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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015364
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】鉄塔の腹材取替工法及び腹材取替装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/10 20060101AFI20250123BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20250123BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
E04H12/10 Z
E04G23/02 Z
E04G23/02 F
H02G1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023128159
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】592233174
【氏名又は名称】株式会社デンロコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】林 和夫
【テーマコード(参考)】
2E176
5G352
【Fターム(参考)】
2E176AA11
2E176BB23
2E176BB36
5G352AD04
(57)【要約】
【課題】 鉄塔の腹材取替作業において、作業に数日間要する場合や補強材の負担する応力が大きい場合であっても、腹材取替範囲を補強して腹材の取り替えができる鉄塔の腹材取替工法および腹材取替装置を提供する。
【解決手段】腹材取替範囲の上下付近の主柱材間に取り付けられる上側および下側水平補強材と、一方の主柱材の上側水平補強材の固定箇所から他方の主柱材の下側水平補強材の固定箇所にかけて傾斜させて取り付けられる仮設補強材とで構成されており、仮設補強材は第1と第2仮設材とに分割されており、第1と第2仮設材は、一方の端部に設けられたフランジ継手を互いに対向させて、所定の隙間を設けた状態で配置されていること、フランジ継手は、締め付け量に応じて第1と第2仮設材に所定の軸方向の応力を導入させるための連結用ボルトで連結されていること、フランジ継手間には調整プレートが挿入されて締結部品で固定されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の腹材取替範囲の上下付近の主柱材間にそれぞれ取り付けられる上側および下側水平補強材と、
一方の主柱材の前記上側水平補強材が固定されている箇所から他方の主柱材の前記下側水平補強材が固定されている箇所にかけて傾斜させて取り付けられる仮設補強材と、
で構成されており、
前記仮設補強材は、第1仮設材と第2仮設材とに分割されていること、
前記第1仮設材と第2仮設材は、鋼管で形成されており、一方の端部にはフランジ継手が設けられ、他方の端部には主柱材と接続するための接続具が設けられていること、
前記第1仮設材と第2仮設材は、前記接続具を介して主柱材に固定され、前記フランジ継手を互いに対向させて、フランジ継手間に所定の隙間を設けた状態で配置されていること、
前記第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間は、締め付け量に応じて第1仮設材と第2仮設材に所定の軸方向の応力を導入させるための連結用ボルトで連結されていること、
前記第1仮設材と第2仮設材は、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間に、隙間に対応した厚みの調整プレートが挿入され、調整プレートを介して第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を締結部品で固定して一体化されていること、
を特徴とする鉄塔の腹材取替装置。
【請求項2】
鉄塔の腹材取替範囲の上下付近の主柱材間に上側および下側水平補強材を取り付ける工程と、
第1仮設材の接続具を、一方の主柱材の上側水平補強材が固定されている箇所に取り付ける工程と、
第2仮設材の接続具を、第1仮設材が取り付けられていない方の主柱材の下側水平補強材が固定されている箇所に取り付ける工程と、
第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を互いに対向させて、フランジ継手間に所定の隙間を設けた状態で配置する工程と、
第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間を連結用ボルトで連結する工程と、
予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係により、連結用ボルトの締め付け量に応じて、第1仮設材と第2仮設材に所定の軸方向の応力を導入する工程と、
第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間に、隙間に対応した厚みの調整プレートを挿入し、調整プレートを介して第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を締結部品で固定して一体化する工程と、
腹材取替範囲の腹材を取り替える工程と、
を備えることを特徴とする鉄塔の腹材取替工法。
【請求項3】
前記予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係が、仮設補強材の応力値が連結用ボルトの締付トルク値に比例している関係であること、
を特徴とする請求項2に記載の鉄塔の腹材取替工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塔の斜材や水平材等の腹材取替工法及びこの工法で用いる腹材取替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に鉄塔は、地盤に立設される主柱材と、主柱材の間に設置される水平材や斜材等の腹材とで構成されている。鉄塔の腹材に経年変化や災害等に起因して腐食や変形等の損傷が生じた場合、損傷した腹材の取り替えが行われている。
【0003】
従来、鉄塔の腹材取替方法や装置として、油圧ジャッキを介在させた取替工具の両端で、取替対象腹材が接続されている主柱材をそれぞれ把持し、取替対象腹材に作用する応力を油圧ジャッキに負担させることにより、当該腹材の取り替えを行うものが知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
しかしながら、上記油圧ジャッキを介在させた取替工具を用いる方法の場合、油圧ジャッキは荷重がかかった状態で長時間保持させると、徐々に油圧ジャッキの圧力が低下することから、油圧ジャッキに負担させていた荷重が再び取替対象腹材に作用することになり、当該腹材の取り替えができなくなるという問題があった。このため、短時間で腹材の取り替え作業が完了する場合にしか使用することができず、大型の鉄塔など腹材の取り替え作業に数日間要する場合には使用することができなかった。
【0005】
また、別の鉄塔の腹材取替方法や装置として、取替対象となる斜材の上下取付点付近の主柱材間に水平補強材を取り付け、上下の水平補強材間にワイヤーなどで構成される斜補強材を取替対象斜材の傾斜に合わせるようにして取り付けて、水平補強材と斜補強材からなる骨組みを形成し、腹材取替範囲の補強を行って、取替対象斜材の取り替えを行うものが知られている(例えば特許文献2)。この水平補強材と斜補強材からなる骨組みは、水平補強材が圧縮力、斜補強材が引張力を負担するプラット結構となり、取替対象腹材に作用していた応力は、水平補強材と斜補強材を介して、腹材取替範囲より下の鉄塔構成材に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-38259号公報
【特許文献2】特開2009-13765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の鉄塔の腹材取替方法や装置では、大型の鉄塔などの場合、斜補強材の負担する応力が大きくなり、ワイヤーでは対応できないという問題があった。また、腹材の取り替え作業中に、地震が発生し鉄塔に交番荷重が作用すると、斜補強材に交番応力が作用することがある。さらに、強風などにより一時的に斜補強材に圧縮応力が作用することもある。このような場合、ワイヤーなどで構成される斜補強材では圧縮応力を負担することができないため、腹材取替範囲の補強ができなくなるとともに、腹材取替範囲より下の鉄塔構成材に応力が伝達できなくなり、取替対象腹材の取り替えができなくなるという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、鉄塔の腹材取り替え作業において、大型の鉄塔などのように、腹材の取り替え作業に数日間要する場合や、補強材の負担する応力が大きい場合や、引張力を負担する補強材に一時的に圧縮力が作用した場合であっても、確実に腹材取替範囲を補強して腹材の取り替えができるとともに、腹材取替範囲より下の鉄塔構成材に応力を伝達することができる鉄塔の腹材取替工法および腹材取替装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の鉄塔の腹材取替装置は、鉄塔の腹材取替範囲の上下付近の主柱材間にそれぞれ取り付けられる上側および下側水平補強材と、一方の主柱材の前記上側水平補強材が固定されている箇所から他方の主柱材の前記下側水平補強材が固定されている箇所にかけて傾斜させて取り付けられる仮設補強材とで構成されており、前記仮設補強材は、第1仮設材と第2仮設材とに分割されていること、前記第1仮設材と第2仮設材は、鋼管で形成されており、一方の端部にはフランジ継手が設けられ、他方の端部には主柱材と接続するための接続具が設けられていること、前記第1仮設材と第2仮設材は、前記接続具を介して主柱材に固定され、前記フランジ継手を互いに対向させて、フランジ継手間に所定の隙間を設けた状態で配置されていること、前記第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間は、締め付け量に応じて第1仮設材と第2仮設材に所定の軸方向の応力を導入させるための連結用ボルトで連結されていること、前記第1仮設材と第2仮設材は、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間に、隙間に対応した厚みの調整プレートが挿入され、調整プレートを介して第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を締結部品で固定して一体化されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の鉄塔の腹材取替工法は、鉄塔の腹材取替範囲の上下付近の主柱材間に上側および下側水平補強材を取り付ける工程と、第1仮設材の接続具を、一方の主柱材の上側水平補強材が固定されている箇所に取り付ける工程と、第2仮設材の接続具を、第1仮設材が取り付けられていない方の主柱材の下側水平補強材が固定されている箇所に取り付ける工程と、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を互いに対向させて、フランジ継手間に所定の隙間を設けた状態で配置する工程と、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間を連結用ボルトで連結する工程と、予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係により、連結用ボルトの締め付け量に応じて、第1仮設材と第2仮設材に所定の軸方向の応力を導入する工程と、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間に、隙間に対応した厚みの調整プレートを挿入し、調整プレートを介して第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を締結部品で固定して一体化する工程と、腹材取替範囲の腹材を取り替える工程とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、前記予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係が、仮設補強材の応力値が連結用ボルトの締付トルク値に比例している関係であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の鉄塔の腹材取替工法及び腹材取替装置によれば、鉄塔の腹材取替範囲の上下付近の主柱材間に上側および下側水平補強材を取り付け、一方の主柱材の上側水平補強材が固定されている箇所から他方の主柱材の下側水平補強材が固定されている箇所にかけて傾斜させて仮設補強材を取り付けて、上側および下側水平補強材と仮設補強材とで腹材取替範囲に骨組み(プラット結構)を形成して補強し、第1仮設材と第2仮設材とを連結する連結用ボルトの締め付けにより仮設補強材に軸方向の応力を導入することで、仮設補強材が取り付けられている主柱材を介して腹材取替範囲の腹材に作用する応力が解除され、腹材取替範囲の腹材が取り替えできるようになる。そして、腹材取替範囲の腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材と仮設補強材を介して、腹材取替範囲より下の鉄塔構成材に伝達することができる。
【0013】
また、仮設補強材は、第1仮設材と第2仮設材とを連結する連結用ボルトを締め付けて仮設補強材に軸方向の応力を導入した後、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間に、隙間に対応した厚みの調整プレートを挿入して、調整プレートを介して第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を締結部品で固定することで一体化して形成されることから、従来の油圧ジャッキを用いる腹材取替方法や装置のように、油圧ジャッキに荷重がかかった状態で長時間保持させると、徐々に油圧ジャッキの圧力が低下するといった問題はなく、腹材の取り替え作業に数日間要する場合であっても対応することができる。
【0014】
さらに、第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間を連結用ボルトで連結して、予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係により、連結用ボルトの締め付け量に応じて仮設補強材に所定の軸方向の応力を導入するようになっており、前記予め求めた連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係が、仮設補強材の応力値が連結用ボルトの締付トルク値に比例している関係であることから、連結用ボルトを締め付けるだけの簡単な方法で仮設補強材に軸方向の応力を導入することができ、その導入する軸方向の応力は連結用ボルトの締付トルクによって容易に管理することができることから、仮設補強材の応力を測定するセンサーなどを設置する必要がない。
【0015】
さらに、仮設補強材を構成する第1仮設材と第2仮設材は、鋼管で形成されていることから、大型の鉄塔などで仮設補強材の負担する応力が大きい場合に対応することができる。また、腹材の取り替え作業中に、地震や強風などにより一時的に仮設補強材に圧縮応力が作用しても負担することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の腹材取替装置の取付状態の一例を示す正面図である。
図2】上側水平補強材の取付状態の一例を示す正面図である。
図3】上側水平補強材の取付状態の一例を示す平面図である。
図4】鉄塔の内外に連結部材を配置した場合の上側水平補強材の取付状態の一例を示す平面図である。
図5】鉄塔の外側に連結部材を2箇所配置した場合の上側水平補強材の取付状態の一例を示す平面図である。
図6】第1仮設材と第2仮設材の一例を示す正面図である。
図7】第1仮設材と第2仮設材の一例を示す平面図である。
図8】第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手の一例を示す平面図である。
図9】第2仮設材の主柱材への取付状況を示す拡大正面図である。
図10】第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手を互いに対向させて配置したときの状態を示す図である。
図11】連結用ボルトの挿通位置の一例を示すフランジ継手の平面図である。
図12】実際の鉄塔で測定した連結用ボルトの締付トルクと仮設補強材の軸方向の応力との関係を示す図である。
図13】調整プレートの一例を示す図である。
図14】第1仮設材と第2仮設材のフランジ継手間の隙間に調整プレートを挿入した状態を示す図である。
図15】鉄塔の一例を示す正面図である。
図16】鉄塔の中間部付近の一例を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図15は鉄塔100の一例を示す正面図、図16は鉄塔100の中間部付近の一例を示す拡大正面図である。鉄塔100は、地上から縦方向に沿って立設される鉄塔本体101と、鉄塔本体101から横方向に突出する腕金102とを備えている。鉄塔本体101は、縦方向に沿って配置され、鉄塔本体101の上端まで延びる4本の主柱材111と、隣接する主柱材111間に設置される腹材とを備えている。前記腹材は、横方向に配置され、隣接する主柱材111同士を連結する複数の水平材112と、主柱材111や水平材112に対して傾斜するように配置される複数の斜材113とを備えている。
【0019】
図1は、本発明の腹材取替装置1の取付状態の一例を示す正面図である。本発明の鉄塔100の腹材取替装置1は、腹材取替範囲Aの上側付近の主柱材111a,111b間に取り付けられる上側水平補強材2と、腹材取替範囲Aの下側付近の主柱材111a,111b間に取り付けられる下側水平補強材3と、一方の主柱材111aの上側水平補強材2が固定されている箇所から他方の主柱材111bの下側水平補強材3が固定されている箇所にかけて傾斜させて取り付けられる仮設補強材4とを備えている。
【0020】
この上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4の取り付けにより、腹材取替範囲Aに上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4からなる骨組みが形成される。この骨組みは、上側および下側水平補強材2,3が圧縮力、仮設補強材4が引張力を負担するプラット結構となり、腹材取替範囲Aの腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4を介して、腹材取替範囲Aより下の鉄塔構成材に伝達される。なお、上側および下側水平補強材2,3間に傾斜させて取り付けられる仮設補強材4は、腹材取替範囲Aの引張応力が作用している斜材113aが傾斜している方に傾斜させて取り付けられる。例えば、図1において、腹材取替範囲Aの右上がりの斜材113aに引張応力が作用している場合は、仮設補強材4は右上がりに傾斜させて取り付ける。
【0021】
まず、腹材取替範囲Aの上下付近の主柱材111a,111b間に取り付けられる上側および下側水平補強材2,3について説明する。図2は上側水平補強材2の取付状態の一例を示す正面図、図3は上側水平補強材2の取付状態の一例を示す平面図である。なお、下側水平補強材3は上側水平補強材2と同じ構造である。上側および下側水平補強材2,3は、図に示すように、連結部材5と接続金具8とで構成されている。
【0022】
前記連結部材5は、鋼管部材6と、接続金具8と接続するための継手板7とで構成されている。前記継手板7は、鋼管部材6の鋼管端部の開口部にその直径方向に割込み挿入され、溶接等の手段により固定されている。なお、図2および図3では、連結部材5は1つの鋼管部材6で形成されている場合を示しているが、複数の鋼管部材6をボルトで接合して形成しても構わない。この場合、鉄塔100の塔体幅に合わせて接合する鋼管部材6の個数を変えて長さを調整することが可能となる。
【0023】
前記接続金具8は、主柱材111a,111bの上側および下側水平補強材2,3の取付位置にボルトナットなどの締結部品で固定される主柱材固定部9と、補強材固定部10とで構成されている。接続金具8には、水平補強材2,3のみが取り付く箇所に使用される接続金具8bと、水平補強材2,3と仮設補強材4とが取り付く箇所に使用される接続金具8aの2種類があり、それぞれ補強材固定部10の形状が異なっている。前記水平補強材2,3と仮設補強材4とが取り付く箇所に使用される接続金具8aは、補強材固定部10aが、主柱材固定部9から水平補強材2,3および仮設補強材4が取り付く方向に延出して形成されている。前記水平補強材2,3のみが取り付く箇所に使用される接続金具8bは、補強材固定部10bが、主柱材固定部9から水平補強材2,3が取り付く方向に延出して形成されている。この接続金具8の補強材固定部10と連結部材5の継手板7とをボルトナットなどの締結部品で固定することで、水平補強材2,3が主柱材111a,111b間に取り付けられる。なお、接続金具8は、図2および図3に示す構造に限られたものではなく、水平補強材2,3や仮設補強材4を主柱材111a,111bに確実に取り付けできるものであれば、他の構造でも構わない。
【0024】
また、図3では、上側および下側水平補強材2,3の連結部材5が鉄塔100の外側に配置される例を示しているが、鉄塔100の内側に連結部材5を配置するスペースがある場合には、図4に示すように、鉄塔100の内側にも連結部材5を追加し、連結部材5を2本としても構わない。この場合、連結部材5を構成する鋼管部材6のサイズを小さくすることができる。また、図3に示す上側および下側水平補強材2,3の連結部材5が鉄塔100の外側に配置される例において、反対側の主柱材111c,111d間にも上側および下側水平補強材2a,3aを取り付ける必要がある場合には、図5に示すように、接続金具8a,8bの主柱材固定部9,9を、水平補強材2,3に対して垂直方向(図5の平面図において上下方向)に隣接する主柱材111c,111dに固定できる長さに延長し、延長した主柱材固定部9,9の端部付近に補強材固定部10,10を設け、この補強材固定部10,10間に上側および下側水平補強材2a,3aの連結部材5aを設置するようにしても構わない。
【0025】
前記仮設補強材4は、図1に示すように、第1仮設材11と第2仮設材12とに分割されている。前記第1仮設材11と第2仮設材12は、図6および図7に示すように、鋼管部材11c,12cで形成されており、一方の端部にはフランジ継手11a,12aが設けられ、他方の端部には、接続金具8の補強材固定部10aと接続するための接続具11b,12bが設けられている。前記接続具11b,12bは、鋼管端部の開口部にその直径方向に割込み挿入され、溶接等の手段により固定されている。図8は、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12aの一例を示す平面図である。前記フランジ継手11a,12aには、ボルトナットなどの締結部品を挿通する穴16が4個以上設けられている。なお、図8ではフランジ継手11a,12aに、締結部品を挿通する穴16が4個設けられた場合の例を示している。なお、図6および図7では、第1仮設材11と第2仮設材12は1つの鋼管部材11c,12cで形成されている場合を示しているが、複数の鋼管部材11c,12cをボルトで接合して形成しても構わない。この場合、仮設補強材4の取り付け間寸法に合わせて接合する鋼管部材11c,12cの個数を変えて長さを調整することが可能となる。
【0026】
前記第1仮設材11の接続具11bは、図2に示すように、上側水平補強材2を固定している接続金具8aの補強材固定部10aにボルトナットなどの締結部品で固定される。前記第2仮設材12の接続具12bは、図9に示すように、下側水平補強材3を固定している接続金具8aの補強材固定部10aにボルトナットなどの締結部品で固定される。第1仮設材11と第2仮設材12の合計長さは、第1仮設材11と第2仮設材12を固定する補強材固定部10a,10a間の距離よりも若干短い長さに形成されており、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12aを互いに対向させた状態で配置すると、図10に示すように、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間に隙間13が設けられる。
【0027】
第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間に隙間13が設けられた状態で、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間を連結用ボルト14で連結する。連結用ボルト14は、図11に示すように、フランジ継手11a,12aに設けられた締結部品を挿通する穴16のうち、対角に位置する2つの穴に挿通する。このフランジ継手11a,12a間に隙間13が設けられた状態で連結用ボルト14を締め付けると、フランジ継手11a,12a間の隙間13が狭くなる方向に各フランジ継手11a,12aが移動する。これにより、第1仮設材11と第2仮設材12の軸方向に応力が導入される。
【0028】
連結用ボルト14の締め付けにより第1仮設材11と第2仮設材12の軸方向に導入される応力を把握するために、実際の鉄塔に第1仮設材11と第2仮設材12とを設置し、フランジ継手11a,12a間を連結する連結用ボルト14の締付トルクを段階的に上げながら、第1仮設材11と第2仮設材12に導入される軸方向の応力の測定を行った。図12は、測定した連結用ボルト14の締付トルクと仮設補強材4(第1仮設材11および第2仮設材12)の軸方向の応力との関係を示す図である。図12に示すように、連結用ボルト14の締付トルクと仮設補強材4の軸方向の応力との関係は、仮設補強材4の応力値が連結用ボルト14の締付トルク値に比例している関係であった。したがって、連結用ボルト14を締め付けるだけの簡単な方法で仮設補強材4に軸方向の応力を導入することができ、その導入する軸方向の応力は連結用ボルト14の締付トルクによって容易に管理することができる。
【0029】
第1仮設材11と第2仮設材12に所定の軸方向の応力を導入した後、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間に、隙間13に対応した厚みの調整プレート15を挿入して、調整プレート15を介して第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12aをボルトナットなどの締結部品18で固定することで一体化して、仮設補強材4が形成される。
【0030】
仮設補強材4に軸方向の応力を導入することにより、第1仮設材11と第2仮設材12が取り付けられている主柱材111a,111bを介して、腹材取替範囲Aの引張応力が作用している斜材113aに圧縮力として伝達され、当該斜材113aに作用する引張応力が取り外し可能な程度まで解除されて、当該斜材113aの取り替えができるようになる。また、この段階で、腹材取替範囲Aの腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4とで形成される骨組み(プラット結構)が負担するようになっているため、腹材取替範囲Aの斜材113a以外の腹材112,113も取り替えが可能となる。
【0031】
次に、上記構成の本発明の腹材取替装置1を用いて、鉄塔100の腹材取替範囲Aの腹材112,113を取り替える方法について説明する。なお、図1において、腹材取替範囲Aの右上がりの斜材113aに引張応力が作用している場合について説明する。
【0032】
第1の工程では、鉄塔100の腹材取替範囲Aの上側付近の主柱材111a,111b間に上側水平補強材2を取り付け、鉄塔100の腹材取替範囲Aの下側付近の主柱材111a,111b間に下側水平補強材3を取り付ける。
【0033】
まず、鉄塔100の腹材取替範囲Aの上側付近の主柱材111a,111bに上側水平補強材2の接続金具8を取り付ける。このとき、上側水平補強材2と仮設補強材4とが取り付く主柱材111a側には、補強材固定部10aが上側水平補強材2および仮設補強材4の取り付く方向に延出して形成されている接続金具8aを使用し、接続金具8aの主柱材固定部9と主柱材111aとをボルトナットなどの締結部品で固定する。そして、上側水平補強材2のみが取り付く主柱材111b側には、補強材固定部10bが上側水平補強材2の取り付く方向に延出して形成されている接続金具8bを使用し、接続金具8bの主柱材固定部9と主柱材111bとをボルトナットなどの締結部品で固定する。
【0034】
次に、下側水平補強材3についても同様に、鉄塔100の腹材取替範囲Aの下側付近の主柱材111a,111bに下側水平補強材3の接続金具8を取り付ける。このとき、下側水平補強材3と仮設補強材4とが取り付く主柱材111b側には、補強材固定部10aが下側水平補強材3および仮設補強材4の取り付く方向に延出して形成されている接続金具8aを使用し、接続金具8aの主柱材固定部9と主柱材111bとをボルトナットなどの締結部品で固定する。そして、下側水平補強材3のみが取り付く主柱材111a側には、補強材固定部10bが下側水平補強材3の取り付く方向に延出して形成されている接続金具8bを使用し、接続金具8bの主柱材固定部9と主柱材111aとをボルトナットなどの締結部品で固定する。
【0035】
次に、腹材取替範囲Aの上側付近の主柱材111a,111bに取り付けられた接続金具8a,8b間に上側水平補強材2の連結部材5を配置し、接続金具8a,8bの補強材固定部10a,10bと連結部材5の両端の継手板7とをボルトナットなどの締結部品で固定する。そして、下側水平補強材3についても同様に、腹材取替範囲Aの下側付近の主柱材111a,111bに取り付けられた接続金具8a,8b間に下側水平補強材3の連結部材5を配置し、接続金具8a,8bの補強材固定部10a,10bと連結部材5の両端の継手板7とをボルトナットなどの締結部品で固定する。これにより、腹材取替範囲Aの上下付近の主柱材111a,111b間に上側水平補強材2と下側水平補強材3の取り付けが完了する。
【0036】
第2の工程では、仮設補強材4を構成する第1仮設材11を主柱材111aの上側水平補強材2が固定されている箇所に取り付ける。第1仮設材11の端部の接続具11bと、上側水平補強材2を構成する接続金具8aの補強材固定部10aとをボルトナットなどの締結部品で固定することで、第1仮設材11を主柱材111aの上側水平補強材2が固定されている箇所に取り付ける。
【0037】
第3の工程では、仮設補強材4を構成する第2仮設材12を主柱材111bの下側水平補強材3が固定されている箇所に取り付ける。第2仮設材12の端部の接続具12bと、下側水平補強材3を構成する接続金具8aの補強材固定部10aとをボルトナットなどの締結部品で固定することで、第2仮設材12を主柱材111bの下側水平補強材3が固定されている箇所に取り付ける。
【0038】
第4の工程では、第2の工程で主柱材111aの上側水平補強材2が固定されている箇所に取り付けられた第1仮設材11と、第3の工程で主柱材111bの下側水平補強材3が固定されている箇所に取り付けられた第2仮設材12の端部のフランジ継手11a,12aを互いに対向させた状態で配置する。このとき、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間には隙間13が設けられる。
【0039】
第5の工程では、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間を連結用ボルト14で連結する。フランジ継手11a,12aには、ボルトナットなどの締結部品を挿通する穴16が4個以上設けられている。これらの穴16のうち、対角に位置する2つの穴に連結用ボルト14を挿通して、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12aを連結する。
【0040】
第6の工程では、予め求めた連結用ボルト14の締付トルクと仮設補強材4の軸方向の応力との関係により、連結用ボルト14の締め付け量に応じて、第1仮設材11と第2仮設材12に所定の軸方向の応力を導入する。第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間に隙間13が設けられた状態で連結用ボルト14を締め付けると、フランジ継手11a,12a間の隙間13が狭くなる方向に各フランジ継手11a,12aが移動する。これにより、第1仮設材11と第2仮設材12の軸方向に応力が導入される。第1仮設材11と第2仮設材12に導入される軸方向の応力値は、連結用ボルト14の締付トルク値に比例している関係であることから、導入される軸方向の応力は、連結用ボルト14の締付トルクによって管理することができる。なお、第1仮設材11と第2仮設材12に導入する軸方向の応力は、予め腹材取替工事時の条件で鉄塔100の設計を行い、仮設補強材4や腹材取替範囲Aの各腹材に作用する応力を算出して設定される。
【0041】
第7の工程では、第1仮設材11と第2仮設材12に所定の軸方向の応力を導入した後、図14に示すように、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間に、隙間13に対応した厚みの調整プレート15を挿入し、調整プレート15を介してフランジ継手11a,12aをボルトナットなどの締結部品18で固定することで一体化して、仮設補強材4を形成する。前記調整プレート15は、連結用ボルト14が挿通された状態でフランジ継手間11a,12aの隙間13に挿入するため、図13に示すように、調整プレート15の連結用ボルト14と干渉する位置に、連結用ボルト14の径よりも大きい幅の切り欠き穴17の加工が施されている。
【0042】
第2から第7の工程により、上側水平補強材2と下側水平補強材3との間に仮設補強材4の取り付けが完了し、腹材取替範囲Aに上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4からなる骨組みが形成される。この上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4からなる骨組みは、上側および下側水平補強材2,3が圧縮力、仮設補強材4が引張力を負担するプラット結構となり、腹材取替範囲Aの腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4を介して、腹材取替範囲Aより下の鉄塔構成材に伝達される。
【0043】
第8の工程は、腹材取替範囲Aの腹材を取り替える。仮設補強材4に所定の軸方向の応力を導入することにより、第1仮設材11と第2仮設材12が取り付けられている主柱材111a,111bを介して、腹材取替範囲Aの引張応力が作用している斜材113aに圧縮力として伝達され、当該斜材113aに作用する引張応力が取り外し可能な程度まで解除されて、当該斜材113aの取り替えができるようになる。また、この段階で、腹材取替範囲Aの腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4とで形成される骨組み(プラット結構)が負担するようになっているため、腹材取替範囲Aの斜材113a以外の腹材112,113も取り替えが可能となる。
【0044】
上記の鉄塔100の腹材取替工法及び腹材取替装置1によれば、鉄塔100の腹材取替範囲Aに上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4からなる骨組み(プラット結構)を形成して腹材取替範囲Aの補強を行い、第1仮設材11と第2仮設材12とを連結する連結用ボルト14の締め付けにより仮設補強材4に軸方向の応力を導入することで、仮設補強材4が取り付けられている主柱材111a,111bを介して腹材取替範囲Aの腹材に作用する応力が解除され、腹材取替範囲Aの腹材が取り替えできるようになる。さらに、腹材取替範囲Aの腹材に作用していた応力は、上側および下側水平補強材2,3と仮設補強材4を介して、腹材取替範囲Aより下の鉄塔構成材に伝達することができる。したがって、本発明の腹材取替工法及び腹材取替装置1を用いることで、確実に取替対象の腹材を取り替えることができる。
【0045】
また、仮設補強材4は、仮設補強材4に所定の軸方向の応力を導入した後、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間の隙間13に調整プレート15を挿入して、調整プレート15を介して第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12aを締結部品18で固定することで一体化して形成されることから、仮設補強材4に導入した軸方向の応力は長時間保持させていても低下することはなく、腹材の取り替え作業に数日間要する場合であっても対応することができる。
【0046】
さらに、第1仮設材11と第2仮設材12のフランジ継手11a,12a間を連結用ボルト14で連結し、予め求めた連結用ボルト14の締付トルクと仮設補強材4の軸方向の応力との関係により、連結用ボルト14の締め付け量に応じて仮設補強材4に所定の応力を導入するようになっていることから、連結用ボルト14を締め付けるだけの簡単な方法で仮設補強材4に軸方向の応力を導入することができる。また、前記予め求めた連結用ボルト14の締付トルクと仮設補強材4の軸方向の応力との関係が、仮設補強材4の応力値が連結用ボルト14の締付トルク値に比例している関係であることから、仮設補強材4に導入する軸方向の応力は連結用ボルト14の締付トルクによって容易に管理することができる。
【0047】
さらに、仮設補強材4を構成する第1仮設材11と第2仮設材12は、鋼管で形成されていることから、大型の鉄塔100などで仮設補強材4の負担する応力が大きい場合や、腹材の取り替え作業中に地震や強風などにより一時的に仮設補強材4に圧縮応力が作用した場合にも対応することができる。
【0048】
なお、上記の鉄塔100の腹材取替工法及び腹材取替装置1は、図1から図4に示すように山形鋼鉄塔で使用する場合について説明したが、上側および下側水平補強材2,3を構成する接続金具8の主柱材固定部9を、例えばバンド構造など、鋼管の主柱材に固定できる構造にすることで、鋼管鉄塔にも使用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 腹材取替装置
2 上側水平補強材
3 下側水平補強材
4 仮設補強材
5 連結部材
6 鋼管部材
7 継手板
8 接続金具
9 主柱材固定部
10 補強材固定部
11 第1仮設材
11a 第1仮設材のフランジ継手
11b 第1仮設材の接続具
11c 第1仮設材の鋼管部材
12 第2仮設材
12a 第2仮設材のフランジ継手
12b 第2仮設材の接続具
12c 第2仮設材の鋼管部材
13 フランジ継手間の隙間
14 連結用ボルト
15 調整プレート
16 締結部品を挿通する穴
17 切り欠き穴
18 フランジ継手の締結部品
100 鉄塔
101 鉄塔本体
102 腕金
111 主柱材
111a 水平補強材が取り付けられる一方の主柱材
111b 水平補強材が取り付けられる他方の主柱材
112 水平材
113 斜材
A 腹材取替範囲
図1
図2
図3
図4
図5
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