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特開2025-15226電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015226
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20250123BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20250123BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20250123BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/0601
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118495
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】398002617
【氏名又は名称】ぴあ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】平野 淳
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L030BB26
5L049AA03
5L049BB26
5L049CC18
5L050CC18
(57)【要約】
【課題】興行中の座席変更を行うことができ、これにより選手やアーティストと観客の一体感の向上を図ることが可能な電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、及び電子チケット販売プログラムを提供する。
【解決手段】電子チケット管理サーバ10は、サッカー競技のエンドが変更されるハーフタイムのタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケットの販売を行う。電子チケット販売装置10は、ユーザが利用するユーザ端末30から、電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付手段12と、座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた電子チケットを取得する電子チケット取得手段14と、取得した前記電子チケットをユーザ端末30に送信する電子チケット送信手段15を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケット販売装置において、
ユーザが利用するユーザ端末から、電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付手段と、
前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得手段と、
取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信手段と、を備えることを特徴とする電子チケット販売装置。
【請求項2】
前記タイミングを前記ユーザ端末に送信するタイミング送信手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項3】
前記座席変更を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段と、
取得した前記誘導情報を前記ユーザ端末に送信する誘導情報送信手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項4】
前記変更前座席のチケットの販売価格と、前記変更後座席のチケットの販売価格と、に基づいて、前記電子チケットの販売価格を決定する販売価格決定手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項5】
前記販売価格決定手段は、前記変更前座席のチケットの販売価格と、前記変更後のチケットの販売価格と、予め決められた増額価格と、に基づいて前記電子チケットの販売価格を決定することを特徴とする請求項4記載の電子チケット販売装置。
【請求項6】
前記変更前座席と前記変更後座席との組み合わせは、前記ユーザが決定したものであることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項7】
前記変更前座席と前記変更後座席との組み合わせは、前記ユーザ以外の者が決定したものであることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項8】
前記変更後座席は、集合した座席群の中であれば観客が自由に選択して着座することができる座席であることを特徴とする請求項1記載の電子チケット販売装置。
【請求項9】
興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケットの販売方法であって、
ユーザが利用するユーザ端末から、前記電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付ステップと、
前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得ステップと、
取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信ステップと、を有することを特徴とする電子チケット販売方法。
【請求項10】
興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケットの販売処理を行うコンピュータを、
ユーザが利用するユーザ端末から、前記電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付手段、
前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得手段、
取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信手段、として機能させることを特徴とする電子チケット販売プログラム。
【請求項11】
興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導装置において、
前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得手段と、
前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段と、
前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信手段と、を備えることを特徴とする座席移動誘導装置。
【請求項12】
前記タイミングは、前記興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングであることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項13】
前記誘導情報は、複数の前記観客を同じ時間帯に誘導するためのものであることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項14】
前記誘導情報には、移動開始を促す情報が含まれることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項15】
前記誘導情報には、誘導経路が含まれることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項16】
前記誘導情報には、前記座席変更に伴う移動を楽しむための演出情報が含まれることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項17】
前記誘導情報には、前記プレイエリアを通過する特別経路が含まれることを特徴とする請求項12記載の座席移動誘導装置。
【請求項18】
前記特別経路を選択する旨の情報を取得する特別経路選択情報取得手段と、
前記特別経路を選択した前記観客の決済情報を取得する決済情報取得手段と、
前記決済情報に基づいて前記特別経路の追加料金を徴収する追加料金徴収手段と、を備えることを特徴とする請求項17記載の座席移動誘導装置。
【請求項19】
前記興行は対戦型の興行であり、
前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一の経路と、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二の経路と、が含まれ、
前記第一の経路と前記第二の経路は、前記第一の観客と前記第二の観客との接近を回避する経路であることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項20】
前記興行は対戦型の興行であり、
前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一のタイミングと、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二のタイミングと、が含まれ、
前記第一のタイミングと前記第二のタイミングとは、前記第一の観客と前記第二の観客との接近を回避するタイミングであることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項21】
前記興行は対戦型の興行であり、
前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一の経路と、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二の経路と、が含まれ、
前記第一の経路と前記第二の経路とは、前記第一の観客と前記第二の観客とが接近する経路であることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項22】
前記興行は対戦型の興行であり、
前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一のタイミングと、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二のタイミングと、が含まれ、
前記第一のタイミングと前記第二のタイミングとは、前記第一の観客と前記第二の観客とが接近できるタイミングであることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項23】
前記観客が前記座席変更を行ったか否かを確認する座席変更確認手段と、
前記座席変更に関する警告タイミングを取得する警告タイミング取得手段と、
前記警告タイミングまでに、前記座席変更確認手段が前記観客の前記座席変更を確認できない場合、前記携帯端末に、前記座席変更を促す警告を行う座席変更警告手段と、を備えることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項24】
前記座席変更確認手段は、
前記座席変更を行う前記観客の位置と、前記座席変更の後の変更後座席の位置と、を取得し、
取得した前記観客の位置と、前記変更後座席の位置と、に基づいて、前記観客が前記座席変更を行ったか否かを確認することを特徴とする請求項23記載の座席移動誘導装置。
【請求項25】
前記座席変更を行う前記観客の位置を取得する観客位置取得手段と、
前記観客の侵入が禁止された進入禁止エリアを取得する進入禁止エリア取得手段と、
前記観客の位置と、前記進入禁止エリアとに基づいて、前記観客が前記進入禁止エリアに侵入したと判断した場合は、前記携帯端末に、前記観客に退出を促す警告を行う退出警告手段と、を備えることを特徴とする請求項11記載の座席移動誘導装置。
【請求項26】
興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導方法であって、
前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得ステップと、
前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得ステップ、
前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信ステップと、を備えることを特徴とする座席移動誘導方法。
【請求項27】
興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導処理を行うコンピュータを、
前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得手段と、
前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段、
前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信手段、として機能させることを特徴とする座席移動誘導プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムに係り、座席変更を伴う興行の電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イベントの企画、製作、及び運営を行い、チケットを販売する興行主によって、様々なイベントが提供されてきた。具体的には、サッカー、バスケットボール等のスポーツ競技や、コンサートや演奏会といった音楽イベントが、大きな人気を博している。
【0003】
チケットの購入者は、観客としてイベントに参加し、特定の選手や贔屓のチームを応援し、アーティストに声援を送る。選手やアーティストは、観客と一体となってイベントを盛り上げ、観客に感動を与える。換言すると、イベントの成功には、観客と、選手やアーティストの間に生まれる一体感が重要な要素となる。そのため、イベントにおける一体感を向上させるために、様々な取り組みがなされてきた。例えば、コンサートイベントにおいて、アーティストが観客の近くに移動することによってアーティストと観客の間の距離を縮め、観客のすぐ近くでパフォーマンスをすることにより、一体感の向上を図ることが行われている。
【0004】
一方、近年、インターネット等の電気通信回線を介して販売される電子チケットの普及が進んでいる。紙媒体によるチケットに代えて、電子チケットを利用によって、ユーザは、チケットの販売店まで足を運ぶことなくチケットを入手することができるとともに、興行主は、チケットの販売に係る費用を抑制することが可能となる。
特許文献1には、電子チケットの販売の際に、ユーザの嗜好情報に基づく推奨情報(リコメンド)を提供することにより、ユーザの満足度の向上を図るイベント管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-16980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子チケットの普及に伴い、観客の利便性が向上し、また、イベントの開催に伴うコストを抑制することができる。また、特許文献1に記載された技術によって、ユーザの満足度の向上を図ることができる。しかしながら、イベントを成功させるためには、観客と選手やアーティストが一体となってイベントを盛り上げることが重要であり、このような一体感を高めつつ、イベントを円滑に運営することが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、興行中に座席変更を行うことができ、これにより観客と選手やアーティストの一体感の向上を図ることが可能な電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、及び電子チケット販売プログラムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、興業中に座席変更を行う観客に対して適切な誘導を行うことにより、観客の円滑な座席変更を可能とする座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、本発明に係る電子チケット販売装置によれば、興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケット販売装置において、ユーザが利用するユーザ端末から、前記電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付手段と、前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得手段と、取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信手段と、を備えることにより解決される。
【0009】
また、上記課題は、本発明に係る電子チケット販売方法によれば、興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケットの販売方法であって、ユーザが利用するユーザ端末から、前記電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付ステップと、前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得ステップと、取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信ステップと、を有することにより解決される。
【0010】
また、上記課題は、本発明に係る電子チケット販売プログラムによれば、興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで座席変更を行うことが可能な電子チケットの販売処理を行うコンピュータを、ユーザが利用するユーザ端末から、前記電子チケットの購入申込を受け付ける購入申込受付手段、前記座席変更をする前の変更前座席と、前記座席変更した後の変更後座席と、を関連付けた前記電子チケットを取得する電子チケット取得手段、取得した前記電子チケットを前記ユーザ端末に送信する電子チケット送信手段、として機能させることにより解決される。
【0011】
上記構成によれば、興業に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミング(例えば、スポーツイベントのコードチェンジのタイミング)で、観客席の座席が変更される電子チケットを販売することができる。そのため、観客は、常にプレイヤーの主たるプレイエリアの近くで興行を観覧することができ、これにより、観客と選手やアーティストの一体感の向上を図ることが可能となる。
【0012】
また、前記タイミングを前記ユーザ端末に送信するタイミング送信手段を備えるとよい。
上記構成によれば、プレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミング(座席変更のタイミング)が送信されるため、ユーザは、座席変更のタイミングを正しく把握することができ、座席変更に伴う無用なトラブルを回避することが可能となる。
【0013】
また、前記座席変更を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段と、取得した前記誘導情報を前記ユーザ端末に送信する誘導情報送信手段と、を備えるとよい。
上記構成によれば、ユーザ端末に座席変更を誘導するための誘導情報が送信されるため、ユーザは、座席の移動方法を正しく把握することができ、座席変更に伴う無用なトラブルを回避することが可能となる。
すなわち、本発明は、観客が各々の好きなタイミング(別々のタイミング)で個別に座席移動をするのではなく、大勢の観客がコードチェンジ等のタイミング(同じ時間帯)に一斉に座席移動を行うので、移動時には大きな混乱が予想される。そこで、移動開始のタイミングとともに誘導情報等を送信することにより、混乱を回避することが可能となる。
【0014】
また、前記変更前座席のチケットの販売価格と、前記変更後座席のチケットの販売価格と、に基づいて、前記電子チケットの販売価格を決定する販売価格決定手段を備えるとよい。
上記構成によれば、変更前座席のチケットの販売価格と、変更後座席のチケットの販売価格に基づいてチケットの販売価格を決定するため、チケットの販売価格の透明性と公平性を確保することが可能となる。
【0015】
また、前記販売価格決定手段は、前記変更前座席のチケットの販売価格と、前記変更後のチケットの販売価格と、予め決められた増額価格と、に基づいて前記電子チケットの販売価格を決定するとよい。
上記構成によれば、興業中の座席変更に伴う管理費等の費用を、増額価格としてユーザから徴収することが可能となる。
【0016】
また、前記変更前座席と前記変更後座席との組み合わせは、前記ユーザが決定したものであるとよい。
上記構成によれば、ユーザは、自ら希望する変更前座席と変更後座席を選択して決定することができるため、ユーザの満足度の向上を図ることが可能となる。
【0017】
また、前記変更前座席と前記変更後座席との組み合わせは、前記ユーザ以外の者が決定したものであるとよい。
上記構成によれば、興業主は、興業の性質や興行の円滑な運営を図るために最適な座席を決定することが可能となる。
【0018】
また、前記変更後座席は、集合した座席群の中であれば観客が自由に選択して着座することができる座席であるとよい。
上記構成によれば、興業主は、変更後の座席位置の決定に係る負担を抑制することが可能となる。また、観客は、変更後座席の位置を自由に選択して決定することができるため、ユーザの満足度の向上を図ることが可能となる。
また、観客は、変更後座席を座席ブロックの中から自由に選択して決定することができるため、迷うことなく短時間のうちに移動を完了させることができる。また、興行主にとっても座席案内が容易になる等、運営上の利点がある。
【0019】
上記課題は、本発明に係る座席移動誘導装置によれば、興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導装置において、前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得手段と、前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段と、前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信手段と、を備えることにより解決される。
【0020】
また、上記課題は、本発明に係る座席移動誘導方法によれば、興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導方法であって、前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得ステップと、前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得ステップと、前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得ステップ、前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信ステップと、を備えることにより解決される。
【0021】
また、上記課題は、本発明に係る座席移動誘導プログラムによれば、興行開催中に座席変更を行う観客に対して誘導を行う座席移動誘導処理を行うコンピュータを、前記観客が携帯する携帯端末の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記座席変更のタイミングを取得するタイミング取得手段と、前記観客を誘導するための誘導情報を取得する誘導情報取得手段、前記識別情報により特定される携帯端末に、前記タイミングで、前記誘導情報を送信する誘導情報送信手段、として機能させることにより解決される。
【0022】
上記構成によれば、興業中に座席変更を行う観客に対して適切な誘導を行うことにより、観客の円滑な座席変更が可能となる。
【0023】
また、前記タイミングは、前記興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングであるとよい。
上記構成によれば、プレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで観客の座席も変更されるため、興業中において、観客は、常に贔屓のプレイヤーの主たるプレイエリアの近くで観覧することができ、観客と選手やアーティストの一体感の向上を図ることができ、観客の満足度の向上を図ることが可能となる。
【0024】
また、前記誘導情報は、複数の前記観客を同じ時間帯に誘導するためのものであるとよい。
上記構成によれば、複数の座席の入れ替えを同時期に行うことにより、短時間で座席変更を完了させることが可能となる。
【0025】
また、前記誘導情報には、移動開始を促す情報が含まれるとよい。
上記構成によれば、観客に移動開始を促すことにより、観客は、移動開始のタイミングを正しく把握することができるとともに、観客の不注意等による座席移動のトラブルを回避することが可能となる。
【0026】
また、前記誘導情報には、誘導経路が含まれるとよい。
上記構成によれば、観客に誘導経路を送信することにより、観客は、移動経路を正しく把握することができるとともに、座席移動に伴う無用なトラブルを回避することが可能となる。
【0027】
また、前記誘導情報には、前記座席変更に伴う移動を楽しむための演出情報が含まれるとよい。
上記構成によれば、移動中の観客に興趣を提供することにより、観客は、楽しみながら座席移動することができ、観客の満足度の向上を図ることが可能となる。
【0028】
また、前記誘導情報には、前記プレイエリアを通過する特別経路が含まれるとよい。
上記構成によれば、観客は、普段は立ち入りが禁止されるプレイエリアを通過して移動することができるため、観客の満足度の向上を図ることが可能となる。
【0029】
また、前記特別経路を選択する旨の情報を取得する特別経路選択情報取得手段と、前記特別経路を選択した前記観客の決済情報を取得する決済情報取得手段と、前記決済情報に基づいて前記特別経路の追加料金を徴収する追加料金徴収手段と、を備えるとよい。
上記構成によれば、興業主は、観客の特別経路の通過に伴う追加料金の徴収が可能となるため、興行収入の増加を図ることが可能となる。
【0030】
また、前記興行は対戦型の興行であり、前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一の経路と、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二の経路と、が含まれ、前記第一の経路と前記第二の経路は、前記第一の観客と前記第二の観客との接近を回避する経路であるとよい。
上記構成によれば、第一の観客と第二の観客は、互いに接近しない経路に沿って移動するため、座席変更に伴う無用なトラブルや混雑を回避することが可能となる。これは、特に敵対して争いの絶えないチーム同士の対戦の際には有益である。
【0031】
また、前記興行は対戦型の興行であり、前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一のタイミングと、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二のタイミングと、が含まれ、前記第一のタイミングと前記第二のタイミングとは、前記第一の観客と前記第二の観客との接近を回避するタイミングであるとよい。
上記構成によれば、第一の観客と第二の観客は、互いに接近しないタイミングで移動するため、座席変更に伴う無用なトラブルや混雑を回避することが可能となる。
【0032】
また、前記興行は対戦型の興行であり、前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一の経路と、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二の経路と、が含まれ、前記第一の経路と前記第二の経路とは、前記第一の観客と前記第二の観客とが接近する経路であるとよい。
上記構成によれば、第一の観客と第二の観客は、互いに接近する経路に沿って移動するため、接近した際に互いの健闘を称え、観客同士の交流を深めることが可能となる。
【0033】
また、前記興行は対戦型の興行であり、前記誘導情報には、対戦する一方を応援する第一の観客を誘導する第一のタイミングと、対戦する他方を応援する第二の観客を誘導する第二のタイミングと、が含まれ、前記第一のタイミングと前記第二のタイミングとは、前記第一の観客と前記第二の観客とが接近できるタイミングであるとよい。
上記構成によれば、第一の観客と第二の観客は、互いに接近するタイミングで移動するため、接近した際に互いの健闘を称え、観客同士の交流を深めることが可能となる。
【0034】
また、前記観客が前記座席変更を行ったか否かを確認する座席変更確認手段と、前記座席変更に関する警告タイミングを取得する警告タイミング取得手段と、前記警告タイミングまでに、前記座席変更確認手段が前記観客の前記座席変更を確認できない場合、前記携帯端末に、前記座席変更を促す警告を行う座席変更警告手段と、を備えるとよい。
上記構成によれば、座席変更を確認できない場合、観客に対して座席変更を促す警告を出力するため、観客を確実に移動させることが可能となる。
【0035】
また、前記座席変更確認手段は、前記座席変更を行う前記観客の位置と、前記座席変更の後の変更後座席の位置と、を取得し、取得した前記観客の位置と、前記変更後座席の位置と、に基づいて、前記観客が前記座席変更を行ったか否かを確認するとよい。
上記構成によれば、観客の位置情報に基づいて観客の座席変更を確認するため、座席誘導装置の導入に伴うコストの増加を抑制することが可能となる。
【0036】
また、前記座席変更を行う前記観客の位置を取得する観客位置取得手段と、前記観客の侵入が禁止された進入禁止エリアを取得する進入禁止エリア取得手段と、前記観客の位置と、前記進入禁止エリアとに基づいて、前記観客が前記進入禁止エリアに侵入したと判断した場合は、前記携帯端末に、前記観客に退出を促す警告を行う退出警告手段と、を備えるとよい。
上記構成によれば、進入禁止エリアに侵入した観客に退出を促す警告が出力されるため、観客が不注意で進入禁止エリアに侵入することを抑制し、無用なトラブルを回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムによれば、興行中に観客の座席が変更される電子チケットを販売することができる。そのため、観客は、常にプレイヤーの主たるプレイエリアの近くで興行を観覧することができ、これにより観客と選手やアーティストの一体感の向上を図ることが可能となる。
また、本発明に係る電子チケット販売装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムによれば、興業中に座席変更を行う観客に対して適切な誘導を行うことにより、観客の円滑な座席変更が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】座席変更型チケット管理システムの全体構成を示す図である。
図2】座席変更型チケットを説明するための図である。
図3】座席変更型チケット管理サーバの構成を示す図である。
図4】サッカー公式戦情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
図5】観客席情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
図6】電子チケット情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
図7】移動タイミング設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8】移動経路設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図9】変形例に係る移動経路設定テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図10】電子チケット販売処理の流れを示す図である。
図11】電子チケット購入申込画面の一例であって、前半の座席選択を説明するための図である。
図12】電子チケット購入申込画面の一例であって、後半の座席選択を説明するための図である。
図13】販売通知画面の一例を示す図である。
図14】移動経路通知画面の一例を示す図である。
図15】座席移動誘導処理の流れの一例を示す図である。
図16】移動中監視処理の流れの一例を示す図である。
図17】待機指示画面の一例を示す図である。
図18】移動開始指示画面の一例を示す図である。
図19】移動経路通知画面の一例を示す図である。
図20】移動完了確認画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図1から図20を参照しながら、本発明の一実施形態(以下、本実施形態と称する。)に係る電子チケット管理システム1について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【0040】
本発明の電子チケット管理システム1は、興行に参加するプレイヤーの主たるプレイエリアが変更されるタイミングで、観客の座席変更を行うことが可能な座席変更型電子チケットの販売を行うために用いられる。また、本発明の電子チケット管理システム1は、興業中における観客の座席変更を円滑に行うために、座席変更型電子チケットを購入した観客の座席移動を誘導するために用いられる。
【0041】
以下の説明において、「興行」とは、複数の観覧者によって現実に観覧される催し物である。ここで、現実に観覧される催し物とは、主に現実世界における催し物である。興業には、現実に観覧されるサッカー、テニス、相撲等の対戦型スポーツ競技、陸上競技、水泳等の非対戦型のスポーツ競技、コンサート、演奏、演劇、サーカス、講演等の上演物が含まれる。
【0042】
また、以下の説明において、「プレイヤー」とは、主に興行の観覧者によって観覧される現実の被観覧者である。「プレイヤー」には、スポーツ競技におけるスポーツ選手又は競技者、上演物における実演家であって、演奏者、役者、講演者等が含まれる。
【0043】
また、以下の説明において、「主たるプレイエリア」とは、興行におけるプレイヤーの役割、又は興行の展開に応じた主な競技エリアや上演エリアであり、「主たるプレイエリア」は、スポーツ競技におけるスポーツ選手又は競技者の陣地(ホームエリアやホームコート)、守備ポジション又は攻撃ポジション、上演物のシナリオに応じた上演者の上演位置が含まれる。
【0044】
<<電子チケット管理システム1の概要>>
図1は、電子チケット管理システム1のシステム構成を示している。電子チケット管理システム1は、電子チケット管理サーバ10と、ユーザ端末30と、主催者端末60と、を主な構成として有している。電子チケット管理サーバ10、ユーザ端末30、及び主催者端末60は、インターネット等の公衆に利用可能な通信回線NWによって相互通信可能に接続されている。また、通信回線NWには、プッシュ通知サーバPSが接続されている。プッシュ通知サーバPSについては後述する。
最初に、電子チケット管理サーバ10によって管理される座席変更型電子チケットについて、図2を参照して説明する。
【0045】
図2は、サッカー競技場STにおける観客席の配置と、観客に販売される電子チケットを説明するための模式図である。図2に示すように、サッカー競技場STは、サッカー選手(プレイヤーに相当する。)がプレイするピッチP(プレイエリアに相当する。)が中央に位置し、その周囲にメインスタンドST1と、バックスタンドST2と、ゴール裏スタンドST3と、が配置されている。メインスタンドST1、バックスタンドST2、及びゴール裏スタンドST3は、複数の座席ブロックBと称される座席集合から構成されている。
メインスタンドST1は、ピッチP上の競技を横から観戦することができるとともに、正面側(ベンチ側)に配置された観客席である。一方、バックスタンドST2も、ピッチP上の競技を横から観戦することができ、ピッチPを挟んでメインスタンドST1と対向する位置に配置された観客席である。
【0046】
ゴール裏スタンドST3は、ゴール裏から競技を観戦することができる観客席である。ゴール裏スタンドST3には、応援団の応援エリアが形成され、熱狂的な観客が集まる。そのため、ゴール裏スタンドST3で観戦することにより、選手との一体感を強く感じることができる。特に、攻撃する選手による得点シーンを、最も近い位置で観戦することができる攻撃側のゴール裏スタンドST3の最前列は、観客と選手の間に、最も強い一体感が生まれる観客席ある。
【0047】
ここで、サッカー競技では、前半と後半の間にエンドと呼ばれる陣地(主たるプレイエリアに相当する。)の入れ替えが行われる。そのため、「攻撃側のゴール裏スタンド」は、前半と後半で、ピッチPを挟んで反対側に入れ替わる。すなわち、前半において選手と最も高い一体感を感じることのできる観戦席で観戦を楽しんだ観客にとって、後半は、その一体感が低下してしまう虞があった。
【0048】
そこで、電子チケット管理サーバ10は、エンドの入れ替えに伴い、観客が座席の変更を行うことを可能とし、試合を通して攻撃側のゴール裏スタンドST3で観戦することが可能な座席変更型チケットの販売及び管理を行う。これにより、選手と観客の間の一体感を高め、観客の満足度を高めることが可能となる。
また、電子チケット管理サーバ10は、前半と後半の間(主たるプレイエリアが変更されるタイミング)に、座席変更を行う観客に対して、座席移動の誘導情報を提供する。これにより、多数の観客が一斉に座席移動することによる混乱やトラブルを回避することができ、安全かつ円滑に、サッカー競技を運営することが可能となる。
【0049】
図1に戻って、電子チケット管理サーバ10は、座席変更型チケットの販売及び観客の座席移動を誘導するサーバ装置である。電子チケット管理サーバ10は、チケット販売の委託を受けたチケット販売業者、又はサッカー競技の主催者(興行主)によって管理・運用される情報処理装置である。より詳細には、電子チケット管理サーバ10は、後述するユーザ端末30から座席変更型電子チケットの購入申込を受け付けて、ユーザ端末30に対して電子チケットの販売を行う。また、電子チケット管理サーバ10は、観客に対して、座席移動の開始タイミングを通知し、混雑を回避可能な移動経路の案内情報をユーザ端末30に送信する。
電子チケット管理サーバ10は、単一のサーバ装置によって構成されていてもよいし、複数のサーバ装置によって構成されていてもよい。電子チケット管理サーバ10の詳細については、後述する。
【0050】
ユーザ端末30は、サッカー競技の観戦を希望するユーザが利用する携帯端末であって、具体的には、スマートフォンである。ただし、ユーザ端末30は、スマートフォンに限定されない。ユーザ端末30は、タブレット型端末であってもよい。また、一のユーザが複数の情報通信端末を利用する場合、ユーザ端末30は、いずれか一の情報通信端末に限定されない。
ユーザ端末30は、電子チケット管理サーバ10から送信される座席変更型電子チケットを受信する。座席変更型電子チケットは、サッカー競技場STに入場する際に、観客によって提示される。また、ユーザ端末30は、電子チケット管理サーバ10から、プッシュ通知サーバPSを介して座席移動の誘導情報を受信する。これにより、観客は、座席移動のタイミング及び移動経路を把握し、円滑に座席移動することができる。
【0051】
主催者端末60は、催し物であるサッカー競技を主催する主催者によって管理、運用される情報通信端末であって、具体的には、デスクトップPCである。ただし、主催者端末60は、ノート型PCであってもよいし、タブレット型端末であってもよい。
主催者端末60は、座席移動が開始されるタイミング、及び移動経路に関する設定情報の入力を受け付けて、電子チケット管理サーバ10に送信する。これにより、主催者が主催するサッカー競技について、安全かつ円滑なサッカー競技の運営を行うことが可能となる。
【0052】
プッシュ通知サーバPSは、ユーザ端末30に座席移動の誘導情報を送信するサービスを提供する外部サーバである。プッシュ通知サーバPSが提供するサービスは、プッシュ通知サービスと呼ばれ、具体例を挙げると、APNs(Apple Push Notification service)である。他の例を挙げると、プッシュ通知サービスは、FCM(Firebase Cloud Messaging)である。
プッシュ通知サーバPSは、電子チケット管理サーバ10から誘導情報の送信指示を受信すると、ユーザ端末30に対して誘導情報を送信する。誘導情報には、座席移動開始タイミングを通知するタイミング通知と、移動経路を通知する移動経路(誘導経路)通知と、が含まれる。また、誘導情報には、観客が座席の移動を楽しむための演出情報が含まれていてもよい。
【0053】
以上のように、電子チケット管理システム1は、サッカー競技の前半と後半の間に行われるエンドの入れ替えに伴って、観客の座席変更が可能な座席変更型電子チケットの販売を行う。これにより、観客と贔屓の選手との間の距離を縮め、観客と選手の一体感の向上を図ることができる。
また、座席変更を行う観客に対して誘導情報を提供することにより、観客の円滑な座席移動が可能となる。
【0054】
<<電子チケット管理サーバ10の機能構成>>
次に、電子チケット管理サーバ10について説明する。
図3は、電子チケット管理サーバ10の機能構成を示している。図3に示すように、電子チケット管理サーバ10は、主な機能構成として、電子チケット管理サーバ10全体の制御を司る制御部11と、記憶部21と、主な構成として有している。
【0055】
記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等からなる不揮発性の補助記憶装置である。
記憶部21は、サッカー公式戦情報DB22と、観客席情報DB23と、電子チケット情報DB24と、移動タイミング設定テーブル25と、移動経路設定テーブル26と、を有している。
【0056】
図4は、サッカー公式戦情報DB22のデータ構造の一例を示している。サッカー公式戦情報DB22には、サッカーの公式戦スケジュールが格納されており、後述するように、サッカー観戦を希望する観戦希望者に対して提供される。
サッカー公式戦情報DB22は、「公式戦ID」、「開催日」、「開始時刻」、「ホームチーム」、「ビジターチーム」、「競技場」の項目を有するレコードが格納されている。
【0057】
「公式戦ID」は、サッカーの公式戦を識別可能な識別情報であって、英数字からなる文字列である。
「開催日」及び「開始時刻」は、公式戦が開催される年月日及び開始時刻を特定可能な日時である。
【0058】
「ホームチーム」及び「ビジターチーム」は、公式戦におけるホームチーム及びビジターチームを特定可能な情報であって、チームの名称又は識別情報である。
「競技場」は、公式戦が開催される競技場を特定可能な情報であって、競技場の名称又は識別情報である。
【0059】
図5は、観客席情報DB23のデータ構造の一例を示している。観客席情報DBは、競技場毎に、観客席の情報を格納している。後述するように、サッカーの観戦希望者が電子チケットの購入を申し込む際に、観戦希望者に対して提供される。
観客席情報DB23は、「座席ID」、「座席位置」、「ブロック」、「座席価格」、前半、後半毎の「購入ステータス」の項目を有するレコードが格納されている。
【0060】
「座席ID」は、個々の座席を識別可能な情報であって英数字の文字列からなる識別情報である。
「座席位置」は、座席位置を識別可能な位置情報である。「座席位置」は、座席の緯度及び経度に関する情報を含んでいてもよい。
「ブロック」は、座席ブロックBを特定可能な情報である。上述したように、サッカー競技場STの観客席は、メインスタンドST1、バックスタンドST2、ゴール裏スタンドST3に大別することができる。そして、各スタンドは、座席価格や、指定席と自由席の別を設定するために細分化された座席ブロックBに区画されている。座席ブロックBとは、スタンドを細分化した区画であって、複数の座席の集合によって構成されている。
【0061】
「座席価格」は、観戦希望者に対する座席の金銭的価値を特定可能な金額情報である。図5において、「座席価格」は、前半及び後半を通して観戦する場合の電子チケットの販売価格を示しているが、前半及び後半毎に別々の座席価格が格納されていてもよい。
「購入ステータス」は、座席に関連付けられた電子チケットが未購入及び購入済みのいずれかを示すステータス情報である。
【0062】
図6は、電子チケット情報DB24のデータ構造の一例を示している。電子チケット情報DBは、観戦希望者によって購入された電子チケットに関する電子チケット情報を格納している。
電子チケット情報DBは、「チケットID」、「種別」、前半、後半毎の「座席ID」、「販売価格」、「移動経路」、「端末識別情報」の項目を有するレコードが格納されている。電子チケット情報DB24の個々のレコードは、後述する購入申込受付部12によって電子チケットの購入申込が受け付けられた際に生成される。
【0063】
「チケットID」は、購入された電子チケットを識別可能な情報であって、英数字の文字列からなる識別情報である。
「種別」は、購入された電子チケットの種類を判別可能な情報であり、「座席固定型」と「座席変更型」のいずれかが格納される。座席固定型のチケットとは、競技の前半と後半の間に座席移動することなく、前半と後半を同一の座席で観戦することを希望する観客によって購入された電子チケットである。一方、座席変更型のチケットとは、競技の前半と後半の間に座席変更を行い、前半と後半を異なる座席で観戦することを希望する観客によって購入された電子チケットである。上述したように、観客は、座席変更型電子チケットを購入することによって、選手との一体感を高め、サッカー観戦における満足度を高めることが可能となる。
【0064】
前半、及び後半毎の「座席ID」は、観戦希望者によって購入された電子チケットに対応付けられた座席を識別可能な情報であって、図5を参照して説明した観客席情報DBの「座席ID」が格納されている。座席変更型電子チケットの場合、前半の座席(変更前座席)の座席IDと、後半の座席(変更後座席)の座席IDを対応付けて格納される。
「販売価格」は、観戦希望者によって購入された電子チケットの販売価格を特定可能な金額情報である。販売価格は、図5を参照して説明した座席価格に基づいて、後述する販売価格決定部13によって算出される。
【0065】
「移動経路」は、座席変更型電子チケットを購入したユーザが、座席移動の際に通過する経路の種類を特定可能な情報であって、「スタンド」、「ピッチ」、「-」のいずれかが格納される。移動経路が「スタンド」である場合、その電子チケットを購入した観客は、前半と後半の間に、メインスタンド裏通路、バックスタンド裏通路、又はスタンド内通路を通過して後半の座席に移動することを示している。
一方、移動経路が「ピッチ」である場合、その電子チケットを購入した観客は、前半と後半の間に、スタンドからピッチPに降りて、ピッチPを通過して後半の座席に移動することを示している。観客は、ピッチPを通過して座席移動することにより、選手と同じ空間や視野を共有することができ、選手との一体感を高めることが可能となる。ピッチPを通過する移動経路は、特別経路に相当する。
また、移動経路が「-」である場合、その電子チケットを購入した観客は、座席移動を行わないことを示している。
【0066】
「端末識別情報」は、その電子チケットを購入した観客が携帯するユーザ端末30を識別可能な端末識別情報である。端末識別情報は、プッシュ通知サーバPSによって発行されるユーザ端末30のトークンが格納される。
【0067】
図7は、移動タイミング設定テーブル25のデータ構造の一例を示している。移動タイミング設定テーブル25は、座席変更型電子チケットを購入した観客が、移動を開始する移動開始時刻と、移動開始を警告する移動警告時刻を格納している。
移動開始時刻は、電子チケット管理サーバ10が、ユーザ端末30に対して誘導情報を送信するタイミングである。具体的には、サッカー選手(プレイヤー)のエンド(主たるプレイエリア)が変更されるハーフタイム中であって、前半終了から所定時間(例えば3分)経過後のタイミングである。本実施形態において、全ての観客が同じ時間帯、すなわちハーフタイム中に座席移動するように誘導情報を送信する。これにより、ハーフタイムの限られた時間(15分)内に、観客が迅速かつ円滑に座席移動することを可能とする。ただし、これに限定されることなく、スタンド毎、又はブロック毎に異なる移動開始時刻が設定されていてもよい。
【0068】
移動警告時刻は、誘導情報の送信後、所定時間(例えば10分)を経過しても、後半の座席に座席変更していない観客、又は座席変更が確認できない観客のユーザ端末30に対して座席変更を促す警告情報を送信するタイミングである。具体的には、警告情報は、後半開始から所定時間(例えば2分)前のタイミングに送信される。
移動タイミング設定テーブル25は、電子チケットの販売が開始される前に、主催者端末60を介して更新される。また、移動タイミング設定テーブル25は、競技の進行状況に応じて、競技中に更新されてもよい。
【0069】
図8は、移動経路設定テーブル26のデータ構造の一例を示している。移動経路設定テーブル26は、座席変更型電子チケットを購入した観客に対して、座席移動の誘導情報として提供される移動経路を格納している。
図8は、前半において東側ゴール裏スタンド(ホームチームスタンド)で観戦していた観客(第一の観客に相当する。)は、メインスタンド裏通路(第一の経路に相当する。)を通過して西側ゴール裏スタンドに移動するように誘導することを示している。また、前半において西側ゴール裏スタンド(ビジターチームスタンド)で観戦していた観客(第二の観客に相当する。)は、バックスタンド裏通路(第二の経路に相当する。)を通過して東側ゴール裏スタンドに移動するように誘導することを示している。このように、ホームチームスタンドで観戦していた観客と、ビジタースタンドで観戦していた観客との接近を回避する経路を誘導することによって、座席移動中の混雑を抑制するとともに、対戦相手を応援する観客との無用なトラブルを回避することが可能となる。
【0070】
また、図9は、変形例に係る移動経路設定テーブル26Aを示している。図9に示すように、変形例に係る移動経路設定テーブル26Aは、誘導経路とともに、進入禁止区画を格納している。進入禁止区画は、例えば、対戦相手を応援する観客の観客席、又は、対戦相手を応援する観客の移動経路である。そして、座席移動中の観客が進入禁止区画に進入した際に、観客が所持するユーザ端末30に退出警告信号を送信する。これにより、座席移動中の混雑を抑制するとともに、対戦相手を応援する観客との無用なトラブルを的確に回避することが可能となる。
なお、図9において、進入禁止区画として「バックスタンド裏通路」や「メインスタンド裏通路」のように、移動経路を特定可能な情報が示されているが、これに限定されない。移動経路設定テーブル26Aには、進入禁止区画の外郭を構成する緯度及び経度の情報が格納されていてもよい。
【0071】
図8及び図9において、移動経路設定テーブル26及び移動経路設定テーブル26Aは、東側、及び西側のゴール裏スタンドST3毎に誘導経路が設定されているが、これに限定されない。東側、西側ゴール裏スタンドに位置する座席ブロックB毎に誘導経路が設定されていてもよい。
また、座席移動中に、対戦相手を応援する観客と接近する経路が設定されていてもよい。これにより、座席移動を通して互いのチームの健闘を称え、観客間の交流を深めることが可能となる。
【0072】
移動経路設定テーブル26及び移動経路設定テーブル26Aは、は、電子チケットの販売が開始される前に、主催者端末60を介して更新される。また、移動タイミング設定テーブル25は、競技中に変更されてもよい。
【0073】
図3に戻って、制御部11は、一以上の制御回路が組み込まれており、プログラムを実行するプロセッサ(コンピュータに相当する。)と、揮発性記憶媒体と、不揮発性記憶媒体と、から構成されている。そして、プロセッサが、不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムを揮発性記憶媒体にロードして実行することにより、購入申込受付部12、販売価格決定部13、電子チケット取得部14、電子チケット送信部15、購入情報取得部16、誘導情報取得部17、誘導情報送信部18、として機能する。
【0074】
購入申込受付部12は、サッカー観戦を希望する観戦希望者から、電子チケットの購入申込を受け付ける。より詳細には、購入申込受付部12は、観戦希望者が使用するユーザ端末30から、観戦を希望するサッカー公式戦が入力されると、ユーザ端末30に、電子チケットの購入申込受付画面31を出力する。また、購入申込受付部12は、購入申込受付画面31を介して、購入申込を取得する。購入申込受付画面31については、図11及び図12を参照して後述する。
なお、購入申込とは、例えば、チケット購入意思を示す情報、会員ID、公式戦ID、前半座席ID、後半座席ID、決済情報(電子チケットの決済に用いられるクレジットカード、デビットカード、電子マネー等に関する情報)を含む。
また、購入申込受付部12は、購入申込受付画面31を介して、移動経路の選択を受け付ける。より詳細には、購入申込受付部12は、観戦希望者が、座席変更の際にピッチPを通過する移動経路を希望する場合、その入力を受け付ける。購入申込受付部12は、購入申込受付手段、決済情報取得手段、及び特別経路選択情報取得手段に相当する。
【0075】
また、購入申込受付部12は、購入申込を受け付けるとともに、ユーザ端末30を識別可能な端末識別情報を取得する。端末識別情報は、サッカー観戦の当日に、観客に対して座席移動の誘導情報を送信する際に、観客のユーザ端末30を特定するために用いられる。購入申込受付部12は、識別情報取得手段に相当する。
【0076】
販売価格決定部13は、電子チケットの販売価格を決定する。より詳細には、座席変更型電子チケットが購入された場合、販売価格決定部13は、前半の座席価格と、後半の座席価格の平均価格を算出し、平均価格に基づいて販売価格を決定する。一例として、販売価格決定部13は、変更前座席の座席価格と変更後座席の座席価格の平均価格に対して、予め決められた増額価格を加算した額を電子チケットの販売価格とすることができる。また、座席固定型電子チケットが購入された場合、販売価格決定部13は、選択された座席の座席価格をそのまま販売価格として決定することができる。販売価格決定部13は、販売価格決定手段に相当する。
また、移動経路としてピッチPを通過する移動経路が選択された場合、ピッチPの通過に伴う追加料金を設定し、電子チケットの販売価格に加算することによって追加料金の徴収を行う。販売価格決定部13は、追加料金徴収手段に相当する。
【0077】
電子チケット取得部14は、電子チケット情報を生成して上述した電子チケット情報DB24に登録する。より詳細には、電子チケット取得部14は、購入申込受付部12によって受け付けられた電子チケットの購入申込を取得し、電子チケットIDと、前半の座席IDと、後半の座席IDと、を対応付けた電子チケット情報を生成する。生成された電子チケット情報は、電子チケット情報DBに登録される。また、電子チケット取得部14は、電子チケットの生成を外部のチケット生成サーバに依頼し、生成された電子チケットを受信することによって電子チケットを取得してもよい。電子チケット取得部14は、電子チケット取得手段に相当する。
【0078】
電子チケット送信部15は、電子チケット取得部14が取得した電子チケットを、観戦希望者が使用する端末に送信する。より詳細には、電子チケット送信部15は、電子チケットを識別可能なチケットIDに基づいてQRコード(登録商標)を生成し、生成されたQRコードを観戦希望者が使用する端末に送信する。また、電子チケット送信部15は、QRコードとともに、対戦日や対戦チーム、前半及び後半の座席を識別可能な情報を送信してもよい。電子チケット送信部15は、電子チケット送信手段に相当する。
【0079】
また、電子チケット送信部15は、観戦希望者が座席変更型電子チケットを購入した場合、座席移動に関する誘導情報を送信してもよい。具体的には、電子チケット送信部15は、座席移動を開始するタイミングと、座席移動の際の移動経路に関する情報を送信してもよい。これにより、座席変更型電子チケットを購入した観戦希望者は、座席移動の方法を事前に正しく把握することができ、当日の無用なトラブルを回避することが可能となる。電子チケット送信部15は、タイミング送信手段に相当する。
【0080】
購入情報取得部16は、座席変更型電子チケットの購入者が所持するユーザ端末30の識別情報を取得する。具体的には、購入情報取得部16は、電子チケット情報DBを参照することにより、座席変更型電子チケットの購入者が所持するユーザ端末30の識別情報を読み込む。
【0081】
誘導情報取得部17は、座席変更型電子チケットを購入した観客の誘導情報を取得する。詳細には、誘導情報取得部17は、移動タイミング設定テーブル25を参照して座席の移動開始時刻(座席変更のタイミングに相当する)を取得するとともに、移動経路設定テーブル26を参照して誘導経路を取得する。誘導情報取得部17は、移動タイミング取得手段及び誘導情報取得手段に相当する。
また、誘導情報取得部17は、移動タイミング設定テーブル25を参照して移動警告時刻(警告タイミングに相当する)を取得するとともに、移動経路設定テーブル26を参照して移動禁止エリアを取得する。誘導情報取得部17は、警告タイミング取得手段及び進入禁止エリア取得手段に相当する。
【0082】
誘導情報送信部18は、誘導情報取得部17が取得した誘導情報を、座席変更型電子チケットを購入した観客のユーザ端末30に送信する。より詳細には、誘導情報送信部18は、プッシュ通知サーバPSに対して誘導情報の送信を指示することにより、プッシュ通知サーバPSを介して誘導情報を送信する。誘導情報送信部18は、移動開始タイミングにおいて、座席移動を誘導する誘導情報を送信する。誘導情報送信部18は、誘導情報送信手段に相当する。
【0083】
また、誘導情報送信部18は、移動警告時刻が経過しても座席変更を行っていない観戦者のユーザ端末30に対して、座席変更を促す警告を出力する。詳細に説明すると、誘導情報送信部18は、観客が携帯するユーザ端末30が受信する衛星測位信号(GPS信号)に基づいて、ユーザ端末30の現在位置を取得する。そして、現在位置と観客の後半の座席位置を比較することにより、観客が座席変更を行ったか否かを確認する。観客が座席変更を行っていない場合、又は座席変更を確認できない場合、誘導情報送信部18は、ユーザ端末30に対して座席変更を促す警告を出力する。誘導情報送信部18は、観客位置取得手段、座席変更確認手段、及び座席変更警告手段に相当する。
【0084】
また、誘導情報送信部18は、座席移動中の観客が進入禁止エリアに進入したか否かを判定し、進入禁止エリアに進入した観客のユーザ端末30に対して、退出を促す警告を出力する。詳細に説明すると、誘導情報送信部18は、ユーザ端末30の現在位置を取得する。そして、現在位置と進入禁止エリアとに基づいて、観客が進入禁止エリアに進入したか否かを判定し、進入したと判定した場合には、ユーザ端末30に退出警告を出力する。誘導情報送信部18は、退出警告手段に相当する。
【0085】
<<電子チケット販売処理の流れ>>
次に、電子チケット管理サーバ10の制御部11によって実行される電子チケット販売処理の流れについて説明する。
図10は、電子チケット販売処理の流れを示している。電子チケット販売処理は、観戦希望者のユーザ端末30から電子チケット管理サーバ10に対してアクセスされた際に実行される。
【0086】
制御部11は、最初にサッカー公式戦情報を取得する(ステップS10)。具体的には、制御部11は、サッカー公式戦情報DB22にアクセスして公式戦の開催日時、対戦チーム、競技場に関する情報を取得する。サッカー公式戦情報は、観戦希望者のユーザ端末30に送信される。
【0087】
次に、制御部11は、観戦希望者が希望する公式戦が選択されたか否かを判定する(ステップS11)。詳細には、制御部11は、観戦希望の公式戦を特定可能な情報を、ユーザ端末30から取得したか否かを判定する。公式戦が選択されていないと判定された場合(ステップS11:No)、公式戦が選択されるまで待機する。
【0088】
公式戦が選択されたと判定された場合(ステップS11:Yes)、制御部11は、公式戦が開催される競技場の観客席情報を取得する(ステップS12)。具体的には、制御部11は、観客席情報DB23にアクセスして、観客席情報を取得する。
次に、制御部11は、観客席情報に基づいて購入申込受付画面31を生成し、ユーザ端末30に送信する(ステップS13)。
【0089】
図11及び図12は、ユーザ端末30に表示される購入申込受付画面31の一例を示している。図11は、前半の座席を指定する際に表示される購入申込受付画面31Aを、図12は、後半の座席を指定する際に表示される購入申込受付画面31Bを示している。
図11に示すように購入申込受付画面31Aには、公式戦情報を表示する公式戦情報表示領域32と、希望する座席の選択を受け付ける座席選択領域33が形成されているとともに、後半の座席指定を行うための操作ボタン34が表示されている。
【0090】
公式戦情報表示領域32には、公式戦の開催日時、競技場、対戦チームに関する情報が表示される。観戦希望者は、公式戦情報表示領域32を視認することによって、観戦を希望する公式戦が表示されていることを確認することができる。
【0091】
座席選択領域33には、競技場のマップ画像とともに、座席の配置画像が表示される。座席の配置画像は、競技場全体を表示する全体表示、及び競技場の一部を拡大した拡大表示を同時に表示する。ただし、これに限定されることなく、全体表示と拡大表示が順番に表示されることとしてもよい。観戦希望者は、座席選択領域33に対して所定の操作を入力することによって、前半の希望座席を選択することができる。なお、座席選択領域33には、未購入の観客席と購入済みの観客席が識別可能に表示される。これにより、購入希望者は、未購入の観客席の中から希望する観客席を選択することが可能となる。
【0092】
また、購入申込受付画面31Aの操作ボタン34が押下されると、図12に示すように、後半の座席を選択可能な購入申込受付画面31Bが表示される。
【0093】
観戦希望者は、図12に示す購入申込受付画面31Bの前半座席表示33Aを視認することによって、前半の座席を確認することができる。また、観戦希望者は、座席選択領域33に対して所定の操作を入力することによって、後半の希望座席を選択することができる。
また、購入申込受付画面31Bの操作ボタン34を観戦希望者が押下すると、電子チケットの購入手続きを進めることができる。具体的には、購入希望者は、電子チケットの購入に必要な決済情報(クレジットカード情報等)を入力することによって電子チケットの購入申込を確定することができる。また、ユーザ端末30を識別可能な識別情報が取得される。
【0094】
観戦希望者は、購入申込受付画面31を操作して前半の希望座席及び後半の希望座席の組み合わせを決定することとして説明したが、これに限定されない。観戦希望者は、自由席からなる座席ブロックB(集合した座席群)を決定することとしてもよい。これにより、観客は、選択された座席ブロックB内であれば、競技場に到着してから自由に座席を選択して着席することが可能となる。
また、座席位置は、主催者又はチケット販売業者によって決定されてもよい。これにより、主催者又はチケット販売業者は、最適な座席を選択することが可能となる。
【0095】
また、座席変更型電子チケットの購入を希望する観戦希望者は、前半と後半の間の移動経路を選択することができる。具体的には、移動経路として、ピッチPを通過する移動経路(特別経路)と、スタンドを通過する移動経路(通常経路)を選択することができる。ここで特別経路とは、観戦中の観客が通行することができる通常経路と異なる移動経路であって、ピッチPやベンチ前を通過する移動経路のように、選手との距離を縮めることができる移動経路を意味する。観客は、特別経路を選択することにより、観戦時に立ち入ることができないピッチPを通過して座席移動をすることができ、これにより観客の満足度を向上させることが可能となる。
【0096】
図10に戻って、制御部11は、電子チケットの購入申込を受信したか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、制御部11は、ユーザ端末30から購入申込受付画面31を介して購入申込を受信したか否かを判定する。購入申込を受信していないと判定された場合(ステップS14:No)、制御部11は、購入申込を受信するまで待機する。
購入申込を受信したと判定された場合(ステップS14:Yes、購入申込受付ステップ、識別情報取得ステップ)、制御部11は、座席情報を更新する(ステップS15)。詳細には、制御部11は、観客席情報DB23にアクセスして、購入ステータスを未購入から購入済みに更新する。
【0097】
次に、制御部11は、電子チケットを生成する(ステップS16、電子チケット取得ステップ)。詳細には、制御部11は、チケットIDを発行するとともに、前半の座席IDと後半の座席IDを関連付けた電子チケット情報を生成し、電子チケット情報DB24に登録する。また、制御部11は、プッシュ通知サーバPSが発行するトークンを取得して電子チケット情報DB24に格納する。
【0098】
続いて、制御部11は、電子チケットを送信する(ステップS17、電子チケット送信ステップ)。詳細には、制御部11は、チケットIDに基づいてQRコードを生成し、生成されたQRコードと、前半及び後半の座席を特定可能な情報を、観戦希望者のユーザ端末30に送信する。
【0099】
図13は、電子チケット購入者のユーザ端末30に表示される販売通知画面35の一例を示している。販売通知画面35は、QRコード表示領域36と、座席位置表示領域37と、が形成されている。QRコード表示領域36には、観戦希望者が購入した電子チケットの電子チケットIDのQRコードが表示される。観戦希望者は、競技開催日の当日に、競技場においてQRコード表示領域36にQRコードを表示させることによって、競技場への入場が許可される。
座席位置表示領域37には、観戦希望者が購入した電子チケットの座席を特定可能な情報が表示される。観戦希望者は、座席位置表示領域37を視認することによって、購入した電子チケットの座席位置を確認することが可能となる。また、座席位置表示領域37には、座席を特定可能な情報とともに公式戦の開催日時や対戦チームに関する情報が表示されてもよい。
【0100】
図10に戻って、観戦希望者が座席変更型の電子チケットを購入した場合、制御部11は、当日の座席移動のタイミングをユーザ端末30に送信する(ステップS18)。詳細には、制御部11は、「前半終了後に座席を移動して下さい。」の内容からなるメッセージをユーザ端末30に送信する。
また、制御部11は、当日の移動経路をユーザ端末30に送信する(ステップS19)。詳細には、制御部11は、移動経路を競技場のマップに重畳した画像をユーザ端末30に送信する。
【0101】
図14は、電子チケット購入者のユーザ端末30に表示される移動経路通知画面38の一例を示している。電子チケット購入者は、移動経路通知画面38を視認することによって、当日の移動開始タイミング及び移動経路を、事前に確認することができる。
以上で電子チケット販売処理が終了する。
【0102】
<<座席移動誘導処理の流れ>>
次に、制御部11によって実行される座席移動誘導処理の流れについて説明する。
図15は、座席移動誘導処理の流れを示している。座席移動誘導処理は、観戦中のサッカー競技の前半終了とともに実行される。
電子チケットを購入した観客は、前半の座席に着席していることとして以下の説明を行う。
【0103】
制御部11は、最初に電子チケット情報を取得する(ステップS30)。詳細には、制御部11は、電子チケット情報DB24にアクセスして、座席変更型電子チケットを購入した観客のユーザ端末30のトークン(端末識別情報)と、座席IDを取得する。
【0104】
次に、制御部11は、移動タイミング設定情報を取得する(ステップS31、タイミング取得ステップ)。詳細には、制御部11は、移動タイミング設定テーブル25を参照することによって、観客の移動開始時刻及び移動警告時刻を取得する。
続いて、制御部11は、移動経路設定情報を取得する(ステップS32、誘導情報取得ステップ)。詳細には、制御部11は、観客席情報DB23を参照し、ステップS30で取得した座席IDに対応する座席ブロックBを特定し、さらに移動経路設定テーブル26を参照して座席ブロック毎に設定された移動経路を取得する。
【0105】
次に、制御部11は、ユーザ端末30に待機指示の誘導情報を送信する(ステップS33)。制御部11からユーザ端末30に対する誘導情報の送信は、プッシュ通知サーバPSを介して行われる。
【0106】
図17は、ユーザ端末30に表示される待機指示画面41の一例を示している。待機指示画面41は、座席移動の待機を指示する待機指示画像が表示される待機指示画像表示領域42と、待機指示メッセージが表示される待機指示メッセージ表示領域43と、が形成されている。
観客は、待機指示画像表示領域42及び待機指示メッセージ表示領域43を視認することによって、移動開始タイミングまで待機するように指示されていることを認識することができる。
【0107】
続いて、制御部11は、移動開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS34)。詳細には、制御部11は、現在時刻とステップS31で取得した移動開始時刻を比較することによって、移動開始タイミングが到来したか否かを判定する。
【0108】
移動開始タイミングが到来していないと判定された場合(ステップS34:No)、制御部11は、移動開始タイミングが到来するまで待機する。
一方、移動開始タイミングが到来したと判定された場合(ステップS34:Yes)、制御部11は、ユーザ端末30に、移動開始指示の誘導情報を送信する(ステップS35、誘導情報送信ステップ)。
【0109】
図18は、ユーザ端末30に表示される移動開始指示画面44の一例を示している。移動開始指示画面44は、座席の移動開始を指示する移動開始指示画像が表示される移動開始指示画像表示領域45と、移動開始指示メッセージが表示される移動開始指示メッセージ表示領域46と、が形成されている。
観客は、移動開始指示画像表示領域45及び移動開始指示メッセージ表示領域46を視認することによって、座席移動を開始するように指示されていることを認識することができる。このとき、ユーザ端末30は、ユーザ端末30に内蔵された振動手段(一例として、偏心錘を有する電動モータ)によって振動するように制御されてもよい。
【0110】
次に、制御部11は、ユーザ端末30に、誘導経路を送信する(ステップS36、誘導情報送信ステップ)。
【0111】
図19は、ユーザ端末30に表示される移動経路指示画面47の一例を示している。移動経路指示画面47は、移動経路指示画像表示領域48と、移動経路指示メッセージ表示領域49と、が形成されている。
観客は、移動経路指示画像表示領域48と移動経路指示メッセージ表示領域49を視認することによって、指示されている移動経路を確認することができる。
【0112】
次に、制御部11は、移動中の観客を監視する移動中監視処理を実行する(ステップS37)。
図16は、移動中監視処理の流れを示している。図16に示すように、制御部11は、最初に観客が進入禁止エリアに進入したか否かを判定する(ステップS40)。詳細には、ユーザ端末30の位置情報を取得し、図9を参照して説明した進入禁止エリアの位置情報と比較することによって移動中の観客が進入禁止エリアに進入したか否かを判定する。ここで、ユーザ端末30の位置情報は、ユーザ端末30が受信する衛星測位信号(GPS信号)に基づいて取得することができる。また、ユーザ端末30の位置情報は、競技場の所定の位置に配置された複数のビーコン信号発振器が出力するビーコン信号に基づいて取得してもよい。
【0113】
観客が進入禁止エリアに進入したと判定された場合(ステップS40:Yes)、制御部11は、ユーザ端末30に、進入禁止エリアから退出するように警告する誘導情報を送信する(ステップS41)。
【0114】
続いて、制御部11は、警告タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS42)。詳細には、現在時刻と警告タイミングを比較することによって、警告タイミングが到来したか否かを判定する。警告タイミングが到来していないと判定された場合(ステップS42:No)、制御部11は、移動中監視処理を終了する。
【0115】
警告タイミングが到来したと判定された場合(ステップS42:Yes)、制御部11は、ユーザ端末30に、早期に移動するように警告する誘導情報を送信する(ステップS43)。詳細には、制御部11は、図18を参照して説明した移動開始指示画面44をユーザ端末30に送信する。このとき、ユーザ端末30は、ユーザ端末30に内蔵された振動手段によって強く振動するように制御される。以上で移動中監視処理が終了する。
【0116】
図15に戻って、制御部11は、観客の座席移動が完了したか否かを判定する(ステップS38)。詳細には、ユーザ端末30の現在位置の情報を取得し、後半の座席の位置情報と比較することによって座席移動が完了したか否かを判定する。
【0117】
観客の座席移動が完了していないと判定された場合(ステップS38:No)、制御部11は、ステップS37に戻り、再び移動中監視処理を行う。一方、観戦者の座席移動が完了したと判定された場合(ステップS38:Yes)、制御部11は、ユーザ端末30に、移動完了の通知を送信する(ステップS39)。
【0118】
図20は、ユーザ端末30に表示される移動完了通知画面50の一例を示している。移動完了通知画面50は、移動完了通知画像表示領域51と、移動完了通知メッセージ表示領域52と、が形成されている。
観客は、移動完了通知画像表示領域51と移動完了通知メッセージ表示領域52を視認することによって、変更後座席(後半の座席)に対する移動が完了したことを確認することができる。
以上で制御部11によって実行される座席誘導処理が終了する。
【0119】
以上のように構成された電子チケット管理システム1は、座席変更型電子チケットの販売を行うことができる。そのため、観客と選手の距離が縮まり、観客と選手の間の一体感の向上を図ることができる。また、座席移動を行う観客に対して適切な誘導を行うことができ、観客の円滑な座席変更が可能となる。
【0120】
以上、電子チケット管理装置、電子チケット販売方法、電子チケット販売プログラム、座席移動誘導装置、座席移動誘導方法、及び座席移動誘導プログラムの一実施形態について説明してきた。上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
上述した実施形態において、電子チケット管理サーバ10は、プッシュ通知サーバPSを介してユーザ端末30に誘導情報を送信することとして説明したが、これに限定されない。電子チケット管理サーバ10は、電子メールやショートメッセージをユーザ端末30に送信することによって誘導情報を観客に送信してもよい。
【0121】
また、上述した実施形態において、移動経路設定テーブル26には、ホームスタンドの観客を誘導する第一の経路と、ビジタースタンドの観客を誘導する第二の経路が、観客同士の接近を回避するように設定されていることとして説明したが、これに限定されない。移動タイミング設定テーブル25には、ホームスタンドの観客を誘導する第一のタイミングと、ビジタースタンドの観客を誘導する第二のタイミングが、観客同士の接近を回避するように設定されていてもよい。これにより、上述した実施形態と同様に、座席移動中の混雑を抑制するとともに、対戦相手を応援する観客との無用なトラブルを回避することが可能となる。
また、第一のタイミングと第二のタイミングが、観客同士が接近できるように設定されていてもよい。これにより、座席移動を通して互いのチームの健闘を称え、観客間の交流を深めることが可能となる。
【0122】
また、上述した実施形態において、電子チケット管理サーバ10は、ユーザ端末30に誘導情報として誘導経路を送信することとして説明したが誘導経路とともに、チャントと呼ばれるサッカーチームの応援歌や、座席移動を楽しむための演出情報を送信してもよい。演出情報は、サッカーチームやサッカー選手を応援するための情報、ゲーム、クイズ、過去の感動映像等が含まれる。これにより、座席変更型電子チケットを購入した観客に対して移動中の興趣を提供することができ、観客の満足度の向上を図ることが可能となる。
【0123】
また、座席移動に伴って、一つの座席を前半と後半で共有する観客間で、メッセージを共有することができてもよい。具体的には、前半に特定の座席を利用した観客からメッセージを受信し、後半にその特定の座席を利用する観客に対して、そのメッセージを転送する。これにより、一方の観客から他方の観客に対して、賞賛や激励のメッセージを送ることができ、座席移動を通して、観客間の交流を深めることが可能となる。
【0124】
また、サッカーチームを応援するための楽器など、大きな荷物を持って観客席を移動する観客に対して、特別経路の選択を可能としてもよい。これにより、座席移動に伴う観客の負担を軽減することが可能となる。
また、特別経路は、ピッチPを通過する移動経路に限定されない。特別経路は、ベンチ前を通過する移動経路を含んでいてもよい。観客は、ベンチ前を通過して移動することにより、ベンチで待機する選手や監督から見た視野を楽しむことができ、観客の満足度の向上を図ることが可能となる。ベンチ前は、ベンチで待機する選手や監督のプレイエリアに相当する。
【0125】
また、ピッチPを通過する移動経路を選択した観戦希望者に対して、追加料金が設定されてもよい。詳細には、電子チケット管理サーバ10は、ピッチPを通過する移動経路を選択した観客の決済情報(クレジットカード情報等)を取得し、決済情報に基づいて追加料金の徴収を行う(追加料金徴収手段)。これにより、観客の満足度の向上と主催者の経済的な負担の軽減の両立を図ることが可能となる。
【0126】
また、上述した実施形態において、サッカー公式戦の電子チケットを販売し、観客の座席移動を誘導することとして説明したが、興業は、サッカー競技に限定されない。テニス、バスケットボール、相撲等のサッカー以外のスポーツ競技や、演奏者がコンサート中に演奏位置を変更し、これに伴って観客の客席を変更可能なコンサートに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0127】
1 電子チケット管理システム
10 電子チケット管理サーバ
11 制御部
12 購入申込受付部(購入申込受付手段、特別経路選択情報取得手段、識別情報取得手段、決済情報取得手段)
13 販売価格決定部(販売価格決定手段、追加料金徴収手段)
14 電子チケット取得部(電子チケット取得手段)
15 電子チケット送信部(電子チケット送信手段、タイミング送信手段)
16 購入情報取得部
17 誘導情報取得部(移動タイミング取得手段、移動経路情報取得手段、警告タイミング取得手段、進入禁止エリア取得手段)
18 誘導情報送信部(誘導情報送信手段、観客位置取得手段、座席変更確認手段、座席変更警告手段、退出警告手段)
21 記憶部
22 サッカー公式戦情報DB
23 観客席情報DB
24 電子チケット情報DB
25 移動タイミング設定テーブル
26 移動経路設定テーブル
30 ユーザ端末
31、31A、31B 購入申込受付画面
32 公式戦情報表示領域
33 座席選択領域
33A 前半座席表示
34 操作ボタン
35 販売通知画面
36 QRコード表示領域
37 座席位置表示領域
38 移動経路通知画面
41 待機指示画面
42 待機指示画像表示領域
43 待機指示メッセージ表示領域
44 移動開始指示画面
45 移動開始指示画像表示領域
46 移動開始指示メッセージ表示領域
47 移動経路指示画面
48 移動経路指示画像表示領域
49 移動経路指示メッセージ表示領域
50 移動完了通知画面
51 移動完了通知画像表示領域
52 移動完了通知メッセージ表示領域
60 主催者端末
B 座席ブロック
NW 通信回線
P ピッチ
PS プッシュ通知サーバ
ST サッカー競技場
ST1 メインスタンド
ST2 バックスタンド
ST3 ゴール裏スタンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20