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特開2025-153011多面摩擦タイプとインテリジェントマルチモードチューニングマスダンパー制振構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153011
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】多面摩擦タイプとインテリジェントマルチモードチューニングマスダンパー制振構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/02 20060101AFI20251002BHJP
   F16F 15/02 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
E04H9/02 321B
E04H9/02 341E
F16F15/02 E
F16F15/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055262
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】524122495
【氏名又は名称】シン-ジアン ワン
(71)【出願人】
【識別番号】524122509
【氏名又は名称】ルン-ケン サイ
(71)【出願人】
【識別番号】524122510
【氏名又は名称】キング-ドン ジョング
(71)【出願人】
【識別番号】524122521
【氏名又は名称】ジャウ-リエ ワン
(71)【出願人】
【識別番号】524122532
【氏名又は名称】クァン-ミン ロウ
(71)【出願人】
【識別番号】524122543
【氏名又は名称】ミン-タン チャン
(71)【出願人】
【識別番号】524122554
【氏名又は名称】チン-チュー チュアン
(71)【出願人】
【識別番号】524122565
【氏名又は名称】チュ-チン シェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】キング-ドン ジョング
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AA05
2E139AB00
2E139AC01
2E139AC24
2E139BA19
2E139BB02
2E139BB09
2E139BB40
2E139BB42
2E139BB49
2E139BB53
2E139BD03
2E139BD22
2E139BD36
3J048AC01
3J048AD07
3J048BE12
3J048BF06
3J048CB22
3J048DA07
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】多面摩擦タイプとインテリジェントマルチモードチューニングマスダンパー制振構造を提供する。
【解決手段】本発明は壁板フレームの制振構造である。制振構造は建築構造内に用いられ、建築構造は少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造を備えている。壁板フレームの制振構造は、外枠と、内枠と、金属バーと、複数のスチールケーブルと、を含む。外枠は少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造で構成されている空間に内設されている。内枠は外枠の内側に設置されている。金属バーは外枠と内枠との間に設置されている。複数のスチールケーブルは金属バーを少なくとも1つの垂直構造または少なくとも1つの水平構造に連結するために用いられている。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造を備えている建築構造内に用いられている壁板フレーム(wall-plate frame)の制振構造であって、
少なくとも1つの前記垂直構造及び少なくとも1つの前記水平構造で構成されている空間に内設されている外枠と、
内枠であって、前記外枠の内側に設置され、或いは複数の前記内枠が前記外枠の内側に同時に存在する内枠と、
前記外枠と前記内枠との間に設置され、或いは複数の前記内枠の間に設置されている金属バーと、
前記金属バーを少なくとも1つの前記垂直構造または少なくとも1つの前記水平構造に連結するための複数のスチールケーブルと、を備えていることを特徴とする壁板フレームの制振構造。
【請求項2】
前記外枠と前記内枠または複数の内枠との間はステンレス層を介して前記金属バーに接触することを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項3】
前記金属バーの断面は矩形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項4】
前記金属バーの断面は円形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項5】
前記金属バーの断面は釣鐘形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項6】
前記金属バーの断面はクレヨンの先端形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項7】
前記金属バーのうちの一面と前記外枠または前記内枠との接触面積は、他面との接触面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項8】
前記金属バーと前記外枠及び前記内枠との間の接触面の形状は、相互に適合することを特徴とする請求項3乃至7に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項9】
複数の前記スチールケーブルは前記金属バーの断面の中心箇所に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項10】
複数の前記スチールケーブルの間は相互に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項11】
前記内枠は矩形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項12】
前記内枠は三角形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項13】
前記内枠は台形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項14】
前記内枠は非直交の四辺形構造を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項15】
内枠はドアフレーム形状を呈し、且つ前記ドアフレーム型の部分の部材は、少なくとも1つの前記水平構造または少なくとも1つの前記垂直構造に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項16】
前記外枠と前記内枠との間、または前記内枠と他の内枠との間には複数の金属バーを更に有し、複数の前記スチールケーブルが複数の前記金属バーの間に更に連結されていることを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項に記載の壁板フレームの制振構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁板フレーム(wall-plate frame)の制振構造に関し、詳しくは、地震エネルギーにより面内で摩擦力を発生させ、面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力により地震または風による振動幅をそれぞれ減少させる制振構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震多発地帯や海に囲まれた海洋国家では、大なり小なり地震や様々なレベルの風災による被害を避けられない。地震や風災による災害を減らすため、建築物の耐震能力や耐風性を高めることが非常に重要な課題であった。先行技術には、制振構造を有するものがある。図1を参照し、図1は従来の制振構造の一例を概略的に示す。
【0003】
先行技術において、建築構造91の内部には複数の制振構造92を有している。制振構造92は油圧ダンパーでもよく、階層と階層の梁柱の間に設置される。地震が発生した場合、制振構造92の油圧シリンダーの液体が速度により流動すると、圧縮効果が発生し、抵抗力により揺れの作用力を抑制する。よって、部分的な振動エネルギーを消散させることができ、建築構造91の振動幅を減少させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、先行技術による油圧ダンパーの製造コストは頗る高く、装設時には可能性のある振動方向も考慮せねばならず、建築構造91のデザインを特殊な設計にすることもできなかった。
【0005】
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、新規な壁板フレームの制振構造を採用することによって、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明は、地震エネルギーにより面内で摩擦力を発生させ、面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力により地震または風による振動幅をそれぞれ減少させる効果を有する壁板フレームの制振構造を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様である壁板フレームの制振構造は、建築構造内に用いられ、建築構造は少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造を備えている。壁板フレームの制振構造は、外枠と、内枠と、金属バーと、複数のスチールケーブルと、を含む。外枠は少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造で構成されている空間に内設されている。内枠は外枠の内側に設置されている。金属バーは外枠と内枠との間に設置されている。複数のスチールケーブルは金属バーを少なくとも1つの垂直構造または少なくとも1つの水平構造に連結するために用いられている。このようにすることで、建築構造が地震の振動を受けた場合、金属バーが外枠または内枠に接触して面内で摩擦力を発生させ、且つ金属バーが揺動することで面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で金属バーが揺動し、重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力により地震または風による振動幅をそれぞれ減少させる。機能の必要性に応じて複数の水平内枠または複数の垂直内枠、或いは、傾斜角度を含む複数の内枠を配置し、枠間にある複数の金属バー及び複数のスチールケーブル等で構成されている壁板フレームの制振構造を組み合わせる。前述の機能性増加部材は地震発生時に面内で大きな摩擦面を発生させ、面外で金属バーの振動が増加することで更に大きな逆慣性力が発生する。また、機能性の増加により金属バーが風力で揺さぶられる際に面外で大きな重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力により建築構造の地震または風による振動をそれぞれ大幅に低減する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来の制振構造の一例を概略的に示す。
図2A】本発明の第1実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す概略構成図である。
図2B】本発明の第1実施例に係る壁板フレームの制振構造が建築構造に適用される概略図である。
図3A】本発明の第1実施例に係る制振構造を示す断面図である。
図3B】本発明の第2実施例に係る制振構造を示す断面図である。
図3C】本発明の第3実施例に係る制振構造を示す断面図である。
図3D】本発明の第4実施例に係る制振構造を示す断面図である。
図4】本発明の第5実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
図5】本発明の第6実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
図6】本発明の第7実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
図7】本発明の第8実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
図8】本発明の第9実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
図9】本発明の第10実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0010】
図2Aは本発明の第1実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す概略構成図である。図2Bは本発明の第1実施例に係る壁板フレームの制振構造が建築構造に適用される概略図である。
【0011】
本発明の第1実施例では、壁板フレームの制振構造10aは建築構造1の立面フレーム内に用いられ、前記建築構造1は少なくとも1つの垂直構造2及び少なくとも1つの水平構造3を備えている。垂直構造2は柱または壁面であり、水平構造3は梁または床板である。前記制振構造は、外枠21と、内枠22aと、金属バー31aと、複数のスチールケーブル32と、を含む。外枠21及び内枠22aは共に少なくとも1つの前記垂直構造2及び少なくとも1つの前記水平構造3で構成されている空間に内設され、例えば、壁面または床板に設置されている。内枠22aは前記外枠21の内側に設置され、且つ外枠21と同様に全て矩形を呈しているが、本発明はこれに限られない。単一の金属バー31aが前記外枠21と前記内枠22aとの間に設置され、金属バー31aは前記外枠21及び前記内枠22aに軽微に接触するか、数mmの間隔を保持する。複数のスチールケーブル32は前記金属バー31aを少なくとも1つの前記垂直構造2または少なくとも1つの前記水平構造3に定着させる。本発明は金属バー31aに連結されるスチールケーブル32の数量を限定しない。水平に設置されるスチールケーブル32は両側の垂直構造2に連結され、垂直に設置されるスチールケーブル32は上下の水平構造3に連結されている。スチールケーブル32は金属バー31aに連結され、且つ複数のスチールケーブル32の間は相互に接触しない。
【0012】
図2Bの建築構造1の内部は垂直構造2及び水平構造3により複数の階層及び複数の区画に区分されるが、本発明はその数量を制限しない。よって、建築構造1は複数の壁板フレームの制振構造10aを有し、複数の壁板フレームの制振構造10aは階層と階層の梁柱または壁や床板との間にそれぞれ設置されている。地震が発生した場合、壁板フレームの制振構造10aは構造の面内(In-plane)で圧力を受けて変形し、外枠21または内枠22aと接触して摩擦力が発生する。また、前記建築構造1が振動した後、面外(Out-of-plane)で金属バー31aの揺動により逆慣性力が発生する。風害を受けた場合、面外(Out-of-plane)で金属バー31aの揺動により重力で正しく揺さぶり戻す回復力が発生し、これらの3つの力が地震エネルギーの減勢または風力の減衰効果をそれぞれ達成させる。摩擦力及び慣性力の2種類の力は立体の建築構造1の間で独立して発生し、共同で抵抗することで地震で振動する際の作用力を抑制する。風害を受けて面外(Out-of-plane)で揺れることで発生する重力で正しく揺さぶり戻す回復力は、立体の建築構造1に単独で提供され、風で揺れる際の作用力を低減させる。こうすることで、壁板フレームの制振構造10aが多面摩擦タイプダンパーとインテリジェントマルチモードチューニングマスダンパーの組み合わせに相当し、部分的な地震エネルギーを消散させる。また、風力の抵抗について、本装置はインテリジェントマルチモードチューニングマスにより重力で正しく揺さぶり戻す回復力を単独で提供し、風の揺れの作用力を減少させ、これら3つの力が建築構造1の地震や風による振動幅をそれぞれ低減させる。
【0013】
図3Aは本発明の第1実施例に係る制振構造を示す断面図である。図3Aは地震や風の制振機能に適用する。
【0014】
本発明の第1実施例では、複数の前記金属バー31aの断面は矩形を呈し、スチールケーブル32は金属バー31aの断面の中心箇所に連結されている。前記外枠21及び前記内枠22aはステンレス層23を介して複数の前記金属バー31aに接触する。このようにすることで、前記建築構造1が振動した際に、金属バー31aは外枠21または内枠22aと接触し、面内で摩擦力が発生し、または金属バー31aの揺動により面外で逆慣性力が発生する。また、風の揺れにより金属バー31aが揺動することで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力が発生する。制振構造10aは面内摩擦タイプ及び面外チューニングマスダンパーに相当し、発生した多面タイプの摩擦力とマルチモードの逆慣性力が共に前記建築構造1の地震の振動幅を減少させる。また、風が揺らすことで面外で発生する重力で正しく揺さぶり戻す回復力も、前記建築構造1の風の揺動程度を抑制すると共に低下させる。
【0015】
図3Bは本発明の第2実施例に係る制振構造を示す断面図である。図3Bは地震や風の制振機能に適用する。
【0016】
本発明の第2実施例では、制振構造10bの複数の前記金属バー31bの断面が円形を呈する場合、金属バー31bが外枠21または前記内枠22aに接触して面内で摩擦力が発生し、面外で金属バー31bが揺動することで逆慣性力が発生し、さらに風で揺れることで面外で金属バー31bが揺動し、重力で正しく揺さぶり戻す回復力が発生し、これら3つの力が地震力や風力に対する制振機能をそれぞれ達成させる。
【0017】
異なる建築構造1のデザインには、異なる設計の制振構造10が必要になる。図3Cは本発明の第3実施例に係る制振構造を示す断面図である。図3Dは本発明の第4実施例に係る制振構造を示す断面図である。図3C及び図3Dは地震の制振及びトルク抵抗作用に適用されている。
【0018】
本発明の第3、4実施例では、制振構造10cの金属バー31cまたは制振構造10d の金属バー31dの断面は矩形や円形ではなく、特殊な設計となっている。金属バー31cの断面は釣鐘型に類似し、金属バー31dの断面は五角形に類似し、そのうちの一面と前記外枠21または前記内枠22aとの接触面積は、他面の接触面積より大きく、且つ複数の前記金属バー31c、31dと前記外枠21及び前記内枠22aとの間の接触面の形状は相互に適合している。または、他の実施例では、金属バーの断面はクレヨンの先端形状に類似していてもよい。金属バー31cについて、金属バー31cと内枠22aとの接触面積が、前記外枠21との接触面積よりも明らかに大きいため、内枠22aとの間に発生する摩擦力が傾斜面に接触する方向の力となり、前記傾斜摩擦力と接触角度が存在する軸方向の分力が共同で上下の階層に伝達されるトルクに抵抗し、この制振装置により上下の階層に伝達されるトルクを減少するエネルギー減勢作用を有し、上下の階層が品質及び構造の剛性により偏心することによるねじり角度を減少させ、建築物を使用する上での快適性を高めている。よって、制振構造10c、10dは共にトルク抵抗構造であり、建築構造1の平面の4つの隅に配置するのに適合している。上述の制振構造10a~10dはトルク抵抗の必要に基づいて建築構造の図2Bの異なる階層位置に混合設置され、以下の第5~10実施例に用いられてもよい。
【0019】
次は、図4は本発明の第5実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図4は地震や風の制振機能に適用する。
【0020】
本発明の第5実施例では、壁板フレームの制振構造10eは複数の内枠22bを備え、前記内枠22bは三角形を呈している。よって、部分的な金属バー31a~31d及びスチールケーブル32は、内枠22bの形状に適合し、斜め方向に設置されている。
【0021】
次は、図5は本発明の第6実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図5は地震や風の制振機能に適用する。
【0022】
本発明の第6実施例では、壁板フレームの制振構造10fの前記内枠22cは複数の矩形であるため、金属バー31a~31d及びスチールケーブル32も内枠22cの数量に適合するように設置されている。
【0023】
次は、図6は本発明の第7実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図6は地震や風の制振機能に適用する。
【0024】
本発明の第7実施例では、壁板フレームの制振構造10gは複数の台形の内枠22dを有し、金属バー31a~31d及びスチールケーブル32も同様に複数の内枠22dの形状及び数量に適合するように設置されている。
【0025】
次は、図7は本発明の第8実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図7は地震や風の制振機能に適用する。
【0026】
本発明の第8実施例では、壁板フレームの制振構造10hの各一側の外枠21と内枠22aとの間には複数の金属バー31a~31dを有し、図2aと同じ一側に1つの金属バー31a~31dが設置される実施方式ではない。第8実施例において、壁板フレームの制振構造10hは面内で摩擦力を発生させ、面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力が地震や風に対する制振機能をそれぞれ達成させる。
【0027】
次は、図8は本発明の第9実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図8は地震や風の制振機能に適用する。
【0028】
本発明の第9実施例では、壁板フレームの制振構造10iの各一側の外枠21と複数の台形の内枠22dまたは傾斜角度を有する複数の四辺形の内枠22eとの間には1つの金属バー31a及び複複のスチールケーブル32のみを有し、図2aと同じ一側に1つの金属バー31a~31dを設置している実施方式と同じではなく、10hは外枠、内枠、複数の内枠22d、及び内枠22eに対応する形状及び対応する複数の金属バー31a、複数のスチールケーブル32を採用して設置されている。この第9実施例において、壁板フレームの制振構造10iは、地震が発生すると面内で摩擦力を発生させ、面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力が地震や風に対する制振機能をそれぞれ達成させる。
【0029】
最後は、図9は本発明の第10実施例に係る壁板フレームの制振構造を示す断面図である。図9は地震や風の制振機能に適用する。
【0030】
本発明の第10実施例では、壁板フレームの制振構造10jの外枠21と3面の内枠22fとの間には金属バー31a~31dを有し、内枠22fはドアフレーム形状を呈すると共に部分的な部材が水平構造3または垂直構造2に接合され、複数のスチールケーブルも金属バー31aに適合するように設置されている。この第10実施例において、壁板フレームの制振構造10jは面内で摩擦力を発生させ、面外で逆慣性力を発生させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、これら3つの力が地震や風に対する制振機能をそれぞれ達成させる。
【0031】
上述の構造により、本発明に係る壁板フレームの制振構造10a~10jの金属バー31a~31d及びスチールケーブル32は水平方向、垂直方向、傾斜方向、さらには円弧方向に設置されてもよい。よって、建築構造1が振動すると、壁板フレームの制振構造10a~10jが面外の逆慣性力により制振する以外、面内では効果的な摩擦力を更に提供し、地震の振動幅及びねじり角度を低減させ、さらに風が揺らすことで面外で重力で正しく揺さぶり戻す回復力を発生させ、揺れを減少させている。また、壁板フレームの制振構造10a~10jは建築構造1の形状または振動方向に適合するように柔軟に設計または配置され、先行技術の欠点を有効的に解決している。
【0032】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
91 建築構造
92 制振構造
1 建築構造
2 垂直構造
3 水平構造
10a 壁板フレームの制振構造
10b 壁板フレームの制振構造
10c 壁板フレームの制振構造
10d 壁板フレームの制振構造
10e 壁板フレームの制振構造
10f 壁板フレームの制振構造
10g 壁板フレームの制振構造
10h 壁板フレームの制振構造
10i 壁板フレームの制振構造
10j 壁板フレームの制振構造
21 外枠
22a 内枠
22b 内枠
22c 内枠
22d 内枠
22e 内枠
22f 内枠
23 ステンレス層
31a 金属バー
31b 金属バー
31c 金属バー
31d 金属バー
32 スチールケーブル
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの垂直構造及び少なくとも1つの水平構造を備えている建築構造内に用いられている壁板フレーム(wall-plate frame)の制振構造であって、
少なくとも1つの前記垂直構造及び少なくとも1つの前記水平構造で構成されている空間に内設されている外枠と、
内枠であって、前記外枠の内側に設置され、或いは複数の前記内枠が前記外枠の内側に同時に存在する内枠と、
前記外枠と前記内枠との間に設置され、或いは複数の前記内枠の間に設置されている金属バーと、
前記金属バーを少なくとも1つの前記垂直構造または少なくとも1つの前記水平構造に連結するための複数のスチールケーブルと、を備えていることを特徴とする壁板フレームの制振構造。
【請求項2】
前記外枠と前記内枠または複数の内枠との間はステンレス層を介して前記金属バーに接触することを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項3】
前記金属バーの断面は矩形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項4】
前記金属バーの断面は円形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項5】
前記金属バーの断面は釣鐘形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項6】
前記金属バーの断面はクレヨンの先端形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項7】
前記金属バーのうちの一面と前記外枠または前記内枠との接触面積は、他面との接触面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項8】
前記金属バーと前記外枠及び前記内枠との間の接触面の形状は、相互に適合することを特徴とする請求項3乃至7に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項9】
複数の前記スチールケーブルは前記金属バーの断面の中心箇所に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項10】
複数の前記スチールケーブルの間は相互に接触しないことを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項11】
前記内枠は矩形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項12】
前記内枠は三角形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項13】
前記内枠は台形を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項14】
前記内枠は非直交の四辺形構造を呈していることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項15】
内枠はドアフレーム形状を呈し、且つ前記内枠の前記ドアフレーム形状の部分の部材は、少なくとも1つの前記水平構造または少なくとも1つの前記垂直構造に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の壁板フレームの制振構造。
【請求項16】
前記外枠と前記内枠との間、または前記内枠と他の内枠との間には複数の金属バーを更に有し、複数の前記スチールケーブルが複数の前記金属バーの間に更に連結されていることを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項に記載の壁板フレームの制振構造。