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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015368
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】トンネル工事用作業装置
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/40 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
E21D11/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023129604
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】311004393
【氏名又は名称】ニシオティーアンドエム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神 貴康
【テーマコード(参考)】
2D155
【Fターム(参考)】
2D155BA06
2D155FB01
2D155GB02
2D155LA17
(57)【要約】
【課題】支保工建込み時のエレクター台車走行又は作業時の振動により支保工の横ずれが起き作業ロスが生じることがある。
【解決手段】支保工キャッチャーに把持部を設け、前記把持部には油圧シリンダの駆動により間隔を変化させて支保工の下フランジの両側縁を外側から挟み込む一対の把持爪を有し、これら一対の把持爪は、前記支保工と対向する部分を有し、前記支保工と対向する部分には、前記一対の把持爪の支保工と対向する部分の相互間の隙間が下端側から上端側に向かって同じ隙間になるように形成された平面部と、下端側から上端側に向かって相互間の隙間が狭くなるように形成された端面と、下端側から曲がり面までは相互間の隙間が狭くなるようにかつ、曲がり面から背側に向かって相互間の隙間が広くなるように形成された研削部を設けた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車本体の先端にエレクターブームが取付けられ、前記エレクターブームの先端にはエレクターアームを介して支保工キャッチャーが取付けられ、前記支保工キャッチャーにH鋼からなる支保工を把持する把持部を有し、前記把持部には油圧シリンダの駆動により間隔を変化させて支保工の下フランジの両側縁を外側から挟み込む一対の把持爪を有し、これら一対の把持爪は、前記支保工と対向する部分を有し、前記支保工と対向する部分には、前記一対の把持爪の支保工と対向する部分の相互間の隙間が下端側から上端側に向かって同じ隙間になるように形成された平面部と、下端側から上端側に向かって相互間の隙間が狭くなるように形成された端面と、下端側から曲がり面までは相互間の隙間が狭くなるようにかつ、曲がり面から背側に向かって相互間の隙間が広くなるように形成された研削部を設けたことを特徴とするトンネル工事用作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル工事用作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、山岳工法(NATM)のトンネル工事において、支保工の建込み作業、金網設置等の付帯作業及びコンクリート吹付作業では、特許文献1で示されているような周知のトンネル工事用作業装置が使用される。
【0003】
そのため当該トンネル工事用作業装置には、エレクター機構、バスケット機構、吹付機構が搭載されており、エレクター機構は支保工の運搬と建込みに使用され、吹付機構は地山の段階と支保工建込み金網設置後のコンクリート吹付に使用され、バスケット機構は金網設置等の付帯作業を行う作業員の作業足場として使用される。
【0004】
ところでエレクター機構は、台車本体の先端左右に取付けられたエレクターブームと、それぞれ先端に取付けられたエレクターアームと、それぞれ先端に取付けられた把持爪一対を備えた支保工キャッチャーから構成されている。
【0005】
このエレクターブームに備わる揺動機能、伸縮機能と、エレクターアームの屈折による形状変化と支保工キャッチャーの揺動機能により、支保工キャッチャーが目的の方向に向くことで、支保工を把持したまま姿勢を変えられるようになり、トンネル工事用作業装置のみで支保工の運搬から建込み作業までできるようになっている。
【0006】
ところでこの支保工キャッチャーに備わる一対の把持爪について、現状、単一の把持爪で種々の大きさの支保工を把持するため及び支保工脱落防止のため、図8(A)、図8(B)に示す通り、把持爪701、702の一対の把持爪の支保工101(H寸法が250mm)或いは支保工102(H寸法が125mm)と対向する部分が基端側から先端側に向かって途中まで相互間の隙間を狭くし、かつ対向する部分の傾き角度が相互に同一となるような把持爪の形状することが一般的となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009-299421公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながらこの把持爪の形状では、支保工を把持したとき、図9(A)、図9(B)に示す通り、把持爪701、702と支保工102の下フランジの両側縁とが面と面とがあたらず接触面積が小さくなることから、走行又は作業時の振動により支保工の脱落はないものの横ずれが起き作業ロスが生じることがある。
【0009】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、従来の把持機能を損なわずに、把持爪と支保工との接触面積を広げ、横ずれを防ぐトンネル工事用作業装置を提供しようするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
トンネル工事用作業装置の台車本体の先端にエレクターブームが取付けられ、前記エレクターブームの先端にはエレクターアームを介して支保工キャッチャーが取付けられ、前記支保工キャッチャーにH鋼からなる支保工を把持する把持部を有し、前記把持部には油圧シリンダの駆動により間隔を変化させて支保工の下フランジの両側縁を外側から挟み込む一対の把持爪を有し、これら一対の把持爪は、前記支保工と対向する部分を有し、前記支保工と対向する部分には、前記一対の把持爪の支保工と対向する部分の相互間の隙間が下端側から上端側に向かって同じ隙間になるように形成された平面部と、下端側から上端側に向かって相互間の隙間が狭くなるように形成された端面と、下端側から曲がり面までは相互間の隙間が狭くなるようにかつ、曲がり面から背側に向かって相互間の隙間が広くなるように形成された研削部を設けた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、支保工運搬走行や建込み時の振動による把持した支保工の横ずれを防ぐことができるので、把持の遣り直しの作業ロスが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態におけるトンネル工事用作業装置が搭載されたエレクター台車を示す図であり、(A)は正面図、(B)同平面図である。
図2】本発明の実施の形態における要部を示す図であり、(A)は平面図、(B)は[図2](A)の2-2の矢視線図、(C)は同1-1の矢視線図である。
図3】本発明の実施の形態における把持爪の形状を示す図であり、(A)は[図2](A)の1-1の矢視線図、(B)は同2-2の矢視線図、(C)は同3-3の矢視線図、(D)は同4-4の矢視線図である。
図4】同(A)は[図2](A)の1-1の矢視線図、(B)は同2-2の矢視線図、(C)は同3-3の矢視線図、(D)は同4-4の矢視線図である。
図5】同(A)は[図2](A)の1-1の矢視線図、(B)は同2-2の矢視線図、(C)は同3-3の矢視線図、(D)は同4-4の矢視線図である。
図6】同(A)は[図2](A)の1-1の矢視線図、(B)は同2-2の矢視線図、(C)は同3-3の矢視線図、(D)は同4-4の矢視線図である。
図7】本発明の実施の形態における支保工を把持した状態を示す図であり、(A)は伸縮片にある把持爪の平面部を見せる図、(B)は駆動部にある把持爪の平面部を見せる図、(C)はH寸法250mmの支保工を把持した状態を示す図、(D)はH寸法125mmの支保工を把持した状態を示す図である。
図8】従来技術の把持部を示す図であって、(A)は高さが250mmの支保工を把持する場合を示す図、(B)は高さが125mmの支保工を把持する場合を示す図である。
図9】従来技術の支保工を把持した状態を示す図であって、(A)は伸縮片にある把持爪の支保工との接触状態を示す図、(B)は駆動部にある把持爪と支保工との接触状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態におけるトンネル工事用作業装置について、図1から図7に示し、これらを用いて説明する。
【0014】
本発明の実施の形態に係わるトンネル工事用作業装置は、図1(A)、(B)に示すエレクター台車10に搭載される。
【0015】
11は台車本体であって、台車本体11の先端には、ロボットブーム20、バスケットブーム30、130及びエレクターブーム50、150の計5本のブームが取付けられている。また5本のブームはそれぞれテレスコープ構造になっており、各段それぞれに介装された油圧シリンダ(図示せず)による伸縮動作により、複数段に伸縮可能となっている。
【0016】
また5本の伸縮ブームは、各方向それぞれについて設けられた油圧シリンダ(図示せず)により、それぞれ基端側を支点として、上下方向及び左右方向に揺動し、かつ軸回りに旋回することができる。
【0017】
また5本の伸縮ブームのうち、ロボットブーム20の先端にはロボットアーム22が取付けられ、ロボットアーム22の先端には吹付ノズル21が取付けられている。ロボットブーム20の伸縮動作と各方向への揺動動作とロボットアーム22の各方向への揺動動作により、吹付ノズル21をコンクリート吹付する所定の位置への移動や方向へ向けることができる。
【0018】
次にバスケットブーム30の先端にはバスケット40が設けられ、バスケットブーム130の先端にはバスケット140が設けられ、バスケットブーム30、130の伸縮動作と各方向への揺動動作により、作業者が搭乗するバスケット40、140を所定の位置に移動させ、作業員に金網設置等の付帯作業をさせることができる。
【0019】
次にエレクターブーム50の先端にはエレクターアーム70を介して支保工キャッチャー60が取付けられ、エレクターブーム150の先端にはエレクターアーム170を介して支保工キャッチャー160が取付けられており、それぞれH鋼からなる支保工100を把持して運搬及び建込みすることができる。
【0020】
次にエレクターブーム50、150の基端側から先端側まで左右対称となっているので、以下、図1(B)におけるエレクター台車10の進行方向(図面左側)に向かって左側に取付けられているエレクターブーム50の装置構成についてのみ実施の形態を説明する。
【0021】
図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す通り、エレクターアーム70はL字形状となっている。またエレクターブーム50とエレクターアーム70との間やエレクターアーム70自体に、油圧シリンダ73、74、75が備えられており、これら油圧シリンダで、エレクターアーム70自体の傾きやエレクターアーム70を構成する各辺相互間の傾き等を変更することができる。
【0022】
71は把持部であって、把持部71の基端部分を、油圧シリンダ701Aを内蔵した駆動部701を構成しており、駆動部701内から伸縮動作により伸びる伸縮片702を駆動部701が備えるのに伴い、油圧シリンダ701Aで伸縮片702に接続されている。
【0023】
また伸縮片702には把持爪61が、駆動部701には把持爪62が取付けられ一対の把持爪を構成しており、油圧シリンダ701Aが駆動することで、把持爪61と把持爪62との間隔が変化し支保工の下フランジの両側縁を外側から把持することができる。
【0024】
次に72は把持部であって、把持部72の基端部分を、油圧シリンダ(図示せず)を内蔵した駆動部703を構成しており、駆動部703内から伸縮動作により伸びる伸縮片704を駆動部703が備えるのに伴い、油圧シリンダ(図示せず)で伸縮片704に接続されている。
【0025】
また伸縮片704には把持爪63が、駆動部703には把持爪64が取付けられ一対の把持爪を構成しており、油圧シリンダ(図示せず)が駆動することで、把持爪63と把持爪64との間隔が変化し支保工の下フランジの両側縁を外側から把持することができる。
【0026】
以上、把持部71の一対の把持爪61、62で支保工100の一方を、把持部72の一対の把持爪63、64とで支保工100のもう一方を把持する。
【0027】
また把持爪61、62、63、64はスチール製でエンドミル加工により形成されたものである。以下、形状について図3図6を用いて説明する。なお、図面内の点線は寸法や角度を指し示すための補助線であり、縦の点線は各把持爪の底面に対する垂直線、横の点線は各把持爪の底面に対する水平線、斜めの点線は各辺の延長線、アール(弧)の点線は角度としている。
【0028】
まず把持爪61は、図3(A)に示す通り、研削部61A、端面61B、端面61C、端面61D、図3(B)に示す通り、面取り部61E、側面61F、図3(C)に示す通り、背面61G、背面61H、図3(D)に示す通り、面取り部61I、側面61J、天面(図示せず)、底面(図示せず)を有する。
【0029】
また把持爪61の幅寸法Wは150mm、高さ寸法Hは85mm、奥行き寸法Dは71mm、寸法L11は29mm、寸法L12は42mm、寸法L13は60mm、寸法L14は40mm、寸法L15は10mm、寸法L16は5mm、寸法L17は20.5mm、角度A11は点164を中心にして70°、角度A12は点166を中心にして80°、角度A13は頂点135を中心にして30°、角度A14は頂点102を中心として35°となっている。
【0030】
まず、図3(A)に示す通り、研削部61Aは辺101、103、104、127、119、123とで囲まれている。また研削部61Aは平面601Aと曲がり面601Bと平面601Cとで構成されている。平面601Aは、図3(D)の角度A14で傾いており、平面601Cは、角度A12で傾いている。
【0031】
次に端面61Bは、辺127、109、128、118とで囲まれている。端面61Bは、図3(D)に示す通り、角度A13で傾いている。
【0032】
次に端面61Cは、辺128、111、115とで囲まれている。また端面61Cは、把持爪61の底面(図示せず)に対し、垂直となっている。
【0033】
次に端面61Dは、辺115、113、114、116に囲まれており、端面61Dは、図3(B)、(D)に示す通り傾いている。これにより端面61Dと把持爪61の底面(図示せず)との間に窪みができる。
【0034】
次に図3(B)に示す通り、面取り部61Eは、辺129、123、146、145で囲われている。
【0035】
次に側面61Fは、辺146、119、116、138、140、142で囲われている。また辺119は頂点120で曲がっている。
【0036】
次に、図3(C)に示す通り、背面61Gは、辺147、145、142、156、160、162とで囲まれている。また背面61Hは、辺156、140、155、158で囲まれている。
【0037】
次に、図3(D)に示す通り、面取り部611は、辺163、162、168、103で囲われている。
【0038】
次に、側面61Jは、辺168、160、158、165、113、111、109とで囲われている。また辺109は頂点105で曲がっている。
【0039】
次に把持爪62は、図4(C)に示す通り、研削部62A、端面62B、端面62C、端面62D、図4(D)に示す通り、面取り部62E、側面62F、図4(A)に示す通り、背面62G、背面62H、図4(B)に示す通り、面取り部62I、側面62J、天面(図示せず)、底面(図示せず)を有する。
【0040】
また把持爪62の幅寸法Wは150mm、高さ寸法Hは95mm、奥行き寸法Dは73mm、寸法L21は29mm、寸法L22は41mm、寸法L23は60mm、寸法L24は50mm、寸法L25は20mm、寸法L26は15mm、寸法L27は20.5mm、角度A21は点268を中心にして70°、角度A22は点266を中心にして80°、角度A23は頂点267を中心にして30°、角度A24は頂点266を中心として35°となっている。
【0041】
まず、図4(C)に示す通り、研削部62Aは辺238、240、242、267、262、264とで囲まれている。また研削部62Aは平面602Aと曲がり面602Bと平面602Cとで構成されている。平面602Aは、図4(D)の角度A24で傾いており、平面602Cは、角度A22で傾いている。
【0042】
次に端面62Bは、辺267、246、268、259とで囲まれている。端面62Bは、図4(D)に示す通り、角度A23で傾いている。
【0043】
次に端面62Cは、辺268、248、253、257とで囲まれている。また端面62Cは、把持爪62の底面(図示せず)に対し、垂直となっている。
【0044】
次に端面62Dは、辺253、250、252、255に囲まれており、端面62Dは、図4(B)、(D)に示す通り傾いている。これにより端面62Dと把持爪62の底面(図示せず)との間に窪みができる。
【0045】
次に図4(D)に示す通り、面取り部62Eは、辺265、264、271、272で囲われている。
【0046】
次に側面62Fは、辺271、262、257、255、273、207、205で囲われている。また辺262は頂点274で曲がっている。
【0047】
次に、図4(A)に示す通り、背面62Gは、辺201、203、205、210、214、216とで囲まれている。また背面62Hは、辺210、207、209、212で囲まれている。
【0048】
次に、図4(B)に示す通り、面取り部62Iは、辺218、216、236、240とで囲われている。
【0049】
次に、側面62Jは、辺236、214、212、225、250、248、246、242とで囲われている。また辺242は頂点234で曲がっている。
【0050】
以上の実施の形態による一対の把持爪61、62の、支保工と対向する部分とされる端面61C、62Cは、それぞれ把持爪61、62の底辺に対し垂直となっている。
【0051】
また同じく支保工と対向する部分とされる端面61B、62Bは、それぞれ下端側から上端側に向かって支保工(図示せず)側に傾く形となっている。
【0052】
また同じく支保工(図示せず)と対向する部分とされる研削部61A、62Aは下端側から上端側に向かって支保工(図示せず)側に傾く形となっており角度80°で傾斜している。研削部61Aの先端には平面601Aと曲がり面601Bが、研削部62Aの先端には平面602Aと曲がり面602Bとそれぞれ逃げ部分が形成されている。
【0053】
次に把持爪63は、図5(A)に示す通り、研削部63A、端面63B、端面63C、端面63D、図5(B)に示す通り、面取り部63E、側面63F、図5(C)に示す通り、背面63G、背面63H、図5(D)に示す通り、面取り部63I、側面63J、天面(図示せず)、底面(図示せず)を有する。
【0054】
また把持爪63の幅寸法Wは150mm、高さ寸法Hは85mm、奥行き寸法Dは71mm、寸法L31は29mm、寸法L32は42mm、寸法L33は60mm、寸法L34は40mm、寸法L35は10mm、寸法L36は5mm、寸法L37は20.5mm、角度A31は点345を中心にして70°、角度A32は点342を中心にして80°、角度A33は頂点338を中心にして30°、角度A34は頂点335を中心として35°となっている。
【0055】
まず、図5(A)に示す通り、研削部63Aは辺301、303、307、329、324、326とで囲まれている。また研削部63Aは平面603Aと曲がり面603Bと平面603Cとで構成されている。平面603Aは、図5(B)の角度A34で傾いており、平面603Cは、角度A32で傾いている。
【0056】
次に端面63Bは、辺329、309、330、320とで囲まれている。端面63Bは、図5(B)に示す通り、角度A33で傾いている。
【0057】
次に端面63Cは、辺330、314、318とで囲まれている。また端面63Cは、把持爪63の底面(図示せず)に対し、垂直となっている。
【0058】
次に端面63Dは、辺314、311、313、316に囲まれており、端面63Dは、図5(B)、(D)に示す通り傾いている。これにより端面63Dと把持爪63の底面(図示せず)との間に窪みができる。
【0059】
次に図5(B)に示す通り、面取り部63Eは、331、326、351、336で囲われている。
【0060】
次に側面63Fは、辺351、324、320、318、316、344、345、348で囲われている。また辺324は頂点302で曲がっている。
【0061】
次に、図5(C)に示す通り、背面63Gは、辺352、336、348、360、364、366とで囲まれている。また背面63Hは、辺360、345、359、362で囲まれている。
【0062】
次に、図5(D)に示す通り、面取り部63Iは、辺371、366、349、352で囲われている。
【0063】
次に、側面63Jは、辺349、364、辺362、辺377、辺311、辺307とで囲われている。また辺307は頂点365で曲がっている。
【0064】
次に把持爪64は、図6(C)に示す通り、研削部64A、端面64B、端面64C、端面64D、図6(D)に示す通り、面取り部64E、側面64F、図6(A)に示す通り、背面64G、背面64H、図6(B)に示す通り、面取り部64I、側面64J、天面(図示せず)、底面(図示せず)を有する。
【0065】
また把持爪64の幅寸法Wは150mm、高さ寸法Hは95mm、奥行き寸法Dは73mm、寸法L41は29mm、寸法L42は41mm、寸法L43は60mm、寸法L44は50mm、寸法L45は10mm、寸法L46は15mm、寸法L47は20.5mm、角度A41は点424を中心にして70°、角度A42は点427を中心にして80°、角度A43は頂点432を中心にして30°、角度A44は頂点440を中心として35°となっている。
【0066】
まず、図6(C)に示す通り、研削部64Aは辺442、辺439、438、436、463、465とで囲まれている。また研削部64Aは平面604Aと曲がり面604Bと平面604Cとで構成されている。平面604Aは、図6(B)の角度A44で傾いており、平面604Cは、角度A42で傾いている。
【0067】
次に端面64Bは、辺436、447、469、459とで囲まれている。端面64Bは、図6(B)に示す通り、角度A43で傾いている。
【0068】
次に端面64Cは、辺469、431、454、457とで囲まれている。また端面64Cは、把持爪64の底面(図示せず)に対し、垂直となっている。
【0069】
次に端面64Dは、辺454、426、453、456に囲まれており、端面64Dは、図6(B)及び図6(D)に示す通り、傾いている。これにより端面64Dと把持爪64の底面(図示せず)との間に窪みができる。
【0070】
次に図6(D)に示す通り、面取り部64Eは、辺471、465、475、402で囲われている。
【0071】
次に側面64Fは、辺475、463、459、457、456、473、407、405で囲われている。また辺463は頂点455で曲がっている。
【0072】
次に、図6(A)に示す通り、背面64Gは、辺401、402、405、410、414、416とで囲まれている。また背面64Hは、辺410、407、409、412とで囲まれている。
【0073】
次に、図6(B)に示す通り、面取り部64Iは、辺418、416、441、439で囲われている。
【0074】
次に、側面64Jは、辺441、414、412、425、426、431、438とで囲われている。また辺438は頂点437で曲がっている。
【0075】
以上の実施の形態による一対の把持爪63、64の、支保工と対向する部分とされる端面63C、64Cは、それぞれ把持爪63、64の底辺に対し垂直となっている。
【0076】
また同じく支保工と対向する部分とされる端面63B、64Bは、それぞれ下端側から上端側に向かって支保工側に傾く形となっている。
【0077】
また同じく支保工と対向する部分とされる研削部63A、64Aは下端側から上端側に向かって支保工側に傾く形となっており角度80°で傾斜している。研削部63Aの先端には平面603Aと曲がり面603Bが、研削部64Aの先端には平面604Aと曲がり面604Bとが、それぞれ逃げ部分を形成している。
【0078】
以上が把持爪の形状となるが、本実施の形態では把持爪61を伸縮片702に、また把持爪62を駆動部に備えるにあたり溶接にて取付ける。図7に示す通り、溶接で発生する溶接金属35は端面と底面との窪みに入るが、把持爪61は端面61Cと溶接金属35を、把持爪62は端面62Cと溶接金属35を、それぞれ同一の平面にする。また把持爪63、64についても同様に取付ける。
【0079】
次に、前記構成を有するトンネル工事用作業装置の本実施の形態における作用について説明する。なお把持部71と把持部72は同じ実施の形態となるので、把持部71についてのみ説明する。
【0080】
図7(A)、(B)は、把持部71を構成する把持爪61と把持爪62とで支保工100を把持した状態を示す図であるが、これら一対の把持爪61、62はそれぞれ支保工100と対向する部分と天面部分と反対側の背側部分とを有している。
【0081】
まず、支保工100と対向する部分として、端面61C、62Cと、それぞれ平らにし同一平面にした溶接金属35とで構成される平面部611、622は、それぞれ端面61C、62Cの垂直姿勢に伴い、相互間の隙間が下端側から上端側まで同じ間隔になるように形成されている。そのため支保工100を把持したとき、平面部611、622と支保工100の下フランジの両側縁の平面部分とが面と面で接触する。
【0082】
他方、把持爪61、62を溶接以外で取付けるときなどは、傾斜した端面61D、62Dを設けず、端面61C、62Cを底面に達する長さにして、端面61C、62Cのみで、底面に対し垂直となる平面部にしても構わない。
【0083】
また前記の把持爪の形状と配置により、端面61C、62Cは、それぞれ台車本体11の進行前後方向中心線(図示せず)に向かい高さ寸法が徐々に広がる形状となっている。これにより平面部611は、駆動部701と伸縮部702の段差と合わせて高さ寸法が20mmから50mm程度、また平面部622についても高さ寸法が20mmから50mmとなっている。
【0084】
これにより、図7(C)に示す通り、高さ寸法250mmのアール型の支保工101の下フランジ101Aの両側縁を、平面部611と平面部622にあてて把持することができる。また図7(D)に示す通り、高さ寸法125mmのアール型の支保工102の下フランジ102Aの両側縁を、平面部611と平面部622にあてて把持することができる。
【0085】
次に、同支保工100と対向する部分として、端面61B、62B(図示せず)は、垂直部分の端面61C、62Cの上端側から支保工100側へ傾くように位置し、相互間の隙間が下端側から上端側に向かって間隔が狭くなるように形成されている。
【0086】
次に、同支保工100と対向する部分として、研削部61A、62Aは、平面601C、602Cが下端側から上端側に向かって相互間の隙間が狭くなるように形成されており、またそれぞれ曲がり面601B、602Bを介して、平面601A、602Aは、先端側に向かって相互間の隙間が広くなっている。
【0087】
以上の端面61B、62B(図示せず)及び研削部61A、62Bにより、支保工100を把持し易くなりまた油圧装置の不具合等で緩んでも脱落しにくい。
【符号の説明】
【0088】
10 エレクター台車
11 台車本体
50、150 エレクターブーム
70、170 支保工キャッチャー
71 把持部
72 把持部
61 把持爪
62 把持爪
63 把持爪
64 把持爪
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9