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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153087
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】ジャケット構造体の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/12 20060101AFI20251002BHJP
   E02D 27/14 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
E02D27/12 Z
E02D27/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055372
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】片山 能輔
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 暢一
(72)【発明者】
【氏名】舟竹 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】深津 伸
(72)【発明者】
【氏名】本村 貴則
(72)【発明者】
【氏名】田原 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】首藤 秀
(72)【発明者】
【氏名】花畑 成志
(72)【発明者】
【氏名】仁井 克明
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046CA05
2D046CA07
(57)【要約】
【課題】杭の位置精度の厳密さを緩和するとともに、設置コストを抑えたジャケット構造体の設置方法を提供する。
【解決手段】複数のレグ20と、複数のレグ20のうちの1つのレグ20に対して複数設けられるスリーブ30と、を含み、洋上風車を支持するジャケット構造体100の設置方法であって、複数の先行杭P1を設置する第1ステップと、複数のスリーブ30のうちの1つのスリーブ30に、複数の先行杭P1のうちの対応する1つの先行杭P1が挿入されるようにジャケット構造体100を載置する第2ステップと、複数のスリーブ30の他のスリーブ30に対応する、1つ又は複数の後行杭P2を設置する第3ステップと、を含むことを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3以上のレグと、前記3以上のレグの各々のレグに対して複数設けられるスリーブと、を含み、洋上風車を支持するジャケット構造体の設置方法であって、
複数の先行杭を設置する第1ステップと、
前記複数のスリーブのうちのいずれか1つのスリーブに、前記複数の先行杭のうちのいずれか1つの先行杭が挿入されるようにジャケット構造体を載置する第2ステップと、
前記複数のスリーブの他のスリーブに対応する、1つ又は複数の後行杭を設置する第3ステップと、を含むことを特徴とする、
ジャケット構造体の設置方法。
【請求項2】
前記複数の先行杭は、平面視において、略正多角形の角部に設置されることを特徴とする、
請求項1に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項3】
前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、
前記複数の先行杭は4つであり、
前記4つの先行杭は、平面視において、略正方形の角部に設置されることを特徴とする、
請求項2に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項4】
前記ジャケット構造体は、前記4つのレグのうちの1つのレグに対して2つのスリーブを含むことを特徴とする、
請求項3に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項5】
前記複数の先行杭は、平面視において、略対称な図形の角部に設置されることを特徴とする、
請求項1に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項6】
前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、
前記複数の先行杭は4つであり、
前記4つの先行杭は、平面視において、略長方形の角部に設置されることを特徴とする、
請求項5に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項7】
前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、
前記複数の先行杭は4つであり、
前記4つの先行杭は、前記ジャケット構造体が設置される場所における波力の方向に応じて、平面視において略正方形又は略長方形の角部に設置されることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項8】
前記ジャケット構造体は、同一のウインドファーム又は同一の海域に複数設置され、
複数の前記ジャケット構造体の方向は、前記ウインドファーム又は前記海域の波力の方向に応じて決定されることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項9】
前記ジャケット構造体は、同一のウインドファーム又は同一の海域に複数設置され、
複数の前記ジャケット構造体の方向は、複数の前記ジャケット構造体の各々の位置における波力の方向に応じて決定される、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のジャケット構造体の設置方法。
【請求項10】
前記先行杭の設置位置は、前記ジャケット構造体の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて決定されることを特徴とする、
請求項1から6のいずれか1項に記載のジャケット構造体の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャケット構造体の設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洋上風車をはじめとする構造物を支持するために、海底にジャケット構造体が設置されることがある。
従来技術の一例である特許文献1には、ジャケット構造体が有する接続部と、既に海底に打設されている杭の気中にある上端部と、を接続して最初に嵌合状態にして、最初に嵌合状態にした1本の杭を利用してジャケット構造体を位置決めした後、ジャケット構造体が有する他の各接続部と他の各杭の上端部とを固定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-201101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ジャケット構造体に接続されるすべての杭が予め海底に打設されていることから、杭を設置する際の位置精度に厳密さが求められる。
杭を設置する際の位置精度を厳密にするためには、マッドマットや仮杭を用いることが考えられる。
他方で、ジャケット構造体の設置にマッドマットや仮杭を用いると、ジャケット構造体の設置にかかるコストの増大を招くため、これらを用いることなくジャケット構造体の設置を可能にしたい、という要請もある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、杭の位置精度の厳密さを緩和するとともに、設置コストを抑えたジャケット構造体の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係るジャケット構造体の設置方法は、少なくとも3以上のレグと、前記3以上のレグの各々のレグに対して複数設けられるスリーブと、を含み、洋上風車を支持するジャケット構造体の設置方法であって、複数の先行杭を設置する第1ステップと、前記複数のスリーブのうちのいずれか1つのスリーブに、前記複数の先行杭のうちのいずれか1つの先行杭が挿入されるようにジャケット構造体を載置する第2ステップと、前記複数のスリーブの他のスリーブに対応する、1つ又は複数の後行杭を設置する第3ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
態様1に係る発明によれば、第1ステップにおいて、先行杭が設置される。
次の第2ステップにおいて、いずれかのスリーブに先行杭を挿入させることで洋上風車を支持するジャケット構造体が載置される。
そして、第3ステップにおいて、後行杭が設置される。
このように、予め海底に設置された先行杭に対してジャケット構造体を載置すると、先行杭を海底に設置することなくジャケット構造体を海底に設置する場合に生じうるジャケット構造体の海底への沈み込みを抑えることができる。
したがって、マッドマットや仮杭を不要とすることができ、ジャケット構造体の設置コストを抑えることができる。
また、ジャケット構造体の載置後に後行杭を設置することで、予め海底に設置する先行杭の数を抑えることができる。
したがって、先行杭の位置精度の厳密さを緩和することができ、ジャケット構造体の設置時に杭と干渉して設置できなくなるトラブルを防ぐことができる。
【0008】
<2>本発明の態様2に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1において、前記複数の先行杭は、平面視において、略正多角形の角部に設置されることを特徴とする。
【0009】
態様2に係る発明によれば、複数の先行杭は、平面視において、略正多角形の角部に設置される。
換言すれば、複数の先行杭は、平面視において、略正多角形を形成する。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体が先行杭に載置された状態において、ジャケット構造体が受ける波力に対する強さを等方的にすることができる。
よって、第3ステップの前の、ジャケット構造体が先行杭のみによって支持された状態において、ジャケット構造体を海底上で、より安定させることができる。
なお、本明細書において、波力に対する強さは、転倒に対する安定性である。
【0010】
<3>本発明の態様3に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1又は態様2において、前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、前記複数の先行杭は4つであり、前記4つの先行杭は、平面視において、略正方形の角部に設置されることを特徴とする。
【0011】
態様3に係る発明によれば、4つの先行杭は、平面視において、略正方形の角部に設置される。
換言すれば、4つの先行杭は、平面視において、略正方形を形成する。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体が受ける波力に対する強さを四方に対して等方的にすることができる。
よって、第3ステップの前の、ジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体を海底上で、より安定させることができる。
【0012】
<4>本発明の態様4に係るジャケット構造体の設置方法は、態様3において、前記ジャケット構造体は、前記4つのレグのうちの1つのレグに対して2つのスリーブを含むことを特徴とする。
【0013】
態様4に係る発明によれば、ジャケット構造体は、1つのレグに対して2つのスリーブを含む。
これにより、1つのレグに対して、1つの先行杭及び1つの後行杭を割り当て、当該レグの支持を安定したものとすることができる。
よって、ジャケット構造体を海底上で、安定させることができる。
また、態様4に係る発明は、先行杭及び後行杭の各々にスリーブが1つずつ割り当てられて実現されており、1つのレグが3つ以上のスリーブを含む場合と比較して、スリーブの数を相対的に抑えることができる。
【0014】
<5>本発明の態様5に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様4のいずれか1つにおいて、前記複数の先行杭は、平面視において、略対称な図形の角部に設置されることを特徴とする。
【0015】
態様5に係る発明によれば、複数の先行杭は、平面視において、略対称な図形の角部に設置される。
換言すれば、複数の先行杭は、平面視において、略対称な図形を形成する。
これにより、先行杭の配置に異方性がある場合も含まれることになるが、先行杭の配置に異方性があると、第2ステップにおいてジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体が受ける波力に対する強さを、特定の方向に対して特に強くすることができる。
よって、ジャケット構造体が設置される場所で特定の方向からの波力が強い場合であっても、第3ステップの前の、ジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体を海底上で、より安定させることができる。
【0016】
<6>本発明の態様6に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様5のいずれか1つにおいて、前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、前記複数の先行杭は4つであり、前記4つの先行杭は、平面視において、略長方形の角部に設置されることを特徴とする。
【0017】
態様6に係る発明によれば、4つの先行杭は、平面視において、略長方形の角部に設置される。
換言すれば、4つの先行杭は、平面視において、略長方形を形成する。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体が受ける波力に対する強さを、前記略長方形の短辺が面する方向に対して特に強くすることができる。
よって、ジャケット構造体が設置される場所で波力が強い方向に対して前記略長方形の短辺が面することで、第3ステップの前の、ジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体を海底上で、より安定させることができる。
【0018】
<7>本発明の態様7に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様6のいずれか1つにおいて、前記ジャケット構造体は、4つのレグを含み、前記複数の先行杭は4つであり、前記4つの先行杭は、前記ジャケット構造体が設置される場所における波力の方向に応じて、平面視において略正方形又は略長方形の角部に設置されることを特徴とする。
【0019】
態様7に係る発明によれば、4つの先行杭は、ジャケット構造体が設置される場所における波力の方向に応じて、平面視において、略正方形又は略長方形の角部に設置される。
換言すれば、ジャケット構造体が設置される場所の波力の方向に応じて、4つの先行杭が平面視において略正方形又は略長方形のいずれを形成するように設置するかが決定される。
このように、方向を問わず波力の強さが一様である場合には、先行杭が平面視において略正方形を形成するように先行杭を設置し、特定の方向からの波力が強い場合には、先行杭が平面視において略長方形を形成して波力が強い方向に対して前記略長方形の短辺が面するように先行杭を設置することで、ジャケット構造体が設置される場所の特性に、より適した先行杭の設置位置とすることができる。
したがって、第3ステップの前の、ジャケット構造体が先行杭のみによって接続されて海底に載置された状態において、ジャケット構造体を海底上で、より安定させることができる。
【0020】
<8>本発明の態様8に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様7のいずれか1つにおいて、前記ジャケット構造体は、同一のウインドファーム又は同一の海域に複数設置され、複数の前記ジャケット構造体の方向は、前記ウインドファーム又は前記海域の波力の方向に応じて決定されることを特徴とする。
【0021】
ここで、一般に、作業船は、推進力によって、船首をボートランディングに押し付けることで安定させる。この時、作業船に対して入射側にボートランディングがあると、波の力が、ボートランディングに接近する作業船を押し返すように作用する。これにより、例えば、波の力によって船の推進力が相殺されるため、作業船が低速でボートランディングに近付くことができ、接触時の衝撃力を小さくすることができる。
そこで、態様8に係る発明によれば、複数のジャケット構造体の方向は、ジャケット構造体が設置されるウインドファーム又は海域の波力の方向に応じて決定される。これにより、例えば、作業船が接触するボートランディングが入射側に配置されるように、ジャケット構造体の方向を決定することができる。ジャケット構造体をこのように配置することで、作業船は、波の力によって、ボートランディングへの接触時の衝撃力を抑えることができる。よって、作業船をジャケット構造体にアクセスしやすくすることができる。
【0022】
<9>本発明の態様9に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様8のいずれか1つにおいて、前記ジャケット構造体は、同一のウインドファーム又は同一の海域に複数設置され、複数の前記ジャケット構造体の方向は、複数の前記ジャケット構造体の各々の位置における波力の方向に応じて決定されることを特徴とする。
【0023】
態様9に係る発明によれば、複数のジャケット構造体の方向は、複数のジャケット構造体の各々の位置における波力の方向に応じて決定される。
これにより、同一のウインドファーム又は同一の海域に設置される複数のジャケット構造体の各々の位置によって異なる波力の方向に、柔軟に対応することができる。
【0024】
<10>本発明の態様10に係るジャケット構造体の設置方法は、態様1から態様9のいずれか1つにおいて、前記先行杭の設置位置は、前記ジャケット構造体の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて決定されることを特徴とする。
【0025】
態様10に係る発明によれば、先行杭の設置位置は、ジャケット構造体の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて決定される。
このように、ジャケット構造体の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて先行杭の設置位置を決定することで、建設期間中におけるジャケット構造体を、より安定させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、杭の位置精度の厳密さを緩和するとともに、設置コストを抑えたジャケット構造体の設置方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係るジャケット構造体の正面図である。
図2】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第1上面模式図である。
図3】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第2上面模式図である。
図4】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第3上面模式図である。
図5】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第4上面模式図である。
図6】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第5上面模式図である。
図7】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第6上面模式図である。
図8】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第7上面模式図である。
図9】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第8上面模式図である。
図10】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第9上面模式図である。
図11】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第10上面模式図である。
図12】実施形態に係るジャケット構造体の設置時における先行杭の設置位置の一例を示す第11上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るジャケット構造体100の設置方法を説明する。
まず、本実施形態に係るジャケット構造体100について説明する。
図1は、本実施形態に係るジャケット構造体100の正面図である。
図1に示すジャケット構造体100は、海底Sに設置された杭Pを介して海底Sに設置され、洋上風車200を支持する。
ジャケット構造体100は、トランジションピース10と、レグ20と、スリーブ30と、を含む。
【0029】
図1に示すトランジションピース10は、洋上風車200に接続される部材である。
具体的には、トランジションピース10には、洋上風車200のタワーTの下端が接続される。
トランジションピース10は、レグ20によって支持される。
【0030】
図1に示すレグ20は、トランジションピース10を支持する部材である。
レグ20は、ジャケット構造体100に少なくとも3つ設けられる。
【0031】
図2は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第1上面模式図である。
図2に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図2に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられている。
【0032】
なお、ジャケット構造体100に設けられるレグ20の数は、4つに限定されるものではない。
ジャケット構造体100に設けられるレグ20の数は、3つ以上であればよく、5つであってもよい。
ジャケット構造体100に設けられるレグ20の数が少ないほど設置される杭Pの数も少なくジャケット構造体100の設置コスト及び運用コストが抑えられ、レグ20の数が多いほど杭Pの設置本数が必要となり設置コストがかかるが、その結果、ジャケット構造体100の支持力を確保しやすい。
ジャケット構造体100におけるレグ20の数は、ジャケット構造体100に求められる支持力や設置される海底の地盤条件に応じて、適宜決定されることが好ましい。
【0033】
スリーブ30は、図1に示すように、レグ20の下端に開口部を鉛直方向に向けて外方向に設けられる。
スリーブ30は、杭Pが挿入されてレグ20と接続可能な部材であればよい。
スリーブ30としては、筒状部材を例示することができる。
スリーブ30とレグ20の下端とは、図1、2に示すように、接続板30Pによって接続されている。
スリーブ30には、杭Pの上端が挿入される。 これにより、スリーブ30は、レグ20と杭Pとを接続する。
また、これにより、ジャケット構造体100は、杭Pに接続されて海底Sに固定される。
なお、図2においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられている。
また、図2においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20において正方形を形成するように先行杭P1が設置される。
【0034】
図3は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第2上面模式図である。
図3に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図3に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図3においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられている。
また、図3においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20において長方形を形成するように先行杭P1が設置される。
【0035】
図4は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第3上面模式図である。
図4に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図4に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図4においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられている。
また、図4においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちの対向する2つのレグ20において長方形を形成するように先行杭P1が設置される。
【0036】
図5は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第4上面模式図である。
図5に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図5に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図5においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられている。
また、図5においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちのいずれか3つのレグ20において三角形を形成するように先行杭P1が設置される。
【0037】
図6は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第5上面模式図である。
図6に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図6に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図6においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられている。
また、図6においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちの対向する2つのレグ20において三角形を形成するように先行杭P1が設置される。
【0038】
スリーブ30は、複数のレグ20の各々のレグ20に対して複数設けられる。
図2図6に示すジャケット構造体100は、複数備えるレグ20の各々のレグ20に対して、2つのスリーブ30を有する。
換言すれば、図2図6において、スリーブ30は、1つのレグ20に対して2つ設けられる。
これにより、1つのレグ20に対して2つの杭Pを接続することができる。
【0039】
図7は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第6上面模式図である。
図7に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図7に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図7においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が3つ設けられている。
また、図7においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20において正方形を形成するように先行杭P1が設置される。
図7に示す構成は、1つのレグ20に対して設けられるスリーブ30の数において、図2に示す構成と相違する。
【0040】
図8は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第7上面模式図である。
図8に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図8に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図8においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が3つ設けられている。
また、図8においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20において正方形を形成するように先行杭P1が設置される。
図8に示す構成は、先行杭P1に割り当てられるスリーブ30の位置について図7に示す構成と相違する。
【0041】
図9は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第8上面模式図である。
図9に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図9に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられる。
なお、図9においては、1つのレグ20に対してスリーブ30が3つ設けられている。
また、図9においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20において長方形を形成するように先行杭P1が設置される。
図9に示す構成は、1つのレグ20に対して設けられるスリーブ30の数について図3に示す構成と相違する。
【0042】
図10は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第9上面模式図である。
図10に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図10に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられている。
なお、図10においては、1つのレグ20に対して3つのスリーブ30が設けられる。
また、図10においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちの対向する2つのレグ20において長方形を形成するように先行杭P1が設置される。
図10に示す構成は、1つのレグ20に対して設けられるスリーブ30の数について図4に示す構成と相違する。
【0043】
図11は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第10上面模式図である。
図11に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図11に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられている。
なお、図11においては、1つのレグ20に対して3つのスリーブ30が設けられる。
また、図11においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちのいずれか3つのレグ20において三角形を形成するように先行杭P1が設置される。
図11に示す構成は、1つのレグ20に対して設けられるスリーブ30の数について図5に示す構成と相違する。
【0044】
図12は、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置時における先行杭P1の設置位置の一例を示す第11上面模式図である。
図12に示すジャケット構造体100は、4つのレグ20を含む。
換言すれば、図12に示すジャケット構造体100には、レグ20は4つ設けられている。
なお、図12においては、1つのレグ20に対して3つのスリーブ30が設けられる。
また、図12においては、後述するように、平面視において、4つのレグ20のうちの対向するレグ20において三角形を形成するように先行杭P1が設置される。
図12に示す構成は、1つのレグ20に対して設けられるスリーブ30の数について図6に示す構成と相違する。
【0045】
スリーブ30は、図7図12に示すように、1つのレグ20に対して3つ設けられていてもよい。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、スリーブ30は、設置する杭が干渉しなければよく、4つ以上設けられてもよい。
1つのレグ20に対するスリーブ30の数が少ないほど設置される杭Pの数も少なくジャケット構造体100の設置コスト及び運用コストが抑えられ、スリーブ30の数が多いほど杭Pの設置本数が必要となり設置コストがかかるがレグ20の支持力が大きくなる。
1つのレグ20に対するスリーブ30の数は、ジャケット構造体100を設置する海底の地盤条件等に基づき決定される1つのレグ20に接続される杭Pの数に応じて、適宜決定されることが好ましい。
1つのレグ20に接続される杭Pの数については、ジャケット構造体100に求められる支持力が相対的に高い場合または地盤が相対的に軟弱である場合には杭Pの数を多くし、ジャケット構造体100に求められる支持力が相対的に高くなく、または地盤が相対的に強固である場合には杭Pの数を抑えることができる。
【0046】
なお、ジャケット構造体100は、上記構成に加えて、図1に示すように、ブレース40を備えていてもよい。
ブレース40は、複数のレグ20の間を接続するとともに、ジャケット構造体100を補強する。
【0047】
(ジャケット構造体100の設置方法)
次に、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置方法について説明する。
本実施形態に係るジャケット構造体100は、例えば、同一のウインドファーム又は同一の海域に複数設置される。
このとき、複数のジャケット構造体100の設置方向は、ウインドファーム又は海域の波力の方向に応じて決定されることが好ましい。
これにより、ウインドファーム又は海域において、ジャケット構造体100を、波力に対して、より安定させることができる。
あるいは、複数のジャケット構造体100の設置方向は、複数のジャケット構造体100の各々の設置予定位置における波力の方向に応じて決定されてもよい。
【0048】
次に、ジャケット構造体100を設置する際の詳細なステップについて説明する。
なお、以下の説明において、海底Sに設置される杭Pのうち、後述する第1ステップにおいて設置されるものを先行杭P1と呼称する。
海底Sに設置される杭Pのうち、後述する第3ステップにおいて設置されるものを後行杭P2と呼称する。
【0049】
本実施形態に係るジャケット構造体100の設置方法は、第1ステップと、第2ステップと、第3ステップと、を含む。
【0050】
第1ステップは、先行杭P1を設置するステップである。
具体的には、第1ステップは、先行杭P1とジャケット構造体100の各レグ20が複数備えるスリーブ30とが接続可能となるように、位置精度及び先行杭P1,P1・・・間の間隔の寸法精度を確保するとともに、先行杭P1,P1・・・を海底Sに設置するステップである。
先行杭P1の設置位置は、ジャケット構造体100が設置される場所の条件に応じて適宜決定されるが、詳細は後述する。
【0051】
第1ステップにおいて、先行杭P1は、1のジャケット構造体100に対して少なくとも3つ設置されることが好ましい。
これにより、先行杭P1によって、ジャケット構造体100の平面視において多角形が形成され、後述の第2ステップで海底Sに載置したジャケット構造体100の安定性が確保される。
なお、ジャケット構造体100の重心は、平面視において、先行杭P1によって形成される多角形内にあることが好ましく、平面視におけるトランジションピース10の中心にあることが、より好ましい。
また、複数の先行杭P1の設置は、ジャケット構造体100を中心とした時計回りまたは反時計回りの順に行うことが好ましい。
これにより、複数の先行杭P1の設置の作業性を向上させることができる。
【0052】
第1ステップにおいて、先行杭P1の海底Sへの設置には、テンプレートを用いることが好ましい。
テンプレートは、海底Sに設置されることで、複数の先行杭P1間の相対位置を固定して設置できるようにする、目印となる部材である。
先行杭P1の設置にテンプレートを用いると、複数の先行杭P1間の位置精度を向上させることができる。
テンプレートは、先行杭P1,P1・・・を挿通するための複数の孔を有し、海底Sに設置する先行杭P1の設置位置に合わせて異なる寸法で複数備える。
テンプレートは、第1ステップにおいて先行杭P1を設置した後、海底Sに残置されてもよいし、第2ステップの前に撤去されてもよい。
テンプレートが第2ステップの前に撤去される場合には、1つのテンプレートを先行杭P1間の相対位置が同じである複数のジャケット構造体100の先行杭P1の設置に転用することで、複数の先行杭P1間の位置を複数のジャケット構造体100の間で統一することができる。
なお、テンプレートによって設置される複数の先行杭P1の杭間距離が異なると、テンプレートの形状に工夫が必要であり、または各先行杭P1,P1間の距離に応じて複数のテンプレートが必要になり、テンプレートの製造コストが増大する。
このため、先行杭P1の設置にテンプレートを用いる場合には、テンプレートの製造コストの観点からは、テンプレートによって設置される複数の先行杭P1,P1間の杭間距離は統一されることが好ましい。
これにより、テンプレートの製造コストを抑えることができる。
【0053】
第2ステップは、1つのレグ20に対して設けられた複数のスリーブ30のうちの1つのスリーブ30に、第1ステップで設置された複数の先行杭P1のうちの対応する1つの先行杭P1が挿入されるように、ジャケット構造体100を載置するステップである。
すなわち、第2ステップにおいては、ジャケット構造体100のスリーブ30の位置を、海底Sに設置された先行杭P1に合わせることで、スリーブ30に対して先行杭P1が挿入される。
これにより、先行杭P1とスリーブ30とが接続されるとともに、ジャケット構造体100が海底Sに載置される。
【0054】
第3ステップは、後行杭P2を設置するステップである。
具体的には、第3ステップは、後行杭P2とジャケット構造体100が複数備えるスリーブ30とが接続可能となるように、後行杭P2を海底Sに設置するステップである。
第3ステップでは、1つのレグ20に対して複数設けられたスリーブ30のうち、先行杭P1と接続されていないスリーブ30に、1つ又は複数の後行杭P2が挿入される。
例えば、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ設けられ、前記2つのスリーブ30のうちの1つに先行杭P1が接続されている場合、第3ステップにおいては、前記2つのスリーブ30のうちの他の1つに、後行杭P2が接続される。
例えば、1つのレグ20に対してスリーブ30が3つ以上設けられ、前記複数のスリーブ30のうちの1つに先行杭P1が接続されている場合、第3ステップにおいては、先行杭P1が接続されたスリーブ30以外のスリーブ30に、後行杭P2が接続される。
なお、1つのレグ20に対して複数設けられたスリーブ30すべてが既に先行杭P1と接続されているときには、後行杭P2は当該スリーブ30には接続不要となる。
または、1つのレグ20に対してスリーブ30が2つ以上設けられ、そのいずれにも先行杭P1が接続されていない場合、第3ステップにおいては、先行杭P1が接続されていない複数のスリーブ30のそれぞれに、後行杭P2が接続される。
ただし、複数のスリーブ30のすべてに杭が挿入されていなくてもよく、複数のスリーブ30のうちいずれかに杭が挿入されていなくてもよい。
【0055】
後行杭P2は、第2ステップにおいて海底Sに先行杭P1を経由して載置されたジャケット構造体100の筒状部材であるスリーブ30に対して、上方から挿入されて海底Sに設置される。
換言すれば、後行杭P2は、スリーブ30にガイドされて設置される。
これにより、後行杭P2とスリーブ30とをスムーズに接続することができる。
上記の第1~第3ステップを経ることにより、ジャケット構造体100が海底Sに設置される。
【0056】
(先行杭P1の設置位置について)
次に、ジャケット構造体100を海底Sに設置する際の、先行杭P1の設置位置について説明する。
なお、先行杭P1の設置位置は、以下に説明する例のうちいずれかから適宜選択される。
同一のウインドファーム又は同一の海域にジャケット構造体100が複数設置される場合、先行杭P1の設置位置は、複数設置されたジャケット構造体100において統一されていてもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
先行杭P1の設置位置は、ジャケット構造体100が設置される場所における波力の方向に応じて決定される。
あるいは、先行杭P1の設置位置は、ジャケット構造体100の建設期間中における最大波力の向き及び大きさに応じて決定されてもよい。
【0057】
(先行杭P1の第1設置位置例)
先行杭P1の第1設置位置例において、複数の先行杭P1は、平面視において、略正多角形の角部に設置される。
換言すれば、複数の先行杭P1は、平面視において、略正多角形を形成する。
本実施形態において、略正多角形とは、多角形の備える角のそれぞれの角度が、正多角形である場合の角度に対して±5%以下の範囲にあるもの、または、多角形の備える辺のそれぞれの長さが、正多角形である場合の寸法に対して±5%以下の範囲にあるものをいう。
【0058】
例えば、複数の先行杭P1が4つである場合、つまり、第1ステップにおいて先行杭P1が4つ設けられる場合、4つの先行杭P1は、図2図7図8に示すように、平面視において、略正方形の角部に設置される。
換言すれば、4つの先行杭P1が、平面視において、略正方形を形成するように設置される。
本実施形態において、略正方形とは、四角形の備える角のそれぞれの角度が、85°~95°の範囲にあるもの、かつ、四角形の備える各辺の長さのうち、最も短い辺の長さが、最も長い辺の長さの90%以上であるものをいう。
【0059】
4つの先行杭P1によって、平面視において、略正方形を形成する場合、図2図7図8に示すように、4つのレグ20のそれぞれに設けられた複数のスリーブ30から、互いに対応する位置のスリーブ30を1つずつ選択して、選択されたスリーブ30に先行杭P1が挿入されるように、先行杭P1を海底Sに設置することが好ましい。
【0060】
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、1つのジャケット構造体100におけるレグ20の数が3つである場合、3つの先行杭P1を、平面視において略正三角形を形成するように設置してもよい。
あるいは、1つのジャケット構造体100におけるレグ20の数が5つまたは6つである場合、5つまたは6つの先行杭P1を、平面視において略正五角形または略正六角形を形成するように設置してもよい。
これらの略正三角形、略正五角形、略正六角形は、上述の略多角形の定義に沿ったものである。
なお、略多角形は、これらに限定されるものではなく、1つのジャケット構造体100におけるレグ20の数が7つ以上であってもよい。
【0061】
複数の先行杭P1をこのような設置位置とすることで、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを等方的にすることができる。
第1設置位置例における先行杭P1の設置は、ジャケット構造体100が設置される場所において、方向によって波力の強さに差がない場合に好適に用いられる。
【0062】
(先行杭P1の第2設置位置例)
先行杭P1の第2設置位置例において、複数の先行杭P1は、平面視において、略対称な図形の角部に設置される。
換言すれば、複数の先行杭P1が、平面視において、略対称な図形を形成するように設置される。
本実施形態において、略対称な図形とは、例えば、基準となる線または点の一方の側の図形と他方の側の図形との間の形状の誤差が±10%以下であるものをいう。
ここで、2つの図形の形状の誤差は、当該図形を対称な図形と重畳させた場合に、当該図形の面積に対する重畳しない部分の面積の割合である。
略対称な図形としては、長方形状の図形(略長方形)や、二等辺三角形状の図形(略二等辺三角形)等が挙げられる。
【0063】
すなわち、例えば、略対称とは、基準となる線または点の一方の側の図形と他方の側の図形のうち、互いに対応する辺の長さについて、短い方の寸法が、長い方の寸法に対して90%以上であるもの、または、互いに対応する角の角度の大きさについて、小さい方の角度が、大きい方の角度に対して90%以上であるものをいう。
【0064】
例えば、複数の先行杭P1が4つである場合、つまり、第1ステップにおいて先行杭P1が4つ設けられる場合、4つの先行杭P1は、図3図4図9図10に示すように、平面視において、略長方形の角部に設置される。
換言すれば、4つの先行杭P1は、平面視において、略長方形を形成するように設置される。
本実施形態において、略長方形とは、四角形の備える角のそれぞれの角度が、85°~95°の範囲にあるものをいう。
【0065】
例えば、複数の先行杭P1が3つである場合、つまり、第1ステップにおいて先行杭P1が3つ設けられる場合、3つの先行杭P1は、図5図6図11図12に示すように、平面視において、略二等辺三角形の角部に設置される。
換言すれば、3つの先行杭P1は、平面視において、略二等辺三角形を形成するように設置される。
本実施形態において、略二等辺三角形とは、三角形の備える2つの底角の角度のうち、小さい方の底角の角度が、大きい方の底角の角度の90%以上のもの、かつ、2つの等辺に相当する辺のうち短い方の寸法が、長い方の寸法に対して90%以上であるものをいう。
【0066】
3つまたは4つの先行杭P1によって、平面視において、略対称な図形を形成する場合、4つのレグ20のそれぞれに設けられた複数のスリーブ30から、先行杭P1と接続するスリーブ30を適宜選択して、選択されたスリーブ30に先行杭P1が挿入されるように、先行杭P1を海底Sに設置することが好ましい。
【0067】
複数の先行杭P1をこのような設置位置とすると、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを、特定の方向に対して特に強くすることができる。
例えば、4つの先行杭P1を、平面視において、略長方形を形成するように設置した場合には、前記略長方形の短辺が面する方向の波力に対して特に強くすることができる。
このため、先行杭P1が略長方形を形成する場合には、波の進行方向に対して前記略長方形の短辺が略直角となるように、先行杭P1を設置することが好ましい。
第2設置位置例における先行杭P1の設置位置は、ジャケット構造体100が設置される場所において、特定の方向からの波力が強い場合に好適に用いられる。
【0068】
ジャケット構造体100を海底Sに設置する際は、上述の2つの設置位置例のいずれかを選択して、第1ステップにおいて先行杭P1を海底Sに設置する。
なお、先行杭P1を4つ設ける場合には、ジャケット構造体100が設置される場所における波力の方向に応じて、平面視において、略正方形又は略長方形の角部に設置することが好ましい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係るジャケット構造体100の設置方法によれば、第1ステップにおいて、先行杭P1が設置される。
次の第2ステップにおいて、先行杭P1をスリーブ30に挿入させることで洋上風車200を支持するジャケット構造体100が海底Sに載置される。
そして、第3ステップにおいて、後行杭P2が設置される。
このように、予め海底Sに設置された先行杭P1に対してジャケット構造体100を載置すると、基礎杭である先行杭P1を海底Sに設置することなくジャケット構造体100を直接海底S上に設置する場合に生じうるジャケット構造体100の海底Sへの沈み込みや不等沈下を抑えることができる。
したがって、マッドマットや仮杭を不要とすることができる。
また、ジャケット構造体100の先行杭P1経由での海底S上への載置後に後行杭P2を設置することで、予め海底Sに設置する先行杭P1の数を抑えることができるとともに、スリーブ30を後行杭P2のガイド部材として用いることができるので、後行杭を施工する際には先行杭を施工する際と異なり、スリーブ30と干渉することの懸念がない。
よって、ジャケット構造体100の設置トラブルを抑えることができる。
【0070】
また、第1設置位置例では、複数の先行杭P1は、平面視において、略正多角形の角部に設置される。
換言すれば、第1設置位置例では、複数の先行杭P1は、平面視において、略正多角形を形成する。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体100が先行杭P1に載置された状態において、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを等方的にすることができる。
よって、第3ステップの前の、ジャケット構造体100が先行杭P1のみによって支持された状態において、ジャケット構造体100を海底Sに安定させることができる。
【0071】
また、第1設置位置例では、4つの先行杭P1は、平面視において、略正方形の角部に設置されることがある。
換言すれば、第1設置位置例では、4つの先行杭P1は、平面視において、略正方形を形成することがある。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態において、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを四方に等方的にすることができる。
よって、第3ステップの前の、ジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態において、ジャケット構造体100を海底S上で、安定させることができる。
【0072】
また、ジャケット構造体100は、1つのレグ20に対して2つ以上のスリーブ30を有する。
これにより、1つのレグ20を、1つ以上の先行杭P1及び1つ以上の後行杭P2によって支持することができる。
よって、ジャケット構造体100を海底S上で、より安定させることができる。
また、1つのレグ20に対して2つのスリーブ30を含む場合には、スリーブ30の数を相対的に抑えることができる。
【0073】
また、複数の先行杭P1は、平面視において、略対称な図形の角部に設置される。
換言すれば、複数の先行杭P1は、平面視において、略対称な図形を形成する。
これにより、先行杭の配置に異方性がある場合も含まれることになるが、先行杭の配置に異方性があると、第2ステップにおいてジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態において、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを、特定の方向に対して特に強くすることができる。
よって、ジャケット構造体100が設置される場所で特定の方向からの波力が強い場合であっても、複数の先行杭P1の平面視における設置位置を調整することで第3ステップの前の、ジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態においても、ジャケット構造体100を海底S上で、より安定させることができる。
【0074】
また、第2設置位置例では、4つの先行杭P1は、平面視において、略長方形の角部に設置されることがある。
換言すれば、第2設置位置例では、4つの先行杭P1は、平面視において、略長方形を形成することがある。
これにより、第2ステップにおいてジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態において、ジャケット構造体100が受ける波力に対する強さを、前記略長方形の短辺が面する方向に対して特に強くすることができる。
よって、ジャケット構造体100が設置される場所で波力が強い方向に対して前記略長方形の短辺が面することで、第3ステップの前の、ジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底Sに載置された状態においても、ジャケット構造体100を海底S上で、より安定させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、4つの先行杭P1は、ジャケット構造体100が設置される場所における波力の方向に応じて、平面視において略正方形又は略長方形の角部に設置されることがある。
換言すれば、本実施形態では、ジャケット構造体100が設置される場所の波力の方向に応じて、4つの先行杭P1が平面視において略正方形又は略長方形のいずれを形成するように設置するかが決定される。
これにより、方向を問わず波力の強さが一様である場合には、先行杭P1が平面視において略正方形を形成するように先行杭P1を設置し、特定の方向からの波力が強い場合には、先行杭P1が平面視において略長方形を形成して波力が強い方向に対して前記略長方形の短辺が面するように先行杭P1を設置することで、ジャケット構造体100が設置される場所の特性に、より適した先行杭P1の設置位置とすることができる。
したがって、第3ステップの前の、ジャケット構造体100が先行杭P1のみによって接続されて海底に載置された状態においても、ジャケット構造体100を海底S上で、より安定させることができる。
【0076】
ここで、一般に、作業船は、推進力によって、船首をボートランディングに押し付けることで安定させる。この時、作業船に対して入射側にボートランディングがあると、波の力が、ボートランディングに接近する船を押し返すように作用する。これにより、例えば、波の力によって船の推進力が相殺されるため、作業船が低速でボートランディングに近付くことができ、接触時の衝撃力を小さくすることができる。
そこで、複数のジャケット構造体100の設置方向は、ジャケット構造体100が設置されるウインドファーム又は海域の波力の方向に応じて決定されてもよい。これにより、例えば、作業船が接触するボートランディングが入射側に配置されるように、ジャケット構造体100の設置方向を決定することができる。ジャケット構造体100をこのように配置することで、作業船は、波の力によって、ボートランディングへの接触時の衝撃力を抑えることができる。よって、作業船をジャケット構造体100にアクセスしやすくすることができる。
【0077】
また、複数のジャケット構造体100の設置方向は、複数のジャケット構造体100の各々の位置における波力の方向に応じて決定されてもよい。
これにより、同一のウインドファーム又は同一の海域に設置される複数のジャケット構造体100の各々の位置によって異なる波力の方向に、柔軟に対応することができる。
【0078】
また、先行杭P1の設置位置は、ジャケット構造体100の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて決定されることがある。
このように、ジャケット構造体100の建設期間中における最大波力の方向及び大きさに応じて先行杭P1の設置位置を決定することで、建設期間中におけるジャケット構造体100を、より安定させることができる。
【0079】
なお、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ジャケット構造体100の平面視において先行杭P1が形成する多角形は、平面視においてジャケット構造体100の重心が多角形の内部に位置するものであれば、略正多角形状でなくてもよい。
ジャケット構造体100の平面視において先行杭P1が形成する多角形は、単なる四角形または三角形等であってもよい。
また、1つのレグ20に対して複数の先行杭P1が設置されてもよい。
また、レグの本数は4本として説明したが、3本以上であればよく、レグの本数は限定されるものではない。
【0080】
なお、本明細書においては、ジャケット構造体を海底に設置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明を適用可能なジャケット構造体の設置場所としては、海底以外に湖底等の水底も例示することができる。
【0081】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 トランジションピース
20 レグ
30 スリーブ
30P 接続板
40 ブレース
100 ジャケット構造体
200 洋上風車
P 杭
P1 先行杭
P2 後行杭
S 海底
T タワー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12