IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セントラル硝子プロダクツ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図1A
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図1B
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図2A
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図2B
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図3
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図4
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図5
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図6A
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図6B
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図7
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図8
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図9
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図10
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図11
  • 特開-車両用ガラスの評価用画像の撮影方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015252
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】車両用ガラスの評価用画像の撮影方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/958 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
G01N21/958
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118546
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】523220503
【氏名又は名称】セントラル硝子プロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小掠 孝
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA85
2G051AB05
2G051AB10
2G051CA04
2G051CA07
2G051CC07
2G051DA06
2G051ED01
(57)【要約】
【課題】ガラスに近接して配置されたカメラで車両用ガラスを透過する光を撮影し、車両用ガラスの特性を評価する。
【解決手段】車両用ガラスの評価用画像を撮影する方法であって、前記車両用ガラスは、車両に取り付けられる際に車載センサが車内から車外を観測するための窓領域と、前記窓領域を囲む光を透過しない遮蔽部とを有し、所定の模様が描かれたターゲットを撮影する撮像装置の光軸上に前記窓領域が位置するように、前記車両用ガラスを配置する第1手順と、前記撮像装置が、前記撮像装置の光軸が前記窓領域の中央領域を通過する向きで前記ターゲットを垂直に撮影する第2手順と、前記撮像装置が、前記窓領域と前記遮蔽部の境界を含むように前記ターゲットを撮影する第3手順とを含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ガラスの評価用画像を撮影する方法であって、
前記車両用ガラスは、車両に設置される際に車載センサが車内から車外を観測するための窓領域と、前記窓領域を囲む光を透過しない遮蔽部とを有し、
所定の模様が描かれたターゲットを撮影する撮像装置の光軸上に前記窓領域が位置するように、前記車両用ガラスを配置する第1手順と、
前記撮像装置が、前記車載センサが設置された場合の前記車載センサのレンズの主点の位置及び前記撮像装置の光軸が前記窓領域の中央領域を通過し、前記ターゲットを垂直方向から撮影する第2手順と、
前記撮像装置が、前記主点の位置及び前記窓領域を通過する別方向から前記ターゲットを撮影する第3手順とを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記第3手順における前記別方向は、水平面における右方向及び左方向の少なくとも一つであることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記第3手順における前記別方向は、垂直面における上方向及び下方向の少なくとも一つであることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の方法であって、
前記第3手順において、前記撮像装置が、
前記右方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の左側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、
前記左方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の右側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、
前記上方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の下側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、
前記下方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の上側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影することを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第2手順と前記第3手順の実行順序は、前記第2手順の後に前記第3手順を行う、又は、前記第3手順の後に前記第2手順を行う、のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1手順では、前記ターゲットは、前記車載センサの光軸と垂直に配置され、
前記ターゲットは、前記車載センサの光軸と交わる点を含む領域において、描かれる模様を構成する評価用パターンのピッチが0.1mm以下であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記撮像装置の画角は、前記車載センサの画角より小さいことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記車両用ガラスが分割された各領域において、前記第2手順及び前記第3手順で前記ターゲットを撮影することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の開示は、車両用ガラスの透視歪みを測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遠方に設置されたカメラで車両用ガラスを透過する光によって、車両用ガラスの特性を評価していた。昨今、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システム(AD)が導入され、車両用ガラスの窓領域から車外を監視する車載センサが車両用ガラスに近接して設けられる。
【0003】
特許文献1には、所定基線長を隔てて配設された2台のカメラを有するステレオカメラと、前記ステレオカメラの前方に配置されて、前記各カメラの対応する格子点にセンタマーカを配設した格子チャートと、前記ステレオカメラと前記格子チャートとの間に介在自在な保護フードと、前記格子チャートを前記各カメラで撮像し、該格子チャートの各格子点の座標を求める特性検出部と、前記特性検出部で求めた前記各格子点の座標とそれに対応する理想座標との差から幾何歪補正データを格子点毎に記憶する幾何テーブルを、前記保護フードが介在されていない状態と、前記保護フードを異なる種類毎に介在させた状態とでそれぞれ作成する幾何テーブル作成部と、前記幾何テーブル作成部で作成した前記幾何テーブルを記憶するデータ記憶部と、前記データ記憶部に記憶されている複数の前記幾何テーブルを組み合わせ、該各幾何テーブルに記憶されている前記幾何歪補正データにて前記ステレオカメラと前記各保護フードとの幾何学的歪を除去し或いは異なる保護フードの幾何学的歪を再現するキャリブレーション演算部とを備えることを特徴とする幾何歪除去再現装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、車両用のウィンドシールドガラスの検査方法であって、車両内部の所定の位置に搭載されることになる車載用撮像装置の目標認識率を設定し、前記目標認識率に関連付けられたコントラスト比閾値を設定し、ウィンドシールドガラスと、前記車載用撮像装置と同一の性能を有する撮像装置と、の相対位置関係が、車両完成時におけるウィンドシールドガラスと前記車載用撮像装置との相対位置関係に一致するように前記ウィンドシールドガラス及び前記撮像装置を配置し、前記撮像装置から所定の距離だけ離間した位置に配置された黒白チャートを前記ウィンドシールドガラスを介して前記撮像装置を用いて撮像し、前記黒白チャートは、黒輝度の基準値を演算可能な基準黒領域と、白輝度の基準値を演算可能な基準白領域と、互いに同一の幅を有するとともに幅方向に隣接している黒領域と白領域との組が、各組が前記幅方向に隣接するように少なくとも1組以上配列された領域である縞模様領域と、を含み、前記撮像装置により撮像された撮像画像に含まれる前記黒白チャートの前記縞模様領域の前記黒領域と前記白領域とを横断するように延びている仮想線分上における前記縞模様領域の最大輝度と最小輝度との差分を前記基準黒領域の輝度と前記基準白領域の輝度との間で規格化した値であるコントラスト比を演算し、前記演算されたコントラスト比が前記コントラスト閾値より大きいというコントラスト比条件が成立している場合、前記ウィンドシールドガラスを良品であると判定する、車両用のウィンドシールドガラスの検査方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-62198号公報
【特許文献2】特開2022-15847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車両用ガラスの特性の測定は、ガラス全体を平行光で測定していることにより、車載センサと異なる特性を測定している。また、車載センサは測定用カメラより広角なので、センサと同位置にカメラを置くと、センサが撮影する広角の全領域の測定が困難である。仮に、画角が広いレンズを用いて窓領域全体を撮影した画像は、窓領域の中心部ではレンズの歪の影響が小さいものの、窓領域の端部ではレンズの歪の影響が大きくなる。このようにレンズの歪みが大きい画像では、車両用ガラスの特性の正確な評価が困難である。特に、ADAS/AD用のカメラは高画角化及び高精細化が想定され、高解像度のカメラで撮影された高精細な画像に基づいて正確に車両を制御するためのガラスの品質を保証する必要がある。
【0007】
このため、ガラスに近接して配置されたカメラで車両用ガラスを透過する光を撮影し、車両用ガラスの特性を評価することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の開示(1)は、車両用ガラスの評価用画像を撮影する方法であって、前記車両用ガラスは、車両に設置される際に車載センサが車内から車外を観測するための窓領域と、前記窓領域を囲む光を透過しない遮蔽部とを有し、所定の模様が描かれたターゲットを撮影する撮像装置の光軸上に前記窓領域が位置するように、前記車両用ガラスを配置する第1手順と、前記撮像装置が、前記車載センサが設置された場合の前記車載センサのレンズの主点の位置及び前記撮像装置の光軸が前記窓領域の中央領域を通過し、前記ターゲットを垂直方向から撮影する第2手順と、前記撮像装置が、前記主点の位置及び前記窓領域を通過する別方向から前記ターゲットを撮影する第3手順とを含む方法である。
【0009】
本明細書の開示(2)は、開示(1)に記載の方法であって、前記第3手順における前記別方向は、水平面における右方向及び左方向の少なくとも一つであることを特徴とする方法である。
【0010】
本明細書の開示(3)は、開示(1)に記載の方法であって、前記第3手順における前記別方向は、垂直面における上方向及び下方向の少なくとも一つであることを特徴とする方法である。
【0011】
本明細書の開示(4)は、開示(2)又は(3)に記載の方法であって、前記第3手順において、前記撮像装置が、前記右方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の左側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、前記左方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の右側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、前記上方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の下側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影し、前記下方向から前記ターゲットを撮影する場合、前記窓領域と前記遮蔽部の上側境界から内側に30mmの範囲を含むように前記ターゲットを撮影することを特徴とする方法である。
【0012】
本明細書の開示(5)は、開示(1)に記載の方法であって、前記第2手順と前記第3手順の実行順序は、前記第2手順の後に前記第3手順を行う、又は、前記第3手順の後に前記第2手順を行う、のいずれかであることを特徴とする方法である。
【0013】
本明細書の開示(6)は、開示(1)に記載の方法であって、記第1手順では、前記ターゲットは、前記車載センサの光軸と垂直に配置され、前記ターゲットは、前記車載センサの光軸と交わる点を含む領域において、描かれる模様を構成する評価用パターンのピッチが0.1mm以下であることを特徴とする方法である。
【0014】
本明細書の開示(7)は、開示(1)に記載の方法であって、前記撮像装置の画角は、前記車載センサの画角より小さいことを特徴とする方法である。
【0015】
本明細書の開示(8)は、開示(1)に記載の方法であって、前記車両用ガラスが分割された各領域において、前記第2手順及び前記第3手順で前記ターゲットを撮影することを特徴とする方法である。
【発明の効果】
【0016】
本開示の一態様によれば、車載センサが広い画角のレンズで撮影しても、ガラスの窓領域の品質を正確に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】実施形態1のガラスの透視歪み測定方法を示す平面図である。
図1B】実施形態1のガラスの透視歪み測定方法を示す側面図である。
図2A】実施形態1のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
図2B】実施形態1のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
図3】実施形態1のターゲットの例を示す図である。
図4】実施形態1のターゲットの例を示す図である。
図5】実施形態1のガラス透視歪み測定システムの構成を示す図である。
図6A】実施形態2のガラスの透視歪み測定方法を示す平面図である。
図6B】実施形態2のガラスの透視歪み測定方法を示す側面図である。
図7】実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
図8】実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
図9】実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す平面図である。
図10】実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す側面図である。
図11】実施形態3の撮影領域の撮影方向の具体例を示す図である。
図12】実施形態3の撮影領域の撮影方向の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本実施形態のガラス透視歪み測定方法は、所定の模様が描かれたターゲット3を撮影する撮像装置22の光軸上にガラス1の窓領域1Aが位置するように、ガラス1を配置する第1手順と、撮像装置22が、撮像装置の光軸が窓領域1Aの中央領域を通過する向きで、車載センサ5が設置された場合の光軸の位置からターゲット3を垂直に撮影する第2手順と、撮像装置21、23が、窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界を含むように、水平面において斜め方向からターゲット3を撮影する第3手順とを含む。撮影された画像は、後述するガラス透視歪み測定システム100で画像処理され、窓領域1Aの透視歪み(例えば、ぼけ、歪、透視二重像)が評価される。
【0019】
図1A図1B図2A及び図2Bは、実施形態1のガラスの透視歪み測定方法を示す図であり、図1Aは上方から見た平面図であり、図1Bは側方から見た側面図であり、図2A及び図2Bは、ガラス1の上側中央部の窓領域1Aの周辺を車内側から見た図である。
【0020】
本実施形態で測定対象となるガラス1は、図2Aに示すように、上側中央部に光を透過する窓領域1Aが設けられ、光を透過しない遮蔽部1Bが窓領域1Aを囲むように設けられる。窓領域1Aは、ガラス1が車両に取り付けられた際に、外部の情報を取得する情報取得用の窓になり、窓領域1Aの車内側には車外を監視する車載センサ5が取り付けられる。ガラス1の透視歪みの測定時に、車載センサ5はガラス1に取り付けられていないが、実車において車載センサ5が取り付けられる仮想位置を、図1Aに破線で示す。遮蔽部1Bは、低融点ガラスの粉末と顔料とをペースト状にした絶縁性のセラミックペーストを、ガラス1の上に印刷した後に焼き付けることによって形成される有色(通常は黒色)の層である。
【0021】
窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界から30mmより内側は、窓領域1Aの中央領域と称され、第2手順において、撮像装置22が、その光軸が窓領域1Aの中央領域及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を通過するようにターゲット3を垂直方向から撮影する。レンズの主点は、レンズの光軸上において光学的に焦点距離を定義する基準となる点である。なお、撮像装置22が、その光軸が窓領域1Aの中央領域及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの中心点を通過するようにターゲット3を垂直方向から撮影してもよい。
【0022】
また、窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界から内側に30mmの範囲は、ガラスの歪みが大きく、窓領域1Aの側部領域と称され、第3手順において、窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界から内側に30mmの範囲を含むようにターゲット3を斜め方向から撮影する。ガラスの種類や製造方法によって、中央領域と側部領域の境界は、窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界から30mmではなく、20mmや10mmとしてもよい。ガラス1は、窓領域1Aと遮蔽部1Bの境界に近いほど、車載センサ5の位置からの光路のガラス1への入射角が大きく、ガラスの通過長が長くなるので歪みが大きくなることから、許容できる歪みの量によって、中央領域と側部領域の境界を変えることが望ましい。
【0023】
実施形態1において、ガラス1の第1の面側には、異なる方向から窓領域1Aを撮影する複数の撮像装置21、22、23、24、25が設けられる。また、ガラス1の第1の面側と反対の第2の面側には、撮像装置21、22、23、24、25がガラス1を透過して撮影するターゲット3が設けられる。図1Bに示すように、ガラス1は、撮像装置21、22、23、24、25とターゲット3との間に車両装着時と略同じ傾きで配置される。ガラス1と撮像装置22との距離は数メートルであり、ガラス1とターゲット3との距離も数メートルである。
【0024】
望ましくは、撮像装置22は、水平面において、その光軸22Aがガラス1に垂直に窓領域1Aの中央部を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を透してターゲット3を撮影する。すなわち、撮像装置22の光軸22Aと車載センサ5の光軸は同じである。また、撮像装置21は、その光軸21Aが水平面において右方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の右方向から窓領域1Aの左側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該左側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの左側領域を透してターゲット3を撮影する。また、撮像装置23は、その光軸23Aが水平面において左方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の左方向から窓領域1Aの右側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該右側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの右側領域を透してターゲット3を撮影する。また、撮像装置24は、その光軸24Aが垂直面において下方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の下方向から窓領域1Aの上側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該上側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの上側領域を透してターゲット3を撮影する。また、撮像装置25は、その光軸25Aが垂直面において上方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の上方向から窓領域1Aの下側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該下側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの下側領域を透してターゲット3を撮影する。
【0025】
また、各撮像装置21、22、23、24、25の光軸21A、22A、23A、24A、25Aは車載センサ5のレンズの主点5Aの位置において交わるように、各撮像装置21、22、23、24、25が配置される。
【0026】
撮像装置21と、撮像装置22と、撮像装置23と、撮像装置24と、撮像装置25とは、各撮像装置の光軸が一つの水平面上に位置するように配置され、水平方向の位置の違いによる透視歪みを測定する。例えば、自動車用の前面窓ガラス(ウィンドシールド)では上下方向より左右方向の透視歪みの低減が必要なことから、水平面上の左右方向に撮像装置21、22、23、24、25を配置する。上下方向の透視歪みの低減が必要な場合には、垂直面上の上下方向に撮像装置21、22、23、24、25を配置するとよい。
【0027】
撮像装置21、22、23、24、25の各々の画角は、車載センサ5の画角より小さいとよく、少なくとも撮像装置22の画角は、車載センサ5の画角より小さい。撮像装置の画角を車載センサ5の画角より小さくすることによって、光学歪みが少ないレンズを使用して、ガラスの透視歪みを正確に測定できる。
【0028】
遮蔽部1Bが窓領域1Aを囲むように設けられるガラス1を図示したが、窓領域1Aの周囲に遮蔽部1Bが設けられていないガラスにも本発明を適用できる。この場合、窓領域1Aの明示的な境界が存在しないので、撮像装置21、23、24、25は、その光軸21A、23A、24A、25Aが窓領域1Aの実用上の境界付近を通過する位置及び角度に配置される。
【0029】
図2Bに示すように、ガラス1は5個の領域で透視歪みを撮影する。遮蔽部1Bと接する各領域では、当該領域に含まれる側部側の境界から内側に30mmの範囲を含むように斜め方向からターゲット3を撮影する。
【0030】
以上に説明した撮像装置21、22、23、24、25によるターゲット3の撮影は、中央部でガラス1の代表的な特性を観測するため、撮像装置22による撮影は行われるべきであるが、測定が必要な領域に応じて他の撮像装置21、23、24、25によるターゲット3の撮影が行われればよい。また、撮像装置22による中央領域のターゲット3の撮影は行わず、測定が必要な領域に応じて撮像装置21、23、24、25による側部領域を通じたターゲット3の撮影を行って、ガラス1の周縁部の特性を観測してもよい。
【0031】
以上に説明した撮像装置21、22、23、24、25によるターゲット3の撮影の順序は、撮像装置22による撮影の後に撮像装置21、23、24、25による撮影を行っても、撮像装置21、23、24、25による撮影の後に撮像装置22による撮影を行ってもよい。また、撮像装置21、22、23、24、25による撮影を同時に行ってもよい。
【0032】
なお、本明細書の説明において、左右は撮像装置22側から見た方向としている。
【0033】
図1A図1Bにおいて、撮像装置21、22、23、24、25は固定的に設置され、ガラス1を配置する第1手順において、ガラス1はコンベア上で移動するとよい。また、先端にガラス1を吸着可能なチャックを設けたアームによってガラス1を撮影位置に運んでもよい。
【0034】
図1は、固定的に設置される複数の撮像装置21、22、23、24、25を図示したが、移動装置(例えばアーム)に取り付けられた1台の撮像装置22が図示した5箇所を移動して撮影する形態でもよい。すなわち、複数のカメラで略同一のタイミングでターゲットを撮影しても、一つのカメラを移動して異なる位置から画像を撮影してもよい。
【0035】
図3図4は、実施形態1のターゲット3の例を示す図である。
【0036】
ターゲット3は、所定の幾何学的模様が描かれている。例えば、図3に示すターゲット3は、斜め方向に延伸する白黒の縞模様で構成される。また、図4に示すターゲット3は、白黒の格子模様で構成される。ターゲット3の縞模様及び格子模様は、高いコントラストが得られる色彩であれば、白黒でなくてもよい。
【0037】
ターゲット3は、撮像装置22の光軸(すなわち、車載センサ5の光軸)と交わる点において、描かれる模様を構成する評価用パターンのピッチが0.1mm以下であるとよい。
【0038】
図5は、本実施形態のガラス透視歪み測定システム100の構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施形態のガラス透視歪み測定システム100は、プロセッサ(CPU)101、メモリ102、補助記憶装置103及び通信インターフェース104を有する計算機によって構成される。ガラス透視歪み測定システム100は、入力インターフェース105及び出力インターフェース108を有してもよい。
【0040】
プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラムを実行する演算装置である。プロセッサ101が各種プログラムを実行することによって、ガラス透視歪み測定システム100の機能が実現される。なお、プロセッサ101がプログラムを実行して行う処理の一部を、他の演算装置(例えば、ASIC、FPGA等のハードウェア)で実行してもよい。
【0041】
メモリ102は、不揮発性の記憶素子であるROM及び揮発性の記憶素子であるRAMを含む。ROMは、不変のプログラム(例えば、BIOS)などを格納する。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のような高速かつ揮発性の記憶素子であり、プロセッサ101が実行するプログラム及びプログラムの実行時に使用されるデータを一時的に格納する。
【0042】
補助記憶装置103は、例えば、磁気記憶装置(HDD)、フラッシュメモリ(SSD)等の大容量かつ不揮発性の記憶装置である。また、補助記憶装置103は、プロセッサ101がプログラムの実行時に使用するデータ、及びプロセッサ101が実行するプログラムを格納する。すなわち、プログラムは、補助記憶装置103から読み出されて、メモリ102にロードされて、プロセッサ101によって実行されることによって、ガラス透視歪み測定システム100の各機能を実現する。
【0043】
通信インターフェース104は、所定のプロトコルに従って、他の装置との通信を制御するネットワークインターフェース装置である。
【0044】
入力インターフェース105は、撮像装置21、22、23、24、25が接続され、画像の入力を受けるインターフェースである。また、入力インターフェース105は、キーボード106やマウス107などの入力装置が接続され、オペレータからの入力を受けるインターフェースである。出力インターフェース108は、ディスプレイ装置109やプリンタ(図示省略)などの出力装置が接続され、プログラムの実行結果をユーザが視認可能な形式で出力するインターフェースである。なお、ガラス透視歪み測定システム100にネットワークを介して接続されたユーザ端末が入力装置及び出力装置を提供してもよい。この場合、ガラス透視歪み測定システム100がウェブサーバの機能を有し、ユーザ端末がガラス透視歪み測定システム100に所定のプロトコル(例えばhttp)でアクセスしてもよい。
【0045】
プロセッサ101が実行するプログラムは、リムーバブルメディア(CD-ROM、フラッシュメモリなど)又はネットワークを介してガラス透視歪み測定システム100に提供され、非一時的記憶媒体である不揮発性の補助記憶装置103に格納される。このため、ガラス透視歪み測定システム100は、リムーバブルメディアからデータを読み込むインターフェースを有するとよい。
【0046】
ガラス透視歪み測定システム100は、物理的に一つの計算機上で、又は、論理的又は物理的に構成された複数の計算機上で構成される計算機システムであり、複数の物理的計算機資源上に構築された仮想計算機上で動作してもよい。
【0047】
ガラス透視歪み測定システム100は、例えば、ターゲット3の評価用パターンを撮影したデータから、ガラス1を透過したターゲット3の評価用パターンの理論データを減じて、ガラス1の製造に起因する影響を評価する。評価項目は、例えば、ぼけ、歪、透視二重像である。
【0048】
以上に説明したように、本発明の実施形態1によると、評価対象である車両用ガラスに対する撮像装置の光軸の角度を変えて複数回撮影するので、狭い画角の撮像装置で撮影しても、レンズの歪の影響を小さくし、ガラスの品質を正確に評価できる。
【0049】
<実施形態2>
前述した実施形態1は、撮像装置21、22、23、24、25が一つのターゲット3を撮影する。このため、ターゲット3が平面なので、撮像装置21、23、24、25はターゲット3を斜めから撮影する。実施形態2では、撮像装置21、22、23、24、25毎にターゲット31、32、33、34、35を設け、各撮像装置21、22、23、24、25がターゲット31、32、33、34、35を垂直方向から撮影する。なお、実施形態2において、主に実施形態1との相違点を説明し、実施形態1と同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0050】
図6A及び図6Bは、実施形態2のガラスの透視歪み測定方法を示す図であり、図6Aは上方から見た平面図であり、図6Bは側方から見た側面図である。
【0051】
実施形態2において、ガラス1の第1の面側には、異なる方向から窓領域1Aを撮影する複数の撮像装置21、22、23、24、25が設けられる。また、ガラス1の第1の面側と反対の第2の面側には、撮像装置21がガラス1を透過して撮影するターゲット31と、撮像装置22がガラス1を透過して撮影するターゲット32と、撮像装置23がガラス1を透過して撮影するターゲット33と、撮像装置24がガラス1を透過して撮影するターゲット34と、撮像装置25がガラス1を透過して撮影するターゲット35とが設けられる。
【0052】
望ましくは、撮像装置22は、水平面において、その光軸22Aがガラス1に垂直に窓領域1Aの中央部及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を撮影する。また、撮像装置21は、その光軸21Aが水平面において右方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の右方向から窓領域1Aの左側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該左側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの左側領域を透してターゲット31を撮影する。また、撮像装置23は、その光軸23Aが水平面において左方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の左方向から窓領域1Aの右側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該右側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの右側領域を透してターゲット33を撮影する。また、撮像装置24は、その光軸24Aが垂直面において下方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の下方向から窓領域1Aの上側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該上側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの上側領域を透してターゲット34を撮影する。また、撮像装置25は、その光軸25Aが垂直面において上方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の上方向から窓領域1Aの下側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該下側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの下側領域を透してターゲット35を撮影する。
【0053】
図6A図6Bは、固定的に設置される複数の撮像装置21、22、23、24、25を図示したが、移動装置(例えばアーム)に取り付けられた1台の撮像装置22が図示した5箇所を移動して撮影する形態でもよい。
【0054】
以上に説明したように、本発明の実施形態2によると、撮像装置21、23、24、25の光軸21A、23A、24A、25Aがターゲット31、33、34、35に垂直になるので、幾何的な歪み排除してターゲット31、33、34、35を撮影でき、正確に評価できる。
【0055】
<実施形態3>
前述した実施形態1、2では、複数の撮像装置で窓領域1Aの両側部を含む全体を撮影したが、実施形態3では、窓領域1Aを複数の撮影領域に分割し、分割された各撮影領域を撮像装置で撮影する。なお、実施形態3において、主に実施形態2との相違点を説明し、実施形態1、2と同じ構成には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
図7図8は、実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
【0057】
実施形態3では、窓領域1Aを複数の領域に分割する。分割された撮影領域は、窓領域1Aの上下左右の側部に配置され、窓領域1Aの中央部には配置されない。
【0058】
実施形態3において、ガラス1の第1の面側には、異なる方向から窓領域1Aを撮影する複数の撮像装置21、22が設けられる。また、ガラス1の第1の面側と反対の第2の面側には、撮像装置21がガラス1を透過して撮影するターゲット31が設けられ、撮像装置22がガラス1を透過して撮影するターゲット32が設けられる。実施形態3において、実施形態1のように、複数の撮像装置21、22が一つのターゲット3を撮影してもよい。
【0059】
望ましくは、撮像装置22は、水平面において、その光軸22Aがガラス1に垂直に窓領域1Aの中央部及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を撮影する。また、撮像装置21は、その光軸21Aが水平面において右方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の右方向から窓領域1Aの左側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該左側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの左側領域を透して、窓領域1Aと遮蔽部1Bの左側境界を含むようにターゲット31を撮影する。さらに、撮像装置23は、その光軸23Aが水平面において左方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の左方向から窓領域1Aの右側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該右側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの右側領域を透して、窓領域1Aと遮蔽部1Bの右側境界を含むようにターゲット31を撮影する。また、撮像装置24は、その光軸24Aが垂直面において下方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の下方向から窓領域1Aの上側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該上側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの上側領域を透してターゲット34を撮影する。また、撮像装置25は、その光軸25Aが垂直面において上方向から浅い角度でガラス1に入射し、ガラス1の上方向から窓領域1Aの下側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該下側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの下側領域を透してターゲット35を撮影する。
【0060】
図8において、撮像装置21、22、23、24、25は固定的に設置され、ガラス1を配置する第1手順において、ガラス1はステージに載置されてコンベア上で移動するとよい。コンベア上での移動によってガラス1の水平方向の撮影位置を変更できる。ステージは高さを変更可能であって、ステージの高さ変更によって、ガラス1の上下方向の撮影位置を変更できる。また、先端にガラス1を吸着可能なチャックを設けたアームによってガラス1を撮影位置に運んでもよい。
【0061】
図8は、固定的に設置される複数の撮像装置21、22、23、24、25を図示したが、移動装置(例えばアーム)に取り付けられた1台の撮像装置22が図示した3箇所を移動して撮影する形態でもよい。
【0062】
図9図10は、実施形態3のガラスの透視歪み測定方法を示す図である。
【0063】
窓領域1Aを分割した各撮影領域は、窓領域1Aの上辺側、下辺側、右辺側、左辺側のいずれか一つ又は二つの側に設けられる。このため、各撮影領域の撮影方向は垂直方向の他、一つ又は二つの辺が存在する側の反対側から撮影する。
【0064】
例えば、図9に示すように、撮像装置22は、その光軸22Aがガラス1に水平面において垂直に窓領域1Aの中央部及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を垂直に撮影する。また、撮像装置21は、その光軸21Aが水平面において右方向から浅い角度でガラス1に入射し、当該領域の右方向から窓領域1Aの左側部(窓領域1Aの内側から窓領域1Aの外側)に遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該左側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの左側領域を透して、窓領域1Aと遮蔽部1Bの左側境界を含むようにターゲット31を撮影する。
【0065】
また、図10に示すように、撮像装置22は、その光軸22Aがガラス1に水平面において垂直に窓領域1Aの中央部及び車載センサ5が取り付けられる仮想位置の車載センサ5のレンズの主点5Aの位置を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を垂直に撮影する。また、撮像装置24は、その光軸24Aが水平面において下方向から浅い角度でガラス1に入射し、当該領域の下方向から窓領域1Aの上側部(窓領域1Aの内側から窓領域1Aの外側)に遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、当該左側境界から内側に30mmの範囲を含むように窓領域1Aの上側領域を透して、窓領域1Aと遮蔽部1Bの上側境界を含むようにターゲット34を撮影する。
【0066】
図11図12は、実施形態3の撮影領域の撮影方向の具体例を示す図である。
【0067】
例えば、図11に示す撮影領域は、窓領域1Aの上辺及び左辺の側に設けられるので、撮像装置22は、その光軸22Aがガラス1に垂直に窓領域1Aの中央部を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を撮影する。また、撮像装置21は、その光軸21Aがガラス1に右方向から浅い角度で入射し、ガラス1の右方向から窓領域1Aの左側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの左側領域を透してターゲット31を撮影する。さらに、撮像装置24は、その光軸24Aがガラス1に下方向から浅い角度で入射し、ガラス1の下方向から窓領域1Aの上側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの上側領域を透してターゲット34を撮影する。
【0068】
さらに、例えば、図12に示す撮影領域は、窓領域1Aの上辺側に設けられるので、撮像装置22は、その光軸22Aがガラス1に垂直に窓領域1Aの中央部を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの中央部を透してターゲット32を撮影する。また、撮像装置24は、その光軸24Aがガラス1に下方向から浅い角度で入射し、ガラス1の下方向から窓領域1Aの上側部の遮蔽部1Bとの境界付近を通過する位置及び角度に配置され、窓領域1Aの上側領域を透してターゲット34を撮影する。
【0069】
以上に説明したように、本発明の実施形態3によると、撮像装置の光軸がガラスに入射する角度が小さくなり(ガラス面となす角が大きくなり)、画角が広いレンズで撮影しても、レンズの歪の影響を小さくし、ガラスの品質をより正確に評価できる。
【0070】
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。
【符号の説明】
【0071】
1 ガラス
1A 遮蔽部
1B 窓領域
21、22、23、24、25 撮像装置
21A、22A、23A、24A、25A 撮像装置の光軸
3、31、32、33、34、35 ターゲット
5 車載センサ
100 ガラス透視歪み測定システム
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12