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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015395
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】海底横方向探査導入装置及び導入方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
E02D1/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024015417
(22)【出願日】2024-02-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-19
(31)【優先権主張番号】202310877087.X
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515223167
【氏名又は名称】中国海洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寇海磊
(72)【発明者】
【氏名】李華軍
(72)【発明者】
【氏名】王永康
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA01
2D043AB01
2D043AB04
2D043AC01
2D043BA01
2D043BC01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】海底土層パラメータに対して横方向探査しやすいように、海底横方向探査導入装置及び導入方法を提供する。
【解決手段】海底横方向探査導入装置は、支持アセンブリと、導入アセンブリと、探査機構とを備え、支持アセンブリはロープ及び支持ホルダを備え、支持ホルダはロープに接続され、導入アセンブリは支持ホルダに設けられ、導入アセンブリは導入筒及び駆動板を備え、導入筒の内部に導入通路が形成され、導入通路の一端に投入口が設けられ、導入通路の他端に駆動板が設けられ、探査機構は導入筒内に設けられ、駆動板は、導入通路に沿って移動して探査機構を投入口より導入筒から離脱するように押動することができる。海底堆積物中で、駆動板は、導入通路に沿って移動して探査機構を投入口より導入筒から離脱するように押動し、探査機構は海底堆積物中を移動して横方向探査を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロープ及び前記ロープに接続される支持ホルダ(11)を備える支持アセンブリと、
前記支持ホルダ(11)に設けられ、内部に水平方向に沿って延伸する導入通路が形成される導入筒(21)及び駆動板(22)を備え、前記導入通路は一端に投入口が設けられて他端に前記駆動板(22)が設けられる導入アセンブリ(20)と、
前記導入筒(21)内に設けられ、前記投入口より前記導入筒(21)から離脱するように前記駆動板(22)が前記導入通路に沿って移動して押動可能である探査機構(30)と、を備え、
前記探査機構(30)は、
第1軸線方向に沿って前から後へ順次接続されて間に第1軸線方向に沿って伸縮可能な伸縮アセンブリ(312)が設けられる2つの支持管(311)を備え、前端が前記投入口に向かう本体部(31)と、
前記本体部(31)の前端に設けられ且つ前記支持管(311)に接続されるサウンディングアセンブリ(32)と、
各前記支持管(311)に1セットが設けられ、前記支持管(311)にスライド接続され、前記支持管(311)の径方向に沿って突き出たり引っ込んだりすることが可能な少なくとも2つのアンカーロッド(331)を備えるアンカーアセンブリ(33)と、を備える、
ことを特徴とする海底横方向探査導入装置。
【請求項2】
前記投入口には、前記投入口を開放又は閉鎖するように直線に沿って移動可能な邪魔板(23)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項3】
前記導入通路の断面は円形をなし、前記邪魔板(23)は、前記導入通路の径方向に沿って移動可能である、
ことを特徴とする請求項2に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項4】
前記導入筒(21)が設けられる支持板(41)、及び前記支持板(41)に接続され、自身の軸線回りに回動して前記導入筒(21)の投入角度を調節可能な回転軸(42)を備える調節アセンブリ(40)を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項5】
前記支持板(41)には、前記導入筒(21)の長さ方向に沿って間隔をあけて並べられ、前記導入筒(21)に接続され、伸縮により前記導入筒(21)と水平面との間の挟角を調節可能な複数の伸縮ロッド(43)が設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項6】
前記支持ホルダ(11)に設けられ、前記支持ホルダ(11)に対して突き出たり引っ込んだりすることが可能ないくつかのストッパロッドを備えるストッパアセンブリを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項7】
前記アンカーアセンブリ(33)は、前記支持管(311)に設けられ且つ前記アンカーロッド(331)に接続され、前記アンカーロッド(331)を移動するように駆動可能な第1駆動アセンブリを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項8】
前記第1駆動アセンブリは、第1モータ(3321)と、前記第1モータ(3321)
の出力軸に接続される第1親ねじ(3322)と、前記支持管(311)にスライド接続され且つ前記第1親ねじ(3322)に螺合接続され、外周面が、前記アンカーロッド(331)の一端がスライドして設けられるガイド溝が設けられるテーパ面を備える第1ガイドブロック(3323)とを備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の海底横方向探査導入装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の海底横方向探査導入装置を採用し、
探査機構(30)を導入筒(21)内に置き、ロープと支持ホルダ(11)とを接続し、ロープと支持ホルダ(11)との間に複数の接続点があるため、支持ホルダ(11)がバランスをとっているS1と、
ロープにより支持ホルダ(11)を降ろし、支持ホルダ(11)を海水に入れて海底堆積物に接触させ、重力の作用で、少なくとも一部の支持ホルダ(11)が海底堆積物中に沈み込み、導入筒(21)を海底堆積物中に沈み込むように動かすS2と、
駆動板(22)が導入通路に沿って移動して探査機構(30)を投入口より導入筒(21)から離脱するように押動し、探査機構(30)が海底堆積物中を移動して横方向探査を行うS3と、を含む、
ことを特徴とする海底横方向探査導入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海洋地質探査の技術分野に関し、特に、海底横方向探査導入装置及び導入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋工事の発展に伴い、海底堆積物の力学的性質に対するテストのニーズは日増しに顕著になっている。現在、静的サウンディングを用いて海底土層を踏査することが多く、静的サウンディングとは、圧力装置でサウンディングプローブを持つサウンディングロッドを土層に圧入し、土層の貫入抵抗、間隙水圧等のパラメータを測定することにより、土層の何らかの基本的な物理力学特性、例えば土の変形係数、土の許容地耐力等を決定することである。
【0003】
既存の海底静的サウンディング装置は、縦方向に沿って海底土層の強度を踏査することができる。海底静的サウンディング装置は、海底に貫入させる過程においても、縦方向に沿って貫入させている。一方、海底採鉱は、海底のある1つの浅層の土体の水平方向の一定範囲内を踏査測量する必要があり、既存の縦方向サウンディング装置は横方向に沿って探査することができず、横方向に沿って貫入することも実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、海底土層パラメータに対して横方向探査しやすいように、海底で横方向導入を実現可能な海底横方向探査導入装置及び導入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の構想のように、本発明で採用される技術案は、
ロープ及び前記ロープに接続される支持ホルダを備える支持アセンブリと、前記支持ホルダに設けられ、内部に水平方向に沿って延伸する導入通路が形成される導入筒及び駆動板を備え、前記導入通路は一端に投入口が設けられて他端に前記駆動板が設けられる導入アセンブリと、前記導入筒内に設けられ、前記投入口より前記導入筒から離脱するように前記駆動板が前記導入通路に沿って移動して押動可能である探査機構と、を備える海底横方向探査導入装置である。
【0006】
そのうち、前記投入口には、前記投入口を開放又は閉鎖するように直線に沿って移動可能な邪魔板が設けられる。
【0007】
そのうち、前記導入通路の断面は円形をなし、前記邪魔板は、前記導入通路の径方向に沿って移動可能である。
【0008】
そのうち、前記導入筒が設けられる支持板、及び前記支持板に接続され、自身の軸線回りに回動して前記導入筒の投入角度を調節可能な回転軸を備える調節アセンブリを更に備える。
【0009】
そのうち、前記支持板には、前記導入筒の長さ方向に沿って間隔をあけて並べられ、前記導入筒に接続され、伸縮により前記導入筒と水平面との間の挟角を調節可能な複数の伸縮ロッドが設けられる。
【0010】
そのうち、前記支持ホルダに設けられ、前記支持ホルダに対して突き出たり引っ込んだ
りすることが可能ないくつかのストッパロッドを備えるストッパアセンブリを更に備える。
【0011】
そのうち、前記探査機構は、第1軸線方向に沿って前から後へ順次接続されて間に第1軸線方向に沿って伸縮可能な伸縮アセンブリが設けられる2つの支持管を備え、前端が前記投入口に向かう本体部と、前記本体部の前端に設けられ且つ前記支持管に接続されるサウンディングアセンブリと、各前記支持管に1セットが設けられ、前記支持管にスライド接続され、前記支持管の径方向に沿って突き出たり引っ込んだりすることが可能な少なくとも2つのアンカーロッドを備えるアンカーアセンブリと、を備える。
【0012】
そのうち、前記アンカーアセンブリは、前記支持管に設けられ且つ前記アンカーロッドに接続され、前記アンカーロッドを移動するように駆動可能な第1駆動アセンブリを更に備える。
【0013】
そのうち、前記第1駆動アセンブリは、第1モータと、前記第1モータの出力軸に接続される第1親ねじと、前記支持管にスライド接続され且つ前記第1親ねじに螺合接続され、外周面が、前記アンカーロッドの一端がスライドして設けられるガイド溝が設けられるテーパ面を備える第1ガイドブロックとを備える。
【0014】
上記のような海底横方向探査導入装置を採用し、探査機構を導入筒内に置き、ロープと支持ホルダとを接続し、ロープと支持ホルダとの間に複数の接続点があるため、支持ホルダがバランスをとっているS1と、ロープにより支持ホルダを降ろし、支持ホルダを海水に入れて海底堆積物に接触させ、重力の作用で、少なくとも一部の支持ホルダが海底堆積物中に沈み込み、導入筒を海底堆積物中に沈み込むように動かすS2と、駆動板が導入通路に沿って移動して探査機構を投入口より導入筒から離脱するように押動し、探査機構が海底堆積物中を移動して横方向探査を行うS3と、を含む、海底横方向探査導入方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。本発明に係る海底横方向探査導入装置は、探査機構が導入筒内に置かれ、導入筒が探査機構に対して保護作用を果たし、ロープが支持ホルダを降ろすにつれ、導入筒が支持ホルダに伴って降ろされ、導入筒が海底堆積物に入った後、駆動板が、導入通路に沿って移動して探査機構を投入口より導入筒から離脱するように押動し、導入通路が水平方向に沿って延伸するため、探査機構が横方向に沿って海底堆積物中に導入され、探査機構が海底堆積物中を移動して横方向探査を行う。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る海底横方向探査導入装置の模式図である。
図2】本発明の実施例に係る海底横方向探査導入装置の一部の構造の模式図である。
図3】本発明の実施例に係る海底横方向探査導入装置の平面図である。
図4】本発明の実施例に係る探査機構の断面図である。
図5】本発明の実施例に係る探査機構の側面図である。
図6】本発明の実施例に係る探査機構の一部の構造の模式図1である。
図7】本発明の実施例に係る探査機構の一部の構造の模式図2である。
図8】本発明の実施例に係る探査機構の一部の構造の模式図3である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を詳しく説明し、実施例における例は図面に示されており、そのうち、全明細書において同じ又は類似の符号は、同じ又は類似の部品、若しくは同じ又は
類似の機能を有する部品を示す。以下の、図面を参照することで説明される実施例は、例示的なものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を制限するものと理解することはできない。
【0018】
本発明の説明において、別途明確に規定及び限定されない限り、用語「繋がる」、「接続」、「固定」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、もしくは一体になってもよく、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよく、直接繋がってもよいし、中間媒体を介して間接的に繋がってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、上記用語の本発明における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解できる。
【0019】
本発明において、別途明確に規定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴とが直接接触せずそれらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも高いことを示す。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含み、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴よりも小さいことを示す。
【0020】
以下、図面を参照しながら具体的な実施形態により本発明の技術案を更に説明する。
【0021】
図1図3を参照し、本発明の実施例は、探査機構30を横方向に海底堆積物中に導入可能な海底横方向探査導入装置を提供する。海底横方向探査導入装置は、支持アセンブリと、導入アセンブリ20と、探査機構30とを備え、支持アセンブリはロープ及び支持ホルダ11を備え、支持ホルダ11はロープに接続され、導入アセンブリ20は支持ホルダ11に設けられ、導入アセンブリ20は導入筒21及び駆動板22を備え、導入筒21の内部に導入通路が形成され、導入通路は水平方向に沿って延伸し、導入通路の一端に投入口が設けられ、導入通路の他端に駆動板22が設けられ、探査機構30は導入筒21内に設けられ、駆動板22は、導入通路に沿って移動して探査機構30を投入口より導入筒21から離脱するように押動することができる。
【0022】
探査機構30は導入筒21内に置かれ、導入筒21は探査機構30に対して保護作用を果たし、ロープが支持ホルダ11を降ろすにつれ、導入筒21は支持ホルダ11に伴って降ろされ、導入筒21が海底堆積物に入った後、駆動板22は、導入通路に沿って移動して探査機構30を投入口より導入筒21から離脱するように押動し、導入通路が水平方向に延伸するため、探査機構30は、横方向に沿って海底堆積物中に導入され、探査機構30は海底堆積物中を移動して横方向探査を行う。
【0023】
探査機構30を置きやすくするために、導入筒21を別体の機構として構成してもよい。具体的には、導入筒21は、上下に係合された第1筒体及び第2筒体を備え、探査機構30を導入筒21に置く必要がある場合、第1筒体と第2筒体を取り外し、第1筒体を開き、探査機構30を第2筒体に置いてから第1筒体を取り付ける。第1筒体と第2筒体との間はボルトで接続可能である。
【0024】
そのうち、駆動板22は液圧シリンダによって駆動することができ、液圧シリンダのピストンロッドは駆動板22に接続され、駆動板22を直線に沿って移動するように動かす。
【0025】
支持ホルダ11は、降ろされている過程において、できるだけバランスをとり、ロープと支持ホルダ11との間に複数の接続点があるため、支持ホルダ11がバランスをとっている。
【0026】
本実施例において、支持ホルダ11は海水に入って海底堆積物に接触し、重力の作用で、少なくとも一部の支持ホルダ11は海底堆積物中に沈み込み、導入筒21を海底堆積物中に沈み込むように動かす。導入筒21は、海底堆積物中に沈み込みやすいように、支持ホルダ11の底部位置に設けられてもよい。支持ホルダ11が海底堆積物に接触した後、海底堆積物は、支持ホルダ11に対して一定の支持作用を果たし、支持ホルダ11を穏やかに下降させる。
【0027】
他の実施例において、支持ホルダ11に降ろしアセンブリを設けることができ、降ろしアセンブリは導入筒21に接続され、導入筒21を鉛直に沿って下へ移動するように動かすことができる。具体的には、降ろしアセンブリは液圧シリンダであってもよく、液圧シリンダのピストンロッドは導入筒21を移動するように動かすことができる。支持ホルダ11が重力の作用で移動を停止した後、探査機構30の探査位置に達しなければ、降ろしアセンブリにより、探査位置に達するまで、導入筒21を鉛直に下へ移動するように駆動することができる。
【0028】
支持ホルダ11にカウンタウェイトを設けるのは、一方、支持ホルダ11がバランスをとりやすくなり、他方、支持ホルダ11の重力を増大し、支持ホルダ11が堆積物中で沈み込みやすくなる。支持ホルダ11が重力の作用で移動を停止した後、探査機構30の探査位置に達しなければ、ロープにより支持ホルダ11を回収し、支持ホルダ11にカウンタウェイトを追加又は減少してから支持ホルダ11を再び降ろし、導入筒21が探査位置に達するまで降ろし又は回収を繰り返すことができる。具体的には、導入筒21に圧力センサを設け、圧力センサからフィードバックされた信号により導入筒21の位置を判断することができる。
【0029】
投入口には、投入口を開放又は閉鎖するように直線に沿って移動可能な邪魔板23が設けられる。降ろされている過程において、邪魔板23が閉まり、探査機構30に対してストッパ作用を果たし、探査機構30が導入筒21から脱出することを防止し、探査機構30を海底堆積物に導入する必要がある場合、邪魔板23が開き、探査機構30の移動に干渉することを回避する。
【0030】
本実施例において、導入通路の断面は円形をなし、邪魔板23は、導入通路の径方向に沿って移動可能である。邪魔板23の移動は液圧シリンダによって駆動することができ、液圧シリンダのシリンダブロックは導入筒21に接続され、液圧シリンダのピストンロッドは、邪魔板23に接続され、邪魔板23を移動するように動かす。
【0031】
本実施例に係る探査機構30は、横方向探査を行うことに用いられ、基本的に水平面内で探査を行っている。しかし、探査機構30は、より多くのデータを取得するように、一定範囲内において多方位で探査を行い、即ち、支持ホルダ11を中心とする円形の範囲内において多方位の探査を行う必要がある。
【0032】
海底横方向探査導入装置は調節アセンブリ40を更に備え、調節アセンブリ40は支持板41及び回転軸42を備え、導入筒21は支持板41に設けられ、回転軸42は支持板41に接続され、回転軸42は、自身の軸線回りに回動して導入筒21の投入角度を調節することができる。回転軸42により支持板41を回動するように動かすと、導入筒21を回動するように動かすことができ、導入筒21が異なる位置に回動して投入口を異なる方位に向けることにより、多角度で探査機構30を投入しやすく、探査ニーズを満たす。
そのうち、回転軸42はモータによって駆動することができ、モータは、減速機構を介して回転軸42に接続され、減速機構は歯車機構であってもよく、ここでは繰り返し説明しない。
【0033】
導入筒21が回動している時、邪魔板23及び駆動板22もそれに伴って回動しているため、駆動板22に接続された液圧シリンダも支持板41に設けられる。
【0034】
支持板41には、複数の伸縮ロッド43が設けられ、複数の伸縮ロッド43は導入筒21の長さ方向に沿って間隔をあけて並べられ、伸縮ロッド43は導入筒21に接続され、伸縮ロッド43の伸縮により導入筒21と水平面との間の挟角を調節することができる。具体的には、伸縮ロッド43が2つ設けられている場合、2つの伸縮ロッド43の伸縮長さを異なるように制御することにより、導入筒21と水平面との間の挟角の変更を実現する。伸縮ロッド43が4つ設けられている場合、4つの伸縮ロッド43は導入筒21の下方で矩形の4つの角に並べられ、4つの伸縮ロッド43は導入筒21にヒンジ接続可能であり、伸縮ロッド43は支持作用を果たし、導入筒21の安定性を保証することができ、前端に位置する2つの伸縮ロッド43は同期して伸縮し、後端に位置する2つの伸縮ロッド43は同期して伸縮し、導入筒21と水平面との間の挟角の変更を実現する。そのうち、伸縮ロッド43は液圧シリンダのピストンロッドであってもよい。
【0035】
支持ホルダ11が重力の作用で海底堆積物中に停止した場合、支持ホルダ11の安定性を保証するために、ストッパアセンブリを設けることができ、ストッパアセンブリは支持ホルダ11に設けられ、ストッパアセンブリはいくつかのストッパロッドを備え、いくつかのストッパロッドは支持ホルダ11に対して突き出たり引っ込んだりすることができる。支持ホルダ11が重力の作用で海底堆積物中に停止した場合、ストッパロッドは支持ホルダ11に対して突き出て、堆積物との接触面積を増大し、アンカー作用を果たし、支持ホルダ11をより安定させる。支持ホルダ11を回収する前に、回収しやすくするように、ストッパロッドを引っ込める。具体的には、ストッパロッドを支持ホルダ11の底部に設けることができ、且つ、ストッパロッドは下に突き出ることができ、下に向かうほど、堆積物の硬度が高くなるため、安定性を更に保証することができる。そのうち、ストッパロッドは液圧シリンダの駆動によって直線に沿って移動することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0036】
探査機構30については、具体的に、図4図8を参照し、探査機構30は、本体部31と、サウンディングアセンブリ32と、アンカーアセンブリ33とを備え、本体部31は、第1軸線方向に沿って前から後へ順次接続された2つの支持管311を備え、2つの支持管311の間に伸縮アセンブリ312が設けられ、伸縮アセンブリ312は、第1軸線方向に沿って伸縮することができ、本体部31の前端は導入筒21の投入口に向き、サウンディングアセンブリ32は本体部31の前端に設けられ且つ支持管311に接続され、各支持管311に1セットのアンカーアセンブリ33が設けられ、アンカーアセンブリ33は少なくとも2つのアンカーロッド331を備え、アンカーロッド331は支持管311にスライド接続され、アンカーロッド331は支持管311の径方向に沿って突き出たり引っ込んだりすることができる。
【0037】
探査機構30が海底堆積物に導入されている時、探査機構30は横方向に置かれ、即ち、第1軸線は水平方向に延伸し、アンカーロッド331は支持管311の径方向に沿って突き出た後、アンカー作用を果たすことができ、対応する支持管311はアンカー状態にあり、アンカーロッド331が支持管311の径方向に沿って引っ込んだ後、対応する支持管311は解放状態にあり、2つの支持管311は、アンカー状態と解放状態とに切り替え可能であり、アンカー状態にある支持管311は支持作用を果たし、解放状態にある支持管311は、伸縮アセンブリ312の動きで運動することができ、支持管311のア
ンカー状態と解放状態とへの切り替えと、伸縮アセンブリ312の伸長又は短縮との連携に伴い、探査機構30が海底で横方向に前進することを実現し、これにより、サウンディングアセンブリ32は横方向探査を実現する。
【0038】
探査機構30は海底で横方向探査を行うことができ、一方、海底堆積物が本体部31に対して支持作用を果たし、他方、本体部31にカウンタウェイトを設けることができ、これにより、探査機構30は、一端が重くて他端が軽いことにより傾斜してしまうことがなく、横方向に置かれるように保持可能である。探査機構30は、降ろされて海底に入る前に、地上で既に複数回のテストが行われており、且つ、海底での横方向移動の安定性を保証するために、テストが海底をシミュレーションした環境で行われることを理解できる。
【0039】
探査機構30が海底で横方向に移動可能であるのは、具体的に、1つの支持管311におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が突き出ることにより、対応する支持管311がアンカー状態となり、もう1つの支持管311におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が引っ込むことにより、対応する支持管311が解放状態となり、伸縮アセンブリ312の短縮又は伸長により、解放状態にある支持管311が前へ設定距離だけ移動し、解放状態にある支持管311がアンカー状態に切り替えられ、アンカー状態にある支持管311が解放状態に切り替えられ、伸縮アセンブリ312の短縮又は伸長により、解放状態にある支持管311が前へ設定距離だけ移動し、上記過程を繰り返し、サウンディングアセンブリ32を前へ移動するように動かすからである。
【0040】
サウンディングアセンブリ32と既存の縦方向サウンディング装置とは、サウンディング原理が同じであり、構造もほぼ類似する。サウンディングアセンブリ32は、探査ロッド321及びプローブ322を備え、プローブ322は錐先状をなし、探査ロッド321の内部に、必要なセンサ、例えば圧力センサ、速度センサ等が携帯され、移動過程において、土層の貫入抵抗、間隙水圧等のパラメータを測定することにより、土層の何らかの基本的な物理力学特性を決定する。
【0041】
アンカーアセンブリ33は第1駆動アセンブリを更に備え、第1駆動アセンブリは支持管311に設けられ且つアンカーロッド331に接続され、第1駆動アセンブリは、アンカーロッド331を移動するように駆動することができる。
【0042】
本実施例において、第1駆動アセンブリは、第1モータ3321、第1親ねじ3322及び第1ガイドブロック3323を備え、第1モータ3321の出力軸は第1親ねじ3322に接続され、第1ガイドブロック3323は支持管311にスライド接続され且つ第1親ねじ3322に螺合接続され、第1ガイドブロック3323の外周面はテーパ面を備え、テーパ面にガイド溝が設けられ、アンカーロッド331の一端はガイド溝内にスライドして設けられる。第1モータ3321が第1親ねじ3322を回動するように動かすことで、第1ガイドブロック3323を第1親ねじ3322に沿って直線的に移動させ、ガイド溝がテーパ面に設けられるため、第1ガイドブロック3323の移動過程においてアンカーロッド331が押動されて移動する。具体的には、アンカーロッド331の移動方向は第1ガイドブロック3323の径方向に沿い、テーパ面は小径端及び大径端を有し、アンカーロッド331はテーパ面の小径端に位置する場合、第1ガイドブロック3323に伴って移動し、アンカーロッド331がテーパ面の大径端に移動すると、大径端は直径がより大きいため、アンカーロッド331を外側に押し出し、アンカーロッド331が突き出ることを実現し、反対方向に移動すると、アンカーロッド331が引っ込むことを実現する。
【0043】
そのうち、ガイド溝の断面形状はT形であってもよく、アンカーロッド331に対してストッパ作用を果たし、且つ、スムーズにアンカーロッド331を引っ込むように動かす
ことができる。
【0044】
第1ガイドブロック3323と支持管311とのスライド接続は、主に第1ガイドブロック3323に対してストッパ作用を果たし、第1ガイドブロック3323の回動を防止する。具体的には、支持管311内に第1ガイドロッド3324が設けられ、第1ガイドブロック3323と第1ガイドロッド3324とはスライド接続される。
【0045】
他の実施例において、第1駆動アセンブリは第1液圧シリンダを備えてもよく、第1液圧シリンダは第1シリンダブロック及び第1ピストンロッドを備え、第1シリンダブロックは支持管311内に設けられ、第1ピストンロッドはアンカーロッド331に接続される。第1ピストンロッドの伸縮によりアンカーロッド331を移動するように動かす。支持管311には、アンカーロッド331が貫通して設けられるための貫通孔が設けられることを理解できる。
【0046】
アンカーロッド331は、一端が支持管311内に位置し、他端に支持ブロック333が設けられる。支持ブロック333を設けることにより、海底堆積物との接触面積を増大し、アンカーを安定させることができる。支持ブロック333の形状は実際のニーズに応じて設定することができ、ここでは限定しない。
【0047】
支持管311の外壁には収容溝3111が開設され、アンカーロッド331が引っ込み位置に移動すると、支持ブロック333は収容溝3111内に位置する。収容溝3111は支持ブロック333に空間を提供し、これにより、支持ブロック333は引っ込み位置にある時、支持管311の表面から突出せず、支持管311が前へ移動している過程において、支持ブロック333が抵抗を生じさせない。
【0048】
本実施例において、各セットのアンカーアセンブリ33は、3つのアンカーロッド331を備え、3つのアンカーロッド331は支持管311の周方向回りに均一に間隔をあけて設けられる。
【0049】
伸縮アセンブリ312は伸縮管3121及び第2駆動アセンブリを備え、伸縮管3121は、隣り合う2つの支持管311の間に設けられ、第2駆動アセンブリは伸縮管3121内に設けられ、第2駆動アセンブリは、2つの支持管311を互いに近づくか又は遠ざかるように駆動することができる。2つの支持管311が互いに近づいている時、伸縮管3121は圧縮され、2つの支持管311が互いに遠ざかっている時、伸縮管3121は伸長する。
【0050】
本実施例において、伸縮管3121はコルゲート管であり、コルゲート管の端部と支持管311との間はボルトでロックされる。
【0051】
本実施例において、第2駆動アセンブリは、第2モータ3122、第2親ねじ3123及び第2ガイドブロック3124を備え、第2モータ3122は、1つの支持管311に設けられ、且つ、第2モータ3122の出力軸は第2親ねじ3123に接続され、第2ガイドブロック3124は、もう1つの支持管311に設けられ、且つ第2モータ3122が所在する支持管311にスライド接続され、第2ガイドブロック3124は第2親ねじ3123に螺合接続される。第2モータ3122が第2親ねじ3123を回動するように動かすことで、第2ガイドブロック3124を第2親ねじ3123に沿って直線的に移動させて、第2ガイドブロック3124が所在する支持管311を移動するように動かす。具体的には、第2ガイドブロック3124が第2モータ3122に近づく方向に移動している時、2つの支持管311は互いに近づき、第2ガイドブロック3124が第2モータ3122から遠ざかる方向に移動している時、2つの支持管311は互いに遠ざかる。
【0052】
第2ガイドブロック3124と支持管311とのスライド接続は、主に第2ガイドブロック3124に対してストッパ作用を果たし、第2ガイドブロック3124の回動を防止する。具体的には、支持管311内に第2ガイドロッド3125が設けられ、第2ガイドブロック3124と第2ガイドロッド3125とはスライド接続される。
【0053】
他の実施例において、第2駆動アセンブリは第2液圧シリンダを備えてもよく、第2液圧シリンダは第2シリンダブロック及び第2ピストンロッドを備え、2つの支持管311のうち、1つの支持管311に第2シリンダブロックが設けられ、もう1つの支持管311が第2ピストンロッドに接続される。第2ピストンロッドの伸縮により、隣り合う2つの支持管311を互いに近づくか又は遠ざかるように動かす。
【0054】
本実施例において、2つの支持管311は、それぞれ前支持管及び後支持管であり、サウンディングアセンブリ32は前支持管の前端に設けられる。前へ移動する必要がある場合、前支持管におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が突き出て、前支持管をアンカー状態にし、後支持管におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が引っ込み、後支持管を解放状態にし、伸縮アセンブリ312が短縮し、後支持管を前へ設定距離だけ移動させ、後支持管におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が突き出て、後支持管がアンカー状態に切り替えられ、前支持管におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が引っ込み、前支持管が解放状態に切り替えられ、伸縮アセンブリ312が伸長し、前支持管を前へ設定距離だけ移動させ、上記過程を繰り返す。
【0055】
上記探査機構30が海底で横方向探査を行う時は、1つの支持管311におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が突き出て、対応する支持管311をアンカー状態にし、もう1つの支持管311におけるアンカーアセンブリ33のアンカーロッド331が引っ込み、対応する支持管311を解放状態にするS10と、伸縮アセンブリ312が短縮又は伸長し、解放状態にある支持管311を前へ設定距離だけ移動させるS20と、解放状態にある支持管311をアンカー状態に切り替え、アンカー状態にある支持管311を解放状態に切り替えるS30と、伸縮アセンブリ312が短縮又は伸長し、解放状態にある支持管311を前へ設定距離だけ移動させるS40と、ステップS30及びS40を繰り返し、サウンディングアセンブリ32を前へ移動するように動かすS50とを含む。
【0056】
支持管311のアンカー状態と解放状態との切り替えと、伸縮アセンブリ312の伸長又は短縮との連携に伴い、探査機構30が海底で横方向に前進することを実現し、これにより、サウンディングアセンブリ32は横方向探査を実現する。
【0057】
上記モータ、センサ等には電気を使用する必要がある。支持ホルダ11にはドラムが設けられ、探査機構30にはケーブルが接続され、ケーブルはドラムに巻かれて設けられることが可能であり、駆動板22にはケーブルが貫通して設けられるケーブル通し孔が開設される。探査機構30が前へ移動する過程において、ドラムは正転し、ケーブルを解放し、探査機構30を回収する過程において、ドラムは逆転し、ケーブルにより探査機構30を支持ホルダ11の位置に引き戻す。
【0058】
探査機構30を導入筒21に引き込みやすくするために、投入口の下側にガイド部を設けてもよく、ガイド部は、探査機構30が徐々に導入通路に入ることを容易にするベルマウスを備える。
【0059】
本実施例は、上記海底横方向探査導入装置を採用し、探査機構30を導入筒21内に置
き、ロープと支持ホルダ11とを接続し、ロープと支持ホルダ11との間に複数の接続点があるため、支持ホルダ11がバランスをとっているS1と、ロープにより支持ホルダ11を降ろし、支持ホルダ11を海水に入れて海底堆積物に接触させ、重力の作用で、少なくとも一部の支持ホルダ11が海底堆積物中に沈み込み、導入筒21を海底堆積物中に沈み込むように動かすS2と、駆動板22が導入通路に沿って移動して探査機構30を投入口より導入筒21から離脱するように押動し、探査機構30が海底堆積物中を移動して横方向探査を行うS3とを含む海底横方向探査導入方法を更に提供する。
【0060】
支持ホルダ11には、各液圧シリンダに動力を提供する液圧動力ステーションが設けられてもよい。水面上には給電設備が設けられてもよく、ケーブルを介して水中に給電する。海上石油探査及び海上採鉱の分野で、水中に給電するか又は水中に液圧管路を設けることは、いずれも従来技術であり、ここでは原理を繰り返し説明しない。
【0061】
以上の実施形態は、本発明の基本原理及び特性を説明しているに過ぎず、本発明は、上記実施形態により制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱しない前提で、本発明には、様々な変化及び改変もあり、これらの変化及び改変は、いずれも保護を要求している本発明の範囲内に収められる。本発明が保護請求している範囲は、添付される請求の範囲及びその均等物により定められる。
【符号の説明】
【0062】
11・・・支持ホルダ、20・・・導入アセンブリ、21・・・導入筒、22・・・駆動板、23・・・邪魔板、30・・・探査機構、31・・・本体部、311・・・支持管、3111・・・収容溝、312・・・伸縮アセンブリ、3121・・・伸縮管、3122・・・第2モータ、3123・・・第2親ねじ、3124・・・第2ガイドブロック、3125・・・第2ガイドロッド、32・・・サウンディングアセンブリ、321・・・探査ロッド、322・・・プローブ、33・・・アンカーアセンブリ、331・・・アンカーロッド、3321・・・第1モータ、3322・・・第1親ねじ、3323・・・第1ガイドブロック、3324・・・第1ガイドロッド、333・・・支持ブロック、40・・・調節アセンブリ、41・・・支持板、42・・・回転軸、43・・・伸縮ロッド。
図1
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