(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154163
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】害虫防除用組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 53/10 20060101AFI20251002BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20251002BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20251002BHJP
A01N 25/04 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
A01N53/10 210
A01P7/04
A01N25/30
A01N25/04 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057020
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390000527
【氏名又は名称】住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】金山 絵美
(72)【発明者】
【氏名】黒田 明
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC01
4H011BA05
4H011BB15
4H011BC03
4H011BC07
4H011DA15
(57)【要約】
【課題】保存安定性に優れる害虫防除用組成物を提供する。
【解決手段】
ピレトリン、ドデシル硫酸アンモニウム塩ならびに水およびアルコール類からなる群より選択される1種以上を含有する害虫防除用組成物。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピレトリン、ドデシル硫酸アンモニウム塩ならびに水およびアルコール類からなる群より選択される1種以上を含有する害虫防除用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、害虫防除用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の天然志向の高まりを背景に、害虫防除成分としてジョチュウギクエキスを含む害虫防除組成物が開発されている。
【0003】
特許文献1および2には、ジョチュウギクエキスを用い、さらに安全面を考慮した水性の害虫防除組成物が開示されているが、当該文献に開示されるように当該組成物に含まれる界面活性剤種によっては浮遊物、白濁が生じるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-176105
【特許文献2】特開2022-112444
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明者らは鋭意検討した結果、保存安定性に優れる害虫防除用組成物を見出し本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明は、
〔1〕 ピレトリン、ドデシル硫酸アンモニウム塩ならびに水およびアルコール類からなる群より選択される1種以上を含有する害虫防除用組成物。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、害虫防除組成物の保存安定性が優れたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に使用されるピレトリンは、ピレトリンI、II、シネリンI、II、ジャスモリンI、IIの6種類の天然ピレトリン類 、植物由来の不純物および溶剤を含んでいる。天然ピレトリン類の濃度が10%~80%のピレトリンを用いるのが好ましい。ピレトリンの含有量は、通常、害虫防除組成物全体量に対し0.01~5.0重量%である。
【0009】
本発明に使用されるドデシル硫酸アンモニウム塩は、例えば、花王株式会社製エマールAD-25R(有効成分含量 25重量%)を使用することができる。ドデシル硫酸アンモニウム塩の含有量は、通常、害虫防除組成物全体量に対し0.05~30重量%である。
【0010】
本発明の害虫防除用組成物にアルコール類を含有する場合、エタノール、イソプロピルアルコールなどの1価アルコールのほか、ソルビトール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコールを使用することができ、1種または2種以上使用しても良い。アルコール類の含有量は、通常、害虫防除組成物に対し0.1~85重量%である。
【0011】
本発明の害虫防除用組成物に水を含有する場合、水の含有量は、特に規定されるものではないが10重量%以上、好ましくは20重量%以上とすることが好ましい。
【0012】
本発明の害虫防除用組成物には、さらに他の成分を含有させてもよく、当該成分としては、例えば、ジョチュウギクエキス以外の害虫防除成分、他の界面活性剤、防腐剤、キレート剤、pH調整剤、香料などが挙げられる。防腐剤としては、フェノキシエタノール、メチルパラベンなどのパラベン類などが挙げられる。他の界面活性剤としては、例えばグリセリン脂
肪酸エステル、オレイン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタ
ン等のソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩などのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の金属塩、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)のナトリウム塩などのエチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)の金属塩、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムなどのグルコン酸金属塩などを挙げられる。pH調整剤としては、塩化カリウム、クエン酸、クエン酸一カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。
【0013】
本発明の害虫防除用組成物の仕様形態としては、スプレー製剤が挙げられる。例えば、スプレー製剤を害虫に直接噴霧する、あるいはスプレー製剤を予めカーペット、フロアリング、ソファなどの対象物に噴霧することにより害虫を防除する。
【0014】
本発明の害虫防除用組成物が防除対象とする害虫としては、イエバエ等のハエ類、ショウジョウバエ、チョウバエ等のコバエ類、アカイエカ、ヒトスジシマカ等の蚊類、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ類、ジョロウグモ、コガネグモ等のクモ類、ヤケヤスデ、アカヤスデ等のヤスデ類、トビズムカデ、アオズムカデ等のムカデ類、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシ等のカメムシ類、ダニ類などが挙げられる。
【実施例0015】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
〔害虫防除組成物の調製〕
表1に従い各種害虫防除組成物を調製した。なお界面活性剤については、エマールAD-25R(ラウリル硫酸アンモニウム 24重量%含有液体 花王株式会社製)およびNIKKOL SLS(ラウリル硫酸ナトリウム 粉体 日光ケミカルズ株式会社製)を用いた。また表の%は重量%のことである。
【0017】
【0018】
各種製剤について、40℃の恒温機内で1か月保管し組成物の外観を確認した。表2に結果を示す。
【0019】