IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015414
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/15 20060101AFI20250123BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20250123BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
H01L23/14 C
H01L23/12 N
H05K3/46 B
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024065416
(22)【出願日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】10-2023-0093569
(32)【優先日】2023-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】安 相▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ペ▼ 珪兌
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA38
5E316AA43
5E316BB02
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC18
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC37
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF08
5E316FF09
5E316FF10
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH33
5E316JJ02
5E316JJ03
(57)【要約】
【課題】ガラス層を含み、単一ユニット化(singulation)時にも破損の可能性が低く、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示は、第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面と、び第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面と、第1側面及び第3側面を互いに連結する第1コーナー部と、第1側面及び第4側面を互いに連結する第2コーナー部と、第2側面と第3側面を互いに連結する第3コーナー部、及び第2側面と第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有するガラス層と、ガラス層上に配置され、第1側面~第4側面の少なくとも1つの側面の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、第1絶縁層上に配置され、第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも一つのコーナー部を覆う第2絶縁層と、を含むプリント回路基板及びその製造方法に関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面と、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面と、前記第1側面及び前記第3側面を互いに連結する第1コーナー部と、前記第1側面及び前記第4側面を互いに連結する第2コーナー部と、前記第2側面と前記第3側面を互いに連結する第3コーナー部、及び前記第2側面と前記第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有するガラス層と、
前記ガラス層上に配置され、前記第1側面~第4側面の少なくとも1つの側面の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置され、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも一つのコーナー部を覆う第2絶縁層と、を含む、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1コーナー部~第4コーナー部は前記第2絶縁層によって覆われる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1側面~第4側面の少なくとも一つの側面は、一部が前記第1絶縁層によって覆われ、他の一部は前記第2絶縁層によって覆われる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第1側面~第4側面の少なくとも一つの側面において、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層は互いに交互に配置される、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
平面上において、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は傾斜を成す、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
平面上において、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は、前記第1側面~第4側面の少なくとも1つの側面と鈍角を成す、請求項5に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
平面上において、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は段差を有する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は互いに同じ材料を含むが、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層は互いに層間境界を有する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記ガラス層を貫通する貫通ビアと、
前記第1絶縁層上に配置される第1配線層と、
前記第1配線層と前記貫通ビアを互いに連結するように前記第1絶縁層を貫通する第1ビア層と、
前記第2絶縁層上に配置される第2配線層と、
前記第2配線層と前記第1配線層を互いに連結するように前記第2絶縁層を貫通する第2ビア層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記第2絶縁層上に配置される第3絶縁層と、
前記第3絶縁層上に配置される第3配線層と、
前記第3配線層と前記第2配線層を互いに連結するように前記第3絶縁層を貫通する第3ビア層と、をさらに含む、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面と、前記第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面と、前記第1側面及び前記第3側面を互いに連結する第1コーナー部と、前記第1側面及び前記第4側面を互いに連結する第2コーナー部と、前記第2側面と前記第3側面を互いに連結する第3コーナー部、及び前記第2側面と前記第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有するガラス層と、
前記ガラス層上に配置され、前記第1側面~第4側面と前記第1コーナー部~第4コーナー部を覆う絶縁材と、を含み、
前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は、複数の角を有する、プリント回路基板。
【請求項12】
前記第1コーナー部は、前記第1側面及び前記第3側面と接する第1コーナー面を含み、
前記複数の角は、前記第1コーナー面が前記第1側面と接する角と前記第1コーナー面が前記第3側面と接する角を含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1コーナー部は、前記第1側面及び前記第3側面とそれぞれ接するか又は互いに接する複数の第1コーナー面を含み、
前記複数の角は、前記複数の第1コーナー面が互いに接する角を含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
平面上において、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は傾斜を有する、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
平面上において、前記第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は段差を有する、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
平面上において、前記段差は階段状の段差を含む、請求項15に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記絶縁材は、前記ガラス層上に配置される第1絶縁材と、前記第1絶縁材上に配置される第2絶縁材を含み、
前記第1絶縁材は、前記ガラス層の第1側面~第4側面及び第1コーナー部~第4コーナー部の一部を覆い、
前記第2絶縁材は、前記ガラス層の第1側面~第4側面及び第1コーナー部~第4コーナー部の残りの一部を覆う、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項18】
前記ガラス層を貫通する貫通ビアと、
前記絶縁材上にまたは内に配置される配線層と、
前記配線層と前記貫通ビアを互いに連結するように前記絶縁材の少なくとも一部を貫通するビア層と、をさらに含む、請求項11に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板とプリント回路基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術などの発達により、幾何級数的に増加したデータ処理のためのHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップ及びCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサチップなどを含むマルチチップパッケージが用いられている。そこで、ガラス(glass)材料を用いようとする試みが続いている。但し、ガラス材料を用いる場合には割れ等の破損による不良の可能性が高く、特にガラス材料を含む完成品を単一ユニット化(singulation)する段階で衝撃に脆弱であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示のいくつかの目的の1つは、ガラス層を含むプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0004】
本開示のいくつかの目的のもう1つは、単一ユニット化(singulation)時にも破損の可能性が低いプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0005】
本開示のいくつかの目的のもう1つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示を介して提案するいくつかの解決手段の1つは、第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面と、積層方向及び第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面と、第1側面及び第3側面を互いに連結する第1コーナー部と、第1側面及び第4側面を互いに連結する第2コーナー部と、第2側面と第3側面を互いに連結する第3コーナー部、及び第2側面と第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有するガラス層と、ガラス層上に配置され、第1側面~第4側面の少なくとも1つの側面の少なくとも一部を覆う第1絶縁層と、第1絶縁層上に配置され、第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも一つのコーナー部を覆う第2絶縁層と、を含むプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本開示を介して提案するいくつかの解決手段のもう1つは、積層方向に垂直な第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面と、積層方向及び第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面と、第1側面及び第3側面を互いに連結する第1コーナー部と、第1側面及び第4側面を互いに連結する第2コーナー部と、第2側面と第3側面を互いに連結する第3コーナー部、及び第2側面と第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有するガラス層と、ガラス層上に配置され、第1側面~第4側面と第1コーナー部~第4コーナー部を覆う絶縁材と、を含み、第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は、複数の角を有するプリント回路基板を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な効果のうち一効果として、ガラス層を含むプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0009】
本開示の様々な効果のうち他の一効果として、単一ユニット化(singulation)時にも破損の可能性が低いプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0010】
本開示の様々な効果のうち他の一効果として、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの一例を概略的に示すブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3a】プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
図3b】プリント回路基板のガラス層を上部から見た上面断面図である。
図4a】プリント回路基板の製造方法のうち第1貫通孔の形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図4b】プリント回路基板の製造方法のうち第1貫通孔の形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図4c】プリント回路基板の製造方法のうち第1貫通孔の形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図4d】プリント回路基板の製造方法のうち第1貫通孔の形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図5a】プリント回路基板の製造方法のうち貫通ビアの形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図5b】プリント回路基板の製造方法のうち貫通ビアの形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図5c】プリント回路基板の製造方法のうち貫通ビアの形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図5d】プリント回路基板の製造方法のうち貫通ビアの形成段階を示した斜視図及び断面図である。
図6a】プリント回路基板の製造方法のうち第1絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図6b】プリント回路基板の製造方法のうち第1絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図6c】プリント回路基板の製造方法のうち第1絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図6d】プリント回路基板の製造方法のうち第1絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図7a】プリント回路基板の製造方法のうち第1配線層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図7b】プリント回路基板の製造方法のうち第1配線層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図7c】プリント回路基板の製造方法のうち第1配線層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図7d】プリント回路基板の製造方法のうち第1配線層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図8a】プリント回路基板の製造方法のうち第2貫通孔の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図8b】プリント回路基板の製造方法のうち第2貫通孔の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図8c】プリント回路基板の製造方法のうち第2貫通孔の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図8d】プリント回路基板の製造方法のうち第2貫通孔の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図9a】プリント回路基板の製造方法のうち第2絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図9b】プリント回路基板の製造方法のうち第2絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図9c】プリント回路基板の製造方法のうち第2絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図9d】プリント回路基板の製造方法のうち第2絶縁層の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。
図10】プリント回路基板の製造方法のうち他の構成をさらに形成する段階を示した断面図である。
図11】プリント回路基板の製造方法のうち単位領域を分離する段階を示した断面図である。
図12a】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12b】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12c】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12d】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12e】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12f】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
図12g】様々な一例によるプリント回路基板の各ガラス層を上部から見た上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
(電子機器)
図1は、電子機器システムの例を概略的に示すブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/又は電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて、様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030がチップ関連部品1020とともに互いに組み合わされることもできる。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/又はネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/又は電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/又はスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/又は電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/又は受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0022】
(プリント回路基板)
図3aは、プリント回路基板の一例を概略的に示した断面図である。
【0023】
図3aを参照すると、一例によるプリント回路基板は、ガラス層110、ガラス層110上に配置され、ガラス層110の側面の一部を覆う第1絶縁層111、第1絶縁層111上に配置され、ガラス層110の側面の残りの一部を覆う第2絶縁層112を含むことができる。一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110を貫通する貫通ビア130、第1絶縁層111上に配置される第1配線層121、第1配線層121と貫通ビア130を互いに連結するように第1絶縁層111を貫通する第1ビア層131、第2絶縁層112上に配置される第2配線層122、第2配線層122と第1配線層121を互いに連結するように第2絶縁層112を貫通する第2ビア層132を含むことができる。
【0024】
一例によるプリント回路基板は、ガラス層110を含み、基本的に優れた平坦度を有することができ、また、低い熱膨張係数(CTE)などを介して反り(warpage)制御に有利であり得る。特に、一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110をコア層として有することができるため、他の絶縁層を積層する段階でも反り制御に有利であり得る。また、ガラス層110上に第1絶縁層111及び第2絶縁層112が順次積層されるため、平坦度をより高めることができ、これによって微細ピッチを有する高密度の微細回路形成により有利であり得る。また、ガラス層110の誘電特性、例えばDk2.5~11の可変性質を有するガラス(Glass)の特徴を介してプリント回路基板の層数を減少させることができ、デザイン自由度をより増加させることができる。
【0025】
一例によるプリント回路基板は、ガラス層110を各単位ガラス層に切断する段階で発生する破損の可能性を減らすことができる構造を有する。ガラス層110を含むプリント回路基板の製造段階は、単一ユニット化(singulation)過程で破損が発生する可能性が高い。一例に係るプリント回路基板は、ガラス層110に段階的に貫通孔を形成してガラス層110を保護することができ、単一ユニット化過程では貫通孔を満たす絶縁層を通過するように切断するため、破損の可能性を下げることができる。すなわち、ガラス層110の側面は、第1絶縁層111及び第2絶縁層112のそれぞれにより覆われることができ、ガラス層110は外部に露出しないことができる。単位領域の切断線uに沿って第1貫通孔h1を形成した後、第1絶縁層111を積層し、第2貫通孔h2を形成した後、第2絶縁層112を積層するため、ガラス層110の側面は外部に露出できないことがあり、これは製造段階でより具体的に後述する。
【0026】
ガラス層110は、非結晶質固体であるガラス(glass)を含むことができる。ガラスは、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%SiO)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino-silicate glass)などを含むことができる。但し、これに限定されるものではなく、代案的なガラス材料である、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなどもガラス層110の材料として用いられることができる。さらに、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために他の添加剤をさらに含むこともできる。これらの添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)のみならず、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、ホウ素、鉄、クロム、カリウム、硫黄及びアンチモンと、このような元素及び他の元素の炭酸塩及び/または酸化物を含むことができる。ガラス層110は、ガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などを含む材料、例えばCCL(Copper Clad Laminate)、PPG(Prepreg)などとは区別される層であり、例えば板ガラスなどとして理解されることができる。
【0027】
第1絶縁層111及び第2絶縁層112は、それぞれ有機絶縁物質を含むことができる。有機絶縁物質は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、または樹脂と共に無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁物質はABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、その他にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁物質は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であることもできる。また、絶縁物質は、BS(Bonding Sheet)などの接着シートを含むこともできる。
【0028】
第1絶縁層111と第2絶縁層112は互いに同一の絶縁材料を含むことができる。具体的には、第1絶縁層111及び第2絶縁層112は、それぞれABF(Ajinomoto Build-up Film)を含むことができるが、これに限定されず、他の有機絶縁材料を含むこともできる。なお、これに限定されず、第1絶縁層111と第2絶縁層は互いに異なる物質を含むこともできる。
【0029】
第1配線層121及び第2配線層122はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1配線層121及び第2配線層122は、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなど様々な形態を有することができる。第1配線層121及び第2配線層122は、それぞれ無電解めっき層(又は化学銅)及び電解めっき層(又は電気銅)を含むことができる。または、金属箔(または銅箔)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。または、金属箔(または銅箔)、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を含むこともできる。
【0030】
貫通ビア130は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。貫通ビア130は、ガラス層110の上面及び下面の間を貫通することができる。貫通ビア130の上面及び下面は、ガラス層110の上面及び下面と実質的に共面であることができる。図3aでは、貫通ビア130がガラス層110の上面及び下面を貫通して、1つの金属層で満たされたものであって、いわゆる、フィールドビア(filled via)であると示したが、これに限定されるものではなく、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)であることもできるなど、貫通ビア130の具体的な形成方法はこれに制限されるものではない。貫通ビア130は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。貫通ビア130は、平面上で略円または楕円形状、多角形状を有することができるが、これに限定されるものではなく、例えば比表面積の増加を介した密着確保の観点から、平面上で様々な形状が一つに合わされた複合的な形状を有することもできる。貫通ビア130の側面は、貫通ビア130の上面及び下面に対して実質的に垂直であることができるが、これに限定されるものではなく、必要に応じて断面上で砂時計形状等を有するようにテーパされることもできる。
【0031】
第1ビア層131及び第2ビア層132はそれぞれ金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第1ビア層131及び第2ビア層132は、それぞれビアホールを満たすフィールドビア(filled via)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)を含むこともできる。第1ビア層131及び第2ビア層132は、設計デザインに応じて様々な機能を実行することができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第1及び第2接続ビア132、133は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方とも含むこともできる。
【0032】
ガラス層110の上面に配置された第1ビア層131とガラス層110の下面に配置された第1ビア層131は、断面上で互いに反対方向のテーパ形状を有することができる。これは、一例に係るプリント回路基板がガラス層110をコア層とする、いわゆる、コアタイプのプリント回路基板であるために発生し得る特徴であり、ガラス層110の上下面にそれぞれ積層された第1絶縁層111にそれぞれのビアホールを形成して第1ビア層131を形成するため、ガラス層110の上下に配置された第1ビア層131のそれぞれは、異なるテーパ方向を有することができる。より具体的には、ガラス層110に近づくほど断面上での第1ビア層131の幅は狭くなることができる。
【0033】
一方、一例に係るプリント回路基板において、ガラス層110を貫通する貫通ビア130の上面及び下面はそれぞれ第1ビア層131の下面及び上面と直接連結されることができる。これは、ガラス層110の上面及び下面への金属物質の密着力を確保することが難しいことから配線層が直接形成されにくいため、ガラス層110の上下面には第1絶縁層111が形成された後、第1絶縁層111上に第1配線層121が形成され、第1配線層121は第1ビア層131を介して貫通ビア130と連結されることができる。
【0034】
一方、一例に係るプリント回路基板は、第2絶縁層112上に配置される第3絶縁層113、第3絶縁層上に配置される第3配線層123、第3配線層と第2配線層を互いに連結するように第3絶縁層を貫通する第3ビア層をさらに含むことができる。第3絶縁層113、第3配線層123及び第3ビア層133のそれぞれは、1層以上の層を含むことができ、複数の絶縁層、配線層及びビア層を含むことができる。
【0035】
第3絶縁層113は、絶縁材を含むことができる。絶縁材は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこれらの樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。例えば、絶縁材は、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PPG(Prepreg)などの非感光性絶縁材であることができるが、これに限定されるものではなく、それ以外にも他の高分子素材が用いられることができる。また、絶縁材は、PID(Photo Imageable Dielectric)などの感光性絶縁材であることができる。第3絶縁層113は、第1絶縁層111及び/または第2絶縁層112と互いに同一の絶縁材を含むことができるが、これらに限定されず、互いに異なる絶縁材料を含むことができる。
【0036】
第3配線層123は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第3配線層123は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、信号パターン、パワーパターン、グランドパターンなどを含むことができる。これらのパターンはそれぞれライン、プレーン、パッドなどの様々な形態を有することができる。第3配線層123は、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。または、金属箔(または銅箔)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。または、金属箔(または銅箔)、無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を含むこともできる。
【0037】
第3ビア層133は金属を含むことができる。金属は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、及び/またはこれらの合金などを含むことができる。好ましくは、銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されるものではない。第3ビア層133は、ビアホールを満たすフィールドビア(filled VIA)を含むことができるが、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)を含むこともできる。第3ビア層133は、設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。第3ビア層133は、ガラス層110の上側に配置されるビア層とガラス層110の下側に配置されるビア層が断面上で互いに反対方向のテーパ形状を有することができる。第3ビア層133は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。無電解めっき層(または化学銅)の代わりにスパッタリング層を含むこともでき、必要に応じて両方を含むこともできる。
【0038】
一方、一例によるプリント回路基板は、第3絶縁層113上にソルダーレジスト層140をさらに含むことができる。ソルダーレジスト層140は、プリント回路基板の最外側に配置されて外部からプリント回路基板を保護することができる。ソルダーレジスト層140は公知のソルダーレジストを用いることができ、ソルダーレジスト層140は液状またはフィルムタイプのソルダーレジスト(Solder Resist)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、他の種類の絶縁材が用いられることもでき、熱硬化性樹脂と熱硬化性樹脂に分散した無機フィラーを含むが、ガラス繊維は含まないことがある。絶縁樹脂は感光性絶縁樹脂であることができ、フィラーは無機フィラー及び/または有機フィラーであることができるが、これに限定されず、必要に応じてそれ以外に他の高分子素材が用いられることもできる。ソルダーレジスト層140は開口を有することができ、開口を介して第3配線層123の少なくとも一部が露出することができる。開口を介して露出した第3配線層123は、メインボードまたは他のプリント回路基板と連結されることができ、半導体チップなどの他の素子と連結されることもできる。開口を介して露出するパターン上には、必要に応じて表面処理層がさらに形成されることができる。または、開口を介して露出するパターン上には金属バンプがさらに形成されることもできる。
【0039】
一方、一例に係るプリント回路基板は、図3aに示した構成に限定されるものではなく、これ以外にもプリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができる。すなわち、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる構成をさらに含むことができる。
【0040】
図3bは、プリント回路基板のガラス層110を上部から見た上面断面図である。
【0041】
図3bは、ガラス層110の一帯を分離して上部から見た上面断面図であることができ、ガラス層110の上面及び下面の間を水平に切断した場合にも同じ断面を有することができる。
【0042】
図3bを参照すると、一例に係るプリント回路基板のガラス層110の側面及びコーナー部は、第1絶縁層111及び第2絶縁層112によって覆われ、ガラス層110はプリント回路基板の外部に露出しないことがある。ガラス層110の側面及びコーナー部の一部は、第1絶縁層111によって覆われることもでき、残りの一部は第2絶縁層112によって覆われることもできる。
【0043】
より具体的には、ガラス層110は、積層方向に垂直な第1方向に互いに対向する第1側面及び第2側面を有することができ、積層方向と第1方向に垂直な第2方向に互いに対向する第3側面及び第4側面を有することができる。また、ガラス層110は、第1側面と第3側面を互いに連結する第1コーナー部、第1側面と第4側面を互いに連結する第2コーナー部、第2側面と第3側面を互いに連結する第2コーナー部、第2側面と第4側面を互いに連結する第4コーナー部を有することができる。第1側面~第4側面は、図3bでガラス層の角として示されており、第1コーナー部~第4コーナー部は、図3bにおいてガラス層のコーナー側に角を互いに連結する連結線として示されている。
【0044】
図3bを参照すると、ガラス層110の第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は、複数の角を有することができる。角は、面と面が会って発生する交線の意味で理解されることができ、例えば、第1側面と第3側面が連結される第1コーナー部が1つの角を有するということは、第1側面と第3側面が直接接するように会って一つの角が形成されることである。一例に係るプリント回路基板は、第1側面と第3側面を互いに連結する第1コーナー部が第1側面及び第3側面とは互いに異なる第1コーナー面を有するため、第1コーナー面と第1側面が互いに接する角を有し、第1コーナー面と第3側面が互いに接する角を有することができる。このように一例によるプリント回路基板は、第1コーナー部が複数の角を含むことができる。一方、第1側面と第3側面が直接接するときに、製造段階での誤差等によって発生する段差による角は、複数の角と理解されず、第1コーナー部が第1側面及び第3側面と互いに区別される別途のコーナー面を有して、第1コーナー部が実質的に複数のコーナーを含む場合に複数のコーナーを有すると理解されることができる。
【0045】
一方、一例に係るプリント回路基板は、製造段階で第1コーナー部が曲面を有することもできる。この場合には、第1側面の延長面と第1コーナー部が一致しない不連続的な位置が第1コーナー部の開始点として理解されることができ、このとき、不連続的な位置を1つの角であると理解することができる。この場合、第1コーナー部は、第1側面の延長面と一致しない不連続的な位置を有することができ、第3側面の延長面とも一致しない不連続的な位置を有することができるため、第1コーナー部はそれぞれの位置から角を有し、複数の角を有すると理解されることができる。
【0046】
一方、これに限定されず、第1コーナー部は、第1側面及び第3側面と互いに実質的に区別される別途の第1コーナー面を有すると理解されることができ、これは、一例によるプリント回路基板の製造段階で第1側面に沿って切断する段階及び第3側面に沿って切断する段階において、第1コーナー部を形成するように加工する段階が行われた結果であることができる。なお、第1側面、第3側面の関係と第1コーナー部に関する説明は、他の側面及び他のコーナー部にも同様の趣旨で適用されることができる。すなわち、このような関係は、第1側面と第4側面との間の第2コーナー部にも同様に適用されることができ、第2側面と第3側面との間の第3コーナー部、及び第2側面と第4側面との間の第4コーナー部にも同様に適用されることができる。
【0047】
図3bを参照すると、ガラス層110の第1側面~第4側面の少なくとも1つの側面において、1つの側面の少なくとも一部は第1絶縁層111によって覆われることができ、残りの一部は第2絶縁層112によって覆われることができる。ガラス層110の第1側面~第4側面の少なくとも一つの側面において、第1絶縁層111と第2絶縁層112が繰り返されるように交互に配置される構造を有することもできる。第1絶縁層111が配置される領域は、製造段階で第1貫通孔h1が形成された領域に該当し、第2絶縁層112が配置される領域は第2貫通孔h2が形成された領域に該当することができる。製造段階で狭い幅を有する第1貫通孔h1と第2貫通孔h2を交互に配置することにより、貫通孔形成時にガラス層110に加わる応力が集中しないように分散させることができる。一方、図3bに示されたものよりも、第1絶縁層111と第2絶縁層112がそれぞれ狭い幅を有し、より多くの単位が繰り返されるように配置されることもできる。
【0048】
図3bを参照すると、ガラス層110の第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は、第2絶縁層112によって覆われることができる。図3bに示されたように、第1コーナー部~第4コーナー部はそれぞれ第2絶縁層112によって覆われることもできるが、これに限定されず、第1絶縁層111によって覆われることもできる。第1絶縁層111が配置される領域は、製造段階で第1貫通孔h1が形成された領域に該当し、第2絶縁層112が配置される領域は第2貫通孔h2が形成された領域に該当することは、上述した通りである。すなわち、製造段階で先に形成される第1貫通孔h1は、ガラス層110の第1側面~第4側面の一帯に形成され、第1絶縁層111を形成した後に形成される第2貫通孔h2は、ガラス層110の第1コーナー部~第4コーナー部の一帯に形成されることができる。ガラス層110に第1貫通孔h1を形成する段階でガラス層110のコーナー部の一帯に第1貫通孔h1を形成する場合には、ガラス層110に加わる応力が集中する可能性があるため、破損の可能性がさらに大きくなる。したがって、ガラス層110の側面の領域には第1貫通孔h1を優先的に形成し、第1絶縁層111を形成した後に第2貫通孔h2はガラス層110のコーナー部の領域に形成されることができる。
【0049】
一方、図3bを参照すると、第1コーナー部~第4コーナー部の少なくとも1つのコーナー部は傾斜を有することができ、第1側面~第4側面と鈍角をなすことができる。図3bは、プリント回路基板のガラス層110を上部から見た上面断面図であり、ガラス層110を通過するように積層方向に垂直な方向の断面であることは上述した通りである。したがって、図3bに示されたように、ガラス層110のコーナー部はそれぞれガラス層110の側面と鈍角をなすことができ、これは製造段階で第2貫通孔h2を形成するためにガラス層110のコーナー部の一帯を除去するとき、ガラス層110のコーナー部が一緒に除去されるために発生し得る形状である。第2貫通孔h2を形成する際に、ガラス層110の側面が互いに直交するようにコーナー部が形成されると、コーナー部に応力が集中されるため、コーナー部でクラック等の破損が発生する可能性が大きいのに対し、第2貫通孔h2を形成する際に、ガラス層110のコーナー部の一部を一緒に除去してコーナー部が側面と鈍角をなすようにすると、第2貫通孔h2を形成する段階で応力を分散させることができ、破損の可能性を減らすことができる。一方、図3bでは、コーナー部の傾斜が実質的に一定になるように直線で示したが、図3bに示したものに限定されず、コーナー部は凸状の傾斜または凹状の傾斜を有することもできる。例えば、第1コーナー部が凸状の傾斜を有するということは、第1側面及び第3側面を直線で連結した線よりも第1コーナー部が突出して凸状の曲線を有するものであることができ、凹状の傾斜を有するということは、これに反対されるように凹状の曲線を有することができることを意味する。これは、第1コーナー部が曲面を有する場合に該当することができる。これに関する説明は、第2コーナー部~第4コーナー部にも同様に適用されることができる。
【0050】
このとき、第1絶縁層111と第2絶縁層112は互いに層間境界を有することができる。第1絶縁層111と第2絶縁層112は同一の絶縁材料を含むことができるが、それぞれ異なる製造段階で形成されるため、先に形成された第1絶縁層111と後に形成された第2絶縁層112は、互いに区別できるように層間境界を有することができる。すなわち、第1絶縁層111と第2絶縁層112は、プリント回路基板の切断面などで互いに区別が可能であることができる。
【0051】
一方、図3bでは、第1絶縁層111と第2絶縁層112がそれぞれ一定の幅を有して繰り返されるものと示したが、これに限定されず、第1絶縁層111と第2絶縁層112の幅は設計に応じて調節が可能であり、第1絶縁層111と第2絶縁層112の幅は製造段階または測定などでの誤差を含むこともできる。第1絶縁層111と第2絶縁層112の繰り返し単位も調節が可能である。
【0052】
(プリント回路基板の製造方法)
一例に係るプリント回路基板の製造方法は、ガラス層110に第1貫通孔h1及びビアホールh0を形成する段階、貫通ビア130を形成する段階、第1貫通孔h1を満たし、ガラス層110上に第1絶縁層111を形成する段階、第1絶縁層111上に第1配線層121を形成する段階、第1絶縁層111とガラス層110を貫通して第2貫通孔h2を形成する段階、第2貫通孔h2を満たし、第1絶縁層111上に第2絶縁層112を形成する段階、単一化(singulation)を行う段階を含むことができる。また、第2絶縁層112上に第2配線層122を形成する段階、第2絶縁層112上に第3絶縁層113を形成する段階、第3絶縁層113上に第3配線層123を形成する段階をさらに含むこともできる。
【0053】
以下では、図面を参照して一例に係るプリント回路基板100Aの製造方法についてより詳細に説明する。
【0054】
図4a~図4dは、プリント回路基板の製造方法のうち第1貫通孔h1の形成段階を示した展開斜視図及び断面図である。具体的には、図4aは斜視図であり、図4bは上面平面図であり、図4cは図4bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図4dは図4bにおけるII-II’線に沿った切断断面図である。
【0055】
図4a~図4dを参照すると、ガラス層110に単位領域内に貫通ビア130のためのビアホールh0を形成し、単位領域のための切断線uの一部に第1貫通孔h1を形成することができる。このとき、ガラス層110は、単位領域に切断される前のストリップ単位のガラス板(glass plate)の形態であることができるが、これに制限されるものではない。
【0056】
単位領域は、単一化過程を行ってプリント回路基板が完成する領域を意味するものであり、切断線uは、単一化過程が行われる仮想の線であり、プリント回路基板の最も外側面となる領域である。貫通ビア、配線層、ビア層などのプリント回路基板の他の構成は、単位領域である切断線u内に配置される。ビアホールh0は、ガラス層110の単位領域内に配置され、貫通ビア130を形成する領域に形成する。
【0057】
第1貫通孔h1及びビアホールh0は、レーザ加工、機械的加工、化学的加工など様々な方法で形成することができる。第1貫通孔h1は、ストリップ単位のガラス板に形成されるため、第1貫通孔h1が過度に大きいか、または第1貫通孔h1が単位領域のコーナーに直交するL字状に形成される場合には、第1貫通孔h1が形成された領域の一帯に応力が集中されることができる。したがって、第1貫通孔h1は、切断線uのコーナー部に配置されるものではなく、切断線uの角部に沿って一定間隔を有するように配置されて、応力を分散することができる。このとき、切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2に合わせて第1貫通孔h1がコーナー部にできるだけ近接して配置される場合には、第2貫通孔h2を形成する段階で応力を分散することができる。
【0058】
第1貫通孔h1の形状は、上面から見たときに矩形の形状を有するものとして示したが、これに限定されるものではなく、横の長さがより長い矩形であることもでき、円形、楕円形であることができ、これに限定されず、正方形、正六角形など正多角形の形状を有することもできる。また、貫通孔は断面図において一定の幅を有するように形成されることができるが、これに限定されない。
【0059】
図4a~図4dでは、第1貫通孔h1は、切断線uの角にそれぞれ3つの貫通孔が形成されたものと示したが、第1貫通孔h1の個数はこれに制限されるものではない。なお、図面では、第1貫通孔h1の幅と第1貫通孔h1との間の間隔が一定であると示したが、これに限定されるものではなく、当該分野の通常の技術者が変更可能な範囲内で幅、間隔及び個数は調節することができる。
【0060】
図5a~図5dは、プリント回路基板の製造方法のうち貫通ビア130の形成段階を示した斜視図及び断面図である。具体的には、図5aは斜視図であり、図5bは上面平面図であり、図5cは図5bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図5dは図5bにおけるII-II’線に沿った切断断面図である。
【0061】
貫通ビア130は、1つの金属層で満たされたフィールドビア(filled via)であると示したが、これに限定されず、ビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal via)であることもできる。貫通ビア130は、ビアホールh0に沿って形成されるシード層上にめっきを行って満たされることができ、不要な部分が除去されることで形成されることもできるが、これに限定されず、金属物質を含むペーストを満たした後、焼成する方法で形成されることもできるなど、ガラス層110内に貫通ビア130を形成する方法であれば制限なく用いることができる。特に、ガラス層110と貫通ビア130の接着力を確保するための手段を用いることもできる。
【0062】
図6a~図6dは、プリント回路基板の製造方法のうち、第1絶縁層111の形成段階を示した斜視図及び断面図である。具体的には、図6aは展開斜視図であり、図6bはガラス層110の上面平面図であり、図6cは図6bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図6dは図6bにおけるII-II'における切断断面図である。
【0063】
図6aを参照すると、ガラス層110の上下に第1絶縁層111を形成することができる。第1絶縁層111は、絶縁材料を含むフィルム形態であることができるが、これに限定されない。第1絶縁層111を硬化させる前には流動性があり、第1貫通孔h1を満たすことができる。第1絶縁層111を形成する段階は、第1絶縁層を配置して硬化させることで行うことができるが、これに限定されるものではなく、第1絶縁層111を形成する段階は公知のプリント回路基板の絶縁層の積層方法で行われることができる。
【0064】
第1絶縁層111が第1貫通孔h1を満たすように形成されるため、ガラス層110の側面の一部は第1絶縁層111によって覆われることができる。特に、図6dを参照すると、ガラス層110の側面の一部が第1絶縁層111によって覆われ、残りの一部はガラス層110が残存する形状を有することができる。残りの一部は、後述する工程で第2貫通孔h2が形成され、第2絶縁層112によって満たされる領域に該当する。
【0065】
図7a~図7dは、プリント回路基板の製造方法のうち、第1配線層121の形成段階を示した斜視図及び断面図である。具体的には、図7aは展開斜視図であり、図7bはガラス層110の上面平面図であり、図7cは図7bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図7dは図7bにおけるII-II’線に沿った切断断面図である。
【0066】
第1配線層121は、第1ビア層131と同時に形成されることができる。第1絶縁層111を貫通するビアホールを形成し、無電解めっきを行い、めっきレジスタを用いた電解めっきパターニングを行い、第1ビア層131及び第1配線層121を形成した後、不要な部分を除去することで進行することができるが、これに限定されるものではなく、第1配線層121及び第1ビア層131を形成する段階は、公知の配線層及びビア層を形成する工程であれば制限なく利用することができる。
【0067】
図7bは、ガラス層を上部から見た平面図に該当し、第1絶縁層111上に形成された第1配線層121は見えない場合があり、この場合、第1配線層121は点線で表示されることができる。
【0068】
図7dは、図7bにおけるII-II’線に沿った切断断面図として、第1配線層121を通過しないため、図7dでは第1配線層121が示されないことができる。
【0069】
図8a~図8dは、プリント回路基板の製造方法のうち第2貫通孔h2の形成段階を示した斜視図及び断面図である。具体的には、図8aは展開斜視図であり、図8bはガラス層110の上面平面図であり、図8cは図8bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図8dは図8bにおけるII-II’線に沿った切断断面図である。
【0070】
第2貫通孔h2は第1絶縁層111とガラス層110を一括して貫通することができ、第2貫通孔h2は第1絶縁層111が満たされていないガラス層110の領域に形成されることができる。すなわち、第2貫通孔h2は、ガラス層110の中で切断線uの残りの部分を除去するように形成されることができる。第1貫通孔h1が一定幅と一定間隔を有するように形成されることによって、第2貫通孔h2はこれに逆に対応するように一定間隔と一定幅を有するように形成されることができる。したがって、第2貫通孔h2を形成すると、ガラス層110は単位領域に分離することができるが、既に形成された第1絶縁層111は、ガラス層110が分離されないように連結されることができる。
【0071】
ガラス層110の単位領域は、第1貫通孔h1によって除去されていない残りの一部によってダミー領域と連結された状態で、第2貫通孔h2はこのような残りの一部に該当する部分を除去する。すなわち、第2貫通孔h2を形成する段階は、単位領域でガラス層110の一部が除去されている状態で行われることから、既に除去されたガラス層110の領域が応力を吸収する役割を行うため、ガラス層110の単位領域の内部の破損を減らすことができる。
【0072】
ガラス層110の上面平面図である図8bを参照すると、第2貫通孔h2の内側の側壁は、切断線uのコーナー部領域で傾斜を成すように形成されることができる。第2貫通孔h2が切断線uのコーナー部領域で傾斜を成すという意味は、上面平面図を基準に第2貫通孔h2の内側の側壁またはこの延長面が単位領域のための切断線uまたは切断線uを仮想に延びる線と垂直に会わないことを意味することができる。これは、単位領域が第1方向に対向する2面と、第1方向に垂直な第2方向に対向する2面を有する正方形または長方形の形状を有するものであるとしたとき、貫通孔の内側の側壁は第1方向及び第2方向と垂直ではないことを意味する。すなわち、切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2は、任意の2つの長方形が互いに垂直に交差して「L」字状を有するものではなく、「L」字状の折れる内側部分に傾斜を有するように第2貫通孔h2を形成してガラス層110のコーナー部が直交しないように形成することができる。
【0073】
ガラス層110の加工時に、ガラス層110の側面が直交するようにガラス層110のコーナー部が形成される場合には、ガラス層110のコーナー部に応力が集中して破損するおそれがある。切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2が傾斜するにつれて、ガラス層110は、より緩やかなコーナー部を有することによって破損の危険からより保護され得る。
【0074】
第2貫通孔h2は、レーザ加工、機械的加工、化学的加工など様々な方法で形成することができる。図8a~図8dでは、第1絶縁層111とガラス層110を一括して貫通するものと示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1絶縁層111を貫通する貫通孔を形成した後に、これに対応するようにガラス層110を貫通して第2貫通孔h2を形成することもできる。この場合には、第1絶縁層111を貫通する部分とガラス層110を貫通する部分が切断面上で互いに幅が異なるように形成されることもでき、テーパの程度も異なることができる。
【0075】
図9a~図9dは、プリント回路基板の製造方法のうち、第2絶縁層112の形成段階を示した斜視図及び断面図である。具体的には、図9aは展開斜視図であり、図9bはガラス層110の上面平面図であり、図9cは図9bにおけるI-I’線に沿った切断断面図であり、図9dは図9bにおけるII-II’線に沿った切断断面図である。
【0076】
図9aを参照すると、ガラス層110の上下に第2絶縁層112を形成することができる。第2絶縁層112は、第1絶縁層111を形成する工程と同じ工程で行われることができるが、これに限定されず、第1絶縁層111を形成する段階は公知のプリント回路基板の絶縁層の積層方法で行われることができる。
【0077】
第2絶縁層112が第2貫通孔h2を満たすように形成されることによって、ガラス層110の側面の一部は第2絶縁層112によって覆われることができる。特に、図9dを参照すると、ガラス層110の側面の一部が第1絶縁層111によって覆われ、残りの一部は第2絶縁層112によって覆われる。
【0078】
図10は、プリント回路基板の製造方法のうち他の構成をさらに形成する段階を示した断面図である。具体的には、図10は、第2ビア層132、第2配線層122、第3絶縁層113、第3ビア層133等がさらに形成されることを示した断面図である。
【0079】
図10は、図9bのI-I’線に沿った切断断面図である図9cに基づいて表され、ガラス層110の一部は第1絶縁層111によって覆われ、他の一部は第2絶縁層112によって覆われていることを示している。
【0080】
図11は、プリント回路基板の製造方法のうち単位領域を分離する段階を示した断面図である。
【0081】
切断線uに沿ってプリント回路基板を個別単位領域に分離するものであり、不要なダミー領域は除去されることができる。単位領域を分離する段階は、いわゆる単一化(singulation)と理解されることができ、ソーイング(sawing)、レーザ加工など公知のストリップ基板の単一化(singulation)の方法であれば制限なく利用できるものである。
【0082】
(プリント回路基板)
図12a~図12eは、様々な一例によるプリント回路基板のそれぞれのガラス層110を上部から見た上面断面図である。具体的には、各図面において、上側には単一化(singulation)の前段階を示し、下側には単一化(singulation)の後にプリント回路基板のガラス層110の上面断面図を示した。
【0083】
図12aは、一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図を示しているため、これに対する重複する説明は省略する。
【0084】
図12bは、他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12bを参照すると、ガラス層110のコーナー部の一部は、第1絶縁層111によって覆われる。これは、第1貫通孔h1の形成時に切断線uのコーナー部に第1貫通孔h1を形成した結果である。第1貫通孔h1は切断線uのコーナー部に形成されるが、第1貫通孔h1は切断線uの角に延びないように形成されるため、応力を分散することができる。
【0085】
図12cは、また他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12cを参照すると、第2貫通孔h2は、切断線uにより近接して形成されることができ、切断線uと実質的に同じ面を有するように形成されることができる。すなわち、第1貫通孔h1を先に形成し、第1絶縁層111を形成した後に第2貫通孔h2を形成するため、第2貫通孔h2はガラス層110の一部だけを除去してダミー領域と単位領域を分離させるだけでよい。したがって、第2貫通孔h2は、より大きく形成されないことができ、単位領域の切断線uまで最小限に形成することができる。これにより、第2貫通孔h2の形成時に応力を分散させることができる。第2貫通孔h2の形状に応じて第2絶縁層112が配置されることができることは上述した通りである。一方、また他の一例によるプリント回路基板は、単一化(singulation)工程の後には、一例に係るプリント回路基板と同じ構造を有することができる。
【0086】
図12dは、また他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12dを参照すると、切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2は段差を有することができる。具体的には、図12dを参照すると、切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2は、階段状の段差を含むことができる。すなわち、第2貫通孔h2が切断線uのコーナー部に形成されるとき、応力分散のために階段状の段差を有することができる。第2貫通孔h2の形状に応じて第2絶縁層112が配置され得ることは上述した通りであるため、ガラス層110のコーナー部を覆う第2絶縁層112も上面平面図から見たとき、階段状の段差を有することができる。このとき、第1コーナー部は複数の第1コーナー面を有することができ、第1コーナー部は第1側面と第1コーナー面が接する角、第3側面と第1コーナー面が接する角以外にも複数の第1コーナー面が互いに接する角を含むことができる。すなわち、第1コーナー部は、第1側面と第3側面との間に第1側面及び第3側面と区別することができる複数のコーナー面を有することができる。なお、第1コーナー部に関する説明は、第2コーナー部~第4コーナー部にも同様の趣旨で適用できることはもちろんである。図12dでは、コーナー部ごとにそれぞれ3つの変曲点を有するものとして示したが、これに限定されるものではなく、より多くの数の変曲点を有し、より多くの段差を有することもできる。一方、変曲点が多いほど貫通孔加工時にガラス層110に作用する応力を分散することができるため、破損により有利な構造を有することができる。なお、図12dに示された内容に限定されず、第1コーナー部は曲面を有することもできる。第1コーナー部が曲面を有する場合には、一例に係るプリント回路基板で上述したように、第1側面及び第3側面上の不連続的な位置を角として理解することができ、曲面間に形成される変曲点を角として理解することができる。なお、また他の一例に係るプリント回路基板のガラス層110のコーナー部の形状は、図12bに示された他の一例に係るプリント回路基板にも適用され得ることはもちろんである。
【0087】
図12eは、また他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12eを参照すると、第2貫通孔h2は切断線uにより近接して形成されることができ、切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2は階段状の段差を含むことができる。これは、図12cにおいて示されたまた他の一例に係るプリント回路基板と、図12dに示されたまた他の一例に係るプリント回路基板の構成が適用された一例である。一方、また他の一例によるプリント回路基板は、単一化(singulation)工程の後には、図12dに示されたまた他の一例によるプリント回路基板と同じ構造を有することができる。
【0088】
図12fは、また他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12fを参照すると、ガラス層110の側面は第1絶縁層111によって覆われることができ、ガラス層110のコーナー部は第2絶縁層112によって覆われることができる。ガラス層のコーナー部は、ガラス層110の側面と鈍角をなすように形成されることができる。一例に係るプリント回路基板は、第2貫通孔h2が切断線uの角領域に延びないため、第2絶縁層112はガラス層110のコーナー部を覆うことができ、ガラス層110のコーナー部のみを覆うことができる。ガラス層110が直交する「L」字のコーナーを有さないことによって応力分散の効果を得ることができることはもちろんである。
【0089】
図12gは、また他の一例によるプリント回路基板のガラス層110の上面断面図である。図12gを参照すると、図12fに示されたまた他の一例によるプリント回路基板にガラス層110のコーナー部の形状が変形された例である。切断線uのコーナー部に形成される第2貫通孔h2は階段状の段差を含むことができ、これにより、ガラス層110のコーナー部を覆う第2絶縁層112は、階段状の段差を含むことができる。
【0090】
一方、図12a~図12gの様々な一例に係るプリント回路基板においてガラス層の形状、第1絶縁層111及び第2絶縁層112の配置等に関する説明以外の説明は、一例に係るプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法における説明と同様に適用されることができるため、重複する説明は省略する。
【0091】
本開示において、覆うという表現及びカバーするという表現は、全体的に覆う場合だけでなく、少なくとも一部を覆う場合を含むことができ、また直接覆う場合だけでなく間接的に覆う場合も含むことができる。また、満たすという表現は、完全に満たす場合だけでなく、大略的に満たす場合を含むことができ、例えば、一部空隙やボイドなどが存在する場合を含むことができる。
【0092】
本開示において、実質的には製造段階上で発生する段階誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含んで判断することができる。例えば、実質的に垂直であるということは、完全に垂直な場合だけでなく、大略的に垂直な場合も含むことができる。また、実質的に共面であるということは、完全に同一平面に存在する場合だけでなく、大略的に同一平面に存在する場合も含むことができる。
【0093】
本開示において、同じ絶縁材料は、完全に同じ絶縁材料である場合だけでなく、同じタイプの絶縁材料を含むことを意味することができる。したがって、絶縁材料の組成は実質的には同じであるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なることができる。
【0094】
本開示において、断面上での意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューで見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上での意味は、対象物を水平に切断したときの平面形状、または対象物を上面または底面で見たときの平面形状であることを意味することができる。
【0095】
本開示において、下側、下部、下面などは、便宜上図面の断面を基準に下方方向を意味するものとして用い、上側、上部、上面などはその逆方向を意味するものとして用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲がこのような方向に対する記載によって特に限定されるものではないことはもちろんであり、上/下の概念はいつでも変わることができる。
【0096】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合を全て含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0097】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0098】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定する意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0099】
110 ガラス層
111 第1絶縁層
112 第2絶縁層
113 第3絶縁層
121 第1配線層
122 第2配線層
123 第3配線層
130 貫通ビア
131 第1ビア層
132 第2ビア層
133 第3ビア層
140 はんだレジスト層
h0 ビアホール
h1 第1貫通孔
h2 第2貫通孔
u 切断線
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラ
1060 アンテナ
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 マザーボード
1120 部品
1121 部品パッケージ
1130 カメラモジュール
1140 スピーカー
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図8d
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図12f
図12g