IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダンフォス・スコットランド・リミテッドの特許一覧 ▶ 日立建機株式会社の特許一覧

特開2025-15351建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム
<>
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図1
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図2
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図3
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図4
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図5
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図6
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図7
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図8
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図9
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図10
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図11
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図12
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図13
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図14
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図15
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図16
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図17
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図18
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図19
  • 特開-建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015351
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】建設機械のポンプ装置及び油圧回路システム
(51)【国際特許分類】
   F04B 23/06 20060101AFI20250123BHJP
   F15B 11/00 20060101ALI20250123BHJP
   F15B 11/17 20060101ALI20250123BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F04B23/06
F15B11/00 D
F15B11/17
E02F9/22 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118715
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】520196553
【氏名又は名称】ダンフォス・スコットランド・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DANFOSS SCOTLAND LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】石田 勝久
(72)【発明者】
【氏名】平工 賢二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏政
【テーマコード(参考)】
2D003
3H071
3H089
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB05
2D003CA02
2D003DA02
3H071AA03
3H071BB01
3H071BB12
3H071CC33
3H071CC34
3H071CC37
3H071DD26
3H071DD31
3H089AA74
3H089BB27
3H089CC01
3H089CC12
3H089DA03
3H089DA07
3H089DA13
3H089DB43
3H089EE36
3H089GG02
3H089HH04
3H089JJ01
(57)【要約】
【課題】複数の吐出ポートから吐出される圧油の流量を独立して制御可能な2台の油圧ポンプと複数の切換弁を配置したパラレルポンプを備えたポンプ装置において,複数の吐出ポートを複数の切換弁に接続する油圧ホースを無くし,搭載性を向上させる。
【解決手段】パラレルポンプ30,吐出ポート45a~45d,46a~46dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な4つのポンプ要素11a~11d,12a~12dを内包し,切換弁41a~41d,42a~42dを搭載したマニホールドブロック40は,第1入口ポート65a~65dがポートブロック13のブロック面13Sに形成された第1吐出ポート45a~45dに整合し,第2入口ポート66a~66dがポートブロック13のブロック面13Sに形成された第2吐出ポート46a~46dに整合するように,ポートブロック13のブロック面13Sにボルト等で結合されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機により駆動されて回転するポンプシャフトにギヤボックスを介して接続された第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを有するポンプ配列部を備えた建設機械のポンプ装置において,
前記第1油圧ポンプは,複数の第1吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第1ポンプ要素を形成するよう構成され,
前記第2油圧ポンプは,複数の第2吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第2ポンプ要素を形成するよう構成され,
前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートが形成され,前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの共有部品として構成されたポートブロックと,
前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートからの圧油がそれぞれ流入する複数の第1入口ポート及び複数の第2入口ポートと,コントロールバルブに複数の油圧ホースを介して接続される複数のサービスポートとが形成され,前記複数の第1入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第1入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第1切換弁及び前記複数の第2入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第2入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第2切換弁を組み込んだマニホールドブロックとを更に備え,
前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートは前記ポートブロックの側部に開口するよう形成され,
前記マニホールドブロックは,前記複数の第1入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポートに整合し,前記複数の第2入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第2吐出ポートに整合するように前記ポートブロックの前記側部に結合されていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記マニホールドブロックは細長い直方体形状をし,相対する側面を形成したブロック本体を備え,
前記複数の第1切換弁及び前記複数の第2切換弁は,それぞれ,一端にソレノイド部を備えた電磁式の切換弁であり,
前記複数の第1切換弁は前記ブロック本体の前記相対する側面の一方から前記複数の第1切換弁の前記ソレノイド部が突出するように前記ブロック本体に取り付けられ,
前記複数の第2切換弁は,前記ブロック本体の前記相対する側面の他方から前記複数の第2切換弁の前記ソレノイド部が突出するように前記ブロック本体に取り付けられていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記マニホールドブロックは細長い直方体形状をし,相対する側面を形成したブロック本体を備え,
前記複数の第1切換弁及び前記複数の第2切換弁は,それぞれ,一端にソレノイド部を備えた電磁式の切換弁であり,
前記複数の第1切換弁と前記複数の第2切換弁は,前記ブロック本体の前記相対する側面の同じ一方の側面から前記複数の第1切換弁の前記ソレノイド部と前記複数の第2切換弁の前記ソレノイド部が突出するように前記ブロック本体に取り付けられ,
前記ブロック本体の前記同じ一方の側面は,前記ポンプシャフトと反対側であることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記マニホールドブロックの前記複数のサービスポートは前記マニホールドブロックの上面に開口するよう形成されていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記マニホールドブロックの前記複数のサービスポートの数は前記コントロールバルブに含まれる複数のバルブグループの数と同じであることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記複数のサービスポートは第1サービスポート及び第2サービスポートを含み,
前記複数の第1切換弁及び前記複数の第2切換弁は,初期位置である第1位置と非初期位置である第2位置とに切り換え可能であり,
前記複数の第1切換弁は,前記第1位置において,前記複数の第1入口ポートを前記第1サービスポートに連通させ,前記第2位置において,前記複数の第1入口ポートを前記第2サービスポートに連通させ,
前記複数の第2切換弁は,前記第1位置において,前記複数の第2入口ポートを前記第2サービスポートに連通させ,前記第2位置において,前記複数の第2入口ポートを前記第1サービスポートに連通させることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプは,それぞれ,前記ポンプシャフトに前記ギヤボックスを介して接続され,前記ポンプシャフトの軸線の延長線を挟んで互いに平行に配置された第1及び第2従動シャフトを有し,
前記第1油圧ポンプは,前記第1従動シャフトの軸方向に間隔をあけて配置された複数の第1ラジアルピストンポンプを有し,
前記第2油圧ポンプは,前記第2従動シャフトの軸方向に間隔をあけて配置された複数の第2ラジアルピストンポンプを有することを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項8】
請求項1~7に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記複数の第1ラジアルピストンポンプは,それぞれ,前記第1従動シャフトに対して周方向に放射状に配置された複数のピストンポンプを有し,前記複数の第1ラジアルピストンポンプの前記複数のピストンポンプは複数のグループに分けられ,グループ毎に各ピストンポンプから吐出された圧油を合流させることで,前記第1油圧ポンプの前記複数のポンプ要素の1つを構成し,
前記複数の第2ラジアルピストンポンプは,それぞれ,前記第2従動シャフトに対して周方向に放射状に配置された複数のピストンポンプを有し,前記複数の第2ラジアルピストンポンプの前記複数のピストンポンプは複数のグループに分けられ,グループ毎に各ピストンポンプから吐出された圧油を合流させることで,前記第2油圧ポンプの前記複数のポンプ要素の1つを構成することを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記複数の第1ラジアルピストンポンプは,前記複数の第2ラジアルピストンポンプのそれぞれから軸方向にずれて,前記第2従動シャフトに向かう方向における前記複数の第1ラジアルピストンポンプの半径方向の範囲が,前記第1従動シャフトに向かう方向における前記複数の第2ラジアルピストンポンプの半径方向の範囲を越えて伸びることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記複数の第1吐出ポートは,前記ポートブロックの前記側部の第1表面に形成され,前記複数の第2吐出ポートは,前記ポートブロックの前記側部の第1表面又は前記第1表面に平行な第2表面に形成されていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記第1及び第2油圧ポンプは,各々,ポンプシャフトを有し,かつ
前記ポンプシャフトの回転に伴って周期的に容積が変化する少なくとも3つの作動室を有し,
前記第1及び第2油圧ポンプの各作動室は,
前記作動室と低圧マニホールドとの間の圧油の流れを制御する低圧弁と,
前記作動室と高圧マニホールドとの間の圧油の流れを制御する高圧弁とを有し,
前記第1及び第2油圧ポンプの作動室は複数のポンプ要素を形成し,各ポンプ要素は1つ又は複数の作動室を有し,かつ各ポンプ要素の1つ又は複数の作動室に共通に設けられた前記高圧マニホールドに接続され,
コントローラを更に備え,前記コントローラは,前記作動室の容積サイクルに位相的に相関して少なくとも前記低圧弁を能動的に制御することで,前記作動室の各容積サイクルに対して,前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間に圧油の正味押しのけ容積を形成する有効サイクルと,前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間に圧油の正味押しのけ容積を形成しない非有効サイクルのいずれを各作動室が行うかを決定し,圧油のそれぞれの要求流量に応じて,前記高圧マニホールドのそれぞれを介して前記吐出ポートのそれぞれに至る各ポンプ要素の作動室の正味押しのけ容積を制御することを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記ポンプ配列部はパラレルポンプ配列部であり,前記第1油圧ポンプは前記第2油圧ポンプにパラレルに配置されていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載の建設機械のポンプ装置において,
前記第1油圧ポンプの従動シャフトは,前記ポンプシャフトに対して前記ギヤボックスに向かって内側に傾斜して配置され,前記第2油圧ポンプの従動シャフトは,前記ポンプシャフトに対して前記ギヤボックスに向かって内側に傾斜して配置されていることを特徴とする建設機械のポンプ装置。
【請求項14】
原動機と,
前記原動機により駆動されるポンプ装置と,
前記ポンプ装置から吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと,
前記ポンプ装置から前記複数のアクチュエータへ供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁とを備え,
前記ポンプ装置は,
前記原動機により駆動されて回転するポンプシャフトにギヤボックスを介して接続された第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを有するポンプ配列部とを備えた建設機械の油圧回路システムであって,
前記第1油圧ポンプは,複数の第1吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第1ポンプ要素を形成するよう構成され,
前記第2油圧ポンプは,複数の第2吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第2ポンプ要素を形成するよう構成され,
前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートが形成され,前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの共有部品として構成されたポートブロックと,
前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートからの圧油がそれぞれ流入する複数の第1入口ポート及び複数の第2入口ポートと,コントロールバルブに複数の油圧ホースを介して接続される複数のサービスポートとが形成され,前記複数の第1入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第1入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第1切換弁及び前記複数の第2入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第2入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第2切換弁を組み込んだマニホールドブロックとを更に備え,
前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートは前記ポートブロックの側部に開口するよう形成され,
前記マニホールドブロックは,前記複数の第1入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポートに整合し,前記複数の第2入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第2吐出ポートに整合するように前記ポートブロックの前記側部に結合され,
前記マニホールドブロックの複数のサービスポートは,前記複数の方向制御弁をバルブハウジング内に納めたコントロールバルブに複数の配管を介して接続されていることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項15】
請求項14に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記マニホールドブロックの複数のサービスポートは前記コントロールバルブに設けられた複数のポンプポートに前記複数の配管を介して接続され,
前記複数のサービスポートと前記複数のポンプポートの数が前記ポンプ配列部の第1及び第2油圧ポンプの数と同じであることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記複数のアクチュエータは操作される頻度が比較的高い特定の第1アクチュエータと特定の第2アクチュエータを含み,
前記複数の方向制御弁は,前記コントロールバルブ内において,前記特定の第1アクチュエータ用の2つの方向制御弁を含む第1バルブグループと,前記特定の第2アクチュエータ用の2つの方向制御弁を含む第2バルブグループとに分けられ,
前記複数のサービスポートは第1及び第2サービスポートを含み,前記複数の配管は第1及び第2配管を含み,
前記コントロールバルブは,前記第1及び第2バルブグループにそれぞれ接続された第1及び第2ポンプポートを有し,前記第1及び第2ポンプポートは前記第1及び第2配管を介して前記第1及び第2サービスポートに接続されていることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか1項に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記複数のサービスポートは第1及び第2サービスポートを含み,
前記複数の第1及び第2切換弁は,初期位置である第1位置と非初期位置である第2位置とに切り換え可能であり,
前記複数の第1切換弁は,前記第1位置において,前記複数の第1吐出ポートを前記第1サービスポートに連通させ,前記第2位置において,前記複数の第1吐出ポートを前記第2サービスポートに連通させ,
前記複数の第2切換弁は,前記第1位置において,前記複数の第2吐出ポートを前記第2サービスポートに連通させ,前記第2位置において,前記複数の第2吐出ポートを前記第1サービスポートに連通させることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項18】
請求項14~17のいずれか1項に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記第1及び第2油圧ポンプの前記複数の第1及び第2ポンプ要素は,それぞれ,4つの第1及び第2ポンプ要素であり,前記複数の第1及び第2吐出ポートは,それぞれ,4つの第1及び第2吐出ポートであり,
前記マニホールドブロックの前記複数の第1及び第2切換弁は,それぞれ,4つの第1及び第2切換弁であることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項19】
請求項14~18のいずれか1項に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記第1油圧ポンプは,前記シャフトの軸方向に間隔をあけて配置された複数の第1ラジアルピストンポンプを有し,
前記複数の第1ラジアルピストンポンプは,それぞれ,前記シャフトに対して放射状に配置された複数のピストンポンプを有し,前記複数のピストンポンプは複数のグループに分けられ,グループ毎にグループ内の各ピストンポンプから吐出された圧油を合流して前記第1油圧ポンプの前記複数のポンプ要素の1つを構成し,
前記第2油圧ポンプは,前記シャフトの軸方向に間隔をあけて配置された複数の第2ラジアルピストンポンプを有し,
前記複数の第2ラジアルピストンポンプは,それぞれ,前記シャフトに対して放射状に配置された複数のピストンポンプを有し,前記複数のピストンポンプは複数のグループに分けられ,グループ毎にグループ内の各ピストンポンプから吐出された圧油を合流して前記第2油圧ポンプの前記複数のポンプ要素の1つを構成することを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【請求項20】
請求項14~19のいずれか1項に記載の建設機械の油圧回路システムにおいて,
前記複数の第1吐出ポートは,前記ポートブロックの前記側部の第1表面に形成され,前記複数の第2吐出ポートは,前記ポートブロックの前記側部の第1表面又は前記第1表面に平行な第2表面に形成されていることを特徴とする建設機械の油圧回路システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,油圧ショベル等の建設機械に搭載される油圧回路システムのポンプ装置及び油圧回路システムに係わり,特に,複数の吐出ポートの流量をそれぞれ独立して制御可能な複数の油圧ポンプを備えた建設機械のポンプ装置及び油圧回路システムに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルに代表される建設機械の油圧回路システムに用いられるポンプ装置として,特許文献1に,駆動ポンプと従動ポンプの2つのポンプを並列に配置したパラレルポンプが記載されている。このパラレルポンプにおいては,駆動ポンプと従動ポンプは共通のヘッドケーシングを備え,このヘッドケーシングに駆動ポンプの吐出ポートと従動ポンプの吐出ポートを形成し,駆動ポンプと従動ポンプの吐出流量を取り出せるようにしている。
【0003】
特許文献2は,4つの吐出ポートから吐出される圧油の流量をそれぞれ独立して制御可能な4つのポンプ要素を内包した油圧ポンプを備えた油圧回路システムが記載されている。この油圧回路システムにおいて,油圧ポンプの4つの吐出ポートは4本の油圧ホースを介して16個の切換弁に接続され,更に16個の切換弁を4つの負荷ポート油路に接続し,16個の切換弁を切り換えることでアクチュエータの要求に応じた数の吐出ポートを負荷ポート油路に接続し,要求に応じた流量の圧油をアクチュエータに供給できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6134930号公報
【特許文献2】米国2019/0211849A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
油圧ショベルのように複数のアクチュエータを駆動する建設機械の油圧回路システムとして,2台の油圧ポンプと2つのバルブグループを含むコントロールバルブを用いた2ポンプ2バルブグループシステムが広く普及している。特許文献1に記載のパラレルポンプはこのような油圧開路システムの油圧源として使用した場合,1台のポンプ(パラレルポンプ)で油圧源が構成されるので,油圧源がコンパクトになるという利点がある。
【0006】
特許文献2に記載の油圧ポンプを特許文献1のように2台配置してパラレルポンプとすることで,特許文献1のパラレルポンプと同様,1台のポンプ(パラレルポンプ)で油圧源を構成し,油圧源をコンパクトにすることができる。
【0007】
しかし,特許文献2に記載の油圧回路システムでは,1台の油圧ポンプの4つの吐出ポートから4つの吐出流量を取り出すのに,4本の油圧ホースを用いて4つの吐出ポートを多数の切換弁に接続している。このため油圧ポンプを2台用いた場合は,切換弁と油圧ホースの数がそれぞれ2倍となり,8本の油圧ホースを用いて8つの吐出ポートを多数の切換弁に接続する必要が生じる。このため油圧ポンプ本体はコンパクトになるものの,油圧ポンプの複数の吐出ポートを複数の切換弁に接続するための多数の油圧ホースが必要となるため,ホースレイアウトが複雑となり,建設機械への搭載性が低下するという問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は,複数の吐出ポートから吐出される圧油の流量を独立して制御可能な油圧ポンプを2台配置してポンプ配列部を構成し,油圧回路システムの油圧源として使用する場合に,複数の吐出ポートを複数の切換弁に接続する油圧ホースを無くし,搭載性を向上させた建設機械のポンプ装置及び油圧回路システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために,本発明は,原動機により駆動されて回転するポンプシャフトにギヤボックスを介して接続された第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを有するポンプ配列部を備えた建設機械のポンプ装置において,前記第1油圧ポンプは,複数の第1吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第1ポンプ要素を形成するよう構成され,前記第2油圧ポンプは,複数の第2吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第2ポンプ要素を形成するよう構成され,前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートが形成され,前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの共有部品として構成されたポートブロックと,前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートからの圧油がそれぞれ流入する複数の第1入口ポート及び複数の第2入口ポートと,コントロールバルブに複数の油圧ホースを介して接続される複数のサービスポートとが形成され,前記複数の第1入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第1入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第1切換弁及び前記複数の第2入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第2入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第2切換弁を組み込んだマニホールドブロックとを更に備え,前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートは前記ポートブロックの側部に開口するよう形成され,前記マニホールドブロックは,前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポートが前記複数の第1入口ポートに整合し,前記ポートブロックの前記複数の第2吐出ポートが前記複数の第2入口ポートに整合するように前記ポートブロックの前記側部に結合されるものとする。
【0010】
また,上記目的を達成するために,本発明は,原動機と,前記原動機により駆動されるポンプ装置と,前記ポンプ装置から吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータと,前記ポンプ装置から前記複数のアクチュエータへ供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁とを備え,前記ポンプ装置は,前記原動機により駆動されて回転するポンプシャフトにギヤボックスを介して接続された第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを有するポンプ配列部とを備えた建設機械の油圧回路システムであって,前記第1油圧ポンプは,複数の第1吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第1ポンプ要素を形成するよう構成され,前記第2油圧ポンプは,複数の第2吐出ポートから吐出される圧油の流れを独立に制御可能な複数の第2ポンプ要素を形成するよう構成され,前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートが形成され,前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの共有部品として構成されたポートブロックと,前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートからの圧油がそれぞれ流入する複数の第1入口ポート及び複数の第2入口ポートと,コントロールバルブに複数の油圧ホースを介して接続される複数のサービスポートとが形成され,前記複数の第1入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第1入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第1切換弁及び前記複数の第2入口ポートから流入した圧油を前記複数のサービスポートのいずれかに導くよう前記複数の第2入口ポートから流入した圧油の流れ方向を切り換える複数の第2切換弁を組み込んだマニホールドブロックとを更に備え,前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポート及び前記複数の第2吐出ポートは前記ポートブロックの側部に開口するよう形成され,前記マニホールドブロックは,前記複数の第1入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第1吐出ポートに整合し,前記複数の第2入口ポートが前記ポートブロックの前記複数の第2吐出ポートに整合するように前記ポートブロックの前記側部に結合され,前記マニホールドブロックの複数のサービスポートは,前記複数の方向制御弁をバルブハウジング内に納めたコントロールバルブに複数の配管を介して接続されているものとする。
【0011】
このようにポートブロックの複数の第1吐出ポート及び複数の第2吐出ポートをポートブロックの側部に開口するよう形成し,ポートブロックの複数の第1吐出ポートがマニホールドブロックの複数の第1入口ポートに整合し,ポートブロックの複数の第2吐出ポートがマニホールドブロックの複数の第2入口ポートに整合するようにマニホールドブロックをポートブロックの側部に結合することにより,複数の吐出ポートから吐出される圧油の流量を独立して制御可能な油圧ポンプを2台配置してポンプ配列部を構成し,油圧回路システムの油圧源として使用する場合に,ポートブロックの複数の第1及び第2吐出ポートをマニホールドブロックの複数の第1及び第2入口ポート(複数の第1及び第2切換弁の入口ポート)に接続する多数の油圧ホースを全て無くし,かつマニホールドブロックを含めたポンプ装置を小型化し,建設機械への搭載性を向上することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば,複数の吐出ポートから吐出される圧油の流量を独立して制御可能な油圧ポンプを2台配置してポンプ配列部を構成し,油圧回路システムの油圧源として使用する場合に,複数の吐出ポートを複数の切換弁に接続する多数の油圧ホースを全て無くし,かつマニホールドブロックを含めたポンプ装置を小型化し,建設機械への搭載性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のポンプ装置を搭載した建設機械の代表例である油圧ショベルを示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係わるポンプ装置を上方から見た外観図である。
図3図2に示したポンプ装置のポンプシャフトに沿った水平断面図である。
図4図2のVI-VI線に沿ったポンプ装置の縦断面図である。
図5図2のVII-VII線に沿ったポンプ装置の縦断面図である。
図6図3のVIII-VIII線に沿ったポンプ装置の縦断面図である。
図7】ポートブロックの上面図である。
図8】マニホールドブロックの上面図である。
図9】マニホールドブロックの底面図である。
図10図4のXII-XII線に沿ったマニホールドブロックの水平断面図であり,
図11図8のXIII-XIII線に沿ったマニホールドブロックの縦断面図である。
図12】第1切換弁が初期位置にあるときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す図である。
図13】第1切換弁が初期位置から非初期位置に切り換えられたときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す図である。
図14】ポンプ装置を上部旋回体に搭載した状態を示すレイアウト図である。
図15】本発明の第1の実施形態に係わるポンプ装置を用いて構成した油圧回路システムの一例を示す図である。
図16】本発明の第2の実施形態に係わるポンプ装置におけるマニホールドブロックの上面図である。
図17図16のXVII-XVII線に沿ったホールドブロックの縦断面図でであって,第2切換弁が初期位置にあるときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す,図12と同様な図である。
図18】第2切換弁が初期位置から非初期位置に切り換えられたときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す,図13と同様な図である。
図19】本実施形態のポンプ装置を上部旋回体に搭載した状態を示す,図14と同様なレイアウト図である。
図20】ポンプ要素を備えた電子制御式の油圧ポンプの一部を示す模式図であって,第1及び第2油圧ポンプの動作原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態を説明する。
【0016】
~建設機械~
図1は,本発明のポンプ装置を搭載した建設機械の代表例である油圧ショベルを示す図である。
【0017】
図1に示す油圧ショベル100は,クローラ式の左右の走行装置108a,108bを装備した下部走行体101の上に,旋回装置107を介して,オペレータが搭乗するキャブ102aを備えた上部旋回体102を搭載した構成である。
【0018】
上部旋回体102の前部にはフロント作業機103のブーム104が接続されており,ブーム104は片ロッド式油圧シリンダであるブームシリンダ104aによって駆動される。また,ブーム104の先端にはアーム105が接続されており,アーム105はアームシリンダ105aによって駆動される。アーム105の先端にはバケット106が接続されており,バケット106はバケットシリンダ106aによって駆動される。旋回装置107は旋回モータ107aによって駆動され,走行装置108a,108bは左右の走行モータ108c,108dによって駆動される。
【0019】
~ポンプ装置~
[ポンプ装置の外観]
図2は,本発明の第1の実施形態に係わるポンプ装置を上方から見た外観図である。
【0020】
ポンプ装置10は,原動機であるエンジン1(図14参照)の出力軸に接続され,エンジン1により駆動されて回転するポンプシャフト14と,ポンプシャフト14にギヤボックス47を介して接続されたポンプ配列部30と,ポンプ配列部30のポンプシャフト14の反対側の上面部分に取り付けられたマニホールドブロック40とを備えている。
【0021】
本実施形態において,ポンプ配列部30はパラレルポンプであり,第1及び第2従動シャフト14a,14b(後述)が互いに平行に配置された第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12(図3参照)を備えている。。
【0022】
ポンプ配列部30は,第1油圧ポンプ11の第1従動シャフト14aがポンプシャフト14に対してギヤボックス47に向かって内側に傾斜して配置され,第2油圧ポンプ12の第2従動シャフト14bがポンプシャフト14に対してギヤボックス47に向かって内側に傾斜して配置された構造であってもよい。
【0023】
第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12は共通のポンプケーシング48を備え,パラレルポンプ30は,ポンプケーシング48の側面に連結されたポートブロック13(図3参照)を更に備えている。マニホールドブロック40は4つの第1切換弁41a~41d及び4つの第2切換弁42a~42dを搭載し,マニホールドブロック40の上面40dに2つの第1及び第2サービスポート43,44が形成されている。
【0024】
また,第1及び第2油圧ポンプ11,12は,それぞれ,2つ以上の第1吐出ポートである4つの第1吐出ポート45a~45d及び2つ以上の第2吐出ポートである4つの第2吐出ポート46a~46dを有し,第1油圧ポンプ11は,4つの第1吐出ポート45a~45dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な2つ以上の第1ポンプ要素である4つの第1ポンプ要素11a~11d(図15参照)を内包し,第2油圧ポンプ12は,4つの第2吐出ポート46a~46dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な2つ以上の第2ポンプ要素である4つの第2ポンプ要素12a~12d(図15参照)を内包している。
【0025】
[第1及び第2油圧ポンプの動作原理]
第1及び第2油圧ポンプ11,12のd1ポンプ要素11a~11d及び第2ポンプ要素12a~12dは,それぞれ,複数のシリンダ作動室と,その正味容積(容量)を可変とする電磁弁によって構成され,コントローラ57及びポンプコントローラ58,59から出力される指令に基づいて電磁弁を切り換え,シリンダ作動室の正味容積を変えることで,第1ポンプ要素11a~11d及び第2ポンプ要素12a~12dの吐出流量を制御する。このようなポンプ要素を内包した油圧ポンプはデジタルポンプと呼ばれることがある。
【0026】
第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12の動作原理の詳細を,図20を用いて説明する。図20は,複数のポンプ要素を内包した電子制御式の油圧ポンプ200の一部を示す模式図であり,第1及び第2油圧ポンプ11,12はそれぞれ油圧ポンプ200と同等の構成を有している。
【0027】
油圧ポンプ200はポンプシャフト204を有し,かつポンプシャフト204の回転に伴って周期的に容積が変化する少なくとも3つのシリンダ作動室(以下単に作動室と言う)202を有している。
【0028】
また,油圧ポンプ200は,タンクポート216に連通する低圧マニホールド201と作動室202との間の圧油の流れを制御する低圧弁209と,吐出ポート214に連通する高圧マニホールド213と作動室202との間の圧油の流れを制御する高圧弁212とを有している。
【0029】
油圧ポンプ200は作動室202によって複数のポンプ要素を形成し,各ポンプ要素は,1つ又は複数の作動室202(典型的には複数の作動室202)を有し,かつ各ポンプ要素の複数の作動室202に共通する前述した高圧マニホールド213に接続されている。
【0030】
コントローラ207は図2に示したポンプコントローラ58,59に対応するものであり,作動室202の容積サイクルに位相的に相関して少なくとも低圧弁を能動的に制御することで,作動室202の各容積サイクルに対して,低圧マニホールド210と高圧マニホールド213との間に作動室202の正味容積を形成する有効サイクル(active cycle)と,低圧マニホールド210と高圧マニホールド213との間に作動室202の正味容積を形成しない非有効サイクル(inactive cycle)のいずれを各作動室202が行うかを決定し,これにより要求流量に応じて高圧マニホールド213のそれぞれを介して吐出ポート214のそれぞれに至る各ポンプ要素の作動室202の正味容積を制御する。
【0031】
油圧ポンプ200は,内周面によって複数の作動室202を形成する複数のシリンダ201と,ポンプシャフト204に設けられた偏心カム205によって駆動され,シリンダ201内を往復動してシリンダ201の作動室202の容積を周期的に変化させる複数のピストン203とを備えている。また,油圧ポンプ200は,シャフト204のそのときの角度位置及び/又はシャフト204の回転速度を検出するセンサ206を備え,センサ206の検出情報を信号線208を介してコントローラ207に送り,コントローラ207はその検出情報に基づいて,各作動室202の容積サイクルのそのときの位相を決定する。
【0032】
作動室202は,各々,電子的に作動する面封止ポペット弁として構成された低圧弁(LPV)209と関連付けられており,LPV209は作動室202から低圧マニホールド210に至る流路を選択的に閉じるように動作可能である。これにより低圧マニホールド210は,各ポンプ要素に関連するの1つ又は複数の作動室202,或いは全ての作動室202をタンクポート216に接続することができる。
【0033】
LPV209は,常開型の電磁弁であり,作動室202内の圧力が低圧マニホールド210内の圧力以下である吸入ストローク中は受動的に開いて,作動室202を低圧マニホールド210と流体連通状態とする一方,LPV209はLPV制御線211を介してコントローラ207に接続され,コントローラ207よる能動的制御により選択的に閉じて,作動室202を低圧マニホールド210と非流体連通状態にすることができる。LPV209は,代替的に常閉型の電磁弁であってもよい。
【0034】
作動室202は,各々,圧力作動式吐出弁として構成された高圧弁(HPV)212とさらに関連付けられている。HPV212は,それぞれの作動室202から外側に向かって開き,かつ作動室202から高圧マニホールド213へと延びる流路を密閉するように動作可能である。HPV212が開いているとき,高圧マニホールド213は作動室202を吐出ポート214に接続し,作動室202から吐出ポート214に圧油を流出させる。HPV212は,HPV212の前後差圧によりHPV212内の付勢部材の付勢力とのバランスで受動的に開く,常閉型圧力開放逆止弁として機能する。実施形態によっては,HPV212はまた,作動室202内の圧力によって一旦開かれると,コントローラ207によりHPV制御線215を介して選択的に開いたままに保持される常閉型電磁逆止弁としても機能する。通常,HPV212は,高圧マニホールド213内の圧力に抗してコントローラ207によって開けることはできない。HPV212は,さらに,高圧マニホールド213内に圧力があり,作動室202内に圧力がない場合に,コントローラ207の制御下により開いていてもよいし,部分的に開いてもよい。
【0035】
吐出モードにおいて,コントローラ207は,1つ又は複数のLPV209を,関連する作動室202の容積サイクルにおける最大容積点付近にて能動的に閉じて,低圧マニホールド210に至る流路を閉じ,それによって後続の収縮ストロークにおいて,関連するHPV212を介して圧油を流出させ(しかしHPV212を積極的に開くことなく),作動室202の正味容積を伴う有効サイクルを生じさせることにより,油圧ポンプ200による作動室202から高圧マニホールド213への正味容積量を選択する。あるいは,LPV209は作動室202のサイクル全体を通して開いたままにされ(あるいは,作動室202はサイクル全体を通して閉じられ),正味容積のない非有効サイクルを生じさせてもよい。コントローラ207は,同じ高圧マニホールド213及び吐出ポート214に接続されるポンプ要素の作動室202による選択された正味容積量を満たし,ポンプ要素の要求流量に適合するよう,流れを生成する或いは軸トルク若しくは動力を生成するよう有効サイクルと非有効サイクルの数と順序を選択する。
【0036】
コントローラ207は,LPV209を閉じるか開けたままにするかをサイクルごとに決定し,有効サイクルと非有効サイクルを選択するだけでなく,変化する作動室202の容積に対してLPV209及び/又はHPV212を閉じる位相を正確に変化させ,それによって高圧マニホールド213から低圧マニホールド210又はその逆の正味容積量を選択するように動作可能である。
【0037】
マニホールド210,213に関する矢印はポンプモードでの圧油の流れを示し,モータモードでは流れが逆方向となる。
【0038】
図示の例では,全ての作動室202が同じ高圧マニホールド213及び吐出ポート214に接続されている場合を示したが,典型的には,油圧ポンプ200は,それぞれの高圧マニホールド213,吐出ポート214,及び要求信号を有する1又は複数の別個のポンプ要素を形成する作動室202を更に備えている。
【0039】
より具体的には,第1油圧ポンプ11で言うと,第1吐出ポート45a,45b,45c,45dに対応する4つの高圧マニホールド213と4つの吐出ポート214が設けられ,各高圧マニホールド213は高圧弁209を介して作動室202に接続される。第2油圧ポンプ12の場合も同様である。
【0040】
要求信号は,任意の好適な単位で表すことができる。一例として,要求信号は,ポンプシャフト204の1回転あたりの最大可能容積の変化量である「容積変化率Fd」として表わされる。目標流量は,容積変化率Fdとポンプシャフト204の回転速度との積で表わされる。
【0041】
[パラレルポンプ]
次に,本実施形態に係わるパラレルポンプ30の構造を図3図7を用いて説明する。
【0042】
図3は,図2に示したポンプ装置10のポンプシャフト14に沿った水平断面図であり,図4は,図2のVI-VI線に沿ったポンプ装置10の縦断面図であり,図5は,図2のVII-VII線に沿ったポンプ装置10の縦断面図であり,図6は,図3のVIII-VIII線に沿ったポンプ装置10の縦断面図であり,図7はポートブロック13の上面図である。
【0043】
図3において,上述したように,パラレルポンプ30はギヤボックス47,共通のポンプケーシング48と,共通のポンプケーシング48内に形成された第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12,ポートブロック13とを備えている。
【0044】
ギヤボックス47は,駆動歯車47a及び従動歯車47b,47cを有し,駆動歯車47aはポンプシャフト14に接続されている。第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12は,ギヤボックス47を介してポンプシャフト14に接続されている。ポートブロック13は,第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12の共有部品であり,ポンプケーシング48のギヤボックス47の反対側の側面に連結されている。図7に示すように,ポートブロック13の上面である側部13Sに複数の第1吐出ポート45a,45b,45c,45d及び複数の第2吐出ポート46a,46b,46c,46dが開口するよう形成されている。
【0045】
なお,図示の実施形態では,ポートブロック13の側部13Sは単一のブロック面を有し,第1及び第2吐出ポート45a~45d,46a~46dをそのブロック面に開口させたが,ポートブロック13の側部13Sに段差のある複数の表面,例えば第1表面と第1表面に平行な第2表面を形成し,第1吐出ポート45a~45dを第1表面に形成し,第2吐出ポート46a~46dを第2表面に形成してもよい。
【0046】
第1油圧ポンプ11は,前述したように,複数の第1吐出ポート45a~45dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な複数の第1ポンプ要素11a,11b,11c,11d(図15参照)を形成するよう構成され,第2油圧ポンプ12は,複数の第2吐出ポート46a~46dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な複数の第2ポンプ要素12a,12b,12c,12d(図15参照)を形成するよう構成されている。本実施形態において,複数の第1吐出ポート45a~45d及び複数の第2吐出ポート46a~46dはそれぞれ4つの第1吐出ポート及び4つの第2吐出ポートであり,複数の第1ポンプ要素11a~11d及び複数の第2ポンプ要素12a~12dもそれぞれ4つの第1ポンプ要素及び4つの第2ポンプ要素である。第1及び第2ポンプ要素の数は,ポンプ装置10が従来よりもコンパクトになるのであれば,4つには限らず,例えば2つ,3つ,或いは5つであってもよい。
【0047】
第1及び第2油圧ポンプ11,12は,それぞれ,ポンプシャフト14にギヤボックス47を介して接続され,ポンプシャフト14の軸線の延長線を挟んで互いに平行に配置された第1及び第2従動シャフト14a,14bを有し,第1油圧ポンプ11は,第1従動シャフト(以下単に第1シャフトと言う)14aの軸方向に間隔をあけて配置された2つの第1ラジアルピストンポンプ36a,36bを有し,第2油圧ポンプ12は,第2従動シャフト(以下単に第1シャフトと言う)14bの軸方向に間隔をあけてされた2つの第2ラジアルピストンポンプ37a,37bを有している。
【0048】
第1及び第2油圧ポンプ11,12の共通のポンプケーシング48は,第1ポンプ室48a及び第2ポンプ室48bを形成し,第1ラジアルピストンポンプ36a,36bは第1ポンプ室48a内に配置され,第2ラジアルピストンポンプ37a,37bは第2ポンプ室48b内に配置されている。
【0049】
シャフト14a,14bは,それぞれ,ポンプケーシング48とポートブロック13に軸受を介して回転自在に支持されている。シャフト14a,14bのポートブロック13の反対側の端部はポンプケーシング48を越えてギヤボックス47内へと延び,ギヤボックス47の従動歯車47b,47c及び駆動歯車47aを介してポンプシャフト14に連結されている。
【0050】
ポンプケーシング48の第1及び第2ポンプ室48a,48b内には,図4及び図5に示すように,ポートブロック13に形成された通路を経由してオイルタンク55からの作動油が導かれる。
【0051】
第1ラジアルピストンポンプ36aは,シャフト14aと一体に回転する偏心カム15,偏心カム15の外周面に摺接するピストン16,ピストン16が往復動するシリンダ19を有し,ピストン16とシリンダ19によりシリンダ室49が形成されている。第1ラジアルピストンポンプ36bも同様にシャフト14a,偏心カム15,ピストン16,シリンダ19,シリンダ室49を有している。
【0052】
第2ラジアルピストンポンプ37a,37bも同様であり,それぞれ,シャフト14b,偏心カム15,ピストン16,シリンダ19,シリンダ室49を有している。
【0053】
また,第1ラジアルピストンポンプ36a,36bは,図4に示すように,それぞれ,シリンダ室49に連通する吸入チェック弁17a,17b及び吐出チェック弁18a,18bを有し,第2ラジアルピストンポンプ37a,37bも,図5に示すように,それぞれ,シリンダ室49に連通する吸入チェック弁17c,17d及び吐出チェック弁18c,18dを有している。
【0054】
第1ラジアルピストンポンプ36aは,前述した4つの第1ポンプ要素11a~11dのうち2つの第1ポンプ要素11a,11dを形成し,第1ラジアルピストンポンプ36bは,残りの2つの第1ポンプ要素11b,11cを形成する。
【0055】
第2ラジアルピストンポンプ37aは,4つの第2ポンプ要素12a~12dのうち2つの第2ポンプ要素12a,12dを形成し,第2ラジアルピストンポンプ37bは,残りの2つの第2ポンプ要素12b,12cを形成する。
【0056】
以下にその詳細を図6を用いて説明する。
【0057】
第1ラジアルピストンポンプ36aは,図6の左側に示すように,ピストン16とシリンダ19とで構成されかつシャフト14aに対して周方向に例えば等角度に放射状に配置された6本のピストンポンプ60を有し,シャフト14aと一体の偏心カム15が回転するとピストンポンプ60のそれぞれのピストン16はシリンダ19内を往復動し,ポンプケーシング48内の第1ポンプ室48aに満たされた作動油を吸入チェック弁17a(図4参照)からシリンダ室50に吸入し,その作動油を加圧し,圧油として吐出チェック弁18aから吐出する。吐出された圧油はポンプケーシング48の内部通路61a,61dを通って,ポンプケーシング48の側面に形成された開口部62a,62dからポートブロック13内に流入し,図7に示す第1吐出ポート45a~45dのいずれか,図示実施形態では第1吐出ポート45a,45dに導かれ,吐出ポート45a,45dから吐出される。
【0058】
第1ラジアルピストンポンプ36bも同様に構成されており,図4に示す吐出チェック弁18bから吐出された圧油は,ポンプケーシング48の内部通路及びポートブロック13を経由して図7に示す第1吐出ポート45b,45cに導かれ,吐出ポート45b,45cから吐出される。
【0059】
第2ラジアルピストンポンプ37a,37bも同様である。すなわち,第2ラジアルピストンポンプ37aも,図6の右側に示すように,ピストン16とシリンダ19とで構成されかつシャフト14bに対して周方向に例えば
等角度に放射状に配置された6本のピストンポンプ60を有しており,第2ラジアルピストンポンプ37bも同様に構成されている。また,第2ラジアルピストンポンプ37aの場合は,吐出チェック弁18cから吐出された圧油はポンプケーシング48の内部通路63a,63dを通って,ポンプケーシング48の側面に形成された開口部64a,64dからポートブロック13内に流入し,図7に示す第1吐出ポート46a,46dに導かれ,吐出ポート46a,46dから吐出される。第2ラジアルピストンポンプ37bの場合は,図5に示す吐出チェック弁18dから吐出された圧油は,ポンプケーシング48の内部通路及びポートブロック13を経由して図7に示す第2吐出ポート46b,46cに導かれ,吐出ポート46b,46cから吐出される。
【0060】
図4及び図5において,吸入チェック弁17aは電磁式オンオフ弁(以下電磁弁と言う)であり,電磁弁がOFFの時は吸入チェック弁17aに示すようにばねで弁が常に開いている。このためピストン16の下降時にシリンダ室50に吸入された作動油はピストン16の上昇時に再び吸入チェック弁17aからポンプケーシング48内に戻り,吐出されることはない。ピストン16の上昇時に電磁弁をONにすることで吸入チェック弁17bに示すように弁が閉じ,シリンダ室50が加圧されて吐出チェック弁18bが開き,吐出がなされる。また,ON-OFFするタイミングを制御することにより吸入チェック弁を閉じるタイミングが制御され,ピストン16の1ストロークでの吐出流量を制御することができる。
【0061】
このように電磁弁のON-OFFと,ON-OFFするタイミングを制御することにより第1ラジアルピストンポンプ36a,36b及び第2ラジアルピストンポンプ37a,37bのそれぞれにおいて,6本ンのピストンポンプ60の吐出流量を一本ごとに独立して制御することが可能である。
【0062】
また,第1ラジアルピストンポンプ36aの6本のピストンポンプ60を複数のグループに分け,グループ毎にピストンポンプ60の吐出油を合流させて吐出ポートから吐出させることで,第1ラジアルピストンポンプ36aの6本ンのピストンポンプ60から複数の圧油を吐出させることができる。第1ラジアルピストンポンプ36b,第2ラジアルピストンポンプ37a,37bも同様である。本明細書では,このように各ラジアルピストンポンプの6本ンのピストンポンプ60を複数のグループに分け,グループ毎にピストンポンプ60の吐出油を合流させて吐出ポートから吐出させるようにしたもののそれぞれを「ポンプ要素」と呼んでいる。
【0063】
本実施形態では,ポンプ脈動を低減するために各ラジアルピストンポンプの6本ンのピストンポンプ60を2つのグループに分け,3本のピストンポンプ60を用いて1つのポンプ要素を形成している。
【0064】
より詳しくは,第1油圧ポンプ11の第1ラジアルピストンポンプ36aの6本のピストンポンプ60により2つのポンプ要素11a,11dを形成し,第1ラジアルピストンポンプ36bの6本のピストンポンプ60により2つのポンプ要素11b,11cを形成し,ポンプ要素11a~11dからの圧油を4つの吐出ポート45a~45dから吐出する構成としている。同様に,第2油圧ポンプ12の第2ラジアルピストンポンプ37aの6本のピストンポンプ60により2つのポンプ要素12a,12dを形成し,第2油圧ポンプ12の第2ラジアルピストンポンプ37bの6本のピストンポンプ60により2つのポンプ要素12b,12cを形成し,ポンプ要素12a~12dからの圧油を4つの吐出ポート46a~46dから吐出する構成としている。
【0065】
このことを,図6を用いて更に説明する。
【0066】
図6において,第1ラジアルピストンポンプ36aの6本のピストンポンプ60に対し,時計回りに符号60a,60b,60c,60d,60e,60fを付して示すと,ピストンポンプ60a,60c,60eの吐出油を合流させてポンプ要素11aを形成し,ピストンポンプ60b,60d,60fの吐出油を合流させてポンプ要素11dを形成する。それぞれの合流した吐出流量は開口部62a,62dからポートブロック24に流入し,図7に示される吐出ポート45a,45dに導かれる。第1油圧ポンプ11の第1ラジアルピストンポンプ36bも同様に,第1ラジアルピストンポンプ36bは2つのポンプ要素11b,11cを形成し,それぞれの合流した吐出流量は図7に示される吐出ポート45b,45cに導かれる。
【0067】
第2油圧ポンプ12の第2ラジアルピストンポンプ37a,37bも同様であり,第2ラジアルピストンポンプ37aは2つのポンプ要素12a,12dを形成し,それぞれの合流した吐出流量は図7に示される吐出ポート46a,46dに導かれ,第2ラジアルピストンポンプ37bは2つのポンプ要素12b,12cを形成し,それぞれの合流した吐出流量は図7に示される吐出ポート46b,46cに導かれる。
【0068】
このように2つの第1ラジアルピストンポンプ36a,36bのそれぞれの6本のピストンポンプ60は,それぞれ,2つのグループに分けられ,グループ毎に各ピストンポンプ60から吐出された圧油を合流して第1油圧ポンプ11の4つのポンプ要素11a~11dを形成している。同様に,2つの第2ラジアルピストンポンプ37a,37bのそれぞれの6本のピストンポンプ60は,それぞれ,2つのグループに分けられ,グループ毎に各ピストンポンプ60から吐出された圧油を合流して第2油圧ポンプ12の4つのポンプ要素12a~12dを形成している。
【0069】
なお,本実施形態において,図3に示すように,第1ラジアルピストンポンプ36a,36bは第2ラジアルピストンポンプ37a,37bに対し,第1及び第2従動シャフト14a,14bの軸方向に整合するよう配置した。しかし,これは一例であり,第1ラジアルピストンポンプ36a,36bは第2ラジアルピストンポンプ37a,37bに対し,第1及び第2従動シャフト14a,14bの軸方向にずれて配置してもよく,この場合,第2従動シャフト14bに向かう方向における第1ラジアルピストンポンプ36a,36bの半径方向の範囲が,第1従動シャフト14aに向かう方向における第2ラジアルピストンポンプ37a,37bの半径方向の範囲を越えて伸びるようにしてもよい。これによりパラレルポンプ30の構成をコンパクトにすることができる。
【0070】
[マニホールドブロック]
図8はマニホールドブロック40の上面図であり,図9はマニホールドブロック40の底面図であり,図10図4のXII-XII線に沿ったマニホールドブロック40の水平断面図であり,図11図8のXIII-XIII線に沿ったマニホールドブロック40の縦断面図である。
【0071】
図8図11に示すように,マニホールドブロック40は断面矩形の細長い直方体形状をなし,相対する側面40b,40cを形成したブロック本体40aを有し,このブロック本体40aに上述した4つの第1切換弁41a~41d及び4つの第2切換弁42a~42dが取り付けられている。第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dは,それぞれ,一端にソレノイド部41s,42sを備えた電磁式の切換弁である。
【0072】
第1切換弁41a~41dは,図4図8及び図10に示すように,ブロック本体40aの長手方向の第1油圧ポンプ11が位置する側で,ブロック本体40aの相対する側面40b,40cの一方であるブロック本体40aのギヤボックス47の反対側の側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられている。第2切換弁42a~42dは,図5図8及び図10に示すように,ブロック本体40aの長手方向の第2油圧ポンプ12が位置する側で,ブロック本体40aの相対する側面40b,40cの他方であるブロック本体40aのギヤボックス47側の側面40cからそれぞれのソレノイド部42sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられている。
【0073】
また,図8に示すように,マニホールドブロック40のブロック本体40aの上面40Sに,コントロールバルブ20(図15参照)に第1及び第2油圧ホース51,52(図15参照)を介して接続される2つの第1及び第2サービスポート43,44が形成され,図9に示すように,ブロック本体40aの底面に,4つの第1吐出ポート45a,45b,45c,45d及び4つの第2吐出ポート46a,46b,46c,46dからの圧油がそれぞれ流入する4つの第1入口ポート65a~65d及び4つの第2入口ポート66a~66dが形成されている。
【0074】
前述したように,第1吐出ポート45a,45b,45c,45d及び第2吐出ポート46a,46b,46c,46dはポートブロック13の側部(上面)13Sに開口するよう形成され,マニホールドブロック40は,4つの第1入口ポート65a~65dがポートブロック13の側部13Sに形成された4つの第1吐出ポート45a~45d(図7参照)に整合し,4つの第2入口ポート66a~66dがポートブロック13の側部13Sに形成された4つの第2吐出ポート46a~46d(図7参照)に整合するように,ポートブロック13の側部13Sにボルト等で結合されている。
【0075】
このようにポートブロック13の側部13Sにマニホールドブロック40を結合することにより,ポートブロック13の第1吐出ポート45a~45d及び第2吐出ポート46a~46dを第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dに接続するための油圧ホースが不要となり,かつマニホールドブロック40を含めたポンプ装置10を小型化し,ポンプ装置10の建設機械への搭載性を向上させることができる。
【0076】
4つの第1切換弁41a~41dは,4つの第1入口ポート65a~65dから流入した圧油を2つのサービスポート43,44のいずれかに導くよう4つの第1入口ポート65a~65dから流入した圧油の流れ方向を切り換えるようマニホールドブロック40のブロック本体40aに組み込まれ,4つの第2切換弁42a~42dは,4つの第2入口ポート66a~66dから流入した圧油を2つのサービスポート43,44のいずれかに導くよう4つの第2入口ポート66a~66dから流入した圧油の流れ方向を切り換えるようマニホールドブロック40のブロック本体40aに組み込まれている。
【0077】
より詳しくは,ブロック本体40aに形成された第1入口ポート65aは,図11に示すように,第1切換弁41aの入口ポートとして設けられ,第1切換弁41aの出口側には2つの出口ポート67a,68aが形成され,出口ポート67a,68aはそれぞれブロック本体40aに形成された内部通路43a,44aに連通している。
【0078】
図示しないが,第1入口ポート65b~65dも同様に,それぞれ,第1切換弁41b~41dの入口ポートとして設けられ,第1切換弁41b~41dの出側には出口ポートが2つずつ形成され,これら出口ポートもそれぞれブロック本体40aに形成された内部通路43a,44aに連通している。
【0079】
第2入口ポート66a~66d(図9参照)も同様であり,第2入口ポート66a~66dはそれぞれ第2切換弁42a~42dの入口ポートとして設けられ,第2切換弁42a~42dの出側には図示しない出口ポートが2つずつ形成され,これら出口ポートもそれぞれ内部通路43a,44aに連通している。
【0080】
なお,図11には,第1切換弁41aのスプール部分が挿入されるバルブ室の底部に第1ポンプ室48aを介してタンクに連通するオイルタンク55に連通するドレン通路69aが形成され,スプール部分がバルブ室内で移動できるようになっている。後述する図12,15等ではドレン通路の図示を省略している。
【0081】
2つの内部通路43a,43bは,第1切換弁41a~41d及び4つの第2切換弁42a~42dの上側に位置し,図8に破線で示すように両端が閉じられかつ互いに平行に形成されている。ブロック本体40aの上面40Sに形成された第1及び第2サービスポート43,44は,それぞれ,内部通路43a,44aに連通するよう形成されている。内部通路43a,43bの一端を開いたままとし,その開口をサービスポートとして用いてもよい。
【0082】
図12は,第1切換弁41aが初期位置にあるときの第1入口ポート65aと2つの内部通路43a,44aとの接続状態を示す図であり,図13は第1切換弁41aが初期位置から非初期位置に切り換えられたときの第1入口ポート65aと2つの内部通路43a,44aとの接続状態を示す図である。
【0083】
図12に示すように,第1切換弁41aが初期位置にあるとき,第1入口ポート65aは直線形状の出口ポート67aを介して内部通路43aに連通し,図13に示すように,第1切換弁41aが初期位置から非初期位置に切り換えられたとき,第1入口ポート65aはL字形状の出口ポート68aを介して内部通路44aに連通する。図示はしないが,第1切換弁41b~41dも同様に構成されている。
【0084】
第2切換弁42a~42dも同様であり,初期位置にあるとき,第2入口ポート66b~66dはそれぞれ図示しない2つの出口ポートの一方を介して内部通路44aに連通し,第2切換弁42a~42dが初期位置から非初期位置に切り換えられたとき,第2入口ポート66b~66dはそれぞれ図示しない2つの出口ポートの他方を介して内部通路43aに連通する。
【0085】
ただし,第2切換弁42a~42dは第1切換弁41a~41dとは反対側のマニホールドブロック40の側面40cから突出するように取り付けられているため,図11図13と同じ断面図で見た場合,2つの出口ポートは図11図13に示す出口ポート67a,68aとは逆の形状になっている。すなわち,2つの出口ポートのうち,内部通路43aにつながる出口ポートはL字形状をしており,内部通路44aにつながる出口ポートは直線形状をしている。
【0086】
このように第1切換弁41a~41dをブロック本体40aの相対する側面40b,40cの一方である側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにブロック本体40aに取り付け,第2切換弁42a~42dをブロック本体40aの相対する側面40b,40cの他方である側面40cからそれぞれのソレノイド部42sが突出するようにブロック本体40aに取り付けることにより,スプール形状が同じ切換弁を使用してマニホールドブロック40を構成することができる。このためマニホールドブロック40の製作が容易となる。
【0087】
第1油圧ポンプ11の4つのポンプ要素11a~11dから吐出された圧油は,ポートブロック13の上面13Sに形成された4つの第1吐出ポート45a~45d(図7参照)からマニホールドブロック40の4つの第1入口ポート65a~65dに流入し,第1切換弁41b~41dの切換位置に応じて出口ポート67a(他の3つの出口ポートは図示せず)と出口ポート68a(他の3つの出口ポートは図示せず)のいずれか一方を通って内部通路43a及び/又は44aへと流入し,第1及び第2サービスポート43及び/又は44からコントロールバルブ20(図14及び図15参照)へと供給される。
【0088】
第2油圧ポンプ12の4つのポンプ要素12a~12dから吐出された圧油も,同様に,ポートブロック13の上面13Sに形成された4つの第2吐出ポート46a~46d(図7参照),マニホールドブロック40の4つの第2入口ポート66a~66d,第2切換弁42b~42d,図示しない出口ポートを経由して内部通路43a及び/又は44aへと流入し,第1及び第2サービスポート43及び/又は44からコントロールバルブ20(図14及び図15参照)へと供給される。
【0089】
~上部旋回体におけるポンプ装置のレイアウト~
図14は,ポンプ装置10を上部旋回体102に搭載した状態を示すレイアウト図である。
【0090】
図14において,上部旋回体102のベース部である旋回フレーム102b上に原動機であるエンジン1と,ポンプ装置10と,コントロールバルブ20と,オイルタンク55が搭載され,上部旋回体102の図示左側のサイドパネルに,ポンプ装置10が位置するポンプ室にオペレータがアクセスするための開閉カバー102cが設けられている。
【0091】
ポンプ装置10はエンジン1の冷却ファン1bの反対側に位置し,エンジン1の出力軸にパラレルポンプ30のポンプシャフト14(図2参照)が接続されている。また,パラレルポンプ30のエンジン1の出力軸の反対側(開閉カバー102c側)にポートブロック13(図3参照)が位置し,このポートブロック13の上面13Sにマニホールドブロック40が搭載されている。マニホールドブロック40は第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dを備え,マニホールドブロック40の上面に第1及び第2サービスポート43,44が形成されている。
【0092】
第1切換弁41a~41dはマニホールドブロック40のポンプシャフト14が位置するギヤボックス47の反対側(すなわちエンジン1の反対側)の側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにマニホールドブロック40に搭載され,第2切換弁42a~42dはマニホールドブロック40のギヤボックス47側(すなわちエンジン1側)の側面からそれぞれのソレノイド部42sが突出するようにマニホールドブロック40に搭載されている。
【0093】
コントロールバルブ20は,4連の第1バルブグループ33と5連の第2バルブグループ34の2つのバルブグループから構成され,マニホールドブロック40の第1サービスポート43は第1油圧ホース51を介してコントロールバルブ20の第1バルブグループ33に接続され,第2サービスポート44は第2油圧ホース52を介してコントロールバルブ20の第2バルブグループ34に接続されている。第1及び第2油圧ホース51,52はマニホールドブロック40の上面40Sから上方に立ち上がってからオイルタンク55の方向に伸び,オイルタンク55の横を通ってマニホールドブロック40からコントロールバルブ20へと引き回されている。
【0094】
~油圧回路システムの適用例~
[システム構成]
図15は,本発明の上述した第1の実施形態に係わるポンプ装置10を2ポンプ2バルブグループシステムに適用した油圧回路システムの一例を示す図である。
【0095】
図15において,油圧回路システムは,上述した原動機であるエンジン1及びエンジン1により駆動されるポンプ装置10と,ポンプ装置10から吐出された圧油により駆動される複数のアクチュエータ104a~108d(アクチュエータ106a~108dは図1参照)と,ポンプ装置10から複数のアクチュエータ104a~108dへ供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁21~29と,複数の方向制御弁21~29を切り換え,複数のアクチュエータ104a~108dを動作させる複数の操作レバー装置56a,56b,56c,56dとを備えている。
【0096】
ポンプ装置10は,前述したポンプ装置であり,第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12を有するパラレルポンプ30と,パラレルポンプ30から吐出された圧油の流れ方向を切り換えるマニホールドブロック40とを備えている。第1及び第2油圧ポンプ11,12はエンジン1により駆動され,オイルタンク55から吸入した圧油を吐出する。エンジン1に代え,電動モータを用いてもよい。
【0097】
第1及び第2油圧ポンプ11,12は,それぞれ,4つの第1吐出ポート45a~45d及び4つの第2吐出ポート46a~46dを有しており,第1油圧ポンプ11は,4つの第1吐出ポート45a~45dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な4つの第1ポンプ要素11a~11dを内包し,第2油圧ポンプ12は,4つの第2吐出ポート46a~46dから吐出される圧油の流量を独立に制御可能な4つの第2ポンプ要素12a~12dを内包している。
【0098】
マニホールドブロック40は,4つの第1切換弁41a~41及び4つの第2切換弁42a~42dを有しており,第1吐出ポート45a~45d及び第2吐出ポート46a~46dから流入した圧油の流れ方向を第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dによって切り換え,それらの圧油を第1サービスポート43及び第2サービスポート44のいずれかに導くように構成されている。
【0099】
また,第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dは,初期位置である第1位置と非初期位置である第2位置とに切り換え可能な電磁式の切換弁であり,第1切換弁41a~41dは,第1位置において,第1吐出ポート45a~45dを第1サービスポート43に連通させ,第2位置において,第1吐出ポート45a~45dを第2サービスポート44に連通させる。第2切換弁42a~42dは,第1位置において,第2吐出ポート46a~46dを第2サービスポート44に連通させ,第2位置において,第2吐出ポート46a~46dを第1サービスポート43に連通させるように油圧回路が構成されている。
【0100】
マニホールドブロック40の第1サービスポート43及び第2サービスポート44は,複数の方向制御弁21~29をバルブハウジング内に納めたコントロールバルブ20に第1油圧ホース51及び第2油圧ホース52を介して接続されている。
【0101】
複数のアクチュエータ104a~108dは,それぞれ図1に示したブームシリンダ104a,アームシリンダ105a,バケットシリンダ106a,旋回モータ107a,左走行モータ108c及び右走行モータ108dであり,複数の方向制御弁21~29は,それぞれ,走行右用方向制御弁21,バケット用方向制御弁22,ブームI用方向制御弁23,ブームII用方向制御弁27と,アームII用方向制御弁24,旋回用方向制御弁25,アームI用方向制御弁26,予備用方向制御弁28,走行左用方向制御弁29である。
【0102】
操作レバー装置56aはブーム104及びバケット106用であり,操作レバー装置56bはアーム105及び旋回装置107用であり,操作レバー装置56cは左走行装置108a用であり,操作レバー装置56dは右走行装置108b用である。
【0103】
複数の方向制御弁21~29は,操作される頻度が比較的高い特定の第1アクチュエータ用の方向制御弁であるブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27を含む4連の第1バルブグループ33と,操作される頻度が比較的高い特定の第2アクチュエータ用の方向制御弁であるアームI用方向制御弁26及びアームII用方向制御弁24を含む5連の第2バルブグループ34とに分けられている。コントロールバルブ20は,第1及び第2バルブグループ33,34に接続された第1及び第2ポンプポート31,32を有し,第1及び第2ポンプポート31,32は第1及び第2油圧ホース51,52を介して第1及び第2サービスポート43,44に接続されている。
【0104】
第1及び第2サービスポート43,44の数はコントロールバルブ20に含まれるバルブグループ33,34の数(第1及び第2ポンプポートの数)と同じ2である。
【0105】
なお,マニホールドブロック40の複数のサービスポートの数はコントロールバルブ20に含まれる複数のバルブグループの数と同じであればよいので,例えば,コントロールバルブ20に3つのバルブグループが含まれる場合は,マニホールドブロック40の複数のサービスポートの数も3つとなる。この場合は,サービスポートの数が2から3に増えたことに伴い,第1ポンプ要素11a~11d及び第2ポンプ要素12a~12dから吐出された圧油が3つのサービスポートに分配されるよう第1切換弁41a~41d及び複数の第2切換弁42a~42dの出口側を3つのサービスポートに接続すればよい。
【0106】
第1サービスポート43からの圧油は第1油圧ホース51を通ってポンプポート31からコントロールバルブ20に流入し,第1バルブグループ33の走行右用方向制御弁21,バケット用方向制御弁22,ブームI用方向制御弁23,ブームII用方向制御弁27に供給される。第2サービスポート44からの圧油は第2油圧ホース52を通ってポンプポート32からコントロールバルブ20に流入し,第2バルブグループ34の旋回用方向制御弁25,アームI用方向制御弁26,アームII用方向制御弁24,予備用方向制御弁28,走行左用方向制御弁29に供給される。
【0107】
第1バルブグループ33は,方向制御弁21,22,23,27をセンタバイパスライン33aに配置し,方向制御弁21,22,23,27を互いに並列に接続したオープンセンタ回路として構成され,第2バルブグループ34は,方向制御弁24,25,26,28,29をセンタバイパスライン34aに配置し,方向制御弁24,25,26,28,29を互いに並列に接続したオープンセンタ回路として構成されている。
【0108】
方向制御弁21~29は,コントローラ57から出力される指令に基づいて動作する電磁式の制御弁であり,操作レバー装置56a,56b,56c,56dのレバーが操作されておらず,コントローラ57から指令がない場合は中立状態にあり,ポンプポート32から流入した圧油はセンタバイパスライン33a,34aを通ってオイルタンク55に還流する。操作レバー装置56a,56b,56c,56dのレバーが操作され,コントローラ57から指令が生成されると,方向制御弁21~29は中立状態から切り換わり,ポンプポート31,32から流入した圧油の流量配分を調整して,それらの圧油をそれぞれのアクチュエータ104a~108dに供給する。また,ブームI用方向制御弁23とブームII用方向制御弁27が中立状態から切り換わると,これら方向制御弁23,27からの圧油が合流してブームシリンダ104aに供給される。アームI用方向制御弁26とアームII用方向制御弁24も中立状態から切り換わると,これら方向制御弁24,26からの圧油が合流してアームシリンダ105aに供給される。
【0109】
コントローラ57は,操作レバー装置56a~56dからの操作信号と,エンジン1の回転数や第1及び第2油圧ポンプ11,12の吐出圧など各部の圧力などのセンサ信号を入力し,これらの信号に基づいてポンプコントローラ58,59,切換弁41a~41d,42a~42d,方向制御弁21~29に指令を与える。ポンプコントローラ58,59はコントローラ57からの指令に基づいて吸入チェック弁17a,17b及び吸入チェック弁17c,17dを制御し,第1及び第2ポンプ要素11a~11d,12a~12dの吐出流量を独立に制御する。
【0110】
エンジン1の回転数は,例えば第1油圧ポンプ11又は第2油圧ポンプ12のシャフト14(図2参照)に,エンコーダなどの回転センサを配置することにより検出することができる。第1及び第2油圧ポンプ11,12の吐出圧は,例えば第1及び第2油圧ホース51,52に圧力センサを接続することにより検出することができる。回転センサのセンサ信号は,第1及び第2ポンプ要素11a~11d,12a~12dの圧油の流量制御に用いられ,圧力センサのセンサ信号は第1及び第2ポンプ要素11a~11d,12a~12dの圧油の馬力制御に用いられる。
【0111】
[動作]
次に,以上の油圧回路システムにおいて,ブーム104とアーム105を動作させる場合の動作例を説明する。
【0112】
<<非操作>>
図15において,操作レバー装置56a~56dのレバーが操作されておらず,コントローラ57からの指令がないとき,切換弁41a~41d,42a~42dは図示の位置にあり,第1油圧ポンプ11内の4つのポンプ要素11a~11dは第1バルブグループ33に,第2油圧ポンプ12内の4つのポンプ要素12a~12dは第2バルブグループ34に接続されている。また,ポンプ要素11a~11d,12a~12dは吐出流量がゼロであるか,微量な流量を吐出している。方向制御弁21~29は中立状態なので,その圧油はセンタバイパスライン33a,34aを通ってオイルタンク55に流れる。
【0113】
<<ブーム単独駆動>>
操作レバー装置56aのレバーがブーム駆動方向に操作されると,コントローラ57からの指令により,レバー操作量(要求流量)に応じてブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27が変位し,第1油圧ポンプ11からの圧油によりブームシリンダ104aが駆動される。また,ポンプコントローラ58からの指令により第1油圧ポンプ11の流量もレバー操作量に応じて増加する。すなわち,まずポンプ要素11aの吐出流量が増加し始め,ポンプ要素11aが最大流量に達すると,次にポンプ要素11bの吐出流量が増える。ポンプ要素11bが最大流量に達すると,ポンプ要素11cの吐出流量が増え,ポンプ要素11cが最大流量に達すると,ポンプ要素11dの吐出流量が増える。
【0114】
第1ポンプ要素11a~11dから吐出された圧油は第1吐出ポート45a~45d,第1入口ポート65a~65d,第1切換弁41a~41d,内部通路43a,第1サービスポート43,第1油圧ホース51,第1ポンプポート31を経由してブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27に供給され,更にブームシリンダ104aに供給される。
【0115】
レバー操作量が更に増え,ブームシリンダ104aの必要流量が第1油圧ポンプ11だけでは賄えない場合は,切換弁42aを切換え,ポンプ要素12aの流量を加えることができ,切換弁42a,42b,42c,42dを切換えれば第2油圧ポンプ12の全流量を加えることができる。
【0116】
第2ポンプ要素12a~12dから吐出された圧油は第2吐出ポート46a~46d,第2入口ポート66a~66d,第2切換弁42a~42d,内部通路43a,第1サービスポート43,第1油圧ホース51,第1ポンプポート31を経由してブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27に供給され,更にブームシリンダ104aに供給される。
【0117】
このようにすなわち,8個ある全ポンプ要素11a~11d,12a~12dをブームシリンダ104aに接続することが可能であるので,ブームシリンダ104aの高速動作が可能となる。
【0118】
<<アーム単独駆動>>
操作レバー装置56bのレバーがアーム駆動方向に操作されると,コントローラ57からの指令により,レバー操作量に応じてアームI用方向制御弁26及びアームII用方向制御弁24が変位し,第2油圧ポンプ12からの圧油によりアームシリンダ105aが駆動される。また,ポンプコントローラ59からの指令により,第2油圧ポンプ12の流量もレバー操作量に応じて増加し,まずポンプ要素12aの吐出流量が増加し始め,ポンプ要素12aが最大流量に達すると,次にポンプ要素12bの吐出流量が増える。ポンプ要素12bが最大流量に達すると,ポンプ要素12cの吐出流量が増え,ポンプ要素12cが最大流量に達するとポンプ要素12dの吐出流量が増える。
【0119】
第2ポンプ要素12a~12dから吐出された圧油は第2吐出ポート46a~46d,第2入口ポート66a~66d,第2切換弁42a~42d,内部通路44a,第2サービスポート44,第2油圧ホース52,第2ポンプポート32を経由してアームI用方向制御弁26及びアームII用方向制御弁24に供給され,更にブアームシリンダ105aに供給される。
【0120】
レバー操作量が更に増え,アームシリンダ105aの必要流量が第2油圧ポンプ12だけでは賄えない場合は,切換弁41aを切換え,ポンプ要素11aの流量を加えることができ,切換弁41a,41b,41c,41dを切換えれば第1油圧ポンプ11の全流量を加えることができる。
【0121】
第1ポンプ要素11a~11dから吐出された圧油は第1吐出ポート45a~45d,第1入口ポート65a~65d,第1切換弁41a~41d,内部通路44a,第2サービスポート44,第2油圧ホース52,第2ポンプポート32を経由してブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27に供給され,更にアームシリンダ105aに供給される。
【0122】
このように8個ある全ポンプ要素11a~11d,12a~12dをアームシリンダ105aに接続することが可能であるので,アームシリンダ105aの高速動作が可能となる。
【0123】
<<ブームとアームの同時駆動>>
ブーム104とアーム105を同時に動作させる場合は,操作レバー装置56aのレバーがブーム駆動方向に操作され,操作レバー装置56bのレバーがアーム駆動方向に操作されると,コントローラ57からの指令により,レバー操作量(要求流量)に応じてブームI用方向制御弁23及びブームII用方向制御弁27が変位し,アームI用方向制御弁26及びアームII用方向制御弁24が変位する。また,このとき,例えば操作レバー装置56aのレバーをフル操作量の20%,操作レバー装置56bのレバーをフル操作量の20%で入力した場合,ポンプ要素11a,11b及びポンプ要素12a,12bが圧油を吐出し,ブームシリンダ104aはポンプ要素11a,11bからの圧油により,アームシリンダ105aはポンプ要素12a,12bからの圧油により駆動される。8個の全ポンプ要素11a~11d,12a~12dの合計の最大流量を超える要求が入力された場合,例えば操作レバー装置56aのレバーを100%,操作レバー装置56bのレバーを60%で入力した場合は,両者の比に応じてポンプ要素11a~11d,12a~12dが配分され(100:60→5:3),ブームシリンダ104aは5個のポンプ要素11a,11b,11c,11d,12aにより,アームシリンダ105aは3個のポンプ要素12d,12c,12bにより駆動される。
【0124】
このようにブームシリンダ104aとアームシリンダ105aは,それぞれのポンプ要素から供給される圧油が分流することなく,独立して駆動されるので,それぞれのポンプ要素はブームシリンダ104a及びアームシリンダ105aに必要な最低圧力の流量を供給すればよい。このため方向制御弁で圧油を絞って減圧する必要がなく,分流ロスを低減することができる。
【0125】
~効果~
本実施形態によれば,以下の効果が得られる。
【0126】
1.仮に従来のように,第1及び第2切換弁41a~41d,42a~42dをパラレルポンプ30のポートブロック13から離して設置した場合,第1及び第2吐出ポート45a~45d,46a~46dを第1及び第2切換弁41a~41d,42a~42dに接続するのに8本の油圧ホースが必要となり,8本の油圧ホースを第1及び第2吐出ポート45a~45d,46a~46dに接続するために,油圧ホースを通すスペース確保のため搭載性が低下する上,ホース接続の作業工数増大,油圧接続部の増加による漏れ・信頼性リスクなど,多くの課題が発生する。また8本の油圧ホースを接続するために第1及び第2吐出ポート45a~45d,46a~46d間の距離を離す必要があるので,ポートブロック13が大型化し,ポンプ装置10も大型化するので,この点でも搭載性が低下する。
【0127】
本実施形態においては,第1吐出ポート45a,45b,45c,45d及び第2吐出ポート46a,46b,46c,46dはポートブロック13の側部(上面)13Sに開口するように形成され,マニホールドブロック40は,4つの第1入口ポート65a~65dがポートブロック13の上面13Sに形成された4つの第1吐出ポート45a~45d(図7参照)に整合し,4つの第2入口ポート66a~66dがポートブロック13の上面13Sに形成された4つの第2吐出ポート46a~46d(図7参照)に整合するように,ポートブロック13の上面13Sにボルト等で結合されている。
【0128】
これにより複数の吐出ポート(第1及び第2吐出ポート)45a~45d,46a~46dから吐出される圧油の流量を独立して制御可能な油圧ポンプ11,12を2台配置してパラレルポンプ30を構成し,油圧回路システムの油圧源として使用する場合に,複数の吐出ポート(第1及び第2吐出ポート)45a~45d,46a~46dをマニホールドブロック40の第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dに接続するための多数の油圧ホースを全て無くし,かつマニホールドブロック40を含めたポンプ装置10を小型化し,ポンプ装置10の建設機械への搭載性を向上させることができる。
【0129】
また,油圧ホースの接続作業は発生せず,ポンプ装置10の搭載が容易であり,かつ漏れ箇所が減るので漏れに対する信頼性も向上させることができる。
【0130】
更に,本実施形態においては,前述したように,ブーム104の単独操作時に,8個のポンプ要素11a~11d,12a~12dを用いてブームシリンダ104aを駆動するので,レバー操作量に応じて吐出流量をきめ細かく制御することができ,ブームシリンダ104aの速度変動が滑らかになり,操作性が向上する。また,8個ある全ポンプ要素11a~11d,12a~12dの吐出流量をブームシリンダ104aに供給することにより,ブームシリンダ104aの高速動作が可能となり,作業量を確保することができる。
【0131】
アーム105の単独操作時も同様であり,レバー操作量に応じて吐出流量をきめ細かく制御することができ操作性が向上するとともに,アームシリンダ105aの高速動作が可能となり,作業量を確保することができる。
【0132】
なお,本実施形態では,第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12のポンプ要素の数を,それぞれ,4個ずつとし,それにあわせて吐出ポート及び第1及び第2の切換弁の数も,それぞれ,4個ずつとしたが,これに限られない。第1油圧ポンプ11及び第2油圧ポンプ12のポンプ要素の数は,それぞれ,2個,3個,5個など,2個以上あればよく,それに合わせて吐出ポート及び第1及び第2の切換弁の数も,それぞれ,2個以上あればよく,これによっても搭載性,小型化,信頼性,操作性,作業量等に関し,上述した効果を得ることができる。
【0133】
2.第1切換弁41a~41dはブロック本体40aの相対する側面40b,40cの一方である側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられ,第2切換弁42a~42dはブロック本体40aの相対する側面40b,40cの他方である側面40cからそれぞれのソレノイド部42sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられている。このためスプール形状が同じ切換弁を使用してマニホールドブロック40を構成することができ,マニホールドブロック40の製作が容易となる。
【0134】
3.マニホールドブロック40の複数のサービスポート43,44の数はコントロールバルブ20に含まれるバルブグループ33,34の数と同じであり,マニホールドブロック40の複数のサービスポート43,44はマニホールドブロック40の上面40Sに開口するよう形成されている。サービスポート43,44は,コントロールバルブ20に2本の油圧ホース51,52を介して接続されている。このため図14に示すように,サービスポート43,44をマニホールドブロック40の上面40Sに形成し,サービスポート43,44に2本の油圧ホース51,52を接続することにより,2本の油圧ホース51,52をマニホールドブロック40の上面40Sから上方に立ち上げ,オイルタンク55の横を通ってコントロールバルブ20へと引き回すことができ,マニホールドブロック40からコントロールバルブ20への油圧ホース51,52の引き回しがシンプルで容易となり,建設機械へのポンプ装置10の搭載性を更に向上させることができる。
【0135】
4.第1切換弁41a~41dは,第1位置において,第1吐出ポート45a~45dを第1サービスポート43に連通させ,第2位置において,第1吐出ポート45a~45dを第2サービスポート44に連通させ,第2切換弁42a~42dは,第1位置において,第2吐出ポート46a~46dを第2サービスポート44に連通させ,第2位置において,第2吐出ポート46a~46dを第1サービスポート43に連通させるように油圧回路が構成されている。
【0136】
このためレバー操作量(要求流量)に応じてポンプ要素11a~11dを順次ブームシリンダ104aに接続してブームシリンダ104aにポンプ要素11a~11dの吐出流量を供給するとき,切換弁41a~41dを切り換えずに吐出流量を供給できるため,切換弁41a~41dの切り換えによる圧力変動が発生せず,ブームシリンダ104aをスムーズに起動或いは増速することができる。レバー操作量(要求流量)に応じてポンプ要素12a~12dを順次アームシリンダ105aに接続してアームシリンダ105aにポンプ要素12a~12dの吐出流量を供給するときも同様であり,切換弁42a~42dの切り換えによる圧力変動が発生せず,アームシリンダ105aをスムーズに起動或いは増速することができる。
【0137】
また,レバー操作量に応じて8個のポンプ要素11a~11d,12a~12dを順次ブームシリンダ104aに接続してブームシリンダ104aを駆動するときも,ブームシリンダ104aの必要流量が第1油圧ポンプ11だけでは賄えるまでは,切換弁41a~41d,42a~42dのいずれも第1位置から切り換わらず,ブームシリンダ104aの必要流量が第1油圧ポンプ11だけでは賄えなくなった場合に,切換弁42a~42dを第2位置に切り換えればよい。レバー操作量に応じて8個のポンプ要素11a~11d,12a~12dを順次アームシリンダ105aに接続し,アームシリンダ105aを駆動するときも同様であり,アームシリンダ105aの必要流量が第2油圧ポンプ12だけでは賄えなくなった場合に,切換弁41a~41dを第2位置に切り換えればよい。このためブームシリンダ104a或いはアームシリンダ105aを駆動するときの切換弁41a~41d,42a~42dの切り換え回数を減らすことができ,切換弁41a~41d,42a~42dの耐久性を向上させることができる。
【0138】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態を説明する。
【0139】
図16は,本発明の第2の実施形態に係わるポンプ装置10におけるマニホールドブロック40の上面図である。
【0140】
図16に示すように,第1切換弁41a~41dは,第1の実施形態と同様,ブロック本体40aの相対する側面40b,40cの一方の側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられている。一方,第2切換弁42a~42dは,第1の実施形態と異なり,第1切換弁41a~41dが取り付けられているのと同じ側面40bからソレノイド部42sが突出するようにブロック本体40aに取り付けられている。このように本実施形態においては,第1切換弁41a~41dと第2切換弁42a~42dの全てが,ブロック本体40aの同じ側面40bからソレノイド部42sが突出するように取り付けられている。
【0141】
図17は,図16のXVII-XVII線に沿ったマニホールドブロック40の縦断面図であって,第2切換弁42aが初期位置にあるときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す,図12と同様な図であり,図18は,第2切換弁42aが初期位置から非初期位置に切り換えられたときの第1入口ポートと2つの内部通路との接続状態を示す,図13と同様な図である。
【0142】
図17に示すように,第2切換弁42aが初期位置にあるとき,第1入口ポート66aはL字形状の出口ポート71aを介して内部通路44aに連通し,図18に示すように,第2切換弁42aが初期位置から非初期位置に切り換えられたとき,第1入口ポート66aは直線形状の出口ポート70aを介して内部通路43aに連通する。図示はしないが,第2切換弁42b~42dも同様に構成されている。このように第1の実施形態では,前述したように第2切換弁42a~42dのソレノイド部42sが第1切換弁41a~41dとは反対側のマニホールドブロック40の側面40cから突出するように第2切換弁42a~42dが取り付けられているため,2つの出口ポートは図11図13に示す出口ポート67a,68aとは逆の形状になっていたが,本実施形態では,第2切換弁42a~42dが第1切換弁41a~41dと同じマニホールドブロック40の側面40bから突出するように取り付けられているため,2つの出口ポート70a,71aは図11図13に示す第1切換弁41a~41dび出口ポート67a,68aと同じ形状になっている。
【0143】
一方,第1の実施形態では,前述したように第2切換弁42a~42dは第1切換弁41a~41dとスプール形状が同じであったが,本実施形態では,図17及び図18に示されるように第2切換弁42aは,図12及び図13に示される第1換弁41aとはスプール形状が異なっている。
【0144】
図19は,本実施形態のポンプ装置10を上部旋回体102に搭載した状態を示す,図14と同様なレイアウト図である。
【0145】
図19において,前述したように,上部旋回体102の図示左側のサイドパネルに,ポンプ装置10が位置するポンプ室にオペレータがアクセスするための開閉カバー102cが設けられている。
【0146】
第1の実施形態と同様,パラレルポンプ30のエンジン1の出力軸の反対側(開閉カバー102c側)にポートブロック13(図3参照)が位置し,このポートブロック13の上面13Sにマニホールドブロック40が搭載されている。マニホールドブロック40は第1切換弁41a~41d及び第2切換弁42a~42dを備え,マニホールドブロック40の上面に第1及び第2サービスポート43,44が形成されている。
【0147】
第1切換弁41a~41dはマニホールドブロック40のブロック本体40aのポンプシャフト14(ギヤボックス47)と反対側(すなわちエンジン1の反対側)の側面40bからそれぞれのソレノイド部41sが突出するようにマニホールドブロック40に搭載され,第2切換弁42a~42dもマニホールドブロック40のポンプシャフト14(ギヤボックス47)と反対側(すなわちエンジン1の反対側)の側面40bからそれぞれのソレノイド部42sが突出するようにマニホールドブロック40に搭載されている。
【0148】
すなわち,本実施形態では,第1切換弁41a~41dと第2切換弁42a~42dは,それぞれのソレノイド部41S,42Sがマニホールドブロック40のブロック本体40aの同じ側面40bから突出するようにブロック本体40aに取り付けられており,同じ側面40bはポンプシャフト14が位置するギヤボックス47側とは反対側,すなわち左サイドパネルの開閉カバー102c側の側面である。
【0149】
本実施形態においては,第1切換弁41a~41dと第2切換弁42a~42dが,それぞれのソレノイド部41S,42Sがマニホールドブロック40のブロック本体40aの同じ開閉カバー102c側の側面40bから突出するように取り付けられているため,保守点検時,サービスマンは開閉カバー102cを図示のごとく開けることで,第1切換弁41a~41dと第2切換弁42a~42dの両方のソレノイド部41S,42Sに容易にアクセスすることができ,メンテナンス作業性が向上する効果が得られる。
【0150】
<その他>
以上の実施形態では,建設機械が履帯式の油圧ショベルである場合について説明したが,建設機械は履帯式の油圧ショベル以外の建設機械(例えば,ホイール式の油圧ショベル,油圧クレーン,ホイールローダ等)であってもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 エンジン(原動機)
10 ポンプ装置
11 第1油圧ポンプ
12 第2油圧ポンプ
13 ポートブロック
13S 側部(上面)
14 ポンプシャフト
14a 第1従動シャフト
14b 第2従動シャフト
20 コントロールバルブ
30 パラレルポンプ
31 第1ポンプポート
32 第2ポンプポート
33 第1バルブグループ
34 第2バルブグループ
36a,36b 第1ラジアルピストンポンプ
37a,37b 第2ラジアルピストンポンプ
40 マニホールドブロック
40a ブロック本体
40b 側面
40c 側面
40S 上面
41a~41d 第1切換弁
41s~41s ソレノイド部
42a~42d 第2切換弁
42s~42s ソレノイド部
43 第1サービスポート
44 第2サービスポート
43a,44a 内部通路
45a,45b,45c,45d 第1吐出ポート
46a,46b,46c,46d 第2吐出ポート
47 ギヤボックス
48 共通のポンプケーシング
51 第1油圧ホース
52 第2油圧ホース
60 ピストンポンプ
65a~65d 第1入口ポート
66a~66d 第2入口ポート
102c 開閉カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20