるため、詳細については省略する。
【0030】
付言すると、上側リニアアクチュエーター72a、72bは必須ではない。すなわち、下側リニアアクチュエーター70a、70bが必要な推力を出力できるのであれば、上側リニアアクチュエーター72a、72bは省略できる。
なお、前述の駆動部は、下側リニアアクチュエーター70a、70b及び上側リニアアクチュエーター72a、72bに限定されるものではなく、下側展開フレーム502、602及び上側展開フレーム504、604を回転させることができれば、任意の構成でよい。また、駆動部は、手動によるものであってもよい。
【0031】
スライドレール(案内部の一例)74a、74bは、天井形成部40の上下方向の動きを案内できる。
スライドレール74aは、背面側から見て、車両の左側に上下方向に延びるように配置されている。スライドレール74aの下端部は、床面形成部30に取り付けられ、上端部は、天井形成部40に取り付けられている。
スライドレール74bは、背面側から見て、車両の右側に上下方向に延びるように配置されている。スライドレール74bの下端部は、床面形成部30に取り付けられ、上端部は、天井形成部40に取り付けられている。
【0032】
ロック機構(不図示)は、使用状態及び収納状態において各部が回転しないように、動きを規制することができる。
特に、ロック機構は、使用状態において、下側展開フレーム502及び下側展開フレーム602並びに上側展開フレーム504及び上側展開フレーム604のうち、少なくともいずれかが動かないように制限できる。
【0033】
キャンピングシェル10は、天井形成部40の上面として設けられる太陽光発電パネルを更に備えていても良い。
【0034】
次に、キャンピングシェル10が図2に示す収納状態(畳まれた状態)から図1に示す使用状態(展開された状態)に変形する動作について、図4(A)~図4(E)に基づいて説明する。
【0035】
キャンピングカー22が駐車され、ユーザーがロック機構を解除した後、下側リニアアクチュエーター70a、70b及び上側リニアアクチュエーター72a、72bのモーターを駆動すると、進退部材704a、704b及び進退部材724a、724bがそれぞれ進出する。
【0036】
その結果、進退部材704a、704bは、それぞれ下側展開フレーム502、602を下側ヒンジHLa、HLb(図3に示す下側回転軸AXLa、AXLb)の回りに回転させ、進退部材724a、724bは、それぞれ、上側展開フレーム504、604を上側ヒンジHUa、HUb(上側回転軸AXUa、AXUb)の回りに回転させる。
【0037】
下側展開フレーム502及び上側展開フレーム504が、中間ヒンジHMa(中間回転軸AXMa)の回りに回転し、下側展開フレーム602及び上側展開フレーム604が、中間ヒンジHMb(中間回転軸AXMb)の回りに回転するとともに、天井形成部40が、スライドレール74a、74bによって案内されるので、天井形成部40は、図4(B)~図4(D)に示すように、徐々に上昇する。
【0038】
下側展開フレーム502、602及び上側展開フレーム504、604が、当初の畳まれた状態(図4(A)参照)から90度回転すると、図4(E)に示すように、内部に空間Sが形成される。
【0039】
左側拡張空間形成部50及び右側拡張空間形成部60は、荷台の外側に張り出し、それぞれ空間Sa及び空間Sb(図3参照)を形成するので、荷台から張り出さないキャンピングシェルと比較して、より広い空間Sが確保される。
【0040】
ユーザーは、ロック機構(不図示)により、キャンピングシェル10が変形しないように各部の動きを規制する。
ユーザーは、背面側に外部から内部に入る入り口を形成した後に、キャンピングシェル10を使用する。
使用状態から畳む場合は、前述の動作と逆になるので、詳細は省略する。
【0041】
このように、本実施の形態に係るキャンピングシェル10によれば、使用状態において内部に空間Sが形成され、収納状態において畳まれる。
【0042】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
前述の実施の形態にて説明したキャンピングシェル10の構造は、建築物を形成するためにも使用できる。すなわち、軽トラックに積んで搬送できることから、前述の構造を備えた可搬式建築物と捉えることも可能であり、災害が発生した際のシェルターや仮設住宅として活用できる。
【符号の説明】
【0043】
10 キャンピングシェル
20 軽トラック
22 キャンピングカー
30 床面形成部
40 天井形成部
50 左側拡張空間形成部
60 右側拡張空間形成部
70a 下側リニアアクチュエーター
70b 下側リニアアクチュエーター
72a 上側リニアアクチュエーター
72b 上側リニアアクチュエーター
74a スライドレール
302a~302l 棒状部材
402a~402l 棒状部材
502 下側展開フレーム
502a~502k 棒状部材
504 上側展開フレーム
504a~504k 棒状部材
602 下側展開フレーム
604 上側展開フレーム
702a、702b 基部
704a、704b 進退部材
722a、722b 基部
724a、724b 進退部材
HLa、HLb 下側ヒンジ
HMa、HMb 中間ヒンジ
HUa、HUb 上側ヒンジ
AXLa、AXLb 下側回転軸
AXMa、AXMb 中間回転軸
AXUa、AXUb 上側回転軸
S 空間
Sa、Sb 空間
図1
図2
図3
図4