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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153485
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 308Z
A63F7/02 326C
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055992
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA39
2C088DA09
2C088DA23
2C088EA10
2C088EB78
(57)【要約】
【課題】送風演出の趣向性を向上することが求められている。
【解決手段】本開示の遊技機10では、通気口358が形成されているベース壁355が前後方向に対して10~30°程前向きに傾斜しているため、風の噴出方向も、左右方向に対して10~30°程前方へ傾斜した方向になっている。そして、通気口358は発射ハンドル300より前側かつ下側に配されているので、軸流ファン370は、風を発射ハンドル300を把持する手腕に前後方向及び左右方向と交差する方向から吹き付けることになる。しかも、本実施形態では、発射ハンドル300の回転軸300Jが傾斜し、手腕の内面を内側に向けた状態で発射ハンドル300が把持されているので、風が手腕の内面に吹き付けられやすくなっている。
【選択図】図53
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を発射するために把持されて回転操作されるハンドルを備える遊技機において、
前後方向と交差する方向に風を噴出して、前記ハンドルを把持する手腕に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【請求項2】
前記送風部は、前記手腕に対して遊技機の左右方向の内側から風を吹き付ける請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
遊技球を発射するために把持されて回転操作されるハンドルを備える遊技機において、
前記ハンドルを把持する手腕の内面に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【請求項4】
遊技球を発射するために回転操作されるハンドルの回転軸が、遊技機の前後方向と交差する方向と平行に配置されていて、
前記ハンドルを把持する手腕に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【請求項5】
前記ハンドルの回転軸が、遊技機の前後方向と交差する方向と平行に配置されている請求項1から3の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技者が前記ハンドルに接触していないときには前記送風部を作動しないように制御する制御部を備える請求項1から4の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、ハンドルを把持する手に風を吹き付ける送風演出を行うことが可能なものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の遊技機では、ハンドルから風が噴出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-160164号公報(段落[0028]及び図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の遊技機においては、送風演出の趣向性を向上することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた発明の一態様は、遊技球を発射するために把持されて回転操作されるハンドルを備える遊技機において、前後方向と交差する方向に風を噴出して、前記ハンドルを把持する手腕に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
発明の一態様によれば、ハンドルを把持する手腕に風が前後方向と交差する方向から吹き付けられるので、ハンドルから風が噴出される送風演出に慣れた遊技者の意表を突くことができ、送風演出の趣向性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る遊技機の斜視図
図2】前側扉を外した遊技機の分解斜視図
図3】支持枠部及び後部カバーの斜視図
図4】金属枠の斜視図
図5】支持枠部の一部の斜視図
図6】後側扉の上部の側断面図
図7】後側扉の下部の斜視図
図8】後側扉の斜視図
図9】遊技板が嵌め込まれた後側扉の正面図
図10】後側扉の下部の分解斜視図
図11】発射装置の分解斜視図
図12】発射球案内ユニットの背面側斜視図
図13】発射球案内ユニットの正断面図
図14図14Aは、樋ユニットの斜視図、図14Bは、樋ユニットの断面斜視図
図15】樋ユニットの分解斜視図
図16】切断手段の分解斜視図
図17】分岐口の拡大斜視図
図18図18Aは、不正操作用糸を取り付けた遊技球の一方をファール球排出路に通過させた状態を示す図、図18Bは、不正操作用糸を取り付けた遊技球の他方を遊技領域に到達させた状態を示す図
図19】前面皿の断面斜視図
図20】遊技機の背面側拡大正面図
図21】遊技機の上面拡大図
図22】タンクの背面側断面図
図23】前側扉の分解斜視図
図24】基礎枠部の斜視図
図25】金属枠の斜視図
図26】基礎枠部の下部拡大斜視図
図27】基礎枠部と側部ユニットとの取付けを説明するための図
図28図28Aは、第1及び第2のユニット保持部近傍の斜視図、図28Bは、回動シャフトの分解斜視図
図29】基礎枠部の下面側斜視図
図30図30Aは、下部ユニットの斜視図、図30Bは、下部ユニットの下面側斜視図
図31】下部ユニットの分解斜視図
図32図32Aは、カバープレートの斜視図、図32Bは、カバープレートの下面側斜視図
図33図33Aは、操作ボタン装置及び十字ボタン装置の斜視図、図33Bは、操作ボタン装置及び十字ボタン装置の下面側斜視図
図34】操作ボタン装置の分解斜視図
図35】カバー部材とその移動機構を構成する部材の斜視図
図36】カバー部材とその移動機構の断面図
図37】可動装飾部とその移動機構を構成する部材の斜視図
図38】可動装飾部とその移動機構の断面図
図39】支持部及び可動ベースの平面図
図40】支持部及と可動ベースの平断面図
図41】後側扉の背面側斜視図
図42】球ならし部材の拡大断面図
図43図43Aは、前側扉の可動ピン近傍の拡大斜視図、図43Bは、前側扉の回動支持片近傍の拡大斜視図
図44】後側扉の上側の回動支持片の拡大斜視図
図45】基礎枠部の上部の背面側斜視図
図46】上部ユニットの背面側斜視図
図47】基礎枠部の上部の斜視図
図48】基礎枠部の正面図
図49】側部ユニットの斜視図
図50】スライド可動部が下がった状態の側部ユニットの斜視図
図51図51Aは、側部ユニットの斜視図、図51Bは、スライド可動部が下がった状態の側部ユニットの斜視図
図52】発射ハンドル近傍の斜視図
図53】発射ハンドル近傍の平面図
図54】ハンドルユニットの分解斜視図
図55】ハンドルユニットの分解斜視図
図56】ハンドルユニットの分解斜視図
図57図57Aは、ベース本体の斜視図、図57Bは、ベース本体の裏面側斜視図
図58】発射ハンドルの裏面側斜視図
図59】発射ハンドルの分解斜視図
図60】シャフトの斜視図
図61】シャフトの嵌合部近傍の拡大図
図62】ハンドルユニットの断面図
図63】固定パーツ近傍の斜視図
図64】固定パーツの裏面側斜視図
図65】固定パーツ近傍の背面図
図66図66Aは、ケーブルの一端部の平面図、図66Bは、ケーブル本体にリング端子を取り付ける前の状態の斜視図、図66Cは、ケーブルの一端部の斜視図
図67】突部近傍の斜視図
図68図68Aは、発射ハンドルが第1位置に配された状態の突部の位置を示す図、図68Bは、発射ハンドルが第2位置に配された状態の突部の位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、図1図68を参照して、本開示の一実施形態に係る遊技機10について説明する。本実施形態の遊技機10は、パチンコ遊技機であって、図1に全体を示された遊技枠11を備える。遊技枠11は、固定枠12と後側扉13と前側扉50とに分かれている。以下、固定枠12、後側扉13、前側扉50の順番に説明する。また、以下の説明では、特記しない限り、「遊技機10に向かって左」を単に「左」といい。その反対側を単に「右」という。
【0009】
<固定枠12について>
図2に示すように、固定枠12は、遊技ホールの遊技島に固定される枠体であって、縦長の四角形をなし、縦長の四角形の内部空間を前後方向に貫通した状態に備える。具体的には、固定枠12は、帯板状の4枚の支持プレート12S(下辺の支持プレート12Sは図示されていない)が結合されて、1対ずつの支持プレート12Sが上下方向と横方向で対向した構造の枠本体12Wの下辺の支持プレート12Sの上に、横長のブロック状の下辺ブロック12Bを重ねた構造をなしている。また、固定枠12の上下の開口縁における左端部からは、1対の回動支持片12Aが前方に張り出している。また、固定枠12の右内側面の上部と下部とには、1対の係合突部12Kが備えられている。
【0010】
なお、枠本体12Wのうち横方向で対向する1対の支持プレート12Sは、金属製である一方、上下で対向する支持プレート12Sは、木製であり、下辺ブロック12Bは、樹脂製であるが、これら材質は一例であり、適宜変更してもよい。以下の説明する各部位、各部品の材質に関しても同様であり、材質は適宜変更してもよい。
【0011】
<後側扉13について>
図3に示すように、後側扉13は、支持枠部14と後部カバー35とを有する。そして、後側扉13には、液晶モジュール80と遊技板90が取り付けられている(図2参照)。ここで、一般的なパチンコ遊技機では、液晶モジュールは遊技板の一部になっているが、本実施形態の遊技機10は、液晶モジュール80は遊技板90とは別体になって後側扉13に別々に固定されている。そして、所謂、新台入替の際には、遊技板90及び液晶モジュール80のうち遊技板90のみが別の遊技板90に変更されて遊技枠11に取り付けられる。この観点から、液晶モジュール80は、遊技枠11(詳細には、後側扉13)の一部になっている。以下、後側扉13を、支持枠部14、後部カバー35の順番で説明する。
【0012】
<後側扉13の支持枠部14について>
図3に示すように、支持枠部14は、固定枠12の前面の開口縁に重なる枠形突部14Tを前端部の外面の略全周に備える。そして、枠形突部14Tが固定枠12の前面に重なり、支持枠部14のうち枠形突部14Tより後側部分が固定枠12内に収まる。
【0013】
また、支持枠部14は、図4に示した金属枠14Wに後述する樹脂製の前側支持ベース19F、後側支持ベース19R等を組み付けてなる。支持枠部14は、全体が金属製で、その両側辺部には、固定枠12の内側面に対して隙間を空けて重なるサイドプレート15と、サイドプレート15の後縁部の略全体から内側に直角に張り出す内側突壁15Tとが備えられている。
【0014】
また、金属枠14Wの下辺部は、1対の内側突壁15Tに両側部を重ねて固定されている平板状の下部プレート16で構成されている。金属枠14Wの上辺部は、略フード状の上部フード17で構成されている。上部フード17は、下方と前方とに開放した横長の筐体状をなして、両側部を1対のサイドプレート15の内側突壁15Tに固定されている。
【0015】
図3に示すように、金属枠14Wに対し、その上部では、横方向に延びる樹脂製の上部支持ベース19Jの前部が、1対のサイドプレート15の間に差し渡された状態に固定され、上部支持ベース19Jの後部が上部フード17の上面に重ねられている。また、金属枠14Wの下部では、下部プレート16の後面に、樹脂製の後側支持ベース19Rが重ねて固定される一方、下部プレート16の前面に、樹脂製の前側支持ベース19Fが重ねて固定されている。そして、後側支持ベース19Rが、上部フード17に対して真下から対向し、前側支持ベース19Fが上部支持ベース19Jの上部フード17より前側部分に対して真下から対向している。なお、後側支持ベース19Rには、図示しないが、電源基板等を収容する基板ケース等が備えられている。
【0016】
また、右側のサイドプレート15の前側には、樹脂製の側部前面カバー19Sが重ねられている。そして、上部支持ベース19J及び下部プレート16の外縁部と側部前面カバー19Sに、前述した枠形突部14Tの3辺が形成され、残り一辺は、左側のサイドプレート15に一体形成されて断面L字形状をなして上下方向に延びる前側突部15L(図4参照)によって形成されている。
【0017】
支持枠部14の左側部の上下の両端部からは、1対の回動支持片14Aが前方に張り出している。そして、支持枠部14の1対の回動支持片14Aが、固定枠12の1対の回動支持片12A(図2参照)に回動可能に連結される(図1参照)。詳細には、固定枠12の下側の回動支持片12Aは、固定枠12の下辺部から延び、上側の回動支持片12Aは、固定枠12の左辺部から延びた第1支持片12Mと第1支持片12Mの上辺から延びた第2支持片12Nとを有している。1対の回動支持片12Aには、共に、上方に突出したピン12Pが設けられている。
【0018】
支持枠部14の下側の回動支持片14Aには、下面に、ピン12Pを受容する受容孔(図示せず)が設けられ、上側の回動支持片14Aには、ピン12Pを受容する受容溝14R(図44参照)が設けられている。そして、後側扉13を前傾姿勢にして下側の回動支持片14Aの受容孔を固定枠12の下側の回動支持片12Aのピン12Pに差し込み、後側扉13を起こして、上側の回動支持片14Aの受容溝14Rに固定枠12の上側の回動支持片12Aのピン12Pを受容させることで後側扉13が固定枠12に連結される。
【0019】
図4に示すように、支持枠部14の右側部には、ラッチ装置18Aとキーシリンダー18Bとが備えられている。図20に示すように、ラッチ装置18Aは、右のサイドプレート15の外面に2枚重ねにされかつ上下にスライド可能に支持された第1と第2のスライドプレート18V,18Wを有する。第1及び第2のスライドプレート18V,18Wは、共に上下方向に延びていて、第1スライドプレート18Vは図示しない第1バネによって可動範囲の下端の原点位置に付勢される一方、第2スライドプレート18Wは図示しない第2バネによって可動範囲の上端の原点位置に付勢されている。
【0020】
図4に示すように、キーシリンダー18Bは、金属枠14Wの右側部の前面下部から前方に突出し、図3に示すように、前側支持ベース19Fに設けられた前面突部19Z内に配置されて、前面のみが前面突部19Zから露出している。そして、キーシリンダー18Bの前面に開口するキー挿入孔にキーを挿入して、例えば反時計回り方向に回転操作すると、第1スライドプレート18Vが第1バネに抗して上方にスライドする一方、時計回り方向に回転操作すると、第2スライドプレート18Wが第2バネに抗して下方にスライドする。
【0021】
第2スライドプレート18Wには、複数の第2フック18Dが備えられている(図4参照)。それら複数の第2フック18Dが固定枠12の複数の係合突部12K(図2参照)と係合することで、後側扉13が固定枠12に対する閉位置(例えば、固定枠12の前面に後側扉13の枠形突部14Tが重なる位置)に保持され、その状態でキーシリンダー18Bからキーを抜くことで後側扉13が閉位置に施錠される。
【0022】
第1スライドプレート18Vの上下方向の複数位置には複数の第1フック18Cが備えられ、側部前面カバー19Sの複数の貫通孔(図5参照)を介して支持枠部14の前面より前方に突出している。また、図6に示すように、上部支持ベース19Jの内部には、第1スライドプレート18Vと連動して横方向にスライドする第3スライドプレート18Fが備えられ、その第3スライドプレート18Fに形成された係合孔18Eが、図5に示すように、上部支持ベース19Jの前面に形成された開口19Mを通して前方に臨んでいる。そして、前側扉50に備えた後述する係合孔130及び第3フック131(図25参照)と、第1フック18C及び係合孔18Eとの係合により図1に示すように前側扉50が後側扉13に対する閉位置に固定されかつキーをキーシリンダー18Bから抜くことで施錠される。
【0023】
図7に示すように、後側支持ベース19Rの上面には、前側溝部26と後側溝部27とが備えられている。前側溝部26の前縁部と、前側溝部26と後側溝部27との間と、後側溝部27の後縁部とからは、それぞれ第1~第3の区画壁28A,28B,28Cが突出している。第1区画壁28Aのうち横方向の両端部の全体は、前側支持ベース19Fの上面より僅かに上方に突出し、第2区画壁28Bは、第1区画壁28Aより高く突出し、さらに、第3区画壁28Cは第2区画壁28Bより高く突出している。なお、第1区画壁28Aの両端部は、両端部以外の部分より上方に突出して後述するコーナー張出部14Uの後面に重なっている。
【0024】
前側溝部26は、遊技板ユニット90の後述する遊技領域R1に打ち込まれた遊技球を回収するためのものであって、前側溝部26の底面には、遊技球を回収するために遊技球回収口(図示せず)が備えられ、そこに取り込まれた遊技球は、遊技機10から下方に排出されて遊技島の遊技球循環システムに取り込まれる。
【0025】
後側溝部27は、液晶モジュール80の下端部を受容するためのものである。また、後側溝部27の底面にも、遊技球を回収するために遊技球回収口(図示せず)が備えられ、そこに取り込まれた遊技球が、遊技機10から下方に排出されて遊技島の遊技球循環システムに取り込まれるようになっている。なお、この後側溝部27の遊技球回収口は、通常は使用されないが、液晶モジュール80が後側扉13から取り外されたときに誤って遊技球が後側溝部27に転落した場合に、その遊技球を後側溝部27から容易に取り除けるようにしたものである。
【0026】
図5に示すように、上部支持ベース19Jの下面における横方向の略中央には、上側係止部材29が上下に移動可能に支持されている。その上側係止部材29は、図6に示した弾性部材29Aにより下方に付勢されて、図5に示すように、上部フード17に形成された貫通孔17Zを通して上部支持ベース19Jから下方に突出している。また、図6に示すように、上側係止部材29のうち上部支持ベース19Jから下方に突出している部分には、前側に傾斜したガイド面29Gが備えられる一方、後側に鉛直な係止面29Kが備えられている。
【0027】
そして、液晶モジュール80を支持枠部14に組み付ける際には、まず、液晶モジュール80の下縁部を支持枠部14の後側溝部27に差し込み、下縁部を支点にして後ろに回動させる。すると、液晶モジュール80の上端部が、上側係止部材29のガイド面29Gと摺動して上側係止部材29が上方に移動され、液晶モジュール80が直立姿勢になったところで、液晶モジュール80が上側係止部材29より後側に位置し、上側係止部材29が弾性部材29Aの弾発力により当初の位置に戻されて上側係止部材29の係止面29Kが液晶モジュール80の上部前面に係止する。これにより、液晶モジュール80の両側辺と上辺の3辺が支持枠部14の3辺に保持された状態で組み付けられる(図2参照)。
【0028】
図8及び図9に示すように、後側扉13の支持枠部14に設けられた左右のサイドプレート15の内面と、上部支持ベース19Jの下面と、前側支持ベース19Fの上面とに囲まれるユニット嵌合領域91に遊技板90が嵌め込まれている。遊技板90は、後方に配置される液晶モジュール80の表示画面と対向する中央部分が少なくとも透過性を有する樹脂によって構成され、遊技板90を介して前方から表示画面が視認可能となっている。なお、前側支持ベース19Fの上面における長手方向の複数位置には、前後方向に延びる突条19Vが形成され、遊技板90が前側支持ベース19F上を容易に滑って移動するようになっている。
【0029】
遊技板90を後側扉13に固定するために、支持枠部14には以下の構造が備えられている。図4に示すように、前側支持ベース19Fの上面における横方向の両端部から、金属枠14Wの一部が1対のコーナー張出部14Uとして上方に張り出し、図5に示すように、支持枠部14の内側右上コーナー部から、金属枠14Wの一部がコーナー張出部14Uとして下方に張り出している。これら3つのコーナー張出部14Uは、同一面内に含まれる前面を有し、それぞれ金属製のピン22が突出している。これら複数のピン22は、遊技板90の後面に形成された図示しない位置決め孔が嵌合するようになっている。また、左側のサイドプレート15の内面における上下方向の2箇所には、板金製で平板を折り曲げて形成される1対の側縁規制部23が備えられている。側縁規制部23は、サイドプレート15の内側突壁15Tとの間で、遊技板90の左側縁部を挟んで支持している。
【0030】
遊技板90は、その前面に、液晶モジュール80の表示画面を視認させる表示領域を有し、後述する発射装置40から打ち出された遊技球が流下する遊技領域R1を形成する。遊技領域R1は、図9に示すように、遊技板90の前面から突出したガイドレール92に四方を囲まれることで形成されている。そして、発射装置40から発射された遊技球が、ガイドレール92によって形成された遊技板90の左側部の球誘導路93を通って上端寄り位置の進入口92Kから遊技領域R1に進入する。発射装置40から発射される遊技球は、前側扉50の前面皿110(図1参照)に貯留される遊技球から供給される。前面皿110には、例えば、図示しない球貸しボタンが操作されると、予め設定された数の遊技球が貸し出されたり、また、遊技球が遊技領域R1上の後述する各種入賞口に入球して払い出されたりした場合に、遊技球が供給される。
【0031】
遊技領域R1には、図示しない始動入賞口や大入賞口、一般入賞口及びアウト口等が備えられている。始動入賞口に遊技球が入球すると当否判定が行われ、大入賞口は、通常は、可動扉等で閉塞されて入球が困難な状態になっていて、上記当否判定の結果が当りとなったときに開放されて入球が容易な状態となる。そして、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球は、アウト口に取り込まれる。各種入賞口やアウト口に入球した遊技球は遊技板90の後方に案内されて前述したように遊技機10の下方から排出され、遊技島の遊技球循環システムに取り込まれる。また、各入賞口に遊技球が入球すると、払出装置36(図20参照)が作動して所定数の賞球が前面皿110に払い出される。
【0032】
発射装置40は、図9に示すように、前側支持ベース19Fの前面における横方向の略中央に組み付けられ、その左側方に、発射装置40から発射された遊技球を遊技板90へと案内する発射球案内ユニット70が組み付けられている。また、図7に示すように、前側支持ベース19Fは、略水平となって横方向に延びる上面を有し、その上面における左寄り位置には、発射球案内ユニット70の上面の一部が露出して、発射装置40から発射球案内ユニット70を通って斜め左上方に打ち出された遊技球が遊技領域R1へと排出される上面開口19Hとなっている。また、発射球案内ユニット70には、前方に開口して、前面皿110に賞球等を排出するための排出ダクト70Wが備えられている。なお、排出ダクト70Wには、図示しないシャッターが設置されていて、前側扉50が後側扉13に対する閉位置に固定されると、シャッターは開状態となり、排出ダクト70Wから前面皿110に遊技球が常時排出されるようになっている。一方、前側扉50が後側扉13に対して開位置に固定されると、シャッターは閉状態となり、排出ダクト70Wから前方に遊技球が零れ落ちないようになっている。
【0033】
図11に示すように、発射装置40は、主に発射装置40Aと球供給装置40Bとから構成される。具体的には、発射装置40は、発射装置40Aのベース板41に、球供給装置40B、発射レール42、打撃槌43、図示しない発射用モータ等の部品を組み付けてなる。球供給装置40Bは、前面皿110から送られてくる遊技球を球供給装置40Bの前方に開口する供給口44から取り込んで、発射レール42上に1球ずつ供給する。発射レール42上の遊技球は、球受部材45により受け止められている。また、発射装置40の左側面には、開口40Kが形成されている(図13参照)。そして、後述する発射ハンドル300の回動操作により発射用モータが駆動されると打撃槌43が回動して遊技球が弾かれ、発射レール42に沿って発射された遊技球が開口40Kから排出されて斜め上方に向かう。
【0034】
図10に示すように、発射球案内ユニット70は、遊技板90と平行に配置されるベース板71と、ベース板71の周縁から後側に突出する複数の外側壁72と、ベース板71の後面から後側に突出する複数の内側壁73(図12参照)を有し、これら複数の外側壁72及び内側壁73は前側支持ベース19Fの前面に突き当てて固定される。また、ベース板71の右辺と上辺の一部には、外側壁72が設けられておらず、それぞれ、開口72A、開口72Bが形成されている。開口72Aは、発射装置40の開口40Kと連通し、開口72Bの下方が前述の上面開口19Hと連通している。また、ベース板71の右下縁からは、前後方向に通路を有する排出樋77が垂下している。
【0035】
そして、これら発射球案内ユニット70に備えられた複数の外側壁72及び内側壁73と開口72A,72B等により、ベース板71と前側支持ベース19Fとの間に、図13に示すように、発射装置40から発射された遊技球を発射レール42から発射球案内ユニット70内に進入させる第1発射通路94と、第1発射通路94から遊技板90の球誘導路93へ進入させる第2発射通路95と、発射力が弱いために遊技領域R1まで到達せずに球誘導路93を引き返す所謂ファール球を回収するファール球排出路96と、第1発射通路94から球誘導路93まで到達しなかった遊技球を回収する下方案内路97とが形成される。ここで、上面開口19H及び開口72Bのうち、ファール球排出路96の上方をファール球排出路96と第2発射通路95との「分岐口」ということとする。
【0036】
図12に示すように、発射球案内ユニット70には、上面開口19Hを左右方向に分割する位置、詳細には、分岐口より発射装置40側となる部分とファール球排出路96との間に、弾性部材で構成される弾性仕切壁74が備えられている。弾性仕切壁74は、上方に向かって突出する正面視三角形状をなし、右側の斜面は第1発射通路94の一部を構成する壁面となる一方、左側の斜面はファール球排出路96の一部を構成する壁面の始端部96Aを構成する壁面となる。そして、発射装置40から発射された後、球誘導路93を引き返して弾性仕切壁74よりも発射装置40から遠い分岐口に到達した遊技球は、ファール球としてファール球排出路96に進入し、弾性仕切壁74の左側の斜面と、ベース板71の内側壁73とで構成される始端部96Aを通過して下方に流下する。始端部96Aの下流部には、ベース板71の後面と内側壁73から突出して下方に流下する遊技球を後方に向かわせるリブ75が形成されていて、ファール球排出路96の始端部96Aを流下した遊技球はリブ75により後方へ誘導され、さらに後述するファール球排出路96の第1中間部96B(図19)を流下する。
【0037】
また、発射球案内ユニット70の排出ダクト70Wには、図10に示すように、後方から樋ユニット100が重ねられている。樋ユニット100の前端には、図14Aに示すように、排出口100Aと受入口100Bが左右に並んで開口している。そして、排出口100Aが排出ダクト70Wに連通し、受入口100Bがファール球排出路96の始端部96Aの下流端に連通している。なお、樋ユニット100は、前側支持ベース19Fの貫通孔19Yに挿通されて、後端部は、前側支持ベース19Fの後方に突出し、前端部は、前側支持ベース19Fの前方に開口する凹部19Xに受容されている(図10参照)。
【0038】
樋ユニット100は、図14Aに示すように、払出球樋101と、戻り球樋102とを有している。払出球樋101は、前後方向に延びて左右方向に扁平な形状の払出通路101R(図14B)を有し、前端が排出口100Aに連通している。また、払出球樋101の後端部は上方に開口し、底面は前側に向かって下るように傾斜している。これにより、前述の払出装置36から払い出された遊技球は、払出球樋101の後端部で受け止められて排出口100Aまで誘導され、排出ダクト70Wを経て、排出ダクト70Wの前方に配置される前面皿110に排出される。
【0039】
戻り球樋102は、図14Bに示すように、左右方向に延びる通路を有し、これが前述のファール球排出路96の第1中間部96Bとなる。第1中間部96Bは一端が前方に曲げられて受入口100Bに連通し、他端が払出球樋101の払出通路101Rに連通している。また、受入口100Bが、排出口100Aよりも上方に配置されて、戻り球樋102の底面が左側に向かって下るように傾斜している。これにより、ファール球は、ファール球排出路96の始端部96Aを落下し、その後、戻り球樋102の受入口100Bから第1中間部96Bを左方に移動し、さらに前方に方向転換をして排出ダクト70Wから排出される(図19参照)。つまり、ファール球排出路96の第1中間部96Bは、分岐口に落下したファール球を分岐口の後方かつ発射装置40から離れる側へ誘導する。
【0040】
なお、発射装置40により発射されたが、発射力が弱いために球誘導路93まで到達しなかった遊技球は、分岐口よりも発射装置40側に落下して下方案内路97に進入する(図12参照)。下方案内路97を流下する遊技球は、発射球案内ユニット70のベース板71の後面と前側支持ベース19F前面に設けられる凹部19W(図10参照)で構成される誘導路を通過した後、発射球案内ユニット70の排出樋77から前方に排出される。
【0041】
発射球案内ユニット70の弾性仕切壁74の上方には、第2発射通路95の幅を前後方向で絞る1対の幅絞り突部76A,76Bが形成されている。具体的には、図17に示すように、1対の幅絞り突部76A,76Bは、断面視台形状をなして前後方向で対向し、それぞれ、発射球案内ユニット70のベース板71と、樋ユニット100の前端面とから突出して上下に延びている。これにより、ファール球を分岐口よりも発射装置40寄り側に落下することを抑制してファール球排出路96に誘導しやすくなっている。
【0042】
また、発射球案内ユニット70の開口72Bの開口縁には、発射装置40から離れた側の側縁部から、ファール球排出路96の始端部96Aに向かって丸みを帯びて傾斜する傾斜誘導部78が形成されている(図17参照)。これにより、ファール球が発射球案内ユニット70の開口72Bの開口縁で跳ね返って上面開口19Hにおける発射装置40寄り側に落下することを抑制し、ファール球排出路96を流下しやすくなっている。
【0043】
さて、遊技球に糸やピアノ線等の不正操作用糸W1を取り付けた「操作線付き遊技球」による不正行為を規制するために、樋ユニット100に、切断手段120が取り付けられている。
【0044】
図15に示すように、樋ユニット100は、前後方向で、樋本体103と樋カバー104とに2分割され、その間に切断手段120が配置される。なお、樋本体103と樋カバー104とは、樋本体103の前面から突出形成された複数の係合突部103Kと、樋カバー104に貫通形成された複数の係合孔104Kとを係合させることで互いに組み付けられている。
【0045】
切断手段120は、例えば、板金などの板部材で構成されている。図15及び図16に示すように、切断手段120は、第1の平板部品121の上面に第2の平板部品125を重ねた構造をなしており、例えば、接着剤等で固定されている。
【0046】
第1の平板部品121と第2の平板部品125は、一方に長い略長方形状をなし、第1の平板部品121は第2の平板部品125よりも面積が大きくなっている。第1の平板部品121は、本体部122と、本体部122の一方の長側辺122Aから一方の短側辺122Bに沿って張り出す張出片123とを有する。張出片123の幅は、第2の平板部品125の長辺と略同じとなっている。また、本体部122の一方の短側辺122Bのうち張出片123寄り位置には、溝形切欠部124が形成されている。溝形切欠部124は、短辺方向に対向する1対の対向部124A,124Bを備えている。
【0047】
そして、第2の平板部品125は、張出片123と溝形切欠部124とに重なっている。また、1対の対向部124A,124Bの角部と、第2の平板部品125のうち張出片123から遠い側の長側辺125Aの角部が、面取りされた面取り面124M,125Mとなっている。これにより、溝形切欠部124のうち張出片123から遠い側の対向部124Bの面取り面124Mと、第2の平板部品125の長側辺125Aの面取り面125Mとの間にV形隙間120S(図17参照)が形成される。そのV形隙間120S内で、溝形切欠部124の対向部124Bのエッジ部と、第2の平板部品125の長側辺125Aのエッジ部とが、第1の平板部品121と第2の平板部品125の重ね合わせ面と同一平面内で略V字形に配置され、それら1対のエッジ部が1対の刃部124H,125Hとなっている。
【0048】
図15に示すように、切断手段120は、張出片123側の側部が樋カバー104の凹溝104Aに嵌めこまれ、張出片123と反対側の側部が樋本体103の凹溝103Aに嵌め込まれて(図15参照)、樋カバー104と樋本体103との間に、その平面方向が略水平となるように保持される。このとき、V形隙間120Sが設けられた側部が発射装置40を向くように配置される。なお、第1の平板部品121には、長側辺122Cの左寄り位置に取付切欠部121Kが形成されていて(図16参照)、樋本体103の凹溝103A内に設けられた図示しない突部と係合している。
【0049】
切断手段120は、上面開口19Hのうちファール球排出路96の始端部96Aと第1中間部96Bとの間の角部に配置される。詳細には、図17に示すように、発射球案内ユニット70の開口72Bの開口縁には、発射装置40から離れた側でかつ後方側の角部に、発射装置40と反対側に延びる切欠部70Kが形成されている。そして、その切欠部70K内に切断手段120のV形隙間120Sが露出するように配置される。
【0050】
次に、不正操作用糸W1を取り付けた操作線付き遊技球が発射された場合について説明する。不正行為者は、例えば、不正操作用糸W1によって遊技球を2個連結し、先に発射装置40に供給される第1の遊技球を、発射力を抑えて打ち出すことによりファール球排出路96を通過させて前面皿110に排出された状態とし、次に発射装置40に供給される第2の遊技球B1を、遊技領域R1へ到達可能な発射力で打ち出して遊技領域R1に到達させ、前面皿110上の第1の遊技球から不正操作用糸W1を操作することで、遊技領域R1で第2の遊技球B1の挙動を意図的に変更し、不正に賞球を得るものである。
【0051】
ここで、先に発射された第1の遊技球がファール球排出路96を通過して前面皿110に到達した状態で、第2の遊技球B1が発射装置40に供給されると、2個の遊技球を連結する不正操作用糸W1は、図18Aに示すように、発射装置40の発射レール42から上面開口19Hにおけるファール球排出路96の始端部96A、第1中間部96B、及び排出ダクト70Wの前方まで延びた状態となる。そして、第2の遊技球B1が遊技領域R1まで到達するように発射されると、図18Bに示すように、不正操作用糸W1は、前面皿110上の第1の遊技球から、排出ダクト70W 、ファール球排出路96の第1中間部96B、始端部96A及び上面開口19Hを通って遊技領域R1に到達した遊技球B1まで延びた状態となる。
【0052】
そして、第2の遊技球B1の発射の勢いや、前面皿110から不正行為者が第1の遊技球を操作する動作等によって、不正操作用糸W1には、上面開口19Hから斜め上方にかつ発射装置40と反対側に引っ張られる張力と、上面開口19Hから後方にかつ発射装置40と反対側と反対側に引っ張られる張力とが働くため、不正操作用糸W1は、発射球案内ユニット70の開口72Bの切欠部70Kに入り込んで切断手段120のV形隙間120Sに到達し、さらに、V形隙間120S内の1対の刃部124H,125Hに当接して切断される。これにより、不正操作用糸W1の両端に遊技球を取り付けて、一方の遊技球をファール球にすることにより行われる不正行為を防止することができる。このとき、溝形切欠部124の対向部124Bの角部と、第2の平板部品125の長側辺125Aの角部が面取りされた面取り面124M,125Mとなっているので、1対の刃部124H,125Hの奥側に案内されやすくなっている。
【0053】
なお、本実施形態では、不正操作用糸W1の両端に遊技球を取り付け、第1の遊技球をファール球にして、第2の遊技球B1を遊技領域R1に打ち込んだときに不正操作用糸W1が切断される例を示したが、第1の遊技球を遊技領域R1に打ち込み、第2の遊技球B1をファール球にした場合にも不正操作用糸W1が切断される。
【0054】
また、切断手段120を樋ユニット100に備えるほかに、従来のように、発射装置40にも切断手段を備えて、発射装置40から遊技球が発射する際に遊技球に取り付けられた不正操作用糸W1を切断する構成を付加してもよいし、遊技領域R1への進入口92Kにも切断手段を備えて、進入口92Kから遊技領域R1に進入する際に遊技球に取り付けられた不正操作用糸W1を切断する構成を付加してもよい。
【0055】
<後側扉13の後部カバー35について>
後部カバー35は、図3に示すように、大まかには前面と下面とが開放した透明な筐体状をなし、後部カバー35の前端が、支持枠部14のサイドプレート15の内側突壁15Tの後面に固定される。そして、後部カバー35の前側部分が固定枠12の内側に収まり、後側部分が固定枠12から後方に突出する(図1参照)。なお、後部カバー35のうち後側扉13の回動中心から離れた右側の側辺部35Sは、後側扉13を固定枠12に対して回動したときに固定枠12との干渉を回避するため後部が湾曲している(図21参照)。
【0056】
図41に示すように、後部カバー35の左側縁部(後部カバー35を後ろから見ている図41においては、右側縁部)には、払出装置36が備えられ、後部カバー35の上面壁35Jには、払出装置36に複数の遊技球を供給するためのタンク30が備えられている。そして、払出装置36から払い出される遊技球が、前述したように、排出ダクト19Wを通って前面皿110に払い出される(図19参照)。
【0057】
タンク30は、傾斜樋31と垂下樋34とを有し、傾斜樋31は、後部カバー35の上面壁35Jから緩やかに傾斜して延びている。垂下樋34は、傾斜樋31の下流側に連結し、後部カバー35の左側縁部に配置されて下方に略直角に屈曲し、下端で払出装置36に連絡している。
【0058】
傾斜樋31は、図21に示すように、球受部31Aと第1導入部31Bと第2導入部31Cとを有する。球受部31Aは、後部カバー35の上面壁35Jの右端寄り位置から中央位置にかけて配置され(図20参照)、その上方に遊技球循環システムの図示しない排出口が備えられている。球受部31Aは、平面形状が略四角形の上面開放のタンク構造をなし、内部に遊技球を複数列複数段又はランダム複数段、収容可能な大きさになっている(図22参照)。
【0059】
球受部31Aには、その底面中央に前後方向に延びる稜線30Rが備えられ、球受部31Aの底面の両側が稜線30Rに向かって傾斜した傾斜面になっている(図22参照)。稜線30Rの固定枠12と反対側の端部付近からは、第1導入部31Bが下方に段付き状に突出し、球受部31Aの底面と第1導入部31Bの底面との間が段差壁30Dになっている。段差壁30Dは、鉛直に起立し、その高さが下流側に向かって徐々に高くなっている(図22参照)。これにより、球受部31Aに貯留された複数列複数段又はランダム複数段に積み上がった遊技球群は、球受部31Aの稜線30Rに沿って1球ずつ順番に第1導入部31Bへと進入するか、又は、段差壁30Dから落下して第1導入部31Bに進入する。
【0060】
第1導入部31Bは、遊技球1つ分流下可能な幅をなして後方に緩やかに屈曲し(図21参照)、遊技球が複数段積上げ可能な高さの流路となっている(図22参照)。また、第1導入部31Bは、球受部31Aよりも急勾配になっている。第2導入部31Cは、第1導入部31Bと略同じ傾斜で遊技球1つ分流下可能な幅をなし、水平方向で湾曲した湾曲部30Wを有している。第2導入部31Cは、湾曲部30Wで遊技球群の流下速度を抑えて、垂下樋34に遊技球を案内する。
【0061】
図22に示すように、第1導入部31Bから第2導入部31Cの範囲にかけて、流路が天井面32にて覆われている。詳細には、第1導入部31Bの中間部分から第2導入部31Cの始端部にかけて第1カバー体32Aが取り付けられ、第1導入部31Bの後端部から第2導入部31C全体に第2カバー体32Bが、第1カバー体32Aに一部重なるように取り付けられている。第2カバー体32Bの下面のうち第1導入部31Bの後端部から第2導入部31Cの始端部となる位置に、下流側に向かって傾斜する傾斜面32Kが備えられている。これにより、第1導入部31Bでは、例えば、遊技球の直径の4倍程度、天井面32が上方から対向しているのに対し、傾斜面32Kの下流側では、天井面32が上方から対向している。この構成により、第2導入部31Cに進入する遊技球群が1列2段に整列される。
【0062】
さて、第2導入部31Cの後端部は、従来、通路を狭めることで1列2段の遊技球を1列1段に球崩ししてから垂下樋34へと案内されていたが、球詰まりが頻発するという問題があり、本実施形態では、第2導入部31Cの後端部に、球ならし部材33を備えて、球崩しを行う構成となっている。球ならし部材33は、第2カバー体32Bに上下に移動可能に支持されている。具体的には、球ならし部材33は、図42に示すコイルばね33Aにより下方に付勢されて、第2カバー体32Bに形成された貫通孔32Zを通して第2カバー体32Bから下方に突出している。また、球ならし部材33のうち第2カバー体32Bから下方に突出している部分には、下流側に傾斜した球ならし面33Gが備えられている。これにより、1列2段の遊技球を1列1段にソフトに引き伸ばすことが可能となる。また、球ならし部材33は、第2導入部31Cの後端部に容易に取り付けることができるので、費用を抑えることができる。
【0063】
そして、第2導入部31Cに進入してきた1列2段の遊技球群が球ならし部材33の球ならし面33Gにより1列1段に引き伸ばされて垂下樋34へと案内される。球ならし部材33はコイルばね33Aにより下方に付勢されているので、その弾発力により球ならし面33Gが遊技球群の摺接により上下しながら遊技球をならしていく。これにより、このため、球ならし部33で球詰まりが生じることを抑え、スムーズに垂下樋34へと案内することができる。
【0064】
また、後部カバー35の上面壁35Jには、前述したように、タンク30の傾斜樋31の上面が、右端寄り位置から中央位置にかけて配置されており、上面壁35Jの右端部と、左端寄り位置から左端部は、タンク30の傾斜樋31の上面よりも下方に陥没した形状となっている(図22参照)。そして、図20に示すように、後部カバー35が固定枠12に組み付けられたときに、固定枠12の上辺の支持プレート12Sの下面との間に隙間35Pが形成される。これにより、遊技機10の出荷時等、作業者が隙間35Pに手を差し込んで遊技機10を単体で持ちやすくなり、遊技機10を運搬しやすくなる。
【0065】
<前側扉50について>
次に、前側扉50について説明する。図1に全体を示された前側扉50は、図23に示すように、基礎枠部51に、上部ユニット52と下部ユニット53と側部ユニット54とを着脱可能に組み付けてなり、新台入替に伴って上部、下部、側部のユニット52~54の全て又は一部が入れ替えられる。以下、基礎枠部51、基礎枠部51と各ユニット52~54との組付構造、各ユニット52~54の全体の構造の順番に説明する。
【0066】
<基礎枠部51について>
図24に全体を示された基礎枠部51には、図25に示された金属枠51Kが含まれている。金属枠51Kは、後側扉13の前面に重なる主板部51Aを有する。
【0067】
主板部51Aは、遊技板90の前面より一回り小さい縦長の長方形の表示窓51Wを備える。表示窓51Wの開口縁からは、下縁部を除く略全体から嵌合用リブ51Lが後方に突出している。また、主板部51Aのうち表示窓51Wより僅かに下側となる部分には、支持突部51Fが備えられている。支持突部51Fは、主板部51Aから後方に突出してから上方に直角曲げされ、表示窓51Wの開口縁の下縁部と平行に横方向に延びている。そして、図1に示す透明な窓板50Gが、後方から傾斜姿勢にされて下縁部を支持突部51Fに受容された状態で前に起こされ、表示窓51Wの内側に嵌め込まれる。なお、主板部51Aには、窓板50Gを表示窓51W内に抜け止めするための図示しない回動レバーが複数備えられている。窓板50Gは、透光板(ガラス板でも樹脂板でも可)を隙間を空けて対向させた二重構造になっている。
【0068】
主板部51Aの左下部からは、前方に回動支持片51Eが突出している(図25参照)。また、主板部51Aの左上部には、回動支持部51Hが固定されている(図24参照)。そして、後側扉13の1対の回動支持片14A(図3参照)に回動可能に連結されるようになっている(図1参照)。詳細には、図43Bに示すように、回動支持片51Eには前側扉50の下面に配される貫通孔51Gが形成されていて、図43Aに示すように、回動支持部51Hには、上面から突出した突出位置に付勢され、突出位置から押し下げ可能な可動ピン51Pが備えられている。また、主板部51Aの左上端部には、直角に屈曲した屈曲部51Lが形成されている。
【0069】
図7に示すように、後側扉13の下側の回動支持片14Aには、上方に突出するピン14Bが備えられている。図44Aに示すように、後側扉13の上側の回動支持片14Aは、上板14Cと下板14Dとが右斜め前方を向く連絡壁14Lにより連絡された断面コの字状をなし、下板14Dに貫通孔14Eが形成されている。下板14Dの下面には、右前方の開口から貫通孔14Eに向けて延びる誘導溝14Gを有する誘導プレート14Fが重ねられている。また、連絡壁14Lの下部は下方に向かうにつれて左後方へ近づくように傾斜した傾斜部14Mとなっている。図44Bに示すように上側の回動支持片14Aの上板14Cには、連絡壁14Lの板厚方向における左後方に向かう矢印が付されている。
【0070】
基礎枠部51は、以下のようにして後側扉13に取り付けられる。まず、基礎枠部51を前傾姿勢にして回動支持片51Eの貫通孔51Gを後側扉13の下側の回動支持片14Aのピン14Bに差し込む。その後、基礎枠部51を起こしていき、基礎枠部51の上端の可動ピン51Pを後側扉13の上側の回動支持片14Aの傾斜部14Mに、上板14Cに付された矢印の向きに押し込む。すると、可動ピン51Pが傾斜部14Mの傾斜に沿って押し込まれ、誘導溝14Gにより下板14Dの貫通孔14Eに案内される。可動ピン51Pが貫通孔14Eに到達すると、可動ピン51Pが突出位置に戻り、基礎枠部51が後側扉13に固定される。このように、本実施形態では、基礎枠部51を押し込むだけで後側扉13に取り付け可能なので、基礎枠部51の取り付けが容易となる。
【0071】
図45に示すように、基礎枠部51の裏面には、可動ピン51Pを突出位置から退避させることが可能なレバー51Sが設けられ、このレバー51Sを操作することで基礎枠部51を取り外し可能となる。
【0072】
また、図44Bに示すように連絡壁14Lの右下端部には切欠き14Nが形成されていて、基礎枠部51を後側扉13に対して90°開いても主板部51Aの屈曲部51Lと干渉しないようになっている。換言すれば、切欠き14Nを設けることで、基礎枠部51を後側扉13に対して90°開放することが可能になっている。
【0073】
また、図44Aに示すように、後側扉13の上側の回動支持片14Aにおいては、下板14Dの左縁部に、後部が切り欠かれた切欠き部14Sが形成されている。これにより、固定枠12に対して後側扉13を90°開いても下板14Dが固定枠12の第1支持片12Mと干渉しないようになっている。換言すれば、切欠き部14Sを設けることで、後側扉13を固定枠12に対して90°開放することが可能になっている。また、受容溝14Rは、後側扉13を90°開いた状態で後側扉13を固定枠12から取り外すことが可能な幅、長さに構成されており、作業性が向上する。
【0074】
図25に示すように、主板部51Aには、右側縁部のピラー部51Pに沿った複数位置に複数の係合孔130が形成されると共に、上縁部における横方向の中央から第3フック131が突出している。そして、前述の通り、前側扉50が後側扉13の前面に重ねられると、複数の係合孔130に後側扉13から突出する前述の複数の第1フック18Cが係合すると共に、第3フック131が後側扉13の係合孔18Eに係合する。これにより、図1に示すように前側扉50が後側扉13に対する閉位置に固定されかつキーをキーシリンダー18Bから抜くことで施錠される。
【0075】
図24に示すように、金属枠51Kの主板部51Aのうち表示窓51Wより上側部分は、前面を上前面カバー部56Aで覆われている。上前面カバー部56Aは、横長の略直方体状の本体部56Bの前面にブロック状の第1支持部56Cと1対の第2支持部56Dが設けられている。本体部56Bの上面は、後側扉13の上面と略面一になっている。第1支持部56Cは、本体部56Bの中央部分から前方に突出して本体部56Bの上面と略面一となり、後側扉13のうち表示窓51Wより上側部分の半分程の高さになっている。第1支持部56Cは、上部ユニット52を後方から受けとめる。1対の第2支持部56Dは、本体部56Bの両端寄り位置から前方に突出しかつ本体部56Bの下面よりも下方に張り出していて、上部ユニット52を下方から受けとめる。第1支持部56Cと第2支持部56Dとの間には、第1支持部56Cから斜め下方に延びる傾斜支持部56Eが配されている。
【0076】
また、金属枠51Kの主板部51Aのうち表示窓51Wより左右のピラー部51Pは、それぞれピラーカバー部57B,58Bによって覆われている。ピラーカバー部57B,58Bの上端部には1対のスピーカ81が備えられている。また、左側のピラーカバー部57Bのうち下端からスピーカ81まではさらに左前面構成部57Aによって覆われている。
【0077】
また、金属枠51Kの主板部51Aのうち表示窓51Wより下側部分は、前面を下前面構成部55Aによって覆われている。下前面構成部55Aは、中央部分に上面と前面とに開放したユニット装着凹部55Dを備えている。ユニット装着凹部55Dの底面は、全体的には水平面になっている。また、ユニット装着凹部55D内の後側の内側面は、左右方向の中央部が平坦になっていて、左右の内側面は、下方に向かうにつれて僅かに窄んでいる。
【0078】
下前面構成部55Aの右側部は、下前面構成部55Aの前端から後端寄り位置に亘って上面を一部残して抉れている。その抉れ部分に前述の発射ハンドル300を備えるハンドルユニット350が設けられ、ハンドルユニット350の下方には、手置き部360が設けられている。また、ハンドルユニット350の奥側には、前述の後側扉13のキーシリンダー18Bを内蔵する前面突部19Z(図1参照)を前方に突出させるための切欠55K(図26参照)が形成されている。
【0079】
図26に示すように、下前面構成部55Aの上面のうちユニット装着凹部55Dより後側部分における右端部には、側部ユニット54を組み付けるための後述するレール突部55Rが設けられている。また、下前面構成部55Aの上面のうちユニット装着凹部55Dより部分における中央部から左端部に亘って前述の前面皿110が形成されている。
【0080】
前面皿110は、図19に示すように、平面視が前後方向に対して左右方向が長く、かつ、左端部が右端部よりも大きく前方に膨らみ、右側に向かって徐々に窄んだ形状をなす薄皿構造をなし、全周が囲壁110Aにより囲まれている。そして、発射ハンドル300が操作されると、囲壁110Aのうち右内側面に貫通形成された球供給口115から遊技球が図示しない供給路を通って発射装置40に供給されて、遊技球が一つずつ発射されることになる。
【0081】
前面皿110の底面には、前面皿110に貯留された遊技球を抜き出すことが可能な球抜孔111が形成されている。球抜孔111は、開閉部材112により開閉されるものであり、開放状態とすることで、前面皿110に貯留しきれない遊技球を球抜孔111から落下させて下前面構成部55Aの下端開口50H(図29参照)から外部に排出させる。なお、前述の下方案内路97を通って発射球案内ユニット70の排出樋77から排出された遊技球も下端開口50Hに連通している。
【0082】
本実施形態では、遊技機10の下端開口50Hから外部に排出された遊技球は、例えば、下端開口50Hの下方に設置される所謂ドル箱に貯留するようになっている。そして、球抜孔111は、開放状態にあると、球抜孔111に到達した遊技球を下端開口50Hから落下させるので、前面皿110に継続的に遊技球が流れ込んでいた場合に、球抜孔111よりも上流側に遊技球が貯留されないようにして遊技球が前面皿110から溢れ出ないようにする。なお、本実施形態の遊技機10は下皿を備えない構成であるが、下皿が備えられて、球抜孔111から排出された遊技球が一旦下皿に貯留され、遊技者が球抜ボタンを操作することにより下端開口50Hに案内されるようになっていてもよい。なお、開閉部材112を開閉する構造はどのようなものであってもよい。
【0083】
また、前面皿110の底面は、右方向に向かって下る平坦な傾斜面で構成されていて、球抜孔111の右側が第1底面113、左側が第2底面114となっている。具体的には、第1底面113は、その横方向の幅が排出ダクト70Wの幅と略同じであり、排出ダクト70Wから排出された遊技球を前方に向かわせる流下路D1となっていて、球抜孔111は、その流下路に対して右側に配置されている。第2底面114は、第1底面113よりも急勾配となっていて、第1底面113を流下した遊技球を受け止めて、球供給口115まで案内する。第2底面114は、球供給口115に向かうに従って徐々に前後方向の幅が狭まっていて、遊技球を整列させて球供給口115に送り込む。また、第2底面114は、第1底面113に対して段付き状に下がり、第1底面113と第2底面114の間が段差壁110Dになっている。
【0084】
また、前面皿110の底面には、第1底面113の前方に、囲壁110Aのうち前側の内側面に沿って、ガイド溝114Mが延びている。ガイド溝114Mの底面は第2底面114と面一になっていて、球抜孔111の前方を横切り、球抜孔111の下流側で第2底面114と合流している。また、囲壁110Aのうちガイド溝114Mよりも右側部分の内側面は、第2底面114に向かって迫り出す案内傾斜面110Vが形成されていて、ガイド溝114Mを通過した遊技球が球供給口115側に案内されるようになっている。
【0085】
この構成により、排出ダクト70Wから排出された遊技球の多くは、流下路D1を通って前側に転動する。そのため、第1底面113を流下した遊技球は、ガイド溝114Mに向かいやすくなっている。このようにして、排出ダクト70Wから排出された遊技球は球抜孔111を避けて球供給口115へと転動するようになっている。
【0086】
ここで、ガイド溝114Mを備えない従来の構成の場合、前述したように、球抜孔111が開放状態にあると、前述したように、前面皿110に継続的に遊技球が流れ込んでいる場合には、遊技球が前面皿110から溢れ出ないようにし、球抜孔111よりも下流側にのみ遊技球を貯留することができるが、前面皿110に流れ込む遊技球が少なくなった場合、球抜孔111から随時遊技球が出ていくため、前面皿110に遊技球が貯留されなくなる事態が生じ、発射ハンドル300を操作しても発射装置40に遊技球が供給されず、興ざめとなる虞がある。これに対して、本実施形態の遊技機10では、前面皿110の底面に球抜孔111を迂回するガイド溝114Mを設けたので、排出ダクト70Wから排出されて第1底面113を転動する遊技球を球抜孔111に案内しないようにし、前面皿110に流れ込む遊技球が少なくなった場合でも発射装置40に遊技球を供給することができる。しかも、ガイド溝114Mは、段差壁110Dによって第1底面113よりも下方に配置されるため、ガイド溝114Mを転動する遊技球は球抜孔111への入球しにくくなっている。
【0087】
なお、本実施形態では、第1底面113と第2底面114との間に段差壁110Dを設ける構成であったが、これに限らず、球抜孔111の開口縁から上方に突出する突条を備えて、球抜孔111への入球を規制する構成であってもよい。この場合、突条は、球抜孔111の開口縁の一部のみに形成されている構成であってもよい。
【0088】
<側部ユニット54と基礎枠部51との組付構造について>
次に、側部ユニット54と基礎枠部51との相互の係合部分の構造について説明する。側部ユニット54(図23参照)は、ピラーカバー部58Bの前面と下前面構成部55Aの右側部の上面とに前方から組み付けられる。その組み付けのために、下前面構成部55Aの上面の右端部に、前後方向に延びる前述のレール突部55R(図24参照)が備えられる一方、側部ユニット54の下面に、前後方向に延びるレール溝54R(図27参照)が備えられている。
【0089】
レール突部55Rは、正面視T字形状をなしてピラーカバー部58Bの前面まで延びており、レール溝54RはそのT字形状を受容する形状をなしている。また、T字形状の上辺部の両側面は、前方に向かうに従って互いに近づくように傾斜している(図26参照)。なお、左側面の方が右側面よりも傾斜がきつくなっている。そして、それらレール突部55Rとレール溝54Rとの係合により、側部ユニット54は、下前面構成部55Aの右側部の上面に前方からスライド挿入されて、側部ユニット54の後面がピラーカバー部58Bの前面に重なる組付位置(図1参照)まで案内される。
【0090】
これにより、従来のようにI字型の係合で側部ユニット54を組み付けるよりも、横方向及び上下方向の外力にも強くなり、安定した組み付け状態を保持できる。また、レール突部55Rとレール溝54Rが1組しか設けられていないが、レール突部55RがT字形状をなしているので、安定してスライド挿入することができ、挿入時及び挿入後もがたつきを抑えることができる。また、レール突部55RのT字形状の上辺部が前方に向かって先細りしているので側部ユニット54のレール溝54Rが左右方向にずれて差し込まれても挿入しやすくなっており、さらに、レール突部55RのT字形状の上辺部の左側面の方が右側面よりも傾斜がきつくなっているので、側部ユニット54を右側に傾けた状態でも差し込みやすくなり、下部ユニット53に干渉させないようにして、側部ユニット54を基礎枠部51に組み付けることができる。
【0091】
さらに、その組付位置で側部ユニット54をピラーカバー部58Bの前面に固定するために、ピラーカバー部58Bには、図24に示すように、複数の第1のユニット保持部61と1つの第2のユニット保持部62とが備えられている。具体的には、図27に示すように、ピラーカバー部58Bには、複数の第1貫通孔58Fが上下方向に間隔を空けて形成されている。そして、金属枠51Kのピラー部51Pのうち各第1貫通孔58Fによって前方に露出した部分の中央に貫通孔(図示せず)が形成され、その貫通孔を第1のユニット保持部61の構成部品の1つである金属製の回動シャフト61Aが貫通している。
【0092】
図28Bに示すように、回動シャフト61Aは、先端側に段付き状に拡径されたヘッド部61Bを有し、そのヘッド部61Bから断面円形の1対の旋回バー61Cが相反する側方に突出している。そして、回動シャフト61Aのうちヘッド部61Bより後側部分には、金属製のワッシャ61Eとそれと略同一径でかつ板厚が大きな樹脂ワッシャ61Fとが嵌合され、回動シャフト61Aのうち樹脂ワッシャ61Fより後方に突出する部分がピラー部51Pの貫通孔を貫通している。また、回動シャフト61Aの後部は、断面非円形をなし、そこには第1のユニット保持部61の構成部品の1つである樹脂製の摘部61Gが装着されている。
【0093】
具体的には、摘部61Gは、非円形の内面形状を有する後端有底の筒部61Hから1対の回転翼61Iが相反する側方に張り出した構造をなしている。そして、その筒部61H内に回動シャフト61Aの後部が嵌合され、筒部61Hの後端の貫通孔61Mを貫通する図示しないビスが、回動シャフト61Aに中心部に設けられた螺子孔61Nに螺合されている。これにより、回動シャフト61Aと摘部61Gとが一体になっている。なお、本実施形態では、1対の回転翼61Iの並び方向と、1対の旋回バー61Cの並び方向とは、90度位相がずれている。
【0094】
また、図28Aに示すように、ピラー部51Pの後面のうち回動シャフト61Aが通された貫通孔の開口縁には、1対の位置決突起51Mが突出している。そして、1対の回転翼61Iが縦に並びかつ1対の旋回バー61Cが横に並んだ第1回動位置と、そこから一方向に90度回動して1対の回転翼61Iが横に並びかつ1対の旋回バー61Cが縦に並んだ第2回動位置とのそれぞれで、1対の位置決突起51Mの何れか一方が1対の回転翼61Iの何れか一方と当接する。これにより、回動シャフト61Aが第1回動位置及び第2回動位置でそれぞれ位置決めされかつ、回動シャフト61Aの回動範囲が90度に制限される。
【0095】
複数の第1のユニット保持部61の構造は以上の通りであり、これら複数の第1のユニット保持部61に対応させて、側部ユニット54の後面には、複数の係合孔54Bが備えられている。具体的には、図27に示すように、側部ユニット54の後部には、上下方向に延びる帯板状で金属製の結合板部82が備えられ、その結合板部82の後面が、側部ユニット54の後面の一部を構成している。そして、その結合板部82の上下方向の複数位置に複数の係合孔54Bが配置されている。各係合孔54Bは、上下方向に長い長孔状をなしている。また、係合孔54Bの長手方向の中央部は、幅広になっていて、その幅広部分の両横には、結合板部82から前方に突出する1対の乗上突部(図示せず)が備えられている。また、それら乗上突部は、結合板部82の一部をプレスにて前方に膨出されてなり、係合孔54Bの中心点を中心とする円弧状になっている。
【0096】
そして、全ての第1のユニット保持部61の回動シャフト61Aを第2回動位置に配置した状態で側部ユニット54が組付位置までスライドされると、各回動シャフト61Aの1対の旋回バー61Cが係合孔54Bを通過して結合板部82の前方に位置する。そこで、回動シャフト61Aが第1回動位置まで回動されると、1対の旋回バー61Cが1対の乗上突部に乗り上がる。これにより、側部ユニット54が、複数の第1のユニット保持部61によって組付位置に固定される。
【0097】
図27に示すように、ピラーカバー部58Bには、上側の2つの第1貫通孔58Fの間に、第2貫通孔58Gが形成され、ピラー部51Pのうち第2貫通孔58Gによって前方に露出した部分にピン孔51Nが形成されている。
【0098】
図28Aに示すように、ピラー部51Pの後面における第2貫通孔58Gより上側部分には、第2のユニット保持部62の構成部品の1つである金属製のスライダ62Bが樹脂製のスライド支持部材62Aによって上下方向にスライド可能に支持されている。
【0099】
スライダ62Bは、ピラー部51Pの後面に重ねられる平板状のスライダ本体62Cの一側部からフック62Dが曲げ起こされると共に、スライダ本体62Cの上端部から指掛け部62Eが曲げ起こされた構造をなしている。そして、スライダ62Bは、第1スライド位置とそれより上方の第2スライド位置との間をスライドするように支持され、第1スライド位置に配置されるとスライダ62Bの下端部が第2貫通孔58Gの上部と重なり、第2スライド位置に配置されるとスライダ62Bと第2貫通孔58Gとは重ならなくなる。
【0100】
また、ピラー部51Pの後面のうちフック62Dの下方となる位置には、貫通孔が形成され、そこからピラーカバー部58Bに一体形成されているフック58Eが突出している。そして、圧縮コイルバネ62Fの両端部が、フック58E,62Dに取り付けられて、これによりスライダ62Bが第1スライド位置に付勢されている。
【0101】
第2のユニット保持部62の構造は、以上の通りであり、第2のユニット保持部62に対応させて、側部ユニット54の結合板部82から金属製のピン54Eが後方に突出している(図27参照)。ピン54Eは、先端部にテーパー状のガイド部54Gを備えると共に、軸方向の途中位置に係合溝54Fを備える。係合溝54Fは、水平横方向に延びる角溝状をなし、側部ユニット54が組付位置に配置されたときスライダ62B(詳細には、スライダ本体62C)の真下に位置する。
【0102】
ピン54Eは、以下のようにして第2のユニット保持部62と係合する。即ち、側部ユニット54が組付位置に向けてスライドされると、その過程で、ガイド部54Gがスライダ62Bの下縁部と摺接して、スライダ62Bが第1スライド位置から上方に押し上げられる。そして、側部ユニット54が組付位置に至ると、係合溝54Fがスライダ62Bの真下に位置してスライダ62Bが第1スライド位置に復帰してその下端部がスライダ62Bに係合する。そして、前述の通り、複数の第1のユニット保持部61の回動シャフト61Aが第1回動位置まで回動されて、側部ユニット54が組付位置に固定される。即ち、側部ユニット54を組み付けるときには、複数の第1のユニット保持部61の回動シャフト61Aの操作のみによって行われる。
【0103】
側部ユニット54を外す場合には、複数の第1のユニット保持部61の回動シャフト61Aが第2回動位置まで回動される。そして、スライダ62Bの指掛け部62Eに指を掛けて引き上げると、スライダ62Bから係合溝54Fから離脱して側部ユニット54を組付位置から引き抜くことができる。
【0104】
なお、図27に示すように、ピラーカバー部58Bには、下側の2つの第1貫通孔58Fの間に、前方に突出するピン58Pが備えられ、側部ユニット54が基礎枠部51に組み付けられると、ピン58Pが結合板部82に形成されたピン孔54Pに嵌合されるようになっている。
【0105】
<下部ユニット53と基礎枠部51との組付構造について>
基礎枠部51のうち下部ユニット53が装着される部分の構造は以下のようになっている。下部ユニット53(図30A参照)は、下前面構成部55Aのユニット装着凹部55Dに上方から組み付けられる。その組み付けのために、下部ユニット53の左右の両側面から側方に突出し、上下方向に延びる前後方向に扁平な矩形状の1対のレール突部53Rが備えられる一方(図30B参照)、ユニット装着凹部55Dの左右の内側面に、上下方向に延びる1対のレール溝54T(図26参照)が備えられている。そして、それら1対のレール突部53Rと1対のレール溝54Tとの係合により下部ユニット53は、ユニット装着凹部55Dの内側に上方からスライド挿入されて、下部ユニット53が下前面構成部55Aに組み付けられる。
【0106】
また、下前面構成部55Aには、図26に示すように、ユニット装着凹部55Dの底面に、上述した回動シャフト61A(図27及び図28参照)と同形状の回動シャフト67が取り付けられている。なお、下前面構成部55Aの下面は、回動シャフト67と対向する部分が上方に陥没しており(図29参照)、そこに回動シャフト67の摘部67Gを受容している(つまり、回動シャフト67は、下前面構成部55Aの下面より下方に突出していない)。
【0107】
そして、下部ユニット53(図30B参照)には、各回動シャフト67に対応する長孔状の係合孔53Bが複数設けられ、回動シャフト67と係合可能になっている。これにより、下部ユニット53をユニット装着凹部55Dに載置した状態で回動シャフト67を回動することで、下部ユニット53が基礎枠部51に固定される。下部ユニット53を外すときは、回動シャフト67を反対に回動して係合を解除し、下部ユニット53を上方に持ち上げることで、下部ユニット53が取り外される。
【0108】
<上部ユニット52と基礎枠部51との組付構造について>
基礎枠部51のうち上部ユニット52が装着される部分の構造及び上部ユニット52の組み付けについて説明する。本実施形態の上部ユニット52は、スピーカ81及び表示窓51Wより上方の領域に前方から組み付けられる。図46に示すように、上部ユニット52の裏面には、基礎枠部51の第1支持部56C(図47参照)の下方に配される第1突出部52Cと、基礎枠部51の1対の第2支持部56D(図47参照)の上方に配される1対の第2突出部52Dと、を有している。また、上部ユニット52の裏面には、第1突出部52Cと第2突出部52Dとの間に、第1突出部52Cから斜め下方に屈曲して延びる屈曲突出部52Eが配されている。
【0109】
上部ユニット52は、第2突出部52Dを基礎枠部51の第2支持部56D上で滑らせ、第1突出部52Cを基礎枠部51の第1支持部56Cの下方に差し込むようにして前方から押し込まれる。このとき、上部ユニット52が第2支持部56Dを軸に前側に傾いても、第2突出部52Dが第1支持部56Cの下面に当接して回動が抑えられるので、組み付け途中で上部ユニット52が落下することが規制される。
【0110】
図47に示すように、基礎枠部51には、1対の第2支持部56Dの上方に1つずつ、上述した回動シャフト61A(図27及び図28参照)と同形状の回動シャフト51Rが取り付けられている。そして、図46に示すように、上部ユニット52には、各第2突出部52Dに、各回動シャフト51Rに対応する長孔状の係合孔52Bが設けられ、回動シャフト51Rと係合可能になっている。
【0111】
さらに、図46に示すように、上部ユニット52には、上述した側部ユニット54のピン54Eと同形状のピン52Pが第1突出部52C及び各第2突出部52Dに1つずつ、計3つ設けられている。そして、図45及び図47に示すように、基礎枠部51(金属枠51K及び上前面カバー部56A)には、これらピン52Pを受容可能なピン孔51Nが3つ形成されている。
【0112】
さらに、金属枠51Kの後面には、表示窓51Wの上方に、金属製のスライダ56Sが左右方向にスライド可能に支持されている。スライダ56Sは、1対の第2支持部56Dの上方のピン孔51N同士の間に延びる主板部56Uと、主板部56Uの中間部から第1支持部56Cの下方のピン孔51Nに向けて延びる枝部56Vとを有している。スライダ56Sは、各ピン孔51Nの左部(後方からの図である図45においては右部)に重なる第1スライド位置から左方へ、各ピン孔51Nと重ならない第2スライド位置までスライド可能であり、圧縮コイルバネ56Fにより第1スライド位置に付勢されている。また、スライダ56Sには枝部56Vに、左方へ延びたのち後方へ屈曲した指掛け部56Wが形成されている。
【0113】
また、基礎枠部51には、各第2支持部56Dから突出した突部56Tが形成されており(図47参照)、上部ユニット52には、突部56Tを受容する凹部52Uが2つ形成されている(図46参照)。
【0114】
上述したように、上部ユニット52は、第2突出部52Dを基礎枠部51の第2支持部56D上で滑らせ、第1突出部52Cを基礎枠部51の第1支持部56Cの下方に差し込むようにして前方から押し込まれる。そして、基礎枠部51の突部56Tが上部ユニット52の凹部52Uに受容され始めると共に、上部ユニット52のピン52Pが、基礎枠部51のピン孔51Nに受容され始める。
【0115】
第1スライド位置に配されたスライダ56Sの外縁にピン52Pのガイド部52Gが擦接すると、スライダ56Sが左方へ押し込まれる。そして、上部ユニット52が組み付け位置に至ると、係合溝52Fがスライダ56Sの側方に位置してスライダ56Sが第1スライド位置に復帰してその外縁がスライダ56Sに係合する。そして、基礎枠部51の回動シャフト51Rが第1回動位置まで回動されて、上部ユニット52が組付位置に固定される。本実施形態では、ピン52Pが3本設けられているので、上部ユニット52の固定が安定する。これにより、例えば、作業者が上部ユニット52を掴んで遊技機10を持ち運んでも、上部ユニット52が外れることが防がれ、持ち運びが安全になる。また、3つのピン52Pのうち中央の1つは下方にずれて配されているので、上部ユニット52が受ける負荷が上下方向で分散し、固定がより安定する。
【0116】
上部ユニット52を外す場合には、回動シャフト51Rが第2回動位置まで回動される。そして、スライダ56Sの指掛け部56Wに指を掛けて左方(図45における右方)へスライドさせると、スライダ56Sが係合溝54Fから離脱して上部ユニット52を組付位置から引き抜くことができる。
【0117】
上記操作により上部ユニット52が交換可能になっている。ここで、機種変更するときに、例えば、上部ユニット52を、例えば、左右のスピーカ81を覆う異種上部ユニット52X(図48参照)や後側扉13の上面より上方に張り出すもの等、本実施形態よりも大きいものに交換することも考えられる。このとき、ピン52Pとスライダ56Sとの結合や回動シャフト51Rの結合だけでは、交換後の上部ユニットが支えきれず、上部ユニットの組み付けが不安定になることが懸念される。
【0118】
これに対して、遊技機10では、金属枠51Kに予備ネジ孔51Yが形成されている。予備ネジ孔51Yは、金属枠51Kのうち右上部に配され、内面にタップ加工がなされている。大きい上部ユニットを組み付ける際には、その上部ユニットにネジ孔を設けておき、予備ネジ孔51Y及び上部ユニットのネジ孔に後面側からネジを締結することで、大きい上部ユニットの組み付けを安定させることが可能となる。また、側部ユニット54を、右側のスピーカ81を覆う大きさにした場合にも、その側部ユニットの組み付けを安定させることが可能となる。つまり、遊技機10の前面を大きく変更することが可能となる。
【0119】
<上部ユニット52について>
図23に示すように、本実施形態の上部ユニット52は、前方に向かうにつれて外縁が小さくなるように前方に突出し、前端に前面装飾部52Aが備えられている。前面装飾部52Aには、例えば機種名等のロゴが透光性を有する透光部材により形成されている。上部ユニット52の内部には図示しない発光基板が内蔵され、遊技状況に応じて前面装飾部52Aが発光するようになっている。
【0120】
<側部ユニット54について>
次に、側部ユニット54について詳細を説明する。図49に示すように、側部ユニット54は、基礎枠部51に固定されるケース部54Aと、ケース部54Aにスライド操作可能に支持されるスライド可動部54Sと、を有している。ケース部54Aは、左右方向に扁平になっていて、前下がりに傾斜する上面54Bと、後ろ下がりに傾斜する正面54Cと、を有している。正面54Cには、上下方向に延びる溝54Dが形成されている。
【0121】
ケース部54Aの下端部には、正面54Cから前方に膨出したフード部54Eが形成されている。フード部54Eは上面に開口した凹部になっていて、この凹部は溝54Dと連通している。
【0122】
スライド可動部54Sは、ケース部54Aの溝54Dを貫通する透明板部54Tの前端に、西洋剣を模した操作部54Uが装着されている。操作部54Uは、持ち手部54Vが上方に位置する姿勢で、下端部がフード部54Eに受容されている。操作部54Uのうち持ち手部54Vの下には、前後方向に延びた鍔部54Wが形成されている。
【0123】
スライド可動部54Sは、図49に示される第1位置から図50に示される第2位置まで上下動可能であり、常には第1位置に付勢されている。そして、遊技者が持ち手部54Vを把持して押し下げ操作可能になっている。第1位置(図49参照)においては、スライド可動部54Sの鍔部54Wは、ケース部54Aの溝54Dの上端より上方に位置し、鍔部54Wの上縁は、ケース部54Aの上面54Bの前端と同じ高さか僅かに上方に位置している。第2位置(図50参照)においては、スライド可動部54Sの鍔部54Wは、ケース部54Aの溝54Dの上端の側方に位置している。
【0124】
図51Aに示すように、スライド可動部54Sの透明板部54Tには、ケース部54A内に収容されている部分に、第1位置においてケース部54Aの溝54Dの上端より上方に突出する突出部54Rが形成されている。
【0125】
突出部54Rの前端面には、補助板54Pが取り付けられている。補助板54Pは、ケース部54Aの正面54Cを有する壁にケース部54Aの内側から宛がわれる。そして、図51Bに示すように、第2位置においては、補助板54Pは、溝54Dに内側から対向する。つまり、スライド可動部54Sが押し下げられると、溝54Dのうち透明板部54Tより上方部分が補助板54Pにより閉塞される。
【0126】
これにより、スライド可動部54Sを押し下げたときに溝54Dに指や異物を入れることができなくなり、指や異物が挟まることを防ぐことができる。また、第2位置において、操作部54Uのスライド可動部54Sの鍔部54Wがケース部54Aの溝54Dの上端の側方に配されるので、スライド可動部54Sの可動範囲の全体において溝54Dが鍔部54Wより上方に露出せず、指や異物を溝54Dに近づけにくくなっている。
【0127】
<下部ユニット53について>
次に、下部ユニット53について詳細を説明する。下部ユニット53は、図31に示すように、外壁構成部140に、操作ユニット150を組み付けてなる。詳細には、外壁構成部140が下前面構成部55Aのユニット装着凹部55Dに嵌合して下部ユニット53の前面を構成し、外壁構成部140の上面に形成された陥没部141に操作ユニット150が収容されて、下部ユニット53の上面を構成する(図1参照)。そして、操作ユニット150の上面から、遊技者が操作可能な操作部160と十字ボタン153Bと音量ボタン153Cが露出している(図30A参照)。そして、これら操作部160と十字ボタン153Bと音量ボタン153Cにより、外壁構成部140における上部は遊技者側にせり出しているが、下部は、下方に向かうに従って徐々に奥方に窄んだ形状をなしている。これにより、下部ユニット53の下方に設置されるドル箱への遊技者の作業性が向上する。
【0128】
図30Bに示すように、外壁構成部140の下面には、1対の底板金140Sが固定されていて、底板金140Sがユニット装着凹部55Dの底面に重なる。底板金140Sに、前述した係合孔53Bが設けられていて、回動シャフト67と係合する。
【0129】
図31に示すように、陥没部141は、外壁構成部140の左右方向の中央部分から右端部まで形成されており、操作ユニット150の下部と操作ユニット150から延びる図示しない配線ケーブル等を収容する。また、外壁構成部140の上面のうち外周縁と陥没部141を除く部分とに、上方に突出する複数のリブ140Lと、先端面に螺子孔を有する複数の固定突部140Tが設けられていて、これらリブ140Lと固定突部140Tの上面は同一平面上に配置されている。一方、操作ユニット150のうち後述するカバープレート151には、固定突部140Tと対応する位置に取付孔150Nが設けられている。そして、操作ユニット150が外壁構成部140の上面に重ねられた状態で、複数の取付孔150Nに図示しない螺子が通されて固定突部140Tの螺子孔に締め付けられると、操作ユニット150が外壁構成部140の上面に固定される。なお、カバープレート151の後面の外周縁の一部に下方に突出するリブ140Rが設けられて、外壁構成部140に組み付けられたときに、外壁構成部140の開口縁の外側から対向して位置決めする(図30B参照)。
【0130】
操作ユニット150は、図32Aに示すカバープレート151に、図33Aに示す操作ボタン装置152と十字ボタン装置153を組み付けてなる。そして、操作ボタン装置152が前述の操作部160を備え、十字ボタン装置153が前述の十字ボタン153B及び音量ボタン153Cを備えている。なお、操作部160と十字ボタン153Bは、例えば、遊技の進行に応じて実行される演出に使用される。その例として、実行する演出を複数の演出群の中から十字ボタン153Bで選択させて操作部160で決定させたり、また、選択された演出の実行中に、操作部160を操作させて遊技者に演出に参加させるようにする等の構成が挙げられる。音量ボタン153Cは、スピーカ81から出力される音量を調整することができる。
【0131】
カバープレート151は、外壁構成部140の上面に重ねられるプレート本体151Aの後面側からケース部151B,151Cが突出している(図32B参照)。そして、ケース部151B,151Cの前面側が陥没してそれぞれ第1と第2の収容凹部150A,150Bが形成されている(図32A参照)。第1と第2の収容凹部150A,150Bには、それぞれ操作ボタン装置152及び十字ボタン装置153の下部が収容され、操作部160、十字ボタン153B及び音量ボタン153Cが操作ユニット150の前面から突出する。なお、第1と第2の収容凹部150A,150Bの底壁には、操作ボタン装置152及び十字ボタン装置153の後述する位置決め突部152T,153Tが挿通される位置決め凹部151V,151Wが形成されている。位置決め凹部151V,151Wには貫通孔が形成され、操作ボタン装置152及び十字ボタン装置153が収容された状態で、下面側から図示しない螺子が通されて締め付けられると、操作ボタン装置152及び十字ボタン装置153がケース部152B,152Cに固定される。これにより、操作ボタン装置152単体又は十字ボタン装置153単体で交換が可能となり、費用を抑えることができる。このように、下部ユニット53は、前面皿110と別体であり、さらに、操作ボタン装置152及び十字ボタン装置153は、それぞれ単体として容易に取り外すことが可能となっているので、修理等の際に操作ボタン装置152単体又は十字ボタン装置153単体で交換することができ、費用を抑えることができる。
【0132】
十字ボタン装置153は、図33Aに示すように、略矩形状のボックス状をなすボックスケース153Aの上面153Uから十字ボタン153B及び音量ボタン153Cが突出した構造になっていて、ボックスケース153Aは、十字ボタン153B及び音量ボタン153Cの押圧操作を検出するためのセンサ(図示せず)を内蔵している。また、ボックスケース153Aの上面153Uからは、周方向全体に亘ってフランジ部153Hが側方に張り出していて、フランジ部153Hが第2の収容凹部150Bの開口縁に上方から宛がわれる。なお、ボックスケース153Aの下面に、前述の位置決め突部153T(図33B参照)が形成されている。
【0133】
操作ボタン装置152の操作部160は、図33Aに示すように、ドーム状の天井壁161Dを上部に有するカバー部材161にて支持部162の上方が覆われた構造になっていて、カバー部材161が支持部162に対して相対的に上下動可能となっている。そして、カバー部材161が押圧操作されて下方に移動すると、操作ボタン装置152の下部の底ケース166に収容された図示しないセンサにより押圧操作が検出される。支持部162の上端縁からは、周方向全体に亘ってフランジ部162Hが側方に張り出していて、フランジ部162Hが第1の収容凹部150Aの開口縁に上方から宛がわれる。また、底ケース166の下面には、後述するモータ収容部166Bが取り付けられている。なお、底ケース166の下面に、前述の位置決め突部152Tが複数設けられている。
【0134】
詳細には、図34に示すように、操作ボタン装置152は、カバー部材161と支持部162及び底ケース166のほかに、可動装飾部163、固定装飾部164、LED基板165A、中継基板165B等を有している。可動装飾部163及び固定装飾部164は、カバー部材161と支持部162との間に配置されて、カバー部材161の内側に収容されている。ここで、カバー部材161の天井壁161Dは、少なくとも一部が透過性を有していて、上方から見ると、可動装飾部163の全体がカバー部材161を介して視認可能となっている(図33A参照)。LED基板165Aは、固定装飾部164と支持部162との間に配置され、可動装飾部163及び固定装飾部164を発光させるLED(図示せず)を制御する。LED基板165Aは、支持部162の後方に配置される中継基板165Bに図示しないケーブルで接続され、中継基板165Bは図示しないメイン制御基板やサブ制御基板に接続されている。
【0135】
底ケース166は、上述したカバー部材161の押圧操作検出用のセンサ、後述する第1モータ83及び第2モータ84(図36参照)等を収容する。なお、以下では、操作ボタン装置152において、カバー部材161側を上側、底ケース166側を下側、と適宜呼ぶことにする。なお、本実施形態では、カバー部材161の天井壁161Dが少なくとも一部が透過性を有して可動装飾部163の全体を視認可能とする構成であるが、天井壁161D全体が透過性を有する構成や可動装飾部163の一部を視認可能とする構成でもよい。
【0136】
本実施形態では、遊技者の押圧操作によりカバー部材161が支持部162に対して下方に移動するだけでなく、カバー部材161と可動装飾部163とが、駆動源により駆動されることによっても移動可能となっている。具体的には、カバー部材161と可動装飾部163とは、別々の駆動源により駆動され、カバー部材161を駆動するための第1モータ83は、予め設定された第1移動条件が成立したときに駆動され、可動装飾部163を駆動するための第2モータ84は、予め設定された第2移動条件が成立したときに駆動される。なお、第1移動条件は、カバー部材161が押圧操作されたときに成立してもよいし、カバー部材161の押圧操作とは無関係に成立してもよい。
【0137】
以下、カバー部材161の移動機構と、可動装飾部163の移動機構について説明する。図35には、カバー部材161と、カバー部材161を振動させる第1移動機構160Kとが示されている。同図に示すように、第1移動機構160Kは、支持部162と、カバー固定部167と、第1モータ83と、底ケース166とを有する。
【0138】
カバー部材161は、天井壁161Dの底部を構成する円筒壁161Hから下方に突出して円筒壁161Hの径方向で対向配置された1対の第1脚部161Aと1対の第2脚部161Bとを備えている。第1脚部161Aと第2脚部161Bとは、カバー部材161の周方向で互いに90度ずれるように配置されている。また、第1脚部161Aは、第2脚部161Bよりも下方に突出し、第1脚部161Aの下端部には、円筒壁161Hの径方向に延びた係合孔161Kが形成されている。
【0139】
支持部162は、カバー部材161の円筒壁161Hより大径の円形状をなし、支持部162の外周部には、カバー部材161の第1脚部161Aと第2脚部161Bとに対応した第1脚部挿通孔162Aと第2脚部挿通孔162Bが形成されている。また、支持部162の中央部には、円形の中央孔162Cが形成されている。なお、支持部162の後面からは、底ケース166と接続するための複数の接続部材162Tが延びている。
【0140】
カバー固定部167は、長手方向の長さがカバー部材161の円筒壁161Hの直径と略同じ長さの長方形状をなしている。カバー固定部167の長手方向の両端部からは、カバー部材161側に端部突壁167Hが突出し、その端部突壁167Hに、円筒壁161Hの径方向に突出する係合突部167Tが設けられている。また、カバー固定部167の中央部には、円形の中央孔167Cが形成されている。そして、カバー部材161の第1脚部161Aは、第1脚部挿通孔162Aに挿通されて支持部162を貫通し、第1脚部161Aの係合孔161Kに端部突壁167Hの係合突部167Tが係合する。これにより、カバー部材161がカバー固定部167に固定される(図36参照)。
【0141】
底ケース166は、図36に示すように、支持部162と略同じ大きさの円形状をなして、カバー部材161の第1脚部161A及び第2脚部161Bと、カバー固定部167を収容する。底ケース166の底面には、支持部162から延びる前述の接続部材162Tの先端部を受容する複数の受容部166Mが備えられ(図34参照)、受容部166Mに設けられた貫通孔166Nに下面側から通された図示しない螺子で締め付けられて底ケース166が支持部162の底部に固定される。
【0142】
また、底ケース166の底部とカバー固定部167との間には、付勢バネ85Sが設けられ、この付勢バネ85Sによってカバー固定部167及びカバー部材161が、底ケース166及び支持部162に対して上側に付勢される。なお、付勢バネ85Sは、底ケース166の底部とカバー固定部167の互いの対向面に形成された位置決め凹部166M,167Mによって位置決めされている。なお、図36には示されないが、底ケース166の底部とカバー固定部167との間には、付勢バネ85Sの他に、複数の補助バネ85T(図34参照)も設けられ、付勢バネ85Sと同様にカバー固定部167及びカバー部材161を付勢する。また、上述したカバー部材161の押圧操作検出用のセンサは、付勢バネ85S及び補助バネ85Tに抗してカバー固定部167が下方位置へ配置されたことを検出するようになっている。つまり、本実施形態では、カバー部材161は底ケース166に対して直動可能に嵌合されている。なお、カバー部材161と支持部162との連結は、これに限定されず、例えば、カバー部材161の外縁のうち遊技者から遠い奥側で支持部162の外縁とヒンジ連結し、遊技者により押圧操作されることで前方に回動する構成であってもよい。
【0143】
本実施形態では、第1モータ83が、底ケース166の下面に取り付けられている。具体的には、底ケース166の下面は、水平方向と略平行に配置される平坦部166Fと、平坦部166Fから離れるにつれて上方に傾斜する傾斜部166Kとで構成されていて、平坦部166Fのの右端寄り位置に、モータ収容部166Bが設けられている(図35参照)。第1モータ83はモータ収容部166Bに収容されることで、上下方向と水平方向の移動が規制されている。そして、第1モータ83の回転出力軸83Jは、水平方向と平行に配置され、また、回転出力軸83Jには偏心錘83Sが固定されて回転出力軸83Jと一体に回転する。偏心錘83Sは、平面視扇形状になっている。なお、偏心錘83Sの形状は、重心が第1モータ83の回転出力軸83Jの延長線からずれた位置に配置されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、円形状であっても楕円形状であっても多角形状であってもよい。
【0144】
次に、第1移動機構160Kの動作について説明する。第1移動条件が成立して第1モータ83が作動すると、図36に示すように、回転出力軸83Jを中心として偏心錘83Sが回転する。すると、その偏心錘83Sの遠心力によって第1モータ83が振動し、底ケース166のモータ収容部166Bと衝突する。そして、第1モータ83の振動が、モータ収容部166Bを介して底ケース166に伝達され、支持部162を介してカバー部材161にも伝達する。これにより、カバー部材161が振動する。
【0145】
ここで、カバー部材161は、第1脚部161A及び第2脚部161Bが支持部162の第1脚部挿通孔162A及び第2脚部挿通孔162Bに挿通されているので、水平方向の移動が制限される一方、付勢バネ85S及び補助バネ85Tの伸縮により上下方向の移動は許容される。従って、カバー部材161を、水平方向よりも上下方向に大きく振動させることができる。
【0146】
また、底ケース166に第1モータ83が取り付けられているので、底ケース166を受容する外壁構成部140、さらに外壁構成部140を嵌合する基礎枠部51の下前面構成部55Aにも振動が伝わりやすくなり、下前面構成部55Aに取り付けられるハンドルユニット350等にも振動が伝わる。従って、カバー部材161を固定するカバー固定部167等に第1モータ83を取り付けてカバー部材161を振動させる構成よりも、振動を遊技者に伝えやすくなり、第1移動条件が成立したことを遊技者が検知しやすくなる。
【0147】
次に、可動装飾部163の移動機構について説明する。図37には、可動装飾部163と、可動装飾部163を移動させる第2移動機構163Kとが示されている。同図に示すように、第2移動機構163Kは、可動ベース168と、支持部162と、固定治具86と、コイルバネ88と、第2モータ84とを有する。
【0148】
可動装飾部163は、ベースプレート163Bを装飾カバー163Aで覆った構成になっている。ベースプレート163Bは、ドーム状の天井壁163Dを上部に有して長手方向の長さがカバー部材161の円筒壁161Hの直径よりも小さい長さの長方形状をなし(図36参照)、固定装飾部164の上方の一部を覆う構造となっている。ベースプレート163Bには、その長手方向の両端部から、固定装飾部164側に端部突壁163Hが突出している(図37参照)。ここで、固定装飾部164は、図33Aに示すように、可動装飾部163の長手方向の長さと略同じ直径の円板部164Aの外周縁全体から側壁164Tが垂下した形状をなし、側壁164Tの先端が支持部162の上面に突き当てられた状態で支持部162に固定されている。そして、固定装飾部164は、可動装飾部163の端部突壁163Hに対応する位置が切り欠かれた切欠部164Kを有し、可動装飾部163の端部突壁163Hの先端が、切欠部164Kを通って円板部164Aよりも下方に突出するようになっている。なお、本実施形態では、固定装飾部164に切欠部164Kを備えて、可動装飾部163の端部突壁163Hを後方へ通しているが、固定装飾部164に貫通孔を設けてもいいし、端部突壁163Hが固定装飾部164の側方を通るようにしてもよい。
【0149】
装飾カバー163Aは、ベースプレート163Bのうち、天井壁163Dの上面と天井壁163Dの側方を覆い、端部突壁163Hの上端から下端寄り位置まで覆っている。そして、上面のうち一部が透過性を有する透過領域が設けられている。本実施形態では、透過領域により「PUSH」という文字が形成されている。
【0150】
可動ベース168は、固定装飾部164の円板部164Aの下方に配置され(図38参照)、図34に示すように、左右方向に1対の固定片168Vが張り出している。そして、1対の固定片168Vには、可動装飾部163の端部突壁163Hの先端部を受容する受容凹部168Mが設けられている。その受容凹部168Mに設けられた図示しない貫通孔に図示しない螺子が通され、端部突壁163Hが可動ベース168に固定される。つまり、可動装飾部163は、図38に示すように、固定装飾部164を間に挟んで可動ベース168に固定されている。
【0151】
図37に示すように、可動ベース168は、支持部162に上方から重ねられ、下面の中央部に突出形成された略円形の中央突部168Cが、支持部162の中央孔162Cに遊嵌される。このとき、図示しないが、可動ベース168と支持部162との間には、複数の付勢バネが設けられ、これら付勢バネによって可動ベース168が、支持部162に対して上側に付勢される。なお、複数の付勢バネは中央突部168Cの周方向に等間隔に配置されている。また、付勢バネは、可動ベース168の底部と支持部162の互いの対向面に形成された図示しない位置決め凹部によって位置決めされている。
【0152】
また、可動ベース168のうち中央突部168Cの外側には、複数の円形孔168Tが形成されている。複数の円形孔168Tは、中央突部168Cの周方向に等間隔に配置され、それら複数の円形孔168Tの中心は、中央突部168Cと同心円上に配置されている。そして、各円形孔168Tには、支持部162の中央孔162Cの開口縁から突出した複数の円形突部162S(図34参照)が挿通されている(図39図40を参照)。
【0153】
ここで、円形孔168Tは、円形突部162Sよりも大径になっていて、円形孔168Tに挿通される円形突部162Sは、円形孔168T内を移動可能となっている。別の見方をすれば、可動ベース168は、円形孔168Tの内周面と円形突部162Sとの当接によって移動が制限される。図40には、水平面内の一方向に移動して円形突部162Sにより移動が制限されたときの可動ベース168が破線で示され、可動ベース168の移動が許容される範囲R2が2点鎖線で示されている。
【0154】
また、本実施形態では、複数の円形孔168T及び円形突部162Sは同じ大きさになっているので、一の円形突部162Sが円形孔168Tの内周面に当接すると、残りの円形突部162Sも円形孔168Tの内周面に当接する。これにより、可動ベース168と円形突部162Sとの当接箇所を、可動ベース168の周方向に分散させることが可能となる。また、本実施形態では、円形突部162Sが円形孔168Tの内周面に摺接することで、可動ベース168をスムーズに移動させることが可能となる。
【0155】
可動ベース168の中央突部168Cには回転部材87が取り付けられて、可動ベース168に対して相対回転可能となっている。具体的には、回転部材87は、図38に示すように、可動ベース168と直交する方向に延びて可動ベース168を貫通する回転シャフト87Aと、偏心錘87Bとを備えている。そして、回転シャフト87Aが中央突部168Cの中心部にベアリング(図示せず)を介して取り付けられることで、回転部材87は可動ベース168に対して相対回転可能となっている。また、回転部材87の下端部には、取付軸部87Jが形成されている。
【0156】
回転シャフト87Aの上端部には、偏心錘87Bが固定されて、回転シャフト87Aと一体に回転する。偏心錘87Bは、平面視扇形状になっていて、可動ベース168の上面には、偏心錘87Bの回転を許容する円形凹部168Dが形成されている。なお、偏心錘87Bの形状は、重心が第2モータ84の回転軸の延長線からずれた位置に配置されるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、円形状であっても楕円形状であっても多角形状であってもよい。
【0157】
図37に示すように、固定治具86は、固定板86Aと、固定板86Aから支持部162側に突出する複数の取付片86Bとで構成され、固定板86Aの中央部に円形の中央孔86Cが形成されている。そして、取付片86Bが支持部162の下面に固定されることで、固定板86Aが支持部162と平行に配置されると共に、固定板86Aと支持部162との間の距離が一定に保たれる。
【0158】
第2モータ84は、回転出力軸84J側の面が固定治具86の固定板86Aの下面に重ねて固定され、第1モータ83の回転出力軸84Jが固定板86Aの中央孔86Cを貫通する(図38参照)。従って、固定治具86によって、第1モータ83と支持部162との間の距離が一定に保たれることとなる。
【0159】
また、第1モータ83の回転出力軸84Jと同軸にコイルバネ88が配置され、一端部が回転出力軸84Jに固定されている。また、コイルバネ88の他端部は、回転部材87の取付軸部87Jに固定されている。
【0160】
ここで、本実施形態では、コイルバネ88の自然長さは、コイルバネ88の他端部に回転部材87を介して固定された可動ベース168が支持部162から浮き上がる長さになっている(図38参照)。別の見方をすれば、上述の固定治具86は、支持部162と第1モータ83との間隔を、コイルバネ88が自然長のときに可動ベース168が支持部162から浮き上がる長さとなるように保っている。さらに、本実施形態では、コイルバネ88が自然長で可動ベース168が支持部162から浮き上がった状態において、固定装飾部164が可動ベース168及び可動装飾部163に接触しないように配置されている。
【0161】
次に、第2移動機構163Kの動作について説明する。第2移動条件が成立して第2モータ84が作動すると、回転出力軸84Jを中心としてコイルバネ88の他端部と回転部材87が旋回する。すると、回転部材87に押されて、可動ベース168も旋回しようとする。ここで、回転部材87には、回転出力軸84Jから偏心した偏心錘87Bが備えられているので、回転部材87の旋回半径が大きくなり、可動ベース168が支持部162の円形突部162Sと衝突する。従って、可動ベース168は、図40に示した範囲R2内を、円形突部162Sとの衝突を繰り返しながら水平方向に移動する。そして、この可動ベース168の移動に伴って、可動ベース168に固定された可動装飾部163も移動する。
【0162】
また、本実施形態では、コイルバネ88が第1モータ83の回転出力軸84Jと同軸に配置され、可動ベース168が移動する水平方向に弾性曲げ変形可能となっているので、可動ベース168は、旋回する回転部材87の遠心力と、衝突した円形突部162Sから受ける抗力と、コイルバネ88の復元力の影響を受けて移動することになり、可動ベース168及び可動装飾部163を水平面内でランダムに移動させることが可能になる。
【0163】
このように、遊技の進行状況に応じて、第2移動条件が成立すると、第2モータ84が駆動され、可動ベース168が、図40に示した範囲R2内を、水平方向にランダム移動する。また、コイルバネ88の伸縮により、可動ベース168は、上下方向の移動も許容される。従って、可動装飾部163は、上下方向と水平方向の両方の移動が許容される。
【0164】
ここで、本実施形態では、第2移動機構163Kに、水平方向に弾性曲げ変形可能なコイルバネ88を備えているので、可動装飾部163は、コイルバネ88の弾性曲げ変形が加味された動きをすることが可能となり、第2移動機構163Kにコイルバネ88を備えない場合よりも可動装飾部163の動きを複雑にすることが可能となり、移動に多様性を持たせることが可能となる。なお、本構成は、可動装飾部163が、常時、円運動を行うものでなければ、回転の途中で一時的に円運動を行う状態があることを排除するものではない。
【0165】
また、本実施形態では、円形突部162Sと円形孔168Tとによって、可動ベース168の移動範囲が駆動源47の回転出力軸84Jの延長線から所定の範囲R2(図40参照)内に制限されるので、可動ベース168の移動範囲が制限されない場合と比較して、可動ベース168の移動周期を短くすることができる。これにより、可動装飾部163を激しく振動させることが可能となる。
【0166】
しかも、本実施形態では、コイルバネ88が自然長のときに可動ベース168が支持部162から浮き上がるので、第2モータ84が作動していないときの可動装飾部163の位置を固定され難くすることが可能となり、例えば、操作部160に対する遊技者の操作力によっても可動装飾部163を移動させることができ、可動装飾部163の動きに多様性をもたらすことが可能となる。
【0167】
さらに、本実施形態では、前述したように、可動装飾部163を固定し、可動装飾部163は、固定装飾部164の上方に配置されて固定装飾部164の一部を覆っている。固定装飾部164は可動装飾部163と可動ベース168との間に接触しないように配置されているので、固定装飾部164の上方で可動装飾部163だけが多様な動きをするという今までにない演出で、遊技者に可動装飾部163に注目させることができる。さらに、注目した可動装飾部163には、「PUSH」と示されているので、操作部160の操作を遊技者に促すことができる。また、本実施形態では、「PUSH」と示されているが、操作部160の操作を遊技者に促すものであれば、これに限定されず、例えば、絵であってもよい。さらに、固定装飾部164の下方にLED基板165Aが備えられているの可動装飾部163を通して視認可能な部分を発光させることができ、また、可動装飾部163の「PUSH」が透過領域となっているので、「PUSH」を発光させて一層注目させることができる。なお、可動装飾部163に操作部160の操作を遊技者に促すメッセージが示されていなくてもよい。
【0168】
<ハンドルユニットについて>
次に、発射ハンドル300を備えるハンドルユニット350及びその周辺部について説明する。図1及び図52に示すように、ハンドルユニット350は、下前面構成部55Aの右側面を構成するベース壁355と、筒形ベース部330と、発射ハンドル300と、を有している。図53に示すように、ベース壁355は、前後方向に対して1~30°程前向きに傾斜しており、発射ハンドル300の回転軸300Jは、ベース壁355と略直交している。これにより、発射ハンドル300の回転軸300Jは、左右方向に対して1~30°程(好ましくは20~25°。さらに好ましくは22°)前方へ傾斜し、発射ハンドル300のドーム状の表カバー301(後に詳説する)の天井部が、遊技機10の斜め横方向を向いている。換言すれば、発射ハンドル300の回転軸300Jは、遊技機10の前後方向と左右方向との両方に対して傾斜している。
【0169】
これにより、ハンドルの回転軸が前後方向に延び、ハンドルを左右方向で回転させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者に斬新さを感じさせることができ、ハンドルの趣向性が向上する。また、本実施形態によれば、発射ハンドル300に手が斜め横方向から宛がわれ、その手を斜め前後方向で回動させる構成となり、前方からハンドルを把持して左右方向で回動させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者により斬新さを感じさせることができる。さらに、発射ハンドル300の見た目の斬新さにより集客効果が高まる。
【0170】
また、上記構成によれば、手腕の内面を内側に向けて前方に出した右手で発射ハンドル300を奥側へ回転させることが可能となり、手首の反りやひねりが小さくなるので、手腕を疲れにくくすることができる。
【0171】
また、図52及び図53に示すように、発射ハンドル300の下方には、発射ハンドル300を把持する手を置くことが可能な手置き部360が備えられている。手置き部360は、基礎枠部51の右下端部に固定され、平面形状の外縁は、ベース壁355に沿って傾斜した左辺部360Aと、基礎枠部51の右端寄り位置から前後方向に延びた右辺部360Bと、左辺部360A及び右辺部360Bの後端同士を連絡する後側辺部360Cと、左辺部360A及び右辺部360Bの前端同士を連絡する前側辺部360Dと、を有している。前側辺部360Dは、左辺部360Aの前端から前方へ向けて傾斜して延びた第1前側辺部360Eと、第1前側辺部360Eの右端から屈曲して延びた第2前側辺部360Fと、第2前側辺部360Fの右端から斜め後方に延びて右辺部360Bの前端に連絡する第3前側辺部360Gと、を有している。
【0172】
手置き部360の上面は、左辺部360Aの前端部から第2前側辺部360Fの右端部にかかる領域を底部にして、両側方へ向かうにつれて上方へ湾曲する凹状になっている。また、この凹状の上縁部361が、後側辺部360Cの右端より少し左側の位置から、右辺部360Bの前端部に向けて傾斜して延びている。つまり、凹状の上縁部361は、前方に向かうにつれて、発射ハンドル300の軸方向において発射ハンドル300から離れるように傾斜している。また、手置き部360の表面は、シボ加工やツヤ消し等により細かい凹凸が施され、すべり止め効果を有している。この凹凸により、手置き部360の表面は、汚れが目立ちにくくなっている。
【0173】
なお、手置き部360は、ハンドルユニット350とは独立して基礎枠部51に対して脱着可能となっていて、手置き部360のみを交換することが可能である。
【0174】
本実施形態では、手置き部360に発射ハンドル300を把持する手を置くことができるので、遊技者の手腕を疲れにくくすることができる。さらに、手置き部360が凹状になっていて手がずれにくくなっているので、長時間遊技していても、発射ハンドル300を把持する姿勢を維持しやすくなる。
【0175】
また、発射ハンドル300を回転する際、指を発射ハンドル300にかけ、手のひらを発射ハンドル300から離した状態で回転させた方が、手首をあまり反らさなくてよく、楽な姿勢になると考えられる。この場合、手の外面は前方(即ち、遊技者側)に向かうにつれて発射ハンドル300から離れるように傾斜する。これに対し、本実施形態では、凹状の上縁部361は、前方に向かうにつれて、発射ハンドル300の軸方向において発射ハンドル300から離れるように傾斜しているので、手置き部360の凹状面を手の外面に沿わせることができ、発射ハンドル300を回転する際に楽な姿勢を維持しやすくなる。
【0176】
図54及び図55に示すように、ベース壁355は、四角形の上側及び前側角部を斜辺355Aにより切り欠いた形状をなしている。ベース壁355は、下辺寄り部分が僅かに屈曲している。ベース壁355の外縁には、遊技機10の左右方向の内側に張り出した周囲壁356が設けられている。ベース壁355の中央部には、筒形ベース部330の端部が収容される陥没部357が形成されている。陥没部357は、断面円形をなし、円筒壁357Aと底壁357Bとを有している。陥没部357の後部には切り欠き367Kが形成されている。また、ベース壁355には複数の貫通孔355Nが形成され、ハンドルユニット350は、下前面構成部55Aに対して前方から締結されたネジにより固定されている。これにより、ハンドルユニット350は、前側扉50を開放することなく取り外し可能となっている。なお、下前面構成部55Aには金属板が内側に配され、この金属板にハンドルユニット350を固定するためのネジ孔が形成されている。これより、ハンドルユニット350の脱着が繰り返されてもネジ孔が傷みにくくなっている。
【0177】
また、図52及び図53に示すように、ベース壁355には、前方下部に通気口358が形成されている。通気口358はベース壁355を貫通する貫通口にパンチングメタルを取り付けてなる。そして、下前面構成部55Aには、通気口358と対向する位置に軸流ファン370が固定され、軸流ファン370が通気口358を通して遊技機10の外に風を噴出する送風演出が行われる。送風演出は、例えば、当否判定の結果が当りとなる予告等として行われる。
【0178】
図29に示すように、下前面構成部55Aの下面には、吸気口359が形成され、軸流ファン370は、下前面構成部55Aの下方から取り込んだ空気を通気口358から噴出する。遊技ホール内に臭気が漂う場合、臭気は、人が位置する遊技機10の前面側の方が濃く、遊技機10の下方は薄いと考えられるので、通気口358を下前面構成部55Aの下面即ち遊技機10の下面に配置することで、臭気を取り込みにくくすることができる。
【0179】
ここで、本実施形態では、ベース壁355が前後方向に対して10~30°程前向きに傾斜しているため、風の噴出方向も、左右方向に対して10~30°程前方へ傾斜した方向になっている。そして、通気口358は発射ハンドル300より前側かつ下側に配されているので、軸流ファン370は、風を発射ハンドル300を把持する手腕に前後方向及び左右方向と交差する方向から吹き付けることになる。しかも、本実施形態では、発射ハンドル300の回転軸300Jが傾斜し、手腕の内面を内側に向けた状態で発射ハンドル300が把持されているので、風が手腕の内面に吹き付けられやすくなっている。
【0180】
これにより、ハンドルから風が噴出される送風演出に慣れた遊技者の意表を突くことができ、送風演出の趣向性が向上する。しかも、風が皮膚の薄い手腕の内面に当たるので、風を感知しやすくすることができる。また、手のひらなど手腕の内面は比較的汗をかきやすいため、汗をかいた箇所に風が当たることで爽快感を感じさせることができる。また、風が左右方向の内側から外側に向かって吹き付けられるので、隣の遊技者も風を感知し得り、隣の遊技者にもその台に興味を持たせることが可能となる。
【0181】
なお、遊技者がハンドルに接触していない状態で風を噴出すると、遊技者の手腕に風が当たらず周囲に広がるため、周りの人に不快感を感じさせてしまうことが考えられる。そのような問題を防ぐために、遊技者が発射ハンドル300に接触していないときには軸流ファン370を作動させないように制御してもよい。
【0182】
図54に示すように、筒形ベース部330は、筒状のベース本体331と、ベース本体331の先端部に嵌合する先端ベース部335と、を有している。ベース本体331は、基端側の第1円筒部331Aと、第1円筒部331Aの先端から斜めに拡径した拡径部331Bと、拡径部331Bの大径側端部から延びた第2円筒部331Cと、を有している。
【0183】
図57A及び図57Bに示すように、第1円筒部331Aの先端には内側に張り出した張出壁332が形成されている。張出壁332には、ベース本体331と同軸円の大径貫通孔332Aとその側方の小径貫通孔332Bとが重なるように形成され、大径貫通孔332A及び小径貫通孔332Bの外縁から後側突壁332Cが後方に突出形成されている。また、張出壁332には、大径貫通孔332Aを挟んで小径貫通孔332Bと反対側にも矩形貫通孔332Dが形成されている。矩形貫通孔332Dの一辺は、第1円筒部331Aの内周面に沿って円弧状になっている。大径貫通孔332Aと矩形貫通孔332Dとは、張出壁332から前方に突出する平板状の前側突壁332Eにより区画されている。
【0184】
ベース本体331の第2円筒部331Cには、遊技機10に取り付けられた状態(図52参照)で右上に配される位置に、切欠部333が設けられている。切欠部333は、第2円筒部331Cの周方向における1/6~1/7の範囲に、第2円筒部331Cの先端面から基端寄り位置まで形成されている。
【0185】
図55及び図56に示すように、先端ベース部335は、ベース本体331の第2円筒部331C内に嵌合する嵌合筒部335Bと、嵌合筒部335Bの先端から張り出してベース本体331の先端面に当接するフランジ部335Aと、を有している。また、フランジ部335Aには、ベース本体331の切欠部333内に受容される延長部335Eが設けられている。延長部335Eは、筒形ベース部330の軸方向において、切欠部333の先端側の1/3~1/2程を埋める大きさになっている(図56参照)。
【0186】
図55に示すように、先端ベース部335の嵌合筒部335Bは、径方向の1/3~1/2.5程の領域が短く、その領域の基端部が、残りの領域の基端部よりも先端側に位置している。嵌合筒部335Bのうち短い部分の基端からは第1張出壁335Cが内側に張り出し、残りの部分の基端からは第2張出壁335Dが内側に張り出している。第1張出壁335Cと第2張出壁335Dとは、段差壁335Fにより連絡されている。また、上述した延長部335Eは、先端ベース部335の外周のうち第1張出壁335C側に配されている。
【0187】
嵌合筒部335Bには、中心に、後述する発射ハンドル300のシャフト325に挿通されるシャフト受容筒部335Hが形成されている。シャフト受容筒部335Hの先端は、フランジ部335Aの線端面と略同一平面内に位置し、シャフト受容筒部335Hの基端は、第2張出壁335Dより左方に突出している。
【0188】
先端ベース部335の第1張出壁335Cの基端側の面には、発射停止スイッチ336が取り付けられている。発射停止スイッチ336は、押圧操作を検知するメカスイッチ336Mと、メカスイッチ336Mを作動させる操作部336Aと、を有する。メカスイッチ336Mは、バネ片を備え、バネ片が押し込まれることでメカスイッチ336Mが作動する。操作部336Aは、第1張出壁335Cから突出する回動軸335Jに軸支され、図52に示すように、ベース本体331の切欠部333から突出した状態になっている。この操作部336Aが押されると、バネ片が押し込まれてメカスイッチ336Mが作動し、遊技機10の図示しない制御部に信号が送られ、遊技球の発射が停止される。操作部336Aから手を離すと、バネ片が弾性復帰して操作部336Aが元の位置に戻る。
【0189】
図55に示すように、先端ベース部335の第2張出壁335Dには、シャフト受容筒部335Hの側方に、回動シャフト337が回動可能に取り付けられている。回動シャフト337は、第2張出壁335Dから基端側に突出し、後述する発射ハンドル300のシャフト325と連結するベース側連結部材337Aが取り付けられている。ベース側連結部材337Aは、回動シャフト337を受容する受容孔を有し、その受容孔の断面は、回動シャフト337の基端側(筒形ベース部330の先端側)が円形になっていて、回動シャフト337の先端側(筒形ベース部330の基端側)がD字形になっている。そして、回動シャフト337の先端部(筒形ベース部330の基端側端部)も、側面の一部が切削されて断面D字形になっており、ベース側連結部材337Aの受容孔のD字形の部分に嵌合する。これにより、ベース側連結部材337Aは回動シャフト337と一体に回動する。また、ベース側連結部材337Aの外面には、歯車が形成されている。
【0190】
図56に示すように、第2張出壁335Dの先端側の面には、回動シャフト337(図55参照)と連結された回転センサ337Sが固定されている。回転センサ337Sは、回動シャフト337の回転量を検出可能になっている。なお、回動シャフト337は、ベース本体331の小径貫通孔332Bを通過し、後側突壁332C(図55参照)内に配されている。
【0191】
また、図56に示すように、先端ベース部335における第2張出壁335Dの先端側の面には、フォトセンサ338が固定されている。このフォトセンサ338は、発射ハンドル300が回動範囲の一端に位置していることを検出可能になっている。
【0192】
筒形ベース部330には、区画壁343が、ベース本体331の後側突壁332Cに基端側から突き当てられた状態に固定されている。図54及び図55に示すように、区画壁343は、ベース本体331の内縁に沿った概円形の主板343Aを有する。主板343Aには、中央に、発射ハンドル300のシャフト325に挿通される貫通孔343Bが形成されている。また、主板343Aの先端ベース部335側の面には、ベース側連結部材337Aを囲う環状突部343Cが形成されている。
【0193】
区画壁343には、外縁部に、先端ベース部335側に突出したセンサホルダ343Dが形成されている。センサホルダ343Dは、角筒状をなし、その外面にネジ止め筒部343Eを有している。このセンサホルダ343Dには、直方体状の接触センサ344が嵌め込まれている。接触センサ344には、ネジ止め筒部343Eに重なり、ネジ挿通される穴を有する金属端子が備えられている。
【0194】
また、区画壁343は、筒形ベース部330の基端側に突出する周囲壁343Fを有している。周囲壁343Fは、区画壁343の外縁より内側に配され、センサホルダ343Dの延長戦上を除く範囲にC環状に形成されている。
【0195】
図62に示すように、ベース本体331の基端には、閉塞壁349が嵌合している。閉塞壁349は、区画壁343の周囲壁343Fの先端に当接又は近接している。また、図54に示すように、閉塞壁349には、区画壁343のC環の開口部に相当する位置に、接触センサ344に向けて突出する突壁349Aが形成され、中央部に区画壁343側に突出した円環突部349Bが形成されている。閉塞壁349は、ベース本体331に形成されたネジ止め突部にネジ止めされている。
【0196】
図56及び図58に示すように、発射ハンドル300は、ドーム状の表カバー301と、表カバー301の開口端部に配される裏カバー部305と、を有している。表カバー301は、天井面に凹部301Kを有するカバー本体301Aと、その凹部301Kに嵌め込まれている透明のキャップ301Bと、を有している。カバー本体301Aの凹部301Kとキャップ301Bとから構成される空間には、装飾プレート301Sが内蔵されている。カバー本体301Aには、側方に膨出した指掛け部301Fが4つ形成されている(図55参照)。指掛け部301Fは、筒形ベース部330側に向かうにつれて膨出量が大きくなっている。また、カバー本体301Aは、表面全体にメッキ層を有している。一方、後に詳説する裏カバー部305には、メッキが施されていない。
【0197】
図56及び図59に示すように、カバー本体301Aには、凹部301Kの底壁301Hに、中央孔301Rと、裏カバー部305側へ突出した第1ネジ止め突部301Tと、キャップ301B側に突出した第2ネジ止め突部301Uと、貫通孔301Vと、が形成されている。中央孔301Rは、底壁301Hの中央に貫通形成されている。第1ネジ止め突部301T及び第2ネジ止め突部301Uには、ネジ孔が形成されている。第2ネジ止め突部301Uと貫通孔301Vとは2つずつ設けられ、中央孔301Rの周囲に交互に配されている。第1ネジ止め突部301Tは、第2ネジ止め突部301U及び貫通孔301Vよりも中央孔301Rから離れた2位置に配されている。
【0198】
装飾プレート301Sには、カバー本体301Aの貫通孔303Vと重なる位置にカバー本体301A側へ突出する第3ネジ止め突部301Xが形成されている。第3ネジ止め突部301Xにも、第1ネジ止め突部301T及び第2ネジ止め突部301Uと同様にネジ孔が形成されている。
【0199】
表カバー301と裏カバー部305との間には、先端側から、固定板金302、ベース固定部材340が収容されている。固定板金302は、金属製の円板からなり、中央にD字状の貫通孔302Aが形成されている。また、固定板金302には、外縁に、カバー本体301Aの第1ネジ止め突部301Tとの干渉を避ける切欠き302Bが形成され、切欠き302Bより内側部分に、カバー本体301Aの第2ネジ止め突部301U及び貫通孔301Vと重なる4つの貫通孔302Cが形成されている。
【0200】
固定板金302の貫通孔302Aには、シャフト325が取り付けられている。図60に示すように、シャフト325は、円柱状をなし、先端部に、段付き状に縮径した嵌合部325Aと、さらに段付き状に縮径し、外面に雄螺子が形成されたネジ部325Bと、を有する。嵌合部325Aは、側面の一部が切削されて断面D字形になっている。ここで、図61Aに示すように、嵌合部325AのD字の直線部をなす平面325Hは、平面325Hとシャフト325の外周面との間の長さよりも小径の工具500により切削されて形成される。これにより、嵌合部325Aの基端側の段差面325Lには、平面325H側に溝325Mが形成される。段差面325Lのうち溝325Mを挟んだ2つの領域は同じ高さになっている。なお、図61では溝325Mが強調されている。
【0201】
図60に示すように、シャフト325の基端部325Cは、側面の一部が切削されて断面D字形になっている。シャフト325のうち基端部325C寄り位置には、外面全周に延びる環状溝325Dが形成されている。また、シャフト325の基端部325Cには、シャフト325の中心軸上に延びるネジ孔(図示せず)が形成されている。
【0202】
シャフト325は、固定板金302の貫通孔302Aに先端側から挿入され、嵌合部325Aが貫通孔302Aに嵌合する。そして、シャフト325のネジ部325Bにワッシャ326Aを挿入し、ナット326Bを締結することで、固定板金302にシャフト325が固定される(図56及び図62参照)。
【0203】
ところで、シャフト325の嵌合部325AをD字形にする際に、平面325Hとシャフト325の外周面との間の長さよりも大径の工具500により切削すると、段差面325Lのうち平面325Hより外側全体が削れ、平面325Hより外側と反対側とで高さが異なる虞がある。その状態で固定板金302を取り付けると、段差面325Lの高さの違いにより固定板金302ががたつくという問題が生じ得る。これに対して、本実施形態のシャフト325では、平面325Hとシャフト325の外周面との間の長さよりも小径の工具500により、段差面325Lに溝325Mが形成されるように切削され(図61A)、段差面325Lのうち溝325Mを挟んだ2つの領域が同じ高さになっているので、固定板金302のがたつきが防がれる。なお、図61Bに示すように、先端が張り出すように加工されたエンドミル500Xの先端面を嵌合部325Aの側面に宛がうようにして切削されてもよい。
【0204】
図56及び図62に示すように、固定板金302は、シャフト325が取り付けられた状態で、切欠き302Bにカバー本体301Aの第1ネジ止め突部301T(図59参照)が受容されるようにして、カバー本体301A(詳細には、底壁301H)に重ねられる。そして、固定板金302側から、固定板金302の貫通孔302Cを通してカバー本体301Aの第2ネジ止め突部301Uにネジが螺合されると共に、固定板金302の貫通孔302C及びカバー本体301Aの貫通孔301Vを通して装飾プレート301Sの第3ネジ止め突部301X(図59参照)にネジが螺合されることで、装飾プレート301S及び固定板金302がカバー本体301Aに固定される。
【0205】
図56に示すように、ベース固定部材340は、円環板状の主板部340Aと、主板部340Aの内縁部を固定板金302側へ膨出させた膨出部340Bと、主板部340Aの外縁部から筒形ベース部330側へ突出した3本の脚部340Cと、を有している。脚部340Cは、筒形ベース部330側の端部が開口した円筒状をなし、内側面に雌螺子が形成されている。3本の脚部340Cのうち2本は隣接して配置され、残りの1本は、隣接する2本と主板部340Aの中心を挟んで対向配置されている。これら脚部340Cは、裏カバー部305を貫通して、筒形ベース部330の先端ベース部335にネジ止めされている(図62参照)。
【0206】
発射ハンドル300にベース固定部材340が内蔵された状態で、ベース固定部材340と先端ベース部335とをネジ止めされることで、発射ハンドル300が筒形ベース部330に回動可能に支持される。
【0207】
ベース固定部材340の主板部340Aには、円弧状に延びるベース側長孔340Nが2本形成されている。この2本のベース側長孔340Nには、カバー本体301Aの第1ネジ止め突部301Tが挿通され、発射ハンドル300が回動されると、第1ネジ止め突部301Tがベース側長孔340N内を移動する。
【0208】
図56に示すように、裏カバー部305は、円筒状の筒部305Aと、筒部305Aの固定板金302側の開口縁から内側に張り出した先端壁305Bと、筒部305Aの外面のうち軸方向の中間部から張り出した張出壁305Cと、を有している。先端壁305Bには、2つの貫通孔305Kが形成され、これら貫通孔305Kがカバー本体301Aの第1ネジ止め突部301Tに重ねられ、裏カバー部305側からネジが螺合されることにより、裏カバー部305がカバー本体301A(即ち、表カバー301)に固定される。
【0209】
先端壁305Bの中央部は、筒形ベース部330側に陥没した陥没部305Uとなっていて、その底面から、両端が開口したシャフト受容筒305Tが固定板金302側へ突出している。また、先端壁305Bには、陥没部より外側に、円弧状に延びるハンドル側長孔305Nが2本形成されている。この2本のハンドル側長孔305Nには、ベース固定部材340の脚部340Cが挿通され、発射ハンドル300が回動されると、ハンドル側長孔305Nがベース固定部材340の脚部340Cと干渉しないように回動する。
【0210】
発射ハンドル300は、カバー本体301Aの第1ネジ止め突部301Tがベース側長孔340Nの一端に当接しかつ、ベース固定部材340の脚部340Cがハンドル側長孔305Nの一端に当接する第1位置から、カバー本体301Aの第1ネジ止め突部301Tがベース側長孔340Nの他端に当接しかつ、ベース固定部材340の脚部340Cがハンドル側長孔305Nの他端に当接する第2位置までの範囲で回動可能になっていて、その回動範囲は90°程である。本実施形態では、第2位置は、発射ハンドル300を第1位置から90°程時計回りに回動した位置である。
【0211】
また、ベース固定部材340と裏カバー部305との間には、トーションばね306が配されている。詳細には、トーションばね306は、裏カバー部305の陥没部305Uと、ベース固定部材340の膨出部340Bの裏側との間に、シャフト受容筒305Tを囲うように配置されている。トーションばね306の一端は、ベース固定部材340に支持され、他端は、裏カバー部305に支持されている。トーションばね306は、発射ハンドル300を第1位置に付勢しており、遊技者が発射ハンドル300を回動したのち手を離すと、発射ハンドル300が第1位置に戻るようになっている。
【0212】
図59に示すように、裏カバー部305の先端壁305Bには、筒形ベース部330側に突出した遮蔽板305Sが形成されている。遮蔽板305Sは、発射ハンドル300が回動するときに描く軌道に沿って湾曲している。この遮蔽板305Sは、発射ハンドル300が第1位置に配されているときに、筒形ベース部330のフォトセンサ338(図56参照)を作動させる位置に配されいてる。つまり、フォトセンサ338は、発射ハンドル300が第1位置に配されていること(即ち、発射ハンドル300が回動されていないことや、発射ハンドル300が第1位置に戻ったこと)を検知可能になっている。遊技機10は、このフォトセンサ338の検知結果によって、発射ハンドル300が回動されているか否かを判定し、遊技球の発射又は発射停止を行う。
【0213】
ここで、発射ハンドル300が回動されていないことを検知するスイッチが、メカスイッチである場合、遊技者が手を離して発射ハンドル300が第1位置に戻る際にそのメカスイッチを押し込む程度にトーションばね306の弾性力が必要になる。これに対して、本実施形態のようにフォトセンサ338を用いると、弾性力の小さいトーションばね306を使用することが可能となり、遊技者が発射ハンドル300を弱い力で回動させることが可能となる。なお、フォトセンサではなく、測距センサなど他の非接触センサを用いてもよい。
【0214】
また、従来は、1つのメカスイッチにより発射ハンドル300が回動されていないこと(発射ハンドル300が第1位置に戻ったこと)と発射停止スイッチ336の操作とを検知する構成であったが、本実施形態のように、別個のセンサ(スイッチ)を用いることで、発射停止スイッチ336の配置の自由度が増し、例えば、遊技者の操作が楽になる位置に発射停止スイッチ336を配置することが可能となる。さらに、発射停止スイッチ336にはメカスイッチ336Mが使用されているので、遊技者に発射停止スイッチ336を操作している感覚を与えやすくなっている。
【0215】
なお、この発射停止スイッチ336にも、メカスイッチ336Mではなくフォトセンサを使用してもよい。この場合、発射停止スイッチ336と、発射ハンドル300が第1位置に配されていることを検知するセンサとで、別々のフォトセンサを用いてもよいし、発射停止スイッチ336の操作部にフォトセンサ338を作動させる遮蔽板を設けるなどして、1つのフォトセンサで、発射停止スイッチの操作と、発射ハンドル300が第1位置に配されていることと、の両方を検知可能に構成してもよい。
【0216】
図56に示すように、裏カバー部305の張出壁305Cには、表カバー301の指掛け部301Fに対応して張り出し量が大きくなった拡張部305Dが設けられている。また、拡張部305Dの外縁には、リブ305Eが固定板金302側へ突出形成され、このリブ305Eは、筒部305Aに連絡している。
【0217】
図58及び図62に示すように、本実施形態では、裏カバー部305の張出壁305Cの外縁形状は、表カバー301の開口よりも僅かに小さくなっていて、張出壁305Cは、表カバー301の開口内に半分ほど嵌まり込んでいる。これにより、裏カバー部305の張出壁305Cの裏面は、表カバー301の開口の端面と、筒形ベース部330の先端面(先端ベース部335におけるフランジ部335Aの表カバー301側端面)との間に位置している。
【0218】
図62に示すように、発射ハンドル300のシャフト325には、環状溝325Dに金属製のEリング308が取り付けられている。このEリング308は、先端ベース部335におけるシャフト受容筒部335Hの端面と対向している。シャフト325の基端部325Cには、回動シャフト337のベース側連結部材337Aと連結するハンドル側連結部材309が取り付けられている。
【0219】
ハンドル側連結部材309は、ベース側連結部材337Aと同様に、シャフト325を受容する受容孔を有し、その受容孔の断面は、Eリング308側(筒形ベース部330の先端側)が円形になっていて、反対側(筒形ベース部330の基端側)がD字形になっている。そして、ハンドル側連結部材309の受容孔のD字形の部分にシャフト325のD字形の基端部325Cが嵌合することで、ハンドル側連結部材309がシャフト325と一体に回動する。
【0220】
図55に示されるハンドル側連結部材309の外面には、ベース側連結部材337Aの外面の歯車と噛合する歯車が形成されている。これにより、発射ハンドル300が回動すると、シャフト325の回動が回動シャフト337に伝達され、回転センサ337Sにより回動量が検出される。遊技機10は、回転センサ337Sが検出した発射ハンドル300の回動量により、遊技球の発射強度を調整する。なお、ベース側連結部材337A及びハンドル側連結部材309の外面の歯車は、発射ハンドル300の回動範囲と対応する範囲にのみ配されている。このように、本実施形態では、回転センサ337Sがシャフト325の側方に配した回動シャフト337の端部に配されているので、シャフト325の端部に配される場合よりも軸方向での省スペース化が図られる。
【0221】
本実施形態では、歯車が各連結部材337A,309の外面全体に配されていると仮定したときの歯数が、入力側であるハンドル側連結部材309の方が、出力側であるベース側連結部材337Aよりも1.25倍多くなっていて、ベース側連結部材337Aは1.25倍増速している。これにより、シャフト325が88度回動すると回動シャフト337が110度回動し、シャフト325の回動量よりも回動シャフト337の回動量が大きくなるので、回転センサ337Sの分解能を上げることができる。また、増速又は減速を利用することで、回転センサ及び発射強度を制御する制御部を変更せずに発射ハンドル300の回動範囲を変更することが可能となり、新機種の開発時に既存の構成を流用できる。
【0222】
図62及び図63に示すように、シャフト325のうち区画壁343から突出した部分には、固定パーツ310が取り付けられている。固定パーツ310は、シャフト325の軸上に配される平面視略円形の固定部311と、固定部311から平板状に張り出した支持突壁312と、を有している。支持突壁312は、固定部311の外縁の接線上に延びる第1側面312Aと、第1側面312Aと平行な第2側面312Bと、を有している。第2側面312Bは、固定部311の中心を通る架空の平行線より僅かに第1側面312A側に位置している。
【0223】
図64に示すように、固定部311には、裏面(区画壁343側の面)に、断面D字状のD字凹部311Aが設けられている。このD字凹部311Aにシャフト325のD字形の基端部325C(図60参照)が嵌合することで、固定パーツ310がシャフト325と一体に回動する。なお、D字凹部311Aは、D字の直線部が支持突壁312の延在方向と平行になる向きになっている。
【0224】
固定部311の中心には、貫通孔311Dが形成されている。また、固定部311には、D字凹部311Aの底面に端子用溝311Cが形成され、D字凹部311Aの側壁に切欠部311Bが形成されている。端子用溝311Cは、貫通孔311Dより支持突壁312側から固定部311の外縁まで、支持突壁312の延在方向と平行に延び、D字凹部311Aの側壁のうち端子用溝311Cとの交差部に切欠部311Bが形成されている。端子用溝311Cの一側面及び切欠部311Bの一側面は、支持突壁312の第2側面312Bと面一になっている。
【0225】
固定部311の表面(区画壁343と反対側の面)には、円筒突部311Eが設けられている。円筒突部311Eは、閉塞壁349の円環突部349B内に受容されている(図62参照)。
【0226】
図63及び図64に示すように、固定パーツ310の支持突壁312には、第2側面312Bから突出した円弧突部312Cが設けられている。円弧突部312Cは、外縁に、第2側面312Bの固定部311側端部から連続して湾曲する内側円弧312Dと、内側円弧312Dよりも曲率半径が大きく第2側面312Bに対して外方に膨らむ外側円弧312Eと、を有している。
【0227】
そして、支持突壁312には、円弧突部312Cの外側円弧312E及びその延長線に沿って延びる湾曲溝312Mが形成されている。湾曲溝312Mの一端は、円弧突部312Cの内側円弧312Dに開口し、他端は、支持突壁312の第1側面312Aに開口している。湾曲溝312Mの1対の対向内面には、溝内に突出する突部312Nが互いにずれて備えられている。
【0228】
支持突壁312は、湾曲溝312Mの1対の対向内面のうち外側の対向内面を有する規制壁312Hを備える。支持突壁312のうち規制壁312Hより外側は、ケーブル支持壁312Sとなっている。ケーブル支持壁312Sは、支持突壁312のうち湾曲溝312Mより内側部分よりも薄く、その表面は、湾曲溝312Mの底面と略同一面内に位置している。このケーブル支持壁312Sの端部は、区画壁343の周囲壁343Fに近接している。
【0229】
さて、本実施形態では、遊技者が発射ハンドル300に触れているか否かを上述した接触センサ344により検知可能となっている。そのために、発射ハンドル300のシャフト325と、筒形ベース部330の接触センサ344とが、ケーブル345(図65参照)により電気的に接続されている。図65及び図66に示すように、ケーブル345は、導体が樹脂被覆により覆われたケーブル本体345Aの両端に金属製のリング端子345Bが固定されてなる。
【0230】
リング端子345Bは、円環部345Cと、その一部から径方向に延びた直線部345Dと、を有している。直線部345Dは一対の突壁345Eを備え、樹脂被覆が除去されたケーブル本体345Aの端部(図66B参照)に、この突壁345Eが密着するようにかしめられることで、リング端子345Bがケーブル本体345Aに固定される。図66Cに示すように、リング端子345Bの突壁345Eが突出する側の面は、突壁345E及びケーブル本体345Aの分、直線部345Dが円環部345Cより膨らんだ状態になっている。詳細には、突壁345Eは、ケーブル本体345Aのうち樹脂被覆が除去された部分に密着する第1分断部345Fと、樹脂被覆が残った部分に密着する第2分断部345Gとに分断され、直線部345Dの端部より第1分断部345Fが膨らみ、第1分断部345Fより第2分断部345Gが膨らんでいる。一方、リング端子345Bの反対側の面は、略全体が平坦な平坦面345Hとなっている。なお、リング端子345Bは、ケーブル本体345Aの両端に同じ向きで取り付けられている。
【0231】
ケーブル345は、以下のようにしてシャフト325及び接触センサ344に固定される。まず、固定パーツ310の切欠部311Bを通してケーブル345の一端をD字凹部311A側に配する。そして、その一端のリング端子345Bを、突壁345E側の膨らみが固定パーツ310の端子用溝311Cに受容されるようにして、固定パーツ310のD字凹部311Aの底面に宛がう。このときリング端子345Bの円環部345Cの孔と、固定パーツ310の貫通孔311Dとが重なる。
【0232】
次いで、ケーブル本体345Aを、切欠部311B側から湾曲溝312Mに押し込み、ケーブル345を湾曲した状態に保持させる。これにより、ケーブル本体345Aは、発射ハンドル300の回転中心(即ち、固定パーツ310の回転中心)を中心とする円の接線方向に延びるように固定される。このとき、ケーブル345が湾曲溝312M内の突部312Nに押圧されることで、ケーブル345の保持が安定する。
【0233】
この状態で、固定パーツ310をシャフト325の基端部325Cに取り付ける。このとき、リング端子345Bの平坦面345Hがシャフト325の端面に当接するので、固定パーツ310がガタつきにくくなる。そして、リング端子345Bの円環部345C及び固定パーツ310の貫通孔311Dを通して基端部325Cのネジ孔にネジを締結することで、シャフト325の基端部325Cに固定パーツ310及びケーブル345の一端が固定される。
【0234】
その後、図65に示すように、ケーブル345を、湾曲溝312Mの延長線上を進むように円弧状に湾曲させて取り回し、1周したところで、固定パーツ310の規制壁312Hと区画壁343の周囲壁343Fとの間を通過させる。さらに半周程させたところで、ケーブル345の他端のリング端子345Bの平坦面345Hを接触センサ344の金属端子に重ね、リング端子345Bの円環部345C及び接触センサ344の金属端子の穴を通して区画壁343のネジ止め筒部343Eにネジを締結することで、接触センサ344にケーブル345の他端が固定される。
【0235】
上記構成により、発射ハンドル300におけるカバー本体301Aのメッキ層が、固定板金302、シャフト325及びケーブル345を介して接触センサ344に電気的に接続され、遊技者が発射ハンドル300に触れているか否かの検知が可能となる。
【0236】
ここで、固定パーツ310を含む発射ハンドル300が、接触センサ344を含む筒形ベース部330に対して回動することで、ケーブル345が引っ張られたり、擦れたりして断線してしまうことが懸念される。特に、ケーブル本体345Aのうちリング端子345Bの端部に当接する部分や固定パーツ310や接触センサ344に固定された部分が断線しやすくなると考えられる。
【0237】
これに対して、本実施形態では、ケーブル本体345Aのうちリング端子345Bの端部に当接する部分がその周辺部を含めて固定パーツ310に保持されているので、リング端子345Bによりケーブル本体345Aが擦れて断線することが防がれる。また、ケーブル345が、固定パーツ310や接触センサ344に固定された部分の相対移動方向に沿って延びるように湾曲溝312Mにより固定されているので、無理な角度の屈曲部が生じにくくなり、ケーブル345が断線しにくくなる。また、湾曲溝312M内に突出した突部312Nよりケーブル345が波状に固定されるので、ケーブル345への当りが分散され、ケーブル345にかかる負荷が小さくなり、断線しにくくなる。また、他の固定部品(蓋やネジ等)を用いるより部品点数を減らすことが可能である。
【0238】
さらに、ケーブル345は、発射ハンドル300の回転中心周りに1.5回転程巻回されているので、発射ハンドル300が回動されるときに、ケーブル345は円を窄めるように又は広げるように移動しやすくなる。これにより、ケーブル345に無理な角度の屈曲部がより生じにくくなる。また、区画壁343の周囲壁343Fによりケーブル345の側方への広がりが規制されるので、ケーブル345を周囲の部品に引っかかりにくくすることができる。
【0239】
また、ケーブル345のシャフト325と接続する一端から一周する部分において、ケーブル345の外側の円弧が固定パーツ310の規制壁312Hにより内側の円弧と区画されているので、ケーブル345が絡まりにくくなる。よって、ケーブルが絡まった状態で回転部材が回転されてケーブルが無理に引っ張られて破損するという問題が生じにくくなる。
【0240】
組み付けの緩みや遊び等のために区画壁343に対して固定パーツ310が軸方向で離れる方向に動くと、固定パーツ310と区画壁343との間にケーブル345が潜り込む可能性があり、ケーブル345が断線することが考えられる。これに対して、固定パーツ310には規制壁312Hの外側に、周囲壁343Fに近接する位置まで延びるケーブル支持壁312Sが配され、ケーブル345がケーブル支持壁312Sより閉塞壁349側に維持されるので、ケーブル345が例えば固定パーツ310と区画壁343との間に挟まったり、他の部品に引っかかったりすることが防がれ、ケーブル345を断線しにくくすることができる。
【0241】
また、ケーブル345がねじれていると、ケーブル345の取り回しが困難になり、発射ハンドル300が回動されたときにケーブル345が無理にねじれたり予期せぬ方向に移動して周囲の部品に引っ掛かり断線しやすくなることが考えられるところ、端子用溝311Cにより固定パーツ310に対するリング端子345Bの向きが定められるので、ケーブル345がねじれた状態で取り付けられにくくなり、断線しにくくなる。
【0242】
なお、ケーブル345の巻き数は、1周以下であってもよいし、2周以上であってもよい。また、本実施形態では、ケーブル345が、発射ハンドル300が第1位置から第2位置へ向けて回動されるときに、円が窄まる(巻きがきつくなる)ように取り回されているが、円が広がる(巻きがゆるくなる)ように取り回されていてもよい。また、回動する部材に接続されるケーブル345を円弧状に湾曲させる構成は、例えば、回動する演出部品等に適用されてもよい。
【0243】
次に、発射ハンドル300を筒形ベース部330に取り付ける手順を説明する。まず、発射ハンドル300にベース固定部材340が内蔵された状態で、先端ベース部335のシャフト受容筒部335Hに発射ハンドル300のシャフト325を挿通し、ベース固定部材340と先端ベース部335とをネジ止めする。すると、表カバー301の筒部305Aの一部が先端ベース部335に嵌合し、先端ベース部335のフランジ部335Aと、裏カバー部305の張出壁305Cとが対向した状態になる。また、シャフト325の環状溝325Dは、シャフト受容筒部335Hより僅かに基端側に位置した状態となる。
【0244】
そして、シャフト325の環状溝325Dに金属製のEリング308が取り付けられ、Eリング308とシャフト受容筒部335Hの端面とが対向する。次いで、シャフト325に、ハンドル側連結部材309が取り付けられるとともに、回動シャフト337にベース側連結部材337Aが取り付けられる。
【0245】
次に、ベース本体331を先端ベース部335とネジ止めしたのち、区画壁343をシャフト325に挿通させてベース本体331にネジ止めする。次いで、シャフト325のうち区画壁343から突出した部分に、固定パーツ310を、ケーブル345の一端が保持された状態で嵌合させ、シャフト325の基端部325Cにネジを締結する。そして、ケーブル345を、図63における時計回りに1周半程取り回したのち、ケーブル345の他端を接触センサ344の金属端子に重ね、ネジ止め筒部343Eにネジを締結する。
【0246】
閉塞壁349がベース本体331にネジ止めされることで、筒形ベース部330及び発射ハンドル300が完成する。そして、筒形ベース部330がベース壁355の陥没部357に収容され、裏側からネジ止めされて、ハンドルユニット350が完成する。
【0247】
ところで、遊技者によっては、遊技球の発射強度を保って遊技球の発射を続けたまま発射ハンドル300から手を離すために、筒形ベース部330と発射ハンドル300との間に硬貨等を差し込むことがある。筒形ベース部330と発射ハンドル300との間に硬貨等を差し込まれると、発射ハンドル300に傷がつき、発射ハンドル300の意匠が低下することが懸念される。特に、遊技者の目につきやすい表カバー301に傷がついたり、メッキ層が剥がれると、発射ハンドル300の意匠が著しく低下する。また、メッキ層が剥がれ、表カバー301から浮いた状態になると、その先端部により遊技者が怪我をしてしまうことも考えられる。
【0248】
これに対して、本実施形態の遊技機10では、発射ハンドル300に裏カバー部305が設けられ、裏カバー部305の張出壁305Cの後面が、表カバー301の開口の端面と、筒形ベース部330の先端面との間に位置し、筒形ベース部330の先端面と対向している。これにより、筒形ベース部330と発射ハンドル300との間に硬貨等を差し込もうとすると、硬貨等は、発射ハンドル300のうち裏カバー部305の張出壁305Cと擦れるので、表カバー301には傷が付きにくくなり、発射ハンドル300の意匠の低下が抑制される。また、裏カバー部305の張出壁305Cは、表カバー301の指掛け部301F内にも張り出しているので、表カバー301の指掛け部301F内にも傷が付きにくくなっている。そして、メッキ層も剥がれにくくなるので、意匠の低下や遊技者の怪我が防がれる。
【0249】
また、裏カバー部305は、表カバー301の開口内に嵌まり込んでいるので、裏カバー部305を表カバー301の開口に重ねた場合よりも、裏カバー部305が目立ちにくく、発射ハンドル300の見た目をすっきりすることができる。
【0250】
ところで、筒形ベース部330と発射ハンドル300との間に硬貨等が差し込まれると、発射ハンドル300が筒形ベース部330から離れる方向に荷重を受ける。このとき、発射ハンドル300に内蔵されているベース固定部材340が先端ベース部335から離れる方向に引っ張られ、ベース固定部材340における脚部340C内の雌螺子のネジ山がネジによりつぶれることが懸念される。
【0251】
これに対して、本実施形態では、発射ハンドル300のシャフト325に取り付けられたEリング308が、先端ベース部335のシャフト受容筒部335Hの端面に裏側から対向しているので、発射ハンドル300が筒形ベース部330から離れる方向に荷重を受けると、Eリング308がシャフト受容筒部335Hの端面に当接し、発射ハンドル300が筒形ベース部330から離れる方向に動くことが防がれる。よって、ベース固定部材340の雌螺子のネジ山がつぶれることが防がれ、筒形ベース部330に対する発射ハンドル300の支持が安定する。また、仮にベース固定部材340のネジ山がつぶれたとしても、Eリング308がシャフト受容筒部335Hの端面に対向しているので発射ハンドル300が筒形ベース部330から抜け落ちることが防がれ、遊技を行うことが可能となる。
【0252】
さらに、本実施形態には、差し込まれた硬貨等を外しやすくするために、図67及び図68に示すように、裏カバー部305の張出壁305Cの後面と、筒形ベース部330の先端面(先端ベース部335の先端面)とに、突部300T,330Tが形成されている。裏カバー部305の突部300Tは、発射ハンドル300の回転軸300Jと直交する方向の外方へ膨らむ半円状をなし、筒形ベース部330の突部330Tは、裏カバー部305の突部300Tより長く、先端が半円状になっている。
【0253】
また、各突部300T,330Tは3つずつ等間隔に配置されている。発射ハンドル300が第1位置に配された状態では、裏カバー部305の各突部300Tは、筒形ベース部330の各突部330Tよりも、発射ハンドル300を第1位置から第2位置に回動する向きにおいて、10~15°程前方に位置している(図68A参照)。発射ハンドル300が第2位置まで回動されると、裏カバー部305の各突部300Tは、発射ハンドル300を第1位置から第2位置に回動する向きにおいて、筒形ベース部330の各突部330Tよりも10~15°程後方の位置まで移動する(図68B参照)。つまり、発射ハンドル300の突部300Tは筒形ベース部330の2つの突部330Tの間における一端寄り位置から他端寄り位置までの間を移動可能になっている。
【0254】
筒形ベース部330と発射ハンドル300との間に差し込まれた硬貨等を外す際は、まず、裏カバー部305の突部300Tを硬貨等に近づけるように発射ハンドル300を回転させる。そして、突部300Tが硬貨等に当接したのちそのまま発射ハンドル300を回転させ、硬貨等を周方向に押し込む。そして、硬貨等が筒形ベース部330の突部330Tに当接するまで押し込まれたのち、さらに発射ハンドル300を回転させると、裏カバー部305の突部300Tの円弧に沿って硬貨等が外方へ押し出されて硬貨等が外れる。
【0255】
このように、本実施形態によれば、発射ハンドル300の回転操作により遊技者や遊技ホールの店員等が、差し込まれた硬貨等を容易に取り出すことが可能となる。しかも、各突部300T,330Tは等間隔に複数ずつ配され、周方向のほとんどの範囲で裏カバー部305の突部300Tが移動するので、発射ハンドル300の周方向の略全体で硬貨を取り出し可能となる。なお、突部300T,330Tは、発射ハンドル300と筒形ベース部330との一方のみに配されていてもよい。また、突部300T,330Tは、硬貨等が差し込まれやすい前側や上側のみに配されていてもよい。
【0256】
また、発射ハンドル300の変形例として、発射ハンドル300の軸を球状にして、その球面に沿った受容部を備えるベース部材に受容させることで、発射ハンドル300の向きをフレキシブルに変えられる構成としてもよい。この場合、遊技者自身が持ちやすい角度に調整したり、疲れたら角度を変えることが可能になる。
【0257】
<付記>
以下、上記実施形態から抽出される特徴群について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、これら特徴群は、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0258】
[第1の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、例えば、特開2012-170615号公報(段落[0051]、図15)には、遊技球に糸やピアノ線等の不正操作用糸を取り付けた操作線付き遊技球による不正行為を規制するために発射装置に切断手段を備える遊技機が開示されている。上述した従来の遊技機において、不正行為を効果的に防止できないことがあり、その対策が求められている。これに対し、本特徴群によれば、従来よりも不正行為を効果的に防止することができる。
【0259】
[特徴1]
発射装置から遊技領域への進入口まで斜め上下方向に延びる発射案内路と、前記発射案内路の途中位置から下方に分岐するファール球排出路とを備え、
前記発射装置から発射される遊技球は、前記ファール球排出路への分岐口を飛び越えて通過する一方、前記進入口に到達せずに引き返す遊技球は、前記ファール球排出路に受容されてファール球として前面に排出される遊技機において、
前記ファール球排出路を経由して遊技機の内外に亘って通される不正操作用糸を切断するための切断手段が、前記分岐口の開口縁に備えられている遊技機。
【0260】
特徴1によれば、不正操作用糸によって連結された2個の遊技球の一方が、発射力を抑えて打ち出されてファール球排出路から遊技機の前面に排出され、他方が、遊技領域に到達した場合に、不正操作用糸には、ファール球排出路への分岐口から上方の遊技領域へと引っ張られる張力と、分岐口から下方でかつ前方に引っ張られる張力とが働くため、不正操作用糸は、分岐口の開口縁に到達し、切断手段に当接して切断されるので、ファール球排出路を利用した不正行為を効果的に防止できる。
【0261】
[特徴2]
前記切断手段は、前記分岐口のうち前記発射装置から離れた側に配置されると共に、前記発射装置から離れるに従って徐々に接近する1対の刃部を有する特徴1に記載の遊技機。
【0262】
[特徴3]
前記ファール球排出路には、前記分岐口を上端に備える始端部と、前記始端部に後方又は前方から接続されかつ前記発射装置から離れる側に延びる第1中間部と、が含まれ、
前記切断手段は、前記分岐口のうち前記始端部と前記第1中間部との間の角部に配置されている特徴2に記載の遊技機。
【0263】
[特徴4]
前記切断手段には、
溝形切欠部を有する第1の平板部品と、
前記第1の平板部品における前記溝形切欠部の両側の1対の対向部のうち一方の対向部に重ねられる第2の平板部品と、
前記第1の平板部品の前記1対の対向部のうち他方の対向部と前記第2の平板部品との間に形成されるV形隙間とが備えられ、
前記他方の対向部及び前記第2の平板部品のV形に交差する1対のエッジ部が、前記1対の刃部になっている特徴2又は3に記載の遊技機。
【0264】
特徴2~4によれば、不正操作用糸の一端が、分岐口から斜め上方にかつ発射装置と反対側に引っ張られ、他端が、分岐口から発射装置と反対側にかつ前方に引っ張られるので、不正操作用糸は分岐口のうち前記発射装置から離れた側の開口縁に到達しやすなる。よって、その位置に1対の刃部が配置されることで不正操作用糸を切断しやすくなる。
【0265】
[特徴5]
前記発射案内路のうち前記分岐口より前記発射装置側となる部分と前記ファール球排出路との間に、弾性部材で構成される弾性仕切壁が備えられている特徴1から特徴4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0266】
特徴5によれば、分岐口より発射装置側となる部分とファール球排出路との間に弾性仕切壁を備えているので、発射装置から発射された後、進入口に到達せずに引き返す遊技球を、ファール球排出路に案内するようにして、発射装置側に戻りにくくすることができる。
【0267】
[特徴6]
前記発射案内路のうち前記分岐口より発射装置側となる部分から下方に分岐し、遊技機の前面下部の排出口に遊技球を案内する下方案内路が備えられている特徴1から特徴5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0268】
特徴6によれば、分岐口より発射装置側となる部分から下方に分岐し、遊技機の前面下部の排出口に遊技球を案内する下方案内路を備えているので、発射装置から発射された後、ファール球排出路の上方にも到達しなかった遊技球を発射装置に戻らないようにして排出することができる。
【0269】
[特徴7]
前記発射案内路のうち前記分岐口より発射装置側となる部分には、前記発射案内路を挟んで前後方向で対向する1対の対向面から突出して前記発射案内路の幅を絞る1対の幅絞り突部が備えられている特徴1から特徴6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0270】
特徴7によれば、発射案内路のうち分岐口より発射装置側となる部分に、発射案内路の幅を絞る1対の幅絞り突部を備えているので、ファール球を分岐口における発射装置寄り側に落下することを抑制してファール球排出路に誘導しやすくなっている。
【0271】
[第1の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、発射装置:発射装置40、進入口:進入口92K、発射案内路:第1及び第2発射通路94,95と球誘導路93、ファール球排出路:ファール球排出路96、分岐口:ファール球排出路96の上方、不正操作用糸:不正操作用糸W1、切断手段:切断手段120、1対の刃部:1対の刃部124H,125H、始端部:始端部96A、第1中間部:第1中間部96B、溝形切欠部:溝形切欠部124、第1の平板部品:第1の平板部品121、一方の対向部:対向部124A、第2の平板部品:第2の平板部品125、他方の対向部:対向部124B、V形隙間:V形隙間120S、弾性仕切壁:弾性仕切壁74、下方案内路:下方案内路97、1対の幅絞り突部:1対の幅絞り突部76A,76B
【0272】
[第2の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、例えば、特開2003-190434号公報(段落[0012])には、遊技者が操作可能な操作部を動力により変動させる構成が開示されている。上述した従来の遊技機において、操作部に触れている遊技者にしかその変動に気づかせることができないという問題があり、その対策が求められている。これに対し、本特徴群によれば、操作部に触れていない遊技者にも変動を認識させ易くすることができる。
【0273】
[特徴1]
遊技者に操作されて移動する操作部と、
前記操作部を移動可能に支持する支持部と、
前記支持部に取り付けられ、前記支持部に動力を付与する第1動力源とを備え、
前記第1動力源の動力が前記支持部及び前記操作部を介して前記遊技者に伝達可能な遊技機。
【0274】
特徴1によれば、遊技者が操作する操作部ではなく、操作部を支持する支持部に第1動力源が備えられているので、支持部を介して操作部にもその動力による変動が生じ、操作部に触れている遊技者にその変動を認識させることができるだけでなく、支持部を介して遊技機の他の構成部材にもその動力による変動が生じやすくなり、操作部に触れていない遊技者にも第1動力源の動力による変動を認識させ易くすることができる。
【0275】
[特徴2]
前記第1動力源には、回転駆動源と、前記操作部の移動方向と交差する方向に延びる回転軸を中心に前記回転駆動源により回転駆動される偏心錘とが含まれる特徴1に記載の遊技機。
【0276】
特徴2によれば、第1動力源の動力により、操作部の移動方向と交差する方向への移動を生じやすくなり、操作部に触れている遊技者にその変動を認識させやすくすることができる。
【0277】
[特徴3]
前記操作部は、前記支持部に直動可能に嵌合されている特徴1又は2に記載の遊技機。
【0278】
[特徴4]
前記操作部は、前記支持部にヒンジ連結されている特徴1又は2に記載の遊技機。
【0279】
遊技者の操作による支持部に対する操作部の移動は、特徴3のように、直動する構成であってもよいし、特徴4のように、ヒンジ連結されて回動する構成であってもよい。
【0280】
[特徴5]
前記操作部は、下端開放の容器構造をなすと共に透過性の天井壁を有し、
前記支持部に固定されて前記天井壁に下方から対向する固定装飾部と、
前記天井壁の下方で、前記固定装飾部の一部を上方から覆う可動装飾部と、
前記固定装飾部より下方の視認困難な位置に配置される第2動力源と、
前記固定装飾部に形成される貫通孔又は前記固定装飾部の側方を通して、前記第2動力源と前記可動装飾部の間を連絡し、前記可動装飾部を移動させる動力を、前記第2動力源から前記可動装飾部に伝達する動力伝達部と、を備える特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0281】
特徴5によれば、支持部に固定された固定装飾部の下方に配置された第2動力源の動力を、固定装飾部の一部を上方から覆う可動装飾部に伝達することができるので、操作部の内側で、固定装飾部の上方で可動装飾部のみが第2動力源の動力により変動するという今までにない演出を行うことができる。
【0282】
[特徴6]
前記可動装飾部の少なくとも一部は、透過性を有し、
前記固定装飾部のうち前記可動装飾部を通して視認可能な部分に、発光手段が備えられている特徴5に記載の遊技機。
【0283】
[特徴7]
前記可動装飾部には、前記操作部の操作を促す意味を有する装飾が施されている特徴5又は6に記載の遊技機。
【0284】
特徴6によれば、可動装飾部の透過性を有する領域を発光させることができる。また、固定装飾部のうち可動装飾部を通して視認可能な領域にも注目させることができる。そして、特徴7によれば、操作部の操作を遊技者に促したいときに発光させることで、遊技者もスムーズに遊技を行うことができる。
【0285】
[特徴8]
前記可動装飾部は、弾性体によって移動可能に支持され、前記操作部に対する操作力によって前記可動装飾部が移動する特徴5から7の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0286】
特徴8によれば、可動装飾部の動きに多様性をもたらすことが可能となる。
【0287】
[特徴9]
前記操作部と前記支持部とを含む操作ユニットと、
前記操作ユニットが着脱可能に取り付けられ、遊技機の外壁の一部を構成する外壁構成部とを備え、
前記外壁構成部は、その外面側で螺合操作可能な複数の螺子を外すことで遊技機本体から離脱可能であり、
前記操作ユニットは、前記外壁構成部の内面側から螺合操作可能な複数の螺子を外すことで前記外壁構成部から離脱可能である特徴1から8の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0288】
特徴9によれば、修理や点検の際に操作ユニット単体で交換が可能となり費用を抑えることができる。
【0289】
[第2の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、操作部:操作部160、支持部:支持部162、第1動力源:第1モータ83、回転軸:回転出力軸84J、偏心錘:偏心錘87B、天井壁:天井壁161D、固定装飾部:固定装飾部164、可動装飾部:可動装飾部163、第2動力源:第2モータ84、動力伝達部:可動ベース168、発光手段:LED基板165A、弾性体:コイルバネ88、操作ユニット:操作ユニット150、外壁構成部:外壁構成部140、遊技機本体:下前面構成部55A
【0290】
[第3の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2007-029596号公報(図1及び図6等)には、遊技球を発射するために回転操作されるハンドルを備えるものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、趣向性の高いハンドルの開発が求められている。これに対し本発明群によれば、ハンドルの回転軸が前後方向に延び、ハンドルを左右方向で回転させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者に斬新さを感じさせることができ、ハンドルの趣向性が向上する。
【0291】
[特徴1]
遊技球を発射するために回転操作されるハンドルの回転軸が、遊技機の前後方向と交差する方向と平行に配置されている遊技機。
【0292】
特徴1によれば、ハンドルの回転軸が前後方向に延び、ハンドルを左右方向で回転させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者に斬新さを感じさせることができ、ハンドルの趣向性が向上する。
【0293】
[特徴2]
前記ハンドルを把持する手を置くことが可能な手置き部を備え、
前記手置き部の上面は、少なくとも一部が、手が前記ハンドルからずれることを抑えるように凹状になっている特徴1に記載の遊技機。
【0294】
特徴2によれば、手置き部にハンドルを把持する手を置くことができ、手腕を疲れにくくすることができる。さらに、手置き部が凹状になっていて手がハンドルからずれにくくなっているので、長時間遊技していても、ハンドルを把持する姿勢を維持しやすくなる。
【0295】
[特徴3]
前記凹状の上縁が、前方に向かうにつれて前記ハンドルから離れるように傾斜している特徴2に記載の遊技機。
【0296】
ハンドルを回転する際、指をハンドルにかけ、手のひらをハンドルから離した状態で回転させた方が、手首をあまり反らさなくてよく、楽な姿勢になると考えられる。この場合、手の外面は前方(即ち、遊技者側)に向かうにつれて前記ハンドルから離れるように傾斜するので、特徴3の構成とすることで、手置き部の凹状面を手の外面に沿わせることができる。
【0297】
[特徴4]
前記手置き部の表面はすべり止め手段を備える特徴2又は3に記載の遊技機。
【0298】
特徴4によれば、手をよりすべりにくくすることができる。
【0299】
[特徴5]
前記ハンドルは、ドーム状の表カバーを有し、そのドーム天井部が遊技機の斜め横方向を向いている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0300】
[特徴6]
前記ハンドルの回転軸は、遊技機の前後方向と左右方向との両方に対して傾斜している特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0301】
[特徴7]
前記ハンドルは遊技機の前面の右下部に配され、前記ハンドルの回転軸は左右方向に対して1度~30度前方に傾斜している特徴6に記載の遊技機。
【0302】
特徴5~7によれば、ハンドルに手が斜め横方向から宛がわれ、その手を斜め前後方向で回動させる構成となり、前方からハンドルを把持して左右方向で回動させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者により斬新さを感じさせることができる。また、この構成によれば、従来よりも手首を返さなくてよくなり、手腕を疲れにくくすることができる。さらに、特徴7のように、遊技機の前面の右下部に配されたハンドルの回転軸を左右方向に対して1度~30度前方に傾斜した構成とすることで、手腕の内面を内側に向けて前方に出した右手でハンドルを回転させると、従来よりも手首の反りやひねりが小さくなるので、手腕がより疲れにくくなる。
【0303】
[第3の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、ハンドル:発射ハンドル300、手置き部:手置き部360、すべり止め手段:細かい凹凸、表カバー:表カバー301
【0304】
[第4の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2009-160164号公報(段落[0028]及び図1等)には、ハンドルから風が噴出され、ハンドルを把持する手に風を吹き付ける送風演出を行うことが可能なものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、送風演出の趣向性を向上することが求められている。これに対し本発明群によれば、ハンドルを把持する手腕に風が前後方向と交差する方向から吹き付けられるので、ハンドルから風が噴出される送風演出に慣れた遊技者の意表を突くことができ、送風演出の趣向性が向上する。
【0305】
[特徴1]
遊技球を発射するために把持されて回転操作されるハンドルを備える遊技機において、
前後方向と交差する方向に風を噴出して、前記ハンドルを把持する手腕に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【0306】
特徴1によれば、ハンドルを把持する手腕に風が前後方向と交差する方向から吹き付けられるので、ハンドルから風が噴出される送風演出に慣れた遊技者の意表を突くことができ、送風演出の趣向性が向上する。
【0307】
[特徴2]
前記送風部は、前記手腕に対して遊技機の左右方向の内側から風を吹き付ける特徴1に記載の遊技機。
【0308】
一般的に、ハンドルを回転すると、手腕の内面が遊技機の左右方向の内側を向くと考えられるところ、特徴2によれば、遊技機の左右方向の内側から風が吹き付けられるので、風が皮膚の薄い手腕の内面に当たることとなり、風を感知しやすくすることができる。また、遊技機の左右方向の内側から風が吹き付けられるので、隣の遊技者も風を感知し得り、隣の遊技者にもその台に興味を持たせることが可能となる。
【0309】
[特徴3]
遊技球を発射するために把持されて回転操作されるハンドルを備える遊技機において、
前記ハンドルを把持する手腕の内面に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【0310】
[特徴4]
前記送風部は、前記手腕のうち手首の内面に風を当てることが可能である特徴3に記載の遊技機。
【0311】
特徴3によれば、風が皮膚の薄い手腕の内面に当たることとなり、風を感知しやすくすることができる。また、特徴4によれば、手腕の内面の中でも特に皮膚の薄い手首の内面に風が当たるので、風をより感知しやすくすることができる。
【0312】
[特徴5]
遊技球を発射するために回転操作されるハンドルの回転軸が、遊技機の前後方向と交差する方向と平行に配置されていて、
前記ハンドルを把持する手腕に風を吹き付けることが可能な送風部を備える遊技機。
【0313】
[特徴6]
前記ハンドルの回転軸が、遊技機の前後方向と交差する方向と平行に配置されている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0314】
特徴5及び6によれば、ハンドルの回転軸が前後方向に延び、ハンドルを左右方向で回転させる遊技機ばかり遊んでいる遊技者に斬新さを感じさせることができる。さらに、ハンドルに斬新さを感じている遊技者の手腕に風を吹き付けることにより、遊技者の意表を突くことができる。
【0315】
[特徴7]
遊技者が前記ハンドルに接触していないときには前記送風部を作動しないように制御する制御部を備える特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0316】
遊技者がハンドルに接触していない状態で風を噴出すると、遊技者の手腕に風が当たらず周囲に広がるため、周りの人に不快感を感じさせ得る。これに対して特徴7によれば、遊技者がハンドルに接触していないときには送風部が作動しないので、そのような問題の発生が防がれる。
【0317】
[第4の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、ハンドル:発射ハンドル300、送風部:軸流ファン370
【0318】
[第5の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2007-029596号公報(図9及び図10等)には、筒形ベースの先端に配置されて、遊技球を発射するために回転操作されるハンドルを備えるものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、筒形ベースとハンドルとの間に硬貨等が差し込まれた際に、ハンドルに傷が付きハンドルの意匠が低下することを抑制することが求められている。これに対し本発明群によれば、筒形ベースとハンドルとの間に硬貨等を差し込もうとすると、硬貨等はハンドルのうち裏カバー部と擦れるので、遊技者が把持するドーム状の表カバーには傷が付きにくくなる。つまり、ハンドルのうち目立つ部品には傷が付きにくくなるので、ハンドルの意匠の低下を抑制することができる。
【0319】
[特徴1]
筒形ベースの先端に配置されて、遊技球を発射するために回転操作されるハンドルを備える遊技機であって、
前記ハンドルは、
ドーム状の表カバーと、
前記表カバーの開口端部に配され、少なくとも一部が前記表カバーと前記筒形ベースの先端面との間に位置する裏カバー部と、を備える遊技機。
【0320】
特徴1によれば、筒形ベースとハンドルとの間に硬貨等を差し込もうとすると、硬貨等はハンドルのうち裏カバー部と擦れるので、遊技者が把持するドーム状の表カバーには傷が付きにくくなる。つまり、ハンドルのうち目立つ部品には傷が付きにくくなるので、ハンドルの意匠の低下を抑制することができる。
【0321】
[特徴2]
前記表カバーは、表面にメッキ層を有し、前記裏カバー部はメッキ層を有しない特徴1に記載の遊技機。
【0322】
特徴2のように表カバーがメッキ層を有する場合、メッキ層が削れると目立ちやすく、ハンドルの意匠が著しく低下することが考えられるところ、本特徴によれば、そのような問題の発生が防がれる。
【0323】
[特徴3]
前記筒形ベースの先端面と、それに対向する前記裏カバー部の端面との少なくとも一方には、相互の間に硬貨が差し込まれた状態で前記ハンドルを回転すると前記硬貨に当接して前記硬貨を押し出す突部が形成されている特徴1に記載の遊技機。
【0324】
特徴3によれば、遊技者や遊技ホールの店員等が、差し込まれた硬貨を容易に取り出すことができる。
【0325】
[特徴4]
前記突部は、前記筒形ベースの先端面と、それに対向する前記裏カバー部の端面とに複数かつ同数ずつ配され、
前記裏カバー部の各前記突部は、前記ハンドルの回転範囲の全体で前記筒形ベースの2つの前記突部間内を回動し、前記ハンドルの回転範囲の一端では、前記2つの前記突部の一方寄り位置に配され、前記ハンドルの回転範囲の他端では、前記2つの前記突部の他方寄り位置に配される特徴3に記載の遊技機。
【0326】
特徴4によれば、ハンドルの周方向の略全体において、突部により硬貨を取り出し可能となる。
【0327】
[特徴5]
前記表カバーは、側方に膨出した複数の指掛け部を有し、
前記表カバーの開口縁には、前記指掛け部に対応する部分に側方に膨出した膨出部が設けられ、
前記裏カバー部は、前記膨出部まで塞いでいる特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0328】
特徴5によれば、表カバーの膨出部にも傷が付きにくくなる。
【0329】
[特徴6]
前記裏カバー部は、前記表カバーの前記開口内に嵌まり込んでいる特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0330】
特徴6によれば、裏カバー部が表カバーの開口内に嵌まり込んでいるので、裏カバー部が目立ちにくく、ハンドルの見た目をすっきりすることができる。
【0331】
[第5の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、筒形ベース:筒形ベース部330、ハンドル:発射ハンドル300、表カバー:表カバー301、裏カバー部:裏カバー部305、突部:突部300T,330T、指掛け部:指掛け部301F
【0332】
[第6の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2007-029596号公報(段落[0036]等)には、ベース部材と、ベース部材に対して一定の規制角度内で相対回転する回転部材と、を備えるものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、ベース部材と回転部材とにケーブルが固定される場合に、回転部材が回転してもケーブルを断線しにくくすることが求められている。これに対し本発明群によれば、ケーブルの回転部材に固定された部分の移動方向に沿って延びるようにケーブルが固定されているので、ケーブルの回転部材に固定された部分に無理な角度の屈曲部が生じにくくなり、ケーブルが断線しにくくなる。
【0333】
[特徴1]
ベース部材と、前記ベース部材に対して一定の規制角度内で相対回転する回転部材と、前記ベース部材と前記回転部材とに固定されるケーブルとを備える遊技機であって、
前記ケーブルは、前記回転部材に対し、その回転中心を中心とする円の接線方向に延びるように固定されかつ前記回転中心を中心とする円弧状に湾曲している遊技機。
【0334】
特徴1によれば、ケーブルの回転部材に固定された部分の移動方向に沿って延びるようにケーブルが固定されているので、ケーブルの回転部材に固定された部分に無理な角度の屈曲部が生じにくくなり、ケーブルが断線しにくくなる。
【0335】
[特徴2]
前記ケーブルは、前記ベース部に対して、前記回転中心を中心とする円の接線方向に延びるように固定されている特徴1又は2に記載の遊技機。
【0336】
特徴2によれば、ケーブルのベース部に固定された部分にも無理な角度の屈曲部が生じにくくなり、ケーブルが断線しにくくなる。
【0337】
[特徴3]
前記ケーブルは、前記規制角度の一端で前記回転中心の周りに1.1回転以上巻回される円弧状に湾曲している特徴1に記載の遊技機。
【0338】
特徴3によれば、ケーブルが1.1回転以上巻回されているので、ケーブルは、円を窄めるように又は広げるように移動しやすくなる。これにより、ケーブルに無理な角度の屈曲部がより生じにくくなる。
【0339】
[特徴4]
前記回転部材に設けられ、前記1.1回転以上巻回される前記ケーブルの内側の円弧と外側の円弧との間に配置される区画壁を備える特徴3に記載の遊技機。
【0340】
ケーブルが絡まった状態で回転部材が回転されると、ケーブルが無理に引っ張られて破損することが考えられるところ、特徴4によれば、ケーブルが絡まることが防がれるので、そのような問題の発生が防がれる。
【0341】
[特徴5]
前記回転部材に設けられ、前記ケーブルを前記回転部材の回転軸の軸方向の少なくとも一方側から支持するケーブル支持壁が備えられている特徴3又は4に記載の遊技機。
【0342】
特徴5によれば、ケーブルをケーブル支持壁の他方側の部品に引っかかりにくくすることができる。
【0343】
[特徴6]
前記ベース部材には、前記回転部材を包囲し、前記ケーブルの側方への拡がりを規制する包囲壁が備えられている特徴3から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0344】
特徴6によれば、ケーブルを周囲の部品に引っかかりにくくすることができる。
【0345】
[特徴7]
前記回転部材は、遊技球を発射するために回転操作されるハンドルと一体回転し、
前記ケーブルは、前記ハンドルに備えたタッチセンサに接続される特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0346】
上記特徴は、特徴7のようにハンドルに適用することが考えられるが、例えば、回動する演出部品等に適用されてもよい。
【0347】
[第6の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、ベース部材:区画壁343、回転部材:固定パーツ310、ケーブル:ケーブル345、区画壁:規制壁312H、ケーブル支持壁:ケーブル支持壁312S、包囲壁:周囲壁343F、ハンドル:発射ハンドル300、タッチセンサ:接触センサ344
【0348】
[第7の特徴群]
本開示は、遊技機に関し、例えば、特開2009-148612号公報(段落[0002]、[0045]及び図6)には、払出口から排出される遊技球を貯留可能であると共に発射装置への球供給口に向けて案内可能な前面皿の底面に余剰の遊技球を排出する球抜孔を備える遊技機が開示されている。上述した従来の遊技機において、球抜孔が開放状態にあると、払出口から払い出された遊技球が球抜孔から排出されて、発射装置に遊技球を供給できない事態が生じることがあるため、その対策が求められている。これに対し、本特徴群によれば、球抜孔が開放状態にあっても発射装置に遊技球を供給できないという事態を生じにくくすることができる。
【0349】
[特徴1]
払出口から排出される遊技球を貯留可能であると共に発射装置への球供給口に向けて案内可能な前面皿と、前記前面皿の底面に開閉可能に設けられる球抜孔とを備える遊技機において、
前記前面皿は、前記払出口から排出される遊技球が前記球抜孔を避けて前記球供給口へと転動するように形成されている遊技機。
【0350】
特徴1によれば、前面皿は、払出口から排出される遊技球が球抜孔を避けて発射装置への球供給口へと転動するように形成されているので、球抜孔が開放状態にあっても払出口から払い出された遊技球が球抜孔から遊技球が排出されて、発射装置に遊技球を供給できないという事態を生じにくくすることができる。
【0351】
[特徴2]
前記払出口は、前方に向けて遊技球を排出し、
前記球抜孔は、前記前面皿の底面のうち前記払出口から前方に向かう遊技球の流下路に対して左右方向の一方側に配置され、
前記前面皿の内側面には、前記払出口から前方に排出される遊技球を、前記球抜孔より前側部分を横切って前記球抜孔と前記球供給口との間部分へと案内するガイド側面が形成されている特徴1に記載の遊技機。
【0352】
[特徴3]
前記前面皿の底面には、前記ガイド側面に沿って延びるガイド溝が形成されている特徴2に記載の遊技機。
【0353】
特徴2のように、払出口から前方に向かう遊技球の流下路に対して球抜孔をその流下路の側方に配置し、払出口から排出された遊技球を球抜孔の側方を通過させてからガイド側面に沿って球抜孔の前方を流下させた後、球抜孔と球供給口との間部分へと案内してするようにしてもよい。さらに、特徴3のようにガイド側面に沿ってガイド溝を形成してもよい。
【0354】
[特徴4]
前記前面皿の底面のうち前記球抜孔を境に前記左右方向の他方側となる第1底面に対して、前記球抜孔を境に前記左右方向の前記左右方向の一方側となる第2底面が段付き状に下がり、
前記ガイド溝の底面は前記第2底面と面一になっている特徴3に記載の遊技機。
【0355】
特徴4によれば、ガイド溝を通過する遊技球は、第1底面と第2底面との間の段差により、球抜孔への入球を規制することができる。
【0356】
[特徴5]
前記第2底面は、前記第1底面よりも急勾配となっている特徴4に記載の遊技機。
【0357】
特徴5によれば、球抜孔の入球する虞のない第2底面において遊技球の球供給口への流下を早めることができ、発射装置に遊技球をスムーズに供給することができる、
【0358】
[特徴6]
前記前面皿の底面には、前記球抜孔のうち開口縁における前側部分から突出する突条を備える特徴2から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0359】
[特徴7]
前記前面皿の底面には、前記球抜孔の開口縁から上方に突出し、前記前面皿の側面に接する遊技球の球抜孔への入球を規制する突条を備える特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0360】
[特徴8]
前記突条は、球抜孔の開口縁の一部のみに形成されている特徴7に記載の遊技機。
【0361】
特徴6,7によれば、遊技球の球抜孔への入球を規制することができる。突条は、特徴6,8のように球抜孔の開口縁の一部のみに形成されていてもよい。
【0362】
[特徴9]
前記突条は、遊技球の半径より低い特徴6から8の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0363】
特徴9によれば、遊技球が余剰となった場合に、球詰まりを抑制することができる。
【0364】
[第7の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、払出口:排出ダクト70W、発射装置:発射装置40、球供給口:球供給口115、前面皿:前面皿110、流下路:流下路D1、ガイド側面:囲壁110A、ガイド溝:ガイド溝114M、第1底面:第1底面113、第2底面:第2底面114
【0365】
[第8の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2015-51133号公報(段落[0037]等)には、ベース部材に支持されたハンドルが原点位置から回動されることに起因して遊技球が発射されるものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、ハンドルがバネの弾性力により原点位置に戻ると検出スイッチが押されて遊技球の発射が停止されるため、検出スイッチを作動させる程度に弾性力が強いバネを用いる必要があった。これに鑑み、ハンドルを弱い力で回転可能にすることが求められている。これに対し本発明群によれば、ハンドルが原点位置に戻ることの検知が非接触センサにより行われるので、ハンドルを付勢するバネの弾性力を弱めることができ、ハンドルを弱い力で回転可能にすることができる。
【0366】
[特徴1]
ベース部材に支持されたハンドルが原点位置から回動されることに起因して遊技球が発射される遊技機において、
前記ベース部材と前記ハンドルとの一方に非接触センサを備え、他方に、前記ハンドルが前記原点位置に戻ったときに前記非接触センサに検知される被検知部を備える遊技球。
【0367】
特徴1によれば、ハンドルが原点位置に戻ることの検知が非接触センサにより行われるので、ハンドルを付勢するバネの弾性力を弱めることができ、ハンドルを弱い力で回転可能にすることができる。
【0368】
[特徴2]
前記被接触センサはフォトセンサである特徴1に記載の遊技機。
【0369】
[特徴3]
前記被検知部は、前記ハンドルの回動軸を中心とする円の円弧に沿って延び、前記フォトセンサの射光部と受光部との間に配される遮蔽板である特徴2に記載の遊技機。
【0370】
特徴2,3のように、被接触センサはフォトセンサであってもよいし、測距センサ等であってもよい。
【0371】
[特徴4]
前記ハンドル又は前記ベース部材に配され、操作されることにより遊技球の発射が停止される停止スイッチと、
前記停止スイッチが操作されたことを検知するメカセンサと、を備える特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0372】
特徴4によれば、停止スイッチにはメカセンサを用いることで、遊技者に停止スイッチを操作している感覚を与えやすくなっている。また、ハンドルが原点位置に戻ったことの検知と停止スイッチの操作検知とが別々のセンサによりなされることで、停止スイッチの配置の自由度が増し、例えば、遊技者の操作が楽になる位置に配置することも可能となる。
【0373】
[特徴5]
前記ハンドル又は前記ベース部材に配され、操作されることにより遊技球の発射が停止される停止スイッチを備え、
前記停止スイッチに、操作されたときに前記非接触センサに検知されるスイッチ用被検知部を備える特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0374】
特徴5によれば、ハンドルが原点位置に戻ったことの検知と停止スイッチの操作検知とを1つの非接触センサで兼用することができる。
【0375】
[第8の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、ベース部材:筒形ベース部330、ハンドル:発射ハンドル300、非接触センサ:フォトセンサ338、被検知部:遮蔽板305S、フォトセンサ:フォトセンサ338、遮蔽板:遮蔽板305S、停止スイッチ:発射停止スイッチ336、メカセンサ:メカスイッチ336M
【0376】
[第9の特徴群]
本開示は遊技機に関し、例えば特開2015-51133号公報(段落[0040]等)には、ハンドルの回動量を回転センサにより検出し、その研修結果に応じて遊技球の発射強度を変化させるものが開示されている。上述した従来の遊技機においては、ハンドルと回転センサとの配置をコンパクトにすることが求められている。これに対し本発明群によれば、回転センサをシャフトの一端に配する場合よりも、軸方向においてコンパクトに配置することができる。
【0377】
[特徴1]
ベース部材に回動可能に支持されたハンドルの回動量を回転センサにより検出し、その研修結果に応じて遊技球の発射強度を変化させる遊技機において、
前記ハンドルと一体に回転し、前記ベース部材に支持されるシャフトと、
前記シャフトの側方に配されかつ前記シャフトよりも短いサブシャフトと、
前記シャフトと前記サブシャフトとにそれそれ固定され、互いに連結する連結ギアと、を備え、
前記回転センサは、前記サブシャフトの一端に配されている遊技機。
【0378】
特徴1によれば、回転センサをシャフトの一端に配する場合よりも、軸方向においてコンパクトに配置することができる。
【0379】
[特徴2]
前記サブシャフトの前記連結ギアは、前記シャフトの前記連結ギアに対して増速又は減速している特徴1に記載の遊技機。
【0380】
特徴2によれば、機種によりハンドルの回動範囲が変更された場合でも、連結ギアのギア比を変更することで、既存の回転センサ及び発射強度を制御する制御部を利用することが可能になる。
【0381】
[特徴3]
前記サブシャフトの前記連結ギアは、前記シャフトの前記連結ギアに対して増速している特徴1に記載の遊技機。
【0382】
特徴3によれば、回転センサの分解能をあげることが可能となる。
【0383】
[第9の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、ベース部材:筒形ベース部330、ハンドル:発射ハンドル300、回転センサ:回転センサ337S、シャフト:シャフト325、サブシャフト:回動シャフト337、連結ギア:ベース側連結部材337A,ハンドル側連結部材309
【0384】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0385】
10 遊技機
70W 排出ダクト
76A,76B 1対の幅絞り突部
83 第1モータ
84 第2モータ
87B 偏心錘
88 コイルバネ
92K 進入口92K
93 球誘導路
94 第1発射通路
95 第2発射通路
96 ファール球排出路
96A 始端部
96B 第1中間部
97 下方案内路
110 前面皿
110A 囲壁
111 球抜孔
113 第1底面
114 第2底面
114M ガイド溝
115 球供給口
120 切断手段
120S V形隙間
124H,125H 1対の刃部
140 外壁構成部
150 操作ユニット
160 操作部
161D 天井壁
162 支持部
163 可動装飾部
164 固定装飾部
165A LED基板
168 可動ベース
300 発射ハンドル
300J 回転軸
301 表カバー
305 裏カバー部
310 固定パーツ
312M 湾曲溝
325 シャフト
330 筒形ベース部
343F 周囲壁
344 接触センサ
345 ケーブル
358 通気口
360 手置き部
370 軸流ファン
D1 流下路
W1 不正操作用糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68