(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015390
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】魚型ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
A63H 23/10 20060101AFI20250123BHJP
G05D 1/247 20240101ALI20250123BHJP
G05D 1/648 20240101ALI20250123BHJP
G05D 1/686 20240101ALI20250123BHJP
A63H 11/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A63H23/10 A
G05D1/247
G05D1/648
G05D1/686
A63H11/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002616
(22)【出願日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】112126741
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】511212376
【氏名又は名称】先鋒材料科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PIONEER MATERIAL PRECISION TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1F, NO.11, WUCYUAN 2ND RD., Wugu Dist., NEW Taipei City 248, Taiwan,
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】張 昌祺
(72)【発明者】
【氏名】葉 禮源
(72)【発明者】
【氏名】陳 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 健智
(72)【発明者】
【氏名】沈 志偉
【テーマコード(参考)】
2C150
5H301
【Fターム(参考)】
2C150CA02
2C150DA19
2C150EB01
2C150EF16
2C150EF34
2C150EG01
5H301AA05
5H301BB14
5H301DD08
5H301FF05
5H301HH01
5H301QQ06
5H301QQ08
5H301QQ09
(57)【要約】
【課題】おもむき及び使用者とのやり取りを有する魚型ロボットシステムの提供。
【解決手段】所定の閉鎖水域に設置され、連続的に光信号を発する光発射モジュール1と前記所定の閉鎖水域中を移動する魚型ロボット装置2とを含み、魚型ロボット装置2は、先頭端部と前記先頭端部から外側へ延伸し且つ光不透過性を有する板とを有するハウジングと、前記板の左側で前記先頭端部から外側へ露出する第1の光受信モジュール21と、前記板の右側で前記先頭端部から外側へ露出する第2の光受信モジュール22と、前記ハウジングを異なる移動モードにより移動させる駆動モジュール24と、第1の光受信モジュール21と第2の光受信モジュール22と駆動モジュール24とに電気的に接続されており、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の光信号の受信状況により、移動モードを選んで駆動モジュール24を制御する処理器23とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面において境界における任意の1つの位置から前記境界における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である所定の閉鎖水域に使用する魚型ロボットシステムであって、
前記所定の閉鎖水域に設置されており、且つ、連続的に光信号を発するように構成されている光発射モジュールと、
前記所定の閉鎖水域中を移動することができるように配置されている魚型ロボット装置と、を含み、
前記魚型ロボット装置は、先頭端部と、前記先頭端部から外側へ延伸し且つ光不透過性を有する板とを有するハウジングと、
前記板の左側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第1の光受信モジュールと、
前記板の右側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第2の光受信モジュールと、
前記ハウジングに設置されており、且つ、前記ハウジングをランダムモード、左に傾くモード、右に傾くモードまたは直行モードにより前記所定の閉鎖水域中を移動させることができるように構成されている駆動モジュールと、
前記第1の光受信モジュールと、前記第2の光受信モジュールと、前記駆動モジュールとに電気的に接続されていると共に前記ハウジングに設置されている処理器と、を含み、
また、前記処理器は、
前記第1の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記左に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第2の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記右に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信すると、前記直行モードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、且つ、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信していないと、前記ランダムモードにより前記ハウジングをランダムに移動させるように前記駆動モジュールを制御する、ように構成されている、ことを特徴とする魚型ロボットシステム。
【請求項2】
前記光発射モジュールは、赤外線を光信号として発する赤外線発射モジュールである、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項3】
前記光発射モジュールは、前記所定の閉鎖水域中を移動できるオブジェクトに取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項4】
前記光発射モジュールは、前記所定の閉鎖水域内の固定位置に設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項5】
前記固定位置は、前記所定の閉鎖水域の境界の近くにある、ことを特徴とする請求項4に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項6】
前記処理器は、受信した誘発信号に応じて前記駆動モジュールの前記制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項7】
前記処理器に電気的に接続されており、且つ、所定の無線通信プロトコルにより外部からの前記誘発信号を受信して、該誘発信号を前記処理器に送信するように構成されている第1の通信モジュールを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項8】
前記所定の無線通信プロトコルにより前記第1の通信モジュールと信号的に接続されている第2の通信モジュールと、
手動の操作で入力信号を生成する入力モジュールと、
前記第2の通信モジュールと前記入力モジュールとに電気的に接続されており、且つ、前記入力モジュールが生成する入力信号に基づいて前記誘発信号を生成して、前記第2の通信モジュールに送信するように構成されている信号生成モジュールと、を有する誘発信号生成装置を更に含み、
前記第2の通信モジュールは、前記所定の無線通信プロトコルにより、前記信号生成モジュールが生成する前記誘発信号を前記第1の通信モジュールに送信するように構成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項9】
前記誘発信号生成装置は、前記第1の通信モジュールの受信範囲内に固定されるように設置されている、ことを特徴とする請求項8に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項10】
前記誘発信号生成装置は、モバイル電子装置である、ことを特徴とする請求項8に記載の魚型ロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚型ロボットシステムに関し、特に人とやり取りできておもむきを有する魚型ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現有の生物模倣ロボット装置(例えば、犬型ロボット、ヒト型ロボット、猫型ロボットなど)が採用する測位システムは、例えば特許文献1で使用される全地球測位システム(GPS)、超広帯域無線システム(UWB)などが挙げられる。しかし、上記の測位システムを水中に応用すると、水の伝導特性により測位信号の伝送の精確性が影響される。
【0003】
また、GPSは、一般的に2メートル~3メートルの誤差があるので、それよりかなり広い区域にしか適用できず、そして、生物模倣ロボット装置を区域の一側から反対側に移動させるといった正確な制御を行う場合更に広い範囲が必要になり、例えば魚型ロボットを池の左側から池の右側に移動させる場合、左右に12メートル超えの最大幅を有する区域を用意しなければ、精確に移動させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、上記の測位システムを使用せずに、水中に使用する生物模倣ロボット装置からおもむき及び使用者とのやり取りを生み出すことは、関連分野において解決しようとする課題である。
【0006】
本発明の目的は、使用する時におもむき及び使用者とのやり取りを有する魚型ロボットシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、水平面において境界における任意の1つの位置から前記境界における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である所定の閉鎖水域に使用する魚型ロボットシステムであって、
前記所定の閉鎖水域内に設置されており、且つ、連続的に光信号を発するように構成されている光発射モジュールと、
前記所定の閉鎖水域中を移動することができるように配置されている魚型ロボット装置と、を含み、
前記魚型ロボット装置は、先頭端部と、前記先頭端部から外側へ延伸し且つ光不透過性を有する板とを有するハウジングと、
前記板の左側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第1の光受信モジュールと、
前記板の右側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第2の光受信モジュールと、
前記ハウジングに設置されており、且つ、ランダムモード、左に傾くモード、右に傾くモードまたは直行モードにより前記所定の閉鎖水域中に移動することができるように構成されている駆動モジュールと、
前記第1の光受信モジュールと、前記第2の光受信モジュールと、前記駆動モジュールとに電気的に接続されていると共に前記ハウジングに設置されている処理器と、を含み、
また、前記処理器は、
前記第1の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記左に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第2の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記右に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールいずれも前記光信号を受信すると、前記直行モードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、且つ、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールいずれも前記光信号を受信していないと、前記ランダムモードにより前記ハウジングをランダムに移動させるように前記駆動モジュールを制御する、ように構成されている、ことを特徴とする魚型ロボットシステムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の魚型ロボットシステムは、光発射モジュールが所定の閉鎖水域内に設置される位置は限定されず、使用者が光発射モジュールを移動するものに設置してもよくまたは固定するものに設置してもよく、そして、処理器が第1の光受信モジュール及び第2の光受信モジュールの光発射モジュール1からの光信号に対する受信状況に基づいて、駆動モジュールを制御して、魚型ロボット装置を移動するまたは固定された光発射モジュールに接近させることにより、従来の測位システムを使用せずに、使用する時におもむき及び使用者とのやり取りを生み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の魚型ロボットシステムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【
図2】上記の第1の実施形態における魚型ロボット装置を示す上視図である。
【
図3】上記の第1の実施形態の魚型ロボットシステム及び移動できるオブジェクトが設置されている所定の閉鎖水域を示す図である。
【
図4】本発明の魚型ロボットシステムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【
図5】上記の第2の実施形態の魚型ロボットシステム、及び、第2の実施形態における魚型ロボット装置と光発射モジュールとが設置されている所定の閉鎖水域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の目的、技術手段、及び利点をより明確に説明するために、以下、本発明の実施形態の添付図面を組み合わせて、本発明の実施形態における技術手段に対して明確且つ完全に説明する。説明する実施形態は、本発明の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではないことが明らかであろう。通常、添付図面に描きまた示す本発明の実施形態の部品は各種異なる配置で布置及び設計することができる。従って、以下、添付図面中に提供した本発明の実施形態の詳細説明は、本発明の保護範囲に対していかなる制限も構成せず、単に本発明の選択された実施形態を示すのみである。
【0011】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合には、参照符号または参照符号の末端部分が、対応するまたは類似する要素を示すために図間で繰り返されており、これらは任意に同様の特性を有することができることに留意されたい。
【0012】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方位や位置関係を示す用語は、より簡単且つ明瞭に説明するために、図面に示される方位や位置関係、または本発明の製品を使用する際に習慣的に置かれる方位や位置関係に基づくものであり、対応する装置やデバイスが特定の方位、特定の方位における構造や操作などを有することを教示または示唆するものではなく、本発明に対する限定ではない。
【0013】
また、本発明の説明において、「第1」、「第2」などの用語は、ただ区別を目的として使用され、相対的な重要性を教示または示唆するものではない。
【0014】
本明細書で使用される「電気的に接続」という用語は、複数の電気設備や電気装置や電気デバイスの間が導電材料を介して接続される「有線接続」と、無線通信技術によって行う単方向または双方向の無線通信である「無線接続(即ち信号的な接続)」との両方を意味し得る。また、該「電気的に接続」という用語は、複数の電気設備や電気装置や電気デバイスの間が直接に接続される「直接接続」と、複数の電気設備や電気装置や電気デバイスの間が他の電気設備や電気装置や電気デバイスを介して間接に接続される「間接接続」との両方を意味し得る。
【0015】
本発明は、新しい魚型ロボットシステムを提供するものであるが、矛盾しない限り、本発明の各実施形態の特徴は組み合わせることができる。
【0016】
本発明の魚型ロボットシステム100の第1の実施形態は、
図1及び
図3に示されるように、水平面において境界における任意の1つの位置から前記境界における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である所定の閉鎖水域200に使用するものである。
【0017】
また、本発明の魚型ロボットシステム100の第1の実施形態は、
図1及び
図3に示されるように、光発射モジュール1と、所定の閉鎖水域200中を移動することができるように配置されている魚型ロボット装置2とを含む。
【0018】
この実施形態において、所定の閉鎖水域200は、所定の容器で画成され、水平面において該容器の境界における任意の1つの位置から該容器の境界における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内であり、且つ、魚型ロボット装置2が該容器の外部へ移動できない水域であり、例えば池、水槽、魚飼育用容器、家庭用アクアリウムなどにより画成するものである。
【0019】
光発射モジュール1は、所定の閉鎖水域200に設置されており、且つ、連続的に光信号を発するように構成されている。
【0020】
この実施形態において、光発射モジュール1は、赤外線を光信号として発する赤外線発射モジュールである。
【0021】
また、この実施形態において、光発射モジュール1は、所定の閉鎖水域200中を移動できるオブジェクト4に取り付けられており、即ち、使用者が光発射モジュール1を所定の閉鎖水域200中を移動できるオブジェクト4に取り付けるやり取りがある。オブジェクト4は、例えば
図3に示される動力を有して移動できるアヒル型おもちゃが挙げられる。
【0022】
魚型ロボット装置2は、
図1及び
図2に示されるように、第1の光受信モジュール21と、第2の光受信モジュール22と、処理器23と、駆動モジュール24と、ハウジング26とを含む。
【0023】
ハウジング26は、
図2及び
図3に示されるように、先頭端部261と、先頭端部261から外側且つ上側へ延伸し且つ光不透過性を有する板262とを有する。
【0024】
第1の光受信モジュール21は、
図2に示されるように、板262の左側に位置しながら外側へ露出するようにハウジング26の先頭端部261に設置されている。
【0025】
第2の光受信モジュール22は、
図2及び
図3に示されるように、板262の右側に位置しながら外側へ露出するようにハウジング26の先頭端部261に設置されている。
【0026】
この実施形態において、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22は、例えば赤外線を受信する赤外線受信モジュールであり、且つ、例えば
図2及び
図3に示されるように、いずれもハウジング26の頂側(即ち魚の背中側)に設置されているが、これらに限らない。
【0027】
駆動モジュール24は、ハウジング26に設置されており、且つ、ハウジング26をランダムモード、左に傾くモード、右に傾くモードまたは直行モードにより所定の閉鎖水域200中を移動させることができるように構成されている。具体的に、駆動モジュール24は、例えば推進力を生成するモーターアセンブリ(図示せず)と、ハウジング26の移動方向を制御する方向転換アセンブリ(図示せず)とを含むことができるが、これらに限らない。
【0028】
駆動モジュール24がランダムモードで作動する際、駆動モジュール24は、例えばモーターアセンブリを予定の回転速度で出力させ且つ試行錯誤(trial and error)方法でハウジング26を移動させる。
【0029】
駆動モジュール24が左に傾くモードで作動する際、駆動モジュール24は、例えばモーターアセンブリを予定の回転速度で出力させ且つ方向転換アセンブリを制御して、ハウジング26を予定の速度で且つ目下の移動方向より左に予定の角度(例えば30度~50度の範囲内)傾いた方向に移動させる。
【0030】
駆動モジュール24が右に傾くモードで作動する際、駆動モジュール24は、例えばモーターアセンブリを予定の回転速度で出力させ且つ方向転換アセンブリを制御して、ハウジング26を予定の速度で且つ目下の移動方向より右に予定の角度(例えば30度~50度の範囲内)傾いた方向に移動させる。
【0031】
駆動モジュール24が直行モードで作動する際、駆動モジュール24は、例えばモーターアセンブリを予定の回転速度で出力させ且つ方向転換アセンブリを制御して、ハウジング26を予定の速度で且つ目下の移動方向に沿ってハウジング26を移動させる。
【0032】
処理器23は、第1の光受信モジュール21と第2の光受信モジュール22と駆動モジュール24とに電気的に接続されている(
図1に示される)と共に、ハウジング26に設置されている。
【0033】
使用する際、処理器23は、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の信号受信状況に基づいて駆動モジュール24を制御するように構成されている。
【0034】
以下、処理器23が如何に第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の信号受信状況に基づいて駆動モジュール24を制御するかを説明する。
【0035】
第1の光受信モジュール21のみが光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記左に傾くモードによりハウジング26を光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0036】
この実施形態において、例えば移動できるオブジェクト4であるアヒル型おもちゃを後追いする場合、第1の光受信モジュール21のみが光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記左に傾くモードによりハウジング26を、右後から光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0037】
第2の光受信モジュール22のみが光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記右に傾くモードによりハウジング26を光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0038】
この実施形態において、例えば移動できるオブジェクト4であるアヒル型おもちゃを後追いする場合、第2の光受信モジュール22のみが光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記右に傾くモードによりハウジング26を、左後から光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0039】
第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22のいずれも光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記直行モードによりハウジング26を光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0040】
この実施形態において、例えば移動できるオブジェクト4であるアヒル型おもちゃを後追いする場合、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22のいずれも光発射モジュール1からの光信号を受信すると、処理器23は、前記直行モードによりハウジング26を、真後ろから光発射モジュール1に近づくよう移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0041】
第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22のいずれも光発射モジュール1からの光信号を受信していない場合、処理器23は、前記ランダムモードによりハウジング26をランダムに移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0042】
この実施形態において、例えば移動できるオブジェクト4であるアヒル型おもちゃを後追いする場合、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22のいずれも光発射モジュール1からの光信号を受信していないと、処理器23は、前記ランダムモードによりハウジング26を、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22のいずれかが光発射モジュール1からの光信号を受信するまでランダムに移動させるように駆動モジュール24を制御する。
【0043】
この実施形態において、処理器23は、周期的に第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の受信状況を確認する。従って、使用期間において、魚型ロボット装置2は、アヒル型おもちゃに設置されている光発射モジュール1を後追いするように移動する状況が多くて、魚がアヒルを追うようなおもむきが生じる。
【0044】
本発明の魚型ロボットシステム100の第2の実施形態は、
図4及び
図5に示されるように、第1の実施形態と類似して所定の閉鎖水域200に適用するものである。
【0045】
この実施形態において、魚型ロボットシステム100は、
図4に示されるように、光発射モジュール1と、魚型ロボット装置2と、誘発信号生成装置3とを含む。
【0046】
この実施形態において、ハウジング26の板262は、
図5に示されるように、先頭端部261から外側且つ下側へ延伸し且つ光不透過性を有する。
【0047】
この実施形態において、処理器23は、下述するように受信した誘発信号に応じて駆動モジュール24の前記制御を行う。
【0048】
この実施形態において、光発射モジュール1は、所定の閉鎖水域200内に固定されて設置されている。即ち、光発射モジュール1は、所定の閉鎖水域200内の固定位置に設置されている。該固定位置は、所定の閉鎖水域200の境界の近くにあり、例えば
図5においては所定の閉鎖水域200の手前側の左下の位置であるが、これに限らない。
【0049】
この実施形態において、魚型ロボット装置2が第1の実施形態の魚型ロボット装置2と異なる部分は、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22がハウジング26の底側(即ち魚の腹側且つそれぞれが第1の実施形態と同じく板262の左側及び右側)に設置されており、且つ、第1の通信モジュール25を更に含むことである。
【0050】
第1の通信モジュール25は、処理器23に電気的に接続されており、且つ、所定の無線通信プロトコル(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)プロトコル、高周波通信(radio frequency communication)プロトコル、LoRa(登録商標)プロトコル)をサポートして、該所定の無線通信プロトコルにより外部からの誘発信号を受信して、該誘発信号を処理器23に送信するように構成されている。
【0051】
この実施形態において、第1の通信モジュール25は、誘発信号生成装置3からの誘発信号を受信する。
【0052】
誘発信号生成装置3は、例えば入力モジュール31と、第2の通信モジュール32と、第2の通信モジュール32と入力モジュール31とに電気的に接続されている信号生成モジュール33とを含む。
【0053】
入力モジュール31は、手動の操作で誘発信号に関する入力信号を生成し、該入力信号を信号生成モジュール33に送信する。
【0054】
第2の通信モジュール32は、前記所定の無線通信プロトコルをサポートして、前記所定の無線通信プロトコルにより第1の通信モジュール25と信号的に接続されている。
【0055】
信号生成モジュール33は、入力モジュール31が生成して送信してきた入力信号に基づいて誘発信号を生成して、第2の通信モジュール32に送信するように構成されている。
【0056】
そして、第2の通信モジュール32は、前記所定の無線通信プロトコルにより、信号生成モジュール33が生成して送信してきた前記誘発信号を魚型ロボット装置2の第1の通信モジュール25に送信するように構成されている。即ち、該誘発信号は第2の通信モジュール32により第1の通信モジュール25に送信される。
【0057】
従って、この実施形態において、魚型ロボット装置2の処理器23は、信号生成モジュール33が生成した誘発信号を第1の通信モジュール25が受信して処理器23に送信することにより、誘発信号を得る。
【0058】
また、他の実施形態において、処理器23により誘発信号を生成することができる。
【0059】
また、誘発信号生成装置3は、モバイル電子装置、例えばスマートフォン、タブレットなどにより実施することができる。その際、魚型ロボットシステムを使用する時に、誘発信号生成装置3の使用者(例えばスマートフォンの使用者)が第1の通信モジュール25の受信範囲内にいて、且つ入力モジュール31を操作して入力信号を生成させた後、魚型ロボット装置2が受信した誘発信号生成装置3由来の誘発信号に応じて、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の光発射モジュール1からの光信号に対する受信状況に基づいて、光発射モジュール1に接近し始める。それにより、使用者と魚型ロボット装置2との間のやり取りを更に生み出すこと(即ち、使用者が手動操作により魚型ロボット装置2を光発射モジュール1に接近し始めさせること)ができる。
【0060】
他の実施形態において、誘発信号生成装置3は、第1の通信モジュール25の受信範囲内に固定されるように設置されている。その状況において、入力モジュール31は、使用者が操作するための入力キーまたは入力ボタン(図示せず)を含むことができる。
【0061】
上記の構成により、本発明の魚型ロボットシステム100は、光発射モジュール1が所定の閉鎖水域200内に設置される位置は限定されず、使用者が光発射モジュール1を移動できるもの(例えば動力を有して移動できるアヒル型おもちゃ)に設置してもよくまたは固定されたもの(例えば所定の閉鎖水域200内の固定位置)に設置してもよく、そして、処理器が第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の光発射モジュール1からの光信号に対する受信状況に基づいて、駆動モジュール24を制御して、魚型ロボット装置2を、移動するまたは固定された光発射モジュール1に接近させることにより、従来の測位システムを使用せずに、使用する時におもむき及び使用者とのやり取りを生み出すことができる。
【0062】
更に、使用者は、誘発信号生成装置3を操作することにより誘発信号を発して、処理器23が誘発信号を受信した後、魚型ロボット装置2が受信した誘発信号生成装置3由来の誘発信号に応じて、第1の光受信モジュール21及び第2の光受信モジュール22の光発射モジュール1からの光信号に対する受信状況に基づいて、光発射モジュール1に接近し始めることができるので、魚型ロボットシステムを使用する時に使用者とのやり取りが更に増える。
【0063】
従って、本発明の魚型ロボットシステムは、本発明の目的を確実に達成できる。
【0064】
本発明は、例示的な実施形態と考えられるものに関連して説明されてきたが、本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、そのような修正及び同等の配置をすべて包含するように最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な配置を対象とすることが意図されていることが理解される。
【0065】
上記実施形態は例示的に本発明の原理及び効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。本技術を熟知する当業者であれば本発明の精神及び範囲から離れないという前提の下、上記の実施形態に対して若干の変更や修飾が可能である。従って、当業者が本発明の主旨から離れないという前提の下、行った全ての変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、魚型ロボットシステムの提供に適する。
【符号の説明】
【0067】
100 魚型ロボットシステム
200 所定の閉鎖水域
1 光発射モジュール
2 魚型ロボット装置
21 第1の光受信モジュール
22 第2の光受信モジュール
23 処理器
24 駆動モジュール
25 第1の通信モジュール
26 ハウジング
261 先頭端部
262 板
3 誘発信号生成装置
31 入力モジュール
32 第2の通信モジュール
33 信号生成モジュール
4 オブジェクト
【手続補正書】
【提出日】2024-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の閉鎖水域の中に任意の水平面を規定し、その水平面における任意の1つの位置からその水平面における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である前記所定の閉鎖水域に使用する魚型ロボットシステムであって、
前記所定の閉鎖水域に設置されており、且つ、連続的に光信号を発するように構成されている光発射モジュールと、
前記所定の閉鎖水域中を移動することができるように配置されている魚型ロボット装置と、を含み、
前記魚型ロボット装置は、先頭端部と、前記先頭端部から外側へ延伸し且つ光不透過性を有する板とを有するハウジングと、
前記板の左側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第1の光受信モジュールと、
前記板の右側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第2の光受信モジュールと、
前記ハウジングに設置されており、且つ、前記ハウジングをランダムモード、左に傾くモード、右に傾くモードまたは直行モードにより前記所定の閉鎖水域中を移動させることができるように構成されている駆動モジュールと、
前記第1の光受信モジュールと、前記第2の光受信モジュールと、前記駆動モジュールとに電気的に接続されていると共に前記ハウジングに設置されている処理器と、を含み、
また、前記処理器は、
前記第1の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記左に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第2の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記右に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信すると、前記直行モードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、且つ、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信していないと、前記ランダムモードにより前記ハウジングをランダムに移動させるように前記駆動モジュールを制御する、ように構成されている、ことを特徴とする魚型ロボットシステム。
【請求項2】
前記光発射モジュールは、赤外線を光信号として発する赤外線発射モジュールである、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項3】
前記光発射モジュールは、前記所定の閉鎖水域中を移動できるオブジェクトに取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項4】
前記光発射モジュールは、前記所定の閉鎖水域内の固定位置に設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項5】
前記固定位置は、前記所定の閉鎖水域の境界の近くにある、ことを特徴とする請求項4に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項6】
前記処理器は、受信した誘発信号に応じて前記駆動モジュールの前記制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項7】
前記処理器に電気的に接続されており、且つ、所定の無線通信プロトコルにより外部からの前記誘発信号を受信して、該誘発信号を前記処理器に送信するように構成されている第1の通信モジュールを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項8】
前記所定の無線通信プロトコルにより前記第1の通信モジュールと信号的に接続されている第2の通信モジュールと、
手動の操作で入力信号を生成する入力モジュールと、
前記第2の通信モジュールと前記入力モジュールとに電気的に接続されており、且つ、前記入力モジュールが生成する入力信号に基づいて前記誘発信号を生成して、前記第2の通信モジュールに送信するように構成されている信号生成モジュールと、を有する誘発信号生成装置を更に含み、
前記第2の通信モジュールは、前記所定の無線通信プロトコルにより、前記信号生成モジュールが生成する前記誘発信号を前記第1の通信モジュールに送信するように構成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項9】
前記誘発信号生成装置は、前記第1の通信モジュールの受信範囲内に固定されるように設置されている、ことを特徴とする請求項8に記載の魚型ロボットシステム。
【請求項10】
前記誘発信号生成装置は、モバイル電子装置である、ことを特徴とする請求項8に記載の魚型ロボットシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、所定の閉鎖水域の中に任意の水平面を規定し、その水平面における任意の1つの位置からその水平面における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である前記所定の閉鎖水域に使用する魚型ロボットシステムであって、
前記所定の閉鎖水域に設置されており、且つ、連続的に光信号を発するように構成されている光発射モジュールと、
前記所定の閉鎖水域中を移動することができるように配置されている魚型ロボット装置と、を含み、
前記魚型ロボット装置は、先頭端部と、前記先頭端部から外側へ延伸し且つ光不透過性を有する板とを有するハウジングと、
前記板の左側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第1の光受信モジュールと、
前記板の右側に位置しながら外側へ露出するように前記ハウジングの前記先頭端部に設置されている第2の光受信モジュールと、
前記ハウジングに設置されており、且つ、前記ハウジングをランダムモード、左に傾くモード、右に傾くモードまたは直行モードにより前記所定の閉鎖水域中を移動させることができるように構成されている駆動モジュールと、
前記第1の光受信モジュールと、前記第2の光受信モジュールと、前記駆動モジュールとに電気的に接続されていると共に前記ハウジングに設置されている処理器と、を含み、
また、前記処理器は、
前記第1の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記左に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第2の光受信モジュールのみが前記光信号を受信すると、前記右に傾くモードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信すると、前記直行モードにより前記ハウジングを前記光発射モジュールに近づくよう移動させるように前記駆動モジュールを制御し、且つ、
前記第1の光受信モジュール及び前記第2の光受信モジュールのいずれも前記光信号を受信していないと、前記ランダムモードにより前記ハウジングをランダムに移動させるように前記駆動モジュールを制御する、ように構成されている、ことを特徴とする魚型ロボットシステムを提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の魚型ロボットシステム100の第1の実施形態は、
図1及び
図3に示されるように、
所定の閉鎖水域200の中に任意の水平面を規定し、その水平面
における任意の1つの位置から
その水平面における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内である所定の閉鎖水域200に使用するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
この実施形態において、所定の閉鎖水域200は、所定の容器で画成され、所定の閉鎖水域200の中に任意の水平面を規定し、その水平面における任意の1つの位置からその水平面における他の任意の1つの位置までの最大距離が12メートル以内であり、且つ、魚型ロボット装置2が該容器の外部へ移動できない水域であり、例えば池、水槽、魚飼育用容器、家庭用アクアリウムなどにより画成するものである。