(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154118
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】通知装置、通知方法、通知システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20251002BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056939
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 尚保
(72)【発明者】
【氏名】稗圃 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】原 彬寛
(72)【発明者】
【氏名】内部 錦
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】ユーザの体感時間が長くなる活動をし易くする。
【解決手段】ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する特定部233と、特定部233が特定した要推奨活動を示す通知をユーザへ送信する通知部234と、を備える。通知装置200は、ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する記憶部22をさらに備え、特定部233は、活動履歴情報に基づいて、ユーザが活動する頻度をエリアごとに特定し、特定した頻度が所定の閾値未満であるエリアへユーザが訪問する活動を要推奨活動として特定してもよい。活動履歴情報に含まれる複数のエリアそれぞれのサイズは、エリアが属する地域の属性によって異なってもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信する通知部と、
を備える通知装置。
【請求項2】
前記ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記特定部は、前記活動履歴情報に基づいて、前記ユーザが活動する頻度を前記エリアごとに特定し、特定した前記頻度が所定の閾値未満である前記エリアへ前記ユーザが訪問する活動を前記要推奨活動として特定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記活動履歴情報に含まれる複数の前記エリアそれぞれのサイズは、前記エリアが属する地域の属性によって異なる、
請求項2に記載の通知装置。
【請求項4】
前記ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記特定部は、前記活動履歴情報に基づいて、前記ユーザが直近にいずれかのエリアで活動した時期を特定し、特定した前記時期からの経過時間が閾値以上の当該エリアに訪問する活動を前記要推奨活動として特定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項5】
前記ユーザが複数の活動を行ったと感じた時間である複数の前記体感時間を示す体感時間情報を受け付ける受付部と、
前記ユーザが前記複数の活動を行った間に経過した前記実時間を示す実時間情報をそれぞれ取得する取得部と、をさらに備え、
前記特定部は、前記体感時間と前記実時間とを比較することにより、前記要推奨活動を特定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項6】
前記取得部は、ユーザの位置を示す位置情報をさらに取得し、
前記受付部は、前記位置情報に基づいて、前記ユーザが自宅から出発した後、当該自宅に帰宅してから第1所定時間以内に第1の前記体感時間を示す情報を受け付ける、
請求項5に記載の通知装置。
【請求項7】
前記受付部は、ユーザが前記自宅に帰宅してから前記第1所定時間より大きい第2所定時間が経過した後に、前記ユーザが活動を行っていたと前記ユーザが感じた時間である第2の前記体感時間を示す情報を受け付け、
前記特定部は、前記実時間に比べて対応する前記第2の体感時間が長い活動を、前記実時間に比べて対応する前記第1の体感時間が長い活動よりも優先度の高い前記要推奨活動として特定する、
請求項6に記載の通知装置。
【請求項8】
前記ユーザが当該活動を行った間に時刻を表示する時刻表示装置を操作した頻度を示す情報を取得する取得部をさらに備え、
前記特定部は、前記ユーザが前記時刻表示装置を操作した前記頻度が基準値以上の活動を除く複数の活動のうち、前記要推奨活動を特定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項9】
複数のエリアのそれぞれと、活動が属する複数の属性とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記要推奨活動を行う前記エリアに前記記憶部において関連付けて記憶されている前記属性と同じ属性に関連付けて記憶されているエリアを訪問する活動を前記要推奨活動としてさらに示す前記通知を前記ユーザへ送信する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項10】
前記特定部は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が短いと推定される非推奨活動を特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記非推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項11】
ユーザ端末と、通知装置とを備える通知システムであって、
前記ユーザ端末は、
ユーザが所定の活動を行ったと感じた体感時間を推定するために用いられる前記活動に関する活動関連情報を入力する当該ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、
前記活動関連情報を前記通知装置へ送信する送信制御部と、
を備え、
前記通知装置は、
前記活動関連情報を前記ユーザ端末から受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記活動関連情報に基づいて、前記ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが前記活動を行ったと前記ユーザが感じた体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信する通知部と、
を備える、通知システム。
【請求項12】
コンピュータが実行する、
ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長い要推奨活動を特定するステップと、
特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信するステップと、
を有する通知方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長い要推奨活動を特定するステップと、
特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知装置、通知方法、通知システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザにとって有用な活動等をレコメンドすることが広く行われている。例えば、特許文献1には、ユーザにとって興味があると推定される活動をレコメンドすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザの活動によってユーザが感じる体感時間が長くなったり短くなったりすることがある。人生が有限であることを考慮すれば、ユーザの体感時間が長くなる活動をすることは有用であると考えられる。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、ユーザの体感時間が長くなる活動をし易くすることはできないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの体感時間が長くなる活動をし易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の通知装置は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信する通知部と、を備える。
【0007】
前記通知装置は、前記ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記特定部は、前記活動履歴情報に基づいて、前記ユーザが活動する頻度を前記エリアごとに特定し、特定した前記頻度が所定の閾値未満である前記エリアへ前記ユーザが訪問する活動を前記要推奨活動として特定してもよい。前記活動履歴情報に含まれる複数の前記エリアそれぞれのサイズは、前記エリアが属する地域の属性によって異なってもよい。
【0008】
前記通知装置は、前記ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する記憶部をさらに備え、前記特定部は、前記活動履歴情報に基づいて、前記ユーザが直近にいずれかのエリアで活動した時期を特定し、特定した前記時期からの経過時間が閾値以上の当該エリアに訪問する活動を前記要推奨活動として特定してもよい。
【0009】
前記通知装置は、前記ユーザが複数の活動を行ったと感じた時間である複数の前記体感時間を示す体感時間情報を受け付ける受付部と、前記ユーザが前記複数の活動を行った間に経過した前記実時間を示す実時間情報をそれぞれ取得する取得部と、をさらに備え、前記特定部は、前記体感時間と前記実時間とを比較することにより、前記要推奨活動を特定してもよい。前記取得部は、ユーザの位置を示す位置情報をさらに取得し、前記受付部は、前記位置情報に基づいて、前記ユーザが自宅から出発した後、当該自宅に帰宅してから第1所定時間以内に第1の前記体感時間を示す情報を受け付けてもよい。
【0010】
前記受付部は、ユーザが前記自宅に帰宅してから前記第1所定時間より大きい第2所定時間が経過した後に、前記ユーザが活動を行っていたと前記ユーザが感じた時間である第2の前記体感時間を示す情報を受け付け、前記特定部は、前記実時間に比べて対応する前記第2の体感時間が長い活動を、前記実時間に比べて対応する前記第1の体感時間が長い活動よりも優先度の高い前記要推奨活動として特定してもよい。前記通知装置は、前記ユーザが当該活動を行った間に時刻を表示する時刻表示装置を操作した頻度を示す情報を取得する取得部をさらに備え、前記特定部は、前記ユーザが前記時刻表示装置を操作した前記頻度が基準値以上の活動を除く複数の活動のうち、前記要推奨活動を特定してもよい。
【0011】
前記通知装置は、複数のエリアのそれぞれと、活動が属する複数の属性とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、前記通知部は、前記特定部が特定した前記要推奨活動を行う前記エリアに前記記憶部において関連付けて記憶されている前記属性と同じ属性に関連付けて記憶されているエリアを訪問する活動を前記要推奨活動としてさらに示す前記通知を前記ユーザへ送信してもよい。
【0012】
前記特定部は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が短いと推定される非推奨活動を特定し、前記通知部は、前記特定部が特定した前記非推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の通知システムは、ユーザ端末と、通知装置とを備える通知システムであって、前記ユーザ端末は、ユーザが所定の活動を行ったと感じた体感時間を推定するために用いられる前記活動に関する活動関連情報を入力する当該ユーザの操作を受け付ける操作受付部と、前記活動関連情報を前記通知装置へ送信する送信制御部と、を備え、前記通知装置は、前記活動関連情報を前記ユーザ端末から受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた前記活動関連情報に基づいて、前記ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが前記活動を行ったと前記ユーザが感じた体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信する通知部と、を備える。
【0014】
本発明の第3の態様の通知方法は、コンピュータが実行する、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長い要推奨活動を特定するステップと、特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信するステップと、を有する。
【0015】
本発明の第4の態様のプログラムは、コンピュータに、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、前記ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長い要推奨活動を特定するステップと、特定した前記要推奨活動を示す通知を前記ユーザへ送信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの体感時間が長くなる活動をし易くするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態の通知システムの構成を示す図である。
【
図3】表示制御部が表示させるアンケート画像の例を示す。
【
図5】記憶部に記憶されている活動履歴情報の例を示す。
【
図6】記憶部に記憶されている活動履歴情報の別の例を示す。
【
図10】通知装置による要推奨活動の通知の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】第2の実施形態の通知システムSの概要を示す図である。
【
図12】受付部が第1の体感時間を受け付けるためのアンケート画像の例を示す。
【
図13】受付部が第2の体感時間を受け付けるためのアンケート画像の例を示す。
【
図14】体感時間のスコアを特定部の算出の例を示す。
【
図15】第2の実施形態の通知装置による要推奨活動の通知の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
[通知システムの概要]
図1は、第1の実施形態の通知システムSの構成を示す図である。通知システムSは、ユーザ端末100と、通知装置200とを備える。
【0019】
ユーザ端末100は、例えば、スマートフォンである。ユーザ端末100は、ネットワークを介して、通知装置200と通信する。ユーザ端末100は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する。
【0020】
ユーザ端末100は、アンケート等においてユーザが行った活動に関する活動関連情報を入力するユーザの操作を受け付ける。活動関連情報は、例えば、買物、外食等の活動内容(属性に相当)、同伴者の人数、ユーザと同伴者との間の関係性、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間、又は、活動中にユーザがどの程度目新しさを感じたかを示す情報を含む。
【0021】
通知装置200は、ネットワークを介して、ユーザ端末100と通信する。通知装置200は、クラウドコンピューティングにより実装されてもよい。通知装置200は、単独のコンピュータにより実装されてもよく、複数のコンピュータに分散されて実装されてもよい。
【0022】
通知装置200は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動をユーザに通知する。例えば、ユーザにとって目新しい活動をユーザが実施した場合、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長くなる傾向がある。このため、通知装置200は、ユーザにとって目新しい活動を要推奨活動としてユーザに通知する。
【0023】
時計で計測される時間は常に同じ間隔で進行することに対し、体感時間は様々な要因によって長くなったり短くなったりする。これまでの時間心理学の研究によれば、出来事の目新しさ、時間経過に対する注意、身体的代謝、感情の状態などが体感時間に影響を及ぼす要因であると考えられている。こうした要因は、共通する何らかの原理を通して感じられる時間の長さを変動させるのではなく、それぞれ個別に感じられる時間の長さに影響を及ぼすものと考えられている。
【0024】
体感時間が長くなることで、良い方向で変化する現象として、楽しい時間をより長く感じることが挙げられる。さらに、1分や1時間といった短期的な時間のみならず1ヶ月や1年といった長期的な時間を長くすることで、人生自体を長く感じることが期待できる。健康的な食事や運動を心がけて、できるだけ長生きしようと努力する人は多く存在する。しかしながら、肉体寿命の延伸には限界があるため、体感時間を延ばす行動を実践できるようにすることで、人生を最大限に長く感じることが期待できる。
【0025】
一方で、退屈な時間や辛い時間は体感時間が長くなる傾向がある。例えば、退屈な会議に出席していて、時間経過に注意が向けられている時は、時間が長く感じられる。また、クモが嫌いな人にクモと一緒に時間を過ごしてもらうと、恐怖による興奮から時間が長く感じられる。このような出来事は、体感時間が長くなっても豊かな人生を送る上で好ましくない。したがって、行動の快さと不快さを考慮し、辛い時間でなく心地よい時間を長くすることに意義があり、それをレコメンドするシステムが必要とされる。通知システムSは、このようなニーズに応えられるシステムである。
【0026】
以下、通知システムSが実行する処理の概要を説明する。ユーザ端末100は、ユーザの位置情報を通知装置200へ逐次送信する(
図1中の(1))。通知装置200は、取得した位置情報に基づいて、ユーザが活動したエリアを特定する。
【0027】
通知装置200は、ユーザが過去に活動した複数のエリアを示す活動履歴情報を作成し、作成した活動履歴情報を記憶部に記憶させる。通知装置200は、作成した活動履歴情報を参照して、ユーザがそれぞれのエリアにおいて活動する頻度、又は、それぞれのエリアにおける直近の活動からの経過時間をエリアごとに特定する。
【0028】
通知装置200は、過去に受け付けた活動関連情報に基づいて、ユーザがそれぞれの活動中に活動を行ったと感じた時間である体感時間と、それぞれの活動中にユーザがどの程度目新しさを感じたかとを特定する(
図1中の(2))。通知装置200は、ユーザがそれぞれのエリアにおいて活動する頻度、又は、それぞれのエリアにおける直近の活動からの経過時間、特定した体感時間又は目新しさの少なくとも一つ以上に基づいて、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べてユーザが感じた体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する(
図1中の(3))。通知装置200は、特定した要推奨活動を示す通知をユーザへ送信する(
図1中の(4))。
【0029】
通知装置200は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を示す通知をユーザに送信するので、体感時間が長くなる活動をユーザが実行しやすくすることができる。
【0030】
[ユーザ端末100の構成]
図2は、ユーザ端末100の構成を示す。ユーザ端末100は、各種センサ11、タッチパネル12、通信部13、表示部14、記憶部15及び制御部16を備える。制御部16は、取得部161、操作受付部162、通信制御部163及び表示制御部164を備える。
【0031】
各種センサ11は、ユーザの状態を測定するためのセンサ群である。例えば、各種センサ11は、GPS(Global Positioning System)等の測位センサを有する。この測位センサは、ユーザの位置を測定する。測位センサは、測定したユーザの位置を示す位置情報を取得部161に入力する。
【0032】
各種センサ11は、加速度センサを有していてもよい。この加速度センサは、ユーザの加速度を測定する。各種センサ11は、複数のバイタルセンサを有していてもよい。これらのバイタルセンサは、ユーザの体温、血圧又は心拍数などを測定する。各種センサ11は、歩数計を有していてもよい。この歩数計は、ユーザが歩いた歩数を測定する。
【0033】
タッチパネル12は、表示部14の表示面に対するユーザの操作を検出する。通信部13は、通知装置200と通信するための無線通信モジュールである。通信部13は、各種の情報を送受信する。表示部14は、各種の情報を表示するためのディスプレイである。
【0034】
記憶部15は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部15は、制御部16が実行するプログラムを記憶している。
【0035】
制御部16は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部16は、記憶部15に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部161、操作受付部162、通信制御部163及び表示制御部164として機能する。
【0036】
取得部161は、各種センサ11により測定された測定結果を取得する。取得部161は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する。取得部161は、ユーザの加速度を示す加速度情報を取得する。取得部161は、ユーザの体温、血圧又は心拍数などのバイタル情報を取得する。取得部161は、ユーザの歩数を示す歩数情報を取得する。取得部161は、取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報を通信制御部163へ出力する。
【0037】
操作受付部162は、タッチパネル12に対するユーザの操作を受け付ける。例えば、操作受付部162は、所定の活動に関する活動関連情報を入力するユーザの操作を受け付ける。活動関連情報は、ユーザがこの活動を行ったと感じた体感時間を推定するために用いられる。活動関連情報は、例えば、買物、外食等の活動内容(属性に相当)、同伴者の人数、または、ユーザと同伴者との間の関係性の少なくとも1つ以上を示す情報を含む。活動関連情報は、活動中にユーザがどの程度目新しさを感じたかを示す情報を含んでいてもよい。活動関連情報は、活動中にユーザが感じた印象が快さと不快さとの間においてどの辺りであるかを示す情報を含んでいてもよい。一例としては、操作受付部162は、ユーザが実行した活動に関するアンケートに対してユーザが回答する形式において活動関連情報を入力するユーザの操作を受け付ける。
【0038】
通信制御部163(送信制御部に相当)は、通信部13を介して、通知装置200と通信する。通信制御部163は、取得部161が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報のうちの少なくとも1つ以上を通知装置200へ送信する。通信制御部163は、操作受付部162が受け付けた活動関連情報を通知装置200へ送信する。
【0039】
通信制御部163は、ユーザが行った活動に関するアンケートを行うことを要求する要求情報を通知装置200から受信する。通信制御部163は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を示す通知を通知装置200から受信する。通信制御部163は、受信した要推奨活動を示す通知を表示制御部164へ出力する。
【0040】
表示制御部164は、各種の情報を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部164は、現在時刻の時刻を表示部14に表示させる。表示制御部164は、ユーザが行った活動に関するアンケートを行うことを要求する要求情報を通信制御部163が受信した場合に、ユーザが行った活動に関するアンケート画像を表示部14に表示させる。このアンケート画像は、操作受付部162が活動関連情報を受け付けるためのものである。
【0041】
図3は、ユーザが行った活動に関するアンケート画像の例を示す。
図3の上側では、表示制御部164は、ユーザが行ったお出かけの活動内容を「買物」、「外食」、「仕事・習いごと」、「散歩」、「通院」、「趣味・レジャー」、「ペットの散歩」、「その他」から選択するための複数のチェックボックスを表示する。表示制御部164は、後述する学習済みの機械学習モデルにより通知装置200がユーザの活動内容を特定可能になった後、活動内容の項目については省略してもよい。
【0042】
図3の中央では、表示制御部164は、ユーザが行ったお出かけの人数を入力するための入力欄を表示する。表示制御部164は、お出かけの人数を入力するための入力欄の下部において「家族」、「友人」、「恋人」、「同僚」、「その他」からユーザと同伴者との関係性を選択するための複数のチェックボックスを表示する。
【0043】
図3の下側では、表示制御部164は、お出かけしたエリアの目新しさをユーザが選択するためのスライドバーを表示する。
図3の下側では、表示制御部164は、本日のお出かけの全体的な印象を「不快」と「快」との間でユーザが選択するためのスライドバーを表示する。
【0044】
表示制御部164は、通知装置200が特定した要推奨活動を示す画像を表示部14に表示する。例えば、表示制御部164は、いずれかのエリアにユーザが訪問することを要推奨活動として示す通知を含む画像を表示する。表示制御部164は、複数の要推奨活動を示す画像を表示してもよい。
【0045】
[通知装置200の構成]
図4は、通知装置200の構成を示す。通知装置200は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。制御部23は、取得部231、受付部232、特定部233及び通知部234を備える。
【0046】
通信部21は、ユーザ端末100と通信するための通信インターフェースである。通信部21は、時刻を表示する時刻表示装置(不図示)とさらに通信してもよい。時刻表示装置は、例えば、スマートウォッチ又はスマートフォンである。ユーザ端末100が時刻表示装置の機能を有していてもよい。時刻表示装置は、ユーザが時刻表示装置を過去に操作した複数の時刻を示す情報を操作履歴情報として記憶している。例えば、時刻表示装置は、ユーザが時刻表示装置を過去に操作することによりスリープ状態からアクティブ状態に移行した複数の時刻を示す操作履歴情報を記憶している。
【0047】
記憶部22は、ROM及びRAMを含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部22は、ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶する。活動履歴情報は、受付部232が過去にユーザ端末100から受け付けた複数の活動関連情報、取得部231が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報の少なくとも1つ以上に基づいて、受付部232により作成される。
図5は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報の例を示す。
図5の例では、活動履歴情報は、ユーザがAエリア及びBエリア内で活動を行った際の活動開始時刻及び活動終了時刻を日付が新しい順に示す。
【0048】
図5中の上から1段目の例では、ユーザがAエリア内で活動した直近の活動において活動開始時刻は、「2023年4月2日13時0分」であり、この活動の活動終了時刻は、「15時3分」であることを示す。ユーザがBエリア内で活動した直近の活動において活動開始時刻は、「2023年5月30日17時0分」であり、この活動の活動終了時刻は、「18時10分」であることを示す。
【0049】
図5中の上から2段目の例では、ユーザがAエリア内で活動した2番目に新しい活動において活動開始時刻は、「2023年3月12日12時0分」であり、この活動の活動終了時刻は、「14時15分」であることを示す。ユーザがBエリア内で活動した2番目に新しい活動において活動開始時刻は、「2023年5月20日15時11分」であり、この活動の活動終了時刻は、「16時25分」であることを示す。この活動履歴情報は、ユーザがいずれかのエリアで活動した頻度又はユーザがいずれかのエリアにおいて直近で活動した時期を特定するために特定部233により参照される。
【0050】
図6は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報の別の例を示す。
図6の例では、活動履歴情報は、ユーザが活動を行った際の活動開始時刻から活動終了時刻までの時間と、ユーザが活動を行ったエリアと、ユーザの活動内容とが関連付けられている。例えば、
図6の上から1段目の例では、直近のユーザの活動において活動開始時刻が「2023年4月2日13時0分」であり、活動終了時刻が「15時3分」であり、活動したエリアが「Aエリア」であり、活動内容が「買物」であることを示す。
【0051】
記憶部22が記憶している活動履歴情報では、ユーザが活動を行った際の活動開始時刻から活動終了時刻までの時間に、自宅から活動を行ったエリアまでユーザが移動した交通手段(歩行のみ、自転車移動、自動車移動または電車移動など)がさらに関連付けられていてもよい。交通手段は、活動履歴情報を受付部232が作成する際に、例えば、取得部231が取得した加速度情報に基づいて、受付部232により特定される。
【0052】
記憶部22が記憶している活動履歴情報では、ユーザが活動を行った際の活動開始時刻から活動終了時刻までの時間に、受付部232が受け付けた活動関連情報が示す同伴者の人数がさらに関連付けられていてもよい。記憶部22が記憶している活動履歴情報では、ユーザが活動を行った際の活動開始時刻から活動終了時刻までの時間に、受付部232が受け付けた活動関連情報が示すユーザと同伴者との関係性がさらに関連付けられていてもよい。
【0053】
記憶部22には、複数のエリアのそれぞれと、活動が属する複数の活動内容(属性に相当)とを関連付けた活動内容データが記憶されている。
図7は、活動内容データの例を示す。
図7の上から1段目の例では、「エリアA」と、活動内容「外食」とが関連付けられている。
図7の上から2段目の例では、「エリアB」と、活動内容「趣味・レジャー」とが関連付けられている。活動内容データは、特定のエリアにおいてユーザが実行した活動内容と同じ活動内容に対応する別のエリアを特定するために特定部233により参照される。
【0054】
制御部23は、例えば、CPUである。制御部23は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、取得部231、受付部232、特定部233及び通知部234を備える。
【0055】
取得部231は、通信部21を介して、各種の情報をユーザ端末100から取得する。例えば、取得部231は、ユーザの位置を示す位置情報を取得する。取得部231は、ユーザの加速度を示す加速度情報を取得する。取得部231は、ユーザのバイタル情報を取得する。取得部231は、ユーザが歩いた歩数を示す歩数情報を取得する。取得部231は、通信部21を介して、ユーザが活動を行った間に時刻表示装置を操作した頻度を示す情報を時刻表示装置から取得する。
【0056】
取得部231は、取得したユーザの位置情報に基づいて、ユーザがいずれかのエリアにおいて活動を開始した活動開始時刻を特定する。例えば、取得部231は、ユーザがいずれかのエリアに訪問してこのエリア内において移動を停止したタイミングを活動開始時刻として特定する。取得部231は、ユーザがこのエリアから他のエリアへ移動した時刻を活動終了時刻として特定する。取得部231は、活動開始時刻から活動終了時刻までの間に時刻表示装置を操作した回数を示す情報を時刻表示装置から取得する。
【0057】
取得部231は、取得した時刻表示装置を操作した回数を示す情報に基づいて、活動開始時刻から活動終了時刻までの間にユーザが時刻表示装置を操作した頻度を特定する。取得部231は、取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報、歩数情報、または、活動開始時刻から活動終了時刻までの間に時刻表示装置を操作した頻度を示す情報を受付部232へ出力する。
【0058】
受付部232は、通信部21を介して、ユーザ端末100と通信する。受付部232は、ユーザが行った活動に関する活動関連情報をユーザ端末100から受け付ける。まず、受付部232は、ユーザが行った活動に関するアンケートを実施することを要求する要求情報をユーザ端末100へ送信する。受付部232は、要求情報の送信後、アンケートに対して回答する形式においてユーザが操作入力した活動関連情報をユーザ端末100から受け付ける。受付部232は、受け付けた活動関連情報、取得部231が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報の少なくとも一つ以上に基づいて、ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報(
図5、
図6参照)を作成する。受付部232は、作成した活動履歴情報を記憶部22に記憶させる。
【0059】
エリアは、地図を格子状に分割したものである。エリアは、例えば、ジオハッシュ等の英数字で表現される。ジオハッシュは、桁数が大きいほど、一区画の範囲が小さくなる。受付部232は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報に含まれる複数のエリアそれぞれのサイズが、エリアが属する地域の属性によって異なるように、複数のエリアを設定する。
【0060】
図8(a)及び
図8(b)は、ジオハッシュによるエリアの設定例を示す。
図8(a)は、7桁のジオハッシュ「aab1ccd」により設定されたエリアの例を示す。
図8(a)の破線の矩形は、設定されたエリアの範囲を示す。
図8(b)は、「aab1ccda」等の8桁のジオハッシュにより設定されたエリアの例を示す。
図8(b)の例では、
図8(a)において1つのエリアが設定されていた範囲が16のエリアに分割され、16のエリアにそれぞれ異なる8桁のジオハッシュが付与されている。受付部232は、ジオハッシュを利用して、市街地等の施設が集中する地域では、比較的小さなエリアを設定することにより、ユーザが活動した場所を特定する精度を向上させることができる。一方、受付部232は、山間部等の施設が少ない地域では、比較的大きなエリアを設定することにより、ユーザが活動した場所を特定するのに使用する記憶容量を低減させることができる。
【0061】
[活動内容を特定するための機械学習モデルの作成]
受付部232は、活動履歴情報を作成する際に、ユーザが行った活動内容を学習済みの機械学習モデルを用いて特定してもよい。まず、この機械学習モデルの学習時の手順について説明する。受付部232は、ユーザが1回分の活動を行ったときに取得部231が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報のうちの少なくとも一つ以上を、受付部232が受けつけた活動関連情報に含まれるユーザが行った活動内容でラベル付けした1回分の活動に対応する学習データを作成する。同様の処理を繰り返すことにより、受付部232は、ユーザが行った複数回分の活動に対応する複数の学習データを作成する。
【0062】
受付部232は、作成した複数回分の学習データを機械学習させることにより、ユーザが1回分の活動を行ったときに取得部231が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報の少なくとも1つ以上を入力データとし、ユーザが行った活動内容を出力データとする学習済みの機械学習モデルを作成する。特定部233は、作成した機械学習モデルを記憶部22に記憶させる。
【0063】
[学習済みの機械学習モデルによる活動内容の特定]
受付部232が作成した学習済みの機械学習モデルを用いてユーザが行った活動内容を特定する方法について説明する。まず、受付部232は、学習済みの機械学習モデルを記憶部22から読み出す。
【0064】
受付部232は、取得部231が取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報のうちの少なくとも1つ以上をこの機械学習モデルに入力し、この機械学習モデルが出力した活動内容を、ユーザが行った活動内容として特定する。このようにして、ユーザが行った活動内容を受付部232が特定することができるので、ユーザは、自身が行った活動内容を活動関連情報として操作入力する作業を省略することができる。
【0065】
[要推奨活動の特定]
【0066】
ユーザが活動した頻度が所定の閾値未満であるエリアへユーザが訪問する活動は、ユーザにとって目新しい活動である可能性が比較的高い。そして、ユーザにとって目新しい活動は、ユーザの体感時間が長くなる活動である可能性がある。したがって、特定部233は、ユーザが活動する頻度が閾値以下であるエリアに訪問する活動を要推奨活動として特定することにより、間接的にはユーザの体感時間が長くなる活動をユーザが実行しやすくことができる。
【0067】
そこで、特定部233は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する。例えば、特定部233は、ユーザが活動した頻度が所定の閾値未満であるエリアを特定し、特定したエリアへユーザが訪問する活動を要推奨活動として特定する。閾値は、例えば、ユーザが予め設定した値である。閾値は、ユーザがエリアごと又は活動内容ごとに予め設定した値であってもよい。
【0068】
より詳しくは、特定部233は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報に基づいて、ユーザがそれぞれのエリアで活動した頻度をエリアごとに特定する。例えば、特定部233は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報を参照して、直近の所定期間内にユーザがいずれかのエリアにおいて活動した回数を特定する。特定部233は、特定した回数をこの所定期間で除算することにより、このエリアにおいてユーザが活動した頻度を特定する。
【0069】
図5の例では、特定部233は、現在時刻(2023年6月1日12時0分)から所定期間前(2か月前)までの期間にユーザがAエリアにおいて1回活動していることを特定する。この例では、所定期間は2ヵ月であり、閾値は1ヵ月当たり1回であると仮定する。特定部233は、ユーザがAエリアに活動する頻度が1ヵ月当たり0.5回であり、この頻度が閾値未満であることを特定する。この場合、特定部233は、Aエリアを訪問する活動を要推奨活動として特定する。
【0070】
図5右側の上から1段目から3段目の例に示すように、特定部233は、現在時刻(2023年6月1日12時0分)から所定期間前(2か月前)までの期間にユーザがBエリアにおいて3回活動していることを特定する。特定部233は、ユーザがBエリアに訪問する頻度が1ヵ月当たり1.5回であり、この頻度が閾値(1ヵ月当たり1回)以上であることを特定する。このとき、特定部233は、Bエリアを訪問する活動を要推奨活動として特定しない。
【0071】
特定部233は、自宅からエリアへ移動するための交通手段を考慮して要推奨活動を特定してもよい。例えば、特定部233は、ユーザがいずれかのエリアにおいて活動した頻度が閾値未満であり、かつ、自宅からそのエリアに移動するのに利用する交通手段の利用頻度も所定値未満である場合に、このエリアへユーザが訪問する活動を要推奨活動として特定してもよい。交通手段は、例えば、歩行のみ、自転車移動、自動車移動、又は、電車移動などである。所定値は、例えば、数日である。一方、特定部233は、ユーザがいずれかのエリアにおいて活動した頻度が閾値以上である場合、又は、自宅からそのエリアに移動するのに利用する交通手段の利用頻度が所定値以上である場合に、このエリアへユーザが訪問する活動を要推奨活動として特定しない。
【0072】
特定部233は、ユーザがいずれかのエリアで直近に活動した時期を特定する。特定部233は、特定した時期からの経過時間が閾値以上のエリアに訪問する活動を要推奨活動として特定してもよい。閾値は、ユーザが予め設定した値である。ユーザが直近に活動した時期は、受付部232が作成した活動履歴情報に基づいて、特定部233により特定される。
【0073】
図5の例では、特定部233は、現在時刻が2023年6月1日12時0分であり、閾値が1か月であるものと仮定すると、Aエリアにおいてユーザが直近に活動した時期(2023年4月2日13時0分~15時3分)から現在時刻までに閾値(1か月)以上の期間が経過したことを特定する。この場合、特定部233は、Aエリアを訪問する活動を要推奨活動として特定する。一方、特定部233は、Bエリアにおいてユーザが直近に活動した時期(2023年5月30日17時0分~18時10分)から現在時刻までに閾値以上の期間が経過していないことを特定する。この場合、特定部233は、Bエリアを訪問する活動を要推奨活動として特定しない。
【0074】
特定部233は、ユーザが活動を行ったエリアと、このエリアで行ったユーザの活動内容とに基づいて、要推奨活動を特定してもよい。より詳しくは、特定部233は、記憶部22に記憶されている活動履歴情報(
図6参照)を記憶部22から読み出す。この例では、現在時刻は2023年4月3日14時0分であり、所定期間は1ヵ月であり、閾値は1ヵ月当たり2回であると仮定する。
【0075】
特定部233は、
図6の上から1段目、6段目及び7段目に示すように、現在時刻(2023年4月3日14時0分)から所定期間前(1か月前)までの期間にユーザがAエリアにおいて活動内容「買物」の活動を3回行っていることを特定する。特定部233は、ユーザがAエリアにおいて活動内容「買物」の活動を行う頻度が1ヵ月当たり3回であり、この頻度が閾値(1ヵ月当たり2回)以上であることを特定する。このとき、特定部233は、Aエリアにおいて活動内容「買物」の活動を行うことを要推奨活動として特定しない。
【0076】
特定部233は、
図6の上から3段目に示すように、現在時刻(2023年4月3日14時0分)から所定期間前(1か月前)までの期間にユーザがAエリアにおいて活動内容「映画」の活動を1回行っていることを特定する。特定部233は、ユーザがAエリアにおいて活動内容「映画」の活動を行う頻度が1ヵ月当たり1回であり、この頻度が閾値(1ヵ月当たり2回)未満であることを特定する。このとき、特定部233は、Aエリアにおいて活動内容「映画」の活動を行うことを要推奨活動として特定する。
【0077】
[ユーザの性格、時刻表示装置の操作頻度又は活動関連情報に基づく要推奨活動の特定]
特定部233は、ユーザの性格に基づいて、要推奨活動を特定してもよい。ユーザの性格は、既知の性格診断方法により特定部233が予め特定する。例えば、第1の性格の複数のユーザが活動Aを実行した場合に実時間に比べて体感時間が長くなる傾向を示し、第2の性格の複数のユーザが活動Bを実行した場合に実時間に比べて体感時間が長くなる傾向を示したと仮定する。このとき、特定部233は、ユーザの性格が第1の性格であることを特定した場合に、活動Aを要推奨活動として特定する。一方、特定部233は、ユーザの性格が第2の性格であることを特定した場合に、活動Bを要推奨活動として特定する。
【0078】
特定部233は、上述した手法により、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定されるよう要推奨活動を特定する。ただし、ユーザが活動中に時刻表示装置を操作した頻度が比較的高かった場合、ユーザが活動に集中できていなかった可能性がある。このような場合、ユーザが感じた体感時間は活動直後には比較的長くなるが、ある程度の期間が経過した後にユーザが活動を振り返ってみると、どのような活動を行ったかユーザの印象に残っておらず体感時間が短くなる可能性がある。
【0079】
このため、特定部233は、ユーザが時刻表示装置を操作した頻度が基準値以上の活動については、要推奨活動を特定するための対象にしない。特定部233は、これらの活動を除く複数の活動から、要推奨活動を特定する。基準値は、例えば、ユーザが時刻表示装置を装着又は携帯している状態において時刻表示装置を操作した頻度の平均値である。
【0080】
同様にして、特定部233は、受付部232が受け付けた活動関連情報においてユーザが受けた不快さが基準値以上である場合に、この活動関連情報に対応する活動を、要推奨活動を特定する対象にしない。基準値は、例えば、快さと不快さとの中間値に相当する値である。
【0081】
特定部233は、受付部232が受け付けた活動関連情報においてユーザが受けた快さが所定値以上であることを条件の一つとして、要推奨活動を特定してもよい。所定値は、一例としては快さと不快さとの中間値に相当する値である。例えば、特定部233はユーザが活動した頻度が所定の閾値未満であり、かつ、ユーザが受けた快さが所定値以上であるエリアに訪問する活動を要推奨活動として特定してもよい。
【0082】
特定部233は、受付部232が受け付けた活動関連情報において目新しさが基準レベルよりも低い場合に、この活動関連情報に対応する活動を、要推奨活動を特定する対象にしない。基準レベルは、例えば、ユーザにより予め設定された値である。
【0083】
特定部233は、受付部232が受け付けた活動関連情報において目新しさが所定レベル以上である場合に、この活動関連情報に対応する活動を要推奨活動として特定してもよい。所定レベルは、例えば、ユーザにより予め設定された値である。特定部233は、受付部232が受け付けた活動関連情報において目新しさが所定レベル以上であり、かつ、ユーザが活動した頻度が所定の閾値未満である場合に、この活動関連情報に対応する活動を要推奨活動として特定してもよい。
【0084】
[要推奨活動の通知]
通知部234は、ネットワークを介して、ユーザ端末100と通信する。通知部234は、特定部233が特定した要推奨活動を示す通知をユーザへ送信する。
図9は、要推奨活動を示す通知の例を示す。
図9の例では、特定部233が特定した要推奨活動「〇〇へのお出かけ」を示す通知がユーザ端末100の表示部14に表示される。
【0085】
同じエリア内に複数の施設が所在する場合、このエリアへの訪問を通知部234が推奨しても要推奨活動の活動内容が明確にならない可能性がある。このため、通知部234は、特定部233が特定したエリアと、このエリアにおいてユーザが行う活動内容とを要推奨活動として通知してもよい。例えば、通知部234は、活動するエリアがエリアAであることと、活動内容が映画鑑賞であることを要推奨活動として通知してもよい。このとき、通知部234は、ユーザにとって目新しい活動を行うようにメッセージを通知してもよい。例えば、通知部234は、エリアAにおいてユーザが鑑賞したことがないジャンルの映画を鑑賞することを推奨するメッセージを通知してもよい。
【0086】
同様に、通知部234は、特定部233が特定したエリアがエリアAであり、特定した活動内容が買物である場合に、エリアAにおいてユーザが買ったことがない商品を買物することを要推奨活動として示す通知をユーザ端末100へ送信してもよい。このとき、広告収入を得るビジネスモデルが採用されている場合には、通知部234は、スポンサーの事業者が売りたい新商品を買物することを要推奨活動の一つとして通知してもよい。
【0087】
通知部234は、特定した要推奨活動と同じ活動内容で別のエリアで活動することを追加的な要推奨活動としてユーザにさらに通知してもよい。より詳しくは、通知部234は、複数のエリアのそれぞれと、活動が属する複数の活動内容とを関連付けた活動内容データ(
図7参照)を記憶部22から読み出す。通知部234は、読み出した活動内容データを参照して、特定部233が特定した要推奨活動を行うエリアに記憶部22において関連付けて記憶されている活動内容を特定する。通知部234は、特定した活動内容と同じ活動内容に活動内容データにおいて関連付けて記憶されている別のエリアを訪問する活動を要推奨活動として特定し、特定した要推奨活動を示す通知をユーザへ送信する。
【0088】
例えば、通知部234は、エリアAへの訪問を要推奨活動として特定部233が特定した場合に、エリアAに活動内容データ(
図7参照)において関連付けて記憶されている活動内容「外食」を特定する。通知部234は、活動内容データを再度参照して、特定した活動内容「外食」と同じ活動内容に関連付けて記憶されている別のエリア「エリアE」を特定し、このエリアEを訪問する活動を追加的な要推奨活動として特定する。通知部234は、エリアAへ訪問する要推奨活動と、エリアEへ訪問する要推奨活動とをそれぞれ示す通知をユーザ端末100へ送信する。
【0089】
通知部234は、ユーザの生活サイクルに合致するように要推奨活動の通知をユーザ端末100へ送信してもよい。ユーザの生活サイクルは、ユーザにより予め登録される。例えば、土曜日及び日曜日が休日であるユーザの場合、通知部234は、平日には、特定部233が特定した複数の要推奨活動のうち、ユーザの住所から比較的近いエリアへ訪問する要推奨活動の通知をユーザへ送信してもよい。通知部234は、土曜日または日曜日には、特定部233が特定した複数の要推奨活動のうち、ユーザの住所から比較的遠いエリアへ訪問する要推奨活動の通知をユーザへ送信してもよい。
【0090】
通知部234は、ユーザが活動する頻度が閾値以下であるエリアに訪問する活動をユーザに推奨する。このような活動は、ユーザにとって目新しい活動である可能性が比較的高い。そして、ユーザにとって目新しい活動は、ユーザの体感時間が長くなる活動である可能性がある。したがって、通知部234は、ユーザが活動する頻度が閾値以下であるエリアに訪問する活動をユーザに推奨することにより、間接的にはユーザの体感時間が長くなる活動をユーザが実行しやすくことができる。
【0091】
[通知装置200による要推奨活動の通知の処理手順]
図10は、通知装置200による要推奨活動の通知の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、所定期間ごとに開始される。所定期間は、一例としては1日である。まず、特定部233は、ユーザが過去に活動したエリアを示す活動履歴情報を記憶部22から読み出す(S101)。特定部233は、読み出した活動履歴情報に基づいて、ユーザがいずれかのエリアで活動した頻度を特定する(S102)。特定部233は、特定した頻度が閾値未満であるか否かを判定する(S103)。特定部233は、ユーザがいずれかのエリアで活動した頻度が閾値未満である場合に(S103のYES)、このエリアへ訪問する活動を要推奨活動として特定する(S104)。
【0092】
特定部233は、ユーザが活動した頻度をまだ特定していないエリアがあるか否かを判定する(S105)。特定部233は、ユーザが活動した頻度をまだ特定していないエリアはないと判定した場合に(S105のNO)、特定したすべての要推奨活動を示す通知をユーザ端末100へ送信し(S106)、処理を終了する。
【0093】
特定部233は、S103の判定においてユーザがいずれかのエリアで活動した頻度が閾値以上である場合に(S103のNO)、S105の判定に移る。特定部233は、S105の判定においてユーザが活動した頻度をまだ特定していないエリアがあると判定した場合に(S105のYES)、S102の処理に戻る。
【0094】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間と、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間との比較結果に基づいて、実時間よりも体感時間が長い要推奨活動を特定する場合の例について説明する。
【0095】
図11は、第2の実施形態の通知システムSの概要を示す図である。第2の実施形態では、ユーザ端末100の操作受付部162は、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間を入力するユーザの操作を受け付ける。例えば、操作受付部162は、ユーザが自宅を出てから目的のエリアで所定の活動を実行し、活動後に自宅に帰宅するまでの体感時間を入力するユーザの操作を受け付ける。
【0096】
通信制御部163は、操作受付部162が受け付けた体感時間を示す体感時間情報を通知装置200へ逐次送信する(
図11中の(1))。通信制御部163は、第1の実施形態と同様に、取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報又は歩数情報を通知装置200へ送信する。通信制御部163は、操作受付部162が受け付けた活動関連情報を通知装置200へ送信する。
【0097】
通知装置200の受付部232は、ユーザが複数の活動を行ったと感じた時間である複数の体感時間を示す体感時間情報を受け付ける。取得部231は、ユーザが複数の活動を行った間に経過した実時間を示す実時間情報をそれぞれ取得する(
図11中の(2))。取得部231は、例えば、ユーザ端末100から取得した位置情報、加速度情報、バイタル情報及び歩数情報に基づいて、ユーザが自宅から外出してから自宅に帰宅して静止するまでの実時間を取得する。
【0098】
特定部233は、取得部231が取得した体感時間と、取得した実時間とを比較することにより、要推奨活動を特定する(
図11中の(3)、(4))。例えば、特定部233は、ユーザが行った複数の活動のうち、体感時間情報が示す体感時間が実時間よりも長い活動を要推奨活動として特定する。通知部234は、特定部233が特定した要推奨活動を示す通知をユーザ端末100へ送信する(
図11中の(5))。
【0099】
[第1の体感時間の受付]
体感時間をより高い精度で測定することを希望する場合には、通知装置200の受付部232は、ユーザが活動後に自宅に帰宅した直後に、第1の体感時間を示す体感時間情報を受け付けることが望ましい。そこで、受付部232は、取得部231が取得した位置情報、加速度情報又は歩数情報の少なくとも1つ以上に基づいて、ユーザが自宅から出発した後、帰宅したことを特定する。受付部232は、ユーザが帰宅してから第1所定時間以内に第1の体感時間を示す情報を受け付ける。第1所定時間は、数分又は数十分である。受付部232は、ユーザの利便性等を考慮して、午前8時等の所定の時刻に第1の体感時間を示す情報を毎日受け付けてもよい。このとき、ユーザ端末100の表示制御部164は、ユーザが行った活動に関するアンケート画像を表示部14に表示させる。
【0100】
図12は、受付部232が第1の体感時間を受け付けるためのアンケート画像の例を示す。このアンケート画像は、ユーザ端末100の表示部14に表示される。
図12の中央では、ユーザ端末100の表示制御部164は、お出かけの体感時間を入力するための入力欄を表示する。通知装置200の受付部232は、この入力欄に入力された第1の体感時間を示す情報をユーザ端末100から受け付ける。
【0101】
受付部232が第1の体感時間を受け付けるまで、ユーザ端末100の表示制御部164は、現在時刻及び取得部231が取得する実時間をいずれも表示しないようにしてもよい。このようにして、表示制御部164は、現在時刻又は実時間の影響を受けてユーザの体感時間が変化することを抑制することができる。
【0102】
[第2の体感時間の受付]
活動直後の体感時間と、活動後しばらく時間が経過した後の体感時間とにおいてユーザの感じ方が変化することがある。例えば、ユーザにとって退屈に感じた活動を実行した場合、その活動時には時間経過に注意が向くため活動直後の体感時間が長くなるが、しばらく時間が経過した後にユーザがこの活動を振り返った時には、その活動内容が記憶に残っていないため体感時間が短くなることがある。一方で、ユーザにとって目新しい活動を実行した場合、その活動を実行することに集中しているために活動直後の体感時間は短くなるが、しばらく時間が経過した後にユーザがこの活動を振り返った時には、その活動内容が印象に残っているため体感時間が長くなることがある。
【0103】
このため、受付部232は、第1の体感時間を受け付けた後、ユーザが自宅に帰宅してから第2所定期間が経過した後に、ユーザが活動を行っていたとユーザが感じた時間である第2の体感時間を示す情報を受け付けることが望ましい。第2所定期間は、第1所定期間より大きく、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後などである。
【0104】
図13は、受付部232が第2の体感時間を受け付けるためのアンケート画像の例を示す。このアンケート画像は、ユーザ端末100の表示部14に表示される。
図13の中央では、ユーザ端末100の表示制御部164は、お出かけの体感時間を入力するための入力欄を表示する。受付部232は、この入力欄に入力された第2の体感時間を示す情報をユーザ端末100から受け付ける。
【0105】
[要推奨活動の通知]
特定部233は、受付部232が第1の体感時間を受け付けて第2の体感時間を受け付けていない場合には、ユーザが行った複数の活動のうち、第1の体感時間が実時間よりも長かった活動を要推奨活動として特定する。特定部233は、受付部232が第1の体感時間と第2の体感時間との両方を受け付けた場合には、実時間に比べて対応する第2の体感時間が長い活動を、実時間に比べて対応する第1の体感時間が長い活動よりも優先度の高い要推奨活動として特定する。
【0106】
例えば、通知部234は、実時間に比べて対応する第2の体感時間が長い要推奨活動を優先順位が1番であることを示す画像とともにユーザ端末100の表示部14に表示させる。通知部234は、実時間に比べて対応する第1の体感時間が長い要推奨活動を優先順位が2番であることを示す画像とともにユーザ端末1の表示部14に表示させる。
【0107】
[体感時間のスコアの算出]
特定部233は、体感時間のスコアを算出する。例えば、特定部233は、実時間より第2の体感時間が20%以上長い場合を100点、実時間と第2の体感時間とが±20%の範囲内である場合を50点、実時間より第2の体感時間が20%以上短い場合を0点として、体感時間のスコアを算出する。
【0108】
図14は、体感時間のスコアを特定部233の算出の例を示す。活動A~活動Eは、所定期間内にユーザが実行した活動である。所定期間は、例えば数日である。
図14には、複数の活動について、実時間と、第2の体感時間と、実時間に比べて第2の体感時間が何%長いかと、体感時間のスコアとを示す。上から1段目の例では、活動Aの実時間は3時間であり、第2の体感時間は2時間である。活動Aの実時間を100%とすれば、第2の体感時間は、66%であり、33%短い。この場合、特定部233は、実時間より第2の体感時間が20%以上短いため、体感時間のスコアを0点とする。
【0109】
上から2段目の例では、活動Bの実時間は5時間であり、第2の体感時間は7時間である。活動Aの実時間を100%とすれば、第2の体感時間は、140%であり、40%長い。この場合、特定部233は、実時間より第2の体感時間が20%以上長いため、体感時間のスコアを100点とする。特定部233は、所定期間内にユーザが実行した活動について体感時間のスコアの平均を算出する。
図14の例では、活動A~活動Eの体感時間のスコア(0点、100点、50点、100点、100点)の平均値は、70点である。
【0110】
通知部234は、体感活動が長い活動をユーザが選択するための指標として、体感時間のスコアを示す通知をユーザ端末100へ送信する。通知部234は、所定期間内にユーザが実行した体感時間のスコアの平均値をユーザ端末100へ送信してもよい。
【0111】
[第2の実施形態の通知装置200による要推奨活動の通知の処理手順]
図15は、第2の実施形態の通知装置200による要推奨活動の通知の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、ユーザ端末100と通知装置200との通信中に開始する。まず、取得部231は、ユーザ端末100から取得した位置情報及び加速度情報に基づいて、ユーザが自宅から外出してから自宅に帰宅するまでの実時間を取得する(S201)。
【0112】
受付部232は、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間を受け付ける(S202)。特定部233は、受付部232が受け付けた体感時間が実時間よりも大きいか否かを判定する(S203)。特定部233は、体感時間が実時間より大きいと判定した場合に(S203のYES)、この体感時間に対応するエリアに訪問する活動を要推奨活動として特定する(S204)。通知部234は、特定した要推奨活動を示す通知をユーザ端末100へ送信し(S205)、処理を終了する。特定部233は、S203の判定において体感時間が実時間以下であると判定した場合に(S203のNO)、処理を終了する。
【0113】
[第1及び第2の実施形態の通知装置200による効果]
第1及び第2の実施形態の通知装置200によれば、通知部234は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を示す通知をユーザに送信するので、体感時間が長くなる活動をユーザが実行しやすくすることができる。
【0114】
第1の実施形態及び第2の実施形態では、ユーザが一人で活動する場合において実時間に比べて体感時間が長い活動を要推奨活動として特定部233が特定する場合の例について説明した。ユーザが同伴者とともに活動する場合の体感時間は、一人で活動する場合の体感時間と異なることがある。同伴者の人数によっても体感時間が変化することがある。ユーザと同伴者との関係性(家族、友人、恋人、同僚)によっても体感時間が変化することがある。
【0115】
このため、特定部233は、ユーザに同伴者がいる場合の要推奨活動を、ユーザが一人で活動する場合の要推奨活動とは別に特定してもよい。例えば、特定部233は、ユーザが同伴者とともに過去に活動した活動履歴情報に基づいて、ユーザに同じ関係性の同伴者がいる場合の要推奨活動を特定する。特定部233は、ユーザが同伴者とともに過去に活動した際に受付部232が受け付けた体感時間情報と取得部231が取得した対応する実時間情報との比較結果に基づいて、ユーザに同じ関係性の同伴者がいる場合の要推奨活動を特定してもよい。
【0116】
特定部233は、ユーザが複数の同伴者とともに過去に活動した活動履歴情報に基づいて、ユーザに同じ人数の同伴者がいる場合の要推奨活動を特定する。特定部233は、ユーザが複数の同伴者とともに過去に活動した際に受付部232が受け付けた体感時間情報と取得部231が取得した対応する実時間情報との比較結果に基づいて、ユーザに同じ人数の同伴者がいる場合の要推奨活動を特定してもよい。このようにして、特定部233は、ユーザに同伴者がいる場合においても実時間に比べて体感時間が長い活動を示す通知を精度よくユーザに通知することができる。
【0117】
第1の実施形態及び第2の実施形態では、特定部233は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が長いと推定される要推奨活動を特定する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、要推奨活動を特定する例に限定されない。
【0118】
例えば、特定部233は、ユーザが活動を行っている間に経過した実時間に比べて、ユーザが活動を行ったと感じた時間である体感時間が短いと推定される非推奨活動を特定してもよい。特定部233が非推奨活動を特定する方法は、特定部233が要推奨活動を特定する方法と同様であるため、説明を省略する。通知部234は、特定部233が特定した非推奨活動を示す通知をユーザへ送信する。このとき、通知部234は、特定部233が特定した非推奨活動を実行しないことを推奨することを示すメッセージをユーザ端末100の表示部14に表示してもよい。
【0119】
第2の実施形態では、ユーザが自宅を出てから、いずれかのエリア内で活動した後に自宅に戻るまでを一つの活動として活動中にユーザが感じた体感時間を受付部232が受け付ける場合の例について説明した。ユーザが自宅を出てからいずれかのエリアに到着するまでの活動と、ユーザがこのエリア内において実行する活動と、ユーザがこのエリアを出てから自宅に戻るまでの活動とをそれぞれ別の活動としてそれぞれの活動においてユーザが感じた体感時間を受付部232が受け付けてもよい。
【0120】
また、受付部232は、ユーザがエリア内において実行する活動を一つの活動として活動中にユーザが感じた体感時間を受け付けてもよい。一方、受付部232は、ユーザが自宅を出てからいずれかのエリアに到着するまでと、ユーザが活動後にこのエリアを出てから自宅に戻るまでにユーザが感じた体感時間を受け付けなくてもよい。
【0121】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0123】
11 各種センサ
12 タッチパネル
13 通信部
14 表示部
15 記憶部
16 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
100 ユーザ端末
161 取得部
162 操作受付部
163 通信制御部
164 表示制御部
200 通知装置
231 取得部
232 受付部
233 特定部
234 通知部
S 通知システム