(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153487
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】スプール及びスピニングリール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/01 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
A01K89/01 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055997
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】楠田 周
(72)【発明者】
【氏名】仲田 大地
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BB02
2B108BB04
2B108BB05
(57)【要約】
【課題】バックラッシュの発生を抑制することができるスピニングリールのスプールの提供。
【解決手段】
スプール6は、糸巻き胴部20と、前フランジ22とを備える。糸巻き胴部20は、軸方向に延びている。前フランジ22は、糸巻き胴部20の軸方向の前端に配置される。前フランジ22は、第1壁部30と、第1環状部32と、第1環状第2壁部34とを有する。第1壁部は30、糸巻き胴部20の外周側に配置され、径方向外側に延びている。第1環状部32は、第1壁部30の最外径部より前方に配置され、前方に延びている。第2壁部34は、第1環状部32の外周側に配置され、径方向外側に延びている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピニングリールのスプールであって、
軸方向に延びる糸巻き胴部と、
前記糸巻き胴部の前記軸方向の前端に配置される前フランジと、
を備え、
前記前フランジは、
前記糸巻き胴部の外周側に配置され、径方向外側に延びる第1壁部と、
前記第1壁部の最外径部より前方に配置され、前方に延びる第1環状部と、
前記第1環状部の外周側に配置され、径方向外側に延びる第2壁部と、を有する、
スプール。
【請求項2】
前記第2壁部は、前記第1環状部の外周面に対して前記軸方向と直交する径方向に平坦に延びている、
請求項1に記載のスプール。
【請求項3】
前記第2壁部は、前方に向かって径方向内側に傾斜する斜面を有する、
請求項1に記載のスプール。
【請求項4】
前記第1環状部は、前記軸方向に平坦に延びる外周面を有し、前記糸巻き胴部に巻き付けられる糸巻量の上限に応じた糸巻径と略同一の径を有する、
請求項1に記載のスプール。
【請求項5】
前記第2壁部を含む環状のスプールリングをさらに備える、
請求項1に記載のスプール。
【請求項6】
スピニングリールのスプールであって、
軸方向に延びる糸巻き胴部と、
前記糸巻き胴部から径方向外側に延びる第1壁部と、
前記第1壁部の最外径部より前方に配置される第2壁部と、
前記糸巻き胴部に層状に巻き付けられる釣糸の最外層から露出する下層の釣糸が前記第2壁部を超えないように滞留させる滞留部と、
を備える、
スプール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のスプールを備える、スピニングリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプール及びスピニングリールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スプールの前フランジ外周に傾斜面を設けることでスプールからの釣糸の放出を制御し、釣糸が一度に放出されてしまうことによるバックラッシュを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4346632号公報
【特許文献2】特許第6783667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スピニングリールでは、釣糸を巻き上げた際に、釣糸が緩んだ状態でスプールに巻き付けられることがある。釣糸が緩んだ状態でスプールに巻き付けられているときにキャスティングをすると、緩んだ部分の釣糸が前フランジを乗り越えて放出されることがあり、これもバックラッシュ(糸絡み)を発生させる原因となっている。
【0005】
本発明の課題は、バックラッシュの発生を抑制することができるスピニングリールのスプールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面のスプールは、スピニングリールのスプールであって、糸巻き胴部と、前フランジとを備える。糸巻き胴部は、軸方向に延びている。前フランジは、糸巻き胴部の軸方向の前端に配置される。前フランジは、第1壁部と、第1環状部と、第2壁部とを有する。第1壁部は、糸巻き胴部の外周側に配置され、径方向外側に延びている。第1環状部は、第1壁部の最外径部より前方に配置され、前方に延びている。第2壁部は、第1環状部の外周面に対して径方向外側に延びる。
【0007】
このスプールでは、スプールに緩んだ状態で巻き付けられた釣糸が、キャスティング時に第1環状部を乗り越えて放出されることを第2壁部によって抑制することができる。これにより、バックラッシュの発生を抑制することができるスピニングリールのスプールを提供することができる。
【0008】
本発明の第1側面に従う第2側面のスプールの第2壁部は、第1環状部の外周面に対して軸方向と直交する径方向に平坦に延びている。この場合は、スプールに緩んだ状態で巻き付けられた釣糸が、キャスティング時に第1環状部を乗り越えて放出されることを第2壁部によってさらに抑制することができる。
【0009】
本発明の第1側面に従う第3側面のスプールの第2壁部は、前方に向かって径方向内側に傾斜する斜面を有する。この場合は、の軸方向の寸法を大きくすることが可能になる。
【0010】
本発明の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のスプールの第1環状部は、軸方向に平坦に延びる外周面を有し、糸巻き胴部に巻き付けられる糸巻量の上限に応じた糸巻径と略同一の径を有する。この場合は、第1環状部を糸巻き胴部に巻き付けられる糸巻量の目安として用いることができる。
【0011】
本発明の第1側面から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のスプールは、第2壁部とを含む環状のスプールリングをさらに備える。この場合は、スプールリングによって第2壁部を形成することができる。
【0012】
本発明の第6側面のスプールは、スピニングリールのスプールであって軸方向に延びる糸巻き胴部と、前記糸巻き胴部から径方向外側に延びる第1壁部と、前記第1壁部の最外径部より前方に配置される第2壁部と、糸巻き胴部に層状に巻き付けられる釣糸の最外層から露出する下層の釣糸が第2壁部を超えないように滞留させる滞留部とを備える。このスプールでは、スプールに緩んだ状態で巻き付けられた釣糸が、キャスティング時に第2壁部を乗り越えて放出されることを第2壁部によって抑制することができる。
【0013】
本発明の第7側面のスピニングリールは、第1から第6側面のいずれか1つに従うスプールを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バックラッシュの発生を抑制することができるスピニングリールのスプールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】糸巻き胴部に釣り糸が巻き付けられた釣糸の緩み部を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して実施形態にかかるスピニングリールについて説明する。
図1は、スピニングリール1の側面図である。
図1に示すように、スピニングリール1は、リール本体2と、ハンドル4と、スプール6と、ロータ8と、ベールアーム10と、ラインローラ12とを備える。
【0017】
以下の説明において、スプール6の回転軸Xが延びる方向を軸方向、回転軸Xと直交する方向を径方向、回転軸X回りの方向を周方向と呼ぶ。径方向のうち、回転軸Xに近づく方向を径方向内側、回転軸Xから離れる方向を径方向外側と呼ぶ。また、キャスティング時に釣糸が放出される方向を前方、その反対方向を後方として説明する。本実施形態では、前後方向は、軸方向と一致する。
【0018】
図1に示すように、リール本体2は、内部空間を有している。リール本体2の内部空間には、ロータ8が駆動されるロータ駆動機構や、スプール6に釣り糸を均一に巻き付けるためのオシレーティング機構などの機構が収納されている。
【0019】
ハンドル4は、リール本体2に回転可能に支持されている。ハンドル4は、リール本体2の左側部に配置されている。なお、ハンドル4は、ハンドル本体の右側部に配置されてもよい。
【0020】
スプール6は、図示しないドラグ機構を介してスプール軸に連結されている。スプール軸は、前後方向に延びている。スプール軸は、前後方向に移動可能にリール本体2に支持されている。
【0021】
スプール6は、外周に釣糸が巻き付けられる。スプール6は、ハンドル4の回転に応じてスプール軸と一体的に前後方向に移動する。スプール6の詳細については、後述する。
【0022】
ロータ8は、スプール6に釣糸を巻き付けるための部材である。ロータ8は、ハンドル4の回転に伴い、ロータ駆動機構を介して回転軸Xの軸回りに回転する。ロータ8は、第1ロータアーム8aと、第2ロータアーム8bとを有する。第1ロータアーム8a及び第2ロータアーム8bは、スプール6の径方向外側に配置されている。第2ロータアーム8bは、第1ロータアーム8aと径方向に対向する位置に配置されている。
【0023】
ベールアーム10は、ロータ8に対して揺動可能に構成される。ベールアーム10は、第1ロータアーム8a及び第2ロータアーム8bのそれぞれの先端に揺動可能に装着されている。
【0024】
ベールアーム10は、第1ベール支持部材10aと、第2ベール支持部材10bと、ベール10cとを有する。第1ベール支持部材10aは、第1ロータアーム8aの先端に揺動可能に装着されている。第2ベール支持部材10bは、第2ロータアーム8bの先端に揺動可能に装着されている。ベール10cは、第1ベール支持部材10aと第2ベール支持部材10bとに固定されている。ベール10cは、第1ベール支持部材10aと第2ベール支持部材10bとの間で円弧状に延びている。
【0025】
ラインローラ12は、第1ベール支持部材10aの先端に配置されている。ラインローラ12は、ロータ8の回転に応じて釣糸をスプール6に案内する。
【0026】
図2に示すように、スプール6は、糸巻き胴部20と、前フランジ22と、後フランジ24と、スカート部26と、固定部材28を有する。糸巻き胴部20は、軸方向に延びている。糸巻き胴部20は、外周面において釣糸が巻き付けられる。
【0027】
前フランジ22は、糸巻き胴部20の前端に配置されている。前フランジ22は、糸巻き胴部20の前端から径方向外側に延びている。
【0028】
図3に示すように、前フランジ22は、第1壁部30と、第1環状部32と、第2壁部34(滞留部の一例)と、第2環状部36とを有する。
【0029】
第1壁部30は、糸巻き胴部20の外周側に配置されている。第1壁部30は、糸巻き胴部20の前端から径方向外側に延びている。第1壁部30は、テーパ形状を有しており、径方向内側よりも径方向外側が前方に位置するように傾斜している。第1壁部30は、糸巻き胴部20と一体形成されている。第1壁部30の最外径部は、糸巻き胴部20に巻き付けられる釣糸の巻き付け量の目安位置である。すなわち、糸巻き胴部20に巻き付けられる釣糸の前端部分の外径は、第1壁部30の最外径部の外径と同程度である。
【0030】
第1環状部32は、第1壁部30の最外径部よりも前方に配置されている。第1環状部32は、第1壁部30の最外径部から前方に延びている。第1環状部32は、第1壁部30と一体形成されており、第1壁部30に滑らかに接続されている。第1環状部32は、軸方向に平坦に延びる外周面32aを有する。第1環状部32は、糸巻き胴部20に巻き付けられる糸巻量の上限に応じた糸巻径と略同一の径を有する。第1環状部32の外周面32aは、円筒状の外周面であり、軸方向に沿って延びている。第1環状部32の外周面32aは、断面視において、軸方向に対して平行に延びている。第1環状部32の外周面32aの前端角部は、前方かつ径方向内側に向かって延びている。なお、第1環状部32の外周面32aは、前方に向かって径方向内側又は径方向外側に傾斜していてもよい。
【0031】
第2壁部34は、第1環状部32の前方に配置されている。第2壁部34は、第1環状部32の外周面32aの前端から径方向外側に延びている。第2壁部34は、軸方向において、前フランジ22の第1環状部32と固定部材28とによって挟持されている。
【0032】
図4に模式的に示すように、第2壁部34は、糸巻き胴部20に層状に巻き付けられる釣糸60の最外層61から露出する下層62の釣糸が第1環状部32を超えないように滞留させる。より詳細には、第1環状部32と第2壁部34は、キャスティング時において、糸巻き胴部20に巻き付けられた釣糸60のうち、最外層61に露出する最外層61よりも下層62の釣糸の緩み部62aが第1環状部32を超えないように滞留させる。緩み部62aは、糸巻き胴部20に緩んだ状態で巻き付けられている。なお、
図4における左側は、前方であり、キャスティング時に釣糸が放出される方向である。
【0033】
第2壁部34は、第1環状部32の外周面32aに対して径方向外側に延びている。第2壁部34は、第1環状部32の外周面32aの前端から径方向外側に延びている。第2壁部34は、第1環状部32の外周面32aに対して径方向に平坦に延びている。なお、第2壁部34は、径方向内側よりも径方向外側が前方又は後方に位置するように傾斜してもよい。
【0034】
第2環状部36は、第2壁部34の前方に配置されている。第2環状部36は、第2壁部34の最外径部から前方に延びている。第2環状部36は、第2壁部34と一体形成されている。第2環状部36は、第1傾斜部36aと、第2傾斜部36bとを有する。第1傾斜部36aは、第2壁部34の最外径部から前方に向かって拡径している。第2傾斜部36bは、第1傾斜部36aの前方に配置されている。第2傾斜部36bは、前方に向かって縮径している。第2傾斜部36bは、第1傾斜部36aに滑らかに接続されている。第2傾斜部36bの軸方向の寸法は、第1傾斜部36aの軸方向の寸法よりも小さい。
【0035】
本実施形態では、第2壁部34及び第2環状部36は、前フランジ22の第1環状部32と固定部材28の間に配置されるスプールリング6aによって構成されている。このため、第2壁部34は、第1環状部32と別体で構成されている。なお、第2壁部34は、第1環状部32と一体で構成されてもよい。
【0036】
後フランジ24は、糸巻き胴部20の後端に配置されている。後フランジ24は、糸巻き胴部20の後端から径方向外側に延びている。後フランジ24は、糸巻き胴部20と一体形成されている。
【0037】
図5に示すように、後フランジ24は、壁部40を有する。壁部40は、糸巻き胴部20の外周側に配置されている。壁部40は、糸巻き胴部20の後端から径方向外側に延びている。壁部40は、テーパ形状を有しており、径方向内側よりも径方向外側が後方に位置するように傾斜している。
【0038】
壁部40は、指標部40aと、フラット部40bとを有する。指標部40aは、糸巻き胴部20に巻き付けられる釣糸の下端の巻き付け量の指標である。指標部40aは、壁部40に形成される環状の段差である。指標部40aは、例えば、溝形状を有する。指標部40aは、前方から後方に向かって凹む形状を有する。指標部40aの外径(回転軸Xから指標部40aまでの距離)は、第1環状部32の外径と同程度である。フラット部40bは、指標部40aから径方向外側に環状に延びている。フラット部40bは、径方向に平坦に延びている。
【0039】
図2に示すように、スカート部26は、後フランジ24の最外径部から後方に延びている。スカート部26は、円筒形状を有する。スカート部26は、後フランジ24と一体形成されている。
【0040】
固定部材28は、糸巻き胴部20の内周面において糸巻き胴部20にねじ締結されている。固定部材28の一部は、前フランジ22の前方に配置されている。固定部材28の内周部には、ドラグ機構のドラグ力を調整する調整つまみ50が配置されている。
【0041】
図6に示すように、点A1と点B1とを通る第1直線L1と、点A1と点Cとを通る第2直線L2と、点B1を通り軸方向と平行な第3直線L3とに囲まれる第1領域をS1、第1直線L1と第2壁部34と第1環状部32の外周面32aとに囲まれる第2領域をS2とした場合、S2/S1≧X(Xは定数)の関係式を満たすことが好ましい。なお、Xは、大きい値であることが好ましい。Xは、例えば1である。第1領域S1よりも第2領域S2を大きくすることで、第2壁部34による釣糸の緩み部62aの滞留効果が期待できる。
【0042】
点A1は、第1壁部30の最外径部である。点B1は、点A1から釣糸が放出されるときにスプールリング6aに最短距離で接する点であり、この実施形態では第2壁部34の最外径部である。点Cは、点A1を通り径方向に平行な直線(第2直線L2)と点B1を通り軸方向に平行な直線(第3直線L3)との交点である。
【0043】
図7に示すように、点A1から点Cまでの距離をh、糸巻き胴部20に巻き付けられる釣糸の線径をφdとした場合、Y≧h/d≧X(X及びYは定数)の関係式を満たすことで、第2壁部34による釣糸の緩み部62aの滞留効果が期待できる。Xは、例えば1であり、Yは、例えば10である。なお、
図7において、点A2は、おおよそ指標部40aの位置であり、糸巻き胴部20に釣糸が巻き付けられた状態における釣糸の後端の最外径部である。点B2は、点A2から最短経路で釣糸が放出されるときにスプール6に最初に接する点である。点B2は、スプールリング6aの最外径部であり、この実施形態では第2環状部36の最外径部(第1傾斜部36aの最外径部)である。
【0044】
上記構成のスピニングリール1では、スプール6に緩んだ状態で巻き付けられた釣糸の緩み部62aが、キャスティング時に第1環状部32を乗り越えて放出されることを第2壁部34によって抑制することができる。これにより、バックラッシュの発生を抑制することができるスピニングリール1及びスピニングリール1のスプール6を提供することができる。なお、本実施形態では、Xを1、Yを10として例示したが、X及びYの値は、ブレイドラインであるPEラインで検証したものであり、ナイロンやフロロカーボン、ポリエステルなどモノフィラメントラインを用いる場合は異なる可能性がある。
【0045】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0046】
図8に示すように、第1環状部32の外周面32aは、前方に向かって径方向内側に傾斜していてもよい。
【0047】
図9に示すように、軸方向における第1環状部32の外周面32aの寸法D1は、軸方向における第2壁部34から点B2までの寸法D2よりも大きくてもよい。
【0048】
図10に示すように、第2壁部34は、前方に向かって径方向内側に傾斜する斜面52を有してもよい。第2壁部34は、第1環状部32の外周面32aの一部を覆う形状を有する。これにより第2領域S2が拡大する。
【0049】
図11に示すように、スプールリング6aにおいて、第2壁部34より前側は前方に向かって径方向内側に傾斜していてもよい。第2傾斜部36bの軸方向の寸法は、第1傾斜部36aの軸方向の寸法よりも大きくてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 スピニングリール
6 スプール
20 糸巻き胴部
22 前フランジ
30 第1壁部
32 第1環状部
34 第2壁部