(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153363
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】容器内の水分量検知システム
(51)【国際特許分類】
G01G 23/00 20060101AFI20251002BHJP
G01N 5/00 20060101ALN20251002BHJP
【FI】
G01G23/00 Z
G01N5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055811
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 涼介
(72)【発明者】
【氏名】高野 智央
(72)【発明者】
【氏名】尾原 孝明
(72)【発明者】
【氏名】豊田 充生
(72)【発明者】
【氏名】多喜 義彦
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、容器内の水分量を測定してコンピュータ装置へ送信できるシステム、又は、容器内の水分量が所定の条件を満たすことをコンピュータ装置へ送信できるシステムを提供することである。
【解決手段】
被管理者が所持する容器内の水分量を測定する水分量測定手段、又は、該水分量が所定の条件を満たすことを検知する水分量検知手段と測定した水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する送信手段とを備えるシステムである。前記コンピュータ装置が、前記被管理者が搭乗可能な車両に備えられている、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理者が所持する容器内の水分量を測定する水分量測定手段、又は、該水分量が所定の条件を満たすことを検知する水分量検知手段と、
測定した水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する送信手段と
を備え、
前記コンピュータ装置が、前記被管理者が搭乗可能な車両に備えられている、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末である、システム。
【請求項2】
水分量が所定の条件を満たしたことに応じて、前記コンピュータ装置が、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報を出力する出力手段
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
出力手段が、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報とともに、前記被管理者の位置に関する情報を出力する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
複数の前記被管理者がそれぞれ所持する又は装着する第2装置を備え、
送信手段が、複数の第2装置のアドホック通信を介して、1の第2装置に対応する前記被管理者が所持する容器内の水分量、又は、該水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
複数の第1装置と、
前記被管理者が所持する又は装着する第2装置と
を備え、
複数の第1装置のそれぞれと第2装置との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置のそれぞれと第2装置の距離を算定する第1距離算定手段と、
算定された複数の第1装置のそれぞれと第2装置の距離を基に、第2装置の位置を特定する第1位置特定手段と
を備える、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
第1位置特定手段により特定した第2装置の位置を、前記被管理者が搭乗可能な車両が備える表示画面、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末が備える表示画面に表示するよう制御する第1表示制御手段
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
第1距離算定手段が、1の第1装置の時計と、第2装置の時計との時刻のずれを基に距離を算定するものである、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
1の第1装置と第2装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第2装置との間の時刻のずれを算定する第1時刻ずれ算定手段と、
算定された時刻ずれに基づいて、第2装置における時刻を補正する第1時刻補正手段と
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
1の第1装置と第2装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第2装置との間の時計の位相のずれを算定する第1位相ずれ算定手段と、
算定された位相ずれに基づいて、第2装置における位相を補正する第1位相補正手段と
を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
複数の第1装置と、
前記被管理者が搭乗可能な車両、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末に備えられる第3装置と
を備え、
複数の第1装置のそれぞれと第3装置との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置のそれぞれと第3装置の距離を算定する第2距離算定手段と、
算定された複数の第1装置のそれぞれと第3装置の距離を基に、第3装置の位置を特定する第2位置特定手段と
を備える、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
第2距離算定手段が、1の第1装置の時計と、第3装置の時計との時刻のずれを基に距離を算定するものである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
1の第1装置と第3装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第3装置との間の時刻のずれを算定する第2時刻ずれ算定手段と、
算定された時刻ずれに基づいて、第3装置における時刻を補正する第2時刻補正手段と
を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
1の第1装置と第3装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第3装置との間の時計の位相のずれを算定する第2位相ずれ算定手段と、
算定された位相ずれに基づいて、第3装置における位相を補正する第2位相補正手段と
を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
被管理者が所持する容器内の水分量を測定する水分量測定ステップ、又は、水分量が所定の条件を満たすことを検知する水分量検知ステップと、
測定した水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する送信ステップと
を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の影響により、熱中症、熱射病、日射病等を発症するリスクが高まっている。熱中症等を防止するため、こまめに水分補給をすることが求められている。そのため、水筒など容器内の水分が減った場合、水分を補充する必要がある。また、本人が水分補給を積極的に実施しない場合、本人以外が水分補給を促す必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、適切なタイミングでの水筒等への飲料水の補充を支援する飲料水補充支援装置が開示されている。飲料水補充支援装置は、水位情報取得部と、残量計算部と、補充判定部と、補充支援情報生成部とを含む。水位情報取得部は、水筒に収容されている飲料水の水位を特定可能な物理量を検出する水位センサの検出データを取得する。残量計算部は、水位情報取得部が取得した検出データを利用して、水筒に収容されている飲料水の残量を計算する。補充判定部は、残量計算部の計算結果を利用して、水筒への飲料水の補充をすべきか否かを判定する。補充支援情報生成部は、補充判定部が飲料水の補充をすべきと判定した場合、水筒への飲料水の補充を支援するための補充支援情報を生成する。生成された補充支援情報は、ユーザが所持する飲料水補充支援装置に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、容器内の水分量を測定してコンピュータ装置へ送信できるシステム、又は、容器内の水分量が所定の条件を満たすことをコンピュータ装置へ送信できるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、
[1]被管理者が所持する容器内の水分量を測定する水分量測定手段、又は、該水分量が所定の条件を満たすことを検知する水分量検知手段と、測定した水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する送信手段とを備え、前記コンピュータ装置が、前記被管理者が搭乗可能な車両に備えられている、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末である、システム;
[2]水分量が所定の条件を満たしたことに応じて、前記コンピュータ装置が、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報を出力する出力手段を備える、前記[1]に記載のシステム;
[3]出力手段が、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報とともに、前記被管理者の位置に関する情報を出力する、前記[2]に記載のシステム;
[4]複数の前記被管理者がそれぞれ所持する又は装着する第2装置を備え、送信手段が、複数の第2装置のアドホック通信を介して、1の第2装置に対応する前記被管理者が所持する容器内の水分量、又は、該水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する、前記[1]~[3]のいずれかに記載のシステム;
[5]複数の第1装置と、前記被管理者が所持する又は装着する第2装置とを備え、複数の第1装置のそれぞれと第2装置との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置のそれぞれと第2装置の距離を算定する第1距離算定手段と、算定された複数の第1装置のそれぞれと第2装置の距離を基に、第2装置の位置を特定する第1位置特定手段とを備える、前記[1]~[4]のいずれかに記載のシステム;
[6]第1位置特定手段により特定した第2装置の位置を、前記被管理者が搭乗可能な車両が備える表示画面、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末が備える表示画面に表示するよう制御する第1表示制御手段を備える、前記[5]に記載のシステム;
[7]第1距離算定手段が、1の第1装置の時計と、第2装置の時計との時刻のずれを基に距離を算定するものである、前記[5]又は[6]に記載のシステム;
[8]1の第1装置と第2装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第2装置との間の時刻のずれを算定する第1時刻ずれ算定手段と、
算定された時刻ずれに基づいて、第2装置における時刻を補正する第1時刻補正手段と
を備える、前記[5]~[7]のいずれかに記載のシステム;
[9]1の第1装置と第2装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第2装置との間の時計の位相のずれを算定する第1位相ずれ算定手段と、
算定された位相ずれに基づいて、第2装置における位相を補正する第1位相補正手段と
を備える、前記[5]~[8]のいずれかに記載のシステム;
[10]複数の第1装置と、前記被管理者が搭乗可能な車両、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末に備えられる第3装置とを備え、複数の第1装置のそれぞれと第3装置との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置のそれぞれと第3装置の距離を算定する第2距離算定手段と、算定された複数の第1装置のそれぞれと第3装置の距離を基に、第3装置の位置を特定する第2位置特定手段とを備える、前記[1]~[9]のいずれかに記載のシステム;
[11]第2距離算定手段が、1の第1装置の時計と、第3装置の時計との時刻のずれを基に距離を算定するものである、前記[10]に記載のシステム;
[12]1の第1装置と第3装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第3装置との間の時刻のずれを算定する第2時刻ずれ算定手段と、算定された時刻ずれに基づいて、第3装置における時刻を補正する第2時刻補正手段とを備える、前記[10]又は[11]に記載のシステム;
[13]1の第1装置と第3装置との間で通信を行うことにより、1の第1装置と第3装置との間の時計の位相のずれを算定する第2位相ずれ算定手段と、算定された位相ずれに基づいて、第3装置における位相を補正する第2位相補正手段と
を備える、前記[10]~[12]のいずれかに記載のシステム;
[14]被管理者が所持する容器内の水分量を測定する水分量測定ステップ、又は、水分量が所定の条件を満たすことを検知する水分量検知ステップと、測定した水分量、又は、水分量が所所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する送信ステップとを有する、方法;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、容器内の水分量を測定してコンピュータ装置へ送信できるシステム、又は、容器内の水分量が所定の条件を満たすことをコンピュータ装置へ送信できるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態にかかるシステムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態にかかる第1装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態にかかる第2装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態にかかる管理者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる距離算定処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態にかかる位置特定処理のフローチャートを示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる出力処理のフローチャートを示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態にかかる水分量記憶テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。以下で説明するフローチャートを構成する各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、また、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で、フローチャートを構成する各処理の一部を省略することや、フローチャートを構成する各処理に新たな処理を追加することも可能である。また、フローチャートを構成する各処理を実行する主体となる装置は、本発明の趣旨に反しない限り、他の装置へ変更することが可能である。その際、処理内容に矛盾や不整合が生じないように、処理内容を変更することが可能である。
【0010】
[システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態にかかるシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、システム10は、少なくとも1のコンピュータ装置を備える。システム10は、複数の第1装置1(1a~1z)と、第2装置2とを備えてもよい。システム10は、車両(不図示)又は管理者端末3Aに備えられる第3装置3と、センサ4と、サーバ装置5とを備えてもよい。システム10は、車両及び管理者端末3Aを備えていてもよい。
【0011】
システム10は、複数の第2装置2(2a~2z)、複数の車両(不図示)、複数の管理者端末3A(不図示)、又は、複数のセンサ4(4a~4z)を備えてもよい。車両には、コンピュータ装置が備えられている。なお、本発明の実施の形態において、管理者端末3A、車両に備えられたコンピュータ装置、又は、サーバ装置5は、コンピュータ装置の一例である。
【0012】
第1装置1と、第2装置2と、第3装置3とは、それぞれ直接的に通信接続することが可能である。また、複数の第1装置1、複数の第2装置2、又は、複数の第3装置3は、それぞれ直接的に通信接続することが可能である。装置間の直接的な通信は、アドホック通信を利用してもよい。また、第2装置2とセンサ4とは、直接的に通信接続することが可能である。第1装置1、第2装置2、第3装置3、車両に備えられたコンピュータ装置、又は、管理者端末3Aは、サーバ装置5と通信ネットワーク6を介して、それぞれ通信接続をすることが可能である。
【0013】
第1装置1は、第2装置2又は第3装置3の時計を同期するための基準となる装置である。1つの第1装置1が、複数の第2装置2、又は、複数の第3装置3に対して、時計を同期するための基準となる装置として機能してもよい。さらに、第1装置1は、他の第1装置1の時計を同期するための基準となる装置として機能してもよい。ある1つの第1装置1に対して複数の第2装置2又は複数の第3装置3が存在し、これらの複数の第2装置2又は複数の第3装置3のそれぞれが、複数の他の第2装置2又は複数の他の第3装置3に対して時計を同期するための基準となる装置として機能することで、ピラミッド状の関係が形成されてもよい。
【0014】
システム10では、第1装置1で刻時される時刻を基準に、第2装置2又は第3装置3の時刻が同期され、第1装置1内の発振器により発生する信号の位相を基準に、第2装置2内の発振器又は第3装置3内の発信機により発生する信号の位相が同期される。また、第2装置2又は第3装置3で刻時される時刻を基準に、他の第2装置2の時刻又は他の第3装置3の時刻が同期されてもよく、第2装置2内の発振器又は第3装置3内の発振器により発生する信号の位相を基準に、他の第2装置内の発振器又は他の第3装置3内の発振器により発生する信号の位相が同期されてもよい。
【0015】
[第1装置]
本発明の第1装置1について説明をする。第1装置1は、位置を固定して設置される。第1装置1の設置位置は限定されないが、屋内でもよく、屋外でもよい。例えば、第1装置1は、送電線を支える送電鉄塔に配置されていてもよい。システム10において、複数の第1装置1が設置されている。第1装置1によって、位置の特定が可能な第2装置2又は第3装置3の領域を網羅するために、複数の第1装置1を格子状に配置してもよい。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態にかかる第1装置のハードウェア構成を示すブロック図である。第1装置1は、制御部11、RFチップ12及び発振器13を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。RFチップ12には、時計12a及び位相検出器12bが備えられている。第1装置1は、必要に応じて他の構成を備えていてもよい。
【0017】
制御部11としては、特に限定されないが、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)を使用することができる。制御部11では、プログラム及びデータをもとに、プログラム実行処理を行う。RFチップ12は、無線信号の受信及び送信の処理を行う。RFチップ12にて受信したデータは、制御部11にて演算処理の対象となる。
【0018】
発振器13は、所定の周波数で発振し、装置各部の動作タイミングを与えるための信号を出力する。発振器13としては、例えば、原子発振器、水晶発振器等を用いることができる。時計12aは、発振器13の出力信号を源振として刻時し、時刻を出力する。時計12aで刻時された時刻は、制御部11により、RFチップ12を介して第2装置2又は第3装置3へ送信するよう制御される。位相検出器12bでは、第2装置2又は第3装置3から受信した情報を構成する搬送波の位相を検出し、発振器13により発振される信号の位相を検出する。
【0019】
[第2装置]
本発明の第2装置2について説明をする。第2装置2は、被管理者に所持又は装着される。被管理者とは、管理者によって管理される者であり、未就学児、小学生などの18歳未満の児童だけでなく、18歳以上の成人も含む。例えば、管理者が保護者の場合、被管理者は該保護者の子どもであり、管理者が保育園等の施設における保育者の場合、被管理者は児童であり、管理者が企業における雇用主やマネージャーの場合、被管理者は従業員である。本発明の実施の形態において、被管理者は容器を所持している。
【0020】
被管理者が所持する容器とは、水、お茶、清涼飲料水等の人が摂取できる水分を含む液体を収容できる容器である。収容される液体の種類は、特に限定されない。容器は、水筒であってもよく、ペットボトルであってもよい。容器は、使い捨ての容器であってもよい。容器本体の素材は特に限定されない。容器には、水分量の測定又は水分量が所定の条件を満たすことの検知が可能なセンサ4が備えられている。センサ4については、後述する。
【0021】
第2装置2ごとに識別情報(第2装置ID)が付与されており、また、識別情報は、被管理者の氏名や被管理者を識別可能な被管理者IDと関連付けて、第3装置3、管理者端末3A、車両のコンピュータ装置、又はサーバ装置5にて記憶されている。被管理者IDは、被管理者の在籍する施設、クラス、部活、部署等を識別可能な所属IDと関連付けられてもよい。一人の被管理者は、1つの第2装置2を所持又は装着をしている。例えば、第1の被管理者は、第2装置2aを所持し、第2の被管理者は第2装置2bを所持する。そのため、第2装置2の位置を特定することで、第2装置2の識別情報に対応する被管理者の位置を特定することができる。
【0022】
第2装置2としては、第1装置1と同様のハードウェア構成を有するものを用いることができる。
図3は、本発明の実施の形態にかかる第2装置のハードウェア構成を示すブロック図である。第2装置2は、例えば、制御部21、RFチップ22及び発振器23を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。RFチップ22には、時計22a及び位相検出器22bが備えられている。第2装置2は、必要に応じて他の構成を備えていてもよい。
【0023】
制御部21としては、特に限定されないが、例えば、マイコンを使用することができる。制御部21では、プログラム及びデータをもとに、プログラム実行処理を行う。RFチップ22は、無線信号の受信及び送信の処理を行う。RFチップ22にて受信したデータは、制御部21にて演算処理の対象となる。発振器23は、所定の周波数で発振し、装置各部の動作タイミングを与えるための信号を出力する。時計22aは、発振器23の出力信号を源振として刻時し、時刻を出力する。時計22aで刻時された時刻は、制御部21により、RFチップ22を介して第1装置1へ送信するよう制御される。位相検出器22bでは、第1装置1から受信した情報を構成する搬送波の位相を検出し、第2装置2の発振器23により発振される信号の位相を検出する。
【0024】
第2装置2が被管理者に所持される場合、第2装置2は容器に取り付けられてもよい。容器に第2装置が取り付けられる場合、容器に取り付けられたセンサ4と第2装置が別体として構成されていてもよく、一体として構成されていてもよい。
【0025】
第2装置2が被管理者に装着される場合、センサ4と第2装置が別体として構成される。第2装置2が被管理者に装着される場合、第2装置2は、被管理者の着用している服に貼付されてもよく、被管理者の着用している服に装着された名札、生徒手帳、社員証等に貼付されていてもよい。また、第2装置2は、被管理者が所持する鞄等の中に収納されていてもよい。
【0026】
第2装置2が、センサ4と別体として構成されている場合、センサ4で測定した水分量又は水分量が所定の条件を満たす旨の情報が、センサ4から第2装置へ、無線通信により送信される。その後、センサ4で測定した水分量又は水分量が所定の条件を満たす旨の情報が、RFチップ22からコンピュータ装置へ送信される。第2装置2が、センサ4と一体として構成されている場合、センサ4で測定した水分量又は水分量が所定の条件を満たす旨の情報が、RFチップ22を介して、コンピュータ装置へ送信される。
【0027】
[センサ]
センサ4は、被管理者が所持する容器に装着される。センサ4は、水分量の測定又は水分量が所定の条件を満たすことの検知が可能である。
【0028】
センサ4が検知する水分量は、容器内の水分量である。容器内の水分量とは、容器内に存在する水分の量の値だけでなく、容器内に存在する水分の水位を含む概念である。容器内に存在する水分の水位とは、容器の長手方向が上下方向となるように容器を静置した場合の水位である。水分量は、容器内の水分の体積(例えば、リットル)、容器内の体積あたりの割合(%)、水位、又は、これらの範囲で示されてもよい。
【0029】
センサ4による水分量の測定方法、又は、水分量が所定の条件を満たすことの検知方法は、公知の方法を用いることができる。なお、水分量が所定の条件を満たすことは、センサ4により測定された水分量をもとに、管理者端末3A、車両に備えられたコンピュータ装置、又は、サーバ装置5にて、判定してもよい。
【0030】
「水分量が所定の条件を満たす」とは、水分量の値が所定の条件を満たす場合だけでなく、水分量をもとに所定の方法で計算をして得られる値が所定の条件を満たす場合も含む。水分量をもとに所定の方法で計算をして得られる値が所定の条件を満たす場合には、水分量の経時的な変化量が所定の条件を満たす場合を含む。
【0031】
水分量の値が所定の条件を満たす場合とは、例えば、水分量の値が所定の閾値以上である場合(又は閾値より大きい場合)、水分量の値が所定の閾値以下である場合(又は閾値より小さい場合)、水分量の値が所定の閾値以上で所定の閾値以下である場合等があげられる。水分量の値が所定の条件を満たす場合として、例えば、容器内の水分量の値が閾値以下である場合、所定の条件を満たしたことを示す警告情報をコンピュータ装置から出力することで、容器内の水分量が十分でないことを管理者に通知することができる。
【0032】
水分量をもとに所定の方法で計算をして得られる値が所定の条件を満たす場合とは、例えば、容器内の水分量の経時的な変化量(例えば、単位時間あたりの変化量)が閾値以下である場合(又は閾値よりも小さい場合)があげられる。この場合、所定の条件を満たしたことを示す警告情報をコンピュータ装置から出力することで、被管理者の水分を消費するペースが遅いことを管理者に通知することができる。
【0033】
水分量をもとに所定の方法で計算をして得られる値が所定の条件を満たす場合とは、例えば、容器内の水分量の経時的な変化量(例えば、単位時間あたりの変化量)が閾値以上である場合(又は閾値よりも大きい場合)があげられる。この場合、所定の条件を満たしたことを示す警告情報をコンピュータ装置から出力することで、被管理者の水分を消費するペースが速いことを管理者に通知することができる。
【0034】
所定の条件における水分量の値又は水分量の変化量は、所定の時刻と関連付けて、所定の閾値が設定されていてもよい。水分量の値が所定の条件を満たす場合として、例えば、所定の時刻における容器内の水分量の値が閾値以上である場合、所定の条件を満たしたことを示す警告情報をコンピュータ装置から出力することで、被管理者の水分の摂取が不足していることを管理者に通知することができる。
【0035】
なお、所定の条件や所定の条件における閾値は、容器の容量や長手方向の長さ、管理者の要望等に応じて、適宜設定することができる。設定された所定の条件は、センサ4、管理者端末3A、車両に備えられたコンピュータ装置、又は、サーバ装置5に記憶される。容器の水分量の値、水分量の経時的な変化量、水分量が所定の条件を満たすこと等、水分量に関する情報を水分情報ともいう。
【0036】
センサ4による測定又は検知は、所定の時間ごとに実行される。センサ4は、例えば、水分及び水分を収容する容器の重量を測定するセンサを、水筒の筐体内に内蔵することで、水分量を測定することができる。また、例えば、センサ4は、液体を収容した容器の内側側面に電極を設置し、液体が電極に接触しているか否かを検知してもよい。内側側面の複数の異なる高さに、複数の電極を設けることで、センサ4は、水分量が所定の閾値以上、又は、所定の閾値以下であることを検知することができる。
【0037】
また、例えば、センサ4は、液体を収容した容器の外側側面に、2つの電極を、電極の長手方向が水平方向に平行となるように設置し、静電容量の変化を測定することで、容器内の水分量が所定の閾値以上、又は、所定の閾値以下であるかを検知することができる。また、例えば、センサ4は、水分量が所定の閾値以上で所定の閾値以下であることを所定の回数以上検知することで、水分量の変化量が所定の値より小さいことを検知することができる。
【0038】
[第3装置及び管理者端末]
本発明の第3装置3及び管理者端末3Aについて説明をする。管理者端末3Aは、被管理者を管理する管理者が操作する端末である。管理者端末3Aでは、管理者は、ブラウザ又は専用のアプリケーション(以下、専用アプリという)を利用して、被管理者の位置、容器の水分量に関する水分情報、管理者の位置、及び/又は、車両の位置を確認することができる。
【0039】
第3装置3は、管理者端末3Aに備えられてもよく、管理者端末3Aと、有線又は無線により、互いに通信可能に接続されている。「第3装置3が管理者端末3Aに備えられる」とは、第3装置3が管理者端末3Aの内部に組み込まれること、及び、管理者端末3Aの外部に取り付けられることのいずれも含む。また、「第3装置3が管理者端末3Aに備えられる」とは、第3装置3及び管理者端末3Aが、同一の制御部を共有し、該制御部により制御される場合も含まれる。第3装置3の位置情報は、第3装置3を識別し得る識別情報や、第3装置3を備えた管理者端末3Aを識別し得る識別情報と関連付けて、サーバ装置5等に記憶されてもよい。
【0040】
管理者端末3Aに第3装置3が備えられているため、第3装置3の位置を特定することで管理者端末3Aの位置を特定することができる。第3装置3の位置は、第1装置1、第3装置、又はサーバ装置5で特定することが可能である。第1装置1にて、第2装置2の位置又は第3装置3の位置が特定された場合は、特定された第2装置2の位置又は第3装置3の位置が第3装置3又はサーバ装置5へ送信される。第3装置3は、特定された第2装置2の位置及び第3装置3の位置を、サーバ装置5に送信する。
【0041】
次に、第3装置3及び管理者端末3Aの構成について説明をする。
図4は、本発明の実施の形態にかかる管理者端末の構成を示すブロック図である。管理者端末3Aは、コンピュータ装置としての機能を有するものであれば特に限定されないが、携帯型の端末であることが好ましい。管理者端末3Aは、例えば、第3装置3、RAM34、ストレージ部35、入力部36、及び、表示部37を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。また、第3装置3は、制御部31、RFチップ32、発振器33を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。管理者端末3A及び第3装置3は、必要に応じて他の構成を備えていてもよい。
【0042】
制御部31は、CPUやROMから構成され、ストレージ部35に格納されたプログラムを実行し、第3装置3及び管理者端末3Aの制御を行なう。RAM34は、制御部31のワークエリアである。ストレージ部35は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、RAM34から読みだしたプログラム及びデータ、並びに、入力部36にて入力されたデータを基に、演算処理を行なう。
【0043】
RFチップ32には、時計32a及び位相検出器32bが備えられている。RFチップ32は、他のコンピュータ装置とデータの送受信をすることが可能である。RFチップ32にて受信したデータは、RAM34にロードされ、制御部31にて演算処理の対象となる。管理者端末3Aは、RFチップ32とは異なる通信インタフェースを備えていてもよい。なお、第3装置3と、管理者端末3Aとが、それぞれ異なる制御部を有していてもよい。管理者端末3Aの通信インタフェースは、第3装置3の通信インタフェースと同じものであってもよい。
【0044】
発振器33、時計32a、及び、位相検出器32bは、発振器23、時計22a、及び、位相検出器22bと同様の機能を有する。なお。位相検出器32bでは、第1装置1から受信した情報を構成する搬送波の位相を検出し、発振器33により発振される信号の位相を検出する。
【0045】
表示部37は、表示画面を有している。制御部31は、演算処理の結果に応じて、表示画面に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部37の表示画面はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。この場合、タッチパネルが入力部36として機能する。タッチパネルにて、第3装置3及び管理者端末3Aの電源のON及びOFF、後述の出力処理の開始又は終了等の操作を行うことができる。
【0046】
表示部37、又は、後述の車両に備えられたコンピュータ装置の表示画面上において、被管理者に対応する水分情報が、一覧で表示される(例えば、ステップS49)。また、表示部37、又は、後述の車両に備えられたンピュータ装置の表示画面上において、第2装置2の位置、及び、第3装置3の位置が、地図に重畳して表示される。1つの管理者端末3A、又は、1つの車両の表示画面において、複数の第2装置2の位置を表示することができる。つまり、1つの管理者端末3A、又は、1つの車両の表示画面において、複数の被管理者の位置を表示することができる。表示画面上では、それぞれの第2装置2の位置が、どの被管理者に対応する位置であるかがわかるように、第2装置2の位置を示す点の近傍に、対応する被管理者の氏名等が表示されてもよい。また、表示画面上では、どの被管理者に対応する水分情報がわかるように、第2装置2の位置を示す点の近傍に、対応する被管理者の氏名と、対応する水分情報等とが表示されてもよい。
【0047】
[車両]
本発明の車両について説明をする。本発明の実施の形態において、車両は、被管理者が搭乗可能な車両である。車両には、第3装置が備えられていてもよい。車両は、車輪を有しており、車輪の回転により走行が可能である。車両は、特に限定されないが、被管理者が未就学児の場合は、散歩用カートであってもよい。この場合、車両は、かご状の領域を有する。車両は、かご状の領域に複数の被管理者を搭乗させることができる。車両は、管理者が手押しをするような従来型の散歩用カートであってもよく、自動運転が可能な散歩用カートであってもよい。車両は、例えば、園外保育において被管理者と付き添う管理者に操作される。
【0048】
第3装置3は、車両に備えられており、車両と、有線又は無線により、互いに通信可能に接続されている。「第3装置3が車両に備えられる」とは、「第3装置3が管理者端末3Aに備えられる」と同様の意味である。第3装置3の位置情報は、第3装置3を備えた車両を識別し得る識別情報と関連付けて、サーバ装置5等に記憶されてもよい。車両に第3装置3が備えられているため、第3装置3の位置を特定することで車両の位置を特定することができる。
【0049】
次に、車両の構成について説明をする。車両は、第3装置3、及び、コンピュータ装置を備えている。コンピュータ装置は、例えば、制御部、RAM、ストレージ部、入力部、及び、表示部を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。車両に備えられたコンピュータ装置及び第3装置3の構成は、管理者端末3A及び管理者端末3Aに備えられた第3装置3と同様である。車両は、必要に応じて他の構成を備えていてもよい。なお、車両が自動運転機能を有する場合、制御部が、車両の運転を制御する。なお、第3装置3及び車両は、異なる制御部を有していてもよく、同一の通信インタフェースを共有してもよい。
【0050】
なお、システム10が第3装置3を備える管理者端末3Aを備える場合、車両は第3装置を備えなくてもよい。この場合、管理者端末3Aを操作する管理者は、車両の近傍に位置することが好ましい。管理者は、車両の近傍で被管理者の安全等を確認しつつ、管理者端末3Aを携帯していることで、被管理者の位置を管理者端末3Aにて確認することができる。或いは、システム10が第3装置3を備える車両を備える場合、管理者端末3Aは第3装置3を備えなくてもよい。
【0051】
なお、システム10は、複数の第2装置2を備える場合であっても、全ての第2装置2の位置(つまり、全ての被管理者の位置)を表示する必要はない。例えば、管理者端末3A又は車両において、表示したい被管理者の氏名や被管理者IDを入力、或いは、事前にサーバ装置5に登録しておくことで、管理者端末3A又は車両の表示部は、管理者に対応する被管理者の位置だけを表示することができる。
【0052】
[サーバ装置]
次に、本発明のサーバ装置について説明をする。サーバ装置5は、第3装置3から、第2装置2と第3装置3の位置を取得する。また、サーバ装置5は、第2装置2から、第2装置2の位置を取得してもよい。第2装置2の位置は、第2装置IDと、位置情報を特定した時間とを関連付けて送信される。同様に、第3装置3の位置は、第3装置IDと、位置情報を特定した時間とを、関連付けて送信される。サーバ装置5では、これらの受信した第2装置2と第3装置3の位置に関する情報を時系列で記憶する。
【0053】
なお、第3装置3と、サーバ装置5との通信は、近隣の建物に設置されたスマートメータを経由してもよい。第3装置3と、サーバ装置5との通信は、送電鉄塔に併設された光ファイバーを経由してもよい。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態にかかるサーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置5は、制御部51、RAM52、ストレージ部53及び通信インタフェース54を少なくとも備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0055】
制御部51は、CPUやROMから構成される。制御部51は、ストレージ部53に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置5の制御を行う。また、制御部51は時間を計時するタイマを備えている。RAM52は、制御部51のワークエリアである。ストレージ部53は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。ストレージ部53は、プログラムを記憶した記録媒体として機能する。制御部51は、プログラム及びデータをRAM52から読み出し、第1装置1、第2装置2、又は第3装置3から受信した情報等をもとに、プログラム実行処理を行う。通信インタフェース54は無線又は有線により通信ネットワーク6に接続が可能であり、通信ネットワーク6を介して、他のコンピュータ装置とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース54を介して受信したデータは、RAM52にロードされ、制御部51により演算処理が行われる。
【0056】
[距離算定処理]
次に、本発明の実施の形態にかかる距離算定処理について説明をする。
図6は、本発明の実施の形態にかかる距離算定処理のフローチャートを示す図である。距離算定処理は、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2の距離を算定する処理である。また、距離算定処理は、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3との情報又は信号の伝搬時間を基に、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3の距離を算定する処理である。なお、以下では、第1装置1と第2装置2とで距離算定処理が実行される場合について説明する。
【0057】
距離算定処理は、例えば、所定の時間ごとに、又は、所定の条件を満たすごとに、実行することができる。例えば、1日1回、予め設定された所定の時間になると、ステップS1~S20の距離算定処理が開始されるような設定とすることができる。
【0058】
まず、第1装置1から第2装置2へ情報又は信号を送信する(ステップS1)。第1装置1から第2装置2へ送信される情報又は信号は特に限定されない。第1装置1では、ステップS1にて情報又は信号を送信した時刻を刻時し、送信時の位相を計測する(ステップS2)。そして、刻時した時刻と、計測した位相を、制御部11内のメモリに記憶する(ステップS3)。
【0059】
次に、第2装置2にて、第1装置1から該情報又は該信号を受信する(ステップS4)。第2装置2では、ステップS4にて該情報又は該信号を受信した時刻を刻時し、受信時の位相を計測する(ステップS5)。そして、刻時した時刻と、計測した位相を、制御部21内のメモリに記憶する(ステップS6)。
【0060】
次に、第2装置2は、第1装置1へ情報又は信号を送信する(ステップS7)。第2装置2から第1装置1へ送信される情報又は信号は特に限定されない。第2装置2では、ステップS7にて情報又は信号を送信した時刻を刻時し、送信時の位相を計測する(ステップS8)。そして、刻時した時刻と計測した位相を、制御部21内のメモリに記憶する(ステップS9)。
【0061】
第1装置1は、ステップS7にて送信された情報又は信号を受信する(ステップS10)。第1装置1では、ステップS10にて該情報又は該信号を受信した時刻を刻時し、受信時の位相を計測する(ステップS11)。そして、刻時された時刻及び計測された位相を、制御部11内のメモリにて記憶する(ステップS12)。ステップS12が終了すると、ステップS13へ移行する。
【0062】
第1装置1は、ステップS3にて記憶した、ステップS1にて信号を送信した時の時刻及び送信時の位相に関する情報、及び、ステップS12にて記憶した、ステップS10にて信号を受信した時の時刻及び受信時の位相に関する情報を、RFチップ12により第2装置2へ送信する(ステップS13)。そして、第2装置2にて、ステップS1にて第1装置1が情報又は信号を送信した時の時刻及び送信時の位相に関する情報、及び、ステップS10にて第1装置1が情報又は信号を受信した時の時刻及び受信時の位相に関する情報を受信する(ステップS14)。
【0063】
次いで、制御部21において、発振器13にて発生する信号の位相と、発振器23にて発生する信号の位相との位相ずれが算定される(ステップS15)。位相ずれは、第1装置1から第2装置2へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相と、第2装置2において該情報又は該信号を受信した時に発振器23により発振される信号の位相との位相差、及び、第2装置2から第1装置1へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相と、第1装置1において該情報又は該信号を受信した時に第1装置1の発振器13により発振される信号の位相との位相差をもとに、算定することができる。つまり、ステップS15では、第2装置2は、1の第1装置1と第2装置2との間で通信を行うことにより、1の第1装置1と第2装置2との間の時計の位相のずれを算定できる。
【0064】
第1装置1から第2装置2へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相とは、ステップS1にて送信した情報又は信号の位相である。該位相に関する情報は、ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信される。第2装置2において情報又は信号の受信した時に発振器23により発振される信号の位相とは、ステップS4にて受信した情報又は信号の位相である。該位相に関する情報は、ステップS5にて第2装置2にて計測され、ステップS6にて記憶される。第2装置2から第1装置1へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相とは、例えば、ステップS7にて送信した情報又は信号の位相である。該位相に関する情報は、ステップS9にて第2装置2により記憶されている。第1装置1において情報又は信号を受信した時に第1装置1の発振器13により発振される信号の位相とは、例えば、ステップS10にて受信した情報又は信号の位相である。該位相に関する情報は、ステップS11にて計測され、ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信される。
【0065】
ここで、第1装置1から第2装置2へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相とは、第1装置1から第2装置2へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相だけでなく、この情報又は信号をミックスダウンすることにより得られる信号を構成する搬送波の位相も含む概念である。同様に、第2装置2から第1装置1へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相とは、第2装置2から第1装置1へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相だけでなく、この情報又は信号をミックスダウンすることにより得られる信号を構成する搬送波の位相も含む概念である。
【0066】
第1装置1から第2装置2へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相と、第2装置2において該情報又は該信号の受信した時に発振器23により発振される信号の位相との位相差をΔΦSと定義し、第2装置2から第1装置1へ送信した情報又は信号を構成する搬送波の位相と、第1装置1において該情報又は該信号の受信した時に第1装置1の発振器13により発振される信号の位相との位相差をΔΦMと定義すると、位相差ΔΦSと位相差ΔΦMとの相加平均から、第1装置1及び第2装置2間を信号が伝搬することにより生じる位相差ΔΦPを算定することができる。つまり、式(1):ΔΦP=1/2×(ΔΦS+ΔΦM)により、位相差ΔΦPを算定できる。
【0067】
第1装置1と第2装置2間の位相のずれをΔΦCと定義すると、式(2):ΔΦM=ΔΦP+(-ΔΦC)で示す関係が成立するから、位相のずれΔΦCは、位相差ΔΦPから位相差ΔΦMを差し引くことで算定することができる。つまり、式(3):ΔΦC=1/2×(ΔΦS-ΔΦM)により、位相のずれΔΦCを算定できる。ステップS15では、式(3))を利用して、第1装置1と第2装置2間の位相ずれを算定する。
【0068】
なお、ここでは、位相のずれΔΦCを式(3)により算定することとしたが、算定すべき位相のずれΔΦCが、さらに2πや4π、つまり2nπを差し引いたものである場合もある。nは0又は正の整数を取りうる。そのため、後述する伝搬時間TPや、第1装置1と第2装置2間の時刻のずれをもとに、nが0であるのか、1や2であるのか(つまり、式(3)より求められる位相のずれΔΦCからさらに2nπを差し引いた値が、本来の位相ずれであるのか、差し引かない値が、本来の位相ずれであるのか)を特定することもできる。
【0069】
第1装置1から第2装置2へ送信した信号、及び、第2装置2から第1装置1へ送信した信号は、送信開始時における出力が0ではなく、任意の値をもった状態から始まる場合がある。このような場合は、送信開始時の位相及び送信時刻を計測して、位相のずれΔΦCを補正する必要がある。なお、送信開始時の位相を常にある一定とし、所定の時刻に送信することで、送信開始時の位相及び送信時刻を計測したうえでΔΦCを補正するといった処理を省略することが可能となる。
【0070】
第2装置2では、算定された位相のずれΔΦCに基づいて、第1装置1の発振器13により発生する信号と同期するように、発振器23により発生する信号の位相を補正する(ステップS16)。ステップS16における位相の補正は、制御部21により制御され実行される。第2装置2の発振器23の位相のずれは、第2装置2の周囲の環境の影響で発生する。このように定期的に同期処理を行うことで、第2装置2の時計22aを継続して高い精度で刻時させることができる。
【0071】
次に、第1装置1にて、第1装置1から第2装置2へ情報又は信号を送信した時刻、第2装置2から第1装置1へ情報又は信号を送信した時刻、第1装置1から情報又は信号が送信され第2装置2が受信して刻時した時刻、さらに、第2装置2から情報又は信号が送信され第1装置1が受信して刻時した時刻をもとに、第1装置1と第2装置2間の時刻のずれを算定する(ステップS17)。
【0072】
第1装置1から第2装置2へ情報又は信号を送信した時刻とは、ステップS1にて情報を送信した時刻である。該時刻に関する情報は、ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信される。第2装置2から第1装置1へ情報又は信号を送信した時刻とは、ステップS7にて情報又は信号を送信した時刻である。該時刻に関する情報は、ステップS9にて第2装置2により記憶されている。次に、第1装置1から情報又は信号が送信され第2装置2が受信して刻時した時刻とは、ステップS4にて情報を受信した時刻である。該時刻に関する情報は、ステップS5にて第2装置2にて刻時され、ステップS6にて記憶される。第2装置2から情報又は信号が送信され第1装置1が受信して刻時した時刻とは、ステップS10にて情報又は信号を受信した時刻である。該時刻に関する情報は、ステップS11にて刻時され、ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信される。
【0073】
第1装置1から第2装置2へ情報又は信号を送信した時刻をTMと定義し、第2装置2から第1装置1へ情報又は信号を送信した時刻をTSと定義し、第1装置1から送信され第2装置2が情報又は信号を受信して刻時した時刻をTMSと定義し、さらに、第2装置2から送信され第1装置1が受信して情報又は信号を刻時した時刻をTSMと定義すると、第1装置1と第2装置2間の時刻のずれは、式(4):TL=1/2×((TSM-TS)-(TMS-TM))により算定できる。ステップS17では、式(4)により、第1装置1と第2装置2間の時刻のずれを算定する。つまり、ステップS17では、1の第1装置1と第2装置2との間で通信を行うことにより、1の第1装置1と第2装置2との間の時刻のずれを算定する。
【0074】
第2装置2では、算定された時刻のずれに基づいて、第1装置1の時刻に同期するように、第2装置2における時刻を補正する(ステップS18)。次に、第1装置1と第2装置2との距離を算定する(ステップS19)。ステップS19では、第1装置1と第2装置2との距離は、第1装置1にて情報又は信号を送信した時刻と、第2装置2にて情報又は信号を受信した時刻との実質的な差により、第1装置1と第2装置2との間の情報又は信号が伝搬する伝搬時間を算定し、伝搬時間に、情報又は信号の伝搬速度(例えば、光速)を乗ずることで、第1装置1と第2装置2との間の距離を算定することができる。第1装置1にて情報又は信号を送信した時刻と、第2装置2にて情報又は信号を受信した時刻との差は、例えば、ステップS1にて第1装置1から第2装置2へ情報又は信号を送信した時刻(ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信された時刻)と、ステップS4にて第1装置1から第2装置2にて情報又は信号を受信した時刻である。ステップS6にて制御部21内のメモリに記憶された時刻と、ステップS17にて算定された時刻ずれをもとに、算定することができる。
【0075】
また、ステップS19では、第1装置1と第2装置2との距離は、第2装置2にて情報又は信号を送信した時刻と、第1装置1にて情報又は信号を受信した時刻との実質的な差により、第1装置1と第2装置2との間の情報又は信号が伝搬する伝搬時間を算定し、伝搬時間に、情報又は信号の伝搬速度(例えば、光速)を乗ずることで、第1装置1と第2装置2との間の距離を算定することができる。第2装置2にて情報又は信号を送信した時刻と、第1装置1にて情報又は信号を受信した時刻との差は、例えば、ステップS7にて第2装置2から第1装置1へ情報又は信号を送信した時刻である。ステップS9にて制御部21内のメモリに記憶された時刻と、ステップS10にて第1装置1にて情報又は信号を受信した時刻(ステップS13にて第1装置1から第2装置2へ送信)と、ステップS17にて算定された時刻ずれをもとに、算定することができる。つまり、ステップS19では、第2装置2は、1の第1装置1の時計と、第2装置2の時計との時刻のずれを基に距離を算定できる。
【0076】
ステップS19にて算定された第1装置1と第2装置2との間の距離は、例えば、算定した時間等に関する時間情報、及び、第1装置1を識別し得る識別情報(又は第1装置1の位置情報)と関連付けて、制御部21内のメモリに記憶される(ステップS20)。ステップS20を実行することにより、距離算定処理は終了する。
【0077】
なお、第1装置1と第3装置3とで距離算定処理が実行される場合、ステップS4~S9、S14~S20の処理が第3装置3にて実行される。なお、ステップS6、S9、S20において、刻時した時刻、計測した位相、算定した第1装置1と第3装置3との距離等の各種情報は、制御部31内のメモリではなく、ストレージ部35に記憶される。
【0078】
ステップS1~S20までの処理を実行することにより、第1装置1と第2装置2との時刻ずれと位相ずれ、又は、第1装置1と第3装置3との時刻ずれと位相ずれを補正することができるだけでなく、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することができる。なお、ここでは、ステップS18において、第1装置1と第2装置2との時刻ずれの補正、又は、第1装置1と第3装置3との時刻ずれの補正を行うこととしたが、必ずしも時刻ずれの補正を行う必要はなく、ステップS17にて算定された時刻ずれをもとにして、時刻ずれの補正を行うことなく、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することもできる。また、ステップS16において、第1装置1と第2装置2との位相ずれの補正、又は、第1装置1と第3装置3との位相ずれの補正を行うこととしたが、必ずしも位相ずれの補正を行う必要はなく、位相ずれの補正を行うことなく、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することもできる。
【0079】
また、ステップS1~S20までの処理を実行することにより、第1装置1と第2装置2との時刻ずれと位相ずれ、又は、第1装置1と第3装置3との時刻ずれと位相ずれを補正し、且つ、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することとしたが、第1装置1と第2装置2との時刻ずれを補正する処理と、第1装置1と第3装置3との時刻ずれを補正する処理と、第1装置1と第2装置2との位相ずれを補正する処理と、第1装置1と第3装置3との位相ずれを補正する処理と、第1装置1と第2装置2との距離を算定する処理と、第1装置1と第3装置3との距離を算定する処理とを、それぞれ個別に実行することも可能である。
【0080】
上記の第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定する処理は、1つの第2装置2又は1つの第3装置3に対して、複数の第1装置1のそれぞれとの距離を算定することができる。第2装置2又は第3装置3の位置を特定する場合、後述するように、4つの第1装置1について、第1装置1と第2装置2、又は、第1装置1と第3装置3との距離を特定する。ただし、1つの第2装置2又は1つの第3装置3について、複数の第1装置1のそれぞれとの距離を算定する場合であっても、時刻ずれの補正の処理、及び、位相ずれの補正の処理は、1つの第1装置1との間のみで行い、その他の第1装置1との通信の際に、時刻ずれの補正の処理、及び、位相ずれの補正の処理を実行しないようにすることもできる。
【0081】
ここでは、第2装置2又は第3装置3において、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することとしたが、第2装置2又は第3装置3に代えて、第1装置1にて、ステップS19と同様の処理により、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することとしてもよい。第1装置1にて距離を算定した場合、制御部11内のメモリに、第1装置1と第2装置2との間の距離、又は、第1装置1と第2装置2との間の距離は、算定した時間等に関する時間情報、及び、第2装置2又は第3装置3を識別し得る識別情報と関連付けて、記憶される。
【0082】
また、第2装置2又は第3装置3に代えて、サーバ装置5にて、ステップS19と同様の処理により、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することとしてもよい。サーバ装置5において、距離を算定する場合、算定に必要な情報は、第1装置1、第2装置2、又は第3装置3から受信する。サーバ装置5にて距離を算定した場合、サーバ装置5のストレージ部53に、第1装置1と第2装置2との間の距離、又は、第1装置1と第3装置3との間の距離は、算定した時間等に関する時間情報、第1装置1を識別し得る識別情報(又は第1装置1の位置情報)、及び、第2装置2又は第3装置3を識別し得る識別情報と関連付けて、記憶される。
【0083】
なお、ここでは、第1装置1と第2装置2との距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離を算定することとしたが、複数の第2装置2又は複数の第3装置3がある場合に、1の第2装置2又は1の第3装置3と、それとは異なる第2装置2又は第3装置3との距離を算定することができる。この場合、1の第2装置2又は1の第3装置3にて情報又は信号を送信した時刻と、異なる第2装置2又は第3装置3にて情報又は信号を受信した時刻との実質的な差により、1の第2装置2又は1の第3装置3と、異なる第2装置2又は第3装置3との間の情報又は信号が伝搬する伝搬時間を算定し、伝搬時間に、情報又は信号の伝搬速度(例えば、光速)を乗ずることで、1の第2装置2又は1の第3装置3と、異なる第2装置2又は第3装置3との距離を算定することができる。
【0084】
なお、第1装置1と第2装置2、又は、第3装置3との通信は、適宜実行される。つまり、第1装置1は、第2装置2及び第3装置3との間で通信が可能である。
【0085】
[位置特定処理]
次に、本発明の実施の形態にかかる位置特定処理について説明をする。位置特定処理は、距離算定処理により算定された複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2の距離、又は、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3の距離を基に、第2装置2の位置、又は、第3装置3の位置を特定する処理である。
【0086】
第2装置2の位置、又は、第3装置3の位置を特定するには、距離算定処理において、1つの第2装置2又は1つの第3装置3に対して、複数の第1装置1のそれぞれとの距離が算定されていることが前提となる。例えば、1つの第2装置2又は1つの第3装置3と、複数の第1装置1の少なくともいずれかの高さが異なり、同一平面上に存在しない場合は、1つの第2装置2又は1つの第3装置3と、4つの第1装置1とのそれぞれの距離と、4つの第1装置1のそれぞれの位置をもとに、第2装置2の位置又は第3装置3の位置(例えば第2装置2又は第3装置3のXYZ座標、又は、緯度経度)を特定することができる。よって、1つの第2装置2又は1つの第3装置3と、複数の第1装置1の少なくともいずれかの高さが異なり、同一平面上に存在しない場合、位置の特定に必要となる第1装置1と第2装置2の距離、又は、第1装置1と第3装置3との距離のデータ数は4である。この場合、4つの第1装置1は、同一平面上に存在しないことが好ましい。例えば、少なくとも1つの第1装置1の設置される高さが、他の3つの第1装置1の設置される高さと異なることが好ましい。このようにすることで、第2装置2がいずれの位置に存在していたとしても、3次元における位置の特定が可能となる。
【0087】
図7は、本発明の実施の形態にかかる位置特定処理のフローチャートを示す図である。
図7に示す位置特定処理は、例えば、第1装置1、第2装置2、第3装置3又はサーバ装置5のいずれかで実行することが可能である。第1装置1又はサーバ装置5にて位置特定処理が、実行される場合は、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2又は第3装置3との距離(ステップS19にて算定された距離)に関する情報が、算定した時間に関する時間情報、第1装置1の識別情報(又は第1装置1の位置情報)、第2装置2又は第3装置3の識別情報と関連付けて、第1装置1又はサーバ装置5へ送信され、利用される。
【0088】
位置特定処理では、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2との距離又は複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3との距離、及び、これらの第1装置1の位置をもとに、第2装置2の位置又は第3装置3の位置を特定する(ステップS31)。第1装置の位置は、位置特定処理を実行する第1装置1、第2装置2又は第3装置3又はサーバ装置5のいずれかにおいて、予め記憶されていてもよい。第2装置2の位置又は第3装置3の位置を特定する際の算定のプロセスは、特に限定されない。
【0089】
特定された第2装置2の位置又は第3装置3の位置は、算定した時間に関する時間情報(距離を算定した時間に関する時間情報又は位置を特定した時間に関する時間情報)、第1装置1の識別情報(又は第1装置1の位置情報)、第2装置2又は第3装置3の識別情報と関連付けて、制御部11内のメモリ、制御部21内のメモリ、ストレージ部35又はサーバ装置5のストレージ部53に記憶される(ステップS32)。ステップS31及びステップS32により、位置特定処理は終了する。
【0090】
なお、第1装置1又は第2装置2にて、第2装置2の位置が特定された場合は、特定された第2装置2の位置が、第1装置1又は第2装置2から第3装置3又はサーバ装置5へ送信される。第1装置1又は第3装置3にて、第3装置3の位置が特定された場合は、特定された第3装置3の位置が、第1装置1又は第3装置3からサーバ装置5へ送信される。
【0091】
なお、ステップS31における第2装置2の位置又は第3装置3の位置の特定のもととなる、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2との距離、又は、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3との距離は、同時刻または近い時刻において算定されたもの(例えば、複数の第1装置のそれぞれと、第2装置2又は第3装置3との情報又は信号の伝搬時間を測定した時間が、同時刻又は近い時刻である場合において算定されたもの)であることが好ましい。ここで近い時刻は、特に限定されないが、1の時刻から所定の時間の範囲内の時刻であることが好ましい。同時刻または近い時刻において算定された、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2との距離、又は、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3との距離を用いることで、その時刻における、より正確な位置を特定することができる。
【0092】
なお、ここでは、複数の第1装置1のそれぞれと第2装置2との距離、又は、複数の第1装置1のそれぞれと第3装置3との距離を算定し、算定した距離をもとに、第2装置2の位置又は第3装置3の位置を特定することとしたが、複数の第2装置2又は複数の第3装置3がある場合に、前記1の第2装置2又は1の第3装置3と、それとは異なる複数の第2装置2又は複数の第3装置3のそれぞれとの距離を算定し、算定した距離をもとに、前記1の第2装置2の位置又は1の第3装置3の位置を特定することができる。
【0093】
なお、上述の位置特定処理において、第2装置2の位置又は第3装置3の位置は、第1装置1との距離により特定されるが、その他の公知の方法により特定してもよい。例えば、第2装置2の位置又は第3装置3の位置は、GPSを利用して特定することもできる。
【0094】
[出力処理]
次に、本発明の実施の形態にかかる出力処理について説明をする。
図8は、本発明の実施の形態にかかる出力処理のフローチャートを示す図である。以下では、第2装置2の位置は、第2装置2にて特定し、第3装置3の位置は、第3装置3にて特定する場合の特定処理を示す。また、センサ4は、第2装置2と別体で構成され、第3装置3は管理者端末3Aに備えられる場合を説明する。
【0095】
出力処理は、所定の時間ごとに定期的に実行される。出力処理は、例えば、被管理者が屋外又は屋内で活動する間に実行されてもよい。出力処理は、例えば、管理者端末への入力に応じて実行されてもよく、予め設定された所定の時間になると、所定の時間ごと(例えば、1分ごと)に実行されてもよく、第2装置2が所定の領域に位置したこと又は所定の領域外に移動したことに応じて実行されてもよい。
【0096】
出力処理を実行前に、管理者端末3Aの入力部への操作により、管理者端末3Aは、屋外又は屋内で活動する被管理者の氏名又は被管理者IDの入力を受け付ける。入力を受け付けた被管理者の氏名又は被管理者IDは、ストレージ部35に記憶される。被管理者の氏名又は被管理者IDの入力において、所属IDを入力し、表示部37に所属IDと関連付けられた被管理者の氏名又は被管理者IDのみを表示してもよい。管理者は、表示された被管理者の氏名又は被管理者IDから、屋外で活動する被管理者の氏名又は被管理者IDを選択できる。
【0097】
まず、第2装置2にて、第2装置2の位置の特定が実行される(ステップS41)。ステップS41の処理は、位置特定処理におけるステップS31の処理である。また、センサ4にて、容器内の水分量が測定される(ステップS42)。ステップ42では、センサ4にて、容器内の水分量が所定の条件を満たすことを検知してもよい。センサ4は、容器内の水分量が所定の条件を満たしていないことを検知してもよい。
【0098】
ステップS42にて測定された水分量、又は、水分量が所定の条件を満たしたか否かに関する水分情報は、センサ4から、該センサ4に対応する第2装置2に送信され(ステップS43)、第2装置2にて受信される(ステップS44)。
【0099】
ステップS41及びS42は、同時刻又は近い時刻において、実行されることが好ましい。近い時刻は、特に限定されないが、1の時刻から所定の時間の範囲内の時刻であることが好ましい。同時刻または近い時刻においてステップS41及びS42が実行されることで、その時刻における、より正確な被管理者の位置及び容器の水分量を特定することができる。
【0100】
第2装置2の位置及び容器の水分量に関する情報が、位置情報及び水分情報として、第2装置2から管理者端末3Aに送信され(ステップS45)、管理者端末3Aにて受信される(ステップS46)。ステップS45では、位置情報及び水分情報と関連付けて、位置情報又は水分情報を取得した時刻情報、及び第2装置2の識別情報が送信される。
【0101】
次に、第3装置3では、第3装置3の位置の特定が実行される(ステップS47)。ステップS47の処理は、位置特定処理におけるステップS31の処理である。ステップS46にて、位置情報及び水分情報を受信すると、制御部31にて、ステップS46にて受信した水分情報に含まれる水分量が、所定の条件を満たすか否かが判定される(ステップS48)。
【0102】
ステップS48の処理について、説明する。管理者端末3Aは、ストレージ部35に記憶された所定の条件に関する情報を特定する。所定の条件が、水分量の値に関するものの場合、ステップS48では、制御部31は、ステップS46にて、受信した水分情報に含まれる水分量の値が、所定の条件にて設定された所定の閾値以上であるか、又は、所定の閾値以下であるかを判定する。
【0103】
所定の条件が、水分量をもとに所定の方法で計算をして得られる値に関するものの場合、ステップS48では、制御部31は、後述の水分量記憶テーブルを特定する。次に、制御部31は、特定した水分量記憶テーブルに記憶された水分量及び時刻情報、並びに、ステップS46にて、受信した水分情報に含まれる水分量及び時刻情報から、単位時間当たりの水分量の変化量を算出する。そして、制御部31は、算定した変化量が、所定の条件にて設定された所定の閾値以上であるか、又は、所定の閾値以下であるかを判定する。
【0104】
水分量が所定の条件を満たしたことに応じて(ステップS48にてYES)、管理者端末3Aにおいて警告情報が出力される(ステップS49)。警告情報は、容器内の水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報である。警告情報は、容器内の水分量が所定の条件を満たしている旨を管理者に通知するための情報を含む。警告情報の出力は、音声による出力、表示画面への表示、振動の出力等であってもよい。
【0105】
ステップS49では、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報とともに、被管理者の位置に関する情報が出力されてもよい。具体的には、警告情報が表示画面への表示により出力される場合、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報とともに、第2装置2の位置が表示されてもよい。また、このとき、表示画面には、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報及び第2装置2の位置とともに、第3装置3の位置を表示してもよい。これにより、管理者は、水分量が所定の条件を満たした容器を所持する被管理者がいること、及び、該被管理者の位置を確認できる。また、管理者は、自身の位置と被管理者の位置を確認し、水分量が所定の条件を満たした容器を所持する被管理者を注意深く観察することができる。また、管理者は、水分の摂取が足りていない被管理者に水分の摂取を促してもよく、容器内の水分量が少ない被管理者に水分の補充を促してもよい。
【0106】
水分量が所定の条件を満たしていない場合(ステップS48にてNO)、或いは、ステップS49における警告情報の出力後、管理者端末3Aからサーバ装置5へ、位置情報及び水分情報が送信される(ステップS50)。ステップS50にて送信される位置情報には、第2装置2の位置だけでなく、第3装置3の位置が含まれてもよい。ステップS50では、位置情報及び水分情報と関連付けて、位置情報又は水分情報を取得した時刻情報が送信される。サーバ装置5にて、位置情報及び水分情報が受信されると(ステップS51)、ストレージ部43に、位置情報及び水分情報が関連付けられて水分量記憶テーブルに記憶される(ステップS52)。以上のステップS41~S52の処理により、出力処理は終了する。
【0107】
水分量記憶テーブルについて説明する。なお、水分量記憶テーブルは、ストレージ部35に記憶されてもよい。
図9は、本発明の実施の形態にかかる水分量記憶テーブルの一例を示す図である。水分量記憶テーブル100には、被管理者ID101、水分量102、位置情報103、及び、時刻情報104が、それぞれ関連付けて記憶されている。水分量記憶テーブル100は、ステップS41にて特定された位置と、ステップS42にて特定された水分量と、ステップS41又はS42が実行された時刻とを、関連付けて記憶しているともいえる。水分量記憶テーブル100は、水分量102に代えて、又は、水分量102に加えて、水分量が所定の条件を満たした旨を示す情報を記憶していてもよい。
【0108】
例えば、
図9では、時刻「13:00」において、被管理者ID「0001」に対応する被管理者が、座標(X1、Y1、Z1)で示される場所に位置し、容器内の水分量が「90」%であったことが記憶されている。
【0109】
図9では、被管理者ID「0001」に対応する被管理者について、時刻「13:00」、「14:00」、「14:30」及び「14:45」において、水分量が「90」%であり、時刻「14:55」において、水分量が「60」%であることが記憶されている。つまり、13:00~14:45まで水分量が変化しておらず、14:55までに容器内の水分量が30%減少したことがわかる。管理者は、被管理者ID「0001」に対応する被管理者が13:00~14:45まで水分を摂取していないこと、及び、14:55までに水分を摂取したことを把握できる。
【0110】
システム10は、入力を受け付けた被管理者の氏名又は被管理者IDに対応するセンサ4及び第2装置2について、所定の時間ごとに出力処理を実行することができる。また、さらに、入力を受け付けた被管理者の氏名又は被管理者IDに対応するセンサ4及び第2装置2のうち、所定の第2条件を満たす被管理者に対応するセンサ4及び第2装置2は、所定の時間よりもさらに短い間隔で、出力処理が実行されてもよい。該間隔は、所定の第2条件を満たすごとに短くしてもよい。
【0111】
例えば、1時間ごとに対象のセンサ4及び第2装置2について出力処理が実行されるように設定しておく。第1のセンサ4について、第1の時刻における水分量と、第2の時刻における水分量とで、変化がなかった場合、又は、水分量の変化量が所定の値より小さい場合、第1のセンサ4及び第1のセンサに対応する第2装置2について、予め設定された時間よりも前(例えば、第2の時刻から30分後)に出力処理が実行されることとしてもよい。
【0112】
なお、ステップS42における水分量の測定の処理と、ステップS41における第2装置2の位置の特定の処理は、実行される頻度が異なっていてもよい。例えば、ステップS42は、1時間ごとに実行され、ステップS41は1分ごとに実行されてもよい。
【0113】
なお、システム10は、特定された水分情報に応じて、警告情報の出力の度合いを変化させてもよい。具体的には、ステップS49における警告情報を出力する処理について、管理者端末3A又は車両に備えられたコンピュータ装置は、所定の時間における水分量の変化量に応じて、警告情報の出力の度合いを変化させてもよい。例えば、管理者端末3A又は車両に備えられたコンピュータ装置において、所定の時間における水分量の変化量が5%以下の被管理者を特定した場合、該変化量が5%より大きく10%以下の被管理者よりも、大きな音の出力、目立つ配色の表示画面への表示、又は、強い振動の出力がされてもよい。
【0114】
なお、第2装置2が音や光等を出力する出力部を備える場合、警告情報は第2装置2にて出力されてもよい。この場合、ステップS43にて所定の条件を満たすと判定されると、管理者端末3Aから、所定の条件を満たした水分量を検知したセンサ4に対応する第2装置2に警告情報が送信されてもよい。
【0115】
なお、上記では、第3装置3が管理者端末3Aに備えられる場合の出力処理について説明したが、車両に第3装置3が備えられる場合の出力処理を説明する。車両に第3装置3が備えられる場合、ステップS46~S50の処理は、車両のコンピュータ装置又は第3装置3にて実行される。このとき、管理者端末3Aは、第3装置3を備えなくてもよい。また、ステップS48にてYESの場合、管理者端末3Aにて警告情報が出力されてもよい。警告情報は、サーバ装置5を介して、車両のコンピュータ装置又は第3装置3から管理者端末3Aに送信される。
【0116】
なお、ステップS43、S45、又はS50の処理は、測定した水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信する処理である。つまり、コンピュータ装置は、被管理者が搭乗可能な車両に備えられているもの、管理者端末3A、第3装置3、第2装置2、又は、サーバ装置5であってもよい。
【0117】
なお、ステップS45の処理では、複数の第1装置1、複数の第2装置2、又は、複数の第3装置3のアドホック通信を介して、1の第2装置2に対応する被管理者が所持する容器内の水分量、又は、該水分量が所定の条件を満たす旨の信号が、1の管理者端末3A、1の第3装置3、又は車両に備えられた1のコンピュータ装置に送信されてもよい。
【0118】
なお、ステップS47の処理は、ステップS49の処理の前に実行されれば、実行時期は特に限定されない。ステップS47の処理は、省略されてもよい。ステップS47の処理が実行される場合、ステップS47の処理は、ステップS41又はS42の処理が実行された同時刻又は近い時刻において、実行されることが好ましい。
【0119】
なお、ステップS48の処理は、省略されてもよい。この場合、ステップS47の処理の後にステップS49の処理が実行される。ステップS49では、警告情報ではなく、ステップS46にて受信した位置情報及び水分情報が表示される。また、ステップS49では、管理者端末3Aの表示画面、又は、車両の表示画面において、水分量記憶テーブルに記憶された、被管理者、時刻情報、及び、水分情報が一覧で表示されてもよい。管理者は、一覧表示された水分情報を確認し、水分を摂取していない被管理者に対して、水分の摂取を促してもよく、容器内の水分量が少ない被管理者に対して、容器への水分の補充を促してもよい。
【0120】
[水分量表示処理]
水分量表示処理は、管理者端末3Aの表示画面、又は、車両の表示画面において、水分量記憶テーブルに記憶された、被管理者、被管理者の位置、時刻情報、又は、水分情報を表示させる処理を含む。水分量表示処理は、入力部36、又は、車両のコンピュータ装置の入力部への入力により実行されてもよい。水分量表示処理は、管理者端末3Aの表示画面、又は、車両の表示画面において、第2装置2の位置及び第2装置2に対応する被管理者の所有する容器の水分量を表示する処理を含む。
【0121】
水分量表示処理のフローについて、説明する。まず、管理者は、管理者端末3A又は車両のコンピュータ装置から、専用アプリを起動して、又は、ウェブブラウザを経由して、サーバ装置5にアクセスすることで、システム10にログインする。
【0122】
次に、入力部36、又は、車両のコンピュータ装置の入力部への入力により、被管理者の所有する容器内の水分量及び位置情報を表示することを要求する表示要求がサーバ装置5に送信される。表示要求は、表示部37又は車両の表示画面に表示された「水分量状況」を選択することで入力できることとしてもよい。このとき、表示する1又は複数の被管理者が選択されてもよい。被管理者の選択は、所属、又は、活動中の被管理者のようにまとまった単位で選択されてもよい。表示要求には、表示する被管理者の被管理者IDが含まれていてもよい。
【0123】
表示要求が、サーバ装置5にて受信されると、サーバ装置5にて、水分量記憶テーブル100が特定される。サーバ装置5に記憶された、第3装置3の位置が特定されてもよい。サーバ装置5では、被管理者に対応する第2装置2の位置、水分情報、及び時刻情報が特定される。特定される水分情報は、表示要求を受信するまでに記憶された1又は複数の時刻における水分情報であることが好ましい。特定される水分情報は、ストレージ部53に記憶された時刻が最も新しいものであってもよい。
【0124】
特定された第2装置2の位置、水分情報、及び時刻情報が、サーバ装置5から管理者端末3A又は車両のコンピュータ装置に送信され、表示部37又は車両の表示画面にて、表示される。表示部37又は車両の表示画面に、第2装置2の位置、及び、第3装置3の位置が、地図に重畳して表示されてもよい。
【0125】
これらの処理により、水分量表示処理は終了する。なお、表示要求を送信後、入力部36、又は、車両のコンピュータ装置の入力部において終了の入力がされるまで、管理者端末3A又は車両のコンピュータ装置において、第2装置2又は第3装置3の位置がリアルタイムに表示されてもよい。
【0126】
なお、ステップS49又は上記の水分量表示処理は、ステップS31又はS41の処理により特定した第2装置2の位置を、被管理者が搭乗可能な車両が備える表示画面、又は、被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末3Aが備える表示画面に表示するよう制御する処理である。
【0127】
本発明によれば、測定した被管理者が所持する容器内の水分量、又は、水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、被管理者が搭乗可能な車両に備えられているコンピュータ装置、又は、被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末へ送信するため、管理者は、被管理者が所持する容器内の水分量、又は、水分量が所定の条件を満たすことを把握することができる。
【0128】
本発明によれば、水分量が所定の条件を満たしたことに応じて、前記コンピュータ装置が、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報を出力するため、管理者は、水分量が所定の条件を満たしたことに応じて、被管理者が所持する容器内の水分量が所定の条件を満たしたことを把握することができる。本発明によれば、水分量が所定の条件を満たしたことを示す情報とともに、前記被管理者の位置に関する情報を出力するため、水分量が所定の条件を満たした容器に対応する被管理者の位置を把握し、見つけ出すことができる。本発明によれば、複数の前記被管理者がそれぞれ所持する又は装着する第2装置を備え、複数の第2装置のアドホック通信を介して、1の第2装置に対応する前記被管理者が所持する容器内の水分量、又は、該水分量が所定の条件を満たす旨の信号を、コンピュータ装置へ送信するため、通信環境が悪い場合であっても信号を送信することができる。
【0129】
本発明によれば、算定された複数の第1装置のそれぞれと第2装置の距離を基に、第2装置の位置を特定するため、被管理者の位置を精度よく特定することができる。本発明によれば、前記被管理者が搭乗可能な車両、又は、前記被管理者を管理する管理者が操作する管理者端末に備えられる第3装置を備え、算定された複数の第1装置のそれぞれと第3装置の距離を基に、第3装置の位置を特定するため、車両の位置又は管理者の位置を精度よく特定することができる。
【0130】
また、被管理者、管理者端末、又は車両の位置を正確に特定することを目的として、1の第1装置の時計と、第2装置及び/又は第3装置の時計との時刻のずれを基に距離を算定することが好ましい。また、算定された時刻ずれに基づいて、第2装置及び/又は第3装置における時刻を補正することが好ましい。また、算定された位相ずれに基づいて、第2装置及び/又は第3装置における位相を補正することが好ましい。
【符号の説明】
【0131】
1 第1装置 2 第2装置 3 第3装置
3A 管理者端末 4 センサ 5 サーバ装置 10 システム
11 制御部 12 RFチップ
12a 時計 12b 位相検出器 13 発振器
21 制御部 22 RFチップ
22a 時計 22b 位相検出器 23 発振器
31 制御部 32 RFチップ 32a 時計 32b 位相検出器
33 発振器 34 RAM 35 ストレージ部
36 入力部 37 表示部
51 制御部 52 RAM 53 ストレージ部
54 通信インタフェース
100 水分量記憶テーブル 101 被管理者ID
102 水分量 103 位置情報 104 時刻情報