(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015416
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】流体圧縮装置及び充填ステーション
(51)【国際特許分類】
F04B 7/04 20060101AFI20250123BHJP
F04B 15/08 20060101ALI20250123BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
F04B7/04
F04B15/08
F04B23/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024066661
(22)【出願日】2024-04-17
(31)【優先権主張番号】2307684
(32)【優先日】2023-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ベニスタン-エクトル
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル・グティエレス
【テーマコード(参考)】
3H070
3H071
3H075
【Fターム(参考)】
3H070AA07
3H070BB00
3H070CC07
3H070CC32
3H070CC35
3H070DD01
3H070DD11
3H071AA15
3H071BB01
3H071CC26
3H071CC32
3H071CC34
3H071DD01
3H071DD11
3H075AA15
3H075BB03
3H075CC18
3H075CC33
3H075CC35
3H075DA03
3H075DA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】比較的簡単で、非常に良好な部品の位置合わせが確実になり、また摩耗部品の耐用年数が向上する流体圧縮装置を提供する。
【解決手段】圧縮チャンバ(4)と、吸入システム(6)と、静止構造体(24、25)に対して圧縮チャンバ(4)内で長手方向(A)に並進運動可能なピストン(5)と、圧縮チャンバ(4)と連通し、かつ圧縮流体が出て行く排出オリフィス(7)と、を備え、ピストン(5)は、静止構造体(24、25)に接続された静止中央ガイド(8)の周りに取り付けた管状部分(15)を備え、圧縮チャンバ(4)は、ピストン(5)の管状部分(15)及び中央ガイド(8)の終端部によって画定され、中央ガイド(8)は、ピストン(5)の本体に形成された長手方向開口部(50)の支持部(9)を介して静止構造体(24、25)に接続され、支持部(9)の周りでのピストン(5)の相対的な長手方向摺動を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に極低温流体のための流体圧縮装置(1)であって、圧縮チャンバ(4)と、前記圧縮チャンバ(4)と連通している吸入システム(6)と、前記圧縮チャンバ(4)内の前記極低温流体を圧縮するために長手方向(A)に並進運動可能な軸体を備えるピストン(5、15)と、を備え、前記ピストン(5)は、前記流体圧縮装置(1)の静止構造体(24、25)に対して運動可能であり、
前記流体圧縮装置(1)は、前記圧縮チャンバ(4)と連通しており、かつ圧縮流体が出て行くことを可能にするように設計された排出オリフィス(7)を備え、前記ピストン(5)の本体は、前記静止構造体(24、25)に接続された静止中央ガイド(8)の周りに取り付けられた管状部分(15)を備え、
前記流体圧縮装置(1)は、前記静止中央ガイド(8)と前記ピストン(5)の前記管状部分(15)との間に形成されたシールシステム(10)を備え、前記圧縮チャンバ(4)は、前記ピストン(5)の前記管状部分(15)及び前記静止中央ガイド(8)の終端部によって画定され、前記静止中央ガイド(8)は、前記ピストン(5、15)の本体に形成された長手方向開口部(50)に受容された支持部(9)を介して前記静止構造体(24、25)に接続されており、前記支持部(9)の周りでの前記ピストン(5)の相対的な長手方向摺動を可能にする、流体圧縮装置(1)において、
前記ピストン(5)の並進運動中に、前記ピストン(5)の本体が、前記支持部(9)を通り抜けることなく前記支持部(9)の周りで摺動することを特徴とする、流体圧縮装置(1)。
【請求項2】
前記ピストン(5、15)の前記長手方向開口部(50)が、幾つかの分岐路(125)を有する前記ピストン(5)の本体のフォーク形状部分によって画定されており、前記長手方向開口部(50)が、前記分岐路(125)間の間隔によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項3】
前記支持部(9)が、前記長手方向(A)に対して横方向に、前記ピストン(5)の本体を越えて突出する2つの側方端部間に延在し、前記支持部(9)の2つの前記側方端部の各々が、前記静止構造体(24、25)に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項4】
前記静止中央ガイド(8)が、ねじ留め、嵌合、及び弾性変形のうちの少なくとも1つによって前記支持部(9)に堅固に接続され、前記支持部(9)が、例えば、突合せ、嵌合、クランプ、又はねじ留めによって、前記静止構造体(24、25)に堅固に接続されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項5】
前記支持部(9)が、長手方向(A)において前記支持部(9)の両側に位置する2つの長手方向保持停止部(123、124)間で、前記静止構造体(24、25)内に長手方向に静止して保持されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項6】
前記静止構造体が、前記ピストン(5)の周りで互いに長手方向に接合された2つの管状ハウジング部分(24、25)を備えることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項7】
2つの前記管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、請求項5に従属する請求項6に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項8】
前記流体圧縮装置が、前記ピストン(5)の本体の周りに取り付けられたスペーサ(23)を備え、前記スペーサ(23)が、前記ピストン(5)の本体と前記2つの管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方との間に配置され、前記スペーサ(23)が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、請求項6又は7に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項9】
前記支持部(9)が、前記静止構造体(24、25)によって形成された横方向保持停止部(24)によって前記長手方向(A)に対して横方向に静止して保持されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項10】
前記排出オリフィス(7)が、前記静止中央ガイド(8)の前記終端部に位置し、前記流体圧縮装置(1)が、前記排出オリフィス(7)に接続された第1の端部と、前記長手方向(A)において前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを備える、前記圧縮流体のための排出回路(11)を備え、前記圧縮流体のための前記排出回路(11)が、前記静止中央ガイド(8)の本体及び前記支持部(9)を通っていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項11】
前記ピストン(5)の本体が、分解可能な様式で互いに長手方向に接合された幾つかの部品から作られていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項12】
前記ピストン(5)の本体の前記管状部分(15)と前記フォーク形状部分とが、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合されていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項11に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項13】
前記流体圧縮装置が、2段階圧縮装置であり、予圧チャンバ(3)を備え、前記予圧チャンバ(3)と連通している先行吸入システム(2)が、流体が前記予圧チャンバ(3)に入ることを可能にするように設計されており、前記吸入システム(6)が、前記予圧チャンバ(3)内の圧縮流体が前記圧縮チャンバ(4)に追加の圧縮のために移送されることを可能にするために、前記予圧チャンバ(3)と連通していることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項14】
前記流体圧縮装置が、前記静止構造体(24、25)に接続され、かつ膨張空間及び液相を含む極低温流体の槽(16)を収容するように設計された流体密封筐体(13)を備え、前記圧縮チャンバ(4)が、前記槽(16)に浸漬されるように前記流体密封筐体(13)内に設置されていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項15】
加圧ガスをタンク又はラインに充填するためのステーションであって、前記ステーションは、液化ガス、特に液化水素の供給源(17)、及び前記供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンク(190)に接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路(18)を備え、前記引出し回路(18)は、請求項1~14のいずれか一項に記載の汲み上げ装置(1)又は流体圧縮装置(1)を備える、ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体圧縮装置及び充填ステーションに関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、特に極低温流体のための流体圧縮装置に関し、本装置は、圧縮チャンバと、圧縮チャンバと連通している吸入システムと、圧縮チャンバ内の流体を圧縮するために長手方向に並進運動可能な軸体を備えるピストンと、を備え、ピストンは、装置の静止構造体に対して運動可能であり、本装置は、圧縮チャンバと連通しており、かつ圧縮流体が出て行くことを可能にするように設計された排出オリフィスを備え、ピストンの本体は、静止構造体に接続された静止中央ガイドの周りに取り付けられた管状部分を備え、本装置は、中央ガイドとピストンの管状部分との間に形成されたシールシステムを備え、圧縮チャンバは、ピストンの管状部分及び中央ガイドの終端部によって画定される。
【背景技術】
【0003】
既知の極低温ポンプのアーキテクチャは、比較的複雑であり、及び/又は比較的多数の部品が必要となり、及び/又は部品の早期摩耗を招く場合がある。
【0004】
特に、可動部品(ピストン)と静止部品(静止構造体)の相対配置には複雑な組み立てが必要となる。既知の解決手段は、ピストンのための支持体を形成するプレートを使用するものである。プレートを1つ又は複数のシャフトが横断して、アクチュエータ(モータ)(通常、上部部分にある)からスリーブ又はピストン(通常、下部部分にある)に力が伝達される。
【0005】
文献FR3107573A1には、先行技術からの例示的な汲み上げ装置が記載されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の1つの目的は、上に記載された先行技術の欠点の一部又は全部を軽減することである。
【0007】
この目的のために、本発明に係る装置は、そうでなければ上記序文で与えられた包括的な規定に記載されるように、中央ガイドが、ピストンの本体に形成された長手方向開口部に受容された支持部を介して静止構造体に接続されており、支持部の周りでのピストンの相対的な長手方向摺動を可能にすることを本質的に特徴とする。
【0008】
この配置構成は、比較的簡単であり、非常に良好な部品の位置合わせが確実になる。これにより、摩耗部品(シール、ワイパーシール、ガイドリング)の耐用年数が向上する。
【0009】
この配置構成により、全部品の簡単かつ確実で再現可能な組み立てが可能になる。
【0010】
更に、本発明の実施形態は、
- ピストンの並進運動中に、ピストンの本体が、支持部を通過することなく支持部の周りで摺動し、
- ピストンの長手方向開口部が、幾つかの分岐路を有するピストンの本体のフォーク形状部分によって画定されており、長手方向開口部が、分岐路間の間隔によって形成されており、
- 支持部が、長手方向に対して横方向に、ピストンの本体を越えて突出する2つの側方端部間に延在し、支持部の2つの側方端部の各々が、構造体に接続されており、
- 中央ガイドが、ねじ留め、嵌合、及び弾性変形のうちの少なくとも1つによって支持部に堅固に接続され、支持部が、例えば、突合せ(butting)、嵌合、クランプ、又はねじ留めによって、静止構造体に堅固に接続されており、
- 支持部が、長手方向において支持部の両側に位置する2つの長手方向保持停止部間で構造体内に長手方向に静止して保持されており、
- 構造体が、ピストンの周りで互いに長手方向に接合された2つの管状ハウジング部分を備え、
- 2つの管状ハウジング部分の少なくとも一方が、支持部の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成しており、
- 本装置が、ピストンの本体の周りに取り付けられたスペーサを備え、スペーサが、ピストンの本体と2つの管状ハウジング部分の少なくとも一方との間に配置され、スペーサが、支持部の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成しており、
- 支持部が、構造体によって形成された横方向保持停止部によって長手方向に対して横方向に静止して保持されており、
- 排出オリフィスが、中央ガイドの終端部に位置し、本装置が、排出オリフィスに接続された第1の端部と、長手方向において第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを備える、圧縮流体のための排出回路を備え、圧縮ガスのための排出回路が、中央ガイドの本体及び支持部を通っており、
- ピストンの本体が、分解可能な様式で互いに長手方向に接合された幾つかの部品から作られており、
- ピストンの本体の管状部分とフォーク形状部分とが、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合されており、
- 本装置が、2段階圧縮装置であり、予圧チャンバを備え、予圧チャンバと連通している先行吸入(pre-intake)システムが、流体が予圧チャンバに入ることを可能にするように設計されており、吸入システムが、予圧チャンバ内の圧縮流体が圧縮チャンバに追加の圧縮のために移送されることを可能にするために、予圧チャンバと連通しており、
- 本装置が、構造体に接続され、かつ膨張空間及び液相を含む極低温流体の槽を収容するように設計された流体密封筐体を備え、圧縮チャンバが、槽に浸漬されるように筐体内に設置されており、
- ピストンの並進運動の長手方向において、先行吸入システムは、装置の第1の端部、好ましくは下端部に位置し、排出オリフィスは、装置の第2の端部、好ましくは上端部に位置し、先行吸入システムは、ピストンの長手方向位置に依存して予圧チャンバと外部槽との連通を可能にするか又は防止する1つ又は複数のポートを備え、
- 1つ又は複数のポートが、ピストンが該ポートを越えて運動するとき、すなわちピストンが1つ又は複数のポートの少なくとも一部を越えて位置するとき、予圧チャンバと外部槽との連通を可能にするように配置され、吸入フェーズ中、予圧チャンバの容積が増加しているとき、1つ又は複数のポートは、予圧チャンバ内の任意のガスを1つ又は複数のポートを介して外部槽に逃がして液体に置き換えるように設計され、圧縮フェーズ中、すなわちピストンが予圧チャンバの容積を減少させているとき、1つ又は複数のポートは、第1の予圧チャンバとの連通を終える前に、余剰液体を逃がし、予圧チャンバ内に溜められた液体の体積を決定値まで計量供給するように設計されており、
- 吸入システムは、圧縮される流体を吸入フェーズ中に圧縮チャンバ(予圧チャンバ)に入らせ、圧縮フェーズ中に流体が出て行くことを防止するように設計された、1つ又は複数の逆止弁、少なくとも1つの平たい円板弁のうちの少なくとも1つを備える、という特徴のうちの1つ又は複数を有し得る。
【0011】
本発明はまた、加圧ガスのタンク又はラインを充填するためのステーションに関し、本ステーションは、液化ガス、特に液化水素の供給源、及び供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンクに接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路を備え、引出し回路は、上記又は下記の特徴のいずれか1つに係る汲み上げ装置又は流体圧縮装置を備える。
【0012】
本発明はまた、特許請求の範囲内の上記又は下記の特徴の任意の組合せを備える任意の代替のデバイス又は方法に関し得る。更なる特定の特徴及び利点が、図を参照して提供される以下の説明を読むと明らかになる。
【0013】
本発明は、添付図面を参照して単に例として与えられる以下の説明を読むと、より理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態に係る流体圧縮装置の第1の断平面から見た概略的な部分縦断面図である。
【
図2】
図1の流体圧縮装置の第1の断平面に対して直角の第2の断平面から見た概略的な部分縦断面図である。
【
図3】分解状態の
図1の流体圧縮装置の概略的な部分透視図である。
【
図4】部分的に分解された流体圧縮装置の詳細の第1の断平面から見た概略的な部分縦断面図である。
【
図5】部分的に分解された流体圧縮装置の詳細の第2の断平面から見た概略的な部分縦断面図である。
【
図6】第2の実施形態に係る流体圧縮装置の第1の断平面から見た概略的な部分縦断面図である。
【
図7】例示的なタンク充填ステーションの部分的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図全体を通して、同じ参照符号は同じ要素に関する。
【0016】
この詳細な説明において、以下の実施形態は例である。説明では1つ又は複数の実施形態について言及するが、これは、特徴が単一の実施形態にのみ適用されることを意味するわけではない。異なる実施形態の個々の特徴を、他の実施形態を提供するために組み合わせ及び/又は置き換えてもよい。
【0017】
図6に例示される流体圧縮装置1は、1つの圧縮段階を有する例示的な実施形態である。この圧縮装置1は、例えば、極低温流体、例えば液体水素を、好ましくは高圧(典型的には数百バール)で汲み上げるためのポンプである。
【0018】
圧縮装置1は、圧縮チャンバ4と、圧縮チャンバ4と連通している吸入システム6と、長手方向Aに並進運動可能な軸体を備えるピストン5とを備え、ピストン5の一端が、圧縮チャンバ4内の流体を圧縮する。
【0019】
装置1は、静止部品及び可動部品の大部分を担持する静止構造体24、25と、特に、構造体24、25に接続され、膨張空間及び液相を含む極低温流体の槽16を収容するように設計された流体密封筐体13とを有する。圧縮チャンバ4は、槽16に浸漬されるように筐体13内に設置される。
【0020】
例示されるように、構造体は、例えばねじ留めによって、ピストン5の周りで互いに気密に長手方向に接合された2つの管状ハウジング部分24、25(又はスリーブ)を備え得る。
【0021】
ピストン5は、構造体内で長手方向Aに交互する動きで並進運動可能である。ピストン5は、例えば、アクチュエータ21(任意選択的に運動変換システムに関連付けられたモータ)によって運動される。アクチュエータ21は、好ましくは、装置1の上部に位置し、例えば、構造体に取り付けられている。
【0022】
任意のタイプのアクチュエータ21、例えば、油圧シリンダ、及び電気機械シリンダ、ボールねじ、ローラねじ、又は、ギアモータ、モータ、及びベルト、若しくは直接駆動モータによってそれ自体が駆動される回転スライダクランク運動変換システムなどのリニアアクチュエータが使用され得る。
【0023】
圧縮装置1は、圧縮チャンバ4と連通している、圧縮流体が出て行くことを可能にするように設計された排出オリフィス7を備える。ピストン5の本体は、静止中央ガイド8の周りに取り付けられた管状部分15を備える。例えば円筒形である中央ガイド8は、構造体24、25に接続されている。
【0024】
中央ガイド8とピストン5の管状部分15との間には、シールシステム10が設けられている。このシールシステムは、例えばOリングのセットなどのガスケットのセットを備え、中央ガイドに対して管状部分15をガイドする1つ又は複数のガイドリングに関連付けられていてよい。
【0025】
よって、圧縮チャンバ4は、ピストン5の管状部分15と中央ガイド8の終端部とによって画定される。
【0026】
例示されるように、圧縮チャンバ4の全体がピストン5の管状部分に収容され得る。
【0027】
例示されるように、使用位置にあるとき、ピストン5は、好ましくは垂直であり、吸入システム6、排出オリフィス7、圧縮流体の出口、及びアクチュエータが、この順序で下から上に位置付けられている。
【0028】
排出オリフィス7は、好ましくは、中央ガイド8の下部終端部に位置する。装置1は、圧縮流体のための排出回路11を備え、排出回路11は、排出オリフィス7に接続された第1の端部と、装置1の第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを備える。この圧縮ガスのための排出回路11は、好ましくは、中央ガイド8の本体の内部を通り、適切なチャネルを介して支持部9を通っている。
【0029】
この非限定的な例示的な実施形態では、圧縮チャンバ4内の流体は、ピストン5の上昇行程(牽引力)によって圧縮される。
【0030】
概略的に図示するように、中央ガイド8は、ピストン5、15の本体に形成された長手方向開口部50に受容された支持部9を介して静止構造体24、25に接続されており、支持部9の周りでのピストン5の相対的な長手方向摺動を可能にする。
【0031】
ピストン5の並進運動中、ピストン5の本体は、好ましくは支持部9を通過することなく、支持部9の周りで摺動する。
【0032】
これは、2つの圧縮段階を有する別の実施形態を例示する
図1、
図2、及び
図3にも例示されている。
図1、
図2、及び
図3の実施形態は、
図6の実施形態とは、2つの圧縮段階を有することのみが異なっている。同じ要素を同じ参照符号によって示し、2回目の説明は行わない。2つの圧縮段階を有する実施形態は、予圧チャンバ3と、予圧チャンバ3と連通しており、槽16内の流体が予圧チャンバ3に入ることを可能にするように設計された先行吸入システム2とを備える。
【0033】
この構成では、予圧チャンバ3は、その下端部において、例えば、管状部分をその下端部で横方向に閉鎖する下部フランジ12(又はシャッタ)によって画定されている。このフランジ12は、先行吸入システム2(適切な1つ又は複数の弁)を含み得る。この下部フランジ12は、予圧チャンバ3内の圧力増加を制限するように設計されたオーバーフロー弁も含み得る。この下部フランジ12は、任意選択的に、低温端(ここに組み立てられた機械部品のすべて)を筐体13に対して中心に置くために使用され得る。これは、筐体13に対して低温端を保持するための部材を介して筐体13と予圧チャンバの低温端との位置合わせを確実にするために(及び任意の振動を制限するために)行われ得る。
【0034】
圧縮チャンバ4の吸入システム6は、予圧チャンバ3と連通しており、予圧チャンバ3内の圧縮流体(第1の圧縮段階)が圧縮チャンバ4に追加の圧縮(第2の圧縮段階)のために移送されることを可能にする。
【0035】
第1の圧縮段階は、この例では、ピストン5の下降行程(ピストン圧縮)によって実行され、第2の圧縮段階は、ピストン5の上昇行程(トラクション増加)によって実行され、以下同様に行われる。
【0036】
よって、ピストン5の下端部は、予圧チャンバ3内の流体を圧縮するための可動面を形成するが、ピストン5の管状部分は、中央ガイド8の終端部と協働して圧縮チャンバ4内の流体を圧縮するためのシステムを形成する可動スリーブを形成し、中央ガイド8の終端部は、静止ピストンを形成する。
【0037】
したがって、ピストン5の並進の長手方向Aは、好ましくは垂直であり、先行吸入システム2は、装置1の第1の下端部に位置し、排出オリフィス7は、装置1の第2の上端部に位置する。
【0038】
好ましくは、予圧チャンバ内の流体先行吸入システムは、予圧チャンバを画定する壁の上部に形成された1つ又は複数のポート若しくはスロット(簡略化のためにポートは図示せず)を備え、ピストン5の長手方向位置に依存して予圧チャンバ3と外部槽16との連通を可能にするか又は防止する。
【0039】
1つ又は複数のポートは、ピストン5が該ポートを越えて運動するとき、すなわちピストン5が1つ又は複数のポートの少なくとも一部を越えて位置するとき、予圧チャンバ3と外部槽16との連通を可能にするように長手方向に配置され得る。吸入フェーズ中、予圧チャンバ3の容積が増加しているとき、1つ又は複数のポートは、予圧チャンバ3内の任意のガスを1つ又は複数のポートを介して外部槽16に逃がして液体に置き換えるように設計されている。圧縮フェーズ中、すなわちピストン5が予圧チャンバ3の容積を減少させているとき、1つ又は複数のポートは、第1の予圧チャンバ3との連通を終える前に、余剰液体を逃がし、予圧チャンバ3内に溜められた液体の体積を決定値まで計量供給するように設計されている。
【0040】
先行吸入システム2及び吸入システム6は、圧縮される流体を吸入フェーズ中に関連するチャンバ(圧縮/予圧)に入らせ、圧縮フェーズ中に流体が出て行くことを防止するように設計された、1つ又は複数の逆止弁、少なくとも1つの平たい円板弁のうちの少なくとも1つを備え得る。
【0041】
特に
図2に示すように、支持部9を受容するピストン5の長手方向開口部50は、2つの分岐路125を有するピストン5の本体のフォーク形状部分によって画定され得る。したがって、長手方向開口部50は、平行な分岐路125間の間隔によって形成され得る。
【0042】
そして支持部9は、長手方向Aに対して横方向に、ピストン5の本体を越えて突出する2つの側方端部間に延在し得る。支持部9の2つの側方端部の各々は、ピストン5の本体の両側で構造体24、25に接続又は固定され得る。
【0043】
支持部9は、長手方向Aにおいて支持部9の両側に位置する2つの長手方向保持停止部123、124間で構造体24、25内に長手方向に静止して保持され得る。例えば、2つの管状部分24、25(又はスリーブ)は、ピストン5の周りで長手方向に互いに接合されている。これにより、部品8、9、24、25間の力の伝達が最適化される。
【0044】
管状ハウジング部分のうちの一方(例えば、下部部分24)が、支持部9の長手方向端部(例えば、下端部)を受容する長手方向保持停止部124を形成し得る。
【0045】
例示されるように、スペーサ23、例えば管状スペーサが、ピストン5の本体と2つの管状ハウジング部分24、25のうちの一方(例えば、下部管状部分24)との間でピストン5の本体の周りに取り付けられ得る。スペーサ23の上端部は、例えば、上部管状部分25によって形成された肩部に突き当たる。スペーサ23の下端部は、例えば、支持部9の上部部分に当接する。したがって、支持部9は、スペーサ23と下部管状部分24との間で構造体24、25によって長手方向にブロックされる。
【0046】
よって、スペーサ23は、支持部9の上方に設置され、支持部9を押さえておくことができ、更に、静止中央ガイド8を保持するための反力を提供する。
【0047】
よって、力はハウジングの上部部分25に伝達される。このスペーサ23により、上部ハウジング部分25と下部ハウジング部分24との間のセンタリングも確実になる。
【0048】
例示された例では、スペーサ23は管形状である。当然ながら、このスペーサは、例えば支持部とハウジング部分24、25の一方又は他方との間に介在する、例えば全体的なリング形状などの任意の他の幾何学的形状を有してもよい。
【0049】
同様に、スペーサ23は省略されてもよい。この場合、支持部9の上部は、例えば、管状ハウジングの部分24によって長手方向にブロックされ得る。
【0050】
支持部9は、例えば、それを囲む構造体の管状ハウジング部分24によって、長手方向Aに対して横方向にブロックされている。
【0051】
したがって、支持部9は、停止静止構造体24、25に堅固に接続され得るが、例えば、嵌合、クランプ、及びねじ留めがすべて可能である。
【0052】
以下で詳述するように、中央ガイド8は、ねじ留め、嵌合、及び弾性変形のうちの少なくとも1つによって支持部9に堅固に接続され得る。
【0053】
図3及び
図4及び
図5に例示するように、ピストン5の本体は、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合される幾つかの部品で作られ得る。
【0054】
例えば、ピストン5の本体の下部管状部分15とフォーク形状の上部部分とは、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合されている。同様に、フォーク形状部分と上部全体部分との接合は、分離可能な様式で接合され得る。
【0055】
このようなアーキテクチャは、比較的少ない部品ですみ、容易な組み立て及び分解を可能にしながら確実な動作を確実にする。
【0056】
主要構成部品の組み立ての1つの例を、以下で
図3を参照して説明する。
【0057】
第1のステップでは、支持部9が、ピストン5の長手方向開口部50に横方向に挿入され得る。
【0058】
この支持部9は、摺動プレート(例えば、PTFEコーティングを有する銅プレート)がその外面にある状態で取り付けられ、2つの部品125と9との相対的な摺動を確実にするために、長手方向開口部50に対して十分な遊びを有し得る。
【0059】
アーキテクチャは、長手方向における部品の良好な位置合わせを可能にし、これにより、シール10の良好なシール及び良好な耐久性が確実になり、保証される。
【0060】
支持部9はまた、好ましくは、組み立て中にピストン5の2つの長手方向端部間の最適な位置合わせを確実にするために、下部ハウジング部分24内に遊びがある状態で取り付けられる。
【0061】
中央ガイド8の上端部が、例えば、ピストン5のフォーク形状部分の下端部に形成された通路(例えば、ボア)を通るねじ留めによって、部品9に堅固に接続され得る。次いで、ピストンの下端部を形成する管状部分15が、中央ガイド8の周りに取り付けられ、ピストン5のフォーク形状の上部部分に固定され得る。
【0062】
当然ながら、ピストンの上部部分及び下部部分は、異なる方法で、異なる長手方向の箇所で固定されてもよい。例えば、ピストン5の2つの部品が、例えばねじ付きベースを介して、管状部分15(スリーブ)の底部で分離可能であってもよい。同様に、ピストン5は単一部品であってもよい。同様に、ピストン5は、分離可能に共に接合された2つよりも多い部品からなっていてもよい。例えば、上端部は、幾つかの分離可能な部品、特に3つの部品から作られていてよい。
【0063】
この支持部9を有するアセンブリが、構造体の下部管状ハウジング部分24内に設置され得る。この場合、スペーサ23が、ピストン5の周りに取り付けられ得る。
【0064】
次いで、得られたアセンブリは、構造体の上部管状ハウジング部分25の上部に配置され得る。ピストン5の上端部が、上部管状ハウジング部分25(構造体の上部)に挿入される。構造体の2つの部品24、25は、例えばアセンブリフランジを含む2つの端部で、例えばねじ留めによって互いに接合され得る。
【0065】
代替的に、スペーサ23が、支持部9の上方に取り付けられてもよく、次いでピストン5の上端部が、構造体の上部ハウジング部分25に挿入されてもよい。次いで、下部ハウジング部分24が上部ハウジング部分25に接合され得る。
【0066】
代替的に、アセンブリはスペーサ23を含まない。
【0067】
ピストン5の上部は、好ましくは、スリーブを形成する上部ハウジング部分25内でガイドされる。このガイドは、ピストン5と接触する1つ又は複数の介在するガイドリングによって提供され得る。ガイドリングは、低摩擦係数を有する材料(例えば、PTFEと青銅、又はPTFEと炭素)で作られていてよい。
【0068】
ピストン5はまた、(必要な場合には、1つ又は複数のリングも用いて)下部ハウジング部分24内の管状部分15の周りで長手方向にガイドされ得る。
【0069】
下部ハウジング部分24とのシールをもたらすために、ピストンの管状部分の底部に担持されたシールのセット(例えばセグメント)が使用され得る。このシールのセットは、長手方向のガイドにも寄与し得る。
【0070】
支持部9は、中央ガイド8、排出オリフィス7を通って支持部9の本体を通ってきた圧縮チャンバ4から来る加圧流体のための出口105を含み得る。圧縮流体を収集して圧縮装置1の出口に搬送するために、排出回路11のラインが、この流体出口105に接続され得る。
【0071】
図2に示すように、下部ハウジング部分24は、このライン11、特にその接続端部が支持部9まで通ることを可能にするために側方開口部を含み得る。このラインを流体出口105に固定することは、例えば、金属付勢シール(metal energized seal)などのシールと関連付けられ得るねじ留め接続を使用して実行され得る。当然ながら、他の任意のタイプの円錐、NPT、又は他の高圧流体接続が使用されてもよい。
【0072】
上部ハウジング部分25は、静止しており、圧送される極低温流体の槽を収容する筐体13に堅固に接続されてもよいし、又はその一部であってもよい。特に、この静止構造体の上部は、筐体13の上部取付けフランジを備えてもよいし、又はそれからなっていてもよい。
【0073】
ピストン5のアクチュエータ21(適用可能な場合、モータ及び関連する機構)は、この上部構造体部分25に取り付けられ得る。アクチュエータ21は、ピストン5を並進運動させ、流体の異なる吸入フェーズ及び圧縮フェーズに必要な力を伝達するために、ピストン5の上端部に機械的に結合され得る。
【0074】
圧縮チャンバ4内での圧縮(牽引)中にピストン5(圧縮チャンバを画定する管状部分及びフォーク形状部分)によって発生する主な機械力は、圧縮チャンバを形成するピストンの端部によって吸収される。この力は、支持部9に伝達され、次いでスペーサ23に伝達され、構造体の上部部分25に伝達される。
【0075】
上述の配置構成及びその組み立て/分解により、機構の部品をガイド及び位置合わせすることが可能になる。
【0076】
部品数が抑えられ、組み立て/分解が簡単である。
【0077】
力(特に牽引力)の吸収が最適化される。これは、異なるシールの耐用年数が増加する助けとなる。
【0078】
当然のことながら、本発明は、上述の例に限定されない。例えば、スペーサ23は、(一体の又は別様の)上部ハウジング部分25の一部であってもよい。
【0079】
同様に、支持部9と中央ガイド8の少なくとも一部とは、結果として得られる部品を長手方向開口部50に挿入することができるならば、一体部品であってもよい。
【0080】
このタイプの圧縮装置1(又は直列若しくは並列の複数の圧縮装置)が、極低温流体の汲み上げ又は圧縮を必要とする任意の極低温設備において使用され得る。例えば、加圧ガス(例えば水素)のタンクを充填するためのステーションは、液化ガスの供給源17、及び供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンク190に接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路18を備えてよく、引出し回路18は、そのような汲み上げ装置1を備える。圧送された流体は、下流の交換器19で気化され、任意選択的に1つ又は複数の加圧バッファタンク20に貯蔵され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に極低温流体のための流体圧縮装置(1)であって、圧縮チャンバ(4)と、前記圧縮チャンバ(4)と連通している吸入システム(6)と、前記圧縮チャンバ(4)内の前記極低温流体を圧縮するために長手方向(A)に並進運動可能な軸体を備えるピストン(5、15)と、を備え、前記ピストン(5)は、前記流体圧縮装置(1)の静止構造体(24、25)に対して運動可能であり、
前記流体圧縮装置(1)は、前記圧縮チャンバ(4)と連通しており、かつ圧縮流体が出て行くことを可能にするように設計された排出オリフィス(7)を備え、前記ピストン(5)の本体は、前記静止構造体(24、25)に接続された静止中央ガイド(8)の周りに取り付けられた管状部分(15)を備え、
前記流体圧縮装置(1)は、前記静止中央ガイド(8)と前記ピストン(5)の前記管状部分(15)との間に形成されたシールシステム(10)を備え、前記圧縮チャンバ(4)は、前記ピストン(5)の前記管状部分(15)及び前記静止中央ガイド(8)の終端部によって画定され、前記静止中央ガイド(8)は、前記ピストン(5、15)の本体に形成された長手方向開口部(50)に受容された支持部(9)を介して前記静止構造体(24、25)に接続されており、前記支持部(9)の周りでの前記ピストン(5)の相対的な長手方向摺動を可能にする、流体圧縮装置(1)において、
前記ピストン(5)の並進運動中に、前記ピストン(5)の本体が、前記支持部(9)を通り抜けることなく前記支持部(9)の周りで摺動することを特徴とする、流体圧縮装置(1)。
【請求項2】
前記ピストン(5、15)の前記長手方向開口部(50)が、幾つかの分岐路(125)を有する前記ピストン(5)の本体のフォーク形状部分によって画定されており、前記長手方向開口部(50)が、前記分岐路(125)間の間隔によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項3】
前記支持部(9)が、前記長手方向(A)に対して横方向に、前記ピストン(5)の本体を越えて突出する2つの側方端部間に延在し、前記支持部(9)の2つの前記側方端部の各々が、前記静止構造体(24、25)に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項4】
前記静止中央ガイド(8)が、ねじ留め、嵌合、及び弾性変形のうちの少なくとも1つによって前記支持部(9)に堅固に接続され、前記支持部(9)が、例えば、突合せ、嵌合、クランプ、又はねじ留めによって、前記静止構造体(24、25)に堅固に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項5】
前記支持部(9)が、長手方向(A)において前記支持部(9)の両側に位置する2つの長手方向保持停止部(123、124)間で、前記静止構造体(24、25)内に長手方向に静止して保持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項6】
前記静止構造体が、前記ピストン(5)の周りで互いに長手方向に接合された2つの管状ハウジング部分(24、25)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項7】
2つの前記管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、請求項5に従属する請求項6に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項8】
前記流体圧縮装置が、前記ピストン(5)の本体の周りに取り付けられたスペーサ(23)を備え、前記スペーサ(23)が、前記ピストン(5)の本体と前記2つの管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方との間に配置され、前記スペーサ(23)が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、請求項6に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項9】
前記支持部(9)が、前記静止構造体(24、25)によって形成された横方向保持停止部(24)によって前記長手方向(A)に対して横方向に静止して保持されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項10】
前記排出オリフィス(7)が、前記静止中央ガイド(8)の前記終端部に位置し、前記流体圧縮装置(1)が、前記排出オリフィス(7)に接続された第1の端部と、前記長手方向(A)において前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを備える、前記圧縮流体のための排出回路(11)を備え、前記圧縮流体のための前記排出回路(11)が、前記静止中央ガイド(8)の本体及び前記支持部(9)を通っていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項11】
前記ピストン(5)の本体が、分解可能な様式で互いに長手方向に接合された幾つかの部品から作られていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項12】
前記ピストン(5)の本体の前記管状部分(15)と前記フォーク形状部分とが、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合されていることを特徴とする、請求項2に従属する請求項11に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項13】
前記流体圧縮装置が、2段階圧縮装置であり、予圧チャンバ(3)を備え、前記予圧チャンバ(3)と連通している先行吸入システム(2)が、流体が前記予圧チャンバ(3)に入ることを可能にするように設計されており、前記吸入システム(6)が、前記予圧チャンバ(3)内の圧縮流体が前記圧縮チャンバ(4)に追加の圧縮のために移送されることを可能にするために、前記予圧チャンバ(3)と連通していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項14】
前記流体圧縮装置が、前記静止構造体(24、25)に接続され、かつ膨張空間及び液相を含む極低温流体の槽(16)を収容するように設計された流体密封筐体(13)を備え、前記圧縮チャンバ(4)が、前記槽(16)に浸漬されるように前記流体密封筐体(13)内に設置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の流体圧縮装置(1)。
【請求項15】
加圧ガスをタンク又はラインに充填するためのステーションであって、前記ステーションは、液化ガス、特に液化水素の供給源(17)、及び前記供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンク(190)に接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路(18)を備え、前記引出し回路(18)は、請求項1又は2に記載の汲み上げ装置(1)又は流体圧縮装置(1)を備える、ステーション。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
このタイプの圧縮装置1(又は直列若しくは並列の複数の圧縮装置)が、極低温流体の汲み上げ又は圧縮を必要とする任意の極低温設備において使用され得る。例えば、加圧ガス(例えば水素)のタンクを充填するためのステーションは、液化ガスの供給源17、及び供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンク190に接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路18を備えてよく、引出し回路18は、そのような汲み上げ装置1を備える。圧送された流体は、下流の交換器19で気化され、任意選択的に1つ又は複数の加圧バッファタンク20に貯蔵され得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 特に極低温流体のための流体圧縮装置(1)であって、圧縮チャンバ(4)と、前記圧縮チャンバ(4)と連通している吸入システム(6)と、前記圧縮チャンバ(4)内の前記極低温流体を圧縮するために長手方向(A)に並進運動可能な軸体を備えるピストン(5、15)と、を備え、前記ピストン(5)は、前記流体圧縮装置(1)の静止構造体(24、25)に対して運動可能であり、
前記流体圧縮装置(1)は、前記圧縮チャンバ(4)と連通しており、かつ圧縮流体が出て行くことを可能にするように設計された排出オリフィス(7)を備え、前記ピストン(5)の本体は、前記静止構造体(24、25)に接続された静止中央ガイド(8)の周りに取り付けられた管状部分(15)を備え、
前記流体圧縮装置(1)は、前記静止中央ガイド(8)と前記ピストン(5)の前記管状部分(15)との間に形成されたシールシステム(10)を備え、前記圧縮チャンバ(4)は、前記ピストン(5)の前記管状部分(15)及び前記静止中央ガイド(8)の終端部によって画定され、前記静止中央ガイド(8)は、前記ピストン(5、15)の本体に形成された長手方向開口部(50)に受容された支持部(9)を介して前記静止構造体(24、25)に接続されており、前記支持部(9)の周りでの前記ピストン(5)の相対的な長手方向摺動を可能にする、流体圧縮装置(1)において、
前記ピストン(5)の並進運動中に、前記ピストン(5)の本体が、前記支持部(9)を通り抜けることなく前記支持部(9)の周りで摺動することを特徴とする、流体圧縮装置(1)。
[2] 前記ピストン(5、15)の前記長手方向開口部(50)が、幾つかの分岐路(125)を有する前記ピストン(5)の本体のフォーク形状部分によって画定されており、前記長手方向開口部(50)が、前記分岐路(125)間の間隔によって形成されていることを特徴とする、[1]に記載の流体圧縮装置(1)。
[3] 前記支持部(9)が、前記長手方向(A)に対して横方向に、前記ピストン(5)の本体を越えて突出する2つの側方端部間に延在し、前記支持部(9)の2つの前記側方端部の各々が、前記静止構造体(24、25)に接続されていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の流体圧縮装置(1)。
[4] 前記静止中央ガイド(8)が、ねじ留め、嵌合、及び弾性変形のうちの少なくとも1つによって前記支持部(9)に堅固に接続され、前記支持部(9)が、例えば、突合せ、嵌合、クランプ、又はねじ留めによって、前記静止構造体(24、25)に堅固に接続されていることを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[5] 前記支持部(9)が、長手方向(A)において前記支持部(9)の両側に位置する2つの長手方向保持停止部(123、124)間で、前記静止構造体(24、25)内に長手方向に静止して保持されていることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[6] 前記静止構造体が、前記ピストン(5)の周りで互いに長手方向に接合された2つの管状ハウジング部分(24、25)を備えることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[7] 2つの前記管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、[5]に従属する[6]に記載の流体圧縮装置(1)。
[8] 前記流体圧縮装置が、前記ピストン(5)の本体の周りに取り付けられたスペーサ(23)を備え、前記スペーサ(23)が、前記ピストン(5)の本体と前記2つの管状ハウジング部分(24、25)の少なくとも一方との間に配置され、前記スペーサ(23)が、前記支持部(9)の一方の長手方向端部に長手方向保持停止部を形成していることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の流体圧縮装置(1)。
[9] 前記支持部(9)が、前記静止構造体(24、25)によって形成された横方向保持停止部(24)によって前記長手方向(A)に対して横方向に静止して保持されていることを特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[10] 前記排出オリフィス(7)が、前記静止中央ガイド(8)の前記終端部に位置し、前記流体圧縮装置(1)が、前記排出オリフィス(7)に接続された第1の端部と、前記長手方向(A)において前記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部とを備える、前記圧縮流体のための排出回路(11)を備え、前記圧縮流体のための前記排出回路(11)が、前記静止中央ガイド(8)の本体及び前記支持部(9)を通っていることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[11] 前記ピストン(5)の本体が、分解可能な様式で互いに長手方向に接合された幾つかの部品から作られていることを特徴とする、[1]~[10]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[12] 前記ピストン(5)の本体の前記管状部分(15)と前記フォーク形状部分とが、例えばねじ留めによって、分解可能な様式で互いに長手方向に接合されていることを特徴とする、[2]に従属する[11]に記載の流体圧縮装置(1)。
[13] 前記流体圧縮装置が、2段階圧縮装置であり、予圧チャンバ(3)を備え、前記予圧チャンバ(3)と連通している先行吸入システム(2)が、流体が前記予圧チャンバ(3)に入ることを可能にするように設計されており、前記吸入システム(6)が、前記予圧チャンバ(3)内の圧縮流体が前記圧縮チャンバ(4)に追加の圧縮のために移送されることを可能にするために、前記予圧チャンバ(3)と連通していることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[14] 前記流体圧縮装置が、前記静止構造体(24、25)に接続され、かつ膨張空間及び液相を含む極低温流体の槽(16)を収容するように設計された流体密封筐体(13)を備え、前記圧縮チャンバ(4)が、前記槽(16)に浸漬されるように前記流体密封筐体(13)内に設置されていることを特徴とする、[1]~[13]のいずれか一項に記載の流体圧縮装置(1)。
[15] 加圧ガスをタンク又はラインに充填するためのステーションであって、前記ステーションは、液化ガス、特に液化水素の供給源(17)、及び前記供給源に接続された第1の端部と、充填されるタンク(190)に接続されることが意図された少なくとも1つの第2の端部とを有する引出し回路(18)を備え、前記引出し回路(18)は、[1]~[14]のいずれか一項に記載の汲み上げ装置(1)又は流体圧縮装置(1)を備える、ステーション。
【外国語明細書】