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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153018
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】ステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20251002BHJP
   H02K 3/28 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
H02K3/04 E
H02K3/28 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055273
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100186211
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 敏彰
(72)【発明者】
【氏名】橋本 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】竹内 裕人
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603BB01
5H603BB07
5H603BB12
5H603CA01
5H603CA05
5H603CB03
5H603CC03
5H603CD02
5H603CD06
5H603CD11
5H603CD22
5H603CE02
5H603CE05
(57)【要約】
【課題】一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所におけるコイルの径方向のサイズを抑制することが可能なステータを提供する。
【解決手段】ステータ100は、ステータコア101と、V相コイルセット3、および、U相コイルセット2を含むコイル102とを備え、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々は、一端側コイル部30、20と、他端側コイル部31、21と、一端側コイル部30、20および他端側コイル部31、21を接続する渡り線32、22とを有し、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々において、複数列の渡り線22、32は、軸方向視でオーバーラップしており、V相コイルセット3の複数列の渡り線30、および、U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、それぞれ、コイル102のうちで、最外周位置、および、最内周位置に配置されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びるとともに周方向に並ぶ複数のスロットを含むステータコアと、
互いに並列接続された状態で前記ステータコアに配置された2の倍数の複数列の第1の相の第1コイルセット、および、互いに並列接続された状態で前記ステータコアに配置された2の倍数の複数列の第2の相の第2コイルセットを含み、平角線により形成されたコイルと、を備え、
前記第1コイルセットおよび前記第2コイルセットの各々は、
前記ステータコアに導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部と、
前記ステータコアに前記一端側コイル部とは周方向の逆向きに配置されて前記ステータコアから導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部と、
前記ステータコアの軸方向の一方端面側において、前記一端側コイル部および前記他端側コイル部を接続する2の倍数の複数列の渡り線と、を有し、
前記第1コイルセットおよび前記第2コイルセットの各々において、前記複数列の渡り線は、軸方向視でオーバーラップしており、
前記第1コイルセットの前記複数列の渡り線、および、前記第2コイルセットの前記複数列の渡り線は、それぞれ、前記コイルのうちで、最外周位置、および、最内周位置に配置されている、ステータ。
【請求項2】
前記第1コイルセットの前記渡り線と、前記第2コイルセットの前記渡り線とは、径方向視でオーバーラップしている、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記コイルは、前記ステータコアに導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部と、前記ステータコアに前記一端側コイル部とは周方向の逆向きに配置されて前記ステータコアから導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部と、前記ステータコアの軸方向の前記一方端面側において、前記一端側コイル部および前記他端側コイル部を接続する2の倍数の複数列の渡り線と、を有し、互いに並列接続された状態で前記ステータコアに配置された2の倍数の複数列の第3の相の第3コイルセットをさらに含み、
前記第3コイルセットの前記複数列の渡り線は、前記コイルのうちで、最内周位置に配置され、
前記第1コイルセットの前記渡り線は、周方向の一方側において径方向視で前記第2コイルセットの前記渡り線とオーバーラップしており、周方向の他方側において径方向視で前記第3コイルセットの前記渡り線とオーバーラップしている、請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
前記第2コイルセットの前記複数列の渡り線は、前記ステータコアの内周側端面よりも径方向内側に突出して配置されている、請求項1に記載のステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コイルとステータコアとを備えるステータが知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1には、コイルとステータコアとを備えるステータが開示されている。特許文献1では、コイルは、U相コイルと、V相コイルと、W相コイルとを含み、各相のコイルは、並列な2の倍数の複数列の導線で構成されている。U相コイルと、V相コイルと、W相コイルの各々の一端は、動力線に接続され、他端は、中性線に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-140708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には明記されていないが、ステータの分野では、U相コイルの動力線側である一端側コイル部、および、中性線側である他端側の他端側コイル部を、同様の巻き方によってステータコアに配置して、互いに逆向きの電流が流れるように、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する渡り線部分を設けることが知られている。V相コイルおよびW相コイルについても同様である。この場合、一端側コイル部と他端側コイル部との間の部分である渡り線部分が不規則な形状となって、渡り線部分を曲げることが必要となり、一端側コイル部と他端側コイル部との間においてコイルの径方向のサイズが大きくなっている。このため、従来より、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所におけるコイルの径方向のサイズを抑制することが求められている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所におけるコイルの径方向のサイズを抑制することが可能なステータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一局面におけるステータは、軸方向に延びるとともに周方向に並ぶ複数のスロットを含むステータコアと、互いに並列接続された状態でステータコアに配置された2の倍数の複数列の第1の相の第1コイルセット、および、互いに並列接続された状態でステータコアに配置された2の倍数の複数列の第2の相の第2コイルセットを含み、平角線により形成されたコイルと、を備え、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々は、ステータコアに導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部と、ステータコアに一端側コイル部とは周方向の逆向きに配置されてステータコアから導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部と、ステータコアの軸方向の一方端面側において、一端側コイル部および他端側コイル部を接続する2の倍数の複数列の渡り線と、を有し、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々において、複数列の渡り線は、軸方向視でオーバーラップしており、第1コイルセットの複数列の渡り線、および、第2コイルセットの複数列の渡り線は、それぞれ、コイルのうちで、最外周位置、および、最内周位置に配置されている。
【0008】
この発明の一の局面によるステータでは、上記のように、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々は、ステータコアに導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部と、ステータコアに一端側コイル部とは周方向の逆向きに配置されてステータコアから導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部と、ステータコアの軸方向の一方端面側において、一端側コイル部および他端側コイル部を接続する2の倍数の複数列の渡り線と、を有する。これによって、一端側コイル部および他端側コイル部の各々と渡り線とを別部材とすることができるので、一端側コイル部と他端側コイル部との各々に渡り線を接合するだけで、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続することができる。すなわち、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所に曲げ部分を設ける必要がなくなる。また、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々において、複数列の渡り線は、軸方向視でオーバーラップする。これによって、複数列の渡り線の軸方向に直交する径方向におけるサイズを抑制することができる。以上により、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所におけるコイルの径方向のサイズを抑制することができる。また、第1コイルセットの複数列の渡り線、および、第2コイルセットの複数列の渡り線は、それぞれ、コイルのうちで、最外周位置、および、最内周位置に配置される。ここで、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々には動力線などに接続される端子が設けられる。そして、上記のように構成されることによって、最外周位置の第1コイルセットの複数列の渡り線と、最内周位置の第2コイルセットの複数列の渡り線とを、内周側および外周側に分散して配置することができるので、周方向において、第1コイルセットの複数列の渡り線と第2コイルセットの複数列の渡り線とを重ねて配置することが可能となり、周方向において第1コイルセットおよび第2コイルセットの動力線などに接続される端子を集約して配置することができる。
【0009】
上記一の局面によるステータにおいて、好ましくは、第1コイルセットの渡り線と、第2コイルセットの渡り線とは、径方向視でオーバーラップしている。
【0010】
このように構成すれば、最外周位置の第1コイルセットの渡り線と、最内周位置の第2コイルセットの渡り線とを、周方向において重ねて配置することができるので、周方向において第1コイルセットおよび第2コイルセットの動力線などに接続される端子をより集約して配置することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、コイルは、ステータコアに導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部と、ステータコアに一端側コイル部とは周方向の逆向きに配置されてステータコアから導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部と、ステータコアの軸方向の一方端面側において、一端側コイル部および他端側コイル部を接続する2の倍数の複数列の渡り線と、を有し、互いに並列接続された状態でステータコアに配置された2の倍数の複数列の第3の相の第3コイルセットをさらに含み、第3コイルセットの複数列の渡り線は、コイルのうちで、最内周位置に配置され、第1コイルセットの渡り線は、周方向の一方側において径方向視で第2コイルセットの渡り線とオーバーラップしており、周方向の他方側において径方向視で第3コイルセットの渡り線とオーバーラップしている。
【0012】
このように構成すれば、周方向の一方側で、最外周位置の第1コイルセットの渡り線と、最内周位置の第2コイルセットの渡り線とを重ねて配置することができるとともに、周方向の他方側で、最外周位置の第1コイルセットの渡り線と、最内周位置の第3コイルセットの渡り線とを重ねて配置することができる。その結果、周方向において第1コイルセット、第2コイルセットおよび第3コイルセットの動力線などに接続される端子をより一層集約して配置することができる。
【0013】
上記一の局面によるステータにおいて、好ましくは、第2コイルセットの複数列の渡り線は、ステータコアの内周側端面よりも径方向内側に突出して配置されている。
【0014】
このように構成すれば、第2コイルセットの複数列の渡り線を、ステータコアの内周側端面よりも径方向内側に突出して配置することによって、通常、動力線への接続のためにコイルが引き出される外周側に、比較的大きなスペースを確保することができる。
【0015】
なお、上記一の局面によるステータにおいて、以下のような構成も考えられる。
【0016】
(付記項1)
上記ステータにおいて、好ましくは、渡り線は、渡り線の両端に設けられ、ステータコア側とは逆側である軸方向の外側を向く一対の接合部を有するU字状に形成されている。
【0017】
このように構成すれば、渡り線が、渡り線の両端に設けられ、ステータコア側とは逆側である軸方向の外側を向く一対の接合部を有するU字状に形成されるので、渡り線が接合部からステータコア側とは逆側に突出することを回避することができる。このため、軸方向におけるコイルのサイズを抑制することができる。
【0018】
(付記項2)
上記ステータにおいて、好ましくは、コイルは、スロットに収容される複数のスロット収容部をさらに含み、スロット収容部は、1つのスロットに対して径方向に並ぶ2つのみ収容されている。
【0019】
このように構成すれば、比較的太い導線により構成されるコイルにおいて、コイルの径方向のサイズを抑制することができる。
【0020】
(付記項3)
上記ステータにおいて、好ましくは、コイルは、U字状の複数のセグメントコイルを接合することにより形成され、セグメントコイルは、ステータコアの軸方向の他方端面側に配置され、軸方向のステータコア側とは逆側である軸方向の外側に突出するように曲げられたコイルエンド部と、ステータコアの軸方向の一方端面側に配置された一対の接合部とを有し、複数のセグメントコイルのコイルエンド部は、他方端面側において、周方向の全体に同一の形状が連続する円環状に配置されている。
【0021】
このように構成すれば、他方端面側の曲げられたコイルエンド部を、周方向の全体に同一の形状が連続する円環状に配置することができるので、他方端面側において部分的な異形状の箇所が発生してコイルの径方向のサイズが大きくなることを回避することができる。
【0022】
(付記項4)
上記ステータにおいて、好ましくは、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々の一端側コイル部と他端側コイル部とは、互いに周方向にずれた位置でステータコアに対して配置されており、互いにステータコアに配置された部分が同一の形状を有する。
【0023】
このように構成すれば、第1コイルセットおよび第2コイルセットの各々の一端側コイル部と他端側コイル部とを、ステータコアに対して同様の手順により配置することができるので、コイルを配置する作業を容易化することができる。
【0024】
(付記項5)
上記コイルが第3の相の第3コイルセットを含む構成において、好ましくは、第1コイルセット、第2コイルセットおよび第3コイルセットは、互いに周方向にずれた位置でステータコアに対して配置されており、互いに渡り線を除いたステータコアに配置された部分が同一の形状を有する。
【0025】
このように構成すれば、渡り線を除いて、第1コイルセット、第2コイルセットおよび第3コイルセットを、ステータコアに対して同様の手順により配置することができるので、コイルを配置する作業を容易化することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のように、一端側コイル部と他端側コイル部とを接続する箇所におけるコイルの径方向のサイズを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態によるステータを一方端面側から示した斜視図である。
図2】実施形態によるステータを一方端面側の図1とは異なる方向から示した斜視図である。
図3】実施形態によるステータを他方端面側から示した斜視図である。
図4】実施形態によるステータのコイルの結線構成を示す回路図である。
図5】実施形態によるU相(W相)コイルセットを示した斜視図である。
図6】実施形態によるステータを一方端面側から示した平面図である。
図7】実施形態によるセグメントコイルについて説明するための断面図である。
図8】実施形態によるステータコアへのコイルの配置の方法(巻き方)について説明するための図である。
図9】実施形態によるV相コイルセットを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の本実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
[実施形態]
(ステータの構造)
図1図9を参照して、本実施形態によるステータ100の構造について説明する。ステータ100は、中心軸線C1を中心とする円環形状を有する。ステータ100は、ステータ100の径方向内側に配置されるロータ(図示せず)を回転させるための磁界を発生させるように構成されている。
【0030】
各図では、ロータのシャフト(中心軸線C1)が延びる軸方向をZ方向により示す。Z方向の一方をZ1方向により示し、他方をZ2方向により示す。また、各図では、ステータ100の径方向をRO方向により示す。R方向のうち、径方向外側をR1方向により示し、径方向内側をR2方向により示す。また、各図では、ステータ100の周方向をRO方向により示す。RO方向のうち、Z1方向側からステータ100を視た場合の時計回り方向をRO1方向により示し、その反対方向をRO2方向により示す。
【0031】
図1図3に示すステータ100は、ロータ(図示せず)とともに、モータやジェネレータとして機能する回転電機の一部を構成している。回転電機はインナーロータ型の回転電機である。
【0032】
図2に示すように、ステータ100は、ステータコア101と、コイル102とを備えている。
【0033】
(ステータコアの構成)
ステータコア101は、複数枚の電磁鋼板が軸方向に積層されることにより形成されている。ステータコア101は、軸方向に延びるとともに周方向に等角度ピッチで並ぶ複数のスロット101aを含んでいる。スロット101aは、周方向両側からティースに挟まれており、径方向外側にはバックヨークが設けられている。一例ではあるが、スロット101aは、48個設けられている。ステータコア101は、Z1方向側に位置する一方端面101bおよびZ2方向側に位置する他方端面101cを有している。
【0034】
(コイルの構成)
コイル102は、U字状の複数のセグメントコイル1を接合することにより形成されている。各々のセグメントコイル1は、ステータコア101の軸方向の他方端面101c側(Z2方向側)に配置されたコイルエンド部11を有している。コイルエンド部11は、軸方向のステータコア101側とは逆側である軸方向の外側(Z2方向側)に突出するように曲げられている。また、各々のセグメントコイル1は、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側(Z1方向側)に配置された一対の接合部10を有している。複数のセグメントコイル1のコイルエンド部11は、他方端面101c側において、周方向の全体に同一の形状が連続する円環状に配置されている。複数のセグメントコイル1のコイルエンド部11は、他方端面101c側において、規則的に配列されている。セグメントコイル1は、断面が矩形となる平角線により形成されている。
【0035】
コイル102は、2ターンのコイルとして構成されている。詳細には、コイル102は、スロット101aに収容される複数のスロット収容部12を含んでいる。このスロット収容部12は、1つのスロット101aに対して径方向に並ぶ2つのみ収容されている。
【0036】
コイル102は、電源部(図示せず)から3相交流の電力が供給されることにより、軸方向に電流が往復するとともに、周方向に電流が流れながら、磁束を発生させるように構成されている。コイル102は、U相のU相コイルセット2と、V相のV相コイルセット3と、W相のW相コイルセット4とを含んでいる。なお、U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4は、それぞれ、特許請求の範囲の「第2コイルセット」、「第1コイルセット」および「第3コイルセット」の一例である。
【0037】
図4に示すように、U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4は、3相のY結線により接続(結線)されている。U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4の各々の一端側は、動力線Pを介して電源部(図示せず)に接続されている。U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4の各々の他端側は、複数の中性線Nが設けられている。
【0038】
U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4の各々は、互いに並列接続された状態でステータコア101に配置された2の倍数の複数列(2列)の導線により構成されている。具体的な一例ではあるが、U相コイルセット2、V相コイルセット3およびW相コイルセット4の各々は、互いに並列接続された2列の導線により構成されている。要するに、コイル102は、いわゆる2Y構造の結線方式のコイルである。
【0039】
(U相コイルセットの構成)
図5および図6に示すU相コイルセット2は、ステータコア101に導入される2の倍数の複数列(2列)の一端側コイル部20と、ステータコア101に一端側コイル部20とは周方向の逆向きに配置されてステータコア101から導出される2の倍数の複数列(2列)の他端側コイル部21とを有している。
【0040】
一端側コイル部20は、ステータコア101にU相コイルセット2を配置する(巻回する)際に、U相コイルセット2のうちで、ステータコア101に対して導入される一端側を含む部分(巻き始めの部分)である。一端側コイル部20は、動力線Pに接続される一対の端子20aを有しており、動力線P(図4参照)を介して電源部(図示せず)に接続される。他端側コイル部21は、ステータコア101にU相コイルセット2を配置する際に、U相コイルセット2のうちで、ステータコア101から導出される他端側を含む部分(巻き終わり部分)である。他端側コイル部21は、中性線Nに接続される一対の端子21aを有している。なお、上記とは反対に、中性線側がU相コイルセットの巻き始めの部分であり、動力線P側がU相コイルセットの巻き終わり部分であってもよい。一例ではあるが、一端側コイル部20は、周方向においてRO1方向に沿ってステータコア101に対して約1周(1周弱)巻かれる。他端側コイル部21は、周方向においてRO2方向に沿ってステータコア101に対して約1周(1周弱)巻かれる。
【0041】
U相コイルセット2の一端側コイル部20(動力線側コイル部)と他端側コイル部21(中性線側コイル部)とは、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いにステータコア101に配置された部分が同一の形状を有する。一例ではあるが、一端側コイル部20は、他端側コイル部21に対してRO1方向に45度ずれた位置でステータコア101に対して配置されている。
【0042】
また、U相コイルセット2は、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側において、一端側コイル部20および他端側コイル部21を接続する2の倍数の複数列(2列)の渡り線22を有している。
【0043】
図7および図8を参照して、一端側コイル部20(動力線側コイル部)のステータコア101への配置の方法(巻き方)について説明する。2の倍数の複数列(2列)の一端側コイル部20は、ステータコア101の動力線P側(Z1方向側)、すなわち、端子20aから、隣接する2つのスロット101aをZ2方向に向けて通される。この場合、一端側コイル部20は、スロット101aの径方向外側を通される。
【0044】
そして、2の倍数の複数列(2列)の一端側コイル部20は、曲げられたコイルエンド部11を介して、先に通過した2つのスロット101aからRO1方向に45度位相がずれた2つのスロット101aをZ1方向に向けて通される。この場合、一端側コイル部20は、スロット101aの径方向内側を通される。このような一端側コイル部20のステータコア101への巻回が、一端側コイル部20の渡り線22が接続される端部まで繰り返される。他端側コイル部21(中性線側コイル部)のステータコア101への配置の方法(巻き方)については、周方向の位相がずれている点を除いて一端側コイル部20と同様であるため省略する。
【0045】
一端側コイル部20(動力線側コイル部)の渡り線22が接続される端部は、周方向に隣接する2つのスロット101aの径方向内側を通ってZ1方向に突出する2つの接合部10により構成されている。同様に、他端側コイル部21(中性線側コイル部)の渡り線22が接続される端部は、周方向に隣接する2つのスロット101aの径方向内側を通ってZ1方向に突出する2つの接合部10により構成されている。
【0046】
図5に示すように、一端側コイル部20の2つの接合部10は、他端側コイル部21の2つの接合部10に対して、RO1方向に45度ずれて配置されている。2の倍数の複数列(2列)の渡り線22は、一端側コイル部20の2つの接合部10と、他端側コイル部21の2つの接合部10とを接続している。詳細には、2列の渡り線22の各々は、渡り線22の両端に設けられ、ステータコア101側とは逆側である軸方向の外側(Z1方向側)を向く一対の接合部10を有するU字状に形成されている。2列の渡り線22のRO1方向の接合部10は、一端側コイル部20(動力線側コイル部)の2つの接合部10に対して径方向内側から当接されて接合されている。2列の渡り線22のRO2方向の接合部10は、他端側コイル部21(中性線側コイル部)の2つの接合部10に対して径方向内側から当接されて接合されている。
【0047】
一端側コイル部20の2つの接合部10と他端側コイル部21の2つの接合部10との周方向における内側の2つは、小さなU字状の渡り線22により接続されている。一端側コイル部20の2つの接合部10と他端側コイル部21の2つの接合部10との周方向における外側の2つは、上記小さなU字状の渡り線22を、ステータコア101側および周方向の両側から囲む大きなU字状の渡り線22により接続されている。
【0048】
U相コイルセット2において、2の倍数の複数列(2列)の渡り線22は、軸方向視で周方向に円弧状に延びている。U相コイルセット2において、2の倍数の複数列(2列)の渡り線22は、軸方向視でオーバーラップしている。すなわち、2の倍数の複数列(2列)の渡り線22は、径方向における存在範囲が一致している。つまり、2の倍数の複数列(2列)の渡り線22の各々の径方向外側の端面の位置は、一致している。また、2の倍数の複数列(2列)の渡り線22の各々の径方向内側の端面の位置は、一致している。
【0049】
U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、コイル102のうちで、最内周位置に配置されている。詳細には、U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、径方向内側のスロット収容部12よりもさらに径方向内側に配置されている。U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、ステータコア101の内周側端面101dよりも径方向内側に突出して配置されている。すなわち、軸方向視で、U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、ロータとオーバーラップする位置に配置されている。
【0050】
(W相コイルセットの構成)
図5および図6を参照して、U相コイルセット2およびW相コイルセット4は、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いに渡り線22および42を除いたステータコア101に配置された部分が同一の形状を有している。なお、U相コイルセット2の渡り線22も、W相コイルセット4の渡り線42と同一の形状を有している。一例ではあるが、W相コイルセット4は、U相コイルセット2に対してRO1方向に60度ずれた位置でステータコア101に対して配置されている。なお、W相コイルセット4、および、U相コイルセット2の周方向における存在範囲は、60度よりも小さい。W相コイルセット4については、U相コイルセット2と同様の構成(形状)のため、以下、簡単に説明する。
【0051】
W相コイルセット4は、ステータコア101に導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部40(動力線側コイル部)と、ステータコア101に一端側コイル部40とは周方向の逆向きに配置されてステータコア101から導出される2の倍数の複数列(2列)の他端側コイル部41(中性線側コイル部)と、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側において、一端側コイル部40および他端側コイル部41を接続する2の倍数の複数列(2列)の渡り線42とを有している。一端側コイル部40は、動力線Pに接続される一対の端子40aを有しており、動力線P(図4参照)を介して電源部(図示せず)に接続される。他端側コイル部41は、中性線Nに接続される一対の端子41aを有している。
【0052】
W相コイルセット4の一端側コイル部40と他端側コイル部41とは、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いにステータコア101に配置された部分が同一の形状を有している。
【0053】
W相コイルセット4において、2の倍数の複数列(2列)の渡り線42は、軸方向視でオーバーラップしている。W相コイルセット4の複数列の渡り線42は、コイル102のうちで、最内周位置に配置されている。詳細には、W相コイルセット4の複数列の渡り線42は、径方向内側のスロット収容部12よりもさらに径方向内側に配置されている。W相コイルセット4の複数列の渡り線42は、ステータコア101の内周側端面101dよりも径方向内側に突出して配置されている。径方向において、W相コイルセット4の渡り線42の存在範囲は、U相コイルセット2の渡り線42の存在範囲と一致している。
【0054】
(V相コイルセットの構成)
図6および図9を参照して、U相コイルセット2およびV相コイルセット3は、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いに渡り線22および32を除いたステータコア101に配置された部分が同一の形状を有している。なお、U相コイルセット2の渡り線22は、V相コイルセット3の渡り線32とは異なる形状を有する。一例ではあるが、V相コイルセット3は、U相コイルセット2に対してRO1方向に30度ずれた位置でステータコア101に対して配置されている。また、V相コイルセット3は、W相コイルセット4に対してRO2方向に30度ずれた位置でステータコア101に対して配置されている。V相コイルセット3については、V相コイルセット3の渡り線32を除いて、U相コイルセット2と同様の構成(形状)のため、以下、簡単に説明する。
【0055】
V相コイルセット3は、ステータコア101に導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部30(動力線側コイル部)と、ステータコア101に一端側コイル部30とは周方向の逆向きに配置されてステータコア101から導出される2の倍数の複数列(2列)の他端側コイル部31(中性線側コイル部)と、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側において、一端側コイル部30および他端側コイル部31を接続する2の倍数の複数列(2列)の渡り線32とを有している。一端側コイル部30は、動力線Pに接続される一対の端子30aを有しており、動力線P(図4参照)を介して電源部(図示せず)に接続される。他端側コイル部31は、中性線Nに接続される一対の端子31aを有している。
【0056】
V相コイルセット3の一端側コイル部30と他端側コイル部31とは、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いにステータコア101に配置された部分が同一の形状を有している。
【0057】
V相コイルセット3において、2の倍数の複数列(2列)の渡り線32は、軸方向視でオーバーラップしている。V相コイルセット3の複数列の渡り線32は、コイル102のうちで、最外周位置に配置されている。詳細には、V相コイルセット3の複数列の渡り線32は、径方向において、径方向外側のスロット収容部12と同じ位置に配置されている。
【0058】
V相コイルセット3の渡り線32と、U相コイルセット2の渡り線22とは、径方向視でオーバーラップしている。また、V相コイルセット3の渡り線32と、W相コイルセット4の渡り線42とは、径方向視でオーバーラップしている。
【0059】
詳細には、V相コイルセット3の渡り線32は、周方向の一方側(RO2方向側)において径方向視でU相コイルセット2の渡り線22とオーバーラップしており、周方向の他方側(RO1方向側)において径方向視でV相コイルセット3の渡り線32とオーバーラップしている。なお、U相コイルセット2の渡り線22と、W相コイルセット4の渡り線42とは、径方向視でオーバーラップしていない。
【0060】
一例ではあるが、周方向において、コイル102の端子20a、21a、30a、31a、40a、41aの存在範囲は、180度よりも小さい。より詳細には、周方向において、コイル102の端子20a、21a、30a、31a、40a、41aの存在範囲は、120度よりも小さい。
【0061】
(本実施形態の効果)
上記実施形態の構造では、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
本実施形態では、上記のように、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々は、ステータコア101に導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部30、20と、ステータコア101に一端側コイル部30、20とは周方向の逆向きに配置されてステータコア101から導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部31、21と、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側において、一端側コイル部30、20および他端側コイル部31、21を接続する2の倍数の複数列の渡り線32、22と、を有する。これによって、一端側コイル部30、20および他端側コイル部31、21の各々と渡り線32、22とを別部材とすることができるので、一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21との各々に渡り線32、22を接合するだけで、一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21とを接続することができる。すなわち、一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21とを接続する箇所に曲げ部分を設ける必要がなくなる。また、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々において、複数列の渡り線32、22は、軸方向視でオーバーラップする。これによって、複数列の渡り線32、22の軸方向に直交する径方向におけるサイズを抑制することができる。以上により、一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21とを接続する箇所におけるコイル102の径方向のサイズを抑制することができる。また、V相コイルセット3の複数列の渡り線32、および、U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、それぞれ、コイル102のうちで、最外周位置、および、最内周位置に配置される。ここで、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々には動力線Pなどに接続される端子20a、21a、30a、31aが設けられる。そして、上記のように構成されることによって、最外周位置のV相コイルセット3の複数列の渡り線32と、最内周位置のU相コイルセット2の複数列の渡り線22とを、内周側および外周側に分散して配置することができるので、周方向において、V相コイルセット3の複数列の渡り線32とU相コイルセット2の複数列の渡り線22とを重ねて配置することが可能となり、周方向においてV相コイルセット3およびU相コイルセット2の動力線Pなどに接続される端子20a、21a、30a、31aを集約して配置することができる。
【0063】
本実施形態では、上記のように、V相コイルセット3の渡り線32と、U相コイルセット2の渡り線22とは、径方向視でオーバーラップしている。これによって、最外周位置のV相コイルセット3の渡り線32と、最内周位置のU相コイルセット2の渡り線22とを、周方向において重ねて配置することができるので、周方向においてV相コイルセット3およびU相コイルセット2の動力線Pなどに接続される端子20a、21a、30a、31aをより集約して配置することができる。
【0064】
本実施形態では、上記のように、コイル102は、ステータコア101に導入される2の倍数の複数列の一端側コイル部40と、ステータコア101に一端側コイル部40とは周方向の逆向きに配置されてステータコア101から導出される2の倍数の複数列の他端側コイル部41と、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側において、一端側コイル部40および他端側コイル部41を接続する2の倍数の複数列の渡り線42と、を有し、互いに並列接続された状態でステータコア101に配置された2の倍数の複数列の第3の相のW相コイルセット4をさらに含み、W相コイルセット4の複数列の渡り線42は、コイル102のうちで、最内周位置に配置され、V相コイルセット3の渡り線32は、周方向の一方側において径方向視でU相コイルセット2の渡り線22とオーバーラップしており、周方向の他方側において径方向視でW相コイルセット4の渡り線42とオーバーラップしている。これによって、周方向の一方側で、最外周位置のV相コイルセット3の渡り線32と、最内周位置のU相コイルセット2の渡り線22とを重ねて配置することができるとともに、周方向の他方側で、最外周位置のV相コイルセット3の渡り線32と、最内周位置のW相コイルセット4の渡り線42とを重ねて配置することができる。その結果、周方向においてV相コイルセット3、U相コイルセット2およびW相コイルセット4の動力線Pなどに接続される端子20a、21a、30a、31a、40a、41aをより一層集約して配置することができる。
【0065】
本実施形態では、上記のように、U相コイルセット2の複数列の渡り線22は、ステータコア101の内周側端面101dよりも径方向内側に突出して配置されている。これによって、U相コイルセット2の複数列の渡り線22を、ステータコア101の内周側端面101dよりも径方向内側に突出して配置することによって、通常、動力線Pへの接続のためにコイル102が引き出される外周側に、比較的大きなスペースを確保することができる。
【0066】
本実施形態では、上記のように、渡り線22(32、42)は、渡り線22の両端に設けられ、ステータコア101側とは逆側である軸方向の外側を向く一対の接合部10を有するU字状に形成されている。これによって、渡り線22が、渡り線22の両端に設けられ、ステータコア101側とは逆側である軸方向の外側を向く一対の接合部10を有するU字状に形成されるので、渡り線22が接合部10からステータコア101側とは逆側に突出することを回避することができる。このため、軸方向におけるコイル102のサイズを抑制することができる。
【0067】
本実施形態では、上記のように、コイル102は、スロット101aに収容される複数のスロット収容部12をさらに含み、スロット収容部12は、1つのスロット101aに対して径方向に並ぶ2つのみ収容されている。これによって、比較的太い導線により構成されるコイル102において、コイル102の径方向のサイズを抑制することができる。
【0068】
本実施形態では、上記のように、コイル102は、U字状の複数のセグメントコイル1を接合することにより形成され、セグメントコイル1は、ステータコア101の軸方向の他方端面101c側に配置され、軸方向のステータコア101側とは逆側である軸方向の外側に突出するように曲げられたコイルエンド部11と、ステータコア101の軸方向の一方端面101b側に配置された一対の接合部10とを有し、複数のセグメントコイル1のコイルエンド部11は、他方端面101c側において、周方向の全体に同一の形状が連続する円環状に配置されている。これによって、他方端面101c側の曲げられたコイルエンド部11を、周方向の全体に同一の形状が連続する円環状に配置することができるので、他方端面101c側において部分的な異形状の箇所が発生してコイル102の径方向のサイズが大きくなることを回避することができる。
【0069】
本実施形態では、上記のように、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々の一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21とは、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いにステータコア101に配置された部分が同一の形状を有する。これによって、V相コイルセット3およびU相コイルセット2の各々の一端側コイル部30、20と他端側コイル部31、21とを、ステータコア101に対して同様の手順により配置することができるので、コイル102を配置する作業を容易化することができる。
【0070】
本実施形態では、上記のように、V相コイルセット3、U相コイルセット2およびW相コイルセット4は、互いに周方向にずれた位置でステータコア101に対して配置されており、互いに渡り線22、32、42を除いたステータコア101に配置された部分が同一の形状を有する。これによって、渡り線22、32、42を除いて、V相コイルセット3、U相コイルセット2およびW相コイルセット4を、ステータコア101に対して同様の手順により配置することができるので、コイル102を配置する作業を容易化することができる。
【0071】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0072】
たとえば、上記実施形態では、ステータを3相のコイルにより形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ステータを2相などのコイルにより形成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ステータコアの軸方向において、U相、V相およびW相の各コイルセットの各々が2つの渡り線を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、いわゆる2Y構造であるならば、U相、V相およびW相の各コイルセットの各々が2つとは異なる複数個の渡り線を備えていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、U相コイルセット、V相コイルセットおよびW相コイルセットを周方向において30度ずつずらして配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、U相コイルセット、V相コイルセットおよびW相コイルセットを周方向において30度とは異なる角度ずつずらして配置してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、コイルの最外周位置に1つのコイルセットの渡り線を配置して、コイルの最内周位置に2つのコイルセットの渡り線を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、コイルの最外周位置に2つのコイルセットの渡り線を配置して、コイルの最内周位置に1つのコイルセットの渡り線を配置してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、1つのスロットにスロット収容部が2つのみ配置される2ターンのコイルを備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つのスロットにスロット収容部が3つ以上配置されるコイルを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1:セグメントコイル、2:U相コイルセット(第2コイルセット)、3:V相コイルセット(第1コイルセット)、4:W相コイルセット(第3コイルセット)、10:接合部
11:コイルエンド部、12:スロット収容部、20:(U相コイルセットの)一端側コイル部、21:(U相コイルセットの)他端側コイル部、22:(U相コイルセットの)渡り線、30:(V相コイルセットの)一端側コイル部、31:(Vコイルセットの)他端側コイル部、32:(V相コイルセットの)渡り線、40:(W相コイルセットの)一端側コイル部、41:(W相コイルセットの)他端側コイル部、42:(W相コイルセットの)渡り線、100:ステータ、101:ステータコア、101a:(ステータコアの)スロット、101b:(ステータコアの)一方端面、101c:(ステータコアの)他方端面、101d:(ステータコアの)内周側端面、102:コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9