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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015362
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】包装用箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/36 20060101AFI20250123BHJP
   B65D 5/24 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B65D5/36 C
B65D5/24 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023128157
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】591039469
【氏名又は名称】株式会社和気
(72)【発明者】
【氏名】中島 誠
(72)【発明者】
【氏名】吉田 旭宏
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060BB01
3E060BC02
3E060BC04
3E060DA01
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】組み立てが容易な包装用箱の提供である。
【解決手段】
方形の中央板12の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板13と、中央板12の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板13と、左右側板14の内側板の両側辺に差込板35と、隣接する前後側板13の外側板の側辺と左右側板14の外側板の側辺に連続する連結板36とをそれぞれ折線を介して連設しており、折線を折り曲げて中央板12に対して前後側板13と左右側板14とを立設し、差込板35及び連結板36を前後側板13の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、左右側板14の外側板と内側板とを折り重ね、中央板12と左右側板14の外側板との間の折線又は/及び中央板12と前後側板13の外側板との間の折線に折癖を付けて、一次組立品とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、
前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、
前記左右側板の外側板と内側板とを折り重ね、前記中央板と前記左右側板の外側板との間の前記折線又は/及び前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線に折癖を付けて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱。
【請求項2】
方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、
前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、
前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線又は/及び前記前後側板の外側板と内側板との間の前記折線に折癖を付け、前記左右側板を前記中央板に折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱。
【請求項3】
方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、
前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、
前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線に折癖をつけ、前記左右側板を前記中央板に折り重ね、前記前後側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱。
【請求項4】
方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記前後側板の内側板と外側板との間に前後上板と、前記左右側板の内側板と外側板との間に左右上板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、
前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、
前記左右側板の外側板と前記左右上板との間の前記折線又は前記左右側板の内側板と前記左右上板との間の前記折線のいずれか一方の前記折線に折癖を付け、他方の前記折線を折り曲げて、前記左右側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱。
【請求項5】
前記前後側板の外側板と前記前後上板との間の前記折線又は前記前後側板の内側板と前記前後上板との間の前記折線のいずれか一方の前記折線に折癖を付け、他方の前記折線を折り曲げ、前記前後側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする、請求項4に記載の包装用箱。
【請求項6】
前記連結板の自由端辺に折線を介して保持板を連設しており、前記保持板は、前記包装用箱の組み立てが完成した状態において、前記前後側板の内側板と接して前記前後側板の揺動を規制することを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載の包装用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立てが容易な包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、方形の底板の対向する前後辺にそれぞれ内側板と外側板とからなる前後側板と、底板の対向する左右辺にそれぞれ内側板と外側板とからなる左右側板とが連設され、各内側板の下辺部に重合片が連設されるとともに、左右側板の内側板の両側辺部に差込フラップが連設されており、底板に対して前後側板と左右側板とを立設させ、差込フラップを前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持させるとともに、前後側板の重合片の両端部を、左右側板の重合片の両端部又は左右側板の下辺部のいずれか又は両方で押圧させることにより、箱形態が保持される紙箱が知られている。この紙箱は、板紙を打ち抜いて形成された紙箱展開形成体の状態で保管され、使用時に各折線で折り曲げて箱に組み立てられる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】特許4350118号公報
【0003】
しかしながら、紙箱展開形成体の状態では広い保管スペースが必要であり、組み立て時における作業スペースも広く取らざるを得ない。また、各折線を折り曲げる作業が煩雑で組み立てに時間がかかる上、紙箱を美しく組み立てるためには技術が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものである。本発明の目的は、コンパクトに保管することができ、作業スペースを広くとる必要がなく、組み立てが容易で美しく組み立てることができる包装用箱の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
第1の発明では、方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、前記左右側板の外側板と内側板とを折り重ね、前記中央板と前記左右側板の外側板との間の前記折線又は/及び前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線に折癖を付けて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱である。
【0007】
第2の発明では、方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線又は/及び前記前後側板の外側板と内側板との間の前記折線に折癖を付け、前記左右側板を前記中央板に折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱である。
【0008】
第3の発明では、方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、前記中央板と前記前後側板の外側板との間の前記折線に折癖をつけ、前記左右側板を前記中央板に折り重ね、前記前後側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱である。
【0009】
第4の発明では、方形の中央板の対向する前後辺に内側板と外側板とからなる前後側板と、前記中央板の対向する左右辺に内側板と外側板とからなる左右側板と、前記前後側板の内側板と外側板との間に前後上板と、前記左右側板の内側板と外側板との間に左右上板と、前記左右側板の内側板の両側辺に差込板と、隣接する前記前後側板の外側板の側辺と前記左右側板の外側板の側辺に連続する連結板と、をそれぞれ折線を介して連設しており、前記折線を折り曲げて前記中央板に対して前後側板と左右側板とを立設し、前記差込板及び前記連結板を前記前後側板の内側板と外側板との間で挟持する包装用箱であって、
前記左右側板の外側板と前記左右上板との間の前記折線又は前記左右側板の内側板と前記左右上板との間の前記折線のいずれか一方の前記折線に折癖を付け、他方の前記折線を折り曲げて、前記左右側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱である。
【0010】
第5の発明では、第4の発明であって、前記前後側板の外側板と前記前後上板との間の前記折線又は前記前後側板の内側板と前記前後上板との間の前記折線のいずれか一方の前記折線に折癖を付け、他方の前記折線を折り曲げ、前記前後側板の外側板と内側板とを折り重ねて、一次組立品とすること特徴とする包装用箱である。
【0011】
第6の発明では、第4又は第5の発明であって、前記連結板の自由端辺に折線を介して保持板を連設しており、前記保持板は、前記包装用箱の組み立てが完成した状態において、前記前後側板の内側板と接して前記前後側板の揺動を規制することを特徴とする包装用箱である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
第1の発明によれば、左右側板の外側板と内側板とを折り重ねて一次組立品としているため、コンパクトに保管することができる。また、この状態から最終組み立て作業を開始するため、作業スペースも少なくて済む。また、中央板と左右側板の外側板との間の折線又は/及び中央板と前記前後側板の外側板との間の折線に折癖を付けて一次組立品としているため、前後側板又は/及び左右側板を中央板から立設する作業が容易となり、最終組み立て作業が容易で簡単に美しく組み立てることができる。
【0014】
第2の発明によれば、左右側板を中央板に折り重ねて一次組立品としているため、最終組み立て作業時に左右側板を立ち上げる作業が容易となる。また、コンパクトに保管することができ、この状態から最終組み立て作業を開始するため作業スペースも少なくて済む。また、中央板と前後側板の外側板との間の折線又は/及び前後側板の外側板と内側板との間の折線に折癖を付けて一次組立品としているため、前後側板の外側板と内側板を折り重ねる作業又は/及び前後側板の外側板を中央板から立設する作業が容易となり、最終組み立て作業が容易で美しく組み立てることができる。
【0015】
第3の発明によれば、左右側板を前記中央板に折り重ねて一次組立品としているため、最終組み立て作業時に左右側板を立設する作業が容易となる。また、コンパクトに保管することができ、この状態から最終組み立て作業を開始するため作業スペースも少なくて済む。また、前後側板の外側板と内側板とを重ねて一次組立品としているため、前後側板を中央板から立ち上げる作業が容易となり、最終組み立て作業が容易で美しく組み立てることができる。
【0016】
第4の発明によれば、左右側板の外側板と内側板とを折り重ねて一次組立品としているため、最終組み立て作業時に左右側板を中央板から立設する作業が容易となる。また、コンパクトに保管することができ、この状態から最終組み立て作業を開始するため作業スペースも少なくて済む。また、上板を有する包装用箱において、左右側板の外側板と上板との間の折線又は左右側板の内側板と上板との間の折線に折癖を付け、他方の折線を折り曲げて、左右側板の外側板と内側板とを折り重ねて一次組立品としているため、幅が狭く折り曲げが難しい上板でも簡単に形成することができ、最終組み立て作業が容易で美しく組み立てることができる。
【0017】
第5の発明によれば、第4の発明の効果に加え、前後側板の外側板と前後上板との間の折線又は前後側板の内側板と前後上板との間の折線のいずれか一方の折線に折癖を付け、他方の折線を折り曲げ、前後側板の外側板と内側板とを折り重ねて一次組立品とするため、幅が狭く折り曲げが難しい上板でも簡単に形成することができ、最終組み立て作業が容易で美しく組み立てることができる。
【0018】
第6の発明によれば、第4の発明及び第5の発明の効果に加え、包装用箱の組み立てが完成した状態において、保持板が前後側板の内側板と接して前後側板、左右側板の揺動を規制するこのため、最終組み立て作業が容易で簡単に美しく組み立てることができる。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第一実施形態の包装用箱1の展開体2を示す平面図。
図2】第一実施形態の包装用箱1の一次組立品の生産工程を示す斜視簡略図。
図3】第一実施形態の包装用箱1の一次組立品を示す斜視簡略図。
図4】第一実施形態の包装用箱1の最終組み立て工程を示す斜視簡略図。
図5】第二実施形態の包装用箱3の展開体4を示す平面図。
図6】第二実施形態の包装用箱3の一次組立品の生産工程を示す斜視簡略図。
図7】第二実施形態の包装用箱3の一次組立品の生産工程を示す斜視簡略図。
図8】第二実施形態の包装用箱3の一次組立品を示す斜視簡略図。
図9】第二実施形態の包装用箱3の最終組み立て工程を示す斜視簡略図。
図10】第二実施形態の包装用箱3の部分拡大斜視簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について、第一実施形態、第二実施形態を実施例として説明する。
本実施形態における一次組立品とは、包装用箱を作成するための展開体が加工されて、輸送、保管される形態をいうものとし、最終組み立てとは、包装用箱を使用する際に一次加工品から最終的に組み立てられる形態をいうものとする。
また、本実施形態における折線とは、展開体を折り曲げるためにつけられた筋状の部分をいうものとし、押罫線、切り込み線、ミシン線等が例として挙げられる。
また、本実施形態における折癖とは、折線部分を一旦折り曲げてから平坦状に戻し、再度同じ個所を折り曲げる際に折り曲げがしやすいように加工することを意味している。
以下では説明のために中央板12の短辺を前後辺とし、中央板12の長辺を左右辺とする。また、上下方向は、包装用箱を組み立てて、中央板12を下にして載置した場合に、中央板12側を下方とし、開口部側を上方とする。
【第一実施形態】
【0022】
本発明の第一実施形態に係る包装用箱1について、図1から図4を用いて説明する。
第一実施形態に係る包装用箱1は、図1に示す展開体2を組み立てて形成されるものであり、身箱や蓋箱として使用されるものである。包装用箱1は、板紙、段ボールなどの厚紙で形成されている。なお、図1に示す展開体の紙面手前側を箱内面側として示している。
【0023】
展開体2について説明する。
展開体2の中央板12は方形の平板部であり、本実施形態では中央板12を長方形とするが、中央板12は正方形であってもよい。
【0024】
まず、中央板12の前後辺には、それぞれ第1内側板22と第1外側板21とからなる前後側板13が連設されている。中央板12の前後辺には折線を介して第1外側板21が連設され、この第1外側板21に連続して、折線を介して第1内側板22が連設されている。第1内側板22の第1外側板21が連設する側の反対側には、折線を介して第1重合板24が連設されている。第1内側板22及び第1重合板24の両側辺には、突出部26が形成されている。突出部26は、包装用箱1を組み立てた状態において、後述する差込凹部37に差し込まれて箱の立設を保持する部分である。
【0025】
中央板12の左右辺には、それぞれ第2内側板32と第2外側板31とからなる左右側板14が連設されている。中央板12の左右辺には折線を介して第2外側板31が連設され、この第2外側板31に連続して、折線を介して第2内側板32が連設されている。第2内側板32の第2外側板31が連設する側の反対側には、第2内側板32に連続して、折線を介して第2重合板34が連設されている。また、第2重合板34の両側辺には、差込凹部37が形成されている。また、第2内側板32の両側辺には、それぞれ折線を介して差込板35が連設されている。
【0026】
第1外側板21の側辺と、これに隣接する第2外側板31の側辺とは、それぞれ折線を介して連結板36で連結されている。この連結板36には対角線方向に折線が形成されており、第1外側板21と第2外側板31を中央板12に対して立設させた際には、連結板36が半分に折り畳まれるように形成されている。
【0027】
次に、展開体2を一次組立品とする工程について説明する。
まず、中央板12と第1外側板21との間の折線及び第2外側板31と連結板36との間の折線は、内面側に一旦折り曲げてから元の平坦状に戻し、折癖を形成する。第2重合板34は折線で外面側に折り曲げて、第2内側板32の外面と第2重合板34の外面とを合わせて折り重ねる。
【0028】
そして、図2に示すように、第2外側板31と第2内側板32との間の折線を内面側に折り曲げて、第2外側板31の内面と第2内側板32の内面とを合わせて折り重ね、差込板35の内面と連結板36の内面とを合わせて重ね、左右側板14及び第2重合板34は、中央板12と第2外側板31との間の折線、及び第1外側板21と連結板36との間の折線を内面側に折り曲げて中央板12に折り重ね、第1外側板21の内面に差込板35及び連結板36を重ねる。そして、第2重合板34の内面と中央板12の内面とは接着剤で固着する。なお、本実施形態では、第2重合板34の内面と中央板12の内面とを固着しているが、固着しなくても本発明の効果を発揮することができる。また、第1外側板21の内面と、連結板36の第1外側板21と連設する側の内面を接着剤等で固着してもよい。このようにした場合、左右側板14を中央板12から立設すると、これと連動して第1外側板21も中央板12から立設され、組み立てが容易となる。
【0029】
そして、図3に示すように、第1外側板21と第1内側板22との間の折線を内面側に折り曲げて、第1外側板21の内面と第1内側板22の内面とを折り重ねる。このとき、差込板35及び連結板36は第1外側板21と第1内側板22の間に位置している。このようにして、一次組立品を完成させる。この状態で輸送、保管され、使用時に最終組み立てが行われる。
【0030】
次に、上記一次組立品を最終的に組み立てて、組立完成品とする工程について図4を用いて説明する。
まず、左右側板部14を中央板12から立設させる。そして、連結板36を折線で折り曲げて半分に折り畳み、連結板36の外面同士を重ね合わせる。また、差込板35を中央板12側にアングル状に折り曲げる。そして、中央板12と第1外側板21との間の折線を折り曲げて、前後側板13を中央板12から立設させる。このとき、この折線には折癖が付けられているので簡単に立設させることができる。この状態において、差込板35及び連結板36は第1外側板21と第1内側板22との間で挟持されている。そして、第1内側板22と第1重合板24との間の折線をアングル状に折り曲げて、第1重合板24の内面と中央板12の内面とを重ね、突出部26を差込凹部37に差し込んで、前後側板13、左右側板14の立設を保持する。このようにして最終組み立てが完成する。
【0031】
このように、本実施形態の包装用箱1は、方形の中央板12の対向する前後辺に第1内側板22と第1外側板21とからなる前後側板13と、中央板12の対向する左右辺に第2内側板32と第2外側板31とからなる左右側板と、左右側板の第2内側板32の両側辺に差込板35と、隣接する前後側板13の第1外側板21の側辺と左右側板14の第2外側板31の側辺に連続する連結板36とをそれぞれ折線を介して連設しており、折線を折り曲げて中央板12に対して前後側板13と左右側板14とを立設し、差込板35及び連結板36を前後側板13の第一内側板22と第1外側板21との間で挟持する包装用箱1であって、中央板12と前後側板13の第1外側板21との間の折線に折癖を付け、左右側板14の第2外側板31と第2内側板32とを折り重ね、左右側板14を中央板12に折り重ね、前後側板13の第1外側板21と第1内側板22とを折り重ね、一次組立品とする。
【0032】
このため、最終組み立て工程では、折り畳まれた左右側板14を中央板12から立設するだけで、第2外側板31と第2内側板32とを簡単に立設することができる。また、前後側板13の第1外側板21と第1内側板22とを折り重ねており、中央板12と第1外側板21との間の折線に折癖を付けているため、前後側板13も簡単に立設することができ、組み立てが容易である。また、一次加工で折癖が付いているため折り損なうことがなく、簡単に美しく組み立てることができる。さらに、左右側板14が中央板12に折り重ねられ、第1内側板22が第1外側板21に折り重ねられているため、コンパクトに保管することができ、作業スペースを広くとる必要がない。
【第二実施形態】
【0033】
次に、本発明の第二実施形態に係る包装用箱3について図5から図10を用いて説明する。第二実施形態では、包装用箱3は前後上板23、左右上板33、保持板41、突出部25を形成している点が第一実施形態と大きく異なっている。第一実施形態と同一部分の詳しい説明は省略する。
【0034】
第二実施形態に係る包装箱3は、図5に示す展開体4を組み立てて形成されるものである。
展開体4について説明する。
展開体4の第1外側板21と第1内側板22との間には、折線を介して前後上板23、第2外側板31と第2内側板32との間に折線を介して左右上板33が形成されている。最終組み立てが完成した状態において、前後上板23は第1外側板21の上端と第1内側板22の上端を連結する上板を形成し、左右上板33は第2外側板31の上端と第2内側板32の上端を連結する上板を形成して、額縁状の開口部を形成する。
【0035】
また、左右側板14の第2外側板31の側辺に連設されている側の連結板36の自由端辺に、折線を介して保持板41が連設されている。保持板41は、折線を基端として自由端辺までの幅が、第1外側板21と前後上板23との間の折線と、第1内側板22と前後上板23との間の折線との間の幅とほぼ同じ幅に形成されている幅広部分と、この幅よりも狭い幅の幅狭部分とで形成されている。
【0036】
また、第1内側板22と第1重合板24との間の折線付近を基端として、第1内側板22を略コの字形状に切り込んで、突出部25が形成されている。突出部25は第1重合板24と連設する側である基端から自由端である先端までの幅が、第1外側板21と前後上板23との間の折線と、第1内側板22と前後上板23との間の折線との間の幅と同じ幅か、やや狭い幅に形成されている。また、第2内側板32と第2重合板34との間の折線付近を基端として、第2内側板32を略コの字形状に切り込んで、突出部25が形成されている。突出部25は第2重合板34と連設する側である基端から自由端である先端までの幅が、第2外側板31と左右上板33との間の折線と、第2内側板32と左右上板33との間の折線との間の幅と同じ幅か、やや狭い幅に形成されている。
その他の部分については第一実施形態の展開体2と同様であるため、説明を省略する。
【0037】
次に、展開体4を一次組立品とする工程について図6図8を用いて説明する。
まず、中央板12と第1外側板21との間の折線、及び第2外側板31と連結板36との間の折線を内面側に一旦折り曲げてから元の平坦状に戻して折癖をつける。
【0038】
また、第2外側板31と左右上板33との間の折線を内面側に折り曲げて、第2外側板31の内面と、左右上板33の内面及び第2内側板32の内面とを合わせて折り重ねる。また、差込板35の内面と連結板36の内面とを合わせて重ねる。そして、第2重合板34の内面と中央板12の内面とを重ねて接着剤で固着する。この状態を図6に示す。
【0039】
そして、図7に示すように、中央板12と第2外側板31との間の折線、及び第1外側板21と連結板36との間の折線を内面側に折り曲げて、左右側板14を中央板12に折り重ね、差込板35の外面及び連結板36の内面を第1外側板21の内面に重ねる。ここで、折り重なっていた第2外側板31と左右上板33とが展開して平坦状となり、第2外側板31と左右上板33との間の折線に折癖がついた状態となる。同時に、第2内側板32と左右上板33との間の折線が折れ曲がり、第2内側板32と左右上板33とが折り重ねられる。
【0040】
また、このとき第2内側板32と第2重合板34との間の折線も折れ曲がり、第2内側板32の外面と第2重合板34の外面が折り重ねら、第2内側板32の略コの字形状の切り込みにより突出部25が形成される。突出部25の自由端は第2外側板31の内面に突き当たって、第2内側板32を位置決める。
【0041】
次に、前後上板23と第1内側板22との間の折線を内面側に一旦折り曲げてから元の平坦状に戻し折癖をつける。そして、図8に示すように、第1外側板21と前後上板23との間の折線を内面側に折り曲げて、第1外側板21の内面と、前後上板23の内面及び第1内側板22の内面とを合わせて折り重ねる。このとき、差込板35及び連結板36、保持片41は第1外側板21と第1内側板22の間に位置している。このようにして、一次組立品を完成させる。この状態において、折癖は中央板12と第1外側板21との間の折線、第2外側板31と連結板36との間の折線、第2外側板31と左右上板33との間の折線、前後上板23と第1内側板22との間の折線につけられている。
【0042】
次に、上記一次組立品を最終的に組み立てて、組立完成品とする工程について、図9を用いて説明する。
まず、左右側板部14を中央板12から立設する。このとき、折り重ねられている第2内側板32と左右上板33が展開してアングル状に形成されるとともに、第2外側板31と左右上板33との間の折線が折り曲げられて、第2外側板31と左右上板33とがアングル状に形成されて、左右上板が形成される。このとき、第2外側板31と左右上板33との間の折線には折癖が付けられているので、簡単に折れ曲がる。突出部25の自由端は第2外側板31の内面に突き当たって、第2外側板32と第2内側板31との空間を保持している。
【0043】
そして、連結板36を折線で折り曲げ、差込板35を中央板12側にアングル状に折り曲げる。また、中央板12と第1外側板21との間の折線を折り曲げて、前後側板13(を中央板12から立設する。このとき、中央板12と第1外側板21との間の折線には折癖が付けられているので、簡単に立設することができる。そして、折り重ねられた第1外側板21と前後上板23を展開してアングル状に形成し、さらに前後上板23と第1内側板22の間の折線をアングル状に折り曲げて、前後上板を形成する。このとき、前後上板23と第1内側板22の間の折線には折癖が付けられているため、簡単に折れ曲がる。
【0044】
さらに、第1内側板22と第1重合板24との間の折線をアングル状に折り曲げる。このとき、突出部25の自由端は第1外側板21の内面に突き当たって、第2内側板32の立設を位置決める。そして、第1重合板24の内面と中央板12の内面とを重ね、突出部26を差込凹部37に差し込んで、前後側板13、左右側板14の立設を保持すれば、最終組み立てが完成する。
【0045】
この状態において、図10に示すように、第1外側板21と第1内側板22との間で連結板26、差込板35が挟持され、前後側板13、左右側板14が箱外方に開くのを防止して前後側板13、左右側板14の立設を保持している。
ここで、例えば、対向する差込板35をさらに延設して自由端同士を係止すれば、前後側板13、左右側板14の立設をより強固に保持することができるが、折り畳み工程を機械で行う場合には長い差込板が邪魔になったり、最終組み立て工程において差込板同士を係止する作業が煩雑であったり、また板紙の採り都合の問題のため、差込板を短くせざるを得ない場合がある。
本実施形態では短い差込板でも前後側板13、左右側板14の立設を強固に保持するため、連結板36に保持板41を連設しており、保持板41は第1内側板22側へ折り曲げられ、前後上板23の下に位置し、保持板41の幅広部分(折線を基端として自由端辺までの幅が、第1外側板21と前後上板23との間の折線と、第1内側板22と前後上板23との間の折線との間の幅とほぼ同じ幅に形成されている部分)の自由端辺は第1内側板22の内面に突き当たって、前後側板13、左右側板14が揺動して箱外方に開くのを防止し、前後側板13、左右側板14の立設を強固に保持している。
【0046】
また、本実施形態では保持板41に幅狭部分(折線を基端として自由端辺までの幅が、幅広部分よりも幅の狭い部分)を設けている。本実施形態のように保持板41を連設する場合、展開体3の状態において差込板35と保持板41との間の空間が狭くなり、厚紙から展開体3の型を打ち抜く作業が困難となる。そのため、保持板41に幅狭部分を形成することで保持板41の効果を損なわずに展開体4の形成を容易にしている。
【0047】
このように、本実施形態の包装用箱3は、方形の中央板12の対向する前後辺に第1内側板22と第1外側板21とからなる前後側板13と、中央板12の対向する左右辺に第2内側板32と第2外側板31とからなる左右側板14と、前後側板13の第1内側板22と第1外側板21との間に前後上板23と、左右側板の第2内側板32と第2外側板31との間に左右上板33と、左右側板14の第2内側板32の両側辺に差込板35と、隣接する前後側板13の第1外側板21の側辺と左右側板14の第2外側板31の側辺に連続する連結板36と、をそれぞれ折線を介して連設しており、折線を折り曲げて中央板12に対して前後側板13と左右側板14とを立設し、差込板35及び連結板36を前後側板13の第1内側板22と第1外側板21との間で挟持する包装用箱3であって、左右側板14の第2外側板31と左右上板33との間の折線に折癖を付け、左右側板14の第2内側板22と左右上板23との間の折線を折り曲げて、左右側板14の第2外側板31と第2内側板32とを折り重ね、前後側板13の第1内側板22と前後上板23との間の折線に折癖をつけ、前後側板13の第1外側板21と前後上板23との間の折線を折り曲げ、前後側板13の第1外側板21と第1内側板22とを折り重ねている。また、連結板36の自由端辺に折線を介して保持板41を連設しており、保持板41は、包装用箱3の組み立てが完成した状態において、前後側板13の第1内側板22と接して前後側板13の揺動を規制する。
【0048】
このため、最終組み立てでは、折り畳まれた左右側板14を中央板12から立設するだけで、第2外側板31と第2内側板32とを簡単に立設することができる。また、前後側板13の第1外側板21と第1内側板22とを折り重ねており、中央板12と第1外側板21との間の折線に折癖を付けているため、前後側板13も簡単に立設することができ、組み立てが容易である。また、左右側板14の第2外側板31と左右上板33との間の折線及び前後側板13の第1内側板22と前後上板23との間の折線に折癖を付けて一次組立品としているため、幅が狭く折り曲げが難しい上板でも折り損なうことがなく、簡単に美しく組み立てることができる。さらに、左右側板14が中央板12に折り重ねられ、第1内側板22が第1外側板21に折り重ねられているため、コンパクトに保管することができ、作業スペースを広くとる必要がない。
また、包装用箱3の最終組み立てが完成した状態において、保持板41が前後側板13の第1内側板22と接して前後側板13の揺動を規制するこのため、組み立てが容易で簡単に美しく組み立てることができる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、これらの実施形態で施した折癖に加えて、第1内側板22と第1重合板24との間の折線に折癖を加えてもよい。
また、第2実施形態では、保持板41を第2外側板31と連設する側の連結板36の自由端辺に連設しているが、第1外側板21と連設する側の連結板36の自由端辺に連設してもよい。
【0050】
本発明の技術的範囲は、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
【符号の説明】
【0051】
1 包装用箱
2 展開体
3 包装用箱
4 展開体
12 中央板
13 前後側板
14 左右側板
21 第1外側板
22 第1内側板
23 前後上板
24 第1重合板
25 突出部
26 突出部
31 第2外側板
32 第2内側板
33 左右上板
34 第2重合板
35 差込板
36 連結板
37 差込凹部
41 保持板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10