(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001524
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20241225BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101155
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大町 一輝
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザの興味推定を高精度に行うことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、受付部と、特定部と、推定部とを備える。受付部は、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける。特定部は、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する。推定部は、特定した関連行動に基づいて、配信情報に対するユーザの興味を推定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付部と、
第2のサービスにおいて前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する特定部と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから所定期間内に前記関連行動が行われた場合に、当該配信情報に対して興味があると推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから前記関連行動が行われるまでの期間に応じて、当該配信情報に対する興味の度合いを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから前記関連行動が行われるまでの期間が短い程、当該配信情報に対する興味の度合いが強いと推定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記配信情報に対して興味があると推定した場合、当該配信情報のコンバージョンとして計上する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1のサービスは、チャットボットを通じた対話サービスであり、
前記第2のサービスは、前記ユーザが行った行動に対する結果として所定の情報を提供するサービスである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記関連行動は、
前記第2のサービスにおける検索行動、または購買行動である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記関連ワードは、
前記配信情報に含まれるワードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記関連ワードは、
前記配信情報に含まれるワードから連想されるワードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付工程と、
第2のサービスにおいて前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する特定工程と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定工程と
を含む情報処理方法。
【請求項11】
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付手順と、
第2のサービスにおいて前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する特定手順と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに情報提供を行うための種々の技術が提供されている。例えば、ユーザが興味関心を持っているカテゴリを特定し、特定したカテゴリに関する広告を配信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユーザの興味推定を高精度に行う点で更なる改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの興味推定を高精度に行うことができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、特定部と、推定部とを備える。前記取得部は、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を取得する。前記特定部は、第2のサービスにおいて前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する。前記推定部は、特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザの興味推定を高精度に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する興味推定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する改善情報の生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
図1Aでは、ユーザの興味推定処理を説明し、
図1Bでは、配信情報の生成処理について説明する。なお、
図1Aおよび
図1Bでは、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。また、以下において、第1のサービスは、チャットボットを通じた対話サービスであるが、これに限らず、AI(Artificial Intelligence)からユーザへ情報を配信するサービスであれば任意のサービスであってよい。また、第2のサービスは、第1のサービスとは異なるサービスであり、例えば、検索サービスや、ショッピングサービス、オークションサービス等である。なお、第2のサービスは、ユーザが行った行動に対する結果として所定の情報を提供するサービスであれば任意のサービスであってよい。
【0011】
図1Aおよび
図1Bに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、依頼主端末50と、ユーザ端末100と、ログサーバ200とを含む。
【0012】
まず、
図1Aを用いて、ユーザの興味推定処理について説明する。
図1Aに示す情報処理システムSは、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報に関連する関連ワードに基づいて、第2のサービスにおいてユーザが行った関連ワードに関連する関連行動を特定し、特定した関連行動に基づいて、配信情報に対するユーザの興味を推定する。
【0013】
具体的には、まず、依頼主端末50は、依頼主の操作に応じて、ユーザへの配信情報の配信要求を受け付ける(ステップS1)。配信要求は、配信情報を含む。配信情報は、例えば、広告コンテンツである。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、受け付けた配信情報をユーザ端末100へ配信する(ステップS2)。
図1Aでは、第1のサービスである対話サービスにおいて、ユーザがユーザ端末100を介して、AAショップの公式アカウントに対して「セール情報教えて」と入力した場合に、チャットボットがその応答として配信情報を配信する。なお、配信情報は、ユーザの行動を起点として配信されるものに限らず、プッシュ通知によりチャットボットから自発的に配信されてもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、ログサーバ200からユーザのユーザ端末100における行動ログを取得する(ステップS3)。行動ログは、第2のサービスにおける行動の履歴であり、例えば、検索行動、購買行動等である。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、取得した行動ログに基づいて、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する(ステップS4)。関連ワードは、例えば、配信情報に含まれるワード(例えば、「究極パンツ」や「新素材パンツ」)や、配信情報に含まれるワードから連想されるワード(「AAショップ 新パンツ」等)等である。例えば、情報処理装置1は、第2のサービスである検索サービスにおいて、検索クエリに関連ワードを入力して検索を行った場合に、関連行動を行ったと特定する。また、情報処理装置1は、第2のサービスであるショッピングサービスにおいて、関連ワードに関する商品を検索、閲覧、購買した場合に、これらの行動を関連行動として特定する。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、関連行動に基づいて、配信情報に対する興味を推定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、配信情報を配信した時刻から(ユーザが閲覧した時刻から)所定期間以内に関連行動を行った場合に、配信情報に対して興味があると推定する。また、情報処理装置1は、配信情報を配信した時刻から(ユーザが閲覧した時刻から)関連行動を行うまでの期間が短い程、配信情報に対する興味の度合いが強いと推定する。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、配信情報に対して興味があると推定した場合に、かかる配信情報のコンバージョン(CV)として計上する(ステップS6)。また、情報処理装置1は、配信情報に対して興味があると推定した場合、当該ユーザを配信情報のリターゲティング対象としてもよい。例えば、情報処理装置1は、アーティストのアカウントにおいて配信されたツアー情報に基づいて、ツアー内容、会場などの情報を検索した場合、そのツアー内容に興味があると推定しリターゲティングの対象とする。また、情報処理装置1は、映画のオフィシャルアカウントにおいて配信された今回作の映画情報に基づいて、その映画に関する検索を行った場合にリターゲティングの対象として、次回作の際に配信を行う。
【0019】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、第1のサービスにおいて配信された配信情報に基づいて第2のサービスにおける関連行動を特定して興味することで、ユーザの興味推定を高精度に行うことができる。
【0020】
次に、
図1Bを用いて、配信情報の生成処理について説明する。
図1Bでは、
図1Aで行った興味推定処理の処理結果を用いて、配信情報の生成処理を行う。
【0021】
図1Bに示す情報処理システムSは、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報と、第2のサービスにおいて前記ユーザが配信情報に関連して行った行動に基づいて推定した配信情報に対するユーザの興味とをデータセットとしてモデルを学習し、配信元(依頼主)から受け付けた配信情報をモデルへ入力し、モデルから出力される改善案に基づいた改善情報を生成する。そして、情報処理システムSは、生成した改善情報に基づいて配信情報を生成(改善)する。
【0022】
具体的には、
図1Bに示すように、情報処理装置1は、配信が完了した配信情報と、当該配信情報の興味推定結果とによりモデルを学習する(ステップS1)。当該モデルは、
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報と、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連して行った行動(関連行動)に基づいて推定した配信情報に対するユーザの興味とをデータセットとして学習される。また、当該モデルは、LLM(Large Language Models)等の自然言語処理モデルであり、出力として、テキストや画像、音声等を出力可能である。
【0023】
つづいて、情報処理装置1は、依頼主端末50から新たに配信情報を受け付ける(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、配信要求に含まれる配信情報を受け付けてもよく、配信情報の改善依頼として配信情報を受け付けてもよい。
【0024】
つづいて、情報処理装置1は、受け付けた配信情報をモデルへ入力し、当該配信情報の改善案をモデルから出力する(ステップS3)。例えば、情報処理装置1は、配信情報に含まれるワードの文言や、文字形式(フォントやサイズ、位置等)の改善案をテキスト形式で出力する。また、情報処理装置1は、配信情報に含まれる画像の表示態様(色、大きさ等)の改善案をテキスト形式で出力する。
【0025】
つづいて、情報処理装置1は、改善案に基づいて改善情報を生成し(ステップS4)、依頼主端末50へ提供する(ステップS5)。改善情報は、例えば、改善案をテキスト形式により箇条書きした情報である。また、改善情報は、改善案を反映した配信情報であってもよい。
【0026】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、興味があると推定された配信情報をモデルに学習させることで、興味を持たれる可能性が高い配信情報の改善を提案することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザに興味を持たれやすい配信情報を配信することができる。
【0027】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数の依頼主端末50と、複数のユーザ端末100と、ログサーバ200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0028】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、複数の依頼主端末50および複数のユーザ端末100と連携し、複数の依頼主端末50および複数のユーザ端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0029】
また、情報処理装置1は、複数の依頼主端末50および複数のユーザ端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0030】
依頼主端末50は、配信を依頼する依頼主が所持する端末装置である。依頼主端末50は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。依頼主端末50は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0031】
ユーザ端末100は、配信情報の配信先であるユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0032】
ログサーバ200は、ユーザの各種ログデータを記憶するとともに、当該ログデータを情報処理装置1へ提供するサーバ装置である。ログサーバ200は、サーバ装置に限らず、クラウドシステム等によって実現されてもよい。
【0033】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0034】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、配信部32と、特定部33と、推定部34と、学習部35と、生成部36と、提供部37とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、モデル情報42とを記憶する。
【0035】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0036】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0037】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0038】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
【0039】
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「行動情報」、「獲得特典」、「寄付情報」等の項目を含む。
【0040】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報である。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「行動情報」は、ユーザの行動の履歴の情報であり、検索行動や、購買行動、訪問行動等の各種行動の履歴を含む。
【0041】
モデル情報42は、配信情報を入力とし、入力された配信情報の改善案を出力するモデルに関する情報である。
【0042】
図5は、モデル情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、モデル情報42は、「モデルID」、「モデル情報」等の項目を含む。
【0043】
「モデルID」は、モデルを識別する識別情報である。「モデル情報」は、モデルに関する情報であり、例えば、モデルの入力パラメータや、係数等を含む。モデルは、例えば、ユーザの属性毎に生成されてもよい。
【0044】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(受付部31、配信部32、特定部33、推定部34、学習部35、生成部36および提供部37)について説明する。
【0045】
受付部31は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部31は、依頼主端末50から配信情報の配信要求を受け付ける。配信要求は、配信情報を含む。配信情報は、例えば、広告コンテンツである。
【0046】
配信部32は、受付部31が受け付けた配信情報をユーザ端末100へ配信する。例えば、配信部32は、ユーザ端末100から第1のサービスである対話サービスにおいて、配信情報の要求を受け付けた場合に、その応答として配信情報を配信する。なお、配信情報は、ユーザの行動を起点として配信されるものに限らず、プッシュ通知により発的に配信されてもよい。
【0047】
特定部33は、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する。具体的には、特定部33は、ログサーバ200からユーザの行動ログを取得し、行動ログに基づいて関連行動を特定する。関連ワードは、例えば、配信情報に含まれるワードや、配信情報に含まれるワードから連想されるワード等である。例えば、特定部33は、第2のサービスである検索サービスにおいて、検索クエリに関連ワードを入力して検索を行った場合に、関連行動を行ったと特定する。また、特定部33は、第2のサービスであるショッピングサービスにおいて、関連ワードに関する商品を検索、閲覧、購買した場合に、これらの行動を関連行動として特定する。
【0048】
推定部34は、特定部33が特定した関連行動に基づいて、配信情報に対する興味を推定する。例えば、推定部34は、配信情報を配信した時刻から(ユーザが閲覧した時刻から)所定期間以内に関連行動を行った場合に、配信情報に対して興味があると推定する。また、推定部34は、配信情報を配信した時刻から(ユーザが閲覧した時刻から)関連行動を行うまでの期間が短い程、配信情報に対する興味の度合いが強いと推定する。推定部34は、配信情報に対して興味があると推定した場合に、かかる配信情報のコンバージョン(CV)として計上する。また、推定部34は、は、配信情報に対して興味があると推定した場合、当該ユーザを配信情報のリターゲティング対象としてもよい。
【0049】
学習部35は、配信が完了した配信情報と、当該配信情報の推定部34による興味推定結果とによりモデルを学習する。当該モデルは、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報と、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連して行った行動(関連行動)に基づいて推定した配信情報に対するユーザの興味とをデータセットとして学習される。また、当該モデルは、LLM(Large Language Models)等の自然言語処理モデルであり、出力として、テキストや画像、音声等を出力可能である。
【0050】
生成部36は、配信元から受け付けた配信情報をモデルへ入力し、モデルから出力される改善案に基づいた改善情報を生成する。生成部36は、依頼主端末50から新たに受け付けた配信情報をモデルへ入力し、当該配信情報の改善案をモデルから出力する(ステップS3)。例えば、生成部36は、配信情報に含まれるワードの文言や、文字形式(フォントやサイズ、位置等)の改善案をテキスト形式で出力する。また、生成部36は、配信情報に含まれる画像の表示態様(色、大きさ等)の改善案をテキスト形式で出力する。生成部36は、モデルから出力された改善案に基づいて改善情報を生成する。改善情報は、例えば、改善案をテキスト形式により箇条書きした情報である。また、改善情報は、改善案を反映した配信情報であってもよい。
【0051】
提供部37は、生成部36によって生成された改善情報を依頼主端末50へ提供する。これにより、依頼主は、ユーザが興味を持つ可能性が高い配信情報に改善を行うことができる。また、提供部37は、改善情報に基づいて配信情報を改善してユーザ端末100へ配信したり、改善した配信情報を依頼主端末50へ提供したりしてもよい。
【0052】
次に、
図6および
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する興味推定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する改善情報の生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
図6に示すように、制御部3は、まず、依頼主端末50から受け付けた配信情報をユーザ端末100へ配信する(ステップS101)。なお、制御部3は、改善情報に基づいて改善した配信情報を配信してもよい。
【0054】
つづいて、制御部3は、配信情報を配信した後の、ユーザの行動ログをログサーバ200から取得する(ステップS102)。
【0055】
つづいて、制御部3は、取得した行動ログに基づいて、配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する(ステップS103)。
【0056】
つづいて、制御部3は、特定した関連行動に基づいて、配信情報に対するユーザの興味を推定する(ステップS104)。
【0057】
つづいて、制御部3は、配信情報に対してユーザが興味ありと判定した場合に、配信情報に対するコンバージョンを計上し(ステップS105)、処理を終了する。
【0058】
次に、
図7に示すように、制御部3は、ユーザに配信した配信情報と、
図6におけるステップ104における興味推定結果とに基づいてモデルを学習する(ステップS201)。かかるモデルは、配信情報を入力とし、配信情報の改善案を出力とするモデルである。
【0059】
つづいて、制御部3は、依頼主端末50から新たに配信情報を受け付ける(ステップS202)。
【0060】
つづいて、制御部3は、受け付けた配信情報をモデルに入力し、モデルから配信情報の改善案を出力する(ステップS203)。
【0061】
つづいて、制御部3は、モデルから出力された改善案に基づいて改善情報を生成する(ステップS204)。
【0062】
つづいて、制御部3は、生成した改善情報を依頼主端末50へ提供し(ステップS205)、処理を終了する。なお、制御部3は、改善情報に基づいて配信情報を改善してユーザへ配信してもよい。
【0063】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0064】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0065】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0066】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0067】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0068】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0069】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0070】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0071】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0072】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0073】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、受付部31と、特定部33と、推定部34とを備える。受付部31は、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける。特定部33は、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連する関連ワードに基づいて行った関連行動を特定する。推定部34は、特定した関連行動に基づいて、配信情報に対するユーザの興味を推定する。このような構成により、ユーザの興味推定を高精度に行うことができる。
【0074】
また、実施形態に係る情報処理装置1は、学習部35と、生成部36とを備える。学習部35は、第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報と、第2のサービスにおいてユーザが配信情報に関連して行った行動に基づいて推定した配信情報に対するユーザの興味とをデータセットとして学習したモデルであって、配信情報を入力とし、ユーザが興味を抱く配信情報への改善案を出力とするモデルを学習する。生成部36は、配信元から受け付けた配信情報をモデルへ入力し、モデルから出力される改善案に基づいた改善情報を生成する。これにより、興味を持たれる可能性が高い配信情報の改善を提案することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザに興味を持たれやすい配信情報を配信することができる。
【0075】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0076】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0077】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0078】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0079】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 配信部
33 特定部
34 推定部
35 学習部
36 生成部
37 提供部
41 ユーザ情報
42 モデル情報
50 依頼主端末
100 ユーザ端末
200 ログサーバ
S 情報処理システム
【手続補正書】
【提出日】2024-09-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付部と、
第2のサービスにおいてユーザ起点で行われる関連行動であって、前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードを入力した関連行動を特定する特定部と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから所定期間内に前記関連行動が行われた場合に、当該配信情報に対して興味があると推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから前記関連行動が行われるまでの期間に応じて、当該配信情報に対する興味の度合いを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記ユーザへ前記配信情報が配信されてから前記関連行動が行われるまでの期間が短い程、当該配信情報に対する興味の度合いが強いと推定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記配信情報に対して興味があると推定した場合、当該配信情報のコンバージョンとして計上する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1のサービスは、チャットボットを通じた対話サービスであり、
前記第2のサービスは、前記ユーザが行った行動に対する結果として所定の情報を提供するサービスである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記関連行動は、
前記第2のサービスにおける検索行動、または購買行動である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記関連ワードは、
前記配信情報に含まれるワードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記関連ワードは、
前記配信情報に含まれるワードから連想されるワードである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付工程と、
第2のサービスにおいてユーザ起点で行われる関連行動であって、前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードを入力した関連行動を特定する特定工程と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定工程と
を含む情報処理方法。
【請求項11】
第1のサービスにおいてユーザへ配信した配信情報を受け付ける受付手順と、
第2のサービスにおいてユーザ起点で行われる関連行動であって、前記ユーザが前記配信情報に関連する関連ワードを入力した関連行動を特定する特定手順と、
特定した前記関連行動に基づいて、前記配信情報に対する前記ユーザの興味を推定する推定手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。