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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015227
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】土木作業装置
(51)【国際特許分類】
   E21B 11/00 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
E21B11/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118498
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】515348389
【氏名又は名称】株式会社Lavie
(71)【出願人】
【識別番号】599085633
【氏名又は名称】株式会社タマディック
(74)【代理人】
【識別番号】100167081
【弁理士】
【氏名又は名称】本谷 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 正一
(72)【発明者】
【氏名】山田 朗
(72)【発明者】
【氏名】増田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】芳川 繁
(72)【発明者】
【氏名】前池 典子
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AB16
2D129BA03
2D129BB03
2D129CA02
2D129CB13
2D129CB15
2D129DC13
2D129EA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動装置に係止体を介してケーシングチューブの回転力が作用した場合であっても、駆動装置の静止状態を維持できるようにした土木作業装置を提供する。
【解決手段】駆動装置122、係合装置124、係合体連動装置126、及びアタッチメント118を含む土木作業装置100は、ケーシングチューブ102内に挿入される。油圧シリンダによって駆動軸226が引き上げられ、係合装置を構成する係合体は、拡径方向へ移動され、ケーシングチューブの内周面102iに圧接される。ケーシングチューブの回転によって、土木作業用のアタッチメントを一体回転させる。駆動軸に作用するトルクによる駆動装置の回転は、相対回転センサー258によって検出され、相対回転センサーによって検出した相対回転角のズレを解消するように、回転駆動装置136の回転によって駆動装置を逆方向に回転させ、駆動装置を静止状態に保つ。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のケーシングチューブ(102)内に配置した係合体(184)を、前記ケーシングチューブ(102)の内周面(102i)に係合して前記ケーシングチューブ(102)と一体化し、前記係合体(184)を介して土木作業用のアタッチメント(118)を作動させるようにした土木作業装置(100)であって、
駆動装置(122)と係合装置(124)が設けられ、
前記係合装置(124)は、前記係合体(184)を前記ケーシングチューブ(102)の内周面(102i)に接離させる係合体連動装置(126)と、
前記係合体連動装置(126)は、ベアリング(218、228)を介して前記ケーシングチューブ(102)の軸線(CLC)に沿って移動される駆動軸(226)によって前記係合体(184)を前記内周面(102i)に接離させ、
前記駆動装置(122)は前記駆動軸(226)の軸線の周りに回転可能であり、前記駆動軸(226)を前記ケーシングチューブ(102)の軸線に沿って移動させるための駆動体(134)を含み、
前記駆動装置(122)と前記係合装置(124)は、静止状態維持装置(128)によって前記軸線(CLC)の周りに相対回転可能に駆動連結され、
前記静止状態維持装置(128)は、前記駆動装置(122)に設けられた回転駆動装置(136)と、前記係合装置(124)に設けられ、当該係合装置(124)を前記駆動装置(122)に対し前記軸線(CLC)の周りに反対方向へ回転させる被動体(256)と、前記駆動装置(122)と前記被動体(256)の前記軸線(CLC)の周りのずれを検出する相対回転センサー(258)と、前記相対回転センサー(258)の出力に基づいて前記回転駆動装置(136)を所定の方向に所定の速度で回転させる制御装置(262)を含み、
前記駆動装置(122)を前記静止状態維持装置(128)によって静止状態に保持する
ことを特徴とする土木作業装置。
【請求項2】
前記回転駆動装置(136)はピニオンギヤ(274)を含み、
前記被動体(256)は内歯歯車(276)を含み、
前記ピニオンギヤ(274)によって、前記内歯歯車(276)を回転駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載した土木作業装置。
【請求項3】
前記相対回転センサー(258)は、前記内歯歯車(276)の歯を検出する歯センサー(278)を含む
ことを特徴とする請求項2に記載した土木作業装置。
【請求項4】
前記回転駆動装置(136)と前記駆動体(134)は密閉容器である駆動装置筐体(132)内に収められる
ことを特徴とする請求項1または2に記載した土木作業装置。
【請求項5】
さらに、深度センサー(282)を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載した土木作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形のケーシングチューブの回転力を、ケーシングチューブへの係合によってケーシング内の土木作業用のアタッチメントに伝達するようにした土木作業装置に関する。特に、ケーシングチューブから係合体を介して伝達される回転力を積極的に相殺できる土木作業装置に関する。なお、以下の説明において、第一、第二、等の数字を使った名称を使用するが、同一名称において混同を生じないようにする説明の便のためのものであって、権利の解釈に影響を与えない。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、コントロールフレーム装置、係合装置、係合体連動装置、及びアタッチメントを含む土木作業装置は、ケーシングチューブ内に吊り下げられる。係合装置を構成する係合体は、油圧ポンプからの作動油によって油圧シリンダのピストンロッドを引き上げ、係合体連動装置を構成する載頭円錐形の駆動カムによって拡径方向へ移動され、ケーシングチューブの内周面に圧接される。ケーシングチューブの回転によって、係合体を介して係合体連動装置が回転され、土木作業様のアタッチメントを作動させる。駆動カムは、ベアリングを介して駆動軸に回転自在に支持され、油圧シリンダによって引き上げられる土木作業装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術として、円筒形であって地中に貫入して回転駆動するケーシングの内周面にストッパを設ける一方、該ケーシング内に配設された中掘り装置本体に自重により外方に移動して前記ストッパに係合することで前記ケーシングの回転力を該中掘り装置本体に伝達する突起を設けると共に、該中掘り装置本体の下端部に掘削刃を設けたことを特徴とするケーシング駆動式中掘り装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7116973号
【特許文献2】特開平5-59879
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術において、ベアリングにおける摩擦力を介して駆動軸にトルクが作用するので、駆動軸を支持するコントロールフレーム装置にもトルクが作用し、当該コントロールフレーム装置がケーシングチューブの軸線の周りに回転され、ワイヤ類がクレーンワイヤに絡みつく懸念がある。そのため、駆動軸の反力打ち消し装置を設けることが提案されている。
しかしながら、第1の従来技術に開示された反力打ち消し装置は、消極的な反力打ち消し装置であり、ワイヤ類のクレーンワイヤへの絡みつき懸念を払拭出来ない。
第2の従来技術おけるケーシング駆動式中掘り装置において、ケーシングの内周面のストッパに係止され、ケーシングの回転力を該中掘り装置本体に伝達する突起を、油圧シリンダによってケーシングの内周面側に移動させるので、油圧シリンダ、したがって中掘り装置本体はケーシングと一体に回転することから、中掘り装置本体を吊り下げるクレーンのワイヤロープが捻られ、捻れを生じないようにスイベルジョイント等の捻れ解消機構を用いる必要がある。また、突起にストッパを係止させるので、中堀り装置をケーシングの内径一杯に構成することができず、作業効率が低下する問題がある。
【0006】
本発明の目的は、駆動軸を支持する駆動装置に係止体を介してケーシングチューブの回転力が作用した場合であっても、駆動軸を支持する駆動装置を積極的に静止状態を維持できるようにした土木作業装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る第1の発明は以下のように構成されている。
円筒状のケーシングチューブ内に配置した係合体を、前記ケーシングチューブの内周面に係合して前記ケーシングチューブと一体化し、前記係合体を介して土木作業用のアタッチメントを作動させるようにした土木作業装置であって、駆動装置と係合装置が設けられ、前記係合装置は、前記係合体を前記ケーシングチューブの内周面に接離させる係合体連動装置と、前記係合体連動装置は、ベアリングを介して前記ケーシングチューブの軸線に沿って移動される駆動軸によって前記係合体を前記内周面に接離させ、前記駆動装置は前記駆動軸の軸線の周りに回転可能であり、前記駆動軸を前記ケーシングチューブの軸線に沿って移動させるための駆動体を含み、前記駆動装置と前記係合装置は、静止状態維持装置によって前記軸線の周りに相対回転可能に駆動連結され、前記静止状態維持装置は、前記駆動装置に設けられた回転駆動装置と、前記係合装置に設けられ、当該係合装置を前記駆動装置に対し前記軸線の周りに反対方向へ回転させる被動体と、前記駆動装置と前記被動体の前記軸線の周りのずれを検出する相対回転センサーと、前記相対回転センサーの出力に基づいて前記回転駆動装置を所定の方向に所定の速度で回転させる制御装置を含み、前記駆動装置を前記静止状態維持装置によって静止状態に保持することを特徴とする土木作業装置である。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る第2の発明は以下のように構成されている。
前記回転駆動装置はピニオンギヤを含み、前記被動体は内歯歯車を含み、前記ピニオンギヤによって、前記内歯歯車を回転駆動することを特徴とする第1の発明の土木作業装置である。
【0009】
本発明に係る第3の発明は以下のように構成されている。
前記相対回転センサーは、前記内歯歯車の歯を検出する歯センサーを含むことを特徴とする第2の発明の土木作業装置である。
【0010】
本発明に係る第4の発明は以下のように構成されている。
前記回転駆動装置と前記駆動体は密閉容器である駆動装置筐体内に収められることを特徴とする第1または第2の発明の土木作業装置である。
【0011】
本発明に係る第5の発明は以下のように構成されている。
さらに、深度センサーを含むことを特徴とする第1または第2の発明の土木作業装置である。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明において、駆動装置に駆動軸を介して係合装置が設けられている。
駆動軸は駆動体によってケーシングチューブの軸線に沿って移動可能である。駆動軸の軸線に沿った移動によって、係合体連動装置を介して係合体はケーシングチューブの内周面に圧接させられる。これによって、ケーシングチューブの回転によって、係合体を介して係合体連動装置がケーシングチューブの軸線の周りに回転される。係合体連動装置の回転によって、アタッチメントは掘削等を実行する。駆動軸は、ベアリングを介して係合体連動装置に取り付けられている。したがって、係合体連動装置が回転した場合、ベアリングの摩擦力によって、駆動軸に対しケーシングチューブの回転方向にトルクが作用する。駆動軸にトルクが作用した場合、当該駆動軸が設けられている駆動装置と係合装置は相対回転される。相対回転センサーは、この相対回転を検出する。この相対回転センサーの出力に基づいて、制御装置は相対回転を解消するように回転駆動装置を駆動し、被動体を介して駆動装置を相対回転させる。
これによって、駆動装置を係合体と逆方向へ回転させ、相対回転位置の差異を解消させる。よって、駆動装置は実質的に静止状態に保持される。
【0013】
第2の発明において、第1の発明と同一の構成を有するので、本願発明の目的を達成できる。更に、第2の発明において、前記回転駆動装置はピニオンギヤを含み、前記被動体は内歯歯車を含み、前記ピニオンギヤによって、前記内歯歯車が回転駆動される。
この構成は、簡単な構成であるので安価に構成することができる利点がある。
【0014】
第3の発明において、第1又は第2の発明と同一の構成を有するので、本願発明の目的を達成できる。更に、第3の発明において、前記相対回転センサーは、前記内歯歯車の歯を検出する歯センサーを含む。よって、駆動手段としての内歯歯車を利用して安価に構成することができる利点がある。
【0015】
第4の発明においては、第1又は第2の発明と同一の構成を有するので、本願発明の目的を達成できる。更に、第4の発明において、前記回転駆動装置と前記駆動体は密閉容器である駆動装置筐体内に収められるので、泥状態や水中でも使用できる利点がある。
【0016】
第5の発明においては、第1又は第2の発明と同一の構成を有するので、本願発明の目的を達成できる。更に、第5の発明において、深度センサーを含むので、アタッチメントの移動量を知ることができ、当該移動量に基づいて土木作業装置の適切な管理をすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置の概要説明図である。
図2図2は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置の縦断面図である。
図3図3は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置の斜視図である。
図4図4は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置であり、(A)は縦断面図、(B)は相対回転センサーの説明図である。
図5図5は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置の制御装置のブロック図である。
図6図6は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置に用いる端末機の表示画面である。
図7図7は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置における制御フローチャートである。
図8図8は、本発明にかかる実施例1の土木作業装置のガイドであって、図4におけるA-A線断面の一部断面図である。
図9図9は、本発明にかかる実施例2の土木作業装置の縦断面図である。
図10図10は、本発明にかかる実施例2の土木作業装置における支持体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る土木作業装置は、円筒状のケーシングチューブ内に配置した係合体を、前記ケーシングチューブの内周面に係合して前記ケーシングチューブと一体化し、前記係合体を介して土木作業用のアタッチメントを作動させるようにした土木作業装置であって、駆動装置と係合装置が設けられ、前記係合装置は、前記係合体を前記ケーシングチューブの内周面に接離させる係合体連動装置と、前記係合体連動装置は、ベアリングを介して前記ケーシングチューブの軸線に沿って移動される駆動軸によって前記係合体を前記内周面に接離させ、前記駆動装置は前記駆動軸の軸線の周りに回転可能であり、前記駆動軸を前記ケーシングチューブの軸線に沿って移動させるための駆動体を含み、前記駆動装置と前記係合装置は、静止状態維持装置によって前記軸線の周りに相対回転可能に駆動連結され、前記静止状態維持装置は、前記駆動装置に設けられた回転駆動装置と、前記係合装置に設けられ、当該係合装置を前記駆動装置に対し前記軸線の周りに反対方向へ回転させる被動体と、前記駆動装置と前記被動体の前記軸線の周りのずれを検出する相対回転センサーと、前記相対回転センサーの出力に基づいて前記回転駆動装置を所定の方向に所定の速度で回転させる制御装置を含み、前記駆動装置を前記静止状態維持装置によって静止状態に保持することが好ましい。
また、前記回転駆動装置はピニオンギヤを含み、前記被動体は内歯歯車を含み、前記ピニオンギヤによって、前記内歯歯車を回転駆動することが好ましい。
さらにまた、前記相対回転センサーは、前記内歯歯車の歯を検出する歯センサーを含むことが好ましい。
また、前記回転駆動装置と、前記駆動体と、制御装置は、前記駆動装置は密閉容器内に収められることが好ましい。
さらに、深度センサーを含むことが好ましい。
【実施例0019】
本発明の実施例1に係る土木作業装置100を図1及び図2を参照しつつ説明する。
本発明に係る土木作業装置100は、ケーシングチューブ102内に挿入され、当該ケーシングチューブ102と一体となって掘削等の土木作業を行う機能を有する。
【0020】
まずケーシングチューブ102を主に図2を参照しつつ説明する。
ケーシングチューブ102は、公知のように、所定の長さLC(高さ)と直径DCを有する金属製の円筒体であって、下端部に掘削ビット104が設けられ、チュービング装置106によって、ケーシングチューブ軸線CLCのの周りに回転されつつ土中108に押し込められる。よって、ケーシングチューブ102は、その外周面102o、内周面102i、下端開口102b、及び上端開口102uを有する。チュービング装置106には、ケーシングチューブ102の回転速度を検出するケーシング回転速度センサー106Sを備える。ケーシング回転速度センサー106Sは、ケーシング回転数情290を出力する。なお、土中108への押し込み量がケーシングチューブ102の長さLCに対し、所定の比率を超えた場合、同一構成のケーシングチューブ102を直列につないで延長する。土木作業装置100は、クレーン112のブーム114の先端から垂下する吊り下げ体116の先端のフック110に係止された索条120に吊り下げられてケーシングチューブ102内に配置される。
【0021】
次に土木作業装置100を主に図2を参照しつつ説明する。
土木作業装置100は、ケーシングチューブ102内において、ケーシングチューブ102の内周面102iと係合して回動力を受け、アタッチメント118を作動させる機能を有する。本実施例1において、土木作業装置100は、駆動装置122、係合装置124、係合体連動装置126、静止状態維持装置128、制御装置262、及びアタッチメント118を含んでいる。
【0022】
まず、駆動装置122を図2図4を参照しつつ説明する。
駆動装置122は、索条120を介して吊り下げ体116に吊り下げられると共に、係合体連動装置126を上下方向に移動可能に支持する機能を有する。さらに、静止状態維持装置128によって、駆動装置122は静止状態に維持される機能を有する。したがって、駆動装置122は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において、駆動装置122は、駆動装置筐体132、駆動体134、および回転駆動装置136を含んでいる。
【0023】
まず駆動装置筐体132を説明する。
駆動装置筐体132は、少なくとも、駆動体134および回転駆動装置136が配置される機能を有する。本実施例1においては、さらに、制御装置262が設けられる。
本実施例1において駆動装置筐体132は、全体として円柱形に形成され、天板138、側板142、および底板144を含んでいる。
【0024】
天板138は、厚板円板形であり、上面には索条120に接続するための、基板146が固定されている。本実施例1においては、天板138と基板146には、通孔148が穿孔されている。通孔148には、圧縮空気供給用のフレキシブルパイプ152、及び電源ケーブル154が引き通される。本実施例1において電源ケーブル154はフレキシブルパイプ152内に配置されている。
基板146の筐体軸線CLF上の上端部には索条120を引き通すための孔158が形成されている。
【0025】
側板142は所定の厚みを有する板状体によって縦向きの円筒形に形成されている。側板142の上端部は円盤型の天板138に固定され、下端部は円盤型の底板144に固定され、駆動装置筐体132内に円柱形の筐体空間156を形成する。
【0026】
筐体空間156には、油圧ポンプ162、油圧タンク164、及び電気モーター166が配置されている。油圧ポンプ162は、通孔148から引き込まれた電源ケーブル154を介して電力が提供される電気モーター166によって駆動され、油圧タンク164に貯留された作動油を所定の圧力で後述する駆動体134へ送出する。
【0027】
底板144は、所定の厚みを有する円盤型の板であって、側板142の下端部に固定され、筐体空間156の下端を閉止する。底板144の中心部には、透孔168が形成されている。
【0028】
筐体空間156は密封され、外部から流体が流入しないように構成されている。また、フレキシブルパイプ152を介して圧縮空気が供給され、積極的に外部からの流体の浸入を阻止している。したがって、外部から加わる圧力を超える圧縮空気が筐体空間156に供給される。
【0029】
次に駆動体134を説明する。
駆動体134は、係合体連動装置126を駆動する機能を有する。したがって、駆動体134は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において、駆動体134は、油圧アクチュエータ170たる油圧シリンダ172である。油圧シリンダ172は、上端の取付部172Uが天板138の下面に取り付けられた取付機構174に揺動自在に取り付けられている。油圧シリンダ172の軸線は、駆動装置筐体132の筐体軸線CLFと一致するように設置される。油圧シリンダ172は、油圧ポンプ162から油圧ホース176を介して圧送される作動油によって、ピストンロッド178を出し入れする。換言すれば、ピストンロッド178は作動油によって、選択的に上下方向に移動される。ピストンロッド178の先端たる下端部には、係合体連動装置126を作動させるための連結部180が設けられている。本実施例1において、油圧ポンプ162及び電気モーター166は、駆動装置122に設置されているが、ケーシングチューブ102の外部に設置した油圧ポンプ162から油圧ホース(図示せず)を介して油圧シリンダ172へ作動油を圧送してもよい。油圧ポンプ162を駆動装置筐体132に設置した場合、作動油の圧力損失を減少させ、また油圧ホース176を短縮できることから、安価に構成できる。
【0030】
次に側板142を説明する。
側板142は、前述したように、上端部が天板138に固定され、下端部に底板144が固定され、筐体軸線CLF周りに回転可能な円筒形体である。側板142の筐体軸線CLFは、ケーシングチューブ軸線CLCと大凡同軸になる。
【0031】
次に係合装置124を説明する。
係合装置124は、係合体184がケーシングチューブ102の内周面102iに係合して動力を受ける機能を有する。したがって、係合装置124は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合装置124は、係合基盤182に間接的に取り付けられた係合体184および裏面突条202を含んでいる。本実施例1において、係合体184は駆動軸226の軸線たる係合装置軸線CLBに対し点対称に合計4つ配置されているが、同一部には同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
まず係合基盤182を説明する。
係合基盤182は、係合体連動装置126を介して係合体184をケーシングチューブ102の半径方向へ移動可能に支持する機能を有する。したがって、係合基盤182は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合基盤182は、厚肉円筒形であって、中心部に所定の直径を有する基盤貫通孔192が形成されている。更に、係合体連動装置126を構成する作動リンク190及び係合体ガイド188を支持するための基盤突条194が係合基盤182の周面から放射状に所定の長さで形成されている。基盤突条194は、係合基盤182の係合装置軸線CLBに対し等角度で、少なくとも2以上の複数個が形成されることが好ましい。すなわち、係合体184と内周面102iの接触面積、圧接力、及び摩擦係数によって定まる動力の伝達力が十分になるように、係合体184の数が定められるので、当該係合体184の数に対応して基盤突条194の数が設けられる。本実施例1において、基盤突条194は、4つであり、係合装置軸線CLBに沿って延在する水平断面が四角形の突条である。係合基盤182は、後述するように、第2ベアリング218を介して駆動軸226の下端部に回転自在に設けられている。なお、筐体軸線CLFと係合装置軸線CLBは実質的に同軸である。
【0033】
次に係合体184を説明する。
係合体184は、ケーシングチューブ102の内周面102iに接触し、当該ケーシングチューブ102のケーシングチューブ軸線CLCを中心とする回転力を伝達され、係合体連動装置126、したがって、アタッチメント118へ回転力を伝達する機能を有する。したがって、係合体184は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合体184は、4つの基盤突条194に対応して、4つの係合体184が個別に対応付けられて設けられ、それらの構造は同一に構成されている。係合体184の同一部には同一符号を付して説明する。
図3に示すように、係合体184は正面視四角形であって所定の厚みを有し、ケーシングチューブ102の内周面102iに対面する係合面196は、内周面102iの曲率と同一の曲率の円弧面に形成されている。係合体184は、係合体連動装置126によって、係合基盤182に対し、係合装置軸線CLBに対し略平行状態を維持した状態で接離するよう移動可能に取り付けられている。裏面突条202は、係合体連動装置126の構成と共通するので、係合体連動装置126の説明において詳述する。
【0034】
次に係合体連動装置126を主に図3および図4を参照しつつ説明する。
係合体連動装置126は、係合体184が、係合体連動装置126によって内周面102i側へ略平行移動するように支持する機能を有する。したがって、係合体連動装置126は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において、4つの係合体184に対し、それぞれ個別に係合体連動装置126が設けられている。4つの係合体連動装置126は同一構成である。
本実施例1において、係合体連動装置126は、係合基盤182、作動リンク190、基盤突条194、第1支軸198、裏面突条202、第2支軸204、および係合体ガイド188を含んでいる。
【0035】
次に係合基盤182を説明する。
係合基盤182は、係合装置124における係合体184をケーシングチューブ102の内周面102i側へ移動させ、または内周面102iから離隔するように移動させる機能を有する。したがって、係合基盤182は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合基盤182は、円筒形であり、孔部がベアリング収納室224に形成されている。係合基盤182は、第2ベアリング218を介して駆動軸226の下端部に、係合装置軸線CLBの周りに回転自在、かつ軸線方向に移動不能に支持されている。係合基盤182の外周面には、縦向きの基盤突条194が一体的に設けられている。係合基盤182が上方に移動された場合、作動リンク190を介して係合体184は内周面102iに面接触される。係合基盤182が下方へ移動した場合、係合体184は作動リンク190を介して内周面102iから離れる方向へ移動される。
係合基盤182の下面にはアタッチメント取付部234が設けられている。
【0036】
次に基盤突条194を説明する。
基盤突条194は作動リンク190を係合基盤182に対し回動自在に支持する機能を有する。したがって、基盤突条194は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において基盤突条194は、係合基盤182の外周面に放射状に形成された断面が四角形の縦向きの突条である。
【0037】
次に作動リンク190を説明する。
作動リンク190は、係合基盤182、したがって基盤突条194の係合装置軸線CLBに沿う上下動によって、係合体184を係合装置軸線CLBに対し接離させる機能を有する。したがって、作動リンク190は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において作動リンク190は、基盤突条194および裏面突条202の両側に配置された平板である。
【0038】
次に第1支軸198を説明する。
第1支軸198は、作動リンク190を基盤突条194に回動自在に支持する機能を有する。したがって、第1支軸198は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において第1支軸198は、基盤突条194から突出する円柱形の支軸である。
【0039】
次に裏面突条202を説明する。
裏面突条202は、作動リンク190を係合体184に対し回動自在に支持する機能を有する。したがって、裏面突条202は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において裏面突条202は、係合体184の裏面に縦向きに形成された断面が四角形の突条である。
【0040】
次に第2支軸204を説明する。
第2支軸204は、作動リンク190を裏面突条202に回動自在に支持する機能を有する。したがって、第2支軸204は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において第2支軸204は、裏面突条202から突出する円柱形の支軸であり、第1支軸198よりも上方に配置される。したがって、係合基盤182が上方へ移動された場合、第1支軸198も上方へ移動され、作動リンク190が第1支軸198周りを時計方向に回動されるので、第2支軸204、したがって係合体184が係合装置軸線CLBから離れる方向へ移動される。
【0041】
次に係合体ガイド188を図8をも参照しつつ説明する。
係合体ガイド188は、係合体184をケーシングチューブ102の内周面102iに対し直線的に接離するように案内する機能、および係合体184がケーシングチューブ102によって連れ回りされる際に裏面突条202がリンク軸受208に対して大きく捻れられることを阻止する機能を有する。したがって、係合体ガイド188は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合体ガイド188は、基盤突条194の両側に一端部を固定された一対の板状体によって構成され、基盤突条194の上部に配置されている。詳細には、係合体ガイド188は、基盤突条194の右側面に固定された右係合体ガイド188Rと、左側面に固定された左係合体ガイド188Lによって構成されている。換言すれば、係合体ガイド188は、基盤突条194の両側に固定状態に配置される。
【0042】
次に、係合体支持装置206を主に図3および図4を参照しつつ説明する。
係合体支持装置206は、係合体連動装置126を支持する機能を有する。したがって、係合体支持装置206は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において係合体支持装置206は、駆動軸226の上部に相対して底板144の下側に配置され、第1ベアリング228の外輪に固定され、第1ベアリング228を介して係合装置軸線CLB周りに回転可能、かつ駆動軸226の軸線方向に相対移動可能に支持されている。具体的には、係合体支持装置206は、支持体210、リンク軸受208、第1リンク軸212、リンク体214、第2リンク軸216、および第1ベアリング228を含んでいる。
【0043】
次に支持体210を説明する。
支持体210は、駆動軸226に対しリンク軸受208、したがって係合体184を浮遊状態に支持する機能を有する。したがって、支持体210は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において支持体210は、駆動軸226に外装された円筒体であり、第1ベアリング228の外輪に固定されている。第1ベアリング228の内輪は、駆動軸226の上部に摺動可能に外装されたスリーブ222に固定されている。これによって、係合体支持装置206は、駆動軸226の周りに回転可能、かつ軸線方向に摺動可能である。換言すれば、係合体支持装置206は、駆動装置122に対し、相対回転可能であるが、スラスト方向には相対移動不可能である。
【0044】
次に、リンク軸受208を説明する。
リンク軸受208は、リンク体214、したがって係合体184を係合装置軸線CLBに対し放射方向に接離可能に支持する機能を有する。本実施例1において、リンク軸受208は、駆動軸226に取り付けられた第2ベアリング218の外輪に支持された支持体210の外面に固定された断面が四角形の縦向き台形状のブロック体である。
【0045】
次に、第1リンク軸212を説明する。
第1リンク軸212は、リンク体214をリンク軸受208に揺動自在に支持する機能を有する。
本実施例1において第1リンク軸212は、公知の円柱状のピンである。
【0046】
次にリンク体214を説明する。
リンク体214は、係合体184を枢支する機能を有する。本実施例1において、リンク体214は正面視においてH型を呈し、上端部が第1リンク軸212によってリンク軸受208に回動自在に支持され、下端部には第2リンク軸216によって、係合体184の裏面突条202の上端部が枢支されている。
【0047】
次に第2リンク軸216を説明する。
第2リンク軸216は、係合体連動装置126を係合装置軸線CLB周りに回動可能、および係合装置軸線CLBに対し放射方向に接離可能に支持する機能を有する。本実施例1において、第2リンク軸216は公知の円柱状のピンである。
本実施例1において第2リンク軸216は、裏面突条202の上端部をリンク体214の下端部に回動自在に支持する。
【0048】
この構成によって、係合基盤182が上方へ移動された場合、第1支軸198が上方へ移動するので作動リンク190が第1支軸198の周りに回動され、第2支軸204は係合装置軸線CLBから遠ざかる方向へ押動される。これによって、裏面突条202は、係合体ガイド188に案内されて係合装置軸線CLBから遠ざかる方向へ押動される。この時、裏面突条202は、第2リンク軸216にも支持されているため、略垂立状態を維持した状態で係合装置軸線CLBに対し接離される。これによって、係合体184は第1支軸198を支点に上方又は下方へ移動されつつ内周面102iに、浮遊状態で接離される。よって、係合基盤182が上方へ移動された場合、係合面196は内周面102iに面接触される。なお、係合体184の浮遊状態とは、係合体184が二次元的に自由に移動可能である状態をいう。
【0049】
係合基盤182が下方へ移動された場合、基盤突条194、したがって第1支軸198も下方へ移動されるので、作動リンク190が第1支軸198に対し回動される。これによって、第2支軸204は係合装置軸線CLB側に近づくように移動され、裏面突条202、したがって、係合体184も同方向へ移動され、内周面102iから離隔される。
【0050】
次にアタッチメント取付部234を含んでいる。
アタッチメント取付部234は、アタッチメント118が取り付けられる機能を有する。したがって、アタッチメント取付部234は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1においてアタッチメント取付部234は、係合基盤182に設けられている。換言すれば、アタッチメント118の上端部は、係合基盤182の下端に固定されている。
アタッチメント118は、本実施例1において掘削バケット220である。アタッチメント118は、アースオーガ、ハンマーグラブ、その他の土木作業用のアタッチメントに適宜交換して利用することができる。
【0051】
次に駆動軸226を説明する。
駆動軸226は、係合体184を内周面102iに圧接させ、または内周面102iから離隔させるように移動させる機能を有する。したがって、駆動軸226は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において駆動軸226は、駆動体134たる油圧アクチュエータ170である油圧シリンダ172のピストンロッド178の下端部の連結部180に取り付けられ、係合基盤182を係合装置軸線CLBの周りに相対回転自在に支持する機能を有する。したがって、駆動軸226は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において駆動軸226は、所定直径を有する真っ直ぐな丸棒体であり、上端部のピン孔236に引き通された連結ピン238によって、揺動自在に取り付けられている。駆動軸226の下端部には第2ベアリング218が取り付けられている。
【0052】
次に第2ベアリング218を説明する。
第2ベアリング218は、駆動軸226に対し係合基盤182を係合装置軸線CLB周りに回動自在に支持する機能を有する。したがって、第2ベアリング218は、本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において第2ベアリング218は、転がり軸受が好ましく、例えば、スラストベアリングであり、第2ベアリング218の内輪は駆動軸226の下端部に固定され、外輪は係合基盤182に固定されている。換言すれば、係合基盤182は第2ベアリング218を介して駆動軸226の下端部に回転自在、かつスラスト方向には移動不能に取り付けられている。
【0053】
次に静止状態維持装置128を説明する。
静止状態維持装置128は、ケーシングチューブ102から係合体184、第1ベアリング228および第2ベアリング218を介して駆動軸226に作用する所定方向のトルクによって駆動装置122は係合装置軸線CLBの周りに回転されるが、駆動装置122を回転駆動装置136によって逆方向へ回転させることにより、駆動装置122を実質的に静止状態に維持する機能を有する。したがって、静止状態維持装置128は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。
本実施例1において静止状態維持装置128は、回転駆動装置136、被動体256、相対回転センサー258、制御装置262を含んでいる。
【0054】
まず、回転駆動装置136を説明する。
回転駆動装置136は、被動体256を介して駆動装置122を係合体連動装置126、したがって、係合装置124に対して係合装置軸線CLB周りに相対回転させ、駆動装置122を実質的に静止状態に維持する機能を有する。本実施例1において、回転駆動装置136はモーター264、および伝達装置266を含んでいる。
【0055】
次にモーター264を説明する。
モーター264は、ピニオンギヤ274を所定の速度で回転させる機能を有する。したがって、モーター264は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1においては、回転速度および停止位置等を制御できる交流または直流の電気モーターであるサーボモーターが用いられ、制御装置262によってその回転の開始・停止、および回転速度が制御される。モーター264として、サーボモーターの一種であるステッピングモーター、油圧モーター、または空気モーターを用いることができる。
【0056】
次に伝達装置266を説明する。
伝達装置266は、モーター264の回転を被動体256に伝達する機能を有する。したがって、伝達装置266は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において伝達装置266は、減速機268、出力軸272、及びピニオンギヤ274を含んでいる。
【0057】
次に減速機268を説明する。
減速機268は、モーター264の回転速度を減速して出力軸272を回転させる機能を有する。したがって、モーター264によって減速機268の機能を発揮させることができる場合、減速機268を用いなくともよい。本実施例1においては、歯車減速機を用いている。
【0058】
次に出力軸272を説明する。
出力軸272は、減速機268の回転をピニオンギヤ274に伝達する機能を有する。本実施例1においては、公知の回転軸を用いている。
【0059】
次にピニオンギヤ274を説明する。
ピニオンギヤ274は、被動体256を回転駆動させる機能を有する。したがって、ピニオンギヤ274は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において、ピニオンギヤ274は公知の歯車である。
【0060】
次に被動体256を説明する。
被動体256は、伝達装置266から駆動力を受けて係合体支持装置206を回転させる機能を有する。換言すれば、駆動装置122を係合装置124の回転に対して反対方向へ回転させる機能を有する。本実施例1において被動体256は、係合体支持装置206を構成する支持体210の上面に固定され、ピニオンギヤ274に噛み合う内歯歯車276である。しかしながら、伝達装置266としてチェーンが用いられる場合、スプロケットを用いることが出来る。
【0061】
次に相対回転センサー258を図4を参照しつつ説明する。
相対回転センサー258は、係合体支持装置206と駆動装置122との間の位置関係のずれを検出する機能を有する。本実施例1において相対回転センサー258は、係合体支持装置206と駆動装置122との回転数差を検出する機能を有する。したがって、相対回転センサー258は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において相対回転センサー258は、駆動装置122側に設けられた歯センサー278と係止装置被検知体280たる内歯歯車276によって構成されている。
歯センサー278は、係止装置被検知体280たる内歯歯車276の歯276Tを検出し、歯検出信号RSを出力する。例えば、歯センサー278が歯276Tを検出する毎に歯検出信号RSを出力し、歯276Tを検出しない間は歯検出信号RSを出力しないので、歯検出信号RSはパルス信号として出力されることから、所定時間における歯検出信号RSの数を計数することにより、内歯歯車276の回転数を検出することができる。内歯歯車276が回転される状態は、ケーシングチューブ102の内周面102iに係止体184が圧接して係合体支持装置206が連れ回りされている状態であることから、内歯歯車276の回転速度を検出することにより、駆動体134と係合体支持装置206の間の相対回転数の差を検出することができる。
【0062】
次にジャイロセンサー130を主に図9を参照しつつ説明する。
ジャイロセンサー130は、駆動装置122に作用する加速度を検出する機能を有する。ジャイロセンサー130は、駆動装置122、したがって駆動装置筐体132のX方向、Y方向、またはZ方向の三次元の加速度を検出することができることが好ましい。なお、X方向とは水平方向、Y方向とは垂直方向、Z方向とは奥行方向である。ジャイロセンサー130は、少なくともX方向の加速度を検出することができればよい。X方向とは、係合装置軸線CLB(筐体軸線CLF)に対し、直角方向である。本実施例1においてジャイロセンサー130は、公知の、ジャイロ効果を利用する回転型、コリオリ力を利用する振動型またはガス型、もしくはサニャック効果を利用する光学式のうちから、適宜選択される。本実施例1において、ジャイロセンサー130は筐体空間156内に配置される。ジャイロセンサー130は、筐体軸線CLF上に配置することが好ましい。本実施例1において、ジャイロセンサー130は油圧シリンダ172の取付部172Uの上端に取り付けられている。
ケーシングチューブ102の回転によって、係合装置124、係合体連動装置126、及び係合体支持装置206は、係合装置軸線CLB周りをケーシングチューブ102と同一方向へ回転される。この回転は、第1ベアリング228、第2ベアリング218を介することにより、当該ベアリングにおける摩擦接触によって、駆動軸226には、スリーブ222等を介して係合装置軸線CLBの周りに同方向のトルクが作用する。よって、駆動軸226の上端部は連結部180、駆動体134、取付部172U、取付機構174を介して駆動装置122に接続されているので、駆動装置122は同方向に回動される。
よって、ジャイロセンサー130は、検出した加速度から回転方向を出力することができる。
ジャイロセンサー130の出力に基づいて、駆動装置122が静止状態を維持するように、制御装置262は相対回転センサー258からの回転数に関する出力に基づいて回転駆動装置136の回転を制御し、駆動装置122の静止状態を維持する。なお、ジャイロセンサー130として三次元の加速度を出力するジャイロセンサー130を用いた場合、X方向、Y方向、およびZ方向の加速度を出力できるので、駆動装置122の三次元の姿勢を検出することができる。
【0063】
次に制御装置262を図5を参照しつつ説明する。
制御装置262は、相対回転センサー258および後述するジャイロセンサー130からの出力を受信し、回転駆動装置136によって駆動装置122を反対方向に回動させ、実質的に駆動装置122を静止状態に保つ機能を有する。したがって、相対回転センサー258は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1においては、さらに、深度センサー282によってアタッチメント118による掘削量を演算によって推定して出力する機能、および測位センサー284によって掘削位置を出力する機能を有する。
本実施例1において制御装置262は、マイクロコンピューターによって構成され、所定のアルゴリズムに基づくプログラムによって制御される。本実施例1において、制御装置262は筐体空間156内に配置されているが、ケーシングチューブ102外の地上に配置することもできる。制御装置262をケーシングチューブ102外に配置される場合、ジャイロセンサー130、回転駆動装置136とは有線または無線によって接続される。駆動装置122内の設置された各装置には、フレキシブルパイプ152内に配置された電線を介して電源を供給し、および信号が通信される。
本実施例1において、制御装置262は、ジャイロセンサー130、相対回転センサー258、深度センサー282および測位センサー284からの出力を受信し、モーター264へ制御信号を出力し、掘削量および掘削位置を、端末機286へ出力する。端末機286において、推測掘削量、掘削位置を表示装置288に表示する。制御装置262と端末機286は、例えばインターネット回線を用いて情報交換することができる。
【0064】
次に深度センサー282を図2を参照しつつ説明する。
深度センサー282は、アタッチメント118によって掘削した深さを検出する機能を有する。したがって、深度センサー282は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の構造を採用することができる。本実施例1において、深度センサー282は、フレキシブルパイプ152の巻取枠292の回転角度を回転角センサー294によって検出することによって、掘削した長さたる掘削深さを間接的に出力する。換言すれば、アタッチメント118の掘削が進行した場合、当該掘削に伴ってフレキシブルパイプ152が引き出される。このフレキシブルパイプ152の引出しによって、巻取枠292が回転されることから、巻取枠292の回転角度を検出することによって、フレキシブルパイプ152の引き出された長さを演算し、掘削深さ情報302として出力することができる。
【0065】
次に測位センサー284(Global Positioning System)を説明する。
測位センサー284は、三次元測位(X緯度、Y経度、及びZ高さ)が可能な公知の測位センサーである。測位センサー284は、本実施例1においては、天板138の上面であって、筐体軸線CLF上に配置されている。これによって、土木作業の精度を高めることが出来る。しかし、測位センサー284は、天板138、または底板144に取り付けることが出来る。測位センサー284からの施工位置情報304は、無線又は有線で端末機286に送信し、当該三次元測位情報を可視化することが好ましい。この三次元測位情報たる施工位置情報304から、掘削の異常兆候又は異常状態を迅速に把握することが出来る利点がある。また、測位センサー284からの施工位置情報304によって、掘削位置や掘削方向に関する情報等を得ることができるので、土木作業の精度を向上させることができる。例えば、アタッチメント118の掘削方向を計測することにより、掘削方向の異常を直ぐに検知することができる。なお、測位センサー284の施工位置情報304は、時系列に情報記録装置に記録し、再確認できるようにすることが好ましい。
【0066】
次に端末機286を図6をも参照しつつ説明する。
端末機286は、制御装置262からの出力を受信し、所定の情報を表示する機能を有する。したがって、端末機286は本実施例1に限定されず同様の機能を有する他の機器を採用することができる。本実施例1において端末機286は、スマートフォンであり、その表示装置288には、例えば、ケーシング回転速度センサー106Sからのケーシングチューブ回転数290、相対回転センサー258から出力された相対回転数情報298、深度センサー282から出力された掘削深さ情報302、測位センサー284から出力された西経や北緯の施工位置情報304、ジャイロセンサー130が測位した時点の年月日時刻情報306、測位センサー284が出力する単位がメートルの高度情報308を、施工計画位置と施工位置情報304との北緯および東経の差異である施工位置セット差情報326、深度センサー282をゼロにリセットした時点からの単位がメートルの深度情報であるゼロセット深度差情報328、ケーシングチューブ回転数290から相対回転数情報298を減算した単位が回転/分である補正回転数332、およびジャイロセンサー130からのX方向、Y方向、およびZ方向の加速度情報であるジャイロ加速度情報296からX方向、Y方向、およびZ方向の姿勢情報(座標)を演算した姿勢情報334を表示することが好ましい。しかしながら、これらの中の一または複数の情報を選択して表示することができる。管理者は、表示装置288に表示されたこれらの情報から異常等を判別し、適切な処理を行うことが出来る。
【0067】
次に本実施例1に係る土木作業装置100を用いて掘削作業を行う場合の動作を主に図7のフローチャートをも参照しつつ説明する。
土木作業装置100は、駆動装置122に固定された基板146に形成された孔158に索条120を引通し、吊り下げ体116の下端部のフック110に係止して吊り下げられる。吊り下げ体116を引き上げることにより、土木作業装置100は吊り下げ体116に垂下され、次いで、上端開口102uからケーシングチューブ102内へ挿入され、アタッチメント118の先端が掘削穴の底に着地するまで降下させられる。この状態において、駆動装置122の筐体軸線CLF、係合装置124の係合装置軸線CLB、及びアタッチメント118の軸線は実質的に一直線上に位置する。係合体184は、ケーシングチューブ102の直径DC(図2)よりも僅かに小さい円上に位置する。よって、筐体軸線CLF、係合装置軸線CLB及びアタッチメント118の軸線は、ケーシングチューブ軸線CLCとほぼ重なり合う。
【0068】
この状態において、まずステップS1において、ジャイロセンサー130の初期設定を行った後、ステップS2へ進む。すなわち、アタッチメント118による掘削直前の駆動装置122と係合装置124の位置関係を設定する。具体的には、ジャイロセンサー130におけるX方向、Y方向、およびZ方向の加速度がゼロリセットされる。また、相対回転センサー258および深度センサー282もゼロリセットされる。
次にステップS2において、油圧シリンダ172によって駆動軸226を引き上げ、係合装置124の係合体184の係合面196をケーシングチューブ102の内周面102iに圧接させた後、ステップS3へ進む。
【0069】
ステップS2におけるピストンロッド178の上方動によって、駆動軸226が引き上げられる。駆動軸226の上方動によって、係合体連動装置126を構成する係合基盤182が上方へ移動される。係合基盤182、したがって、第1支軸198が上方へ移動された場合、作動リンク190が第1支軸198の周りに回動され、第2支軸204、したがって、係合体184は係合装置軸線CLBから離れる方向へ押動される。これによって、係合体184はケーシングチューブ102の内周面102iに圧接される。この圧接力が所定の値になるまで、換言すれば、係合面196と内周面102iとの間の摩擦力が滑りを生じない摩擦力になるまで、駆動軸226は油圧シリンダ172のピストンロッド178によって引き上げられる。
【0070】
次にステップS3において、ケーシングチューブ102が、所定方向に、ケーシングチューブ軸線CLCの周りに回転され、ステップS4へ進む。ケーシングチューブ102が回転された場合、係合体184、したがって、係合基盤182、換言すれば、アタッチメント118がケーシングチューブ軸線CLC(係合装置軸線CLB)の周りに回転される。同様に、第2リンク軸216を介して、係合体支持装置206がケーシングチューブ軸線CLC(係合装置軸線CLB)周りに回転される。係合基盤182の係合装置軸線CLBの周りの回転によって、同方向の回転力が第2ベアリング218を介して、および支持体210、第2ベアリング218を介して駆動軸226に作用した場合、ピストンロッド178、油圧シリンダ172および取付機構174を介して、駆動装置筐体132は同方向に回転される。これによって、ジャイロセンサー130は所定方向、少なくともX方向の加速度を検出し、ジャイロ加速度情報296として出力する。
一方、相対回転センサー258は、駆動装置筐体132と係合体184との相対回転数情報298を出力する。すなわち、相対回転センサー258において、当該歯センサー278からの単位時間当たりの歯検出信号RSの数を計数することにより、駆動装置筐体132と係合体184との相対回転数情報298を出力する。本実施例1において、相対回転数情報298は、一分間当たりの回転数(RPM)によって表示装置288に表示される。
【0071】
次にステップS4において、ケーシング回転速度センサー106Sからのケーシング回転数情290を取得し、ステップS5へ進む。
【0072】
ステップS5において、相対回転センサー258からの相対回転数情報298を取得し、ステップS6へ進む。
【0073】
ステップS6において、ケーシング回転数情報290から相対回転数情報298を減算し、その差が所定値を超える場合、ステップS7へ進み、所定値を超えない場合、ステップS8へ進む。所定値は、回転数差の絶対値または回転数差の比率を採用することができる。
【0074】
ステップS7において、回転駆動装置136を回転駆動して駆動装置筐体132を係合体184に対し、回転数差が解消される方向に所定の速度で回転駆動し、ステップS8へ進む。回転駆動装置136の回転方向は、ジャイロセンサ130のジャイロ加速度情報296に基づいて、決定される。回転駆動装置136の回転速度差の解消方向への回転によって、ケーシング回転数情報290と相対回転数情報298の差が所定範囲内になる。
【0075】
ステップS8において、深度センサー282からの掘削深さ情報302が所定の深度になったか、または停止信号を受信したか判別し、所定の深度になった場合および停止信号を判別した場合ステップS9へ進み、所定の深度に満たない場合および停止信号を受信しない場合ステップS4へ戻る。なお、停止信号は、図示しない手動の停止釦を押動することにより出力される。
【0076】
ステップS9において、ケーシングチューブ102の回転を停止し、ステップS10へ進む。
掘削深さ情報302が所定の深度になった場合、アタッチメント118は所定量の土砂を掘削したということであり、土砂の排出を行うため、掘削を停止する必要がある。なお、土砂の掘削量が所定の量になったかは、アタッチメント118内に配置した掘削量センサーによって検知することができる。また、トラブル等が発生した場合、停止釦を手動で押動することによって停止信号が出力される。
【0077】
ステップS10において、油圧シリンダ172を作動させてピストンロッド178を下方へ移動させた後、ステップS11へ進む。これによって、係合基盤182、したがって、第1支軸198が下方へ移動され、作動リンク190が第1支軸198の周りを反時計方向へ回動されることから、第2支軸204、したがって係合体184は内周面102iから離れる。これによって、土木作業装置100をケーシングチューブ102内から引き上げることができる。
【0078】
ステップS11において、土木作業装置100をケーシングチューブ102内から引き上げて、土砂を排出することが出来る。
【0079】
なお、係合体連動装置126は、カムによって構成することができる。
【実施例0080】
次に本発明の実施例2を図9および図10を参照しつつ説明する。
本実施例2と実施例1の相違点は、駆動軸226を、駆動装置筐体132の底板144に取り付けた駆動体134によって支持体310を介して移動するようにした構成である。
説明の便宜上、実施例1と同一部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。
【0081】
実施例2における駆動軸226は、係止部312が形成されている。本実施例2において係止部312は、駆動軸226の上端部に形成された所定の幅を有するリング状の係止溝である。
【0082】
つぎに支持体310を説明する。
支持体310は、駆動体134の力を駆動軸226へ伝達する機能を有する。換言すれば、支持体310は、駆動体134と駆動軸226が取り付けられ、駆動体134によって移動され、駆動軸226を連動させる機能を有する。
本実施例2において、支持体310は駆動軸226のための駆動軸固定部314と駆動体134のための駆動体固定部316が構成されている。
【0083】
次に駆動軸固定部314を説明する。
本実施例2において支持体310は、第一支持体3101と第二支持体3102の一対の板状体によって構成されている。第一支持体3101と第二支持体3102の中央部には半円形の第一駆動軸凹部3181と第二駆動軸凹部3182が対向して形成され、これら第一駆動軸凹部3181と第二駆動軸凹部3182によって駆動軸226の係止部312を抱き締めして固定する。
【0084】
次に駆動体固定部316を説明する。
駆動体固定部316は、駆動体134を支持体310に取り付ける機能を有する。本実施例2において駆動体固定部316は、第一駆動体固定部3161と第二駆動体固定部3162によって構成されている。
第一駆動体固定部3161は、第一支持体3101に形成された第一一駆動軸凹部3221と第二支持体3102に形成された第二一駆動体凹部3241によって構成されている。
第二駆動体固定部3162は、第一支持体3101に形成された第一二駆動体凹部3222と第二支持体3102に形成された第二二駆動体凹部3242によって構成されている。
【0085】
次に実施例2における駆動体134を説明する。
駆動体134は駆動軸226の一側に配置された第一駆動体1341、他側に配置された第二駆動体1342によって構成されている。第一駆動体1341と第二駆動体1342は、本実施例2においては単動式油圧シリンダが用いられ、それらの下端部が駆動軸226を挟んだ対称位置に底板144にそれぞれ固定されている。
第一駆動体1341の第一ロッド3261の先端部は、第一一駆動体凹部3221と第一二駆動体凹部3241に受け入れられて、抱き締めされて固定されている。
第二駆動体1342の第二ロッド3262の先端部は、第二一駆動体凹部3222と第二二駆動体凹部3242に受け入れられて、抱き締めされて固定されている。なお、駆動体134は、複動式油圧シリンダを用い、また、3以上の油圧シリンダを用いることが出来る。
【0086】
この構成によって、第一駆動体1341の第一ロッド3261および第二駆動体1342の第二ロッド3262が突出された場合、換言すれば、第一ロッド3261および第二ロッド3262が図9において上方へ移動された場合、支持体310も上方へ移動されることから、駆動軸226も上方へ引き上げられる。第一ロッド3261および第二ロッド3262が下方へ移動する場合、駆動軸226も下方へ移動する。本実施例2において、駆動軸226の下方動は、係合装置124、アタッチメント118等の重量によって行われる。よって、係止体184は実施例1と同様に機能する。
実施例2において、駆動軸226を駆動装置筐体132の天板138に取り付ける必要がないので、ジャイロセンサー130を筐体軸線CLF上に容易に配置することができる利点がある。また、単動式油圧シリンダを用いることができることから、安価に構成することが出来る利点がある。
【0087】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
100 土木作業装置
102 ケーシングチューブ
102i 内周面
118 アタッチメント
122 駆動装置
124 係合装置
126 係合体連動装置
128 静止状態維持装置
132 駆動装置筐体
134 駆動体
136 回転駆動装置
184 係合体
218 第2ベアリング
226 駆動軸
228 第1ベアリング
256 被動体
258 相対回転センサー
262 制御装置
274 ピニオンギヤ
276 内歯歯車
278 歯センサー
282 深度センサー
支持体 310
駆動体固定部 316
CLC ケーシングチューブ軸線
CLB 係合装置軸線
CLF 筐体軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10