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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015339
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】組立家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/04 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A47B47/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118692
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】522279715
【氏名又は名称】石田 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 信夫
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA02
3B054BA05
3B054BA10
3B054BA14
3B054BA15
3B054BA17
3B054CA04
3B054FA01
3B054FA02
(57)【要約】
【課題】 組立性に優れ、耐荷重性に優れた組立家具を提供する。
【解決手段】 組立家具1は、天板2と、棚板4と、地板3と、一対の第1側板5a,5bと、一対の第2側板7a,7bと、複数の脚部材8a~8dと、を含む。一対の第1側板5a,5bは、棚板4の第1方向Xの両端部と、地板3の第1方向Xの両端部とを連結し、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な第3方向Zの中間部に、第1方向Xに互いに対向する表面とは反対側の表面上で開口し、第2方向Yに延びる嵌合溝6a,6bを有する。一対の第2側板7a,7bは、第1側板5a,5bの嵌合溝6a,6bに臨んで第3方向Zに対向し、かつ第2方向Yに延びる2つの内壁面にそれぞれ接触する2つの側面を有し、第1側板5a,5bから第2方向Yに突出して天板2の第1方向Xの両端部にそれぞれ連結される一端部を有する。複数の脚部材8a~8dは、地板3に固定される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びる天板と、
前記第1方向に延び、前記天板に対して前記第1方向に垂直な第2方向に前記天板との間に間隔をあけて位置する棚板と、
前記第1方向に延び、前記棚板に対して前記第2方向に前記棚板との間に間隔をあけて位置する地板と、
前記棚板の前記第1方向の両端部と、前記地板の前記第1方向の両端部とを連結する一対の第1側板であって、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向の中間部に、前記第1方向に互いに対向する表面とは反対側の表面上で開口し、前記第2方向に延びる嵌合溝を有する一対の第1側板と、
前記第1側板の前記嵌合溝に臨んで前記第3方向に対向し、かつ前記第2方向に延びる2つの内壁面にそれぞれ接触する2つの側面を有し、前記第1側板から前記第2方向に突出して前記天板の前記第1方向の両端部にそれぞれ連結される一端部を有する一対の第2側板と、
前記地板に固定される複数の脚部材と、を含むことを特徴とする組立家具。
【請求項2】
前記一対の第1側板の前記嵌合溝に前記第1方向に臨む内面に固定され、前記内面から離反するように傾斜し、前記第3方向に延びる第1支持面を有する一対の第1掛止め部材と、
前記一対の第2側板の前記第1方向に互いに対向する表面に固定され、前記一対の第1掛止め部材の前記第1支持面に平行な第2支持面を有する一対の第2掛止め部材と、をさらに含むこと特徴とする請求項1に記載の組立家具。
【請求項3】
前記天板と前記棚板との間に介在され、前記天板および前記棚板にそれぞれ対向する端面に開口し、前記第3方向に延びる長溝が設けられる隔壁部材と、
前記天板および前記棚板にそれぞれ固定され、前記長溝に嵌まり込んだ状態で前記第3方向に延びる突条と、をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の組立家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納するための収納ボックスなどとして用いられる組立家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の組立家具は、たとえば特許文献1に記載されている。この従来技術では、複数の矩形板と、複数の棒状のジョイント部材と、複数の連結具とを備える。矩形板とジョイント部材とは、係合片によって連結され、4つの矩形板によって四角形の収納ボックスが構成される。このような収納ボックスは、連結具によって組立てられた収納ボックスの上または隣に他の収納ボックスを連結することによって組立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010- 88624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の従来技術では、矩形板とジョイント部材とは係合片によって連結され、収納ボックス同士が連結具によって連結されるので、重量物または衝撃力などの大きな荷重が収容ボックスに作用すると、連結具が破損し、ジョイント部材と矩形板との連結状態および収容ボックス同士の連結状態が破壊されるおそれがあり、耐荷重性が低いという問題がある。また、複数の矩形板と複数のジョイント部材とを連結するために多数の連結具を差込まなければならず、収納ボックスの組立て作業に手間を要するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、高い耐荷重性を有し、組立性に優れた組立家具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1方向に延びる天板と、
前記第1方向に延び、前記天板に対して前記第1方向に垂直な第2方向に前記天板との間に間隔をあけて位置する棚板と、
前記第1方向に延び、前記棚板に対して前記第2方向に前記棚板との間に間隔をあけて位置する地板と、
前記棚板の前記第1方向の両端部と、前記地板の前記第1方向の両端部とを連結する一対の第1側板であって、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向の中間部に、前記第1方向に互いに対向する表面とは反対側の表面上で開口し、前記第2方向に延びる嵌合溝を有する一対の第1側板と、
前記第1側板の前記嵌合溝に臨んで前記第3方向に対向し、かつ前記第2方向に延びる2つの内壁面にそれぞれ接触する2つの側面を有し、前記第1側板から前記第2方向に突出して前記天板の前記第1方向の両端部にそれぞれ連結される一端部を有する一対の第2側板と、
前記地板に固定される複数の脚部材と、を含むことを特徴とする組立家具である。
【0007】
また本発明は、前記一対の第1側板の前記嵌合溝に前記第1方向に臨む内面に固定され、前記内面から離反するように傾斜し、前記第3方向に延びる第1支持面を有する一対の第1掛止め部材と、
前記一対の第2側板の前記第1方向に互いに対向する表面に固定され、前記一対の第1掛止め部材の前記第1支持面に平行な第2支持面を有する一対の第2掛止め部材と、をさらに含むこと特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記天板と前記棚板との間に介在され、前記天板および前記棚板にそれぞれ対向する端面に開口し、前記第3方向に延びる長溝が設けられる隔壁部材と、
前記天板および前記棚板にそれぞれ固定され、前記長溝に嵌まり込んだ状態で前記第3方向に延びる突条と、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第2側板が第1側板の嵌合溝に嵌合され、地板の第1方向の両端部と棚板の第1方向の両端部とが第1側板によって連結され、地板の第1方向の両端部と天板の第1方向の両端部とが第2側板によって連結されるので、組立作業が容易であり、耐荷重性に優れた組立家具を提供することができる。
【0010】
また本発明によれば、第1側板に第1掛止め部材が固定され、第2側板に第2掛止め部材が固定されるので、第2側板を嵌合溝に嵌合させることによって、第1掛止め部材に第2掛止め部材が掛止められ、第1側板と第2側板とが高い強度で連結される。これによって天板および棚板の耐荷重性が向上され、耐加重性に優れた組立家具を提供することができる。
【0011】
また本発明によれば、天板および棚板には突条が設けられ、天板と棚板との間には隔壁部材が設けられ、隔壁部材には長溝が形成され、長溝に突条が嵌り込むので、天板に作用する荷重を隔壁部材によって棚板に伝達して分散させることができ、耐荷重性に優れた組立家具を提供することができる。また、長溝に突条が嵌り込む構成を採用することによって、組立家具1の購入者がたとえば自宅で組立てる際に、突条が長溝に嵌り込むように隔壁部材を配置すれば、隔壁部材を天板および棚板に対して正確に位置決めすることができ、組立作業を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の組立家具1を示す正面図である。
図2図1に示される組立家具1の背面図である。
図3】組立家具1の左側面図である。
図4】組立家具1の右側面図である。
図5】組立家具1の平面図である。
図6】組立家具1の底面図である。
図7図5の切断面線A-Aから見た組立家具1の断面図である。
図8】組立家具1の分解斜視図である。
図9】下収納部22の分解斜視図である。
図10】天板部23の分解斜視図である。
図11A】一方の第2側板7aの分解斜視図である。
図11B】他方の第2側板7bの分解斜視図である。
図12】組立家具1の組立構造を説明するための分解斜視図である。
図13】組立完了時の組立家具の外観を示す斜視図である。
図14】開き扉a,bを開いた状態を示す組立家具1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態の組立家具1を示す正面図であり、図2は、図1に示される組立家具1の背面図であり、図3は、組立家具1の左側面図であり、図4は、組立家具1の右側面図である。図5は、組立家具1の平面図であり、図6は、組立家具1の底面図であり、図7は、図5の切断面線A-Aから見た組立家具1の断面図である。これらの図面を参照して、本実施形態の組立家具1の構成を以下に説明する。なお、以下において、説明の便宜上、直交3軸方向X,Y,Zを想定し、第1方向X、第2方向Y、第3方向Zと記す。第1方向Xは、組立家具1を正面から見て水平な左右方向に対応し、第2方向Yは、第1方向Xに垂直な上下方向に対応し、第3方向Zは、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な幅方向に対応する。組立家具1は、家屋の床25に設置され、床25は畳、フローリング板などが敷設された概ね水平な平面であるが、説明の都合上、第1方向Xおよび第2方向Yを含む水平な一平面を想定する。
【0014】
本実施形態の組立家具1は、天板2と、棚板4と、地板3と、一対の第1側板5a,5bと、一対の第2側板7a,7bと、4つの脚部材8a,8b,8c,8dと、を含む。天板2は、第1方向Xに延びる。棚板4は、第1方向Xに延び、天板2に対して第2方向Yに間隔ΔL1をあけて位置する棚板4と、第1方向に延び、棚板4に対して第2方向Yに間隔ΔL2をあけて位置する地板3と、棚板4の第2方向Yの両端部と、地板3の第1方向Xの両端部とを連結する。一対の第1側板5a,5bは、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な第3方向Zの中間部に、第1方向Xに互いに対向する表面とは反対側の表面上で開口し、第2方向Yに延びる嵌合溝6a,6bを有する。一対の第2側板7a,7bは、第1側板5a,5bの嵌合溝6a,6bに臨んで第3方向に対向し、第2方向Yに延びる2つ内壁面にそれぞれ接触する2つの側面を有し、第1側板5a,5bから第2方向Yに突出して天板2の第1方向Xの両端部に連結される一端部を有する。4つの脚部材8a,8b,8c,8dは、地板3の四隅部にそれぞれ固定される。本実施形態において、天板2、棚板4、および地板3は矩形状に形成されているが、これに限定されない。
【0015】
天板2と棚板4とは、第2方向Yに間隔ΔL1をあけて平行に位置され、棚板4と地板3とは第2方向Yに間隔ΔL2をあけて平行に位置する。間隔ΔL1は、たとえば345mmであり、間隔ΔL2は、たとえば400mmであってもよい。
【0016】
組立家具1は、一対の第1掛止め部材9a,9bと、一対の第2掛止め部材10a,10bと、をさらに含む。一対の第1掛止め部材9a,9bは、一対の第1側板5a,5bのそれぞれに固定され、嵌合溝6a,6b内で第1方向Xに垂直に延びる、一対の第2掛止め部材10a,10bは、一対の第2側板7a,7bのそれぞれに固定され、一対の第1掛止め部材9a,9bに支持される。一対の掛止め部材9a,9bによって、相欠き継手を構成する。
【0017】
組立家具1は、隔壁部材13a,13bと、突条14,15と、をさらに含む。隔壁部材13a,13bは、天板2と棚板4との間に介在される。隔壁部材13a,13bには、天板2および棚板4に対向する端壁部に天板2および棚板4の幅方向に延びる長溝11,12が設けられる。突条14,15は、天板2および棚板4に固定され、長溝11,12に嵌まり込む。
【0018】
前述の天板2、地板3、棚板4、第1側板5a,5b、第2側板7a,7b、および脚部材8a~8dの材料としては、家具材として多く用いられる木材であればよく、たとえばさくら、かえで類などの密な木材であってもよく、なら類、かし類、けやきなどの重硬で粗な木材であってもよい。好ましくは、杉または檜などの間伐材を用いてもよい。杉または檜などの間伐材を用いることによって、材料コストを低減することができるとともに、環境保護にも寄与することができる。また天然木以外にたとえばパーティクルボードなどの合板であってもよく、樹脂製パネルであってもよい。
【0019】
棚板4は、該棚板4と同一形状の化粧板16に積層され、たとえば接着剤によって接着される。化粧板16の材料としては、たとえばランバーコア合板であってもよく、パーティクルボードコア合板であってもよい。棚板4の正面側の第1方向Xの両端部に位置する2つの上縁角部は、面取りされ、略三角形の面取り面32a,32bが露出している。このような面取り面32a,32bによって、身体の不用意な接触に対する安全性が向上されている。
【0020】
化粧板16と地板3との間には、2枚の仕切り板17a,17bが介在される。これらの仕切り板17a,17bによって、化粧板16と地板3との間でかつ一対の第2側板7a,7b間の空間は、3つ収納空間18a,18b,18cに仕切られる。各第1側板5a,5bには、丁番19a,19bによって開き扉20a,20bが設けられる。各開き扉20a,20bは、丁番19a,19bの軸線まわりに角変位可能であり、両側の収納空間18a,18bを開閉可能に閉鎖している。中央の収納空間18cは、開放しており、地板3上に物品を載置して収容することができる。
【0021】
各開き扉20a,20bは、上桟部材33a、下桟部材34a、2つの縦框35a,36a、および戸板37aを含む。上桟部材33a、下桟部材34a、2つの縦框35a,36a、および戸板37aは、たとえば天然木から成ってもよい。遊端側の縦框35aの上端部には、鉄などの強磁性体から成る吸着片38aが埋込まれる。化粧板16の一方の仕切り板17aの上端部が接合される入隅部には、永久磁石片39aが固定される。吸着片38aは、開き扉20aが閉じられた状態で、永久磁石片39aに磁器吸着され、組立家具1へ衝撃力の作用によって開き扉20aが不用意に開放することが防がれている。このような吸着片38aおよび永久磁石片39aは、もう一方の開き扉20bについても同様に設けられ、対応する部分には同一の数字に添え字bを付し、重複を避けて説明は省略する。各開き扉20a,20bの一方の縦框35a,35bの収納空間18a,18bに臨む内面部には、図9に示されるように、使用者が開閉時に手指を掛止めるための凹部31a,31bが形成されている。
【0022】
天板2と棚板4との間でかつ一対の第1側板5a,5b間の空間は、一対の隔壁部材13a,3bによって3つの収納空間21a,21b,21cに仕切られる。これらの収納空間21a~21cは、棚板4上に物品を載置して収容することができる。
【0023】
図8は、下収納部22の分解斜視図であり、図9は、下収納部22の分解斜視図である。なお、図8は、図解を容易にするため、開き扉20a,20bを省略して示されている。組立家具1は、図8および図9に示される下収納部22と、図10に示される天板部23とを含む。下収納部22は、前述の天板2、地板3、棚板4、第1側板5a,5b、第2側板7a,7b、化粧板16、開き扉20a,20b、および脚部材8a~8dを含む。棚板4は、3枚の長方形の板材4a,4b,4cの互いに対向する木端同士を接合して構成されてよい。板つぎ方法としては、たとえば相互つぎであってもよく、ありざねつぎであってもよい。
【0024】
前述の一対の第1側板5a,5bのそれぞれは、2枚の板材5a1,5a2;5b1,5b2を平行に接着剤によって下地板5a3,5b3に接着して接合されてもよい。各下地板5a3,5b3に接合された各2枚の板材5a1,5a2;5b1,5b2の間隔ΔLは、各第2側板7a,7bの幅Bに等しく、各2枚の板材5a1,5a2;5b1,5b2が各下地板5a3,5b3に接合されることによって、前述の嵌合溝6a,6bを有する第1側板5a,5bが構成される。間隔ΔLは、第2側板7a,7bがぴったりと嵌り込むことができる程度に幅Bよりもわずかに大きく、間隔ΔLは、たとえば、幅B+0.1mm~0.2mm程度であればよい。各下地板5a3,5b3、化粧板16、および地板3の後方に臨む各側面には、背後板24がたとえば接着を用いた接着によって接合される。背後板24の材料としては、たとえば化粧合板が用いられてもよい。
【0025】
図10は、天板部23の分解斜視図である。天板部23は、前述の天板2と、天板2の一側縁部にたとえば接着剤を用いた接着によって接合される角棒状の補強部材26と、2つの突条14,15とを含む。天板2の正面側の第1方向Xの両端部に位置する2つの上縁角部は、面取りされ、略三角形の面取り面27a,27bが露出している。このような面取り面27a,27bによって、身体の不用意な接触に対する安全性が向上されている。
【0026】
組立家具1は、たとえば家屋の床25に載置される。床25は、家屋の床に限らず、工場などの建物の床であってもよく、軒下の廊下であってもよく、組立家具1を安定に支持することができる水平な平面であればよい。
【0027】
図11Aは、一方の第2側板7aの分解斜視図であり、図11Bは、他方の第2側板7bの分解斜視図である。組立家具1を正面から見て左側に位置する第2側板7aを、一方の第2側板7aと称し、右側に位置する第2側板7bを、他方の第2側板7bと称する。一方の第2側板7aは、図11Aに示されるように、長方形の板状体から成る第2側板素材7b1と、第2側板素材7b1の一表面に接着剤によって接着される一対の第1掛止め部材10aと、を含む。他方の第2側板7bは、図11Bに示されるように、長方形の板状体から成る第2側板素材7b1と、第2側板素材7b1に対向する一表面に接着剤によって接着される一対の第2掛止め部材10bと、を含む。
【0028】
第2側板素材7a1,7b1それぞれの第1方向Xの一端部側の上端部には、任意形状であるたとえばハート形に切抜かれた木片28a,28bが第2側板素材7a1,7b1それぞれの他表面から部分的に突出した状態で、第2側板素材7a1,7b1それぞれの切抜き孔に接着剤によって接着されて接合される。各木片28a,28bは、たとえば明度の高い赤色塗料が塗布され、周囲の木目に対して各木片28a,28bが強調して視認され、組立家具1の意匠上の美観が向上され、組立家具1全体の外観の親和性が向上される。また、各木片28a,28bは、各第2側板素材7a1,7b1それぞれの他表面から部分的に突出して設けられるので、組立家具1の組立時または分解時に各第2側板7a,7bの嵌合溝6a,6bへの差込み作業または抜取り作業を木片28a,28bの突出部分を把持して行うことができる。これによって、作業者は手作業による第2側板7a,7bの操作性が向上され、差込み作業または抜取り作業を容易化することができる。
【0029】
図12は、組立家具1の組立て手順を説明するための分解斜視図であり、図13は、組立完了時の組立家具1の外観を示す斜視図であり、図14は、開き扉a,bを開いた状態を示す組立家具1の斜視図である。組立家具1は、店頭販売だけでなく、たとえば通信販売によって購入者に送付される。組立家具1を購入者に送付するときの形態は、図12に示されるように、たとえば販売者または製造者が工場で下収納部22だけを組立て、天板部23および2枚の仕切り板17a,17bは分解された状態で1つに梱包して購入者へ発送される。発送物を受取った購入者は、下収納部22の嵌合溝6a,6bに第2側板7a,7bを挿入することによって、第1掛止め部材9a,9bに第2掛止め部材10a,10bが掛止められ、第2側板7a,7bが各嵌合溝6a,6bから離脱することが防がれる。
【0030】
天板2には、2本の突条14が固定され、棚板4には、2本の突条15が固定され、各隔壁部材13a,13bには、長溝11,12が形成されるので、作業者は長溝11,12に突条14,15が嵌まり込むように各隔壁部材13a,13bを配置すればよく、各隔壁部材13a,13bを容易にかつ正確に位置決めすることができる。また、作業者は、各隔壁部材13a,13bを天板2と棚板4との間に配置した後に、木ねじ30a,30bによって天板2の第1方向Xの両端部を各隔壁部材13a,13bの上端部にねじ止めすればよいので、組立家具1を容易にかつ確実に行うことができる。
【0031】
本実施形態によれば、各第2側板7a,7bが第1側板5a,5bの嵌合溝6a,6bに嵌合され、地板3の第1方向Xの両端部と棚板4の第1方向Xの両端部とが第1側板5a,5bによって連結され、地板3の第1方向の両端部と天板2の第1方向Xの両端部とが各第2側板7a,7bによって連結されるので、組立作業が容易であり、耐荷重性に優れた組立家具1を提供することができる。
【0032】
また本実施形態によれば、第1側板5a,5bに第1掛止め部材9a,9bが固定され、各第2側板7bに第2掛止め部材10a,10bが固定されるので、各第2側板7a,7bを嵌合溝6a,6bに嵌合させることによって、第1掛止め部材9a,9bに第2掛止め部材10a,10bが掛止められ、第1側板5a,5bと第2側板7a,7bとが高い強度で連結される。これによって天板2および棚板4の耐荷重性が向上され、耐荷重性に優れた組立家具1を提供することができる。
【0033】
また本実施形態によれば、天板2および棚板4には突条14,15が設けられ、天板2と棚板4との間には隔壁部材13a,13bが設けられ、隔壁部材13a,13bには長溝11,12が形成され、長溝11,12に突条14,15が嵌り込むので、天板2に作用する荷重を隔壁部材13a,13bによって棚板4に伝達して分散させることができ、耐荷重性に優れた組立家具1を提供することができる。また、長溝11,12に突条14,15が嵌り込む構成を採用することによって、組立家具1の購入者がたとえば自宅で組立てる際に、突条14,15が長溝11,12に嵌り込むように隔壁部材13a,13bを配置すれば、隔壁部材13a,13bを天板2および棚板4に対して正確に位置決めすることができ、組立作業を容易化することができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、また、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。上記各実施形態をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1 組立家具
2 天板
3 地板
4 棚板
5a,5b 第1側板
5a1,5a2;5b1,5b2 板材
5a3,5b3 下地板
6a,6b 嵌合溝
7a,7b 第2側板
8a,8b,8c,8d 脚部材
9a,9b 第1掛止め部材
10a,10b 第2掛止め部材
11,12 長溝
13a,13b 隔壁部材
14,15 突条
16 化粧板
17a,17b 仕切り板
18a,18b,18c 収納空間
19a,19b 丁番
20a,20b 開き扉
21a,21b,21c 収納空間
22 下収納部
23 天板部
24 背後板
25 床
26 補強部材
27a,27b;32a,32b 面取り面
30a,30b 木ねじ
31a,31b 凹部
ΔL 間隔
B 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14