(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015270
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】地絡検出回路及び地絡検出方法
(51)【国際特許分類】
H02H 3/34 20060101AFI20250123BHJP
G01R 31/52 20200101ALI20250123BHJP
【FI】
H02H3/34 M
G01R31/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118580
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 藤一郎
(72)【発明者】
【氏名】山内 芳准
(72)【発明者】
【氏名】森田 晃
(72)【発明者】
【氏名】栗原 晋
(72)【発明者】
【氏名】谷 敏明
(72)【発明者】
【氏名】橋本 貴
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA04
2G014AB33
(57)【要約】
【課題】交流系統に変流器及び整流回路を介してコンデンサが接続されている場合に地絡を検出すること。
【解決手段】交流系統の相毎に設けられる検出回路と、前記検出回路によって前記交流系統の地絡を判定する判定回路と、を備え、前記検出回路は、それぞれ、前記交流系統の一相の線路に流れる電流を変流する変流器と、前記変流器により変流された電流が入力されるダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの第1出力端に電気的に接続される出力抵抗と、を有し、前記ダイオードブリッジのそれぞれの第2出力端は、コンデンサを介して前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗に電気的に接続されており、前記判定回路は、前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗により生ずる出力電圧の実効値を算出し、前記実効値の互いの差を用いて前記交流系統の地絡を判定する、地絡検出回路。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流系統の相毎に設けられる検出回路と、
前記検出回路によって前記交流系統の地絡を判定する判定回路と、を備え、
前記検出回路は、それぞれ、
前記交流系統の一相の線路に流れる電流を変流する変流器と、前記変流器により変流された電流が入力されるダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの第1出力端に電気的に接続される出力抵抗と、を有し、
前記ダイオードブリッジのそれぞれの第2出力端は、コンデンサを介して前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗に電気的に接続されており、
前記判定回路は、前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗により生ずる出力電圧の実効値を算出し、前記実効値の互いの差を用いて前記交流系統の地絡を判定する、地絡検出回路。
【請求項2】
前記判定回路は、前記実効値の互いの差のうちのいずれかが、零を含む所定範囲から外れている場合、前記交流系統の地絡と判定する、請求項1に記載の地絡検出回路。
【請求項3】
前記判定回路は、前記実効値の互いの差の全てが、零を含む所定範囲にある場合、前記交流系統の地絡なしと判定する、請求項1又は2に記載の地絡検出回路。
【請求項4】
交流系統の相毎に設けられる検出回路によって前記交流系統の地絡を判定する地絡検出方法であって、
前記検出回路は、それぞれ、
前記交流系統の一相の線路に流れる電流を変流する変流器と、前記変流器により変流された電流が入力されるダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの第1出力端に電気的に接続される出力抵抗と、を有し、
前記ダイオードブリッジのそれぞれの第2出力端は、コンデンサを介して前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗に電気的に接続されており、
前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗により生ずる出力電圧の実効値を算出し、前記実効値の互いの差を用いて前記交流系統の地絡を判定する、地絡検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、地絡検出回路及び地絡検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三相交流系統の地絡を検出する場合、各相の線路に流れる電流または電圧の瞬時値をそれぞれ検出して全相を合成(加算)し、その合成結果である零相成分が、ゼロであれば地絡なしと判定し、ある値を示せば地絡発生と判定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、交流系統に変流器及び整流回路を介して接続されたコンデンサを制御回路用またはトリップコイル用の制御電源に利用する回路遮断器が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1-316673号公報
【特許文献2】特開2002-027656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、交流系統に変流器及び整流回路を介してコンデンサが接続されている場合、各相の線路に流れる電流の瞬時値の検出信号を全て合成すると、その合成波形は地絡の有無にかかわらず、所定の値を持つ。そのため、従来の技術では、地絡を検出することが難しい。
【0006】
本開示は、交流系統に変流器及び整流回路を介してコンデンサが接続されている場合に地絡を検出可能な地絡検出回路及び地絡検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様は、
交流系統の相毎に設けられる検出回路と、
前記検出回路によって前記交流系統の地絡を判定する判定回路と、を備え、
前記検出回路は、それぞれ、
前記交流系統の一相の線路に流れる電流を変流する変流器と、前記変流器により変流された電流が入力されるダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの第1出力端に電気的に接続される出力抵抗と、を有し、
前記ダイオードブリッジのそれぞれの第2出力端は、コンデンサを介して前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗に電気的に接続されており、
前記判定回路は、前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗により生ずる出力電圧の実効値を算出し、前記実効値の互いの差を用いて前記交流系統の地絡を判定する、地絡検出回路である。
【0008】
第2態様は、第1態様の地絡検出回路であって、
前記判定回路は、前記実効値の互いの差のうちのいずれかが、零を含む所定範囲から外れている場合、前記交流系統の地絡と判定する。
【0009】
第3態様は、第1又は第2態様の地絡検出回路であって、
前記判定回路は、前記実効値の互いの差の全てが、零を含む所定範囲にある場合、前記交流系統の地絡なしと判定する。
【0010】
第4態様は、
交流系統の相毎に設けられる検出回路によって前記交流系統の地絡を判定する地絡検出方法であって、
前記検出回路は、それぞれ、
前記交流系統の一相の線路に流れる電流を変流する変流器と、前記変流器により変流された電流が入力されるダイオードブリッジと、前記ダイオードブリッジの第1出力端に電気的に接続される出力抵抗と、を有し、
前記ダイオードブリッジのそれぞれの第2出力端は、コンデンサを介して前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗に電気的に接続されており、
前記検出回路のそれぞれの前記出力抵抗により生ずる出力電圧の実効値を算出し、前記実効値の互いの差を用いて前記交流系統の地絡を判定する、地絡検出方法である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、交流系統に変流器及び整流回路を介してコンデンサが接続されている場合に地絡を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態の地絡検出回路の一構成例を示す図である。
【
図2】交流系統に地絡が発生していない場合の各相検出信号の合成波形の一例を示す図である。
【
図3】交流系統に地絡が発生している場合の各相検出信号の合成波形の一例を示す図である。
【
図4】判定回路の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】R相が地絡した場合において、各相の実効値を例示する図である。
【
図6】R相が地絡した場合において、各相の実効値の差を例示する図である。
【
図7】R相とS相が地絡した場合において、各相の実効値を例示する図である。
【
図8】R相とS相が地絡した場合において、各相の実効値の差を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態について説明する。
【0014】
図1は、一実施形態の地絡検出回路の一構成例を示す図である。地絡検出回路101は、例えば、交流系統10の各相(R相,S相,T相)の線路11,12,13を遮断する回路遮断器に搭載される。
図1に示す地絡検出回路101は、三相3線式の交流系統10の複数相の線路11,12,13のうち、対応する線路に対して設けられる複数の検出回路21,22,23を備える。線路11,12,13に流れる交流電流は、位相が120°毎にずれている。
【0015】
R相の検出回路21は、R相の線路11に流れる電流を検出し、その検出結果を判定回路60に出力する。検出回路21は、変流器14、抵抗17、ダイオードブリッジ113及び出力抵抗110を有する。
【0016】
変流器14は、交流系統10のR相の線路11に流れる電流を変流する。変流器14の一次側は、線路11に接続されている。変流器14の二次側の一端と他端との間には、限流用の抵抗17とダイオードブリッジ113とが直列に接続されている。
【0017】
ダイオードブリッジ113は、変流器14により変流された電流が入力される。ダイオードブリッジ113は、第1入力端35、第2入力端36、第1出力端37、第2出力端38及び複数のダイオード31,32,33,34を有する全波整流回路である。ダイオード31は、第1出力端37に接続されるアノードと、第1入力端35に接続されるカソードとを有する。ダイオード32は、第1出力端37に接続されるアノードと、第2入力端36に接続されるカソードとを有する。ダイオード33は、第1入力端35に接続されるアノードと、第2出力端38に接続されるカソードとを有する。ダイオード34は、第2入力端36に接続されるアノードと、第2出力端38に接続されるカソードとを有する。
【0018】
第1出力端37は、出力抵抗110の一端に電気的に接続され、出力抵抗110を介して接地される。第2出力端38は、コンデンサ116の一端に電気的に接続され、コンデンサ116を介して接地される。第2出力端38は、コンデンサ116を介して、出力抵抗111の他端に電気的に接続される。
【0019】
S相の検出回路22及びT相の検出回路23は、R相の検出回路21と同じ構成を有する。すなわち、S相の検出回路22は、変流器15、抵抗18、ダイオードブリッジ114及び出力抵抗111を有し、T相の検出回路23は、変流器16、抵抗19、ダイオードブリッジ115及び出力抵抗112を有する。
【0020】
検出回路21,22,23の各々の第2出力端38は、互いに接続され、コンデンサ116を介して接地される。コンデンサ116は、地絡検出回路101を搭載する回路遮断器の制御電源として利用される。
【0021】
検出回路21,22,23では、線路11,12,13を流れる交流電流は変流器14,15,16によりそれぞれ変流され、その変流された電流は抵抗17,18,19を介してダイオードブリッジ113,114,115により全波整流される。全波整流された電流は、コンデンサ116から接地を介して出力抵抗110,111,112に流れる。そのため、出力抵抗110,111,112により検出される直流分の検出信号を全て合成すると、その合成波形は、地絡の有無にかかわらず、所定の値を持つことになる。
【0022】
例えば、
図2は、全ての線路11,12,13に地絡がない場合の各相検出信号の合成波形の一例を示す。これに対し、
図3は、線路11,12,13の何れかに地絡(地絡電流50[A])が発生した場合の各相検出信号の合成波形の一例を示す。
図2及び
図3から明らかなように、
図1に示す回路では、地絡の有無にかかわらず、各相の検出信号の合成波形が所定の値を持つ。そのため、従来の検出方法(合成波形が、ゼロであれば地絡なしと判定し、ある値を示せば地絡発生と判定する方法)では、地絡を検出することが難しい。
【0023】
そこで、本実施形態の地絡検出回路101は、複数の検出回路21,22,23による検出結果に基づいて、交流系統10の地絡を、従来とは異なる地絡検出方法で判定する判定回路60を備える。判定回路60は、R,S,Tの各相の出力抵抗110,111,112により生ずる出力電圧の波形から各出力電圧の実効値を算出し、その算出した実効値の互いの差を用いて、交流系統10の地絡を判定する。
【0024】
判定回路60は、例えば、メモリとプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit))を有し、判定回路60の各機能は、メモリに記憶されたプログラムによって、プロセッサが動作することにより実現される。判定回路60の各機能は、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されてもよい。
【0025】
図4は、判定回路の一例を示す機能ブロック図である。出力電圧V1は、R相の変流器14により変流された電流がダイオードブリッジ113により全波整流されることによって出力抵抗110から出力される信号であり、出力抵抗110に生ずる電圧降下量に対応するR相検出信号を表す。出力電圧V2は、S相の変流器15により変流された電流がダイオードブリッジ114により全波整流されることによって出力抵抗111から出力される信号であり、出力抵抗111に生ずる電圧降下量に対応するS相検出信号を表す。出力電圧V3は、T相の変流器16により変流された電流がダイオードブリッジ115により全波整流されることによって出力抵抗112から出力される信号であり、出力抵抗112に生ずる電圧降下量に対応するT相検出信号を表す。
【0026】
判定回路60は、アナログの出力電圧V1,V2,V3の各々をデジタルの出力電圧値に変換する。判定回路60は、各相のデジタルの出力電圧値を用いて、出力電圧V1,V2,V3の各々の実効値を算出する。判定回路60は、R相の実効値とS相の実効値との差ΔRS、S相の実効値とT相の実効値との差ΔST、及びR相の実効値とT相の実効値との差ΔRTを演算する。
【0027】
判定回路60は、差ΔRS,ΔST,ΔRTの全てが、零を含む所定範囲(以下、所定範囲Xともいう)にある場合、交流系統10に地絡なしと判定する。一方、判定回路60は、差ΔRS,ΔST,ΔRTのうちのいずれかが、所定範囲Xから外れている場合、交流系統10に地絡ありと判定する。判定回路60は、交流系統10に地絡ありと判定した場合、例えば、交流系統10の各相の線路11,12,13を遮断する。これにより、地絡による線路の断線等の故障を防止できる。
【0028】
図5は、R相が地絡した場合において、各相の出力電圧V1,V2,V3の実効値を例示する図である。
図6は、R相が地絡した場合において、各相の出力電圧V1,V2,V3の実効値の差ΔRS,ΔST,ΔRTを例示する図である。
図5及び
図6を参照して、三相のうちの一相のみの線路に地絡が発生した場合において、交流系統10の地絡を検出する方法の第1例について以下説明する。
【0029】
図5において、判定回路60は、R,S,Tの各相の出力抵抗110,111,112の出力電圧V1,V2,V3の波形から出力電圧V1,V2,V3の実効値を算出する。R相の一相のみが地絡しているので、R相の出力電圧V1の実効値は、S相の出力電圧V2の実効値及びT相の出力電圧V3の実効値よりも低い。
【0030】
図6において、R相の電流が250[A]の場合は、各相の線路11,12,13のいずれにも地絡がない状態を示し、R相の電流が250[A]以外の場合は、R相の線路11のみが地絡した状態を示す。R相の電流が250[A]の場合は、各相の実効値の差ΔRS,ΔST,ΔRTは、全て0[V]となっている。そのため、判定回路60は、差ΔRS,ΔST,ΔRTの全てが、零を含む所定範囲Xにある場合、交流系統10に地絡なしと判定できる。
【0031】
一方、R相の線路11に地絡が発生し、R相の電流が250[A]以外の値の状態では、地絡のないS相と地絡のないT相の実効値の差ΔSTは、常に、ほぼ零となっている。しかし、地絡のあるR相と地絡のないS相の実効値の差ΔRS、及び、地絡のあるR相と地絡のないT相の実効値の差ΔRTは、零以外の値になっている。そのため、判定回路60は、差ΔRS,ΔST,ΔRTのうちのいずれかが、零を含む所定範囲Xから外れている場合、交流系統10に地絡ありと判定できる。
【0032】
なお、一相の地絡は、R相の地絡だけでなく、S相又はT相の地絡についても同様の方法で検出可能である。
【0033】
また、所定範囲Xの上限閾値及び下限閾値は、変流器14,15,16の製造誤差などによって決められるとよい。
【0034】
図7は、R相とS相が地絡した場合において、各相の出力電圧V1,V2,V3の実効値を例示する図である。
図8は、R相とS相が地絡した場合において、各相の出力電圧V1,V2,V3の実効値の差ΔRS,ΔST,ΔRTを例示する図である。
図7及び
図8を参照して、三相のうちの二相の線路に地絡が発生した場合において、交流系統10の地絡を検出する方法の第2例について以下説明する。
【0035】
図7において、判定回路60は、R,S,Tの各相の出力抵抗110,111,112の出力電圧V1,V2,V3の波形から出力電圧V1,V2,V3の実効値を算出する。
図7は、R相の線路11に100[A]の地絡電流が流れ、かつ、S相の線路12に125[A]の地絡電流が流れている状態を示す。R相とS相の二相が地絡しているので、R相の出力電圧V1の実効値及びS相の出力電圧V2の実効値は、T相の出力電圧V3の実効値よりも低い。地絡電流はR相に比べてS相の方が大きいので、S相の出力電圧V2の実効値は、R相の出力電圧V1の実効値よりも低い。
【0036】
図8は、S相の線路12に125[A]の地絡電流が流れている状態において、R相に流れる地絡電流の変化と各相の差ΔRS,ΔST,ΔRTとの関係を示している。R相の線路11に流れる地絡電流がいずれかの値であっても、差ΔRS,ΔST,ΔRTのうちのいずれかが、零以外の値になっている。そのため、判定回路60は、差ΔRS,ΔST,ΔRTのうちのいずれかが、零を含む所定範囲Xから外れている場合、交流系統10に地絡ありと判定できる。
【0037】
なお、二相の地絡は、R相及びS相の地絡だけでなく、R相及びT相の地絡又はS相及びT相の地絡についても同様の方法で検出可能である。
【0038】
このように、本実施形態の地絡検出回路101は、交流系統10の相毎に設けられる検出回路(具体的には、交流系統10に変流器14,15,16及びダイオードブリッジ113,114,115を介してコンデンサ116が接続された検出回路21,22,23)を備える。そして、地絡検出回路101は、検出回路21,22,23のそれぞれの出力抵抗110,111,112により生ずる出力電圧の実効値を算出し、当該実効値の互いの差を用いて交流系統10の地絡を判定する判定回路60を備える。したがって、本実施形態の地絡検出回路又は地絡検出方法によれば、交流系統に変流器及び整流回路を介してコンデンサが接続されている場合において、地絡を検出することができる。例えば、判定回路60は、当該実効値の互いの差のうちのいずれかが、零を含む所定範囲から外れている場合、交流系統10の地絡と判定し、当該実効値の互いの差の全てが、零を含む所定範囲にある場合、交流系統10の地絡なしと判定する。
【0039】
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更などを行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0040】
例えば、検出回路21,22,23のそれぞれの出力抵抗110,111,112により生ずる出力電圧の実効値を算出し、当該実効値の互いの差を用いて交流系統10の地絡を判定する判定回路60は、回路遮断器と有線又は無線で接続される外部装置に備えられてもよい。あるいは、出力抵抗110,111,112により生ずる出力電圧の実効値を算出する算出部は、回路遮断器に搭載され、当該実効値の互いの差を用いて交流系統10の地絡を判定する判定部は、回路遮断器と有線又は無線で接続される外部装置に備えられてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 交流系統
11,12,13 線路
14,15,16 変流器
17,18,19 抵抗
21,22,23 検出回路
31,32,33,34 ダイオード
35 第1入力端
36 第2入力端
37 第1出力端
38 第2出力端
60 判定回路
101 地絡検出回路
110,111,112 出力抵抗
113,114,115 ダイオードブリッジ
116 コンデンサ