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特開2025-153623情報処理システム、情報処理方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025153623
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20251002BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20251002BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20251002BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q50/04
G06Q10/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056184
(22)【出願日】2024-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 〔展示会名〕第2回スマート工場EXPO秋 〔展示日〕2023年9月13日~2023年9月15日
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100227857
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 圭
(72)【発明者】
【氏名】井上 農悟
(72)【発明者】
【氏名】平田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】坂本 仁
【テーマコード(参考)】
5L010
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA10
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】 作業者の作業時間をより適切に計測することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】 識別コードを取得することによって得られる工具及び作業者に関する情報を記録するように制御し、前記識別コードを取得している間の時間を、前記作業者による前記工具を用いた作業時間として記録するように制御する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードを取得することによって得られる工具及び作業者に関する情報を記録するように制御し、
前記識別コードを取得している間の時間を、前記作業者による前記工具を用いた作業時間として記録するように制御する記録制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記記録制御手段は、前記識別コードを取得した時刻を工具使用開始時刻として記録し、当該識別コードが取得できなくなった場合、最後に取得した時刻を工具使用終了時刻として記録するように制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記記録制御手段は、前記工具使用開始時刻が記録された後で前記識別コードが取得できなくなった場合であり、かつ、工具使用終了時刻が記録されていない場合に、工具使用終了時刻を記録するように制御することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記識別コードを取得することによって得られる作業者及び撮像装置のPTZに関する情報に基づいて、前記作業者が撮影可能な範囲となるように前記撮像装置のPTZを制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記記録制御手段によって記録された作業時間をもとに、工具別の使用時間を表示するように制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記記録制御手段によって記録された作業時間をもとに、複数の工具のそれぞれの使用時間を、作業者別で表示するように制御することを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
指定された期間内における前記撮像装置によって撮影された画像を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された画像の選択を受け付けると前記画像に関する映像を表示するように制御する表示制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項8】
所定の範囲内の時間帯において、前記記録制御手段によって工具使用開始時刻が記録された場合であって、工具使用終了時刻が記録されていない状態である場合、警告を通知するように制御する通知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
少なくとも第1の撮像装置、第2の撮像装置及び情報処理装置を備える情報処理システムであって、
前記第1の撮像装置は、
識別コードを取得する取得手段と、
前記取得手段によって識別コードを取得したことによって得られる情報を情報処理装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記送信手段によって送信された情報を受信し、記録するように制御する記録制御手段と、
前記記録制御手段によって記録された前記情報に含まれる第2の撮像装置のPTZに関する情報に基づいて、前記第2の撮像装置のPTZを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記識別コードは、少なくとも工具、作業者、撮像装置のPTZに関する情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至6、8、9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
識別コードを取得することによって得られる工具及び作業者に関する情報を記録するように制御し、
前記識別コードを取得している間の時間を、前記作業者による前記工具を用いた作業時間として記録するように制御する記録制御ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータを、請求項1乃至6、8、9に記載の情報処理システムの各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、作業者の作業時間を計測するための技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、作業者が作業中に作業指示書を置く場所にスマートホンなどの作業時間計測装置を設置し、作業時間計測装置の読取部に作業指示書が写っている時間を作業時間として計測することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-144439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法は、作業指示書が写っている時間を作業時間として計測するものであり、実際に作業者が作業をしている時間との乖離が生じるなど、適切な作業時間の計測が困難である。
【0006】
そこで、本発明は、作業者の作業時間をより適切に計測することが可能な仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、
識別コードを取得することによって得られる工具及び作業者に関する情報を記録するように制御し、
前記識別コードを取得している間の時間を、前記作業者による前記工具を用いた作業時間として記録するように制御する記録制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業時間を可視化することによる作業者の詳細な分析を行うことができる仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハード構成の一例を示す図である。
図3】作業時間を計測する処理の一例を示すフローチャートである。
図4】工具紛失時の警告処理の一例を示すフローチャートである。
図5】工具の有無に応じた識別情報の取得の一例を示す図である。
図6】撮像装置BのPTZ調整の一例を示す図である。
図7】作業時間を可視化した画面の一例を示す図である。
図8】検索画面の一例を示す図である。
図9】二次元コードに含まれるデータ及びサーバ105で管理されるデータの一例を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態における情報処理システムの構成の一例について説明する。
【0012】
本発明における情報処理システムは、撮像装置A102と撮像装置B104とサーバ105、クライアント端末106がネットワーク110を通じて通信可能に接続されている。撮像装置A102は、作業台103に置かれている二次元コード100が読み取れるような位置で、作業台103の上方に設置される。
【0013】
撮像装置A102は、例えばスマートフォンやタブレット、二次元コードリーダーのような二次元コードを読み取り可能な装置である。
【0014】
作業台103には、ドライバー、ドリルビット、ハンマー、ペンチ、レンチ、スパナ、ねじ等の工具101が並べられている。また、作業台103の上には、工具101が二次元コード100に重なるように(撮像装置A102で認識されないように)配置されている。そのため、工具101の置き場所は予め決まっているようなある程度整理された状況が想定される。また、1台の作業台の上に工具が並べられていても良いし、作業者に対して各作業台が割り当てられていても良い。
【0015】
二次元コード100には、図9(a)に示すデータテーブルのように、一意に識別するための識別番号901、作業者名902、工具名903、撮像装置B104の名称904、撮像装置B104パン、チルト、ズーム(以下、PTZとする)の情報が含まれている。二次元コード100と各工具101は、それぞれ対応するように配置されている。そのため、各工具にタグを取り付けて置き、取り付けられたタグを読み取るセンサーを二次元コード100付近に設置しておくことで、工具返却時に取り出した位置とは別の位置に戻されていないかを判別するようにしても良い。
【0016】
撮像装置B104は、ネットワークに接続可能なカメラである。作業者に工具101が持ち出されたことによって撮像装置A102で二次元コード100が読み取られると、撮像装置B104は二次元コード100に含まれるPTZになるように制御する。
【0017】
サーバ105は、撮像装置A102から送られてくる情報の取得・解析や作業者と工具使用時間の記録、撮像装置B104のPTZの変更指示、作業時間記録画面等のクライアント端末106のディスプレイ212への表示制御等を行う。
【0018】
クライアント端末106は、パーソナルコンピュータ(以下、PCとする)やスマートフォン等のディスプレイ212を備えた情報処理装置である。作業時間記録画面や検索画面等をディスプレイ212上に表示し、ユーザからの指示を受け付ける。なお、本実施形態において表示する場合の表示先はディスプレイ212であるものとする。
【0019】
図2は、本発明の情報処理装置(サーバ105、クライアント端末106)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、情報処理装置は、システムバス200を介してCPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、入力コントローラ205、音声コントローラ206、ビデオコントローラ207、メモリコントローラ208、よび通信I/Fコントローラ209が接続される。
【0021】
CPU201は、システムバス200に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0022】
ROM202あるいは外部メモリ213は、CPU201が実行する制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やOS(Operating System)や、本情報処理方法を実現するためのコンピュータ読み取り実行可能なプログラムおよび必要な各種データ(データテーブルを含む)を保持している。
【0023】
RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ213からRAM203にロードし、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
【0024】
入力コントローラ205は、キーボード210や不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力装置からの入力を制御する。入力装置がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0025】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーンなどの、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0026】
ビデオコントローラ207は、ディスプレイ212などの外部出力装置への表示を制御する。ディスプレイは本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。なお、外部出力装置はディスプレイに限ったものははく、例えばプロジェクタであってもよい。また、前述のタッチ操作を受け付け可能な装置については、入力装置も提供する。
【0027】
なおビデオコントローラ207は、表示制御を行うためのビデオメモリ(VRAM)を制御することが可能で、ビデオメモリ領域としてRAM203の一部を利用することもできるし、別途専用のビデオメモリを設けることも可能である。
【0028】
メモリコントローラ208は、外部メモリ213へのアクセスを制御する。外部メモリとしては、ブートプログラム、各種アプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、および各種データ等を記憶する外部記憶装置(ハードディスク)、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等を利用可能である。
【0029】
通信I/Fコントローラ209は、ネットワークを介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信やISDNなどの電話回線、および携帯電話の4G回線、5G回線等を用いた通信が可能である。
【0030】
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ212上での表示を可能としている。また、CPU201は、ディスプレイ212上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0031】
次に図3のフローチャートを用いて、本発明の実施形態における、作業時間可視化の基本処理について説明する。
【0032】
図3はシステムを実行した場合の全体的な処理を示すフローチャートである。なお、各ステップの処理は各装置のCPU201が実行する。システムを構築し、各装置を起動すると図3の処理が開始される。
【0033】
S301では、CPU201は、撮像装置A102による画像を取得する。具体的には、撮像装置A102によって撮影された作業台の上の画像を取得する。撮像装置A102で撮影する際、常に撮影し続けても良いし、撮影範囲内に何らかの動く物体を検知した場合に、撮影を開始しても良い。
【0034】
S302では、CPU201は、取得した画像から二次元コードを読み取ったか否かを判定する。二次元コードを読み取った場合はS303へ、そうでない場合はS306へ進む。ここでは、工具が作業台から持ち出されたか否か(工具が使用中か否か)を、二次元コードの読み取りの有無から判断する。
【0035】
具体的に図5を用いて説明する。図5(a)は、工具が未使用の状態である。二次元コードは工具に重なっているため、上部に備えられた撮像装置A102では認識できないようになっている。それに対して図5(b)は、右側の工具が使用中であるため二次元コードが撮像装置A102によって認識可能な状態である。本実施形態では二次元コードと工具を重ねて配置することで二次元コードを認識できないようにしているが、何等かの物体で二次元コードを完全に覆うようにしておき、工具を取り出す際にその物体をずらして二次元コードを読み取り可能にする等、工具の使用可否に合わせて二次元コードの読み取り状況を変更できるような方法であれば何れでも良い。
【0036】
S303では、CPU201は、作業者と工具使用開始時刻をRAM203又は外部メモリ213に記録する。具体的には、図9(b)の登録データテーブルに、二次元コード100から取得した情報を記録していく。登録データテーブルは、各レコードを一意に識別するための登録番号908、工具使用開始時刻909、二次元コード100から取得した各情報が記録される。二次元コードを読み取ることで得られる各情報として、作業者名902、工具名903、撮像装置B104の名称、撮像装置B104のPTZ情報を記録する。また、二次元コードを読み取ったときの日時を工具使用開始時刻909に記録する。
【0037】
S304では、CPU201は、工具に対応する撮像装置B104のPTZの変更を指示する。具体的には、二次元コード100を読み取ることで得られる撮像装置B104の名称との撮像装置B104のPTZ情報に従って、特定された撮像装置B104にPTZを制御するように指示を出す。PTZ値は、例えば生産工程A全体を映すように設定されていても良いし、生産工程Aの中で特定のポイントを撮影する(すなわち、人物の作業位置が決まっていてその人物を撮影する)ように設定されていても良い。
【0038】
図6の工場イメージ図を用いて説明する。二次元コード100には、作業者A601、ドライバー602、生産工程Aが撮像可能なように設定されたカメラα603のPTZ情報が含まれているとする。生産工程Aでは、ドライバー602を使用して部品604に対する作業が実施される。ドライバー602が作業台103から持ち出されたことによって二次元コード100が読み取られると、カメラα603は生産工程Aが撮像可能なようにPTZを制御し、作業者A601が作業している様子を記録する。記録した映像は後述する図7図8の画面に表示される。
【0039】
一方、S305では、CPU201は、工具使用開始時刻が記録された工具であって、工具使用終了時刻910が未記録の工具があるかを判定する。具体的には、工具101が一度持ち出されたことによって工具使用開始時刻909が記録された後、工具使用終了時刻910が未記録であるかを判定することとなる。工具使用終了時刻が未記録であればS306へ進み、そうでなければS307へ進む。
【0040】
S306では、CPU201は、作業者と工具使用終了時刻をRAM203又は外部メモリ213に記録する。具体的には、二次元コード100を読み取ることで得られる作業者名902、工具名903、撮像装置B104の名称、撮像装置B104のPTZ情報を記録する。また、現在時刻を工具使用終了時刻910として記録する。これにより、撮像装置A102で二次元コード100を読み取っている間は工具101を使用中として記録しておき、工具101を元の位置に戻したことによって二次元コード100が読み取れなくなるとその工具101の使用が終了したと判断できる。
【0041】
S307では、CPU201は、サーバ105に対する停止指示を受け付けたか否かを判定する。停止指示を受け付けた場合は処理を終了し、そうでない場合はS301に戻って停止の指示を受け付けるまでフローチャートの処理を繰り返す。
【0042】
計測結果の表示や計測結果の検索の画面例を図7及び図8を用いて説明する。また、工具別使用時間フィルタ701や作業者別使用時間フィルタ706、図8に示す検索については、図9(b)に示す登録データテーブルを参照して、表示するデータを特定する。まず、図7の画面例を用いて計測結果の表示について説明する。まず工具別使用時間フィルタ701により期間702や工具703を指定する。期間702は開始日と終了日を指定しても良いし、どちらか片方のみを指定しても良い。また工具703は登録済みの工具が表示されており、工具別使用時間を表示したい工具についてチェックボックス等を用いた方法で選択を受け付ける。フィルタで指定した期間内において、指定された工具が使用された時間が棒グラフ704で表示される。画面例であれば、2024/9/1~2024/9/15の期間において、ドリルビットAが150時間使用されたことを示す。また、指定された工具703について、各工具の年間の平均使用時間が折れ線グラフ705で表示される。指定された期間702の1年間の平均使用時間を表示するようにしてもいいし、過去数年の平均をとるように期間を指定して表示するようにしてもいい。なお、指定された期間702の1年間の平均使用時間を表示する場合、「過去数年間の1日あたりの平均使用時間×指定された期間702」によって算出される。画面例ではドリルビットは指定された期間702の1年間において、平均して約130時間使用されていることを示す。これにより、工具別で比較することで、特定の工具の作業に時間が掛かりすぎていないかを確認できる。すなわち、使用時間が長すぎる工具がないかを確認することで、作業時間効率化の検討のための足掛かりとできる。
【0043】
次に作業者別使用時間フィルタ706により特定の日付707や作業者708を指定する。作業者708は登録済みの作業者が表示されており、作業者別使用時間を表示したい作業者についてチェックボックス等を用いた方法で選択を受け付ける。指定された日付において、指定された作業者がどの工具をどれくらいの時間使用していたかを横棒グラフ709で表示される。グラフ化される工具についても、登録されているすべての工具についてのグラフが表示されるようにしても良いし、ユーザから選択を受け付けた工具のみについてのグラフが表示されるようにしても良い。画面例であれば、AさんはドリルビットAを8時15分から9時50分まで使用して、ドリルビットBを10時50分から11時50分まで使用していたことを示す。これにより、各作業者を比較することで、熟練者の作業時間を参考にして他の作業者の作業時間を短縮する方法について検討したり、教育が必要な作業者を特定したりする等の作業時間を効率化するための分析に寄与する。
【0044】
横棒グラフ709の選択を受け付けると、それに対応する映像プレビュー710が表示される。例えば、AさんのドリルビットAの横棒グラフ709の選択を受け付けると、その様子を記録した映像プレビュー710が表示される。映像プレビュー710に関連する詳細情報が作業情報711として表示される。例えば、作業者、作業内容、作業時間、平均作業時間が表示される。作業時間はAさんがドリルビットAを用いた作業にかかった時間であり、平均作業時間は指定された日付707の1年間で全作業者によってドリルビットAを用いた作業にかかった時間である。
【0045】
また、図8の画面例を用いて計測結果の検索の一例について説明する。検索フィルタ801により期間802やカメラ選択803を指定する。期間802は、時刻や日付を含めて検索したい期間を絞ることができる。カメラ選択803では、撮像装置B104によって撮影された作業の様子を表示するために、どのカメラで撮影されたかを選択できる。なお、カメラが選択されない場合は所定期間内のすべての映像を表示するようにしても良い。また、ブックマーク804機能を使ってキーワードで絞った検索結果を表示するようにしても良い。例えば、特定の作業者についての映像を検索したい場合は、その作業者の名前をキーワードに入れて検索をする。検索ボタン805の押下を受け付けると、検索結果を検索結果表示領域806に表示する。
【0046】
検索結果表示領域806には、指定された期間内に指定のカメラで撮影された画像807を表示する。ここでは秒単位の静止画像が表示される。画像807の選択を受け付けると、その選択画像の前後数秒範囲の映像又は選択された画像の時間を起点とした数秒後までの映像を、映像表示領域809に表示する。選択された画像807は太枠で囲ったり枠に色を付けたりする等選択済みであることを識別できるように表示される。また、指定された期間内をバー808で表示しバー808を移動させることで、表示させたい期間を容易に選択できるようにする。
【0047】
映像表示領域809には、例えば、2024/9/15の14:00:06前後又は14:00:06から数秒後までの様子を記録した映像が表示される。映像に関連する詳細情報が作業情報810として表示される。例えば、カメラ名、作業内容、作業時間が表示される。
【0048】
このように映像として記録しておくことで、熟練の作業者の作業方法を教材としたり教育が必要な人材に対する説明として映像を活用して改善点を伝えることが出来るようになる。また、何等かの問題が発生したときのために証拠映像として記録しておき、必要に応じて検索機能を用いて抽出できる。
【0049】
以上が図3の説明である。
【0050】
次に図4のフローチャートを用いて、本発明の実施形態における、工具紛失警告の基本処理について説明する。
【0051】
図4はシステムを実行した場合の全体的な処理を示すフローチャートである。なお、各ステップの処理は各装置のCPU201が実行する。システムを構築し、各装置を起動すると図4の処理が開始される。
【0052】
S401では、CPU201は、現在時刻が休憩時間や定時後等の作業時間外か否かを判定する。作業時間外であればS402へ進み、そうでなければS406へ進む。システムに予め勤務時間を登録しておくことで、作業時間外か否かを判定できるようにしておく。なお、残業や通常作業時間とは異なる時間で勤務している場合であっても、それらも併せて登録しておくことで、作業時間内として判定されるように設定しておくことができる。
【0053】
S402では、CPU201は、撮像装置A102による画像を取得する。具体的には、撮像装置A102によって撮影された作業台の上の画像を取得する。撮像装置A102で撮影する際、常に撮影し続けても良いし、撮影範囲内に何らかの動く物体を検知した場合に、撮影を開始しても良い。
【0054】
S403では、CPU201は、取得した画像から二次元コードを読み取ったか否かを判定する。二次元コードを読み取った場合はS404へ、そうでない場合はS406へ進む。ここでは、工具が作業台から持ち出されたか否か(工具が使用中か否か)を、二次元コードの読み取りの有無から判断する。二次元コードの読み取りについては前述の図5の説明と同様である。
【0055】
S404では、CPU201は、作業者と紛失工具時刻をRAM203又は外部メモリ213に記録する。作業時間外に二次元コードが読み取られた時刻を紛失工具時刻として記録しても良いし、作業時間外に入ってから一定時間経過後で二次元コードが読み取られる時刻を紛失工具時刻として記録するようにしても良い。
【0056】
S405では、CPU201は、工具紛失警告を通知するように制御する。S404で紛失工具時刻が記録されると、工具が紛失又は所定位置に戻されていないことを示す警告をクライアント端末106に通知する。警告は工具が戻されるまで通知しても良いし、一定時間経過すると警告が止まるようにしても良い。また、通知の方法は警告画面を表示したり音声で通知したりする等、工具が戻されていないことをユーザに知らせることができれば何れの方法も良い。これにより、工具が煩雑に管理されると工具を紛失したこと自体に気づかない可能性があるため、作業終了後に工具が元の位置に戻されているか、紛失している工具がないかを適切に管理することができるようになる。また、作業時間外に工具が使用されていると労働環境が適切とはいえないので、作業時間外に工具が使用されていないかを判断することができる。
【0057】
S406では、CPU201は、サーバ105に対する停止指示を受け付けたか否かを判定する。停止指示を受け付けた場合は処理を終了し、そうでない場合はS401に戻って停止の指示を受け付けるまでフローチャートの処理を繰り返す。
【0058】
以上が図4の説明である。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、作業時間を可視化することによる作業者の詳細な分析を行うことができる仕組みを提供することができる。
【0060】
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0061】
なお、CPU201が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0062】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である
【0063】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0064】
100 二次元コード
101 工具
102 撮像装置A
103 作業台
104 撮像装置B
105 サーバ
106 クライアント端末
110 ネットワーク






図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9