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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025154166
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】ホームドア装置
(51)【国際特許分類】
   B61B 1/02 20060101AFI20251002BHJP
【FI】
B61B1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024057025
(22)【出願日】2024-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000143396
【氏名又は名称】株式会社高見沢サイバネティックス
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正博
【テーマコード(参考)】
3D101
【Fターム(参考)】
3D101AA03
3D101AA06
3D101AA13
3D101AA26
(57)【要約】
【課題】簡易な構成によって、細い物や厚みの無い物であっても戸挟みを回避することができ、且つ、可動扉間の隙間を通る風圧を低減できるホームドア装置を提供する
【解決手段】ホームドア装置3Aは、方向A1に開閉可能な一対の可動扉4,5を備える。方向A1に沿った基準線SLを設定したとき、一方の可動扉4の戸先部分41は基準線SLに対して車両C側に配置され、他方の可動扉5の戸先部分51は基準線SLに対して車両Cとは逆側に配置される。可動扉4及び5のそれぞれは、凸部43及び53のそれぞれを有する。可動扉4の凸部43の頂部44は、可動扉5の凸部53の頂部54よりも第2の架空平面P2寄りに位置する。可動扉4の凸部43は、可動扉4,5の開閉動作において可動扉5の凸部53と干渉しない位置に設けられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道駅のプラットホームに設置されるホームドア装置であって、
第1の方向に開閉可能な一対の可動扉を備え、
前記第1の方向に沿った基準線を設定したとき、前記一対の可動扉のうち一方の可動扉の戸先部分は前記基準線に対して車両側に配置され、前記一対の可動扉のうち他方の可動扉の戸先部分は前記基準線に対して車両とは逆側に配置され、
前記一方の可動扉の前記戸先部分の前記基準線側の側面を含む第1の架空平面と、前記他方の可動扉の前記戸先部分の前記基準線側の側面を含む第2の架空平面とが、前記第1の方向と交差する第2の方向に互いに離間しており、
前記一方の可動扉は、前記第1の架空平面から突出する一つの凸部、または前記第1の方向および前記第2の方向の双方と交差する第3の方向に並び前記第1の架空平面から突出する複数の凸部を有し、
前記他方の可動扉は、前記第2の架空平面から突出する一つの凸部、または前記第3の方向に並び前記第2の架空平面から突出する複数の凸部を有し、
前記一方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部の頂部は、前記他方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部の頂部よりも前記他方の可動扉の前記第2の架空平面寄りに位置し、
前記一方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部は、前記一対の可動扉の開閉動作において前記他方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部と干渉しない位置に設けられている、ホームドア装置。
【請求項2】
前記第1の方向に沿って設定される直線上における異物の存在を検出する第1の検出手段を更に備え、
前記直線は、前記第1の方向から見て、前記一方の可動扉の前記凸部と、前記第3の方向において該凸部と隣り合う前記他方の可動扉の前記凸部との間に位置する、請求項1に記載のホームドア装置。
【請求項3】
前記一対の可動扉において、前記一つの凸部または前記複数の凸部の前記頂部は合成樹脂製である、請求項1または2に記載のホームドア装置。
【請求項4】
前記一対の可動扉が完全に閉じている状態において、前記一方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部と、前記他方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部とは、前記第3の方向から見て互いに重なっている、請求項1または2に記載のホームドア装置。
【請求項5】
前記一対の可動扉をそれぞれ収納する一対の戸袋を更に備え、
前記一対の可動扉が完全に閉じている状態において、前記一方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部は、前記他方の可動扉の前記一つの凸部または前記複数の凸部に対して、前記他方の可動扉を収納する前記戸袋側に位置する、請求項1または2に記載のホームドア装置。
【請求項6】
前記一対の可動扉のうち少なくとも一方において、前記一つの凸部または前記複数の凸部は、基端部から前記頂部に向かって前記第1の方向の幅が次第に小さくなる形状を有する、請求項1または2に記載のホームドア装置。
【請求項7】
前記一対の可動扉のうち少なくとも一方において、前記一つの凸部または前記複数の凸部は、基端部から前記頂部に向かって前記第1の方向の幅が一定である形状を有する、請求項1または2に記載のホームドア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームドア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~5は、鉄道駅のプラットホーム上に設置されるホームドアに関する技術を開示する。特許文献1,2に記載の技術では、ドア閉じ完了後、戸先センサの感知範囲外の支障物がドアに挾まったときに、支障物を動かすこと等によって戸先センサに支障物を感知させる。続いて、ドアロックを解錠することなく、ドアを支障物がドアに挾まった状態から開放可能な一定距離にリオープンし、リオープン後、ドアを再度閉じる。特許文献3に記載の技術では、左右一対のホームドアの各々の対向辺に沿って、一対のホームドアが閉じた時に線路側とホーム側のうちの少なくとも一方に開く戸先ゴムローラ等の辺機構部を設ける。特許文献4に記載の技術では、左右一対の可動扉のうち一方の可動扉が、この一方の可動扉を格納する戸袋と当接するストッパー機構を有する。この一方の可動扉への押付トルクは、他方の可動扉への押付トルクよりも大きい。
【0003】
特許文献5に記載の技術では、基準線に対して、一方の可動扉の戸先部分が車両側に配置され、他方の可動扉の戸先部分が車両とは逆側に配置される。一方の可動扉の戸先部分の基準線側の側面を含む架空平面と、他方の可動扉の戸先部分の基準線側の側面を含む架空平面とは、互いに離間している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-137087号公報
【特許文献2】特開2003-137086号公報
【特許文献3】特開2010-007456号公報
【特許文献4】特開2012-096768号公報
【特許文献5】特開2015-080952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、駅のプラットホームには、プラットホーム上からの乗降客の落下や列車との接触を防ぐため、開閉可能な両開きの扉を備えるホームドア装置(可動式ホーム柵とも言われている)が、車両の乗降口に対応する位置に設置されている。このようなホームドア装置では、扉が閉じられる際に乗客や物が挟み込まれる、いわゆる戸挟みに対する対策を施す必要がある。一例として、戸挟みが生じた際に、扉の戸先部分に設置されたセンサにより扉位置の異常を検知する方式、扉を作動させるモータへの負荷を検知してモータを反転動作若しくは停止させる方式、戸先部分を可動構造とする方式などが考えられる。
【0006】
しかしながら、扉位置の異常を検知する方式及びモータへの負荷を検知する方式では、指、傘先、バッグの紐部分などの細い物や厚みの無い物が挟み込まれた場合、異常を検知することができないおそれがある。異常判定の基準値を厳しくすると、誤動作の原因となる。更に、扉の戸先部分にセンサを配置すると、扉が閉じる際の衝撃によってセンサが故障する等、耐久性に問題が生じる。また、戸先部分を可動構造とする方式では、扉の構造が複雑になり、信頼性の低下やコストの増加を招いてしまう。
【0007】
そこで、特許文献5に記載されているように、一対の可動扉を互い違いに配置し、一対の可動扉の戸先部分を、可動扉の厚み方向に互いに間隔をあけて配置することが考えられる。これにより、簡易な構成によって、細い物や厚みの無い物であっても戸挟みを回避することができる。
【0008】
しかしながら、そのように一対の可動扉を互い違いに配置して戸先部分間に隙間を設けると、列車進入時の列車風による風圧がその隙間を通ってホーム側(すなわち車両とは逆側)に逃げ、ホーム上にいる乗客がその風圧を受けてしまう。また、その風圧によって可動扉に振動が生じるという問題もある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、簡易な構成によって、細い物や厚みの無い物であっても戸挟みを回避することができ、且つ、可動扉間の隙間を通る風圧を低減できるホームドア装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、[1]本発明によるホームドア装置は、鉄道駅のプラットホームに設置されるホームドア装置であって、第1の方向に開閉可能な一対の可動扉を備え、第1の方向に沿った基準線を設定したとき、一対の可動扉のうち一方の可動扉の戸先部分は基準線に対して車両側に配置され、一対の可動扉のうち他方の可動扉の戸先部分は基準線に対して車両とは逆側に配置され、一方の可動扉の戸先部分の基準線側の側面を含む第1の架空平面と、他方の可動扉の戸先部分の基準線側の側面を含む第2の架空平面とが、第1の方向と交差する第2の方向に互いに離間しており、一方の可動扉は、第1の架空平面から突出する一つの凸部、または第1の方向および第2の方向の双方と交差する第3の方向に並び第1の架空平面から突出する複数の凸部を有し、他方の可動扉は、第2の架空平面から突出する一つの凸部、または第3の方向に並び第2の架空平面から突出する複数の凸部を有し、一方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部の頂部は、他方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部の頂部よりも他方の可動扉の第2の架空平面寄りに位置し、一方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部は、一対の可動扉の開閉動作において他方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部と干渉しない位置に設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記[1]のホームドア装置では、一対の可動扉の戸先部分が、基準線に対して車両側及び車両とは逆側にそれぞれ配置されている。言い換えれば、これらの戸先部分は、基準線と交差する方向に互い違いに並んで配置されている。そして、これらの戸先部分の側面同士が、第2の方向すなわち開閉方向と交差する方向に互いに離間している。このような構成によれば、可動扉同士が完全に閉じた状態であってもそれらの戸先部分の間に隙間が必ず生じるので、細い物や厚みの無い物の戸挟みを回避することができる。また、前述した種々の方式と比較して、簡易な構成によって実現することができる。
【0012】
加えて、上記[1]のホームドア装置では、一対の可動扉それぞれが、第1の架空平面及び第2の架空平面それぞれから突出する一つの凸部、または第3の方向に並び第1の架空平面及び第2の架空平面それぞれから突出する複数の凸部を有する。そして、一方の可動扉の凸部の頂部は、他方の可動扉の凸部の頂部よりも他方の可動扉の第2の架空平面寄りに位置する。一対の可動扉の隙間にこのような凸部が設けられることによって、可動扉間の隙間を狭くし、可動扉間の隙間を通る風圧を低減できる。加えて、一方の可動扉の凸部が、一対の可動扉の開閉動作において他方の可動扉の凸部と干渉しない位置に設けられることにより、一対の可動扉の開閉動作を凸部が妨げることを回避することができる。
【0013】
[2]上記[1]のホームドア装置は、第1の方向に沿って設定される直線上における異物の存在を検出する第1の検出手段を更に備え、直線は、第1の方向から見て、一方の可動扉の凸部と、第3の方向において該凸部と隣り合う他方の可動扉の凸部との間に位置してもよい。これより、可動扉が閉じられる際の戸挟みを好適に検出することができる。また、第1の検出手段として、例えばレーザ光を用いて異物を検知するタイプのセンサを用いることができる。
【0014】
[3]上記[1]または[2]のホームドア装置の一対の可動扉において、一つの凸部または複数の凸部の頂部は合成樹脂製であってもよい。これにより、車両からの風圧によって可動扉が振動して一方の可動扉の凸部が他方の可動扉に接触したときに凸部の頂部が緩衝となり、異音の発生を低減できる。加えて、一方の可動扉の凸部の頂部と他方の可動扉との間に挟まった異物を容易に引き抜くことができる。
【0015】
[4]上記[1]~[3]のホームドア装置の一対の可動扉が完全に閉じている状態において、一方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部と、他方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部とは、第3の方向から見て互いに重なっていてもよい。この場合、可動扉間の隙間をより狭くし、可動扉間の隙間を通る風圧を更に低減できる。
【0016】
[5]上記[1]~[3]のホームドア装置は、一対の可動扉をそれぞれ収納する一対の戸袋を更に備え、一対の可動扉が完全に閉じている状態において、一方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部は、他方の可動扉の一つの凸部または複数の凸部に対して、他方の可動扉を収納する戸袋側に位置してもよい。この場合、可動扉のストローク調整を不要にできる。従って、予めストロークを調整すること、及びストローク調整のために部品を変更すること等が必要なくなり、生産効率を高めることができる。
【0017】
[6]上記[1]~[5]のホームドア装置の一対の可動扉のうち少なくとも一方において、一つの凸部または複数の凸部は、基端部から頂部に向かって第1の方向の幅が次第に小さくなる形状を有してもよい。これにより、凸部において頂部とは反対側の基端部の機械的強度を高めることができる。
【0018】
[7]上記[1]~[5]のホームドア装置の一対の可動扉のうち少なくとも一方において、一つの凸部または複数の凸部は、基端部から頂部に向かって第1の方向の幅が一定である形状を有してもよい。これにより、凸部の形状を単純にして製造を容易にすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるホームドア装置によれば、簡易な構成によって、細い物や厚みの無い物であっても戸挟みを回避することができ、且つ、可動扉間の隙間を通る風圧を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るホームドア装置を複数備えるホームドアシステム1の構成を示す平断面図である。
図2図2は、図1に示されるホームドアシステムの構成を示す正面図である。
図3図3は、プラットホーム側から見たホームドアシステムの構成を示す斜視図である。
図4図4は、軌道側から見たホームドアシステムの構成を示す斜視図である。
図5図5は、ホームドア装置の構成を示す上面図である。
図6図6(a)は、重なり長さD1が大きい場合の模式図である。図6(b)は、ホームドア用戸袋の設置位置を変更することによって重なり長さを小さくした場合の模式図である。
図7図7は、凸部の具体例を示す図である。
図8図8は、凸部の具体例を示す図である。
図9図9は、凸部の具体例を示す図である。
図10図10は、一変形例を示す図であって、凸部を含む可動扉の斜視図である。
図11図11は、一変形例を示す図であって、凸部の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら本発明によるホームドア装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るホームドア装置3Aを複数備えるホームドアシステム1の構成を示す平断面図である。図2は、図1に示されるホームドアシステム1の構成を示す正面図である。図1及び図2は、車両CがプラットホームPに停車した状態を示している。図3は、プラットホームP側から見たホームドアシステム1の構成を示す斜視図である。図4は、軌道側から見たホームドアシステム1の構成を示す斜視図である。なお、図1図4においては、後述する凸部の図示を省略している。
【0023】
図1図4に示されるように、ホームドアシステム1は、複数のホームドア装置3Aを備えている。複数のホームドア装置3Aは、鉄道駅のプラットホームPの縁部付近において、車両Cの乗客用の乗降口E1に対応する位置にそれぞれ設置されている。各ホームドア装置3Aは、両開きのスライド式ドアであり、一対の可動扉4及び5と、可動扉4及び5をそれぞれ収納可能なホームドア用戸袋31及び32とを備えている。可動扉4及び5は、図示しない駆動機構により、ホームドア用戸袋31及び32にそれぞれ収納された位置とホームドア用戸袋31及び32からそれぞれ引き出された位置との間を往復動する。一対の可動扉4及び5は、互いに対向する向きに移動して引き出されることにより乗客の乗降通路を閉じ、互いに反対の向きに移動してホームドア用戸袋31及び32にそれぞれ収納されることにより上記乗降通路を開く。ホームドア用戸袋31及び32は、可動扉4,5を駆動する駆動機構、可動扉4,5の閉状態を検出する扉開閉検知器、及び車両C側の障害物を検知する支障物センサ38(図4を参照)を備える。
【0024】
また、ホームドアシステム1は、乗務員ドア7と、乗務員ドア用戸袋9とを更に備えている。乗務員ドア7は、乗客用の乗降口E1及びホームドア装置3Aとは異なる位置に設けられている。乗務員ドア7及び乗務員ドア用戸袋9は車両Cの乗務員室に乗り降りする乗務員が通る乗降通路を開閉するための乗務員ドア及び乗務員ドア用戸袋であり、乗務員室及び乗務員用の乗降口E2に対して設けられている。また、ホームドアシステム1は、非常用脱出ドア10と、非常用脱出ドア用戸袋12とを更に備えている。非常用脱出ドア10は、ホームドア装置3Aの位置と車両Cの乗降口E1とが一致しない状態で車両Cが停止(例えば災害、電源オフ、停電、事故等による緊急停止)をしたときに、乗客が車両Cから脱出するために設けられている。
【0025】
図5は、ホームドア装置3Aの構成を示す上面図である。図5に示されるように、ホームドア装置3Aの可動扉4及び5は、プラットホームPの端縁部に沿った方向A1(第1の方向)に沿って往復動して開閉可能となっている。そして、可動扉4及び5が閉じられた状態において、一方の可動扉4の戸先部分41は、方向A1に沿った基準線SLに対して車両C(図1を参照)側に配置されており、他方の可動扉5の戸先部分51は、基準線SLに対して車両Cとは逆側(反対側)に配置されている。言い換えれば、これらの戸先部分41,51は、基準線SLと交差する方向(例えば方向A2)に互い違いに並んで配置されている。なお、本実施形態では、可動扉4及び5が閉じられた状態において、戸先部分41を含む可動扉4の全体が基準線SLに対して車両C側に配置されており、戸先部分51を含む可動扉5の全体が基準線SLに対して車両Cとは逆側(反対側)に配置されている。
【0026】
ここで、戸先部分41の基準線SL側の側面41aを含む第1の架空平面P1と、戸先部分51の基準線SL側の側面51aを含む第2の架空平面P2とをそれぞれ定義する。可動扉4及び5が閉じられた状態において、架空平面P1と架空平面P2とは、方向A1と交差する方向(例えば方向A2)に互いに離間している。従って、図5に示されるように、方向A1から見て戸先部分41と戸先部分51との間の領域は隙間Bとなっている。なお、本実施形態では、側面41aを含む可動扉4の基準線SL側の側面全体が架空平面P1に含まれており、側面51aを含む可動扉5の基準線SL側の側面全体が架空平面P2に含まれている。
【0027】
また、可動扉4及び5が完全に閉じられた状態において、戸先部分41の先端部41bは、方向A1において戸先部分51の先端部51bよりもホームドア用戸袋32側に位置している。言い換えると、架空平面P1,P2の法線方向(すなわち方向A2)から見て、可動扉4及び5の各一部は互いに重なっている。そして、可動扉4及び5は、可動扉4及び5が閉じている状態において互いに対向する対向面42及び52をそれぞれ有する。対向面42及び52は、平坦であってもよいし、凹凸を有してもよい。
【0028】
図5には、可動扉4及び5の重なり長さD1が示されている。重なり長さD1は、ホームドア装置3Aの設置や後述する凸部43,53の取り付けを容易とするために比較的大きいことが望ましい。プラットホームの形状や停車車両の扉の数などによっては、ホームドア用戸袋31,32及び可動扉4,5の方向A1における長さを変更することが必要な場合がある。しかし、重なり長さD1を大きくしておけば、同一のホームドア装置3Aを用いて、ホームドア用戸袋31,32の設置位置を変更することで対応が可能となる。図6(a)は、重なり長さD1が大きい場合の模式図である。図6(b)は、ホームドア用戸袋31,32の設置位置を変更することによって重なり長さD1を小さくし、可動扉4,5の方向A1における長さを大きく変更した場合の模式図である。或いは、ホームドア用戸袋31,32の設置位置による対応ではなく、ホームドア用戸袋31,32自体を移動させることでも対応が可能となる。何れの場合も、同一のホームドア装置3Aを利用することが可能であり、コスト削減に繋げることができる。但し、重なり長さD1は任意であってよい。
【0029】
可動扉4は、架空平面P1から架空平面P2に向けて突出する凸部43を有する。可動扉5は、架空平面P2から架空平面P1に向けて突出する凸部53を有する。図7図9は、凸部43及び53の具体例を示す図である。図7は、凸部43及び53を含む可動扉4及び5の斜視図である。図8は、方向A1から見たときの、凸部43及び53を含む可動扉4及び5の側面図である。図9は、凸部43及び53の上面図である。図7及び図8に示されるように、可動扉4は複数の凸部43を有し、可動扉5は複数の凸部53を有する。複数の凸部43は、方向A1および方向A2の双方と交差する方向A3(第3の方向)に沿って櫛歯状に並んでいる。同様に、複数の凸部53は、方向A3に沿って櫛歯状に並んでいる。なお、方向A3は、プラットホームPの表面と交差する(一例では、垂直な)方向である。
【0030】
可動扉4及び5が完全に閉じている状態において、可動扉4の凸部43は、可動扉5の凸部53に対して、ホームドア用戸袋32側に位置する。言い換えると、同状態において、可動扉5の凸部53は、可動扉4の凸部43に対して、ホームドア用戸袋31側に位置する。凸部43は可動扉4の戸先部分41に配置され、凸部53は可動扉5の戸先部分51に配置される。一例では、凸部43は対向面42のうちホームドア用戸袋32寄りの一端に位置し、凸部53は対向面52のうちホームドア用戸袋31寄りの一端に位置する。
【0031】
凸部43は、頂部44及び基端部45を有する(図9を参照)。凸部43の頂部44は、凸部53の頂部54よりも架空平面P2寄りに位置する。凸部53は、頂部54及び基端部55を有する。凸部53の頂部54は、凸部43の頂部44よりも架空平面P1寄りに位置する。すなわち、可動扉4及び5の開閉動作の途中に、方向A1において凸部43及び53が同じ位置に移動した際、方向A3から見ると、凸部43及び53の各一部が互いに重なる。このとき、可動扉4及び5の開閉動作に支障がないように、複数の凸部43と複数の凸部53とは、互いに干渉しない位置に設けられている(図8を参照)。一例では、方向A3において、凸部43と凸部53とが交互に配置されている。
【0032】
図示例では、車両C側の可動扉である可動扉4の凸部43は、基端部45から頂部44に向かって方向A1の幅が一定である形状を有する。一方、車両Cとは反対側の可動扉である可動扉5の凸部53は、基端部55から頂部54に向かって方向A1の幅が次第に小さくなる形状を有する。但し、凸部43,53の形状はこの例に限定されない。凸部43は、基端部45から頂部44に向かって方向A1の幅が次第に小さくなる形状を有してもよい。また、凸部53は、基端部55から頂部54に向かって方向A1の幅が一定である形状を有してもよい。
【0033】
凸部43及び53のうち、少なくとも頂部44及び頂部54は合成樹脂製である。凸部43及び53の全部が合成樹脂製であってもよい。合成樹脂の例としては、例えばゴム製プラスチック等が挙げられる。
【0034】
再び図5を参照する。ホームドア装置3Aは、検出手段30(第1の検出手段)を更に備えている。検出手段30は、架空平面P1と架空平面P2との間の領域(隙間Bを含む)内において、方向A1に沿って設定される直線上に存在する異物、例えば戸挟みされた傘やバッグ、乗客等を検出する。検出手段30は一次元センサである。本実施形態では、検出手段30は、互いに対向配置された発光部33及び受光部34を有する。発光部33はホームドア用戸袋31に固定され、受光部34はホームドア用戸袋32に固定されている。或いは、受光部34がホームドア用戸袋31に固定され、発光部33がホームドア用戸袋32に固定されてもよい。発光部33は、レーザ光L1(図7及び図8を参照)を上記の直線上に出射する。受光部34は、発光部33から出射されたレーザ光L1を検出する。上記の直線、すなわちレーザ光L1の光路は、架空平面P1と架空平面P2との間の領域内に含まれる。この領域内に異物が存在すると、レーザ光L1が遮蔽されるので受光部34がレーザ光L1を検出できなくなる。このことにより、該領域内に異物が存在することが検出される。検出手段30は、例えばホームドア用戸袋31,32の扉開閉検知器が可動扉4,5の閉状態を検出したタイミングで、検知動作を開始するとよい。
【0035】
上記の直線、すなわちレーザ光L1の光路は、方向A3において複数本(図示例では2本)設定される。このため、ホームドア装置3Aは、検出手段30を複数個(本実施形態では2つ)備えている。そして、複数の発光部33はホームドア用戸袋31(または32)において方向A3に沿って並んで配置され、複数の受光部34はホームドア用戸袋32(または31)において方向A3に沿って並んで配置される。
【0036】
また、図8に示されるように、上記の直線、すなわちレーザ光L1の光路は、方向A1から見て、或る凸部43と、方向A3においてその凸部43と隣り合う一つの凸部53との間に位置する。レーザ光L1の光路が存在する箇所においては、凸部43と凸部53との間隔が、他の箇所よりも広く設けられている。
【0037】
ホームドア装置3Aは、検出手段60(第2の検出手段)を更に備えている。検出手段60は、可動扉5の両側面5a,5bのうち基準線SLとは反対側の側面5bを含む第3の架空平面P3に対して、車両Cとは逆側の領域(すなわちプラットホームPの内側の領域)内に存在する物体を検出する。検出手段60は、一次元センサ及び二次元センサの何れによって構成されてもよい。但し、検出手段60の検知領域C4は、架空平面P3に対して車両Cとは逆側の領域内に含まれる。好適には、検知領域C4が架空平面P3に沿っているとよく、また、架空平面P3に僅かな間隔をあけて近接しているとよい。
【0038】
ここで、ホームドア用戸袋31,32の車両Cとは逆側の側面31a,32aを含む架空平面P4を定義する。架空平面P4に対して車両Cとは逆側(プラットホームP側)の領域には、乗客の通行の妨げとなるような突起物が設けられないことが望ましい。従って、検出手段60は、架空平面P4に対して車両C側の領域に配置されていることが好ましい。
【0039】
ホームドア装置3Aは、案内手段35を更に備えている。案内手段35は、例えば発光体、表示画面、及びスピーカーのうち少なくとも一つを含んで構成される。案内手段35は、検出手段30が異物を検出した場合に、光、音(音声による案内を含む)、及び画像(文字や絵の表示)のうち少なくとも一つを出力することにより、異物が検出されたことを乗客等に知らせる。
【0040】
以上の構成を備える本実施形態のホームドア装置3Aによって得られる効果について説明する。このホームドア装置3Aでは、一対の可動扉4,5の戸先部分41,51が、基準線SLに対して車両C側及び車両Cとは逆側にそれぞれ配置されている。そして、これらの戸先部分41,51の側面41a,51a同士が、方向A1(すなわち開閉方向)と交差する方向A2(第2の方向)において互いに離間している。このような構成によれば、可動扉4,5同士が完全に閉じた状態であってもそれらの戸先部分41,51の間に隙間Bが必ず生じるので、細い物や厚みの無い物の戸挟みを回避することができる。また、[発明が解決しようとする課題]欄で述べた種々の方式と比較して、戸挟みの回避が可能なホームドア装置をより簡易な構成によって実現することができる。そして、ホームドア装置を簡易な構成とすることにより、ホームドア装置をプラットホーム上に設置する際の作業を容易にし、設置に要する時間を短縮することができる。
【0041】
なお、一般のホームドア装置(例えば特許文献1~4を参照)のように一対の可動扉を一直線上に配置する場合であっても、戸先部分同士に隙間をあけることは可能である。しかしながら、本実施形態のホームドア装置3Aによれば、乗客側すなわち方向A2から見た戸先部分41の先端部41bと戸先部分51の先端部51bとの間隔を狭くすることができるので、乗客の安全性を十分に担保しつつ、戸挟みを回避するための隙間Bの幅を十分に確保することができる。
【0042】
また、本実施形態のホームドア装置3Aによれば、戸先部分41,51が互いに当接しないので、可動扉4と可動扉5との相対的な高さや傾き、或いは扉開閉検知器の検知基準値などを厳密に調整する必要がなく、いわゆる戸当り合わせ(扉の合わせ調整)を容易にできる。従来においては、閉動作時の戸先部分同士の衝突音の回避のため、両扉間に例えば数ミリ程度の隙間が開くように調整がなされている。この調整は、扉を駆動するモータ、モータの駆動力を扉に伝達するベルト、扉開閉検知器を構成するセンサ、及び扉本体の寸法誤差といった構成部品の個体差、並びに、設置条件、設置環境、及び周囲温度の違いによって必要となる。本実施形態のホームドア装置3Aによれば、そのような調整を不要とすることができる。
【0043】
また、本実施形態のホームドア装置3Aによれば、列車が通過する際に、可動扉4の複数の凸部43の間の凹部と可動扉5との間、及び、可動扉5の複数の凸部53の間の凹部と可動扉4との間を風が抜けるので、列車からの風圧によりホームドア装置及びその土台部分にかかる負荷を低減し、ホームドア装置の耐久性を高めることができる。
【0044】
加えて、このホームドア装置3Aでは、可動扉4及び5それぞれが、架空平面P1,P2それぞれから突出する凸部43,53それぞれを有する。そして、一方の可動扉4の凸部43の頂部44は、他方の可動扉5の凸部53の頂部54よりも架空平面P2寄りに位置する。可動扉4及び5の隙間にこのような凸部43,53が設けられることによって、可動扉4,5間の隙間を狭くし、可動扉4,5間の隙間を通る風圧を低減できる。加えて、可動扉4の凸部43と可動扉5の凸部53とが、可動扉4及び5の開閉動作において互いに干渉しない位置に設けられているので、可動扉4及び5の開閉動作を凸部43,53が妨げることを回避することができる。更に、凸部43,53によって、プラットホームP上の乗客から見て可動扉4及び5の間の隙間が見えにくくなるので、乗客の安全性を十分に担保しつつ、戸挟みを回避するための隙間の幅を確保することができる。
【0045】
なお、本実施形態では、可動扉4が複数の凸部43を有し、可動扉5が複数の凸部53を有する構成を例示したが、凸部43及び凸部53の少なくとも一方は一つのみ設けられてもよい。そのような場合であっても、上記の効果を奏することができる。
【0046】
本実施形態のように、ホームドア装置3Aは、方向A1に沿って設定される直線上における異物の存在を検出する検出手段30を更に備え、該直線は、方向A1から見て、一方の可動扉4の凸部43と、方向A3において該凸部43と隣り合う可動扉5の凸部53と、の間に位置してもよい。これより、可動扉4,5が閉じられる際の戸挟みを好適に検出することができる。そして、可動扉4,5の閉動作の中断、或いは戸挟みに対する警告等によって、戸挟みの発生を効果的に回避することができる。また、検出手段30として、例えばレーザ光L1を用いて異物を検知するタイプのセンサを用いることができる。
【0047】
例えば、戸挟みされた物がプラットホームP側にいる乗客の持ち物(傘、バッグなど)である場合には、強引に抜き取るか、または次の列車が来て可動扉4,5が再び開くまで待つことも可能である。しかしながら、車両Cに既に乗り込んだ乗客の持ち物が可動扉4,5に挟まれた場合には、必然的に車両Cの乗降口の扉にも挟まるので、抜き取ることは容易ではない。特許文献1,2に記載された装置では、そのような場合であっても、戸先センサが検知可能な幅を有する持ち物であれば扉を開くことができる。しかし、戸先センサが検知出来ないような細い持ち物であれば、そのまま車両Cが動き出すおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、検出手段30が設けられることにより、持ち物の幅(太さ)にかかわらず、戸挟みの発生を効果的に回避することができる。特に、レーザ光L1の光路範囲の調整が容易であるため、比較的細い異物(指、傘先、バックの紐部分など)を検出し易くなる。
【0048】
本実施形態のように、可動扉4及び5において、凸部43,53の頂部44,54は合成樹脂製であってもよい。これにより、車両Cからの風圧によって可動扉4,5が振動して、可動扉4の凸部43が可動扉5に接触したとき、或いは、可動扉5の凸部53が可動扉4に接触したときに、頂部44または頂部54が緩衝となり、異音の発生を低減できる。加えて、可動扉4の凸部43の頂部44と可動扉5との間に挟まった異物を容易に引き抜くことができる。また、頂部44,54が破損した場合でも、合成樹脂製であれば容易に交換でき、列車の運行の支障時間を最小限にすることができる。
【0049】
本実施形態のように、可動扉4及び5が完全に閉じている状態において、可動扉4の凸部43は、可動扉5の凸部53に対して、可動扉5を収納するホームドア用戸袋32側に位置してもよい。この場合、可動扉4及び5のストローク調整を不要にできる。従って、予めストロークを調整すること、及びストローク調整のために部品を変更すること等が必要なくなり、生産効率を高めることができる。
【0050】
本実施形態のように、凸部43及び53のうち少なくとも一方は、基端部45(55)から頂部44(54)に向かって方向A1の幅が次第に小さくなる形状を有してもよい。これにより、凸部43及び53のうち少なくとも一方において、頂部44(54)とは反対側の基端部45(55)の機械的強度を高めることができる。
【0051】
本実施形態のように、凸部43及び53のうち少なくとも一方は、基端部45(55)から頂部44(54)に向かって方向A1の幅が一定である形状を有してもよい。これにより、凸部43及び53のうち少なくとも一方の形状を単純にして、製造を容易にすることができる。
【0052】
本実施形態のように、ホームドア装置3Aは、検出手段60を備えてもよい。これにより、可動扉4のみでなく、可動扉5(すなわち基準線SLに対してプラットホームP側の可動扉)への乗客の寄り掛かりや可動扉5側のホームドア用戸袋32への巻き込みの防止を図ることができる。
【0053】
また、本実施形態のように、ホームドア装置3Aは、検出手段30が異物を検出した場合に、光及び音の少なくとも一方を用いて乗客に知らせる案内手段35を備えてもよい。これにより、乗客に注意を促し、より効果的に事故を防ぐことができる。
【0054】
(変形例)
図10及び図11は、上記実施形態の一変形例を示す図である。図10は、凸部43及び53を含む可動扉4及び5の斜視図である。図11は、凸部43及び53の上面図である。本変形例において、可動扉4は、複数の凸部43が一体化されてなる部材46を含む。部材46は可動扉4の先端に配置されている。可動扉5は、複数の凸部53が一体化されてなる部材56を含む。部材56は可動扉5の先端に配置されている。これにより、部材46が可動扉4の先端部41bを構成し、部材56が可動扉5の先端部51bを構成する。本変形例においても、凸部43は架空平面P1から架空平面P2に向けて突出しており、凸部53は架空平面P2から架空平面P1に向けて突出している。更に、可動扉4及び5が完全に閉じている状態において、一方の可動扉4の凸部43と、他方の可動扉5の凸部53とは、方向A3から見て互いに重なっている。この場合、可動扉4,5間の隙間をより狭くし、可動扉4,5間の隙間を通る風圧を更に低減できる。なお、本変形例のように、凸部43及び53それぞれは、方向A1における可動扉4及び5それぞれの先端部に位置してもよい。上記実施形態において図5に示された重なり長さD1の最小値は、本変形例のように、各戸先部分41,51の先端において凸部43,53が互いに重なる場合となる。
【0055】
本発明によるホームドア装置は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、一対の可動扉の凸部の形状は、上記実施形態及び変形例において示された形状に限定されない。
【0056】
また、上記実施形態及び変形例では、乗客側から見て右側の可動扉4が基準線SLに対して車両C側に配置され、乗客側から見て左側の可動扉5が基準線SLに対して車両Cとは逆側に配置されているが、左側の可動扉が基準線SLに対して車両C側に配置され、右側の可動扉が基準線SLに対して車両Cとは逆側に配置されてもよい。また、本発明のホームドア装置は、第1、第2の検出手段及び案内手段に対して上位の制御装置を更に備えても良い。第1、第2の検出手段が物体を検出した場合に制御装置へ検出信号を送信し、また、制御装置にて検出信号のコントロールを行い、案内手段に指示することにより、第1、第2の検出手段及び案内手段の動作を好適に制御することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…ホームドアシステム、3A…ホームドア装置、4,5…可動扉、5a,5b…側面、7…乗務員ドア、9…乗務員ドア用戸袋、10…非常用脱出ドア、12…非常用脱出ドア用戸袋、30…検出手段(第1の検出手段)、31,32…ホームドア用戸袋、31a,32a…側面、33…発光部、34…受光部、35…案内手段、38…支障物センサ、41,51…戸先部分、41a,51a…側面、41b,51b…先端部、42,52…対向面、43,53…凸部、44,54…頂部、45,55…基端部、46,56…部材、60…検出手段(第2の検出手段)、A1…方向(第1の方向)、A2…方向(第2の方向)、A3…方向(第3の方向)、B…隙間、C…車両、C4…検知領域、E1,E2…乗降口、L1…レーザ光、P…プラットホーム、P1,P2,P3,P4…架空平面、SL…基準線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11